(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】溶接方法、溶接工具及び電動弁
(51)【国際特許分類】
B23K 26/21 20140101AFI20240216BHJP
B23K 26/70 20140101ALI20240216BHJP
【FI】
B23K26/21 N
B23K26/70
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552068
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 CN2022077891
(87)【国際公開番号】W WO2022179601
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】202110219534.3
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511102675
【氏名又は名称】浙江三花汽車零部件有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】周 磊
(72)【発明者】
【氏名】趙 国 坤
(72)【発明者】
【氏名】文 ▲チー▼
【テーマコード(参考)】
4E168
【Fターム(参考)】
4E168BA21
4E168BA56
4E168CA13
4E168HA00
(57)【要約】
溶接方法であって、当該溶接方法を使用して電動弁を溶接し、電動弁(100)は弁座部材(31)を含み、弁座部材は弁座部(311)及び接続座(312)を含み、弁座部は弁口(3112)、及び少なくとも2つの流通孔(3114)を有し、レーザビームによって弁座部と接続座との結合箇所を溶融させて、連続していない少なくとも2つの溶接凝固部(5)を形成し、そのうちの一つの流通孔は第1溶接凝固部と弁口との間に位置し、別の一つの流通孔は第2溶接凝固部と弁口との間に位置する。このように流通孔を配置することで、溶接応力に対して遮断作用を発揮し、溶接応力による弁口の変形を減少する。溶接工具及び電動弁をさらに提供している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁の溶接に適用可能な溶接方法であって、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、前記溶接方法は
前記弁座部及び前記接続座に対して位置制限を行うステップと、
前記弁座部材の位置を取得するステップと、
取得された前記弁座部材の位置に基づいて、レーザビームによって前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部を形成するステップであって、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置するステップと、を含むことを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
前記接続座は前記弁座部の一部の下方に位置し、前記レーザビームの入射角度と前記弁座部材の中軸線とは所定角度を呈し、前記溶接凝固部は前記流通孔の下方に位置し、溶接ビード形態又は溶接点形態を呈することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
前記所定角度の範囲は30°~60°の間にあることを特徴とする請求項2に記載の溶接方法。
【請求項4】
前記弁座部又は前記接続座のうちの一方には孔、又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、前記孔、又は前記溝、或いは前記認識対象となるマークを取得することで、前記弁座部材の位置を取得し、
又は、前記流通孔に基づいて前記弁座部材の位置を取得することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の溶接方法。
【請求項5】
前記弁座部位置を取得した後、直ちにレーザビームを生成し、又は事前設定された時間を遅延させてからレーザビームを生成し、レーザビームは前記弁座部と前記接続座との結合箇所と位置合わせることを特徴とする請求項4に記載の溶接方法。
【請求項6】
電動弁の溶接に適用可能な溶接工具であって、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、
前記溶接工具は前記弁座部及び前記接続座をクランプする治具と、
前記弁座部と前記接続座とを溶接する少なくとも1つのレーザ装置を有するレーザ溶接機器と、を含み、
前記溶接工具は前記弁座部材の位置を取得可能し、
前記レーザ装置は前記弁座部材の位置に基づいて前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部を形成し、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置することを特徴とする溶接工具。
【請求項7】
前記溶接工具は、前記流通孔に基づいて前記弁座部材の位置を取得する位置検出装置をさらに含み、
又は、前記溶接工具は位置検出装置をさらに含み、前記弁座部又は前記接続座のうちの一方には孔、又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、前記位置検出装置は前記孔、又は前記溝、或いは前記認識対象となるマークを取得することで、前記弁座部材の位置を取得することを特徴とする請求項6に記載の溶接工具。
【請求項8】
前記接続座は前記弁座部の一部の下方に位置し、前記治具は前記接続座をクランプし、前記弁座部と前記接続座とは位置制限されるように接続され、前記レーザ装置のレーザビームの入射角度と前記弁座部材の中軸線とは所定角度を呈し、前記溶接凝固部は前記流通孔の上方に位置し、前記弁口は前記流通孔の下方に位置することを特徴とする請求項7に記載の溶接工具。
【請求項9】
前記レーザ溶接機器は1つの前記レーザ装置を有し、前記治具又は前記レーザ装置のうちの一方は回動可能であり、前記レーザ装置は、前記第1溶接凝固部を形成した後、レーザビームの生成を一時停止し、前記治具又はレーザ装置を回動させ、前記レーザ装置は、前記位置検出装置が取得した結果に基づいて、次の流通孔又は別の一つの流通孔の下方にレーザビームを再度生成して、前記第2溶接凝固部を形成することを特徴とする請求項8に記載の溶接工具。
【請求項10】
前記レーザ装置の数が前記溶接凝固部の数と同様である場合、前記レーザ装置はレーザビームを同時に生成し、前記レーザ装置は間隔を空けて配列され、対応する数の前記溶接凝固部を同時に形成して、前記弁座部と前記接続座との溶接を完成し、
又は、前記溶接凝固部の数が前記レーザ装置の数の整数倍である場合、前記治具又は前記レーザ装置のうちの一方は回動可能であり、前記レーザ装置は、前記弁座部材の中軸線の周りに等ピッチで配置され、レーザビームを同時に生成するとともに、前記レーザ装置の数と同様な溶接凝固部を形成しており、前記レーザ装置はレーザビームの生成を一時停止し、前記治具又はレーザ装置を回動させ、前記レーザ装置は、前記位置検出装置が取得した結果に基づいて、次の流通孔の下方にレーザビームを再度生成して、前記弁座部と前記接続座との溶接を完成することを特徴とする請求項9に記載の溶接工具。
【請求項11】
前記レーザ装置の数が2つである場合、前記レーザ装置は前記弁座部材の両側に対称に設けられ、前記レーザ装置の数が3つである場合、前記レーザ装置は前記弁座部材の中心線の周りに同じ角度を空けて配置され、前記レーザ装置の数が4つである場合、前記レーザ装置は前記弁座部材の中軸線の周りに同じ角度を空けて配置されることを特徴とする請求項10に記載の溶接工具。
【請求項12】
前記レーザ装置は、前記位置検出装置が前記弁座部材の位置を取得した後、直ちにレーザビームを生成し、又は事前設定された時間を遅延させてからレーザビームを生成し、前記溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態を呈することを特徴とする請求項11に記載の溶接工具。
【請求項13】
前記位置検出装置は光電センサーを含み、前記光電センサーは前記流通孔を検出することで前記弁座部材の位置を検出し、前記光電センサーは、前記流通孔の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点を検出することで、前記流通孔の位置を判定し、前記光電センサーの延在方向と、前記レーザ装置から生じたレーザビームとは同一の平面に位置し、前記レーザ装置は、前記光電センサーが前記流通孔を検出した場合、レーザビームを生成することを特徴とする請求項12に記載の溶接工具。
【請求項14】
弁部材を含む電動弁であって、前記弁部材は弁体部材及び弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口を有し、前記弁体部材は前記弁口に対して移動可能であり、前記接続座は通孔部を有し、前記弁座部の一部は前記通孔部に位置し、前記接続座の下端部は前記弁座部に溶接固定され、前記接続座の下端部と前記弁座部との間は少なくとも2つの溶接凝固部を有し、隣接している前記溶接凝固部は連続していなく、前記弁座部は、前記弁座部の周方向に沿って配置されて、前記弁座部の側壁を貫通する少なくとも2つの流通孔を有し、前記流通孔の少なくとも一部は前記溶接凝固部と前記弁口との間に位置することを特徴とする電動弁。
【請求項15】
前記溶接凝固部はレーザ溶接によって形成され、前記弁座部は略円筒状を呈しており、前記溶接凝固部の弧長の少なくとも80%の投影は、前記ローターの軸方向に沿って、対応する前記流通孔の投影内に位置することを特徴とする請求項14に記載の電動弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年02月26日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110219534.3であり、発明名称が「溶接方法及び溶接工具」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
[技術分野]
【0002】
本発明は流体制御の技術分野に関して、具体的に電動弁を溶接できる溶接方法及び溶接工具に関している。
【背景技術】
【0003】
電動弁は弁座部材を含み、弁座部材は弁座部及び接続座を含み、弁座部は弁口を有し、弁座部と接続座とは溶接によって固定され、冷却過程で、弁座部及び接続座の溶融された部分は逆収縮が生じるため、溶接応力によって弁座部の変形を招致する恐れがあり、弁座部が変形すると、弁口を変形させ、弁口の係合精度が要求に合わない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、溶接応力による弁座部の変形を減少する溶接方法、溶接工具及び電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本出願の1つの実施形態は電動弁の溶接に適用可能な溶接方法を提供し、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、前記溶接方法は、
前記弁座部及び前記接続座に対して位置制限を行うステップと、
