(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】患者支援装置及び医療機器の位置を判断するシステム
(51)【国際特許分類】
A61G 12/00 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
A61G12/00 E
A61G12/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518790
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 US2022017616
(87)【国際公開番号】W WO2022182816
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595148888
【氏名又は名称】ストライカー コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Stryker Corporation
【住所又は居所原語表記】2825 Airview Boulevard Kalamazoo MI 49002 (US)
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】セルソ ヘンリーク ファーネス ピレス ペレイラ
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド エー.トレパニアー
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ サンディープ ビマバラプ
(72)【発明者】
【氏名】カービー エム.ネイハウザー
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ディーズ
(72)【発明者】
【氏名】マドゥ サンディープ トータ
(72)【発明者】
【氏名】マドゥ トーマス
【テーマコード(参考)】
4C341
【Fターム(参考)】
4C341JJ01
4C341LL10
4C341MR12
4C341MR18
4C341MS15
4C341MS22
(57)【要約】
システムは、患者支援装置と、複数の位置トランシーバと、を有する。位置トランシーバの一つ以上は、患者支援装置に搭載され、一つ以上の位置トランシーバは、部屋内の不変の位置に配置される。オンボード位置トランシーバは、オフボード位置トランシーバに対する自身の位置の判断又はその逆を行い、空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、この位置情報を使用する。タグ付き医療機器が空間体積の内側にある場合、コントローラは、(a)タグ付き医療機器と患者支援装置、患者、部屋識別子及び/又は部屋ベイ識別子との関連付け、(b)タグ付き医療機器の通信ネットワークへの参加の許可、及び/又は、(c)タグ付き医療機器から遠隔地に位置するサーバへのデータの転送を行ってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療施設の部屋内に配置された医療機器を自動的に検出するシステムであって、
患者支援装置であって、
(a)人を支持するように適合された支持面と、
(b)前記患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合されたマイクロフォンと、
(c)前記音声信号を無線で送信するように適合された第1のトランシーバと、
(d)前記患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するように適合された第1の位置トランシーバと、
を備える患者支援装置と、
ヘッドウォールユニットであって、
(i)前記患者支援装置の前記第1のトランシーバから前記音声信号を無線で受信するように適合された第2のトランシーバと、
(ii)前記ヘッドウォールユニットに対する前記タグ付き医療機器の第2の位置推定値を生成するように適合された第2の位置トランシーバと、
(iii)ナースコールシステムに結合され、前記音声信号を前記ナースコールシステムに転送するように適合されたナースコールインターフェースと、
を備えるヘッドウォールユニットと、
前記タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、前記第1の位置推定値及び前記第2の位置推定値を使用するように適合されたコントローラと、
前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の外側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータを前記サーバに転送しないように適合されたネットワークトランシーバと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記ネットワークトランシーバは、前記ヘッドウォールユニット内に含まれ、前記第2の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ネットワークトランシーバは、前記患者支援装置内に含まれ、前記第1の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合された、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の位置トランシーバ及び前記第2の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値及び前記第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合された、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器の第1及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合された、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記空間体積は、前記ヘッドウォールユニットに対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記空間体積は、前記患者支援装置に対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットが配置されている特定の部屋、前記患者支援装置の特定のタイプ、前記タグ付き医療機器の特定のタイプ又は近くの第2の患者支援装置の近接のうちの少なくとも一つに基づいて前記空間体積を変更するように適合された、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、前記第1の位置トランシーバと前記第2の位置トランシーバとの間の距離を判断するように更に適合された、請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットの内側に配置された第1の部分と、前記患者支援装置の内側に配置された第2の部分と、を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記患者支援装置は、前記患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第3の位置トランシーバに対する前記第1の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを更に有し、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第3の位置推定値及び前記空間データを使用するように更に適合された、請求項11記載のシステム。
【請求項13】
前記ヘッドウォールユニットは、前記ヘッドウォールユニットに対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバを更に有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第3の位置トランシーバに対する前記第2の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを更に有し、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第3の位置推定値及び前記空間データを使用するように更に適合された、請求項13記載のシステム。
【請求項15】
前記ヘッドウォールユニットから離間した第3の位置トランシーバを更に有し、前記第3の位置トランシーバは、前記ヘッドウォールユニットに対して既知の不変の位置に配置され、前記第3の位置トランシーバは、前記第3の位置トランシーバに対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第3の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項1記載のシステム。
【請求項16】
第2の患者支援装置に配置された第3の位置トランシーバを更に有し、前記第3の位置トランシーバは、前記第2の患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第3の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項1記載のシステム。
【請求項17】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットに対する前記患者支援装置の向きを判断するように適合された、請求項2に記載のシステム。
【請求項18】
前記ヘッドウォールユニットは、第1の赤外線トランシーバを有し、前記患者支援装置は、第2の赤外線トランシーバを有し、前記第1の赤外線トランシーバ及び前記第2の赤外線トランシーバは、前記患者支援装置が前記第2の赤外線トランシーバを前記ヘッドウォールユニットに向ける向きであるときにのみ互いに通信を行うことができるように適合された、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラは、前記タグ付き医療機器と前記第1の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値を生成するために、前記チャネル状態情報又は前記到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する、請求項1記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、前記第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、前記タグ付き医療機器は、前記タグ付き医療機器に含まれるタグに統合された第3のアンテナアレイを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
第2のヘッドウォールユニットを更に備え、前記第2のヘッドウォールユニットは、
(i)前記第2のヘッドウォールユニットに隣接して配置された第2の患者支援装置から第2のセットの音声信号を無線で受信するように適合された第3のトランシーバと、
(ii)前記第2のヘッドウォールユニットに対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバと、
(iii)前記ナースコールシステムに結合され、前記第2のセットの音声信号を前記ナースコールシステムに転送するように適合された第2のナースコールインターフェースと、
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項22】
前記コントローラは、前記第2のヘッドウォールユニットと通信を行い、かつ、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第3の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記空間体積は、前記部屋のベイを包含する、請求項6に記載のシステム。
【請求項24】
前記ヘッドウォールユニットは、前記患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、前記部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するために前記テレビジョン受像機にコマンドを送信することによって前記音量制御メッセージに応答するように更に適合された、請求項1記載のシステム。
【請求項25】
医療施設の部屋内に配置された医療機器を自動的に検出するシステムであって、
患者支援装置であって、
(a)人を支持するように適合された支持面と、
(b)前記患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合されたマイクロフォンと、
(c)前記音声信号を無線で送信するように適合された第1のトランシーバと、
(d)前記患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するように適合された第1の位置トランシーバと、
(e)前記患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第2の位置推定値を生成するように適合された第2の位置トランシーバと、
を備える患者支援装置と、
ヘッドウォールユニットであって、
(i)前記患者支援装置の前記第1のトランシーバから前記音声信号を無線で受信するように適合された第2のトランシーバと、
(ii)前記ヘッドウォールユニットに対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバと、
(iii)ナースコールシステムに結合され、前記音声信号を前記ナースコールシステムに転送するように適合されたナースコールインターフェースと、
を備えるヘッドウォールユニットと、
前記タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、前記第1の位置推定値、前記第2の位置推定値及び前記第3の位置推定値を使用するように適合されたコントローラと、
を備えるシステム。
【請求項26】
前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の外側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータを前記サーバに転送しないように適合されたネットワークトランシーバを更に備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記ネットワークトランシーバは、前記ヘッドウォールユニット内に含まれ、前記第2の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合された、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記ネットワークトランシーバは、前記患者支援装置内に含まれ、前記第1の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合された、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記第1の位置トランシーバ、前記第2の位置トランシーバ及び前記第3の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値、前記第2の位置推定値及び前記第3の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項30】
前記第1の位置トランシーバ、前記第2の位置トランシーバ及び前記第3の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値、前記第2の位置推定値及び前記第3の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項31】
前記空間体積は、前記ヘッドウォールユニットに対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動しない、請求項25に記載のシステム。
【請求項32】
前記空間体積は、前記患者支援装置に対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動する、請求項25に記載のシステム。
【請求項33】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットが配置されている特定の部屋、前記患者支援装置の特定のタイプ、前記タグ付き医療機器の特定のタイプ又は近くの第2の患者支援装置の近接のうちの少なくとも一つに基づいて前記空間体積を変更するように適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項34】
前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、前記第1の位置トランシーバと前記第2の位置トランシーバとの間の第1の距離を判断し、前記第2の位置トランシーバと前記第3の位置トランシーバとの間の第2の距離を判断し、かつ、前記第1の距離及び前記第2の距離を使用するように更に適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項35】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットの内側に配置された第1の部分と、前記患者支援装置の内側に配置された第2の部分と、を有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項36】
前記第2の位置トランシーバに対する前記第1の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを更に有し、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記空間データを使用するように更に適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項37】
前記ヘッドウォールユニットは、前記ヘッドウォールユニットに対する前記タグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバを更に有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項38】
前記第4の位置トランシーバに対する前記第3の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを更に有し、前記コントローラは、前記タグ付け医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第4の位置推定値及び前記空間データを使用するように更に適合された、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記ヘッドウォールユニットから離間した第4の位置トランシーバを更に有し、前記第4の位置トランシーバは、前記ヘッドウォールユニットに対して既知の不変の位置に配置され、前記第4の位置トランシーバは、前記第4の位置トランシーバに対する前記タグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付け医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第4の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項40】
第2の患者支援装置に配置された第4の位置トランシーバを更に有し、前記第4の位置トランシーバは、前記第2の患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付け医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第4の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項41】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットに対する前記患者支援装置の向きを判断するように適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項42】
前記ヘッドウォールユニットは、第1の赤外線トランシーバを有し、前記患者支援装置は、第2の赤外線トランシーバを有し、前記第1の赤外線トランシーバ及び前記第2の赤外線トランシーバは、前記患者支援装置が前記第2の赤外線トランシーバを前記ヘッドウォールユニットに向ける向きであるときにのみ互いに通信を行うことができるように適合された、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記コントローラは、前記タグ付き医療機器と前記第1の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値を生成するために、前記チャネル状態情報又は前記到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する、請求項25に記載のシステム。
【請求項44】
前記第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、前記第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、前記タグ付き医療機器は、前記タグ付き医療機器に含まれるタグに統合された第3のアンテナアレイを有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項45】
第2のヘッドウォールユニットを更に備え、前記第2のヘッドウォールユニットは、
(i)前記第2のヘッドウォールユニットに隣接して配置された第2の患者支援装置から第2のセットの音声信号を無線で受信するように適合された第3のトランシーバと、
(ii)前記第2のヘッドウォールユニットに対する前記タグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバと、
(iii)前記ナースコールシステムに結合され、前記第2のセットの音声信号を前記ナースコールシステムに転送するように適合された第2のナースコールインターフェースと、
を備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項46】
