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特表2024-508238増加したトルク用のマウント構成を備えた液圧ポンプまたはモーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】増加したトルク用のマウント構成を備えた液圧ポンプまたはモーター
(51)【国際特許分類】
   F04C 15/00 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
F04C15/00 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547147
(86)(22)【出願日】2022-02-04
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 US2022015187
(87)【国際公開番号】W WO2022173661
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】17/171,473
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391020193
【氏名又は名称】キャタピラー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】CATERPILLAR INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スパイシンガー、ジャスティン ディ.
(72)【発明者】
【氏名】ラマーリョ、スティブ
(72)【発明者】
【氏名】ホップ、ダレン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ベルナール、オーレリアン アッシュ.
(72)【発明者】
【氏名】ルソー、ポール エイ.
【テーマコード(参考)】
3H044
【Fターム(参考)】
3H044AA02
3H044BB08
3H044CC12
3H044CC19
3H044DD01
3H044DD26
3H044DD28
(57)【要約】
【課題】増加したトルク用のマウント構成を備えた液圧ポンプまたはモーター
【解決手段】雌型マウント部材(300)は、液圧ポンプまたはファンと嵌合するように構成される。部材(300)は、キャビティ径(D302)を画定する突起受容キャビティ(87、302)と、第1ねじ穴径(D304)を画定する第1ねじ穴(304)とを画定する本体を含む。第1ねじ穴径(D304)に対するキャビティ径(D302)の比は8.0~8.15の範囲である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液圧ポンプまたはファン(46、48)と嵌合するように構成された雌型マウント部材(300)であって、
キャビティ径(D302)を画定する突起受容キャビティ(87、302)と、第1ねじ穴径(D304)を画定する第1ねじ穴(304)とを画定する本体を含み、
前記第1ねじ穴径(D304)に対する前記キャビティ径(D302)の比が、8.0~8.15の範囲である、雌型マウント部材(300)。
【請求項2】
前記キャビティ径(D302)は113.0mm~115.0mmの範囲である、請求項1に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項3】
前記第1ねじ穴径(D304)は13.0mm~15.0mmの範囲である、請求項2に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項4】
前記キャビティ(302)は前記本体を完全に貫通して延びる、請求項3に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項5】
前記第1ねじ穴(304)は深さ30.0mmのM14タップ穴である、請求項4に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項6】
前記本体は、中心間最小距離(306)だけ離間した第2ねじ穴(304a)を画定し、前記キャビティ径(D302)に対する前記中心間最小距離(306)の比が1.30~1.35の範囲である、請求項1に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項7】