前記弁座部材の位置を取得するステップと、
取得された前記弁座部材の位置に基づいて、レーザビームによって前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部を形成するステップであって、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置するステップと、を含む。
【0006】
本出願の別の実施形態は電動弁の溶接に適用可能な溶接工具を提供し、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、前記溶接工具は前記弁座部及び前記接続座をクランプする治具と、前記弁座部と前記接続座とを溶接する少なくとも1つのレーザ装置を有するレーザ溶接機器と、を含み、前記溶接工具は前記弁座部材の位置を取得し、前記レーザ装置は前記弁座部材の位置に基づいて前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させ、少なくとも2つの溶接凝固部を形成し、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置する。
【0007】
本出願の別の実施形態は弁部材を含む電動弁を提供し、前記弁部材は弁体部材及び弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口を有し、前記弁体部材は前記弁口に対して移動可能であり、前記接続座は通孔部を有し、前記弁座部の一部は前記通孔部に位置し、前記接続座の下端部は前記弁座部に溶接固定され、前記接続座の下端部と前記弁座部との間は少なくとも2つの溶接凝固部を有し、隣接している前記溶接凝固部は連続していなく、前記弁座部は、前記弁座部の周方向に沿って配置されて、前記弁座部の側壁を貫通する少なくとも2つの流通孔を有し、前記流通孔の少なくとも一部は前記溶接凝固部と前記弁口との間に位置することを特徴とする電動弁。
【発明の効果】
【0008】
本出願の上記実施形態の溶接方法及び溶接工具は電動弁の溶接に適用可能であり、電動弁は弁座部材を含み、弁座部材は弁座部及び接続座を含み、溶接方法及び溶接工具は弁座部と接続座との結合箇所を溶融させて、連続していない少なくとも2つの溶接凝固部を形成し、一つの流通孔は第1溶接凝固部と弁口との間に位置し、別の一つの流通孔は第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、このように流通孔を配置すれば、溶接応力に対して遮断作用を発揮し、溶接による弁座部の応力変形を減少して、さらに、溶接応力による弁口の変形を低減し、弁口の係合精度を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明が提供する電動弁の第1の実施例の1つの立体構造模式図である。
【
図2】
図1の電動弁の1つの断面構造模式図である。
【
図4】
図2の弁部材の1つの視野角の構造模式図である。
【
図6】
図4の弁部材の、B-B面に沿う断面構造模式図である。
【
図7】
図4の弁座部と接続座との別体構造模式図である。
【
図8】
図4の弁部材の1つの仰視構造模式図である。
【
図9】電動弁の第2の実施例の弁部材の1つの立体構造模式図である。
【
図10】
図9の弁部材の1つの仰視構造模式図である。
【
図11】電動弁の第3の実施例の弁部材の1つの立体構造模式図である。
【
図13】電動弁の第4の実施例の弁部材の1つの立体構造模式図である。
【
図15】
図13の弁部材の1つの変形例の立体構造模式図である。
【
図16】溶接凝固部が流通孔の上方に位置するとともに連続していない時、弁座部の一部が平面に沿って展開した模式図である。
【
図17】溶接凝固部が1周である時、弁座部の一部が平面に沿って展開した模式図である。
【
図18】溶接凝固部が連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁座部の一部が平面に沿って展開した模式図である。
【
図19】溶接凝固部が流通孔の上方に位置するとともに、連続していない時、弁口形状と溶接凝固部とが全周であり、又は溶接凝固部が連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁口形状の比較模式図である。
【
図20】弁座部材が治具に配置される模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を結合して本発明の実施形態の技術的特徴及び利点を詳しく説明する。
【0011】
図1~
図8を結合して、本発明出願の電動弁100の第1の実施例において、電動弁100は弁ボディ1、コイルユニット2及び弁部材3を含み、弁部材3と弁ボディ1とは組み立てられ、コイルユニット2と弁ボディ1とは固定されて接続され、コイルユニット2はステータユニット21、射出成形体22及びコネクタ23を含み、射出成形体22の一部はステータユニット21を覆って、ステータユニット21はコネクタ23の内部の連結ピン(図示せず)に接続される。弁部材3は弁座部材31、磁気ローター32、ローター軸33、ナットユニット34、スリーブ35及び弁体部材36を含み、スリーブ35の下端部は弁座部材31に接続され、接続方式は溶接を含み、スリーブ35の一部は磁気ローター32とステータユニット21との間に位置する。弁座部材31は弁座部311及び接続座312を含み、本実施例において、弁座部311と接続座312とは別体的に成形されてから固定されて接続され、電動弁100の高さ方向に沿って、スリーブ35の下端部は接続座312に固定されて接続され、接続座312の下端部はレーザ溶接によって弁座部311に固定されて接続され、弁座部311は弁口3112を有する弁座3111を含む。ステータユニット21に所定の電流を流し、ステータユニット21は励起磁場を生成でき、磁気ローター32は励起磁場において回動可能であり、磁気ローターはローター軸33を回転させ、ローター軸33はナットユニット34にネジ係合され、弁体部材36を弁口3112に対して上下に移動させ、弁体部材36は弁口3112を封止し、又は弁口3112の流量を調節し、或いは弁体部材36は最下端に位置する場合、弁口3112において小流量で流通し、本実施例において、弁体部材36は最下端にある場合、弁口3112を封止できる。ローター軸33の軸線をLに定義し、軸線Lは弁口3112の中心を通過する。本発明の実施形態において、電動弁の高さ方向は以下のように定義され、即ち、ローターの軸方向に沿って、コイルユニットは弁口の上方に位置し、言い換えると、弁口はコイルユニットの下方に位置し、言い換えると、コイルユニットに近接する方向を上にして、コイルユニットから離れた方向を下にする。
【0012】
図1~
図8を結合して、本実施例において、弁ボディ1は第1通路11、第2通路12及び弁ボディ室13を含み、弁座部材31は弁ボディ室13に位置し、第1通路11を入口通路とし、第2通路12を出口通路とし、無論、他の実施例において、第1通路11を出口通路とし、第2通路12を入口通路としてもよい。弁座部311の側壁の少なくとも一部は略円筒状を呈して、ローター軸33の軸線Lに沿って、弁座3111は相対的に弁座部311の下方の位置にある。弁座部311は弁座部キャビティ3113及び流通孔3114を含み、第1通路11は弁ボディ室13に直接的に連通し、弁ボディ室13は流通孔3114を介して弁座部キャビティ3113に連通し、第2通路12は弁口3112を介して弁座部キャビティ3113に連通する。電動弁100は第1封止部材41及び第2封止部材42をさらに含み、接続座312には第1封止溝43が設けられ、弁座部311には第2封止溝44が設けられ、第1封止部材41は第1封止溝43に収容され、第2封止部材42は第2封止溝44に収容され、このように配置することで、電動弁100の組み立てを容易にして、第1封止部材41は接続座312と弁ボディ1との間に位置し、作業媒体が接続座312と弁ボディ1との間の隙間を介して外部に漏れることを防止し、第2封止部材42は弁座部311と弁ボディ1との間に位置し、作業媒体が弁座部311と弁ボディ1との間の隙間から流れることを防止する。本実施例において、弁ボディ1は単独の弁ブロックであり、第1通路11及び第2通路12は弁ボディ1に成形され、他の実施例において、弁体は熱交換器ユニット又は他の部品の一部であってもよい。他の実施例において、入口通路及び出口通路として、管路を配置してもよい。
【0013】
図1~
図8を結合して、本実施例において、弁座部311と接続座312とは締まり嵌めされることで固定されてから、レーザ溶接によって固定されて接続され、具体的に、接続座312の下端部はレーザ溶接によって弁座部311に固定され、接続座312の下端部と弁座部311との間は少なくとも2つの溶接凝固部5を有し、隣接している溶接凝固部5は連結していなく、弁座部311は弁座部311の周方向に成形されるとともに、弁座部311の側壁を貫通する少なくとも2つの流通孔3114を有し、流通孔3114の少なくとも一部は溶接凝固部5と弁口3112との間に位置する。弁座部311は略円筒状を呈して、弁座部311の円周方向に沿って、溶接凝固部5の弧長の80%以上は、対応する流通孔3114の外縁の周方向に沿う最大弧長のカバー範囲内に位置する。流通孔3114の数は2つ以上であり、溶接凝固部5の数は流通孔3114の数の以下であり、溶接凝固部5は溶接ビード形態又は溶接点形態を呈し、弁座部311の軸方向に沿って投影し、各溶接凝固部5の弧長の80%以上は対応する流通孔3114の外縁の最大弧長のカバー範囲内に位置し、各溶接凝固部5と弁口3112との間は何れも間隔を空けるように1つの流通孔3114が設けられる。本実施例において、溶接凝固部の数は4つであり、締まり嵌めされて固定されることで、弁座部311及び接続座312の位置制限を容易にして、無論、他の実施例において隙間嵌めであってもよいし、弁座部及び接続座に対して位置制限を行うための位置決め工具を配置してもよい。弁座部311は略円筒状を呈しており、弁体案内部3115、ナット案内部3116、取付セグメント3117及び流通孔成形セグメント3118を含み、弁体案内セグメント3115は弁座部311の内周壁に位置し、弁体部材36に案内を提供し、同軸度を高めて、ナット案内セグメント3116は弁座部311の外周壁に位置し、ナットユニット34に案内を提供し、同じように、ナットと弁体との同軸度を高める。接続座312は通孔部3121を有し、弁座部311は通孔部3121に挿着され、取付セグメント3117は締まり嵌めによって接続座312の通孔部3121に固定されて、弁座部311及び接続座312の、径方向の相対位置を制限する。流通孔3114は流通孔成形セグメント3118の周方向に成形され、流通孔成形セグメント3118の外径サイズは取付セグメント3117の外径サイズより大きく、接続座312の下端部は連通孔成形セグメント3118の上端部に当接され、弁座部311及び接続座312の、軸方向の相対位置を制限し、溶接凝固部5は接続座312の下端部と流通孔成形セグメント3118の上端部とを接続し、本実施例において、溶接凝固部5は溶接ビード形態を呈する。本実施例において、流通孔成形セグメント3118には4つの流通孔3114が成形され、4つの流通孔3114は流通孔成形セグメント3118の周方向に沿って配置され、所定距離を空けて略円形又は楕円形を呈する。流通孔3114は第1流通孔、第2流通、第3流通及び第4流通孔を含み、ローター軸33の軸線Lの周りに、流通孔3114は均一に分布される。レーザ装置はレーザビームを生成し、接続座312の下端部と流通孔成形セグメント3118の上端部とを溶融させて、溶接凝固部5を形成し、溶接凝固部5は第1溶接凝固部、第2溶接凝固部、第3溶接凝固部及び第4溶接凝固部を含み、第1溶接凝固部、第2溶接凝固部、第3溶接凝固部及び第4溶接凝固部は連続していなく、言い換えると所定ピッチを空け、第1溶接凝固部は第1流通孔の上方に位置し、第2溶接凝固部は第2流通孔の上方に位置し、第3溶接凝固部は第3流通孔の上方に位置し、第4溶接凝固部は第4流通孔の上方に位置する。
