(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】圧電トランスデューサの製造方法及び圧電トランスデューサ
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240216BHJP
H03H 3/02 20060101ALI20240216BHJP
H10N 30/30 20230101ALI20240216BHJP
H10N 30/20 20230101ALI20240216BHJP
【FI】
H04R17/00
H03H3/02 B
H10N30/30
H10N30/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551149
(86)(22)【出願日】2021-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 CN2021097217
(87)【国際公開番号】W WO2022233074
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202110489575.4
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523318154
【氏名又は名称】スペクトロン (シェンチェン) テクノロジーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゴン ソンビン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダル-アルバレス ガブリエル
【テーマコード(参考)】
5D004
5J108
【Fターム(参考)】
5D004AA01
5D004AA02
5D004CC10
5D004FF00
5D004GG00
5J108AA08
5J108BB01
5J108BB08
5J108MM11
(57)【要約】
本願は、圧電トランスデューサの製造方法及び圧電トランスデューサに関する。当該方法は、まず、支持ウェハに底部音響反射層を製造し、そして、圧電ウェハに頂部音響反射層を製造し、次に、底部音響反射層の支持ウェハから離れる側を頂部音響反射層の圧電ウェハから離れる側に接合し、最後に圧電ウェハを薄くして、圧電トランスデューサを形成する。支持ウェハは、支持の作用を果たし、圧電ウェハが薄くされて形成された圧電フィルムは、励起されて音響振動することができ、頂部音響反射層及び底部音響反射層は音響振動を制限することができるため、得られた圧電トランスデューサは、高周波数で作動することができる。当該方法で製造された圧電トランスデューサは、特定の積層組み合わせと圧電フィルムを有するため、高性能の音響振動モードを励起及びサポートすることができ、比較的に低い固有損失を有し、単位面積を維持すると同時により高い単位面積容量を得ることができ、それにより、製造された圧電トランスデューサは、作動性能が優れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持ウェハを提供し、前記支持ウェハに底部音響反射層を製造するステップと、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップであって、前記頂部音響反射層と前記底部音響反射層がいずれも音響振動を制限するために用いられるステップと、
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合するステップと、
前記圧電ウェハを薄くして圧電トランスデューサを形成するステップと、を含む、ことを特徴とする圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項2】
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに底部電極層を製造することと、
前記圧電ウェハに、前記底部電極層を覆う頂部音響反射層を製造すること、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項3】
前記底部音響反射層は、底部高音響インピーダンス層と底部低音響インピーダンス層とを含み、
前記底部高音響インピーダンス層の数と前記底部低音響インピーダンス層の数との和は、奇数であり、
前記支持ウェハを提供し、前記支持ウェハに底部音響反射層を製造するステップは、
支持ウェハを提供し、前記支持ウェハの一方側に、交互に設けられる前記底部高音響インピーダンス層及び前記底部低音響インピーダンス層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項4】
前記頂部音響反射層は、頂部低音響インピーダンス層を含み、
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに前記頂部低音響インピーダンス層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項5】
前記頂部音響反射層は、頂部低音響インピーダンス層及び頂部高音響インピーダンス層をさらに含み、
前記頂部高音響インピーダンス層の数と前記頂部低音響インピーダンス層の数との和は、奇数であり、
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに、交互に設けられる前記頂部低音響インピーダンス層及び前記頂部高音響インピーダンス層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項6】
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから最も離れる層は、前記底部低音響インピーダンス層であり、且つ前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから最も離れる層は、前記頂部低音響インピーダンス層であり、或いは、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから最も離れる層は、前記底部高音響インピーダンス層であり、且つ前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから最も離れる層は、前記頂部高音響インピーダンス層である、ことを特徴とする請求項5に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項7】
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造した後、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合する前に、さらに、
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側、及び前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に対して平坦化処理を行うことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項8】
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合するステップは、
ボンディング界面層を提供し、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に前記ボンディング界面層によって接合することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項9】
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに対してイオン注入を行い、前記イオン注入を経た圧電ウェハに頂部音響反射層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法によって製造される、ことを特徴とする圧電トランスデューサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、トランスデューサの技術分野に関し、特に圧電トランスデューサの製造方法及び圧電トランスデューサに関する。
