IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ネクスティン,インク.の特許一覧

<>
  • 特表-半導体製造装置 図1
  • 特表-半導体製造装置 図2
  • 特表-半導体製造装置 図3
  • 特表-半導体製造装置 図4
  • 特表-半導体製造装置 図5
  • 特表-半導体製造装置 図6
  • 特表-半導体製造装置 図7
  • 特表-半導体製造装置 図8
  • 特表-半導体製造装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】半導体製造装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/302 101B
H01L21/302 101C
H01L21/302 101D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543090
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-08-23
(86)【国際出願番号】 KR2022008951
(87)【国際公開番号】W WO2022270945
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082660
(32)【優先日】2021-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523269018
【氏名又は名称】ネクスティン,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】ナ, スン-ジュ
(72)【発明者】
【氏名】パク, フン-ギュン
(72)【発明者】
【氏名】イム, グン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム, ムン ファン
【テーマコード(参考)】
5F004
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BA04
5F004BA20
5F004BB02
5F004BB14
5F004BB18
5F004BB24
5F004BB31
5F004DA22
5F004DA23
5F004DA26
(57)【要約】
本発明の実施形態による半導体製造装置は、紫外線発生チャンバ内に配設され、標的波長の紫外線を発生させる紫外線発生部、中に供給される基板が紫外線で処理されるプロセス・チャンバ内に配設され、供給された基板を支持するチャックと、チャックを回転させ、これを上下に移動させる軸とを含む、基板駆動部、および、紫外線発生チャンバとプロセス・チャンバとの間に配設され、発生させた紫外線をプロセス・チャンバへ透過させる窓を備える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造装置であって、
標的波長の紫外線を発生させるために紫外線発生チャンバ内に配設される紫外線発生部、
載置された基板が前記紫外線で処理されるプロセス・チャンバ内に配設されて、前記載置された基板を支持するチャックと、前記チャックを回転させるように構成されるシャフトと、を含む、基板駆動部、および
前記発生させた紫外線を前記プロセス・チャンバへ透過させるために前記紫外線発生チャンバと前記プロセス・チャンバとの間に配設される窓
を備える、半導体製造装置。
【請求項2】
前記紫外線発生部は、前記発生させた紫外線を前記プロセス・チャンバへ反射させるように構成される1つまたは複数の反射部材をさらに含む、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記紫外線発生部は、前記標的波長の前記紫外線を発生させるためにプラズマを発生させ、プラズマ発生部、ガス供給部、および前記紫外線発生チャンバの内側に真空を形成する真空発生部を含む、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記ガス供給部は、ヘリウム(He)、酸素(O)、およびアルゴン(Ar)ガスのうちの1つまたは複数を提供する、請求項3に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
前記紫外線発生部は、前記標的波長の前記紫外線を発生させるためにパルス時間変調プラズマを発生させる、請求項3に記載の半導体製造装置。
【請求項6】
前記プラズマ発生部は、容量結合プラズマ(CCP)発生装置、誘導結合プラズマ発生装置、およびマイクロ波応用デバイスのうちの任意の1つを含む、請求項3に記載の半導体製造装置。
【請求項7】