前記コントローラは、前記第2のヘッドウォールユニットと通信を行い、かつ、前記タグ付け医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第4の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記空間体積は、前記部屋のベイを包含する、請求項31に記載のシステム。
【請求項48】
前記ヘッドウォールユニットは、前記患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、前記部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するために前記テレビジョン受像機にコマンドを送信することによって前記音量制御メッセージに応答するように更に適合された、請求項25に記載のシステム。
【請求項49】
患者支援装置であって、
人を支持するように適合された支持面と、
前記患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合されたマイクロフォンと、
医療施設の部屋のヘッドウォールに取り付けられた第1のヘッドウォールユニットとペアリングするように適合された第1のトランシーバであって、前記第1のヘッドウォールユニットとペアリングされたときに、前記音声信号を前記第1のヘッドウォールユニットに無線で送信するように適合され、前記第1のヘッドウォールユニットは、前記音声信号をナースコールシステムへ転送するように適合された、第1のトランシーバと、
前記第1のヘッドウォールユニットに対する前記患者支援装置の第1の位置推定値を生成するために、前記第1のヘッドウォールユニットに組み込まれた第2の位置トランシーバと通信を行うように適合された第1の位置トランシーバであって、第2のヘッドウォールユニットに対する前記患者支援装置の第2の位置推定値を生成するために、前記第2のヘッドウォールユニットに組み込まれた第3の位置トランシーバと通信を行うように更に適合され、前記第2のヘッドウォールユニットは、前記第1のヘッドウォールユニットから離間し、前記第1のトランシーバが前記第1のヘッドウォールユニットとペアリングされている間に前記第3の位置トランシーバと通信を行うように適合された第1の位置トランシーバと、
空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、前記第1の位置推定値及び前記第2の位置推定値を使用するように適合されたコントローラと、
を備える患者支援装置。
【請求項50】
前記空間体積は、前記第1のヘッドウォールユニット及び前記第2のヘッドウォールユニットに対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動しない、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項51】
前記空間体積は、前記患者支援装置に対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動する、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項52】
前記コントローラは、前記第1のヘッドウォールユニットが配置されている特定の部屋、前記患者支援装置の特定のタイプ、前記タグ付き医療機器の特定のタイプ又は近くの第2の患者支援装置の近接のうちの少なくとも一つに基づいて前記空間体積を変更するように適合された、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項53】
前記第1の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器のタグ内に配置されたタグトランシーバと通信を行うように更に適合され、前記第1の位置トランシーバは、前記患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合され、前記コントローラは、前記空間体積に対する前記タグ付き医療機器の位置を判断するために、前記第3の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項49記載の患者支援装置。
【請求項54】
前記コントローラは、前記ヘッドウォールユニットの内側に配置された第1の部分と、前記患者支援装置の内側に配置された第2の部分と、を有する、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項55】
前記患者支援装置は、前記患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバを更に有する、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項56】
前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の外側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータを前記サーバに転送しないように適合されたネットワークトランシーバを更に備える、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項57】
前記第1の位置トランシーバ、前記第2の位置トランシーバ及び前記第3の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値及び前記第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合された、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項58】
前記第1の位置トランシーバ、前記第2の位置トランシーバ及び前記第3の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値及び前記第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合された、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項59】
前記第1のヘッドウォールユニットは、前記第1のヘッドウォールユニットに対する前記患者支援装置の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバを更に有する、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項60】
前記第1のヘッドウォールユニットは、第1の赤外線トランシーバを有し、前記患者支援装置は、第2の赤外線トランシーバを有し、前記第1の赤外線トランシーバ及び前記第2の赤外線トランシーバは、前記患者支援装置が前記第2の赤外線トランシーバを前記第1のヘッドウォールユニットに向ける向きであるときにのみ互いに通信を行うことができるように適合された、請求項49の患者支援装置。
【請求項61】
前記コントローラは、前記第1の位置トランシーバと前記第2の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合され、前記コントローラは、前記第1の位置推定値を生成するために、前記チャネル状態情報又は前記到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項62】
前記第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、前記第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、前記第3の位置トランシーバは、第3のアンテナアレイを有する、請求項61に記載の患者支援装置。
【請求項63】
前記空間体積は、前記医療施設の前記部屋のベイを包含する、請求項50に記載の患者支援装置。
【請求項64】
前記第1のヘッドウォールユニットは、前記患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、前記部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するために前記テレビジョン受像機にコマンドを送信することによって前記音量制御メッセージに応答するように更に適合された、請求項49に記載の患者支援装置。
【請求項65】
患者支援装置であって、
人を支持するように適合された支持面と、
前記患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するように適合された第1の位置トランシーバと、
前記患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第2の位置推定値を生成するように適合された第2の位置トランシーバと、
空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、前記第1の位置推定値と、前記第2の位置推定値と、前記第1の位置トランシーバと前記第2の位置トランシーバとの間の空間的関係と、を使用するように適合されたコントローラと、
を備える患者支援装置。
【請求項66】
前記コントローラは、オフボード装置に対する前記タグ付き医療機器の第3の位置推定値を決定するように適合されたオフボード装置と通信を行い、前記コントローラは、前記空間体積に対する前記タグ付き医療機器の位置を判断するために、前記第3の位置推定値を利用するように適合された、請求項65の患者支援装置。
【請求項67】
前記コントローラは、前記空間体積に対する前記タグ付き医療機器の位置を判断するために、第4の位置推定値及び第5の位置推定値を使用するように適合され、前記第4の位置推定値は、前記オフボード装置に対する前記第1の位置トランシーバの位置の推定値であり、前記第5の位置推定値は、前記オフボード装置に対する前記第2の位置トランシーバの位置の推定値である、請求項66の患者支援装置。
【請求項68】
前記第1の位置トランシーバ及び前記第2の位置トランシーバの両方は、前記タグ付き医療機器から受信した無線信号に対する指向性感度を達成するために、ビームフォーミング技術を使用するように適合された、請求項65に記載の患者支援装置。
【請求項69】
前記指向性感度は、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるときに前記タグ付き医療機器から受信する信号が前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にないときに比べて強くなるように前記第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバが適合されたものである、請求項68記載の患者支援装置。
【請求項70】
前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の外部にある場合、前記タグ付き医療機器から受信したデータを前記サーバに転送しないように適合されたネットワークトランシーバを更に備える、請求項66記載の患者支援装置。
【請求項71】
前記ネットワークトランシーバは、医療施設の部屋のヘッドウォールに取り付けられたヘッドウォールユニット内に含まれ、前記第2の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合された、請求項70に記載の患者支援装置。
【請求項72】
前記ネットワークトランシーバは、前記患者支援装置内に含まれ、前記第1の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合された、請求項70に記載の患者支援装置。
【請求項73】
前記第1の位置トランシーバ及び前記第2の位置トランシーバは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値及び前記第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合された、請求項65に記載の患者支援装置。
【請求項74】
前記第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器の第1及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合された、請求項65に記載の患者支援装置。
【請求項75】
前記空間体積は、医療施設の部屋に対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動しない、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項76】
前記空間体積は、前記患者支援装置に対して不変の関係で定められ、前記患者支援装置が移動するときに移動する、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項77】
前記コントローラは、前記患者支援装置が配置されている特定の部屋、前記患者支援装置の特定のタイプ、前記タグ付き医療機器の特定のタイプ又は近くの第2の患者支援装置の近接のうちの少なくとも一つに基づいて前記空間体積を変更するように適合された、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項78】
第2の患者支援装置に配置された第3の位置トランシーバを更に有し、前記第3の位置トランシーバは、前記第2の患者支援装置に対する前記タグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器が前記空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに前記第4の位置推定値を使用するように更に適合された、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項79】
前記コントローラは、前記タグ付き医療機器と前記第1の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合され、前記コントローラは、前記タグ付き医療機器の前記第1の位置推定値を生成するために、前記チャネル状態情報又は前記到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項80】
前記第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、前記第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、前記タグ付き医療機器は、前記タグ付き医療機器に含まれるタグに統合された第3のアンテナアレイを有する、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項81】
前記患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合されたマイクロフォンと、
医療施設の部屋の壁に取り付けられたヘッドウォールユニットに前記音声信号を無線で送信するように適合された第1のトランシーバであって、前記ヘッドウォールユニットは、前記患者支援装置から音声信号を無線で受信するように適合された第2のトランシーバと、ナースコールシステムに結合され、前記音声信号を前記ナースコールシステムに転送するように適合されたナースコールインターフェースと、を有する、第1のトランシーバと、
を更に備える、請求項66に記載の患者支援装置。
【請求項82】
前記ヘッドウォールユニットは、前記患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、前記部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するために前記テレビジョン受像機にコマンドを送信することによって前記音量制御メッセージに応答するように更に適合された、請求項81に記載の患者支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、発明者Celso Pereira等による表題が「患者支援装置及び医療機器の位置を判断するシステム」である2021年2月27日に出願された米国仮特許出願第63/154,677号、発明者Krishna Bhimavarapu等による表題が「訓練装置及び患者支援装置」である2021年3月15日に出願された米国仮特許出願第63/161,175号、発明者Thomas Deeds等による表題が「医療機器データを関連付けるためのシステム」である2021年5月27日に出願された米国仮特許出願第63/193,777号、発明者Kirby Neihouser等による表題が「患者支援装置を探すシステム」である2021年9月17日に出願された米国仮特許出願第63/245,245号、発明者Jerald Trepanier等による表題が「患者を監視する患者支援装置」である2021年9月17日に出願された米国仮特許出願第63/245,279号、発明者Madhu Thota等による表題が「患者支援装置の通信及び位置決定システム」である2021年9月17日に出願された米国仮特許出願第63/245,289号及び発明者Madhu Thota等による表題が「患者支援装置の通信システム」である2022年2月3日に出願された米国仮特許出願第63/306,279号の優先権を主張し、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0002】
本開示は、ベッド、簡易ベッド、ストレッチャー、リクライニングチェア等の患者支援装置に関する。更に具体的には、本開示は、患者支援装置及び/又は当該装置が配置される部屋内の定められた空間体積に対する装置の位置を自動的に判断するシステムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
機器は、患者支援装置の上に患者を乗せた状態で使用されることが多い。これらの機器は、通常、電子医療記録サーバに転送されることが望ましい患者に関するデータを生成する。そのデータを正しい患者の医療記録に割り当てるために、介護者は、特定の機器からのデータを特定の患者に関連付けるために、通常、一つ以上の手動手順を必要とする。場合によっては、患者の識別情報が、機器それ自体に入力され、この識別情報が、他のデータと共に機器からEMRに送信される。この方法は、権限のない個人が患者識別及び患者データにアクセスできないようにするために、送信された患者データが不正な開示に対して適切に保護される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
様々な実施形態によれば、本開示は、医療機器からのデータを正しい患者及び/又は患者の正しいプロキシ(例えば、患者が割り当てられた患者支援装置、患者が割り当てられた部屋及び/又は部屋ベイ等)と関連付けることに関する過去の問題を解決するシステムを対象とする。すなわち、本開示は、医療機器が所定の空間体積内に配置されている場合に医療機器を患者(又は患者のプロキシ)に自動的に関連付けるシステム及び方法を提供する。所定の空間体積は、患者支援装置が移動すると移動するように患者支援装置に対して定められてもよい、又は、患者支援装置が移動しても変化しないように医療施設の部屋もしくは他の場所に対して固定された関係で定められてもよい。 いくつかの実施形態において、コントローラは、医療機器が空間体積の外側にあるときに医療機器からのデータがローカルエリアネットワークに送信されるのを防止し、かつ、空間体積の内側にあるときにデータが送信されるのを可能にする。代替的な実施形態において、コントローラは、医療機器が空間体積の内側にある場合にデータを患者(又は患者のプロキシ)に関連付け、かつ、医療機器が空間体積の外側にある場合にデータを患者(又は患者のプロキシ)に関連付けないようにしてもよい。空間体積に関する医療機器の位置の決定は、患者支援装置に搭載されている一つ以上の位置トランシーバ及び/又は患者支援装置の外に配置されている一つ以上の位置トランシーバを利用してもよい。いくつかの実施形態において、オフボード位置トランシーバの一つ以上は、患者支援装置がナースコールシステムコンセントと無線通信を行うために使用する一つ以上のヘッドウォールユニットに内蔵されてもよい。 位置トランシーバは、医療機器の位置を決定するために、超広帯域、ブルートゥース(登録商標)及び/又は他の通信技術を利用することができる。
【0005】
本開示の一実施形態によれば、医療施設の部屋内に配置された医療機器を自動的に検出するシステムを提供する。システムは、患者支援装置と、ヘッドウォールユニットと、ネットワークトランシーバと、コントローラと、を有する。患者支援装置は、人を支持するように適合された支持面と、患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合されたマイクロフォンと、音声信号を無線送信するように適合された第1のトランシーバと、患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するように適合された第1の位置トランシーバと、を有する。ヘッドウォールユニットは、患者支援装置の第1のトランシーバから音声信号を無線で受信するように適合された第2のトランシーバと、ヘッドウォールユニットに対するタグ付き医療機器の第2の位置推定値を生成するように適合された第2の位置トランシーバと、ナースコールシステムに結合され、音声信号をナースコールシステムに転送するように適合されたナースコールインターフェースと、を有する。コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、第1の位置推定値及び第2の位置推定値を使用するように適合される。ネットワークトランシーバは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、タグ付き医療機器が空間体積の外側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送しないように適合される。
【0006】
本開示の他の態様によれば、ネットワークトランシーバは、ヘッドウォールユニット内に含まれ、第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合されてもよい。代替的には、ネットワークトランシーバは、患者支援装置内に含まれ、第1の位置トランシーバは、タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合されてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバは、第1の位置推定値及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合される。
