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特表2024-508360抗C4Dキメラ抗原受容体調節性T細胞およびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】抗C4Dキメラ抗原受容体調節性T細胞およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/867 20060101AFI20240219BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240219BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240219BHJP
   A61K 35/17 20150101ALI20240219BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20240219BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20240219BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240219BHJP
   C12N 15/62 20060101ALN20240219BHJP
   C07K 16/18 20060101ALN20240219BHJP
   C07K 19/00 20060101ALN20240219BHJP
   C12N 5/0783 20100101ALN20240219BHJP
   C07K 14/725 20060101ALN20240219BHJP
【FI】
C12N15/867 Z
C12N5/10
A61K39/395 C
A61K35/17
A61P37/06
C12N15/12 ZNA
C12N15/13
C12N15/62 Z
C07K16/18
C07K19/00
C12N5/0783
C07K14/725
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543331
(86)(22)【出願日】2022-01-20
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 IB2022050495
(87)【国際公開番号】W WO2022157673
(87)【国際公開日】2022-07-28
(31)【優先権主張番号】63/139,617
(32)【優先日】2021-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508308396
【氏名又は名称】ソウル ナショナル ユニバーシティ アールアンドディビー ファウンデーション
(71)【出願人】
【識別番号】504314133
【氏名又は名称】ソウル ナショナル ユニバーシティ ホスピタル
(71)【出願人】
【識別番号】515267910
【氏名又は名称】ジ アサン ファウンデーション
(74)【代理人】
【識別番号】100130845
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジェソク
(72)【発明者】
【氏名】イ、スンキュン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ジュンヨン
(72)【発明者】
【氏名】チュン、ジュンホ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジェローム
(72)【発明者】
【氏名】シン、ナラ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョリ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB04
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA25
4B065CA44
4C085AA14
4C085AA25
4C085BB44
4C085CC23
4C085EE01
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB37
4C087BB64
4C087BB65
4C087CA04
4C087CA12
4C087NA05
4C087NA13
4C087ZB08
4H045AA11
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
抗体媒介性拒絶(ABMR)は、ABO血液型不適合(ABOi)移植術を含む移植術の成功にとって主要な障害のうちの1つである。C4dの沈着は、ABMRのマーカーであり、また、ほとんどのABOi同種移植組織において見出される。本明細書において記載されるのは、ABOi同種移植においてABMRを抑制する抗C4d CAR Tregである。CARのCD62L+CD4+CD25+Tregへのレトロウイルス形質導入により調製された、抗C4d CAR Tregは、Foxp3、CD25、CTLA-4、LAP、およびGITRを、非形質導入Tregと類似の程度まで発現した。抗C4d CAR Tregは、C4dに対する特異的結合により活性化され、in vitroで非形質導入Tregと同じくらい良好にT細胞増殖を抑制した。さらに、抗C4d CAR Tregの養子移入は、マウスABOi心臓同種移植片の生存を有意に延長した(P<0.05)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
補体成分4d(C4d)に特異的に結合する抗原結合タンパク質(ABP)を含む、遺伝子改変された調節性T細胞(Treg)。
【請求項2】
抗原結合タンパク質が、キメラ抗原受容体(CAR)を含む、請求項1に記載の調節性T細胞。
【請求項3】
CARが、C4dに特異的に結合するscFvを含む、請求項2に記載の調節性T細胞。
【請求項4】
ABP、CARまたはscFvが、
以下:
アミノ酸配列SGSSGSYGを含む相補性決定領域(CDR)1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR1;
アミノ酸配列YNDKRPSを含むLCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR2;
アミノ酸配列GSEDSSYVGVを含むLCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR3;
を含む軽鎖可変領域(VL)、および
以下:
アミノ酸配列SYALEを含むHCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR1;
アミノ酸配列GISSSGSGTNYGSAVKGを含むHCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR2;
アミノ酸配列AYGYVDAYGIDAを含むHCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が該配列と比較して置換されているバリアントHCDR3;
を含む重鎖可変領域(VH)
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項5】
VLが、LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGVFGAGTTLTVL(配列番号2)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み;および
VHが、AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALEWVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDAWGHGTEVIVSSTS(配列番号4)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項4に記載の調節性T細胞。
【請求項6】
ABP、CARまたはscFvが、
以下:
アミノ酸配列SGGGRWYGを含むLCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR1;
アミノ酸配列HANTKRPSを含むLCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR2;
アミノ酸配列GSGDSSTDSGIを含むLCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR3;
を含む軽鎖可変領域(VL)、および
以下:
アミノ酸配列DRAMHを含むHCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR1;
アミノ酸配列GIYSSGRYTGYGSAVKGを含むHCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR2;
アミノ酸配列AGSIYCGYADVACIDAを含むHCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が該配列と比較して置換されているバリアントHCDR3;
を含む重鎖可変領域(VH)
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項7】
VLが、LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYGWYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPSNIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGIFGAGTTLTVL(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み;および
VHが、AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMHWVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDAWGHGTEVIVSSTS(配列番号8)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項6に記載の調節性T細胞。
【請求項8】
ABP、CARまたはscFvが、
以下:
アミノ酸配列SGGGSYYGを含むLCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR1;
アミノ酸配列SNNKRPSを含むLCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR2;
アミノ酸配列GSYDSNAGIを含むLCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR3;
を含む軽鎖可変領域(VL)、および
以下:
アミノ酸配列SYAMGを含むHCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR1;
アミノ酸配列EISGSGTSTYYGPAVKGを含むHCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR2;
アミノ酸配列CTRGGGAGSYIDAを含むHCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が該配列と比較して置換されているバリアントHCDR3;
を含む重鎖可変領域(VH)
を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項9】
VLが、LTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVLに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み;および
