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特表2024-508316配管ユニットを製作する装置を備えるシステム及び配管ユニットを製作する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-26
(54)【発明の名称】配管ユニットを製作する装置を備えるシステム及び配管ユニットを製作する方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 13/14 20060101AFI20240216BHJP
   F16L 23/04 20060101ALI20240216BHJP
【FI】
F16L13/14
F16L23/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553253
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-01
(86)【国際出願番号】 EP2022056941
(87)【国際公開番号】W WO2022200159
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】102021202883.7
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009438
【氏名又は名称】グラット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Glatt GmbH
【住所又は居所原語表記】Werner-Glatt-Str. 1, D-79589 Binzen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100191938
【弁理士】
【氏名又は名称】高原 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ノーヴァク・ミルコ
(72)【発明者】
【氏名】ノーヴァク・ラインハルト
【テーマコード(参考)】
3H013
3H016
【Fターム(参考)】
3H013FA05
3H013FA06
3H016AA03
3H016AB07
3H016AC04
3H016AD04
3H016AD08
(57)【要約】
本発明は、配管外面(8)を有する配管(3)と、管継手外面(13)を有する管継手(4)とから配管ユニット(5)を製作する装置(2)を備えるシステム(1)、及びシステム(1)を製作する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管外面(8)を有する配管(3)と、管継手外面(13)を有する管継手(4)とから配管ユニット(5)を製作する装置(2)を備えるシステム(1)であって、前記装置(2)は、長手方向中心軸線(X-X)と、半径方向内向きの応力受け装置内面(32)とを有する環状に構造化された応力受け装置(6)を有し、前記応力受け装置内面(32)は、前記配管外面(8)及び/又は前記管継手外面(13)に適合されており、これにより、こうして製作すべき前記配管ユニット(5)を運転状態で少なくとも部分的に収容することができ、前記応力受け装置(6)は、運転状態で加圧工具(7)を包囲し、これにより、運転状態で、前記加圧工具(7)による前記配管(3)の拡管時、製作すべき前記配管ユニット(5)を支持することができることを特徴とする、配管ユニット(5)を製作する装置(2)を備えるシステム(1)。
【請求項2】
前記システム(1)は、前記配管(3)と前記管継手(4)とを有する前記配管ユニット(5)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のシステム(1)。
【請求項3】
前記システム(1)は、前記配管(3)を拡管する前記加圧工具(7)を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシステム(1)。
【請求項4】
前記応力受け装置内面(32)は、段状に形成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項5】
前記応力受け装置(6)は、応力受け装置リング体(33)を有し、前記応力受け装置リング体(33)は、相俟って前記応力受け装置内面(32)を形成する2つのリング体要素(34)を有し、前記リング体要素(34)は、それぞれ、1つの第1の端部セクション(35)と、1つの第2の端部セクション(36)とを有し、前記第1の端部セクション(35)は、揺動軸線(Y-Y)回りに互いに揺動自在に配置されており、各第2の端部セクション(36)には、結合要素(37)が配置されており、前記結合要素(37)は、前記第2の端部セクション(36)を分離可能に結合すべく、互いに協働するのに好適であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項6】
