(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】含ホウ素環式放出性化合物及びそれを含む色変換フィルム
(51)【国際特許分類】
C09K 11/06 20060101AFI20240216BHJP
C07F 5/02 20060101ALI20240216BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20240216BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240216BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
C09K11/06
C09K11/06 660
C07F5/02 D CSP
C07D519/00
G02B5/20
G09F9/00 336E
G09F9/00 324
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023545964
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 US2022017331
(87)【国際公開番号】W WO2022178427
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003845
【氏名又は名称】弁理士法人籾井特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シジュン
(72)【発明者】
【氏名】ハンメーカー、ジェフリー、アール.
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ポン
(72)【発明者】
【氏名】サジョートー、 ティッサ
(72)【発明者】
【氏名】カイ、ジェ
(72)【発明者】
【氏名】北原 勇
(72)【発明者】
【氏名】ルー、ヘップ
【テーマコード(参考)】
2H148
4C072
4H048
5G435
【Fターム(参考)】
2H148AA00
2H148AA05
2H148AA09
4C072MM08
4C072UU05
4H048AA01
4H048AA03
4H048AB92
4H048VA75
4H048VB10
5G435AA04
5G435AA17
5G435EE25
5G435HH06
(57)【要約】
本開示は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体に共有結合したBODIPY部分を含む新規なフォトルミネッセンス錯体、及び色変換フィルム、それを使用するバックライトユニットに関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトルミネッセンス錯体であって、
青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体と、
非置換エステル又は置換エステルであるリンカー複合体と、
ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分と、
を含み、
前記リンカー複合体が、前記キサンテノイソキノリン誘導体及び前記BODIPY部分を共有結合し、前記フォトルミネッセンス錯体が、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出し、前記フォトルミネッセンス錯体が、80%を超える放出量子収率を有する、フォトルミネッセンス錯体。
【請求項2】
前記キサンテノイソキノリン誘導体が一般式:
【化1】
(式中、R
0及びR
10は、独立して、水素原子(H)、C
1~C
4アルキル基、又は任意に置換されたアリール基である)のものである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項3】
前記BODIPY部分が一般式:
【化2】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は、独立して、水素原子(H)、C
1~C
3アルキル基、任意に置換されたアリール基又はエーテル基であり、
R
7、R
8、及びR
9は、独立して、水素(H)、メチル基(-CH
3)、又は-Clであり、
L
1及びL
2は前記リンカー複合体である)のものである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項4】
R
3及びR
4が任意に置換されたアリール基を含む、請求項3に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項5】
前記任意に置換されたアリール基がフェニル、又は、
【化3】
(式中、R
11はC
1~C
8アルキルである)である、請求項4に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項6】
前記任意に置換されたアリール基が、
【化4】
である、請求項5に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項7】
R
1及びR
6が、
【化5】
である、請求項1、2、3、4、5、又は6に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項8】
前記リンカー複合体が、
【化6】
である、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項9】
前記リンカー複合体が、
【化7】
である、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項10】
前記リンカー複合体が、
【化8】
(式中、nは1、2又は3である)である、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項11】
前記リンカー複合体が、
【化9】
(式中、nは2、3、4又は5である)である、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項12】
前記リンカー複合体が、
【化10】
である、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項13】
前記フォトルミネッセンス錯体が、以下の構造:
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
又はそれらの組み合わせのうちの1つである、請求項1に記載のフォトルミネッセンス錯体。
【請求項14】
色変換フィルムであって、
透明基材層と、
樹脂マトリックスを含む色変換層と、
前記樹脂マトリックス内に分散された請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、又は13に記載のフォトルミネッセンス錯体と、
を含む、色変換フィルム。
【請求項15】
前記フィルムが約10μm~200μmの厚さを有する、請求項14に記載の色変換フィルム。
【請求項16】
前記フィルムが、約400nm~約480nmの波長範囲の光を吸収し、575nm~約645nmの波長範囲の光を放出する、請求項14に記載の色変換フィルム。
【請求項17】
請求項14、15又は16に記載の色変換フィルムを作製する方法であって、
フォトルミネッセンス錯体及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解させることと、
透明基材の対置表面の一方に前記混合物を塗布することと、
を含む、方法。
【請求項18】
請求項14、15、又は16に記載の色変換フィルムを含むバックライトユニット。
【請求項19】
請求項18に記載のバックライトユニットを含むディスプレイデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2021年2月22日に出願された米国仮特許出願第63/152,301号に対する優先権を主張し、その全体が引用することにより本明細書の一部をなす。
【背景技術】
【0002】
色再現において、ガマット、すなわち色域は、テレビ又はモニター等のデバイスにおいて利用可能な色の或る特定の完全なサブセットである。例えば、純粋なスペクトル原色を使用することにより実現される広色域の色空間であるAdobe(商標)Red Green Blue(RGB)は、より広い色域を提供し、ディスプレイを通して見た可視色のより現実的な表現をもたらすのに開発された。より広色域を提供し得るデバイスにより、ディスプレイがより鮮やかな色を描写することが可能となり得ると考えられている。
【0003】
高精細度大画面ディスプレイが一般的になるにつれ、より高性能で、より薄く高機能なディスプレイに対する需要が高まっている。現在の発光ダイオード(LED)は、青色光源が緑色蛍光体、赤色蛍光体、又は黄色蛍光体を励起して白色光源を得ることによって得られる。しかしながら、現在の緑色蛍光体及び赤色蛍光体の放出ピークの半値全幅(FWHM)は非常に大きく、通常40nmを超えることから、緑色スペクトルと赤色スペクトルとが重なり、互いに完全に区別することができない演色がもたらされる。この重なりは低い演色性及び色域の低下につながる。
【0004】
色域の低下を補正するために、量子ドットを含むフィルムをLEDと組み合わせて使用する方法が開発された。しかしながら、量子ドットの使用には問題がある。第一に、カドミウムベースの量子ドットは極めて毒性が高く、健康安全性の問題のため多くの国々で使用が禁止されている。第二に、非カドミウムベースの量子ドットは、青色LED光を緑色光及び赤色光に変換する効率が非常に低い。第三に、量子ドットは湿気及び酸素から保護するのに高価な封入プロセスを必要とする。最後に、量子ドットを使用するコストは、製造プロセスの間にサイズの均一性を制御することが難しいため高くなる。
【0005】
したがって、色変換フィルム、バックライトユニット、及びディスプレイデバイスにおける性能を改善する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0006】
本明細書において記載されるフォトルミネッセンス錯体を使用して、テレビ、コンピューターモニター、スマートデバイス、及びカラーディスプレイを利用するあらゆる他のデバイスにおける識別可能な色間のコントラストを改善することができる。本開示のフォトルミネッセンス錯体は、良好な青色光吸収及び狭い放出帯域幅を有し、40nm未満の放出帯域の半値全幅(FWHM)を有する新規の色変換染料錯体を提供する。幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、第1の波長の光を吸収して、第1の波長よりも高い第2の波長の光を放出する。本明細書において開示されるフォトルミネッセンス錯体は、発光装置において使用される色変換フィルムで利用され得る。本開示の色変換フィルムは、色スペクトル内の重なりを減らすことによって色の劣化を減らすことから、高品質の演色性がもたらされる。
【0007】
幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体を含み、該フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体と、任意に置換されたエステル又は任意に置換されたエーテルを含むリンカー複合体と、ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分とを含み得る。幾つかの実施の形態においては、リンカー複合体は、キサンテノイソキノリン誘導体をBODIPY部分に共有結合させることができる。幾つかの実施の形態においては、キサンテノイソキノリン誘導体は、第1の励起波長の光を吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させる。幾つかの実施の形態においては、BODIPY部分は、キサンテノイソキノリン誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出する。幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、80%を超える放出量子収率を有する。
【0008】
幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、最大40nmの半値全幅(FWHM)を有する放出帯域を有し得る。
【0009】
幾つかの実施の形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、ストークスシフト、すなわち、青色光吸収部分の励起ピークとBODIPY部分の放出ピークとの間の差である、45nm以上のストークスシフトを有し得る。
【0010】
幾つかの実施の形態においては、キサンテノイソキノリン誘導体は、以下の一般式:
【化1】
(式中、R
0及びR
10は、独立して、水素(H)、C
1~C
4アルキル基、又は任意に置換されたアリール基であり得る)のものであり得る。
【0011】
幾つかの実施の形態においては、BODIPY部分は、以下の一般式:
【化2】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は、独立して、水素原子(H)、C
1~C
3アルキル基、任意に置換されたアリール基又はエーテル基から選択される)のものであり得る。幾つかの実施の形態においては、R
7、R
8、及びR
9は、独立して、水素原子(H)、メチル基(-CH
3)、又は-Clから選択され得る。
【0012】
幾つかの実施の形態は、色変換フィルムを含む。幾つかの例においては、該色変換フィルムは、樹脂マトリックスを含む色変換層と、樹脂マトリックス内に分散された、本明細書に記載される少なくとも1つのフォトルミネッセンス錯体とを含み得る。幾つかの実施の形態においては、色変換フィルムは、約1μmから約200μmの間の厚さを有し得る。幾つかの実施の形態においては、本開示の色変換フィルムは、約400nmから約480nmの波長範囲の青色光を吸収し、約510nmから約560nmの波長範囲の光を放出することができる。別の実施の形態においては、約400nmから約480nmの波長範囲の青色光を吸収し、約575nmから約645nmの波長範囲の光を放出することができる色変換フィルムを含む。幾つかの実施の形態においては、色変換フィルムは、透明基材層を更に備え得る。幾つかの実施の形態においては、透明基材層は2つの対置表面を備え、色変換層は対置表面の一方に配置される。
【0013】
幾つかの実施の形態は、色変換フィルムを作製する方法を含む。幾つかの実施の形態においては、方法は、前述のフォトルミネッセンス錯体とバインダー樹脂を溶媒中に溶解させることと、透明基材の対置表面の一方に混合物を塗布することとを含む。
【0014】
幾つかの実施の形態は、本明細書に記載の色変換フィルムを備えるバックライトユニットを含む。
【0015】
幾つかの実施の形態は、本明細書に記載のバックライトユニットを備えるディスプレイデバイスを含む。
【0016】
本出願は、優れた色域及び発光特性を有するフォトルミネッセンス錯体、該フォトルミネッセンス錯体を使用して色変換フィルムを製造する方法、並びに該色変換フィルムを備えるバックライトユニットを提供する。これらの実施形態及びその他の実施形態を、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】フォトルミネッセンス錯体(PLC-1)の一実施形態の吸収及び放出のスペクトルを示すグラフである。
【
図2】フォトルミネッセンス錯体(PLC-2)の一実施形態の吸収及び放出のスペクトルを示すグラフである。
【
図3】フォトルミネッセンス錯体(PLC-4)の一実施形態の吸収及び放出のスペクトルを示すグラフである。
【
図4】フォトルミネッセンス錯体(PLC-5)の一実施形態の吸収及び放出のスペクトルを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、色変換フィルム、バックライトユニット、及びディスプレイデバイスに使用されるフォトルミネッセンス化合物及び錯体に関する。
【0019】
幾つかの実施形態においては、本開示は、フォトルミネッセンス錯体、及び色変換フィルムにおけるそれらの使用を含む。フォトルミネッセンス錯体を使用して、色変換フィルム内での1つ以上の所望の発光帯域幅の透過を改善及び増強することができる。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、所望の第1の発光帯域幅の透過を増強するとともに、第2の発光帯域幅の透過を減少させることもできる。例えば、色変換フィルムは、2つ以上の色間のコントラスト又は強度を増強し、互いの識別を高めることができる。本開示は、2つの色間のコントラスト又は強度を増強し、それらの互いの識別を高めることができるフォトルミネッセンス錯体を説明する。
【0020】
本明細書において使用される場合に、化合物又は化学構造物が「置換された」と言及される場合に、これは1つ以上の置換基を含むことができる。置換された化合物は、非置換の親構造物から誘導され、その際、親構造物上の1つ以上の水素原子は、独立して1つ以上の置換基によって置き換えられている。親構造物は、1個、2個、3個、又はそれ以上の置換基を有し得る。幾つかの実施形態においては、置換基(複数の場合もある)は、独立して、任意に置換されたアルキル、アルケニル、又はC3~C7ヘテロアルキルから選択され得る。
【0021】
アルキル部分は、分枝鎖、直鎖(すなわち、非分枝鎖)、又は環状であり得る。幾つかの実施形態においては、アルキル部分は、1個~8個の炭素原子を有し得る。本明細書で指定される化合物のアルキル基は、「C1~C8アルキル」又は同様の呼称として指定され得る。単なる例として、「C1~C8アルキル」は、アルキル鎖中に1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個又は8個の炭素原子が存在することを示し、すなわち、アルキル鎖は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、及びそれらの任意の異性体である。したがって、C1~C8アルキルは、C1~C2アルキル、C1~C3アルキル、C1~C4アルキル、C1~C5アルキル、C1~C6アルキル、C1~C7アルキル及びC1~C8アルキルを含む。アルキル基は、置換又は非置換であり得る。典型的なアルキル基としては、限定されるものではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
【0022】
本明細書において使用される場合に、「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書において定義される、1つ以上の構成炭素原子が窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子によって置き換えられたアルキル基を指す。例としては、限定するものではないが、-CH2-O-CH3、-CH2-CH2-O-CH3、-CH2-NH-CH3、-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-CH2-NH-CH3、-CH2-CH2-N(CH3)-CH3、-CH2-S-CH2-CH3、-CH2-CH2-S(O)-CH3が挙げられる。幾つかの実施形態においては、最大2個のヘテロ原子は連続していてもよく、例としては-CH2-NH-O-CH3等がある。
【0023】
「芳香族」という用語は、4n+2(ここで、nは整数である)個のπ電子を含む非局在化π電子系を有する平面環を指す。芳香族環は、5個、6個、7個、8個、9個、又は10個以上の原子から形成され得る。芳香族環は、任意に置換されている場合がある。「芳香族」という用語は、炭素環式アリール(例えば、フェニル又はナフチレニル)及び複素環式アリール(すなわち「ヘテロアリール」又は「複素芳香族」)基(例えば、ピリジン)の両方を含む。この用語は、単環式基又は縮合環多環式(すなわち、隣接する炭素原子の対を共有する環)基を含む。
【0024】
本明細書において使用される場合に、「アリール」という用語は、環を形成する原子のそれぞれが炭素原子である芳香族環を指す。アリール環は、5個、6個、7個、8個、又は9個以上の炭素原子によって形成され得る。アリール基は、置換又は非置換であり得る。アリール基の例としては、限定されるものではないが、フェニル、ナフタレニル、フェナントレニル等が挙げられる。
【0025】
「アラルキル」という用語は、本明細書において定義される、アリールで置換された、本明細書において定義される、アルキルラジカルを指す。非限定的なアラルキル基としては、ベンジル、フェネチル等が挙げられる。
【0026】
本明細書において使用される「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、及びヨウ素を指す。
【0027】
本明細書において使用される「結合」、「結合された」、「直接結合」、又は「単結合」という用語は、結合によってつなぎ合わされた原子がより大きな構造の一部であると見なされる場合の2つの原子間の又は2つの部分に対する化学結合を意味する。
【0028】
本明細書において使用される「部分」という用語は、分子の特定のセグメント又は官能基を指す。化学的部分はしばしば、分子内に埋め込まれた、又は分子に追加された化学成分と認識される。
【0029】
「エステル」という用語は、式-COOR(式中、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール、(環炭素を介して結合された)ヘテロアリール、及び(環炭素を介して結合された)複素環式部である)を有する化学的部分を指す。本明細書に記載の化合物の任意のヒドロキシル部分、又はカルボキシル部分はエステル化されてもよい。任意のエステル誘導体を調製するために任意の適切な方法又は手順を採用してもよい。
【0030】
本明細書において使用される「BODIPY」という用語は、下記式:
【化3】
を有する化学的部分を指す。
【0031】
BODIPY部分は、二置換ホウ素原子、典型的にはBF2単位と錯体形成されたジピロメテン構造物で構成され得る。BODIPYコアのIUPAC名は4,4-ジフルオロ-4-ボラ-3a,4a-ジアザ-s-インダセンである。
【0032】
本明細書において使用される場合に、「キサンテノイソキノリン」又は「キサンテノイソキノリン誘導体」又は「XI誘導体」という用語は、式:
【化4】
を有する化学的部分、例えば、1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-1,3(2H)-ジオンを指す。
【0033】
本開示は、第1の波長の光エネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出するフォトルミネッセンス錯体に関する。本開示のフォトルミネッセンス錯体は、リンカーを介して結合された吸収発光部分と放出発光部分を含み、それらの距離が、吸収発光部分がそのエネルギーをアクセプター発光部分に移動させるように最適化され、アクセプター発光部分は、次いで、吸収された第1の波長よりも大きい第2の波長でエネルギーを放出する。
【0034】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体(XI誘導体)と、リンカー複合体と、ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分とを含む。幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、キサンテノイソキノリン誘導体をBODIPY部分に共有結合させ得る。幾つかの実施形態においては、キサンテノイソキノリン誘導体は、第1の励起波長の光を吸収し、BODIPY部分にエネルギーを移動させ、次いで、BODIPY部分は、第2の波長の光エネルギーを放出し、第2の波長の光エネルギーは、第1の(吸収された)波長よりも高い。励起されたキサンテノイソキノリン誘導体からBODIPY部分へのエネルギー移動は、Forster共鳴エネルギー移動(FRET)を介して発生すると考えられる。この考えは、フォトルミネッセンス錯体の吸収/放出スペクトルによるものであり、1つは青色光吸収帯域(キサンテノイソキノリン誘導体)、もう1つはBODIPY吸収帯域にある2つの主要な吸収帯域があり、BODIPY部分の放出波長に放出帯域が1つだけある(
