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特表2024-508349フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20240219BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
E03D9/08 Z
E03D9/08 D
E03D9/00 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540555
(86)(22)【出願日】2022-05-31
(85)【翻訳文提出日】2023-06-26
(86)【国際出願番号】 KR2022007709
(87)【国際公開番号】W WO2023149600
(87)【国際公開日】2023-08-10
(31)【優先権主張番号】10-2022-0015193
(32)【優先日】2022-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523243133
【氏名又は名称】クオス株式会社
【氏名又は名称原語表記】QUOSS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Seoknam-dong) 2nd floor, 24 Seoknam-ro, Seo-gu, Incheon 22794 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ サンユン
(72)【発明者】
【氏名】ボン ピルウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ フンスン
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038JA02
2D038JA03
2D038ZA00
(57)【要約】
【課題】本発明は「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」に関するものであり、その目的は腰掛便器に設置されるビデのビデノズルユニットを改善することで、腰掛便器のフラッシングの際、渦流及び逆流の水圧によって発生する飛沫が腰掛便器の外部に飛び出す現象を防止してバスルームをより清潔な状態に維持することができるようにすることである。
【解決手段】このために、本発明による「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」によれば、洗浄水バルブ(160)の出口側の洗浄水供給ホース(150)には、ビデノズルユニット(140)側に供給される洗浄水に空気を混入させるためのエアポンプ(180)が配置される。
ビデノズルユニット(140)は、先端の上部に、使用者の肛門及び局部に向けて洗浄水を噴出することができるビデノズル(142、144)をそれぞれ備えた第1及び第2洗浄水路(141、143)と、先端の下部に腰掛便器(10)の底部に向けて洗浄水をドーム状に噴出するためのシールドノズル(146)を備えた第3洗浄水路(145)と、前記洗浄水バルブ(160)が開放して流入する洗浄水を第1、第2及び第3洗浄水路(141、143、145)のいずれか一つに選択的に案内する分配器(148)とを含む。そして、制御部(170)は、着座センサー(130)を介して、使用者が用便の後に便座(120)から起きることを感知して腰掛便器(10)のフラッシング動作が実行されると、空気の混入された洗浄水を前記第3洗浄水路(145)に供給するように分配器(148)を制御するとともに洗浄水バルブ(160)を所定の時間の間に開放動作させることで、空気の混入された洗浄水を第3洗浄水路(145)のシールドノズル(146)を通して腰掛便器(10)の上部からドーム状に噴射することにより、腰掛便器(10)のフラッシングの際に発生した飛沫が腰掛便器(10)の外部に飛び出すことを防止することができることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
腰掛便器(10)の上部に載せられ、使用者が座って用便を足すことができるように中央部位が開放している便座(120)と、前記便座(120)の一側に配置され、使用者の着座有無を感知するための着座センサー(130)と、前記便座(120)の後方下側から前方に進退運動可能に配置され、先端から洗浄水を噴射することができるビデノズルユニット(140)と、洗浄水供給ホース(150)の中間に配置され、前記ビデノズルユニット(140)側への洗浄水の供給を制御するための洗浄水バルブ(160)と、前記便座(120)の一側に配置され、前記洗浄水バルブ(160)を開閉制御するための操作ボタン(171~175)を備えた制御部(170)とを含む腰掛便器用ビデであって、
前記洗浄水バルブ(160)の出口側の洗浄水供給ホース(150)には、前記ビデノズルユニット(140)側に供給される洗浄水に空気を混入させるためのエアポンプ(180)が備えられ、