VHが、AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTSに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項8に記載の調節性T細胞。
【請求項10】
ABP、CARまたはscFvが、配列番号2、配列番号6、またはLTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVLに対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖アミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項11】
ABP、CARまたはscFvが、配列番号4、配列番号8、またはAVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTSに対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖アミノ酸配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項12】
scFvが、
i)LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYG WYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPS DIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGV FGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALE WVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKG RATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDA WGHGTEVIVSSTS;
ii)LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYG WYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPS NIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGI FGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMH WVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKG RATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDA WGHGTEVIVSST;または
iii)LTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTS
に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、
請求項3に記載の調節性T細胞。
【請求項13】
CARが、リーダー配列を含む、請求項2~12のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項14】
CARが、ヒンジ領域を含む、請求項2~13のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項15】
ヒンジ領域が、ヒトCD8ヒンジ領域を含む、請求項14に記載の調節性T細胞。
【請求項16】
ヒンジ領域が、配列番号10のアミノ酸配列、または配列番号10に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む、請求項15に記載の調節性T細胞。
【請求項17】
CARが、CD28の膜貫通ドメインを含む、請求項2~16のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項18】
CARが、CD28の膜貫通および細胞質ドメインを含む、請求項2~17のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項19】
CD28の膜貫通および細胞質ドメインが、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む、請求項18に記載の調節性T細胞。
【請求項20】
CARが、CD3ゼータ細胞質ドメインを含む、請求項2~19のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項21】
CD3ゼータ細胞質ドメインが、配列番号14のアミノ酸配列、または配列番号14に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む、請求項20に記載の調節性T細胞。
【請求項22】
CARが、c-mycタグを含む、請求項2~21のいずれか一項に記載の調節性T細胞。
【請求項23】
請求項1~22のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質をコードする核酸を含む、調節性T細胞。
【請求項24】
請求項1~22のいずれか一項に記載の抗原結合タンパク質をコードする核酸を含む、ベクター。
【請求項25】
レトロウイルスベクターである、請求項24に記載のベクター。
【請求項26】
請求項24に記載のベクターを含む、細胞。
【請求項27】
哺乳動物の細胞または細胞株である、請求項26に記載の細胞。
【請求項28】
請求項1~22のいずれか一項に記載の調節性T細胞を産生するための方法であって、調節性T細胞を、請求項24または25に記載のベクターで遺伝子導入または形質導入すること、および抗原結合タンパク質を発現するTregを選択することを含む、前記方法。
【請求項29】
免疫応答を誘導するためのin vitroでの方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の調節性T細胞を、C4d抗原と接触させることを含む、前記方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法であって、ここで、調節性T細胞が、C4dに特異的に結合する抗原結合タンパク質を発現しない対照調節性T細胞と比較してCD69発現を上方調節し、増大したレベルのIL-10およびIFN-γを分泌する、前記方法。
【請求項31】
T細胞増殖を抑制するためのin vitroでの方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の調節性T細胞を、活性化されたエフェクターT細胞と共に培養すること、およびエフェクターT細胞の増殖の減少を決定することを含む、前記方法。
【請求項32】
移植を受けている対象において抗体媒介性拒絶(ABMR)を抑制するための方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載の調節性T細胞の治療有効量を対象に投与することを含む、前記方法。
【請求項33】
移植が、同種移植である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
同種移植が、ABO血液型不適合(ABOi)同種移植である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
同種移植が、心臓同種移植である、請求項33に記載の方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に対する相互参照
本出願は、2021年1月20日に出願された米国仮出願第63/139,617号に対する優先権を主張し、当該仮出願は、参照によりその全体が全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0002】
ASCIIテキストファイルとして提出された「配列表」への参照
本出願は、ASCII形式において電子提出され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、配列表を含む。2022年1月19日に作成された前記ASCIIのコピーは、107568-1292165_SL.txtと命名され、39,541バイトのサイズである。
【背景技術】
【0003】
背景
ABO血液型不適合(ABOi)移植術は、移植術におけるドナー臓器の不足の深刻な問題を克服するために開発されてきた1、2。しかし、抗体媒介性拒絶(ABMR)は、ABOi移植術の成功に対する主な限定要因であり続ける。血漿交換またはリツキシマブによる免疫吸着からなる減感作処置の導入、ならびにタクロリムスおよびミコフェノール酸モフェチルなどの強力な維持免疫抑制剤は、ABMRを抑制することによりABOi移植術のアウトカムを改善することができる;しかし、この強力な非特異的な免疫抑制はまた、感染性の合併症を増加させる3
【0004】
調節性T細胞(Treg)は、非特異的免疫抑制よりもはるかに少ない有害効果を有しつつ、ドナー特異的移植耐性に寄与し得る4。Tregの輸注は、同種移植拒絶を抑制することが知られている4。しかし、抗原特異的Tregの数は非常に少なく、Tregは、しばしば、輸注の後でその生存能および活性を失う。最近、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞が開発され、腫瘍抗原を特異的に標的とすることにより、強力な抗腫瘍効果を示した5。並行して、通常のTregの抗原特異性、生存能ならびに活性を増強するために、CAR Tregが開発された6~8。CARは、抗原特異性をTregに提供するために、細胞外ドメインにおいては抗体の単鎖可変フラグメント(scFv)からなり;かつ、それらはまた、Tregの生存能および活性を改善するために、細胞内ドメインにおいて共刺激分子を有する。
【0005】
補体活性化は、しばしば、ABMRに関与し、抗体により媒介される補体活性化の副生成物としての補体成分4d(C4d)の沈着は、ABMRの診断基準に含まれる9。興味深いことに、C4dの沈着は、ABOi移植症例のうちの80~90%において、ABMRまたは順応のいずれかの結果として観察され、ここで、さらなる組織の傷害を伴うことなく、抗体の結合およびその後の近位の補体カスケードの活性化が起こる10~12
【0006】
当該分野における上の問題に取り組むために、本明細書において記載されるのは、ABMRおよび同種移植拒絶を効果的に抑制することができる組成物および方法である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
簡単な要旨
本明細書において記載されるのは、ABMRおよび同種移植拒絶を効果的に抑制することができる組成物および方法である。一側面において、組成物は、遺伝子改変された調節性T細胞(Treg)を含み、Tregは、補体成分4d(C4d)に特異的に結合する抗原結合タンパク質を含む。本明細書において記載される遺伝子改変された調節性T細胞は、天然には存在しないことが、理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
いくつかの態様において、抗原結合タンパク質は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む。いくつかの態様において、CARは、C4dに特異的に結合するscFvを含む。
【0009】
いくつかの態様において、ABP、CARまたはscFvは、
以下:
アミノ酸配列SGSSGSYGを含む相補性決定領域(CDR)1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR1;
アミノ酸配列YNDKRPSを含むLCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR2;
アミノ酸配列GSEDSSYVGVを含むLCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR3;
を含む軽鎖可変領域(VL)、および
以下:
アミノ酸配列SYALEを含むHCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR1;
アミノ酸配列GISSSGSGTNYGSAVKGを含むHCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR2;
アミノ酸配列AYGYVDAYGIDAを含むHCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が該配列と比較して置換されているバリアントHCDR3;
を含む重鎖可変領域(VH)
を含む。
【0010】
いくつかの態様において、VLは、LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGVFGAGTTLTVL(配列番号2)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み;および、VHは、AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALEWVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDAWGHGTEVIVSSTS(配列番号4)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0011】
いくつかの態様において、ABP、CARまたはscFvは、
以下:
アミノ酸配列SGGGRWYGを含むLCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR1;
アミノ酸配列HANTKRPSを含むLCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR2;
アミノ酸配列GSGDSSTDSGIを含むLCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR3;
を含む軽鎖可変領域(VL)、および
以下:
アミノ酸配列DRAMHを含むHCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR1;
アミノ酸配列GIYSSGRYTGYGSAVKGを含むHCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR2;
アミノ酸配列AGSIYCGYADVACIDAを含むHCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が該配列と比較して置換されているバリアントHCDR3;
を含む重鎖可変領域(VH)
を含む。
【0012】
いくつかの態様において、VLは、LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYGWYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPSNIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGIFGAGTTLTVL(配列番号6)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み;および、VHは、AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMHWVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDAWGHGTEVIVSSTS(配列番号8)に対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0013】
いくつかの態様において、ABP、CARまたはscFvは、
以下:
アミノ酸配列SGGGSYYGを含むLCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR1;
アミノ酸配列SNNKRPSを含むLCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR2;
アミノ酸配列GSYDSNAGIを含むLCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントLCDR3;
を含む軽鎖可変領域(VL)、および
以下:
アミノ酸配列SYAMGを含むHCDR1、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR1;
アミノ酸配列EISGSGTSTYYGPAVKGを含むHCDR2、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が、該配列と比較して置換されているバリアントHCDR2;
アミノ酸配列CTRGGGAGSYIDAを含むHCDR3、または1、2、3、4もしくは5個のアミノ酸が該配列と比較して置換されているバリアントHCDR3;
を含む重鎖可変領域(VH)
を含む。
【0014】
本明細書において記載される態様のうちのいずれかにおいて、CDRのアミノ酸配列は、列挙される配列と比較して、1つ以上の保存的アミノ酸置換を含み得る。例えば、本明細書において記載される態様のうちのいずれかにおいて、CDRアミノ酸配列は、列挙される配列と比較して、1、2、3、4または5つの保存的アミノ酸置換を含み得る。いくつかの態様において、保存的アミノ酸置換は、ABP、scFvまたはCARの、マウスまたはヒトのC4dなどの標的抗原に対する結合アフィニティーを実質的に低下させない。
【0015】
いくつかの態様において、VLは、LTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVLに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み;および、VHは、AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTSに対して少なくとも95%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0016】
いくつかの態様において、ABP、CARまたはscFvは、配列番号2、または配列番号6、またはLTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVLに対して少なくとも80%の配列同一性を有する軽鎖アミノ酸配列を含む。
【0017】
いくつかの態様において、ABP、CARまたはscFvは、配列番号4、または配列番号8、またはAVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTSに対して少なくとも80%の配列同一性を有する重鎖アミノ酸配列を含む。
【0018】
いくつかの態様において、scFvは、以下:
i)LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYG WYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPS DIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGV FGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALE WVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKG RATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDA WGHGTEVIVSSTS;
ii)LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYG WYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPS NIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGI FGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMH WVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKG RATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDA WGHGTEVIVSST;または
iii)LTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTS
に対して少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0019】
いくつかの態様において、CARは、リーダー配列を含む。いくつかの態様において、CARは、ヒトCD8ヒンジ領域などの、ヒンジ領域を含む。いくつかの態様において、ヒンジ領域は、配列番号10のアミノ酸配列、または配列番号10に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む。
【0020】
いくつかの態様において、CARは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、CD28の細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、CD28の膜貫通および細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、CD28の膜貫通および細胞質ドメインは、配列番号12のアミノ酸配列、または配列番号12に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む。
【0021】
いくつかの態様において、CARは、CD3ゼータ細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、CD3ゼータ細胞質ドメインは、配列番号14のアミノ酸配列、または配列番号14に対して少なくとも80%の同一性を有する配列を含む。
【0022】
いくつかの態様において、CARは、c-mycタグを含む。
【0023】
別の側面において、提供されるのは、本明細書において記載される抗原結合タンパク質、CARまたはscFVをコードする核酸を含む、調節性T細胞である。
【0024】
別の側面において、ベクターが提供され、該ベクターは、本明細書において記載される抗原結合タンパク質、CARまたはscFvをコードする核酸を含む。いくつかの態様において、ベクターは、レトロウイルスベクターである。
【0025】
別の側面において、本明細書において記載される核酸またはベクターを含む細胞が提供される。いくつかの態様において、細胞は、哺乳動物の細胞または細胞株である。いくつかの態様において、細胞は、T細胞などの免疫細胞である。いくつかの態様において、細胞は、調節性T細胞である。
【0026】
別の側面において、調節性T細胞を産生するための方法が記載され、該方法は、調節性T細胞を、本明細書において記載される抗原結合タンパク質をコードする核酸配列を含む核酸またはベクターで遺伝子導入または形質導入すること、および抗原結合タンパク質を発現するTregを選択することを含む。いくつかの態様において、抗原結合タンパク質は、キメラ抗原受容体(CAR)を含む。いくつかの態様において、CARは、C4dに特異的に結合するscFvを含む。
【0027】
別の側面において、免疫応答を誘導するためのin vitroでの方法が記載され、該方法は、本明細書において記載される遺伝子改変された調節性T細胞を、C4d抗原と接触させることを含む。いくつかの態様において、本明細書において記載される遺伝子改変された調節性T細胞をC4d抗原と接触させるステップは、免疫応答を抑制する細胞表面分子および/またはサイトカインの発現をもたらす。いくつかの態様において、C4d抗原との接触の後で、調節性T細胞は、C4dに特異的に結合する抗原結合タンパク質を発現しない対照調節性T細胞と比較して、CD69発現を上方調節し、増大したレベルのIL-10およびIFN-γを分泌する。
【0028】
