(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】方向切換弁及び方向切換弁の組み立て方法
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240216BHJP
【FI】
F16K27/00 C
F16K27/00 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548604
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 CN2022078024
(87)【国際公開番号】W WO2022183990
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】202120441908.1
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110225462.3
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】馮 忠波
(72)【発明者】
【氏名】張 飛
(72)【発明者】
【氏名】杜 飛龍
【テーマコード(参考)】
3H051
【Fターム(参考)】
3H051AA08
3H051BB02
3H051CC15
3H051DD01
3H051EE06
3H051FF08
(57)【要約】
第1の弁体(11)と接続パイプ(12)とを含み、第1の弁体(11)は第1の弁チャンバを有し、接続パイプ(12)の一端と第1の弁チャンバとは互いに連通している、メイン弁(10)と、第2の弁体(21)と毛細管(22)とを含み、第2の弁体(21)は第2の弁チャンバを有し、毛細管(22)の第1の端と接続パイプ(12)又は第1の弁チャンバとは互いに連通し、毛細管(22)の第2の端と第2の弁チャンバとは互いに連通している、ガイド弁(20)と、スリーブ(30)であって、接続パイプ(12)の側壁には、接続パイプ(12)の内孔と互いに連通した第1の取り付け孔が設けられており、第1の弁体(11)には、第1の弁チャンバと互いに連通した第2の取り付け孔が設けられており、スリーブ(30)が第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設され、毛細管(22)の第1の端がスリーブ(30)に挿設される、スリーブ(30)と、を含む方向切換弁及び方向切換弁の組み立て方法。この方向切換弁及びその組み立て方法を利用して、ガイド弁の毛細管のメイン弁への組み立てが不便であるという問題を解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の弁体(11)と接続パイプ(12)とを含み、前記第1の弁体(11)は第1の弁チャンバを有し、前記接続パイプ(12)の一端と前記第1の弁チャンバとは互いに連通している、メイン弁(10)と、
第2の弁体(21)と毛細管(22)とを含み、前記第2の弁体(21)は第2の弁チャンバを有し、前記毛細管(22)の第1の端と前記接続パイプ(12)又は前記第1の弁チャンバとは互いに連通し、前記毛細管(22)の第2の端と前記第2の弁チャンバとは互いに連通している、ガイド弁(20)と、
スリーブ(30)であって、前記接続パイプ(12)の側壁には、前記接続パイプ(12)の内孔と互いに連通した第1の取り付け孔が設けられており、前記第1の弁体(11)には、前記第1の弁チャンバと互いに連通した第2の取り付け孔が設けられており、前記スリーブ(30)が前記第1の取り付け孔又は前記第2の取り付け孔に挿設され、前記毛細管(22)の第1の端が前記スリーブ(30)に挿設される、スリーブ(30)と、
を含む方向切換弁。
【請求項2】
前記接続パイプ(12)の材質と前記スリーブ(30)の材質とは異なり、前記スリーブ(30)の材質と前記毛細管(22)の材質とは同じである、請求項1に記載の方向切換弁。
【請求項3】
前記スリーブ(30)と前記接続パイプ(12)とは、トンネルキルンを用いて溶接接続され、及び/又は、
前記スリーブ(30)は銅材質から製造され、前記接続パイプ(12)は鋼材質から製造される、請求項1に記載の方向切換弁。
【請求項4】
