(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】複数画像取得のための撮像装置及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240219BHJP
A61B 6/02 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
A61B6/00 330A
A61B6/02 351C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580448
(86)(22)【出願日】2021-06-25
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 AU2021050669
(87)【国際公開番号】W WO2021258156
(87)【国際公開日】2021-12-30
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522499748
【氏名又は名称】オーストラリアン ラング ヘルス イニシアティブ ピーティーワイ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス フォウラス
(72)【発明者】
【氏名】ポール チャップマン
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA04
4C093AA08
4C093DA03
4C093EA06
4C093FA52
4C093FA55
4C093FF24
4C093FF42
(57)【要約】
被検体の身体の所定領域の時系列の生体内画像を取得する撮像装置が提供される。撮像装置は、少なくとも3台のエネルギー源と、エネルギー源と検出器の間に位置する被検体の身体の当該領域を通過する少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器と、エネルギー源及び検出器を動作させて被検体の身体の当該領域の時系列の生体内画像を取得するように構成されたコントローラと、を含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされる。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体の領域を通って交差する。撮像装置を用いて被検体の身体の所定領域の時系列の生体内画像を取得する方法も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の身体の所定の領域の時系列の生体内画像を取得する撮像装置であって、
少なくとも3台のエネルギー源と、
少なくとも3台の検出器であって、前記エネルギー源と前記検出器の間に位置する前記被検体の身体の前記領域を通過する前記少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器であって、少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で前記被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で前記被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、前記第1の平面と前記第2の平面とは撮像対象の前記被検体の身体の前記領域を通って交差する、少なくとも3台の検出器と、
前記エネルギー源及び前記検出器を動作させて前記被検体の身体の前記領域の時系列の生体内画像を取得するように構成されたコントローラと、
を含む撮像装置。
【請求項2】
前記コントローラは、前記被検体の身体の前記領域を通る少なくとも3個の撮像角度を用いて前記画像を取得するように構成され、前記被検体の身体を通る前記第1の平面内に少なくとも2つの撮像角度が与えられ、前記被検体の身体を通る前記第2の平面内に少なくとも1つの撮像角度が与えられる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1の平面内の前記少なくとも2つの撮像角度が、約45~90度の範囲で離間される、請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記検出器の少なくとも1台は、各前記エネルギー源に対して傾斜される、請求項1から3のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記検出器の少なくとも1台は、各前記エネルギー源に対して実質的に整列される、請求項1から4のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1の平面内の少なくとも2台の前記エネルギー源及び少なくとも2台の前記検出器の各々は、前記被検体の身体を通る前記第1の平面内の各共通の弧上に配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器をさらに含み、少なくとも3対のエネルギー源及び検出器が前記第1の平面内に空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が前記第2の平面内に空間的に位置決めされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記被検体の身体の前記領域を通る少なくとも4個の撮像角度を用いて前記画像を取得するように構成され、前記被検体の身体を通る前記第1の平面内に少なくとも3個の撮像角度が与えられ、前記被検体の身体を通る前記第2の平面内に少なくとも1つの撮像角度が与えられる、請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1の平面内の前記少なくとも3個の撮像角度は、約45~90度の範囲で相互から離間される、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1の平面内の少なくとも3台の前記エネルギー源及び少なくとも3台の前記検出器の各々は、前記被検体の身体を通る前記第1の平面内の各共通の弧上に配置される、請求項7から9のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が、前記第1及び第2の平面の双方内に配置される、請求項1から10のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項12】
少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器をさらに含み、少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が前記第1の平面内に空間的に位置決めされ、少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が前記第2の平面内に空間的に位置決めされる、請求項1から6のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記コントローラは、前記被検体の身体の前記領域を通る少なくとも4個の撮像角度を用いて前記画像を取得するように構成され、前記被検体の身体を通る前記第1の平面内に少なくとも2つの撮像角度が与えられ、前記被検体の身体を通る前記第2の平面内に少なくとも2つの撮像角度が与えられる、請求項12に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第2の平面内の前記少なくとも2つの撮像角度は、約45~70度の範囲で離間される、請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記検出器の少なくとも2台はそれぞれの前記エネルギー源に対して傾斜され、前記検出器の少なくとも2台はそれぞれの前記エネルギー源に対して実質的に整列される、請求項12から14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記第2の平面内の少なくとも2台の前記エネルギー源及び少なくとも2台の前記検出器の各々は、前記第2の平面内の各共通の弧上に配置される、請求項12から14のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項17】
前記第2の平面は、前記第1の平面に対して約70~90度の角度でオフセットされる、請求項1から16のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項18】
前記第1の平面は前記被検体の身体を通る横断面であり、前記第2の平面は前記被検体の身体を通る矢状面である、請求項17に記載の撮像装置。
【請求項19】
前記被検体を前記エネルギー源と前記検出器の間に直立配向で収容するように構成された請求項1から18のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項20】
前記被検体を前記エネルギー源よりも前記検出器に近い位置において前記エネルギー源と前記検出器の間に収容するように構成された請求項1から19のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項21】
前記コントローラが、前記エネルギー源及び前記検出器を動作させて前記被検体の身体の前記領域の時系列の生体内画像を前記検出器の各々から同時に又は実質的に同時に取得するように構成された、請求項1から20のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項22】
前記検出器の各々から取得された前記時系列の画像に基づいて3次元モーションフィールドを再構築するように構成されたプロセッサをさらに含む請求項21に記載の撮像装置。
【請求項23】
X線イメージング、超音波イメージング及び磁気共鳴イメージング(MRI)のうちの1以上での使用のために構成された請求項1から22のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項24】
撮像対象の前記被検体の身体の前記領域は、前記被検体の肺の少なくとも一部を含む、請求項1から23のいずれか一項に記載の撮像装置。
【請求項25】
被検体の身体の所定の領域の時系列の生体内画像を取得する方法であって、
撮像装置を提供するステップであって、
少なくとも3台のエネルギー源と、
少なくとも3台の検出器であって、前記エネルギー源と前記検出器の間に位置する前記被検体の身体の前記領域を通過する前記少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器であって、少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で前記被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で前記被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、前記第1の平面と前記第2の平面とは撮像対象の前記被検体の身体の前記領域を通って交差する、少なくとも3台の検出器と、
前記エネルギー源及び前記検出器を動作させて前記被検体の身体の前記領域の時系列の生体内画像を取得するように構成されたコントローラと、
を含む撮像装置を提供するステップと、
前記被検体の身体の前記領域の前記時系列の生体内画像を取得するように前記コントローラを動作させるステップと、
を含む方法。
【請求項26】
前記被検体の身体の前記領域の時系列の生体内画像を前記検出器の各々から同時に又は実質的に同時に取得するように前記コントローラを動作させるステップをさらに含む請求項25に記載の方法。
【請求項27】
プロセッサを用いて、前記検出器の各々から取得された前記時系列の画像に基づいて3次元モーションフィールドを再構築するステップをさらに含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記画像を取得するように前記コントローラを動作させる前に、前記撮像装置内の前記被検体を前記エネルギー源と前記検出器の間に直立配向で位置決めするステップをさらに含む請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記撮像装置が、X線イメージング、超音波イメージング及び磁気共鳴イメージング(MRI)のうちの1以上での使用のために構成された請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
撮像対象の前記被検体の身体の前記領域は、前記被検体の肺の少なくとも一部を含む、請求項25から29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年6月25日出願の米国仮特許出願第63/043994号及び2020年6月25日出願の米国仮特許出願第63/044090号の優先権を主張し、この両出願の内容が参照によりここに取り込まれる。