図5を参照し、1つの実施形態において、流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大距離に対応する2つの点はそれぞれ第1点A1及び第2点A2であり、流通孔3114の上方の溶接凝固部5の最左端はA1点を超えず、最右端はA2点を超えていなく、言い換えると溶接凝固部5は流通孔3114と接続座312との間に位置し、ローター軸33の軸線Lの方向に沿って、溶接凝固部5の弧長の80%以上の投影は流通孔3114の投影内に位置する。本実施形態では、電動弁100の第1の実施例において、第1溶接凝固部51と第1流通孔3114aとの位置関係を例として説明し、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が位置する線と、ローター軸の軸線とは同一面に配置され、ローター軸33の軸線Lの点を円心として、溶接凝固部5の、ローター軸33の軸線Lの周りの角度は第1角度であり、即ち、第1溶接凝固部51の両端の間の夾角は第1角度であり、ローター軸33の軸線Lの点を円心として、流通孔3114の、ローター軸33の軸線Lの周りの最大角度は第2角度であり、即ち、第1流通孔3114aの外縁の間の夾角は第2角度であり、第1角度は第2角度より小さく、例えば、第1流通孔3114aの、軸線Lの周りの最大角度は40度であり、第1溶接凝固部51の、軸線Lの周りの角度は30度であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部51と同様であり、言い換えるとローター軸33の軸線Lの方向に沿って、溶接凝固部5の弧長は一定範囲内で流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長より小さく、ここで、一定範囲は溶接強度を保証できる。このように配置することで、流通孔3114の下方でレーザによって接続座312と弁座部311とを溶融させて溶接凝固部5を形成し、溶接凝固部の冷却過程で、溶接凝固部の収縮応力は、流通孔3114の阻害のため、直接的に弁口3112に作用していなく、弁口3112の円形度の変化を減少し、弁体部材36と弁口3112とが当接された後、係合精度の合格率が向上して、封止性を高めて、漏れを低減する。
図16~
図19を参照し、
図16は溶接凝固部5が流通孔の上方に位置するとともに連続していない時、弁座部311の一部の平面に沿う展開図であり、溶接凝固部5が流通孔の上方に位置する場合、軸線Lの方向に沿って、弁座部311の下端部及び弁座は基本的に軸方向の変形がない。
図17は溶接凝固部5aが全周である場合、弁座部311の一部の平面に沿う展開図であり、溶接凝固部5aが全周である場合、軸線Lの方向に沿って、弁座部の下端部及び弁座は流通孔に対応していない位置で軸方向変形が生じる。
図18は溶接凝固部5bが連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁座部311の一部の平面に沿う展開図であり、溶接凝固部5bが流通孔の上方に位置していない時、軸線Lの方向に沿って、弁座部の下端部及び弁座は流通孔に対応していない位置で軸方向変形が生じる。
図19のY1は、溶接凝固部が流通孔の上方に位置するとともに連続していない時、弁口の模式図であり、弁口は略円形を呈して、径方向変形がなく、Y2は溶接凝固部が全周であり、又は溶接凝固部が連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁口の模式図であり、弁口は径方向ひずみが生じて、もう円形ではない。溶接凝固部5の位置は流通孔3114の位置に対応するため、流通孔は溶接応力に対して遮断作用を発揮し、流通孔3114は溶接凝固部の溶接応力が弁座部の下方に伝達されることを阻止し、弁座が軸方向に沿って歪むことを防止するとともに、弁口3112の円形度が変化し又は弁口3112の中心がずれることを防止し、これによって、弁体部材36と弁口3112との係合精度を高めて、封止性を向上し、漏れを減少する。本実施例において、弁座部311の流通孔成形セグメント3118が平面に沿って展開した後、流通孔3114は略円形を呈し、無論、流通孔成形セグメント3118の周方向に沿って、流通孔3114の幅はより広くなって、流量をさらにバランスさせ、弁座の変形を防止する。また、溶接凝固部の軸線Lの周りの角度が360°であることに対して、レーザ溶接による溶接熱を減少するとともに、弁口に伝達される溶接熱を減少して、弁口の変形を低減する。
【0014】
電動弁の第1の実施例の第1の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとが同一面に位置する場合、第1角度は第2角度に等しく、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部51と同様である。
【0015】
電動弁の第1の実施例の第2の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとが同一面に位置する場合、一定範囲内で第1角度は第2角度より大きく、ここで、一定範囲は第1角度の80%が第2角度の以下であることを意味し、例えば、第2角度は30度である場合、第1角度は37.5度以下であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様であり、言い換えると第1角度の少なくとも80%は第2角度と重なるように配置される。
【0016】
電動弁の第1の実施例の第3の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとは同一面に位置していない場合、第1角度は第2角度に等しく、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様である。
【0017】
電動弁の第1の実施例の第4の変形において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとは同一面に位置していない場合、一定範囲内で第1角度は第2角度より小さく、ここで、一定範囲は溶接強度を保証できる範囲を指し、例えば、第1流通孔の、軸線Lの周りの最大角度は40度である場合、第1溶接凝固部51の、軸線Lの周りの角度は30度であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様である。
【0018】
電動弁の第1の実施例の第5の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとは同一面に位置していない場合、一定範囲内で第1角度は第2角度より大きく、ここで、一定範囲は、第1角度の80%が第2角度の以下であることを意味し、例えば、第2角度は30度である場合、第1角度は37.5度以下であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様であり、言い換えると第1角度の少なくとも80%は第2角度と重なるように配置される。
【0019】
ここで、電動弁の第1の実施例及び第1の実施例の各種の変形例の主旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0020】
図9~
図10を結合し、本発明の出願の電動弁の第2の実施例において、電動弁の第1の実施例に比べると、流通孔3114の数は同様であり、4つであり、溶接凝固部5の数は2つであり、溶接凝固部5は間隔を空けて配置される流通孔3114の上方に位置し、即ち、第1流通孔、第3流通孔の上方は溶接凝固部5を有し、他の構想は電動弁の第1の実施例と同様であるため、ここで、贅言していなく、このように配置することで、同じように、溶接による弁座3111の変形を防止して、弁口3112の封止性の問題を減少する。
【0021】
図11~
図12を結合し、本発明出願の電動弁の第3の実施例において、電動弁の第1の実施例に比べると、流通孔3114の数は6つであり、溶接凝固部5の数は6つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部5を有し、他の構想は電動弁の第1の実施例と同様であるため、ここで、贅言していない。無論、電動弁の第3の実施例の第1の変形例において、流通孔3114の数は6つ設定される場合、溶接凝固部5の数は3つに設定され、溶接凝固部5は間隔を空けて配置される流通孔3114の上方に位置する。
【0022】
このように類似すると、流通孔3114の数は2つである場合、溶接凝固部5の数は2つに設定され、溶接凝固部5は流通孔3114の上方にそれぞれ配置され、無論、流通孔の数は5つ設定される場合、溶接凝固部の数は5つ設定されてもよいし、4つ又は3つ設定されてもよく、溶接凝固部は流通孔の上方にそれぞれ配置される。本解決策の本旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0023】
図13~
図14を結合し、本発明出願の電動弁の第4の実施例において、上記電動弁の第1の実施例に比べると、本実施例において、溶接凝固部5は溶接点形態を呈し、溶接凝固部5はスポット熔接形態で接続座312と弁座部311とを溶融させることで形成され、溶接凝固部5の数は4つであり、各个溶接凝固部5は所定距離を空けた3つの溶接点を含み、溶接凝固部5は流通孔3114の上方に設けられ、このように配置することで、同じように、弁座3111のひずみを防止する。無論、
図15を参照し、電動弁の第4の実施例の第1の変形例において、各溶接凝固部5の溶接点の数は1つであってもよく、3つの溶接点の場合に対して、溶接点の体積が大きく、溶接点と対応する流通孔の中心とは同一平面に位置する。無論、他の実施例において、溶接凝固部5は3つの溶接点ではなく、3つの溶接ビードであってもよい。本解決策の本旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0024】
図6、
図8を結合し、接続座312は、接続座312を貫通して、接続座312の両端の圧力をバランスさせるバランス孔9をさらに含み、本実施例において、バランス孔9と流通孔3114とはずれて配置され、即ち、バランス孔9は流通孔の上方に設けられず、これによって、溶接強度を向上し、無論、他の実施例において、溶接強度を保証することを前提として、バランス孔は流通孔3114の上方に設けられてもよい。
【0025】
図20を参照して、
図7、
図8を結合し、本発明は上記電動弁100を溶接できる溶接方法をさらに提供し、電動弁100は弁座部材31を含み、弁座部材31は弁座部311及び接続座312を含み、弁座部311は弁口3112、及び少なくとも2つの流通孔3114を有し、溶接方法の第1の実施例は