【0008】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバは、第1の位置推定値及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合される。
【0009】
いくつかの実施形態において、空間体積は、ヘッドウォールユニットに対して不変の関係で定められ、患者支援装置が移動するときに移動しない。 代替的な実施形態において、空間体積は、患者支援装置に対して不変の関係で定められ、患者支援装置が移動するときに移動する。
【0010】
いくつかの実施形態において、コントローラは、ヘッドウォールユニットが配置されている特定の部屋、患者支援装置の特定のタイプ、タグ付き医療機器の特定のタイプ又は近くの第2の患者支援装置の近接のうちの少なくとも一つに基づいて空間体積を変更するように適合される。
【0011】
いくつかの実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、第1の位置トランシーバと第2の位置トランシーバとの間の距離を判断するように更に適合される。
【0012】
いくつかの実施形態において、コントローラは、ヘッドウォールユニットの内側に配置された第1の部分と、患者支援装置の内側に配置された第2の部分と、を有する。
【0013】
いくつかの実施形態において、患者支援装置は、患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバを更に有する。
【0014】
いくつかの実施形態において、第3の位置トランシーバに対する第1の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを含む。そのような実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第3の位置推定値及び空間データを使用するように更に適合される。
【0015】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、ヘッドウォールユニットに対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバを有する。
【0016】
いくつかの実施形態において、システムは、ヘッドウォールユニットから離間した第3の位置トランシーバを更に有し、第3の位置トランシーバは、ヘッドウォールユニットに対して既知の不変の位置に配置される。そのような実施形態において、第3の位置トランシーバは、第3の位置トランシーバに対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合され、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第3の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0017】
いくつかの実施形態において、システムは、第2の患者支援装置に配置された第3の位置トランシーバを有する。そのような実施形態において、第3の位置トランシーバは、第2の患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合され、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第3の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0018】
いくつかの実施形態において、コントローラは、ヘッドウォールユニットに対する患者支援装置の向きを判断するように適合される。
【0019】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、患者支援装置に搭載された第2の赤外線トランシーバと通信を行うように適合されている第1の赤外線トランシーバを有する。そのような実施形態において、第1の赤外線トランシーバ及び第2の赤外線トランシーバは、患者支援装置が、患者支援装置が第2の赤外線トランシーバをヘッドウォールユニットに向ける向きであるときにのみ互いに通信を行うことができるように適合される。
【0020】
いくつかの実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器と第1の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合されている。そのような実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するために、チャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する。
【0021】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、タグ付き医療機器は、タグ付き医療機器に含まれるタグに統合された第3のアンテナアレイを有する。
【0022】
いくつかの実施形態において、システムは、第2のヘッドウォールユニットを更に有する。そのような実施形態において、第2のヘッドウォールユニットは、第2のヘッドウォールユニットに隣接して配置された第2の患者支援装置から第2のセットの音声信号を無線で受信するように適合された第3のトランシーバと、第2のヘッドウォールユニットに対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバと、ナースコールシステムに結合され、第2のセットの音声信号をナースコールシステムに転送するように適合された第2のナースコールインターフェースと、を備える。
【0023】
いくつかの実施形態において、コントローラは、第2のヘッドウォールユニットと通信を行い、かつ、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第3の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0024】
いくつかの実施形態において、空間体積は、部屋のベイを包含するが部屋の別のベイを包含しない不変の体積である。
【0025】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するためにテレビジョン受像機にコマンドを送信することによって音量制御メッセージに応答するように更に適合される。
【0026】
本開示の他の実施形態によれば、医療施設の部屋内に配置された医療機器を自動的に検出するシステムを提供する。システムは、患者支援装置と、ヘッドウォールユニットと、コントローラと、を有する。患者支援装置は、(a)人を支持するように適合された支持面と、(b)患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合されたマイクロフォンと、(c)音声信号を無線送信するように適合された第1のトランシーバと、(d)患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するように適合された第1の位置トランシーバと、(e)患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第2の位置推定値を生成するように適合された第2の位置トランシーバとを備える。ヘッドウォールユニットは、(i)患者支援装置の第1のトランシーバから音声信号を無線で受信するように適合された第2のトランシーバと、(ii)ヘッドウォールユニットに対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバと、(iii)ナースコールシステムに結合され、音声信号をナースコールシステムに転送するように適合されたナースコールインターフェースと、を備える。コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、第1の位置推定値、第2の位置推定値及び第3の位置推定値を使用するように適合される。
【0027】
いくつかの実施形態において、ネットワークトランシーバは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、タグ付き医療機器が空間体積の外側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送しないように適合される。
【0028】
いくつかの実施形態において、ネットワークトランシーバは、ヘッドウォールユニット内に含まれ、第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合される。代替的な実施形態において、ネットワークトランシーバは、患者支援装置内に含まれ、第1の位置トランシーバは、タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合される。
【0029】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ、第2の位置トランシーバ及び第3の位置トランシーバは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値、第2の位置推定値及び第3の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合される。
【0030】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ、第2の位置トランシーバ及び第3の位置トランシーバは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値、第2の位置推定値及び第3の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合される。
【0031】
いくつかの実施形態において、空間体積は、ヘッドウォールユニットに対して不変の関係で定められ、患者支援装置が移動するときに移動せず、一方、他の実施形態において、空間体積は、患者支援装置に対して不変の関係で定められ、患者支援装置が移動するときに移動する。
【0032】
いくつかの実施形態において、コントローラは、ヘッドウォールユニットが配置されている特定の部屋、患者支援装置の特定のタイプ、タグ付き医療機器の特定のタイプ又は近くの第2の患者支援装置の近接のうちの少なくとも一つに基づいて空間体積を変更するように適合される。
【0033】
いくつかの実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するために、第1の位置トランシーバと第2の位置トランシーバとの間の第1の距離を判断し、第2の位置トランシーバと第3の位置トランシーバとの間の第2の距離を判断し、かつ、第1の距離及び第2の距離を使用するように更に適合される。
【0034】
いくつかの実施形態において、コントローラは、ヘッドウォールユニットの内側に配置された第1の部分と、患者支援装置の内側に配置された第2の部分と、を有する。
【0035】
いくつかの実施形態において、システムは、第2の位置トランシーバに対する第1の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを有する。 そのような実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに空間データを使用するように更に適合される。
【0036】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、ヘッドウォールユニットに対するタグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバを有する。これらの実施形態のうちのいくつかにおいて、システムは、第4の位置トランシーバに対する第3の位置トランシーバの既知の位置及び向きを定める空間データが格納されたメモリを更に有してもよい。これらの実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第4の位置推定値及び空間データを使用するように更に適合される。
【0037】
いくつかの実施形態において、システムは、ヘッドウォールユニットから離間するとともにヘッドウォールユニットに対して既知の不変の位置に配置された第4の位置トランシーバを有する。第4の位置トランシーバは、第4の位置トランシーバに対するタグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合され、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第4の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0038】
いくつかの実施形態において、システムは、第2の患者支援装置に配置された第4の位置トランシーバを有する。そのような実施形態において、第4の位置トランシーバは、第2の患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合され、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第4の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0039】
いくつかの実施形態において、コントローラは、ヘッドウォールユニットに対する患者支援装置の向きを判断するように適合される。
【0040】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、第1の赤外線トランシーバを有し、患者支援装置は、第2の赤外線トランシーバを有する。第1の赤外線トランシーバ及び第2の赤外線トランシーバは、患者支援装置が第2の赤外線トランシーバをヘッドウォールユニットに向ける向きであるときにのみ互いに通信を行うことができるように適合される。
【0041】
いくつかの実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器と第1の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一つを決定するように適合される。そのような実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するために、チャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する。
【0042】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、タグ付き医療機器は、タグ付き医療機器に含まれるタグに統合された第3のアンテナアレイを有する。
【0043】
いくつかの実施形態において、システムは、第2のヘッドウォールユニットを更に備え、第2のヘッドウォールユニットは、(i)第2のヘッドウォールユニットに隣接して配置された第2の患者支援装置から第2のセットの音声信号を無線で受信するように適合された第3のトランシーバと、(ii)第2のヘッドウォールユニットに対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合された第3の位置トランシーバと、(iii)ナースコールシステムに結合され、第2のセットの音声信号をナースコールシステムに転送するように適合された第2のナースコールインターフェースと、を備える。
【0044】
いくつかの実施形態において、コントローラは、第2のヘッドウォールユニットと通信を行い、かつ、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第3の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0045】
いくつかの実施形態において、空間体積は、部屋のベイを包含するが部屋の別のベイを包含しない不変の体積である。
【0046】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するためにテレビジョン受像機にコマンドを送信することによって音量制御メッセージに応答するように更に適合される。
【0047】
本開示の他の態様によれば、患者支援装置を提供する。患者支援装置は、支持面と、マイクロフォンと、第1のトランシーバと、第1の位置トランシーバと、コントローラと、を備える。支持面は、人を支持するように適合される。マイクロフォンは、患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合される。第1のトランシーバは、医療施設の部屋のヘッドウォールに取り付けられた第1のヘッドウォールユニットとペアリングし、かつ、第1のトランシーバが第1のヘッドウォールユニットとペアリングされたときに、音声信号を第1のヘッドウォールユニットに無線で送信するように適合される。 第1のヘッドウォールユニットは、音声信号をナースコールシステムに転送するように適合される。第1の位置トランシーバは、第1のヘッドウォールユニットに対する患者支援装置の第1の位置推定値を生成するために、第1のヘッドウォールユニットに組み込まれた第2の位置トランシーバと通信を行うように適合される。第1の位置トランシーバは、第2のヘッドウォールユニットに対する患者支援装置の第2の位置推定値を生成するために、第2のヘッドウォールユニットに組み込まれた第3の位置トランシーバと通信を行うように更に適合される。第2のヘッドウォールユニットは、第1のヘッドウォールユニットから離間し、第1のトランシーバが第1のヘッドウォールユニットとペアリングされている間に第3の位置トランシーバと通信を行うように適合される。コントローラは、空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、第1の位置推定値及び第2の位置推定値を使用するように適合される。
【0048】
本開示の他の態様によれば、空間体積は、第1のヘッドウォールユニット及び第2のヘッドウォールユニットに対して不変の関係で定められ、患者支援装置が移動するときに移動しない。代替的には、空間体積は、患者支援装置に対して不変の関係で定められ、患者支援装置が移動するときに移動してもよい。いくつかの実施形態において、空間体積は、動的な値及び/又は境界を有し、他の実施形態において、空間体積は、静的な値及び/又は境界を有する。
【0049】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバは、タグ付き医療機器のタグ内に配置されたタグトランシーバと通信を行うように更に適合される。そのような実施形態において、第1の位置トランシーバは、患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を生成するように適合され、コントローラは、空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、第3の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0050】
いくつかの実施形態において、患者支援装置は、患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバを更に有する。
【0051】
いくつかの実施形態において、患者支援装置は、タグ付き医療機器が空間体積の内側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、タグ付き医療機器が空間体積の外側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送しないように適合されたネットワークトランシーバを有する。
【0052】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ、第2の位置トランシーバ及び第3の位置トランシーバは、第1の位置推定値及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合される。代替的に又は追加的に、第1の位置トランシーバ、第2の位置トランシーバ及び第3の位置トランシーバは、第1の位置推定値及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、第1のヘッドウォールユニットは、第1のヘッドウォールユニットに対する患者支援装置の第4の位置推定値を生成するように適合された第4の位置トランシーバを更に有する。
【0054】
いくつかの実施形態において、第1の赤外線トランシーバを有し、患者支援装置は、第2の赤外線トランシーバを有する。そのような実施形態において、第1の赤外線トランシーバ及び第2の赤外線トランシーバは、患者支援装置が第2の赤外線トランシーバを第1のヘッドウォールユニットに向ける向きであるときにのみ互いに通信を行うことができるように適合される。
【0055】
いくつかの実施形態において、コントローラは、第1の位置トランシーバと第2の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合される。コントローラは、第1の位置推定値を生成するために、チャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する。
【0056】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、第3の位置トランシーバは、第3のアンテナアレイを有する。
【0057】
いくつかの実施形態において、空間体積は、医療施設の部屋のベイを包含する。
【0058】
いくつかの実施形態において、第1のヘッドウォールユニットは、患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するためにテレビジョン受像機にコマンドを送信することによって音量制御メッセージに応答するように更に適合される。
【0059】
本開示の他の実施形態によれば、支持面と、第1の位置トランシーバと、第2の位置トランシーバと、コントローラと、を有する患者支援装置を提供する。支持面は、人を支持するように適合される。第1の位置トランシーバは、患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するように適合される。第2の位置トランシーバは、患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第2の位置推定値を生成するように適合される。コントローラは、空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、第1の位置推定値と、第2の位置推定値と、第1の位置トランシーバと第2の位置トランシーバとの間の空間的関係と、を使用するように適合される。