【0002】
本発明は、人間又は動物の被検体の身体の所定領域の時系列の生体内(in vivo)画像を取得し、異なる視点から複数の画像を取得する撮像装置及び方法に関する。それは、特に、ただし排他的にではなく、被検体の肺又は心臓などの臓器の動的な生体内画像にも関する。
【背景技術】
【0003】
X線コンピュータ断層(CT)イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)などの現在のイメージング様式は、肺、心臓及び脳などの、患者の臓器の構造及び機能を検査する方法を提供する。しかし、肺の構造的な変化は、発症後に起こることが多く、(例えば、初期嚢胞性線維症における)疾患予防治療の可能性を排除してしまう。高解像度CTイメージングは優れた構造的詳細を与えるが、高コストであり、比較的高いレベルの放射線被曝が懸念される(高解像度CTは70回の胸部X線と同等であることが多い)。イオン化放射線量に起因して、急性呼吸器疾患を含む種々の疾患の検出及び治療のためのX線の使用に基づく技術(特にCT)は、放射線に起因する組織損傷の影響をより受け易い乳児及び幼児などの脆弱な患者には厳しく制限されている。またさらに、固有の測定限界も、全年齢層の患者にわたって急性呼吸器疾患のエビデンスベースの検出及び治療を厳しく制限する。
【0004】
4DMedicalによって開発されたXV技術は、臨床肺機能評価におけるブレークスルーを与えた。XV技術は、特許文献1及び特許文献2として公開された特許出願に開示されている。現在のXV技術は、X線イメージングを独自の流速測定アルゴリズムに一意的に組み合わせて、細かい空間的及び時間的詳細において肺の全ての位置における移動を測定し、肺内における各位置における呼吸サイクルの全体を通じた局所的な肺機能測定を可能とする。このアプローチは、肺構造が疾患に不可逆的に影響を受けるかなり前に、軽微な機能損失の検出さえも可能とし、治療が、それが最大限の効果を与えて最良の成功好機となる早期に適用され得ることを意味する。
【0005】
現在のXV技術はSoftware as a Service(SaaS)モデルを介して臨床用途で使用され、これにより、患者の肺のスキャン画像が既存のX線透視装置を用いて取得される。そして、スキャン画像は、クラウドベースサーバを介して、患者の肺の機能的イメージング解析を経時的に提供するソフトウェアアルゴリズムを用いて処理される。しかし、XV解析の精度及び品質は、患者が静止したままスキャン中には管理された態様で呼吸する必要がある既存の医療用スキャナを用いて取得可能な画像によって制限されてしまう。これは、多くの患者群、例えば、スキャナ内での位置決めの問題及び/又は完遂すべきスキャンのための指示に従うことができないために容易にスキャンできない幼児、高齢者、及び言語、聴覚又は認知障害のある患者を含む患者群の利用を制限してしまう。
【0006】
コンピュータ断層(CT)スキャナは、一般に、被検体の身体の断面画像を取得するのに使用される。通常のCTスキャナ配置構成は、1台のエネルギー源及び通常は1台の検出器又は検出器アレイが被検体の身体の周りの回転のために取り付けられるリング又はC形状アームを採用する。リング又はC形状アームが回転するにつれて、被検体の身体の断面画像を生成するのに使用される複数の画像が、異なる角度から取得されたX線測定値を通じて取得される。CTスキャナなどの既存の医療用スキャナの不利な点は、異なる角度で画像を取得するのに被検体の身体の周りの回転のために大型のスキャナが通常は必要となる点である。取得中に部品を移動させることを要さずに異なる角度で複数の画像が取得可能な、より小型かつよりコンパクトな撮像装置を提供できれば望ましい。
【0007】
またさらに、CTスキャナなどの既存の医療用スキャナはX線を採用することが多く、複数の画像が生体内撮像のために異なる角度で取得される場合に、X線は被検体に対してX線照射の高い負担をもたらす。画像を取得するエネルギー源及び検出器又は検出器アレイの動作時間を短縮することによってX線の線量を低減できれば望ましい。X線の線量の低減は、放射線に起因する組織損傷の影響をより受け易い乳児及び幼児などの脆弱な患者群に特に有益となる。
【0008】
図1及び2は、被検体の身体210の領域230を撮像するシステム10の例を示す。システム10は、共通平面内に空間的に位置決めされて被検体の身体210の周りの共通の弧14上に位置する3台のエネルギー源11及び3台の検出器12を含む。エネルギー源11及び検出器12は、回転リング又はC形状アームを有するCTスキャナとは異なり、システム10内の固定位置に適合してスキャン中には静止している。図示するように、被検体200は、撮像中にはトレイ又はベッド18上に位置決めされ得る。エネルギー源11及び検出器12の空間的配置構成によって、撮像ビーム16によって示すように、撮像中に被検体の身体210の領域230を通る3個の撮像角度が捕捉可能となる。
図2は、明瞭化のために検出器12を省略し、共通の弧14を有する共通平面が被検体の身体210を通る横断面となり得ることを示す
図1のシステム10の平面図である。
【0009】
システム10は複数の撮像角度を捕捉し得る一方で、動的な生体内撮像能力を与えるためなど、画像取得を最適化するための充分な撮像データを得るためには、エネルギー源11及び検出器12が被検体の身体210の周りに充分に離間されることを要する。
図1及び2に示すシステム10のエネルギー源11及び検出器12は、360度の角度にわたって被検体の身体210の周りに周方向に等間隔とされる。CTスキャナと同様に、この配置構成では、静止したエネルギー源及び検出器が被検体の身体を囲む異なる角度で画像を取得する大型のスキャン装置を設けることが必要となってしまう。
【0010】
CTスキャナ並びに
図1及び2のシステム10などの既存の医療用スキャナの他の不利な点は、患者がスキャナ内で患者トレイ又はベッド18に仰臥位で位置決めされることが多いことである。被検体の肺の動的な撮像のために、患者は、スキャン中には静止したまま管理された態様で呼吸をする必要がある。これは、スキャナ内での位置決めの問題及び/又は完遂されるべきスキャンのための指示に従うことができないために容易にはスキャンできない若年の幼児、高齢者及び言語、聴覚又は認知障害のある患者を含む多数の患者群に対するイメージング技術の利用を制限する。
【0011】
したがって、複数の画像が異なる視点から取得されて理想的にはXV技術による解析に適した、患者身体の生体内画像を取得する撮像装置及び撮像方法であって撮像装置のサイズを小型化し、多数の患者群への利用を可能とし得るものを提供できれば望ましい。従来技術の1以上の問題又は不都合を改善及び/又は克服する撮像装置及び撮像方法を提供できれば望ましい。
【0012】
従来技術として特定される特許文献又は他の何らかの資料に対するここでの参照は、当該文献若しくは他の資料が公知であったこと又はそれが含む情報が請求項のいずれかの優先日に一般常識の一部であったことを自認するものとして解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2011/032210号
【特許文献2】国際公開第2015/157799号
【発明の概要】
【0014】
一態様において、本発明は、被検体の身体の所定の領域の時系列の生体内画像を取得する撮像装置を提供する。撮像装置は、少なくとも3台のエネルギー源と、エネルギー源と検出器の間に位置する被検体の身体の当該領域を通過する少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器と、エネルギー源及び検出器を動作させて被検体の身体の当該領域の時系列の生体内画像を取得するように構成されたコントローラと、を含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされる。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体の当該領域を通って交差する。
【0015】
コントローラは、被検体の身体の当該領域を通る少なくとも3個の撮像角度を用いて画像を取得するように構成され得る。被検体の身体を通る第1の平面内に少なくとも2つの撮像角度が与えられ、被検体の身体を通る第2の平面内に少なくとも1つの撮像角度が与えられ得る。
【0016】
一部の実施形態では、少なくとも2つの撮像角度は、約45~90度の範囲で離間される。好ましくは、少なくとも2つの撮像角度は、約45~70度又は約70~90度、すなわち、約45~60度、約60~70度、約70~80度又は約80~90度の範囲で離間される。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度であり得る。好ましくは、間隔は、約80度である。ただし、他の実施形態では、間隔は、第1の平面内の少なくとも2対のエネルギー源及び検出器の空間的位置決めに応じて、好ましくは約60度となり得る。
【0017】
一部の実施形態では、検出器の少なくとも1台は、各エネルギー源に対して傾斜される。少なくとも1台の検出器は、各エネルギー源に間接的に対向し得る。少なくとも1台の検出器は、エネルギー源によって生成される撮像ビームが検出器に実質的に垂直とならないように傾斜され得る。一部の実施形態では、検出器の少なくとも1台は、各エネルギー源に対して実質的に整列される。少なくとも1台の検出器は、各エネルギー源に直接対向し得る。少なくとも1台の検出器は、エネルギー源によって生成される撮像ビームが検出器に実質的に垂直となるように整列され得る。一部の実施形態では、撮像装置は、各エネルギー源に対して傾斜した少なくとも1台の検出器、及び各エネルギー源に対して実質的に整列された少なくとも1台の検出器を含む。好ましくは、より小型かつよりコンパクトであっても、被検体の身体を通じる複数の画像が異なる角度で取得されることを可能とする撮像装置を提供するために、検出器の少なくとも2台又は検出器の全てはそれぞれのエネルギー源に対して傾斜される。
【0018】
第1の平面内の少なくとも2台のエネルギー源及び少なくとも2台の検出器の各々は、第1の平面内の各共通の弧上に配置され得る。一部の実施形態では、2台のエネルギー源及び2台の検出器は、第1の平面において同じ共通の弧上に配置される。2台のエネルギー源及び2台の検出器が異なる共通の弧上に配置される実施形態では、エネルギー源が配置される共通の弧の長さは、好ましくは、検出器が配置される共通の弧の長さよりも長い。
【0019】
少なくとも3台のエネルギー源及び少なくとも3台の検出器は、略三角形状又はL形状構成の一方で各々離間され得る。
【0020】
一部の実施形態では、撮像装置は、少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器をさらに含む。少なくとも3対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内に空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内に空間的に位置決めされ得る。
【0021】
コントローラは、被検体の身体の当該領域を通る少なくとも4個の撮像角度を用いて画像を取得するように構成され得る。被検体の身体を通る第1の平面内に少なくとも3個の撮像角度が与えられ、被検体の身体を通る第2の平面内に少なくとも1つの撮像角度が与えられ得る。
【0022】
一部の実施形態では、第1の平面内の少なくとも3個の撮像角度は、約45~90度の範囲で相互から離間され得る。好ましくは、少なくとも3個の撮像角度は、約45~70度又は約70~90度、すなわち、約45~60度、約60~70度、約70~80度又は約80~90度の範囲で相互から離間される。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度であり得る。好ましくは、間隔は、約80度である。ただし、他の実施形態では、間隔は、第1の平面内の少なくとも3対のエネルギー源及び検出器の空間的位置決めに応じて、好ましくは約60度となり得る。
【0023】
第1の平面内の少なくとも3台のエネルギー源及び少なくとも3台の検出器の各々は、被検体の身体を通る第1の平面内の各共通の弧上に配置され得る。一部の実施形態では、3台のエネルギー源及び3台の検出器は、第1の平面内の同じ共通の弧上に配置される。3台のエネルギー源及び3台の検出器が異なる共通の弧上に配置される実施形態では、エネルギー源が配置される共通の弧の長さは、好ましくは、検出器が配置される共通の弧の長さよりも長い。
【0024】
少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器は、略T形状又は逆T形状構成の一方で各々離間され得る。
【0025】
