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▶ イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】封止体の組付デバイス
(51)【国際特許分類】
   B05C 11/00 20060101AFI20240216BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
B05C11/00
B05C5/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547258
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-08-03
(86)【国際出願番号】 US2022013840
(87)【国際公開番号】W WO2022169646
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】202110163096.3
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】チーシュエ リウ
(72)【発明者】
【氏名】トー ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ユエシン チェン
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041AA05
4F041AB01
4F041BA02
4F041BA12
4F041BA32
4F041BA34
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA08
4F042CA03
4F042CB03
4F042DH01
4F042DH09
(57)【要約】
本願は、封止部材110をはんだペーストノズル230に装着する装着装置100を開示しており、封止部材は封止部材取付け穴112を有し、装着装置は、支持板116と、少なくとも2つの第1の動力源101、102、103、104と、少なくとも2つの挿入部材121と、第2の動力源105とを備える。複数の動力源の駆動方向及び駆動順序を制御することによって、本願の装着装置は、機械的な方法で封止部材取付け穴を拡大する作業を完了し、次いで、ノズルへの封止部材の装着を完了するためには、作業者は、ノズルの台板を封止部材取付け穴に通過させるだけでよく、したがって、操作が便利であり、労力が節減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
封止部材の装着装置において、該装着装置(100)は前記封止部材(110)をはんだペーストノズル(230)上に装着するために使用され、前記封止部材(110)は封止部材取付け穴(112)を有し、該装着装置は、
前記封止部材(110)を支持する支持板(116)と、
少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)であって、該少なくとも2つの第1の動力源(101、102)は、前記支持板(116)の周囲に配置され、前記封止部材取付け穴(112)の半径方向に直線駆動力を供給する少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)と、
少なくとも2つの挿入部材(121)であって、該少なくとも2つの挿入部材(121)の各々は、前記少なくとも2つの第1の動力源(101、102)のうちのそれぞれ1つに接続され、前記封止部材取付け穴(112)の半径方向に移動可能であるように前記少なくとも2つの第1の動力源によって駆動され、前記少なくとも2つの挿入部材(121)は、前記封止部材(110)の前記封止部材取付け穴(112)に挿入可能であり、前記封止部材取付け穴(112)の縁部を引っ張ることによって前記封止部材取付け穴(112)の穴径を増大させるように、前記封止部材取付け穴(112)の中心から離れるように移動可能な少なくとも2つの挿入部材(121)と、
第2の動力源(105)であって、該第2の動力源(105)は、前記封止部材(110)又は前記少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)を駆動して前記封止部材取付け穴(112)の軸方向に移動させることができるように構成され、その結果、前記封止部材(110)が前記少なくとも2つの挿入部材(121)に対して前記封止部材取付け穴(112)の前記軸方向に移動可能であり、前記少なくとも2つの挿入部材(121)を前記封止部材(110)の前記封止部材取付け穴(112)に挿入すること、或いは、前記封止部材(110)の前記封止部材取付け穴(112)から引き抜くことが可能である第2の動力源(105)とを具備することを特徴とする封止部材の装着装置。
【請求項2】
前記支持板(116)は前記第2の動力源(105)に接続され、その結果、前記第2の動力源(105)が前記支持板(116)を介して前記封止部材(110)を駆動して前記取付け穴(112)の前記軸方向に移動させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【請求項3】