別の側面において、T細胞増殖を抑制するためのin vitroでの方法が記載され、該方法は、本明細書において記載される遺伝子改変された調節性T細胞を、活性化されたエフェクターT細胞と共に培養すること、およびエフェクターT細胞の増殖の減少を決定することを含む。
【0029】
別の側面において、対象において抗体媒介性拒絶(ABMR)を抑制するための方法が記載され、該方法は、本明細書において記載される遺伝子改変された調節性T細胞の治療有効量を、対象に投与することを含む。いくつかの態様において、対象は、以前に移植を受けたことがある。いくつかの態様において、対象は、同時に移植を受けているところである。いくつかの態様において、移植は、同種移植である。いくつかの態様において、同種移植は、ABO血液型不適合(ABOi)同種移植である。いくつかの態様において、同種移植は、心臓同種移植である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A図1A-1B.抗C4d CARの産生。図1A.抗C4d scFvのクローン(SC-8-Cκ、BF-2-Cκ)および対照scFvクローン(パリビズマブ-Cκ)の、マウスC4d+Raji細胞に対する結合アフィニティーを、フローサイトメトリー分析により測定した。図1B.抗C4d CAR、対照CARおよび抗C4d CAR Tregの構造。CAR、キメラ抗原受容体;C4d、補体成分4d;Cyt、細胞質ドメイン;LS、リーダー配列;mC4d、マウス補体成分4d;Myc、myc-タグ;scFv、単鎖可変フラグメント;TM、膜貫通ドメイン;Tregs、調節性T細胞;VH、重鎖の可変領域;VL、軽鎖の可変領域。
図1B図1A-1B.抗C4d CARの産生。図1A.抗C4d scFvのクローン(SC-8-Cκ、BF-2-Cκ)および対照scFvクローン(パリビズマブ-Cκ)の、マウスC4d+Raji細胞に対する結合アフィニティーを、フローサイトメトリー分析により測定した。図1B.抗C4d CAR、対照CARおよび抗C4d CAR Tregの構造。CAR、キメラ抗原受容体;C4d、補体成分4d;Cyt、細胞質ドメイン;LS、リーダー配列;mC4d、マウス補体成分4d;Myc、myc-タグ;scFv、単鎖可変フラグメント;TM、膜貫通ドメイン;Tregs、調節性T細胞;VH、重鎖の可変領域;VL、軽鎖の可変領域。
図2A図2A、2Bおよび2C.抗C4d CAR Tregの作製および表現型。図2A.抗C4d CAR Tregの作製のスキーム。ソートされたCD62L+CD4+CD25+Tregに、抗C4d CARまたは対照CARのいずれかを含有するレトロウイルスで形質導入し、次いで、IL-2およびラパマイシンの存在下において抗CD3/CD28ビーズにより刺激した。図2B.第13日における作製の完了の後で、CAR TregにおけるFoxp3およびmycの発現を、NT Tregと比較して、生存能(7-AAD)と共に、フローサイトメトリーにより測定した。図2C.対照CAR TregおよびNT Tregにおけるものと比較した、抗C4d CAR TregにおけるFoxp3、CD25、CTLA-4、LAP、およびGITRの発現。略語:CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;CTLA-4、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4;Foxp3、フォークヘッドボックスP3;GITR、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連タンパク質;IL-2、インターロイキン-2;LAP、潜在関連ペプチド;NT、非形質導入。
図2B図2A、2Bおよび2C.抗C4d CAR Tregの作製および表現型。図2A.抗C4d CAR Tregの作製のスキーム。ソートされたCD62L+CD4+CD25+Tregに、抗C4d CARまたは対照CARのいずれかを含有するレトロウイルスで形質導入し、次いで、IL-2およびラパマイシンの存在下において抗CD3/CD28ビーズにより刺激した。図2B.第13日における作製の完了の後で、CAR TregにおけるFoxp3およびmycの発現を、NT Tregと比較して、生存能(7-AAD)と共に、フローサイトメトリーにより測定した。図2C.対照CAR TregおよびNT Tregにおけるものと比較した、抗C4d CAR TregにおけるFoxp3、CD25、CTLA-4、LAP、およびGITRの発現。略語:CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;CTLA-4、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4;Foxp3、フォークヘッドボックスP3;GITR、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連タンパク質;IL-2、インターロイキン-2;LAP、潜在関連ペプチド;NT、非形質導入。
図2C図2A、2Bおよび2C.抗C4d CAR Tregの作製および表現型。図2A.抗C4d CAR Tregの作製のスキーム。ソートされたCD62L+CD4+CD25+Tregに、抗C4d CARまたは対照CARのいずれかを含有するレトロウイルスで形質導入し、次いで、IL-2およびラパマイシンの存在下において抗CD3/CD28ビーズにより刺激した。図2B.第13日における作製の完了の後で、CAR TregにおけるFoxp3およびmycの発現を、NT Tregと比較して、生存能(7-AAD)と共に、フローサイトメトリーにより測定した。図2C.対照CAR TregおよびNT Tregにおけるものと比較した、抗C4d CAR TregにおけるFoxp3、CD25、CTLA-4、LAP、およびGITRの発現。略語:CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;CTLA-4、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4;Foxp3、フォークヘッドボックスP3;GITR、グルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連タンパク質;IL-2、インターロイキン-2;LAP、潜在関連ペプチド;NT、非形質導入。
図3A図3A、3Bおよび3C.抗C4d CAR Tregの、C4dに対する特異的結合およびin vitroでの免疫抑制活性。図3A.抗C4d CAR TregのC4dに対する特異的結合。**抗C4d CAR Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図3B.Raji細胞上のC4dに対する結合に応答しての、抗C4d CAR Tregの活性化によるCD69発現およびIL-10およびIFN-γの分泌。**抗C4d CAR Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図3C.T細胞増殖に対する抗C4d CAR Tregのin vitroでの免疫抑制活性。T細胞増殖を、CTV標識されたT細胞のヒストグラムにより表し、分裂の指標(division index)として計算した。**エフェクターT細胞のみと比較してP<0.01、##NT Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。各群あたりN=3。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;CTV、CellTrace(商標)Violet;IFN-γ、インターフェロン-γ;IL-10、インターロイキン-10;MFI、平均蛍光強度;NT、非形質導入;Tresp、レスポンダーT細胞。
図3B図3A、3Bおよび3C.抗C4d CAR Tregの、C4dに対する特異的結合およびin vitroでの免疫抑制活性。図3A.抗C4d CAR TregのC4dに対する特異的結合。**抗C4d CAR Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図3B.Raji細胞上のC4dに対する結合に応答しての、抗C4d CAR Tregの活性化によるCD69発現およびIL-10およびIFN-γの分泌。**抗C4d CAR Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図3C.T細胞増殖に対する抗C4d CAR Tregのin vitroでの免疫抑制活性。T細胞増殖を、CTV標識されたT細胞のヒストグラムにより表し、分裂の指標(division index)として計算した。**エフェクターT細胞のみと比較してP<0.01、##NT Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。各群あたりN=3。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;CTV、CellTrace(商標)Violet;IFN-γ、インターフェロン-γ;IL-10、インターロイキン-10;MFI、平均蛍光強度;NT、非形質導入;Tresp、レスポンダーT細胞。
図3C図3A、3Bおよび3C.抗C4d CAR Tregの、C4dに対する特異的結合およびin vitroでの免疫抑制活性。図3A.抗C4d CAR TregのC4dに対する特異的結合。**抗C4d CAR Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図3B.Raji細胞上のC4dに対する結合に応答しての、抗C4d CAR Tregの活性化によるCD69発現およびIL-10およびIFN-γの分泌。**抗C4d CAR Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図3C.T細胞増殖に対する抗C4d CAR Tregのin vitroでの免疫抑制活性。T細胞増殖を、CTV標識されたT細胞のヒストグラムにより表し、分裂の指標(division index)として計算した。**エフェクターT細胞のみと比較してP<0.01、##NT Treg群と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。各群あたりN=3。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;CTV、CellTrace(商標)Violet;IFN-γ、インターフェロン-γ;IL-10、インターロイキン-10;MFI、平均蛍光強度;NT、非形質導入;Tresp、レスポンダーT細胞。
図4A図4A、4B、4Cおよび4D.ABOi心臓移植術における同種移植拒絶に対する抗C4d CAR Tregの免疫抑制活性。図4A.ABOi心臓移植術および免疫抑制レジメンの全体的なスキーム。感作されたC57BL6/Jマウスは、抗C4d CAR Treg、対照CAR TregまたはNT Tregの養子移入の1日後に、A-TG BALB/cの心臓の移植術を受けた。抗A IgMおよびIgGの血清力価を、フローサイトメトリー分析により測定した。図4B.ABOi心臓移植術における心臓同種移植生存率。*PBS群と比較してP<0.01;#対照CAR Treg群と比較してP<0.01(ログランク検定)。図4C.心臓同種移植における炎症促進性サイトカイン(IL-1β、IL-6およびIFN-γ)の発現を、リアルタイムPCRにより測定した。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。**PBS対照と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図4D.ABOi同種移植傷害を示すためのH&E染色のイメージング(倍率×200)、およびCD45.1+Myc+抗C4d CAR Tregの、C4d+ABOi心臓同種移植組織中への浸潤を示すためのIFイメージングにおけるマージされた画像(倍率×400)(C4d、緑色;CD45.1、赤色;Myc、黄色;青色、DAPI)。ABOi、ABO不適合;A-TG、ヒト血液型A抗原-トランスジェニック;CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;DAPI、4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール;H&E、ヘマトキシリンおよびエオジン;IF、免疫蛍光染色;IL、インターロイキン;IFN-γ、インターフェロン-γ;NT、非形質導入;PCR、ポリメラーゼ連鎖反応;WT、野生型。