前記毛細管(22)は、本体セグメント(221)と縮径セグメント(222)とを含み、前記縮径セグメント(222)は、前記毛細管(22)の第1の端に位置し且つ前記スリーブ(30)に挿設され、前記本体セグメント(221)の外径は、前記スリーブ(30)の孔径より大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の方向切換弁。
【請求項5】
前記接続パイプ(12)は、入口管(121)、出口管(122)及び低圧管(123)を含み、前記毛細管(22)は、第1の毛細管(223)と第2の毛細管(224)とを含み、前記第1の毛細管(223)の両端は、それぞれ前記第1の弁チャンバ及び前記第2の弁チャンバと互いに連通し、前記第2の毛細管(224)の第1の端と前記入口管(121)又は前記低圧管(123)とは互いに連通し、前記第2の毛細管(224)の第2の端と前記第2の弁チャンバとは互いに連通している、請求項4に記載の方向切換弁。
【請求項6】
前記第2の毛細管(224)の前記縮径セグメント(222)の端部は、前記接続パイプ(12)の内壁面から突出し、前記縮径セグメント(222)の端部と前記接続パイプ(12)の内壁面との間の間隔はLであって、1mm≦L≦3.5mmである、請求項5に記載の方向切換弁。
【請求項7】
前記第1の毛細管(223)の前記縮径セグメント(222)の端部は前記第1の弁体(11)の内壁面の外側に位置し、又は、前記第1の毛細管(223)の前記縮径セグメント(222)の端部は前記第1の弁体(11)の内壁面に揃えている、請求項5に記載の方向切換弁。
【請求項8】
前記スリーブ(30)が前記第2の取り付け孔に挿設された場合、前記第1の弁体(11)の外壁には、環状フランジが設けられており、前記環状フランジは、前記第2の取り付け孔の外周を囲んで設けられ、前記スリーブ(30)は、前記環状フランジに挿設されている、請求項1に記載の方向切換弁。
【請求項9】
前記本体セグメント(221)は第1の貫通孔を有し、前記縮径セグメント(222)は第2の貫通孔を有し、前記第1の貫通孔と前記第2の貫通孔とは互いに連通し、前記第1の貫通孔の孔径と前記第2の貫通孔の孔径とは同等である、請求項4に記載の方向切換弁。
【請求項10】
前記毛細管(22)は遷移セグメントを更に含み、前記遷移セグメントの一端は前記本体セグメント(221)に接続され、前記遷移セグメントの他端は前記縮径セグメント(222)に接続され、前記遷移セグメントの外径は、前記本体セグメント(221)に向かう方向において徐々に大きくなっている、請求項4に記載の方向切換弁。
【請求項11】
前記遷移セグメントの外壁は、傾斜面又は曲面である、請求項10に記載の方向切換弁。
【請求項12】
前記遷移セグメントは、前記スリーブ(30)の孔口の外側に位置している、請求項10に記載の方向切換弁。
【請求項13】
前記縮径セグメント(222)の外壁と前記スリーブ(30)の孔壁との間には、溶接隙間を有する、請求項4に記載の方向切換弁。
【請求項14】
前記方向切換弁は、四方弁を含む、請求項1に記載の方向切換弁。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の方向切換弁を組み立てるための方向切換弁の組み立て方法であって、
スリーブ(30)を第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設する、第1のステップと、
治具を利用して、前記スリーブ(30)の外壁と前記第1の取り付け孔又は前記第2の取り付け孔の孔壁とを密着させる、第2のステップと、
トンネルキルンを利用して、前記スリーブ(30)と接続パイプ(12)又は第1の弁体(11)とを溶接接続する、第3のステップと、
毛細管(22)を前記スリーブ(30)に挿設し、前記毛細管(22)が予め設定した位置まで挿設されたとき、前記毛細管(22)と前記スリーブ(30)とを溶接接続する、第4のステップと、
を含む方向切換弁の組み立て方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、以下の特許出願の優先権を主張する。
1.2021年3月1日に中国国家知識産権局に提出した、出願番号が202110225462.3であり、発明の名称が「方向切換弁及び方向切換弁の組み立て方法」である特許出願の優先権。