前記少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)の各々は、動力出力部(455)を有し、前記挿入部材(121)は、対応する前記第1の動力源(101、102、103、104)の前記動力出力部(455)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【請求項4】
前記第1の動力源(101、102、103、104)はシリンダー(451)であり、前記動力出力部(455)は伸長又は収縮が可能な押しロッド(453)を備え、前記挿入部材(121)は前記押しロッド(453)の端部に接続されることを特徴とする請求項3に記載の装着装置。
【請求項5】
前記動力出力部(455)は接続ロッド(456)を更に備え、前記挿入部材(121)は、前記接続ロッド(456)を介して前記押しロッド(453)の前記端部に接続されることを特徴とする請求項4に記載の装着装置。
【請求項6】
位置決め部材(118)が前記支持板(116)上に設けられ、前記位置決め部材(118)は、前記封止部材(110)を位置決めするように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【請求項7】
前記少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)は、4つの第1の動力源(101、102、103、104)を含み、前記4つの第1の動力源(101、102、103、104)は、前記支持板(116)の周囲に均等に配置されることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【請求項8】
前記装着装置(100)は、検出装置(108)を更に備え、前記検出装置(108)は、前記封止部材(110)が前記支持板(106)上に支持されているかどうかを検出するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【請求項9】
前記装着装置(100)は、制御装置(109)を更に備え、前記制御装置(109)は、前記少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)を制御し、前記取付け穴(112)の半径方向に同期して移動させるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【請求項10】
前記装着装置(100)は、作業台(115)を更に備え、前記少なくとも2つの第1の動力源(101、102、103、104)、前記第2の動力源(105)、及び前記支持板(116)は、前記作業台(115)上に支持されることを特徴とする請求項1に記載の装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、はんだペーストノズルの分野に関し、特に、はんだペーストノズルの封止部材の装着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント回路基板表面実装プロセスにおいて、電子製品(回路基板等)上にはんだペーストを印刷するために、はんだペーストプリンター(ステンシルプリンターとも呼ばれる)が使用される。はんだペーストプリンターは、一般に、メッシュプレート(又はステンシル)、はんだペースト付加装置、スクイージー又はスクレーパー、及び他の機構を備える。印刷中、回路基板は、はんだペーストプリンター内に自動的に供給され、回路基板は、はんだパッドのパターン、又ははんだペーストを堆積させることができる他の何らかのタイプの導電性表面を有し、回路基板には、はんだペーストが回路基板上に印刷される前に回路基板をはんだペーストプリンター内のステンシルと位置合わせするための、基準点と呼ばれる1つ以上の小さい穴又はマークが設けられる。回路基板がプリンター内のステンシルと位置合わせされると、はんだペーストをステンシルの穴を通して回路基板上に押し込むために、ステンシルの上をかすめるようにスクイージー又はスクレーパーを移動させて、はんだペーストを分散させる。印刷動作の後、回路基板は、プリント回路基板処理及び生産ラインの別のワークステーションへ送られる。
【0003】