前記窓内で、パターンが、前記窓の少なくとも1つの表面上に形成されるか、またはフィルタが、前記窓の前記少なくとも1つの表面上に形成される、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項8】
前記窓の少なくとも一部分は、サファイア、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、およびフッ化リチウム(LiF)のうちの任意の1つを含む材料で形成される、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項9】
複数の紫外線発生部を備える、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項10】
半導体製造装置であって、
標的波長の紫外線を発生させるために紫外線発生チャンバ内に配設される紫外線発生部、
載置された基板が前記紫外線で処理されるプロセス・チャンバ内に配設されて、前記載置された基板を支持するチャックと、前記チャックを回転させるように構成されるシャフトと、を含む、基板駆動部、
前記発生させた紫外線を前記プロセス・チャンバへ透過させるために前記紫外線発生チャンバと前記プロセス・チャンバとの間に配設される窓、および
荷電粒子を加速させて前記基板に提供するように構成される格子板
を備え、
前記格子板は、異なる半径を有する複数の電極線と、複数の孔がそれぞれ前記電極線内に形成される格子電極とを含む、半導体製造装置。
【請求項11】
前記格子板は、第1の方向に延びる格子電極、および前記第1の方向とは異なる方向である第2の方向に延びる格子電極をさらに含む、請求項10に記載の半導体製造装置。
【請求項12】
前記基板上に生成される静電電圧に相当する電圧を前記格子板に供給するように構成される格子板制御器をさらに備える、請求項10または11に記載の半導体製造装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体産業の統合が増加するにつれて、半導体素子のサイズおよび面積は減少する傾向がある。したがって、半導体素子を形成するパターンのサイズおよび薄膜の厚さが減少しており、また具体的には、関連技術においてこれまで著しい影響力を持っていなかった因子が、半導体素子の開発における重要な因子として台頭している。これらの因子のうちの1つとして、基板上で発生する静電気が挙げられる。
【0003】
半導体基板上で発生する静電気の原因としては、脱イオン水の使用、および帯電塑性材料からの電荷移動、誘導帯電(電荷)、または同様のものが挙げられる。
【0004】
半導体基板の静電気は主に、回転運動を使用した光プロセスまたは清浄プロセスにおいて発生し、また静電気は、遠心力の違いに起因して、大部分は中心部分に集中していることが知られている。すなわち、光レジスト・コーティング・プロセスにおいては、基板の中心部分における空気流の集中が、ウェハの高速回転に起因して、外周面と比較して3倍以上増加するため、静電気は、遠心力が比較的弱い中心部分あたりで発生する。中心部分で発生する強力な電場によって引き起こされる静電気は、ウェハの表面上、表面上の多層膜の内側、および表面上に形成される光レジスト・パターンに帯電する。
【0005】
半導体基板が、その中心部分あたりを高電圧で帯電されるとき、基板の中心部分に相当する領域において、電荷は、絶縁体である光レジスト・パターン、酸化膜、または同様のものなどの半導体基板表面上に帯電するだけでなく、電荷は、基板表面から既定の深さ、および故に、低い運動エネルギーを有するイオンによる中和が発生するのが不可能である状態まで帯電する。半導体基板に帯電する静電電圧は、プロセスのタイプ、材料、およびパターン形状などの多くの変数を有し、一般的には、-100V~+100Vで発生する。
【0006】
例えば、100V以下の帯電電圧が、10nmの超小型回路内の絶縁被膜などの半導体基板上で発生するとき、「5」以上のアスペクト比を有するパターンPまたは同様のものが形成され、パターン幅が狭いことから、イオン化装置から発生した正イオンと負イオンとの間の自己中和効果、および半導体基板とイオンとの間の低電圧差による低い起電力によって引き起こされるイオン衝突の減少に起因して、薄膜内に蓄積した静電気を除去することは困難である。
【0007】
軟X線イオン化装置を使用して、半導体基板に対して1000Vで帯電した静電気を100V以下へ減少させるためには、1~2秒以内の減衰時間が必要とされる。しかしながら、100V以下の初期帯電電圧が発生するとき、帯電電圧を標的電圧以下に減少させるには長い時間がかかる。
【0008】
さらには、イオン化装置のイオン密度が一般的には10であることを考慮すると、帯電が半導体基板内の光レジストの下で酸化膜の内側で発生し、イオン密度が10以上になるとき、半導体基板上で発生する静電気を、従来のイオン化装置を使用して除去することができない。
【0009】