前記中心間最小距離(306)は、140.0mm~160.0mmの範囲である、請求項6に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項8】
前記中心間最小距離(306)は、148.0mm~152.0mmの範囲である、請求項7に記載の雌型マウント部材(300)。
【請求項9】
雌型マウント部材(300)であって、
キャビティ径(D302)を画定する突起受容キャビティ(302)と、第1ねじ穴(304)と、前記第1ねじ穴(304)から前記中心間最小距離(306)だけ離間した第2ねじ穴(304a)とを画定する本体を含み、
前記キャビティ径(D302)に対する前記中心間最小距離(306)の比が、1.30~1.35の範囲である、雌型マウント部材(300)。
【請求項10】
前記中心間最小距離(306)は、145.0mm~155.0mmの範囲であり、前記キャビティ径(D302)は、113.0mm~115.0mmの範囲である、請求項9に記載の雌型マウント部材(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジンアセンブリなどに使用される液圧ポンプまたはモーターに関する。具体的には、本開示は、ポンプまたはモーターのシャフトが増大したトルクに対応することを可能にする、そのようなポンプまたはモーターのためのマウント構成に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンアセンブリは、高圧で液圧流体を供給したり、高圧または高流量の液圧流体をシャフトから供給される高トルクに変換したりする液圧ポンプまたは液圧モーターが使用されることがよくある。一部の液圧ポンプまたはモーターは、エンジンを冷却するために使用される冷却液を冷却するためにラジエータに空気を流すファンに接続されている。冷却システムの冷却効率を向上させる1つの方法は、ファンをより速く運転することであり、これは、より大きなトルクを必要とし、一般的にはより大型の液圧モーターおよび/またはポンプを必要とする。
【0003】
しかし、エンジンコンパートメント内のスペースが限られている、および/またはより大型の液圧モーターおよび/またはポンプを使用するとコストが高くなり、そのようなモーターおよび/またはポンプの使用が非現実的になる場合がある。また、エンジンの設計を大幅に変更することなく、すでに現場で使用されているエンジンを、より堅牢なモーターで改造することが望ましい場合もある。
【0004】
現在、エンジンの冷却システムの冷却効率の向上と、液圧モーターのコストおよび/またはサイズとの間にトレードオフが存在する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一実施形態によれば、雌型マウント部材と嵌合して増大したトルクに対応するアセンブリを提供するためのマウント構成を備えた液圧ポンプまたは液圧モーターが提供される。アセンブリは、長手方向軸、長手方向軸から直交して上方に延びるY軸、および長手方向軸およびY軸に直交して延びるX軸を画定するシャフトと、第1長手方向端部、第2長手方向端部、及び第1長手方向端部から第2長手方向端部に向かって延びるキャビティ部を画定するハウジングと、キャビティ内に配置された1つの液圧相互作用部品を含む複数の機械部品と、を含んでもよい。シャフトは、キャビティからハウジングの第1長手方向端部を越えて延びてもよく、マントフランジは、ハウジングの第1長手方向端部に配置されてもよい。マントフランジは、X軸に沿ってシャフトの両側に配置された一対のボルト受容スロットを画定してもよく、一対のボルト受容スロットは、X寸法だけ互いに離間した半径中心をそれぞれ画定してもよい。パイロット突起は、マントフランジから長手方向に離れて延びて、パイロット突起径を画定してもよく、パイロット突起径に対するX寸法の比は1.1~1.5の範囲であってもよい。また、パイロット突起と嵌合するパイロット突起受容キャビティと、半径中心に位置合わせされた第1ねじ穴と、半径中心に位置合わせされた第2ねじ穴とを画定する雌型マウント部材が提供されてもよい。
【0006】
本開示の実施形態に係る液圧ポンプまたはファンと嵌合するように構成された雌型マウント部材が提供される。この部材は、キャビティ径を画定する突起受容キャビティと、第1ねじ穴径を画定する第1ねじ穴とを画定する本体を含んでもよい。第1ねじ穴径に対するキャビティ径の比は、8.0~8.15の範囲であってもよい。
【0007】
