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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】ロボット支援手術用アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/08 20060101AFI20240219BHJP
   A61M 31/00 20060101ALI20240219BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20240219BHJP
   A61M 25/082 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
A61M25/08 500
A61M31/00
A61B34/30
A61M25/082 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023540077
(86)(22)【出願日】2022-01-14
(85)【翻訳文提出日】2023-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2022050707
(87)【国際公開番号】W WO2022152824
(87)【国際公開日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】21151583.8
(32)【優先日】2021-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186164.6
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21186177.8
(32)【優先日】2021-07-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510339094
【氏名又は名称】フェロサン メディカル デバイシーズ エイ/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ハンマースホイ, ピーター ルンド
(72)【発明者】
【氏名】イグウェビケ, ヘニング ウゾマ
(72)【発明者】
【氏名】デマント, リスベス ノーア
(72)【発明者】
【氏名】ブリュエル, クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】エングマルク, ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】バティア, ヴィクラム キョラー
(72)【発明者】
【氏名】アクセルソン, ラース タムストラップ
【テーマコード(参考)】
4C066
4C130
4C267
【Fターム(参考)】
4C066AA01
4C066BB01
4C066CC04
4C066DD07
4C066DD13
4C066EE14
4C066GG12
4C066QQ52
4C066QQ57
4C066QQ58
4C066QQ73
4C066QQ78
4C066QQ82
4C066QQ84
4C130AA42
4C267AA02
4C267AA80
4C267BB02
4C267BB33
4C267BB62
4C267CC07
4C267EE07
(57)【要約】
本開示は、手術用ロボットアームによって、選択された部位に止血剤を含む物質などの物質を分配するための腹腔鏡アプリケータであって、圧力下で物質を保持するように構成された送達チューブと、送達チューブの遠位端部に接続されるアプリケータ先端部であって、ロボットアームによって空間的に操縦され、ロボットアームによって送達チューブから物質を制御可能に放出することによって、ロボットアームによって制御可能に操作されるように構成された、アプリケータ先端部とを備える、腹腔鏡アプリケータに関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用ロボットアームによって、選択された部位に物質、例えば、止血剤を含む物質を分配するための腹腔鏡アプリケータであって、
圧力下で前記物質を保持するように構成された送達チューブと、
前記ロボットアームによって空間的に操縦され、かつ
前記ロボットアームによって前記送達チューブから前記物質を制御可能に放出する
ことによって、前記ロボットアームによって制御可能に操作されるように構成された、前記送達チューブの遠位端部に接続されるアプリケータ先端部と
を備える、腹腔鏡アプリケータ。
【請求項2】
前記送達チューブおよび/または前記アプリケータ先端部が、5mm未満、好ましくは3mm未満、さらにより好ましくは2mm未満の内径を有する、請求項1に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項3】
前記アプリケータ先端部が、圧力作動バルブなどの少なくとも1つのバルブであって、前記バルブの開放時に前記物質を前記送達チューブから放出するように構成された、少なくとも1つのバルブをさらに備える、請求項1または2に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項4】
前記アプリケータ先端部が、前記少なくとも1つのバルブを開くかつ/または閉じるように構成された少なくとも1つのアクチュエータをさらに備える、請求項3に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクチュエータが、前記アクチュエータを前記チューブ/前記アプリケータ先端部の長手方向軸線に沿って引っ張ることによって、かつ/または前記アクチュエータを前記長手方向軸線の周りで回転させることによって作動される、請求項4に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのアクチュエータが、作動時に、前記腹腔鏡アプリケータから前記物質を分配するのに十分な圧力を及ぼすように構成された、駆動機構などの圧力源に電気信号を送信するように構成される、請求項4または5に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項7】
前記アプリケータ先端部が、例えば光ダイオードの形態の状態インジケータをさらに備え、前記状態インジケータが前記アプリケータ内の物質の残量を示すように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項8】
流体を保持するための少なくとも1つの流体源をさらに備え、前記流体源が前記送達チューブと流体接続する、請求項1~7のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項9】
前記送達チューブおよび前記少なくとも1つの流体源が、前記少なくとも1つの流体源が第1の物質リザーバを構成するように、同じ物質を含むように構成される、請求項8に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項10】
1つ以上の第2の物質リザーバを備え、前記第2の物質リザーバが、少なくとも1つの補助コネクタ要素を介して前記第1の物質リザーバに着脱可能に取り付けられる、請求項9に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの流体源が、例えば圧力源の使用によって、加圧されるように構成される、請求項8~10のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項12】
前記少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、かつ/または前記送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項13】
前記少なくとも1つの圧力源が、手動ピストン、電動ピストン、ばね力、およびガス圧の群から選択される駆動機構である、請求項12に記載の腹腔鏡アプリケータ。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータと、1つ以上の圧力源と、任意選択的に1つ以上の流体源とを備える、部品のキット。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータと、
前記送達チューブと流体接続する、流体を保持するための少なくとも1つの流体源、および/または
前記少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、かつ/もしくは前記送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された、モータなどの少なくとも1つの圧力源
を保持するためのドライバユニットと
を備える、部品のキット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アプリケータに関し、より具体的には、外科用ロボットアームによって、選択された部位に医療用物質または流体を分配するための腹腔鏡アプリケータに関する。本発明はさらに、腹腔鏡アプリケータ用の腹腔鏡アプリケータ先端部、前記アプリケータ先端部および/またはアプリケータを備える部品のキットに関する。
【背景技術】
【0002】
ロボットシステムは、より侵襲的な従来の開放手術技術を回避するために、手術、特に低侵襲外科的処置で使用されることが増えてきている。ロボットシステムは、医療装置が取り付けられるいくつかのロボットアームを含み、ロボットアームおよび医療装置は、例えばジョイスティックおよびフットペダルなどの制御装置を介して、コンソールから外科医によって制御および操縦される。したがって、ロボットアームは、手術部位で外科医の手に置き換わり、外科医は代わりに患者から遠隔に位置し、手術部位の3次元ビューを示すディスプレイを介して手術部位を見る。
【0003】
助手が物理的に存在する外科医に必要な医療装置を提供する従来の開放手術技術と同様に、ロボット手術では、助手がロボットアームの近くに位置し、アームに必要な医療装置を提供する。例えば、助手は、ロボットアームの医療装置を交換し、医療装置としてロボットアームに直接、またはトロカールポートを介して体内に導入されたアプリケータチューブを介して、医療用流体を提供することができる。
【0004】
外科用止血剤ならびに他の医療用流体およびペーストは、従来、シリンジバレル内にペーストを含む手動操作シリンジを使用することによって標的部位に分配される。しかしながら、低侵襲外科的処置の場合、標的部位にはシリンジカニューレで直接アクセスすることができない。したがって、体腔内の標的部位にペーストを分配するために、ペーストが予め充填された細長いアプリケータチューブが、典型的には、トロカールポートを介して体内に導入される。細長いアプリケータチューブの挿入は、トロカールポートで行われ、したがって、外科医の視野が高解像度で内部標的部位を示すディスプレイに限定されているため、低侵襲外科的処置を行う外科医には見ることができない。したがって、アプリケータチューブの挿入およびアプリケータチューブからのペーストの分配は、典型的には、外科医の口頭命令により外科医の助手によって行われる。その結果、現在利用可能なシステムを使用したペーストの分配は、外科医によって直接制御されない。
【0005】
米国特許第9,636,177号明細書は、止血剤が充填されたカテーテルおよびシリンジを備える止血アプリケータが取り付けられ、外科医がシリンジプランジャを作動させるボタンを押すと、止血剤がカテーテルから手術部位に排出されるロボットアームを開示している。
【0006】
米国特許出願公開第2012/0289894号明細書は、ロボットツールによって把持可能な先端部を備える、腹腔鏡手術用の吸引/灌注装置を開示している。装置への液体/真空の供給は、手術野の外側で手術野から離れて配置されたバルブを含む、離れて配置されたバルブユニットから送達される。したがって、装置は、遠隔供給源からの液体およびガスなどの自由流動流体による灌注に適合している。
【0007】
欧州特許第1915950号明細書は、遠位アプリケータ先端部が近位手動ハンドルに延びるケーブルを介して移動され得る接着性アプライアを開示している。同様に、米国特許出願公開第2009/171332号明細書は、ケーブルによって移動され得る遠位アプリケータ先端部を開示している。
【0008】
ロボット支援手術をさらに改善するために、ロボットアームによって、したがって外科医によって直接制御されるように適合された医療装置が望ましい。特に、ロボットアームの再現された遠隔操作が外科医の相互作用をより高度にシミュレートするように、より高い精度、正確性、および直感的な触覚制御でロボットアームによって制御され得る装置が必要とされている。さらに、例えば細長いアプリケータチューブ内で利用可能なペーストの量に関して、外科医にフィードバックを与える医療装置を有することが望まれている。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、ロボット支援手術に特に適したアプリケータに関する。特に、本開示は、トロカールポートに挿入するのに適しており、アプリケータ先端部を有するアプリケータを提供し、アプリケータの向きおよび/または活動は、挿入されたアプリケータの遠位端部またはアプリケータ先端部を介して作動される。したがって、アプリケータは、アプリケータ先端部を介して操縦および作動させることができ、したがって、手術部位での医療処置中に例えば腹腔内で、アプリケータの遠位端部/先端部と相互作用するロボットアームによって操縦および作動させるのに特に適しており、例えば、アプリケータは、医療用物質の腹腔内送達用に構成されている。医療用物質は、医療用流体、医療用ペーストおよび/または医療用粉末であってもよい。
【0010】
実際の人間の手の動きを、コンピュータソフトウェアによって制御されるロボットアームで置き換えることにより、非常に精密で制御された動きが容易になる。したがって、ロボットアームによって空間的に操縦される腹腔鏡アプリケータは、より精密かつ正確に制御され得るだけでなく、手術中に重要な偶発的な動きのリスクを低減して確実性をより高くすることができる。したがって、例えば、ロボットアームによって医療用物質を分配するための腹腔鏡アプリケータは、選択された部位でより精密かつ確実に物質を分配することができる。具体的には、選択された部位に止血用物質を分配するためのロボット操縦アプリケータにより、より効率的に出血を停止させることができる。
【0011】
ロボットアームおよびロボットフィンガ自体は、人間の手と比較して触覚フィードバックおよび設計が制限されているため、アプリケータの遠位端部/先端部を操縦および作動させるための手段は、好適には、ロボットアーム/フィンガに適合させて、アプリケータの安全性、正確性および確実性を高めるためることができる。
【0012】
アプリケータおよびアプリケータ先端部
したがって、本開示は、一般に、設計および触覚フィードバックが制限されたロボットアームによって向きおよび/または活動を正確かつ確実に制御することができるアプリケータに関する。特に、本開示は、一般に、先端部のみがロボットアームからアクセス可能であり、ロボットアームから見える必要があるように、ロボットアームによって制御可能に操作されるように構成されたアプリケータ先端部を有するアプリケータに関する。
【0013】
本開示の第1の態様は、手術用ロボットアームによって選択された部位において、止血剤を含む物質などの物質を分配または引き出すための腹腔鏡アプリケータに関し、腹腔鏡アプリケータは、
物質を保持するための送達チューブと、
ロボットアームによって空間的に操縦される、および/または
ロボットアームによって送達チューブから物質を制御可能に放出する、または選択された部位から送達チューブ内に物質を制御可能に引き出す
ように構成された、送達チューブの遠位端部に接続されるアプリケータ先端部と
を備える。
【0014】
好ましくは、アプリケータ先端部は、先端部がロボットアームによって空間的に操縦されることによって、および/または先端部がロボットアームによって物質を放出/引き出すように構成されることによって、ロボットアームによって制御可能に操作されるように構成される。
【0015】
物質の空間排出は、主に、送達チューブの遠位端部の向きおよび/またはアプリケータ先端部の向きによって決定される。遠位端部/アプリケータ先端部の向きの可撓性は、部分的に変形可能なアプリケータによって得ることができ、例えば、送達チューブの少なくとも一部は伸縮性および/または可撓性である。したがって、送達チューブは、変形可能部分を備えることができる。チューブ/アプリケータ先端部の遠位端部は、好ましくは、外科医がロボットアームの使用によって遠位端部/先端部を配向および配置することができるように、腹腔鏡手術中にロボットアームによって操縦される。操縦中にロボットアームがアプリケータを圧迫、破壊、またはよじれさせるリスクを低減するために、アプリケータは、ロボットアームとの安全な相互作用に適合した表面領域を含むことができる。例えば、アプリケータは、変形しにくく、したがって特に有形であり、ロボットアームによる安全な操縦に適合した剛性部分を含むことができる。剛性部分は、送達チューブ上および/またはアプリケータ先端部上に設けられてもよい。
【0016】
物質の放出は、好ましくは、腹腔鏡手術中にin-situでロボットアームによって制御される。したがって、アプリケータは、ロボットアームを介して適用可能な特定の圧力レベルおよび/または特定の圧力配向によって作動するように構成されたアクチュエータなどの、ロボットアームとの安全な相互作用に適合された少なくとも1つのアクチュエータを含むことができる。代替的に、アクチュエータは、アクチュエータの引っ張りまたは回転によって作動されてもよい。
【0017】
好適には、アプリケータの送達チューブは、物質を圧力下で保持するか、または少なくとも物質が排出される直前に加圧された物質を保持するように構成される。これは、決定された部位および決定された時間での物質のより精密で確実な高い排出を提供することができ、例えば、これは、有意な時間遅延なしにアプリケータ先端部との単純な相互作用によって物質が送達チューブから放出され得るという利点を有する。
【0018】
したがって、本開示の関連する態様は、手術用ロボットアームによって選択された部位において、止血剤を含む物質などの物質を分配または引き出すための腹腔鏡アプリケータに関し、腹腔鏡アプリケータは、
圧力下で物質を保持するように構成された送達チューブと、
ロボットアームによって送達チューブから物質を制御可能に放出するように構成された、送達チューブの遠位端部に接続されるアプリケータ先端部と
を備える。
【0019】
したがって、加圧される物質の形態に応じて、送達チューブの遠位端部は、物質が送達チューブ内に収容されて加圧され得るように適合されたバルブなどの、1つ以上の流量制御要素を含むことができる。代替的または追加的に、送達チューブは、存在する毛細管力に起因して物質が加圧され得るように寸法決めされてもよい。毛細管力は、送達チューブの長さにわたって生じる圧力降下として定義することもできる。したがって、送達チューブ、特にアプリケータ先端部は、好適には、圧力下で物質を保持するか、もしくは加圧された物質を保持するように寸法が構成され、および/または1つ以上の流れ制御要素を含むように構成される。
【0020】
本開示の第2の態様は、止血剤を含む物質などの物質を保持するための腹腔鏡送達チューブに接続するための腹腔鏡アプリケータ先端部に関し、アプリケータ先端部は、
前記バルブの開放時に物質を送達チューブから放出するように構成された少なくとも1つのバルブと、
少なくとも1つのバルブを開く/閉じるように構成された少なくとも1つのアクチュエータと
を備える。
【0021】
アプリケータ先端部は、送達チューブの遠位端部に着脱可能に取り付けることができ、送達チューブを廃棄する際に先端部を再使用することを可能にする(以下でさらに説明するように、場合によっては流体源または圧力源を含む)。したがって、送達チューブおよび/またはアプリケータ先端部および/または流体源は、使い捨て/単回使用用に構成することができる。代替的に、アプリケータ先端部は、送達チューブとアプリケータ先端部とが単一のユニットであるように、送達チューブの一体部分であってもよい。いくつかの実施形態では、アプリケータ先端部は、単に送達チューブの遠位端部を指す。アプリケータ先端部は、ロボットアームによって把持されるように構成された剛性部分を備えることができる。アプリケータ先端部は、物質の分配速度および/または分配角度を調整するための調整可能なノズルをさらに備えてもよい。アプリケータ先端部は、(例えばロボットアームによって)アクチュエータに加えられた圧力を感知するための、抵抗膜式圧力センサなどの圧力センサをさらに備えることができる。この場合、アプリケータ先端部は、好ましくは、少なくとも1つのアクチュエータに加えられた圧力を示すための圧力表示灯をさらに備える。