図1、
図2、
図3、及び
図4を参照されたい)。
【0035】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、高い放出量子収率を有し得る。幾つかの例においては、放出量子収率は、50%、60%、70%、80%、又は90%を超え得る。幾つかの実施形態においては、放出量子収率は、50%、又は55%、又は60%、又は65%、又は70%、又は75%、又は80%、又は85%、又は90%、又は95%を超え得る。放出量子収率は、放出された光子の数を吸収された光子の数で割ることによって測定することができ、これは発光部分の放出効率に等しい。幾つかの実施形態においては、吸収発光部分は、80%を超える放出量子収率を有し得る。幾つかの実施形態においては、量子収率は、0.8(80%)、0.81(81%)、0.82(82%)、0.83(83%)、0.84(84%)、0.85(85%)、0.86(86%)、0.87(87%)、0.88(88%)、0.89(89%)、0.9(90%)、0.91(91%)、0.92(92%)、0.93(93%)、0.94(94%)、又は0.95(95%)超である場合があり、最大1(100%)近くであり得る。フィルムにおける量子収率測定は、分光光度計、例えば、Quantaurus-QY分光光度計(Hamamatsu,Inc.、米国カリフォルニア州、キャンベル)によって実施され得る。
【0036】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、40nm未満の半値全幅(FWHM)を有する放出帯域を有する。FWHMは、帯域についての最大放出強度の半分である放出強度でのナノメートル単位の放出帯域の幅である。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、約35nm以下、約30nm以下、約25nm以下、又は約20nm以下の放出帯域のFWHM値を有する。
【0037】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、45nm以上のストークスシフトを有し得る。本明細書において使用される場合に、「ストークスシフト」という用語は、青色光吸収部分の励起ピークとBODIPY部分の放出ピークとの間の距離を意味する。
【0038】
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、調整可能な放出波長を有し得る。BODIPY部分に或る特定の置換基を組み込むことにより、放出波長を約610nmから約645nmの間の波長に調整することができる。
【0039】
幾つかの実施形態においては、青色光吸収部分は、約400nmから約470nmの間にピーク吸収極大波長を有してもよい。幾つかの実施形態においては、ピーク吸収波長は、約400nm~約405nm、約405nm~410nm、約410nm~415nm、約415nm~420nm、約420nm~425nm、約425nm~430nm、約430nm~435nm、約435nm~440nm、約440nm~445nm、約445nm~450nm、約450nm~455nm、約455nm~460nm、約460nm~465nm、約465nm~470nmの間、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲内の任意の波長であってもよい。
【0040】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、約610nm~約645nm、約610nm~615nm、約615nm~620nm、約620nm~625nm、約625~630nm、約630nm~635nm、約635nm~640nm、約640nm~645nm、又はこれらの値のいずれかによって制限される範囲内の任意の波長の放出ピーク波長を有することができる。
【0041】
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体と、リンカー複合体と、BODIPY部分とを含む。リンカー複合体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体と放出BODIPY部分とを共有結合させる。幾つかの実施形態においては、キサンテノイソキノリン誘導体は、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させ、BODIPY部分は、キサンテノイソキノリン誘導体からエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出する。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、80%を超える放出量子収率を有する。幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体とBODIPY部分の空間距離がリンカー複合体を介して最適化されるように構築される。幾つかの例においては、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体のエネルギーのBODIPY部分への移動は、フォトルミネッセンス錯体の量子収率を最適化するように調整され得る。
【0042】
幾つかの実施形態は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体(XI誘導体)を含み、該青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体は、以下の一般式:
【化5】
のもの、例えば、1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-1,3(2H)-ジオンであり得て、式中、R
0及びR
10は、水素原子(H)、メチル、又は任意に置換されたアリールから選択することができる。幾つかの実施形態においては、任意に置換されたアリール基は、置換されたフェニル基又はベンジル基であり得る。
【0043】
幾つかの実施形態においては、R
0及び/又はR
10の任意に置換されたアリール基を、トリフルオロメチル基で置換することができる。幾つかの実施形態においては、任意に置換されたアリールは、3,5-ビス(トリフルロメチル)フェニル:
【化6】
であり得る。
【0044】
幾つかの実施形態においては、R
0及び/又はR
10の任意に置換されたアリールは、4-トリフルロメチルフェニル:
【化7】
であり得る。
【0045】
幾つかの実施形態においては、R
0及び/又はR
10の任意に置換されたアリールは、
【化8】
であり得る。
【0046】
リンカー複合体は、青色吸収キサンテノイソキノリン誘導体をBODIPY部分と共有結合させる。幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体とBODIPY部分との間の空間距離を最適化するように調整され得る。キサンテノイソキノリン誘導体とBODIPYとの間の空間距離を最適化することにより、量子収率を最適化し得る。幾つかの実施形態においては、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体とBODIPY部分とを隔てる距離は、約8Å以上であり得る。
【0047】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体のリンカー複合体は、青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体をBODIPY部分に共有結合させる。幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、キサンテノイソキノリン誘導体とBODIPY部分との間の単結合を含み得る。
【0048】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、任意に置換されたエステル基を含んでもよい。幾つかの例においては、リンカーは、任意に置換されたエーテル基を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、任意に置換されたエステル基及び任意に置換されたエーテル基の両方を含んでもよい。幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、任意に置換されたC
2~C
7エステル基を含み得る。リンカー複合体が置換エステル基を含む場合、リンカー複合体を以下の構造:
【化9】
の中から選択することができる。
【0049】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、非置換のエステル基を含んでもよい。リンカー複合体が非置換のエステル基を含む場合、リンカー複合体は以下の構造:
【化10】
のうちの1つである。
【0050】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、任意に置換されたC
2~C
5エーテル基を含んでもよい。リンカー複合体が任意に置換されたエーテル基を含む場合、リンカー複合体は、
【化11】
(式中、nは2、3、4又は5である)であり得る。
【0051】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、
【化12】
(式中、nは1、2、又は3である)であり得る。
【0052】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、
【化13】
(式中、nは1、2、又は3である)であり得る。
【0053】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、
【化14】
(式中、nは1、2、又は3である)であり得る。
【0054】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、
【化15】
(式中、nは1、2、又は3である)であり得る。
【0055】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、
【化16】
(式中、nは1、2、又は3である)であり得る。
【0056】
幾つかの実施形態においては、リンカー複合体は、
【化17】
であり得る。
【0057】
幾つかの実施形態は、以下の一般式:
【化18】
を有するBODIPY誘導体を含む。
【0058】
幾つかの実施形態においては、R1、R2、R3、R4、R5、R6は、独立して、水素原子(H)、C1~C3アルキル基、任意に置換されたアリール基又はエーテル基から選択される。幾つかの実施形態においては、R7、R8、及びR9は、独立して、水素原子(H)、メチル基(-CH3)、又は-Clから選択され得る。
【0059】
本開示のBODIPY部分は、R
3及びR
4がそれぞれアリール基、例えばフェニル基であり得るBODIPY部分であってもよい。幾つかの実施形態においては、R
1、R
2、R
5及び/又はR
6は、独立して、水素原子(H)、置換アリール基、例えば、フェニル基(
【化19】
)、ジフェニル基(例えば、
【化20】
)及び/又はC
2~C
10アルキルエーテル基を持つジフェニル基(例えば、
【化21】
)であり得る。
【0060】
本開示のフォトルミネッセンス錯体は、以下によって表すことができ、これは例示の目的で提供され、決して限定として解釈されるべきではない:
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
又はそれらの組み合わせ。
【0061】
幾つかの実施形態は、樹脂マトリックスと、樹脂マトリックス内に分散された本明細書に記載の1つ以上のフォトルミネッセンス錯体とを含む色変換層を備える色変換フィルムを含む。
【0062】
幾つかの実施形態は、約1μm~約200μmの厚さであり得る色変換フィルムを含む。幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、約1μm~5μm、約5μm~10μm、約10μm~15μm、約1μm~20μm、約20μm~40μm、約40μm~80μm、約80μm~120μm、約120μm~160μm、約160μm~200μm、又はこれらの範囲のいずれかによって制限される範囲内の任意の厚さであり得る。
【0063】
幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、約400nmから約480nmの波長範囲の光を吸収することができ、約610nmから約645nmの波長範囲の光を放出することができる。
【0064】
幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、透明基材層を更に含み得る。透明基材層は2つの対置表面を有し、ここで、色変換層は、発光源に隣接することになる透明層の表面上に配置され、それと物理的に接触し得る。透明基材は特に限定されるものではなく、当業者であれば、適切な透明基材を選択することができるであろう。透明基材の幾つかの非限定的な例としては、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMA(ポリメチルアクリレート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、CAB(セルロースアセテートブチレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PETG(グリコール変性ポリエチレンテレフタレート)、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、COC(シクロオレフィンコポリマー)、PGA(ポリグリコリド又はポリグリコール酸)、PLA(ポリ乳酸)、PCL(ポリカプロラクトン)、PEA(ポリエチレンアジペート)、PHA(ポリヒドロキシアルカノエート)、PHBV(ポリ(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシバレレート))、PBE(ポリブチレンテレフタレート)、PTT(ポリトリメチレンテレフタレート)が挙げられる。単独又は組み合わせて、上記のいずれかの樹脂が透明基材層を備えることができる。
【0065】
幾つかの実施形態においては、透明基材は、2つの対置表面を有し得る。幾つかの実施形態においては、色変換フィルムは、対置表面の一方に配置され、それと物理的に接触し得る。幾つかの実施形態においては、色変換フィルムが配置されていない透明基材の面は、光源に隣接している場合がある。幾つかの例においては、基材は、色変換フィルムの作製の間に支持体として機能し得る。使用される基材の種類は特に限定されず、透明であり支持体として機能し得る限り、材料及び/又は厚さは限定されない。任意の適切な基材材料及び厚さを支持基材として採用してもよい。
【0066】
幾つかの実施形態は、色変換フィルムを作製する方法を含み、方法は、本明細書に記載のフォトルミネッセンス化合物、及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解することと、透明基材の表面に混合物を塗布することとを含む。
【0067】
フォトルミネッセンス錯体(複数の場合もある)とともに使用することができるバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂及びそれらの鹸化生成物、AS樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホスホン酸(PVPA)、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン、ナイロン、セルロース樹脂、並びに酢酸セルロース樹脂等の樹脂が挙げられる。幾つかの実施形態においては、バインダー樹脂は、ポリエステル樹脂及び/又はアクリル樹脂であり得る。
【0068】
幾つかの実施形態においては、フォトルミネッセンス錯体及び樹脂を溶解又は分散させるのに使用され得る溶媒としては、アルカン、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、及びオクタン、シクロアルカン、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、及びシクロオクタン、アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ウンデカノール、ジアセトンアルコール、及びフルフリルアルコール、Cellosolves(商標)、例えば、Methyl Cellosolve(商標)、Ethyl Cellosolve(商標)、Butyl Cellosolve(商標)、Methyl Cellosolve(商標)アセテート、及びEthyl Cellosolve(商標)アセテート、プロピレングリコール及びその誘導体、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、及びジプロピレングリコールジメチルエーテル、ケトン、例えば、アセトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、及びアセトフェノン、エーテル、例えば、ジオキサン及びテトラヒドロフラン、エステル、例えば、ブチルアセテート、アミルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、ジエチルオキサレート、エチルピルベート、エチル2-ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、メチルラクテート、エチルラクテート、及びメチル3-メトキシプロピオネート、ハロゲン化炭化水素、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、及びテトラクロロエタン、芳香族炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、及びクレゾール、並びに高極性溶媒、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、及びN-メチルピロリドンが挙げられ得る。
【0069】
幾つかの実施形態は、バックライトユニットを含み、バックライトユニットは、前述の色変換フィルムを備え得る。
【0070】
他の実施形態は、本明細書に記載されるバックライトユニットを備え得るディスプレイデバイスを説明するものであり得る。
【0071】
特段の指示がない限り、本明細書及び実施形態において使用される、成分の量、分子量、反応条件等のような特性を表すあらゆる数字は、全ての場合において「約」という用語によって修飾されると理解されるべきである。したがって、反する指示がない限り、本明細書及び付属の実施形態に示される数値パラメーターは、得ることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を制限する試みとしてではない。実施形態の範囲で、各数値パラメーターは、報告された有効桁数に照らして、通常の丸め技法を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。
【0072】
開示されたプロセス及び/又は方法について、プロセス及び方法において発揮される機能は、文脈によって示され得るように、様々な順序で実現され得る。さらに、概説された工程及び操作は例として示されているにすぎず、一部の工程及び操作は、任意であるか、より少ない工程及び操作にまとめられるか、又は追加の工程及び操作に拡張され得る。
【0073】
本開示は時々、異なる他の構成要素内に含まれる、又はそれらに結び付く異なる構成要素を説明する場合がある。そのような表された構成は単なる例示であり、同じ又は類似の機能を達成する多くの他の構成を実現することができる。
【0074】
概して、本開示及び付属の実施形態(例えば付属の実施形態の本文)において使用される用語は、「オープン」な用語として意図されている(例えば、用語「含む(including)」は、「限定されるものではないが、~を含む(including,but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「限定されるものではないが、~を含む(includes,but not limited to)」等と解釈されるべきである)。さらに、特定の数の要素が導入される場合に、これは、文脈によって示され得るように、少なくとも記載された数を意味すると解釈され得る(例えば、他の修飾語を持たない「2つの記載」のありのままの記載は2つ以上の記載の少なくとも2つの記載を意味する)。本開示において使用される場合に、2つ以上の代替用語を表す任意の離接語及び/又は離接句は、用語の一方、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を企図するように理解されるべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されることになる。
【0075】
本開示を説明する文脈において(特に以下の実施形態の文脈において)使用される単数形を表す用語("a","an","the")及び同様の指示対象は、本明細書において特段の指示がない限り、又は文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を対象に含めると解釈されるべきである。本明細書において示されるありとあらゆる例、又は代表的な文言(例えば、「等(such as)」)の使用は、単に本開示をより良好に明らかにすることが意図されており、任意の実施形態の範囲に対する制限をもたらすものではない。本明細書における文言は、本開示の実施に不可欠な具体化されていないあらゆる要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0076】
本明細書に開示される代替的な要素又は実施形態の群分けは、限定として解釈されるべきではない。各群の成員は、個別に又は群の他の成員若しくは本明細書に見られる他の要素と任意に組み合わせて参照され、具体化され得る。利便性の理由から、群の1つ以上の成員を群に含めることも、又は群から削除することもできると予想される。そのような包含又は削除が行われる場合、本明細書は、変更された群を含むため、付属の実施形態において使用される全てのマーカッシュ群の記述を満たすと考えられる。
【0077】
或る特定の実施形態は、本明細書に記載され、本開示を実施するために本発明者らに知られるベストモードを含む。当然ながら、これらの記載される実施形態の変形形態は、上述の説明を読めば、当業者に明らかになるであろう。本発明者は、当業者が必要に応じてそのような変形形態を使用することを予想し、本発明者らは、本明細書において具体的に記載される以外の方法で本開示が実施されることを意図している。したがって、実施形態には、適用法によって認められるように、実施形態において記載される主題のあらゆる変更形態及び均等物が含まれる。さらに、本明細書において特段の指示がない限り、又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、その全ての可能な変形形態における上記の要素のあらゆる組合せが企図される。最後に、本明細書において開示される実施形態は、実施形態の原理の例示であることが理解されるべきである。使用され得る他の変更形態は、実施形態の範囲内である。したがって、限定されるものではないが、例として、本明細書の教示に従って代替的な実施形態を利用することができる。したがって、実施形態は、厳密に示され、記載されている実施形態に限定されない。
【0078】
実施形態
1.フォトルミネッセンス錯体であって、
青色光吸収キサンテノイソキノリン誘導体と、
非置換エステル又は置換エステルであるリンカー複合体と、
ホウ素-ジピロメテン(BODIPY)部分と、
を含み、
リンカー複合体が、キサンテノイソキノリン誘導体及びBODIPY部分を共有結合し、キサンテノイソキノリン誘導体が、第1の励起波長の光エネルギーを吸収し、エネルギーをBODIPY部分に移動させ、BODIPY部分が、キサンテノイソキノリン誘導体からのエネルギーを吸収し、第2のより高い波長の光エネルギーを放出し、フォトルミネッセンス錯体が80%を超える放出量子収率を有する、フォトルミネッセンス錯体。
【0079】
2.キサンテノイソキノリン誘導体が一般式:
3.
