(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】魚卵および出生稚魚のための産卵および出生および飼育設備
(51)【国際特許分類】
A01K 61/17 20170101AFI20240219BHJP
A01K 63/00 20170101ALI20240219BHJP
【FI】
A01K61/17
A01K63/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532745
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 EP2020083956
(87)【国際公開番号】W WO2022111836
(87)【国際公開日】2022-06-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523199391
【氏名又は名称】ナッパ, ダヴィデ
【氏名又は名称原語表記】NAPPA, Davide
(71)【出願人】
【識別番号】523199405
【氏名又は名称】ピアネータ, ジュゼッペ, ファビオ
【氏名又は名称原語表記】PIANETA, Guiseppe, Fabio
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ナッパ, ダヴィデ
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104BA05
2B104BA06
2B104CA03
(57)【要約】
妊娠が進行した状態の雌魚を受け入れるための少なくとも1つの産卵および出生容器(1)と、この容器(1)に接続された飼育容器(2)と、2つの容器(1、2)の底部に接続されたライン(5)と、容器(1)内に取り付けられ、雌魚が通過することができない少なくとも1つの開口を有する中間底部(4)と、容器(1)から容器(2)内に水を搬送するための搬送システムと、を含む、魚卵および出生稚魚のための産卵および出生および飼育設備は、以下の特徴、すなわち、容器(1、2)が連通する容器であり、ライン(5)に接続されたライザライン(6)が、容器(1)内の水位(b)を下回る高さまで容器(2)内を案内される、ことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚卵および出生幼魚のための産卵、出生および飼育装置であって、
-妊娠性の高い母魚を受け入れるための少なくとも1つの産卵または出生容器(1)と、
-前記容器(1)に接続された飼育容器(2)と、
-前記容器(1)に接続された導管(5)と、
-前記容器(1)内に配置され、前記母魚に対して透過性でない少なくとも1つの開口を有する中間底部(4)と、
-前記容器(1)から前記容器(2)に水を搬送するための搬送システムと、を備え、
以下の特徴、すなわち、
-前記容器(1)上に横方向に配置された少なくとも1つの水入口開口(7)と、
-前記容器(1)上の前記水入口開口(7)よりも高く横方向に配置された少なくとも1つの水位調節開口(8)と、
-横方向に且つ前記容器(2)上の前記水位調節開口(8)よりも下方に配置された少なくとも1つの水位調節開口(9)と、
-前記導管(5)に接続され、前記容器(1)の前記水位調節開口(8)よりも低く、且つ前記容器(2)の前記水位調節開口(9)よりも高い高さまで前記容器(2)内を案内されるライザ管(6)と、を備えることを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記容器(1、2)に取り付けられ、前記水槽の注水物の表面上で前記容器(1、2)を支持する浮遊体(20)を特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記水入口開口(7)に接続された水ポンプを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記中間床(4)が、前記母魚に対して透過性でないグリッド開口を有するグリッド床の形態で与えられることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記容器(1)が通気性蓋(3)を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記水位調節開口(8)が、成魚、すなわちより大きな観賞魚に対して透過性でないことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記水位調節開口(9)が、より大きな魚に対して不透過性であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記容器(2)が、それぞれ、排泄物または汚れ粒子のための、幼魚に対して不透過性である開口を有する底部を有することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記容器(2)が通気性蓋(13)を有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