2.2021年3月1日に中国国家知識産権局に提出した、出願番号が202120441908.1であり、発明の名称が「方向切換弁」である特許出願の優先権。
【0002】
本出願は方向切換弁の技術分野に関し、具体的には、方向切換弁及び方向切換弁の組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0003】
四方弁は、メイン弁とガイド弁とを含み、ガイド弁のD毛細管はメイン弁のD接続パイプに接続され、ガイド弁のS毛細管はメイン弁のS接続パイプに接続され、ガイド弁のE毛細管及びC毛細管は、それぞれメイン弁の弁チャンバと互いに連通し、ガイド弁を利用して、メイン弁の作動状態を切り換えることが可能である。
【0004】
関連技術では、ガイド弁の毛細管がメイン弁に挿設されてからメイン弁に直接に接続され、組み立てが不便であるという問題がある。
【発明の概要】
【0005】
本出願は、関連技術におけるガイド弁の毛細管のメイン弁への組み立てが不便であるという問題を解決するための方向切換弁及び方向切換弁の組み立て方法を提供する。
【0006】
本出願の一態様によれば、第1の弁体と接続パイプとを含み、第1の弁体は第1の弁チャンバを有し、接続パイプの一端と第1の弁チャンバとは互いに連通している、メイン弁と、第2の弁体と毛細管とを含み、第2の弁体は第2の弁チャンバを有し、毛細管の第1の端と接続パイプ又は第1の弁チャンバとは互いに連通し、毛細管の第2の端と第2の弁チャンバとは互いに連通している、ガイド弁と、スリーブであって、接続パイプの側壁には、接続パイプの内孔と互いに連通した第1の取り付け孔が設けられており、第1の弁体には、第1の弁チャンバと互いに連通した第2の取り付け孔が設けられており、スリーブが第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設され、毛細管の第1の端がスリーブに挿設される、スリーブと、を含む方向切換弁を提供する。
【0007】
本出願の技術態様を適用すると、この方向切換弁は、メイン弁、ガイド弁及びスリーブを含む。ガイド弁の毛細管をメイン弁に組み立てるとき、先ず、スリーブを接続パイプの第1の取り付け孔又は第1の弁体の第2の取り付け孔に挿設し、スリーブと接続パイプ又は第1の弁体との接続を完了させた後、毛細管の第1の端をスリーブに挿設し、最後に、毛細管をスリーブに接続すれば、毛細管のメイン弁への組み立てを完了させることができる。スリーブを利用して遷移することで、毛細管を組み立てることが容易になり、組み立て効率を向上させることができる。
【0008】
更に、接続パイプの材質とスリーブの材質とは異なり、スリーブの材質と毛細管の材質とは同じである。スリーブを利用して遷移することで、毛細管を接続パイプに直接に接続する方式に比べて、操作が容易になる。
【0009】
更に、スリーブと接続パイプとはトンネルキルンを用いて溶接接続され、及び/又は、スリーブは銅材質から製造され、接続パイプは鋼材質から製造される。スリーブと接続パイプとの接続を完了させた後、毛細管をスリーブ内に挿入し、毛細管とスリーブとを溶接接続すれば、毛細管と接続パイプとの接続を完了させることができ、組み立てが容易である。
【0010】
更に、毛細管は、本体セグメントと縮径セグメントとを含み、縮径セグメントは、毛細管の第1の端に位置し且つスリーブに挿設され、本体セグメントの外径は、スリーブの孔径より大きい。縮径セグメントをスリーブに挿入した後、本体セグメントの外径がスリーブの孔径より大きいため、本体セグメントは、毛細管がスリーブ内に挿入され続けることを制限することができる。縮径セグメントの長さ寸法を制御することで、毛細管のスリーブへの挿入深さの寸法を制御することができる。
【0011】
更に、接続パイプは、入口管、出口管及び低圧管を含み、毛細管は、第1の毛細管と第2の毛細管とを含み、第1の毛細管の両端は、それぞれ第1の弁チャンバ及び第2の弁チャンバと互いに連通し、第2の毛細管の第1の端と入口管又は低圧管とは互いに連通し、第2の毛細管の第2の端と第2の弁チャンバとは互いに連通している。ガイド弁を利用して、メイン弁の作動状態を制御可能である。
【0012】