【化33】
(式中、R
0は、結合、H、C
1~C
3メチル基、又は任意に置換されたアリール基である)のものである、実施形態1のフォトルミネッセンス錯体。
【0080】
4.BODIPY部分が一般式:
【化34】
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6は、独立して、結合、H、C
1~C
3アルキル、アリール及び/又はエーテルから選択され、
R
7、R
8、及びR
9は、独立して、結合、H、又はメチル基(-CH
3)から選択することができる)のものである、実施形態1のフォトルミネッセンス錯体。
【0081】
5.R3及びR4が、それぞれアリール基、例えばフェニル基であり得る、
実施形態4のフォトルミネッセンス錯体。
【0082】
6.アリール基がフェニル基であり得る、実施形態5のフォトルミネッセンス錯体。
【0083】
7.置換アリール基がフェニル基(
【化35】
)、又はジフェニル基(
【化36】
)であり得る、実施形態4のフォトルミネッセンス錯体。
【0084】
8.エーテル基がC2~C10アルキルエーテル基(
【化37】
)であり得る、実施形態4のフォトルミネッセンス錯体。
【0085】
9.リンカーが、
【化38】
から選択され得る、実施形態1のフォトルミネッセンス錯体。
【0086】
10.非置換エステルリンカーが、
【化39】
である、実施形態1のフォトルミネッセンス錯体。
【0087】
11.リンカー複合体の置換エステルが、以下の構造:
【化40】
のうちの1つである、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、及び11のフォトルミネッセンス錯体。
【0088】
12.フォトルミネッセンス錯体が、以下の構造:
【化41】
【化42】
【化43】
又はそれらの組み合わせ
のうちの1つである、実施形態1のフォトルミネッセンス錯体。
【0089】
13.色変換フィルムであって、
透明基材層と、
樹脂マトリックスを含む色変換層と、
1つのフォトルミネッセンス錯体であって、1つのフォトルミネッセンス化合物が樹脂マトリックス内に分散された実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、及び12のフォトルミネッセンス化合物を含む、少なくとも1つのフォトルミネッセンス錯体と、
を含む、色変換フィルム。
【0090】
14.一重項酸素消光剤を更に含む、実施形態13の色変換フィルム。
【0091】
15.遊離基捕捉剤を更に含む、実施形態13の色変換フィルム。
【0092】
16.フィルムが、10μmから200μmの間の厚さを有する、実施形態13の色変換フィルム。
【0093】
17.フィルムが、約400nm~約480nmの波長範囲の光を吸収し、575nm~約645nmの波長範囲の光を放出する、実施形態13の色変換フィルム。
【0094】
18.色変換フィルムを作製する方法であって、
実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11又は12のフォトルミネッセンス錯体及びバインダー樹脂を溶媒中に溶解させることと、
透明基材の対置表面の一方に混合物を塗布することと、
を含む、方法。
【0095】
19.実施形態13の色変換フィルムを含むバックライトユニット。
【0096】
20.実施形態19のバックライトユニットを含むディスプレイデバイス。
【実施例】
【0097】
本明細書に記載のフォトルミネッセンス錯体の実施形態は、色変換フィルムで使用される他の形態の染料と比較して改善された性能を有することが発見された。これらの利点は、以下の例によって更に示され、これらの例は、開示を説明することを目的とするにすぎず、範囲又は基本的な原則を制限することを何ら意図するものではない。
【0098】
【0099】
CE-1:0.75gの4-ヒドロキシル-2,6-ジメチルベンズアルデヒド(5mmol)及び1.04gの2,4-ジメチルピロール(11mmol)を、100mLの無水ジクロロメタン中に溶解した。溶液を30分間脱ガスした。次に、1滴のトリフルオロ酢酸を加えた。溶液をアルゴンガス雰囲気下で室温にて一晩撹拌した。得られた溶液にDDQ(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン)(2.0g)を加え、混合物を一晩撹拌した。翌日、溶液を濾過した後に、ジクロロメタンで洗浄して、ジピロールメタン(1.9g)を得た。次に、1.0gのジピロールメタンを60mLのTHF中に溶解した。5mLのトリメチルアミンを溶液に加えた後に、10分間脱ガスした。脱ガスした後に、5mLのトリフルオロホウ素-ジエチルエーテルをゆっくりと加え、引き続き70℃で30分間加熱した。得られた溶液をシリカゲル上にロードし、溶離液としてジクロロメタンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を収集し、減圧下で乾燥させて、0.9gの橙色の固体を得た(76%の収率)。LCMS(APCI+):C21H24BF2N2Oについての計算値(M+H)=369;実測値:369。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 6.64(s,2H)、5.97(s,2H)、4.73(s,1H)、2.56(s,6H)、2.09(s,6H)、1.43(s,6H)。
【0100】
例1.2 比較例2(CE-2)を、Wakamiya, Atsushi et al. Chemistry Letters, 37(10), 1094-1095; 2008に記載されるように合成した。
【0101】
例2:フォトルミネッセンス錯体の合成:
化合物PLC-1の合成:
【化45】
【0102】
化合物1-(4-ブロモフェニル)-4-ニトロ-3-フェニルブタン-1-オン(PLC-1.1):
THF(テトラヒドロフラン)(300mL)中のLDA(リチウムジイソプロピルアミド)(2.00M、176mL、1.50当量)の溶液に-78℃で化合物1-(4-ブロモフェニル)エタン-1-オン(70.1g、352mmol、1.50当量)を加え、-78℃で30分間撹拌した。この混合物に化合物(E)-(2-ニトロビニル)ベンゼン(35.0g、235mmol、1.00当量)を加え、-78℃で1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)(石油エーテル:酢酸エチル=5:1)は、化合物(E)-(2-ニトロビニル)ベンゼンが消費され、新たなスポットが形成されたことを示した。反応混合物にNH4Cl水溶液200mLを-70℃で加えてクエンチし、酢酸エチル(EtOAc)600mL(200mL×3)で抽出し、Na2SO4で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0→5/1)により精製した。化合物1-(4-ブロモフェニル)-4-ニトロ-3-フェニルブタン-1-オン(PLC-1.1)(40.0g、115mmol、48.9%の収率)を白色固体として得て、これを1HNMRで確認した。1HNMR:(400MHz,MeOD):δ 7.95~7.78(m,2H)、7.70~7.63(m,2H)、7.38~7.28(m,4H)、7.28~7.19(m,1H)、4.97~4.88(m,1H)、4.83~4.74(m,1H)、4.22~4.10(m,1H)、3.51(dq,J=7.0,17.5Hz,2H)。
【0103】
化合物2-(4-ブロモフェニル)-4-フェニル-1H-ピロール(PLC-1.2):化合物1-(4-ブロモフェニル)-4-ニトロ-3-フェニルブタン-1-オン(PLC-1.1)(40.0g、115mmol、1.00当量)、硫黄(11.1g、345mmol、3.00当量)、NH4OAc(53.1g、689mmol、6.00当量)及びモルホリン(30.0g、345mmol、30.3mL、3.00当量)の混合物を80℃で1時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=5/1)は、化合物1-(4-ブロモフェニル)-4-ニトロ-3-フェニルブタン-1-オン(PLC-1.1)が消費され、新たなスポットが形成されたことを示した。反応混合物にH2O(200mL)を加えて15℃でクエンチし、EtOAc 600mL(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を減圧下で濃縮し、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=1/0→5/1)により精製し、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)(100mL)で洗浄することにより更に精製した。化合物2-(4-ブロモフェニル)-4-フェニル-1H-ピロール(PLC-1.2)(10.6g、35.2mmol、30.6%の収率、純度99%)を青色固体として得て、これを1HNMRで確認した。1HNMR:(400MHz,DMSO-d6):δ 11.5(br d,J=0.9Hz,1H)、7.64~7.56(m,4H)、7.56~7.51(m,2H)、7.35(dd,J=1.8,2.6Hz,1H)、7.30(t,J=7.8Hz,2H)、7.15~7.07(m,1H)、6.99(t,J=2.0Hz,1H)。
【0104】
化合物PLC-1.3:工程-1:1,2-ジクロロエタン(80mL)中の2-(4-ブロモフェニル)-4-フェニル-1H-ピロール(PLC-1.2)(1.0g、3.36mmol)、2,4,6-トリメチルベンズアルデヒド(0.249g、1.68mmol)及びトシル酸(50mg)の混合物を50℃で24時間加熱した。LCMS分析は、主ピークがm/e+=727を有する所望の生成物であることを示す。
【0105】
工程-2:工程-1からの混合物に、DDQ(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン)(454mg、2mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。LCMS分析は、反応がm/e-=724の1つの主ピークで完了したことを示す。
【0106】
工程-3:工程-2からの混合物に、トリエチルアミン(0.85mL、6mmol)、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(BF3・OEt2)(1.1mL、9mmol)を0℃で加えた。全体を50℃で1時間加熱した。別の部分のトリエチルアミン(0.5mL)及びBF3・OEt2(0.5mL)を加え、混合物を50℃で更に1時間加熱した。LCMSは、m/e-=772の主ピークで反応が完了したことを示す。混合物を50mLジクロロメタン(DCM)で希釈し、次いで水で2回、ブラインで1回洗浄し、次いで100mLまで濃縮し、シリカゲルにロードし、ヘキサン/DCM(40%→100%DCM)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の主ピークを収集し、減圧下で溶媒を除去した後、所望の生成物を紫色固体(1.06g、81.6%の収率)として得た。LCMS(APCI)によって確認した:C42H31BBr2F2N2についての計算値(M-):770.1;実測値:770。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 7.81~7.73(m,4H)、7.61~7.53(m,4H)、6.99~6.90(m,2H)、6.85(dd,J=8.3,6.9Hz,4H)、6.78~6.71(m,4H)、6.42(s,2H)、6.00(s,2H)、1.98(s,6H)、1.85(s,3H)。
【0107】
化合物PLC-1.4:1,4-ジオキサン/水(8mL/1mL)中の化合物PLC-1.3(160mg、0.207mmol)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(120mg、0.54mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh3)4)(25mg、0.022mol)、炭酸カリウム(140mg、1.01mmol)の混合物を脱気し、次いで、マイクロ波反応器内で120℃にて90分間加熱した。得られた混合物を20mLのDCMで希釈し、シリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→20%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の主ピークを収集し、減圧下で溶媒を除去した後、所望の生成物を暗色固体(130mg、79%の収率)として得た。1H NMR(400MHz,TCE-d2) δ 7.98~7.91(m,4H)、7.62~7.54(m,4H)、7.54~7.46(m,4H)、6.92~6.85(m,4H)、6.84(d,J=2.1Hz,2H)、6.82~6.74(m,4H)、6.73~6.66(m,4H)、6.46(s,2H)、5.92(s,2H)、4.88(s,2H)、1.92(s,6H)、1.78(s,3H)。
【0108】
【0109】
化合物PLC-1.5:2-ニトロフェノール(6.6g、48mmol)、KOH粉末(2.4g、43mmol)の混合物を混合し、真空下で30分間撹拌し、次いで銅粉末(0.4g)を加え、続いて100mLの無水ジメチルホルムアミド(DMF)を加えた。混合物を5分間撹拌し、次いで4-クロロナフタル酸無水物(5.1g、22mmol)を加えた。全体を脱気し、次いで還流下で1.5時間加熱した。室温に冷却した後、得られた反応混合物に100mLの20%塩酸を滴下して加え、これを2時間放置した。沈殿物を濾過により収集し、次いで真空下で一晩乾燥させ、黄褐色固体(4.6g)を得た。これを還流酢酸(50mL)中で2時間撹拌し、次いで室温に冷却することによって更に精製した。濾過し、空気中で乾燥させると黄色固体(3.0g、41%の収率)が得られた。LCMS(APCI)によって確認した:C18H10NO6についての計算値(M+H):336.0;実測値:336。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.80(dd,J=8.5,1.2Hz,1H)、8.72(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.50(d,J=8.2Hz,1H)、8.19(dd,J=8.2,1.7Hz,1H)、7.90(dd,J=8.5,7.3Hz,1H)、7.79(td,J=7.9,1.7Hz,1H)、7.54(td,J=8.0,1.3Hz,1H)、7.39(dd,J=8.3,1.2Hz,1H)、6.89(d,J=8.2Hz,1H)。
【0110】
化合物PLC-1.6:酢酸(75mL)中の4-(2-ニトロフェノキシル)-1,8-ナフタル酸無水物(2.0g、6mmol)及び鉄粉末(10μm未満、0.91g、16mmol)の混合物を30分間加熱還流した。得られた溶液を水(220mL)に注いだ。得られた沈殿物を濾過により収集し、水で洗浄し、空気中で完全に乾燥させ、次いで真空下で乾燥し、黄色固体(1.65g、90%の収率)を得た。LCMS(APCI)により確認した:C18H12NO4についての計算値(M+H):306.1;実測値:306。
【0111】
化合物PLC-1.7:4-(2-アミノフェノキシ)-1,8-ナフタル酸無水物(PLC-1.6)(1.5g、4.9mmol)を酢酸(35mL)中に分散させ、0℃に冷却した。撹拌しながら、予冷した塩酸(3mL、37mmol)を加え、次いで、12mLの水中の亜硝酸ナトリウム溶液(3.29g、46mmol)を0℃で滴下して加えた。全体を0℃で1時間撹拌し、次いで、追加の漏斗に移し、還流硫酸銅溶液(5.08g、20mmol、水50mL中)に1時間かけて滴下した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過により収集し、水、酢酸エチルで洗浄し、次いで空気中次いで真空で乾燥させ、黄色固体(0.92g、65%の収率)を得た。LCMS(APCI)により確認した:C18H8O4についての計算値(M-):288.0;実測値:288。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.61(dd,J=17.1,8.1Hz,2H)、8.09(d,J=8.0Hz,1H)、7.97(d,J=7.9Hz,1H)、7.59(t,J=7.7Hz,1H)、7.40(t,J=8.1Hz,2H)、7.33(d,J=8.4Hz,1H)。
【0112】
化合物PLC-1.8:5mLのDMF中の1H,3H-イソクロメノ[6,5,4-mna]キサンテン-1,3-ジオン(PLC-1.7)(100mg、0.347mmol)、4-(4-アミノフェニル)ブタン酸(125mg、0.7mmol)の混合物をマイクロ波反応器中で165℃にて2.5時間加熱した。この混合物に、15mLのアセトンを添加し、得られた沈殿物を濾過により収集し、空気中で乾燥させて、黄色固体(PLC-1.8)(120mg、77%の収率)を得た。LCMS(APCI)により確認した:C28H19NO5についての計算値(M-):449.1;実測値:449。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.38(d,J=41.6Hz,4H)、7.81~6.97(m,8H)、2.69~2.64(m,2H)、2.26(t,J=7.2Hz,2H)、1.87(p,J=7.2Hz,2H)。
【0113】
化合物PLC-1:6mLのDCM中の化合物PLC-1.4(80mg、0.1mmol)、化合物PLC-1.8(100mg、0.222mmol)、4-ジメチルアミノピリジニウム/p-トルエンスルホネート(DMAP/TsOH塩)(59mg、0.2mmol)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(0.15mL)の混合物を室温で一晩撹拌し、次いで、45℃で2時間撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、ジクロロメタン(DCM)/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の二重結合(di-coupled)生成物を第2の主ピークとして収集した。溶媒を除去し、メタノールで洗浄して空気中で乾燥した後、所望の生成物を暗色固体(25mg、15%の収率)として得た。HNMRによって確認した。1H NMR(400MHz,TCE-d2) δ 8.49(dd,J=16.0,8.1Hz,4H)、7.99(d,J=8.2Hz,6H)、7.85(d,J=8.0Hz,2H)、7.63(dd,J=8.5,3.7Hz,8H)、7.50(t,J=7.8Hz,2H)、7.42~7.25(m,8H)、7.25~7.08(m,10H)、6.84(dt,J=36.5,7.3Hz,6H)、6.70(d,J=7.5Hz,4H)、6.48(s,2H)、5.93(s,2H)、2.80(t,J=7.7Hz,4H)、2.63(t,J=7.4Hz,4H)、2.11(t,J=7.7Hz,4H)、1.92(s,6H)、1.78(s,3H)。
【0114】
【0115】
化合物PLC-2.1:(4’,4’’’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-3-オール)):30mLのワイドネックマイクロ波バイアル(Anton-Parr)に、撹拌子、化合物PLC-1.3(0.300mmol、232mg)、3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(0.800mmol、177mg)、K2CO3(1.60mmol、221mg)、及びPd(PPh3)4(0.030mmol、34.7mg)を入れた。バイアルにジオキサン(8mL)及び水(1mL)を加えた。バイアルをセプタムで密封し、室温で5分間撹拌しながらアルゴンを散布した。セプタムをスナップキャップ及びセプタムに変更し、試料をマイクロ波合成装置で目標温度120℃にて90分間照射した。粗反応混合物を蒸発乾固し、少量のDCMに溶解し、固体ローダー内の約60mLのシリカにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、固形分、平衡化100%ヘキサン、100%ヘキサン(2CV)、60%EtOAc/ヘキサン(30CV)で溶離)により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固し、暗赤色固体、173mg(72%の収率)を得た。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.05(d,J=8.5Hz,4H)、7.70(d,J=8.5Hz,4H)、7.35(t,J=7.8Hz,2H)、7.27(dt,J=7.9,1.2Hz,2H)、7.15(dd,J=2.5,1.6Hz,2H)、7.00~6.93(m,2H)、6.91~6.83(m,6H)、6.82~6.76(m,4H)、6.56(s,2H)、6.02(s,2H)、4.94(s,2H)、2.00(s,6H)、1.87(s,3H)。MS(APCI):化学式C54H41BF2N2O2についての計算値(M-)=798;実測値:798。
【0116】
化合物PLC-2:((5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,3-ジイル)ビス(4-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)):40mLのスクリューキャップバイアルに、撹拌子、化合物PLC-2.1(0.015mmol、12.0mg)、4-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸(PLC-1.8)(0.0375mmol、16.8mg)、及びDMAP・pTsOH塩(0.0075mmol、2.2mg)を入れた。バイアルを空気下、スクリューキャップで密封し、70℃に設定した予熱したアルミニウム製のヒートブロック内に置いた。反応混合物を70℃で数分間撹拌した後、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(0.060mmol、0.0094mL)を加えた。バイアルをスクリューキャップで密封し、70℃で28時間撹拌し、次いで残りの週末の間室温で撹拌した。TLCは、反応が終了していないことを示す。バイアルを70℃に再加熱し、更に4-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸(PLC-1.8)(0.0221mmol、9.9mg)及びN,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(0.060mmol、0.0094mL)を加え、続いて4mLの無水THF(全ての反応成分の溶解性を改善するため)を加えた。反応混合物を70℃で90分間撹拌し、その時点でTLCは反応の終了を示した。溶媒を真空で蒸発乾固し、少量のトルエンに溶解し、固体ローダーで約10gのシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80g、固形分、平衡化100%トルエン、100%トルエン(2CV)、次いで20%EtOAc/トルエン(30CV)で溶離)により精製した。溶媒を除去すると、22.0mgの赤色固体(88%の収率)が得られた。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.59(dd,J=13.1,8.1Hz,4H)、8.08~7.99(m,6H)、7.89(d,J=8.0Hz,2H)、7.68(d,J=8.5Hz,4H)、7.57~7.49(m,4H)、7.49~7.31(m,12H)、7.30~7.22(m,6H)、7.09(ddd,J=8.0,2.4,1.1Hz,2H)、6.98~6.91(m,2H)、6.86(t,J=7.6Hz,4H)、6.81~6.75(m,4H)、6.51(s,2H)、6.01(s,2H)、2.85(t,J=7.6Hz,4H)、2.68(t,J=7.4Hz,4H)、2.17(p,J=7.6Hz,4H)、2.02(s,6H)、1.86(s,3H)。
【0117】
【0118】