【背景技術】
【0002】
トランスデューサとは、電気エネルギと音響エネルギを相互に変換するデバイスである。圧電型トランスデューサは、トランスデューサの1種であり、ある種の単結晶材料の圧電効果とある種の多晶材料の電歪効果を利用して電気エネルギと音響エネルギを相互に変換するデバイスである。その電気音響効率が高く、パワー容量が大きく、さらに構造及び形状が異なる応用に応じてそれぞれ設計可能であるため、パワー超音波分野で広く応用されている。
【0003】
従来の圧電型トランスデューサは、圧電ウェハを他の支持ウェハにボンディングしたものであり、シリコン基板において、多くの単結晶フィルムは、直接又はボンディング界面層を介して圧電ウェハを支持ウェハ(主にシリコン)にボンディングしたものであり、このようにボンディングされた支持ウェハは、圧電トランスデューサとして使用することができる。しかし、このように製造された圧電トランスデューサは、最高動作周波数が低く、容量密度が低く、パワー閾値が低く、且つ解消できない不純物モードを有する可能性があるため、圧電型トランスデューサの作動性能が良くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、従来の圧電型トランスデューサは作動性能が良くない問題に対して、圧電トランスデューサの製造方法及び圧電トランスデューサを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
圧電トランスデューサの製造方法は、支持ウェハを提供し、前記支持ウェハに底部音響反射層を製造するステップと、圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップであって、前記頂部音響反射層と前記底部音響反射層とがいずれも音響振動を制限するために用いられるステップと、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合するステップと、前記圧電ウェハを薄くして圧電トランスデューサを形成するステップとを含む。
【0006】
圧電トランスデューサは上記方法で製造される。
【0007】
上記圧電トランスデューサの製造方法及び圧電トランスデューサによれば、まず、支持ウェハを提供し、支持ウェハに底部音響反射層を製造し、そして、圧電ウェハを提供し、圧電ウェハに頂部音響反射層を製造し、頂部音響反射層と底部音響反射層がいずれも音響振動を制限するために用いられ、次に、底部音響反射層の支持ウェハから離れる側を頂部音響反射層の圧電ウェハから離れる側に接合し、最後に圧電ウェハを薄くして、圧電トランスデューサを形成する。当該圧電トランスデューサの製造方法で製造された圧電トランスデューサでは、圧電ウェハ、頂部音響反射層、底部音響反射層及び支持ウェハが積層して設置され、支持ウェハは、支持の作用を果たし、圧電ウェハが薄くされて形成された圧電フィルムは、励起されて音響振動することができ、頂部音響反射層と底部音響反射層は、音響振動を制限することができるため、得られた圧電トランスデューサは、高周波数で作動することができる。当該方法で製造された圧電トランスデューサは、特定の積層組み合わせ及び圧電フィルムを有するため、高性能の音響振動モードを励起及びサポートすることができ、比較的に低い固有損失を有し、単位面積を維持すると同時により高い単位面積容量を得ることができ、それにより、製造された圧電トランスデューサは、作動性能が優れる。
【0008】
一実施例では、前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに底部電極層を製造することと、前記圧電ウェハに、前記底部電極層を覆う頂部音響反射層を製造することとを含む。
【0009】
一実施例では、前記底部音響反射層は、底部高音響インピーダンス層と底部低音響インピーダンス層とを含み、前記底部高音響インピーダンス層の数と前記底部低音響インピーダンス層の数との和は、奇数であり、前記支持ウェハを提供し、前記支持ウェハに底部音響反射層を製造するステップは、支持ウェハを提供し、前記支持ウェハの一方側に、交互に設けられる前記底部高音響インピーダンス層及び前記底部低音響インピーダンス層を製造することを含む。
【0010】
一実施例では、前記頂部音響反射層は、頂部低音響インピーダンス層を含み、前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに前記頂部低音響インピーダンス層を製造することを含む。
【0011】
一実施例では、前記頂部音響反射層は、頂部低音響インピーダンス層及び頂部高音響インピーダンス層をさらに含み、前記頂部高音響インピーダンス層の数と前記頂部低音響インピーダンス層の数との和は、奇数であり、前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに、交互に設けられる前記頂部低音響インピーダンス層及び前記頂部高音響インピーダンス層を製造することを含む。
【0012】
一実施例では、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから最も離れる層は、前記底部低音響インピーダンス層であり、且つ前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから最も離れる層は、前記頂部低音響インピーダンス層であり、或いは、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから最も離れる層は、前記底部高音響インピーダンス層であり、且つ前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから最も離れる層は、前記頂部高音響インピーダンス層である。
【0013】
一実施例では、前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造した後、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合する前に、さらに、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側、及び前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に対して、平坦化処理を行うことを含む。
【0014】
一実施例では、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合するステップは、ボンディング界面層を提供し、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に前記ボンディング界面層によって接合することを含む。
【0015】
一実施例では、前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに対してイオン注入を行い、前記イオン注入を経た圧電ウェハに頂部音響反射層を製造することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施例における圧電トランスデューサの製造方法のフロー図である。
【
図2】別の一実施例における圧電トランスデューサの製造方法のフロー図である。
【
図3】また別の実施例における圧電トランスデューサの製造方法のフロー図である。
【
図4】さらに別の実施例における圧電トランスデューサの製造方法のフロー図である。
【
図5】他の実施例における圧電トランスデューサの製造方法のフロー図である。
【
図6】圧電トランスデューサの上面図及び横断面図である。
【
図7】交互する低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層が支持ウェハにおいて堆積及びパターン化される模式図である。
【
図8】圧電ウェハ底部に低音響インピーダンス層が堆積された模式図である。
【
図9】圧電ウェハに底部電極層が堆積され、圧電ウェハに低音響インピーダンス層が堆積された模式図である。
【
図10】圧電ウェハに、交互する低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層が堆積されパターン化される模式図である。