【0022】
部品のキット
本開示によるアプリケータは、腹腔鏡処置用の部品のキットの一部として、特にロボット支援手術に適した部品のキットとして提供することができる。任意選択的に、アプリケータは、キットの別個の部品として、例えば送達チューブおよびアプリケータ先端部として提供されてもよく、組み立て時に第1の態様によるアプリケータを形成する。
【0023】
キットは、任意選択的に、使用前に送達チューブを装填または充填するための1つ以上の物質リザーバをさらに備えてもよい。例えば、物質リザーバは、物質で充填されるように構成され、送達チューブの遠位開口部などのアプリケータの送達チューブへの流体接続を形成するように構成されたシリンジであってもよい。
【0024】
部品の数を減らし、組み立てを単純化するために、部品のキットは、アプリケータと、容易に組み立てられ、組み立て時に圧力下で物質を送達するように構成された圧力源とを備えることができる。例えば、圧力源は、送達チューブの近位開口部など、アプリケータの送達チューブへの流体接続を形成するように構成されたガスカートリッジであってもよい。
【0025】
アセンブリをさらに単純化するために、1つ以上の圧力源をアプリケータに組み込むことができる。例えば、圧力源は、近位端部に配置されたばねの形態で送達チューブに組み込むことができ、ばねエネルギーは予め蓄積され、および/または送達チューブに物質を装填すると蓄積される。
【0026】
本開示の第3の態様は、第1の態様によるアプリケータ、または第2の態様によるアプリケータ先端部と、1つ以上の圧力源と、任意選択的に1つ以上の物質リザーバとを備える部品のキットに関する。例えば、物質リザーバは、物質で充填されるように構成され、送達チューブの遠位開口部などの送達チューブへの流体接続を形成するように構成された1つ以上のシリンジであってもよい。一実施形態は、第1の態様によるアプリケータと、1つ以上の圧力源と、任意選択的に物質で充填されるように構成されたシリンジとを備える部品のキットに関する。
【0027】
部品のキットは、すべての部品を手動で組み立てて操作することができ、すべての部品が使用後に使い捨て可能であり、単回使用に適合するという利点を有する。
【0028】
代替的に、部品のキットは、より再現性のある持続可能なアプリケータ設計を得るために、複数回の使用に適合された部品を含んでもよい。例えば、アプリケータは、再使用可能なピストンまたはモータの形態の圧力源を含み得る再使用可能なユニットまたはホルダに組み立てることができる。
【0029】
部品のキットは、部品、すなわちアプリケータおよび圧力源を保持するためのドライバユニットをさらに備えることができる。
【0030】
本開示の第4の態様は、
第1の態様による腹腔鏡アプリケータと、
送達チューブと流体接続する、流体を保持するための少なくとも1つの流体源、ならびに/または
少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、および/もしくは送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された、モータなどの少なくとも1つの圧力源
を保持するためのドライバユニットと
を備える部品のキットに関する。
【0031】
持続可能な衝撃をさらに増加させるために、ドライバユニットに流体源を補充することができる。したがって、部品のキットは、任意選択的に、1つ以上の流体源リザーバを備え、流体源リザーバは、ドライバユニット内の流体源に着脱可能に取り付けられるように構成される。
【0032】
圧力源
アプリケータからの物質、例えば医療用ペーストの放出は、チューブ内に保持された物質が送達チューブを通って遠位端部および先端部まで押され、そこで吐出および分配されることを意味する。アプリケータ内の物質を加圧するための圧力源は、例えば、手動もしくはモータ駆動のピストン、ばね力、および/またはトリガを介してチューブ内に前進するように強制される固体スタイラスまたは流体の形態の任意の十分な圧力源であってもよい。
【0033】
決定された部位および決定された時間に物質を精密かつ確実に排出するために、送達チューブまたはアプリケータ先端部は、好適には、少なくとも物質が排出される直前に、圧力下で物質を保持するように構成される。加圧される物質の形態に応じて、送達チューブの遠位端部またはアプリケータ先端部は、物質を送達チューブ内に収容して加圧し得るように適合されたバルブなどの1つ以上の流量制御要素を含むことができる。代替的に、送達チューブは、存在する毛細管力に起因して物質が加圧され得るように寸法決めされてもよい。
【0034】
本開示の第5の態様は、少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成され、および/または送達チューブ内の物質などの送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源をさらに備える腹腔鏡アプリケータに関する。
【0035】
したがって、圧力源は、好適には、送達チューブ内の少なくとも1つの流体源および/または物質を遠位端部に向かって移動させるように構成された駆動機構を備える。駆動機構は、機械的および/または電気的に操作することができる。例えば、少なくとも1つの圧力源は、手動ピストン、電動ピストン、ばね力、およびガス圧の群から選択される駆動機構を備えることができる。
【0036】
機械的駆動機構
第3および第4の態様によるキットの容易な組み立て、操作ステップの数の低減、および腹腔鏡アプリケータの手動操作のために、圧力源は、好適には、所定のおよび/または制御可能な圧力を含むことができる。例えば、圧力源は、ガスカートリッジまたは所定量の液体を有するシリンジ内の所定のガス圧などの所定のプロペラントを含む流体源を含むことができる。代替的に、圧力源は、所定のばねエネルギーが蓄積されたばねであってもよい。したがって、圧力源の駆動機構が機械的に制御される。例えば、アプリケータと圧力源との単純な組み立てにより、アプリケータは、医療用ペーストなどの(医療用)物質を分配するように適合される。
【0037】
電気駆動機構
追加的または代替的に、圧力源の駆動機構は、例えば、送達チューブ内の物質を加圧し、物質の排出を提供するモータによって駆動されるピストンとして、モータを介して制御可能であってもよい。圧力源はまた、モータによって駆動される流体流、例えば、送達チューブからの物質を加圧して分配するベローズ、ピストン、パドルホイール、または圧縮機から得られる流体流であってもよい。したがって、圧力源の駆動機構は、モータで、または電気的に制御される。例えば、腹腔鏡アプリケータまたはアプリケータ先端部のアクチュエータは、電気信号を駆動機構またはモータに送信するように構成されてもよく、電気信号を受信すると、圧力源または送達チューブ内の物質に圧力を及ぼすように構成される。
【0038】
粉末
腹腔鏡アプリケータは、止血剤を含む物質を分配または引き出すように構成され、前記物質は、液体、ペースト、または粉末の形態であってもよい。粉末の流れ特性のために、送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送するための圧力源または駆動機構は、好適には、ガス圧力源と組み合わせた、スクリューコンベヤなどの速度可変フィーダまたは振動装置の組み合わせを備える。
【0039】
本開示の第6の態様は、外科用ロボットアームによって、選択された部位に止血用粉末を分配するための腹腔鏡アプリケータであって、
止血用粉末を保持する送達チューブと、
送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送し、それによって止血用粉末をアプリケータから分配するように構成された、スクリューコンベヤなどの速度可変フィーダと
を備える、腹腔鏡アプリケータに関する。
【0040】
本開示の第7の態様は、外科用ロボットアームによって、選択された部位に止血用粉末を分配するための腹腔鏡アプリケータであって、
止血用粉末を保持する送達チューブと、
所定の開放圧力で開くように構成された、送達チューブの遠位端部に配置されたバルブと、
バルブが開いているときに止血用粉末を送達チューブから振り出すように構成された、超音波振動装置などの振動装置と
を備える、腹腔鏡アプリケータに関する。
【0041】
好ましくは、止血用粉末を分配するためのアプリケータは、送達チューブを通して止血用粉末を輸送するように構成された、1つ以上のガス圧力源などの1つ以上の圧力源をさらに備える。ガス圧力源は、例えば、電動ガス圧力源、またはガスカートリッジなどの加圧容器であってもよい。加圧容器は、蓄積された圧力エネルギーを有するものとして特徴付けることができ、圧力エネルギーは、例えば容器を手動で開く際に圧力を解放することによって運動エネルギーに変換することができる。例えば、加圧容器は流体を収容することができ、圧力が解放されると同時に流体が容器から排出される。
【0042】
本開示の第7の態様は、止血剤を含む物質などの物質をアプリケータから分配するための、第1の態様による腹腔鏡アプリケータの使用に関する。
【0043】
以下、本発明を、添付の図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図2】ロボットアームによって操縦されている、本開示によるアプリケータの一実施形態の斜視図である。
図3】送達チューブが伸縮性であり、先端部に剛性表面領域を含む(A、B)、送達チューブが、先端部から距離を取って配置された剛性表面領域を含む(C)、送達チューブが半剛性である(D)実施形態を含む本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図4】伸縮性、圧縮性、および/または可撓性である変形可能部分の実施形態を含む、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図5】ばね負荷式チェックバルブを備える、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図6】ダックビルバルブを備える、本開示によるアプリケータの実施形態を示す図である。
図7】圧力源を備える、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図8】圧力源を備える、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図9】圧力源を備える、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図10】圧力源を備える、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図11】圧力源を備える、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図12】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、物質を保持するための送達チューブと、流体を保持するための流体源と、流体源に圧力を及ぼすための圧力源とを備える。
図13】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、流体源および送達チューブを保持するためのドライバユニットを備える。
図14】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、流体源および送達チューブを保持するためのドライバユニットを備える。
図15】アクチュエータの押し込み(A)、引っ張り(B)および回転(C)の作動機構を示す図である。
図16】単一のボタンがアプリケータ先端部の一部を覆う(A)、2つのボタンが先端部上に互いに対向して設置された(B)、単一のボタンがアプリケータ先端部の全周を取り囲む(C)実施形態のアクチュエータを示す図である。
図17】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、変形可能部分と、変形可能部分の両側に設置することができるアクチュエータとを備える。
図18】流体源(ここではシリンジ)を保持するドライバユニットを示す図である。ドライバユニットは、アプリケータから放出される物質の流量を制御するための流量制御器などの様々な制御部を特徴とすることができる。
図19】本開示によるアプリケータ先端部の一実施形態を示す図であり、先端部は、アクチュエータと、アクチュエータに加えられた圧力を示すための圧力光インジケータとを備える。
図20】本開示によるアプリケータ先端部の一実施形態を示す図であり、先端部は、アクチュエータと、アクチュエータに加えられた圧力を示すための圧力光インジケータと、送達チューブ内の物質の残量を示すための状態インジケータとを備える。
図21】本開示によるアプリケータ先端部の一実施形態を示す図であり、先端部は、状態インジケータと、アクチュエータと、剛性部分と、変形可能部分とを備える。測定値は一例として提供されているにすぎない。
図22】本開示による送達チューブの一実施形態の断面を示す図であり、送達チューブは複数の管腔(ここでは4つの管腔)を備える。
図23】様々な変形可能な剛性部分を有する送達チューブの3つの異なる実施形態を示す図である。
図24】変形可能部分が、アプリケータ先端部の約360°の操縦を可能にする(A)、送達チューブが、アプリケータ先端部の位置を変えることができるがチューブに対して同じ位置に留まるような可鍛性ワイヤを備える(B)、ワイヤが、所定の角度で1つ以上の平面に沿って変形可能部分を曲げることを可能にする(C)、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図25】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータ先端部は、アクチュエータと、状態インジケータとを備える。
図26】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、送達チューブを通して粉末を輸送するためのスクリューコンベヤを備える。
図27】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、送達チューブを通して粉末を振り出すための振動装置を備える。
図28】バルブの端部が見える別の角度からの図27の実施形態を示す図である。
図29】別の角度からの図27の実施形態を示す図であり、ロボットアームがバルブを圧迫しており、それによって、粉末がアプリケータから放出されるようにバルブを強制的に開く。
図30】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、2つの流体源(ここでは2つのシリンジ)と、2つの流体源を加圧するための駆動機構とを備える。
図31】アプリケータが、送達チューブを通して粉末を輸送するためのガス圧力源を備え、ガス圧力源が、電動ピストン、例えば水平方向に前後に振動するピストンによって作動するベローズである、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す斜視図(A)および断面図(B)である。
図32】アプリケータが、送達チューブを通して粉末を輸送するためのガス圧力源を備え、ガス圧力源が、電動プロペラ、および任意選択的にガス入口を介して得られる、本開示によるアプリケータの一実施形態の斜視図(A)および断面図(B)である。
図33】アプリケータが、送達チューブを通して粉末を輸送するための圧力源を備え、圧力源が、アパーチャを有する遠位に配置されたピストンであり、遠位に配置されたピストンが、水平方向に前後に振動するように電動化することができる、 本開示によるアプリケータの一実施形態を示す、挿入されたフレーム内で遠位端部が拡大された部分斜視図(A)および挿入されたフレーム内で遠位端部が斜視図で拡大された断面図(B)である。
図34】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、送達チューブを通して粉末を輸送するためのガス圧力源を備え、ガス圧力源は、回転パドルホイールまたはインペラから得られる。インペラは、ガス流制御バルブと組み合わせてガスカートリッジによってさらに制御することができる。
図35】アプリケータが、送達チューブを通して粉末を輸送するための圧力源と、粉末送達部位でガス流を減少させるためのさらなる流れ制限要素とを備え、流れ制限要素が、送達チューブ内のグリッドまたはスリット要素である(A)、流れ制限要素が、別個のガス流路と組み合わせて送達チューブを通して粉末を輸送するためのスクリューコンベヤである、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図36】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図であり、アプリケータは、第1および第2の物質リザーバを備える。
図37】アプリケータが、第1および第2の物質リザーバを備え、第2の物質リザーバが、補助コネクタ要素を介して第1の物質リザーバに着脱可能に取り付けられ、取り付けられたリザーバ(A)、取り外されたリザーバ(B)を示す、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図38】アプリケータが、遠位端部から物質が装填されるように構成される(A)、遠位端部が、物質リザーバに着脱可能に取り付けられた補助コネクタ要素を含む(B)、遠位端部が、流量制御要素を含む(C)、本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。
図39】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。アプリケータが遠位端部から物質を装填するように構成されている(B)。物質を加圧して分配するための圧力源がばねである(C)。物質を加圧して分配するための圧力源がばねである(D)。
図40】本開示によるアプリケータの一実施形態を示す図である。アプリケータが、遠位端部から物質を装填するように構成される(A)。物質を加圧して分配するための圧力源がばねである(D)。
図41】本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータは、2つの第1の物質リザーバと、2つの第1の物質リザーバを加圧するための取り外された駆動機構とを備える。
図42】2つの第1の物質リザーバを備え、さらに2つの第2の物質リザーバ(ここでは2つのシリンジ)を備える図41のアプリケータを示し、シリンジによる第1のリザーバの装填(A)および装填されたアプリケータ(B)を示す図である。
図43図41図42のアプリケータを示し、2つの第1の物質リザーバを加圧するための着脱可能な駆動機構が取り付けられている(A)、駆動機構が2つの第1のリザーバを空にした(B)図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本発明は、添付の図面の助けを借りて以下に説明される。当業者であれば、装置の同じ特徴または構成要素が異なる図で同じ参照番号で参照されることを理解するであろう。参照番号のリストは、詳細な説明のセクションの最後に見出すことができる。
【0046】
物質を分配するためのアプリケータ
外科的処置、特に内視鏡および/または腹腔鏡処置の場合、例えば粉末、流体またはペーストの形態の外科的止血用物質などの医療用物質などの物質は、図1に示すように、医療用流体/ペースト/粉末4で予め充填された、または手術中に医療用流体/ペースト/粉末で充填されるように構成された送達チューブ2を備える細長いアプリケータ1を介して、体腔内の標的部位に分配される。送達チューブの遠位端部2.2は、例えば助手によって手動で、例えばトロカールポートを介して体腔に導入されてもよい。可撓性であり得る送達チューブの取り扱いおよび挿入を容易にするために、アプリケータは、好適には、送達チューブをトロカールに挿入するように構成された剛性シース3を備える。剛性シースは、例えば、剛性管状シースの形態であってもよく、これは、図1に示すように、送達チューブの部分に取り付けられる、または外側送達チューブの部分の周りにコーティング層を形成するなど、送達チューブの部分の周りに配置されてもよい。