一部の実施形態では、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器は、第1及び第2の平面の双方内に配置される。
【0026】
一部の実施形態では、撮像装置は、少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器をさらに含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内に空間的に位置決めされ、少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内に空間的に位置決めされ得る。
【0027】
コントローラは、被検体の身体の当該領域を通る少なくとも4個の撮像角度を用いて画像を取得するように構成され得る。被検体の身体を通る第1の平面内に少なくとも2つの撮像角度が与えられ、被検体の身体を通る第2の平面内に少なくとも2つの撮像角度が与えられ得る。
【0028】
第2の平面内の少なくとも2つの撮像角度は、約45~70度の範囲で相互から離間され得る。好ましくは、少なくとも2つの撮像角度は、約45~60度又は約60~70度の範囲で離間される。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度又は約70度の角度であり得る。好ましくは、間隔は約60度である。
【0029】
一部の実施形態では、検出器の少なくとも2台は、それぞれのエネルギー源に対して傾斜され、検出器の少なくとも2台は、それぞれのエネルギー源に対して実質的に整列される。それぞれのエネルギー源に対して傾斜された少なくとも2台の検出器は、各エネルギー源に間接的に対向し、及び/又はエネルギー源によって生成される撮像ビームが検出器に実質的に垂直とならないように傾斜され得る。それぞれのエネルギー源に実質的に整列された少なくとも2台の検出器は、各エネルギー源に直接対向し、及び/又はエネルギー源によって生成される撮像ビームが検出器に実質的に垂直となるように実質的に整列され得る。それぞれのエネルギー源に対して傾斜した少なくとも2台の検出器を提供することによって、より小型かつよりコンパクトであっても、被検体の身体を通じる複数の画像が異なる角度で取得されることを可能とする撮像装置が可能となる。
【0030】
第2の平面内の少なくとも2台のエネルギー源及び少なくとも2台の検出器の各々は、第2の平面内の各共通の弧上に配置され得る。一部の実施形態では、2台のエネルギー源及び2台の検出器は、第2の平面内で同じ共通の弧上に配置される。2台のエネルギー源及び2台の検出器が異なる共通の弧上に配置される実施形態では、エネルギー源が配置される共通の弧の長さは、好ましくは、検出器が配置される共通の弧よりも長い。
【0031】
一部の実施形態では、少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器の各々が、略菱形状構成で離間される。他の実施形態では、少なくとも4台のエネルギー源及び少なくとも4台の検出器の各々が、略四角形状又は矩形状構成で離間される。
【0032】
一部の実施形態では、第2の平面は、第1の平面に対して約70~90度の角度でオフセットされる。第2の平面は、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度の角度でオフセットされ得る。第2の平面は、第1の平面に対して約70~80度又は約80~90度の角度でオフセットされ得る。第2の平面は、第1の平面に対して約80度の角度でオフセットされ得る。
【0033】
一部の実施形態では、第2の平面は、第2の平面及び第1の平面が略垂直となるように、第1の平面に対して約90度の角度でオフセットされる。第1の平面は被検体の身体を通る横断面であり、第2の平面は被検体の身体を通る矢状面であり得る。
【0034】
撮像装置は、被検体をエネルギー源と検出器の間に直立配向で収容するように構成され得る。被検体は、撮像装置内において直立着席位置にあってもよい。あるいは、被検体は、撮像装置内において直立起立位置にあってもよい。
【0035】
撮像装置は、被検体をエネルギー源よりも検出器に近い位置においてエネルギー源と検出器の間に収容するように構成され得る。被検体は、撮像装置内で検出器とエネルギー源の間で中心に位置決めされなくてもよく、その代わりに、より検出器の付近に配置され得る。
【0036】
一部の実施形態では、コントローラは、エネルギー源及び検出器を動作させて被検体の身体の当該領域の時系列の生体内画像を検出器の各々から同時に又は実質的に同時に取得するように構成される。これにより、少なくとも3個の時系列の生体内画像が、少なくとも3台の検出器から同時に又は実質的に同時に取得され得る。4台のエネルギー源及び4台の検出器を含む一部の実施形態では、4個の時系列の生体内画像が、4台の検出器から同時に又は実質的に同時に取得され得る。撮像装置は、検出器の各々から取得された時系列の画像に基づいて3次元モーションフィールドを再構築するように構成されたプロセッサをさらに含み得る。これにより、3次元モーションフィールドは、検出器から取得された3個又は4個の時系列の画像に基づいてプロセッサによって再構築され得る。
【0037】
撮像装置は、X線イメージング、超音波イメージング及び磁気共鳴イメージング(MRI)のうちの1以上での使用のために構成され得る。X線イメージングは、透視イメージング及び/又はコンピュータ断層X線速度(CTXV)イメージングを含み得る。
【0038】
撮像対象の被検体の身体の当該領域は、被検体の肺の少なくとも一部を含み得る。撮像装置は、肺の一部又は肺全体を撮像し得る。撮像装置はまた、被検体の両肺を撮像し得る。あるいは、撮像対象の領域は、被検体の心臓又は脳の一部又は全部を含み得る。撮像対象の領域は、腹部組織などの組織を含む、臓器以外の身体の一部を含み得る。
【0039】
理想的には、被検体の呼吸は、画像取得中に制限も管理もされない。撮像装置は、被検体が呼吸をする間の、及び好ましくは被検体の完全な1回の呼吸の画像を取得するように構成され得る。
【0040】
他の態様において、本発明は、被検体の身体の所定の領域の時系列の生体内画像を取得する方法を提供する。方法は、撮像装置を提供するステップであって、少なくとも3台のエネルギー源と、エネルギー源と検出器の間に位置する被検体の身体の当該領域を通過する少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器と、エネルギー源及び検出器を動作させて被検体の身体の当該領域の時系列の生体内画像を取得するように構成されたコントローラと、を含む撮像装置を提供するステップを含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされる。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体の当該領域を通って交差する。方法は、被検体の身体の当該領域の時系列の生体内画像を取得するようにコントローラを動作させるステップも含む。
【0041】
一部の実施形態では、方法は、被検体の身体の当該領域の時系列の生体内画像を検出器の各々から同時に又は実質的に同時に取得するようにコントローラを動作させるステップをさらに含む。これにより、少なくとも3個の時系列の生体内画像が、少なくとも3台の検出器から同時に又は実質的に同時に取得され得る。4台のエネルギー源及び4台の検出器を含む一部の実施形態では、4個の時系列の生体内画像が、4台の検出器から同時に又は実質的に同時に取得され得る。方法は、プロセッサを用いて、検出器の各々から取得された時系列の画像に基づいて3次元モーションフィールドを再構築するステップをさらに含み得る。これにより、3次元モーションフィールドは、検出器から取得された3個又は4個の時系列の画像に基づいてプロセッサによって再構築され得る。
【0042】
一部の実施形態では、画像を取得するようにコントローラを動作させる前に、撮像装置内の被検体をエネルギー源と検出器の間に直立配向で位置決めするステップをさらに含む。被検体は、撮像装置内において直立着席位置に位置決めされ得る。あるいは、被検体は、撮像装置内において直立起立位置に位置決めされ得る。
【0043】
撮像装置は、X線イメージング、超音波イメージング及び磁気共鳴イメージング(MRI)のうちの1以上での使用のために構成され得る。X線イメージングは、透視イメージング及び/又はコンピュータ断層X線速度(CTXV)イメージングを含み得る。
【0044】
撮像対象の被検体の身体の当該領域は、被検体の肺の少なくとも一部を含み得る。撮像装置は、肺の一部又は肺全体を撮像し得る。撮像装置はまた、被検体の両肺を撮像し得る。あるいは、撮像対象の領域は、被検体の心臓又は脳の一部又は全部を含み得る。撮像対象の領域は、腹部組織などの組織を含む、臓器以外の身体の一部を含み得る。
【0045】
理想的には、被検体の呼吸は、画像取得中に制限も管理もされない。撮像装置は、被検体が呼吸をする間の、及び好ましくは被検体の完全な1回の呼吸の画像を取得するように構成され得る。
【0046】
また、被検体の身体の所定領域の時系列の画像を取得する撮像装置もここに開示される。撮像装置は、少なくとも3台のエネルギー源と、エネルギー源と検出器の間に位置する被検体の身体の当該領域を通過する少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器と、エネルギー源及び検出器を動作させて被検体の身体の当該領域の時系列の画像を取得するように構成されたコントローラと、を含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされる。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体の当該領域を通って交差する。撮像装置は、被検体の身体の当該領域の生体内撮像を提供し、時系列の生体内画像を提供し得る。撮像対象の領域は、被検体の肺の少なくとも一部を含み得る。
【0047】
また、被検体の身体の所定の領域の時系列の画像を取得する方法もここに開示される。方法は、撮像装置を提供するステップであって、少なくとも3台のエネルギー源と、エネルギー源と検出器の間に位置する被検体の身体の当該領域を通過する少なくとも3台のエネルギー源からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器と、エネルギー源及び検出器を動作させて被検体の身体の当該領域の時系列の画像を取得するように構成されたコントローラと、を含む撮像装置を提供するステップを含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器が第1の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器が第2の平面内で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされる。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体の当該領域を通って交差する。方法は、被検体の身体の当該領域の時系列の画像を取得するようにコントローラを動作させるステップも含む。方法は、被検体の身体の当該領域の時系列の生体内撮像を提供し、時系列の生体内画像を取得し得る。撮像対象の領域は、被検体の肺の少なくとも一部を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】被検体の身体の所定領域を撮像するシステムの斜視図であり、システムは共通の平面に位置決めされてスキャン中にトレイ上に仰臥位で配置される被検体の身体の周りの共通の弧に配置された3台のエネルギー源及び3台の検出器を含む。
【
図2】共通平面にあり、被検体の身体の周りの共通の弧上に配置された3台のエネルギー源を示し、明瞭化のために検出器を省略した
図1のシステムの平面図である。
【
図3】本発明の一部の実施形態に係る撮像装置の平面図であり、略三角形状又はL形状構成で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされた3台のエネルギー源を示し、被検体の身体は仰臥位で配向され、検出器は明瞭化のために省略されている。
【
図4】本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置の平面図であり、略T形状構成で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされた4台のエネルギー源を示し、被検体の身体は仰臥位で配向され、検出器は明瞭化のために省略されている。
【
図5】本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置の斜視図であり、略菱形状構成で被検体の身体の周りに各々空間的に位置決めされた4台のエネルギー源及び4台の検出器を示し、被検体の身体はスキャナ内において直立起立位置に配向される。