図4B図4A、4B、4Cおよび4D.ABOi心臓移植術における同種移植拒絶に対する抗C4d CAR Tregの免疫抑制活性。図4A.ABOi心臓移植術および免疫抑制レジメンの全体的なスキーム。感作されたC57BL6/Jマウスは、抗C4d CAR Treg、対照CAR TregまたはNT Tregの養子移入の1日後に、A-TG BALB/cの心臓の移植術を受けた。抗A IgMおよびIgGの血清力価を、フローサイトメトリー分析により測定した。図4B.ABOi心臓移植術における心臓同種移植生存率。*PBS群と比較してP<0.01;#対照CAR Treg群と比較してP<0.01(ログランク検定)。図4C.心臓同種移植における炎症促進性サイトカイン(IL-1β、IL-6およびIFN-γ)の発現を、リアルタイムPCRにより測定した。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。**PBS対照と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図4D.ABOi同種移植傷害を示すためのH&E染色のイメージング(倍率×200)、およびCD45.1+Myc+抗C4d CAR Tregの、C4d+ABOi心臓同種移植組織中への浸潤を示すためのIFイメージングにおけるマージされた画像(倍率×400)(C4d、緑色;CD45.1、赤色;Myc、黄色;青色、DAPI)。ABOi、ABO不適合;A-TG、ヒト血液型A抗原-トランスジェニック;CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;DAPI、4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール;H&E、ヘマトキシリンおよびエオジン;IF、免疫蛍光染色;IL、インターロイキン;IFN-γ、インターフェロン-γ;NT、非形質導入;PCR、ポリメラーゼ連鎖反応;WT、野生型。
図4C図4A、4B、4Cおよび4D.ABOi心臓移植術における同種移植拒絶に対する抗C4d CAR Tregの免疫抑制活性。図4A.ABOi心臓移植術および免疫抑制レジメンの全体的なスキーム。感作されたC57BL6/Jマウスは、抗C4d CAR Treg、対照CAR TregまたはNT Tregの養子移入の1日後に、A-TG BALB/cの心臓の移植術を受けた。抗A IgMおよびIgGの血清力価を、フローサイトメトリー分析により測定した。図4B.ABOi心臓移植術における心臓同種移植生存率。*PBS群と比較してP<0.01;#対照CAR Treg群と比較してP<0.01(ログランク検定)。図4C.心臓同種移植における炎症促進性サイトカイン(IL-1β、IL-6およびIFN-γ)の発現を、リアルタイムPCRにより測定した。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。**PBS対照と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図4D.ABOi同種移植傷害を示すためのH&E染色のイメージング(倍率×200)、およびCD45.1+Myc+抗C4d CAR Tregの、C4d+ABOi心臓同種移植組織中への浸潤を示すためのIFイメージングにおけるマージされた画像(倍率×400)(C4d、緑色;CD45.1、赤色;Myc、黄色;青色、DAPI)。ABOi、ABO不適合;A-TG、ヒト血液型A抗原-トランスジェニック;CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;DAPI、4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール;H&E、ヘマトキシリンおよびエオジン;IF、免疫蛍光染色;IL、インターロイキン;IFN-γ、インターフェロン-γ;NT、非形質導入;PCR、ポリメラーゼ連鎖反応;WT、野生型。
図4D図4A、4B、4Cおよび4D.ABOi心臓移植術における同種移植拒絶に対する抗C4d CAR Tregの免疫抑制活性。図4A.ABOi心臓移植術および免疫抑制レジメンの全体的なスキーム。感作されたC57BL6/Jマウスは、抗C4d CAR Treg、対照CAR TregまたはNT Tregの養子移入の1日後に、A-TG BALB/cの心臓の移植術を受けた。抗A IgMおよびIgGの血清力価を、フローサイトメトリー分析により測定した。図4B.ABOi心臓移植術における心臓同種移植生存率。*PBS群と比較してP<0.01;#対照CAR Treg群と比較してP<0.01(ログランク検定)。図4C.心臓同種移植における炎症促進性サイトカイン(IL-1β、IL-6およびIFN-γ)の発現を、リアルタイムPCRにより測定した。棒グラフ中の各々の値は、平均および平均の標準誤差を示す。**PBS対照と比較してP<0.01(スチューデントt検定)。図4D.ABOi同種移植傷害を示すためのH&E染色のイメージング(倍率×200)、およびCD45.1+Myc+抗C4d CAR Tregの、C4d+ABOi心臓同種移植組織中への浸潤を示すためのIFイメージングにおけるマージされた画像(倍率×400)(C4d、緑色;CD45.1、赤色;Myc、黄色;青色、DAPI)。ABOi、ABO不適合;A-TG、ヒト血液型A抗原-トランスジェニック;CAR Tregs、キメラ抗原受容体調節性T細胞;DAPI、4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール;H&E、ヘマトキシリンおよびエオジン;IF、免疫蛍光染色;IL、インターロイキン;IFN-γ、インターフェロン-γ;NT、非形質導入;PCR、ポリメラーゼ連鎖反応;WT、野生型。
図5A図5Aは、L細胞を含む培養物においてポリクローナル刺激による調節性T細胞の増殖のための代表的なプロトコルを示す。
図5B図5Bは、抗C4d CAR Treg細胞を対照細胞と比較する生存曲線を示す。データは、図4A~4Dにおいて記載されるとおり作製した。
図6A図6Aおよび6Bは、抗ヒトC4d CAR調節性T細胞(抗ヒトC4d CAR-Treg)を作製するための代表的なプロトコルを示す。図6Aは、ヒト調節性T細胞を単離するための代表的なゲーティング戦略を示す。図6Bは、対照および抗ヒトC4d CARで形質導入された調節性T細胞により発現される代表的なマーカーを示す。
図6B図6Aおよび6Bは、抗ヒトC4d CAR調節性T細胞(抗ヒトC4d CAR-Treg)を作製するための代表的なプロトコルを示す。図6Aは、ヒト調節性T細胞を単離するための代表的なゲーティング戦略を示す。図6Bは、対照および抗ヒトC4d CARで形質導入された調節性T細胞により発現される代表的なマーカーを示す。
図7図7は、K562細胞を含む培養物においてポリクローナル刺激により抗ヒトC4d CAR調節性T細胞(抗ヒトC4d CAR-Treg)を作製するための代表的なプロトコルを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
命名法
開示される態様を記載することに関する(特に以下の請求の範囲に関する)「a」および「an」および「the」という用語、および類似の参照対象の使用は、本明細書において別段に示されるかまたは文脈により明らかに矛盾しない限り、単数形および複数形の両方をカバーするものと解釈されるべきである。「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」および「含有する(containing)」という用語は、別段に注記されない限り、オープンエンドの用語(すなわち、「~を含むが、これに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。「または(or)」という用語は、列挙される選択肢のうちのいずれか一方、両方、またはこれらの任意の組み合わせを意味するものと理解されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段に示されない限り、単に、当該範囲の終点を含む当該範囲内に該当する各々の別々の値に個々に言及する省略の方法として役立つことを意図され、各々の別々の値は、それが個々に本明細書において列挙されたものとして、本明細書中に組み込まれる。本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において別段に示されるかまたは文脈から明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書において提供される任意のおよび全ての例、または例示的言語(例えば、「~など(such as)」)の使用は、単に、本開示の態様をより良好に明らかにすることを意図され、別段に請求されない限り、本開示の範囲に対して限定を設けるものではない。本明細書中の言語は、任意の請求されない要素を、本開示の実施にとって必須であるものとして示すものとして解釈されるべきではない。
【0032】
本明細書において用いられる場合、「調節性T細胞」(「Treg」)という用語は、免疫系における他の細胞の機能を調節または抑制するT細胞を指す。例えば、Tregは、CD4+ T細胞およびCD8+ T細胞の活性化、増殖およびサイトカイン産生を抑制し、また、B細胞および樹状細胞を抑制し得る。Tregは、TGF-ベータ、IL-10およびアデノシンを含む抑制性機能を有する可溶性メッセンジャーを産生することができる。Tregは、典型的には、細胞表面マーカーCD4(T細胞共受容体)およびCD25、ならびにまた核転写因子であるフォークヘッドボックスP3(FoxP3)を発現する。immunology.org/public-information/bitesized-immunology/cells/regulatory-t-cells-tregsにおけるインターネットを参照のこと。
【0033】
本明細書において用いられる場合、「抗原結合タンパク質」(ABP)という用語は、標的抗原に特異的に結合するタンパク質を指し、本明細書において記載される抗体、scFv類、およびCAR類を含む。「抗原結合ドメイン」という用語は、標的抗原に特異的に結合する抗原結合タンパク質の部分を指す。
【0034】
本明細書において用いられる場合、「抗体」という用語は、免疫グロブリン(Ig)分子またはそのフォーマットフラグメントであって、標的抗原に特異的に結合するものを指す。該用語は、モノクローナル抗体、ならびにIgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMアイソタイプおよびサブタイプを含む。該用語はまた、抗原結合フラグメント、またはそのフォーマット、例えば、Fab(フラグメント、抗原結合)、Fv(可変ドメイン)、scFv(単鎖フラグメント可変)、ジスルフィド結合により安定化されたscFv(ds-scFv)、単鎖Fab(scFab)、オリゴマー形成ドメインに連結されたscFvを含む、ダイアボディー、トリアボディー(triabody)およびテトラボディー(tetrabody)、ミニボディー(minibody)(miniAbs)のような二量体および多量体抗体のフォーマット、ラクダ科の重鎖AbのVHH/VH、およびシングルドメインAb(sdAb)を含む。該用語はまた、scFv-軽鎖融合タンパク質、またはscFv-Fc融合タンパク質などの、抗体またはその抗原結合フラグメントの融合タンパク質を含む。該用語はまた、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)および補体依存性細胞傷害(CDC)などのエフェクター機能を提供するためのFcドメインを含む、抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0035】