はんだペーストプリンター上の自動はんだペースト付加装置は、缶詰め又はチューブ詰めのはんだペーストをはんだペーストプリンターのステンシルに自動的に付加し、それによって印刷プロセスにおいて消費されるはんだペーストを補充するために使用される。はんだペーストの缶は、一般に、はんだペースト缶の開口部を通してはんだペースト缶に挿入されるはんだペーストノズルとともに、はんだペースト缶アセンブリを構成し、はんだペーストは、はんだペースト缶とはんだペーストノズルとの相対的な変位によって、はんだペースト缶から吐出される(又は押し出される)。一般に、はんだペーストノズルとはんだペースト缶との間を封止するために使用される封止部材が、はんだペーストノズルの周囲に装着される。はんだペーストは高い粘度を有することから、封止部材は、或る期間使用された後、交換又は洗浄する必要があり得る。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様において、本願の目的は、封止部材の装着装置であって、該装着装置は封止部材をはんだペーストノズル上に装着するために使用され、封止部材は封止部材取付け穴を有し、該装着装置は、封止部材を支持する支持板と、少なくとも2つの第1の動力源であって、該少なくとも2つの第1の動力源は、支持板の周囲に配置され、封止部材取付け穴の半径方向に直線駆動力を供給する少なくとも2つの第1の動力源と、少なくとも2つの挿入部材であって、該少なくとも2つの挿入部材の各々は、少なくとも2つの第1の動力源のうちのそれぞれ1つに接続され、封止部材取付け穴の半径方向に移動可能であるように少なくとも2つの第1の動力源によって駆動され、少なくとも2つの挿入部材は、封止部材の封止部材取付け穴に挿入可能であり、封止部材取付け穴の縁部を引っ張ることによって封止部材取付け穴の穴径を増大させるように、封止部材取付け穴の中心から離れるようにな少なくとも2つの挿入部材と、第2の動力源であって、該第2の動力源は、封止部材又は少なくとも2つの第1の動力源を駆動して封止部材取付け穴の軸方向に移動させることができるように構成され、その結果、封止部材が少なくとも2つの挿入部材に対して封止部材取付け穴の軸方向に移動可能であり、少なくとも2つの挿入部材を封止部材の封止部材取付け穴に挿入すること又は封止部材の封止部材取付け穴から引き抜くことが可能である、第2の動力源とを備える、封止部材の装着装置を提供することである。
【0005】
上記の内容に基づき、支持板は第2の動力源に接続され、その結果、第2の動力源が支持板を介して封止部材を駆動して取付け穴の軸方向に移動させることが可能である。
【0006】
上記の内容に基づき、少なくとも2つの第1の動力源の各々は、動力出力部を有し、挿入部材は、対応する第1の動力源の動力出力部に接続される。
【0007】
上記の内容に基づき、第1の動力源はシリンダーであり、動力出力部は伸長又は収縮が可能な押しロッドを備え、挿入部材は押しロッドの端部に接続される。
【0008】
上記の内容に基づき、動力出力部は接続ロッドを更に備え、挿入部材は、接続ロッドを介して押しロッドの端部に接続される。
【0009】
上記の内容に基づき、位置決め部材が支持板上に設けられ、位置決め部材は、封止部材を位置決めするように構成される。
【0010】
上記の内容に基づき、少なくとも2つの第1の動力源は、4つの第1の動力源を含み、4つの第1の動力源は、支持板の周囲に均等に配置される。
【0011】
上記の内容に基づき、装着装置は、検出装置を更に備え、検出装置は、封止部材が支持板上に支持されているかどうかを検出するように構成される。
【0012】
上記の内容に基づき、装着装置は、制御装置を更に備え、制御装置は、少なくとも2つの第1の動力源を制御し、取付け穴の半径方向に同期して移動させるように構成される。
【0013】
上記の内容に基づき、装着装置は、作業台を更に備え、少なくとも2つの第1の動力源、第2の動力源、及び支持板は、作業台上に支持される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本願の一実施形態に係る装着装置の立体構造図である。
図1B図1Aの装着装置に封止部材を装着する様子を示す立体構造図である。
図2A】装着によって合わされたノズル及び封止部材の立体構造図である。
図2B図2Aの部分分解図である。
図2C】はんだペースト缶内に取り付けられたときの図2Aのノズルの軸方向断面図である。
図3A図1Aの作業台を2つの角度で示す立体構造図のうちの1つである。
図3B図1Aの作業台を2つの角度で示す立体構造図のうちの1つである。
図4A図1Aの第1の動力源の立体構造図である。
図4B図4Aの第1の動力源の分解構造図である。
図4C図4Aの第1の動力源の2つの状態を示す立体構造図のうちの1つである。
図4D図4Aの第1の動力源の2つの状態を示す立体構造図のうちの1つである。
図5図1Aの装着装置の制御構造の概略図である。
図6A図1Aの装着装置によって封止部材がノズルに装着される過程を示す図である。
図6B図1Aの装着装置によって封止部材がノズルに装着される過程を示す図である。
図6C図1Aの装着装置によって封止部材がノズルに装着される過程を示す図である。
図6D図1Aの装着装置によって封止部材がノズルに装着される過程を示す図である。
図6E図1Aの装着装置によって封止部材がノズルに装着される過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願の様々な特定の実施形態が、本明細書の一部を構成する図面を参照して以下で説明される。「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「頂」、「底」、「内」及び「外」等の方向を示す用語が、本願の様々な例示的な構造部品及び要素を説明するために本願において使用されるが、これらの用語は、ここでは単に説明を容易にするために使用され、図面に示される例示的な向きに基づいて決定されることを理解されたい。本願において開示される実施形態は、異なる方向に配置されてもよいことから、方向を示すこれらの用語は、単に例証的なものであり、限定するものとみなされるべきではない。