【
図11】支持ウェハにおける最表面の層及び圧電ウェハにおける最表面の層に対して平坦化を行う模式図である。
【
図13】圧電ウェハに対する薄化及び研磨の模式図である。
【
図14】圧電ウェハに対するイオン注入及び剥離の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の目的、技術案および利点をより明確にするために、以下は実施例を通して、かつ図面を参照して、本願に対してより全面的な記述を行う。ここで記述した具体的な実施例は本願を解釈するためのものだけであり、本願を限定するものではないことを理解されたい。
【0018】
一実施例では、
図1を参照すると、以下のステップを含む圧電トランスデューサの製造方法を提供する。
【0019】
ステップS200において、支持ウェハを提供し、支持ウェハに底部音響反射層を製造する。
【0020】
図6~
図7を参照すると、支持ウェハ100は、圧電トランスデューサの支持デバイスであり、圧電トランスデューサにおける他の構造のキャリヤとして、支持及び固定の作用を果たす。支持ウェハ100の構造は、唯一ではなく、本実施例では、支持ウェハ100は、シリコン、ガラス、サファイア、炭化ケイ素、石英又は他の材料より製造されるウェハである。支持ウェハ100を提供した後、支持ウェハ100に底部音響反射層200を製造する態様は、唯一ではなく、例えば物理気相堆積方法を採用して底部音響反射層200を堆積することが可能であり、堆積速度が速い。或いは、酸化成膜方法又はエピタキシャル成膜方法を採用して支持ウェハ100に底部音響反射層200を製造することが可能であり、それにより、形成された底部音響反射層200は、緻密性が高く、構造が安定である。
【0021】
さらに、支持ウェハ100に底部音響反射層200を製造した後、さらに、圧電トランスデューサの特性の需要に応じて、底部音響反射層200をパターン化して、底部音響反射層200を特定形状に形成することができる。底部音響反射層200をパターン化する態様は、唯一ではなく、本実施例では、フォトエッチングを採用して底部音響反射層200をパターン化することができる。需要に応じて底部音響反射層200の形状を設計して、よく多くの需要を満たすことができる。底部音響反射層200の構造は、唯一ではなく、単層又は多層構造であってもよく、音響振動を制限でき、当業者にとって実施可能であればよい。
【0022】
ステップS400において、圧電ウェハを提供し、圧電ウェハに頂部音響反射層を製造する。
【0023】
圧電ウェハ400の構造は、唯一ではなく、窒素酸リチウム、チタン酸リチウム、窒化アルミニウム及び石英などの任意の同じバージョンのドーピングであってもよい。
図6~
図8を参照すると、圧電ウェハ400を提供した後、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造することは、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を堆積又は成長させることであってもよい。さらに、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造した後、頂部音響反射層300をさらにパターン化して、頂部音響反射層300を特定形状に形成することができる。頂部音響反射層300をパターン化する態様は、唯一ではなく、本実施例では、フォトエッチングを採用して頂部音響反射層300をパターン化することができる。需要に応じて頂部音響反射層300の形状を設計して、より多くの需要を満たすことができる。頂部音響反射層300の構造は、唯一ではなく、単層又は多層構造であってもよい、音響振動を制限でき、当業者にとって実施可能であればよい。なお、頂部音響反射層300を製造する前に、先に圧電ウェハ400に対してイオン注入を行ってもよい。このように、圧電ウェハ400を薄くする後続の過程では、イオン注入及びフィルム剥離移行技術を採用して圧電ウェハ400を薄くすることができ、選択性がより良い。圧電ウェハ400に対するイオン注入の過程は、頂部音響反射層300の堆積及びパターン化の前に実行され、イオン注入後、圧電ウェハは、一連の加熱、スライス及び研磨ステップを経てもよく、それにより、支持ウェハ100に薄い1層の圧電材料が残り、圧電フィルムが形成される。
【0024】
ステップS600において、底部音響反射層の支持ウェハから離れる側を頂部音響反射層の圧電ウェハから離れる側に接合する。
【0025】
図6又は
図12を参照すると、底部音響反射層200及び頂部音響反射層300が製造できたら、底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側を頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側に接合し、即ち、底部音響反射層200を頂部音響反射層300に接合する。接合の具体的な態様は、唯一ではなく、例えばボンディングを採用することができ、ファンデルワールス力、分子力ひいては原子力によって底部音響反射層200と頂部音響反射層300とを一体に形成して、圧電トランスデューサの作動性能を保証する。
【0026】
ステップS800において、圧電ウェハを薄くして、圧電トランスデューサを形成する。
【0027】
底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側を頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側に接合した後、
図13を参照すると、圧電ウェハ400をさらに薄くして圧電ウェハ400の厚さを所望の厚さにし、圧電フィルムを形成する。圧電トランスデューサは、支持ウェハ100、底部音響反射層200、薄くされた圧電ウェハ400及び頂部音響反射層300を含む。圧電ウェハ400、頂部音響反射層300、底部音響反射層200及び支持ウェハ100は、積層して設置され、支持ウェハ100は、支持の作用を果たし、圧電ウェハ400が薄くされて形成された圧電フィルムは、励起されて音響振動することができ、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200は、音響振動を制限することができ、それにより、得られた圧電トランスデューサは、高周波数で作動することができる。当該方法で製造された圧電トランスデューサは、特定の積層組み合わせ及び圧電フィルムを有し、高性能の音響振動モードを励起及びサポートすることができ、比較的に低い固有損失を有し、単位面積を維持すると同時により高い単位面積容量を得ることができ、それにより、製造された圧電トランスデューサは、作動性能が優れる。
【0028】
一実施例では、
図2を参照すると、ステップS400は、ステップS420及びステップS440を含む。
【0029】
ステップS420において、圧電ウェハを提供し、圧電ウェハ400に底部電極層を製造する。
【0030】
具体的には、底部電極層500は、電気信号を伝送するために用いることが可能であり、一般的には、底部電極層500は、層状構造である。
図9を参照すると、圧電ウェハ400に底部電極層500を堆積して、圧電トランスデューサの底部電極を形成する。さらに、圧電ウェハ400に底部電極層500を堆積した後、底部電極層500をさらにパターン化することができ、底部金属の形状、面積及び厚さなどを調整して、特定の需要を満たす。底部電極層500の形状は、唯一ではなく、正方形、矩形、台形又はn個の辺を有する任意の多角形から抽出された任意のジオメトリであってもよい。底部電極層500の構造は、唯一ではなく、Al、Pt又はCuで製造された金属層であってもよく、これらの金属の合金で製造された金属層などであってもよく、実際の需要に応じて特定することが可能であり、当業者によって実施可能であればよい。圧電ウェハ400に底部電極層500を製造することにより、電極が圧電材料内に導入する電界の方向を変化させ、新たな振動モードを形成し、圧電トランスデューサの性能を向上させることができる。なお、底部電極層500を製造する前に、先に圧電ウェハ400に対してイオン注入を行ってもよい。このように、圧電ウェハ400を薄くする後続の過程で、イオン注入及びフィルム剥離の移行技術を採用して圧電ウェハ400を薄くすることができ、選択性がより良い。