化合物PLC-3.1 (エチル(2-(4’-(オクチルオキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-フェニル-1H-ピロール-3-カルボキシレート):全てのすりガラス接合部をテフロン(登録商標)テープで留めた。250mLの2N RBFをアルミニウム製のヒートブロックに入れ、90℃に予熱した。フラスコに、上部にセプタムを備えた空気冷却器、2つ目の口にガラス栓を取り付け、撹拌子を入れた。フラスコを空気冷却器の上部を通して針を介してアルゴンでフラッシュし、次いで亜鉛((顆粒、10~20メッシュ)、80.0mmol、5.231g)を入れた。フラスコに無水THF(20mL)を加え、続いてメタンスルホン酸(0.500mmol、0.0325mL)を加えた。反応混合物を90℃で5分間撹拌した後、4’-(オクチルオキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-カルボニトリル(15.0mmol、4.611g)を加えた。シリンジポンプを設置し、ベンジル2-ブロモアセテート(22.5mmol、3.56mL)を90℃で撹拌しながら1時間かけて滴下して加えた。反応混合物を90℃で20時間加熱した。追加部分の無水THF(10mL)を加え(蒸発によって失われた溶媒を置換するため)、反応温度を85℃に下げた。ベータ-ニトロスチレン(10.0mmol、1.491g)を加え、続いて直ちに三塩化鉄(FeCl3)(6.00mmol、973mg)を加え、反応混合物をアルゴン下、85℃にて1時間加熱した。TLCによって確認すると、反応混合物は完全であった。反応物を熱から取り出し、酢酸エチル(200mL)及び水(100mL)で希釈した後、6N HCl/水溶液(20mL)で酸性にし、ブライン(50mL)を加えてエマルジョンを破壊した。層を分離した。有機層を水(100mL)で洗浄しようとすると、別のエマルジョンが得られた。エマルジョンを、以前と同様に6N HCl及びブラインの添加によって破壊した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空で蒸発乾固した。粗生成物を10:1 Celite:フラッシュSiO2上に蒸発させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(330g、固形分、平衡化10%DCM/ヘキサン、10%DCM/ヘキサン(2CV)、100%DCM(20CV)で溶離)により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固し、1.409gの灰白色固体を25%の収率で得た。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.52(d,J=2.5Hz,1H)、7.57(d,J=7.4Hz,6H)、7.48~7.43(m,2H)、7.39~7.28(m,3H)、7.26~7.17(m,3H)、7.02(d,J=8.8Hz,2H)、6.95~6.90(m,2H)、6.87(d,J=2.6Hz,1H)、5.10(s,2H)、4.02(t,J=6.6Hz,2H)、1.82(p,J=6.8Hz,2H)、1.54~1.43(m,2H)、1.43~1.25(m,8H)、0.95~0.88(m,3H)。MS(APCI):化学式C33H37NO3についての計算値(M+H)=496;実測値:496。
【0119】
化合物PLC-3.2:(2-ヒドロキシエチル2-(4’-(オクチルオキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-4-フェニル-1H-ピロール-3-カルボキシレート):100mLの2つ口丸底フラスコをアルミニウム製のヒートブロック内に置き、フィン付き凝縮器を取り付け、撹拌子を入れた。ヒートブロックを120℃に予熱した。フラスコに、化合物PLC-3.1(0.479mmol、267mg)及び水素化ナトリウム(NaH)(9.575mmol、230mg、鉱油中60%、383mg)を加えた。2つ目の口には、圧力を逃がすためのセプタム及び針を取り付けた。フラスコに無水エチレングリコールを120℃で撹拌しながら注意深く添加し、水素ガスを逃がした。水素ガスが全て排出されたら、セプタムを取り外し、ガラス栓に交換した。反応温度を150℃に上昇させ、反応混合物をこの温度で1時間撹拌した。反応はゆっくりと進行していたため(LCMSによって監視した)、エチレングリコールへの出発物質の不溶性を克服するために撹拌速度を増加させた。反応物を非常に激しく撹拌しながら150℃で3時間加熱し、次いで室温で一晩加熱した。反応を午前中に完了させた。反応混合物を水(100mL)で希釈し、6N HCl/水溶液(10mL)で酸性にした。室温で1時間撹拌した後、沈殿物を濾別し、水で洗浄した。粗沈殿物を酢酸エチル及びDCMに溶解し、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュシリカゲル上において真空で蒸発させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、100%ヘキサンで平衡化、固形分、100%ヘキサン(2CV)、5%EtOAc/ヘキサン(0CV)→100%EtOAc(30CV)で溶離)により精製した。生成物を含む画分を収集し、真空で蒸発乾固して、127mgの灰白色固体を51%の収率で得た。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.54(d,J=2.4Hz,1H)、7.66(s,4H)、7.59(d,J=8.7Hz,2H)、7.50~7.45(m,2H)、7.44~7.39(m,2H)、7.38~7.32(m,1H)、7.01(d,J=8.8Hz,2H)、6.87(d,J=2.5Hz,1H)、4.12~4.06(m,2H)、4.01(t,J=6.6Hz,2H)、3.55~3.47(m,2H)、1.81(p,J=6.7Hz,2H)、1.53~1.42(m,2H)、1.42~1.27(m,8H)、0.97~0.86(m,3H)。MS(APCI):化学式C33H37NO4についての計算値(M+H)=512;実測値:512。
【0120】
化合物PLC-3.3:(ビス(2-ヒドロキシエチル)5,5-ジフルオロ-10-メシチル-3,7-ビス(4’-(オクチルオキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート)(PLC-3.3):40mLスクリューキャップ付バイアルに、撹拌子、化合物PLC-3.2(0.244mmol、125mg)、及びメシトアルデヒド(0.1283mmol、0.00189mL)を加えた。ヘッドスペースをアルゴンでパージし、次いでバイアルをスクリューキャップセプタムで密封し、75℃で予熱したアルミニウム製のヒートブロック内に置いた。バイアルに無水DCE(5mL)を加え、溶液を10分間撹拌しながら75℃で窒素を散布し、次いでpTsOH(0.0.0366mmol、7.0mg)を無水DCE(3mL)とともに加えた。窒素による散布を、75℃で更に10分間続けた。ガスを静的アルゴンに切り替え、反応混合物をアルゴン下、75℃で一晩撹拌した。翌朝、追加のメシトアルデヒド(0.0339mmol、5.03mg)を加え、反応混合物をアルゴン下、75℃で更に30分間撹拌したが、その時点でTLCは出発物質を示さなかった。反応物を加熱から取り出し、DDQ(2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン)(0.1586mmol、36mg)を加え、反応混合物を室温で1分間撹拌した後、ヒートブロックに戻し、75℃で30分間撹拌して酸化を完了した。反応混合物を0℃に冷却し、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート(BF3・OEt2)(1.098mmol、0.136mL)及びトリエチルアミン(0.732mmol、0.102mL)を撹拌しながら急速に連続して加えた。反応混合物を0℃で1分間撹拌した後、BF3・OEt2(1.098mmol、0.136mL)及びトリエチルアミン(0.732mmol、0.102mL)の添加を繰り返した。0℃で更に1分間撹拌した後、反応物をヒートブロックに戻し、75℃で2時間撹拌した。BF3・OEt2(1.464mmol、0.181mL)とトリエチルアミン(0.732mmol、0.102mL)を75℃で更に加え、45分間撹拌を続けると、この時点で、TLCにより、全てのジピロメテンが消費された。三角フラスコにフラッシュシリカゲル(40mL)を加え、反応混合物をDCM(約100mL)でこのフラスコに希釈した。メタノール(25mL)を加えて反応物をクエンチした。反応混合物をシリカゲル上に真空で蒸発乾固した。粗反応物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80g、固形分、100%ヘキサンで平衡化、100%ヘキサン(2CV)、26%EtOAc/ヘキサン(19.7CV)、100%EtOAc(15CV)で溶離)により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固し、35mgの帯赤色の青色固体を、24%の収率で得た。MS(APCI):化学式C76H81BF2N2O8についての計算値(M-)=1199;実測値:1199。
【0121】
化合物PLC-3 (ビス(2-((4-(4-(1,3-ジオキソ-3,6-ジヒドロアントラ[2,1,9-def]イソキノリン-2(1H)-イル)フェニル)ブタノイル)オキシ)エチル)5,5-ジフルオロ-10-メシチル-3,7-ビス(4’-(オクチルオキシ)-[1,1’-ビフェニル]-4-イル)-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-2,8-ジカルボキシレート):40mLスクリューキャップバイアルをアルミニウム製のヒートブロック内に置き、撹拌子を入れた。バイアルにPLC-3.3(0.0146mmol、17.5mg)及び4-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸(0.0438mmol、19.6mg)(PLC-1.8)、及びDMAP・pTsOH塩(0.0073mmol、2.1mg)を加えた。バイアルに無水DCM(4mL)を加えた。バイアルをPTFEライニングスクリューキャップで密封し、約30秒間超音波処理した。室温で撹拌しながら、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(0.073mmol、0.0114mL)を加えた。密封したバイアルを空気下、室温で5分間撹拌し、次いでヒートブロックを45℃に設定し、反応混合物をこの温度で一晩撹拌した。午前中に、DCMを窒素気流下で蒸発させ、溶媒を無水ジクロロエタン(DCE)(4mL)で置換した。ヒートブロック温度を70℃に昇温し、反応混合物をこの温度で1時間撹拌して反応を完了させた。粗反応混合物を60mLのフラッシュシリカゲルを充填したカートリッジにロードし、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80g、100%ヘキサンで平衡化、100%ヘキサン(2CV)、70%EtOAc/ヘキサン(40CV)で溶離)により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固し、15.3mgの暗色固体(57.3%の収率)を得た。1H NMR(400MHz、クロロホルム-d) δ 8.61(dd,J=16.2,8.1Hz,4H)、8.07(dd,J=8.1,1.5Hz,2H)、7.94(d,J=8.0Hz,2H)、7.68(d,J=8.1Hz,4H)、7.60~7.50(m,10H)、7.40~7.33(m,4H)、7.29(d,J=8.3Hz,6H)、7.21(d,J=8.3Hz,4H)、6.97~6.88(m,6H)、6.86~6.76(m,8H)、5.95(s,2H)、3.96(t,J=6.6Hz,4H)、3.94~3.88(m,4H)、3.64~3.58(m,4H)、2.63(t,J=7.6Hz,4H)、2.20(t,J=7.4Hz,4H)、2.00(s,6H)、1.88(p,J=7.6Hz,4H)、1.82(s,3H)、1.80~1.73(m,4H)、1.45(p,J=6.7Hz,4H)、1.38~1.19(m,16H)、0.92~0.84(m,6H)。
【0122】
【0123】
化合物PLC-4.1:オルト-ジクロロベンゼン(30mL)中のPLC-1.7(290mg、1.0mmol)の混合物に、臭素(1.98g、12mmol)を加えた。混合物を75℃で30時間加熱した。室温に冷却した後、固体を濾過により収集し、空気中で乾燥させ、所望の生成物として290mgの黄色固体を得た。濾液をシリカゲルにロードし、ヘキサン/ジクロロメタン(50%→100%ジクロロメタン)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を収集し、溶媒を除去して、110mgの黄色固体を得た。89.7%の収率で合計400mgの生成物を得た。LCMS(APCI-):C18H6Br2O4についての計算値(M-):443.9;実測値:444。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 9.40(dd,J=8.5,1.5Hz,1H)、8.71(s,1H)、8.67(s,1H)、7.60(ddd,J=8.4,7.1,1.5Hz,1H)、7.48(dd,J=8.3,1.4Hz,1H)、7.38(ddd,J=8.5,7.1,1.4Hz,1H)。
【0124】
化合物PLC-4.2:無水N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)(4mL)中のPLC-4.1(190mg、0.426mmol)、4-(4-アミノフェニル)ブタン酸(180mg、0.64mmol)、4-(N,N-ジメチルアミノ)-ピリジン(4mg)の混合物を、165℃で2.5時間加熱した。室温に冷却し、一晩放置した後、固体を濾過により収集し、これをアセトンで洗浄し、90℃の真空オーブン内で1時間乾燥し、黄色固体(220mg、84.5%の収率)を得た。LCMS(APCI-):C28H17Br2NO5についての計算値(M-):604.95;実測値:605。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 9.42(dd,J=8.6,1.5Hz,1H)、8.57(d,J=4.6Hz,2H)、7.83~7.68(m,1H)、7.63~7.44(m,2H)、7.34(d,J=8.3Hz,2H)、7.31~7.16(m,2H)、2.67(dd,J=4.8,2.8Hz,2H)、2.28(t,J=7.4Hz,2H)、1.95~1.80(m,2H)。
【0125】
化合物PLC-4.3:THF/水(5mL/0.5mL)中の化合物PLC-4.2(100mg、0.165mmol)、(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(170mg、0.66mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド(Pd(dppf)Cl2)(20mg、0.027mmol)、及び炭酸カリウム(138mg、1mmol)の混合物を脱気し、次いで80℃で2時間加熱した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過により収集し、アセトンで洗浄し、次いで、90℃の真空オーブン内で2時間乾燥した。黄色固体(142mg、94%の収率)を得た。LCMS(APCI-):C44H23F12NO5についての計算値(M-)=873.14;実測値:873。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.65(s,1H)、8.40(s,1H)、8.17(s,2H)、7.96(d,J=19.3Hz,4H)、7.38(d,J=8.4Hz,1H)、7.33(d,J=8.0Hz,2H)、7.18(d,J=8.0Hz,3H)、6.90(d,J=6.3Hz,2H)、2.72(t,J=7.6Hz,2H)、2.38(t,J=7.4Hz,2H)、2.03~1.93(m,2H)。
【0126】
化合物PLC-4:5mLのDCM中の化合物PLC-1.4(20mg、0.025mmol)、PLC-4.3(55mg、0.0626mmol)、4-ジメチルアミノピリジニウム/p-トルエンスルホネート(DMAP/TsOH塩)(30mg、0.1mmol)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)(0.1mL)の混合物を室温で60時間撹拌した。混合物をシリカゲルにロードし、ジクロロメタン/酢酸エチル(0%→5%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を収集し、減圧下で濃縮した。得られた固体をメタノールで洗浄し、空気中で乾燥し、所望の生成物を濃緑色固体(18mg、29%の収率)として得た。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.64(s,2H)、8.40(s,2H)、8.16(s,4H)、8.05~7.88(m,12H)、7.63(dd,J=8.6,2.9Hz,8H)、7.44~7.32(m,6H)、7.27~7.08(m,10H)、6.96~6.83(m,6H)、6.79(t,J=7.6Hz,4H)、6.70(d,J=7.4Hz,4H)、6.47(s,2H)、5.93(s,2H)、2.80(t,J=7.6Hz,4H)、2.62(t,J=7.2Hz,4H)、2.17~2.03(m,4H)、1.92(s,6H)、1.78(s,3H)。
【0127】
【0128】
化合物PLC-5:PLC-2.1(20mg、0.025mmol)、PLC-4.3(61mg、0.07mmol)、4-ジメチルアミノピリジニウム/p-トルエンスルホネート(DMAP/TsOH塩)(20mg、0.068mmol)、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)(134mg、0.7mmol)の混合物を5mLジクロロメタン中、40℃で一晩撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、ヘキサン/酢酸エチル(0%→20%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の画分を収集し、減圧下で濃縮した。得られた固体をメタノールで洗浄し、空気中で乾燥し、所望の生成物を濃緑色固体(20mg、32%の収率)として得た。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.64(s,2H)、8.39(s,2H)、8.16(d,J=1.6Hz,4H)、8.04~7.87(m,12H)、7.64(d,J=8.3Hz,4H)、7.49(s,2H)、7.45~7.28(m,10H)、7.19(dd,J=17.8,8.1Hz,6H)、7.04(s,2H)、6.95~6.83(m,6H)、6.78(t,J=7.4Hz,4H)、6.69(d,J=7.3Hz,4H)、6.47(s,2H)、5.94(s,2H)、2.80(t,J=7.8Hz,4H)、2.63(t,J=7.4Hz,4H)、2.16~2.02(m,4H)、1.91(s,6H)、1.78(s,3H)。
【0129】
【0130】
化合物PLC-6.1:4-ブロモ-1,8-ナフタル酸無水物(2.77g、10mmol)、4-ブロモ-2-ニトロフェノール(3.27g、15mmol)の混合物を真空下で30分間脱気し、次いで無水NMP(50mL)を加え、続いて水酸化ナトリウム(0.2g、5mmol)及び銅粉末(0.318g、5mmol)を加えた。混合物にアルゴンを20分間散布し、次いでアルゴン雰囲気下、180℃で一晩加熱した。室温に冷却した後、この溶液に、50mLの20%塩酸水溶液を滴下して加え、次いで、水50mLを加えた。得られた混合物を3時間放置し、次いで濾過して沈殿物を収集し、それを真空で乾燥して4.6gの粗生成物を得た。粗生成物を30mLのアセトン中に分散させ、室温で一晩撹拌して不純物を溶解させた。濾過し、真空で乾燥して、所望の生成物として黄褐色の固体(3.3g、80%の収率)を得た。LCMS(APCI+):C18H9BrNO6についての計算値(M+H)=413.95;実測値:414。1H NMR(400MHz,TCE-d2) δ 8.70(dd,J=8.4,1.2Hz,1H)、8.63(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.41(d,J=8.3Hz,1H)、8.24(d,J=2.4Hz,1H)、7.89~7.79(m,2H)、7.20(d,J=8.7Hz,1H)、6.82(d,J=8.3Hz,1H)。
【0131】
化合物PLC-6.2:酢酸(50mL)中の化合物PLC-6.1(1.5g、3.6mmol)、鉄粉末(0.60g、10.8mmol)の混合物を、125℃で30分間加熱した。室温に冷却した後、混合物に、撹拌しながら100mLの水を加えた。得られた混合物を濾過し、水で洗浄し、空気中及び真空で乾燥させて固体(1.35g、82%の収率)を得た。LCMS(APCI-):C18H10BrNO4についての計算値=382.98;実測値:383。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 9.01~8.26(m,3H)、7.96(s,1H)、6.93(dd,J=85.2,36.5Hz,4H)、5.54(s,2H)。
【0132】
化合物PLC-6.3:化合物PLC-6.2(2.65g、6.9mmol)を酢酸(50mL)/水(10mL)中に分散させ、0℃に冷却した。撹拌しながら、予冷した塩酸(2.8mL、34.5mmol)を加え、次いで、15mLの水中の亜硝酸ナトリウム溶液(3.57g、52mmol)を0℃で滴下して加えた。全体を0℃で1時間撹拌した後、追加の漏斗に移し、130℃で1時間かけて硫酸銅溶液(12g、47mmol、水140mL)に滴下した。室温に冷却した後、沈殿物を濾過により収集し、水(100mL×3)で洗浄し、次いでアセトン50mL中で40℃にて30分間撹拌し、濾過し、空気中、次いで真空で乾燥させて、黄褐色固体(1.76g、70%の収率)を得た。LCMS(APCI+):C18H8BrO4についての計算値(M+H)=366.95;実測値:367。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.51(dd,J=12.3,8.1Hz,2H)、8.12(d,J=2.3Hz,1H)、7.86(d,J=7.9Hz,1H)、7.60(dd,J=8.8,2.3Hz,1H)、7.28(d,J=8.3Hz,1H)、7.23(d,J=8.8Hz,1H)。
【0133】
化合物PLC-6.4:10mLのDMF中の化合物PLC-6.3(550mg、1.5mmol)、4-(4-アミノフェニル)ブタン酸(537mg、3mmol)及びDMAP(12.2mg、0.1mmol)の混合物をマイクロ波反応器内で165℃にて2.5時間加熱した。得られた溶液を撹拌しながら50mLのアセトンに滴下した。沈殿物を形成し、濾過し、60℃の真空オーブン内で一晩乾燥すると、所望の生成物が黄褐色固体(0.49g、62%の収率)として得られた。LCMS(APCI-):C28H18BrNO5についての計算値=527.04;実測値:527。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.54(d,J=2.3Hz,1H)、8.41(dd,J=9.9,8.0Hz,2H)、8.33(d,J=7.9Hz,1H)、7.71(dd,J=8.8,2.3Hz,1H)、7.39(dd,J=8.6,4.2Hz,2H)、7.25(d,J=8.0Hz,2H)、7.17(d,J=7.9Hz,2H)、2.63~2.55(m,2H)、2.27~2.15(m,2H)、1.87~1.73(m,2H)。
【0134】
化合物PLC-6.5:THF/DMF/水(20mL/4mL/2mL)の共溶媒中の化合物PLC-6.4(385mg、0.729mmol)、3,5-ビス-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(374mg、1.45mmol)、Pd(dppf)Cl2(36mg、0.05mmol)、炭酸カリウム(276mg、2mmol)の混合物を脱気し、次いで80℃で一晩加熱した。混合物を、200mLの酢酸エチル及び50mLの0.6N塩酸水溶液で後処理した。水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相を収集し、ブライン(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いでシリカゲルにドライロードし、DCM/EA(0.1%TFAを含む0%→40%EA)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。主な所望の画分を収集し、減圧下で溶媒を除去すると黄色固体(340mg、70.5%の収率)が得られた。LCMS(APCI-):C36H21F6NO5についての計算値=661.13;実測値:661。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.57(dd,J=19.2,8.1Hz,2H)、8.18(d,J=2.2Hz,1H)、8.05(d,J=8.0Hz,1H)、8.03~7.98(m,2H)、7.87(s,1H)、7.72(dd,J=8.6,2.2Hz,1H)、7.48(d,J=8.6Hz,1H)、7.33(d,J=8.3Hz,3H)、7.21~7.12(m,2H)、2.72(t,J=7.6Hz,2H)、2.39(t,J=7.3Hz,2H)、2.04~1.97(m,2H)。