【0047】
送達チューブは、約1~8mm、例えば約5mmの内径を有することができ、これは、送達チューブを通して物質を輸送するために圧力源または速度可変フィーダからの多くの電力を必要とせずに物質の良好な流れを保証する。送達チューブは、5mm未満、または3mm未満、または2mm未満の内径を有することができる。送達チューブが複数の管腔を備える場合、内径は、分配される物質を収容するように構成された管腔の内径を指す。
【0048】
物質を保持するための送達チューブまたは管腔が2mm未満の内径を有する場合、これは、物質の分配後に物質の少量の残留物しか送達チューブ内に残らないことを意味する。
【0049】
本開示の一実施形態では、アプリケータは、送達チューブの部分の周りに配置されるように構成されたシースなど、送達チューブをトロカールに挿入するように構成された剛性シースをさらに備える。
【0050】
送達チューブは、物質(例えば、医療用流体、ペーストまたは粉末)で予め充填されても、および/またはトロカールポートへの挿入後に物質で充填されるように構成されてもよい。したがって、送達チューブは、生物活性剤を含む物質などの物質を収容することができ、前記物質は、流体、ペースト、または粉末の形態である。物質は、止血剤を含む止血用物質であり得る。好適には、送達チューブの充填は、図1に示すように、手術中に外科医または助手がアクセス可能な送達チューブの近位端部2.1を介して行うことができる。送達チューブの充填は、好適には、シリンジバレル内に物質を含む別個のシリンジを使用して行われ、シリンジは、物質で事前に充填されても、または医療用流体源などの物質源から物質を吸引するように構成されてもよい。したがって、物質を含む容器またはシリンジは、物質リザーバ24と呼ばれる場合がある。最小限の物質廃棄で安全かつ精密な充填を容易にするために、近位端部2.1は、好適には、物質で予め充填されたシリンジなどの流体源を着脱可能に取り付けるための1つ以上のコネクタ6を備える。コネクタの例は、シリンジを取り付けるためのルアーロック、または物質リザーバもしくは流体容器を取り付けるための圧縮ジョイントもしくは接着ジョイントである。代替的に、送達チューブおよび流体源、例えばシリンジは、コネクタを使用せずに取り付けられてもよい。
【0051】
続いて、物質は、圧力源8などの駆動力によって充填された送達チューブから分配される。物質を吐出するための駆動力は、好適には、手術中に助手が直接アクセス可能な送達チューブの近位端部2.1で生成される圧力である。例えば、圧力は、図1から分かるように、別個の流体源7から近位端部に入るように強制され、それによって送達チューブ内に存在する物質を加圧する第2の流体によって生成することができる。
【0052】
本開示の一実施形態では、アプリケータは、少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成され、および/または送達チューブ内の物質などの送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源をさらに備える。
【0053】
これにより、圧力源は、好適には、送達チューブ内の少なくとも1つの流体源および/または物質を遠位端部に向かって移動させるように構成された駆動機構を備える。駆動機構は、機械的および/または電気的に操作することができる。例えば、少なくとも1つの圧力源は、手動ピストン、電動ピストン、ばね力、およびガス圧の群から選択される駆動機構を備えることができる。
【0054】
さらに好適には、第2の流体の圧力は、例えば所定の加圧流体源の形態であることによって所定のおよび/または制御可能であり、所定の圧力は、送達チューブの近位端部との流体接続時に解放される。安全で精密な圧力伝達を容易にするために、送達チューブの近位端部は、好適には、流体容器、より好ましくは加圧されるように構成された流体容器などの圧力源8または流体源7を着脱可能に取り付けるための1つ以上のコネクタ6を備える。
【0055】
さらに好適には、流体コネクタは、例えば、流体源のゴムシールが中空穿刺要素によって穿刺されるバイアルアダプタと同じ方式で、接続時に流体源と送達チューブの近位端部との間に流体接続を形成するように構成される。したがって、穿刺要素により密封流体源と送達チューブとの間に流体接続を得ることができる。代替的に、流体接続を形成するために流体源を穿刺する必要はない。代わりに、直接(例えば、接続されたチューブおよびシリンジ)またはコネクタを介して、単に送達チューブに取り付けられてもよい。
【0056】
本開示の一実施形態では、送達チューブの近位端部は、シリンジおよび/または流体容器を取り付けるためのルアーロック、圧縮ジョイント、および/または接着ジョイントなど、流体源を着脱可能に取り付けるための1つ以上のコネクタ6を備える。さらなる実施形態または代替の実施形態では、1つ以上のコネクタは、流体源を穿刺するための中空穿刺要素を備え、それによって流体源と送達チューブとの間の流体接続が確立される。
【0057】
したがって、圧力源の駆動機構は、アプリケータへの圧力源の取り付けによって機械的に制御することができる。したがって、機械的アセンブリによって、アプリケータは、医療用ペーストなどの(医療用)物質を分配するように適合される。
【0058】
追加的または代替的に、圧力源の駆動機構は、例えば、送達チューブまたは流体源内の物質を加圧し、したがって、物質の排出を提供するモータによって駆動されるピストンとして、モータを介して制御可能であってもよい。例えば、圧力源8は、モータによって駆動される流体源7の流れであってもよく、したがって、圧力源の駆動機構はモータまたは電気的に制御される。
【0059】
好適には、アプリケータの送達チューブは、物質を圧力下で保持するか、または少なくとも物質が排出される直前に加圧された物質を保持するように構成される。これは、決定された部位および決定された時間での物質のより精密で確実な排出を提供し、例えば、これは、有意な時間遅延なしにアプリケータ先端部との単純な相互作用によって物質が送達チューブから放出され得るという利点を有する。
【0060】
したがって、加圧される物質の形態に応じて、送達チューブの遠位端部は、物質が送達チューブ内に収容されて加圧され得るように適合されたバルブなどの1つ以上の流量制御要素26を含むことができる。例えば、アプリケータ先端部は、圧力下で物質を保持および放出するように構成された少なくとも1つのバルブ、または三方バルブなどの流量制御要素を備えてもよい。追加的または代替的に、バルブは制限バルブであってもよい。バルブは、流体通路を開放、閉鎖、および/または部分的に閉塞することによって流体(すなわち、ガス、液体、ならびにペーストおよびスラリーなどの流動化した固体)の流れを調節、誘導、または制御する装置として定義される。したがって、バルブの一例は、流体通路内の突起などの流れ制限要素を含み、流体圧力が閾値を下回るとき、突起は流体通路を遮断し、流体圧力が閾値を上回るとき、流体は突起を回避して流れる。流れ制限要素を含むバルブは、「制限バルブ」とも呼ばれる。
【0061】
本開示の一実施形態では、送達チューブは、圧力下で物質を保持するか、または加圧された物質を保持するように構成される。別のまたはさらなる実施形態では、腹腔鏡アプリケータ先端部は、圧力下で物質を保持および放出するように構成された少なくとも1つのバルブを備える。例えば、バルブは、流れの量および方向を制御することができる三方バルブなどの流量制御器を備えることができる。
【0062】
代替的または追加的に、送達チューブおよび/またはアプリケータ先端部は、存在する毛細管力に起因して物質が送達チューブ内で加圧され得るように寸法決めされてもよい。したがって、好適には、送達チューブは、200mmを超える長さ、好ましくは、300~600mmの長さ、例えば440mmまたは500mmを有する。さらに、送達チューブの外径は、好ましくは3~10mm、例えば5mmである。さらに、送達チューブの内径、または少なくともアプリケータ先端部の内径は、好ましくは2mm以下、例えば1.5または1.8mmである。送達チューブが複数の管腔を備える場合、内径は、分配される物質を収容するように構成された管腔の内径を指す。物質を保持するための送達チューブまたは管腔が2mm未満の内径を有する場合、これは、物質の分配後に物質の少量の残留物しか送達チューブ内に残らないことを意味する。
【0063】
したがって、送達チューブ、特にアプリケータ先端部は、好適には、圧力下で物質を保持するか、もしくは加圧された物質を保持するように寸法が構成され、および/または1つ以上の流れ制御要素を含むように構成される。
【0064】
送達チューブは、複数の管腔、例えば少なくとも2つの管腔、または少なくとも3つの管腔、または少なくとも4つの管腔を備えることができる。図22は、送達チューブが4つの管腔を備える実施形態を示す。複数の管腔のうちの少なくとも1つは、アプリケータから分配される物質を収容するように構成されるべきである。一実施形態では、送達チューブは、第1の管腔および第2の管腔を備え、第1の管腔は物質を収容するように構成され、第2の管腔は電気配線または光ファイバを収容するように構成される。電気配線は、例えばチューブの遠位端部または先端部に配置されたアクチュエータを、例えばチューブの近位端部に配置された制御ユニットまたは圧力源に電気的に接続するために使用することができる。送達チューブはまた、複数の管腔を備えることができ、少なくとも2つの管腔は物質を保持するように構成される。一例として、チューブは、第1の種類の物質を保持するための第1の管腔と、第2の種類の物質を保持するための第2の管腔とを備えることができる。いくつかの用途では、物質が分配されると、または分配される前に、2種類の物質が混合される。この場合、一方の物質は液体の形態であってもよく、他方の物質は液体に混合される粉末であってもよい。2つの物質はまた、2つの液体または2つのペースト、または液体、ペースト、および粉末の他の組み合わせであってもよい。2つの管腔を有する送達チューブを有するアプリケータが図30に示されている。
【0065】
別の実施形態では、複数の管腔のうちの少なくとも1つは、送達チューブの内側の管腔内に設置された可鍛性のワイヤまたはロッドを収容するように構成される(図24(B)および図24(C)に示す)。したがって、アプリケータは、送達チューブの変形可能部分を所望の形状に曲げることができるように構成された、可鍛性のワイヤまたはロッドをさらに備えることができ、前記形状は、送達チューブの解放時にほぼ維持される。これは、チューブが原点に戻ることなく変形可能部分を曲げることができるという利点を有する。これにより、外科医は、例えば体内のアクセスが難しい領域により容易に到達するように、チューブの遠位端部および/またはアプリケータ先端部を所望の向きにする自由度が増す。一実施形態では、送達チューブの変形可能部分は、少なくとも30°または少なくとも45°などの2つの所定の角度で2つの平面に沿って曲げることができる。これは、送達チューブの内側に設置された可鍛性のワイヤまたはロッドを使用することによって同様に達成することができる。
【0066】
空間的な操縦
コンピュータソフトウェアによって制御されるロボットアームで人間の手の動きを置き換えることにより、非常に精密で制御された動きが容易になる。したがって、ロボットアームによって空間的に操縦されている腹腔鏡アプリケータは、より精密かつ正確に制御され得るだけでなく、偶発的な動きのリスクを低減して確実性をより高くすることができる。したがって、例えば、ロボットアームによって物質を分配するための腹腔鏡アプリケータは、選択された部位でより精密かつ確実に物質を分配することができる。具体的には、選択された部位に止血用物質を分配するためのロボット操縦アプリケータにより、より効率的に出血を停止させることができる。
【0067】
図2は、ロボットアーム5によって空間的に操縦されるように構成されたアプリケータの一実施形態の斜視図を示す。ロボットアームは、医療装置、例えば、把持器、ピンセット、またはアプリケータに対してアタッチメントを把持し、押し込み、または形成するための同様のロボットフィンガ要素などの手術用のツールを含むことができる。
【0068】
ロボットアームおよびフィンガは、触覚フィードバックを含まなくてもよい。したがって、アプリケータが破損するリスクを低減してアプリケータの安全なロボット使用を保証するために、アプリケータは、好適には、剛性表面領域2.4または剛性部分2.8を備えることができ、領域または部分は、ロボットアーム/フィンガによる操縦のために構成される。したがって、送達チューブは、剛性管状部分または剛性表面領域などの少なくとも1つの剛性部分を備えることができる。剛性部分および/または剛性表面領域は、好ましくは、ロボットアーム/フィンガがアプリケータを破損するリスクを冒すことなく剛性表面領域へのアタッチメントを把持し、押し込み、または形成することができるように寸法決めされる。例えば、把持器を含むロボットアームの場合、剛性表面領域は、図2に示すように、好適には剛性管状部分である。剛性部分には、好ましくは、ロボットアームが開口部に設置されたアクチュエータを押すことができるように開口部が設けられ、アクチュエータは、圧力が所定の圧力レベルを超えたときにバルブを開くように構成され、それによって医療用物質をアプリケータから分配することができる。
【0069】
本開示の一実施形態では、送達チューブの遠位端部は、ロボットアームによる操縦のために構成された1つ以上の剛性表面領域を備える。さらなる実施形態では、剛性表面領域は、把持、押し込み、または取り付けによって有形など、ロボットアームによって有形であるように寸法決めされる。さらなる実施形態では、遠位端部は剛性管状部分を備える。
【0070】
選択された部位での物質の精密で使いやすい排出を容易にするために、1つ以上の剛性表面領域2.4は、好適には、図1および図2に示すように、アプリケータの遠位端部2.2および/またはアプリケータ先端部に配置される。これにより、剛性表面が物質が分配される場所の近傍にある場合、物質排出をより精密かつ容易に導くことができる。
【0071】
しかしながら、剛性表面領域2.4はまた、図3Cに示すように、遠位先端部から距離を取って配置されてもよい。これは、体腔内の空間が制限されている場所で物質が分配される場合に好適であり得る。したがって、剛性表面領域は、図3Cに示すように、遠位先端部から距離を取って配置された送達チューブ2の剛性管状部分であってもよい。したがって、遠位端部の向きは、先端部から距離を取って配置された剛性管状部分を使用することによって操縦される。
【0072】
追加的または代替的に、送達チューブの遠位端部の柔軟な操縦は、送達チューブの使用によって得ることができ、送達チューブの一部、または任意選択的に送達チューブ全体は、図3Dに示すように、半可撓性または半剛性の材料を含む。半剛性材料はロボットアーム/フィンガによって十分に有形であるため、相互作用は、送達チューブに沿った任意の点および空間的に操縦されている遠位先端部2.2までの任意の距離で起こり得る。
【0073】
遠位端部の柔軟で精密な操縦は、変形可能部分2.3を備える送達チューブによってさらに改善することができる。変形可能部分という用語は、引張力、圧縮力、または屈曲力などの変形力を受けたときに塑性的または弾性的に変形することができる部分を意味する。好適には、変形可能部分は塑性変形され、これは変形力が除去された後も変形が残っていることを意味する。代替的に、変形は弾性であり、これは変形力の除去時に変形が可逆的であることを意味する。
【0074】
例えば、変形可能部分2.3は、例えばロボットアームが送達チューブの先端部を引っ張ることによって長手方向に引張力を受けると、図3A図3Bおよび図4A図4Bに矢印で示すように、送達チューブが引き伸ばされるように、伸縮可能または伸長可能であるように構成することができる。追加的に、それに対応して、送達チューブが、図4Bに示すように例えばロボットアームが送達チューブ先端部を押すことによって、圧縮力を受けたときに圧縮され得るように、変形可能部分は、圧縮可能であるように構成されてもよい。追加的に、それに対応して、変形可能部分は、好適には、図4Bの矢印によって示されるように、可撓性または屈曲可能であるようにさらに構成される。
【0075】
変形可能部分は、弾性的または塑性的に伸縮可能な、圧縮可能な、および/または可撓性の材料を含むことができる。追加的または代替的に、変形可能部分は、図4C図4Dおよび図17に示すように、例えば複数の円周方向に延びるねじれた折り目の形態の波形表面プロファイルを含むことができる。波形表面プロファイルは、飲用ストローと同じような伸長、圧縮、および/または屈曲を可能にする。したがって、送達チューブは、チューブの長さを変えることができるように、例えば波形チューブの形態で圧縮可能な変形可能部分を備えることができる。
【0076】
本開示の一実施形態では、送達チューブは、変形可能部分を備える。好適には、アプリケータ先端部がより小さいトルク/モーメントによって操縦することができるように、変形可能部分は、送達チューブの遠位端部に配置される。代替的に、変形可能部分は、先端部が規定のトルク/モーメントによって操縦され得るように、送達チューブの遠位端部から距離を取って配置される。さらなる実施形態では、変形可能部分は、伸縮性および/または可撓性の管材料を含むなど、伸縮性および/または可撓性であるように構成される。さらなる実施形態または代替の実施形態では、変形可能部分は、波形表面プロファイルを含む。さらなる実施形態では、波形表面プロファイルは、飲用ストローのキンクのように複数の円周方向の折り目を含む。
【0077】
制御可能な物質放出
選択された部位における、例えば腹腔内物質の分配のための精密かつ確実で、使いやすい物質排出のために、物質放出は、好適にはロボットアームによって制御することができる。これは、送達チューブから物質を放出するように構成された、例えばバルブの形態の、1つ以上のアクチュエータ2.6によって得ることができる。
【0078】
ロボットアームの動きをより効率的にするために、1つ以上のアクチュエータは、好ましくは、送達チューブの空間的な操縦に使用されるアプリケータ先端部の近傍に配置される。したがって、アクチュエータは、好ましくは、遠位端部に、および/または送達チューブの1つ以上の剛性表面領域内に、および/またはアプリケータ先端部に配置される。例えば、アクチュエータ2.6は、好適には、図2に示すように、剛性表面領域の開口部2.5内に配置することができる。したがって、ロボットアームが剛性表面領域を介して、選択された標的部位に遠位端部を向けた後、ロボットアームがアクチュエータを作動させて物質を放出するためには、ロボットアームの比較的小さな並進のみが必要とされる。アクチュエータは、例えばロボットアームによって加えられる圧力によって、または例えばエネルギーツールによって加えられる電流によって作動するように構成することができる。一実施形態では、アクチュエータは、例えばアプリケータ先端部に配置された圧力感知ボタンの形態で提供され、ボタンは、押されるとバルブを開くように構成される。アクチュエータ/ボタンは、アクチュエータ/ボタンに加えられた圧力に基づいてバルブがある程度開くように、圧力の量に感受性があってもよい(例えば、段階的または連続的な方式で)。別の実施形態では、アクチュエータは、チューブ/アプリケータ先端部の長手方向軸線に沿ってアクチュエータを引っ張ることによって、および/または長手方向軸線の周りでアクチュエータを回転させることによって作動するように構成される。これらの実施形態を図15に示す。
【0079】
本開示の一実施形態では、遠位端部は、ロボットアームによって送達チューブから物質を放出するように構成された1つ以上のアクチュエータを備える。さらなる実施形態では、1つ以上のアクチュエータは、剛性表面領域の開口部内など、1つ以上の剛性表面領域内に配置される。
【0080】