本開示の別の実施形態に係る液圧ポンプまたはファンと嵌合するように構成された雌型マウント部材は、キャビティ径を画定する突起受容キャビティと、第1ねじ穴と、第1ねじ穴から中心間最小距離だけ離間した第2ねじ穴とを画定する本体を含んでもよい。キャビティ径に対する中心間最小距離の比は、1.30~1.35の範囲であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する図面は、本開示のいくつかの実施形態を示し、説明と共に本開示の原理を説明するために使用される。図面において、
図1は、本開示の種々の実施形態に係る液圧ショベルの斜視図であって、増大したトルクに対応するためのマウント構成を備えた液圧ポンプまたはモーターを用いたエンジンを使用することができる液圧ショベルの斜視図である。
図2は、図1のショベルのエンジンを単独で示す概略図であり、液圧ファンモータに動力を供給するエンジン液圧ポンプを示す。
図3は、図2の液圧ファンポンプを独立して示す斜視図である。
図4は、図3の液圧ファンポンプのマントフランジ、ボルトスロットおよびパイロットリングを示す左側面図である。
図5は、図3の液圧ファンポンプの正面断面図であり、パイロット突起の周縁に円周方向に延びるスロット内のOリングを示す。
図6は、本開示の他の実施形態に係る液圧ファンポンプと雌型マウント部材との嵌合の斜視図である。
図7は、図6の液圧ファンポンプと雌型マウント部材との断面側面図である。
図8は、雌型マウント部材を除いた図6の液圧ファンポンプの左側面図である。
図9は、ポンプを除いた図6の雌型マウント部材の右側面図である。
図10は、図9の雌型マウント部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を詳細に参照し、その例を添付図面に示す。可能な限り、図面において、同一の参照番号を使用して同一又は類似の部品を示す。場合によっては、参照番号は本明細書で表され、図面は参照番号の後に文字、例えば100a、100b、または100\'、100''などのプライムが続くことを示す。参照番号の直後に英文字又はプライムを使用することは、幾何学的形状が対称平面鏡像を囲む場合によく見られるように、これらのフィーチャが同様の形状及び同様の機能を有することを示すことが理解されるべきである。本明細書における説明を容易にするために、文字および素数は通常ここに含まれていないが、本明細書に記載されている類似または同一の機能または幾何学的形状を有する特徴の繰り返しを示すために、図面に示すことができる。
【0010】
ポンプまたはモーターのサイズ/コストの間の前述の妥協を打ち破る可能性のある、本開示のさまざまな実施形態に従って構築された液圧ポンプまたはモータアセンブリ、液圧ファンモータアセンブリ、およびエンジンアセンブリのさまざまな実施形態について説明する。エンジンの冷却能力を高めるためのトルクの出力/入力については後で説明する。次に、これらの実施形態を採用することができる液圧ショベルなどの例示的な機械について最初に説明し、電気ディーゼルエンジン、ブルドーザー、または海洋、土工、建設および鉱業産業で使用される他の重機を含む任意の適切な機械が、これらの実施形態を使用することができることを理解する。
【0011】
図1から始めると、機械に動力を供給するように構成されたエンジン22、例えば、ディーゼルエンジン、ガソリン内燃機関、天然ガスエンジン、電気モーター、および他の公知の動力源、またはこれらの組合せを含むことができる作業機械20が示されている。さらに、機械20の一実施形態は、エンジン22、オペレータコンパートメント26、および作業機械20の他のこのような部品に支持を提供するフレーム24を含む。さらに、オペレータコンパートメント26は、機械20のオペレータが機械の操作中に座ったり、立ったりするための完全に囲まれた、または場合によっては半囲まれた領域を画定する。
【0012】
さらに、オペレータコンパートメント26は、一般に、ジョイスティック、フットペダル、レバー、ステアリングホイール、および他の同様の制御装置などであるがこれらに限定されない、一組の操作制御装置28を含むように構成される。操作制御装置28は、オペレータにより操作されて作業機械20を制御操作する。いくつかの実施形態では、オペレータコンパートメント26は、機械20のオペレータに情報を表示するか、または情報を伝達する1つまたは複数の視覚ディスプレイ30をさらに含む。
【0013】
作業機械20は、フレーム24に操作可能に結合された一組の地面15係合要素32をさらに含む。機械20の非限定的な一例は、1組の軌道として構成された地面係合要素32を含むが、車輪または他のこのような推進要素も可能である。地面係合要素32は、エンジン22によって駆動されて、作業機20をほつれ方向に推進させる。さらに、地面係合要素32は、作業現場33の周囲で作業機械20を推進および操縦するように地面係合要素32が能動的に制御されるように、1つまたは複数の操作制御装置28に操作可能に接続されてもよい。