【
図6】本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置の斜視図であり、略四角形状構成で被検体の身体の周りに各々空間的に位置決めされた4台のエネルギー源及び4台の検出器を示し、被検体の身体はスキャナ内において直立起立位置に配向される。
【
図7】本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置の斜視図であり、破線で示す撮像装置の例示的なエネルギー源ユニット内に位置決めされた4台のエネルギー源及び例示的な検出器ユニット内に位置決めされた4台の検出器を示し、4台のエネルギー源及び4台の検出器は各々が略菱形状構成で被検体の身体の周りに空間的に位置決めされ、被検体の身体はスキャナ内において直立着席位置に配向される。
【
図8】明瞭化のために例示的な検出器ユニット及びエネルギー源ユニットを除外した、
図7の撮像装置の斜視図である。
【
図9】明瞭化のために例示的な検出器ユニット及びエネルギー源ユニットを除外した、
図7の撮像装置の平面図である。
【
図10】本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置の斜視図であり、検出器の2台がそれぞれのエネルギー源に対して傾斜され、相互に対して同一平面内で鉛直方向に配向されることを除き、
図7と同様の配置構成を示す。
【
図11】明瞭化のために例示的な検出器ユニット及びエネルギー源ユニットを除外した、
図10の撮像装置の斜視図である。
【
図12】明瞭化のために例示的な検出器ユニット及びエネルギー源ユニットを除外した、
図10の撮像装置の平面図である。
【
図13】本発明の一部の実施形態に係る
図7~12の撮像装置の例示的な検出器ユニット及びエネルギー源ユニットの構成要素を示す概略図である。
【
図14】本発明の一部の実施形態に係る撮像方法におけるステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
添付図面を参照して本発明をより詳細にここに説明する。図面では、同様の構成は同様の符号によって示される。図示する実施形態は例示にすぎず、以降の特許請求の範囲において規定される発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではないことが理解されるべきである。
【0050】
図面を参照して本発明の実施形態をここに記載する。図面は寸法通りではなく、単に本発明の説明を補助するものである。ここでの被検体との文言は、人間若しくは動物の被検者/被検体、又は医療手順が施され並びに/又は疾患若しくは障害のスクリーニング、モニタリング及び/若しくは診断が行われる人間若しくは動物の患者を含み得る。動物の患者に関して、本発明の実施形態は、獣医学的用途にも適し得る。被検者/被検体及び患者という用語同士、並びに撮像装置及びスキャナという用語同士は、それぞれ説明全体を通じて互換可能に使用され、本発明の実施形態の同じ構成を示すものとして理解されるべきである。ここでは、被検体の身体を通る横断面又は水平面、矢状面又は鉛直面、及び冠状面又は前頭面を含む被検体の身体の解剖学的平面も参照される。
【0051】
本発明の実施形態は、被検体の身体の所定領域の生体内画像を取得するための、及び被検体の身体を通る異なる視点又は撮像角度から複数の画像を取得するための撮像装置及び方法に向けられる。理想的には、異なる視点又は撮像角度からの複数の画像は、同時に又は実質的に同時に取得され得る。好ましくは、撮像対象の領域は、被検体の一方若しくは両方の肺又は被検体の肺の一部を含む。あるいは、撮像対象の領域は、被検体の心臓又は脳の一部又は全体を含み得る。当業者には分かるように、被検体の身体の呼吸又は他の生理学的過程中の動作、位置及び/又はサイズの変化を含む動的な生体内変化が検出可能なものなど、被検体の身体の他の臓器又は領域も機能的イメージングに適し得る。
【0052】
取得画像は、理想的には、出願人Monash Universityによる2010年9月16日出願の国際出願第PCT/AU2010/001199号及び2011年3月24日公開の国際公開第2011/032210号並びに出願人4Dx Pty Ltd,による2015年4月14日出願の国際出願第PCT/AU2015/000219号及び2015年10月22日公開の国際公開第2015/157799号に記載される技術によるXV処理に適したタイプのものであり、上記両文献の開示全体は参照によりここに取り込まれる。したがって、取得画像は、好ましくは被撮像領域の3空間寸法を経時的に示す被撮像領域の3次元動作フィールドを与えるように、それらの開示に記載されるXV技術を用いて処理され得る。これにより、肺のイメージングの背景において、肺の動作が呼吸サイクル全体を通じて測定可能となり、微細な空間的及び時間的詳細において肺内の各領域における肺機能の評価が可能となる。同様の画像は、心臓若しくは脳、又は動的な生体内変化が検出可能な他の臓器若しくは領域を含む被検体の身体の他の領域について取得され得る。
【0053】
撮像装置は、X線の使用を伴わない他の撮像方法とともに、X線画像技術に適し得る。特に、撮像装置及び方法は、X線イメージング、超音波イメージング及び磁気共鳴イメージング(MRI)のうちの1以上のために構成され得る。撮像装置及び関連する方法は、静止又は動的X線イメージング技術での使用のために構成され得る。動的X線イメージング技術は、透視イメージング及び/又はコンピュータ断層X線速度(CTXV)イメージングを含み得る。撮像装置100及び方法300は、好ましくは透視イメージングのために構成される。透視法も用いるCTXVイメージング技術は、前述した国際公開第2011/032210号及び2015/157799号に、より詳細に記載されている。
【0054】
本発明の実施形態は、
図3~13の実施形態に示すように、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を取得するための発明の撮像装置100に向けられる。撮像装置100は、少なくとも3台のエネルギー源110(110A、110Bとして示す)及びエネルギー源110と検出器120の間に位置する被検体の身体210の領域230を通過する少なくとも3台のエネルギー源110からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器(120A、120Bで示す)を含む。少なくとも2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aは、第1の平面内に被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされ、少なくとも1対のエネルギー源及び検出器110B、120Bは、第2の平面内に被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体210の領域230を通って交差する(
図5も参照)。撮像装置100はまた、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を取得するエネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bを動作させるように構成されたコントローラ140を含む。
【0055】
本発明の実施形態では、エネルギー源110及び検出器120は、撮像装置100内の固定位置を採用してスキャン中に静止する。エネルギー源110及び検出器120の空間的配置構成は、
図3~12の実施形態に関して説明するように、本発明の重要な側面である。その空間的配置構成によって、撮像中にエネルギー源110及び検出器120を被検体200の周りに回転させることを要さずに、複数の画像が取得可能となる。またさらに、その空間的配置構成によって、画像品質を損なうことなく、よりコンパクトなスキャナが提供可能となる。
【0056】
好ましくは、撮像対象の領域230は被検体200の肺の少なくとも一部を含み、撮像の継続時間は被検体の1回の呼吸に基づいていてもよい。望ましくは、撮像装置100は、被検体200の一部又は1回の呼吸の複数の時系列の画像が取得されるのを可能とする。これは、完全な呼吸について吸気、呼気又は吸気及び呼気の両方を含み得る。好ましくは、撮像装置100によって、複数の時系列の被検体200の完全な1回の呼吸が取得可能となる。
【0057】
一部の実施形態では、コントローラ140は、被検体の身体210の領域230を通る少なくとも3個の撮像角度を用いて画像を取得するように構成される。少なくとも2つの撮像角度は被検体の身体210を通る第1の平面に設けられ、少なくとも1つの撮像角度は被検体の身体210を通る第2の平面に設けられ得る。少なくとも3個の撮像角度を与えるエネルギー源及び検出器の対の空間的配置構成及び位置決めは、
図3の実施形態に関連して、より詳細を後述する。
図4~12の実施形態では、コントローラ140は、少なくとも2つの撮像角度が被検体の身体210を通る第1及び第2の平面の各々に設けられた状態で、被検体の身体210の領域230を通る少なくとも4個の撮像角度を用いて画像を取得するように構成される。
【0058】
本発明の実施形態は、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を有利に取得する。本発明の実施形態は、少なくとも3対のエネルギー源110及び検出器120(
図3参照)又は好ましくは4対のエネルギー源110及び検出器120(
図4~12参照)を含む。これにより、スキャン中に少なくとも3個、好ましくは4個の時系列の生体内画像が取得可能となる。複数の角度から時系列の画像を取得することによって、被検体の身体210の動的な撮像を提供することが可能となる。特に、本発明の実施形態は、当業者には分かるように、被検体の身体210の呼吸又は他の生理学的過程中に、臓器又は身体の領域の動作、位置及び/又はサイズの変化を含む動的な生体内変化が検出可能なものなど、機能的イメージングに適し得る。これは、XV技術を用いる発明の方法300及び取得画像の処理との関係において、より詳細に後述される。
【0059】
有利なことに、本発明の実施形態は、少なくとも2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aを有する第1の平面に対して所定角度でオフセットされた第2の平面内に、被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされた少なくとも1対のエネルギー源及び検出器110B、120Bを設ける。他方のエネルギー源及び検出器110A、120Aに対して第2の平面内にオフセットされた少なくとも1対のエネルギー源及び検出器110B、120Bを設けることによって、エネルギー源及び検出器が、
図1及び2に示すようなシステム10の共通の弧14上の同一平面内ではなく、より相互に近接して配置可能となるので、発明の撮像装置100をよりコンパクトにすることができる。発明の撮像装置100はよりコンパクトであるが、それでも装置(撮像装置)100は、被検体の身体210の領域230を通る異なる視点又は撮像角度から複数の画像が取得される状態で、XV技術による使用に適した画像を取得し、任意選択的にX線の使用を低減し及び/又はスキャン品質を高める。理想的には、異なる視点又は撮像角度からの複数の画像は、エネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bの空間的配置構成に起因して同時に又は実質的に同時に取得され得る。
【0060】
医療用スキャナにおける残余の対のエネルギー源及び検出器に対する異なる平面においてオフセットされた少なくとも1対のエネルギー源及び検出器を設けることは、これまで考えられてこなかった。この配置構成は、
図1及び2に示すシステム10又は他の標準的なCTスキャナ若しくはCTXV技術を採用するものから見ると、常識に反するものと考えられるはずである。当業者であれば、患者身体の180度(又は
図1及び2に示すように任意選択的に360度)の角度にわたって周方向に検出器及びエネルギー源を等間隔とすることによって、動的な生体内撮像能力を提供するのに最適な画像取得が得られるものと理解するはずである。そのため、当業者は、エネルギー源及び検出器の間隔をより小さな角度とすれば撮像データは不十分となると考えるはずである。またさらに、当業者であれば、撮像データを処理するための修正済みソフトウェアがエネルギー源及び検出器のこの発明の配置構成には必要となることも理解するはずであり、そのため、この配置構成の追求をあきらめてしまう。
【0061】