本開示の一実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータは、チューブおよび/またはアプリケータ先端部9の円周の180°未満、好ましくは140°未満など、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の所定の円周部分を覆う。この実施形態を図16(A)に示す。利点は、ロボットアームがアクチュエータ2.6を誤って作動させるリスクが低減されるように、アプリケータ、したがってアプリケータ先端部も回転させることができることである。別の実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータは、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の少なくとも180°を覆う。利点は、ロボットアームが、アプリケータおよびアクチュエータの回転方向に関係なくアクチュエータ2.6を作動させることができることである。アプリケータをロボットアームに対して正しく向けることなく、アプリケータから物質を送達することができる。さらに別の実施形態では、アプリケータ先端部および/またはチューブの対向する部分に2つのアクチュエータが設けられ、前記アクチュエータの各々は、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の120°未満、好ましくはそれぞれ90°未満を覆う。この場合も、利点は、ロボットアームがアクチュエータ2.6を誤って作動させるリスクが低減されるように、アプリケータ、したがってアプリケータ先端部も回転させることができることである。これを図16(B)に示す。さらに別の実施形態では、少なくとも1つのアクチュエータは、少なくとも1つのアクチュエータがチューブおよび/またはアプリケータ先端部の一部を取り囲むように、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の360°を覆う。これを図16(C)に示す。アプリケータ先端部に、先端部の全周を囲むアクチュエータ、例えば圧力感知ボタンを設けることは、360°の作動を可能にする、すなわち、ロボットアームは、アクチュエータがどのように把持されているかにかかわらずアクチュエータ/ボタンを作動させることができるという利点を有する。
【0081】
1つ以上のアクチュエータ2.6は、バルブ2.7の形態であっても、または電子的もしくは手動で制御されるバルブなどの1つ以上のバルブと組み合わせてもよい。したがって、アプリケータは、バルブの開放時に物質を送達チューブから放出するように構成された少なくとも1つのバルブを備えることができる。バルブは、アプリケータ上に配置されたアクチュエータおよび/またはフットペダルなどの外部アクチュエータによって制御可能であってもよい。アクチュエータ/ボタンは、剛性部分上、アプリケータ先端部上、またはドライバユニットなどの外部装置上など、送達チューブの遠位端部に配置することができる。好ましくは、アクチュエータ/ボタンは、バルブの真上に設置される。好適には、少なくとも1つのバルブは、ロボットアームからの手動圧力などの圧力によって作動される。したがって、例えば図5に示すように、アクチュエータ2.6を押すことによって、バルブ2.7を開いて物質を放出するために、バルブ2.7は電子的にまたは手動で作動される。したがって、アプリケータは、少なくとも1つのバルブを開くおよび/または閉じるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを備えることができる。物質が遠位先端部まで、および遠位先端部を通って効率的に輸送されることを保証するために、バルブは好ましくは一方向バルブである。少なくとも1つのバルブは、所定の開放圧力閾値を有するバルブなどの圧力作動バルブであってもよい。好ましくは、物質は、所定の開放圧力閾値を超えたときにアプリケータから分配される。少なくとも1つのバルブは、送達チューブ内および/またはアプリケータ先端部内に配置されてもよい。代替的に、アプリケータはバルブを備えず、むしろ物質がアプリケータ内で特定の圧力閾値未満に保持されるように寸法決めされる。これは、例えば、小さな直径(例えば2~4mm以下)を有する長い送達チューブ(例えば、30cm超)を提供することによって達成することができ、それによって送達チューブ自体がチューブ内の流体の流れに対する抵抗を提供する。
【0082】
アプリケータの単純さを改善し、電子制御部および構成要素の数を減らすために、アクチュエータは、好適には手動制御バルブである。手動圧力制御バルブの例は、図5に示すようなばね負荷式チェックバルブ2.7であり、ばね力は、例えばロボットアームによって加えられる圧力が打ち勝つように構成することができる。
【0083】
別の例では、作動時のアクチュエータ2.6は、必ずしも機械的にバルブ2.7を作動させる必要はなく、作動させる圧力源(図示せず)に電気信号を送信し、物質に圧力を与えてばね負荷式チェックバルブ2.7のばねに打ち勝つようにして、ばね負荷式チェックバルブ2.7を開いてもよく、その結果、物質が送達チューブ2から流出する。
【0084】
手動で圧力制御することができる一方向バルブの別の例は、ダックビルバルブおよび交差スリットバルブなどのエラストマー一方向バルブである。
【0085】
手動圧力制御バルブの例は、図6に示すダックビルバルブ2.7である。ダックビルバルブは、弾性変形可能な材料で作製され、変形可能な線形クロージャを備える。非変形状態および閉状態のダックビルバルブの斜視図を図6B図6Cに示す。図6Aは、送達チューブ2内のダックビルバルブの一実施形態を示し、変形していない状態のダックビルバルブは、図の左から右への流れを防止することが分かる。図6Dに示すように、例えば線形クロージャと平行な圧縮圧力によって、ダックビルバルブが弾性変形すると、線形クロージャが変形し、それによってバルブが開き、図の左から右への流れを可能にする。変形した開状態にあるダックビルバルブの一実施形態の拡大斜視図が図6E図6Fに示されている。
【0086】
これにより、任意の数および向きの変形可能なクロージャを備えるエラストマーバルブを使用することができる。しかしながら、精密な作動を保証するために、バルブの開放が明確に規定された圧力配向によって得られるエラストマーバルブが好ましい。ダックビルバルブの場合、バルブの開放は、線形クロージャと平行に圧縮圧力が加えられたときにのみ得られる。
【0087】
交差スリットバルブはダックビルバルブと同様であるが、互いに垂直に向けられた2つの変形可能な線形クロージャを備える。したがって、バルブの開放は、圧縮圧力が線形クロージャのいずれかと平行に加えられるときに得ることができる。これは、ロボット把持アームの場合、バルブを少なくとも2つの位置で作動させることができるという利点を有する。
【0088】
さらなる実施形態では、1つ以上のアクチュエータは、1つ以上のバルブである。さらなる実施形態では、1つ以上のバルブは圧力作動バルブである。さらなる実施形態では、1つ以上のバルブは、一方向バルブ、エラストマー一方向バルブ、ダックビルバルブ、交差スリットバルブ、およびばね負荷式チェックバルブの群から選択される。
【0089】
フィードバック機構
好適には、アプリケータは、例えばアクチュエータ/圧力感知ボタンに加えられた圧力に関するフィードバック、または送達チューブ内の物質の残量に関するフィードバックを提供するように構成される。このフィードバックは、様々なセンサをアプリケータに組み込むことによって提供することができる。アプリケータは、送達チューブ内の圧力を感知するための第1の圧力センサを備えることができる。圧力は、ユーザ、例えば外科医に有線または無線で通信することができる。
【0090】
一実施形態では、アプリケータは、アクチュエータ/圧力感知ボタンに加えられた圧力を感知するための第2の圧力センサを備える。一例として、第2の圧力センサは、抵抗膜式圧力センサおよび/または力感知抵抗器および/または重量センサであってもよく、好ましくはアクチュエータの下に設けられる。したがって、アプリケータは、アプリケータ先端部の一部を覆う少なくとも1つの圧力感知ボタンを備えることができ、アクチュエータに加えられた圧力を感知するための第2の圧力センサは、前記ボタンに組み込まれるか、またはボタンの下に設置される。アプリケータは、少なくとも1つのアクチュエータ/圧力感知ボタンに加えられた圧力を示すための圧力表示灯をさらに備えることができる。圧力表示灯は、図19図20に示すように、アプリケータ先端部内またはアプリケータ先端部上に配置することができる。一実施形態では、圧力表示灯は、図19に示すように、アプリケータ先端部の円周に沿って配置された円形バンドとして提供される。好適には、圧力表示灯は、
加えられた圧力が所定の第1の閾値を下回るとき、第1の色、例えば緑色の光を表示する、および
加えられた圧力が所定の第2の閾値を上回るとき、第2の色、例えば赤色の光を表示する
ように構成される。
【0091】
圧力表示灯は、加えられた圧力が所定の第1および第2の閾値の間にあるとき、第3の色、例えば黄色の光を表示するようにさらに構成することができる。圧力表示灯によって圧力を表示するための光または音の他の代替構成を容易に企図することができる。
【0092】
アプリケータは、例えば光ダイオードの形態の状態インジケータをさらに備えてもよく、前記状態インジケータは、アプリケータ内の物質の残量を示すように構成される。一例として、状態インジケータは、4つの光ダイオード(例えば、LED)を備えることができ、例えば、2つのダイオードが点灯していると、収容した物質の初期体積に対して残量が50%であることを示し、3つのダイオードが点灯していると残量が75%であることを示す。これを図25に示す。状態インジケータは、アプリケータの任意の部分、例えばドライバユニット、送達チューブ、および/またはアプリケータ先端部に配置することができる。したがって、アプリケータ先端部は、例えば光ダイオードの形態の状態インジケータを備えることができ、前記状態インジケータは、送達チューブ内の物質の残量を示すように構成される。アプリケータ内の物質の残量(すなわち、送達チューブ内および/または流体源内)は、アプリケータに収容される物質の種類に応じて様々な方法を使用して推定することができる。これらの方法のいくつかを以下に説明する。アプリケータ内の物質の残量を示すための光または音の他の代替的な構成を容易に企図することができる。代替的に、状態インジケータは、例えば物質の25%のみがアプリケータ内に残っている場合に点灯する1つのライトのみを備えてもよい。
【0093】
いくつかの実施形態では、腹腔鏡アプリケータは、医療用シリンジなどのシリンジの形態の流体源を備え、シリンジは、流体を保持するためのバレルと、シリンジから流体を押し出すためのプランジャとを備える。シリンジは、送達チューブから物質を押し出すために、流体、例えば生理食塩水もしくはガスで充填されても、または分配される物質で充填されてもよい。一実施形態では、アプリケータは、シリンジのプランジャの位置を決定するように構成された第2の位置センサをさらに備える。これは、プランジャに磁石を設けることによって達成することができ、第2の位置センサは、磁石の存在を検出するように構成された磁気センサである。プランジャの位置は、シリンジのバレル内の流体/物質の残量を推定するために使用することができ、および/またはその位置は、送達チューブ内の物質の残量を推定するために使用することができる。したがって、アプリケータは、バレル内にプランジャを備える少なくとも1つの流体源を備えることができ、プランジャの位置は、送達チューブ内の物質の残量を推定するために使用され、残量は、状態インジケータによって示され、好ましくは遠位端部/先端部に配置される。代替的に、第2の位置センサは光学センサであってもよい。
【0094】
他の実施形態では、腹腔鏡アプリケータは、例えば送達チューブに収容された止血用粉末を含む。この場合、アプリケータは、送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送するように構成された、スクリューコンベヤなどの速度可変フィーダを備えることができ、それによって止血用粉末がアプリケータから分配される。粉末の残量を決定するために、アプリケータは、速度可変フィーダの位置を決定するように構成された第1の位置センサを備えることができ、これは、位置が粉末の残量と相関し得るためである。速度可変フィーダには、磁石を設けることができ、第1の位置センサは、磁石の存在を検出するように構成された磁気センサである。代替的に、第1の位置センサは光学センサであってもよい。
【0095】
さらに別の実施形態では、アプリケータは、止血用粉末を送達チューブから振り出すように構成された、超音波振動装置などの振動装置を備える。この場合、アプリケータは、振動装置が作動/振動しているときの経過時間を測定するように構成されたクロックをさらに備えることができる。経過時間を使用して、送達チューブ内の止血用粉末の残量を推定することができる。
【0096】
したがって、残量は、第1の位置センサ、第2の位置センサ、クロック、および/またはそれらの組み合わせによって決定することができる。
【0097】
別の実施形態によれば、送達チューブは、送達チューブを通過する所定の波長範囲の光を感知するように構成された1つ以上の光感知センサを備え、
送達チューブが、1つ以上の光感知センサの反対側に配置された光源を備え、および/または
送達チューブが、波長範囲の少なくとも一部に対して透明である。
【0098】
一実施形態では、1つ以上の光感知センサは、送達チューブの遠位部分に配置される。別の実施形態では、送達チューブは、少なくとも2つの光感知センサを備え、第1のセンサは、チューブの遠位部分に配置され、第2のセンサは、遠位部分からさらに離れるなど、第1の光感知センサとは異なる位置に配置される。1つ以上の光感知センサを使用して、チューブ内に残留物質があるかどうかの表示を提供することができ、および/またはそれらを使用してチューブ内の物質の残量を推定することができる。
【0099】
圧力源
アプリケータからの物質の放出は、チューブ内に保持された物質が送達チューブを通って遠位端部および先端部まで押され、そこで吐出および分配されることを意味する。物質がペーストである場合、圧力源8は、ペーストを分配するための駆動力を提供することが好ましい。圧力源は、好ましくは、送達チューブを加圧するように、および/または流体源を加圧するように構成される。送達チューブ内に保持された物質は、好ましくは、少なくともペーストが排出される直前に加圧される。いくつかの実施形態では、アプリケータは加圧システムを形成し、送達チューブ内の物質が加圧される。バルブが(例えば、アクチュエータまたはボタンを介して)作動すると、前記圧力が解放され、それによって物質が分配される。他の実施形態では、システム(アプリケータ)は事前に加圧されない。むしろ、圧力は、例えば前記アクチュエータから圧力源に電気信号を送信することによって、アクチュエータが作動されると加えられる。第1の種類の実施形態(すなわち、加圧アプリケータ)の利点は、バルブの作動と物質の分配との間の遅延が少ないことである。
【0100】
医療用物質が止血用粉末などの粉末である場合、粉末は他の手段によってアプリケータから排出され得るので、圧力源は必ずしも必要ではない。この場合、アプリケータは、圧力源の代替形態として、または圧力源に追加して、送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送するように構成された速度可変フィーダを備えることができ、それによって止血用粉末がアプリケータから分配される。代替的に、アプリケータは、アプリケータから粉末を振り出すための振動装置を備えてもよい。
【0101】
一例として、圧力源は、例えばピストン、ばね力、および/またはトリガの使用による直線移動によって送達チューブを通って前進する固体スタイラスであり得、ピストンまたはトリガは手動でまたは電子的に制御することができる。中間圧力源の一例は、液体(例えば、分配される生理食塩水または医療用ペースト)またはガス(例えば、空気、亜酸化窒素または二酸化炭素)を収容する流体源7を含み、図7に示すように、圧力源が流体源に力を及ぼすと、液体またはガスが送達チューブを通って前進するように強制される。圧力源は、ばね、ガス、および/またはピストンを備えることができ、圧力源は、少なくとも1つの流体源に圧力を及ぼすように構成される。この場合、ピストン、ばねおよび/またはトリガは、手動でまたは電子的に制御されて作動することができる。好適には、流体源は、より効率的な圧力伝達のための非圧縮性液体を含む。
【0102】
本開示の一実施形態では、アプリケータは、1つ以上の圧力源をさらに備える。さらなる実施形態では、圧力源は、送達チューブを通って並進するように構成された固体スタイラス、ピストンを有するモータなどの駆動機構、ポンプ、および/または加圧流体源の群から選択される。
【0103】
一実施形態では、圧力源は、少なくとも1つの流体源に圧力を及ぼすように構成された少なくとも1つのピストンを備えるモータなどの駆動機構である。モータは、機械モータまたは電気モータであってもよい。アプリケータは、作動時に、駆動機構に電気信号を送信するように構成されたアクチュエータを備えることができ、それによって、前記電気信号を受信すると、駆動機構は、物質をアプリケータから分配するように少なくとも1つの流体源に圧力を及ぼす。
【0104】
さらなる実施形態では、駆動機構は2つのピストンを備え、第1のピストンは第1の流体源に第1の圧力を及ぼすように構成され、第2のピストンは第2の流体源に第2の圧力を及ぼすように構成される。この実施形態を図30に示す。この場合、駆動機構は、第1のピストンおよび/または第2のピストンの動作を切り替えるように構成された、ギヤ機構などの切替機構をさらに備えることができる。代替的に、駆動機構は、2つの物質を分配するために2つのピストンを同時に駆動してもよい。これは、例えば、2つの物質が両方とも所望の反応を達成するために必要である場合に好適である。これは、例えば、トロンビンおよびフィブリノーゲンの場合であり得る。好ましくは、駆動機構は、選択されたピストンの方向(前進または後進)を制御するように構成された方向制御部をさらに備える。逆方向は、外科医が何をすべきかをより良好に決定することを可能にするために、手術部位からの物質、例えば血液の吸引を可能にする。
【0105】
再現性があり使いやすい物質の分配を保証するために、圧力源は、好ましくは、所定の圧力および/または制御可能な圧力を送達するように構成される。例えば、圧力源は、加圧流体源、例えば、予め確立された正圧を含む流体容器であり得、開口部が流体容器に形成されると、流体源は、確立された圧力によって定義されるように開口部を通って押し出される。
【0106】
予め確立された正圧は、スプレークリームなどの食品用スプレーディスペンサで公知であるように、ガス状プロペラントなどのプロペラント8.1によって加圧される流体源7によって得ることができる。図8および図10Aは、ガス状プロペラント8.1を収容する流体源7の実施形態を示す。アプリケータ2と圧力源8との間に流体接続を形成すると、プロペラント圧力を解放することができ、流体源は送達チューブ内に前進するように強制される。
【0107】
代替的に、圧力源は、流体源と物理的に連通する、収容されたばね負荷式要素を含むことができる。ばね負荷式要素が解放されると、要素は、図9Aに示すように、流体源を送達チューブ内に前進させるプロペラント8.1として作用する。
【0108】
代替的に、圧力源は、図9Bに示すような手動駆動ピストン、または図10Bに示すような機械的もしくは電子的に駆動されるピストンなどの可動ピストンを含んでもよい。両方の実施形態において、ピストンはプロペラント8.1として作用し、ピストンの動きに基づいて所定の圧力を生成することができる。
【0109】
代替的に、圧力源8は、図11に示すように、膨張可能なバルーンまたはブラダに収容される流体源7であってもよい。アプリケータ2と圧力源8との間に流体接続を形成すると、膨張したバルーンは弾性的に収縮または崩壊し、それによって送達チューブに収容された物質に圧力を加え、それによって物質が加圧される。
【0110】
本開示の一実施形態では、圧力源は、所定の圧力を送達するように構成される。本開示のさらなる実施形態では、圧力源は、ばね負荷式要素、ガス状プロペラント、膨張可能なバルーンもしくはブラダ、および/または電気駆動ピストンもしくは手動駆動ピストンなどの可動ピストンの群から選択されるプロペラントを備える。
【0111】
流体源