この場合、真空チャンバ内に10以上の高密度プラズマを発生させることによって半導体基板の静電気を除去する方法が存在し得る。
【0010】
しかしながら、真空チャンバ構成の場合、イオンが追加的に表面全体に帯電する問題が、プラズマ・タイプによる自己バイアスおよびプラズマ均一性に起因して起こり得る。さらに、超小型回路は、半導体基板上に不規則なパターンで生成され得、異なる電圧の静電気が、パターンの特性に従ってそれぞれ部分的に帯電し得る。すなわち、-20~-50Vまたはそれ以上の静電電圧が、半導体基板の部分に応じて分布され得る。
【0011】
したがって、イオンが基板に均一に供給されるとき、同じ強度のイオンが、基板の表面全体にわたって半導体基板に放出され、したがって、オーバーシュートによる帯電が、追加的に、半導体基板上で発生する静電電圧よりも高い電圧レベルが印加される領域において発生し得る。
【0012】
さらには、イオンは、電荷が酸化膜および/またはパターン内に帯電するときには、静電気を中和するために高エネルギーを提供されるべきであるが、反応性ラジカルおよび/または反応性イオンが高エネルギーで基板に照射されるとき、イオンは、基板、および表面上に形成されるパターンと衝突し、損傷をもたらし得る。
【0013】
具体的には、パターンを伴う小型構造を有する半導体基板が10nm以下である場合、正イオン、負イオン、または電子による帯電は、半導体素子の性能および歩留まりに対してより大きな影響を有する。
【0014】
この点に関して、関連技術文書1(韓国特許登録第10-1698273号)および関連技術文書2(韓国公開特許第10-2004-0040106号)において、イオン化装置を使用して半導体基板から静電気を除去するための構成が開示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
実施形態は、関連技術の上記困難を解決するために提供される。すなわち、実施形態は、半導体基板上に発生する静電気および基板上に配設されるパターンを中和する装置を提供することを対象にする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
実施形態による半導体製造装置は、標的波長の紫外線を発生させるために紫外線発生チャンバ内に配設される紫外線発生部、載置された基板が紫外線で処理されるプロセス・チャンバ内に配設され、載置された基板を支持するチャックと、チャックを回転させるように構成されるシャフトとを含む基板駆動部、および、発生させた紫外線をプロセス・チャンバへ透過させるために紫外線発生チャンバとプロセス・チャンバとの間に配設される窓を含む。
【0017】
実施形態の任意の1つの態様によると、紫外線発生部は、発生させた紫外線をプロセス・チャンバへ反射させるように構成される1つまたは複数の反射部材をさらに含み得る。
【0018】
実施形態の任意の1つの態様によると、紫外線発生部は、標的波長の紫外線を発生させるためにプラズマを発生させ得、また、プラズマ発生部、ガス供給部、および紫外線発生チャンバの内側に真空を形成する真空発生部を含み得る。
【0019】
実施形態の任意の1つの態様によると、ガス供給部は、ヘリウム(He)、酸素(O)、およびアルゴン(Ar)ガスのうちの1つまたは複数を提供し得る。
【0020】
実施形態の任意の1つの態様によると、紫外線発生部は、標的波長の紫外線を発生させるためにパルス時間変調プラズマを発生させ得る。
【0021】
実施形態の任意の1つの態様によると、プラズマ発生部は、容量結合プラズマ(CCP)発生装置、誘導結合プラズマ発生装置、およびマイクロ波応用デバイスのうちの任意の1つを含み得る。
【0022】
実施形態の任意の1つの態様によると、窓内で、パターンが、窓の少なくとも1つの表面上に形成され得るか、またはフィルタが、窓の少なくとも1つの表面上に形成され得る。
【0023】
実施形態の任意の1つの態様によると、窓の少なくとも一部分は、サファイア、フッ化マグネシウム(MgF)、フッ化カルシウム(CaF)、およびフッ化リチウム(LiF)のうちの任意の1つを含む材料で形成され得る。
【0024】
実施形態の任意の1つの態様によると、半導体製造装置は、複数の紫外線発生部を含み得る。
【0025】
実施形態による半導体製造装置は、標的波長の紫外線を発生させるために紫外線発生チャンバ内に配設される紫外線発生部、載置された基板が紫外線で処理されるプロセス・チャンバ内に配設され、載置された基板を支持するチャックと、チャックを回転させるように構成されるシャフトとを含む基板駆動部、発生させた紫外線をプロセス・チャンバへ透過させるために紫外線発生チャンバとプロセス・チャンバとの間に配設される窓、および、荷電粒子を加速させて基板に提供するように構成される格子板、を含み、格子板は、異なる半径を有する複数の電極線と、複数の孔がそれぞれ電極線内に形成される格子電極と、を含む。
【0026】