更に、第2の毛細管の縮径セグメントの端部は、接続パイプの内壁面から突出し、縮径セグメントの端部と接続パイプの内壁面との間の間隔はLであって、1mm≦L≦3.5mmである。この間隔Lを上述の区間内に設定することで、第2の毛細管の堅牢な接続を確保しつつ、冷媒の絞り現象の発生を回避することができる。間隔Lが1mmより小さいと、第2の毛細管の堅牢な接続を確保することができず、且つ溶接材料が第2の毛細管内に入り込みやすくなる。間隔Lが3.5mmより大きいと、第2の毛細管の接続パイプ内への挿入深さが深すぎて、冷媒の絞り現象が発生し、更にはノッキング音が生じてしまう。
【0013】
更に、第1の毛細管の縮径セグメントの端部は第1の弁体の内壁面の外側に位置し、又は、第1の毛細管の縮径セグメントの端部は第1の弁体の内壁面に揃えている。第1の弁体の第1の弁チャンバ内には可動部材が設けられており、上述の構造を用いると、第1の毛細管の縮径セグメントが可動部材の移動を干渉することを回避し、装置の正常な作動を確保することができる。
【0014】
更に、スリーブが第2の取り付け孔に挿設された場合、第1の弁体の外壁には、環状フランジが設けられており、環状フランジは、第2の取り付け孔の外周を囲んで設けられ、スリーブは環状フランジに挿設されている。環状フランジを利用してスリーブを補強することで、スリーブと第1の弁体との接続強固性を確保し、第1の毛細管とスリーブとの接続強固性を確保することができる。
【0015】
更に、本体セグメントは第1の貫通孔を有し、縮径セグメントは第2の貫通孔を有し、第1の貫通孔と第2の貫通孔とは互いに連通し、第1の貫通孔の孔径と第2の貫通孔の孔径とは同等である。縮径セグメントの孔径と本体セグメントの孔径とが同等であり、縮径セグメントの孔径を小さくしたわけではないため、流体の抵抗が大きくならず、縮径セグメントが冷媒を絞ることはない。
【0016】
更に、毛細管は遷移セグメントを更に含み、遷移セグメントの一端は本体セグメントに接続され、遷移セグメントの他端は縮径セグメントに接続され、遷移セグメントの外径は、本体セグメントに向かう方向において徐々に大きくなっている。遷移セグメントを設けることで、縮径セグメントの加工が容易になる。
【0017】
更に、遷移セグメントの外壁は、傾斜面又は曲面である。
【0018】
更に、遷移セグメントは、スリーブの孔口の外側に位置している。縮径セグメントを所定の位置に挿入した場合、遷移セグメントとスリーブの孔口とが互いに当接するようになり、毛細管が挿入され続けることが制限される。
【0019】
更に、縮径セグメントの外壁とスリーブの孔壁との間には、溶接隙間を有する。縮径セグメントとスリーブとを溶接接続するとき、溶接材料が溶接隙間を充填して、毛細管とスリーブとの固定接続を完了させることができる。
【0020】
更に、方向切換弁は、四方弁を含む。
【0021】
本出願の別の態様によれば、上述で提供された方向切換弁を組み立てるための方向切換弁の組み立て方法であって、スリーブを第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設する、第1のステップと、治具を利用して、スリーブの外壁と第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔の孔壁とを密着させる、第2のステップと、トンネルキルンを利用して、スリーブと接続パイプ又は第1の弁体とを溶接接続する、第3のステップと、毛細管をスリーブに挿設し、毛細管が予め設定した位置まで挿設されたとき、毛細管とスリーブとを溶接接続する、第4のステップと、を含む方向切換弁の組み立て方法を提供する。スリーブを利用して遷移することで、毛細管を組み立てることが容易になり、組み立て効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は、本出願を解釈するためのものであり、本出願を不適切に限定するものではない。
【0023】
【
図1】本出願による実施例で提供された方向切換弁の構造模式図を示す。
【
図3】本出願による実施例で提供された方向切換弁の構造模式図を示す。
【0024】
ここで、上述の図面には以下の符号が含まれる。