【0014】
また、作業機械20は、バケット、ドリル、鋸、フォークリフト、ハンマー、オーガ、グラップル、またはフレーム24または作業機械20の他の部分に操作可能に接続された他のこのような工具のような少なくとも1つの作業工具34を含むことができるが、これらに限定されない。1つの非限定的な例では、作業ツール34は、ブーム36および作動アーム38を介してフレーム24に連結されている。ブーム36および作動アーム38は、作業工具34を上昇、下降、掘削、ダンプ、または他の動作を実行するように構成された1つ又は複数の作動シリンダ40を含む。
【0015】
ここで図2を参照すると、エンジンの詳細がより明確に分かる。エンジン22は、(液圧ライン47(複数可)を介して)加圧された液圧流体/油を液圧ファンモータアセンブリ46に供給し、ファン49を駆動してラジエータアセンブリ50を介して空気を吸引する主液圧ポンプ48を含み、主液圧ポンプ48では、冷却液が冷却されて(冷却ライン52(複数可)を介して)エンジンの冷却システムに供給される。また、液圧システムおよび冷却システムを含むエンジン22の各種システムと通信するECU54(電子制御ユニット)も設けられる。特に、液圧ファンモータアセンブリには、その操作を制御するために1つまたは複数のバルブ55を設けてもよい。
【0016】
図3および図4を参照すると、シャフト58、ハウジング60およびマニホールドキャップ62を含む液圧ファンポンプアセンブリ48の詳細がより容易に確認できる。
【0017】
シャフト58は、長手方向軸64(図3参照)、長手方向軸64から上方に直交して延びるY軸(図4参照)、及び長手方向軸およびY軸に直交して延びるX軸を画定する回転体(例えば、円筒形、円錐形等)を含んでもよい。
【0018】
図3に示すように、ハウジング60は、第1長手方向端部66、第2長手方向端部68、および第1長手方向端部66から第2長手方向端部68まで延びるキャビティ70(破線で示される)を画定してもよい。すなわち、キャビティ70は、ハウジング60の本体を完全に貫通して延びる部分を有してもよい。少なくとも1つの液圧駆動部品を含む複数の機械部品(線71参照)を、ハウジング60のキャビティ70内に配置してもよい。これらの部品の例としては、ベーン、ピストン、斜板等の少なくとも1つが含まれる。
【0019】
マニホールドキャップ62は、第2長手方向端部68に(例えばファスナーによって)取り付けられ、入口72および出口74を画定してもよい(図3参照)。シャフト58は、ハウジング60のキャビティ70から、ハウジング60の第1長手方向端部66を越えて延びてもよい。
【0020】
モーターの操作中、液圧流体/油が入口に入り、モーターの内部部品を駆動し、出口から出る。モーターの内部部品はシャフトに機械的に結合されており、その後、シャフトは回転する。シャフトの端部は、ファンのハブまたはハブに機械的に結合された他のシャフトと係合してファンを駆動する。この逆はポンプの操作にも当てはまる。ポンプのシャフトはエンジンによって動力を供給されてもよく、エンジンはポンプの内部部品を回転させ、液圧と流れを生成する。エンジンとポンプとの間のこのようなインターフェースの一部の一例が、歯76を含むシャフト58の露出した自由端として図3に示されている。本開示の他の実施形態では、スプライン、圧入、締結等を含む他のタイプのインターフェースが可能である。
【0021】
ここで図4に焦点を当てると、マントフランジ78は、ハウジングの第1長手方向端部66に配置され、X軸に沿ってシャフト58の両側に配置された一対のボルト受容スロット80を画定してもよい。一対のボルト受容スロット80は、それぞれ、X寸法84(すなわち、X軸に沿って測定された)だけ離間した半径中心82と、ファンアセンブリ50のパイロットキャビティ87(図5参照)を受けるために、マントフランジ78から長手方向に延びるパイロット突起86とを画定してもよい。
【0022】
図4を参照すると、本開示のいくつかの実施形態では、パイロット突起86はパイロット突起径88を画定してもよく、パイロット突起径88に対するX寸法84の比は、1.1~1.5(例えば、1.3)の範囲であってもよい。この場合、一対のボルト受容スロット80の各々はY寸法90を画定し、本開示のいくつかの実施形態では、Y寸法90に対するX寸法84の比は9.5~9.8(例えば9.67)の範囲であってもよい。