【0031】
ステップS440において、圧電ウェハに、底部電極層を覆う頂部音響反射層を製造する。
【0032】
底部電極層500が製造できたら、
図9を参照すると、圧電ウェハ400に底部電極層500を覆う頂部音響反射層300を製造する。理解できるように、底部電極層500は、圧電ウェハ400を完全に覆うわけではなく、頂部音響反射層300の一部は、底部電極層500の圧電ウェハ400から離れる側を覆い、頂部音響反射層300の他の一部は、圧電ウェハ400を覆い、それにより、頂部音響反射層300は、圧電ウェハ400に接触するだけでなく、底部電極層500にも接触する。頂部音響反射層300は、通常、層状構造であり、底部電極層500の他方の側に設けられ、音響振動を制限することができる。頂部音響反射層300のタイプは、唯一ではなく、具体的な需要に応じて頂部音響反射層300の材料を選択することができる。圧電ウェハ400の底部電極層500に近接する側に頂部音響反射層300を製造した後、頂部音響反射層300をさらにパターン化することができ、それにより、頂部音響反射層300の形状や尺寸などは、需要を満たすことができる。
【0033】
一実施例では、底部音響反射層200は、底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210を含み、底部高音響インピーダンス層220の数と底部低音響インピーダンス層210の数との和は、奇数であり、
図2を参照すると、ステップS200は、ステップS220を含む。
【0034】
本実施例では、
図7を参照すると、底部音響反射層200は、底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210を含み、底部高音響インピーダンス層220は、窒化アルミニウム、タングステン、白金、モリブデン、ルテニウム又はこれらの材料の酸化物で製造された層状構造であってもよく、底部低音響インピーダンス層210は、シリカ、回転ガラス、酸化テルル及びその他の材料を含む他の酸化物族で製造された層状構造であってもよい。底部高音響インピーダンス層220と底部低音響インピーダンス層210は、スタックを形成する。1つの底部音響反射層200が1つの底部高音響インピーダンス層220及び1つの底部低音響インピーダンス層210を含むことを例とすると、形成したスタックの層数は、1つの底部音響反射層200、即ち1層であり、製造性が良い。或いは、1つの底部音響反射層200は、2層以上の底部音響反射層200を含んでもよく、それにより、圧電トランスデューサの作動性能を向上させる。さらに、底部高音響インピーダンス層220の数と底部低音響インピーダンス層210の数との和が奇数であるとは、スタックが1層で終了し、この層が、底部高音響インピーダンス層220であってもよく、底部低音響インピーダンス層210であってもよく、終了する層は、底部音響反射層200における支持ウェハ100から最も離れる層であり、この層は、自身と粘着しやすい表面、即ち他の同じ材料を提供し、それにより、後続の他の層との接合が容易となる。
【0035】
ステップS220において、支持ウェハを提供し、支持ウェハの一方側に、交互に設けられる底部高音響インピーダンス層及び底部低音響インピーダンス層を製造する。
【0036】
底部音響反射層200が底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210を含む場合、支持ウェハ100を提供した後、底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210を1層ずつ堆積し、支持ウェハ100の一方側に交互に配置し、それにより、音響振動をより良く制限する。他の実施例において、交互に設けられた底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210が製造できたら、この交互に設けられた層状構造を支持ウェハ100上に製造しもよく、当業者にとって実施可能であればよい。底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210の厚さは、唯一ではなく、底部高音響インピーダンス層220と底部低音響インピーダンス層210とは、異なる厚さを有してもよく、異なる厚さにより、製造された圧電トランスデューサは、より優れた性能を有する。底部高音響インピーダンス層220と底部低音響インピーダンス層210とは、同じ厚さを有してもよく、それにより、後続のプロセスの実行が容易になり、実際の需要に応じて調整することができる。
【0037】
さらに、支持ウェハ100の一方側に、交互に設けられた底部高音響インピーダンス層220及び底部低音響インピーダンス層210を製造した後、さらに、底部高音響インピーダンス層220に対してパターン化することができ、或いは、底部低音響インピーダンス層210に対してパターン化することができ、或いは、底部高音響インピーダンス層220に対してパターン化するとともに、底部低音響インピーダンス層210に対してパターン化することができる。それにより、底部高音響インピーダンス層220及び/又は底部低音響インピーダンス層210を特定の形状に形成して、需要をより良く満たす。底部高音響インピーダンス層220及び/又は底部低音響インピーダンス層210の形状は、唯一ではなく、実際の需要に応じて調整することができる。
【0038】
一実施例では、
図3を参照すると、頂部音響反射層300は、頂部低音響インピーダンス層310を含み、ステップS400は、ステップS410を含む。
【0039】
ステップS410において、圧電ウェハを提供し、圧電ウェハに頂部低音響インピーダンス層を製造する。
【0040】
頂部音響反射層300の構造は、唯一ではなく、本実施例では、
図6を参照すると、頂部音響反射層300は、頂部低音響インピーダンス層310を含み、頂部低音響インピーダンス層310は、シリカ、回転ガラス、酸化テルル及びその他の材料を含む他の酸化物族で製造された層状構造であってもよい。一般的には、頂部音響反射層300が頂部低音響インピーダンス層310を含む場合、頂部低音響インピーダンス層310の数は、1であり、頂部低音響インピーダンス層310は、圧電ウェハ400に製造されて、音響振動を制限することができる。さらに、圧電ウェハ400の一方側にすでに底部電極層500が製造された場合、理解できるように、底部電極層500は、圧電ウェハ400を完全に覆うわけではなく、頂部低音響インピーダンス層310の一部は、底部電極層500の圧電ウェハ400から離れる側を覆い、頂部低音響インピーダンス層310の他の一部は、圧電ウェハ400を覆い、それにより、頂部低音響インピーダンス層310は、圧電ウェハ400に接触するだけでなく、底部電極層500にも接触し、頂部低音響インピーダンス層310は、底部電極層500を覆うことができる。さらに、圧電ウェハ400に頂部低音響インピーダンス層310を製造した後、頂部低音響インピーダンス層310に対してパターン化することができ、それにより、頂部低音響インピーダンス層310は、需要を満たす特定の形状を有する。
【0041】
一実施例では、頂部音響反射層300は、頂部低音響インピーダンス層310及び頂部高音響インピーダンス層320を含み、頂部高音響インピーダンス層320の数と頂部低音響インピーダンス層310の数との和は、奇数であり、
図4を参照すると、ステップS400は、ステップS430を含む。
【0042】
ステップS430において、圧電ウェハを提供し、圧電ウェハに、交互に設けられる頂部低音響インピーダンス層及び頂部高音響インピーダンス層を製造する。
【0043】
本実施例では、
図11~