10 メイン弁、11 第1の弁体、12 接続パイプ、121 入口管、122 出口管、123 低圧管、20 ガイド弁、21 第2の弁体、22 毛細管、221 本体セグメント、222 縮径セグメント、223 第1の毛細管、224 第2の毛細管、30 スリーブ、L 縮径セグメントの端部と接続パイプの内壁面との間の間隔。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明瞭且つ完全に記述するが、記述される実施例は、単に本出願の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。以下、少なくとも1つの例示的な実施例の記述は、実際には、単に説明的なものにすぎず、本出願及びその適用又は使用に対して何ら制限するものではない。本出願における実施例に基づき、当業者が創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例は、いずれも本出願の保護範囲に属するものとする。
【0026】
図1から
図4に示されるように、本出願の実施例は、メイン弁10、ガイド弁20及びスリーブ30を含む方向切換弁を提供する。メイン弁10は、第1の弁体11と接続パイプ12とを含み、第1の弁体11は第1の弁チャンバを有し、接続パイプ12の一端と第1の弁チャンバとは互いに連通している。ガイド弁20は、第2の弁体21と毛細管22とを含み、第2の弁体21は第2の弁チャンバを有し、毛細管22の第1の端と接続パイプ12又は第1の弁チャンバとは互いに連通し、毛細管22の第2の端と第2の弁チャンバとは互いに連通している。本実施例において、接続パイプ12の側壁には、接続パイプ12の内孔と互いに連通した第1の取り付け孔が設けられており、第1の弁体11には、第1の弁チャンバと互いに連通した第2の取り付け孔が設けられており、スリーブ30が第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設され、毛細管22の第1の端がスリーブ30に挿設されることで、毛細管22の第1の端と接続パイプ12又は第1の弁チャンバとが互いに連通されることが実現される。
【0027】
本実施例で提供された方向切換弁を適用すると、ガイド弁20の毛細管22をメイン弁10に組み立てるとき、先ず、スリーブ30を接続パイプ12の第1の取り付け孔又は第1の弁体11の第2の取り付け孔に挿設し、スリーブ30と接続パイプ12又は第1の弁体11との接続を完了させた後、毛細管22の第1の端をスリーブ30に挿設し、最後に、毛細管22をスリーブ30に接続すれば、毛細管22のメイン弁10への組み立てを完了させることができる。スリーブ30を利用して遷移することで、毛細管22を組み立てることが容易になり、組み立て効率を向上させることができる。
【0028】
なお、接続パイプ12の一端と第1の弁チャンバとが互いに連通するとは、接続パイプ12の一端が第1の弁体11に接続され、接続パイプ12の端部が第1の弁体11の側壁を通過して第1の弁チャンバと互いに連通することをいう。
【0029】
ここで、接続パイプ12の材質とスリーブ30の材質とは異なり、スリーブ30の材質と毛細管22の材質とは同じである。スリーブ30を利用して遷移することで、毛細管22を接続パイプ12に直接に接続する方式に比べて、操作が容易になる。
【0030】
本実施例において、スリーブ30は銅材質から製造され、接続パイプ12は鋼材質から製造され、スリーブ30と接続パイプ12とは、トンネルキルンを用いて溶接接続される。スリーブ30と接続パイプ12との接続を完了させた後、毛細管22をスリーブ30内に挿入し、毛細管22とスリーブ30とを溶接接続すれば、毛細管22と接続パイプ12との接続を完了させることができ、組み立てが容易である。
【0031】
具体的には、接続パイプ12はステンレス材質から製造され、スリーブ30は赤銅材質から製造される。
【0032】
図2に示されるように、毛細管22は、本体セグメント221と縮径セグメント222とを含み、縮径セグメント222は、毛細管22の第1の端に位置し且つスリーブ30に挿設され、本体セグメント221の外径は、スリーブ30の孔径より大きい。縮径セグメント222をスリーブ30に挿入した後、本体セグメント221の外径がスリーブ30の孔径より大きいため、本体セグメント221は、毛細管22がスリーブ30内に挿入され続けることを制限することができる。縮径セグメント222の長さ寸法を制御することで、毛細管22のスリーブ30への挿入深さの寸法を制御することができる。
【0033】