実施形態の任意の1つの態様によると、格子板は、第1の方向に延びる格子電極、および第1の方向とは異なる方向である第2の方向に延びる格子電極をさらに含み得る。
【0027】
実施形態の任意の1つの態様によると、半導体製造装置は、基板上に生成する静電電圧に相当する電圧を格子板に供給するように構成される格子板制御器をさらに含み得る。
【発明の効果】
【0028】
実施形態によると、半導体基板上で発生する静電気および基板上に配設されるパターンが中和され得るという利点が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態による半導体製造装置の概要を例証する断面図である。
図2図2(a)は、紫外線波長域による、窓の材料のうちの1つであるフッ化マグネシウムの透過率を例証する図である。図2(b)は、紫外線波長域による、窓の材料のうちの1つであるフッ化カルシウムの透過率を例証する図である。
図3図3(a)は、パターンが窓300の1つの表面上に形成される状態を例証する図である。図3(b)は、フィルタ310が窓の任意の1つの表面上に形成される状態を例証する図である。
図4】半導体製造装置の別の実施形態を例証する図である。
図5図5(a)~(d)は、窓の実施形態の平面図である。
図6】格子板の概要を例証する分解斜視図である。
図7】第1の格子電極を製造するプロセスを概略的に例証する図である。
図8】上から見たときの、第1~第3の格子電極が配設および積層される形状を例証する図である。
図9】好ましい実装形態例による半導体製造装置の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以後、実施形態は、添付の図面を参照して説明される。図1は、実施形態による半導体製造装置10の概要を例証する断面図である。図1を参照すると、実施形態による半導体製造装置10は、標的波長の紫外線を発生させるために紫外線発生チャンバ11内に配設される紫外線発生部と、載置された基板が紫外線で処理されるプロセス・チャンバ21内に配設され、載置された基板を支持するチャック210と、チャック210に接続されるシャフト220を回転させる、持ち上げる、および下げるチャック駆動部220と、発生させた紫外線をプロセス・チャンバ21へ透過させるために紫外線発生チャンバ11とプロセス・チャンバ21との間に配設される窓300と、を含む。
【0031】
紫外線発生部100は、標的波長の紫外線を発生させるためにプラズマを発生させる。1つの実施形態において、紫外線発生部は、プラズマ発生部110、ガス供給部120、および真空発生部130を含み得、また例えば、発生させた紫外線を反射させてプロセス・チャンバ21に提供する反射部材140を含み得る。
【0032】
1つの実施形態において、真空発生部130は、紫外線発生チャンバ11の内側を真空に維持する。例えば、真空発生部130は、紫外線発生チャンバ11内の材料をチャンバの外側へ排出する真空ポンプ(図示せず)、内部真空度を検出することができる真空計(図示せず)、材料の流出入を制御する弁(図示せず)、および構成要素を接続するパイプ(図示せず)を含む。真空発生部130は、紫外線発生チャンバ11の真空度を10-1~10-4トールに維持し得る。
【0033】
ガス供給部120は、プラズマを発生させるためのガスを提供する。紫外線発生部100によって生成される紫外線の波長は、ガス供給部120によって提供されるガスに従って調節され得る。例えば、ガス供給部120は、ヘリウム(He)、酸素(O)、アルゴン(Ar)、および同様のものなどのガスを提供し得、提供されたガスの流量は、10~1000sccmであり得る。
【0034】
プラズマ発生部110は、紫外線発生チャンバ11内でプラズマを発生させる。1つの実施形態において、プラズマ発生部110は、容量結合プラズマ(CCP)発生デバイスであり、無線周波数(RF)、直流、および高周波数-低周波数電気信号が、デバイス内に配設される2つの別個の金属電極に提供されると、プラズマが生成される。1つの実施形態において、プラズマ発生部110に提供される電気信号は、パルスまたは連続波(CW)であり得る。
【0035】
別の実施形態において、プラズマ発生部110は、誘導結合プラズマ(ICP)発生デバイスであり、ここでは、電流がデバイス内に位置するコイルを通って流れると磁場が生成され、誘導結合プラズマ発生デバイスは、このやり方で生成される磁場からプラズマを発生させる。1つの実施形態において、プラズマ発生部110に提供される電気信号は、パルスまたは連続波(CW)であり、1MHz以上の帯域の信号が提供され得る。
【0036】
依然として別の実施形態において、プラズマ発生部110は、マイクロ波提供デバイスであり得、また、RF帯域の電気信号を紫外線発生チャンバ11に提供することによってプラズマを発生させ得る。1つの実施形態において、プラズマ発生部110に提供される電気信号の周波数は、2.45GHzまたはこれより高く、パルスまたは連続波が提供され得る。プラズマ発生部110は、説明されるようにプラズマを発生させ得、また、パルス時間変調プラズマを発生させ得る。