弁座部311及び接続座312に対して位置制限を行うステップと、
弁座部材31の位置を取得するステップと、
取得された弁座部材31の位置に基づいて、レーザビームによって弁座部311と接続座312との結合箇を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部5を形成するステップであって、少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、一つの流通孔3114は第1溶接凝固部と弁口3112との間に位置し、別の一つの流通孔3114は第2溶接凝固部と弁口3112との間に位置するステップと、を含む。流通孔は溶接応力に対して遮断作用を発揮し、流通孔3114は溶接凝固部の溶接応力が弁座部の下方に伝達されること、及び弁座が軸方向に沿って歪むことを防止するとともに、防止弁口3112の円形度が変化し又は弁口3112の中心がずれることを防止し、これによって、弁体部材36と弁口3112との係合精度を向上して、封止性を高めて、漏れを減少する。
【0026】
本実施例において、接続座312は弁座部311の一部の上方に位置し、レーザビームの入射角度と弁座部材31の中軸線Mとは所定角度を呈し、所定角度の範囲は30°~60°の間にあり、本実施例において、所定角度は45°である。無論、溶接強度要求を満たしていると、所定角度は他の角度であってもよい。溶接凝固部は流通孔3114の上方に位置して、溶接ビード形態又は溶接点形態を呈する。
【0027】
弁座部311又は接続座312のうちの一方には孔又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、孔又は溝、或いは認識対象となるマークを取得することで、弁座部材31の位置を取得する。本実施例において、流通孔3114に基づいて弁座部311の位置を取得し、弁座部311の位置に基づいて弁座部材31の位置を取得する。弁座部31の位置を取得した後、直ちにレーザビームを生成し、又は事前設定された時間を遅延させた後、レーザビームを生成し、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態を呈する。レーザビームは弁座部311と接続座312との結合箇所と合わせる。
【0028】
図20を参照して、
図7、
図8を結合し、本発明は、上記電動弁100を溶接できる溶接工具をさらに提供し、電動弁100は弁座部材31を含み、弁座部材31は弁座部311及び接続座312を含み、弁座部311は弁口3112、及び少なくとも2つの流通孔3114を有し、溶接工具は、固定されて位置制限される弁座部311と接続座312をクランプする治具8、及び少なくとも1つのレーザ装置6を有するレーザ溶接機器を含み、レーザ装置6から生じたレーザビームは弁座部311と接続座312との結合箇所と位置合わせ、溶接工具は弁座部材31の位置を取得でき、レーザ装置6は取得された弁座部材31の位置に基づいてレーザビームを生成して、弁座部311と接続座312との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部5を形成し、少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、一方の流通孔3114は第1溶接凝固部と弁口3112との間に位置し、他方の流通孔3114は第2溶接凝固部と弁口3112との間に位置する。流通孔は溶接応力に対して遮断作用を発揮し、流通孔3114は溶接凝固部の溶接応力が弁座部の下方に伝達されることを阻止し、弁座が軸方向に沿って歪むことを防止するとともに、弁口3112の円形度が変化し又は弁口3112の中心がずれることを防止し、これによって、弁体部材36と弁口3112との係合精度を向上し、封止性を高めて、漏れを減少する。
【0029】
本実施例において、溶接工具は、流通孔3114に基づいて弁座部311の位置を取得し、弁座部311の位置に基づいて弁座部材31の位置を取得する位置検出装置7をさらに含み、又は、弁座部311或いは接続座312のうちの一方には孔又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、位置検出装置7は孔又は溝、或いは認識対象となるマークを取得することで、弁座部材31の位置を取得する。
【0030】
本実施例において、接続座312は弁座部311の一部の上方に位置し、治具8は接続座312をクランプし、弁座部311と接続座312とは位置制限されるように接続され、レーザビームの入射角度と弁座部材31の中軸線Mとは所定角度を呈し、所定角度の範囲は30°~60°の間にあり、本実施例において、所定角度は45°である。無論、溶接強度要求を満たしていると、所定角度は他の角度であってもよい。溶接凝固部は流通孔3114の上方に位置し、弁口3112は流通孔3114の下方に位置する。無論、他の実施例において、弁座3111が所在する一端は下向きに配置され、又は傾斜するように配置されてもよい。
【0031】
レーザ溶接機器は1つのレーザ装置6を有する場合、治具8又はレーザ装置6のうちの一方は回動でき、第1溶接凝固部を形成した後、レーザ装置6はレーザビームの生成を一時停止し、位置検出装置7が取得した結果に基づいて、レーザ装置は次の流通孔又は別の一つの流通孔の下方にレーザビームを再度生成し、第2溶接凝固部を形成する。例えば、流通孔3114の数は4つである場合、順に従って第1流通孔、第2流通孔、第3流通孔及び第4流通孔であり、第1流通孔の上方には第1溶接凝固部が形成され、第2流通孔の下方には第2溶接凝固部が形成され、第3流通孔の上方には第3溶接凝固部が形成され、第4流通孔の上方には第4溶接凝固部が形成され、又は第1流通孔の上方には第1溶接凝固部が形成されてから、第2流通孔をスキップして、第3流通孔の上方には第2溶接凝固部が形成される。
【0032】
本実施例において、弁座部311と接続座312とは締まり嵌めされることで位置制限され、圧着されてから溶接されることで、製造効率を向上し、無論、他の実施例において、弁座部311と接続座312とは圧着されることで位置制限されるように弁座部材31を構成していなく、隙間嵌めされることで位置制限されてから、位置決め工具を配置することで弁座部311及び接続座312に対して位置制限を行っても良い。
【0033】
溶接工具の別の実施例において、レーザ装置の数は2つである場合、レーザ装置6は対称であるように、弁座部材31の両側に配置され、レーザ装置の数は3つである場合、レーザ装置は弁座部材の中軸線の周りに、同じ角度を空けて配置され、レーザ装置の数は4つである場合、レーザ装置は弁座部材の中軸線Mの周りに同じ角度を空けて配置される。
【0034】
溶接工具の第1の実施例において、レーザ溶接機器は1つのレーザ装置6を有し、治具又はレーザ装置のうちの一方は回動でき、第1溶接凝固部を形成した後、レーザ装置はレーザビームの生成を一時停止し、位置検出装置が取得した結果に基づいて、レーザ装置は次の流通孔又は別の一つの流通孔の下方にレーザビームを再度生成し、第2溶接凝固部を形成する。2つの溶接凝固部のみがある場合、第2溶接凝固部を形成して、弁座部と接続座との溶接を完成し、溶接凝固部の数は2つより大きい場合、治具又はレーザ装置を回動させ、以上のステップを繰り返して溶接凝固部を形成する。本実施例において、治具は回動し、レーザ装置は動かなく、治具は溶接を完成するまで持続的に回動し、無論、他の実施例において、治具は持続的に回動しなくてもよい。
【0035】
溶接工具の第2の実施例において、レーザ装置の数が溶接凝固部の数と同様である場合、レーザ装置はレーザビームを同時に生成し、レーザ装置は間隔を空けて配列されるとともに、対応する数の溶接凝固部を形成して、弁座部と接続座との溶接を完成する。
【0036】
溶接工具の第3の実施例において、溶接凝固部の数がレーザ装置の数の整数倍である場合、治具又はレーザ装置のうちの一方は回動でき、レーザ装置は弁座部材の中軸線の周りに等ピッチで配置され、レーザビームを同時に生成するとともに、レーザ装置の数と同様な溶接凝固部を形成し、レーザ装置はレーザビームの生成を一時停止し、治具又はレーザ装置を回動させ、位置検出装置が取得した結果に基づいて、レーザ装置は次の流通孔の下方でレーザビームを再度生成し、弁座部と接続座との溶接を完成する。本実施例において、治具は回動し、レーザ装置は動かなく、治具は溶接を完成するまで、持続的に回動し、無論、他の実施例において、治具は持続的に回動しなくてもよい。
【0037】
本実施例において、位置検出装置は光電センサーを含み、光電センサーは流通孔3114を検出することで弁座部311の位置を検出し、光電センサーは流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点を検出することで、流通孔の位置を判定し、光電センサーの延在方向と、レーザ装置から生じたレーザビームとは同一の平面に位置し、光電センサー7とレーザ装置6とは同一側に位置し、光電センサーが流通孔を検出した場合、レーザ装置はレーザビームを生成する。本実施例において、光電センサー7は流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点を検出することで、流通孔3114の位置を判定し、光電センサー7が流通孔を検出した場合、レーザ装置6はレーザビームを生成し、流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点は2つであり、本実施例において、
図20の左側のエッジ点を例とする。無論、他の実施例において、孔の何れか1つのエッジ点を検出してから、既知の弁座部の外周、回転速度などに基づいてレーザ装置による当該レーザビーム照射の時点を演算する。
【0038】
本発明の溶接工具の実施例において、形成された溶接凝固部5の弧長の80%以上は流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長のカバー範囲内に位置し、溶接後、最終的な構造は上記電動弁100の実施例と同様である。形成された溶接凝固部の弧長の80%以上は流通孔の外縁の、周方向に沿う最大弧長のカバー範囲内に位置すれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0039】
溶接工具の第1の実施例において、流通孔3114の数は4つであり、形成された溶接凝固部の数は4であり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有し、又は1つの変形例において、流通孔3114の数が4つである場合、対向する2つの流通孔の上方にはそれぞれ1つの溶接凝固部が設けられ、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態である。
【0040】
別の変形例において、流通孔3114の数は2つであり、溶接によって形成された溶接凝固部の数は2つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有し、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態である。
【0041】
別の変形例において、流通孔3114の数は3つであり、溶接によって形成された溶接凝固部の数は3つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有する。