前記応力受け装置内面(32)は、前記管継手(4)を少なくとも部分的に収容する少なくとも1つの環状溝(31)を有することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項7】
前記応力受け装置(6)は、半径方向内向きに張り出す環状突出部(38)を形成し、前記環状突出部(38)は、一方では、第1の軸方向の応力受け装置端面(39)により画定され、他方では、少なくとも1つの前記環状溝(31)の、前記第1の軸方向の応力受け装置端面(39)から背離した側方の溝画定面(40)により画定されていることを特徴とする、請求項6に記載のシステム(1)。
【請求項8】
半径方向内向きに張り出す前記環状突出部(38)は、前記環状突出部(38)が、前記管継手(4)内に差し込まれる前記配管(3)のためのストッパ(41)を形成する程度に、半径方向内向きに張り出すことを特徴とする、請求項7に記載のシステム(1)。
【請求項9】
前記応力受け装置(6)は、前記第1の軸方向の応力受け装置端面(39)とは反対向きの第2の軸方向の応力受け装置端面(47)を有し、前記第2の軸方向の応力受け装置端面(47)は、段状に形成されており、これにより、前記管継手(4)内に差し込まれる前記配管(3)を半径方向で支持する環状の応力受け装置カラー(48)が形成されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム(1)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム(1)を用いて配管ユニット(5)を製作する方法であって、
-配管(3)を用意する方法ステップと、
-管継手(4)を用意する方法ステップと、
-前記管継手(4)を前記配管(3)に配置する方法ステップと、
-応力受け装置(6)を用意する方法ステップと、
-配管(3)と管継手(4)とから製作すべき前記配管ユニット(5)を前記応力受け装置(6)内に収容し、前記応力受け装置(6)を閉じる方法ステップと、
-加圧工具(7)を用意する方法ステップと、
-前記加圧工具(7)を前記配管(3)内に差し込み、その結果、前記応力受け装置(6)は、運転状態で前記加圧工具(7)を少なくとも部分的に包囲する方法ステップと、
-前記配管(3)を拡管し、これにより、配管(3)と管継手(4)とを締まりばめにより結合して、前記配管ユニット(5)を形成する方法ステップと、
-前記加圧工具(7)を前記配管(3)から抜き取る方法ステップと、
-前記応力受け装置(6)を開放し、配管(3)と管継手(4)とから製作した前記配管ユニット(5)を取り出す方法ステップと、
を含む、配管ユニット(5)を製作する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管外面を有する配管と、管継手外面を有する管継手とから配管ユニットを製作する装置を備えるシステムに関する。
【0002】
さらに本発明は、配管ユニットを製作する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、圧力がかかる配管アッセンブリは、DIN 11864-3に則して溝付きクランプ継手及びノッチ付きクランプ継手により実現され、溝付きクランプ継手及びノッチ付きクランプ継手は、それぞれ、配管端部に溶接される。圧力がかかる配管アッセンブリの溶接シームは、続いて手間をかけて後処理され、かつ検査されなければならない。シール、特にOリングは、溝付きクランプ継手内に装入される。締め付け装置は、溝付きクランプ継手及びノッチ付きクランプ継手を結合し、溝付きクランプ継手に配置される機械的なストッパは、Oリングが規定通り圧接されるようにする。圧接圧により、Oリングは、部分的に溝から押し出されるので、規定された移行部が、溝付きクランプ継手とノッチ付きクランプ継手との間において、配管アッセンブリの内部に生じる。
【0004】
DIN 32676に則して製作された別の配管アッセンブリに応じて、配管アッセンブリは、1つのシールを収容する2つの溶接継手により実現される。この配管アッセンブリの1つの欠点は、圧力がかかる配管アッセンブリの溶接シームが、続いて手間をかけて後処理され、かつ検査されなければならないことである。加えて不都合なのは、シールが、規定された圧接圧を有さず、圧接圧が締め付け装置によって決定されてしまうことである。
【0005】