好ましくは、アプリケータは、流体を保持するための少なくとも1つの流体源を備え、前記流体源は送達チューブと流体接続する(例えば、図7または図12図13を参照)。流体源は、中間圧力源、すなわち圧力源から送達チューブ内の物質に圧力を伝達する構成要素として作用することができる。したがって、流体源は、分配される物質を収容する必要はなく、代わりに、生理食塩水またはガスなどの不活性流体を収容することができる。一実施形態では、流体源は、生理食塩水などの液体を含む。別の実施形態では、流体源は、CO(二酸化炭素)、N(二窒素)、NO(亜酸化窒素)、および空気の群から選択されるガスを含む。しかしながら、流体源は、代替的に、物質が流体源および/または送達チューブ内に収容されるように、分配されるべき物質、例えば医療用ペーストなどの医療用物質を収容してもよい。一実施形態では、送達チューブおよび少なくとも1つの流体源は、液体、ペースト、または粉末の形態で提供される同じ物質を含む。したがって、流体源は、物質リザーバ24を構成する。
【0112】
アプリケータはまた、図30に示すように少なくとも2つの流体源を備えることができる。これは、各流体源が特定の種類の物質を収容することができ、それによって複数の異なる物質をアプリケータによって分配および/または引き出すことができるという利点を有する。
【0113】
ドライバユニット
アプリケータは、
送達チューブと流体接続する、流体を保持するための少なくとも1つの流体源、ならびに/または
少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、および/もしくは送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源
を保持するためのドライバユニットをさらに備えることができる。
【0114】
その最も単純な形態では、ドライバユニットは、流体源を保持するためおよび/または圧力源を保持するためのハウジングを構成することができる。しかしながら、ドライバユニットはまた、本セクションにおいてさらに詳細に説明される追加のより高度な特徴を備えてもよい。ドライバユニットを腹腔鏡アプリケータの残りの部分とは別個の構成要素として提供することの利点は、それがモジュール設計を提供することであり、ドライバユニットは複数回再使用することができるが、送達チューブおよび流体源は各使用後に廃棄することができる。図14は、送達チューブおよび流体源(ここではシリンジ)が、任意選択的にコネクタを介して、ドライバユニットにどのように挿入され得るかを示す。図18は、流体源が挿入されている、ドライバユニットの別の斜視図を示す。ドライバユニットは、好ましくは、ドライバユニットがアプリケータから物質を出すように駆動するための駆動力を提供するように構成されるように、例えばモータおよびピストンなどの駆動機構により流体源に圧力を及ぼすように構成される。一例として、流体源は、プランジャを備える医療用シリンジまたは別の容器であってもよく、ドライバユニットは、プランジャに力を及ぼすように構成されたピストンを備える。この場合、ドライバユニットは、同様に、物質をアプリケータ内に引き出すためにプランジャを引き出すように構成されてもよい。
【0115】
アプリケータには、2つのモード(オン/オフ)を切り替えるように構成された安全機構を設けることができ、「オフモード」はアプリケータから物質を放出することができないことを意味し、「オンモード」は物質を放出することができることを意味する。安全機構は、送達チューブ、アプリケータ先端部またはドライバユニット上に配置することができる。アプリケータは、アプリケータから放出される物質の流量を制御するように構成された流量制御器をさらに備えることができる。流量制御器は、ドライバユニット内に配置されてもよく、ドライバユニットの外部には、例えばボタンを押すことによって流量を調整するように構成されたボタンまたはポテンショメータが設けられてもよい。
【0116】
部品のキット
本開示によるアプリケータは、腹腔鏡処置用の部品のキットの一部として、特にロボット支援手術に適した部品のキットとして提供することができる。好ましくは、部品のキットは、腹腔鏡処置用の止血マトリックスキットなどの医療用物質キットである。キットは、好ましくは、アプリケータと、1つ以上の圧力源と、任意選択的に、医療用物質、例えば止血用ペーストなどの止血用物質で充填されるように構成されたシリンジとを含む。好ましくは、シリンジは、物質リザーバ24を構成するように、物質で予め充填される。任意選択的に、アプリケータは、キットの別個の部品として、例えば送達チューブおよびアプリケータ先端部として提供されてもよく、組み立て時に第1の態様によるアプリケータを形成する。
【0117】
キットは、任意選択的に、使用前に送達チューブを装填または充填するための1つ以上の物質リザーバ24をさらに備えてもよい。例えば、物質リザーバは、物質で充填されるように構成され、送達チューブの近位開口部へのコネクタ6を介して、または送達チューブの遠位開口部への補助コネクタ要素25を介してなど、アプリケータの送達チューブへの流体接続を形成するように構成されたシリンジであってもよい。
【0118】
部品の数を減らし、組み立てを単純化するために、部品のキットは、アプリケータと、容易に組み立てられ、組み立て時に圧力下で物質を送達するように構成された圧力源8とを備えることができる。例えば、圧力源は、図38および図40に示すように、送達チューブの近位開口部など、アプリケータの送達チューブへの流体接続を形成するように構成されたガスカートリッジ8.2であってもよい。
【0119】
アセンブリをさらに単純化するために、1つ以上の圧力源8をアプリケータに組み込むことができる。例えば、圧力源は、図38に示すように、近位端部に配置されたばね8.3の形態で送達チューブに組み込むことができ、ばねエネルギーは予め蓄積され、および/または送達チューブに物質を装填すると蓄積される。
【0120】
本開示の第3の態様は、第1の態様によるアプリケータ、または第2の態様によるアプリケータ先端部と、1つ以上の圧力源と、任意選択的に1つ以上の物質リザーバとを備える部品のキットに関する。例えば、物質リザーバは、物質で充填されるように構成され、送達チューブの遠位開口部などの送達チューブへの流体接続を形成するように構成された1つ以上のシリンジであってもよい。
【0121】
部品のキットは、すべての部品を手動で組み立てて操作することができ、すべての部品が使用後に使い捨て可能であり、単回使用に適合するという利点を有する。
【0122】
代替的に、部品のキットは、より再現性のある持続可能なアプリケータ設計を得るために、複数回の使用に適合された部品を含んでもよい。例えば、アプリケータは、再使用可能なピストンまたはモータの形態の圧力源8を含み得る再使用可能なユニットまたはホルダに組み立てることができる。
【0123】
持続可能な衝撃をさらに増加させるために、ドライバユニットに物質4または流体源7を補充することができる。したがって、部品のキットは、任意選択的に、1つ以上の物質リザーバ24または流体源リザーバを備え、流体源リザーバは、ドライバユニット内の流体源に着脱可能に取り付けられるように構成される。
【0124】
一実施形態によると、部品のキットは、第1の態様による腹腔鏡アプリケータと、送達チューブと流体接続する、流体を保持するための少なくとも1つの流体源を保持し、ならびに/または少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、および/もしくは送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された、モータなどの少なくとも1つの圧力源を保持するためのドライバユニットとを備える。
【0125】
部品のキットは、流体を保持するための少なくとも1つの流体源をさらに備えることができ、前記流体源は送達チューブと流体接続する。一実施形態では、流体源は、プランジャを有するシリンジであり、ドライバユニットは、プランジャの位置を決定するように構成された位置センサをさらに備える。
【0126】
部品のキットは、少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、および/または送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された、少なくとも1つの圧力源をさらに備えることができる。
【0127】
部品のキット内のドライバユニットは、少なくとも2つのシリンジなどの少なくとも2つの流体源を保持するように構成することができる。この利点は、2つの異なる物質がアプリケータから分配され得ることである。代替的に、少なくとも2つのシリンジのうちの1つを使用して、患者から血液などの物質を引き出すことができる。
【0128】
物質
本開示のアプリケータチューブは、好ましくは物質を分配するように構成される。物質は、液体、ペースト、または粉末の形態であってもよい。一例として、物質は医療用ペーストであってもよい。「医療用ペースト」という用語は、生物活性剤を含むペーストを意味する。生物活性剤の例には、止血剤とも呼ばれるトロンビンまたはフィブリノーゲンが含まれる。別の例として、物質は、シアノアクリレートまたはポリエチレングリコールヒドロゲル(PEG)などの非生物学的接着剤/糊着剤を含んでもよい。さらに別の例として、物質は、酸化再生セルロース(OCR)、微孔性多糖類球、およびミクロフィブリルコラーゲンの群から選択される材料を含んでもよい。物質が粉末である場合、粉末は、好ましくは、180ミクロンを超える粒径を有する粒子を含む止血用粉末である。粒径が180ミクロンより大きいことは、粒子がある領域にわたって容易に広がることができるように、粒子が良好な流動性を有することを意味する。これは、粉末が止血用粉末である場合、出血を止めるためにできる限り早く創傷全体を覆うことが重要であるため、特に好適である。
【0129】
「生物活性剤」は、in vivoまたはin vitroで実証することができるいくつかの薬理学的、しばしば有益な効果を提供する任意の薬剤、薬物、化合物、組成物または混合物として定義される。したがって、薬剤は、ヒトまたは動物の体内の細胞組織との相互作用または細胞組織への効果を有する場合、生物活性であると考えられる。本明細書で使用される場合、この用語は、個体において局所的または全身的な効果を生じる任意の生理学的または薬理学的に活性な物質をさらに含む。生物活性剤は、酵素などのタンパク質であってもよい。生物活性剤のさらなる例としては、限定されないが、オリゴ糖、多糖、必要に応じてグリコシル化されたペプチド、必要に応じてグリコシル化されたポリペプチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂質、脂肪酸、脂肪酸エステルおよび二次代謝産物を含むかまたはそれらからなる薬剤が挙げられる。これは、ヒトまたは任意の他の動物などの個体の治療に関連して、予防的に、治療的に使用することができる。本明細書で使用される「生物活性剤」という用語は、真核細胞または原核細胞などの細胞を包含しない。
【0130】
本開示による「ペースト」は、練り歯磨きなどの展性のある、パテ状の稠度を有する。ペーストは、粉砕固体/粉末形態の固体と液体との濃厚な流体混合物である。ペーストは、十分に大きな負荷または応力が加えられるまで固体として挙動し、十分に大きな負荷または応力が加えられた時点で流体のように流れる、すなわちペーストが流動可能となる物質である。流動体は、塗布時に不規則な表面に効率的に適合する。ペーストは、典型的には、バックグラウンド流体中の粒状材料の懸濁液からなる。個々の粒子は、砂地の砂のように一緒に詰まっており、不規則なガラス状または非晶質の構造を形成し、ペーストにそれらの固体状の特徴を与える。ペーストにそれらの最も珍しい特性の一部を与えるのはこの「一緒に詰められている」ことであり、これにより、ペーストが脆性物質の特性を示すようになる。ペーストはゲル/ゼリーではない。「スラリー」は、粉末化/粉砕された固体と水などの液体との流体混合物である。スラリーは、いくつかの方法では厚い流体のように挙動し、重力下で流れ、厚すぎない場合は圧送することができる。スラリーは、機能的には薄くて水様性のペーストと見なすことができるが、スラリーは一般にペーストよりも多くの水を含有する。架橋ゼラチン粒子などの実質的に水不溶性の粉末粒子は、水性媒体と混合するとペーストを形成する。
【0131】
「ゲル」は、柔らかくて弱いものから硬くて強いものまでの範囲の特性を有することができる固体のゼリー状材料である。ゲルは、定常状態にあるときに流れを示さない実質的に希薄な架橋系として定義される。重量で、ゲルはほとんどが液体であるが、液体内の三次元架橋ネットワークのために固体のように挙動する。ゲルにその構造(硬度)を与え、粘着性(粘着性)に寄与するのは、流体内の架橋である。このようにして、ゲルは、固体が連続相であり、液体が不連続相である固体内の液体の分子の分散物である。ゲルはペーストでもスラリーでもない。例えば、非架橋ゼラチンは可溶性であり、水などの水性媒体と接触するとゲルを形成する。
【0132】
シリンジおよびアプリケータチューブから排出される医療用ペーストは、シリンジに適用可能な力を受けたときに流動可能でなければならない。したがって、「流動性ペースト」という用語は、シリンジに適用可能な力を受けたときに、一定の流れを促進する粘度を有するペーストを意味する。流動性ペーストの例は、30℃および65~75%の相対湿度で測定した場合に500~3500Pa・sの粘度を有するペーストである。本開示の一実施形態では、ペーストは流動性である。
【0133】
流動性医療用ペーストなどの医療用ペーストを形成するには、生物活性剤をペーストまたはペースト形成材料と混合する必要がある。典型的には、生物活性剤は、活性剤の安定な貯蔵を容易にする粉末形態などの固体かつ乾燥状態で貯蔵され、生物活性剤を調整可能な比で希釈剤と混合することによって濃度に柔軟性がある。したがって、シリンジ注射によって投与される生物活性剤については、固体生物活性剤を最初に再構成しなければならない。したがって、医療用ペーストを形成するには、典型的には、固体の生物活性剤を液体または希釈剤と混合して生物活性剤を再構成し、続いて再構成された生物活性剤を「ペースト前駆体」とも呼ばれるペースト形成材料と混合するステップが必要である。生物活性剤は、トロンビンまたはフィブリノーゲンなどの止血剤であってもよい。
【0134】
「ペースト形成材料」という用語は、再構成された生物活性剤などの液相からペーストを形成するための材料を意味する。そのため、ペースト形成材料は、ペーストを形成するための前駆体材料と呼ばれる場合もある。
【0135】
再構成された生物活性剤は、生物活性剤を滅菌水または生理食塩水などの低粘度の液体と混合し、それによって均一な再構成を確実にすることによって得られる。したがって、再構成された生物活性剤は、低粘度の液体である。ペーストは、本質的に粘度を増加させるペースト形成材料を添加することによって、再構成された生物活性剤から得ることができる。
【0136】
物質装填
前述のように、アプリケータの送達チューブは、使用前に、例えば、アプリケータをトロカールポートに挿入する前に、物質(例えば、医療用流体、ペーストまたは粉末)で事前に充填されてもよい。代替的に、送達チューブは、トロカールポートへの挿入後、例えば、物質の適用直前または適用中に連続的に物質で充填されるように構成されてもよい。
【0137】
近位装填
第1の好ましい実施形態では、送達チューブの充填は、図1に示すように、手術中に外科医または助手がアクセス可能な送達チューブの近位端部2.1を介して行われる。送達チューブの充填は、図12図14に示すように、好適には、シリンジバレル内に物質4を含む別個のシリンジを使用して行われ、シリンジは、物質で事前に充填されても、または医療用流体源などの物質源から物質を吸引するように構成されてもよい。したがって、物質4を含む容器またはシリンジは、物質リザーバ24と呼ばれる場合がある。最小限の物質廃棄で安全かつ精密な充填を容易にするために、近位端部2.1は、好適には、物質で予め充填されたシリンジなどの流体源を着脱可能に取り付けるための1つ以上のコネクタ6を備える。コネクタの例は、シリンジを取り付けるためのルアーロック、または物質リザーバもしくは流体容器を取り付けるための圧縮ジョイントもしくは接着ジョイントである。代替的に、送達チューブおよび流体源、例えばシリンジは、コネクタを使用せずに取り付けられてもよい。
【0138】
本開示の一実施形態では、送達チューブおよび少なくとも1つの流体源は、同じ物質を含むか、または止血剤を含む物質などの同じ物質を含むように構成され、物質は、少なくとも1つの流体源が第1の物質リザーバを構成するように、液体、ペースト、または粉末の形態で提供される。
【0139】
連続装填
トロカールポートに挿入された後、近位端部から物質4を予め充填している、および充填もしくは装填するように構成されていることに加えて、アプリケータは、好適には、トロカールに挿入されている間に連続的に充填されるようにさらに構成されてもよい。これは、アプリケータが複数の量の物質リザーバ24から装填されるように構成されることによって得ることができる。
【0140】
図36は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータ1は、第1の物質リザーバ24.1および第2の物質リザーバ24.2を備える。したがって、例えば図14に示すシリンジ物質リザーバ24は、別個のシリンジとは異なる一体型の第1の物質リザーバ24.1に置き換えられ、それによって別個のシリンジおよびプランジャが回避される。一体型の第1の物質リザーバは、物質を保持するためのバレルと、第1の物質リザーバを画定するストッパとを備えることができ、ストッパは、物質をバレルから押し出すためのピストンとしても作用することができる。一体型の第1の物質リザーバは、従来のシリンジ寸法を有することに制限されず、好適には、従来のシリンジよりも比較的広い直径および短い長さを有することができる。
【0141】
本開示の一実施形態では、第1の物質リザーバは、物質を保持するためのバレルと、物質をバレルから押し出すためのピストンとを備える。さらなる実施形態では、バレルは、10~30mm、より好ましくは12~20mm、最も好ましくは14~18mmの直径を有する。
【0142】
図36図37に示すように、第2の物質リザーバ24.2は、補助コネクタ要素25を介して第1の物質リザーバ24.1に着脱可能に取り付け可能である。図37Aは、取り付けられている第2のリザーバを示し、図37Bは、第2のリザーバが取り外されている場合を示す。
【0143】
操作前または操作中にアプリケータから物質を分配するために、助手は、任意選択的にアプリケータがトロカールポートに挿入されている間に、第2の物質リザーバ24.2を取り付けることができる。アセンブリは、物質、例えば止血剤を第2の物質リザーバから第1の物質リザーバに移送するように構成されてもよい。例えば、第2の物質リザーバは加圧されてもよく、補助コネクタ要素は移送を容易にする一方向バルブルアーロックを含んでもよい。
【0144】
本開示の一実施形態では、アプリケータは、1つ以上の第2の物質リザーバを備える。さらなる実施形態では、第1および/または第2の物質リザーバは使い捨てである。
【0145】
本開示の一実施形態では、第2の物質リザーバは、少なくとも1つの補助コネクタ要素を介して第1の物質リザーバに着脱可能に取り付けられる。さらなる実施形態では、コネクタ要素は、ルアーロック、圧縮ジョイント、または接着ジョイントを備える。
【0146】
次いで、物質は、送達チューブの遠位端部2.2で分配ボタンまたはアクチュエータ2.6を作動させることによって分配することができる。アクチュエータは、圧力源の駆動機構、例えば機械的に制御された駆動機構またはモータ制御もしくは電気的に制御された駆動機構を作動させることができる。例えば、圧力源は、図14に示す駆動ユニット10に対応することができ、圧力源は、第1の物質リザーバ24.1に圧力を及ぼすことができるモータ制御前進ピストンである。第1の物質リザーバの直径が広く、長さが短いため、物質を分配するために必要な力は小さくなる。したがって、プライミングには比較的低い力しか必要でないため、圧力は手動駆動ピストンであってもよい。さらに、第1の物質リザーバの寸法は、粘度に関係なく任意の物質4を容易に分配することを可能にする。
【0147】
補助コネクタ要素は、圧力源からの第2の物質リザーバの逆充填を回避するように構成することができる。これは、1)第1の物質リザーバと第2の物質リザーバとの間、および2)第1の物質リザーバと送達チューブとの間の連続的な流体接続を確立するように適合された補助コネクタ要素によって得ることができる。したがって、補助コネクタ要素は、一方向バルブによって得ることができる2つの構成を有することができる。
【0148】