【0037】
プラズマ発生部110によって生成されるプラズマ内で励起される電子は、再び基底状態まで降下し、励起状態と基底状態との間のエネルギー差に相当するエネルギーを有する光が、外側へ放出される。このやり方で生成される光の波長域は、赤外領域、可視線領域、および紫外領域であり得るが、エネルギーは、半導体基板内に捕捉される電荷および/または半導体基板上に形成されるパターンを中和するために、少なくとも紫外域のエネルギーよりも大きいかこれに等しくなければならない。
【0038】
紫外域は、近紫外(NEAR UV、300nm~380nm)域、遠紫外(FAR UV、200nm~300nm)域、および波長域によると遠紫外域よりも短い波長を有する真空紫外(VUV、真空UV、70nm~200nm)域へと分類され得、好ましい実施形態による紫外線発生部は、真空紫外(VUV)域にある紫外線を発生させ得る。
【0039】
紫外線発生部によって生成される紫外線は、紫外線発生チャンバ11から窓300を通ってプロセス・チャンバ210へ提供される。1つの実施形態において、紫外線発生部は、反射部材140をさらに含む。紫外線発生部によって生成される紫外線は、径方向に放射されるため、反射部材140は、放射された紫外線を基板Sへ向かう方向に反射させ、提供する。
【0040】
1つの実施形態において、反射部材140は、異なる屈折率を有する複数の材料層が交互に積層される分布ブラッグ反射器(DBR)であり得る。さらに、複数の反射部材140が、紫外線発生チャンバ11内に配設され得る。
【0041】
紫外線発生部によって生成される紫外線は、窓300を通って透過され、プロセス・チャンバ11に提供される。高エネルギーを有する紫外線は、高線形を有し、ほんの数センチメートルの空気層によって吸収され、こうしてエネルギーが失われる。したがって、窓300は、標的波長域の紫外線の透過率が高い材料で形成され得る。図2(a)は、紫外線波長域による、窓300の材料のうちの1つであるフッ化マグネシウム(MgF)の透過率を例証する図である。図2(a)を参照すると、5mmの厚さを有するフッ化マグネシウムは、140nmの波長で70%の透過率を有することが分かり、波長が140nmから200nmへ増加すると、透過率が70%から90%へ増加することが分かる。
【0042】
図2(b)は、紫外線波長域による、窓の材料のうちの1つであるフッ化カルシウム(CaF)の透過率を例証する図である。図2(b)を参照すると、5mmの厚さを有するフッ化カルシウムは、140nmの波長でおよそ65%の透過率を有することが分かり、波長が140nmから200nmへ増加すると、透過率が65%から90%へ増加することが分かる。
【0043】
図面には示されないが、フッ化リチウム(LiF)およびサファイアのうちの任意の1つが、窓300の材料として使用されてもよい。フッ化リチウム(LiF)およびサファイアは、図2(a)および図2(b)に例証されるフッ化マグネシウムおよびフッ化カルシウムの透過率と同様の範囲内の透過率を有する。したがって、これらの材料は、窓300を形成するために使用され得る。
【0044】
図3(a)は、パターンが窓300の1つの表面上に形成される状態を例証する図である。図3(a)を参照すると、表面積は、窓300の1つまたは複数の表面上にパターンを形成することによって増加され得る。受光面積は、窓300の表面積を増加させることによって増加され得、故に、窓300から透過されることになる光の量が増加され得る。さらには、窓300の表面から反射される波が、裏面を通って再入射および透過されて、透過光の量を増加させ得る。窓300の表面上に形成されるパターンは、基板Sの構造および特性に従って設計されるエッチング・プロファイルによって形成され得、これは、プロセスの効率を改善するために適用され得る。
【0045】
図3(b)は、フィルタ310が窓300の任意の1つの表面上に形成される状態を例証する図である。図3(b)に例証される実施形態において、フィルタ310は、標的波長域以外の帯域の光をブロックするカット・オフ・フィルタであり得る。例えば、フィルタ310は、コーティングまたは同様のものなどの方法を使用して窓300の1つまたは複数の表面上に形成され得る。
【0046】
再び図1を参照すると、プロセス・チャンバ21内へ載置された基板Sは、チャック210上に配設される。チャック210は、シャフト222に接続されるチャック駆動部220によって駆動される。チャック210は、載置された基板Sを固定および保持する。例えば、凹部および顎部がチャック210内に形成され、凹部内に配設される基板Sは、顎部を使用して固定され得る。別の例として、吸入孔がチャック210内に形成され、チャック210は、吸入孔を使用して基板Sとの接触表面を吸入することによって基板Sを固定し得る。しかしながら、これは単に1つの実施形態であり、基板Sは、他のやり方でチャックに固定され得る。