前記ビデノズルユニット(140)は、先端の上部に、使用者の肛門及び局部に向けて洗浄水を噴出することができるビデノズル(142、144)をそれぞれ備えた第1及び第2洗浄水路(141、143)と、先端の下部に腰掛便器(10)の底部に向けて洗浄水をドーム状に噴出するためのシールドノズル(146)を備えた第3洗浄水路(145)と、前記洗浄水バルブ(160)が開放して流入する洗浄水を第1、第2及び第3洗浄水路(141、143、145)のいずれか一つに選択的に案内する分配器(148)とを含み、
前記制御部(170)は、前記着座センサー(130)を介して、使用者が用便の後に前記便座(120)から起きることを感知して腰掛便器(10)のフラッシング動作が実行されると、空気の混入された洗浄水を前記第3洗浄水路(145)に供給するように前記分配器(148)を制御するとともに前記洗浄水バルブ(160)を所定の時間の間に開放動作させることで、空気の混入された洗浄水を前記第3洗浄水路(145)のシールドノズル(146)を通して腰掛便器(10)の上部からドーム状に噴射することにより、腰掛便器(10)のフラッシングの際に発生した飛沫が腰掛便器(10)の外部に飛び出すことを防止することができることを特徴とする、フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ。
【請求項2】
前記シールドノズル(146)には逆漏斗形の拡散ガイド(147)が配置されることで、空気の混入された洗浄水が前記シールドノズル(146)を通して排出されながら前記拡散ガイド(147)の外面に沿ってドーム状に分散されることを特徴とする、請求項1に記載のフラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ。
【請求項3】
前記洗浄水バルブ(160)の出口側の洗浄水供給ホース(150)は、前記ビデノズルユニット(140)側に供給される洗浄水を35~45℃に加熱するための洗浄水ヒーター(190)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のフラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ。
【請求項4】
前記制御部(170)は、前記ビデノズルユニット(140)を前進させた状態で第3洗浄水路(145)のシールドノズル(146)を通して洗浄水を噴射することを特徴とする、請求項1に記載のフラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は腰掛便器に設置されるビデに関するものであり、より詳しくは用便の後に水を流すとき、腰掛便器の内部で発生した飛沫が外部に飛び出すことを防止してバスルームをより清潔な状態に維持することができる「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ビデ(BIDET)は洗浄便座を言うものであり、ホテル、旅館などの宿泊業者はもちろんのこと、一般家庭の排便設備である腰掛便器にも設置され、用便の後、適正の水圧の洗浄水で使用者の肛門及びその周辺を洗浄することで、落し紙を使わなくても用便後の処理が可能である衛生設備である。
【0003】
このようなビデは、腰掛便器の上部に沿って覆うように配置され、中央が開放している便座と、便座の開口部の後方側に配置され、洗浄水を噴出するための洗浄ノズルユニットと、便座の一側に配置され、停止/電源、便座温度、洗浄ノズルユニット動作などを制御するための多数の操作ボタンを備えた制御部とに大別される。便座には使用者が座っているかを感知するための着座センサーが備えられている。そして、制御ユニットは着座センサーを介して使用者が便座に座っているかを判断し、使用者が便座に座っている状態で操作ボタンで洗浄ノズルユニットを動作させるときにのみ洗浄水が噴出される。そして、このようなビデが配置された腰掛便器で用便を足した後、水を流せば、水槽に貯蔵されていた水が腰掛便器の内部に排出されながら渦流を発生させる。
【0004】
しかし、このような従来の腰掛便器においては、用便の後に水を流せば、フラッシングによって発生する渦流及び逆流の水圧によって飛沫(汚物)がバスルームの底面に飛び出し、特に目で識別しにくい細菌の飛散によってバスルームの全体が汚染される欠点がある。特に、従来の腰掛便器では、水節約のために、直水管または配水管を減らして排水圧を高める傾向がある。このような場合、腰掛便器の渦流が激しくなり、汚物排出の後、飛沫量及び細菌の飛散がより酷くなる欠点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明はこのような問題点を解決するためのものであり、本発明の目的は、洗浄水が噴出されるビデノズルユニットを改善することで、腰掛便器のフラッシングの際、渦流及び逆流の水圧によって発生する飛沫が腰掛便器の外部に飛び出す現象を防止してバスルームをより清潔な状態に維持することができる「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記のような目的を達成するための本発明は、腰掛便器の上部に載せられ、使用者が座って用便を足すことができるように中央部位が開放している便座と、前記便座の一側に配置され、使用者の着座有無を感知するための着座センサーと、前記便座の後方下側から前方に進退運動可能に配置され、先端から洗浄水を噴射することができるビデノズルユニットと、洗浄水供給ホースの中間に配置され、前記ビデノズルユニット側への洗浄水の供給を制御するための洗浄水バルブと、前記便座の一側に配置され、前記洗浄水バルブを開閉制御するための操作ボタンを備えた制御部とを含む腰掛便器用ビデであって、