【0016】
図1A、1Bは、本願の一実施形態に係る装着装置100の立体構造図を示しており、図1Aは、封止部材110を含まず、装着装置100の全体構造を説明するために使用される。図1Bは、封止部材110を含み、封止部材110と装着装置100との間の協働関係を説明するために使用される。
【0017】
図1A、1Bに示すように、装着装置100は、作業台115と支持板116とを備え、作業台115は、実質的に正方形の形状であり、4つの支持足部107によって支持され、支持板116は、作業台115の上方に接続される。封止部材110は、実質的に、円形のリング形状を有し、その中心に円形の封止部材取付け穴112を有する。封止部材取付け穴112は、封止部材取付け穴112によってノズル230(図2A図2Cを参照)の周囲に装着することを可能にするように、軸方向に頂部から底部に延在する。この実施形態において、複数の位置決め部材118が支持板116上に設けられ、封止部材110は、支持板116上に支持され、位置決め部材118によって位置決めされる。この実施形態において、支持板116は、実質的に作業台115上の中央位置に配置される。装着装置100は、ノズル230の周囲への封止部材取付け穴112の装着を容易にするように、封止部材110に対して動作を行うことによって、封止部材取付け穴112の穴径を増大させるように構成される。
【0018】
具体的には、装着装置100は、作業台115の上方に接続された、少なくとも2つの第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105を更に備える。第1の動力源の数は4つであり、4つの第1の動力源101、102、103、104は同じ構造を有し、支持板116の周囲に均等に配置され、作業台115に接続される。装着装置100は、4つの挿入部材121を更に備え、各挿入部材121は、1つの第1の動力源101、102、103、104に接続され、対応する第1の動力源101、102、103、104によって駆動される。各挿入部材121は、封止部材取付け穴112に挿入することができ、第1の動力源101、102、103、104は、封止部材取付け穴112の半径方向の直線駆動力を挿入部材121に供給するために使用され、その結果、挿入部材121は、封止部材取付け穴112の縁部を引っ張ることによって封止部材取付け穴112の穴径を増大させるように、封止部材取付け穴112の中心から離れるように外向きに移動することができる。
【0019】
単一の第2の動力源105があり、これは、支持板116の底部に対応する位置で作業台115に接続される。第2の動力源105は、支持板116を駆動して封止部材取付け穴112の軸方向に上下に移動させるように、封止部材取付け穴112の軸方向の直線駆動力を支持板116に供給するために使用され、その結果、支持板116上に保持された封止部材110は、封止部材取付け穴112の軸方向に上下に移動する。
【0020】
第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105の移動ストロークを設定し、それらの駆動順序及び駆動方向を制御することによって、挿入部材121を最初に封止部材110の封止部材取付け穴112と位置合わせし、次いで封止部材取付け穴112に挿入し、最後に挿入部材121が封止部材取付け穴112の縁部を引っ張って封止部材取付け穴112の穴径を増大させることが可能である。また、封止部材110をノズルに装着した後は、挿入部材121が封止部材取付け穴112から抜け出ることができ、その結果、封止部材取付け穴112の穴径が元に戻る。
【0021】
特定の例として、第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105は全て、直線駆動力を供給することができるシリンダーである。他の例において、それらは、電磁駆動機構等、直線駆動力を供給することができる他の動力源であってもよい。
【0022】
他の実施形態においては、第1の動力源及び挿入部材121の数は、4つに設定される必要はなく、封止部材取付け穴112の縁部に均等な力を供給するように、第1の動力源及び挿入部材121が支持板116の円周方向に均等に配置されればよいことを説明しなければならない。第2の動力源105も、支持板116を駆動して移動させるために支持板116の下方に配置される必要はなく、代わりに第1の動力源の下方に配置されてもよく、各第1の動力源を駆動して移動させることによって、挿入部材121を封止部材110に対して封止部材取付け穴112の軸方向に移動させるという目的を達成することもできる。このような構成によれば、第2の動力源の数は、第1の動力源の数に対応して4つである。
【0023】