【0047】
チャック210は、シャフト222を通じてチャック駆動部220に接続される。チャック駆動部220は、基板Sが配設されるチャック210を持ち上げる、または下げるために、シャフト222を持ち上げ、または下げて、紫外線発生部からの距離を調節し得る。別の実施形態において、基板Sは、スペーサ(図示せず)またはキャリアプレート(図示せず)を用いてチャック210に固定され得る。
【0048】
さらに、チャック駆動部220は、基板Sが配設されるチャック210を回転させるために、シャフト222を回転させ得る。以下に説明されるように、紫外線発生チャンバ11から生成される紫外線は、シャフトを回転させることにより、基板S上に均一に照射され得る。
【0049】
示されない実施形態において、真空発生部およびガス供給部が、プロセス・チャンバ21内に形成され得る。プロセス・チャンバ21が大気圧に維持されるとき、窓300を通じて提供される紫外線は、プロセス・チャンバ21の空気によって吸収され得、故に、基板に提供されない場合がある。したがって、プロセス・チャンバ21内に配設される真空発生部130は、プロセス・チャンバ11内の真空度を100mT以下に維持する。
【0050】
さらに、正イオン、負イオン、および電子などの荷電粒子は、プロセス・チャンバ21内で基板S内に捕捉される電荷を中和することが必要とされ得る。したがって、標的ガスを注入するガス供給部は、プロセス・チャンバ21内に形成され得る。ガス供給部によって提供されるガスは、荷電粒子を発生させるためにプロセス・チャンバ21に入った紫外線のエネルギーによってイオン化され得る。
【0051】
図4は、半導体製造装置の別の実施形態を例証する図である。図4を参照すると、複数の紫外線発生部100が、紫外線発生チャンバ11内に位置付けられ得る。紫外線発生部100によって生成される紫外線の波長が短くなるほど、紫外線の直線性が増加し、故に、紫外線を基板Sの全域に均一に照射することは困難であり得る。したがって、実施形態において、複数の紫外線発生部100が、基板Sに対して紫外線処理を実施するために配設され得る。
【0052】
図4に例証される実施形態において、紫外線発生部100は、遮断壁600によって分離され得る。例証された実施形態において、遮断壁600および窓300は、互いと接触することはないが、示されない実施形態において、遮断壁600および窓300は互いと接触する。さらに、紫外線発生部100は、異なる波長の紫外線をそれぞれ発生させ、紫外線を基板Sに提供し得る。
【0053】
図5(a)~図5(d)は、窓300の実施形態の平面図である。図5(a)は、窓300が、分離されない単一の材料で形成される状態を例証する。窓300は、フレーム310によって支持され得る。図5(b)は、1つの窓が中心領域300aおよび周辺領域300bに分割され、中心領域300aおよび周辺領域300bの両方がフレーム310によって支持され得る場合を例証する。
【0054】
図1に例証されるように、基板Sが固定されるチャック210がチャック駆動部220によって回転するため、基板Sは、チャック210が回転するとシャフト222の周りを回転する。したがって、基板Sが回転すると、窓300を通じて提供される紫外線は、基板の前面全体に提供され得る。図5(c)を参照すると、1つの窓300の中心は、基板が周りを回転する中心Cから偏心して配設され得、窓300の直径は、基板Sの半径よりも大きいかこれに等しくてもよい。したがって、窓300の直径は、基板Sの直径よりも小さいが、基板Sが回転すると、紫外線は、基板の表面全体に提供される。
【0055】
図5(d)を参照すると、窓は、各々が基板Sの半径よりも小さい直径を有する複数の窓要素300d、300e、および300fを含み得る。複数の窓要素は、基板の回転中心Cから偏心であるように位置付けられ得る。したがって、窓300の直径は、基板Sの直径よりも小さいが、基板Sが回転すると、紫外線は、基板の表面全体に提供される。窓要素300d、300e、および300fは、基板が回転するときに紫外線が提供されない基板の部分が存在しないように配設され得る。さらに、基板Sの中心C近くに捕捉される電荷の量が大きいため、窓要素300eは、大量の紫外線が中心部分に照射され得るように配設され得る。
【0056】
以後、半導体製造装置の好ましい実装形態例が、添付の図面を参照して説明される。実装形態例は、格子板300をさらに含む。図6は、格子板の概要を例証する分解斜視図であり、図7は、第1の格子電極410を製造するプロセスを概略的に例証する図である。図6および図7を参照すると、格子板400は、図6(a)に例証される円形構造を有する第1の格子電極410のみを含み得、またさらに、第2の格子電極420および第3の格子電極430をさらに含み得る。