「ヒト化される」という用語は、非ヒト種からの抗原結合タンパク質またはその抗原結合フラグメントもしくはフォーマットであって、ヒトアミノ酸配列を含むように修飾されるものを指す。ヒト化されたABPは、ABPがヒトに投与された場合に潜在的な免疫原性を低下させる配列を含み得る。例えば、ヒト化されたABPは、非ヒト種からの相補性決定領域(CDR)、およびヒト抗体からの抗体フレームワークまたはスカフォールド領域を含み得る。
【0036】
本明細書において用いられる場合、「特異的に結合する」という用語は、対照のまたは非特異的な抗原結合タンパク質による結合と比較した、抗原結合タンパク質とそのコグネートな標的抗原との間の結合の強度またはアフィニティーを指す。アフィニティーとは、単一の分子の、そのリガンドへの結合の強度を指し、典型的には、平衡解離定数(KD)により決定される。KDは、解離速度(koff)(どれほど速くABPがその抗原から解離するか)の、会合速度(kon)(どれほど速くABPがその抗原に結合するか)に対する比である。KD値は、特定のABPまたは抗体/抗原の相互作用のkonおよびkoff速度を測定し、次いで、これらの値の比を用いてKD値を計算することにより決定することができる。標的抗原に特異的に結合する抗体は、典型的には、低マイクロモル濃度(10-6)~ピコモル濃度(10-12)の範囲におけるKD値を有する。高アフィニティー抗体は、一般的に、低ナノモル濃度の範囲(10-9)におけるKDを有し、一方、非常に高いアフィニティーの抗体は、ピコモル濃度(10-12)の範囲におけるKDを有する。
【0037】
本明細書において用いられる場合、核酸またはアミノ酸配列に関する「実質的に同一」という用語は、比較ウィンドウにわたり比較されて最大対応についてアラインメントされた場合に、特定された領域にわたり、または配列比較アルゴリズムを用い測定された場合に指定された領域にわたり、または手作業によるアライメントおよび目視により、少なくとも約30%~少なくとも約99.9%の配列同一性(例えば、少なくとも約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性)を有する2つの配列を指す。「実質的に同一」という用語はまた、100%未満が同一である配列、例えば、30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、2つのタンパク質(または当該タンパク質のある領域)は、アミノ酸配列が、少なくとも約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する場合に、実質的に同一である。いくつかの態様において、2つのタンパク質(または当該タンパク質のある領域)は、アミノ酸配列が、約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する場合に、実質的に同一である。いくつかの態様において、2つのタンパク質(または当該タンパク質のある領域)は、アミノ酸配列が、30%より高い同一性であるが、100%より低い同一性、例えば30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する場合に、実質的に同一である。いくつかの態様において、2つの核酸配列は、核酸配列が、少なくとも約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する場合に、実質的に同一である。いくつかの態様において、2つの核酸配列は、核酸配列が、約30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する場合に、実質的に同一である。いくつかの態様において、2つの核酸配列は、核酸配列が、30%より高い同一性であるが、100%より低い同一性、例えば30%、40%、50%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、または99.9%の配列同一性を有する場合に、実質的に同一である。2つのアミノ酸配列の、または2つの核酸配列のパーセント同一性を決定するために、配列を、最適比較の目的のためにアラインメントする(例えば、最適なアラインメントのために、第1および第2のアミノ酸または核酸配列のうちの一方または両方においてギャップを導入することができ、および、比較の目的のために、非相同配列を無視することができる)。一態様において、比較の目的のためにアラインメントされる参照配列の長さは、当該参照配列の長さのうちの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、または少なくとも70%、80%、90%、100%である。対応するアミノ酸位置またはヌクレオチド位置におけるアミノ酸残基またはヌクレオチドを、次いで比較する。第1の配列における位置が、第2の配列における対応する位置と同じアミノ酸残基またはヌクレオチドにより占められている場合は、分子はその位置において同一である(本明細書において用いられる場合、アミノ酸または核酸の「同一性」は、アミノ酸または核酸の「相同性」と等価である)。2つの配列の間のパーセント同一性は、2つの配列の最適なアラインメントのために導入されることが必要なギャップの数、各々のギャップの長さを考慮した、当該配列により共有される同一な位置の数の関数である。核酸およびアミノ酸の配列をアラインメントして、その間のパーセント配列同一性を決定するために、BLASTコンピュータープログラムを用いることができる。
【0038】
「保存的アミノ酸置換」とは、アミノ酸残基が、類似の化学的特性(例えば、電荷または疎水性)を有する側鎖(R基)を有する別のアミノ酸残基により置換されるものである。一般的に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能的特性を実質的に変更しないであろう。2つ以上のアミノ酸配列が、保存的置換により互いに異なる場合、当該置換の保存的性質を補正するために、パーセント配列同一性または相同性の程度を、上向きに調整してもよい。この調整を行うための手段は、当業者には周知である(例えば、Pearson W. R., 1994, Methods in Mol Biol 25: 365-89を参照されたい)。
【0039】
以下の6つの群は、各々、互いに対して保存的置換であるアミノ酸を含む:1)セリン(S)、スレオニン(T);2)アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E);3)アスパラギン(N)、グルタミン(Q);4)アルギニン(R)、リジン(K);5)イソロイシン(I)、ロイシン(L)、アラニン(A)、バリン(V)、および6)フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)。
【0040】
「対象」という用語は、動物、例えばヒト、マウスマまたはラットなどのげっ歯類、イヌまたはネコなどの伴侶動物、ならびにウシ、ウマおよびヒツジなどの家畜を含むがこれらに限定されない哺乳動物を指す。対象という用語はまた、「患者」という用語と交換可能に用いることができる。
【0041】
本明細書において用いられる場合、「操作可能に連結される(operably linked)」という用語は、連結されたプロモーターおよび/または調節配列が、タンパク質コード配列の発現を機能的に制御するような、核酸プロモーターおよび/または調節配列とタンパク質コード配列との間の機能的連結を指す。
【0042】
「約(about)」という用語は、本明細書において記載される数値または値の範囲を修飾する場合、正規変動および当該分野における実験誤差を包含する値を含み、列挙される値または範囲の+/-10%、例えば、列挙される値または範囲の+/-1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%または10%を含んでもよい。
【0043】
「相補性決定領域」(CDR)という用語は、特定の抗原に結合する抗体の可変領域またはドメイン内に位置するアミノ酸配列を指す。CDRは、Kabat et al., J. Biol. Chem. 252:6609-6616 (1977);Kabatら、アメリカ合衆国保健福祉省(U.S. Dept. of Health and Human Services)、「Sequences of proteins of immunological interest」(1991年);Al-Lazikani, B.; Lesk, A. M.; Chothia, C.(1997年)「Standard conformations for the canonical structures of immunoglobulins」、Journal of Molecular Biology. 273 (4): 927-948;およびNorth, B.; Lehmann, A.; Dunbrack Jr, R. L.(2011年)「A New Clustering of Antibody CDR Loop Conformations」、Journal of Molecular Biology. 406 (2): 228-256により記載される。当該分野において周知であるとおり、各々の可変領域、すなわち、軽鎖可変領域(VL)および重鎖可変領域(VH)のアミノ酸配列において、3つの隣接しないCDRが存在する(CDR1、CDR2およびCDR3)。VLにおけるCDRは、LCDR1、LCDR2およびLCDR3として言及される。VHにおけるCDRは、HCDR1、HCDR2およびHCDR3として言及される。
【0044】
「遺伝子改変された調節性T細胞」という用語は、外来核酸配列、または外来核酸配列を含むベクターで遺伝子導入または形質導入されたTreg細胞を指す。当該用語は、本明細書において記載される抗C4d ABP、抗C4d scFvまたは抗C4d CARを発現するTreg細胞を含む。
【0045】
詳細な説明
本明細書において記載されるのは、ABMRおよび同種移植拒絶を抑制するために有用である組成物、ならびに該組成物を作製および使用する方法である。一側面において、組成物は、補体成分4d(C4d)に特異的に結合する抗原結合タンパク質を発現する、遺伝子改変された調節性T細胞(Treg)(抗C4d Treg)を含む。遺伝子改変された抗C4d Tregは、以下の予想外の利点を提供する。第1に、それらは、対象に投与された場合に、ABMRおよび同種移植拒絶を抑制することにおいて有効である。第2に、それらは、in vitroでのT細胞の増殖ならびに非形質導入Tregの増殖を抑制することにおいて有効である。第3に、抗C4d Tregの養子移入は、マウスモデルにおいて、心臓同種移植片の生存を著しく延長した。抗C4d Tregは、したがって、ABOi同種移植に関連する拒絶を含むABMRを制御するための有望な治療剤を代表する。
【0046】
補体成分4d(C4d)に特異的に結合する調節性T細胞(Treg).
一側面において、本明細書において記載されるのは、補体成分4d(C4d)に特異的に結合することができる、遺伝子改変されたTregである。いくつかの態様において、改変されたTregは、C4dまたはその抗原性フラグメントに特異的に結合する抗原結合タンパク質(ABP)を発現する。いくつかの態様において、改変されたTregは、哺乳動物C4dまたはその抗原性フラグメントに特異的に結合する抗原結合タンパク質(ABP)を発現する。いくつかの態様において、改変されたTregは、げっ歯類(例えば、ラットまたはマウス)のC4dまたはその抗原性フラグメントに特異的に結合する抗原結合タンパク質(ABP)を発現する。いくつかの態様において、改変されたTregは、ヒトC4dまたはその抗原性フラグメントに特異的に結合する抗原結合タンパク質(ABP)を発現する。本明細書において記載される態様のうちのいずれかにおいて、改変されたTregは、C4d-ヒトFc融合タンパク質などのC4d-Fc融合タンパク質に特異的に結合する抗原結合タンパク質(ABP)を発現する。
【0047】
いくつかの態様において、ABPは、抗体またはその抗原結合フォーマットである。いくつかの態様において、ABPは、キメラ抗体もしくはヒト化抗体またはその抗原結合フラグメントもしくはフォーマットである。いくつかの態様において、ABPは、単鎖可変フラグメント(scFv)である。いくつかの態様において、ABPは、キメラ抗原受容体(CAR)である。