管継手を配管上で転圧加工し、管継手を相応に回り止めすることも公知である。これに関する方法は、特許文献1に開示されている。このために、管継手の管セクションの個々の箇所に、穴又は内壁の窪みが設けられており、穴又は窪み内に配管が、内側から押し出された膨らみでもって係合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 484 005 A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、それゆえ、配管ユニットを製作する装置を備えるシステム及び配管ユニットを製作する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題は、冒頭で挙げた類のシステムにおいて、装置が、長手方向中心軸線と、半径方向内向きの応力受け装置内面とを有する環状に構造化された応力受け装置を有し、応力受け装置内面が、配管外面及び/又は管継手外面に適合されており、これにより、こうして製作すべき配管ユニットを運転状態で少なくとも部分的に収容することができ、応力受け装置が、運転状態で加圧工具を包囲し、これにより、運転状態で、加圧工具による配管の拡管時、製作すべき配管ユニットを支持することができることにより解決される。有利には、上記システムにより、配管ユニット、特に配管及び/又は管継手が、加圧工具、合目的的には転圧加工工具による配管の拡管時、支持され、その結果、配管ユニットと管継手とを結合してなる配管ユニットの形成は、改善されて実施される。システムは、最も簡単な場合、応力受け装置のみからなる。
【0009】
合目的的には、システムは、配管と管継手とを有する配管ユニットを備える。
【0010】
さらにシステムは、合目的的には、配管を拡管する加圧工具も備えている。
【0011】
システムの付加的な有利な一構成によれば、応力受け装置内面は、段状に形成されている。これにより、応力受け装置内面が、配管と管継手とから製作される配管ユニットの異なる輪郭及び/又は面積に適合可能であるという可能性が提供されている。
【0012】
さらにシステムは、好ましい一発展形において、応力受け装置を備え、応力受け装置は、応力受け装置リング体を有し、応力受け装置リング体は、相俟って応力受け装置内面を形成する2つのリング体要素を有し、リング体要素は、それぞれ、1つの第1の端部セクションと、1つの第2の端部セクションとを有し、第1の端部セクションは、互いに揺動自在に配置されており、各第2の端部セクションには、結合要素が配置されており、結合要素は、第2の端部セクションを分離可能に結合すべく、互いに協働するのに好適である。このような好ましい一発展形は、応力受け装置が、簡単に配管及び管継手に配置可能であるという利点を有している。
【0013】
さらに好ましくは、応力受け装置内面は、管継手を少なくとも部分的に収容する少なくとも1つの環状溝を有する。環状溝により、管継手は、ひいては少なくとも間接的に配管も、軸方向で位置決めされ、この位置に保持される。
【0014】
これに応じて有利には、応力受け装置は、半径方向内向きに張り出す環状突出部を形成し、環状突出部は、一方では、第1の軸方向の応力受け装置端面により画定され、他方では、少なくとも1つの環状溝の、第1の軸方向の応力受け装置端面から背離した側方の溝画定面により画定されている。これに関するシステムの一発展形によれば、半径方向内向きに張り出す環状突出部は、この環状突出部が、管継手内に差し込まれる配管のためのストッパを形成する程度に、半径方向内向きに張り出す。半径方向内向きに張り出し、ストッパとして形成される環状突出部は、加圧工具により配管を拡管する間の、配管の簡単な位置決め及び/又は固定を可能にする。
【0015】
加えて、システムの付加的な好ましい一構成によれば、応力受け装置は、第1の軸方向の応力受け装置端面とは反対向きの第2の軸方向の応力受け装置端面を有し、第2の軸方向の応力受け装置端面は、段状に形成されており、これにより、フラッシュ内に差し込まれる配管を半径方向で支持する環状の応力受け装置カラーが形成される。これにより配管は、応力受け装置により付加的に改善されて支持される。
【0016】
さらに上記課題は、冒頭で挙げた類の方法において、請求項1から9のいずれか一項に記載のシステムを用いて配管ユニットを製作すべく、配管を用意する方法ステップと、管継手を用意する方法ステップと、管継手を配管に配置する方法ステップと、応力受け装置を用意する方法ステップと、配管と管継手とから製作すべき配管ユニットを応力受け装置内に収容し、応力受け装置を閉じる方法ステップと、加圧工具を用意する方法ステップと、加圧工具を配管内に差し込み、その結果、応力受け装置は、運転状態で加圧工具を包囲する方法ステップと、配管を拡管し、これにより、配管と管継手とを締まりばめにより結合して、配管ユニットを形成する方法ステップと、加圧工具を配管から抜き取る方法ステップと、応力受け装置を開放し、配管と管継手とから製作した配管ユニットを取り出す方法ステップとが含まれていることにより解決される。有利には、上記方法により、システム、特に管継手は、加圧工具による配管の拡管時、支持され、その結果、配管ユニットと管継手とを結合してなる配管ユニットの形成は、改善されて実施される。