本開示の一実施形態では、補助コネクタ要素は、1)第1の物質リザーバと第2の物質リザーバとの間、および2)第1の物質リザーバと送達チューブとの間の連続的な流体接続を確立するように構成される。さらなる実施形態では、補助コネクタ要素は、第1の物質リザーバと第2の物質リザーバとの間の流体通路を提供する第1の構成と、第1の物質リザーバと送達チューブとの間の流体通路を提供する第2の構成とを有するように適合される。本開示の一実施形態では、補助コネクタ要素は、少なくとも1つの一方向バルブを備える。
【0149】
これにより、第1の物質リザーバは、看護師がさらなる第2のリザーバのうちの任意の複数を取り外し、および取り付けることによって、任意の時点で補充することができる。さらに、リザーバは、簡単で柔軟な用途のために、好適には使い捨てである。例えば、ドライバユニットを除くすべての部品が使い捨てであってもよい。
【0150】
上記により、第1および第2の物質リザーバを備えるアプリケータは、第1の物質リザーバのフォームファクタに起因して、特にコンパクトな設計を有し、高粘度および低粘度の両方の物質、例えば液体、ペースト、および粉末に特に適することができる。
【0151】
連続的な装填は、任意の数の物質リザーバを備えるアプリケータ、および物質混合物用のアプリケータに適用することができる。例えば、これは図30に示す実施形態に適用することができ、ここで、送達チューブは、第1の種類の物質を保持するための第1の管腔と、第2の種類の物質を保持するための第2の管腔とを備え、物質が分配されると、または分配される前に、2種類の物質が混合される。例えば、アプリケータ先端部は、混合チャンバを備えるノズルを備えることができる。この場合、一方の物質は液体の形態であってもよく、他方の物質は液体に混合される粉末であってもよい。2つの物質はまた、2つの液体または2つのペースト、または液体、ペースト、および粉末の他の組み合わせであってもよい。図30の駆動機構は、2つのピストンを備え、第1のピストンは、十分な混合を保証するために、2つの異なるリザーバに同時にまたは時間遅延を伴って第1の圧力を及ぼすように構成される。
【0152】
図30と同様に、図41は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータ1は、2つの第1の物質リザーバ24.1と、2つの第1の物質リザーバを加圧するための取り外された駆動機構10とを備える。駆動機構は、2つのピストンを有する電動ドライバユニットとして例示されている。
【0153】
図42は、図41のアプリケータを示し、2つの第1の物質リザーバ24.1は、チェックバルブ25を介して2つの第2の物質リザーバ24.2(2つのシリンジとして示されている)に接続されている。(A)はシリンジによる第1のリザーバの装填を示し、(B)は装填されたアプリケータを示し、ストッパが第1の物質リザーバを画定しており、2つのシリンジが取り外された後である。
【0154】
図43は、図41図42のアプリケータを示し、(A)では、2つの第1の物質リザーバ24.1を加圧するための着脱可能な駆動機構が取り付けられ、(B)では、駆動機構のピストンがストッパを並進させ、それによって2つの第1のリザーバを空にしてある。
【0155】
遠位装填
近位装填に加えて、または代わりに、アプリケータはまた、遠位端部から装填されるように構成されてもよい。これにより、コンパクトな設計をさらに改善し、アプリケータの部品の数を減らし、完全に使い捨てのアプリケータを提供することができる。
【0156】
図38Aは、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータは、近位端部2.1に位置する圧力源8とは反対側の遠位端部2.2から物質4が装填されるように構成される。これは、図38Bに示すような、物質リザーバと流体連通を形成するための着脱可能に取り付けられた補助コネクタ要素25と、図38Cに示すような流れ制御要素26とを備える送達チューブの遠位端部または先端部によって得ることができる。流れ制御要素は、例えば、3つの構成、すなわち、遠位に取り付けられた物質リザーバから送達チューブ内への流体通路を提供する第1の構成、送達チューブ内の物質が加圧され得るように流体通路が提供されない第2の構成、および送達チューブから送達チューブの遠位端部の外に出る流体通路を提供する第3の構成を有する三方バルブであってもよい。好適には、流れ制御要素は、最初に1)物質リザーバと送達チューブとの間、次いで2)送達チューブと取り外された物質リザーバとの間で、反対方向との連続的な流体接続を確立するように構成される。
【0157】
本開示の一実施形態では、送達チューブは、遠位端部から物質が充填されるように構成される。本開示の一実施形態では、送達チューブは、物質リザーバ用の1つ以上の着脱可能に取り付けられたコネクタ、および/または流れ制御要素を備える。
【0158】
図39Aは、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータは、物質4を含むシリンジの形態の物質リザーバ24により遠位端部2.2から物質が装填されるように構成される。アプリケータ1は、図39Aに示すように、好適には送達チューブ内に組み込まれたばね8.3である圧力源8を備える。シリンジ24は、図39Bに示すように、ルアーロックコネクタであり得る補助コネクタ要素25を介して送達チューブの遠位端部2.2に取り付けられる。図39Cに示すように、シリンジ内容物が送達チューブに移送され、それによってばね8.3が圧縮される。したがって、ばねエネルギーの形態の圧力源は、送達チューブを装填すると蓄積される。代替的に、ばねエネルギーは、アプリケータによって所定のばねエネルギー量が提供されるように、予め圧縮されることによって予め蓄積されてもよい。次いで、シリンジおよび補助コネクタ要素を取り外すことができ、流量制御要素26は、送達チューブ内の物質がばね力によって加圧されることを容易にする。アプリケータは使用の準備ができており、物質4は、図39Dに示すように、流れ制御要素内に含まれるアクチュエータにより、例えば矢印で示すように分配することができる。
【0159】
本実施形態は、特にコンパクトな設計および小さいフォームファクタを有するアプリケータを提供する。さらに好適には、実施形態は、単回使用のための非電動式で完全に使い捨てのアプリケータを提供する。
【0160】
本開示の一実施形態では、少なくとも1つの圧力源は、少なくとも1つの流体源および/または送達チューブ内の物質に圧力を及ぼすように構成されたばねである。さらなる実施形態では、ばねエネルギーは予め蓄積され、および/またはばねエネルギーは送達チューブを装填すると蓄積される。
【0161】
ばね8.3の代わりに、または加えて、圧力源は、加圧容器などのガス圧力源、例えばガスカートリッジ8.2を含んでもよい。図40Aは、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータ1は、補助コネクタ要素25を介して遠位端部に取り付け可能なシリンジの形態の物質リザーバ24を介して遠位端部2.2から物質が装填されるように構成される。アプリケータは、ガスカートリッジ8.2の形態の、物質を加圧して分配するための圧力源8をさらに備える。装填後、図40Bに示すように、シリンジ24および補助コネクタ要素25が取り外され、図40Cに示すように、及ぼされたガス圧によって物質4が分配される。これにより、ガス圧は、ガスカートリッジ以外の他の手段、例えば電動ベローズ、電動プロペラ、電動圧縮機から得ることができる。
【0162】
本開示の一実施形態では、少なくとも1つの圧力源は、少なくとも1つの流体源および/または送達チューブ内の物質に圧力を及ぼすように構成されたガスである。本開示の一実施形態では、ガス圧力源は、ガスカートリッジ、電動ベローズ、電動プロペラ、電動圧縮機、およびそれらの組み合わせの群から選択される。
【0163】
止血用粉末用途
一実施形態によれば、腹腔鏡アプリケータは、外科用ロボットアームによって、選択された部位に止血用粉末を分配するように構成され、腹腔鏡アプリケータは、
止血用粉末を保持する送達チューブと、
送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送し、それによって止血用粉末をアプリケータから分配するように構成された、スクリューコンベヤなどの速度可変フィーダと
を備える。
【0164】
止血用粉末は、好ましくは止血剤を含む。好適には、止血用粉末は、180ミクロンを超える粒径を有する粒子を含む。一実施形態では、止血用粉末は、少なくとも275ミクロン、例えば平均約300ミクロンの平均粒径を有する粒子を含む。さらに、粒子は、少なくとも0.3g/cm、より好ましくは少なくとも0.4g/cm、さらにより好ましくは少なくとも0.44g/cmのタップ密度を有してもよい。一例として、粒子は、0.3~1g/cmの範囲のタップ密度を有してもよい。一実施形態では、速度可変フィーダはスクリューコンベヤである。これを図26に示す。別の実施形態では、速度可変フィーダはパドルホイールである。アプリケータは、磁気センサまたは光学センサなどの第1の位置センサを備えることができ、前記センサは、スクリューコンベヤおよび/またはパドルホイールの位置を決定するように構成される。第1の位置センサは、好ましくは、スクリューコンベヤおよび/またはパドルホイールの各回転を記録するように構成され、各回転は、スクリューコンベヤおよび/またはパドルホイールの位置を決定することができるように、回転方向に応じて加算または減算される。プロセッサがスクリューコンベヤおよび/またはパドルホイールプロセッサを制御するために使用される場合、プロセッサは回転の方向を認識している。代替的に、第1の位置センサは、例えば互いに隣接する2つのセンサを有することによって方向を感知することができる。スクリューコンベヤの位置(例えば、回転数によって決定される)を使用して、送達チューブ内の粉末の残量を決定することができる。
【0165】
別の実施形態では、外科用ロボットアームによって、選択された部位に止血用粉末を分配するための腹腔鏡アプリケータは、
止血用粉末を保持する送達チューブと、
所定の開放圧力で開くように構成された、送達チューブの遠位端部に配置されたバルブと、
バルブが開いているときに止血用粉末を送達チューブから振り出すように構成された、超音波振動装置などの振動装置と
を備える。
【0166】
振動装置を備える腹腔鏡アプリケータが図27図29に示されている。アプリケータが振動装置を備える場合、アプリケータは、振動装置が作動/振動しているときの経過時間を測定するように構成されたクロックをさらに備えることができる。経過時間を使用して、送達チューブ内の止血用粉末の残量を推定することができる。代替的に、アプリケータは、アプリケータ内の物質の量を決定するための上述のセンサのうちの1つを備えることができる。
【0167】
腹腔鏡アプリケータは、止血剤を含む物質を分配または引き出すように構成され、前記物質は、液体、ペースト、または粉末の形態であってもよい。粉末の流れ特性のために、送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送するための圧力源または駆動機構は、好適には、ガス圧力源などの圧力源と組み合わせた、スクリューコンベヤなどの速度可変フィーダまたは振動装置の組み合わせを備える。
【0168】
医療用物質が止血用粉末などの粉末である場合、粉末は他の手段によってアプリケータから排出され得るので、圧力源は必ずしも必要ではない。この場合、アプリケータは、圧力源の代替形態として、または圧力源の追加形態として、送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送するように構成された速度可変フィーダを備えることができ、それによって止血用粉末がアプリケータから分配される。代替的に、アプリケータは、アプリケータから粉末を振り出すための振動装置を備えてもよい。しかしながら、好適には、粉末の効率的かつ精密な排出のために、例えば、十分な流れ特性および噴霧角度を得るために、速度可変フィーダは、ガス圧力源などの圧力源をさらに備える。
【0169】
図31は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータ1は、送達チューブを通して粉末を輸送するためのガス圧力源8を備える。例えば、ガス圧力源はベローズであり、これは電動ピストン10.1、例えば、大きな二重矢印で示すように、水平方向に前後に振動するピストンによって作動する。(A)はアプリケータの斜視図を示し、(B)はアプリケータの断面図を示す。圧力源の駆動機構は、図31Aに示すように、モータ10.1に電気信号を送信する電気アクチュエータなどのアクチュエータ2.6により作動させることができ、それによって粉末20が送達チューブの遠位端部2.2から分配される。粉末は、アプリケータ内に予め充填されるか、もしくは補助コネクタ要素25を介して第2の物質リザーバ24.2から供給されてもよく、またはベローズが、図31Bに示すように、粉末がガス圧力源と同時に輸送されるように、粉末20のリザーバなどの物質リザーバを備えてもよい。
【0170】
図32は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータは、送達チューブを通して粉末20を輸送するためのガス圧力源8を備え、ガス圧力源は、電動プロペラ、および任意選択的にガス入口を介して得られる。(A)はアプリケータの斜視図を示し、(B)はアプリケータの断面図を示す。圧力源の駆動機構は、図32Aに示すように、モータ10.1に電気信号を送信する電気アクチュエータなどのアクチュエータ2.6により作動させることができ、それによって粉末20が送達チューブの遠位端部2.2から分配される。粉末は、アプリケータ内に予め充填されても、または補助コネクタ要素25を介して第2の物質リザーバ24.2から供給されてもよい。
【0171】
図33は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータは、送達チューブを通して粉末を輸送するための圧力源を備え、圧力源は、送達チューブの遠位端部2.2への流体連通を確立するためのアパーチャを有する、遠位に配置されたピストンまたはアクチュエータ2.6である。遠位に配置されたピストンは、大きな二重矢印によって示されるように、10.1で水平方向に前後に振動するように電動化することができ、それによって粉末20が送達チューブの遠位端部2.2から分配される。(A)は挿入されたフレーム内で遠位端部が拡大された部分斜視図を示し、(B)は挿入されたフレーム内で遠位端部が斜視図で拡大された断面図を示す。粉末は、アプリケータ内に予め充填されても、または補助コネクタ要素を介して第2の物質リザーバから供給されてもよい。
【0172】
図34は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータは、送達チューブを通して粉末を輸送するためのガス圧力源を備え、ガス圧力源は、回転パドルホイールまたはインペラから得られる。インペラは、ガス流制御バルブと組み合わせて、例えばコネクタ6と組み合わせて、ガスカートリッジ8.2によってさらに制御することができる。したがって、粉末供給は、インペラおよびガスカートリッジ供給部の回転速度によって制御することができる。粉末は、アプリケータ内に予め充填されても、または図34Bに最も明確に示すように、インペラ内に含まれるなど、第1または第2の物質リザーバ24から供給されてもよい。
【0173】
本開示の一実施形態では、速度可変フィーダは、ガスカートリッジ、電動ベローズ、電動プロペラ、電動圧縮機、およびそれらの組み合わせの群から任意選択的に選択される、ガス圧力源などの圧力源をさらに備える。本開示の一実施形態では、速度可変フィーダは粉末リザーバを備え、リザーバは任意選択的に、調整可能なリザーバ開口部などのリザーバ供給制御器を備える。
【0174】
粉末を効率的かつ精密に排出するために、例えば、十分な流れ特性および噴霧角度を得るために、ガス圧力源は、好適には、粉末排出がより制御され、排出時の粉末乱流が回避されるように、ガス流の減少、例えば空気流の減少または空気体積の減少の可能性を提供する。これは、粉末送達部位でのガス流を減少させるための流れ制限要素を備えるアプリケータによって得ることができる。
【0175】
図35は、本開示によるアプリケータの一実施形態を示し、アプリケータ1は、送達チューブを通して粉末を輸送するためのガス圧力源8と、粉末送達部位でのガス流を減少させるためのさらなる流れ制限要素とを備える。例えば、流れ制限要素22は、図35Aに示すように、粉末20およびガスが通過しなければならない送達チューブ内のグリッドまたはスリット要素であってもよい。代替的に、流れ制限要素22は、図35Bに示すように、粉末20を輸送するスクリューコンベヤ19と平行に走る別個のガス流路であってもよい。
【0176】
本開示の一実施形態では、速度可変フィーダは、グリッド要素または別個のガス流路などの1つ以上の流れ制限要素を備える。
【0177】
[本発明のさらなる詳細]
1.手術用ロボットアームによって、選択された部位に物質、例えば止血剤を含む物質を分配または引き出すための腹腔鏡アプリケータであって、
物質を保持するための送達チューブと、
ロボットアームによって空間的に操縦される、および/または
ロボットアームによって送達チューブから物質を制御可能に放出する、および/または
選択された部位から送達チューブ内に物質を制御可能に引き出す
ように構成された、送達チューブの遠位端部に接続されるアプリケータ先端部と
を備える、腹腔鏡アプリケータ。
2.送達チューブが、剛性管状部分または剛性表面領域などの少なくとも1つの剛性部分を備える、項目1に記載の腹腔鏡アプリケータ。
3.少なくとも1つの剛性部分が、把持、押し込み、または取り付けによる有形など、ロボットアームによって有形であるように寸法決めされる、項目2に記載の腹腔鏡アプリケータ。
4.送達チューブが変形可能部分を備える、項目1~3のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
5.変形可能部分が、チューブの長さを変えることができるように、例えば波形チューブの形態で圧縮可能である、項目4に記載の腹腔鏡アプリケータ。
6.変形可能部分が波形表面プロファイルを備え、好ましくは波形表面プロファイルが複数の円周方向の折り目を備える、項目4~5のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
7.変形可能部分が送達チューブの遠位端部に配置される、項目4~6のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
8.変形可能部分が送達チューブの遠位端部から距離を取って配置される、項目4~6のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
9.送達チューブおよび/またはアプリケータ先端部が、圧力下で物質を保持するように寸法的に構成され、および/または1つ以上の流量制御要素を含むように構成される、項目1~8のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
10.送達チューブおよび/またはアプリケータ先端部が、5mm未満、好ましくは3mm未満、さらにより好ましくは2mm未満の内径を有する、項目1~9のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
11.送達チューブが物質、例えば止血剤を含む物質を収容し、前記物質が液体、ペースト、または粉末の形態である、項目1~10のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
12.物質が生物活性剤および/または止血剤を含む、項目11に記載の腹腔鏡アプリケータ。
13.物質が、ポリエチレングリコール(PEG)、シアノアクリレート、酸化再生セルロース、微孔性多糖類球体、およびミクロフィブリルコラーゲンの群から選択される材料を含む、項目11に記載の腹腔鏡アプリケータ。
14.物質が、止血剤を含む止血用ペーストである、項目11に記載の腹腔鏡アプリケータ。
15.止血剤が、トロンビンおよびフィブリノーゲンの群から選択される、項目14に記載の腹腔鏡アプリケータ。
16.物質が止血用粉末である、項目11に記載の腹腔鏡アプリケータ。
17.止血用粉末が、180ミクロンを超える粒径を有する粒子を含む、項目16に記載の腹腔鏡アプリケータ。
18.止血用粉末が、少なくとも275ミクロンの平均粒径を有する粒子を含む、項目16~17のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