【0057】
図6(a)に例証されるように、格子板400は、ポリイミド(PI)、エポキシ、または同様のものなどの絶縁層411上に配設される、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、もしくは同様のものなどの金属材料、または炭素、もしくは同様のものなどのグラファイトを含む、導電材料で形成される複数の電極線LXを含む。
【0058】
第1の格子電極410は、複数の電極線LXを含む。電極線LXは、金属層412が異なる半径を有し得るように金属層412をパターン化することによって形成され得、また、パターン化された金属層412において既定の直径を有する複数の孔Hを形成することによって形成され得る。
【0059】
第2の格子電極420は、導電材料で形成され、また第1の方向において既定の距離に互いから離間されるように形成される複数の電極線LYを含み、第3の格子電極430は、導電材料で形成され、また第2の方向において既定の距離に互いから離間されるように形成される電極線LZを含む。
【0060】
互いから離間された導電性電極線LX、導電性電極線LY、および導電性電極線LZは、既定の距離に互いから離間され、また、互いと電気的に接触しないように積層および配設される。ここでは、第1の格子電極410、第2の格子電極420、および第3の格子電極430の位置は、互いに変化され得る。
【0061】
第1の格子電極410においては、異なる半径を有する複数の電極線LXおよび複数の絶縁層が交互に配設されるため、電極線は、互いから絶縁され得、複数の孔が、電極線内にそれぞれ形成され得る。
【0062】
第1の格子電極410は、絶縁層411上に形成され得る。さらに、絶縁層411の厚さは、1mm~30mmであり得、金属層412の厚さは、1~10mmであり得、金属層412上に形成される電極線LXの幅は、10mm~50mmであり得る。電極線LX間の分離距離は、10mm~50mmであり得る。金属層412の中心部分における電極線LXは、より多くの孔Hが第1の格子電極410の中心部分に形成され得るように、既定の面積を有するように構成され得、孔Hの直径は、0.1~5mmのサイズに設定され得る。
【0063】
絶縁層411の中心部分には、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、または同様のもので形成される金属板が提供され得る。これは、孔Hの壁のプレーティング中に、接着を増加させ、格子電極を強化し得る。
【0064】
さらに、第1の格子電極410と第1の格子電極410に隣接する第2の格子電極420との間の分離距離は、第1の格子電極410の孔Hを通って放出されるイオンまたは電子が、既定の範囲内で拡散されている状態で第2の格子電極420内へ導入され得るように、既定の距離よりも大きいかこれに等しい分離距離であり得る。
【0065】
第1の格子電極410の電極線LXの各々、第2の格子電極420の電極線LYの各々、および第3の格子電極430の電極線LZの各々は、格子制御デバイス500に接続される。すなわち、格子制御デバイス500は、電極線LX、LY、およびLZに独立して電力を供給する。
【0066】
さらに、第1~第3の格子電極410、420、および430は、プロセス・チャンバ21内に提供される支持手段(図示せず)によってチャンバの内側に固定され、既定の分離距離を形成するように配設されるか、または、分離距離は、第1~第3の格子電極410、420、および430の間の縁部分、または縁部分を含む、既定の単位での分離距離に相当する高さを有するスペーサ(図示せず)を追加的に提供することによって形成され、故に、電気的に絶縁されるように配設および積層される。
【0067】
第1の格子電極410において、異なる直径を有する楕円または同心円の形態にある既定の領域を有する複数の円形電極線LXが、同じ中心点に基づいて外向き方向に既定の距離に互いから分離されるように配設される。したがって、第1の格子電極410は、半導体基板1上に形成される静電気パターンに相当するように形成され得る。
【0068】
第2および第3の格子電極420および330の電極線LYおよびLZは、10°~90°の範囲内で任意の交差角を形成するように配設される。図6(b)に例証されるように、上から見たとき、第2の格子電極410および第3の格子電極420の電極線が互いに交差するため、網目形状が形成される。好ましくは、第2および第3の格子電極420および430の電極線は、格子パターンを形成するためにX軸方向およびY軸方向に形成され得る。
【0069】