前記洗浄水バルブの出口側の洗浄水供給ホースには、前記ビデノズルユニット側に供給される洗浄水に空気を混入させるためのエアポンプが備えられ、前記ビデノズルユニットは、先端の上部に、使用者の肛門及び局部に向けて洗浄水を噴出することができるビデノズルをそれぞれ備えた第1及び第2洗浄水路と、先端の下部に腰掛便器の底部に向けて洗浄水をドーム状に噴出するためのシールドノズルを備えた第3洗浄水路と、前記洗浄水バルブが開放して流入する洗浄水を第1、第2及び第3洗浄水路のいずれか一つに選択的に案内する分配器とを含み、前記制御部は、前記着座センサーを介して、使用者が用便の後に前記便座から起きることを感知して腰掛便器のフラッシング動作が実行されると、空気の混入された洗浄水を前記第3洗浄水路に供給するように前記分配器を制御するとともに前記洗浄水バルブを所定の時間の間に開放動作させることで、空気の混入された洗浄水を前記第3洗浄水路のシールドノズルを通して腰掛便器の上部からドーム状に噴射することにより、腰掛便器のフラッシングの際に発生した飛沫が腰掛便器(10)の外部に飛び出すことを防止することができることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記シールドノズルに逆漏斗形の拡散ガイドが配置されることで、空気の混入された洗浄水が前記シールドノズルを通して排出されながら前記拡散ガイドの外面に沿ってドーム状に分散されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記洗浄水バルブの出口側の洗浄水供給ホースに、前記ビデノズルユニット側に供給される洗浄水を35~45℃に加熱するための洗浄水ヒーターを備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記制御部が、前記ビデノズルユニットを前進させた状態で第3洗浄水路のシールドノズルを通して洗浄水を噴射することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
前記のような構成を有する本発明による「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」によれば、使用者が用便の後に便座から起きることを着座センサーで感知して腰掛便器のフラッシング動作が実行されれば、分配器が空気の混入された洗浄水を第3洗浄水路に供給するように案内するとともに洗浄水バルブが所定の時間の間に開放動作する。したがって、空気の混入された洗浄水が第3洗浄水路のシールドノズルを通して腰掛便器の上部からドーム状に噴射されることにより、腰掛便器のフラッシングの際、渦流及び逆流の水圧によって発生した飛沫が腰掛便器の外部に飛び出す現象を防止し、よってバスルームをより清潔な状態に維持することができる作用効果がある。
【0011】
また、本発明による「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」によれば、シールドノズルに逆漏斗形の拡散ガイドが配置されているので、空気の混入された洗浄水がシールドノズルを通して排出されながら拡散ガイドの外面に沿ってドーム状により幅広く分散される。したがって、フラッシングの際、洗浄水が腰掛便器の内部全域を覆うように広く分散されて排出されることにより、腰掛便器の内側底部で発生した飛沫が外部に飛び出すことをより効果的に防止することができる。
【0012】
また、本発明による「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」によれば、洗浄水バルブの出口側の洗浄水供給ホースに備えられた洗浄水ヒーターによって、ビデノズルユニット側に供給される洗浄水が35~45℃に加熱されるので、温水の噴射によって洗浄力及び脱臭効果をより向上させることができる利点がある。
【0013】
また、本発明による「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ」によれば、ビデノズルユニットを前進させた状態で第3洗浄水路のシールドノズルを通して洗浄水を噴射させれば、水流が腰掛便器の中央上部から下方にドーム状に維持されるので、飛沫の飛散現象をより効果的に防止することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による腰掛便器用ビデを概略的に示す図である。
図2】本発明に適用される腰掛便器用ビデのビデノズルユニットを抜粋して概略的に示す図である。
図3】本発明に適用される腰掛便器用ビデのビデノズルユニットを抜粋して概略的に示す図である。
図4】本発明によるビデノズルユニットの底面構造を概略的に示す図である。
図5】本発明によるビデの洗浄モードの際の洗浄水噴出動作を示す図である。
図6】本発明によるビデのビデモードの際の洗浄水噴出動作を示す図である。
図7】発明によるビデのフラッシングの際の洗浄水噴出動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による好適な一実施例を添付図面に基づいて説明する。添付図面を簡略に説明すると、図1図4は本発明による腰掛便器用ビデの全体的な構成及びビデノズルユニットの構成を示す図であり、図5図7は本発明による腰掛便器用ビデからのモード別の洗浄水噴出動作を示す図である。