スリーブ30を接続パイプ12又は第1の弁体11に組み立てるとき、治具を利用してスリーブ30への挿入深さを制御し、縮径セグメント222の構造を結合すれば、毛細管22の接続パイプ12又は第1の弁体11内への挿入深さの寸法を制限することができる。
【0034】
なお、ガイド弁の毛細管の接続パイプへの挿入深さが深すぎると、空調機の使用過程において、冷媒が接続パイプの断面を流れるとき、冷媒の絞り現象が発生し、更にはノッキング音が生じて、使用者の使用体験に影響を与える。本実施例においては、スリーブ30と縮径セグメント222との係合を利用することで、毛細管22の接続パイプ12への挿入深さを制限し、冷媒の絞り現象の発生を回避することができ、ノッキング音が生じることなく、使用者の使用体験を向上させることができる。
【0035】
毛細管22の第1の端に縮径セグメント222を設ける方式を用いると、構造が簡単で、加工が容易である利点を有し、加工コスト及び組み立てコストを低減することができる。
【0036】
図3に示されるように、本実施例において、接続パイプ12は、入口管121、出口管122及び低圧管123を含み、毛細管22は、第1の毛細管223と第2の毛細管224とを含み、第1の毛細管223の両端は、それぞれ第1の弁チャンバ及び第2の弁チャンバと互いに連通し、第2の毛細管224の第1の端と入口管121又は低圧管123とは互いに連通し、第2の毛細管224の第2の端と第2の弁チャンバとは互いに連通している。ガイド弁20を利用して、メイン弁10の作動状態を制御可能である。
【0037】
図2に示されるように、第2の毛細管224の縮径セグメント222の端部は、接続パイプ12の内壁面から突出し、縮径セグメント222の端部と接続パイプ12の内壁面との間の間隔はLであって、1mm≦L≦3.5mmである。この間隔Lを上述の区間内に設定することで、第2の毛細管224の堅牢な接続を確保しつつ、冷媒の絞り現象の発生を回避することができる。間隔Lが1mmより小さいと、第2の毛細管224の堅牢な接続を確保することができず、且つ溶接材料が第2の毛細管224内に入り込みやすくなる。間隔Lが3.5mmより大きいと、第2の毛細管224の接続パイプ12内への挿入深さが深すぎて、冷媒の絞り現象が発生し、更にはノッキング音が生じてしまう。
【0038】
本実施例において、スリーブ30の端部は、接続パイプ12の内壁面から突出し、第2の毛細管224の縮径セグメント222の端部は、スリーブ30の端部から突出している。
【0039】
なお、縮径セグメント222の端部が接続パイプ12の内壁面から突出するとは、縮径セグメント222の端部と接続パイプ12の軸線との距離が、接続パイプ12の内壁面と接続パイプ12の軸線との距離より小さいことをいう。
【0040】
本実施例において、第1の毛細管223の縮径セグメント222の端部は第1の弁体11の内壁面の外側に位置し、又は、第1の毛細管223の縮径セグメント222の端部は第1の弁体11の内壁面に揃えている。第1の弁体11の第1の弁チャンバ内には可動部材が設けられており、上述の構造を用いると、第1の毛細管223の縮径セグメント222が可動部材の移動を干渉することを回避し、装置の正常な作動を確保することができる。
【0041】
スリーブ30と第1の弁体11との接続強度を確保するため、スリーブ30が第2の取り付け孔に挿設された場合、第1の弁体11の外壁には環状フランジが設けられており、環状フランジは、第2の取り付け孔の外周を囲んで設けられ、スリーブ30は環状フランジに挿設されている。
【0042】
第1の毛細管223の縮径セグメント222の端部が第1の弁体11の内壁面の外側に位置し、又は、第1の毛細管223の縮径セグメント222の端部が第1の弁体11の内壁面に揃えているため、環状フランジを利用してスリーブ30を補強することで、スリーブ30と第1の弁体11との接続強固性を確保し、第1の毛細管223とスリーブ30との接続強固性を確保することができる。
【0043】
ここで、本体セグメント221は第1の貫通孔を有し、縮径セグメント222は第2の貫通孔を有し、第1の貫通孔と第2の貫通孔とは互いに連通し、第1の貫通孔の孔径と第2の貫通孔の孔径とは同等である。縮径セグメント222の孔径と本体セグメント221の孔径とが同等であり、縮径セグメント222の孔径を小さくしたわけではないため、流体の抵抗が大きくならず、縮径セグメント222が冷媒を絞ることはない。