図3は、発明の一部の実施形態に係る撮像装置100を示す平面図であり、トレイ又はベッド106上に仰臥位で配向された被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる3台のエネルギー源110A、110Bを含む。対応する検出器は、明瞭化のためにこの図面からは省略されているが、被検体の身体210の下部のトレイ(ベッド)106の背後に位置することになる。不規則形状を含む他の構成も可能であるが、3台のエネルギー源110A、110Bは、略三角形状又はL形状構成に位置決めされる。2台のエネルギー源110Aが、被検体の身体210を通る第1の平面内の共通の第1の弧102上に配置される。好ましくは、第1の平面は、
図3に示すように、被検体の身体210を通る横断面又は水平面である。エネルギー源110Bは、被検体の身体210の第2の平面において第2の弧104上に配置される。エネルギー源110Bの上方に位置決めされる中央のエネルギー源110Aは第1の弧102及び第2の弧104の双方上に配置され、結果として第1及び第2の平面の双方内に位置決めされる。好ましくは、第2の平面は、
図3に示すように、被検体の身体210を通る矢状面又は鉛直面である。同様の配置構成が、対応する検出器120A、120Bによって与えられる(不図示、例えば、
図5参照)。
【0062】
この実施形態では、コントローラ140は、被検体の身体210の領域230を通る3個の撮像角度又は視点を用いて画像を取得するように構成され得る。撮像角度は、被検体の身体210の周りのエネルギー源及び検出器の対の空間的位置決めによって規定され得る。2つの撮像角度が、第1の弧102上に配置される2対のエネルギー源及び検出器110A、120A(検出器は不図示)の提供によって被検体の身体210を通る第1の平面内に設けられ得る。またさらに、1つの追加の撮像角度が、第2の弧104上に配置される1対のエネルギー源及び検出器110B、120B(検出器は不図示)の提供によって被検体の身体210を通る第2の平面内に設けられ得る。撮像角度は、エネルギー源110と対応する検出器120とを結ぶ撮像又は投影線によって規定され得る。この線は、
図5~12の実施形態における撮像ビーム116によって示すように(例えば、
図1及び2の撮像ビーム16も参照)、撮像対象の被検体の身体210の領域230を通過する。
【0063】
2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aを結ぶ、被検体の身体210を通る撮像線によって規定される第1の平面内の2つの撮像角度は、好ましくは、約45~90度の範囲で離間され得る。好ましくは、2つの撮像角度は、約45~70度又は約70~90度、すなわち、約45~60度、約60~70度、約70~80度又は約80~90度の範囲で離間される。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度であり得る。好ましくは、間隔は、約80度である。ただし、他の実施形態では、間隔は、第1の平面内の2対のエネルギー源及び検出器の空間的位置決めに応じて、好ましくは約60度となり得る。
【0064】
第1の平面内の2台のエネルギー源110A及び2台の検出器120A(不図示)の各々は、第1の平面内の各共通の弧上に配置されてもよく、その弧は同じ共通の弧、すなわち、
図3に示す第1の弧102であり得る。同様に、第2の平面内の2台のエネルギー源110A(中央のエネルギー源)、110B及び2台の検出器120A、120B(不図示)の各々は、第2の平面内の各共通の弧上に配置されてもよく、その弧は同じ共通の弧、すなわち、
図3に示す第2の弧104であり得る。したがって、この実施形態では、被検体200は、撮像装置100内で中央に、かつエネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bの各々から等距離に位置決めされ得る。
【0065】
図3の撮像処理は、4台のエネルギー源110A、110B及び4台の検出器120A、120Bを含む
図5~12の実施形態によって明示される。各エネルギー源110A、110Bは、撮像対象の領域230を通過する撮像ビーム116を生成し、対応する検出器120A、120Bによって投影像が取得される。各エネルギー源110A、110Bは、異なる角度又は視点からではあるが全てのエネルギー源110A、110Bによって撮像されている着目領域である同じ体積部を通じて撮像ビーム116が受信されるように、撮像対象の領域230に向かって傾斜される。
【0066】
図3~9の実施形態では、エネルギー源110A、110Bは撮像対象の領域230に向かって傾斜され、対応する検出器120A、120Bは、画像を取得するために、それぞれのエネルギー源110A、110Bに向かって傾斜される。検出器120A、120Bの各々は、それぞれのエネルギー源110A、110Bと実質的に整列され、実際には、それぞれのエネルギー源110A、110Bに直接対向する。検出器120A、120Bは、それぞれのエネルギー源110A、110Bによって生成される撮像ビーム116が検出器120A、120Bに略直角となるように、それぞれのエネルギー源に実質的に整列される。
【0067】
一方、
図10~12の実施形態は、2台の検出器120Bがそれぞれのエネルギー源110Bに対して傾斜した代替の配置構成を示す。検出器120Bは、それぞれのエネルギー源110Bに間接的に対向し得る。検出器120Bは、エネルギー源110Bによって生成される撮像ビーム116が検出器120Bと実質的に直交しないように傾斜され得る。またさらに、検出器120Bは、(
図12に示す弧103上の検出器120Aとは異なり)第2の平面内で共通の弧上に配置されない。ただし、エネルギー源110A、110Bの全ては、共通の弧102又は104上に配置される。それでもなお、2台の検出器120Bは、それぞれのエネルギー源110Bからの領域230を通過する撮像ビーム116を依然として受けるように、それぞれのエネルギー源110Bに対して空間的に位置決め及び傾斜される。
【0068】
ここで、発明の撮像装置100のエネルギー源110及び検出器120の空間的配置構成の種々の実施形態を、
図4~12に関してより詳細に説明する。
【0069】
図4は、本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置100を示す平面図であり、トレイ又はベッド106上に仰臥位で配向された被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる4台のエネルギー源110A、110Bを含む。対応する検出器は、明瞭化のためにこの図面からは省略されているが、被検体の身体210の下部のトレイ106の背後に位置することになる。4台のエネルギー源110A、110Bは、略T形状構成に位置決めされる。3台のエネルギー源110Aが、被検体の身体210を通る第1の平面内の共通の第1の弧102上に配置される。好ましくは、第1の平面は、
図4に示すように、被検体の身体210の横断面又は水平面である。エネルギー源110Bは、被検体の身体210の第2の平面内に第2の弧104上に配置される。第1の弧102上の中央のエネルギー源110Aも第2の弧104上に位置決めされ、結果として第1及び第2の平面の双方内に設けられる。好ましくは、第2の平面は、
図4に示すように、被検体の身体210を通る矢状面又は鉛直面である。同様の配置構成が、対応する検出器120A、120B(不図示、例えば、
図5参照)によって与えられてもよい。
【0070】
この実施形態では、コントローラ140は、被検体の身体210の領域230を通る4個の撮像角度又は視点を用いて画像を取得するように構成され得る。撮像角度は、被検体の身体210の周りのエネルギー源及び検出器の対の空間的位置決めによって規定され得る。3個の撮像角度が、第1の弧102上に配置される3対のエネルギー源及び検出器110A、120A(検出器は不図示)の提供によって被検体の身体210を通る第1の平面内に設けられ得る。またさらに、1つの追加の撮像角度が、第2の弧104上に配置される1対のエネルギー源及び検出器110B、120B(検出器は不図示)の提供によって被検体の身体210を通る第2の平面内に設けられ得る。撮像角度は、エネルギー源110と検出器120とを結ぶ撮像又は投影線によって規定され得る。この線は、
図5~12の実施形態における撮像ライン(撮像ビーム)116によって示すように、撮像対象の被検体の身体210の領域230を通過する。
【0071】
3対のエネルギー源及び検出器110A、120Aを結ぶ、被検体の身体210を通る撮像線によって規定される第1の平面内の3個の撮像角度は、好ましくは、約45~90度の範囲で各々離間され得る。好ましくは、3個の撮像角度は、約45~70度又は約70~90度、すなわち、約45~60度、約60~70度、約70~80度又は約80~90度の範囲で各々離間される。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度であり得る。好ましくは、間隔は、約80度である。ただし、他の実施形態では、間隔は、第1の平面内の3対のエネルギー源及び検出器の空間的位置決めに応じて、好ましくは約60度となり得る。
【0072】
第1の平面内の3台のエネルギー源110A及び3台の検出器120A(不図示)の各々は、第1の平面内の各共通の弧上に配置されてもよく、その弧は同じ共通の弧、すなわち、
図4に示す第1の弧102であり得る。同様に、第2の平面内の2台のエネルギー源110A(中央のエネルギー源)、110B及び2台の検出器120A、120B(不図示)の各々は、第2の平面内の各共通の弧上に配置されてもよく、その弧は同じ共通の弧、すなわち、
図4に示す第2の弧104であり得る。したがって、この実施形態では、及び
図3と同様に、被検体200は、撮像装置100内で中央に、かつエネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bの各々から等距離に位置決めされ得る。検出器120A、120Bは、この実施形態ではそれぞれのエネルギー源110A、110Bに対して実質的に整列され、それぞれのエネルギー源110A、110Bによって生成される撮像ビーム116に垂直に位置決めされる。ただし、検出器120A、120Bは、実質的に整列されていなくてもよく、その代わりに、
図10~12に関連して説明するように、それぞれのエネルギー源110A、110Bに対して傾斜していてもよい。
【0073】
図3及び4の実施形態では、第2の平面は、第1及び第2の弧102及び104が相互に対して90度となりかつ1台のエネルギー源110Bが第2の弧104上の中央のエネルギー源110Aの下方に整列されるように、第1の平面に垂直となる。ただし、他の実施形態では、第2の平面は、第1の平面に対して約70~90度の範囲内の角度でオフセットされ得る。好ましくは、オフセット角は、約80度である。したがって、エネルギー源110Bは、被検体の身体を通る鉛直面若しくは矢状面の左側若しくは右側に約20度、又は好ましくは鉛直面若しくは矢状面の左側若しくは右側に約10度の角度で中央のエネルギー源110Aに対して傾斜され得る。
図3の3台のエネルギー源110A、110B(及び不図示の3台の検出器120A、120B)は、厳密なL形状構成を形成しなくてもよく、その代わりに、中央のエネルギー源110Aに対するエネルギー源110Bの傾斜に起因して略L形状構成を形成していてもよい。同様に、
図4の4台のエネルギー源110A、110B(及び不図示の4台の検出器120A、120B)は、「T」の鉛直線が「T」の水平線に対して傾斜され得るため、厳密なT形状構成を形成しなくてもよく、その代わりに、中央のエネルギー源110Aに対するエネルギー源110Bの傾斜に起因して略T形状構成を形成してもよい。
【0074】
他の実施形態では、エネルギー源110Bは、
図3及び4の実施形態において第2の弧104(不図示)上の中央のエネルギー源110Aの上方に整列され得る。
図4との関連では、エネルギー源110A、110B及び検出器(不図示)は、逆T形状構成を形成し得る。
図3及び4のエネルギー源110Bは、被検体の身体を通る鉛直面若しくは矢状面の左側若しくは右側に約20度、又は好ましくは鉛直面若しくは矢状面の左側若しくは右側に約10度の角度で中央のエネルギー源110Aに対して傾斜され得る。したがって、4台のエネルギー源110は、エネルギー源110Bの傾斜に起因して、厳密な逆T形状構成を形成しなくてもよい。個々のエネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bの角度を変化させることによって、後述するように不規則又は非対称形状を含む種々の形状の構成が生成され得る。
【0075】
図3には不図示であるが、3台の対応する検出器も撮像装置100内に設けられることになり、3台の検出器は略三角形状又はL形状構成を形成する。同様に、
図4には不図示であるが、4台の対応する検出器も撮像装置100内に設けられることになり、4台の検出器も略T形状又は逆L形状構成を形成し得る。
【0076】