【0135】
化合物PLC-6:5mLのDCM中の化合物PLC-1.4(20mg、0.025mmol)、化合物PLC-6.5(52.9mg、0.08mmol)、DMAP/TsOH塩(20mg、0.068mmol)、EDC・HCl(110mg、0.57mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の赤色画分を収集した。溶媒を除去した後、固体をメタノールで洗浄、空気中で乾燥し、所望の生成物を暗色固体(34mg、65%の収率)として得た。1H NMRによって確認した(400MHz,メチレンクロライド-d2) δ 8.64(d,J=7.8Hz,2H)、8.57(d,J=8.3Hz,2H)、8.28(d,J=2.2Hz,2H)、8.17(s,4H)、8.11~7.96(m,8H)、7.83(dd,J=8.6,2.2Hz,2H)、7.78~7.70(m,8H)、7.55(d,J=8.6Hz,2H)、7.52~7.45(m,4H)、7.37~7.28(m,6H)、7.27~7.20(m,4H)、7.05~6.97(m,2H)、6.92(dd,J=8.4,6.7Hz,4H)、6.88~6.81(m,4H)、6.58(s,2H)、6.08(s,2H)、2.92(t,J=7.7Hz,4H)、2.75(t,J=7.4Hz,4H)、2.23(p,J=7.6Hz,4H)、2.06(s,6H)、1.91(s,3H)。
【0136】
【0137】
化合物PLC-7.1:5mLのDMF中のPLC-1.7(1H,3H-イソクロメノ[6,5,4-mna]キサンテン-1,3-ジオン)(100mg、0.347mmol)、2-(4-アミノフェニル)酢酸(135mg、0.9mmol)の混合物をマイクロ波反応器内で165℃にて2時間加熱した。50℃に冷却した後、得られた溶液にアセトン1.5mLを滴下して加えて黄色の沈殿物を形成し、濾過により収集した後、アセトンで洗浄し、空気中で乾燥させて黄色固体(88mg、61%の収率)を得た。LCMS(APCI)により確認した:C26H15NO5についての計算値(M-):421.1;実測値:421。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.27(d,J=45.1Hz,4H)、7.67~7.00(m,8H)、3.58(s,2H)。
【0138】
化合物PLC-7:10mLのDCM中の化合物PLC-1.4(40mg、0.05mmol)、化合物PLC-7.1(67mg、0.16mmol)、DMAP/TsOH塩(20mg、0.068mmol)、EDC・HCl(110mg、0.57mmol)の混合物を室温で一晩撹拌し、次いで40℃で一晩加熱した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の赤色画分を収集した。溶媒を除去した後、固体をメタノールでトリチュレートし、空気中で乾燥し、所望の生成物を暗色固体(38mg、47%の収率)として得た。1H NMR(400MHz,d2-TCE)によって確認 δ 8.46(dd,J=19.0,8.1Hz,4H)、7.99(d,J=8.3Hz,6H)、7.81(d,J=8.2Hz,2H)、7.67~7.60(m,8H)、7.56(d,J=8.2Hz,4H)、7.51(t,J=7.7Hz,2H)、7.35~7.26(m,8H)、7.18(dd,J=8.5,2.0Hz,6H)、6.87(d,J=7.6Hz,2H)、6.79(t,J=7.5Hz,4H)、6.71(d,J=7.3Hz,4H)、6.48(s,2H)、5.93(s,2H)、3.95(s,4H)、1.92(s,6H)、1.78(s,3H)。
【0139】
【0140】
化合物PLC-8.1:THF/DMF/水(30mL/6mL/3mL)の共溶媒中の化合物PLC-6.4(649mg、1.23mmol)、4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(467mg、2.46mmol)、Pd(dppf)Cl2(45mg、0.06mmol)、炭酸カリウム(345mg、2.5mmol)の混合物を脱気し、次いで80℃で一晩加熱した。混合物を、300mLの酢酸エチル及び50mLの0.6N塩酸水溶液で後処理した。水相を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。有機相を収集し、ブライン(100mL×2)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、次いでシリカゲルにドライロード(dry loaded)し、DCM/EA(0.1%TFAを含む0%→80%EA)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。主な所望の画分を収集し、減圧下で溶媒を除去すると黄色固体(414mg、57%の収率)が得られた。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.55(dd,J=18.1,8.1Hz,2H)、8.16(d,J=2.2Hz,1H)、8.00(d,J=8.1Hz,1H)、7.68(dd,J=8.6,2.1Hz,1H)、7.66~7.59(m,2H)、7.43(d,J=8.6Hz,1H)、7.32(tt,J=8.2,4.2Hz,5H)、7.20~7.13(m,2H)、2.72(t,J=7.6Hz,2H)、2.39(t,J=7.3Hz,2H)、1.99(q,J=7.4Hz,2H)。
【0141】
化合物PLC-8:5mLのDCM中の化合物PLC-1.4(26mg、0.0326mmol)、化合物PLC-8.1(59mg、0.1mmol)、DMAP/TsOH塩(15mg、0.051mmol)、EDC・HCl(60mg、0.31mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。得られた混合物をシリカゲルにロードし、DCM/酢酸エチル(0%→10%酢酸エチル)の溶離液を使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製した。所望の赤色画分を収集した。溶媒を除去した後、固体をメタノールで洗浄、空気中で乾燥し、所望の生成物を暗色固体(46mg、72%の収率)として得た。1H NMR(400MHz,d2-TCE) δ 8.51(dd,J=18.1,8.1Hz,4H)、8.11(d,J=2.2Hz,2H)、7.97(dd,J=17.1,8.2Hz,6H)、7.71~7.56(m,14H)、7.39(dd,J=10.8,8.4Hz,6H)、7.27(dd,J=13.0,8.3Hz,6H)、7.23~7.17(m,4H)、7.17~7.10(m,4H)、6.94~6.84(m,2H)、6.79(t,J=7.5Hz,4H)、6.70(d,J=7.1Hz,4H)、6.48(s,2H)、5.93(s,2H)、2.80(t,J=7.5Hz,4H)、2.63(t,J=7.3Hz,4H)、2.12(q,J=7.6Hz,4H)、1.92(s,6H)、1.78(s,3H)。
【0142】
【0143】
化合物PLC-9.1:2-(9-ブロモ-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)酢酸。化合物PLC-6.3(6.3g、17.159mmol、1当量)を35mLの無水DMSOに懸濁し、グリシン(2.31g、30.77mmol、1.8当量)を室温で反応混合物に加えた。得られた混合物を130℃で1時間撹拌し(混合物は溶解しなかった)、次いでそれを160℃に1時間加熱し、LMCMSは反応が完了したことを示した。室温に冷却した後、固体生成物を濾過し、水(250mL)で洗浄し、次いで真空オーブン内で乾燥して6.5gの帯緑色の黄色固体(90%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C20H10BrNO5についての計算値(M-)=424;実測値:424。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.65(s,1H)、8.50(s,1H)、8.46(d,J=8.2Hz,2H)、8.09(d,J=8.0Hz,2H)、7.99(d,J=8.7Hz,1H)、7.87(d,J=8.0Hz,2H)、7.58(d,J=8.6Hz,1H)、7.45(d,J= 8.4Hz,1H)、4.71(s,2H)。
【0144】
化合物PLC-9.2 2-(9-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)酢酸(化合物PLC-9.1)(4.24g、10.0mmol、1当量)を2-メチル-THF(150ml)、H2O(5.0ml)に懸濁し、4-(tert-ブチル)フェニルボロン酸(3.56g、20mmol、2当量)、K2CO3(2.76g、20mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl2・DCM(163.3mg、0.2mmol、0.02当量)を加えた。反応混合物をVac-Fillアルゴンサイクルにより3回脱気し、アルゴン雰囲気下、95℃で12時間加熱撹拌した。室温に冷却した後、1N HClでpH4~5に酸性化した酢酸エチル(150ml)を加えた。有機層を水で洗浄し、分離し、濃縮した。残渣をDMF(15ml)中で撹拌し、濾過して固体を得て、それをMeOH(50mL)で洗浄し、次いで真空オーブン内で乾燥させて、4.1gの帯緑色の黄色固体生成物(85%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C30H23NO5についての計算値(M-)=477;実測値:477。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.33(d,J=6.1Hz,3H)、8.24(d,J=7.9Hz,1H)、7.95(s,1H)、7.78(d,J=8.3Hz,1H)、7.70(d,J=7.9Hz,2H)、7.50(d,J=7.9Hz,2H)、7.39(d,J=8.3Hz,1H)、7.29(d,J=8.2Hz,1H)、4.52(s,2H)、2.89(s,3H)、2.73(s,3H)、2.54~2.47(m,21H)、1.34(s,10H)。
【0145】
化合物PLC-9:(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ジフェニル-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-(9-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)アセテート):化合物PLC-9.2(143.25mg、0.30mmol、3当量)を無水DCM(10.0ml)に懸濁し、PLC-1.4(39.93mg、0.05mmol、1当量)、DMAP-pTSA(58.8mg、0.2mmol、4当量)、EDC・HCl(47.92mg、0.25mmol、5当量)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で5時間撹拌し、DCM(150ml)で希釈し、濾過し、固体を50mlのDCMで洗浄し、濾液を収集し、80gのSiO2カラムにロードし、Hex-DCM(1/1)、DCMのみ、次いで0.5%EAをDCMで溶離した。良好な画分を濃縮し、次いでMeOHで洗浄し、79mg、91%の収率を得た。1H NMR(400MHz,) δ 8.62(d,J=7.9Hz,2H)、8.56(d,J=8.4Hz,2H)、8.19(d,J=2.1Hz,2H)、8.04~7.97(m,3H)、7.95(s,4H)、7.71(dd,J=8.6,2.1Hz,2H)、7.61(dd,J=8.6,1.9Hz,8H)、7.57~7.53(m,4H)、7.45(d,J=8.5Hz,4H)、7.40(d,J=8.6Hz,2H)、7.29(d,J=8.3Hz,2H)、7.20(d,J=8.6Hz,5H)、6.86(d,J=7.5Hz,3H)、6.78(t,J=7.5Hz,4H)、6.69(d,J=7.2Hz,4H)、6.46(s,2H)、5.14(s,5H)、1.91(s,7H)、1.77(s,4H)、1.31(s,18H)。
【0146】
【0147】
化合物PLC-10.1:2-(1,3-ジオキソ-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)酢酸。化合物PLC-9.1(7.0g、16.50mmol、1当量)を2-メチル-THF(150mL)に懸濁し、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(5.648g、29.7mmol、1.8当量)、K2CO3(4.65g、33mmol、2当量)、H2O(15mL)、Pd(dppf)Cl2・DCM(269.5mg、0.33mmol、0.02当量)を加えた。3回のVac-Fillアルゴンサイクル(Vac-Fill Argon cycle)、得られた混合物を撹拌し、アルゴン雰囲気下で12時間、95℃で加熱し、混合物を室温に冷却し、1N HCl(20mL)とともに15分間撹拌し、次いで室温で1時間保持した。固体を濾過し、室温で15分間DMFとともに撹拌し、次いで濾過し、帯緑色の黄色固体をMeOHで洗浄し、次いで真空オーブン内で乾燥させて6.70gの帯緑色の黄色固体を得て、これを更に精製せずに次の工程に使用した(83%の収率)。MS(APCI):化学式C27H14FNO5についての計算値(M-)=489;実測値:489。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.52(s,1H)、8.37(q,J=8.1,7.7Hz,3H)、8.04(d,J=7.9Hz,2H)、7.93(d,J=8.7Hz,1H)、7.84(d,J=8.0Hz,2H)、7.49(d,J=8.6Hz,1H)、7.34(d,J=8.3Hz,1H)、4.67(s,2H)。
【0148】
化合物PLC-10:(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ジフェニル-5H-4λ4,5λ4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-1,3-ジオキソ-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)アセテート)。化合物PLC-10.1(73.4mg、0.15mmol、3当量)を無水DCM(10.0ml)に懸濁し、化合物PLC-1.4(39.93mg、0.05mmol、1当量)、DMAP-pTSA(58.8mg、0.2mmol、4当量)、EDC・HCl(47.92mg、0.25mmol、5当量)を加え、アルゴン雰囲気下、室温で5時間撹拌し、DCM(150ml)で希釈し、濾過し、固体を50mlのDCMで洗浄し、濾液を収集し、80gのSiO2カラムにロードし、Hex-DCM(1/1)、DCMのみ、次いで0.5%EAをDCMで溶離し、次いでMeOHで洗浄し、82mg、94%の収率を得た。1H NMR(400MHz) δ 8.63(d,J=7.9Hz,1H)、8.58(d,J=8.3Hz,1H)、8.19(d,J=2.1Hz,1H)、8.01(d,J=8.2Hz,1H)、7.96(d,J=8.3Hz,2H)、7.71(d,J=2.5Hz,4H)、7.61(d,J=8.1Hz,3H)、7.45(d,J=8.6Hz,1H)、7.32(d,J=8.4Hz,1H)、7.20(d,J=8.6Hz,2H)、6.87(t,J=7.3Hz,1H)、6.78(t,J=7.6Hz,2H)、6.69(d,J=7.5Hz,2H)、6.45(s,2H)、5.24(s,1H)、5.14(s,2H)、1.96(s,1H)、1.91(s,3H)、1.77(s,2H)、1.18(d,J=6.5Hz,6H)。
【0149】
【0150】
化合物PLC-11.1:(3,7-ビス(4-ブロモフェニル)-10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン):250mLの2N丸底フラスコをアルミニウム製のヒートブロック内に入れ、撹拌子を入れた。フラスコに、フィン付き凝縮器/ガスアダプター、及び流量制御バルブを取り付けた。システムをアルゴンでフラッシュした。フラスコに2-(4-ブロモフェニル)-4-フェニル-1H-ピロール(3.00mmol、895mg)及び2,6-ジクロロベンズアルデヒド(1.530mmol、268mg)を加え、続いて無水ジクロロエタン(40mL)を加えた。アルゴン雰囲気下で、反応混合物に窒素を2分間散布し、次いでpTsOH・H2O(0.450mmol、86mg)を加え、続いて追加の10mLの無水ジクロロエタンを加えた。TLCは、室温にて15分で所望のジピロロメタンへのスポット間変換を示す。窒素散布を中止し、反応混合物をアルゴン下で撹拌した。反応混合物をアルゴン下で一晩撹拌した。翌日、DDQ(1.80mmol、409mg)を加え、続いて無水ジクロロエタンを加え、反応混合物を室温で1時間撹拌した。反応混合物にEt3N(13.5mmol、1.7mL)及びBF3・OEt2(9.00mmol、1.3mL)を加え、反応混合物を室温で2分間撹拌した。Et3N(13.5mmol、1.7mL)及びBF3・OEt2(9.00mmol、1.3mL)の添加を繰り返し、次いで反応混合物を室温で1時間撹拌した。ヒートブロックを80℃に設定し、反応混合物をこの温度で1時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、300mLの酢酸エチルで希釈し、メタノール(25mL)を加えてクエンチした。反応混合物を飽和NaHCO3水溶液(3×100mL)、ブライン(50mL)で抽出し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空で蒸発乾固した。粗生成物をDCMに溶解し、真空で約40mLのフラッシュシリカゲル上に蒸発させた。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化50%トルエン/ヘキサン、溶離50%トルエン/ヘキサン(2CV)→75%トルエン/ヘキサン(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。748mgの濃いピンク色の固体、62%の収率(ピロールに基づく)を得た。MS(APCI):化学式C39H23BBr2Cl2F2N2についての計算値(M-)=796;実測値:796。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 7.87~7.79(m,4H)、7.66~7.59(m,4H)、7.03~6.90(m,10H)、6.57~6.44(m,5H)。
【0151】
化合物PLC-11.2:(4’,4’’’-(10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4-オール)):PLC-11.2を、上記の手順と同様に、無水THF(100mL)及び水(10mL)中のPLC-11.1(0.650mmol、519mg)、(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(3.90mmol、538mg)、K2CO3(15.02mmol、2.075g)、及びPd(dppf)Cl2(0.065mmol、48mg)から合成した。粗反応混合物を酢酸(10mL)でクエンチし、フラッシュシリカゲル(約40mL)を加えた。粗反応混合物を真空中で蒸発乾固した。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、平衡化100%ヘキサン、溶離100%ヘキサン(2CV)→100%EtOAc(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗色の固体、501mg(93%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C51H33BCl2F2N2O2についての計算値(M-)=824;実測値:824。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.10~8.01(m,4H)、7.73~7.64(m,4H)、7.63~7.54(m,4H)、7.08~6.89(m,14H)、6.62~6.45(m,5H)。
【0152】
化合物PLC-11:((10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(4-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)):PLC-11を、無水EtOAc(5mL)中のPLC-11.2(0.100mmol、83mg)、PLC-1.8(0.300mmol、135mg)、DMAP・pTsOH塩(0.400mmol、118mg)、及びEDC・HCl(0.250mmol、48mg)から合成した。EDC・HCl(0.250mmol、48mg)の添加を繰り返して完全な反応を得た。反応混合物を真空で蒸発乾固し、DCMに溶解し、フラッシュシリカゲル(固体ローダー内約40mL)にロードし、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、平衡化100%DCM、溶離100%DCM(2CV)→10%EtOAc/DCM(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。116mg(69%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C107H67BCl2F2N4O10についての計算値(M-)=1686;実測値:1686。1H NMR(400MHz,塩化メチレン-d2) δ 8.65(d,J=7.9Hz,2H)、8.60(d,J=8.3Hz,2H)、8.22(s,4H)、8.14(dd,J=8.0,1.6Hz,2H)、8.02(d,J=8.0Hz,2H)、7.74~7.67(m,4H)、7.63~7.54(m,6H)、7.50(s,4H)、7.46~7.30(m,18H)、7.29~7.24(m,4H)、7.20~7.13(m,4H)、7.06~7.00(m,8H)、4.04(s,4H)、2.76(hept,J=7.0Hz,4H)、1.16(d,J=6.8Hz,24H)。
【0153】
【0154】
化合物PLC-12.1:5mLのDMF中の1H,3H-イソクロメノ[6,5,4-mna]キサンテン-1,3-ジオン(化合物PLC-1.7)(100mg、0.347mmol)、2-(4-アミノフェニル)酢酸(135mg、0.9mmol)の混合物をマイクロ波反応器内で165℃にて2時間加熱した。50℃に冷却した後、得られた溶液にアセトン1.5mLを滴下して加えて黄色の沈殿物を形成し、濾過により収集した後、アセトンで洗浄し、空気中で乾燥させて黄色固体(88mg、61%の収率)を得た。LCMS(APCI)により確認した:C26H15NO5についての計算値(M-):421.1;実測値:421。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.27(d,J=45.1Hz,4H)、7.67~7.00(m,8H)、3.58(s,2H)。
【0155】
化合物PLC-12((10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)アセテート)):PLC-12を、PLC-12.1(0.020mmol、16.5mg)、2-(4-(1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)酢酸(0.060mmol、25.3mg)、DMAP・pTsOH塩(0.080mmol、23.6mg)、及びEDC・HCl(0.060mmol、11.5mg)から合成した。粗反応混合物を蒸発乾固し、DCMに溶解し、固体ローダー内のフラッシュシリカゲル(約5g)にロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80g、平衡化100%DCM、溶離100%DCM(2CV)→10%EtOAc/DCM(30CV))により精製した。生成物を含む画分を蒸発乾固し、次いで熱メタノールでトリチュレートした。固体を濾別し、約110℃の真空オーブン内で乾燥した。帯青色の固体、19.8mg(61%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C103H59BCl2F2N4O10についての計算値(M-)=1630;実測値:1630。1H NMR(400MHz,メチレンクロライド-d2) δ 8.45~8.34(m,4H)、8.04(d,J=8.1Hz,4H)、7.93~7.84(m,2H)、7.78~7.65(m,10H)、7.61(d,J=8.0Hz,4H)、7.56~7.46(m,2H)、7.40~7.21(m,12H)、7.12~7.01(m,6H)、7.01~6.92(m,6H)、6.64~6.46(m,5H)、4.03(s,4H)。