【0044】
具体的には、本体セグメント221の外径は、縮径セグメント222の外径より大きく、本体セグメント221の内径は、縮径セグメント222の内径に等しい。
【0045】
本実施例において、縮径セグメント222の外壁とスリーブ30の孔壁との間には、溶接隙間を有する。縮径セグメント222とスリーブ30とを溶接接続するとき、溶接材料が溶接隙間を充填して、毛細管22とスリーブ30との固定接続を完了させることができる。
【0046】
ここで、毛細管22は遷移セグメントを更に含み、遷移セグメントの一端は本体セグメント221に接続され、遷移セグメントの他端は縮径セグメント222に接続され、遷移セグメントの外径は、本体セグメント221に向かう方向において徐々に大きくなっている。遷移セグメントを設けることで、縮径セグメント222の加工が容易になる。ここで、遷移セグメントの外壁は、傾斜面であってもよく、構造が簡単である。又は、遷移セグメントの外壁を曲面として設けてもよい。
【0047】
具体的には、遷移セグメントは、スリーブ30の孔口の外側に位置している。縮径セグメント222を所定の位置に挿入したとき、遷移セグメントとスリーブ30の孔口とが互いに当接するようになり、毛細管22が挿入され続けることが制限される。
【0048】
本実施例において、この方向切換弁は、四方弁を含む。
【0049】
本実施例において、接続パイプ12は2つの出口管122を含み、低圧管123は2つの出口管122間に位置している。
【0050】
本出願の他の実施例は、上述で提供された方向切換弁を組み立てるための方向切換弁の組み立て方法であって、
スリーブ30を第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設する、第1のステップと、
治具を利用して、スリーブ30の外壁と第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔の孔壁とを密着させる、第2のステップと、
トンネルキルンを利用して、スリーブ30と接続パイプ12又は第1の弁体11とを溶接接続する、第3のステップと、
毛細管22をスリーブ30に挿設し、毛細管22が予め設定した位置まで挿設されたとき、毛細管22とスリーブ30とを溶接接続する、第4のステップと、
を含む方向切換弁の組み立て方法を提供する。
【0051】
第2のステップにおいて、治具を利用して、スリーブ30の外壁と第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔の孔壁とを密着させることは、具体的には、スリーブ30が第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔に挿設された場合、治具をスリーブ30の内孔に貫入し、スリーブ30の外壁が第1の取り付け孔又は第2の取り付け孔の孔壁に密着して支持されるように、治具を利用してスリーブ30を拡径させて、スリーブ30へのプリ固定を実現することを含む。
【0052】
ここで、治具は、接続パイプ12の内部から外部へと仕事をするものであり、毛細管の挿入口の口径を破壊することはない。
【0053】
第4のステップにおいて、毛細管22が予め設定した位置まで挿設されたとき、毛細管22とスリーブ30とを溶接接続することは、具体的には、毛細管22の縮径セグメント222をスリーブ30に挿入した後、縮径セグメント222が深く入り込むことにつれて、本体セグメント221とスリーブ30の管口とが互いに当接したとき、本体セグメント221は、毛細管22がスリーブ30に挿入され続けることを制限することができ、このとき、毛細管22は予め設定した位置まで挿設され、その後、毛細管22とスリーブ30とを溶接接続すれば、組み立てを完了させることができることを含む。
【0054】
上述したものは、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を制限するためのものではなく、当業者にとって、本出願は様々な変更及び変化が可能である。本出願の趣旨及び原則の範囲内でなされた如何なる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
【国際調査報告】