19.止血用粉末が、少なくとも0.4g/mLのタップ密度を有する粒子を含む、項目16~18のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
20.送達チューブを通して止血用粉末を送達チューブの外側に輸送するように構成された、スクリューコンベヤなどの速度可変フィーダをさらに備え、それによって止血用粉末がアプリケータから分配される、項目16~19のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
21.速度可変フィーダが、外部モータによって駆動/回転されるように構成される、項目20に記載の腹腔鏡アプリケータ。
22.速度可変フィーダを駆動/回転させるためのモータをさらに備える、項目20に記載の腹腔鏡アプリケータ。
23.速度可変フィーダがスクリューコンベヤである、項目20~21のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
24.速度可変フィーダがパドルホイールである、項目20~21のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
25.速度可変フィーダが、ガスカートリッジ、電動ベローズ、電動プロペラ、電動圧縮機、およびそれらの組み合わせの群から任意選択的に選択されるガス圧力源をさらに備える、項目20~24のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
26.速度可変フィーダが粉末リザーバを備え、リザーバが、任意選択的に、調整可能なリザーバ開口部および/またはパドルホイールなどのリザーバ供給制御器を備える、項目20~25のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
27.速度可変フィーダが、グリッド要素または別個のガス流路などの1つ以上の流れ制限要素を備える、項目20~26のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
28.速度可変フィーダの位置を決定するように構成された第1の位置センサをさらに備える、項目20~27のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
29.第1の位置センサが光学センサである、項目28に記載の腹腔鏡アプリケータ。
30.速度可変フィーダには磁石が設けられ、第1の位置センサが磁石の存在を検出するように構成された磁気センサである、項目28に記載の腹腔鏡アプリケータ。
31.止血用粉末を送達チューブから振り出すように構成された、超音波振動装置などの振動装置をさらに備える、項目16~30のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
32.振動装置が作動/振動しているときの経過時間を測定するように構成されたクロックをさらに備える、項目31に記載の腹腔鏡アプリケータ。
33.経過時間が、送達チューブ内の止血用粉末の残量を推定するために使用される、項目32に記載の腹腔鏡アプリケータ。
34.送達チューブが、少なくとも2つの管腔、または少なくとも3つの管腔、または少なくとも4つの管腔などの複数の管腔を備える、項目1~33のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
35.複数の管腔が第1の管腔および第2の管腔を備え、第1の管腔が物質、例えば止血剤を含む物質を収容するように構成され、第2の管腔が電気配線または光ファイバを収容するように構成される、項目34に記載の腹腔鏡アプリケータ。
36.第1の管腔の内径が4mm未満、好ましくは3mm未満、さらにより好ましくは2mm未満である、項目35に記載の腹腔鏡アプリケータ。
37.複数の管腔のうちの少なくとも1つが、可鍛性のワイヤまたはロッドを収容するように構成される、項目34~36のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
38.送達チューブの変形可能部分を所望の形状に曲げることができるように構成された可鍛性のワイヤまたはロッドをさらに備え、前記形状は、送達チューブの解放時にほぼ維持される、項目4~37のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
39.送達チューブの変形可能部分が、少なくとも30°または少なくとも45°などの2つの所定の角度で2つの平面に沿って曲げることができる、項目4~38のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
40.アプリケータ先端部が送達チューブの遠位端部に着脱可能に取り付けられる、項目1~39のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
41.アプリケータ先端部が、送達チューブおよびアプリケータ先端部が単一のユニットであるように、送達チューブに組み込まれる、項目1~40のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
42.送達チューブおよび/またはアプリケータ先端部が使い捨てである、項目1~41のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
43.アプリケータまたはアプリケータ先端部が、バルブの開放時に物質を送達チューブから放出するように構成された少なくとも1つのバルブをさらに備える、項目1~42のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
44.少なくとも1つのバルブが、所定の開放圧力閾値を有する圧力作動バルブである、項目44に記載の腹腔鏡アプリケータ。
45.所定の開放圧力閾値を超えたときに、物質が送達チューブから分配される、項目44に記載の腹腔鏡アプリケータ。
46.少なくとも1つのバルブが、アプリケータ上に配置されたアクチュエータによって制御可能である、項目43~453のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
47.少なくとも1つのバルブが、フットペダルなどの外部アクチュエータによって制御可能である、項目43~46のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
48.少なくとも1つのバルブが、一方向バルブ、エラストマー一方向バルブ、ダックビルバルブ、交差スリットバルブ、およびばね負荷式チェックバルブの群から選択される、項目43~47のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
49.少なくとも1つのバルブが送達チューブ内に配置される、項目43~48のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
50.少なくとも1つのバルブがアプリケータ先端部に配置される、項目43~49のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
51.アプリケータまたはアプリケータ先端部が、少なくとも1つのバルブを開く/閉じるように構成された少なくとも1つのアクチュエータをさらに備える、項目1~50のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
52.少なくとも1つのアクチュエータが、例えばロボットアームによって加えられる圧力によって、または例えばエネルギーツールによって加えられる電流によって作動するように構成される、項目51に記載の腹腔鏡アプリケータ。
53.少なくとも1つのアクチュエータが、アクチュエータをチューブ/アプリケータ先端部の長手方向軸線に沿って引っ張ることによって、および/またはアクチュエータを長手方向軸線の周りで回転させることによって作動される、項目51~52のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
54.少なくとも1つのアクチュエータが送達チューブの遠位端部に配置される、項目51~53のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
55.少なくとも1つのアクチュエータが送達チューブの剛性部分に配置される、項目51~54のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
56.少なくとも1つのアクチュエータがアプリケータ先端部に配置される、項目51~55のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
57.少なくとも1つのアクチュエータが外部装置に配置される、項目51~56のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
58.少なくとも1つのアクチュエータが圧力感知ボタンである、項目51~57のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
59.少なくとも1つのアクチュエータが、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の所定の円周方向部分を覆う、項目51~58のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
60.少なくとも1つのアクチュエータが、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の180°未満、好ましくは140°未満を覆う、項目59に記載の腹腔鏡アプリケータ。
61.アプリケータ先端部および/またはチューブの対向する部分に2つのアクチュエータが設けられ、前記アクチュエータの各々は、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の120°未満、好ましくはそれぞれ90°未満を覆う、項目59~60のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
62.少なくとも1つのアクチュエータが、チューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の少なくとも180°を覆う、項目59~61のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
63.少なくとも1つのアクチュエータがチューブおよび/またはアプリケータ先端部の一部を取り囲むように、少なくとも1つのアクチュエータがチューブおよび/またはアプリケータ先端部の円周の360°を覆う、項目59~62のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
64.少なくとも1つのアクチュエータが、作動時に、腹腔鏡アプリケータから物質を分配するのに十分な圧力を及ぼすように構成された、駆動機構などの圧力源に電気信号を送信するように構成される、項目51~63のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
65.送達チューブ内の圧力を感知するための第1の圧力センサをさらに備える、項目1~64のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
66.アクチュエータに加えられた圧力を感知するための第2の圧力センサをさらに備える、項目51~65のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
67.第2の圧力センサが抵抗膜式圧力センサおよび/または力感知抵抗器である、項目66に記載の腹腔鏡アプリケータ。
68.少なくとも1つのアクチュエータが圧力感知ボタンであり、アクチュエータに加えられる圧力を感知するための圧力センサが前記ボタンに組み込まれるか、またはボタンの下に設置される、項目51~67のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
69.少なくとも1つのアクチュエータが、アプリケータ先端部の一部を覆う圧力感知ボタンであり、前記一部がアプリケータ先端部の全周を取り囲み、アクチュエータに加えられた圧力を感知するための第2の圧力センサが、前記ボタンに組み込まれるか、またはボタンの下に設置される、項目51~68のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
70.少なくとも1つのアクチュエータに加えられた圧力を示すための圧力表示灯をさらに備える、項目51~69のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
71.圧力表示灯が、アプリケータ先端部内またはアプリケータ先端部上に配置される、項目70に記載の腹腔鏡アプリケータ。
72.圧力表示灯が、アプリケータ先端部の円周に沿って配置された円形バンドとして設けられる、項目70~71のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
73.圧力表示灯が、
加えられた圧力が所定の第1の閾値を下回るとき、第1の色、例えば緑色の光を表示する、および
加えられた圧力が所定の第2の閾値を上回るとき、第2の色、例えば赤色の光を表示する
ように構成される、項目70~72のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
74.圧力表示灯が、
加えられた圧力が所定の第1の閾値と第2の閾値との間にあるとき、第3の色、例えば黄色の光を表示する
ようにさらに構成される、項目73に記載の腹腔鏡アプリケータ。
75.アプリケータまたはアプリケータ先端部が、例えば光ダイオードの形態の状態インジケータをさらに備え、前記状態インジケータがアプリケータ内の物質の残量を示すように構成される、項目1~74のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
76.残量が、第1の位置センサ、第2の位置センサ、クロック、および/またはそれらの組み合わせによって決定される、項目75に記載の腹腔鏡アプリケータ。
77.バレル内にプランジャを備える少なくとも1つの流体源をさらに備え、プランジャの位置が、送達チューブ内の物質の残量を推定するために使用され、残量が状態インジケータによって示される、項目75~76のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
78.状態インジケータがアプリケータ先端部内またはアプリケータ先端部上に配置される、項目75~77のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
79.送達チューブが、送達チューブを通過する所定の波長範囲の光を感知するように構成された第1の光感知センサを備え、かつ
送達チューブが、第1の光感知センサの反対側に配置された光源を備え、および/または
送達チューブが、波長範囲の少なくとも一部に対して透明である、
項目1~78のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
80.第1の光感知センサが送達チューブの遠位部分に配置される、項目79に記載のアプリケータ。
81.送達チューブが、第1の光感知センサよりも遠位端部から遠くに配置された第2の光感知センサを備える、項目79~80のいずれか一項に記載のアプリケータ。
82.アプリケータ先端部が、ロボットアームによって把持されるように構成された剛性部分をさらに備える、項目1~81のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
83.アプリケータ先端部が、物質の分配速度および/または分配角度を調整するための調整可能なノズルをさらに備える、項目1~82のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
84.流体を保持するための少なくとも1つの流体源をさらに備え、前記流体源が送達チューブと流体接続する、項目1~83のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
85.少なくとも1つの流体源が、医療用シリンジなどのシリンジ、例えば単回使用の医療用シリンジである、項目84に記載の腹腔鏡アプリケータ。
86.シリンジが、流体を保持するためのバレルと、流体をシリンジから押し出すためのプランジャとを備える、項目85に記載の腹腔鏡アプリケータ。
87.プランジャの位置を決定するように構成された第2の位置センサをさらに備える、項目86に記載の腹腔鏡アプリケータ。
88.第2の位置センサが光学センサである、項目87に記載の腹腔鏡アプリケータ。
89.プランジャには磁石が設けられ、第2の位置センサが磁石の存在を検出するように構成された磁気センサである、項目87に記載の腹腔鏡アプリケータ。
90.プランジャの位置が、バレルおよび/または送達チューブ内の物質の残量を推定するために使用される、項目87~89のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
91.少なくとも1つの流体源が、加圧されるように構成された容器などの容器である、項目84に記載の腹腔鏡アプリケータ。
92.少なくとも1つの流体源が可撓性バルーンである、項目84に記載の腹腔鏡アプリケータ。
93.少なくとも1つの流体源を着脱可能に取り付けるための、ルアーロック、圧縮ジョイント、および/または接着ジョイントなどの少なくとも1つのコネクタを備える、項目84~92のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
94.少なくとも1つのコネクタが、少なくとも1つの流体源を穿刺し、それによって流体源と送達チューブとの間の流体接続を確立するための中空穿刺要素を備える、項目93に記載の腹腔鏡アプリケータ。
95.少なくとも1つの流体源が生理食塩水などの液体を含む、項目84~92のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
96.少なくとも1つの流体源が、止血剤を含む止血用ペーストなどのペーストを含む、項目84~95のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
97.少なくとも1つの流体源がガスを含む、項目84~96のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
98.ガスが、CO(二酸化炭素)、N(二窒素)、NO(亜酸化窒素)、および空気の群から選択される、項目97に記載の腹腔鏡アプリケータ。
99.送達チューブおよび少なくとも1つの流体源が、止血剤を含む物質などの同じ物質を含み、物質が、少なくとも1つの流体源が第1の物質リザーバを構成するように、液体、ペースト、または粉末の形態で提供される、項目84~97のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
100.第1の物質リザーバが、物質を保持するためのバレルと、物質をバレルから押し出すためのピストンとを備える、項目99に記載の腹腔鏡アプリケータ。
101.バレルが、10~30mm、より好ましくは12~20mm、最も好ましくは14~18mmの直径を有する、項目100に記載の腹腔鏡アプリケータ。
102.1つ以上の第2の物質リザーバを備える、項目99~101のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
103.第2の物質リザーバが、少なくとも1つの補助コネクタ要素を介して第1の物質リザーバに着脱可能に取り付けられる、項目99~102のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
104.補助コネクタ要素が、ルアーロック、圧縮ジョイント、または接着ジョイントを備える、項目103に記載の腹腔鏡アプリケータ。
105.補助コネクタ要素が、1)第1の物質リザーバと第2の物質リザーバとの間、および2)第1の物質リザーバと送達チューブとの間の連続的な流体接続を確立するように構成される、項目103~104のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