【0156】
【0157】
化合物PLC-13.1(6-(4-(tert-ブチル)-2-ニトロフェノキシ)-1H,3H-ベンゾ[de]イソクロメン-1,3-ジオン):1Lの2N丸底フラスコをアルミニウム製のヒートブロック内に置き、撹拌子を入れた。フラスコに、フィン付き凝縮器/ガスアダプター、ストッパー、及び流量制御バルブを取り付けた。システムをアルゴンでフラッシュした。フラスコに6-ブロモ-1H,3H-ベンゾ[de]イソクロメン-1,3-ジオン(40.0mmol、11.084g)及び4-(tert-ブチル)-2-ニトロフェノール(60.0mmol、11.712g)を加え、続いて無水NMP(150mL)を加えた。フラスコにNaOH(20.0mmol、800mg)及び銅(粉末)(20.0mmol、1271mg)を加え、続いて無水NMP(25mL)を加えた。アルゴン雰囲気下で、ヒートブロックを170℃に設定してフラスコを撹拌した。反応物をこの温度で一晩撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水(175mL)及び1N HCl(44mL)で処理した。反応混合物を30分間撹拌し、次いで濾別し、水で洗浄した。沈殿物をアセトン/DCMの入ったフラスコに移し、蒸発乾固させ、次いでトルエンと共沸混和した。粗生成物を少量のDCMに溶解し、メタノール(300mL)で処理した。熱水浴(80℃)を用いて回転蒸発によりDCMとメタノールの一部を除去した。全てのDCMが除去されたら、混合物を室温に冷却し、固体を濾別した。8.180gの渋色の粉末(52%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C22H17NO6についての計算値(M+H)=392;実測値:392。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.82(dd,J=8.4,1.2Hz,1H)、8.71(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.49(d,J=8.3Hz,1H)、8.16(d,J=2.4Hz,1H)、7.91(dd,J=8.4,7.3Hz,1H)、7.80(dd,J=8.6,2.4Hz,1H)、7.34(d,J=8.6Hz,1H)、6.91(d,J=8.3Hz,1H)、1.43(s,9H)。
【0158】
化合物PLC-13.2(6-(2-アミノ-4-(tert-ブチル)フェノキシ)-1H,3H-ベンゾ[de]イソクロメン-1,3-ジオン):250mLの2N丸底フラスコをアルミニウム製のヒートブロック内に置き、撹拌子を入れた。フラスコに、フィン付き凝縮器/ガスアダプター、ストッパー、及び流量制御バルブを取り付けた。システムをアルゴンでフラッシュした。フラスコに化合物13.1(10.0mmol、3.914g)及び2-MeTHF(70mL)を加えた。室温で撹拌しながら、水中のHCl(100mmol、4.0N、25mL)及びSnCl2・2H2O(40.0mmol、9.024g)を添加した。アルゴン雰囲気下、ヒートブロックを90℃に設定して30分間反応混合物を撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、2N NaOH水溶液を用いてpH約8(pH紙)の塩基性にした。固体を濾別し(緩速濾過)、次いで得られた固体を2-MeTHF(8×100mL)で洗浄した。濾液を分液漏斗に移し、層を分離した。有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で蒸発乾固した。3.743g(定量的収率)を得た。更に精製せずに次の工程に使用した。MS(APCI):化学式C22H19NO4についての計算値(M+H)=362;実測値:362。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.88(dd,J=8.4,1.2Hz,1H)、8.69(dd,J=7.3,1.2Hz,1H)、8.48(d,J=8.4Hz,1H)、7.89(dd,J=8.4,7.3Hz,1H)、7.03~6.93(m,3H)、6.88(dd,J=8.4,2.3Hz,1H)、1.35(s,9H)。
【0159】
化合物PLC-13.3(9-(tert-ブチル)-1H,3H-イソクロメノ[6,5,4-mna]キサンテン-1,3-ジオン):40mLのバイアルに撹拌子、NaNO2(30.0mmol、2.070g)及び水(10mL)を入れた。バイアルを0℃の氷水浴中で撹拌した。100mLの丸底フラスコに撹拌子及び化合物13.2(4.00mmol、1.446g)を入れた。フラスコに氷AcOH(30mL)及び濃HCl(20.0mmol、12.1N、1.65mL)を加えた。混合物を室温で数分間撹拌し、次いで氷水浴に入れ、そして約1分間撹拌した。酢酸が凍結し始める前にNaNO2の溶液を加え始めた。NaNO2を約10分間かけて加えた。ジアゾ溶液を0℃で1時間撹拌した。ジアゾ溶液を撹拌しながら、大きな撹拌子を入れた250mLの2N丸底フラスコを調製した。フラスコにフィン付き凝縮器及び滴下漏斗を取り付けた。フラスコを中心からずれたネックでクランプし、滴下漏斗を中心からずれたネックに配置したため、溶液は撹拌時にボルテックスの頂部に当たる。このフラスコにCuSO4・5H2O(27.4mmol、6.842g)及び水(80mL)を加えた。ジアゾ溶液が得られる約15分前に、銅溶液を130℃まで加熱し始めた。溶液が130℃に達したとき、ジアゾ溶液を滴下漏斗に移し、約30分間にわたって高速撹拌しながらジアゾ溶液を滴下して加え始めた。添加が終了すると、溶液を更に1分~2分間加熱し、次いで室温の水浴で冷却した。沈殿物を濾別し、水で洗浄した。沈殿物を吸引によって乾燥し、次いで、粗沈殿物をDCMに溶解/懸濁し、約10gのフラッシュシリカゲル上に蒸発乾固させた。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化50%DCM/ヘキサン、溶離50%DCM/ヘキサン(2CV)→100%DCM(20CV)→アイソクラティックDCM(15CV)→0%EtOAc/DCM(0CV)→1%EtOAc/DCM(10CV))により精製した。生成物テール。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。528mg(38%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C22H16O4についての計算値(M+H)=345;実測値:345。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.61(d,J=7.9Hz,1H)、8.56(d,J=8.4Hz,1H)、8.05(d,J=2.2Hz,1H)、8.01(d,J=8.0Hz,1H)、7.66(dd,J=8.8,2.2Hz,1H)、7.38(d,J=8.7Hz,1H)、7.34(d,J=8.4Hz,1H)、1.44(s,9H)。
【0160】
化合物PLC-13.4:(4-(4-(9-(tert-ブチル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸):化合物13.4を、上記の手順と同様に、化合物13.3(1.525mmol、525mg)、4-(4-アミノフェニル)ブタン酸(3.05mmol、546mg)、及びDMAP(0.111mmol、14mg)から合成した。粗反応混合物をアセトン(25mL)及び水(50mL)で希釈した。得られた沈殿物を濾別し、1:1アセトン:水で洗浄した。得られた固体を約110℃の真空オーブン内で乾燥した。黄色の固体、738mg(96%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C32H27NO5についての計算値(M+H)=506;実測値:506。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 12.12(s,1H)、8.48~8.29(m,3H)、8.23(d,J=2.3Hz,1H)、7.68(dd,J=8.8,2.3Hz,1H)、7.43~7.30(m,4H)、7.25(d,J=7.9Hz,2H)、2.75~2.64(m,2H)、2.30(t,J=7.4Hz,2H)、1.88(p,J=7.5Hz,2H)、1.41(s,9H)。
【0161】
化合物PLC-13((5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(4-(4-(9-(tert-ブチル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)):PLC-13を、上記の手順と同様に、4’,4’’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4-オール)(化合物PLC-1.4)(0.050mmol、39.9mg)、PLC-13.4(0.150mmol、75.8mg)、DMAP・pTsOH塩(0.200mmol、58.9mg)、及びEDC・HCl(0.150mmol、28.8mg)から合成した。粗反応混合物をヘキサンで2:1に希釈し、固体ローダー内の約15gのフラッシュシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、固形分、平衡化40%DCM/ヘキサン、溶離40%DCM/ヘキサン(2CV)→100%DCM(10CV)→アイソクラティックDCM+1%EtOAc改質剤)により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。生成物を熱MeOHでトリチュレートし、得られた固体を約110℃の真空オーブン内で乾燥させた。78.8mgの暗赤色固体(89%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C106H83BF2N4O10についての計算値(M-)=1773;実測値:1773。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.61(d,J=7.9Hz,2H)、8.56(d,J=8.3Hz,2H)、8.08(d,J=8.3Hz,4H)、8.06(d,J=2.3Hz,2H)、7.99(d,J=8.1Hz,2H)、7.76~7.68(m,8H)、7.63(dd,J=8.7,2.2Hz,2H)、7.47(d,J=8.3Hz,4H)、7.36(d,J=8.7Hz,2H)、7.30(dd,J=8.3,1.7Hz,6H)、7.26~7.20(m,4H)、7.01~6.94(m,2H)、6.88(t,J=7.5Hz,4H)、6.80(d,J=7.0Hz,4H)、6.57(s,2H)、6.02(s,2H)、2.89(t,J=7.6Hz,4H)、2.72(t,J=7.4Hz,4H)、2.20(p,J=7.5Hz,4H)、2.01(s,6H)、1.87(s,3H)、1.45(s,18H)。
【0162】
【0163】
化合物PLC-14.1:(2-(4-(9-(tert-ブチル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)酢酸):化合物PLC-14.1を、化合物1と同様の方法で、無水DMF(10mL)中で化合物PLC-13.3(1.191mmol、410mg)及び2-(4-アミノフェニル)酢酸(2.98mmol、450mg)から合成した。後処理及び沈殿後、生成物579mg(定量収率)を得た。MS(APCI):化学式C30H23NO5についての計算値(M+H)=478;実測値:478。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.48(d,J=7.9Hz,1H)、8.44(d,J=8.3Hz,1H)、8.38(d,J=8.1Hz,1H)、8.27(d,J=2.4Hz,1H)、7.69(dd,J=8.8,2.3Hz,1H)、7.45~7.38(m,4H)、7.31~7.27(m,2H)、3.68(s,2H)、1.41(s,9H)。
【0164】
化合物PLC-14((5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-(4-(9-(tert-ブチル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)アセテート)):化合物PLC-14を、化合物2と同様の方法で、4’,4’’’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4-オール)(PLC-1.4)(0.050mmol、39.9mg)、化合物PLC-14.1(0.150mmol、71.6mg)、DMAP・pTsOH塩(0.200mmol、58.9mg)、及びEDC・HCl(0.150mmol,28.8mg)から合成した。通常の方法により精製した後、生成物を熱MeOHでトリチュレートした。生成物を約110℃の真空オーブン内で乾燥させた。暗赤色固体、57.3mg(67%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C102H75BF2N4O10についての計算値(M-)=1716;実測値:1716。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.53(d,J=7.9Hz,2H)、8.48(d,J=8.3Hz,2H)、8.05(d,J=2.3Hz,2H)、8.03~7.98(m,4H)、7.91(d,J=8.0Hz,2H)、7.75~7.69(m,8H)、7.65~7.58(m,6H)、7.37~7.33(m,4H)、7.32(d,J=8.7Hz,2H)、7.28~7.23(m,4H)、7.18(d,J=8.3Hz,2H)、7.00~6.93(m,2H)、6.91~6.84(m,4H)、6.84~6.78(m,4H)、6.55(s,2H)、6.04(s,2H)、4.03(s,4H)、2.03(s,6H)、1.87(s,3H)、1.45(s,18H)。
【0165】
【0166】
化合物PLC-15.1((E)-1-(4-ブロモフェニル)-3-(4-(tert-ブチル)フェニル)プロパ-2-エン-1-オン):500mLの丸底フラスコに、撹拌子、1-(4-ブロモフェニル)エタン-1-オン(40.0mmol、7.960g)、4-(tert-ブチル)ベンズアルデヒド(40.0mmol、6.489g、6.69mL)、及びエタノール(200プルーフ、80mL)を入れた。室温で撹拌しながらKOH(78.4mmol、4.399g)を加えた。反応混合物を室温で激しく撹拌した。2分~3分以内に沈殿物が形成されたため、撹拌速度を上げて撹拌スラリーを維持した。30分後、TLCは出発物質の完全な消費を示す。反応混合物を撹拌水(500mL)に注いだ。この混合物を室温で5分間撹拌し、次いで固体を濾別し、水で洗浄した。沈殿物を110℃の真空オーブン内で一晩乾燥させた。NMRは不純物の存在を示すため、固体をメタノールでトリチュレートした。これは純度を向上させなかったことから、材料をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(330g、混合物をシリカゲル上に蒸発させる、平衡化100%ヘキサン、溶離100%ヘキサン(2CV)→10%EtOAc/ヘキサン(20CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固し、灰白色固体を得た。8.983g(65%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C19H19BrOについての計算値(M+H)=343;実測値:343。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 7.92~7.85(m,2H)、7.79(d,J=15.6Hz,1H)、7.70~7.65(m,2H)、7.64~7.59(m,2H)、7.47(d,J=8.4Hz,2H)、7.44(d,J=15.6Hz,1H)、1.35(s,9H)。
【0167】
化合物PLC-15.2(1-(4-ブロモフェニル)-3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4-ニトロブタン-1-オン):250mLの2N丸底フラスコに撹拌子を入れ、フィン付き凝縮器、ガスアダプター、及び流量制御バルブを取り付けた。システムをアルゴンでフラッシュした後、PLC-15.1(8.898g、25.92mmol)、エタノール(200プルーフ、27mL)、ニトロメタン(28mL)、及びKOH(5.184mmol、291mg)を入れた。反応混合物をアルゴン下で撹拌し、アルミニウム製のヒートブロック内で95℃に加熱した。30分後、TLCは出発物質の完全な消費を示す。フラスコをヒートブロックから取り出し、氷水浴に入れ、ほぼ室温に冷却した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)と水(100mL)で分け、少量の固体NaClを加えてエマルジョンを破壊した。層を分離し、有機層をMgSO4上で乾燥し、濾過し、真空で濃縮乾固した。得られた黄色油状物を加温しながらヘキサンでトリチュレートし、固体を得た。固体を室温で一晩撹拌し、次いで濾別し、ヘキサンで洗浄した。得られた灰白色固体を80℃の真空オーブン内で乾燥した。9.10g(87%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C20H22BrNO3についての計算値(M+H)=404;実測値:404。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 7.82~7.75(m,2H)、7.66~7.59(m,2H)、7.37~7.32(m,2H)、7.22~7.15(m,2H)、4.81(dd,J=12.5,6.7Hz,1H)、4.68(dd,J=12.5,8.0Hz,1H)、4.16(p,J=7.1Hz,1H)、3.44(dd,J=17.9,6.1Hz,1H)、3.36(dd,J=17.9,7.5Hz,1H)、1.29(s,9H)。
【0168】
化合物PLC-15.3(1-(4-ブロモフェニル)-3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-4,4-ジメトキシブタン-1-オン):500mLの丸底フラスコに、撹拌子を入れた。フラスコにPLC-15.2(22.51mmol、9.10g)を加え、続いて無水THF(235mL)及びメタノール(120mL)を加えた。反応混合物を室温で激しく撹拌し、次いでKOH(58.35mmol)をフラスコに加えた。反応混合物を室温で撹拌した。別の2N 1L丸底フラスコ内で、H2SO4(25mL)及びメタノール(120mL)の混合物を注意深く調製する。フラスコを中心から外れたネックでクランプし、慎重に栓をする。90分後、反応混合物を、中心から外れたネックの添加漏斗に添加した。1Lフラスコを0℃の氷水浴中で冷却した。H2SO4/MeOH混合物を激しく撹拌し、溶液を滴下して加えた。ガス放出のように見え、液体の上の大気は帯茶色のオレンジ色に変わる。添加を2.5時間かけて行った。反応混合物を更に1時間撹拌し、次いで混合物を2L三角フラスコに移した。撹拌した混合物に水(300mL)を加え、続いて2N NaOH(約250mL)を加え、pHをおよそ10とした。溶液をDCM(2×300mL)で分けた。合わせた有機層をMgSO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮乾固した。得られた褐色油状物を一晩固化する。1H NMRは、約75%のジメチルアセタールと25%のアルデヒドの混合物を示す。この混合物を更に精製せずに次の工程で使用した。
【0169】
化合物PLC-15.4(2-(4-ブロモフェニル)-4-(4-(tert-ブチル)フェニル)-1H-ピロール):100mLの2N丸底フラスコに撹拌子を入れ、フィン付き凝縮器、ガスアダプター、及び流量制御を取り付けた。システムをアルゴンでフラッシュした。フラスコに、粗PLC-15.3(100%の収率と仮定)及びNH4OAc(109.4mmol、8.432g)を加え、続いて氷酢酸(35mL)を加えた。反応混合物をアルゴン下で撹拌し、100℃のアルミニウム製のヒートブロック内で加熱した。5時間の時点でのTLCは、アルデヒド及びアセタールの完全な消費を示す。反応混合物を撹拌水(300mL)に注いでクエンチした。生じた沈殿物を真空濾過により収集し、水で洗浄した。約80℃の真空オーブン内で乾燥した。7.56gの濃い灰色の固体(化合物1.2に基づく95%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C20H20BrNについての計算値(M+H)=354;実測値:354。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.49(s,1H)、7.56~7.51(m,2H)、7.51~7.47(m,2H)、7.43~7.37(m,4H)、7.16(dd,J=2.7,1.7Hz,1H)、6.81(dd,J=2.8,1.7Hz,1H)、1.35(s,9H)。
【0170】
化合物PLC-15.5(3,7-ビス(4-ブロモフェニル)-1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン):250mLの2N丸底フラスコに撹拌子を入れ、フィン付き凝縮器、ガスアダプター、及び流量制御を取り付けた。システムをアルゴンでフラッシュした。フラスコに、PLC-15.4(2.0mmol、709mg)、メシトアルデヒド(2.50mmol、0.369mL)、及び無水ジクロロエタン(50mL)を加えた。アルゴン雰囲気下、室温で撹拌しながら、反応混合物に窒素ガスを10分間散布した。フラスコにpTsOH・H2O(0.300mmol、57mg)を加え、撹拌及び窒素ガスの散布を更に10分間継続した。フラスコを静的アルゴン下で撹拌し、アルミニウム製のヒートブロックを用いて80℃で一晩加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、DDQ(1.70mmol、386mg)を加え、アルゴン下、室温で1時間撹拌を続けた。反応混合物に、Et3N(8.00mmol、1.11mL)及びBF3・OEt2(12.0mmol、1.48mL)を加えた。反応混合物を室温で2分間撹拌し、次いでEt3N(8.00mmol、1.11mL)及びBF3・OEt2(12.0mmol、1.48mL)の添加を繰り返した。フラスコをヒートブロックに戻し、ヒートブロックを80℃に設定した。反応混合物を80℃で90分間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、次いでヘキサンの添加により容量を2倍にし、室温で一晩撹拌を続けた。反応混合物を固体ローダー内のフラッシュシリカゲル65g上にロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(330g、平衡化100%ヘキサン、溶離100%ヘキサン(2CV)→40%トルエン/ヘキサン(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。赤ピンク色の固体、236mg(27%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C50H47BBr2F2N2についての計算値(M-)=882;実測値:882。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 7.84~7.78(m,4H)、7.64~7.59(m,4H)、6.89~6.84(m,4H)、6.69~6.63(m,4H)、6.45(s,2H)、6.02(s,2H)、1.97(s,6H)、1.88(s,3H)、1.19(s,18H)。
【0171】