【0016】
図1図3に示すように、本発明による「フラッシングの際の飛沫の飛散を防止することができる腰掛便器用ビデ100」は、電装品が配置され、腰掛便器10の後方部に固定される本体110と、本体110の前方部にヒンジ結合され、腰掛便器10の上部に載せられる便座120と、使用者の着座有無を感知するための着座センサー130と、便座120の後方下側から前方に進退運動可能に配置され、洗浄水を先端から噴射することができるビデノズルユニット140と、洗浄水供給ホース150の中間に配置され、ビデノズルユニット140側への洗浄水の供給を制御するための洗浄水バルブ160と、便座120の一側に配置され、前記洗浄水バルブ160を開閉制御するための操作ボタンを備えた制御部170とを備えている。
【0017】
便座120は腰掛便器10の上部に載せられ、使用者が座って用便を足すことができるように中央部位が開放している。
【0018】
着座センサー130は便座120の一側に配置されて使用者の着座有無を感知するものである。これは、微細電流が流れる使用者の尻部位が接触することを感知することができる静電センサーからなることが好ましい。制御部170は、この着座センサー130を介して、使用者が用便を足すために便座120に座るか、または用便を足してから起きたかを判断するようにプログラム化されている。
【0019】
ビデノズルユニット140は、本体110の中央部位に、先端部が腰掛便器10の中心に向かって下方に斜めに配置される。特に、ビデノズルユニット140は便座120の後方下側から前方に進退運動可能に配置され、先端から洗浄水を噴射することができる。このために、図2及び図3に示すように、ビデノズルユニット140は本体110の中央部位に固定的に配置されるラックバー149に沿って進退運動可能であり、先端の上部に使用者の肛門及び局部の周辺に向けて洗浄水を噴出することができるビデノズル142、144をそれぞれ備えた第1及び第2洗浄水路141、143と、先端の下部に腰掛便器10の底部に向けて洗浄水をドーム状に噴出することができるシールドノズル(shield nozzle)146を備えた第3洗浄水路145と、外部から流入する洗浄水を第1、第2及び第3洗浄水路141、143、145のうちのいずれか一つを選択して案内する分配器148とを備えている。第1洗浄水路141のビデノズル142は男女使用者の肛門洗浄のためのものであり、第2洗浄水路143のビデノズル144は女性使用者の局部洗浄のためのものである。また、第3洗浄水路145のシールドノズル146は、腰掛便器10のフラッシングの際、洗浄水を腰掛便器10の上部からドーム(DOME)状に噴霧してシールド膜を形成するためのものである。このようなシールドノズル146には、図3及び図4に示すように、上部から下部に行くほど直径が大きくなる逆漏斗形の拡散ガイド147が配置されることにより、洗浄水がシールドノズル146を通して排出されながら拡散ガイド147の外面に沿ってドーム状に分散される。言い換えれば、ビデノズル142、144は使用者の肛門や局部の周辺に向けて洗浄水を上側に直進させて噴出するように構成される一方で、シールドノズル146は腰掛便器10の内側上部から下方に向かって幅広くドーム状に噴霧するように構成されている。
【0020】
分配器148は、それぞれの制御モードによるモーターの駆動によって、外部から流入する洗浄水を第1、第2及び第3洗浄水路141、143、145のいずれか一つに選択的に案内するものである。このような分配器148の駆動は各モードによって制御部170にプログラム化されている。
【0021】
洗浄水バルブ160は、図2に示すように、洗浄水供給ホース150の中間に配置され、ビデノズルユニット140側への洗浄水の供給を制御するものであり、制御部170の電気的な信号に応じて開閉するソレノイドバルブから構成されることが好ましい。そして、洗浄水バルブ160の出口側(下流側)の洗浄水供給ホース150には、ビデノズルユニット140側に供給される洗浄水に空気を混入させるためのエアポンプ180が配置されている。洗浄水に空気を混入させることは、水をより柔らかに噴出して洗浄するためである。また、洗浄水バルブ160の出口側の洗浄水供給ホース150には、ビデノズルユニット140側に供給される洗浄水を35~45℃に加熱するための洗浄水ヒーター190が備えられている。本発明の実施例では、洗浄水が洗浄水ヒーター190を通りながら40℃程度に加熱されるように設定されている。これは、ビデノズルユニット140側に温水を供給することによって洗浄力及び脱臭力をより向上させるためである。
【0022】
制御部170は、使用者が座っている状態で便利に操作することができるように、便座120の一側に配置される。これには、停止/電源171、洗浄172、ビデ173、乾燥174、脱臭175などのような多様な機能を制御するための多数のボタン171~175が配置されている。すなわち、使用者が用便を足した後、洗浄ボタン172を押すと、分配器148は空気の混入された洗浄水を第1洗浄水路141に案内し、これにより洗浄水が第1洗浄水路141のビデノズル142を通して噴射される。そして、ビデボタン173を押すと、分配器148は空気の混入された洗浄水を第2洗浄水路143に案内し、これにより洗浄水が第2洗浄水路143のビデノズル144を通して噴射される。