106.補助コネクタ要素が、第1の物質リザーバと第2の物質リザーバとの間の流体通路を提供する第1の構成と、第1の物質リザーバと送達チューブとの間の流体通路を提供する第2の構成とを有するように適合される、項目103~105のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
107.補助コネクタ要素が少なくとも1つの一方向バルブを備える、項目103~106のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
108.第1および/または第2の物質リザーバが使い捨てである、項目99~107のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
109.少なくとも1つの流体源が、例えば圧力源の使用によって加圧されるように構成される、項目84~108のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
110.少なくとも2つの流体源を備える、項目84~109のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
111.送達チューブが、圧力下で物質を保持するか、または加圧された物質を保持するように構成される、項目1~110のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
112.少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成され、および/または送達チューブ内の物質などの送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源をさらに備える、項目1~111のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
113.送達チューブが遠位端部から物質を充填されるように構成される、項目112に記載の腹腔鏡アプリケータ。
114.送達チューブが、物質リザーバのための1つ以上の着脱可能に取り付けられたコネクタ、および/または流量制御要素を備える、項目113に記載の腹腔鏡アプリケータ。
115.少なくとも1つの圧力源が、少なくとも1つの流体源および/または送達チューブ内の物質に圧力を及ぼすように構成されたばねである、項目112~114のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
116.ばねエネルギーが予め蓄積され、および/またはばねエネルギーが送達チューブを装填すると蓄積される、項目115に記載の腹腔鏡アプリケータ。
117.少なくとも1つの圧力源が、少なくとも1つの流体源、および/または送達チューブ内の物質に圧力を及ぼすように構成されたガスである、項目112~114のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
118.ガス圧力源が、ガスカートリッジ、電動ベローズ、電動プロペラ、電動圧縮機、およびそれらの組み合わせの群から選択される、項目116に記載の腹腔鏡アプリケータ。
119.少なくとも1つの圧力源が、ばね負荷式要素、ガス状プロペラント、膨張可能なバルーンもしくはブラダ、および/または電気駆動ピストンもしくは手動駆動ピストンなどの可動ピストンの群から選択されるプロペラントを備える、項目112~118に記載の腹腔鏡アプリケータ。
120.少なくとも1つの圧力源が、手動ピストン、電動ピストン、ばね力、および少なくとも1つの流体源に圧力を及ぼすように構成された少なくとも1つのピストンを備えるモータなどのガス圧の群から選択される駆動機構である、項目112~119に記載の腹腔鏡アプリケータ。
121.駆動機構が電気モータである、項目120に記載の腹腔鏡アプリケータ。
122.少なくとも1つのアクチュエータが、作動時に、駆動機構に電気信号を送信するように構成され、それによって、前記電気信号の受信時に、駆動機構は、物質を腹腔鏡アプリケータから分配するように少なくとも1つの流体源に圧力を及ぼすように構成される、項目120~121のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
123.駆動機構が2つのピストンを備え、第1のピストンが第1の流体源に第1の圧力を及ぼすように構成され、第2のピストンが第2の流体源に第2の圧力を及ぼすように構成される、項目120~122のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
124.駆動機構が、第1のピストンおよび/または第2のピストンの動作を切り替えるように構成された、ギヤ機構などの切替機構を備える、項目123に記載の腹腔鏡アプリケータ。
125.駆動機構が、少なくとも1つのピストンの方向(前進または後進)を制御するように構成された方向制御部をさらに備える、項目120~124のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
126.送達チューブの少なくとも一部を取り囲む剛性シースをさらに備え、シースが、送達チューブがトロカール内に挿入され得るように構成される、項目1~125のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
127.送達チューブと流体接続している、流体を保持するための少なくとも1つの流体源、ならびに/または
少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、および/もしくは送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された、少なくとも1つの圧力源
を保持するためのドライバユニットをさらに備える、項目1~126のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
128.物質流体を保持するためのバレルと、流体をシリンジから押し出すため、および/または物質をシリンジ内に引き出すためのプランジャとを有するシリンジを備え、ドライバユニットが、シリンジを受け入れて保持するように構成される、項目127に記載の腹腔鏡アプリケータ。
129.ドライバユニットが、物質をアプリケータ内に引き出すように、プランジャを引き出すようにさらに構成される、項目128に記載の腹腔鏡アプリケータ。
130.送達チューブおよび/または少なくとも1つの流体源が使い捨てである、項目1~129のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
131.2つのモード(オン/オフ)を切り替えるように構成された安全機構をさらに備え、「オフモード」が、アプリケータから物質を放出することができないことを意味し、「オンモード」が、物質を放出することができることを意味する、項目1~130のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
132.安全機構が、送達チューブまたはアプリケータ先端部またはドライバユニット上に配置される、項目131に記載の腹腔鏡アプリケータ。
133.アプリケータから放出される物質の流量を制御するように構成された流量制御器をさらに備える、項目1~132のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ。
134.流量制御器がドライバユニット内に配置される、項目133に記載の腹腔鏡アプリケータ。
135.止血剤を含む物質などの物質を保持するための腹腔鏡送達チューブに接続するための腹腔鏡アプリケータ先端部であって、
バルブの開放時に物質を送達チューブから放出するように構成された少なくとも1つのバルブと、
少なくとも1つのバルブを開く/閉じるように構成された少なくとも1つのアクチュエータと
を備える、腹腔鏡アプリケータ先端部。
136.少なくとも1つのバルブが、圧力下で物質を保持および放出するように構成される、項目135に記載の腹腔鏡アプリケータ先端部。
137.アクチュエータに加えられた圧力を感知するための、抵抗膜式圧力センサなどの圧力センサをさらに備える、項目135~136のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ先端部。
138.少なくとも1つのアクチュエータに加えられた圧力を示すための圧力表示灯をさらに備える、項目135~137のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ先端部。
139.例えば光ダイオードの形態の状態インジケータをさらに備え、前記状態インジケータが送達チューブ内の物質の残量を示すように構成される、項目135~138のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ先端部。
140.ロボットアームによって把持されるように構成された剛性部分をさらに備える、項目135~139のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ先端部。
141.物質の分配速度および/または分配角度を調整するための調整可能なノズルをさらに備える、項目135~140のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ先端部。
142.手術用ロボットアームによって、選択された部位に止血剤を含む物質などの物質を分配または引き出すための腹腔鏡アプリケータであって、
物質を保持するための送達チューブと、
送達チューブの遠位端部に接続された、項目135~141のいずれか一項に記載のアプリケータ先端部であって、
ロボットアームによって空間的に操縦される、および/または
ロボットアームによって送達チューブから物質を制御可能に放出する、または選択された部位から送達チューブ内に物質を制御可能に引き出す
ように構成された、アプリケータ先端部と
を備える、腹腔鏡アプリケータ。
143.項目1~134のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータと、1つ以上の圧力源と、任意選択的に、1つ以上の物質リザーバなどの1つ以上の流体源とを備える、部品のキット。
144.物質リザーバが、物質で充填されるように構成され、送達チューブ、好ましくは送達チューブの遠位開口部への流体接続を形成するように構成された1つ以上のシリンジである、項目143に記載の部品のキット。
145.圧力源が、送達チューブ、好ましくは送達チューブの近位開口部への流体接続を形成するように構成された1つ以上のガスカートリッジである、項目143~144のいずれか一項に記載の部品のキット。
146.圧力源がアプリケータに組み込まれ、任意選択的に、圧力源が送達チューブの近位端部にあるばねである、項目143~145のいずれか一項に記載の部品のキット。
147.項目1~134のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータと、
送達チューブと流体接続する、流体を保持するための少なくとも1つの流体源、ならびに/または
少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成された、および/もしくは送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された、モータなどの少なくとも1つの圧力源
を保持するためのドライバユニットと
を備える、部品のキット。
148.流体を保持するための少なくとも1つの流体源をさらに備え、前記流体源が送達チューブと流体接続する、項目147に記載の部品のキット。
149.少なくとも1つの流体源に圧力を加えるように構成され、および/または送達チューブの内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源をさらに備える、項目147~148のいずれか一項に記載の部品のキット。
150.少なくとも1つの流体源をさらに備え、前記流体源がプランジャを有するシリンジであり、ドライバユニットが、プランジャの位置を決定するように構成された位置センサをさらに備える、項目147~149のいずれか一項に記載の部品のキット。
151.ドライバユニットが、少なくとも2つのシリンジなどの少なくとも2つの流体源を保持するように構成される、項目147~150のいずれか一項に記載の部品のキット。
152.止血剤を含む物質などの物質をアプリケータから分配するための項目1~134のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータの使用。
【符号の説明】
【0178】
1 腹腔鏡アプリケータ
2 送達チューブ
2.1 近位端部
2.2 先端部
2.3 変形可能部分
2.4 剛性表面
2.5 剛性表面開口部
2.6 アクチュエータ
2.7 バルブ
2.8 剛性部分
3 硬質シース
4 物質
5 手術用ロボットアーム
6 コネクタ
7 流体源
8 圧力源
8.1 プロペラント
8.2 ガスカートリッジ
8.3 ばね
9 アプリケータ先端部
10 ドライバユニット
10.1 モータ
11 流量制御器
12 圧力表示灯
13 状態インジケータ
14 第1の管腔
15 第2の管腔
16 第3の管腔
17 第4の管腔
18 可鍛性のワイヤ/ロッド
19 スクリューコンベヤ
20 止血用粉末
21 振動装置
22 流れ制限要素
24 物質リザーバ
24.1 第1の物質リザーバ
24.2 第2の物質リザーバ
25 補助コネクタ要素
26 流量制御要素

図1
図2(A)】
図2(B)】
図3(A)】
図3(B)】
図3(C)】
図3(D)】
図4
図5
図6(A)】
図6(B)】
図6(C)】
図6(D)】
図6(E)】
図6(F)】
図7
図8
図9(A)】
図9(B)】
図10(A)】
図10(B)】
図11
図12
図13
図14
図15(A)】
図15(B)】
図15(C)】
図16(A)】
図16(B)】
図16(C)】
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24(A)】
図24(B)】
図24(C)】
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35(A)】
図35(B)】
図36
図37(A)】
図37(B)】
図38(A)】
図38(B)】
図38(C)】
図39(A)】
図39(B)】
図39(C)】
図39(D)】
図40
図41
図42(A)】
図42(B)】
図43
【手続補正書】
【提出日】2023-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術用の外部ロボットアーム(5)によって、選択された部位に、出血を止めるための止血剤を含む物質(4)を分配するための腹腔鏡アプリケータ(1)であって、前記腹腔鏡アプリケータ(1)が、
記物質(4)を保持するように構成された送達チューブ(2)と、
前記送達チューブ(2)の遠位端部(2.2)に接続され、前記物質を圧力下で保持するように構成されたアプリケータ先端部(9)であって、
前記外部ロボットアーム(5)によって空間的に操縦され、かつ
前記外部ロボットアーム(5)によって前記アプリケータ先端部において前記送達チューブ(2)から前記物質(4)を制御可能に放出する
ことによって、前記外部ロボットアーム(5)によって制御可能に操作されるように構成されたアプリケータ先端部(9)
を備える、腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項2】
前記送達チューブ(2)および/または前記アプリケータ先端部(9)が、5mm未満、好ましくは3mm未満、さらにより好ましくは2mm未満の内径を有する、請求項1に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項3】
前記アプリケータ先端部(9)が、圧力作動バルブなどの少なくとも1つのバルブ(2.7)であって、前記バルブ(2.7)の開放時に前記物質(4)を前記送達チューブ(2)から放出するように構成された、少なくとも1つのバルブ(2.7)をさらに備える、請求項1または2に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項4】
前記アプリケータ先端部(9)が、前記少なくとも1つのバルブ(2.7)を開くかつ/または閉じるように構成された少なくとも1つのアクチュエータ(2.6)をさらに備える、請求項3に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項5】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(2.6)が、前記アクチュエータ(2.6)を前記チューブ(2)/前記アプリケータ先端部(9)の長手方向軸線に沿って引っ張ることによって、かつ/または前記アクチュエータ(2.6)を前記長手方向軸線の周りで回転させることによって作動される、請求項4に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項6】
前記少なくとも1つのアクチュエータ(2.6)が、作動時に、前記腹腔鏡アプリケータ(1)から前記物質(4)を分配するのに十分な圧力を及ぼすように構成された、駆動機構などの圧力源(8)に電気信号を送信するように構成される、請求項4または5に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項7】
前記アプリケータ先端部(9)が、例えば光ダイオードの形態の状態インジケータ(13)をさらに備え、前記状態インジケータ(13)が前記アプリケータ(1)内の物質(4)の残量を示すように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項8】
流体を保持するための少なくとも1つの流体源(7)をさらに備え、前記流体源(7)が前記送達チューブ(2)と流体接続する、請求項1~7のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項9】
前記送達チューブ(2)および前記少なくとも1つの流体源(7)が、前記少なくとも1つの流体源(7)が第1の物質リザーバ(24.1)を構成するように、同じ物質(4)を含むように構成される、請求項8に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項10】
1つ以上の第2の物質リザーバ(24.2)を備え、前記第2の物質リザーバ(24.2)が、少なくとも1つの補助コネクタ要素(25)を介して前記第1の物質リザーバ(24.1)に着脱可能に取り付けられる、請求項9に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項11】
前記少なくとも1つの流体源(7)が、例えば圧力源(8)の使用によって、加圧されるように構成される、請求項8~10のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項12】
前記少なくとも1つの流体源(7)に圧力を加えるように構成された、かつ/または前記送達チューブ(2)の内側に圧力を加えるように構成された少なくとも1つの圧力源(8)をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項13】
前記少なくとも1つの圧力源(8)が、手動ピストン、電動ピストン、ばね力、およびガス圧の群から選択される駆動機構である、請求項12に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)と、1つ以上の圧力源(8)と、任意選択的に1つ以上の流体源(7)とを備える、部品のキット。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の腹腔鏡アプリケータ(1)と、
前記送達チューブ(2)と流体接続する、流体を保持するための少なくとも1つの流体源(7)、および/または
前記少なくとも1つの流体源(7)に圧力を加えるように構成された、かつ/もしくは前記送達チューブ(2)の内側に圧力を加えるように構成された、モータ(10.1)などの少なくとも1つの圧力源(8)
を保持するためのドライバユニット(10)
を備える、部品のキット。
【国際調査報告】