図14を参照すると、頂部音響反射層300は、頂部低音響インピーダンス層310に加え、頂部高音響インピーダンス層320をさらに含む。頂部高音響インピーダンス層320は、窒化アルミニウム、タングステン、白金、モリブデン、ルテニウム或これらの材料の酸化物で製造された層状構造であってもよい。頂部高音響インピーダンス層320と頂部低音響インピーダンス層310は、スタックを形成する。1つの頂部音響反射層300が1つの頂部高音響インピーダンス層320及び1つの頂部低音響インピーダンス層310を含むことを例とすると、形成したスタックの層数は、1つの頂部音響反射層300、即ち1層であってもよく、製造性が良い。或いは、1つの頂部音響反射層300は、2層以上の頂部音響反射層300を含んでもよく、それにより、圧電トランスデューサの作動性能を向上させる。さらに、頂部高音響インピーダンス層320の数と頂部低音響インピーダンス層310の数との和が奇数であるとは、スタックが1層で終了し、この層が、頂部高音響インピーダンス層320であってもよく、頂部低音響インピーダンス層310であってもよく、終了する層は、頂部音響反射層300における支持ウェハ100から最も離れる層である。
【0044】
拡張可能に、
図12aを参照すると、底部音響反射層200と頂部音響反射層300との接合は、ある音響反射層の中間のある界面に発生する可能性があり、それにより、高い接合強度を得ることができ、後続のプロセス過程では、接合されたフィルムは、脱落しにくく、接合の具体的な位置は、高インピーダンス層であっても低インピーダンス声層であっても、当業者にとって実施可能であればよい。なお、圧電ウェハ400の一方側にすでに底部電極層500が製造された場合、底部電極層500を覆うのは、通常、頂部低音響インピーダンス層310であり、その後、頂部低音響インピーダンス層310の底部電極層500から離れる側に引き続き頂部高音響インピーダンス層320を製造し、それにより、頂部低音響インピーダンス層310と頂部高音響インピーダンス層320が交互に配置されるようになる。
【0045】
圧電ウェハ400に、交互に設けられる頂部低音響インピーダンス層310及び頂部高音響インピーダンス層320を製造することは、圧電ウェハに1層ずつ堆積して、交互に設けられる頂部低音響インピーダンス層310及び頂部高音響インピーダンス層320を形成することであってもよい。他の実施例において、交互に設けられる頂部低音響インピーダンス層310及び頂部高音響インピーダンス層320が製造された後、この交互に設けられる層状構造を圧電ウェハ400に製造してもよく、当業者にとって実施可能であればよい。
【0046】
一実施例では、底部音響反射層200の支持ウェハ100から最も離れる層は、底部低音響インピーダンス層210であり、且つ頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から最も離れる層は、頂部低音響インピーダンス層310であり、或いは、底部音響反射層200の支持ウェハ100から最も離れる層は、底部高音響インピーダンス層220であり、且つ頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から最も離れる層は、頂部高音響インピーダンス層320である。
【0047】
本実施例では、底部音響反射層200の支持ウェハ100から最も離れる層は、底部低音響インピーダンス層210であり、且つ頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から最も離れる層は、頂部低音響インピーダンス層310であり、即ち、支持ウェハ100における接合に用いられる層と、圧電ウェハ400における接合に用いられる層とは、いずれも低音響インピーダンス層であり、或いは、底部音響反射層200の支持ウェハ100から最も離れる層は、底部高音響インピーダンス層220であり、且つ頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から最も離れる層は、頂部高音響インピーダンス層320であり、即ち、支持ウェハ100における接合に用いられる層と、圧電ウェハ400における接合に用いられる層とは、いずれも高音響インピーダンス層である。圧電ウェハ400における最後の層と、支持ウェハ100の層のスタックにおける最上層とは、材料が同じであり、それにより、より良好なボンディング界面を提供することができ、底部音響反射層200と頂部音響反射層300との接合をより強固にする。
【0048】
一実施例では、
図4を参照すると、ステップS400の後、且つステップS600の前に、圧電トランスデューサの製造方法は、ステップS500をさらに含む。
【0049】
ステップS500において、底部音響反射層の支持ウェハから離れる側、及び頂部音響反射層の圧電ウェハから離れる側に対して平坦化処理を行う。
【0050】
平坦化処理は、薄化及び研磨などのステップを含むことができる。
図11を参照すると、底部音響反射層200を頂部音響反射層300に接合する前に、先に、底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側、及び頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側に対して平坦化処理を行い、それにより、平坦かつ滑らかな接合界面を提供し、底部音響反射層200と頂部音響反射層300との接合をより強固にする。さらに、支持ウェハ100及び底部音響反射層200の1つ又は複数の層がパターン化された場合、又は圧電ウェハ400及び頂部音響反射層300の1つ又は複数の層がパターン化された場合、又は支持ウェハ100、底部音響反射層200、圧電ウェハ400及び頂部音響反射層300の1つ又は複数の層がパターン化された場合、粘着の前に、それぞれのパターン化された構造において平坦化のステップを実行して、界面接合の有効性を確保する。
【0051】
一実施例では、
図5を参照すると、ステップS600は、ステップS620を含む。
【0052】
ステップS620において、ボンディング界面層を提供し、底部音響反射層の支持ウェハから離れる側を頂部音響反射層の圧電ウェハから離れる側にボンディング界面層によって接合する。
【0053】
具体的には、
図12(b)を参照すると、底部音響反射層200を頂部音響反射層300に接合する際に、ボンディング界面層700を提供し、底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側を頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側にボンディング界面層700によって接合する。底部音響反射層200と頂部音響反射層300との接合態様がボンディングであることを例とすると、ボンディング過程は、ホットプレスによるボンディング、表面活性化による直接ボンディング、又は半導体ウェハを粘着するための他の任意の方法であってもよい。ボンディングは、ある音響反射層の底部又は上部などに発生してもよい。底部音響反射層200における接合に用いられる層は、頂部音響反射層300における接合に用いられる層と、タイプが一致しない場合、例えば一方が高音響インピーダンス層、他方が低音響インピーダンス層である場合、ボンディング界面層700により、タイプの異なる2つの層を接合することができ、ボンディングが順調であることを確保する。ボンディング界面層700の厚さは通常薄いため、圧電トランスデューサの寸法に大きく影響することがない。ボンディング界面層700のタイプは、唯一ではなく、例えばシリカ層などであってもよく、ボンディング界面層700は頂部音響反射層300又は底部音響反射層200の一部と見なすこともできる。
【0054】
一実施例では、
図5を参照すると、ステップS400は、ステップS450を含む。
【0055】
ステップS450において、圧電ウェハを提供し、圧電ウェハに対してイオン注入を行い、イオン注入を経た圧電ウェハに頂部音響反射層を製造する。
【0056】
図14を参照すると、頂部音響反射層300を製造する前に、先に、圧電ウェハ400に対してイオン注入を行う。このように、圧電ウェハ400を薄くする後続の過程では、イオン注入及びフィルム剥離移行技術を採用して圧電ウェハ400を薄くすることができ、選択性がより良い。圧電ウェハ400に対するイオン注入の過程は、頂部音響反射層300の堆積及びパターン化の前に行われ、イオン注入後、ボンディングウェハは、一連の加熱、スライス及び研磨ステップを経て、支持ウェハ100上に1層の薄い圧電材料が残り、圧電フィルムが形成される。
【0057】
拡張可能に、圧電トランスデューサは、頂部電極層600をさらに含み、圧電ウェハ400を薄くした後、圧電ウェハ400の頂部音響反射層300から離れる側に頂部電極層600を製造し、頂部電極層600には頂部電極のリード線として導線が接続され、他のデバイスとともに圧電トランスデューサの機能を実現する。