【0048】
いくつかの態様において、CARは、以下の要素のうちの1つ以上を含む:(i)C4dに結合する抗体(抗C4d抗体);(ii)ヒンジ領域;(iii)膜貫通ドメイン;(iv)細胞質ドメイン;および/または(v)リーダー配列、またはそれらの組み合わせ。いくつかの態様において、CARは、アミノ末端から開始して以下の順序において要素を含む:(i)リーダー配列;(ii)抗C4d抗体;(iii)ヒンジ領域;(iv)膜貫通ドメイン;および(v)細胞質ドメイン。細胞質ドメインは、T細胞活性化の原因であるアミノ酸配列を含む。
【0049】
本明細書において記載される態様のうちのいずれかにおいて、抗C4d抗体は、C4dに特異的に結合するscFvである。いくつかの態様において、scFvは、ヒトもしくはマウスなどの哺乳動物から、またはニワトリなどの鳥類の種からの、重鎖および/または軽鎖の配列を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体または抗C4d scFvは、キメラもしくはヒト化配列を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体は、キメラもしくはヒト化C4d抗体、またはその抗原結合フラグメントもしくはフォーマットを含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの軽鎖可変領域は、配列番号2または配列番号6に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの軽鎖可変領域は、配列番号2または配列番号6を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの重鎖可変領域は、配列番号4または配列番号8に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの重鎖可変領域は、配列番号4または配列番号8を含む。
【0050】
いくつかの態様において、抗C4d抗体または抗C4d scFvは、げっ歯類(例えば、ラットもしくはマウス)またはヒトのC4dを含むがこれに限定されない哺乳動物C4d、またはそれらの抗原性フラグメントに結合する。いくつかの態様において、抗C4d抗体または抗C4d scFvは、C4d-Fc融合タンパク質に結合する。
【0051】
いくつかの態様において、ヒンジ領域は、ヒトCD8ヒンジ領域である。いくつかの態様において、ヒンジ領域は、配列番号10に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ヒンジ領域は、配列番号10を含む。
【0052】
いくつかの態様において、膜貫通ドメインは、CD28の膜貫通ドメインを含む。いくつかの態様において、膜貫通ドメインは、マウスCD28の膜貫通ドメインを含む。
【0053】
いくつかの態様において、CARは、CD28、CD27、4-1BB、またはOX40から選択される共刺激ドメインを含む細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞質ドメインは、CD28共刺激シグナル伝達ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞質ドメインは、マウスCD28共刺激シグナル伝達ドメインを含む。
【0054】
いくつかの態様において、CARは、CD28膜貫通および/またはCD28細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、マウスCD28膜貫通および/またはマウスCD28細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、CD28の膜貫通および細胞質ドメインは、配列番号12に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、CD28の膜貫通および細胞質ドメインは、配列番号12を含む。
【0055】
いくつかの態様において、細胞質ドメインは、CD3ζ(CD3ゼータ)細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、細胞質ドメインは、ヒトCD3ζ細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、ヒトCD3ζ細胞質ドメインは、配列番号22に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、ヒトCD3ζ細胞質ドメインは、配列番号22を含む。いくつかの態様において、細胞質ドメインは、マウスCD3ζ細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、マウスCD3ζ細胞質ドメインは、配列番号14に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、マウスCD3ζ細胞質ドメインは、配列番号14を含む。
【0056】
いくつかの態様において、細胞質ドメインは、1つ以上の免疫受容活性化チロシンモチーフ(Immune-receptor-Tyrosine-based-Activation-Motif:ITAM)配列を含む。
【0057】
いくつかの態様において、細胞質ドメインは、CD28共刺激シグナル伝達ドメインおよびCD3ζ細胞質ドメインを含む、融合タンパク質を含む。いくつかの態様において、細胞質ドメインは、マウスCD28共刺激シグナル伝達ドメインおよびヒトCD3ζ細胞質ドメインを含む、融合タンパク質を含む。いくつかの態様において、細胞質ドメインは、マウスCD28共刺激シグナル伝達ドメインおよびマウスCD3ζ細胞質ドメインを含む、融合タンパク質を含む。
【0058】
いくつかの態様において、CARは、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、および/またはCD28細胞質ドメイン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、CARは、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、および/またはマウスCD28細胞質ドメイン、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの態様において、CARは、配列番号20に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を有する、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、およびマウスCD28細胞質ドメインを含む。いくつかの態様において、CARは、配列番号20を含むアミノ酸配列を有する、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、およびCD28細胞質ドメインを含む。
【0059】
いくつかの態様において、CARは、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞質ドメイン、およびCD3-ゼータ細胞質ドメインを含む、融合タンパク質を含む。いくつかの態様において、CARは、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、マウスCD28細胞質ドメイン、および/またはマウスCD3-ゼータ細胞質ドメイン、またはそれらの組み合わせを含む、融合タンパク質を含む。いくつかの態様において、CARは、配列番号24に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を有する、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、マウスCD28細胞質ドメイン、およびマウスCD3-ゼータ細胞質ドメインを含む、融合タンパク質を含む。いくつかの態様において、CARは、配列番号24を含むアミノ酸配列を有する、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞質ドメイン、およびCD3-ゼータ細胞質を含む、融合タンパク質を含む。
【0060】
いくつかの態様において、CARは、CARで遺伝子導入された細胞をソートおよび選択するために有用な、c-mycタグなどのアミノ酸タグをさらに含む。いくつかの態様において、タグは、CARの抗C4d抗体とヒンジ領域との間に位置する。いくつかの態様において、タグは、配列番号26に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、タグは、配列番号26のアミノ酸配列を含む。
【0061】
いくつかの態様において、CARは、配列番号16または配列番号18に対して実質的に同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、CARは、配列番号16または配列番号18のアミノ酸配列を含む。
【0062】
いくつかの態様において、遺伝子改変された調節性T細胞は、マーカーCD62L、CD4およびCD25を発現する。いくつかの態様において、遺伝子改変された調節性T細胞は、抗C4d ABPまたはCARを発現し、また、Foxp3、CD25、CTLA-4、LAP、およびGITRを、対照(例えば、非形質導入)もしくは天然の調節性T細胞と類似のレベルで発現する。
【0063】
核酸
また記載されるのは、本明細書において記載される抗原結合タンパク質の1つ以上の構成成分をコードする核酸分子および/または核酸配列である。いくつかの態様において、核酸分子は、本明細書において記載されるCARの1つ以上の構成成分をコードする核酸配列を含む。例えば、いくつかの態様において、核酸分子は、(i)リーダー配列;(ii)抗C4d抗体;(iii)ヒンジ領域;(iv)膜貫通ドメイン;および/または(v)細胞質ドメインをコードする配列を含む。
【0064】
いくつかの態様において、核酸配列は、抗C4d抗体をコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、C4dに特異的に結合する抗C4d scFvをコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、抗C4d抗体またはscFvの軽鎖可変領域をコードする。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの軽鎖可変領域をコードする核酸分子は、配列番号1または配列番号5に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの軽鎖可変領域をコードする核酸分子は、配列番号1または配列番号5の核酸配列を含む。
【0065】
いくつかの態様において、核酸配列は、抗C4d抗体またはscFvの重鎖可変領域をコードする。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの重鎖可変領域をコードする核酸分子は、配列番号3または配列番号7に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、抗C4d抗体またはscFvの重鎖可変領域をコードする核酸分子は、配列番号3または配列番号7の核酸配列を含む。
【0066】
いくつかの態様において、核酸配列は、ヒンジ領域をコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、ヒトCD8ヒンジ領域をコードする。いくつかの態様において、ヒンジ領域をコードする核酸分子は、配列番号9に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、ヒンジ領域をコードする核酸分子は、配列番号9の核酸配列を含む。
【0067】