【0017】
以下に本発明について添付の図面を基に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】配管ユニットを製作する装置を備えるシステムの一実施の形態の断面図である。
図2】配管の半径方向での拡管により配管と管継手とから製作すべき配管ユニットの断面図である。
図3】配管の半径方向での拡管により配管と管継手とから製作した図2に示した配管ユニットの断面図である。
図4】2つの配管ユニットを有する配管アッセンブリの断面図である。
図5】閉鎖された状態における応力受け装置の一実施の形態の斜視図である。
図6図5に示した応力受け装置の正面図である。
図7図5に示した応力受け装置の右からの側面図である。
図8】開放された状態における図5に示した応力受け装置の背面図である。
図9図5に示した応力受け装置の第1のリング体要素の斜視図である。
図10図9に示した第1のリング体要素の背面図である。
図11図9に示した第1のリング体要素の正面図である。
図12図9に示した第1のリング体要素の左からの側面図である。
図13】断面A-Aに沿った第1のリング体要素の断面図である。
図14図5に示した応力受け装置の第2のリング体要素の斜視図である。
図15図5に示した応力受け装置の、図14に示した第2のリング体要素の背面図である。
図16図14に示した第2のリング体要素の正面図である。
図17図14に示した第2のリング体要素の部分断面の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
特に断りのない限り、以下の説明は、配管3と管継手4とを有する配管ユニット5を製作する装置2を備えるシステム1の、図面に示すすべての実施の形態に関する。
【0020】
配管ユニット5を製作する装置2を備えるシステム1は、図示の実施の形態では、配管3、管継手4、応力受け装置6及び加圧工具7を備え、加圧工具7は、合目的的には転圧加工工具として形成されている。配管3、管継手4、応力受け装置6及び加圧工具7は、1つの長手方向中心軸線X-Xを有し、この長手方向中心軸線X-Xに運転状態ではアライメントされている。
【0021】
配管3は、配管外面8、配管端面9及び配管外径10を有している。さらに配管3は、管長さ及び管曲がりに関して設定値に応じて形成されており、本実施の形態では、ストレートの配管3が使用される。
【0022】
管継手4は、管セクション11とフランジセクション12とを有し、管継手外面13、管継手内径14及び管継手内面15を有している。管継手内面15には、凸部17の形態の構造16が形成されている。図示しない別の実施の形態では、配管3の半径方向での拡管前に、配管外面8及び/又は管継手内面15が、少なくとも部分的に構造化されている。構造16は、必ずしも凸部17の形態で形成されている必要はなく、例えば凹部、谷、溝又はこれに類するものの形態で形成されていてもよい。管継手内面15に配置される構造16により、配管3を拡管することで、配管3と管継手4との間に、力結合に加え、形状結合も形成される。
【0023】
さらに管継手4のフランジセクション12は、フランジセクション端面18を有し、フランジセクション端面18には、シール20を部分的に収容する溝19が形成されている。
【0024】
図示の実施の形態において、配管3の配管外径10と、管継手4の管継手内径14とは、略同じ大きさである。
【0025】
図示しない別の一実施の形態では、配管3の配管外径10は、管継手4の管継手内径14より大きい。合目的的には、管継手内径14より大きいが、その差は最小限である。これにより、管継手4を配管3上に軸方向で被せ嵌める際に直接、締まりばめが形成される。このような締まりばめは、配管3と管継手4との力結合を形成する。
【0026】
好ましくは、管継手4を配管3上に被せ嵌める前に、管継手4が加熱され、かつ/又は配管3が冷却される。管継手4の冷却及び/又は配管3の加熱も、この関連において実施可能である。
【0027】
配管アッセンブリ21は、配管3上に軸方向で被せ嵌められた管継手4を1つずつ有する2つの配管ユニット5を有し、軸方向でこれらの配管ユニット5間には、シールインサート22を有するシール20が配置されている。
【0028】
配管アッセンブリ21の両配管ユニット5は、本実施の形態では、締め付け装置23により軸方向で互いに締め付けられている。このために、2つの配管ユニット5の管継手4のフランジセクション12は、締め付け装置23により軸方向で互いに締め付けられる。本実施の形態では、締め付け装置23は、合目的的にはヒンジクランプ24として形成されている。ヒンジクランプ24として形成される締め付け装置23により、シール20に作用する圧接力は、面に関し、圧接圧に相当し、付加的に、例えばヒンジクランプ24を閉鎖する蝶ナット又はこれに類するものにより調整され得る。