【0042】
別の変形例において、流通孔3114の数は6つであり、溶接によって形成された溶接凝固部の数は6つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有し、又は溶接凝固部の数は3つであり、溶接凝固部は間隔を空けて配置される流通孔3114の上方に位置し、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態であり、無論、流通孔3114の数が6つである場合、溶接凝固部の数は4つ、5つであってもよい。本解決策の本旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0043】
ここで、以上の実施形態は本発明に記載の技術案を限定していなく、ただ本発明を説明するためのものであり、本明細書は上記の実施形態を参照して本発明を既に詳しく説明したが、当業者であれば、相変わらず本発明に対して補正又は等価置換を行うことができ、本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての技術案及びその改良は何れも本発明の請求項の範囲内に該当する。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動弁の溶接に適用可能な溶接方法であって、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、前記溶接方法は
前記弁座部及び前記接続座に対して位置制限を行うステップと、
前記弁座部材の位置を取得するステップと、
取得された前記弁座部材の位置に基づいて、レーザビームによって前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部を形成するステップであって、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置するステップと、を含むことを特徴とする溶接方法。
【請求項2】
前記接続座は前記弁座部の一部の
上方に位置し、前記レーザビームの入射角度と前記弁座部材の中軸線とは所定角度を呈し、前記溶接凝固部は前記流通孔の
上方に位置し、溶接ビード形態又は溶接点形態を呈することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
【請求項3】
前記所定角度の範囲は30°~60°の間にあることを特徴とする請求項2に記載の溶接方法。
【請求項4】
前記弁座部又は前記接続座のうちの一方には孔、又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、前記孔、又は前記溝、或いは前記認識対象となるマークを取得することで、前記弁座部材の位置を取得し、
又は、前記流通孔に基づいて前記弁座部材の位置を取得することを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の溶接方法。
【請求項5】
前記弁座部位置を取得した後、直ちにレーザビームを生成し、又は事前設定された時間を遅延させてからレーザビームを生成し、レーザビームは前記弁座部と前記接続座との結合箇所と位置合わせることを特徴とする請求項4に記載の溶接方法。
【請求項6】
電動弁の溶接に適用可能な溶接工具であって、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、
前記溶接工具は前記弁座部及び前記接続座をクランプする治具と、
前記弁座部と前記接続座とを溶接する少なくとも1つのレーザ装置を有するレーザ溶接機器と、を含み、
前記溶接工具は前記弁座部材の位置を取得可能し、
前記レーザ装置は前記弁座部材の位置に基づいて前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部を形成し、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置することを特徴とする溶接工具。
【請求項7】
前記溶接工具は、前記流通孔に基づいて前記弁座部材の位置を取得する位置検出装置をさらに含み、
又は、前記溶接工具は位置検出装置をさらに含み、前記弁座部又は前記接続座のうちの一方には孔、又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、前記位置検出装置は前記孔、又は前記溝、或いは前記認識対象となるマークを取得することで、前記弁座部材の位置を取得することを特徴とする請求項6に記載の溶接工具。
【請求項8】
前記接続座は前記弁座部の一部の
上方に位置し、前記治具は前記接続座をクランプし、前記弁座部と前記接続座とは位置制限されるように接続され、前記レーザ装置のレーザビームの入射角度と前記弁座部材の中軸線とは所定角度を呈し、前記溶接凝固部は前記流通孔の上方に位置し、前記弁口は前記流通孔の下方に位置することを特徴とする請求項7に記載の溶接工具。
【請求項9】
前記レーザ溶接機器は1つの前記レーザ装置を有し、前記治具又は前記レーザ装置のうちの一方は回動可能であり、前記レーザ装置は、前記第1溶接凝固部を形成した後、レーザビームの生成を一時停止し、前記治具又はレーザ装置を回動させ、前記レーザ装置は、前記位置検出装置が取得した結果に基づいて、次の流通孔又は別の一つの流通孔の
上方にレーザビームを再度生成して、前記第2溶接凝固部を形成することを特徴とする請求項8に記載の溶接工具。
【請求項10】
前記レーザ装置の数が前記溶接凝固部の数と同様である場合、前記レーザ装置はレーザビームを同時に生成し、前記レーザ装置は間隔を空けて配列され、対応する数の前記溶接凝固部を同時に形成して、前記弁座部と前記接続座との溶接を完成し、
又は、前記溶接凝固部の数が前記レーザ装置の数の整数倍である場合、前記治具又は前記レーザ装置のうちの一方は回動可能であり、前記レーザ装置は、前記弁座部材の中軸線の周りに等ピッチで配置され、レーザビームを同時に生成するとともに、前記レーザ装置の数と同様な溶接凝固部を形成しており、前記レーザ装置はレーザビームの生成を一時停止し、前記治具又はレーザ装置を回動させ、前記レーザ装置は、前記位置検出装置が取得した結果に基づいて、次の流通孔の
上方にレーザビームを再度生成して、前記弁座部と前記接続座との溶接を完成することを特徴とする請求項9に記載の溶接工具。
【請求項11】
前記レーザ装置の数が2つである場合、前記レーザ装置は前記弁座部材の両側に対称に設けられ、前記レーザ装置の数が3つである場合、前記レーザ装置は前記弁座部材の中心線の周りに同じ角度を空けて配置され、前記レーザ装置の数が4つである場合、前記レーザ装置は前記弁座部材の中軸線の周りに同じ角度を空けて配置されることを特徴とする請求項10に記載の溶接工具。
【請求項12】
前記レーザ装置は、前記位置検出装置が前記弁座部材の位置を取得した後、直ちにレーザビームを生成し、又は事前設定された時間を遅延させてからレーザビームを生成し、前記溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態を呈することを特徴とする請求項11に記載の溶接工具。
【請求項13】
前記位置検出装置は光電センサーを含み、前記光電センサーは前記流通孔を検出することで前記弁座部材の位置を検出し、前記光電センサーは、前記流通孔の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点を検出することで、前記流通孔の位置を判定し、前記光電センサーの延在方向と、前記レーザ装置から生じたレーザビームとは同一の平面に位置し、前記レーザ装置は、前記光電センサーが前記流通孔を検出した場合、レーザビームを生成することを特徴とする請求項12に記載の溶接工具。
【請求項14】
弁部材を含む電動弁であって、前記弁部材は弁体部材及び弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口を有し、前記弁体部材は前記弁口に対して移動可能であり、前記接続座は通孔部を有し、前記弁座部の一部は前記通孔部に位置し、前記接続座の下端部は前記弁座部に溶接固定され、前記接続座の下端部と前記弁座部との間は少なくとも2つの溶接凝固部を有し、隣接している前記溶接凝固部は連続していなく、前記弁座部は、前記弁座部の周方向に沿って配置されて、前記弁座部の側壁を貫通する少なくとも2つの流通孔を有し、前記流通孔の少なくとも一部は前記溶接凝固部と前記弁口との間に位置することを特徴とする電動弁。
【請求項15】
前記溶接凝固部はレーザ溶接によって形成され、前記弁座部は略円筒状を呈しており、前記溶接凝固部の弧長の少なくとも80%の投影は、前記ローターの軸方向に沿って、対応する前記流通孔の投影内に位置することを特徴とする請求項14に記載の電動弁。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2021年02月26日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110219534.3であり、発明名称が「溶接方法及び溶接工具」である中国特許出願の優先権を主張して、その全ての内容は本出願に援用されている。
[技術分野]
【0002】
本発明は流体制御の技術分野に関して、具体的に電動弁を溶接できる溶接方法及び溶接工具に関している。
【背景技術】
【0003】
電動弁は弁座部材を含み、弁座部材は弁座部及び接続座を含み、弁座部は弁口を有し、弁座部と接続座とは溶接によって固定され、冷却過程で、弁座部及び接続座の溶融された部分は逆収縮が生じるため、溶接応力によって弁座部の変形を招致する恐れがあり、弁座部が変形すると、弁口を変形させ、弁口の係合精度が要求に合わない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、溶接応力による弁座部の変形を減少する溶接方法、溶接工具及び電動弁を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を実現するために、本出願の1つの実施形態は電動弁の溶接に適用可能な溶接方法を提供し、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、前記溶接方法は、
前記弁座部及び前記接続座に対して位置制限を行うステップと、
前記弁座部材の位置を取得するステップと、
取得された前記弁座部材の位置に基づいて、レーザビームによって前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部を形成するステップであって、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置するステップと、を含む。
【0006】