図3及び4は第1の平面に対する第2の平面の角度が約90度(及び好ましくは約70~約90度の間)のオフセット角を示すが、本発明の実施形態はこれらの角度に限定されない。第2の平面は、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度の角度でオフセットされ得る。第2の平面は、第1の平面に対して約70~80度又は約80~90度の角度でオフセットされ得る。第2の平面は、第1の平面に対して約80度の角度でオフセットされ得る。
【0077】
第1の弧102上のエネルギー源110Aは、被検体の身体210の周りに周方向に180度まで、さらに離間されてもよい。代替の配置構成では、エネルギー源110A同士は、1台のエネルギー源110Aが被検体の身体210の背後に配置され、対応する検出器120Aが被検体の身体210の正面に配置されるように、180度を超えて離間されてもよい。ただし、エネルギー源110A、110Bは、よりコンパクトなスキャナ(撮像装置)100を提供するために、近接して位置決めされる。またさらに、エネルギー源110A、110Bの構成は、検出器120(不図示)の対応する配置構成にも反映される。これにより、検出器120はまた、よりコンパクトなスキャナ100を提供するために、理想的には近接して位置決めされる。これは、
図7、10及び13に関して図示及び記載するように、例示的なエネルギー源ユニット112及び検出器ユニット122に関連して、より詳細に説明する。
【0078】
図5は、本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置100の斜視図であり、菱形状構成で被検体の身体210の周りに各々空間的に位置決めされた4台のエネルギー源110(110A、110Bとして示す)及び4台の検出器120(120A、120Bとして示す)を示し、被検体の身体210はスキャナ内において直立起立位置に配向される。撮像装置100は、2対のエネルギー源及び検出器110A、120A及び2対のエネルギー源及び検出器110B、120Bを含む。2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aは被検体の身体210の周りに第1の平面内で空間的に位置決めされる。第1の平面は、好ましくは、
図5に示すように、被検体の身体210を通る横断面又は水平面である。2対のエネルギー源及び検出器110B、120Bは被検体の身体210の周りに第2の平面内で空間的に位置決めされる。第2の平面は、好ましくは、被検体の身体210を通る矢状面又は垂直面である。
図5に示すように、それぞれのエネルギー源と検出器の対間の撮像ビーム116の交点によって示すように、第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体210の領域230を通って交差する。
【0079】
この実施形態では、コントローラ140は、被検体の身体210の領域230を通る4個の撮像角度又は視点を用いて画像を取得するように構成され得る。2つの撮像角度が、2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aの提供によって被検体の身体210を通る第1の平面内に設けられ得る。またさらに、2つの撮像角度が、2対のエネルギー源及び検出器110B、120Bの提供によって被検体の身体210を通る第2の平面内に設けられ得る。撮像角度は、エネルギー源110と検出器120とを結ぶ撮像又は投影線によって規定され得る。この線は、撮像ビーム116によって示すように、撮像対象の被検体の身体210の領域230を通過する。
【0080】
4台のエネルギー源及び4台の検出器を含む
図5~12に示す実施形態では、エネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bは、
図3及び4の実施形態とは異なり、第1及び第2の平面内で同じ共通の弧102、104上には設けられない。これは、
図3及び4の撮像装置100は被検体200がエネルギー源110と検出器120の間で中心に位置することを可能とする一方で、
図5~12の撮像装置100は被検体200をエネルギー源110よりも検出器120に対して近い位置においてエネルギー源110と検出器120の間に収容するように構成されるためである。
【0081】
図5~12に示すように、エネルギー源110Aの対は第1の弧102上に設けられ、エネルギー源110Bの対は第2の弧104上に設けられ得る。ただし、対応する検出器120A、120Bの対は、第1及び第2の弧102、104のものとは異なる共通の弧上に設けられ得る。これは、
図7の撮像装置100の配置構成の平面図を示す
図9の実施形態において最もよく分かる。検出器120Aの対は共通の弧103上に設けられ、検出器120Bの対は他の共通の弧(不図示)上に設けられ得る。エネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bが異なる共通の弧上に配置される場合、エネルギー源が配置される共通の弧102、104の長さは、好ましくは、検出器が配置される共通の弧よりも長い(弧103を参照、他の共通の弧は不図示)。したがって、
図5~12の実施形態では、被検体200は、撮像装置100内のエネルギー源110A、110Bよりも検出器120A、120Bに対して近接して配置され得る。これについては、
図9~12に関連して、より詳細に説明する。
【0082】
とりわけ、エネルギー源及び検出器は、当業者には分かるように、そしてここに記載する本発明の実施形態から見て、必ずしも第1及び第2の平面内で共通の弧102、104上に設けられなくてもよく、任意選択的には、被検体の身体210の周りに第1及び第2の平面内に整列されなくてもよい。
【0083】
図5の実施形態では、第1の平面内における2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aは、約80度の角度で周方向に離間される撮像角度を与える。またさらに、図示するように、第2の平面内における2対のエネルギー源及び検出器110B、120Bは、約60度の角度で周方向に離間される撮像角度を与える。
【0084】
図5は菱形状構成のエネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bを示し、菱形は第1及び第2の平面の交点における撮像対象の被検体の身体210の領域230の中心にある加算記号、すなわち「+」記号の形態である。エネルギー源110A、110Bによって生成される撮像ビーム116は、1つの交点P(
図9及び12も参照)を含み得る交差領域142を通って交差する。撮像装置100の交差領域142は、撮像対象の被検体の身体210の領域230に対応することになる。交差領域142及び交点Pの配置は、
図9~12に関して説明するように、撮像装置100において被検体200の所望の位置決めに基づいて選択可能なエネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bの空間的配置構成に応じる。
【0085】
第1の平面は水平面又は横断面であり、第2の平面は
図5に示す直立起立位置に位置する被検体の身体210の鉛直面又は矢状面にあり得る。エネルギー源110Aは、第2の弧104との第1の弧102の交点の左側又は右側に約40度で周方向に離間され得る。またさらに、エネルギー源110Bは、第1の弧102との第2の弧104の交点の上方又は下方に約30度で周方向に離間され得る。同様の周方向間隔が、第1及び第2の平面内にそれぞれの共通の弧上に検出器120A、120Bに対して設けられ得る(例えば、
図9及び12における検出器120Aに対する共通の弧103参照)。
【0086】
図5はエネルギー源及び検出器の対によって設けられた撮像角度又は視点間の約60及び80度の角度を図示するが、本発明の実施形態はこれらの角度には限定されず、平面内で弧上において周方向の離間を与えることにも限定されない。撮像角度は、被検体の身体210の周りに周方向に180度まで、さらに離間され得る。ただし、エネルギー源110A、110Bは、よりコンパクトなスキャナ100を提供するために、近接して位置決めされる。またさらに、エネルギー源110A、110Bの構成は、領域230を通る撮像ビーム116によって示すように、検出器120A、120Bの対応する配置構成にも反映される。これにより、検出器120A、120Bは、よりコンパクトなスキャナ100を提供するために、理想的には近接して位置決めされる。これは、
図7、10及び13に関して図示及び記載するように、例示的なエネルギー源ユニット112及び検出器ユニット122に関連して、より詳細に説明する。
【0087】
一部の実施形態では、第1の平面内のエネルギー源及び検出器110A、120Aの対によって与えられる撮像角度は、約45~90度の範囲で離間され、好ましくは、
図5に示す菱形状構成において約80度離間され得る。不図示であるが、追加のエネルギー源及び検出器が設けられる矩形状構成又は楕円若しくは長円形状構成などの他の種々の構成のエネルギー源及び検出器が設けられてもよい。またさらに、不規則形状構成が、設けられてもよい。
【0088】
図5の菱形状構成では、エネルギー源及び検出器110A、120Aの対によって与えられる2つの撮像角度は、第1の平面内で、約45~70度又は約70~90度、すなわち、約45~60度、約60~70度、約70~80度又は約80~90度の範囲で離間され得る。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度、約70度、約75度、約80度、約85度又は約90度であり得る。ただし、好ましくは、間隔は、菱形状構成については
図5に示すように約80度である。
【0089】
またさらに、エネルギー源及び検出器110B、120Bの対によって与えられる2つの撮像角度は、第2の平面内で、約45~70度の範囲で離間される。好ましくは、間隔は、約45~60度又は約60~70度の範囲である。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度又は約70度であり得る。好ましくは、間隔は、菱形状構成については
図5に示すように約60度である。
【0090】
図6は、本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置100の斜視図であり、四角形状構成で被検体の身体210の周りに各々空間的に位置決めされた4台のエネルギー源110(110A、110Bとして示す)及び4台の検出器120(120A、120Bとして示す)を示し、被検体の身体210はスキャナ100内において直立起立位置に配向される。2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aは第1の平面内で被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされ、2対のエネルギー源及び検出器110B、120Bは第2の平面内で被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる。第1及び第2の平面は、被検体の身体210の矢状面又は鉛直面に対して傾斜される。第2の平面は、被検体の足付近にエネルギー源110Aとエネルギー源110Bの間隔の間に示すように、第1の平面に対して54度の角度でオフセットされる。
【0091】
図6の四角形状構成に関連して、4個の撮像角度は、図示するように第1及び第2の平面内で約45~70度の範囲で、好ましくは約54度で離間されたエネルギー源及び検出器110A、110B及び120A、120Bの対によって与えられ得る。好ましくは、間隔は、約45~60度又は約60~70度の範囲で離間される。間隔は、約45度、約50度、約55度、約60度、約65度又は約70度であり得る。好ましくは、間隔は約60度であり、より好ましくは四角形状構成において
図6に示すように約54度である。
【0092】
図7~9を参照すると、本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置100が示され、撮像装置100の例示的なエネルギー源ユニット112内で位置決めされる4台のエネルギー源110(110A、110Bとして示す)及び例示的な検出器ユニット122内で位置決めされる4台の検出器120(120A、120Bとして示す)を示す。エネルギー源ユニット112及び検出器ユニット122は破線で示され、これはスキャナ100におけるこれらのユニットの形状及び位置の例示的実施形態にすぎないことを示している。4台のエネルギー源110及び4台の検出器120の各々は、
図5の実施形態との関連で説明したように菱形状構成において被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる。ただし、ここでは、被検体の身体210は、シート又は椅子124を検出器ユニット122の一部として含むスキャナ100内で直立着席位置に配向される。