その一方で、図8は、上から見たときの、第1~第3の格子電極410、420、および430が配設および積層される形状を例証する図である。図8を参照すると、第1の格子電極410の電極線LXならびに第2および第3の格子電極420および430の電極線LYおよびLZ内に形成される孔Hが互いに交差するため、格子板500の上側に配設されるイオンまたは電子は、電極線LX内に形成される孔Hを通じて下側へ放出される。
【0070】
すなわち、図8に示されるように、半導体プロセスが完了した後に半導体基板1の静電特性を測定した結果として、正電圧の第1の静電領域T1および負電圧の第2の静電領域T2が存在するとき、第1の静電領域T1の逆電圧である負電圧は、第1の静電領域T1に相当する電極線LX4、LX5、LY7、LY8、LY9、LZ1、LZ2、およびLZ3に供給され、第2の静電領域T2の逆電圧である正電圧は、第2の静電領域T3に相当する電極線LX1、LX2、LY2、LY3、LY4、LZ5、LZ6、およびLZ7に供給される。
【0071】
例えば、異なる強度のイオンまたは電子が、「+20V」である第1の静電領域T1の電極線に「-20V」の逆電圧を供給し、「-50V」である第2の静電領域T2の電極線に「+50V」の逆電圧を供給することによって、半導体基板1上の異なる位置に形成される異なる電圧の静電領域に放出されると、異なる領域に生成される異なる特性の静電気は、同時に除去される。
【0072】
さらに、図8において、対応する静電電圧に対して反対の極性、および静電電圧のレベルと既定のレベル未満だけ異なるレベルを有する電圧が、第1の静電領域T1および第2の静電領域T2に相当する電極線に供給され得る。これは、格子板500と半導体基板1との間の距離、および半導体基板1内のイオンまたは電子の強度の減少を考慮して適切に設定され得る。
【0073】
以後、上記の好適な実装形態例による半導体製造装置の動作が、図9を参照して説明される。真空発生部130は、紫外線発生チャンバ11の内側が標的真空度を有するように駆動される。上に説明されるように、1つの実施形態において、紫外線発生チャンバ11は、10-1~10-4トールに維持される。ガス供給部120は、標的紫外線発生部が紫外線の波長を発生させるようにガスを注入する。
【0074】
上に説明されるように、プロセス・チャンバ21は、真空発生部およびガス注入部も含み得、プロセス・チャンバ21に含まれる真空発生部はまた、プロセス・チャンバが標的真空度を有するように提供され、ガス注入部は、荷電粒子がプロセス・チャンバ21内に導入される紫外線から生成されるようにガスを注入する。
【0075】
以下の表1は、プラズマが生成されるときに注入されるガス、およびガスの注入に従って生成される紫外線の波長を例証する表である。
【0076】
【表1】
【0077】
励起状態にある電子は、対応する波長を有する紫外線を発生させるために基底状態へと降下し、それと同時に、プラズマが、紫外線発生部100に標的ガスを提供することによって生成される。発生させた紫外線は、窓300を直接通過するか、または反射部材140によって反射され、窓300を通じて基板Sに提供される。上に説明されるように、基板Sは、窓400からの距離に応じて動かされ、基板Sの回転速度は、チャック駆動部220によって制御される。
【0078】
紫外線が基板Sの表面に提供されるとき、基板Sの表面上に捕捉される電荷および基板S上に形成される多層膜微細パターンは、中和される。例えば、酸化ケイ素膜が基板S上に生成され、電子が酸化ケイ素膜内に捕捉されると考えられる。
【0079】
酸化ケイ素膜は、一般的には、8.4eV~11eVのバンド・ギャップ・エネルギーを有し、孔によって酸化ケイ素膜内に捕捉される電子を中和するために、少なくともそのバンド・ギャップに相当するエネルギーを有する紫外線が、孔が禁制帯を横断し、伝導帯に入って電子を中和するように、照射されるべきである。
【0080】
さらに、紫外線がプロセス・チャンバ21内へ照射されると、プロセス・チャンバ21内のガスは、紫外線によってイオン化され、荷電粒子を発生させる。格子板400は、格子板制御器500から電力を受信し得、また、このやり方で生成される荷電粒子を加速させ得、基板Sに提供して、基板S上で生成される静電気を中和する。
【0081】
格子板制御器500は、大量の静電気が基板S上に配設される領域に関する情報を受信し得、また、対応する荷電粒子を提供して、基板S上で生成される静電気を高効率で中和し得る。
【0082】
図面に示される実施形態は、本発明の理解を助けるために参照として説明されるが、それらは、実装のための実施形態、および単に例示であり、また、当業者は、様々な変更形態および等価物がそれらから可能であることを理解するものとする。したがって、本発明の真の技術範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定されるものとする。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】