自殖観賞魚を食べられることによる死から守るために、いわゆる産卵箱が知られている。これは、実際の水槽に引っ掛けられ、上下領域に分割されている。魚の子孫を水槽に存在する魚から保護するために、産卵または出生しようとしていることが予測されることができる場合には、胎生または卵生の母魚が産卵箱の上部領域に配置される。出生後のまだ動かない幼若動物または卵は、細かい網目のグリッドを通って、産卵箱の下部領域内に直接落下する。これは、水槽内の魚や母魚が子孫を食べることをできなくする。
【0002】
米国特許第3 900 004号明細書には、請求項1のプリアンブルに対応する産卵、したがって出生および飼育装置が記載されている。水槽の壁から吊り下げられることができるこの装置は、産卵または出生容器14と、それに接続された飼育容器18とを含む。産卵または出生容器12は、空気通路が設けられた蓋32を有する。容器12には、2つのV字形の下方に収束する底面50、52を備える中間底部が設けられており、これらの底面は、母動物および他の成魚がその中を通過するのを防止するような程度に広い長手方向スロット48によって底部において境界付けられている。この中間底部の下方は、中央開口28が設けられた容器底部26である。この開口には、飼育容器18の底部68を通って、容器18内に配置されたスロット94の高さまで延在する水導管64が接続されている。スロット94は、既に十分に成長した魚がそれらを通って飼育容器18に入ることができないような幅を有する。圧縮空気導管100が導管64内に開いており、それにより、圧縮空気が圧縮空気導管100を通って導管64に供給されると、水が注入器のように導管を通って産卵または出生容器から吸引され、飼育容器18内に搬送される。この吸引流により、底部スロット48を通過する稚魚または魚卵は、導管64に接続された垂直導管46を通って飼育容器18内に搬送され、導管46の上端から飼育容器18内に落下する。
【0003】
稚魚は、2~3週間程度で一定の大きさに到達した後、水槽内に存在する成魚や母魚に食べられるリスクなく、水槽内に移送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第3 900 004号明細書
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、既知の装置と比較して改善された装置を提供することである。
【0006】
特許請求項1の特徴は、この目的を解決するのに役立つ。
【0007】
上述したように、子孫を産卵または出生容器から飼育容器に移すための既知の装置は、注入器の原理にしたがって効果的であるが、本発明によれば、この目的のために容器を連通させる原理が使用され、これは、既知の注入器の原理と比較して、特に子孫にとってはるかに穏やかである。
【0008】
装置は、好ましくは、容器に取り付けられ、水槽の注水物の表面上で容器を支持する浮遊体を特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明は、図面を参照して以下に詳細に説明される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明にかかる産卵または出生および飼育装置は、図示のように、少なくとも1つの産卵または出生容器1と、1つの飼育容器2とを含む。2つの容器1および2は、浮遊体20によって水槽(A)の注水面a上に浮遊する。容器1および容器2は、それぞれ、通気性蓋3および13を有する。
【0011】
2つの容器1および2は、連通する容器である。容器1は、その下端が導管5に接続されており、導管には、容器2を貫通するライザ管6が接続されており、ライザ管の上部開口端は、容器1の水位bよりも下方で終端している。
【0012】
容器1内の水位bを調節するために、容器1には、母動物に対して不透過性の水位調節開口8が設けられている。
【0013】
図示されていない水ポンプに接続された水入口開口7が、容器1のほぼ中央領域に設けられている。容器1の中間底部4には、母魚に対して透過性でない開口が設けられている。
【0014】
容器1には、導管5に接続された開口を有する底部4.1が設けられている。
【0015】
ライザ管6が開口する容器2には、容器2内の水位cを調節するための水位調節開口9が設けられており、これは、より大きな魚または成魚に対して透過性ではない。
【0016】
空気ポンプ(図示せず)に接続された空気注入開口10が、容器2の下部領域に配置されている。
【0017】
容器2の底部は、幼魚に対して透過性でないグリッド開口を有するグリッド11からなる。
【0018】
水槽内に妊娠性、産卵性または生存性の高い母魚がいると判定された場合、それは捕獲され、産卵または出生容器1に移される。同時に、水入口開口7に接続された水ポンプ(図示せず)が始動される。これにより、母魚によって産卵された魚卵および出生稚魚が下方に移動し、中間底部4の開口を通過する。これらの魚卵または稚魚は、導管5およびライザ管6を通って搬送され、ライザ管6の上端を通って容器2内に落下する。
【0019】
魚卵から孵化した稚魚および出生稚魚は、水槽Aに移送される前に、水槽A内に存在する大きな魚によって食べられないように十分な大きさに到達するまで、飼育容器2内に所定期間-2~3週間程度留まる。
【国際調査報告】