装着装置100は、制御装置109と検出装置108とを更に備え、これらも作業台115の上方に配置される。制御装置109は、第1の動力源及び第2の動力源の動作を制御するために使用され、検出装置108は、封止部材110が支持板106上に支持されているかどうかを検出するために使用される。一例として、検出装置108は光電センサーであり、制御装置109は、検出装置108による検出の結果に基づいて、設定された順序に従って第1の動力源及び第2の動力源を自動的に制御することができる。いくつかの実施形態において、制御装置109は、各動力源の動作を手動で制御するために、手で制御されてもよい。
【0024】
図2A図2Cは、ノズルと封止部材との嵌合の具体的な構造を示しており、図2Aは、封止部材110が周囲に装着されたノズルの立体構造を示し、図2Bは、ノズルと封止部材とが分離された分解図を示し、図2Cは、はんだペースト缶内に取り付けられたノズルの軸方向断面図を示す。
【0025】
図2A図2Cに示すように、ノズル230は、実質的に円筒状の柱体231と、柱体231の底端部に接続された台板232とを備え、台板232の外径は、柱体231の外径よりも大きい。柱体231の底端部の台板232は、はんだペースト缶236の内部に挿入されるように構成され、柱体231の頂端部は、はんだペーストプリンター(図示せず)の別の部分に接続されるように構成される。ノズル230の内側には、柱体231及び台板232を頂部から底部に貫通する貫通孔235がある。
【0026】
封止部材110の内側には空洞237があり、空洞237は、空洞237の上方の封止部材取付け穴112と連通する。空洞237のサイズは、台板232のサイズと合致し、封止部材取付け穴112のサイズは、柱体231のサイズと合致し、その結果、空洞237は、台板232を収容することができ、封止部材取付け穴112は、柱体231を収容することができる。したがって、封止部材110は、台板232を取り囲み、台板232を包むことができる。封止部材110の外径は、はんだペースト缶236の内径と実質的に同じであり、その結果、ノズルがはんだペースト缶236内に取り付けられると、封止部材110の外側がはんだペースト缶236の内壁に当接し、それによって、はんだペースト缶236内のはんだペーストが貫通孔235を通ってのみ流出することができるように制限することができる。
【0027】
はんだペーストプリンターが柱体231の頂端部を介してノズル230を駆動してはんだペースト缶236に対して上下に移動させると、ノズル230の運動が台板232及び封止部材110を駆動してはんだペースト缶236内で移動させ、はんだペースト缶236内のはんだペーストが圧縮され、貫通孔235を通って柱体231の頂端部から流出する。
【0028】
図に示されているノズル230においては台板232が柱体231の上側に位置決めされているが、実際のはんだペーストプリンターの動作の過程においては、封止部材110がノズル230に装着されると、ノズル230は一般に反転した向きで動作し、すなわち、ノズル230は、台板232が柱体231の上側に位置決めされるように向けられることを説明しなければならない。
【0029】
図に示されている実施形態において、封止部材取付け穴112の穴径は、柱体231の外径と実質的に同じであり、台板232の外径よりも小さいことから、台板232がはんだペースト缶236の内側を移動しても、封止部材110が台板232から脱落することはない。然しながら、封止部材110がノズル230上に装着される際には、まず封止部材取付け穴112の穴径を台板232の外径と実質的に同じになるまで広げる必要があり、その場合にのみ、封止部材取付け穴112を通して封止部材110の空洞237内に台板232を挿入することができる。
【0030】
図3A、3Bは、作業台の具体的な構造を説明するために、作業台115を2つの角度で示す立体構造図を示している。図3A、3Bに示すように、作業台115は正方形のプラットフォームであり、4つの支持足部107がその下方の4つの角部に設けられ、支持足部107の高さは同じであり、その結果、作業台115は実質的に水平である。図に示される実施形態において、十字形の固定台339が、作業台115の上方に固定して接続され、第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105は全て、固定台339に接続される。一例として、十字形の固定台339の延在方向は、正方形状の作業台115の側縁部と実質的に平行である。当然ながら、いくつかの実施形態においては、固定台を設ける必要はなく、代わりに、動力源が作業台115に直接接続される。
【0031】
第2の動力源105はシリンダーであり、固定台339の中央位置に配置されている。第2の動力源105は、伸長状態と収縮状態とを有し、シリンダーの押しロッド342は、第2の動力源105が伸長状態と収縮状態との間で移動するように、垂直に上方に伸長するか又は下方に収縮することができる。押しロッド342の頂端部は支持板116に接続され、押しロッド342の運動は支持板116を駆動して垂直に上下に移動させることができる。支持板116は、水平に配置された円形であり、その周方向に4つの位置決め部材118が設けられる。具体的な例として、位置決め部材118は、支持板116の上面から僅かに突出するスタッド又はねじ等とすることができ、封止部材110は、位置決め部材118間で止められることによって位置決めされる。