【0058】
上記実施例をよりよく理解するために、以下に具体的な実施例を参照しながら詳しく説明する。一実施例では、底部音響反射層200は、低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層を含み、頂部音響反射層300は、低音響インピーダンス層を含むか、又は低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層との両方を含み、底部電極層500は、金属層である。
【0059】
圧電トランスデューサの製造方法は、支持ウェハ100において行われる過程、圧電ウェハ400において行われる過程、及びボンディングウェハにおいて行われるすべての特定のプロセスの過程を含む。具体的には、支持ウェハ100において行われるフローは、以下のステップ及び全体の順番を含む。
図7を参照すると、支持ウェハ100に低音響インピーダンス層と高音響インピーダンス層との交互層を堆積し、それに対して最終的にパターン化する。異なる物理気相堆積方法によりこれらの層を堆積することができ、或いは、酸化又はエピタキシャル方法を採用してこれらの層を成長させることができ。高音響インピーダンス及び低音響インピーダンスを形成する層は、異なる厚さを有することができ、且つ圧電トランスデューサの特性の需要に応じて、フォトエッチングで特定の形状にパターン化することができる。形成したスタックの層数は、任意の数であってもよく、最小で2である。スタックは、必ず1層(高音響インピーダンス層又は低音響インピーダンス層であってもよい)で終了しなければならず、この層は、自身と粘着しやすい表面(即ち、別の同じ材料)を提供する。支持ウェハ100は、シリコン、ガラス、サファイア、炭化ケイ素、石英又は他の材料で製造されたウェハであってもよい。低音響インピーダンス層は、シリカ、回転ガラス、酸化テルル及びその他の材料を含む他の酸化物族から選択される任意の材料で形成されてもよい。高音響インピーダンス層は、窒化アルミニウム、タングステン、白金、モリブデン、ルテニウム及びこれらの材料の酸化物から選択される任意の材料で形成されてもよい。
【0060】
図8を参照すると、圧電ウェハ400において実行される過程は、圧電ウェハ400に1層の薄い低音響インピーダンス層を堆積又は成長させることを含み、この層は、キャリヤ基板に製造された音響ミラーとの接着インターフェースである。別の一実施例において、
図9を参照すると、圧電ウェハ400に1層の金属層を堆積してパターン化し、そして1層の薄い低音響インピーダンス層を堆積する。他の実施例では、
図10を参照すると、圧電ウェハ400に1層以上の音響反射層を堆積又は成長させてもよい。例えば、1、2又は3対の高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層との交互層は、圧電ウェハ400に堆積又は成長することができる。圧電ウェハ400における最後の層は、支持ウェハ100の層スタックにおける最上層と、材料が同じであり、それにより、良好なボンディング界面を提供する。なお、圧電ウェハ400の材料は、窒素酸リチウム、チタン酸リチウム、窒化アルミニウム及び石英の任意の同じバージョンのドーピングであってもよい。
【0061】
圧電ウェハ400と支持ウェハ100とをボンディングして圧電フィルムを得るために行われる過程は、以下のステップを含む。支持ウェハ100の1つ又は複数の層がパターン化された場合、又は圧電ウェハ400の1つ又は複数の層がパターン化された場合、又は圧電ウェハ400及び支持ウェハ100の1つ又は複数の層がパターン化された場合、
図11を参照すると、ウェハボンディングの平坦かつ滑らかな界面インターフェースを確保するために、粘着の前に、それぞれのパターン化されたウェハにおいて平坦化ステップを実行する必要がある。支持ウェハ100と圧電ウェハ400との間のボンディングは、a.ある音響反射層の中間のある界面である高音響インピーダンス層又は低音響インピーダンス層(
図12(a))、b.ある音響反射器層の底部又は上部に発生する可能性がある。このような場合、支持ウェハ100と圧電ウェハ400とのボンディングインターフェース界面の両側に異なる音響インピーダンス層を有する。この実施例では、音響反射層を形成した後、2つのウェハに1層の薄い材料を堆積することができ、それにより、適切なボンディング界面層700を提供する(
図12(b))。このようなボンディングの目的に用いられる超薄い材料層は、音響反射器層の一部に存在することができる。
図12を参照すると、圧電ウェハ400と支持ウェハ100は、確立されたボンディングインターフェース界面によってボンディングされている。ボンディング過程は、ホットプレスによるボンディング、表面活性化による直接ボンディング、又は半導体ウェハを粘着するための他の任意の方法であってもよい。
図13を参照すると、そして、圧電ウェハ400を薄くして必要な厚さまで研磨する。
【0062】
圧電フィルムを得る方法は、機械研摩ではなく、イオン注入及びフィルム剥離移行技術であれば、圧電ウェハ400において実行される過程は、少し変更して以下のステップを追加する必要がある。
図14(a)を参照すると、圧電ウェハ400に対するイオン注入の過程は、金属電極と積層堆積とパターン化の前に実行する必要があり、
図14(a)に示す矢印は、イオン注入を示す。
図14(b)を参照すると、イオン注入後、この過程は、前述した説明に従って、ボンディングウェハが一連の加熱、スライス及び研磨ステップを経て、支持ウェハ100(
図14(c))に1層の薄い圧電材料を残す。圧電ウェハ400の材料は、窒素酸リチウム、チタン酸リチウム、窒化アルミニウム及び石英の任意の同じバージョンのドーピングバージョンであってもよい。
【0063】
図6(a)及び
図6(b)は、本願発明で製造された圧電トランスデューサの2種の構造を示す。
図6(a)において、シリカ及びタングステン層で形成され、パターン化された反射器の頂部にニオブ酸リチウム圧電トランスデューサが形成され、1つの圧電フィルムトランスデューサは、パターン化された音響反射器の層群の上に形成されている。
図6(b)において、パターン化されていない、シリカと窒化アルミニウムの反射器の頂部にニオブ酸リチウム圧電トランスデューサが形成されており、1つの圧電フィルムトランスデューサがパターン化された音響反射器層に形成され、圧電層の底面に直接接触する薄い金属層を有する。
【0064】
図面について以下のように補足して説明する。
図6は、パターン化された音響反射器の層群の上の圧電トランスデューサの上面図及び横断面図であり、
図6(b)及び
図6(d)の場合、2つのウェハをボンディングすることにより、1つの圧電層の底部は、直接的に電極に接触してデバイス構造に組み込まれている。示される例では、支持ウェハ100において、2対の低インピーダンス層及び高インピーダンス層(そのうち、高インピーダンス層のみがパターン化される)が用いられ、横断面BB´は、以降のすべての図面において圧電トランスデューサの製造フローを示すために用いられる。図面における点線は、この実施例におけるボンディングの界面(この実施例では、圧電ウェハ400には、ボンディング前に低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層の群が堆積されていない)を示す。
図7は、交互する低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層が支持ウェハ100において堆積及びパターン化される模式図である。
図8は、圧電ウェハ400の底部に低音響インピーダンス層が堆積された模式図である。
図9は、圧電ウェハ400に薄い金属(底部電極層500)が堆積されパターン化された後、圧電ウェハ400に1層の低音響インピーダンス層が堆積された模式図である。
図10は、圧電ウェハ400に交互する低音響インピーダンス層及び高音響インピーダンス層が堆積されパターン化される模式図である。
図11は、ウェハ間のボンディングを実現するために、支持ウェハ100における最表面の層及び圧電ウェハ400における最表面の層に対して平坦化を行う模式図である。
図12は、ボンディングの過程の模式図であり、