【0060】
本開示の他の態様によれば、コントローラは、オフボード装置に対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を決定するように適合されたオフボード装置と通信を行ってもよい。そのような実施形態において、コントローラは、空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、第3の位置推定値を利用するように適合されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、コントローラは、空間体積に対するタグ付き医療機器の位置を判断するために、第4の位置推定値及び第5の位置推定値を使用するように更に適合される。第4の位置推定値は、オフボード装置に対する第1の位置トランシーバの位置の推定値であり、第5の位置推定値は、オフボード装置に対する第2の位置トランシーバの位置の推定値である。オフボード装置は、他の患者支援装置、他のヘッドウォールユニット及び/又は他の装置を指すことがある。
【0062】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバの両方は、タグ付き医療機器から受信した無線信号に対する指向性感度を達成するために、ビームフォーミング技法を使用するように適合されるものである。いくつかのそのような実施形態において、指向性感度は、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるときにタグ付き医療機器から受信する信号がタグ付き医療機器が空間体積の内側にないときに比べて強くなるように第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバが適合されたものである。
【0063】
いくつかの実施形態において、患者支援装置は、タグ付き医療機器が空間体積の内側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送し、タグ付き医療機器が空間体積の外側にある場合、タグ付き医療機器から受信したデータをサーバに転送しないように適合されたネットワークトランシーバを更に有する。いくつかのそのような実施形態において、ネットワークトランシーバは、医療施設の部屋のヘッドウォールに取り付けられたヘッドウォールユニット内に含まれてもよく、第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合されてもよい。
【0064】
いくつかの実施形態において、ネットワークトランシーバは、患者支援装置内に含まれ、第1の位置トランシーバは、タグ付き医療機器から直接データを受信するように更に適合される。
【0065】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、超広帯域信号を使用するように適合される。代替的に又は追加的に、第1の位置トランシーバ及び第2の位置トランシーバは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値及び第2の位置推定値をそれぞれ生成するために、Bluetooth Low Energy(登録商標)(LE)信号を使用するように適合されてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態において、患者支援装置は、第2の患者支援装置に配置された第3の位置トランシーバを更に有し、第3の位置トランシーバは、第2の患者支援装置に対するタグ付き医療機器の第4の位置推定を生成するように適合される。そのような実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器が空間体積の内側にあるか外側にあるかを判断するときに第4の位置推定値を使用するように更に適合される。
【0067】
いくつかの実施形態において、コントローラは、タグ付き医療機器と第1の位置トランシーバとの間で通信が行われた無線信号からチャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を決定するように適合される。コントローラは、タグ付き医療機器の第1の位置推定値を生成するために、チャネル状態情報又は到来角情報のうちの少なくとも一方を使用する。
【0068】
いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバは、第1のアンテナアレイを有し、第2の位置トランシーバは、第2のアンテナアレイを有し、タグ付き医療機器は、タグ付き医療機器に含まれるタグに統合された第3のアンテナアレイを有する。
【0069】
いくつかの実施形態において、患者支援装置は、マイクロフォンと、第1のトランシーバと、を有する。マイクロフォンは、患者支援装置に位置する患者からの声を音声信号に変換するように適合される。第1のトランシーバは、医療施設の部屋の壁に取り付けられたヘッドウォールユニットに音声信号を無線で送信するように適合される。ヘッドウォールユニットは、第2のトランシーバと、ナースコールインターフェースと、を有する。第2のトランシーバは、患者支援装置から音声信号を無線で受信するように適合され、ナースコールインターフェースは、音声信号をナースコールシステムに転送するように適合される。
【0070】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、患者支援装置から音量制御メッセージを受信し、かつ、部屋内のテレビジョン受像機の音量を変更するためにテレビジョン受像機にコマンドを送信することによって音量制御メッセージに応答するように更に適合される。
【0071】
本明細書に開示される様々な実施形態を詳しく説明する前に、特許請求の範囲が動作の詳細又は以下の説明に記載される若しくは図面に例示される構造の詳細及び構成要素の配置に限定されないことが理解される。本明細書に記載された実施形態を、本明細書に明示的に開示されていない代替的な方法で実施又は実行することが可能である。また、本明細書で使用される言い回し及び用語が説明のためのものであるとともに限定的なものと見なすべきではないことが理解される。「有する」及び「備える」並びにその変形を使用することは、その後に列挙された項目及びその等価物並びに追加の項目及びその等価物を包含することを意図する。さらに、様々な実施形態の説明において、列挙が使用される場合がある。特に明示しない限り、列挙の使用は、請求項を構成要素の特定の順序又は数に限定するものと解釈されるべきではない。また、列挙の使用は、列挙されたステップ又は構成要素と組み合わされるかもしれない追加のステップ又は構成要素を特許請求の範囲から除外するものと解釈されるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】
図1は、本開示の第1の実施形態による患者支援装置の斜視図である。
【0073】
【
図2】
図2は、
図1の患者支援装置の例示的な介護者用操作パネルの平面図である。
【0074】
【
図3】
図3は、
図1の患者支援装置の例示的な患者用操作パネルを示す平面図である。
【0075】
【
図4】
図4は、医療施設の部屋内に配置されたタグ付き医療機器の位置を自動的に検出するシステムの第1の実施形態を示す図である。
【0076】
【
図5】
図5は、
図4のシステムのいくつかの構成要素を示すブロック図である。
【0077】
【
図6】
図6は、タグ付き医療機器の位置を自動的に検出するシステムの少なくとも一つの実施形態によって実装されるアルゴリズムのフロー図である。
【0078】
【
図7】
図7は、タグ付き医療機器の位置を自動検出するシステムの第2の実施形態を示す図である。
【0079】
【
図8】
図8は、
図7の実施形態の患者支援装置及び位置トランシーバのブロック図である。
【0080】
【
図9】
図9は、タグ付き医療機器の位置を自動検出するシステムの第3の実施形態を示す図である。
【0081】
【
図10】
図10は、
図9の実施形態の患者支援装置及び位置トランシーバのブロック図である。
【0082】
【
図11】
図11は、タグ付き医療機器の位置を自動的に検出するシステムの第4の実施形態を示す図である。
【0083】
【
図12】
図12は、
図11の実施形態の患者支援装置及び位置トランシーバのブロック図である。
【0084】
【
図13】
図13は、タグ付き医療機器の位置を自動検出するシステムの第5の実施形態を示す図である。
【0085】
【0086】
【
図15】
図15は、タグ付き医療機器の位置を自動的に検出するシステムの第6の実施形態の患者支援装置及び位置トランシーバのブロック図である。
【0087】
【
図16】
図16は、タグ付き医療機器の位置を自動検出するシステムの第7の実施形態を示す医療施設の部分的な間取図である。
【0088】
【
図17】
図17は、本明細書に開示されたシステムの患者支援装置が生成して中央サーバに送信するように構成することができる測距情報の表である。
【発明を実施するための形態】
【0089】
本開示の実施形態による例示的な患者支援装置20を、
図1に示す。
図1に例示する患者支援装置20の特定の形態は、病院又は他の医療環境での使用に適合したベッドであるが、患者支援装置20が、異なる実施形態において、簡易ベッド、ストレッチャー、リクライナー又は医療環境において患者を支持できる任意の他の構造であってもよいことが理解される。
【0090】
一般に、患者支援装置20は、複数の車輪24を有するベース22と、ベース22に支持された一対のリフト26と、リフト26に支持されたリターフレーム28と、リターフレーム28に支持された支持デッキ30と、を有する。患者支援装置20は、ヘッドボード32と、フットボード34と、複数のサイドレール36と、を更に有する。サイドレール36は、
図1において全て上昇した位置に示すが、患者支援装置20への進入及び退出が下降したサイドレール36によって妨げられないような低い位置にそれぞれ個別に移動可能である。
【0091】
リフト26は、ベース22に対してリターフレーム28を上げ下げするように適合される。リフト26は、油圧アクチュエータ、電気アクチュエータ又はベース22に対してリターフレーム28を上げ下げするための任意の他の適切な装置であってもよい。図示の実施形態において、リフト26は、ベース22に対するリターフレーム28の傾きも調整できるように独立して動作可能であり、リターフレーム28を平坦もしくは水平配向、トレンデレンブルグ配向又は逆トレンデレンブルグ配向に置くことができる。すなわち、リターフレーム28は、ヘッドエンド38及びフットエンド40を有し、その各々の高さを、最寄りのリフト26によって独立して調節することができる。患者支援装置20は、乗員がその上に横たわったときに乗員の頭部が頭部端38に隣接して配置されるとともに乗員の足が足部端40に隣接して配置されるように設計される。
【0092】
リターフレーム28は、支持デッキ30、ヘッドボード32、フットボード34及びサイドレール36を支持するための構造を提供する。支持デッキ30は、人が支持デッキ30に横たわること及び/又は座ることができるようにマットレス42又は他の柔らかいクッションのための支持面を提供する。マットレス42又は他のクッションの上面は、乗員のための支持面を形成する。いくつかの実施形態において、マットレス42は、送風機又は加圧空気の他の供給源を介して制御可能な一つ以上の膨張式ブラダーを有する。少なくとも一つの実施形態において、マットレス42のブラダーの膨張は、電子機器を介して制御可能であり、患者支援装置20に組み込まれる。そのような一実施形態において、マットレス42は、発明者Patrick Lafleche等による2016年10月18日に発行された同一出願人の米国特許第9,468,307号に開示されたマットレスのいずれかの機能及び/又は構造を取ることができ、その全開示を、参照によりここに組み込む。さらに別のタイプのマットレスを使用してもよい。
【0093】
支持デッキ30は、複数のセクションからなり、そのうちのいくつかは、略水平なピボット軸を中心に枢動可能である。
図1に示す実施形態において、支持デッキ30は、少なくとも頭セクション44と、腿セクション46と、足セクション48と、を有し、これらの全ては、マットレス42の下に配置され、一般に、マットレス42を支持するための平坦面を形成する。ファウラーセクションとも呼ばれることがある頭セクション44は、(
図1に示さない)略水平な方向と(一つを
図1に示す)複数の上昇位置との間で略水平なピボット軸を中心に枢動可能である。腿セクション46及び足セクション48も、略水平なピボット軸を中心に枢動可能であってもよい。
【0094】
いくつかの実施形態において、患者支援装置20を、ユーザが患者支持デッキ30の幅を拡張することを可能にするように適合された一つ以上の構成要素を含むように、図示されているものから変更することができ、それによって、患者支援装置20が様々なサイズの患者に対応することができる。そのように変更された場合、デッキ30の幅を、例えば、第1すなわち最小幅、第2すなわち中間幅及び第3すなわち拡張/最大幅の間で、任意の増分で横に調整することができる。
【0095】
本明細書で使用する場合、「長手方向」という用語は、頭端部38と足端部40との間の軸に平行な方向を意味する。「横断方向」又は「横方向」という用語は、長手方向に垂直な方向であって、患者支援装置20が載る表面に平行な方向を意味する。
【0096】
患者支援装置20を他のタイプの構造、例えば、Roussy等による表題が「肥満患者とともに使用可能な患者支援装置」である米国特許第10,130,536号に記載されたものとすることができるがそれに限定されないことが当業者によって理解され、その全開示を、参照によりここに組み込む。他の実施形態において、患者支援装置20の構造は、ミシガン州カラマズーのStryker CorporAtionが製造及び販売するモデル3002S3ベッドの機械的構造と同一又は略同一の構造を有してもよい。この構造は、ミシガン州カラマズーのStryker CorporAtionによって2010年に発行されたStryker Maintenance Manual for the MedSurg Bed, Model 3002 S3に更に詳しく記載されており、その全開示を、参照によりここに組み込む。更に別の実施形態において、患者支援装置20の構造は、ミシガン州カラマズーのStryker Corporationが製造販売するモデル3009 Procuity MedSurgベッドと同一又は略同一の構造を有してもよい。この構造は、ミシガン州カラマズーのStryker Corporationによって2020年に発行された3009 Procuity MedSurgベッドのStryker Maintenance Manual(Publication 3009-009-002, Rev.A.0) において更に詳しく説明されている。
【0097】
患者支援装置20を、更に別のタイプの構造、例えば、Lemire等による表題が「病院用ベッド」である2010年4月6日に発行された同一出願人の米国特許第7,690,059号及び/又はBecker等による表題が「ローカルステータス表示、ワンタッチファウラー角度調整及びパワーオンアラーム設定を有する患者取り扱い装置」ある同一出願人の米国特許出願第2007/0163045号に記載されているものを使用して設計できることが当業者には理解されるが、それに限定されるものではなく、両方の全開示を、参照によりここに組み込む。患者支援装置20の全体的な構造を、患者支援装置が後に詳しく説明される機能及び特徴を含む限り上記文献に開示されているものとは異なる更に別の形態を取ることができる。
【0098】
患者支援装置20は、患者支援装置20のユーザ、例えば、患者及び/又は関連する介護者が患者支援装置20の一つ以上の態様を制御することを可能にする複数の制御パネル54を更に有する。
図1に示す実施形態において、患者支援装置20は、フットボード制御パネル54aと、(一つだけが見える)一対の外側サイドレール制御パネル54bと、(一つだけが見える)一対の内側サイドレール制御パネル54cと、を有する。フットボード制御パネル54a及び外側サイドレール制御パネル54bは、介護者又は他の許可された人員によって使用されることを意図しており、一方、内側サイドレール制御パネル54cは、患者支援装置20に関連する患者によって使用されることを意図している。制御パネル54の各々は、複数の制御装置50(例えば、
図2~3を参照)を有するが、各制御パネル54は、必ずしも同一の制御装置及び/又は機能性を有するわけではない。
【0099】
他の機能の中で、制御パネル54aの制御部50は、ユーザによる支持デッキ30の高さの変更、頭セクション44の上昇又は下降、車輪24のブレーキの作動及び解除、退出検出システム56(
図5)の作動及び解除並びに後に更に詳しく説明するような患者支援装置20が配置される医療施設に設置されている特定のIT基盤との通信のうちの一つ以上を制御することができる。内側サイドレール制御パネル54cの一方又は両方は、患者が遠隔に位置する看護師(又は他の介護者)を呼び出すことを可能にする少なくとも一つの制御装置も有する。内側サイドレール制御パネル54cの一方又は両方は、ナースコール制御装置に加えて、患者支援装置20と同一の部屋内に配置された一つ以上の室内器具の一つ以上の機能を制御するための一つ以上の制御装置も含む。後に更に詳しく説明するように、このような室内器具は、テレビジョン受像機、読書灯及び室内用照明器具を含むが、必ずしもそれに限定されない。 テレビジョン受像機に関しては、制御パネル54cの一つ以上の制御装置50によって制御可能な機能として、テレビの音量、チャンネル、クローズドキャプション及び/又は電源状態が挙げられるが、それに限定されるものではない。室内用照明器具及び/又は常夜灯に関して、制御パネル54cの一つ以上の制御装置50によって制御することができる機能は、これらの灯のオン/オフ状態及び/又は明るさレベルを含む。
【0100】
制御パネル54aは、複数の互いに異なる画面を表示するように構成されたディスプレイ52(
図2)を有する。ディスプレイ52の周囲は、起動されるときにディスプレイ52に互いに異なる画面を表示させる複数のナビゲーションコントロール50a~fである。更に具体的には、ユーザがナビゲーションコントロール50aを押すとき、制御パネル54aは、タッチのときにオンボード退出検出システム56(
図5)を制御する一つ以上のアイコンを含む退出検出制御画面をディスプレイ52に表示する。退出検出システム56は、患者が患者支援装置20から退出するときに警報を発するように適合される。退出検出システム56は、発明者Sujay Sukumaran等による表題が「調整可能な退出検出ゾーンを有する人間支援装置」である2019年8月20日に出願された同一出願人の米国特許出願第62/889,254号に開示された退出検出システムと同様の特徴及び機能のいずれかを有してもよく、及び/又は、同様の態様のいずれかに構築されてもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。他のタイプの退出検出システムを、患者支援装置20内に含めてもよい。
【0101】
ユーザがナビゲーションコントロール50b(
図2)を押したとき、制御パネル54は、タッチするときに患者支援装置20に組み込まれたオンボードモニタリングシステムを制御する複数の制御アイコンを含むモニタリング制御スクリーンを表示する。患者支援装置20に内蔵してもよい一つのタイプのモニタリングシステムの更なる詳細は、発明者Kurosh Nahavandi等による表題が「介護者リマインダーを有する患者支援装置」である2019年6月21日に出願された同一出願人の米国特許出願第62/864,638及び発明者Kurosh Nahavandi等による表題が「動きをカスタマイズする患者支援装置」である2019年12月19日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/721,133号に開示されており、両方の全開示を、参照によりここに組み込む。他のタイプの監視システムを、患者支援装置20内に含めてもよい。
【0102】
ユーザがナビゲーションコントロール50cを押したとき、制御パネル54aは、タッチするときに患者支援装置20のスケールシステムを制御する複数の制御アイコンを含むスケール制御スクリーンを表示する。そのようなスケールシステムは、発明者Sujay Sukumaran等による表題が「調整可能な退出検出ゾーンを有する人間支援装置」である2019年8月20日に出願された同一出願人の米国特許出願第62/889,254号及び発明者Kurosh Nahavandi等による表題が「装備重量記録を行う人間支援装置」である2019年8月13日に出願された同一出願人の米国特許出願第62/885,954号に開示されたスケールシステムと同様の特徴及び機能のいずれかを有してもよく、及び/又は、同様の態様のいずれかに構成されてもよく、両方の全開示を、参照によりここに組み込む。スケールシステムは、退出検出システム56によって利用されるのと同一の力センサを利用してもよい、又は、一つ以上の異なるセンサを利用してもよい。 '254及び'954の出願で上述したもの以外の他のスケールシステムを、代替的に患者支援装置20内に含めてもよい。
【0103】
ユーザがナビゲーションコントロール50dを押したとき、制御パネル54は、タッチするときにリターフレーム28の高さ及び頭セクション44の枢動のようなものであるがそれに限定されない患者支援装置20の様々な構成要素の動きを制御する。いくつかの実施形態において、コントロール50dを押すことに応答してディスプレイ52に表示される動作制御画面は、発明者Kurosh Nahavandi等による表題が「タッチスクリーンを有する患者支援装置」である2019年8月13日に出願された同一出願人の米国特許出願第62/885,953号に開示された位置制御スクリーン216と同一又は類似であってもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。他のタイプの動作制御スクリーンを、患者支援装置20内に含めてもよい。
【0104】
ユーザがナビゲーションコントロール50eを押したとき、制御パネル54aは、タッチするときに患者支援装置20の一つ以上の動きロックアウト機能を制御する複数の制御アイコンを含むモーションロック制御画面を表示する。そのような動きロックアウト画面は、発明者Kurosh Nahavandi等による表題が「動きをカスタマイズする患者支援装置」である2019年12月19日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/721,133号に開示された動きロックアウト形態、機能及び構造のいずれかを有してもよく、及び/又は、同様の態様のいずれかに構成されてもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。他のタイプの動きロックアウトを、患者支援装置20内に含めてもよい。