【0032】
図4A図4Dは、第1の動力源の具体的な構造を示しており、図4Aは第1の動力源の立体図を示し、図4B図4Aの分解図を示し、図4Cは第1の動力源の収縮状態の立体図を示し、図4Dは第1の動力源の伸長状態の立体図を示す。各第1の動力源は同じ構造を有することから、以下では第1の動力源のうちの1つを例にとり、詳細に説明する。
【0033】
図4A図4Dに示すように、第1の動力源はシリンダー451であり、シリンダー本体454と動力出力部455とを備え、挿入部材121は動力出力部455に接続され、シリンダー451は、挿入部材121を駆動して前後に移動させるために、動力出力部455を介して挿入部材121に駆動力を供給する。
【0034】
具体的には、動力出力部455は、押しロッド453と、スライダー457と、固定台452と、接続ロッド456とを備える。押しロッド453は、駆動力を供給するために、シリンダー本体454に対して水平方向に伸縮することができる。スライダー457はL字形であり、その水平部461はシリンダー本体454の上方に位置し、押しロッド453の運動方向に延在するスライドレール(図示せず)を水平部461とシリンダー本体454との間に設けることができる。スライダー457の鉛直部462は、シリンダー本体454の前側に位置し、鉛直部462の後側は、押しロッド453に接続される。したがって、スライダー457は、押しロッド453によって押され、シリンダー本体454に対して安定して前後に摺動することができる。固定台452及び接続ロッド456はスライダー457の鉛直部462の前側において接続され、挿入部材121は接続ロッド456の前端部に接続されており、スライダー457、固定台452、及び接続ロッド456が移動することによって挿入部材121が移動する。したがって、シリンダー451は、動力出力部455を介して挿入部材121に駆動力を供給することができ、挿入部材121を前後に移動させることが可能となる。
【0035】
この実施形態において、挿入部材121は、封止部材110の封止部材取付け穴112に挿入されるように構成される。このため、封止部材取付け穴112と接触する挿入部材121の後側面は、封止部材取付け穴112と形状が一致し、例えば、円柱の一部の形状を有する。挿入部材121の後側面と形状が一致する溝463が、接続ロッド456の前端部に設けられ、挿入部材121の上部は、溝463に接続され、挿入部材121の下部は、封止部材取付け穴112に挿入されるように構成される。挿入部材121の長さ及び第2の動力源105の移動ストロークは、第2の動力源105が伸長状態に移動するときに、挿入部材121が封止部材110の外側に接触するか又は封止部材取付け穴112に挿入することができ、第2の動力源105が収縮状態に移動するときに、封止部材110が挿入部材121によって止められないように設定すべきであることを説明しなければならない。
【0036】
シリンダー451が図4Cに示すような収縮状態にあるとき、封止部材110は、支持板116上で位置決めされた様式で支持することができる。シリンダー451が図4Dに示すような伸長状態にあるとき、挿入部材121は、封止部材110の封止部材取付け穴112に挿入することができる。シリンダー451が図4Dに示されている伸長状態から図4Cに示されている収縮状態に戻ると、挿入部材121は、ノズル230の台板232を封止部材110の空洞237に挿入することができるまで封止部材取付け穴112の穴径が増大するように、封止部材取付け穴112の縁部を引っ張ることができる。
【0037】
図5は、制御装置109の制御構造を示している。図5に示すように、制御装置109は、第1の動力源101、102、103、104に通信可能に接続され、その結果、制御装置109は、第1の動力源101、102、103、104を制御して、伸長状態と収縮状態との間で同期して移動させることができる。制御装置109はまた、第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105の移動順序を制御するために、第2の動力源105に通信可能に接続される。一例として、制御装置109はまた、検出装置108の検出結果を受信し、検出結果に基づいて第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105の動作を自動的に制御するために、検出装置108に通信可能に接続される。他の実施形態においては、制御装置109は、検出装置108の検出結果を受信する必要はなく、代わりに、第1の動力源101、102、103、104及び第2の動力源105の動作は、封止部材110を装着するプロセスを完了するように、作業者によって手動で制御される。
【0038】
図6A図6Eは、封止部材110を装着装置100上のノズル230に装着するプロセスにおける、図2Aの切断線A-Aの方向における装着装置100及び封止部材110の断面図を示す。