【0023】
X寸法84が148.0mm~152.0mm(例えば150.0mm)の範囲、Y寸法90が15.0mm~16.0mm(例えば15.5mm)の範囲、パイロット突起径88が112.0mm~115.0mm(例えば113.45mm)の範囲であれば、液圧ファンモータの容量は25/50cc/revであってもよい。本開示の他の実施形態では、他の容量および寸法も可能である。
【0024】
このような寸法および容量であれば、シャフト58は500N/m(ニュートンメートル)を超えるトルクを伝達することができる。図5に最もよく示すように、パイロット突起86と嵌合するように構成されたOリング92を設けてもよい。このOリング92は、内径94を104.0mm~108.0mm(例えば、107.62mm)の範囲で画定してもよい。さらに、Oリング92の断面径95は、パイロット突起86の周方向に延びるシール受容スロット97の幅97aよりも小さくすることができる。
【0025】
図5に示すように、パイロット突起86は一体であってもよく、Oリング92は、溝97内に位置するまで、パイロット突起の自由端を拡開して摺動する必要がある。しかし、他の実施形態では、Oリング92の装着を簡単にするために、パイロット突起86が溝97で分割されてもよい(半径方向に沿って、突起を2つの部分に分割する)ことが考えられる。このような実施形態では、Oリング92が溝97に装着された後、パイロット突起の端部がパイロット突起の残りの部分に締め付けられる。
【0026】
増加したトルクに耐えるのを助けるために、一対のM14ボルト96(図4参照)は、ポンプをファンアセンブリに取り付けるために使用される一対のボルト受容スロット80のそれぞれを長手方向に貫通してもよい。また、ハウジング60には、いくつかの実施形態では、キャビティ70および/またはマニホールドキャップ62の入口または出口と流体連通するが、他の実施形態では、キャビティ70および/またはマニホールドキャップ62の入口または出口と流体連通しない容量制御バルブまたは容積制限機構98(図3参照)が取り付けられてもよい。
【0027】
同様に、モーターの動作を制御するために、ハウジング60には、キャビティ70および/またはマニホールドキャップ62と流体連通するソレノイドバルブアセンブリ100が取り付けられてもよい。
【0028】
ハウジングおよびマニホールドキャップは、鋼、アルミニウム、鉄および熱可塑性プラスチックを含むがこれらに限定されない任意の適切な材料から鋳造または成形され得る。
【0029】
ここで説明されている寸法、構成、材料などは、必要に応じて、または任意の実施形態について本明細書で具体的に言及される、または図面に示される値または特性とは異なるように変更してもよい。
【0030】
ここでは、本明細書で前述した増大したトルクに対応するアセンブリを提供するために雌型マウント部材と嵌合するマウント構成を備えた液圧ポンプまたはモーターについても説明する。このアセンブリは、たとえ図面に明示的に示されていなくても、本明細書で言及した前述のアセンブリの特徴、特性、寸法、および比率を有し得ることを理解されたい。
【0031】
図6~8に示すように、アセンブリ200は、長手方向軸204を画定するシャフト202と、長手方向軸204から上方に直交して延びるY軸206と、長手方向軸204およびY軸206に直交して延びるX軸208とを含んでもよい。
【0032】
ハウジング210は、第1長手方向端部212および第2長手方向端部214を画定してもよい。図6~8には示されていないが、第1長手方向端部212から第2長手方向端部214に向かって延びるキャビティが存在してもよく、このキャビティは、図3に関して以前に示され説明されたように、1つの液圧相互作用部品を含む複数の機械部品を収容することができるが理解されるべきである。
【0033】
図7に示すように、シャフト202は、キャビティからハウジング210の第1長手方向端部212を越えて延びており、マントフランジ216は、第1長手方向端部212に配置されてもよい。
【0034】
図8に最もよく示すように、マントフランジ216は、X軸に沿ってシャフト202の両側に配置された一対のボルト受容スロット218を画定してもよい。一対のボルト受容スロット218の各々は、X寸法222だけ互いに離間した半径中心220を画定し、パイロット突起224は、パイロット突起径226を画定するようにマントフランジ216から長手方向に延びてもよい。パイロット突起径226に対するX寸法222の比は、1.1~1.5の範囲である。
【0035】