【0105】
ユーザがナビゲーションコントロール50fを押したとき、制御パネル54aは、タッチするときに患者支援装置20の一つ以上の他の態様を制御及び/又は観察するための一つ以上の追加画面を呼び出す複数のメニューアイコンを含むメニュー画面を表示する。 そのような他の態様は、患者支援装置20の診断及び/又はサービス情報、マットレス制御及び/又は状態情報、構成設定並びに他の設定及び/又は情報を含むが、それに限定されない。好適なメニュー画面の一例は、発明者Kurosh Nahavandi等による表題が「タッチスクリーンを有する患者支援装置」である2019年8月13日に出願された同一出願人の米国特許出願第62/885,953号に開示されたメニュー画面100であり、その全開示を、参照によりここに組み込む。他のタイプのメニュー及び/又は設定を、患者支援装置20内に含めてもよい。少なくとも一つの実施形態において、ナビゲーションコントロール50fの利用により、ユーザが患者支援装置20とヘッドウォールユニット66との間の通信設定を構成することを可能にする画面にナビゲートすることができる(例えば、
図4~5を参照)。このように構成することができる通信設定のタイプの例は、発明者Alexander Bodurka等による表題が「ヘッドウォール通信を行う患者支援装置」である2020年5月19日に出願された同一出願人の米国特許出願第63/026,937号の
図9~15に開示されたように構成されてもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0106】
ナビゲーションコントロール50a~f(
図2)の全てについて、患者支援装置20の他の実施形態において、上記で特に言及した以外の画面を、患者がこれらのコントロールを押すことに応答してディスプレイ52に表示してもよい。したがって、上述した特定の画面がユーザがナビゲーションコントロール50a~fの一つ以上を押すことに応答してディスプレイ52に表示可能な画面のタイプの単なる代表であることが理解される。また、ナビゲーションコントロール50a~fの全てがディスプレイ52に隣接して配置される専用コントロールとして添付図面に示されているが、代替的には、これらのコントロール50a~fのいずれか一つ以上がディスプレイ52の一つ以上の位置に表示されるタッチスクリーンコントロールであってもよいことが理解される。さらに、制御部50a~fは、本明細書においてボタンとして示したが、制御部50a~fのいずれもスイッチ、ダイヤル又は他のタイプの非ボタン制御部であってもよいこと又は代替的にそうであってもよいことが理解される。
【0107】
図3は、患者支援装置20に組み込まれるとともに支持デッキ30に支持されている間に患者がアクセスするのに便利な患者支援装置20の場所、例えば、サイドレール36のうちの一つの内側に配置してもよい患者制御パネル54cの一例を示す。制御パネル54cは、患者によって操作されることを意図した複数の制御装置50g~tを有する。ナースコールコントロール50gは、患者によって押されたとき、ナースコールシステムに信号を送信し、遠隔に配置された看護師が患者に話しかけることを要求する。ファウラーアップコントロール50hは、患者によって押されたとき、患者支援装置20に搭載された電動アクチュエータによってファウラー部44を上げるようにする。ファウラーダウンコントロール50iは、患者によって押されたとき、電動アクチュエータによってファウラー部44を下げるようにする。ガッチアップ制御50jは、患者によって押されたとき、別の電動アクチュエータによってサポートデッキ30の膝セクションを上げるようにし、ガッチダウン制御50kは、電動アクチュエータによってサポートデッキ30の膝セクションを下げるようにする。
【0108】
ボリュームアップコントロール50lは、患者によって押されたとき、患者支援装置20に、部屋内のテレビジョン受像機に音量を上げるよう指示する信号を送信させるようにし、ボリュームダウンコントロール50mは、押されたとき、患者支援装置20に、テレビジョン受像機に音量を下げるよう指示する信号をさせるようにする。チャンネルアップコントロール50nは、患者によって押されたとき、患者支援装置20に、テレビにチャンネル番号を上げる指示する信号を送信させるようにし、チャンネルダウンコントロール50oは、押されたとき、患者支援装置20に、テレビにチャンネル番号を下げるよう指示する信号を送信させるようにする。
【0109】
ミュートコントロール50pは、押されたとき、テレビジョン受像機が現在ミュートされているかミュート解除されているかに応じて、患者支援装置20に、テレビジョン受像機にミュートするかミュート解除するかを指示する信号を送信させるようにする。換言すれば、ミュートコントロール50pは、押されたときに交互にミュートコマンドとアンミュートコマンドをテレビに送信するトグルコントロールである。
【0110】
電源コントロール50qは、押されたときにテレビジョン受像機の現在の電源状態に応じてテレビジョン受像機をオン又はオフにするために信号を送信するトグルコントロールである。クローズドキャプション制御50rは、押されたときにクローズドキャプション機能が現在オンであるかオフであるかに応じてクローズドキャプション機能をオンにするかオフにするかのいずれかの信号をテレビジョンに送信する別のトグルコントロールである。
【0111】
コントロール50sは、押されたときに第1の照明器具の現在の状態に応じてオン又はオフのいずれかにするために第1の照明器具に信号を送信するトグルコントロールである。 コントロール50tは、押されたときに第1の照明器具の現在の状態に応じてオン又はオフのいずれかにするために第1の照明器具に信号を送信する別のトグルコントロールである。いくつかの実施形態において、第1の照明器具は読書灯であり、第2の照明器具は室内灯であり、その両方は、患者支援装置20のオフボードに配置される。
【0112】
制御パネル54cのコントロール50の数だけでなく、制御パネル54cのコントロール50の機能、制御パネル54cのコントロール50のレイアウト及び/又は制御パネル54cの他の態様を
図3に示すものから変更できることが理解される。いくつかの実施形態において、制御パネル54cは、患者支援装置20のポートに差し込まれるケーブルを含むペンダントコントローラに実装される。他の実施形態において、制御パネル54cの制御部50の一つ以上を、省略してもよい、増強してもよい、及び/又は、他の制御パネル及び/又は場所の間で分割してもよい。制御パネル54cを実施するさらに別の態様も可能である。
【0113】
図4は、患者支援装置20及び/又は病院のようなものであるがそれに限定されない通常の医療施設の部屋70内に定められた空間体積64に対する一つ以上のタグ付き医療機器62の位置を判断するシステム60を示す。システム60は、患者支援装置20と、一つ以上のヘッドウォールユニット66と、一つ以上の位置トランシーバ116と、を有する。一つ以上の位置トランシーバ116は、医療施設内の既知の不変の位置に配置されてもよく、一つ以上の位置トランシーバ116は、患者支援装置20にも結合されてもよい、又は、代替的に患者支援装置20に結合されてもよい。患者支援装置20に結合されたとき、位置トランシーバ116は、患者支援装置20の本体の既知の位置に配置される。後に更に詳しく説明するように、位置トランシーバ116は、タグ付き医療機器62が空間体積64内に配置されているか否かを判断するように適合される。そうである場合、システム60は、タグ付き医療機器62を第1の態様で扱い、そうでない場合、後に更に詳しく説明するように、システム60は、タグ付き医療機器62を異なる第2の態様で扱う。一般に、タグ付き医療機器が空間体積64の内側に配置されている場合、システム60は、機器62が同一の空間体積64の内側に配置された特定の患者支援装置20に割り当てられた患者に関連していると結論付ける。
【0114】
図4に示すように、部屋70は、通常の通信コンセント74が物理的に統合されたヘッドウォール72を有する。通信コンセント74は、その他端を患者支援装置20(図示せず)又は無線ヘッドウォールユニット66(
図4に示す)のいずれかに物理的に接続するナースコールケーブル76を受け入れるように適合される。多くの医療施設において、通信コンセント74は、37ピンコネクタを有するが、特定の医療施設において、他のタイプのコネクタが見られることが多い。後に更に詳しく説明するように、ヘッドウォールユニット66及びナースコールケーブル76は、患者支援装置20がナースコールシステム及び部屋70内に配置された一つ以上の室内器具との通信を可能にする。
【0115】
通信コンセント74は、ナースコールシステム80並びにテレビジョン受像機82、室内用照明器具84及び/又は読書灯86のような一つ以上の室内器具と電気的に結合する一つ以上のケーブル、ワイヤ又は他の導体78に電気的に結合される。導体78は、典型的には、ヘッドウォール72の背後に位置し、見えない。いくつかの医療施設において、導体78は、部屋インターフェース回路基板を室内器具82,84,86及び/又はナースコールシステム80に電気的に結合するための一つ以上の導体78を有する部屋インターフェース回路基板に最初に結合することがある。通信コンセント74をナースコールシステム80及び/又は一つ以上の室内器具82,84,86に結合するための更に別の通信配置も可能である。
【0116】
室内器具82,84,86は、通常の病院の部屋に典型的に存在する従来の室内器具である。大抵の場合、テレビジョン受像機82及び/又は照明器具84,86の特定のブランド及びモデルは、医療施設ごとに異なり、同一の医療施設内でも部屋ごとに異なる場合がある。テレビジョン受像機82、室内用照明器具84及び/又は読書灯86の異なるモデル及び/又はブランドは、しばしば異なる様式で制御される。例えば、チャンネルを変更するために第1のブランドのテレビジョン受像機に入力される信号は、第1の電圧レベルを必要とする場合があり、チャンネルを変更するために第2のブランドのテレビに入力される信号は、第2の電圧レベルを必要とする場合がある。さらに、電圧レベルの違いとは別に、例えば、チャンネルを変更するためにテレビに送信されるビット及び/又は他の情報のシーケンスは、ブランドごとに又はモデルごとに異なる場合がある。テレビジョン受像機82及び/又は照明器具84,86の制御の更に別の態様は、ブランド及び/又はモデルごとに異なる場合がある。したがって、患者が患者制御パネル54cのうちの一つを使用してテレビジョン受像機82及び/又は照明器具84,86を適切に制御するために、患者支援装置20又はヘッドウォールユニット66を患者支援装置20と同一の部屋に配置された特定のテレビジョン受像機82及び/又は照明器具84,86に合わせて適切に構成する必要がある。本明細書に記載のシステムにおいて、ヘッドウォールユニット66は、関連するテレビジョン受像機82及び/又は照明器具84、86並びに関連するナースコールシステム80に一致するように構成されている。
【0117】
図4に戻ると、ナースコールケーブル76は、患者支援装置20がナースコールシステム80及び/又は室内器具82,84,86と通信を行うことを可能にする。患者支援装置20のナースコールコントロール(例えば50g;
図3参照)を作動させる患者支援装置20に支持された患者によって、患者支援装置20からヘッドウォールユニット66に信号を無線で送信し、ヘッドウォールユニット66は、ナースコールケーブル76を介してナースコールシステム80に信号を伝達し、ナースコールシステム80は、信号を遠隔地の1人以上の看護師(例えば、ナースステーション88の1人以上の看護師)に転送する。 患者が一つ以上の室内器具コントロール(例えばコントロール50l~t;
図3参照)を作動させると、一つ以上の無線信号がヘッドウォールユニット66に伝達され、ヘッドウォールユニット66は、ナースコールケーブル76を介して、通信コンセント74及び室内器具82,84,86にこれらの器具の一つ以上の機能(例えば音量、チャンネル、オン/オフ状態等)を変更する適切な信号を送信する。
【0118】
図4にも示すように、患者支援装置20は、医療施設のローカルエリアネットワーク90と通信を行うように更に構成される。
図4に示す実施形態において、患者支援装置20は、ローカルエリアネットワーク90と無線通信を行う無線ネットワークトランシーバ92(
図5)を有する。ネットワークトランシーバ92は、少なくともいくつかの実施形態において、ローカルエリアネットワーク90の一つ以上の通常の無線アクセスポイント94と無線通信を行うWiFi(登録商標)トランシーバ(例えば、IEEE 802.11)である。他の実施形態において、ネットワークトランシーバ92は、LAN90、ホストされるサーバ及び/又は他の機器と通信を行うために従来の5G技術を使用する無線トランシーバであってもよい。いくつかの実施形態において、ネットワークトランシーバ92は、Michael Hayesによる表題が「患者支援装置のための通信」である同一出願人の米国特許第10,500,401号に開示された通信モジュール56の構造及び/又は機能のいずれかを有してもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。更に別のタイプの無線ネットワークトランシーバを利用してもよい。
【0119】
いくつかの実施形態において、ネットワークトランシーバ92は、患者支援装置20に内蔵されたイーサネット(登録商標)ポート(例えば、RJ-45スタイルのポート、8P8Cポート等)に差し込むイーサネット(登録商標)ケーブルのような有線接続を介して患者支援装置20がネットワーク90と通信できるように適合された有線トランシーバである。更に別の実施形態において、患者支援装置20は、有線接続を介してネットワーク90と通信を行うための有線トランシーバ92と、ネットワーク90と無線で通信を行うための無線トランシーバ92との両方を有する。
【0120】
患者支援装置20は、医療施設のローカルエリアネットワーク90の一つ以上のサーバと通信を行うように構成される。そのようなサーバの一つは、患者支援装置サーバ96である。少なくとも一つの実施形態において、患者支援装置サーバ96は、医療施設内に配置された患者支援装置20からステータス情報を受信し、このステータス情報を介護者、他のサーバ及び/又は他のソフトウェアアプリケーションに配信するように適合される。いくつかの実施形態において、患者支援装置サーバ96は、患者支援装置20から受信したステータスデータの少なくとも一部を、医療施設から地理的に離間した場所に配置されたリモートサーバ98に送信するように構成される。そのような通信は、インターネット102に結合されたルータ及び/又はゲートウェイのようなものであるがそれに限定されないネットワークアプライアンス100を介して行ってもよい。リモートサーバ98は、インターネット102にも結合され、患者支援装置サーバ96は、ネットワーク90とサーバ98との間のインターネット接続を介してリモートサーバ98と通信を行うのに必要なURL及び/又は他の情報が提供される。
【0121】
いくつかの代替的な実施形態において、患者支援装置20は、患者支援装置サーバ96を利用することなくリモートサーバ98のような一つ以上のクラウドベースサーバと直接通信を行うように構成されてもよい。すなわち、いくつかの実施形態において、患者支援装置20は、ローカルにホストされたサーバ(例えば、LAN90にホストされたサーバ)に依存することなくリモートサーバと直接通信を行うように構成されてもよい。そのような一実施形態において、患者支援装置20は、サーバ96を利用することなく一つ以上のリモートサーバ98に直接接続するために、マイクロソフトのAzure cloud computing serviceを利用する。いくつかのそのような実施形態において、ネットワークアプライアンス100は、そのような直接接続をサポートするように構成されたルータである。更に別のタイプの直接クラウド接続を患者支援装置20の一つ以上で利用してもよい。
【0122】
後に更に詳しく説明するように、患者支援装置サーバ96は、部屋70内に配置された一つ以上のタグ付き医療機器62の位置の判断のようなものであるがそれに限定されない追加機能を実行することもできる。医療機器62の位置が部屋内に定められた空間体積64の内側であるか否か及び/又は患者支援装置20の閾値距離内であるか否かに応じて、患者支援装置サーバ96は、医療機器62が患者支援装置20に割り当てられた患者に関連する無線ネットワークに加わること、医療機器62がタグ付き医療機器62(及び/又はそのデータ)を特定の患者、患者支援装置、部屋及び/又はベイ識別子に自動的に関連付けること、医療機器62がデータをサーバ96に自動的に転送すること及び/又は医療機器62が他の動作を実行することを許可するか否かを判断するよう構成されてもよい。他の実施形態において、これらの機能の一つ以上を、患者支援装置20又はヘッドウォールユニット66に搭載された一つ以上のコントローラ及び/又はこれらの装置の組み合わせによって単独で又はサーバ96(及び/又はサーバ98)と連携して実行してもよい。
【0123】
ローカルエリアネットワーク90のアーキテクチャ及びコンテンツは医療施設ごとに異なり、
図4に示す例が医療施設が採用することができるネットワークのタイプの単なる一例であることが理解される。典型的には、追加のサーバ104がネットワーク90でホストされ、それらのうちの一つ以上が患者支援装置サーバ96と通信を行うように適合されてもよい。例えば、電子健康記録サーバは、典型的には、任意の医療施設に存在し、本明細書で説明するいくつかの実施形態において、患者の健康記録に記録されるべき患者データ(例えば、患者支援装置20に組み込まれた体重計から取られた体重測定値、患者支援装置20に搭載された動力式マットレス42を使用して患者に与えられた療法、患者支援装置20に割り当てられた患者に関連していると判断された医療機器62からのデータ等)を受信するために患者支援装置サーバ96と通信を行う。ローカルエリアネットワーク90は、典型的には、一つ以上の電子デバイス106が無線アクセスポイント106を介してローカルエリアネットワーク90にアクセスすることを許容する。そのような電子機器106は、スマートフォン、タブレットコンピュータと、携帯用ラップトップと、デスクトップコンピュータと、WiFi(登録商標)機能を含むとともにネットワーク90(及び少なくともいくつかの状況における患者支援装置サーバ96)にアクセスするための適切な認証情報(例えばSSID、パスワード等)が提供される他のタイプの電子機器を含まれるが、それに限定されない。
【0124】
ヘッドウォールユニット66は、患者支援装置20から信号を無線で受信し、通常のナースコールケーブル76が患者支援装置20と通信コンセント74との間に直接接続された場合に信号が通信コンセント74に配信される方法に一致する方法で信号を通信コンセント74に配信するように適合される。換言すれば、患者支援装置20及びヘッドウォールユニット66は、コンセント74が有線接続を介して患者支援装置20と通信を行っている又は患者支援装置20とヘッドウォールユニット66(後者はコンセント74と有線通信している)との間の無線接続を介して患者支援装置20と通信を行っているか否かを検出できないように、通信コンセント74に対して透過的な方法で信号を提供するように協力する。このようにして、医療施設は、既存の通信コンセント74に変更を加えることなく一つ以上の患者支援装置20の無線通信能力を利用することができる。
【0125】
患者支援装置20から受信した信号を通信コンセント74に送信することに加えて、ヘッドウォールユニット66は、通信コンセント74から受信した信号を患者支援装置20に転送するように適合される。したがって、ヘッドウォールユニット66は、患者支援装置20と通信コンセント74との間の双方向通信を提供するように適合される。そのような通信は、制御装置50のいずれかから及び/又は電子装置106のいずれかから対応する室内器具82,84及び/又は86にコマンド信号を送信することを含むが、それに限定されない。そのような通信は、患者支援装置20に支持された人と患者支援装置20から遠隔に位置する介護者との間の音声信号の通信も含む。患者支援装置20のマイクロフォンからヘッドウォールユニット66が受信した音声信号は、通信コンセント74に転送され、通信コンセント74から受信した音声信号は、患者支援装置20のスピーカに転送される。
【0126】
いくつかの実施形態において、ナースコールケーブル76は、両端に通常の37ピンコネクタを有し、そのうちの一つは、コンセント74に挿入されるように適合され、そのうちの他の一つは、ヘッドウォールユニット66に挿入されるように適合される。そのような37ピン接続は、ナースコールシステム80及び室内器具82,84,86への接続を行うために医療施設の既存のヘッドウォールに見られる最も一般的なタイプのコネクタの一つである。したがって、ヘッドウォールユニット66及びナースコールケーブル76は、医療施設で使用される最も一般的なタイプの通信コンセント74の一つと嵌合するように構成される。しかしながら、そのような37ピンコネクタは、唯一のタイプのコネクタではなく、ヘッドウォールユニット66が異なるタイプのナースコールケーブル76及び/又は異なるタイプの通信コンセント74に電気的に結合するように適合された異なるタイプのコネクタを利用できることが理解される。そのような代替的な通信コンセント74及びケーブルの一例は、発明者Krishna Bhimavarapu等による表題が「無線ヘッドウォール通信を行う患者支援装置」である2015年8月6日に出願された同一出願人の米国特許出願第14/819,844号に開示されており、その全開示を、参照によりここに組み込む。更に別のタイプの通信コンセント74及び対応するコネクタを利用してもよい。
【0127】
ヘッドウォールユニット66(
図4)は、通常の電気コンセント112に挿入されるように適合された、遠端に配置されたプラグ110を有する電気コード108を有する。電気コード108は、ヘッドウォールユニット66がコンセント112を介して主電源から電力を受け取ることを可能にする。いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66がバッテリ駆動であるとともにコード108を省略してもよいことが理解される。更に別の実施形態において、ヘッドウォールユニット66は、停電時にバッテリ電源がヘッドウォールユニット66に電力を供給するように、及び/又は、バッテリ故障時にコンセント112を介して電力を受け取るように、バッテリ作動式であるとともにコード108を有してもよい。
【0128】