本出願の別の実施形態は電動弁の溶接に適用可能な溶接工具を提供し、前記電動弁は弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口及び少なくとも2つの流通孔を有し、前記溶接工具は前記弁座部及び前記接続座をクランプする治具と、前記弁座部と前記接続座とを溶接する少なくとも1つのレーザ装置を有するレーザ溶接機器と、を含み、前記溶接工具は前記弁座部材の位置を取得し、前記レーザ装置は前記弁座部材の位置に基づいて前記弁座部と前記接続座との結合箇所を溶融させ、少なくとも2つの溶接凝固部を形成し、前記少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、そのうちの一つの前記流通孔は前記第1溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、別の一つの前記流通孔は前記第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置する。
【0007】
本出願の別の実施形態は弁部材を含む電動弁を提供し、前記弁部材は弁体部材及び弁座部材を含み、前記弁座部材は弁座部及び接続座を含み、前記弁座部は弁口を有し、前記弁体部材は前記弁口に対して移動可能であり、前記接続座は通孔部を有し、前記弁座部の一部は前記通孔部に位置し、前記接続座の下端部は前記弁座部に溶接固定され、前記接続座の下端部と前記弁座部との間は少なくとも2つの溶接凝固部を有し、隣接している前記溶接凝固部は連続していなく、前記弁座部は、前記弁座部の周方向に沿って配置されて、前記弁座部の側壁を貫通する少なくとも2つの流通孔を有し、前記流通孔の少なくとも一部は前記溶接凝固部と前記弁口との間に位置することを特徴とする電動弁。
【発明の効果】
【0008】
本出願の上記実施形態の溶接方法及び溶接工具は電動弁の溶接に適用可能であり、電動弁は弁座部材を含み、弁座部材は弁座部及び接続座を含み、溶接方法及び溶接工具は弁座部と接続座との結合箇所を溶融させて、連続していない少なくとも2つの溶接凝固部を形成し、一つの流通孔は第1溶接凝固部と弁口との間に位置し、別の一つの流通孔は第2溶接凝固部と前記弁口との間に位置し、このように流通孔を配置すれば、溶接応力に対して遮断作用を発揮し、溶接による弁座部の応力変形を減少して、さらに、溶接応力による弁口の変形を低減し、弁口の係合精度を向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明が提供する電動弁の第1の実施例の1つの立体構造模式図である。
【
図2】
図1の電動弁の1つの断面構造模式図である。
【
図4】
図2の弁部材の1つの視野角の構造模式図である。
【
図6】
図4の弁部材の、B-B面に沿う断面構造模式図である。
【
図7】
図4の弁座部と接続座との別体構造模式図である。
【
図8】
図4の弁部材の1つの仰視構造模式図である。
【
図9】電動弁の第2の実施例の弁部材の1つの立体構造模式図である。
【
図10】
図9の弁部材の1つの仰視構造模式図である。
【
図11】電動弁の第3の実施例の弁部材の1つの立体構造模式図である。
【
図13】電動弁の第4の実施例の弁部材の1つの立体構造模式図である。
【
図15】
図13の弁部材の1つの変形例の立体構造模式図である。
【
図16】溶接凝固部が流通孔の上方に位置するとともに連続していない時、弁座部の一部が平面に沿って展開した模式図である。
【
図17】溶接凝固部が1周である時、弁座部の一部が平面に沿って展開した模式図である。
【
図18】溶接凝固部が連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁座部の一部が平面に沿って展開した模式図である。
【
図19】溶接凝固部が流通孔の上方に位置するとともに、連続していない時、弁口形状と溶接凝固部とが全周であり、又は溶接凝固部が連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁口形状の比較模式図である。
【
図20】弁座部材が治具に配置される模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を結合して本発明の実施形態の技術的特徴及び利点を詳しく説明する。
【0011】
図1~
図8を結合して、本発明出願の電動弁100の第1の実施例において、電動弁100は弁ボディ1、コイルユニット2及び弁部材3を含み、弁部材3と弁ボディ1とは組み立てられ、コイルユニット2と弁ボディ1とは固定されて接続され、コイルユニット2はステータユニット21、射出成形体22及びコネクタ23を含み、射出成形体22の一部はステータユニット21を覆って、ステータユニット21はコネクタ23の内部の連結ピン(図示せず)に接続される。弁部材3は弁座部材31、磁気ローター32、ローター軸33、ナットユニット34、スリーブ35及び弁体部材36を含み、スリーブ35の下端部は弁座部材31に接続され、接続方式は溶接を含み、スリーブ35の一部は磁気ローター32とステータユニット21との間に位置する。弁座部材31は弁座部311及び接続座312を含み、本実施例において、弁座部311と接続座312とは別体的に成形されてから固定されて接続され、電動弁100の高さ方向に沿って、スリーブ35の下端部は接続座312に固定されて接続され、接続座312の下端部はレーザ溶接によって弁座部311に固定されて接続され、弁座部311は弁口3112を有する弁座3111を含む。ステータユニット21に所定の電流を流し、ステータユニット21は励起磁場を生成でき、磁気ローター32は励起磁場において回動可能であり、磁気ローターはローター軸33を回転させ、ローター軸33はナットユニット34にネジ係合され、弁体部材36を弁口3112に対して上下に移動させ、弁体部材36は弁口3112を封止し、又は弁口3112の流量を調節し、或いは弁体部材36は最下端に位置する場合、弁口3112において小流量で流通し、本実施例において、弁体部材36は最下端にある場合、弁口3112を封止できる。ローター軸33の軸線をLに定義し、軸線Lは弁口3112の中心を通過する。本発明の実施形態において、電動弁の高さ方向は以下のように定義され、即ち、ローターの軸方向に沿って、コイルユニットは弁口の上方に位置し、言い換えると、弁口はコイルユニットの下方に位置し、言い換えると、コイルユニットに近接する方向を上にして、コイルユニットから離れた方向を下にする。
【0012】
図1~
図8を結合して、本実施例において、弁ボディ1は第1通路11、第2通路12及び弁ボディ室13を含み、弁座部材31は弁ボディ室13に位置し、第1通路11を入口通路とし、第2通路12を出口通路とし、無論、他の実施例において、第1通路11を出口通路とし、第2通路12を入口通路としてもよい。弁座部311の側壁の少なくとも一部は略円筒状を呈して、ローター軸33の軸線Lに沿って、弁座3111は相対的に弁座部311の下方の位置にある。弁座部311は弁座部キャビティ3113及び流通孔3114を含み、第1通路11は弁ボディ室13に直接的に連通し、弁ボディ室13は流通孔3114を介して弁座部キャビティ3113に連通し、第2通路12は弁口3112を介して弁座部キャビティ3113に連通する。電動弁100は第1封止部材41及び第2封止部材42をさらに含み、接続座312には第1封止溝43が設けられ、弁座部311には第2封止溝44が設けられ、第1封止部材41は第1封止溝43に収容され、第2封止部材42は第2封止溝44に収容され、このように配置することで、電動弁100の組み立てを容易にして、第1封止部材41は接続座312と弁ボディ1との間に位置し、作業媒体が接続座312と弁ボディ1との間の隙間を介して外部に漏れることを防止し、第2封止部材42は弁座部311と弁ボディ1との間に位置し、作業媒体が弁座部311と弁ボディ1との間の隙間から流れることを防止する。本実施例において、弁ボディ1は単独の弁ブロックであり、第1通路11及び第2通路12は弁ボディ1に成形され、他の実施例において、弁体は熱交換器ユニット又は他の部品の一部であってもよい。他の実施例において、入口通路及び出口通路として、管路を配置してもよい。
【0013】
図1~
図8を結合して、本実施例において、弁座部311と接続座312とは締まり嵌めされることで固定されてから、レーザ溶接によって固定されて接続され、具体的に、接続座312の下端部はレーザ溶接によって弁座部311に固定され、接続座312の下端部と弁座部311との間は少なくとも2つの溶接凝固部5を有し、隣接している溶接凝固部5は連結していなく、弁座部311は弁座部311の周方向に成形されるとともに、弁座部311の側壁を貫通する少なくとも2つの流通孔3114を有し、流通孔3114の少なくとも一部は溶接凝固部5と弁口3112との間に位置する。弁座部311は略円筒状を呈して、弁座部311の円周方向に沿って、溶接凝固部5の弧長の80%以上は、対応する流通孔3114の外縁の周方向に沿う最大弧長のカバー範囲内に位置する。流通孔3114の数は2つ以上であり、溶接凝固部5の数は流通孔3114の数の以下であり、溶接凝固部5は溶接ビード形態又は溶接点形態を呈し、弁座部311の軸方向に沿って投影し、各溶接凝固部5の弧長の80%以上は対応する流通孔3114の外縁の最大弧長のカバー範囲内に位置し、各溶接凝固部5と弁口3112との間は何れも間隔を空けるように1つの流通孔3114が設けられる。本実施例において、溶接凝固部の数は4つであり、締まり嵌めされて固定されることで、弁座部311及び接続座312の位置制限を容易にして、無論、他の実施例において隙間嵌めであってもよいし、弁座部及び接続座に対して位置制限を行うための位置決め工具を配置してもよい。弁座部311は略円筒状を呈しており、弁体案内部3115、ナット案内部3116、取付セグメント3117及び流通孔成形セグメント3118を含み、弁体案内セグメント3115は弁座部311の内周壁に位置し、弁体部材36に案内を提供し、同軸度を高めて、ナット案内セグメント3116は弁座部311の外周壁に位置し、ナットユニット34に案内を提供し、同じように、ナットと弁体との同軸度を高める。接続座312は通孔部3121を有し、弁座部311は通孔部3121に挿着され、取付セグメント3117は締まり嵌めによって接続座312の通孔部3121に固定されて、弁座部311及び接続座312の、径方向の相対位置を制限する。流通孔3114は流通孔成形セグメント3118の周方向に成形され、流通孔成形セグメント3118の外径サイズは取付セグメント3117の外径サイズより大きく、接続座312の下端部は連通孔成形セグメント3118の上端部に当接され、弁座部311及び接続座312の、軸方向の相対位置を制限し、溶接凝固部5は接続座312の下端部と流通孔成形セグメント3118の上端部とを接続し、本実施例において、溶接凝固部5は溶接ビード形態を呈する。本実施例において、流通孔成形セグメント3118には4つの流通孔3114が成形され、4つの流通孔3114は流通孔成形セグメント3118の周方向に沿って配置され、所定距離を空けて略円形又は楕円形を呈する。流通孔3114は第1流通孔、第2流通、第3流通及び第4流通孔を含み、ローター軸33の軸線Lの周りに、流通孔3114は均一に分布される。レーザ装置はレーザビームを生成し、接続座312の下端部と流通孔成形セグメント3118の上端部とを溶融させて、溶接凝固部5を形成し、溶接凝固部5は第1溶接凝固部、第2溶接凝固部、第3溶接凝固部及び第4溶接凝固部を含み、第1溶接凝固部、第2溶接凝固部、第3溶接凝固部及び第4溶接凝固部は連続していなく、言い換えると所定ピッチを空け、第1溶接凝固部は第1流通孔の上方に位置し、第2溶接凝固部は第2流通孔の上方に位置し、第3溶接凝固部は第3流通孔の上方に位置し、第4溶接凝固部は第4流通孔の上方に位置する。