【0029】
代替的には、規格品、例えば測定器具、弁及びフラップ又はこれに類するものが、この場合、前もって形成された配管ユニット5として用いられ、本実施の形態による別の第2の配管ユニット5とともに1つの配管アッセンブリ21を形成してもよい。
【0030】
配管アッセンブリ21は、シール20を有し、シール20は、軸方向で、管継手4の、フランジセクション12に形成されるフランジセクション端面18間に配置されている。シール20は、規定された移行部25を、互いに締め付けられる2つの配管ユニット5間に形成するように構成されている。規定された移行部25は、締め付け時にシール20に作用する圧接力により形成される。
【0031】
規定された移行部25により、配管アッセンブリ21を通って流動する一種類の媒体又は配管アッセンブリ21を通って流動する複数種類の媒体の残渣の集積あるいは固形物の堆積は、軽減されるか、あるいは起こらない。
【0032】
加えてシール20は、シールインサート22を有している。シールインサート22により、2つの配管ユニット5間の軸方向の最小間隔26が規定されるので、2つの配管ユニット5が配管アッセンブリ21の締め付け時に曝されている圧接力は、シールインサート22に基づいて確定される軸方向の最小間隔26により確定されている。
【0033】
シール20は、好ましくは、フラットシールとして形成されており、シール素材として、例えばエラストマー、圧縮繊維、アラミド繊維、炭素繊維、鉱物繊維、金属、銅等の素材が用いられる。ジャケット形のシール20、特にジャケット形のフラットシールも、好ましい。ジャケット形のシール20、特にジャケット形のフラットシールは、PTFE外被又は金属外被、好ましくは鋼又は耐食性のニッケル合金によって被覆された中芯(任意のフラットシール素材、例えば繊維複合材、PTFE等)を有している。ジャケットは、中芯を、封止すべき媒体のケミカルアタックから保護する。
【0034】
シール20のシールインサート22は、シールストッパ27として形成されるシールインサート端面28を有している。シールインサート22により、これにより、2つの配管ユニット5間に軸方向の最小間隔26が規定可能となる、又は規定される。配管端面9及び/又はフランジセクション端面18は、配管アッセンブリ21の締め付けられた状態において、シール20のシールインサート22のシールインサート端面28に隣接している。これにより、配管アッセンブリ21の2つの配管ユニット5間の最小間隔26は、ひいては、シール20に作用する圧接力も、正確に調整される。
【0035】
シールインサート22によって確定される圧接力により規定される移行部25は、好ましくは、膨出部29が、拡管された配管内径30に対して鈍角αを形成するように形成されている。特に好ましくは、鈍角αは、100°~170°、殊に特に好ましくは、120°~150°の角度αを有している。これにより、配管アッセンブリ21を貫流する一種類の媒体又は配管アッセンブリ21を貫流する複数種類の媒体の残渣が減少あるいは防止されることが達成される。
【0036】
装置2は、環状に構造化された応力受け装置6を有し、応力受け装置6は、長手方向中心軸線X-Xを有している。応力受け装置6は、少なくとも1つの環状溝31を有し、これにより、半径方向内向きの応力受け装置内面32は、運転状態で、製作すべき配管ユニット5を、特にしかし、少なくとも管継手4を、少なくとも部分的に収容すべく、段状に形成されている。合目的的には、それゆえ応力受け装置内面32は、配管外面8及び/又は管継手外面13に適合されている。図示の実施の形態では、応力受け装置は、最良に図13及び17に示すように、互いに段差が付けられた2つの環状溝31a及び31bを有している。この場合、環状溝31aは、管継手4の管セクション11を収容するのに好適であり、環状溝31bは、フランジセクション12を収容するのに好適である。
【0037】
応力受け装置6は、応力受け装置リング体33を有し、応力受け装置リング体33は、相俟って応力受け装置内面32を形成する2つのリング体要素34を有している。リング体要素34は、それぞれ、1つの第1の端部セクション35と、1つの第2の端部セクション36とを有し、第1の端部セクション35は、揺動軸線Y-Y回りに互いに揺動自在に配置されている。揺動軸線Y-Yは、長手方向中心軸線X-Xに対して平行に延びている。各第2の端部セクション36には、結合要素37が配置されており、結合要素37は、第2の端部セクション36を分離可能に結合すべく、互いに協働するのに好適である。各結合要素37は、結合孔56を有し、結合孔56は、軸受孔中心軸線W-Wを有している。両結合要素37は、一直線に並んだ両結合孔56内に配置される図示しない締結要素、例えばねじ締結手段、コッタボルト又はこれに類するものにより互いに結合される。これにより、両結合要素37a及び37bは協働する。区別しやすくするために、リング体要素34、第1及び第2の端部セクション35,36及び結合要素37の符号には、それぞれ、小文字のa又はbを付して表示するものとする。