本明細書に記載される構造及び機能のいずれかに加えて、ヘッドウォールユニット66は、患者支援装置20及び/又は患者支援装置サーバ96が医療施設内の患者支援装置20の位置を判断することを可能にする位置データを患者支援装置20に送信するように構成されてもよい。そのような位置判断は、発明者Michael Hayes等による表題が「位置判断システム及び方法」である2018年6月19日に発行された同一出願人の米国特許第9,999,375号に開示された方法のいずれかで行ってもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0129】
ヘッドウォールユニット66は、追加の機能を実行することもできる。いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66は、発明者Alexander Bodurka等による表題が「病院ヘッドウォール通信システム」である2018年12月11日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/215,911に開示されたヘッドウォールユニット76が行う機能のいずれかを実行してもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66は、追加的に又は代替的に、発明者Alexander Bodurka等による表題が「位置/動き検出を行う患者支援装置」である2018年11月16日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/193,150号に開示されたヘッドウォールインターフェース72によって実行される機能と同一の機能のいずれかを実行してもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。更に別の実施形態において、ヘッドウォールユニット66は、追加的に又は代替的に、発明者Alexander Bodurka等による表題が「スマート病院ヘッドウォールシステム」である2018年12月12日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/217,203号に開示されたヘッドウォールユニット66によって実行される機能と同一の機能のいずれかを実行してもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0130】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66は、発明者Krishna Bhimavarapu等による表題が「無線ヘッドウォール通信を行う患者支援装置」である2015年8月6日に出願された同一出願人の米国特許出願第14/819,844号に開示された無線ヘッドウォールユニットの機能のいずれか又は全てを含むように構築されてもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0131】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66は、発明者Alexander Bodurka等による表題が「ヘッドウォール通信を行う患者支援装置」である2020年5月19日に出願された同一出願人の米国特許出願第63/026,937号に開示されたヘッドウォールユニットの機能のいずれか又は全てを含むように構築されてもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0132】
さらに、いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニットは、発明者Krishna Bhimavarapu等による表題が「患者支援装置の通信に使用されるヘッドウォールユニットを構成するツール」である2020年12月29日に出願された同一出願人の米国特許出願第63/131,508号に開示されたヘッドウォールユニット144aの特徴及び/又は機能のいずれかを含むよう構築されてもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0133】
いくつかの実施形態において、患者支援装置20及び/又は患者支援装置サーバ96は、上記同一出願人の米国特許及び/又は米国特許出願のいずれかに記載されている患者支援装置及び/又は患者支援装置サーバの機能のいずれか又は全てを含んでもよい。
【0134】
図5は、システム60の一実施形態の様々な構成要素のブロック図である。これらは、患者支援装置20と、ヘッドウォールユニット66と、不変の医療機器ロケータ114と、タグ付き医療機器62と、を有する。
図5に描いた構成要素は必ずしも完全なセットではなく、システム60が一つ以上の追加の不変の医療機器ロケータ114、一つ以上の患者支援装置及び/又は一つ以上の追加のヘッドウォールユニット66を追加的に有することができることが理解される。さらに、これらの構成要素の各々の内部回路は、
図5に示すもの以上のものを有することができることが理解される。例えば、ヘッドウォールユニット66が
図5において単一の位置トランシーバ116aのみを有するように描いたが、これらのうちの一つ以上を有してもよいことが理解される。同様に、患者支援装置20が二つの位置トランシーバ116bを有するように描いたが、これら二つよりも多い又は少ないものを有してもよい。システム60の更に別の変形が可能であり、これは、
図5に示したものよりも少ない構成要素を有する変形(例えば、システム60は、いくつかの実施形態において、固定医療機器ロケータ114を省略してもよい)及び、
図5に示したものよりも多くの数の構成要素を有する変形を含むが、それに限定されない。
【0135】
上記のように、システム60は、一つ以上の医療機器62が所定の空間体積64(
図4)内に配置されているか否かを判断するように適合される。所定の空間体積は、部屋70の寸法に対して不変に定められてもよい(したがって、固定されている)又は患者支援装置20に対して定められてもよい(したがって、患者支援装置20が移動すると移動可能である)。不変に定められる場合、体積64は、典型的には、部屋70内の特定のベイによって定められる空間を含む。すなわち、体積64は、患者支援装置20が部屋70内の特定のベイ内の慣用的な位置にあるときに患者支援装置20によって典型的に占有される体積を包含する。また、体積64は、典型的には、患者支援装置20の通常の位置を囲む比較的小さい空間(例えば、患者支援装置20の周囲を越える約1~2フィート等)を包含し、そこには、患者支援装置20の患者と共に使用される医療機器62(例えば、IVスタンド、患者モニタ等)が置かれることがある。
図4は、体積64を略長方形の体積として描いているが、これが体積64の取り得る形状の単なる一例であることが理解される。他の非矩形形状及び/又は矩形である部分及び非矩形である部分を有する形状並びに更に別の形状の組合せを使用してもよい。体積64は、一般に、システム60が医療機器62を特定の患者支援装置20(及び/又は患者支援装置20に割り当てられた患者及び/又は患者が割り当てられたベイ又は部屋)と関連付けるために、医療機器62を配置する必要がある空間体積に相当する。
【0136】
いくつかの実施形態において、空間体積64が不変であるか移動可能であるかに関係なく空間体積64のサイズ及び/又は形状は動的であってもよい。すなわち、空間体積64のサイズ及び/又は形状は、いくつかの実施形態において変動してもよい。このサイズ及び/又は形状の変動は、以下の要因のうちの一つ以上に基づいてもよい。(a)患者支援装置20の特定のタイプ、ブランド、モデル又は他の特性、(b)患者支援装置20が現在配置されている特定の部屋、ベイ又は他の環境、(c)場所が決定されている特定のタグ付き医療機器62及び/又は(d)比較的近接する別の患者支援装置20。 したがって、例えば、いくつかの実施形態において、システム60は、患者支援装置20の他のモデルよりも大きい特定のモデルの患者支援装置20に対して更に大きい空間体積64を割り当てるように構成される。別の例として、いくつかの実施形態において、システム60は、別の患者支援装置20が配置されている半個室の病室で利用する体積64と比較したときに個室の病室の体積64の形状を変更する及び/又は個室の病室の体積64の大きさを拡大する。さらに、例えば、システム60は、患者支援装置20ではなく患者支援装置20と並んで通常配置される医療機器62(例えば、床に支持される移動式IVスタンド対患者が着用するヒールケアブーツ)に対して更に大きな空間体積64を利用してもよい。更に別の例として、いくつかの実施形態において、システム60は、タグ付き医療機器62が近くにあるが正しくない患者支援装置20に誤って割り当てることを回避するために、患者支援装置20が他の患者支援装置20に比較的近接して配置されるときに、体積64のサイズを小さくしてもよい又は体積64の形状を変更してもよい。空間体積64のサイズ及び/又は形状を変更する更に別の例を実行してもよい。
【0137】
いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66(
図5)は、赤外線トランシーバ120と、Bluetooth(登録商標)トランシーバ122と、ヘッドウォールユニットコントローラ130aと、設定回路124と、スマートテレビ制御回路126と、ヘッドウォールインターフェース128と、を有する。ヘッドウォールユニット66は、後に更に説明するように、医療機器62の位置を判断するために、他の位置トランシーバ116b,116c等と共に使用される少なくとも一つの位置トランシーバ116aを有する。赤外線トランシーバ120は、赤外線を使用して患者支援装置20の赤外線トランシーバ134と通信を行うように適合される。Bluetooth(登録商標)トランシーバ122は、通常のBluetooth(登録商標)規格(例えば、IEEE 802.14.1及び/又は米国ワシントン州カークランドのBluetooth(登録商標) Special Interest Group(SIG)により維持されている規格)に従って、RF波を使用して患者支援装置20のBluetooth(登録商標)トランシーバ136と通信を行うように適合される。いくつかの実施形態において、トランシーバ122及び136は、Bluetooth Low Energy(登録商標)通信を利用する。
【0138】
ヘッドウォールユニットコントローラ130aは、トランシーバ120,122、設定回路124、TVコントローラ126、ヘッドウォールインターフェース128及び位置トランシーバ116aの動作を制御するように適合される。ヘッドウォールコントローラ130a及び位置トランシーバ116aは、後に更に説明するように、位置トランシーバ116aとシステム60の他の位置トランシーバ116との間の距離(いくつかの実施形態において、角度情報)を判断するように適合された「アンカーポイント」を一緒に定義する。システム60は、タグ付き医療機器62の位置を反復的に計算するとともにそれが空間体積64の内側又は外側にあるかどうかを反復的に判断するために、この距離及び角度情報を使用する。いくつかの実施形態において、位置トランシーバ116a及び他の位置トランシーバ116は、超広帯域トランシーバである。他の実施形態において、位置トランシーバ116a及び他の位置トランシーバ116は、Bluetooth Low Energy(登録商標)トランシーバである。更に別の実施形態において、位置トランシーバ116aは、患者支援装置20との通信とそれ自身と医療機器62との間の距離の判断の両方に使用されるように、RFトランシーバ122と組み合わされてもよい。位置トランシーバ116aは、本明細書で説明する全ての位置トランシーバ116と同様に、位置の判断を支援するために使用されるアンテナのアレイを有してもよい。位置トランシーバ116がタグ付き医療機器62の位置を判断することができる異なる態様は、発明者Alexander Bodurka等による表題が「患者支援装置及び医療機器ネットワーク」である2020年12月31日に出願された同一出願人の米国特許出願第63/132,514号において更に詳しく説明されており、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0139】
いくつかの実施形態において、位置トランシーバ116及びそれらの関連するコントローラの一つ以上は、テキサス州オースティンのNXP Semiconductorsから入手可能なTrimension超ワイドバンドモジュールのいずれかとして実装される。これらのモジュールは、Trimension UWBモジュールSR150、SR100T、SR040、NCJ29D5及び/又はOL23DOを含むが、それに限定されない。他社が製造及び/又は販売するモジュールを使用してもよく、それは、Decawave DWM1000、DWM3000及び/又はDWM10001Cモジュール(アイルランド、ダブリンのDecawaveから入手可能)、Nordic TSG5162 SiPモジュール(中国、北京の Tsingoal Technologyから入手可能)及び/又はZebra technologies of Lincolnshire, Illinoisから購入できるUWBハブ、バンド(wand)及び/又はセンサがあるが、それに限定されない。更に別のタイプのUWB及び/又はBluetooth(登録商標)モジュールを、位置トランシーバ116を実装するために使用してもよい。
【0140】
患者支援装置20は、コントローラ130bと、メモリ140と、上記トランシーバ134,136と、ネットワークトランシーバ92と、いくつかの実施形態における一つ以上の位置トランシーバ116bと、を有する。上述したように、ネットワークトランシーバ92は、ローカルエリアネットワーク90と通信を行うように適合されたWiFi(登録商標)トランシーバ又は他のタイプのトランシーバであってもよい。患者支援装置20の位置トランシーバ116bの各々は、患者支援装置20の既知の位置に配置される。この既知の位置情報は、メモリ140及び/又は他の場所に記憶されてもよく、任意の適切な共通参照フレームに関して定義されてもよい。既知の位置情報は、トランシーバ116b及び/又は患者支援装置20の他の任意の構成要素間の空間的関係を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態において、既知の位置情報は、トランシーバ116b自体の間の空間的関係だけでなく、トランシーバ116bと患者支援装置20のヘッドエンド38(及び/又はIRトランシーバ134)の間の空間的関係も有する。この位置情報を、ヘッドウォールユニット66、ヘッドウォール72、不変のロケータ114及び/又は医療施設内の別の物体又は構造物に対する患者支援装置20の向きを判断するために使用することができる。
【0141】
コントローラ130bは、各トランシーバ116bと医療機器62との間の距離及び位置トランシーバ116bとシステム60の一部である任意のオフボード位置トランシーバ116(例えば、位置トランシーバ116a、116c)との間の距離を判断するために、位置トランシーバ116bを利用する。これらの距離を判断する方法は、どのタイプの超広帯域技術又はBluetooth(登録商標)技術が位置トランシーバ116と共に使用されるかに基づいて、実施形態ごとに異なってもよい。一般に、位置トランシーバ116間の通信から生成される距離及び/又は角度情報は、この情報を生成するために、到来角(AoA)情報、飛行時間(TOF)情報、チャネル状態情報及び/又は他の情報を利用してもよい。いくつかの実施形態において、各位置トランシーバ116は、この距離及び/又は角度情報を生成するために使用されるアンテナのアレイを有する。
【0142】
少なくともいくつかの実施形態において、患者支援装置20は、患者が遠隔に位置する看護師と話すことを望むときに患者の声を検出するために使用されるマイクロフォン142を有する。患者の声は、マイクロフォン142によって音声信号に変換され、コントローラ130bは、これらの音声信号を通信コンセント74に転送するように適合される。ケーブル76が患者支援装置20とコンセント74との間に結合されている場合、コントローラ130bは、これらのオーディオ信号を、ケーブルを介してコンセント74に転送する。そのようなケーブル76が患者支援装置20とコンセント74との間に延びていない場合、コントローラ130bは、これらのオーディオ信号をヘッドウォールユニット66に(トランシーバ122及び/又は120を使用して)無線で転送し、ヘッドウォールユニット66のコントローラ130aは、これらのオーディオ信号をコンセント74に転送する。上記のように、コンセント74は、音声信号を正しいナースステーション及び/又は他の場所にルーティングするように適合された通常のナースコールシステム80と電気的に通信を行う。いくつかの実施形態において、マイクロフォン142は、マイクロフォン及びスピーカの両方として機能する。他の実施形態において、遠隔に位置する看護師から受信した音声信号を送信するために、別個のスピーカが含まれてもよい。いくつかの実施形態において、患者支援装置20と通信コンセント74との間の音声通信は、発明者Alexander Bodurka等による表題が「ナースコール音声管理を行う患者支援装置」である2020年4月14日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/847,753号に開示されたいずれかの方法で実施され、及び/又は、いずれかの構造を含み、その全開示を、参照によりここに組み込む。
【0143】
不変のロケータ114は、位置トランシーバ116cと、コントローラ130cと、を有する。コントローラ130cは、患者支援装置20のコントローラ130bと同様に、位置トランシーバ116cと医療機器62との間の距離及び/又は角度方向並びにいくつかの実施形態における位置トランシーバ116cとシステム60の他のトランシーバ116のうちの一つ以上のとの間の距離及び/又は角度方向を判断するように、位置トランシーバ116cを制御する。
【0144】
特定の医療施設における不変のロケータ114の設置後、不変のロケータ114の各々の位置が記録される。同様に、特定の医療施設におけるヘッドウォールユニット66の各々の設置後、ヘッドウォールユニット66の各々の位置が記録される。ヘッドウォールユニット66及び不変のロケータ114の位置は、共通の参照フレームに記録される(又は記録後に共通の参照フレームに変換される)。したがって、ヘッドウォールユニット66の各々は、医療施設内の位置(例えば、部屋番号、ベイ番号、ヘッドウォール72の高さ及び位置、任意の近くの他のヘッドウォールユニット66に対する位置及び向き並びに任意の近くの不変のロケータ114に対する相対的な位置及び向き)を知っている。同様に、不変のロケータ114の各々は、医療施設内の位置(例えば、部屋番号、ベイ番号、それが取り付けられている壁又は他の構造物の高さ及び位置)並びに近くの他の不変のロケータ114及び/又はヘッドウォールユニット66に対する位置及び向きを知っている。用語「近くの」は、いくつかの実施形態において、互いの通信範囲内にあるロケータ114及び/又はヘッドウォールユニット66を指すために使用される。
【0145】
特定の不変のロケータ114の位置情報は、特定の不変のロケータ114に搭載されたメモリに格納されてもよい、及び/又は、他の不変のロケータ114に搭載されたメモリ、ヘッドウォールユニット66に搭載されたメモリ及び/又は患者支援装置20のメモリ140に記憶されてもよい。同様に、特定のヘッドウォールユニット66の位置情報は、特定のヘッドウォールユニット66に搭載されたメモリに記憶されてもよい、及び/又は、他のヘッドウォールユニット66に搭載されたメモリ、不変のロケータ114に搭載されたメモリ及び/又は患者支援装置20のメモリ140に記憶されてもよい。この位置情報がローカルに(例えば、その情報が対応する位置を有する特定のデバイスに)記憶されるだけである場合、この位置情報は、トランシーバ116が相対位置及びタグ付き医療デバイス62の位置を判断するために、必要に応じてトランシーバ116の間で送信される。
【0146】
タグ付き医療機器62は、位置トランシーバ116d及び少なくともいくつかの実施形態におけるコントローラ130dを有するタグ146を有する。また、いくつかの実施形態において、タグ付き医療機器62は、医療機器が使用されている患者に関するデータを収集する一つ以上のセンサ148を有する。センサ148によって収集される特定のデータは、特定の医療機器62によって大きく異なる場合がある。いくつかの例において、センサ148は、バイタルサイン情報、装置使用情報、診断データ、医薬品データ、移動データ、睡眠データ、及び/又は、患者及び/又は医療機器62自体に関する更に別のデータを収集してもよい。コントローラ130dは、コントローラ130a,130b,130cと同様に、医療機器62と通信範囲内に配置された他の位置トランシーバ116a,116b,116cとの間の距離及び/又は角度関係を判断するために、位置トランシーバ116dを制御する。この距離及び/又は角度情報は、タグ付き医療機器62の位置を判断するとともにそれが体積64の内側にあるか外側にあるかを判断するために、コントローラ130a~dのうちの一つ以上によって処理される。タグ付き医療機器62の位置の判断を、コントローラ130a~dのいずれかによって部分的又は全体的に実行してもよい。更に別の実施形態において、これらのトランシーバ116a~dからの情報を、患者支援装置サーバ96のようなサーバに転送してもよく、医療機器62の位置を、サーバ96によって計算してもよい。
【0147】
位置トランシーバ116a,116b,116c,116dの各々は、少なくとも一つの実施形態において、飛行時間、到来角及び/又はそれらの間で交換される信号の他の特性を使用して上記距離を判断するように適合された超広帯域トランシーバである。別の実施形態において、これらのトランシーバ116a,116b,116c,116dの各々は、到来角及び/又はチャネル状態情報を使用してそれらの間の距離の判断を行うように適合されたBluetooth Low Energy(登録商標)トランシーバである。さらに、いくつかの実施形態において、位置トランシーバ116a~dは、それらの相対的な位置を判断するために、超広帯域通信及びBluetooth(登録商標)通信の両方を利用してもよい。
【0148】