図8は、明瞭化のためにエネルギー源ユニット112及び検出器ユニット122を除外しているが、
図7と同じ撮像装置100を示す。撮像角度並びに/又はエネルギー源110の間及び/若しくは検出器120の間の角度は、
図5の実施形態の関連で説明した菱形状構成のものと実質的に同様であり得る。
【0093】
図7において分かるように、撮像装置100は、直立配向の被検体200をエネルギー源110と検出器120の間に収容するように構成される。被検体200は、画像取得のために検出器ユニット122のシート(椅子)124上に位置決めされ得る。代替の実施形態では、シート124は除外されてもよく、健常な被検体200はスキャナ100内に歩いて入ることができ、画像取得のためにエネルギー源ユニット112と検出器ユニット122の間で自身を起立位置に位置決めし得る。一部の実施形態では、エネルギー源110は患者の脊椎に対して約1200mm離間され、一方で検出器120は患者の脊椎に対して約400mm離間される。これは、被検体200がスキャナ100内に歩いて入り及び/又は位置決めされるのに充分な少なくとも1000mmの隙間をエネルギー源ユニット112と検出器ユニット122の間に与える。
【0094】
図9は、明瞭化のためにエネルギー源ユニット112及び検出器ユニット122を除外した、
図7の撮像装置100の平面図を示す。
図9は、エネルギー源110A、110Bによって生成された撮像ビーム116が、単一の交点Pを含み得る交差領域142を通じて交差することを示す。撮像装置100の交差領域142は、撮像対象の被検体の身体210の領域230に対応することになる。交点Pは、エネルギー源110A、110B及び検出器120A、120Bの各々から等距離ではない。
図5~12の実施形態では、(交点Pがエネルギー源及び検出器から等距離となる
図3及び4との比較において)交点Pはエネルギー源110A、110Bよりも検出器120A、120Bの近くに位置する。交点Pから検出器120Aの対が位置する共通の弧103までのR
Dで示す曲率半径は、約400mmであり、より詳細には約410mmとなり得る。交点Pからエネルギー源110Aの対が位置する第1の弧102までのR
Sで示す曲率半径は、約1200mmとなり得る。
【0095】
交差領域142を有すること、及びより具体的には交点Pがエネルギー源110A、110Bよりも検出器120A、120Bに近いことの有利な効果は、これが撮像装置100によって取得される画像の誇張を減少させることである。誇張は、撮像されている領域、例えば、被検体200の領域230にエネルギー源110A、110Bが近接しすぎて位置決めされる場合に起こり、撮影された画像は構造物のサイズ及び寸法を誇張する。本発明の実施形態では、撮像対象の領域230のより正確な表示を提供するために、誇張を減少させることが望ましいことがある。領域230が検出器120A、120Bにより近接して位置決めされることによって、より誇張されにくくなるので、前後方向(PA)投影ビームビューによって、特に被検体200の心臓又は肺など、撮像対象の領域230のより正確な表示が可能となる。当業者であれば、曲率半径RS及びRDは、半径RSが半径RDよりも大きいことが好ましいことには変わりないが撮像装置100の寸法に対して適宜変わり得ることが分かるはずである。
【0096】
図10~12は、本発明の一部の実施形態に係る他の撮像装置100を示し、2台の検出器120Bがそれぞれのエネルギー源110Bに対して傾斜したことを除いて、
図7~9と同様の配置構成を有する。2台の検出器120Bは、それぞれのエネルギー源110Bに間接的に対向し、エネルギー源110Bによって生成される撮像ビーム116が検出器120Bに実質的に垂直とならないように傾斜される。検出器120A及びそれぞれのエネルギー源110Aと同様に、2台の検出器120Bはそれぞれのエネルギー源110Bに向かって傾斜されるが、2台の検出器120Bは共通平面にあり、相互に対して鉛直方向に配向される。より具体的には、2台の検出器120Bは、撮像装置100内で相互に対して上下に位置決めされる。
【0097】
検出器120Bは、被検体の身体210を通る平面内で共通の弧上には設けられない。一方、
図12に示すように、エネルギー源110Aは被検体の身体210を介して第1の平面内で第1の弧102上に設けられ、エネルギー源110Bは被検体の身体210を介して第2の平面内で第2の弧104上に設けられ、検出器120Aは被検体の身体210を通る第2の平面内で異なる弧103上に設けられる。2対のエネルギー源及び検出器110A、120Aが第1の平面内に設けられ、2対のエネルギー源及び検出器110B、120Bが第2の平面内に設けられるが、検出器120Bは第2の平面内の共通の弧上には設けられない。
【0098】
図10~12の代替の配置構成の有利な効果は、2つの共通平面上の検出器120Bによって撮像装置100をよりコンパクトにすることができることである。したがって、共通の弧上に配置されない鉛直方向に配向された検出器120Bが
図7~9の配置構成よりも狭小となるため、検出器ユニット122はより狭くなり得る。したがって、より小型かつよりコンパクトであっても、被検体の身体210を通る異なる角度で複数の画像が取得可能となる撮像装置が、この発明の実施形態によって提供され得る。他の実施形態(不図示)では、2台の検出器120Aは、それぞれのエネルギー源110Aに対して傾斜され得る。2台の検出器120Aはそれぞれのエネルギー源110Aに間接的に対向し、エネルギー源110Aによって生成される撮像ビーム116が検出器120Aに実質的に垂直とならないように傾斜され得る。2台の検出器120Aは共通平面上にあり、相互に対して水平に配向され得る。一部の実施形態(不図示)では、検出器120A、120Bの全てが、それぞれのエネルギー源110A、110Bに向かって傾斜したまま画像を取得しつつ、相互に対して共通平面上にあってもよい。これは、有利なことに、検出器ユニット122の幅をさらに減少させ、それにより、よりコンパクトかつより小型の撮像装置100を提供する。
【0099】
有利なことに、発明の撮像装置100内でエネルギー源110及び検出器120の構成によって、取得中に部品(標準的なCTスキャナにおけるCアーム又はリングなど)を移動させることを要さずに複数の画像を同時に又は実質的に同時に取得することになるコンパクトな装置が製造可能となる。エネルギー源110及び検出器120は、標準的なCTスキャナとは異なり、スキャン中に静止し、撮像装置100内で位置固定される。エネルギー源110及び検出器120の構成はまた、ここに記載する種々の配置構成を通じた構成要素の緊密な位置決めを与えて、スキャナ本体内の3次元空間のより効率的な使用を可能とし得る。これは、例えば、
図1及び2のシステム10とは異なり、エネルギー源110及び検出器120の全体占有空間が少なくて済むためである。
【0100】
ここに記載する実施形態では、エネルギー源110の全てが、被検体の身体210の正面など、撮像装置100の一方側に配置され、検出器120の全てが、被検体の身体210の背後など、撮像装置100の反対側に配置されてもよく、これは
図7~12に示されている。
図7、10及び13に示すように、エネルギー源110はエネルギー源ユニット112として示す第1のハウジング内に全て配置され、検出器120は検出器ユニット122として示す第2のハウジング内に全て配置され得る。これにより、エネルギー源110及び検出器120が、実質的に180度未満の角度、約45~90度だけなどで被検体200の周りに周方向に延在して第1の平面内に撮像角度を与え得るため(
図5~12参照)、エネルギー源ユニット112と検出器ユニット122の間には、被検体200がスキャナ100に出入するためのより大きな空間が存在する。
【0101】
したがって、発明の撮像装置100は、取得のために部品を移動することなく、よりコンパクトなスキャナを提供するだけでなく、エネルギー源ユニット112と検出器ユニット122の間を歩いてスキャナ内で直立着席又は起立位置に位置決めされるなどして、スキャナ内で被検体200が容易に位置決めされることを可能とする。これにより、有利なことに、従来のスキャナ内での位置決めの問題及び/又は完遂されるべきスキャンのための指示に従うことができないために容易にはスキャンできない若年の幼児、高齢者及び言語、聴覚又は認知障害のある患者を含む種々の患者群に対する撮像装置100の利用が可能となる。
【0102】
肺の動的な生体内撮像との関連において、最も価値のある画像は、個々の肺が画像上で分離されて骨による遮蔽が最小なものを含む。したがって、最も撮像する価値のある角度は、肺は脊柱によって分離されているので、被検体の身体を通る矢状面又は鉛直面にある。撮像角度が患者の脊椎軸に対して増加すると、肺は約40度から、そして更なる角度の増加によって重なり始め、患者の脊椎及び腕も画像に含まれ得る。したがって、それらの画像を再構築して動的肺機能を示すために、充分な視界又は視点の画像を適切な分離で有することの必要なバランスがある。発明者らは、異なる平面上の少なくとも1台のエネルギー源及び少なくとも1台の検出器を残余のエネルギー源及び検出器に対して設けることによって、スキャナ内のエネルギー源及び検出器は相互に近接して位置決め可能となることを見出した。これにより、必要な空間を有利に減少させつつ、動的な生体内撮像のために充分な視点の画像が取得可能となる。
【0103】
図13は、本発明の一部の実施形態に係る撮像装置100の例示的なエネルギー源ユニット112及び検出器ユニット122の構成要素の概略図を示す。検出器ユニット122及びエネルギー源ユニット112を破線で示し、これが、当業者には理解され得るように変わり得る撮像装置100の構成要素及びシステムの例示的配置構成であることを示す。例えば、XV処理部186(任意選択的に検出器ユニット122に設けられる)は、エネルギー源ユニット112に配置されてもよい。あるいは、XV処理部186は、撮像装置100に含まれなくてもよく、画像データのオフボード処理のためのXV処理アプリケーションを有するクラウドベースのサーバを介して設けられてもよい。またさらに、一部の実施形態では、エネルギー源ユニット112の制御システム152、安全システム182、出力デバイス117及び通信システム188は、検出器ユニット122に配置されてもよい。
【0104】
本発明の実施形態の方法300(
図14参照)の特定のステップを実現するのに使用され、撮像装置100の機能において実行される
図13のプロセッサ150及びXV処理部186は、無線又は有線接続(不図示)を介するなどして装置100の構成要素又はコンピューティングサーバからデータを受信するように構成されたマイクロプロセッサを含み得る。コントローラ140は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及び/又は埋め込み型PCB(不図示)を含み得る。コントローラ140は、多数の予め規定されたプロトコル又はステップをハードドライブなどの不揮発性メモリに含み又は記憶し得る。プロトコルは、プロセッサ150及び186によって実行される方法300のための多数のステップを実現するように撮像装置100のオペレータによってプログラム可能であってもよいし、予め規定されてもよい。さらに/あるいは、コントローラ140並びにプロセッサ150及び186は、当業者には周知の他の任意の適宜のプロセッサ又はコントローラ装置を含んでいてもよい。プロセッサ150及び186によって実行されるステップは、当業者には理解され得るように様々な態様で、コントローラ140を通じて並びにさらにはソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアで実現されてもよい。
【0105】
図13はまた、図面を簡略化するために、撮像装置100の一部を構成することになる何らかの追加の構成要素及びシステムを除外している。例えば、撮像装置100は、画像データ及び以前に取得された患者データを含む種々のタイプのデータ、並びにより詳細を後述するような、画像取得処理ワークフロー及びXV処理を実行するためのソフトウェア命令を記憶するために1以上のメモリデバイス(不図示)を含み得る。
図13の概略図はまた、簡略化のために、種々の構成要素とシステムの間の内部バスラインの一部を省略している。除外された態様は、省略されたソフトウェア、ファームウェア及び/又はハードウェアを容易に提供することができる当業者によって容易に理解され得る。
【0106】