図5を参照し、1つの実施形態において、流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大距離に対応する2つの点はそれぞれ第1点A1及び第2点A2であり、流通孔3114の上方の溶接凝固部5の最左端はA1点を超えず、最右端はA2点を超えていなく、言い換えると溶接凝固部5は流通孔3114と接続座312との間に位置し、ローター軸33の軸線Lの方向に沿って、溶接凝固部5の弧長の80%以上の投影は流通孔3114の投影内に位置する。本実施形態では、電動弁100の第1の実施例において、第1溶接凝固部51と第1流通孔3114aとの位置関係を例として説明し、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が位置する線と、ローター軸の軸線とは同一面に配置され、ローター軸33の軸線Lの点を円心として、溶接凝固部5の、ローター軸33の軸線Lの周りの角度は第1角度であり、即ち、第1溶接凝固部51の両端の間の夾角は第1角度であり、ローター軸33の軸線Lの点を円心として、流通孔3114の、ローター軸33の軸線Lの周りの最大角度は第2角度であり、即ち、第1流通孔3114aの外縁の間の夾角は第2角度であり、第1角度は第2角度より小さく、例えば、第1流通孔3114aの、軸線Lの周りの最大角度は40度であり、第1溶接凝固部51の、軸線Lの周りの角度は30度であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部51と同様であり、言い換えるとローター軸33の軸線Lの方向に沿って、溶接凝固部5の弧長は一定範囲内で流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長より小さく、ここで、一定範囲は溶接強度を保証できる。このように配置することで、流通孔3114の
上方でレーザによって接続座312と弁座部311とを溶融させて溶接凝固部5を形成し、溶接凝固部の冷却過程で、溶接凝固部の収縮応力は、流通孔3114の阻害のため、直接的に弁口3112に作用していなく、弁口3112の円形度の変化を減少し、弁体部材36と弁口3112とが当接された後、係合精度の合格率が向上して、封止性を高めて、漏れを低減する。
図16~
図19を参照し、
図16は溶接凝固部5が流通孔の上方に位置するとともに連続していない時、弁座部311の一部の平面に沿う展開図であり、溶接凝固部5が流通孔の上方に位置する場合、軸線Lの方向に沿って、弁座部311の下端部及び弁座は基本的に軸方向の変形がない。
図17は溶接凝固部5aが全周である場合、弁座部311の一部の平面に沿う展開図であり、溶接凝固部5aが全周である場合、軸線Lの方向に沿って、弁座部の下端部及び弁座は流通孔に対応していない位置で軸方向変形が生じる。
図18は溶接凝固部5bが連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁座部311の一部の平面に沿う展開図であり、溶接凝固部5bが流通孔の上方に位置していない時、軸線Lの方向に沿って、弁座部の下端部及び弁座は流通孔に対応していない位置で軸方向変形が生じる。
図19のY1は、溶接凝固部が流通孔の上方に位置するとともに連続していない時、弁口の模式図であり、弁口は略円形を呈して、径方向変形がなく、Y2は溶接凝固部が全周であり、又は溶接凝固部が連続していないが、流通孔の上方に位置していない時、弁口の模式図であり、弁口は径方向ひずみが生じて、もう円形ではない。溶接凝固部5の位置は流通孔3114の位置に対応するため、流通孔は溶接応力に対して遮断作用を発揮し、流通孔3114は溶接凝固部の溶接応力が弁座部の下方に伝達されることを阻止し、弁座が軸方向に沿って歪むことを防止するとともに、弁口3112の円形度が変化し又は弁口3112の中心がずれることを防止し、これによって、弁体部材36と弁口3112との係合精度を高めて、封止性を向上し、漏れを減少する。本実施例において、弁座部311の流通孔成形セグメント3118が平面に沿って展開した後、流通孔3114は略円形を呈し、無論、流通孔成形セグメント3118の周方向に沿って、流通孔3114の幅はより広くなって、流量をさらにバランスさせ、弁座の変形を防止する。また、溶接凝固部の軸線Lの周りの角度が360°であることに対して、レーザ溶接による溶接熱を減少するとともに、弁口に伝達される溶接熱を減少して、弁口の変形を低減する。
【0014】
電動弁の第1の実施例の第1の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとが同一面に位置する場合、第1角度は第2角度に等しく、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部51と同様である。
【0015】
電動弁の第1の実施例の第2の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとが同一面に位置する場合、一定範囲内で第1角度は第2角度より大きく、ここで、一定範囲は第1角度の80%が第2角度の以下であることを意味し、例えば、第2角度は30度である場合、第1角度は37.5度以下であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様であり、言い換えると第1角度の少なくとも80%は第2角度と重なるように配置される。
【0016】
電動弁の第1の実施例の第3の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとは同一面に位置していない場合、第1角度は第2角度に等しく、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様である。
【0017】
電動弁の第1の実施例の第4の変形において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとは同一面に位置していない場合、一定範囲内で第1角度は第2角度より小さく、ここで、一定範囲は溶接強度を保証できる範囲を指し、例えば、第1流通孔の、軸線Lの周りの最大角度は40度である場合、第1溶接凝固部51の、軸線Lの周りの角度は30度であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様である。
【0018】
電動弁の第1の実施例の第5の変形例において、第1溶接凝固部51の中点及び第1流通孔3114aの中点が所在する線と、ローター軸の軸線Lとは同一面に位置していない場合、一定範囲内で第1角度は第2角度より大きく、ここで、一定範囲は、第1角度の80%が第2角度の以下であることを意味し、例えば、第2角度は30度である場合、第1角度は37.5度以下であり、他の3つの溶接凝固部の配置は第1溶接凝固部と同様であり、言い換えると第1角度の少なくとも80%は第2角度と重なるように配置される。
【0019】
ここで、電動弁の第1の実施例及び第1の実施例の各種の変形例の主旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0020】
図9~
図10を結合し、本発明の出願の電動弁の第2の実施例において、電動弁の第1の実施例に比べると、流通孔3114の数は同様であり、4つであり、溶接凝固部5の数は2つであり、溶接凝固部5は間隔を空けて配置される流通孔3114の上方に位置し、即ち、第1流通孔、第3流通孔の上方は溶接凝固部5を有し、他の構想は電動弁の第1の実施例と同様であるため、ここで、贅言していなく、このように配置することで、同じように、溶接による弁座3111の変形を防止して、弁口3112の封止性の問題を減少する。
【0021】
図11~
図12を結合し、本発明出願の電動弁の第3の実施例において、電動弁の第1の実施例に比べると、流通孔3114の数は6つであり、溶接凝固部5の数は6つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部5を有し、他の構想は電動弁の第1の実施例と同様であるため、ここで、贅言していない。無論、電動弁の第3の実施例の第1の変形例において、流通孔3114の数は6つ設定される場合、溶接凝固部5の数は3つに設定され、溶接凝固部5は間隔を空けて配置される流通孔3114の上方に位置する。
【0022】
このように類似すると、流通孔3114の数は2つである場合、溶接凝固部5の数は2つに設定され、溶接凝固部5は流通孔3114の上方にそれぞれ配置され、無論、流通孔の数は5つ設定される場合、溶接凝固部の数は5つ設定されてもよいし、4つ又は3つ設定されてもよく、溶接凝固部は流通孔の上方にそれぞれ配置される。本解決策の本旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0023】
図13~
図14を結合し、本発明出願の電動弁の第4の実施例において、上記電動弁の第1の実施例に比べると、本実施例において、溶接凝固部5は溶接点形態を呈し、溶接凝固部5はスポット熔接形態で接続座312と弁座部311とを溶融させることで形成され、溶接凝固部5の数は4つであり、各个溶接凝固部5は所定距離を空けた3つの溶接点を含み、溶接凝固部5は流通孔3114の上方に設けられ、このように配置することで、同じように、弁座3111のひずみを防止する。無論、
図15を参照し、電動弁の第4の実施例の第1の変形例において、各溶接凝固部5の溶接点の数は1つであってもよく、3つの溶接点の場合に対して、溶接点の体積が大きく、溶接点と対応する流通孔の中心とは同一平面に位置する。無論、他の実施例において、溶接凝固部5は3つの溶接点ではなく、3つの溶接ビードであってもよい。本解決策の本旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0024】
図6、
図8を結合し、接続座312は、接続座312を貫通して、接続座312の両端の圧力をバランスさせるバランス孔9をさらに含み、本実施例において、バランス孔9と流通孔3114とはずれて配置され、即ち、バランス孔9は流通孔の上方に設けられず、これによって、溶接強度を向上し、無論、他の実施例において、溶接強度を保証することを前提として、バランス孔は流通孔3114の上方に設けられてもよい。
【0025】
図20を参照して、
図7、
図8を結合し、本発明は上記電動弁100を溶接できる溶接方法をさらに提供し、電動弁100は弁座部材31を含み、弁座部材31は弁座部311及び接続座312を含み、弁座部311は弁口3112、及び少なくとも2つの流通孔3114を有し、溶接方法の第1の実施例は
弁座部311及び接続座312に対して位置制限を行うステップと、
弁座部材31の位置を取得するステップと、
取得された弁座部材31の位置に基づいて、レーザビームによって弁座部311と接続座312との結合箇を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部5を形成するステップであって、少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、一つの流通孔3114は第1溶接凝固部と弁口3112との間に位置し、別の一つの流通孔3114は第2溶接凝固部と弁口3112との間に位置するステップと、を含む。流通孔は溶接応力に対して遮断作用を発揮し、流通孔3114は溶接凝固部の溶接応力が弁座部の下方に伝達されること、及び弁座が軸方向に沿って歪むことを防止するとともに、防止弁口3112の円形度が変化し又は弁口3112の中心がずれることを防止し、これによって、弁体部材36と弁口3112との係合精度を向上して、封止性を高めて、漏れを減少する。