一つ以上のコントローラは、この相対位置情報並びに不変のヘッドウォールユニット66及び不変のロケータ114の位置の知識から、定められた空間64に対する医療機器62の相対位置を判断することができる。上述したように、一つ以上のコントローラは、コントローラ130a,130b,130c及び/又は130dのうちの任意の一つ以上を含んでもよい、及び/又は、一つ以上のコントローラは、サーバ96(又は別のサーバ)に統合されたコントローラを含んでもよい。システム60が、オンボード患者支援装置20に配置された一つ以上の位置トランシーバ116bを含む場合、それらの位置トランシーバ116bは、一つ以上のオフボード位置トランシーバ116(例えば、(他の患者サポート器具20からの)116a,116c及び/又は116b)に対する位置及び/又は向きを判断し、オフボード位置トランシーバ116が既知の位置に配置されている固定参照フレームを、患者サポート器具20に関して定められ(るとともに患者サポート器具トランシーバ116bの位置が知られている)た移動参照フレームと相関させるために、この情報を使用する。したがって、オフボードトランシーバ116とオンボードトランシーバ116との間の通信は、患者支援装置の参照フレームを、部屋(又はベイ)の移動フレームに関して決定すること、及び/又は、その逆を可能にする。
【0149】
コントローラ130a,130b,130c,130dの各々は、様々な異なる形態を取ることができる。図示の実施形態において、これらのコントローラの各々は、通常のマイクロコントローラとして実装される。しかしながら、これらのコントローラは、当業者に知られているような一つ以上のマイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ、システムオンチップ、揮発性又は不揮発性メモリ、ディスクリート回路、及び/又は、本明細書に記載する機能を遂行することができる他のハードウェア、ソフトウェア又はファームウェアのようなものであるがそれに限定されない単独の又は一つ以上のマイクロコントローラとの組み合わせで他の様々なタイプの回路を使用するように変更することができる。そのような構成要素は、単一のユニットに結合されているか複数のユニットに分散されているかに関係なく一つ以上の回路基板への搭載等によって任意の適切な方法で物理的に構成することができる、又は、他の様式でそれらを配置することができる。本明細書で説明する機能を実行する際にコントローラ130a,130b,130c,130dが従う命令及びその機能を実行するために必要なデータは、特定のコントローラ130a,130b,130c,130dにアクセスできる対応するメモリに記憶される。いくつかの実施形態において、コントローラ130a~dの一つ以上は、異なる会社から入手可能な上述の通常の超広帯域モジュールとは別であり、他の実施形態において、コントローラ130a~dの一つ以上は、これらの通常の超広帯域モジュールの一つ以上に組み込まれる。
【0150】
図6は、システム60が従う制御アルゴリズム150の一例を示す。制御アルゴリズム150を、コントローラ130a~dのうちの任意の一つ以上及び/又は一つ以上のサーバ(例えば、サーバ96)に統合されたコントローラによって実行してもよい。したがって、アルゴリズム150で参照される「コントローラ」は、これらのコントローラのうちの任意の一つ以上を指すことがあり、本明細書で使用される「コントローラ130」という用語は、これらのコントローラのうちの任意の一つ以上を一般的に指すことが理解される。
【0151】
アルゴリズム150は、最初のステップ152で開始する。ステップ152は、「開始」ステップと特定されているが、少なくともいくつかの実施形態において、アルゴリズム150は連続的かつ反復的に動作していることが理解される。連続的かつ反復的に動作することによって、アルゴリズム150は、タグ付き医療機器62が様々な位置トランシーバ116の範囲内に移動する度にタグ付き医療機器62の存在を自動的に検出することができる。この自動検出のために、個人がアルゴリズム150を開始するための特定のステップを踏む必要はなく、システム60にタグ付き医療機器62の存在を自動的に検出させるための任意のステップを踏む必要もない。
【0152】
ステップ152(
図6)の後、コントローラ130は、サブステップ154a~cからなるステップ154に移行する。サブステップ154a~cの各々において、タグ付き医療機器62の存在は、タグ付き医療機器62の範囲内にあり、システム60の一部である位置トランシーバ116の各々によって検知される。システム60は、異なる数の位置トランシーバ116を有してもよく、したがって、アルゴリズム150のステップ154のサブステップの数は、
図6に示された三つと異なってもよい。すなわち、
図6は、三つのサブステップ154a~cを示すが、いくつかの状況及び/又はいくつかの他の実施形態において、アルゴリズム150は、四つのサブステップ154a~d、五つのサブステップ154a~e、二つのサブステップ154a~b等を有してもよい。すなわち、ステップ154のサブステップの数は、医療施設の領域内でタグ付き医療機器62の位置を検出することができるとともにそのように適合された位置トランシーバ116の数に従って変化する。
【0153】
図6に示す例において、ステップ154(サブステップ154a~c)においてタグ付き医療機器62の存在を検出する三つの位置トランシーバ116が存在する。これら三つの位置トランシーバ116の位置は、後に更に詳しく説明するように、実施形態ごとに異ってもよい。例えば、いくつかの実施形態において、位置トランシーバ116のうちの二つが患者支援装置20(すなわち、位置トランシーバ116b)に統合され、別の一つが近くのヘッドウォールユニット66(すなわち、位置トランシーバ116a)に統合される。他の実施形態において、患者支援装置20に搭載された単一の位置トランシーバ116bのみが存在し、別の位置トランシーバ116aがヘッドウォールユニット66に統合され、別の位置トランシーバ116cが不変のロケータ114に統合されてもよい。更に別の組合せも可能である。
【0154】
サブステップ154a~cは、超広帯域信号及び/又はBluetooth(登録商標)信号を使用して実行される。いくつかの実施形態において、位置トランシーバ116の各々は、これらのトランシーバ116の範囲内にある任意のタグ付き医療機器62に質問信号を繰り返し発信するように構成される。サブステップ154a~cは、タグ付き医療機器62がこれらのトランシーバ116の範囲内に移動し、これらの質問メッセージに応答するときに生じる。
【0155】
サブステップ156a~cにおいて、位置トランシーバ116の各々は、自身に対するタグ付き医療機器62の位置推定値を決定する。したがって、サブステップ154a~cと同様に、ステップ156のサブステップの数は、システム60(又はシステム60の特定の部屋又は他の領域)内に実装される位置トランシーバ116の数に応じて変化する。したがって、アルゴリズム150は、システム60の特定の領域内の特定の実施形態及び/又は実装に応じて、ステップ156の三つのサブステップ156a~cより多く又は少なく含むことができることが理解される。
【0156】
サブステップ156a~cにおいて、タグ付き医療機器62の一部でないトランシーバ116a~cは、タグ付き医療機器62の一部である位置トランシーバ116dに信号を送り返す。トランシーバ116a~d及びコントローラ130の各々は、タグ付き医療機器62と他の位置トランシーバ116a~cの一つとの間の相対位置推定値の各々を決定するために、これらの信号を使用する。したがって、例えば、サブステップ156aにおいて、ヘッドウォールユニット66に配置された第1の位置トランシーバ116aに対するタグ付き医療機器62の第1の位置推定値を取得する。この例を更に続けると、サブステップ156bにおいて、患者支援装置20に配置された第2の位置トランシーバ116bに対するタグ付き医療機器62の第2の位置推定値を取得する。この例を更に続けると、サブステップ156cにおいて、患者支援装置20に搭載された第3の位置トランシーバ116bに対するタグ付き医療機器の第3の位置推定値を取得する。異なる例において、位置推定値は、異なる位置に関して行われた相対位置推定値(例えば、固定されたロケータ114に配置された位置トランシーバ116cに対する医療機器62の位置推定値等)に対応してもよい。
【0157】
サブステップ156a~cの相対位置推定が行われた後、これらの位置推定の各々の結果は、ステップ158において、様々なコントローラ130a~dのうちの少なくとも一つの共通コントローラ(又は一つ以上のサーバに搭載されたコントローラと)と共有される。この共有は、位置トランシーバ116を介して位置推定値を送信することによって行われてもよい。すなわち、位置トランシーバ116は、互いの相対位置を判断することができるだけでなく互いとの間でデータを送信することができる。 位置推定値を共有することにより、共通コントローラは、個々の位置推定値の各々だけよりも正確であるとともに精度の高い単一の位置推定値を生成するために、異なる位置推定値を組み合わせることができる。しかしながら、これらの位置推定値を組み合わせる前に、共通コントローラは、ステップ160に移行し、全ての位置トランシーバ116の相対位置が既知であるか否かを判断する。既知である場合、ステップ164に移行する。既知でない場合、ステップ162に移行する。
【0158】
ステップ162において、サブステップ154a~c(及び156a~d)で使用された位置トランシーバ116の各々の未知の相対位置を判断する。一般に、ステップ162は、移動式である位置トランシーバ116(例えば、患者支援装置20に配置されたオンボード位置トランシーバ116b)と固定された位置トランシーバ116(例えば、116a,116c)との間でのみ実行される。これの理由は、固定された位置トランシーバ116の相対位置がシステム60の設置中に判断され、固定され、かつ、共通コントローラにアクセス可能な一つ以上のメモリに記録されているからである。例えば、ヘッドウォールユニット66に配置された位置トランシーバ116aのヘッドウォールユニット66の範囲内にある不変のロケータ114に配置された位置トランシーバ116cに対する相対位置は、システム設置時に判断され、かつ、メモリに記憶される。したがって、この相対位置が既に知られているので、当該相対位置をステップ164で判断することは不要である。しかしながら、一例として、患者支援装置20に搭載された位置トランシーバ116bに対するヘッドウォールユニット66の位置トランシーバ116aの位置は、既知ではない。その理由は、患者支援装置20が移動可能であるとともにこの相対位置がいつでも変化し得るからである。したがって、コントローラ130は、ステップ162において、この相対位置を判断し、その結果を共通コントローラに転送する。
【0159】
したがって、ステップ162(
図6)において、コントローラ130は、範囲内のオフボード位置トランシーバ116a,116cの各々に対する患者支援装置20に搭載された位置トランシーバ116bの各々の相対位置を判断する。患者支援装置20に搭載された位置トランシーバ116bが二つ以上ある場合、この情報が、患者支援装置20の製造中に決定されるとともにメモリ140に格納されるので(適切には共通コントローラと共有される)、コントローラ130は、これらのトランシーバ116bの相対位置を判断する必要はない。その後、ステップ162で求められた相対位置推定値は全て、共通コントローラに転送される。
【0160】
ステップ164において、共通コントローラは、タグ付き医療機器の適切なフレーム内の単一の位置推定値を生成するために、ステップ158及び162で受信した位置推定値の各々からの情報の全てと、(一つ以上がある場合の)オフボード位置トランシーバ116a,116c間の空間関係の既知の情報と、(一つ以上がある場合の)オンボード位置トランシーバ116b間の空間関係の既知の情報とを結合する。位置推定データ及び既知の空間関係データのこの組合せを、三又測量及び/又は三角測量のようなものであるがそれに限定されない当業者に知られている数学的技法を使用して行ってもよい。
【0161】
例えば、いくつかの実施形態において、位置トランシーバ116a,b又はcに対するタグ付き医療機器62の位置推定値の各々は、機器62とトランシーバ116の各々との間の距離推定値を生成してもよい。単一の距離推定値は、単一のトランシーバ116に対する医療機器62の可能な位置の球に対応する位置推定値に更に変換されてもよい。異なる位置のトランシーバ116から複数の球を一緒に組み合わせることによって、タグ付き医療機器62の更に正確な単一の位置推定値を生成するようにこれらの複数の球の交差点を決定することができる。トランシーバ116の各々とタグ付き医療機器62との間の相対位置から得られる角度情報を利用する異なる及び/又はより洗練された数学的手法を、追加的に又は代替的に使用してもよい。
【0162】
ステップ164(
図6)の結果は、既知の参照フレーム内の医療機器62の現在の位置の推定値である。上述したように、この参照フレームは、固定された参照フレーム(例えば、医療施設内の部屋又は他の場所に関して固定されているもの)であってもよい、または、移動する参照フレーム(例えば、患者支援装置20と共に移動するもの)であってもよい。いくつかの実施形態において、空間体積64が固定されている場合、固定された参照フレームがシステム60によって利用され、他の実施形態において、空間体積64が患者支援装置20と共に移動する場合、移動する参照フレームがシステム60によって利用される。いずれの場合も、コントローラ130は、患者支援装置20のオフボードに配置された位置トランシーバ116とオンボード患者支援装置20に配置された位置トランシーバ116との間の既知の(又は測定された)位置を使用することによって、ステップ164で位置情報を共通の参照フレームに結合することが可能である。
【0163】
ステップ164の終了後、コントローラ130は、タグ付き医療機器62の現在の位置推定値が空間体積64の内側にあるか外側にあるかを判断する。これは、空間体積64を定めるための基準を記憶する一つ以上のメモリ(例えば、患者支援装置20のメモリ140、LAN90のサーバに記憶されたメモリ又は他のメモリ)を参照することによって行われる。ステップ166において、タグ付き医療機器62が空間体積64の内側に配置されていると判断した場合、コントローラ130は、ステップ168a,b及び/又はcのうちの一つ以上を実行し、ステップ166において、タグ付き医療機器62が空間体積64の外側に配置されていると判断した場合、コントローラ130は、一つ以上のステップ170a、170b、及び/又は170cを実行する。
【0164】
ステップ168aにおいて、コントローラ130は、タグ付き医療機器62から受信したデータを(電子医療記録サーバのようなものであるがそれに限定されない他の場所にデータを後に転送することができる患者支援装置サーバ96のような)ローカルエリアネットワーク90に転送する。このデータを、ステップ168aにおいて、種々の方法で転送してもよい。一実施形態において、タグ付き医療機器62が空間体積64内にあると判断されると、患者支援装置20に(位置トランシーバ116d及び116bを介して又はトランシーバの別のセットを介して)データを送信してもよく、次に、ステップ168aにおいて、コントローラ130bは、このデータを、それ自身のオンボードネットワークトランシーバ92を介してネットワーク90に転送する。他の実施形態において、タグ付き医療機器62が空間体積64内にあると判断されると、ヘッドウォールユニット66にデータを送信してもよく、次に、ステップ168aにおいて、ヘッドウォールユニットコントローラ130aは、このデータを、それ自身のオンボードネットワークトランシーバ(図示せず)を介してネットワーク90に転送する。更に別の実施形態において、固定されたロケータ114は、独自のネットワークトランシーバを有してもよく、タグ付き医療機器62は、そのデータをこれらのロケータ114の一つ以上に転送し、次に、このロケータ114は、データをネットワーク90に転送する。更に別の実施形態において、患者支援装置20及び/又はヘッドウォールユニット66は、ステップ168aにおいて、位置トランシーバ116とは異なるタイプのトランシーバを使用してタグ付き医療機器62との通信を開始してもよく、その時点で、データは、当該異なるタイプのトランシーバを使用して患者支援装置20又はヘッドウォールユニット66に転送され、次に、そのデータの受信者は、データをネットワーク90に転送する。更に別のデータ経路も可能である。
【0165】
ステップ168a(
図6)でのデータの転送に加えて又はその代替として、コントローラ130は、ステップ168bに規定されるように、タグ付き医療機器を患者支援装置20に割り当てられた患者(又はその患者のプロキシ)と関連付けることによって、医療機器62が空間体積64の内側にあるという判断に応答してもよい。換言すれば、ステップ168bにおいて、コントローラ130は、タグ付き医療機器62が空間体積64の内側にあるためにその特定の患者(又はそのプロキシ)に関連付けると決定する。この関連付けを、ステップ168bでコントローラ130によって様々な異なる態様で行ってもよい。一態様において、ヘッドウォールユニット66のコントローラ130a及び/又は患者支援装置20のコントローラ130bは、患者支援装置サーバ96に、患者支援装置20の固有識別子及び/又はヘッドウォールユニット66の固有識別子と共に医療機器62の固有識別子を有するメッセージを送信する。医療機器62の固有識別子を患者支援装置20及び/又はヘッドウォールユニット66の固有識別子と共に送信することにより、サーバ96は、医療機器62がその特定の患者支援装置20及び/又はヘッドウォールユニット66と関連付けられるべきものであることを認識する。さらに、サーバ96が患者支援装置20及びヘッドウォールユニット66の位置を知っているので、その位置を特定の患者に相関させたデータテーブルを参照することが可能である。このデータテーブルを、ネットワーク90の入退院・移送(ADT)サーバのようなものであるがそれに限定されない別のサーバ又は更に別のタイプのサーバに記憶させることができる。システム60が一意の患者支援装置識別子及び/又は一意のヘッドウォールユニット識別子を患者、部屋及び/又はベイに関連付けることができる方法の更なる詳細は、発明者Thomas Durtach等による表題が「患者ケアシステム」である2020年3月27日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/832,760号及び/又は発明者Thomas Durlach等による表題が「介護者支援システム」である2020年6月25日に出願に出願された同一出願人の国際特許出願PCT/US2020/039587に開示されており、その全開示を、参照によりここに組み込む。特定の患者に対する関連の医療機器62の更に別の態様をステップ168b追加的に又は代替的に使用される。
【0166】
ステップ168cにおいて、コントローラ130は、タグ付き医療機器62が、患者支援装置20及び/又はヘッドウォールユニット66の近くに配置された電子機器のネットワークに加わることを可能にする。このネットワークは、患者支援装置20、隣接するヘッドウォールユニット6、及び/又は、空間体積64内に配置された一つ以上の他の医療機器62を含む。いくつかの実施形態において、この通信ネットワークに加わるために、タグ付き医療機器62は、ネットワークに加わることを可能にするアクセスキー又は他の認証情報のような許可権を付与するひつようがある。一旦加わると、タグ付き医療機器62は、別個の通信ネットワークの一部として、これらの機器との間でデータの通信を行うことができる。いくつかの実施形態において、システム60がステップ168cで医療機器62に参加を許可するネットワークは、発明者Alexander Bodurka等による表題が「患者支援装置通信システム」である2019年9月12日に出願された同一出願人の米国特許出願第16/569,225号に開示されたメッシュネットワークの一つ以上であり、その全開示を、参照によりここに組み込む。システム60は、ステップ168cにおいて、医療機器62が更に別のタイプのネットワークにアクセスすることを許可してもよい。
【0167】
上述したように、コントローラ130は、医療機器62が空間体積64内に配置されていると判断した結果として、ステップ168a,168b、及び/又は168cのうちの任意の一つ以上を実行してもよい。当然、システム60が同様に一つ以上の追加のアクションを取ることができることが理解される。ステップ168の一部として取るいずれかのアクションを終了した後、コントローラ130は、ステップ172に移行し、後に更に詳しく詳細に説明するように、アルゴリズム150を再開する。
【0168】
コントローラ130は、ステップ166(
図6)において、タグ付き医療機器62が空間体積64の内側に配置されていないと判断した場合、システム60の特定の実施形態に応じて、ステップ170a,170b及び/又は170cのうちのいずれか一つ以上の実行に進む。ステップ170a,170b,170cの各々は、本質的には、ステップ168a,168b,168cの逆である。したがって、コントローラ130がステップ170aを実行する場合、コントローラ130は、タグ付き医療機器62からサーバ96及び/又はネットワーク90の別のサーバにデータを転送しない(又は以前に転送していた場合は転送を停止する)。同様に、コントローラ130がステップ170bを実行する場合、タグ付き医療機器62を隣接の患者支援装置20(又はその特定の患者支援装置20、部屋及び/又はベイに割り当てられた患者)と関連付けない(又は以前に関連付けしていた場合は関連付けを停止する)。そして、コントローラ130がステップ170cを実行する場合、タグ付き医療機器62がステップ168cに関して上述した無線ネットワークに加わることを許可しない(又は以前に許可していた場合は許可を中止する)。
【0169】
システム60が実行するように構成されたステップ170a~cのうちのいずれかを終了した後、ステップ172に移行し、開始ステップ152に戻る。その後、システム60は、アルゴリズム150のステップを再び実行し、手動で終了させるまでそれを継続する。いくつかの実施形態において、システム60がアルゴリズム150を循環させる頻度は、1分間に1回、1秒間に1回又は1秒間に複数回のオーダーであってもよい。いくつかの実施形態において、この頻度又は周期性は、システム60の動作を通して同一のままである(すなわち、それは静的である)。他の実施形態において、システム60は、空間体積64内の一つ以上のタグ付き医療機器62の存在又は不在、空間体積64内の機器62の数、一つ以上のタグ付き機器62の移動が検出されるか否か、医療機器62の一つ以上の空間体積64の境界への近接、医療機器62の一つ以上の別の患者支援装置20への近接、患者支援装置が配置されている特定の部屋及び/又はベイ、1日の時間等のようなものであるがそれに限定されない一つ以上の要因に基づいて、アルゴリズム150の周期性を変化させてもよい。
【0170】
システム60及びアルゴリズム150を、特定の患者支援装置20に対する一つ以上のタグ付き医療機器62の位置の判断に関連するものとして本明細書で主に説明したが、システム60を複数の患者支援装置20に対して医療施設内の複数の部屋及び/又は複数の場所で実現してもよいことが理解される。したがって、例えば、システム60は、複数の患者支援装置20と、(部屋、ベイ及び/又は患者支援装置の各々についての)複数の空間体積64と、複数セットのヘッドウォールユニット66と、いくつかの実施形態における不変のロケータ114と、を有してもよい。したがって、システム60は、いつでも、第1の体積64及び第1の患者支援装置20に対する一つ以上の医療機器62の位置を、他の患者支援装置20及びその各々の空間体積64に対する一つ以上の他の医療機器62の位置を監視しながら監視してよい。