化合物PLC-15.6(4’,4’’’-(1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス(([1,1’-ビフェニル]-4-オール))):化合物PLC-15.6を、化合物10.1と同様の方法で、THF(8mL)及び水(0.8mL)中のPLC-15.5(0.205mmol、181mg)、(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(1.228mmol、169mg)、K2CO3(1.228mmol、170mg)、及びPd(dppf)Cl2(0.0512mmol、37.4mg)から、110℃のマイクロ波合成装置内で合成した。粗反応混合物をローダー内の約65gのシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、平衡化100%トルエン、溶離100%トルエン(2CV)→10%EtOAc/トルエン(20CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗紫赤色の固体、115mg(62%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C62H57BF2N2O2についての計算値(M-)=910;実測値:910。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 7.99~7.90(m,4H)、7.62~7.54(m,4H)、7.54~7.47(m,4H)、6.89~6.82(m,4H)、6.81~6.75(m,4H)、6.65~6.56(m,4H)、6.45(s,2H)、5.94(s,2H)、4.94(s,2H)、1.91(s,6H)、1.80(s,3H)、1.11(s,18H)。
【0172】
化合物PLC-15((1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(4-(4-(9-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)):化合物PLC-15を、PLC-15.6(0.0201mmol、18.3mg)、4-(4-(9-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸(PLC-6.5)(0.0603mmol、38.2mg)、DMAP・pTsOH塩(0.0804mmol、23.7mg)、及びEDC・HCl(0.0804mmol、15.4mg)から合成した。粗反応混合物をローダー内の約25gのフラッシュシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、固形分、平衡化100%ヘキサン、溶離100%ヘキサン(3CV)→100%DCM/1%EtOAc改質剤(0CV)→100%DCM/1%EtOAc改質剤(15CV)→100%DCM/2%EtOAc改質剤→100%DCM/3%EtOAc改質剤→100%DCM/4%EtOAc改質剤(生成物からの黄色不純物の分離を追跡し、それらが別々に溶離するまでEtOAcを上昇させる))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗赤色固体、38.6mg(90%の収率)を得た。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.65(d,J=7.9Hz,2H)、8.59(d,J=8.3Hz,2H)、8.24(d,J=2.2Hz,2H)、8.13~8.04(m,10H)、7.95(s,2H)、7.80(dd,J=8.7,2.1Hz,2H)、7.75~7.69(m,8H)、7.67~7.62(m,4H)、7.56(d,J=8.6Hz,2H)、7.41~7.34(m,6H)、7.30~7.23(m,4H)、6.88(d,J=8.4Hz,4H)、6.70(d,J=8.2Hz,4H)、6.56(s,2H)、6.03(s,2H)、4.04(s,4H)、2.01(s,6H)、1.89(s,3H)、1.21(s,18H)。
【0173】
【0174】
化合物PLC-16.1(3,7-ビス(4-ブロモフェニル)-1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン):PLC-16.1を、上記の方法と同様に、無水DCE(25mL)中のPLC-15.4(2.0mmol、709mg)、2,6-ジクロロベンズアルデヒド(1.0mmol、175mg)、pTsOH・H2O(0.300mmol、57mg)、DDQ(1.30mmol、295mg)、Et3N(8.00mmol、1.12mL)、及びBF3・OEt2(12.0mmol、1.48mL)から合成した。ジピロメタン工程は80℃ではなく室温で行った。粗反応混合物をヘキサンで2倍容量に希釈し、ローダー内の約60gのフラッシュシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(330g、固形分、平衡化なし、溶離100%ヘキサン(2CV)→50%トルエン/ヘキサン(20CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。濃い赤ピンク色の固体、483mg(53%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C47H39BBr2Cl2F2N2についての計算値(M-)=908;実測値:908。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 7.87~7.78(m,4H)、7.66~7.59(m,4H)、6.97~6.87(m,8H)、6.53~6.37(m,5H)、1.18(s,18H)。
【0175】
化合物PLC-16.2(4’,4’’’-(1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス(([1,1’-ビフェニル]-4-オール))):PLC-16.2を、化合物10.1と同様の方法で、THF(8mL)及び水(0.8mL)中のPLC-16.1(0.205mmol、181mg)、(4-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(1.228mmol、169mg)、K2CO3(1.228mmol、170mg)、及びPd(dppf)Cl2(0.0512mmol、37.4mg)から、110℃のマイクロ波合成装置内で合成した。粗反応混合物をローダー内の約65gのフラッシュシリカにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化なし、溶離100%トルエン(2CV)→10%EtOAc/トルエン(20CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗赤紫色の固体、117mg(61%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C59H49BCl2F2N2O2についての計算値(M-)=936;実測値:936。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.08~8.03(m,4H)、7.71~7.66(m,4H)、7.62~7.57(m,4H)、6.94(d,J=7.2Hz,12H)、6.57(s,2H)、6.51(d,J=1.3Hz,1H)、6.49(s,1H)、6.41(dd,J=9.0,7.0Hz,1H)、5.03(s,2H)、1.19(s,18H)。
【0176】
化合物PLC-16((1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-10-(2,6-ジクロロフェニル)-5,5-ジフルオロ-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(4-(4-(9-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタノエート)):化合物PLC-16を、上記の方法と同様に、PLC-16.2(0.030mmol、28.1mg)、4-(4-(9-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)ブタン酸(PLC-6.5)(0.090mmol、57mg)、DMAP・pTsOH塩(0.120mmol、35.3mg)、及びEDC・HCl(0.120mmol、23mg)から合成した。粗反応混合物をヘキサンで希釈し、ローダー内の約30gのフラッシュシリカにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80g、平衡化100%ヘキサン/0.5%EtOAc改質剤、溶離100%ヘキサン/0.5%EtOAc改質剤(2CV)→100%DCM/0.5%EtOAc改質剤(0CV)→アイソクラティック100%DCM/0.5%EtOAc改質剤(10CV)→100%DCM/1%EtOAc改質剤(20CV)→100%DCM/2%EtOAc改質剤(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。粗生成物を熱メタノールでトリチュレートした。生成物を約110℃の真空オーブン内で乾燥させた。暗赤色固体47.6mg(73%の収率)を得た。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.65(d,J=7.8Hz,2H)、8.59(d,J=8.3Hz,2H)、8.24(d,J=2.2Hz,2H)、8.14~8.04(m,10H)、7.95(s,2H)、7.80(dd,J=8.6,2.1Hz,2H)、7.77~7.69(m,8H)、7.65(d,J=8.3Hz,4H)、7.56(d,J=8.6Hz,2H)、7.37(dd,J=8.3,5.6Hz,6H)、7.30~7.24(m,4H)、6.95(s,8H)、6.59(s,2H)、6.54~6.48(m,2H)、6.42(dd,J=9.0,7.0Hz,1H)、4.04(s,4H)、1.19(s,18H)。
【0177】
【0178】
化合物PLC-17.1:2-[4-(9-ブロモ-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)酢酸:DMF(8mL)中の化合物PLC-6.3(400.0mg、1.1mmol)、4-アミノフェニル酢酸(329.4mg、2.2mmol)及びDMAP(9.3mg、0.080mmol)の混合物を室温で脱気した。次いで、混合物を165℃まで加熱し、この温度で3時間保持した。TLC及びLCMSは観察可能な副反応を伴わずに約95%の変換を示した。混合物を50℃に冷却した。次いで、それをアセトン溶液(40mL)に注ぎ、これを水氷浴によって予冷した。混合物を0℃で2時間保持し、次いで室温で一晩撹拌し続けた。固体を真空濾過により収集し、アセトン(4mL)で洗浄した。そして、それを100℃の真空オーブンで3時間乾燥させて、純粋な化合物を黄褐色固体(395.0mg、73%の収率)として得た。MS(APCI):化学式C26H14BrNO5についての計算値([M+H]+)=500;実測値:500。1H NMR(400MHz,CDCl2CDCl2) δ 8.65(d,J=8.0Hz,1H)、8.62(d,J=8.0Hz,1H)、8.21(dd,J=6.4Hz,2.4Hz,1H)、7.99(bs,1H)、7.95(t,J=7.6Hz,1H)、7.67(dd,J=8.4Hz,2.4Hz,1H)、7.53(d,J=8.0Hz,2H)、7.37(d,J=8.4Hz,1H)、7.32(m,3H)、2.94(s,2H)。
【0179】
化合物PLC-17.2:2-[4-(1,3-ジオキソ-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)酢酸:100mLバイアルに撹拌子を取り付けた。バイアルに、THF/DMF/H2O(22ml/4.4ml/2.2ml)中の化合物PLC-17.1(400.0mg、0.80mmol)、4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(262.2mg、1.6mmol)、Pd(dppf)Cl2(41.0mg、0.056mmol)及びK2CO3(298.0mg、2.2mmol)を室温で脱気した。反応混合物を80℃まで加熱し、この温度で一晩反応物を保持した。TLCを用いて反応をモニターした。完了後、0.1N HCl(150ml)及びEtOAc(150ml)の添加により反応物を後処理した。水相を更にTHF(150ml×3)で更に抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、ロータリーエバポレーター下で濃縮し、溶離剤としてEtOAc(0%→40%、0.1%TFAを含む)中のDCMを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋なRL-ナフタルイミド誘導体を黄色/黄褐色固体(363.0mg、80%の収率)として得た。MS(APCI):化学式C33H18F3NO5についての計算値([M+H]+)=566;実測値:566。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) 8.76(m,1H)、8.56(m,2H)、8.52(dd,J=8.0Hz,J=3.2Hz,1H)、8.15(m,2H)、8.06(m,1H)、7.94(d,J=8.0Hz,2H)、7.66(dd,J=8.0Hz,J=4.0Hz,1H)、7.53(m,1H)、7.45(d,J=8.0Hz,2H)、7.33(d,J=8.0Hz,2H)、3.72(s,2H)。
【0180】
化合物PLC-17:(1,9-ビス(4-(tert-ブチル)フェニル)-5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-(4-(1,3-ジオキソ-9-(トリフルオロメチル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)アセテート)):化合物PLC-17を、上記の方法と同様に、化合物PLC-17.2(0.025mmol、22.8mg)、化合物PLC-15.6(0.075mmol、37mg)、DMAP・pTsOH塩(0.100mmol、29mg)及びEDC・HCl(0.125mmol、24mg)から合成した。粗反応混合物をヘキサンで希釈し、ローダー内の約30gのフラッシュシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(80g、固形分、平衡化100%ヘキサン、溶離100%ヘキサン(2CV)→100%DCM(0CV)→100%DCM(5CV)→100%DCM/1%EtOAc改質剤(化合物が溶離するまで))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。生成物を熱メタノールでトリチュレートした。生成物を約110℃の真空オーブン内で乾燥させた。暗赤色固体、42mg(91%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C116H81BF8N4O10についての計算値(M-)=1853;実測値:1853。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.54(d,J=7.8Hz,2H)、8.51(d,J=8.3Hz,2H)、8.21(d,J=2.1Hz,2H)、7.98(d,J=8.2Hz,4H)、7.91(d,J=8.1Hz,2H)、7.71(dd,J=8.9,2.0Hz,2H)、7.67~7.59(m,8H)、7.59~7.52(m,4H)、7.41(d,J=8.6Hz,2H)、7.31~7.24(m,6H)、7.21~7.14(m,4H)、6.83~6.76(m,4H)、6.61(d,J=8.3Hz,4H)、6.46(s,2H)、5.94(s,2H)、3.95(s,4H)、1.92(s,6H)、1.80(s,3H)、1.11(s,18H)。
【0181】
【0182】
化合物PLC-18.1(2-[4-(9-(4-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)酢酸):化合物PLC-18.1を、化合物2.3と同様の方法で、THF(60mL)、DMF(12mL)及び水(6mL)中の化合物PLC-17.1(2.00mmol、1001mg)、2-(4-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(4.00mmol、1465mg)、K2CO3(5.50mmol、760mg)、及びPd(dppf)Cl2(0.140mmol、102mg)から、80℃で2時間にわたり合成した。粗生成物反応混合物を6N HCl(5mL)でクエンチし、水(50mL)及びTHF(50mL)で希釈した。水層が飽和するまで塩化ナトリウムを加え、次いで層を分離し、水層をTHF(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、MgSO4で乾燥し、濾過し、真空中(DMFを含む)で蒸発乾固した。粗生成物を約50gのフラッシュシリカゲル上に蒸発させ、ローダー内に入れた。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化100%DCM、溶離100%DCM(2CV)→40%(EtOAc/0.1%TFA)/DCM(20CV)→70%(EtOAc/0.1%TFA)/DCM(20CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。黄色固体、722mg(55%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C39H33NO9についての計算値(M+H)=660;実測値:660。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) δ 8.57(d,J=2.2Hz,1H)、8.52(s,2H)、8.48(d,J=8.3Hz,1H)、7.90(dd,J=8.7,2.2Hz,1H)、7.84~7.78(m,2H)、7.55(d,J=8.7Hz,1H)、7.48(d,J=8.3Hz,1H)、7.41(d,J=8.1Hz,2H)、7.33~7.26(m,2H)、7.12~7.07(m,2H)、4.22~4.14(m,2H)、3.82~3.76(m,2H)、3.68(s,2H)、3.65~3.59(m,2H)、3.58~3.51(m,4H)、3.48~3.41(m,2H)、3.25(s,3H)。
【0183】
化合物PLC-18((5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-(4-(9-(4-(2-(2-(2-メトキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)アセテート)):化合物PLC-18を、上記の方法と同様に、4’,4’’’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4-オール)(PLC-1.4、0.040mmol、32mg)、化合物PLC18.1(0.120mmol、79.2mg)、DMAP・pTsOH塩(0.160mmol、47.1mg)、及びEDC・HCl(0.200mmol、38.3mg)から合成した。粗生成物をローダー内の約65gのフラッシュシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、固形分、平衡化100%DCM、溶離100%DCM(2CV)→100%DCM/0.5%MeOH改質剤(1CV)→100%DCM/1%MeOH改質剤(1CV)→100%DCM/2%MeOH改質剤(20CV)→100%DCM/3%MeOH改質剤(5CV))により精製した。生成物は2%MeOHでは溶離が遅すぎるが、3%MeOH改質剤では急速に溶離する。純生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗赤色の粉末、40.8mg(52.8%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C120H95BF2N4O18についての計算値(M-)=1929;実測値:1929。1H NMR(400MHz,テトラクロロエタン-d2) δ 8.61(d,J=7.8Hz,2H)、8.56(d,J=8.3Hz,2H)、8.18(d,J=2.2Hz,2H)、8.08(d,J=8.2Hz,4H)、8.00(d,J=8.2Hz,2H)、7.79~7.68(m,10H)、7.64(t,J=8.5Hz,8H)、7.46(d,J=8.6Hz,2H)、7.41~7.35(m,4H)、7.31(d,J=8.4Hz,2H)、7.29~7.24(m,4H)、7.12~7.04(m,4H)、6.97(t,J=7.2Hz,2H)、6.88(t,J=7.5Hz,4H)、6.80(d,J=7.1Hz,4H)、6.57(s,2H)、6.02(s,2H)、4.22(t,J=4.8Hz,4H)、4.04(s,4H)、3.90(t,J=4.8Hz,4H)、3.78~3.72(m,4H)、3.72~3.62(m,8H)、3.59~3.53(m,4H)、3.38(s,6H)、2.02(s,6H)、1.87(s,3H)。
【0184】
【0185】
化合物PLC-19.1:((E)-1-(4-ブロモフェニル)-3-(4-オクチルフェニル)プロパ-2-エン-1-オン):化合物PLC-19.1を、上記の方法と同様に、200プルーフEtOH(35mL)中の1-(4-ブロモフェニル)エタン-1-オン(22.9mmol、4.557g)、4-オクチルベンズアルデヒド(22.9mmol、5.00g)、及びKOH(44.89mmol、2.519g)から室温で合成した。粗生成物を、水を加えて沈殿させ、濾別し、200プルーフEtOHから再結晶した。灰白色固体、8.197g(90%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C23H27BrOについての計算値(M+H)=399;実測値:399。1H NMR(400MHz,TCE) δ 7.91~7.85(m,2H)、7.79(d,J=15.6Hz,1H)、7.70~7.64(m,2H)、7.61~7.55(m,2H)、7.44(d,J=15.7Hz,1H)、7.29~7.23(m,2H)、2.70~2.60(m,2H)、1.66~1.61(m,2H)、1.39~1.20(m,10H)、0.92~0.86(m,3H)。
【0186】
化合物PLC-19.2(1-(4-ブロモフェニル)-4-ニトロ-3-(4-オクチルフェニル)ブタン-1-オン):化合物PLC-19.2を、上記の方法と同様に、ニトロメタン(22mL)及び200プルーフエタノール(22mL)中の化合物PLC-19.1(20.52mmol、8.197g)及びKOH(4.104mmol、230mg)から95℃にて1時間にわたり合成した。粗反応混合物を100mLの水と100mLのEtOAcとの間で分けた。少量のNaClがエマルジョンを破壊する。層を分離し、有機層をMgSO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発乾固させた。濃い褐色油状物、9.34g(99%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C24H30BrNO3についての計算値(M+H)=460;実測値:460。1H NMR(400MHz,TCE) δ 7.81~7.74(m,2H)、7.67~7.59(m,2H)、7.16(s,4H)、4.81(dd,J=12.4,6.6Hz,1H)、4.67(dd,J=12.5,8.0Hz,1H)、4.15(p,J=6.8Hz,1H)、3.43(dd,J=17.9,6.2Hz,1H)、3.36(dd,J=17.9,7.5Hz,1H)、2.62~2.51(m,2H)、1.61~1.50(m,4H)、1.38~1.22(m,10H)、0.94~0.84(m,3H)。
【0187】
化合物PLC-19.3(1-(4-ブロモフェニル)-4,4-ジメトキシ-3-(4-オクチルフェニル)ブタン-1-オン):化合物PLC-19.3を、上記の方法と同様に、乾燥THF(225mL)及び乾燥MeOH(115mL)中の化合物PLC-19.2(20.29mmol、9.34g)及びKOH(52.54mmol、2.948g)から合成した。この溶液を、0℃で乾燥MeOH(120mL)中の95%H2SO4(25mL)の溶液に滴下して加えた。後処理及び真空での全ての溶媒の蒸発後、褐色油状物、8.13g(82%の収率)を得た。ジメチルアセタール及びアルデヒドの混合物。MS(APCI):化学式C26H35BrO3についての計算値(M+H)=475;実測値:475。
【0188】