【0026】
本実施例において、接続座312は弁座部311の一部の上方に位置し、レーザビームの入射角度と弁座部材31の中軸線Mとは所定角度を呈し、所定角度の範囲は30°~60°の間にあり、本実施例において、所定角度は45°である。無論、溶接強度要求を満たしていると、所定角度は他の角度であってもよい。溶接凝固部は流通孔3114の上方に位置して、溶接ビード形態又は溶接点形態を呈する。
【0027】
弁座部311又は接続座312のうちの一方には孔又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、孔又は溝、或いは認識対象となるマークを取得することで、弁座部材31の位置を取得する。本実施例において、流通孔3114に基づいて弁座部311の位置を取得し、弁座部311の位置に基づいて弁座部材31の位置を取得する。弁座部31の位置を取得した後、直ちにレーザビームを生成し、又は事前設定された時間を遅延させた後、レーザビームを生成し、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態を呈する。レーザビームは弁座部311と接続座312との結合箇所と合わせる。
【0028】
図20を参照して、
図7、
図8を結合し、本発明は、上記電動弁100を溶接できる溶接工具をさらに提供し、電動弁100は弁座部材31を含み、弁座部材31は弁座部311及び接続座312を含み、弁座部311は弁口3112、及び少なくとも2つの流通孔3114を有し、溶接工具は、固定されて位置制限される弁座部311と接続座312をクランプする治具8、及び少なくとも1つのレーザ装置6を有するレーザ溶接機器を含み、レーザ装置6から生じたレーザビームは弁座部311と接続座312との結合箇所と位置合わせ、溶接工具は弁座部材31の位置を取得でき、レーザ装置6は取得された弁座部材31の位置に基づいてレーザビームを生成して、弁座部311と接続座312との結合箇所を溶融させて、少なくとも2つの溶接凝固部5を形成し、少なくとも2つの溶接凝固部は連続していない第1溶接凝固部と第2溶接凝固部とを含み、一方の流通孔3114は第1溶接凝固部と弁口3112との間に位置し、他方の流通孔3114は第2溶接凝固部と弁口3112との間に位置する。流通孔は溶接応力に対して遮断作用を発揮し、流通孔3114は溶接凝固部の溶接応力が弁座部の下方に伝達されることを阻止し、弁座が軸方向に沿って歪むことを防止するとともに、弁口3112の円形度が変化し又は弁口3112の中心がずれることを防止し、これによって、弁体部材36と弁口3112との係合精度を向上し、封止性を高めて、漏れを減少する。
【0029】
本実施例において、溶接工具は、流通孔3114に基づいて弁座部311の位置を取得し、弁座部311の位置に基づいて弁座部材31の位置を取得する位置検出装置7をさらに含み、又は、弁座部311或いは接続座312のうちの一方には孔又は溝、或いは認識対象となるマークが設けられ、位置検出装置7は孔又は溝、或いは認識対象となるマークを取得することで、弁座部材31の位置を取得する。
【0030】
本実施例において、接続座312は弁座部311の一部の上方に位置し、治具8は接続座312をクランプし、弁座部311と接続座312とは位置制限されるように接続され、レーザビームの入射角度と弁座部材31の中軸線Mとは所定角度を呈し、所定角度の範囲は30°~60°の間にあり、本実施例において、所定角度は45°である。無論、溶接強度要求を満たしていると、所定角度は他の角度であってもよい。溶接凝固部は流通孔3114の上方に位置し、弁口3112は流通孔3114の下方に位置する。無論、他の実施例において、弁座3111が所在する一端は下向きに配置され、又は傾斜するように配置されてもよい。
【0031】
レーザ溶接機器は1つのレーザ装置6を有する場合、治具8又はレーザ装置6のうちの一方は回動でき、第1溶接凝固部を形成した後、レーザ装置6はレーザビームの生成を一時停止し、位置検出装置7が取得した結果に基づいて、レーザ装置は次の流通孔又は別の一つの流通孔の上方にレーザビームを再度生成し、第2溶接凝固部を形成する。例えば、流通孔3114の数は4つである場合、順に従って第1流通孔、第2流通孔、第3流通孔及び第4流通孔であり、第1流通孔の上方には第1溶接凝固部が形成され、第2流通孔の上方には第2溶接凝固部が形成され、第3流通孔の上方には第3溶接凝固部が形成され、第4流通孔の上方には第4溶接凝固部が形成され、又は第1流通孔の上方には第1溶接凝固部が形成されてから、第2流通孔をスキップして、第3流通孔の上方には第2溶接凝固部が形成される。
【0032】
本実施例において、弁座部311と接続座312とは締まり嵌めされることで位置制限され、圧着されてから溶接されることで、製造効率を向上し、無論、他の実施例において、弁座部311と接続座312とは圧着されることで位置制限されるように弁座部材31を構成していなく、隙間嵌めされることで位置制限されてから、位置決め工具を配置することで弁座部311及び接続座312に対して位置制限を行っても良い。
【0033】
溶接工具の別の実施例において、レーザ装置の数は2つである場合、レーザ装置6は対称であるように、弁座部材31の両側に配置され、レーザ装置の数は3つである場合、レーザ装置は弁座部材の中軸線の周りに、同じ角度を空けて配置され、レーザ装置の数は4つである場合、レーザ装置は弁座部材の中軸線Mの周りに同じ角度を空けて配置される。
【0034】
溶接工具の第1の実施例において、レーザ溶接機器は1つのレーザ装置6を有し、治具又はレーザ装置のうちの一方は回動でき、第1溶接凝固部を形成した後、レーザ装置はレーザビームの生成を一時停止し、位置検出装置が取得した結果に基づいて、レーザ装置は次の流通孔又は別の一つの流通孔の上方にレーザビームを再度生成し、第2溶接凝固部を形成する。2つの溶接凝固部のみがある場合、第2溶接凝固部を形成して、弁座部と接続座との溶接を完成し、溶接凝固部の数は2つより大きい場合、治具又はレーザ装置を回動させ、以上のステップを繰り返して溶接凝固部を形成する。本実施例において、治具は回動し、レーザ装置は動かなく、治具は溶接を完成するまで持続的に回動し、無論、他の実施例において、治具は持続的に回動しなくてもよい。
【0035】
溶接工具の第2の実施例において、レーザ装置の数が溶接凝固部の数と同様である場合、レーザ装置はレーザビームを同時に生成し、レーザ装置は間隔を空けて配列されるとともに、対応する数の溶接凝固部を形成して、弁座部と接続座との溶接を完成する。
【0036】
溶接工具の第3の実施例において、溶接凝固部の数がレーザ装置の数の整数倍である場合、治具又はレーザ装置のうちの一方は回動でき、レーザ装置は弁座部材の中軸線の周りに等ピッチで配置され、レーザビームを同時に生成するとともに、レーザ装置の数と同様な溶接凝固部を形成し、レーザ装置はレーザビームの生成を一時停止し、治具又はレーザ装置を回動させ、位置検出装置が取得した結果に基づいて、レーザ装置は次の流通孔の上方でレーザビームを再度生成し、弁座部と接続座との溶接を完成する。本実施例において、治具は回動し、レーザ装置は動かなく、治具は溶接を完成するまで、持続的に回動し、無論、他の実施例において、治具は持続的に回動しなくてもよい。
【0037】
本実施例において、位置検出装置は光電センサーを含み、光電センサーは流通孔3114を検出することで弁座部311の位置を検出し、光電センサーは流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点を検出することで、流通孔の位置を判定し、光電センサーの延在方向と、レーザ装置から生じたレーザビームとは同一の平面に位置し、光電センサー7とレーザ装置6とは同一側に位置し、光電センサーが流通孔を検出した場合、レーザ装置はレーザビームを生成する。本実施例において、光電センサー7は流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点を検出することで、流通孔3114の位置を判定し、光電センサー7が流通孔を検出した場合、レーザ装置6はレーザビームを生成し、流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長に対応するエッジ点は2つであり、本実施例において、
図20の左側のエッジ点を例とする。無論、他の実施例において、孔の何れか1つのエッジ点を検出してから、既知の弁座部の外周、回転速度などに基づいてレーザ装置による当該レーザビーム照射の時点を演算する。
【0038】
本発明の溶接工具の実施例において、形成された溶接凝固部5の弧長の80%以上は流通孔3114の外縁の、周方向に沿う最大弧長のカバー範囲内に位置し、溶接後、最終的な構造は上記電動弁100の実施例と同様である。形成された溶接凝固部の弧長の80%以上は流通孔の外縁の、周方向に沿う最大弧長のカバー範囲内に位置すれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0039】
溶接工具の第1の実施例において、流通孔3114の数は4つであり、形成された溶接凝固部の数は4であり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有し、又は1つの変形例において、流通孔3114の数が4つである場合、対向する2つの流通孔の上方にはそれぞれ1つの溶接凝固部が設けられ、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態である。
【0040】
別の変形例において、流通孔3114の数は2つであり、溶接によって形成された溶接凝固部の数は2つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有し、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態である。
【0041】
別の変形例において、流通孔3114の数は3つであり、溶接によって形成された溶接凝固部の数は3つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有する。
【0042】
別の変形例において、流通孔3114の数は6つであり、溶接によって形成された溶接凝固部の数は6つであり、各流通孔3114の上方は1つの溶接凝固部を有し、又は溶接凝固部の数は3つであり、溶接凝固部は間隔を空けて配置される流通孔3114の上方に位置し、溶接凝固部は溶接ビード形態又は溶接点形態であり、無論、流通孔3114の数が6つである場合、溶接凝固部の数は4つ、5つであってもよい。本解決策の本旨と一致する技術手段であれば、何れも本出願が保護を請求する範囲内に該当する。
【0043】
ここで、以上の実施形態は本発明に記載の技術案を限定していなく、ただ本発明を説明するためのものであり、本明細書は上記の実施形態を参照して本発明を既に詳しく説明したが、当業者であれば、相変わらず本発明に対して補正又は等価置換を行うことができ、本発明の精神及び範囲から逸脱しない全ての技術案及びその改良は何れも本発明の請求項の範囲内に該当する。
【国際調査報告】