【0038】
加えて応力受け装置6は、半径方向内向きに張り出す環状突出部38を形成し、環状突出部38は、一方では、第1の軸方向の応力受け装置端面39により画定され、他方では、少なくとも1つの環状溝31の、第1の軸方向の応力受け装置端面39から背離した側方の溝画定面40により画定されている。合目的的には、半径方向内向きに張り出す環状突出部38は、この環状突出部38が、管継手4内に差し込まれる配管3のためのストッパ41を形成する程度に、半径方向内向きに張り出す。これにより、配管端面9とフランジセクション端面18とが加圧工具7による拡管時、互いに面一にアライメントされていることが保証される。
【0039】
リング体要素34aは、第1の端部セクション35aの領域に、2つの軸受脚片49を有する軸受フォーク50を有している。各軸受脚片49は、軸受孔51を有し、軸受孔51は、軸受孔中心軸線として用いられる揺動軸線Y-Yに基づいて、互いに一直線に並んでいる。
【0040】
リング体要素34aとは異なり、リング体要素34bは、第1の端部セクション35bの領域に、軸受体52内に配置される軸受孔53を有する軸受アイ54を有している。軸受孔53でも、軸受孔中心軸線として揺動軸線Y-Yが用いられる。
【0041】
揺動軸線Y-Y回りに互いに揺動自在に配置される両リング体要素34a及び34bは、図示の実施の形態では、軸受ボルト55を介して互いに結合されており、軸受ボルト55は、例えばコッタボルトとして構成されていてもよい。
【0042】
応力受け装置6は、運転状態で加圧工具7を包囲し、これにより、運転状態で、加圧工具7による配管3の拡管時、製作すべき配管ユニット5を支持することができる。加圧工具7は、このために加圧マンドレル43であって、ハウジング42内に配置され、円錐形に形成され、長手方向中心軸線X-Xの軸方向で移動可能な加圧マンドレル43を有している。この加圧マンドレル43を周方向で、力伝達要素44、特に力伝達ローラを有するクラウン45が包囲し、クラウン45は、運転状態で加圧マンドレル43及び長手方向中心軸線X-X回りに回転する。力伝達要素44も、回転軸線Z-Z上に回転自在にクラウン45内に支承されている。加圧マンドレル43の軸方向の移動により、力伝達要素44は、半径方向外向きに押され、かつ回転軸線Z-Z回りの力伝達要素44の同時の回転により、配管3を拡管する。配管3の拡管により、本実施の形態では、配管壁厚さ減少が実施され、これにより配管ユニット5が形成される。
【0043】
半径方向での拡管は、加圧工具7、合目的的には転圧加工工具により達成され、配管3の固着拡管若しくはころ広げとも称呼される。半径方向での拡管後、拡管の領域における配管3の横断面積は、配管3の本来の横断面積より大きい。これにより、配管3の半径方向での拡管により、配管3と管継手4とがオーバラップしている領域において、拡管された配管内径46は、本来の配管内径30より大きい。
【0044】
応力受け装置6は、図示の実施の形態では、さらに、第1の軸方向の応力受け装置端面39とは反対向きの第2の軸方向の応力受け装置端面47を有し、この応力受け装置端面47は、段状に形成されており、これにより、管継手4内に差し込まれる配管3を半径方向で支持する環状の応力受け装置カラー48が形成される。応力受け装置カラー48は、運転状態で、加圧工具7による配管3の拡管時、製作すべき配管ユニット5の配管3をさらに支持すべく、形成されている。
【0045】
システム1を用いて配管ユニット5を製作する方法は、準備する方法ステップとして、配管3を用意し、管継手4を用意し、続いて管継手4を配管3に配置するステップを含んでいる。その後、応力受け装置6を有していて、配管3と管継手4とから製作すべき配管ユニット5を収容する装置2を用意する。配管ユニット5を収容した後、応力受け装置を閉じる。それに続いて、用意した加圧工具7を配管3内に導入する。その結果、応力受け装置6は、運転状態で加圧工具7を少なくとも部分的に包囲している。配管3を而して加圧工具7により拡管し、これにより、配管3と管継手4とから締まりばめにより配管ユニット5を製作し、配管3と管継手4とを固着拡管により結合することができる。最終的に、その後、加圧工具7を配管3から抜き取り、応力受け装置6を開放する。これにより、配管3と管継手4とから製作した配管ユニット5を取り出すことができる。
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【国際調査報告】