ハウジング210は、パイロット突起224と嵌合するパイロット突起受容キャビティ302を画定する雌型マウント部材300に取り付けられてもよい(図7参照)。図2に示すように、本明細書で前述したように、組立時に半径中心220に位置合わせされた第1ねじ穴304と、組立時に半径中心220に位置合わせされた、締結具を受け入れるための第2ねじ穴304aとを有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、パイロット突起受容キャビティに対するX寸法の比も1.1~1.5の範囲である。この場合、液圧ポンプまたはモーターの容量は25/50cc/rev、X寸法は148.0mm~152.0mm、パイロット突起径は112.0mm~115.0mmの範囲であってもよい。これにより、シャフトは500N/mを超えるトルクを受けたり伝達したりする場合がある。本開示の他の実施形態では、異なる量のトルク容量などを許容するために、他の範囲の比率および寸法が使用されてもよい。
【0037】
図5に戻って参照すると、いずれの実施形態も、自由端228を画定するパイロット突起86と、自由端228から長手方向に離間したOリング溝(例えば、97を参照)とを有してもよい。面取り部230は、自由端228からOリング溝に向かって延びてもよい。この面取り部230は、Oリング溝から1.0mm~1.4mm(例えば1.2mm)の範囲の最小長手方向距離231だけ離間していてもよい。Oリング溝(例えば97を参照)は、108.0mm~111.0mm(例えば109.5mm)までの範囲(例えば94を参照)の溝径と、3.4mm~3.7mm(例えば3.58mm)までの範囲(例えば97aを参照)の溝軸方向幅を画定してもよい。組立完了後、Oリング溝にOリングを配置して漏れを防止することができる。パイロット突起は、10.0mm~11.0mm(例えば、10.5mm)の範囲の全長232を画定してもよい。
【0038】
同様に、本明細書に記載された実施形態のいずれも、本明細書に記載されたものとは異なる材料、特徴、比率範囲、または寸法を使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0039】
実際には、本明細書に開示された実施形態のいずれかに従って構築されたエンジンアセンブリ、液圧ファンモータアセンブリ、雌型マウント部材、および/または液圧ポンプアセンブリは、OEM(相手先商標製品製造業者)またはアフターマーケット環境において、販売、購入、製造、またはその他の方法で入手可能である。いくつかの場合、エンジンアセンブリ、液圧ファンモータアセンブリ、液圧ポンプアセンブリ等の様々な部品が含まれる。現場で機械を修理したり改造したりするためのキットとして提供される場合がある。
【0040】
さらに、図3および図4を参照して、既存のエンジンおよび/または機械に組み付けることができる液圧ポンプまたは液圧モーターの実施形態について詳細に説明する。これは、本明細書で前述したサイズ/コストとトルク(および冷却効率)とのトレードオフを予想外に破るものである。
【0041】
モーターの部品は、液圧流体の流れを反転させ、シャフトからトルクを受ける代わりに、シャフトにトルクを供給して流体を加圧することにより、ポンプとして使用することもできることを理解されたい。
【0042】
本開示の実施形態によるこのような液圧ポンプまたは液圧モーター(例えば、液圧ファンモータアセンブリ48)は、本明細書で先に説明したように、シャフト58、ハウジング60、およびマニホールドキャップ62を含むことができる。
【0043】
ハウジング内に配置された1つの液圧相互作用部品(例えば、線71を参照)を含む複数の機械部品(例えば、ピストン、ベーン、斜板等)。
マントフランジ78は、X軸に沿ってシャフトの両側に配置された一対のボルト受容スロット80を画定してもよく、各ボルト受容スロット80は、X寸法84だけ互いに離間した半径中心82を画定してもよい。本開示のいくつかの実施形態では、パイロット突起86は、マントフランジ78から離れて長手方向に延びて、パイロット突起径88を画定してもよく、パイロット突起径88に対するX寸法84の比は、1.1~1.5(例えば、1.3)の範囲であってもよい。
【0044】
また、本開示のいくつかの実施形態では、Y寸法90に対するX寸法84の比は、9.6~9.8の範囲(例えば、9.67)であってもよい。液圧ポンプまたはモーターは25/50cc/revの容量を有し、X寸法84は148.0mm~152.0mm(例えば150.0mm)の範囲であり、Y寸法90は15.0mm~16.0mm(例えば15.5mm)の範囲であり、パイロット突起径88は112.0mm~115.0mm(例えば113.45mm)の範囲である。