【0023】
一方、使用者が便座120から起きると、制御部170は、機構的または電気的な操作によって水が貯蔵された水槽20のフラッシングバルブ(図示せず)を開放させることで、フラッシング動作が実行されるようにする。また、第3洗浄水路145のシールドノズル146を通して空気の混入された洗浄水を所定の時間の間に噴射するように、分配器148、洗浄水バルブ160及びエアポンプ180を制御するようになる。
【0024】
次に、制御部170の操作モードによるビデノズルユニット140の洗浄水噴出過程及びこれによる作用効果を図5図7に基づいてより詳細に説明する。
【0025】
まず、使用者が便座120に座って用便を足した後、その状態で制御部170の洗浄ボタン172を押すと、ビデノズルユニット140が所定の距離前進し、分配器148によって、外部から流入する洗浄水は第1洗浄水路141に案内され、洗浄水バルブ160が所定の時間の間に開放動作し、エアポンプ180が駆動される。したがって、図5に示すように、空気の混入された洗浄水は第1洗浄水路141のビデノズル142を通して上側に噴出されて使用者の肛門及びその周辺を洗浄するようになる。一方、洗浄水バルブ160の開放によって流入する洗浄水は洗浄水ヒーター190を通りながら加熱されることにより、40℃程度の温水によって洗浄がなされる。このような洗浄モード動作は制御部170に設定された時間の間に実行され、設定時間の洗浄水噴出が完了すると、ビデノズルユニット140は後進して待機状態を維持する。
【0026】
そして、女性使用者が便座120に座って小便を足した後、制御部170のビデボタン173を押すと、ビデノズルユニット140が所定の距離前進し、分配器148によって、外部から流入する洗浄水は第2洗浄水路143に案内され、洗浄水バルブ160が所定の時間の間に開放動作し、エアポンプ180が駆動される。したがって、図6に示すように、空気の混入された洗浄水は第2洗浄水路143のビデノズル144を通して上側に噴出されて女性使用者の局部及びその周辺を洗浄するようになる。洗浄水バルブ160の開放の際に流入する洗浄水は洗浄水ヒーター190を通りながら加熱されることにより、40℃程度の温水による洗浄がなされる。このようなビデモード動作は制御部170に設定された時間の間に実行され、設定時間の洗浄水噴出が完了すると、ビデノズルユニット140は再び後進して待機状態を維持する。
【0027】
一方、使用者が用便の後に便座120から起きれば、制御部170は機構的または電気的な操作で水の貯蔵された水槽20のフラッシングバルブ(図示せず)を開放させてフラッシング動作を実行する。また、制御部170は、洗浄水バルブ160を所定の時間(本発明の実施例では13~16秒)開放動作させ、エアポンプ180を駆動させ、分配器148は、外部から流入する洗浄水を第3洗浄水路145に案内するように、制御する。したがって、図7に示すように、腰掛便器のフラッシングモードでは、空気の混入された洗浄水が第3洗浄水路145のシールドノズル146を通して腰掛便器10の上部から下方にドーム状に所定の時間の間に噴霧されることにより、腰掛便器10のフラッシングの際、渦流及び逆流の水圧によって発生する飛沫が腰掛便器10の外部に飛び出すことを防止することができる。特に、シールドノズル146には逆漏斗形の拡散ガイド147が配置されているので、空気の混入された洗浄水はシールドノズル146を通して排出され、拡散ガイド147の外面に沿ってより幅広く分散される。このときにも、洗浄水バルブ160を通して流入する洗浄水は洗浄水ヒーター190を通りながら加熱されることにより、シールドノズル146及び拡散ガイド147を通して40℃程度の温水が分散されて排出される。このような第3洗浄水路145のシールドノズル146を通しての洗浄水の噴霧動作は、ビデノズルユニット140の後進及び前進状態のいずれでも実行されることができる。好ましくは、図7に示すように、ビデノズルユニット140が前進した状態で第3洗浄水路145のシールドノズル146を通して洗浄水(温水)を噴射させると、水流が腰掛便器10の中央上部から下方に向かってドーム状に維持されることにより、飛沫の飛散現象をより効果的に防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明はビデノズルユニットを改善することで、腰掛便器のフラッシングの際、洗浄水を腰掛便器の底部に向けてドーム状に噴射することにより、腰掛便器の内部で発生した飛沫が外部に飛び出す現象を防止することができる「腰掛便器用ビデ」の分野に幅広く適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
10 腰掛便器
20 水槽
100 ビデ
110 本体
120 便座
130 着座センサー
140 ビデノズルユニット
141 第1洗浄水路
142 ビデノズル
143 第2洗浄水路
144 ビデノズル
145 第3洗浄水路
146 シールドノズル
147 拡散ガイド
148 分配器
149 ラックバー
150 洗浄水供給ホース
160 洗浄水バルブ
170 制御部
171~175 操作ボタン
180 エアポンプ
190 洗浄水ヒーター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】