【0039】
図6Aに示すように、第2の動力源105は伸長状態にあり、第1の動力源101、102、103、104は収縮状態にある。このとき、作業者は、封止部材110を支持板116上の中央位置に載置することができる。挿入部材121は、封止部材取付け穴112に挿入されておらず、封止部材110の外側縁部に当接する。次いで、第2の動力源105は、図6Bに示されている状態まで下方へ移動する。
【0040】
図6Bに示すように、第2の動力源105は、収縮状態にあり、第1の動力源101、102、103、104は、依然として収縮状態にある。このとき、挿入部材121は、封止部材110の外側縁部に当接しなくなり、封止部材110の上方に位置している。次いで、第1の動力源101、102、103、104は、図6Cに示されている状態まで内向きに伸長する。
【0041】
図6Cに示すように、第2の動力源105は依然として収縮状態にあり、第1の動力源101、102、103、104は伸長状態にある。このとき、挿入部材121は、まだ封止部材取付け穴112に挿入されておらず、封止部材取付け穴112の真上に位置している。次いで、第2の動力源105は、図6Dに示されている状態まで上向きに伸長する。
【0042】
図6Dに示すように、第2の動力源105は伸長状態にあり、第1の動力源101、102、103、104は依然として伸長状態にある。このとき、挿入部材121は、封止部材取付け穴112に挿入され、封止部材取付け穴112の縁部に当接する。次いで、第1の動力源101、102、103、104は、図6Eに示されている状態まで内向きに収縮する。
【0043】
図6Eに示すように、第2の動力源105は依然として伸長状態にあり、第1の動力源101、102、103、104は収縮状態にある。このとき、封止部材取付け穴112が引き伸ばされて穴径が増大するように、挿入部材121は封止部材取付け穴112の縁部を引っ張ってともに移動する。穴径が空洞237と実質的に同じ大きさになったとき、台板232を空洞237に収容した状態で、ノズル230を封止部材110に対して下方向に直接挿入することができる。
【0044】
装着が完了すると、挿入部材121が封止部材取付け穴112から抜け出るように、第2の動力源105が下向きに収縮する。したがって、封止部材取付け穴112は、元のサイズに戻ることができ、ノズル230の柱体231の外径にサイズが実質的に一致する。
【0045】
本願における封止部材110は、ノズル230の台板232を包むことができる。ノズル230の台板232がはんだペースト缶236内を移動するとき、はんだペースト缶236内のはんだペーストは、封止部材110の下方に位置しており、したがって、ノズル230を汚染することがない。行う必要があるのは、封止部材110を定期的に洗浄又は交換することのみである。
【0046】
然しながら、封止部材110がノズル230の台板232を包むためには、封止部材取付け穴112のサイズを空洞237のサイズよりも小さくする必要がある。したがって、封止部材110をノズル230に装着するためには、まず、封止部材取付け穴112のサイズを、台板232の通過に順応することができるまで手動で拡大する必要があるが、これは困難な作業であり、高い人件費を伴う。
【0047】
複数の動力源の駆動方向及び駆動順序を制御することによって、本願の装着装置は、機械的に封止部材取付け穴112を拡大する作業を完了し、次いで、操作者は、封止部材のノズルへの装着を完了するために、ノズルの台板を封止部材取付け穴に通過させるだけでよく、したがって、操作が便利であり、労力が節減される。
【0048】
本願は、図面に示されている特定の実施形態を参照して説明されるが、本願の装着装置は、本願の教示の趣旨、範囲、及び背景から逸脱することなく、多くの変形形態を有し得ることを理解されたい。当業者はまた、本願において開示された実施形態における構造を異なる方法で変更することができ、その全てが本願及び特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に入ることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0049】
100 装着装置
101 第1の動力源
102 第1の動力源
103 第1の動力源
104 第1の動力源
105 第2の動力源
106 支持板
107 支持足部
108 検出装置
109 制御装置
110 封止部材
112 封止部材取付け穴
115 作業台
116 支持板
118 位置決め部材
121 挿入部材
230 ペーストノズル
230 ノズル
231 柱体
232 台板
235 貫通孔
236 ペースト缶
237 空洞
339 固定台
342 ロッド
451 シリンダー
452 固定台
453 ロッド
454 シリンダー本体
455 動力出力部
456 接続ロッド
457 スライダー
461 水平部
462 鉛直部
463 溝
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
【国際調査報告】