【0171】
また、医療機器62が種々の形態をとることができることが理解される。例えば、医療機器62は、運動装置、ヒールケアブーツ、IVスタンド及び/又はポール、輸液ポンプ、人工呼吸器、患者モニタ(例えば、飽和酸素(Sp02)モニタ、EKGモニタ、バイタルサインモニタ等)、患者位置決め装置(例えば、ウェッジ、旋回装置、ポンプ)、周囲センサ(例えば、気温、気流、光、湿度、圧力、高度、音/騒音)、マットレス42、患者の失禁を検出するように適合された失禁パッド又は一つ以上のセンサ、患者の心臓信号を監視及び記録するように適合されたホルター装置、患者を識別する患者が着用する患者IDタグ又はブレスレット、介護者を識別する介護者タグ又はIDブレスレット、患者が使用すると思われる一つ以上の家具、及び/又は、他の種類の装置を含むがそれに限定はない。一般に、医療機器62は、患者の治療、診断、監視及び/又は介護のために医療環境で使用される任意の機器を含んでもよい。
【0172】
図7~
図15は、システム60を実現することができる様々な態様の多数の異なる例を示す。これらの例の各々において、対応するシステム60は、アルゴリズム150を実行するとともに上述した手法で動作するように適合される。患者支援装置20、ヘッドウォールユニット66、医療機器62及び固定されたロケータ114は、特に明示しない限り、
図5のこれらの装置に示す構成要素を含む。
【0173】
図7~
図8は、患者支援装置20が位置トランシーバ116を含まないシステム60aの第2の実施形態を示す。代わりに、この例の位置トランシーバ116は、ヘッドウォールユニット66及び二つの不変のロケータ114の内部に配置される。システム60aは、アルゴリズム150並びにヘッドウォールユニット66及び固定されたロケータ114の空間体積64の(図示せず)に対する医療機器(これも図示せず)の位置を判断するために、位置トランシーバ116の各々から収集した位置情報を使用する。システム60aのヘッドウォールユニット66は、本明細書に開示された全ての実施形態のヘッドウォールユニット66と同様に、一つ以上のタグ付き医療機器に関する位置情報を提供するだけでなく、患者支援装置20とナースコールシステム及び/又は一つ以上の室内器具(例えばテレビジョン受像機82、室内用照明器具84及び/又は読書灯86)間の通信インターフェースとして機能する。
【0174】
図9~
図10は、患者支援装置20が位置トランシーバ116も含まないシステム60bの第3の実施形態を示す。代わりに、この例の位置トランシーバ116は、ヘッドウォールユニット66及び単一の不変のロケータ114の内部に配置される。システム60bは、空間体積64の(図示せず)に対する医療機器(これも図示せず)の位置を判断するために、アルゴリズム150並びにヘッドウォールユニット66及び固定されたロケータ114の位置トランシーバ116の各々から収集した位置情報を使用する。いくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66を、複数の位置トランシーバ116aを有するように変更してもよい。
【0175】
図11~
図12は、システム60cの第4の実施形態を示す。この実施形態において、患者支援装置20は、二つの位置トランシーバ116bを有し、ヘッドウォールユニット66は、少なくとも一つの位置トランシーバ116aを有する。システム60cは、空間体積64の(図示せず)に対する医療機器(これも図示せず)の位置を判断ために、アルゴリズム150並びにオンボード患者支援装置20及びヘッドウォールユニット66の位置トランシーバ116の各々から収集した位置情報を使用する。
図12は、患者支援装置20のヘッドエンド38に配置された位置トランシーバ116bの第1のもの及びフットエンド40に配置された他のものを描いているが、患者支援装置20に搭載されたこれらの位置トランシーバ116bの位置を示したものから変更してもよいことが理解される。したがって、例えば、いくつかの実施形態において、第1の位置トランシーバ116bをフットエンド40の第1の角部に配置するとともに他の位置トランシーバ116bがフットエンド40の反対の角部に配置してもよい。当然、更に別の変形例も可能である。上述したように、位置トランシーバ116bがオンボード患者支援装置20のどこに配置されているかに関係なく、メモリ140は、相対的な位置トランシーバ116bの空間関係及び共通の参照フレームを示すデータを含む。さらに、いくつかの実施形態において、この空間データは、後に更に説明するように、IRトランシーバ134とIRトランシーバ120との間の通信リンクの確立の成功又は失敗から患者支援装置20の追加の位置及び/又は向きデータを収集できるように(一つ以上の)位置トランシーバ116bに対する赤外線トランシーバ134(及び/又はヘッドエンド38)の相対位置を示す。
【0176】
図13~14は、システム60dの第4の実施形態を示す。この実施形態において、(単一の患者支援装置20のみを示されているが)二つの異なる患者支援装置20を収容するように適合された半個室内に配置された患者支援装置20を示す。すなわち、
図13~14の部屋70は、異なる二人の患者によって占有されるように適合される。したがって、それは、二つの異なるヘッドウォールユニット66a及び66bを有する。一方の患者支援装置20は、第1のヘッドウォールユニット66aの前に配置されるように意図され、他方の患者支援装置20は、第2のヘッドウォールユニット66bの前に配置されるように意図される。第1の患者支援装置20は、第1のヘッドウォールユニット66aを使用してナースコールシステム80(及び居室装置82~86)と通信を行うが、第2のヘッドウォールユニット66bを使用してナースコールシステム80(及び室内器具82~86)と通信を行わない。同様に、第2の患者支援装置20は、第2のヘッドウォールユニット66bを使用してナースコールシステム80(及び室内器具82~86)と通信を行うが、第1のヘッドウォールユニット66aを使用してナースコールシステム80(及び室内器具82~86)と通信を行わない。
【0177】
システム60dの患者支援装置20の各々は、ナースコールシステム80及び部屋装置82~86と通信を行うために、そのヘッドエンド38に隣接して配置されたヘッドウォールユニット66のみを利用するように適合されるが、患者支援装置20の各々は、タグ付き医療機器62の位置を判断するために、ヘッドウォールユニット66の両方に組み込まれた位置トランシーバ116aを利用するように適合される。したがって、例えば、
図14に示す状況において、患者支援装置20は、ナースコールシステム80及び室内器具82~86と通信を行うためにヘッドウォールユニット66bのみを使用するが、タグ付き医療機器62(図示せず)の位置を判断するためにヘッドウォールユニット66bとヘッドウォールユニット66aの両方を使用する。すなわち、患者支援装置20に搭載された位置トランシーバ116bの各々は、ヘッドウォールユニット66bに内蔵された(一つ以上の)位置トランシーバ116aだけでなく、ヘッドウォールユニット66aに内蔵された位置トランシーバ116aの各々に対する相対位置も判断する。これらの相対位置の判断は、アルゴリズム150のステップ162で行われる。システム60dの設置中、ヘッドウォールユニット66の各々(及び部屋70に対する)相対位置は、コントローラ130にアクセス可能なメモリに記憶され、この相対位置情報は、ステップ164において、タグ付き医療機器62の位置推定値を生成するために使用される。
【0178】
システム60dの患者支援装置20は、IRトランシーバ134とヘッドウォールユニット66bのIRトランシーバ120との間にIR通信リンクを作成する。同様に、システム60dの患者支援装置20は、RFトランシーバ136とヘッドウォールユニット66bのRFトランシーバ122との間にRF通信リンクを作成する。しかしながら、システム60dの患者支援装置20は、IRトランシーバ134又はRFトランシーバ136と、ヘッドウォールユニット66aに搭載された任意のトランシーバとの間に通信リンクも作成しない。したがって、トランシーバ134及び136は、患者支援装置20が前に配置されたヘッドウォールユニット(
図14のヘッドウォールユニット66b)とのみ通信を行う。それに対し、患者支援装置20の位置トランシーバ116bは、ヘッドウォールユニット66a及び66bの両方に搭載された位置トランシーバ116aと通信を行う。
【0179】
図14が同一の部屋に配置された二つのヘッドウォールユニット66a及び66bを示すが、システム60dの患者支援装置20が同一の部屋に配置されているか否かに関係なくシステム60dの患者支援装置20が範囲内の任意のヘッドウォールユニット66と通信を行う位置トランシーバ116bを有してもよいことが理解される。例えば、システム60dの一つ以上の部屋70は、単一のヘッドウォールユニット66のみを有してもよいが、患者支援装置20は、通信範囲内にあるが同一の部屋に配置されていない追加のヘッドウォールユニット66と通信を行う位置トランシーバ116bを有してもよい。いくつかの状況において、追加のヘッドウォールユニット66の一つ以上を、位置トランシーバ116a及び116bのUWB又はBluetooth(登録商標)信号がヘッドウォール72を貫通できる隣室のヘッドウォール72の反対側に配置してもよい。当然、別の配置を実現してもよい。
【0180】
図15は、システム60eの第5の実施形態を示す。この実施形態において、患者支援装置20は、ヘッドウォールユニット66の内側に配置された一つ以上の指向性位置トランシーバ116a(図示せず)と通信を行うように適合された一つ以上の指向性位置トランシーバ116bを有する。すなわち、システム60eの位置トランシーバ116aは、ヘッドウォールユニット66の位置トランシーバ116aが患者支援装置20の位置トランシーバ116b及び/又はタグ146の位置トランシーバ116dと良好に通信を行うことができる領域を限定するために、ビームフォーミング及び/又は他の既知の技法を利用する。同様に、患者支援装置の位置トランシーバ116bは、ヘッドウォールユニット66及び/又はタグ付き医療機器62と通信できる領域を限定するために、ビームフォーミング技術を利用する。限定された領域は、空間体積64を含む領域となるように設計される。その結果、ヘッドウォールユニット66の位置トランシーバ116aが患者支援装置20に搭載された位置トランシーバ116bと良好に通信を行うことができる場合、患者支援装置20を、部屋70の比較的小さい既知の領域内に配置する必要がある。同様に、ヘッドウォールユニット66のビームフォーミング位置トランシーバ116a及び/又は患者支援装置20の位置トランシーバ116bがタグ付き医療機器62と通信を行うことができる場合、タグ付き医療機器62の位置は、ビームフォーミング技術によって定められる特定の限定された空間内にある必要がある。これらのビームフォーミング技術が使用される場合に患者支援装置20及び/又は医療機器62を配置することができる限定された空間により、コントローラ130は、ビームフォーミング技術が利用されない場合よりもタグ付き医療機器62の位置について更に正確な判断を行うことができる。
【0181】
システム60eのいくつかの実施形態において、ヘッドウォールユニット66及び患者支援装置20によって使用されるビームフォーミング技術を、これらの構造がどの特定の装置と通信を行っているかに応じて変更することができる。例えば、ヘッドウォールユニット66の(一つ以上の)位置トランシーバ116aが患者支援装置20の(一つ以上の)位置トランシーバ116bと通信を行うとき、これらの位置トランシーバ116a,bは、第1のビームフォーミング技法を使用してもよい。これらのトランシーバ116a又は116bのセットのいずれかがタグ付き医療機器62と通信を行うとき、これらのトランシーバは、第2の異なるビームフォーミング技法を使用してもよい。これらの異なるビームフォーミング技術は、位置トランシーバ116a又は116bが通信を行う機器62の潜在的な位置に関する更に良好な空間感度及びヘッドウォールユニット66に対する患者支援装置20の位置に関する更に良好な空間感度を生み出し、その両方によって機器62の位置の更に洗練された推定値を決定することができる。
【0182】
システム60の様々な実施形態のいずれにおいても、コントローラ130は、ヘッドウォールユニット66の赤外線トランシーバ120との通信を介して、ヘッドウォールユニット66に対する患者支援装置20の位置及び向きに関する追加情報を生成するように適合させてもよい。すなわち、ヘッドウォールユニット66の赤外線トランシーバ120は、患者支援装置20のヘッドエンド38がヘッドウォールユニット66の略前方に配置された場合にのみ患者支援装置20の赤外線トランシーバ134と正常に通信を行うことができるように構成される。この理由は、患者支援装置20のIRトランシーバ134が患者支援装置20のヘッドエンドに取り付けられるとともにこれらのIR通信がヘッドウォールユニット66と患者支援装置20との間の遮られない視線経路に依存しているからである。したがって、コントローラ130bは、IRトランシーバ120との通信の成功から、そのヘッドエンドが(ヘッドウォールユニット66が取り付けられている)ヘッドウォール72に向けられていること及びヘッドウォールユニット66の比較的短い通信範囲(例えば、5~10フィートのオーダー)内にあることを判断することができる。この位置及び向き情報を、空間体積64に対するタグ付き医療機器62の位置を判断するために、他の位置トランシーバ116(例えば、ヘッドウォールユニット66の116a及び/又は定置ロケータ114の116c)から取得される得られる位置情報と組み合わせてもよい。
【0183】
少なくとも一つの実施形態において、ヘッドウォールユニットの赤外線トランシーバ120との通信から収集される患者支援装置20の位置及び向きに関する上述した追加情報は、一方がオンボード患者支援装置20に配置されるとともに他方がオンボードヘッドウォールユニット66に配置される二つのみの位置トランシーバ116を有するシステム60と組み合わせて利用される。これら二つの位置トランシーバ116a及び116bから収集された位置情報は、医療機器62が空間体積64の内側にあるか外側にあるかを判断するために、患者サポート器具20間の赤外線通信並びにこれら二つの位置トランシーバ116a及び116bの医療機器62との通信から収集された位置情報と組み合わされる。
【0184】
システム60の様々な実施形態のいずれにおいても、コントローラ130は、通信範囲内に配置された位置トランシーバ116bを有する一つ以上の他の患者支援装置20に対する患者支援装置20及び/又は医療機器62の位置に関する追加情報を生成するように適合されてもよい。すなわち、システム60が特定の部屋(又は医療施設内の他のランドマーク)に対する第1の患者支援装置20の位置及び/又は向きを判断した場合、システム60は、第1の患者支援装置20に搭載された位置トランシーバ116bを有してもよく、それは、第2の患者支援装置20に隣接して配置されたタグ付き医療機器62と通信を行う、及び/又は、第2の患者支援装置20に搭載された一つ以上の位置トランシーバ116bと通信を行う。この通信は、タグ付き医療機器及び/又は第2の患者支援装置20の位置の追加の推定値を提供し、したがって、空間体積64の各々に対するタグ付き医療機器の位置の更に正確な推定値を提供ですることができる。
【0185】
図16は、システム60fの第6の実施形態を示す図である。更に具体的には、
図16は、複数の患者支援装置20、タグ146及び壁ユニット66が配置された医療施設の間取
図200の一部を示す図である。システム60fのこの実施形態において、一つ以上の医療機器62及び/又はタグ146の位置は、患者支援装置サーバ96によって判断される。すなわち、患者支援装置20及び/又は壁面ユニット66の各々は、そのUWBトランシーバの範囲内に配置されたタグ146及び/又は医療機器62の各々について測距情報を決定するように構成される。患者支援装置20及び/又は壁面ユニット66の各々から収集してもよい測距データの種類の例を、
図17のテーブル202に示す。
図17の表202に示す情報は、タグ146及び/又は医療機器62の各々のUWB通信を介して患者支援装置20及び/又は壁面ユニット66から収集される。サーバ96は、医療施設内に配置されたUWBデバイスの各々の位置を判断するために、この測距情報を使用するように構成される。
【0186】
図17に示すように、サーバ96を、複数の患者支援装置20のようなものであるがそれに限定されない複数の装置から受信した測距情報を使用して一つ以上のタグ付きアイテムの位置を判断するように構成されてもよい。
図17の特定の例において、測距情報は、第1の患者支援装置G及び第2の患者支援装置Yから来る。サーバ96は、少なくとも一つの実施形態において、タグ付き医療機器62のようなものであるがそれに限定されない別のタグ付きアイテムの位置を判断するために、これら複数の患者支援装置20からの測距情報を使用するように構成される。
【0187】
例えば、
図16及び
図17においてタグT3として識別されたタグ146の位置を、患者支援装置G及びYからの測距情報から計算してもよい。更に具体的には、測距情報は、(位置及び向きが最初の測量作業から知られている)
図16において7を付したウォールユニット66に対する患者支援装置Gの位置及び向き、患者支援装置Gに対するタグT3の位置及び向き、(その位置及び向きも最初の測量作業から知られている)25を付したウォールユニット66に対する患者支援装置Yの位置及び向き並びに患者支援装置Yに対するタグT3の位置及び向きを含む。サーバ96は、通常の幾何学的及び/又は三角法アルゴリズムを使用してタグT3の位置を判断ために、この位置及び向き情報を使用する。
【0188】
他の例において、サーバ96を、一つ以上のタグ146の位置を判断するために、二つ以上の患者支援装置20からの測距情報及び/又は二つ以上のウォールユニット66からの測距情報を使用するように構成してもよい。いくつかの実施形態において、タグ付き機器62のうちの一つ以上を、測距情報自体を決定するとともにその情報を患者支援装置サーバ96と共有するように構成してもよい。例えば、一実施形態において、患者の体温を制御するために温度制御された流体を患者に供給するように適合された熱制御装置は、
図17に示すタイプの測距測定を実行する制御回路を有してもよい。そのような情報は、その後、他のタグ付き物体の位置を計算するのに使用するためにサーバ96に転送される。熱制御ユニットは、発明者Marco Constant等による表題が「動的制御アルゴリズムを有する熱制御システム」である2020年12月7日に出願された同一出願人の米国特許出願第63/122,165号に開示されたタイプであってもよく、その全開示を、参照によりここに組み込む。更に別のタイプの熱制御ユニットを、本明細書に開示されるシステム60のいずれかと共に使用してもよい。
【0189】
図7~
図17に示すシステム60の異なる構成のいずれかを全体的又は部分的に互いに組み合わせてもよいことが当業者に理解される。組合せのいくつかを、医療施設全体を通して行ってもよく、これらの組合せの他のものを、個々の部屋のみで行ってもよい、及び/又は、他の場所で行ってもよい。したがって、例えば、いくつかの実施形態において、特定の医療施設のいくつかの部屋は、
図13~14の二つのヘッドウォールユニット66と、例えば、
図9~10のシステム60bに示すような固定されたロケータ114を有してもよく、一方、同一の医療施設の他の部屋は、部屋の第1の壁(例えば、
図7~8参照)に配置された二つの固定されたロケータ114及び部屋の第2の壁(例えば、
図9~10参照)に配置された他の固定されたロケータ114を有してもよい。
【0190】
他の例として、いくつかの実施形態において、患者支援装置20の一つ以上を、自身の相対位置を判断するように構成してもよく、一方、他の患者支援装置20を、
図17において上述したような手法でサーバ96が位置を判断できるようにするために、サーバ96に測距情報を送信するように構成してもよい。
【0191】
更に別の例として、いくつかの実施形態において、いくつかの患者支援装置20は、同一の施設に配置された他の患者支援装置20とは異なる数の位置トランシーバ116bを有してもよい。例えば、特定の医療施設は、位置トランシーバ116bを有さないいくつかの患者支援装置20(例えば
図7~10)と、一つ又は二つの位置トランシーバ116bを有する他の患者支援装置20(例えば
図13~14及び
図15)と、を有してもよい。さらに、いくつかの実施形態において、システム60a及び60b(
図7~10)に示す患者支援装置20のいずれかを、一つ以上の位置トランシーバ116bを有するように変更してもよい。
図7~15に示すシステム60の様々な実施形態の特徴及び/又は機能のいずれかの更に別の変形及び組合せを行ってもよい。
【0192】
本明細書に開示された患者支援装置20のいずれかを、異なる数の位置トランシーバ116bを有するように変更してもよい。少なくとも一つの実施形態において、患者支援装置20は、四つの位置トランシーバ116bを有し、その各々は、患者支援装置20の異なる角部に略隣接して配置される。他の数のトランシーバ116bを使用してもよい。全ての実施形態において、コントローラ130bは、患者支援装置20のトランシーバ116bの各々の相対位置及び/又は向きを定めるデータにアクセスすることができる。この位置及び/又は向き情報を、患者支援装置20の他のランドマークと共通する参照フレーム及び/又は患者支援装置20に対するタグ付きデバイス62の相対位置を判断するのに使用される参照フレームと同一のフレームで定めてもよい。
【0193】
本明細書で既に言及されたものを超える様々な追加の改変及び変更を、上記の実施形態に対して行うことができる。 本開示は、例示のために提示されており、全ての実施形態の網羅的な説明として解釈されるべきではなく、また、これらの実施形態に関連して図示又は説明される特定の要素に請求の範囲を限定するものでもない。 例えば、限定するものではないが、説明した発明の任意の個々の(一つ以上の)要素を、略同様の機能を提供する又はその他の適切な動作を提供する代替要素によって置き換えてもよい。これは、例えば、当業者に現在知られている可能性のある代替要素及び将来開発される可能性のある代替要素、例えば、当業者が開発時に代替要素として認識する可能性のある代替要素を含む。例えば、冠詞“a”,“an”,“the”又は“said”を使用した単数形の請求項の要素へのいかなる言及も、要素を単数形に限定するものとして解釈されない。
【国際調査報告】