化合物PLC-19.4(2-(4-ブロモフェニル)-4-(4-オクチルフェニル)-1H-ピロール):化合物PLC-19.4を、上記の方法と同様に、AcOH(35mL)中の化合物PLC-19.3(20.29mmol、前工程から100%と仮定)、NH4OAc(109.4mmol、8.432g)から100℃で合成した。100℃で一晩加熱した後、反応混合物を室温まで冷却し、水を加えた。生じた沈殿物を濾別し、DCMに溶解し、MgSO4で乾燥後、蒸発乾固した。生成物を200プルーフエタノールから再結晶化した。紫青色固体、3.652g(41%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C24H28BrNについての計算値(M+H)=410;実測値:410。1H NMR(400MHz,TCE) δ 8.49(s,1H)、7.56~7.50(m,2H)、7.50~7.44(m,2H)、7.43~7.37(m,2H)、7.19(d,J=8.3Hz,2H)、7.15(t,J=2.1Hz,1H)、6.81(dd,J=2.6,1.6Hz,1H)、2.66~2.56(m,2H)、1.70~1.56(m,4H)、1.42~1.21(m,8H)、0.94~0.83(m,3H)。
【0189】
化合物PLC-19.5(3,7-ビス(4-ブロモフェニル)-5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ビス(4-オクチルフェニル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン):化合物PLC-19.5を、上記の方法と同様に、乾燥DCE(20mL)中の化合物PLC-19.4(2.10mmol、862mg)、2,4,6-トリメチルベンズアルデヒド(1.00mmol、0.148mL)、及びpTsOH・H2O(0.400mmol、76mg)、次いでDDQ(1.700mmol、386mg)及び2×Et3N(8.00mmol、1.11mL)、そしてBF3・OEt2(12.00mmol、1.50mL)から、60℃次いで50℃にて合成した。粗反応混合物をヘキサン(約250mL)で希釈し、6N HCL(50mL)、水(50mL)、飽和NaHCO3(2×100mL)、及びブライン(50mL)で洗浄した。有機層をMgSO4で乾燥し、濾過し、真空で蒸発乾固した。粗物質をヘキサンに溶解し、ローダー内の65gのシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化100%ヘキサン、溶離100%ヘキサン(2CV)→30%EtOAc/ヘキサン(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。深赤色固体、512mg(51%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C58H63BBr2F2N2についての計算値(M+H)=995;実測値:995。1H NMR(400MHz,TCE) δ 7.83~7.76(m,4H)、7.66~7.57(m,4H)、6.68(d,J=8.2Hz,4H)、6.64(d,J=8.1Hz,4H)、6.43(s,2H)、6.04(s,2H)、2.46~2.35(m,4H)、1.97(s,6H)、1.89(s,3H)、1.44(p,J=6.8Hz,4H)、1.38~1.21(m,22H)、0.95~0.86(m,6H)。
【0190】
化合物PLC-19.6(4’,4’’’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ビス(4-オクチルフェニル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4-オール)):化合物PLC-19.6を、上記の方法と同様に、THF(10mL)及び水(2mL)中の化合物PLC-19.5(0.200mmol、200mg)、4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノール(0.800mmol、176mg)、K2CO3(4.60mmol、636mg)、及びPd(dppf)Cl2(0.020mmol、15mg)から、マイクロ波合成装置内で110℃にて3時間にわたり合成した。THF及び水を真空で蒸発させ、反応混合物をDCMに溶解し、ローダー内の約40gのシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化0%EtOAc/ヘキサン、溶離0%(2CV)→5%EtOAC/ヘキサン(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗赤色固体、99mg(48%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C70H73BF2N2O2についての計算値(M+H)=1023;実測値:1023。1H NMR(400MHz,TCE) δ 8.08~7.98(m,4H)、7.71~7.62(m,4H)、7.62~7.54(m,4H)、6.98~6.89(m,4H)、6.73~6.64(m,8H)、6.52(s,2H)、6.05(s,2H)、4.98(s,2H)、2.41(dd,J=8.8,6.7Hz,4H)、2.00(s,6H)、1.90(s,3H)、1.53~1.39(m,4H)、1.38~1.26(m,20H)、0.96~0.87(m,6H)。
【0191】
化合物PLC-19:((5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ビス(4-オクチルフェニル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル)ビス(2-(4-(1,3-ジオキソ-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)アセテート)):化合物42を、化合物36と同様の方法で、撹拌子及び乾燥DCM(10mL)が入った40mLスクリューキャップバイアル内で合わせた化合物42.1(0.0400mmol、41mg)、化合物36.4(0.120mmol、68mg)、DMAP・pTsOH塩(0.160mmol、47mg)、及びEDC・HCl(0.240mmol、46mg)から合成した。粗生成物をローダー内の約20gのシリカゲル上にロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(120g、固形分、平衡化0%EtOAc/DCM、溶離0%(2CV)→10%EtOAc/DCM(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。深赤色固体、52mg(61%の収率)を得た。1H NMR(400MHz,TCE) δ 8.63(d,J=7.8Hz,2H)、8.58(d,J=8.3Hz,2H)、8.23(d,J=2.3Hz,2H)、8.07(d,J=8.2Hz,4H)、8.02(d,J=8.1Hz,2H)、7.83~7.75(m,10H)、7.75~7.69(m,8H)、7.65(d,J=8.4Hz,4H)、7.52(d,J=8.6Hz,2H)、7.41~7.36(m,4H)、7.34(d,J=8.3Hz,2H)、7.26(d,J=8.6Hz,4H)、6.75~6.63(m,8H)、6.54(s,2H)、6.05(s,2H)、4.04(s,4H)、2.42(t,J=7.7Hz,4H)、2.01(s,6H)、1.91(s,3H)、1.51~1.39(m,4H)、1.37~1.25(m,20H)、0.95~0.88(m,6H)。
【0192】
【0193】
化合物PLC-20.1:(4’,4’’’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ビス(4-オクチルフェニル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-3-オール)):化合物PLC-20.1を、上記の方法と同様に、THF(10mL)及び水(2mL)中の化合物PLC-19.5(0.200mmol、200mg)、(3-ヒドロキシフェニル)ボロン酸(0.800mmol、110mg)、K2CO3(4.60mmol、636mg)、及びPd(dppf)Cl2(0.020mmol、15mg)から、マイクロ波合成装置内で110℃にて3時間にわたり合成した。THF及び水を真空で蒸発させ、反応混合物をDCMに溶解し、ローダー内の約40gのシリカゲルにロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化0%EtOAc/ヘキサンを、溶離0%(2CV)→5%EtOAC/ヘキサン(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。暗赤色固体、101mg(49%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C70H73BF2N2O2についての計算値(M+H)=1023;実測値:1023。1H NMR(400MHz,TCE) δ 7.95(d,J=8.3Hz,4H)、7.66~7.54(m,4H)、7.26(t,J=7.9Hz,2H)、7.17(dt,J=7.9,1.2Hz,2H)、7.05(t,J=2.0Hz,2H)、6.76(ddd,J=8.0,2.6,1.0Hz,2H)、6.64~6.54(m,8H)、6.44(s,2H)、5.96(s,2H)、4.86(s,2H)、2.32(t,J=7.8Hz,4H)、1.43~1.29(m,4H)、1.19(d,J=16.2Hz,20H)、0.87~0.78(m,6H)。
【0194】
化合物PLC-20:((5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ビス(4-オクチルフェニル)-5H-4l4,5l4-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,3-ジイル)ビス(2-(4-(1,3-ジオキソ-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)アセテート)):化合物PLC-20を、上記の方法と同様に、撹拌子及び乾燥DCM(10mL)が入った40mLスクリューキャップバイアル内で合わせた化合物PLC20.1(0.0400mmol、41mg)、化合物PLC-17.2(0.140mmol、79mg)、DMAP・pTsOH塩(0.160mmol、47mg)、及びEDC・HCl(0.240mmol、46mg)から合成した。粗生成物をローダー内の約40gのシリカゲル上にロードした。シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(220g、固形分、平衡化0%EtOAc/DCM、溶離0%(2CV)→10%EtOAc/DCM(30CV))により精製した。生成物を含む画分を真空で蒸発乾固した。深赤色固体、47mg(55%の収率)を得た。1H NMR(400MHz,TCE) δ 8.61(d,J=7.9Hz,2H)、8.57(d,J=8.3Hz,2H)、8.21(d,J=2.2Hz,2H)、8.08(d,J=8.2Hz,4H)、8.00(d,J=8.2Hz,2H)、7.82~7.72(m,14H)、7.63(d,J=8.3Hz,4H)、7.59(d,J=7.9Hz,2H)、7.52~7.44(m,6H)、7.40~7.35(m,4H)、7.33(d,J=8.3Hz,2H)、7.14(ddd,J=8.0,2.3,1.0Hz,2H)、6.74~6.63(m,8H)、6.54(s,2H)、6.05(s,2H)、4.04(s,4H)、2.41(t,J=7.8Hz,4H)、2.00(s,6H)、1.90(s,3H)、1.53~1.39(m,4H)、1.37~1.26(m,20H)、0.91(t,J=6.7Hz,6H)。
【0195】
【0196】
化合物PLC-21.1:2-[4-[9-(3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1,3-ジオキソ-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-2(3H)-イル)フェニル)酢酸:100mLバイアルに撹拌子を取り付けた。バイアルにTHF/DMF/H2O(22ml/4.4ml/2.2ml)中の化合物PLC-17.1(400.0mg、0.80mmol)、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(262.2mg、1.6mmol)、Pd(dppf)Cl2(41.0mg、0.056mmol)及びK2CO3(412.6mg、2.2mmol)を室温で脱気した。反応混合物を80℃まで加熱し、この温度で一晩反応物を保持した。TLCを用いて反応をモニターした。完了後、0.1N HCl(150ml)及びEtOAc(150ml)の添加により反応物を後処理した。水相を更にTHF(150ml×3)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4で乾燥し、ロータリーエバポレーター下で濃縮し、溶離剤としてEtOAc(0%→40%、0.1%TFAを含む)中のDCMを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋なRL-ナフタルイミド誘導体PLC-21.1を黄色/黄褐色固体(311.0mg、61%の収率)として得た。MS(APCI):化学式C34H17F6NO5についての計算値([M+H]+)=634;実測値:634。1H NMR(400MHz,DMSO-d6) 8.73(m,1H)、8.46(m,5H)、8.10(m,2H)、7.57(m,1H)、7.42(d,J=8.0Hz,2H)、7.40(m,1H)、7.30(d,J=8.0Hz,2H)、3.72(s,2H)。
【0197】
化合物PLC-21:25mLバイアルに撹拌子を取り付けた。バイアルに、化合物PLC-1.4(40.0mg、0.05mmol)、化合物PLC-21.1(158.4mg、0.25mmol)、EDC・HCl(76.7mg、0.40mmol)及びDMAP・TsOH(75.0mg、0.25mmol)を加え、次いで無水DCM(4ml)を加えた。反応混合物を室温で48時間保持した。反応完了後、混合物をシリカゲルでロードし、溶離剤としてEtOAc(0%→4%)中のDCMを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、純粋なRL-ナフタルイミド-BODIPY化合物PLC-21を暗紫色固体として提供した。固体を更にEtOAc(1mL)及びMeOH(20ml)でトリチュレートして、RL-ナフタルイミド-BODIPY 1605-108(60.0mg、60%の収率)を得た。MS(APCI):本発明者らのLCMSシステムでは観察することができなかった。1H NMR(400MHz,CDCl2CDCl2) 8.65(d,J=8.0Hz,2H)、8.59(d,J=8.0Hz,2H)、8.24(d,J=2.4Hz,2H)、8.08(m,10H)、7.95(s,2H)、7.80(dd,J=8.0Hz,2.4Hz,2H)、7.73(m,8H)、7.65(m,4H)、7.56(d,J=8.0Hz,2H)、7.38(m,6H)、7.26(m,4H)、6.97(m,2H)、6.88(t,J=8.0Hz,4H)、6.79(m,4H)、6.57(s,2H)、6.02(s,2H)、4.04(s,4H)、2.01(s,6H)、1.87(s,3H)。
【0198】
【0199】
化合物PLC-22.1:(9-ブロモ-2-(5-ヒドロキシペンチル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン)。化合物PLC-6.3(1.223g、3.33mmol、1当量)を35mLの無水DMSOに懸濁し、5-アミノ-1-ペンタノール(1.5g、20.0mmol、6当量)を室温で反応混合物に加えた。得られた混合物を160℃で45分間撹拌し、LMCMSは反応が完了したことを示した。室温まで冷却後、固体生成物を濾過し、水(250mL)、次いでMeOH(100mL)で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、1.2gの帯緑色の黄色固体(85%の収率)を得た。MS(APCI):C23H18BrNO4についての計算値(M-)=453;実測値:453。MS(APCI):化学式C23H18BrNO4についての計算値(M-)=452.;実測値:452。1H NMR(400MHz) δ 8.52(d,J=7.8Hz,1H)、8.48(d,J=8.3Hz,1H)、8.09(d,J=2.3Hz,1H)、7.82(d,J=8.0Hz,1H)、7.54(dd,J=8.8,2.3Hz,1H)、7.23(d,J=8.3Hz,1H)、7.19(d,J=8.8Hz,1H)、4.14~4.02(m,2H)、3.64~3.49(m,2H)、1.68(p,J=7.7Hz,2H)、1.60~1.54(m,2H)、1.41(q,J=8.0Hz,2H)、1.28(s,1H)。
【0200】
化合物PLC-22.2:(2-(5-ヒドロキシペンチル)-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン):化合物PLC-22.1(1.13g、2.5mmol、1当量)をDMF(10ml)、H2O(5ml)に懸濁させ、4-(トリフルオロメチル)ベンゼンボロン酸(0.949g、5.0mmol、2当量)、K2CO3(0.691g、5.0mmol、2当量)、Pd(dppf)Cl2・DCM(40.8mg、0.05mmol、0.02当量)を加えた。混合物をVac-Fillアルゴンのサイクルにより3回脱気し、90℃で5時間加熱撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、水を加えた。得られた混合物を室温で12時間保持した。帯緑色の黄色固体を濾過し、水で洗浄し、次いでMeOHで洗浄し、1.24gの帯緑色の黄色固体(95%の収率)を得た。MS(APCI):化学式C30H22F3NO4についての計算値(M-)=517;実測値:517。1H NMR(400MHz) δ 8.56(d,J=7.9Hz,1H)、8.51(d,J=8.3Hz,1H)、8.17(d,J=2.1Hz,1H)、7.97(d,J=8.0Hz,1H)、7.69(dd,J=10.3,1.9Hz,4H)、7.42(d,J=8.6Hz,1H)、7.28(d,J=8.3Hz,1H)、4.09(t,J=7.5Hz,2H)、3.57(q,J=6.2Hz,2H)、1.69(p,J=7.8Hz,2H)、1.61~1.54(m,2H)、1.42(q,J=8.0Hz,2H)、1.28(t,J=5.5Hz,1H)。
【0201】
化合物PLC-22.3:(2-(5-ブロモペンチル)-9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン):撹拌しながら、120℃で5時間ヒートブロックにより、PLC-22.2(0.66g、1.288mmol)及び48%水性HBr(20.0ml)の混合物を還流(HBr 48% bp:126℃)した。室温に冷却した後、混合物を氷水に注ぎ、固体を濾過し、水で洗浄し、真空オーブン内で乾燥させて、未反応のSMを含有する82%の所望の化合物を得た。0.7gの帯緑色の黄色固体(93%の収率)を得た。生成物を、更に精製せずに次の工程に使用した。MS(APCI):化学式C30H21BrF3NO3についての計算値(M-)=581;実測値:581。1H NMR(400MHz) δ 8.57(d,J=7.9Hz,1H)、8.51(d,J=8.3Hz,1H)、8.18(d,J=2.2Hz,1H)、7.98(d,J=7.9Hz,1H)、7.69(dd,J=9.6,2.0Hz,4H)、7.43(d,J=8.6Hz,1H)、7.28(d,J=8.3Hz,1H)、4.09(t,J=7.5Hz,3H)、3.38(t,J=6.7Hz,2H)、1.97~1.81(m,2H)、1.69(t,J=7.8Hz,2H)。
【0202】
化合物PLC-22:2’-(5,5-ジフルオロ-10-メシチル-1,9-ジフェニル-5H-4l4,5l5-ジピロロ[1,2-c:2’,1’-f][1,3,2]ジアザボリニン-3,7-ジイル)ビス([1,1’-ビフェニル]-4’,4-ジイル))ビス(オキシ))ビス(ペンタン-5,1-ジイル))ビス(9-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-1H-キサンテノ[2,1,9-def]イソキノリン-1,3(2H)-ジオン)。化合物22.3(7.625mg、0.15mmol、3当量)を無水DCM(10.0ml)に懸濁し、化合物1.4(39.93mg、0.05mmol、1当量)、K2CO3(20.73mg、0.15mmol、3当量)を加え、混合物をアルゴン雰囲気下、65℃で45分間撹拌した。混合物を濃縮乾固し、固体を50mlの水で洗浄し、DCMに溶解し、80gのSiO2カラムにロードし、Hex-DCM(1/1)、DCMのみ、次いでDCM中の0.5%EAで溶離し、MeOHで洗浄し、82mg、94%の収率を得た。1H NMR(400MHz) δ 8.50(d,J=7.9Hz,2H)、8.45(d,J=8.3Hz,2H)、8.10(d,J=2.1Hz,2H)、7.94(d,J=8.2Hz,4H)、7.90(d,J=8.1Hz,2H)、7.68(s,7H)、7.65(dd,J=8.6,2.2Hz,2H)、7.58(d,J=8.4Hz,4H)、7.50(d,J=8.7Hz,4H)、7.37(d,J=8.6Hz,2H)、7.21(d,J=8.3Hz,2H)、6.88(t,J=8.0Hz,6H)、6.79(t,J=7.5Hz,4H)、6.69(d,J=7.1Hz,4H)、6.46(s,2H)、4.11(t,J=7.4Hz,4H)、3.95(t,J=6.4Hz,4H)、1.91(s,6H)、1.88~1.68(m,11H)。
【0203】
例3:色変換フィルムの製造
ガラス基材を、実質的に以下のように作製した。1インチ×1インチの大きさの1.1mm厚のガラス基材をサイズに合わせて切断した。次に、ガラス基材を洗剤及び脱イオン(DI)水で洗浄し、新しいDI水ですすぎ、約1時間超音波処理した。次に、ガラスをイソプロパノール(IPA)中に浸し、約1時間超音波処理した。次に、ガラス基材をアセトン中に浸し、約1時間超音波処理した。次に、ガラスをアセトン浴から取り出し、室温にて窒素ガスで乾燥させた。
【0204】
シクロペンタノン(99.9%の純度)中のポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)(GPCによる平均分子量120000 米国マサチューセッツ州、バーリントンのMilliporeSigma製)コポリマーの20重量%の溶液を調製した。調製したコポリマーを40℃で一晩撹拌した。(PMMA)CAS:9011-14-7、(シクロペンタノン)CAS:120-92-3。
【0205】
上記で調製した20%のPMMA溶液(4g)を、密封容器内で上記のように作製した3mgのフォトルミネッセンス錯体に加え、約30分間混合した。次に、PMMA/ルミフォア溶液を、作製されたガラス基材上に1000RPMで20秒間の後に500RPMで5秒間スピンコートした。得られた湿式コーティングは、約10μmの厚さを有した。試料をスピンコーティング前にアルミニウム箔で覆って、試料を露光から保護した。3つの試料をそれぞれ、放出/FWHM、及び量子収率のそれぞれのためにこのようにして作製した。スピンコートした試料を80℃の真空オーブン内で3時間焼き付け、残りの溶媒を蒸発させた。
【0206】
1インチ×1インチの試料を、株式会社島津製作所のUV-3600 UV-VIS-NIR分光光度計(Shimadzu Instruments,Inc.、米国メリーランド州、コロンビア)に挿入した。全てのデバイスの操作は、窒素充填されたグローブボックス内で行われた。PLC-1について得られた吸収/放出スペクトルを
図1に示す。得られたPLC-2の吸収/放出スペクトルを
図2に示す。得られたPLC-4の吸光/放出スペクトルを
図3に示す。得られたPLC-5の吸光/放出スペクトルを
図4に示す。
【0207】
上記のように作製された1インチ×1インチのフィルム試料の蛍光スペクトルを、Fluorolog分光蛍光光度計(Horiba Scientific、米国ニュージャージー州、エジソン)を使用してそれぞれの最大吸収波長(maximum absorbance wavelength)で設定された励起波長を用いて決定した。最大放出及びFWHMを表1に示す。
【0208】
上記のように作製された1インチ×1インチの試料の量子収率を、Quantarus-QY分光光度計(Hamamatsu Inc.、米国カリフォルニア州、キャンベル)を使用して、それぞれの最大吸収波長で励起させて決定した。結果を表1に報告する。
【0209】
フィルムの特性評価の結果(吸収ピーク波長(absorbance peak wavelength)、FWHM、及び量子収率)を以下の表1に示す。
【0210】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【国際調査報告】