エネルギー源ユニット112は、撮像装置100のための電源184の一部を構成する1以上の電源発生装置114によって給電される1以上のエネルギー源110(理想的には、110A、110Bとして示される少なくとも3台のエネルギー源)を含む。コントローラ140及びプロセッサ150を有する制御システム152は、被検体の身体210の領域230をスキャンするための検出器ユニット122のエネルギー源110及び検出器120を動作させるように構成され得る。エネルギー源ユニット112は、制御システム152と通信状態にある安全システム182も含み得る。安全システム182は、撮像装置100のソフトウェア又はハードウェア構成要素の形態で緊急停止部180を含んでいてもよい。緊急停止部180は、被検体200(不図示)に隣接するエネルギー源ユニット112の表面に配置される。緊急停止部180は、緊急の場合に撮像装置100を電源オフするための押下型ボタン又はスイッチなどのアクチュエータを含み得る。緊急停止部180が作動されると、制御システム152のコントローラ140は、不注意による放射線又はエネルギーの発生を防止するために、エネルギー源110を介した画像の取得を停止させ、任意選択的に、電源184(不図示)を介する撮像装置100への電源を直接オフするように動作可能であってもよい。
【0107】
エネルギー源ユニット112は、
図13に示すように、ディスプレイ118及びスピーカ119を含み得る出力デバイス117も含み得る。ディスプレイ118は、スキャナ100内で位置決めされる場合に被検者の見通し線においてエネルギー源ユニット112(不図示)の表面に配置され得る。不図示であるが、撮像装置100は、エネルギー源ユニット112及び/又は検出器ユニット122において位置決めされたスピーカ119も含み得る。出力デバイス117は、通信が通信システム188を介して被検体200及び/又はオペレータ並びに撮像装置100との間で伝達可能となるように設けられる。例えば、制御システム152は、プロセッサ150を介して、指示を被検体200及び/又はオペレータに出力デバイス117を介して出力し得る。
【0108】
図13に示すように、検出器ユニット122は、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を取得するための制御システム152のコントローラ140によって動作可能な1以上の検出器120(好ましくは、少なくとも3台の検出器120A、120B)を含む。取得画像は、肺又は心臓などの被検体の身体210の領域230のXV3次元モーションフィールドを生成するために、前述したように、XV処理部186に対する入力として使用され得る。XV処理部186は、一部の実施形態では、代替的にサーバ又はクラウドベースのシステムを介してオフボードで与えられてもよい。
【0109】
図14は、本発明の一部の実施形態に係る、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を取得する方法300を示す。方法300は、少なくとも3台のエネルギー源(110A、110Bとして示す)及びエネルギー源110と検出器120の間に位置する被検体の身体210の領域230を通過する少なくとも3台のエネルギー源110からのエネルギーを検出するための少なくとも3台の検出器120(120A、120Bとして示す)を含む撮像装置100を提供するステップ302を含む。撮像装置100はまた、少なくとも3台のエネルギー源110及び少なくとも3台の検出器120を動作させて被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を取得するように構成されたコントローラ140を含む。方法はまた、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を取得するようにコントローラ140を動作させるステップ306を含む。
【0110】
撮像装置100は、ここに記載されるとともに
図3~13の実施形態に関連する1以上の特徴を含み得る。撮像装置100は、第1の平面内で被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる少なくとも2対のエネルギー源及び検出器110A、120A及び第2の平面内で被検体の身体210の周りに空間的に位置決めされる少なくとも1対のエネルギー源及び検出器110B、120Bを含む。第1の平面と第2の平面とは、撮像対象の被検体の身体の領域230を通って交差する。
【0111】
図14に示すように、方法300は、任意選択的に、画像を取得するようにコントローラ140を動作させる前に、撮像装置100内の被検体200をエネルギー源110と検出器120の間に直立配向で位置決めするステップ304を含む。例えば、被検体200は、
図5及び6の撮像装置100の実施形態に示すように、直立起立位置に位置決めされ得る。あるいは、被検体200は、
図7~12の実施形態に示すように、撮像装置100内において直立着席位置に位置決めされ得る。健常な患者(被検体)200については、彼らは単にエネルギー源110と検出器120の間の空間を歩いて入り、シート124に着席し、あるいは、画像取得のための起立又は直立位置に自身を位置決めし得る。車椅子又は制限された可動性の患者については、オペレータがシート124への移乗を補助してもよいし、放射線透過性背もたれを有する車椅子がスキャナ100内に設けられて位置決めされてもよい。このステップが完了した後、オペレータ又は通信システム188は、スキャンの推定継続時間を被検体200に助言することができる。
【0112】
一部の実施形態では、方法300はまた、
図14において破線に示すように、2つの任意選択的なステップ308及び310を含み得る。方法300は、被検体の身体210の領域230の時系列の生体内画像を検出器120の各々から同時に又は実質的に同時に取得するようにコントローラ140を動作させるステップを含み得る。コントローラ140は、被検体の身体210の領域230の少なくとも3個の時系列の生体内画像を取得するように構成される。ただし、撮像装置100が4台のエネルギー源110及び4台の検出器120を含む一部の実施形態では、コントローラは、被検体の身体210の領域230の4個の時系列の生体内画像を取得するように構成される。
【0113】
複数の時系列の画像が、有利には被検体200の呼吸の一部にわたって又は全呼吸にわたって同時に又は実質的に同時に撮像装置100及び方法300によって取得される。好ましくは、時系列の画像は、被検体200の完全な1回の呼吸にわたって取得される。複数回の呼吸の(異なる角度からの)単一の時系列を取得するのではなく、1回の呼吸の(異なる角度からの)複数の時系列を取得することで、被検体200が複数回の呼吸にわたって一貫した呼吸を維持することの要件が除外される。コントローラ140は、各エネルギー源110及び対応する検出器120を動作させて同時に又は実質的に同時に画像を取得し得る。エネルギー源110及び対応する検出器120を同時に動作させるのではなく、エネルギー源/検出器ペアの動作のための短いタイミングオフセットで画像を逐次取得することが好ましいことがある。これは、有利にX線後方散乱を減少させ、結果として画像品質を向上し得る。プロセッサ150は、データを処理する際に取得された時系列の画像間でタイミング差を補正するように構成されてもよい。有利なことに、X線の使用を採用する撮像装置100について、これにより、エネルギー源110及び対応する検出器120の全てがコントローラ140によって短い時間だけ同時に又は実質的に同時に動作されて画像を取得することができるため、放射線の線量が減少する。
【0114】
1回の呼吸の画像を同時に又は実質的に同時に撮影することによって、より少ない独立画像が撮影されるだけでよく、全ての画像が1呼吸内に通常は約4秒を要して取得されるため、発明の装置100は放射線量及びスキャン継続時間を減少させる。比較として、透視装置などの旧式のハードウェアは、各画像についてシステムを再位置決めして4回の独立した呼吸をスキャンする必要があり、長時間を要するとともに4回の異なる呼吸にわたって取得される測定値に起因する不正確さを含むスキャンがもたらされてしまう。4回の独立した呼吸ではなく、完全な1回の呼吸を同時に又は実質的に同時に取得することで、放射線量を低減し、スキャン時間を短縮し、患者200が複数回の呼吸にわたって一貫した呼吸を維持することの要件を除外することにより、3歳を超える幼児などの若年の患者及び高齢の患者による撮像装置100の使用が有利に可能となる。
【0115】
ステップ308の後にスキャンが終了すると、画像データがXV処理部186にアップロードされてもよく、それはオンボードで撮像装置100に配置され、又はクラウドベースサーバ及びXV処理アプリケーションを介してアクセスされる。このステップ310は、オペレータによって行われるアクションに応じて開始されてもよいし、プロセッサ150が、スキャンが完了すると画像データを自動的にアップロードするように構成されてもよい。
図14に示すように、方法300はまた、プロセッサ150、XV処理部186(
図13参照)又はオフボードXV処理アプリケーションを用いて、ステップ308において検出器120から取得された時系列の画像に基づいて被検体の身体210の領域230の3次元モーションフィールドを再構築するステップ310を含み得る。これは、前述した国際公開第2011/032210号及び国際公開第2015/157799号に記載されて参照によりここに取り込まれるXV処理技術を採用し得る。プロセッサ150は、撮像された領域230の時間にわたって3次元(すなわち、3空間寸法)移動測定値(例えば、変位又は速度測定値)を生成し得る(これは、4次元測定値、すなわち、3空間寸法に時間を加えたものとなる)。さらに、3次元移動測定値は、1成分の速度(3D1C)、2成分の速度(3D2C)又は好ましくは3成分の速度(3D3C)のいずれかを有し得る。有利なことに、既存のCTスキャナのように異なる角度から多数の画像を取得するのにエネルギー源110及び検出器120が被検体の身体210の周りを回転する必要はない。有益なことに、エネルギー源110及び検出器120は撮像処理全体を通じて静止したままであり、充分な数の角度又は視点の画像が、ここに記載するようなエネルギー源110及び検出器120の発明の配置構成を通じて取得され得る。これにより、より少ない独立画像が撮影されるだけでよく、より短いスキャン継続時間しか必要とならないため、X線を採用する撮像装置100について、X線照射線量をさらに低減する。
【0116】
本発明の実施形態は、取得中に既存のCTスキャナのリング又はCアームなどの部品を移動することを要さずに、複数の画像を同時に又は実質的に同時に(潜在的に短いタイミングオフセットで)取得するための、エネルギー源及び検出器の発明の構成を利用する撮像装置100及び撮像方法300を有利に提供し得る。エネルギー源及び検出器は、
図1及び2のシステム10とは異なり、被検体の身体210の周りに少なくとも180度で又は全360度回転で離間されるのではなく相互に近接して配置可能となることによってエネルギー源ユニット及び検出器ユニットが小型化するので、発明の構成によってコンパクトな撮像装置100が提供可能となり得る。画像を同時に又は実質的に同時に撮影することによって、発明の装置100及び撮像方法300の実施形態は、より少ない独立画像が撮影されるだけでよく、より短いスキャン継続時間しか必要とならないため、放射線の線量を低減することができる。またさらに、撮像装置100及び撮像方法300は、それでもなおXV技術での使用及び撮像される領域230の3次元モーションフィールドの生成に適した画像を取得し得るので、画像の品質は損なわれない。
【0117】
撮像装置100及び撮像方法300の実施形態は、放射線の線量を低減してスキャン時間を短縮することによって、3歳を超えるような若年の患者によって有利に使用され得る。発明の撮像装置100及び撮像方法300の実施形態はまた、着席又は直立起立位置にある患者200のスキャンを可能とするウォークインスキャナを提供することによって、若年の幼児、高齢者及び可動性に障害のある患者による使用を促進し得る。スキャンのための解剖学的に好適な向きへのスキャナ100内の患者200の位置決め、すなわち、着席又は起立位置において直立することを可能とすることによって、患者200は画像取得中に通常通り呼吸することも可能となり、臓器構造及び機能、特に被検体200の肺の画像品質及び評価が向上する。
【0118】
種々の変形、付加及び/又は代替が、以降の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、前述した部分に対してなされ得る。
【0119】
用語「comprise」、「comprises」、「comprised」又は「comprising」のいずれか又は全ては、本明細書(特許請求の範囲を含む)において使用される場合、記載される特徴、完全体、ステップ又は構成要素の存在を指定するものとして解釈されるべきであり、1以上の他の特徴、完全体、ステップ若しくは構成要素又はそれらの群の存在を除外しないものとして解釈されるべきである。
【0120】
以下の特許請求の範囲は、例示としてのみ提供され、いずれかの将来の出願において特許請求され得るものの範囲を限定するものではないことが理解されるべきである。本発明又は複数の本発明をさらに規定又は再規定するように、後日、特許請求の範囲に特徴が追加又は省略され得る。
【国際調査報告】