図12(a)は、2つのウェハをある音響反射層の中間のある界面にボンディングする過程の模式図であり、
図12(b)は、2つのウェハをある音響反射器層の底部又は上部にボンディングする過程の模式図である。
図12(a)において、点線は、ボンディング界面を示し、
図12(b)には、ボンディングの目的に用いられる超薄い材料層、即ちボンディング界面層700が含まれている。
図13は、圧電ウェハ400に対する薄化及び研磨の模式図である。
図14は、圧電ウェハ400に対するイオン注入及び剥離の模式図である。
【0065】
上記圧電トランスデューサの製造方法は、まず、支持ウェハ100を提供し、支持ウェハ100に底部音響反射層200を製造し、そして、圧電ウェハ400を提供し、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造し、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200は、いずれも音響振動を制限するために用いられ、次に、底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側を頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側に接合し、最後に圧電ウェハ400を薄くして、圧電トランスデューサを形成する。この圧電トランスデューサの製造方法で製造された圧電トランスデューサでは、圧電ウェハ400、頂部音響反射層300、底部音響反射層200及び支持ウェハ100が積層して設置され、支持ウェハ100が支持の作用を果たし、圧電ウェハ400が薄くされて形成された圧電フィルムは、励起されて音響振動することができ、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200が音響振動を制限することができるため、得られた圧電トランスデューサは、高周波数で動作することができる。当該方法で製造された圧電トランスデューサは、特定の積層組み合わせ及び圧電フィルムを有するため、高性能の音響振動モードを励起及びサポートすることができ、比較的に低い固有損失を有し、単位面積を維持すると同時により高い単位面積容量を得ることができ、それにより、製造された圧電トランスデューサは、作動性能が優れる。
【0066】
一実施例において、上記の方法で製造された圧電トランスデューサを提供する。
【0067】
上記圧電トランスデューサは、まず、支持ウェハ100を提供し、支持ウェハ100に底部音響反射層200を製造し、そして、圧電ウェハ400を提供し、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造し、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200がいずれも音響振動を制限するために用いられ、次に、底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側を頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側に接合し、最後に圧電ウェハ400を薄くして、圧電トランスデューサを形成する。この圧電トランスデューサの製造方法で製造された圧電トランスデューサでは、圧電ウェハ400、頂部音響反射層300、底部音響反射層200及び支持ウェハ100が積層して設置され、支持ウェハ100が支持の作用を果たし、圧電ウェハ400が薄くされて形成された圧電フィルムは、励起されて音響振動することができ、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200が音響振動を制限することができるため、得られた圧電トランスデューサは、高周波数で動作することができる。当該方法で製造された圧電トランスデューサは、特定の積層組み合わせ及び圧電フィルムを有するため、高性能の音響振動モードを励起及びサポートすることができ、比較的に低い固有損失を有し、単位面積を維持すると同時により高い単位面積容量を得ることができ、それにより、製造された圧電トランスデューサは、作動性能が優れる。
【0068】
上記実施例の各技術的特徴は任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせを説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾が存在しない限り、本明細書に記載する範囲にあると考えるべきである。
【0069】
上記実施例は本発明のいくつかの実施方式のみを表し、その説明は比較的具体的かつ詳細であるが、これによって発明の特許請求の範囲に対する制限であると理解することはできない。注意すべきなのは、当業者にとって、本発明の構想から逸脱しない前提で、さらに若干の変形と改良を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属することである。したがって、本発明の特許の保護範囲は添付の請求項を基準とすべきである。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持ウェハを提供し、前記支持ウェハに底部音響反射層を製造するステップと、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップであって、前記頂部音響反射層と前記底部音響反射層がいずれも音響振動を制限するために用いられるステップと、
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合するステップと、
前記圧電ウェハを薄くして圧電トランスデューサを形成するステップと、を含む、ことを特徴とする圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項2】
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに底部電極層を製造することと、
前記圧電ウェハに、前記底部電極層を覆う頂部音響反射層を製造すること、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項3】
前記底部音響反射層は、底部高音響インピーダンス層と底部低音響インピーダンス層とを含み、
前記底部高音響インピーダンス層の数と前記底部低音響インピーダンス層の数との和は、奇数であり、
前記支持ウェハを提供し、前記支持ウェハに底部音響反射層を製造するステップは、
支持ウェハを提供し、前記支持ウェハの一方側に、交互に設けられる前記底部高音響インピーダンス層及び前記底部低音響インピーダンス層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項4】
前記頂部音響反射層は、頂部低音響インピーダンス層を含み、
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに前記頂部低音響インピーダンス層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項5】
前記頂部音響反射層は、頂部低音響インピーダンス層及び頂部高音響インピーダンス層をさらに含み、
前記頂部高音響インピーダンス層の数と前記頂部低音響インピーダンス層の数との和は、奇数であり、
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに、交互に設けられる前記頂部低音響インピーダンス層及び前記頂部高音響インピーダンス層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項3に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項6】