【0045】
この構成の結果、シャフト58は500N/mを超えるトルクを受けることができ、または伝達することができる。
【0046】
本開示のさらに別の実施形態によるこのような液圧ポンプまたは液圧モーター(例えば、液圧ファンモータアセンブリ48)は、本明細書で先に説明したように、シャフト58と、ハウジング60と、マニホールドキャップ62とを含んでもよい。
【0047】
本実施形態は、Y寸法90に対するX寸法84の比が9.5~9.8の範囲(例えば9.67)であり、Y寸法90に対するパイロット突起径88の比が7.3~7.5の範囲(例えば7.4)であることをさらに特徴としてもよい。
【0048】
このような実施形態では、液圧ポンプまたはモーターは25/50cc/revの容量を有し、X寸法は148.0mm~152.0mmの範囲であり、Y寸法90は15.0mm~16.0mmの範囲であり、パイロット突起径は、本明細書で説明したように112.0mm~115.0mmの範囲であってもよい。
【0049】
本実施形態は、500N/mを超えるトルクを受けるか、または伝達することができるシャフト58を有していてもよい。
【0050】
加えて、雌型マウント部材は交換パーツとして供給されてもよい。本開示の様々な他の実施形態では、雌型マウント部材の特徴は、ハウジングの対応する特徴と交換可能であり、その逆も同様であることが理解されるべきである。
【0051】
このような雌型マウント部材については、図9および図10を参照して以下のように説明することができる。雌型マウント部材は、キャビティ径D302を画定する突出収容キャビティ302と、第1ねじ穴径D304を画定する第1ねじ穴304とを画定する本体を含んでもよい。第1ねじ穴径D304に対するキャビティ径D302の比は、8.0~8.15の範囲であってもよい。
【0052】
このような実施形態では、キャビティ径D302は112.0mm~115.0mm(例えば114.0mm)の範囲であり、第1ねじ穴径D304は13.0mm~15.0mm(例えば14.0mm)の範囲であってもよい。
【0053】
図10に示すように、キャビティ302は本体を完全に貫通して延びることができるが、必ずしもそうではない。
【0054】
特定の実施形態において、第1ねじ穴304は、深さが30.0mmのM14タップ穴である。本開示の他の実施形態では、そうでない場合がある。第2ねじ穴304a(第1ねじ穴と同様にまたは同一に構成されてもよい)は、中心間最小距離306だけ離間していてもよい。本開示のいくつかの実施形態では、キャビティ径D302に対する中心間最小距離の比は、1.30~1.35の範囲であってもよい。この場合、中心間最小距離306は、140.0mm~160.0mmの範囲(例えば、148.0mm~152.0mm、公称値は150.0mm)であってもよい。
【0055】
前述の特徴のいずれも、これまでに説明したものとは異なる構成、または異なる範囲の比率および寸法を有してもよい。雌型マウント部材は、ハウジングなどに関して本明細書で前述したような任意の適切な材料から製造することができる。
【0056】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本明細書で論じた装置およびアセンブリ方法の実施形態に様々な修正および変更を加えることができる。本明細書に開示された様々な実施形態の仕様および実践を考慮することによって、本開示の他の実施形態は当業者にとって明らかである。例えば、いくつかの機器は、本明細書に記載されたものとは異なる構成および機能を有してもよく、いずれかの方法のある特定のステップは、省略されてもよく、既に具体的に言及されたものとは異なる順序で実行されてもよく、場合によっては同時にまたはサブステップで実行されてもよい。さらに、様々な実施形態の特定の態様またはフィーチャは、さらなる実施形態を作成するために変更または修正されてもよく、様々な実施形態のフィーチャおよび態様は、さらにさらなる実施形態を提供するために、他の実施形態の他のフィーチャまたは態様に追加され、またはそれらの代わりになってもよい。
【0057】
したがって、明細書および実施例は例示としてのみ考慮され、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲およびその均等物によって示されることが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】