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから最も離れる層は、前記底部低音響インピーダンス層であり、且つ前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから最も離れる層は、前記頂部低音響インピーダンス層であり、或いは、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから最も離れる層は、前記底部高音響インピーダンス層であり、且つ前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから最も離れる層は、前記頂部高音響インピーダンス層である、ことを特徴とする請求項5に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項7】
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造した後、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合する前に、さらに、
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側、及び前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に対して平坦化処理を行うことを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項8】
前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に接合するステップは、
ボンディング界面層を提供し、前記底部音響反射層の前記支持ウェハから離れる側を前記頂部音響反射層の前記圧電ウェハから離れる側に前記ボンディング界面層によって接合することを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項9】
前記圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに頂部音響反射層を製造するステップは、
圧電ウェハを提供し、前記圧電ウェハに対してイオン注入を行い、前記イオン注入を経た圧電ウェハに頂部音響反射層を製造することを含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の圧電トランスデューサの製造方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の方法によって製造される、ことを特徴とする圧電トランスデューサ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
圧電ウェハ400の構造は、唯一ではなく、
タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、窒化アルミニウム及び石英などの任意の同じバージョンのドーピングであってもよい。
図6~
図8を参照すると、圧電ウェハ400を提供した後、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造することは、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を堆積又は成長させることであってもよい。さらに、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造した後、頂部音響反射層300をさらにパターン化して、頂部音響反射層300を特定形状に形成することができる。頂部音響反射層300をパターン化する態様は、唯一ではなく、本実施例では、フォトエッチングを採用して頂部音響反射層300をパターン化することができる。需要に応じて頂部音響反射層300の形状を設計して、より多くの需要を満たすことができる。頂部音響反射層300の構造は、唯一ではなく、単層又は多層構造であってもよい、音響振動を制限でき、当業者にとって実施可能であればよい。なお、頂部音響反射層300を製造する前に、先に圧電ウェハ400に対してイオン注入を行ってもよい。このように、圧電ウェハ400を薄くする後続の過程では、イオン注入及びフィルム剥離移行技術を採用して圧電ウェハ400を薄くすることができ、選択性がより良い。圧電ウェハ400に対するイオン注入の過程は、頂部音響反射層300の堆積及びパターン化の前に実行され、イオン注入後、圧電ウェハは、一連の加熱、スライス及び研磨ステップを経てもよく、それにより、支持ウェハ100に薄い1層の圧電材料が残り、圧電フィルムが形成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
図8を参照すると、圧電ウェハ400において実行される過程は、圧電ウェハ400に1層の薄い低音響インピーダンス層を堆積又は成長させることを含み、この層は、キャリヤ基板に製造された音響ミラーとの接着インターフェースである。別の一実施例において、
図9を参照すると、圧電ウェハ400に1層の金属層を堆積してパターン化し、そして1層の薄い低音響インピーダンス層を堆積する。他の実施例では、
図10を参照すると、圧電ウェハ400に1層以上の音響反射層を堆積又は成長させてもよい。例えば、1、2又は3対の高音響インピーダンス層と低音響インピーダンス層との交互層は、圧電ウェハ400に堆積又は成長することができる。圧電ウェハ400における最後の層は、支持ウェハ100の層スタックにおける最上層と、材料が同じであり、それにより、良好なボンディング界面を提供する。なお、圧電ウェハ400の材料は、
タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、窒化アルミニウム及び石英の任意の同じバージョンのドーピングであってもよい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0062
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0062】
圧電フィルムを得る方法は、機械研摩ではなく、イオン注入及びフィルム剥離移行技術であれば、圧電ウェハ400において実行される過程は、少し変更して以下のステップを追加する必要がある。
図14(a)を参照すると、圧電ウェハ400に対するイオン注入の過程は、金属電極と積層堆積とパターン化の前に実行する必要があり、
図14(a)に示す矢印は、イオン注入を示す。
図14(b)を参照すると、イオン注入後、この過程は、前述した説明に従って、ボンディングウェハが一連の加熱、スライス及び研磨ステップを経て、支持ウェハ100(
図14(c))に1層の薄い圧電材料を残す。圧電ウェハ400の材料は、
タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム、窒化アルミニウム及び石英の任意の同じバージョンのドーピングバージョンであってもよい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
上記圧電トランスデューサの製造方法は、まず、支持ウェハ100を提供し、支持ウェハ100に底部音響反射層200を製造し、そして、圧電ウェハ400を提供し、圧電ウェハ400に頂部音響反射層300を製造し、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200がいずれも音響振動を制限するために用いられ、次に、底部音響反射層200の支持ウェハ100から離れる側を頂部音響反射層300の圧電ウェハ400から離れる側に接合し、最後に圧電ウェハ400を薄くして、圧電トランスデューサを形成する。この圧電トランスデューサの製造方法で製造された圧電トランスデューサでは、圧電ウェハ400、頂部音響反射層300、底部音響反射層200及び支持ウェハ100が積層して設置され、支持ウェハ100が支持の作用を果たし、圧電ウェハ400が薄くされて形成された圧電フィルムは、励起されて音響振動することができ、頂部音響反射層300及び底部音響反射層200が音響振動を制限することができるため、得られた圧電トランスデューサは、高周波数で動作することができる。当該方法で製造された圧電トランスデューサは、特定の積層組み合わせ及び圧電フィルムを有するため、高性能の音響振動モードを励起及びサポートすることができ、比較的に低い固有損失を有し、単位面積を維持すると同時により高い単位面積容量を得ることができ、それにより、製造された圧電トランスデューサは、作動性能が優れる。
【国際調査報告】