いくつかの態様において、核酸配列は、膜貫通ドメインをコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、CD28膜貫通ドメインをコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、CD28膜貫通および細胞質ドメインをコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、マウスCD28の膜貫通および細胞質ドメインをコードする。いくつかの態様において、膜貫通および細胞質ドメインをコードする核酸分子は、配列番号11に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、膜貫通ドメインをコードする核酸分子は、配列番号11の核酸配列を含む。
【0068】
いくつかの態様において、核酸配列は、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、および/またはCD28細胞質ドメイン、またはそれらの組み合わせをコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、および/またはマウスCD28細胞質ドメイン、またはそれらの組み合わせをコードする。いくつかの態様において、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、およびマウスCD28細胞質ドメインをコードする核酸配列は、配列番号19に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、およびマウスCD28細胞質ドメインをコードする核酸配列は、配列番号19を含む。
【0069】
いくつかの態様において、核酸配列は、CD3ζ(CD3ゼータ)細胞質ドメインをコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、ヒトCD3ζ細胞質ドメインをコードする。いくつかの態様において、ヒトCD3ζ細胞質ドメインをコードする核酸配列は、配列番号21に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、ヒトCD3ζ細胞質ドメインをコードする核酸配列は、配列番号21を含む。いくつかの態様において、核酸配列は、マウスCD3ζ細胞質ドメインをコードする。いくつかの態様において、マウスCD3ζ細胞質ドメインをコードする核酸配列は、配列番号14に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、マウスCD3ζ細胞質ドメインをコードする核酸配列は、配列番号14を含む。
【0070】
いくつかの態様において、核酸配列は、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞質ドメイン、およびCD3-ゼータ細胞質ドメインを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの態様において、核酸配列は、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、マウスCD28細胞質ドメイン、および/またはマウスCD3-ゼータ細胞質ドメインを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの態様において、マウスCD28細胞外ドメイン、マウスCD28膜貫通ドメイン、マウスCD28細胞質ドメイン、およびマウスCD3-ゼータ細胞質ドメインを含む融合タンパク質をコードする核酸は、配列番号23に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、CD28細胞外ドメイン、CD28膜貫通ドメイン、CD28細胞質ドメイン、およびCD3-ゼータ細胞質を含む融合タンパク質をコードする核酸は、配列番号23の核酸配列を含む。
【0071】
いくつかの態様において、核酸は、CARで遺伝子導入された細胞をソートおよび選択するために有用な、c-mycタグなどのアミノ酸タグをコードする。いくつかの態様において、タグをコードする核酸配列は、CARの抗C4d抗体/scFvをコードする核酸配列とヒンジ領域をコードする核酸配列との間に位置する。いくつかの態様において、タグをコードする核酸は、配列番号25に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、タグをコードする核酸は、配列番号25の核酸配列を含む。
【0072】
いくつかの態様において、CARをコードする核酸配列は、配列番号15または配列番号17に対して実質的に同一である核酸配列を含む。いくつかの態様において、CARをコードする核酸配列は、配列番号15または配列番号17の核酸配列を含む。
【0073】
本明細書において記載される態様のうちのいずれかにおいて、核酸またはアミノ酸配列は、列挙される配列番号を含むか、またはこれからなることができる。
【0074】
ベクター
いくつかの側面において、本開示は、本明細書において記載される核酸配列を含むベクターを提供する。ベクターは、宿主細胞において、自己複製することができるか、または宿主細胞のゲノム中に組み込まれることができる。いくつかの態様において、ベクターは、レトロウイルスベクターである。いくつかの態様において、ベクターは、C4dに結合するscFvをコードする核酸配列を含む。いくつかの態様において、ベクターは、scFv-Cκ融合タンパク質をコードする核酸配列を含む。
【0075】
いくつかの態様において、ベクターは、本明細書において記載される抗C4d CARの1つ以上のエレメントをコードする、1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの態様において、ベクターは、抗C4d抗体、アミノ酸タグ、ヒンジ領域、膜貫通領域および/または細胞質領域をコードする、1つ以上の核酸配列を含む。いくつかの態様において、ベクターは、抗C4d抗体のscFvフォーマット、c-mycタグ、ヒトCD8ヒンジ領域、マウスCD28の膜貫通領域および細胞質領域、ならびにヒトCD3ζ細胞質領域をコードする、1つ以上の核酸配列を含む。
【0076】
いくつかの態様において、ベクターは、当該転写および/または翻訳調節エレメントに操作可能に連結された核酸配列のRNAおよび/またはタンパク質の発現を調節する、転写および/または翻訳調節エレメントを含む、発現ベクターである。いくつかの態様において、ベクターは、本明細書において記載される核酸配列に操作可能に連結されたプロモーター配列を含む。いくつかの態様において、プロモーターは、構成的プロモーターである。いくつかの態様において、プロモーターは、誘導性プロモーターである。
【0077】
改変された調節性T細胞を産生するための方法
別の側面において、本明細書において記載される改変されたTregを産生するための方法が提供される。いくつかの態様において、方法、調節性T細胞を、本明細書において記載される核酸またはベクターで遺伝子導入または形質導入することを含み、ここで、該核酸またはベクターは、本明細書において記載される抗C4d ABPをコードする核酸配列を含む。いくつかの態様において、核酸またはベクターは、本明細書において記載される抗C4d scFvをコードする核酸配列を含む。遺伝子導入または形質導入の後で、Tregを、当該核酸配列によりコードされる抗原結合タンパク質の発現を許容する条件下において培養することができる。抗C4d ABPを発現するTregは、例えば、抗C4d ABPの構成成分に結合する抗体でTregを染色し、フローサイトメトリーまたは蛍光励起セルソーティング(FACS)により細胞をソートすることにより、選択することができる。いくつかの態様において、抗C4d ABPを発現するTregは、c-mycタグなどのアミノ酸タグの発現を検出することにより、選択することができる。
【0078】
いくつかの態様において、改変されたTregは、抗CD3および抗CD28抗体ならびにサイトカインIL-2と共に培養される。いくつかの態様において、改変されたTregは、抗CD3および抗CD28抗体、IL-2、ならびにラパマイシンと共に培養される。
【0079】
免疫応答を誘導するための方法
別の側面において、免疫応答を誘導するための方法が記載される。いくつかの態様において、方法は、抗C4d ABPを発現する調節性T細胞をC4d抗原と接触させて、免疫応答が引き起こされるか否かを決定することを含む。いくつかの態様において、方法は、in vitroでの方法であり、抗C4d ABPを発現する改変された調節性T細胞を、C4d抗原と共に培養することを含む。いくつかの態様において、C4d抗原は、可溶性C4d抗原である。いくつかの態様において、C4d抗原は、可溶性C4d抗原-ヒトFc融合タンパク質である。
【0080】
いくつかの態様において、免疫応答は、抗C4d ABPを発現しない対照Treg(例えば、非形質導入Treg(NT Treg)またはパリビズマブscFvを含有する対照CARなどの無関係なABPを発現するTreg)と比較して、改変された調節性T細胞により、増大した(上方調節された)CD69の発現、増大したIL-10の発現もしくは分泌、および/または増大したIFN-γの発現もしくは分泌を含む。
【0081】
T細胞増殖を抑制するための方法
別の側面において、T細胞増殖を抑制するためのin vitroでの方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、抗C4d ABPを発現する改変されたTregを、活性化されたエフェクターT細胞(Teff)と共に培養すること、ならびにフェクターT細胞の増殖および/または活性化の低下を決定することを含む。いくつかの態様において、エフェクターT細胞を、実験を開始する前に、カルボキシフルオレセインサクシニミジルエステル(CFSE)などの蛍光追跡用色素で標識し、経時的に細胞が活性化して分裂するに伴う娘細胞における色素の希釈をモニタリングする。いくつかの態様において、Treg細胞を標的Teffゲートから除外し、同じ共培養からのTregの同時の変化をモニタリングするために、CellTrace Violet色素(CTV)などの異なる蛍光追跡用色素で改変されたTregを標識する。T細胞抑制アッセイは、Zappasodi, R.ら、「In vitro assays for effector T cell functions and Activity of immunomodulatory antibodies」.Methods in enzymology、第631巻(2020年):43-59. doi:10.1016/bs.mie.2019.08.012において記載される。
【0082】
抗体媒介性拒絶(ABMR)を抑制するための方法
別の側面において、抗体媒介性拒絶を抑制するためのin vivoでの方法が提供される。いくつかの態様において、方法は、抗C4d ABPを発現する調節性T細胞を、臓器移植片を有する対象に、移植された臓器の拒絶を軽減または予防するために有効な量において投与することを含む。いくつかの態様において、有効量は、約1×106~約1×109個の抗C4d CAR発現Treg細胞を対象に投与することを含む。いくつかの態様において、有効量は、約1×106/kg~約1×109/kg(体重)の抗C4d CAR発現Treg細胞を対象に投与することを含む。
【0083】
いくつかの態様において、移植は、同種移植である。いくつかの態様において、同種移植は、ABO血液型不適合(ABOi)同種移植である。いくつかの態様において、同種移植は、心臓同種移植である。
【0084】
いくつかの態様において、対象は、これらに限定されないが、げっ歯類(例えば、マウスもしくはラット)、ウシ、ヒツジ、ウマ、ブタ、イヌ、ネコ、または非ヒト霊長類などの哺乳動物である。いくつかの態様において、対象は、ヒトである。
【実施例
【0085】
実施例
[実施例1]
材料&方法
【0086】
動物
C57BL/6JおよびCD45.1+コンジェニックC57BL/6Jマウスは、Jackson Laboratory(Bar Harbor, ME, USA)から購入した。ヒト血液型A抗原-トランスジェニック(A-TG)BALB/cマウスは、寛大にも、Peter Cowan(St Vincent’s Hospital、University of Melbourne、Australia)およびLori West(University of Alberta、Canada)から提供された13
【0087】
コンビナトリアルscFvディスプレイファージライブラリーの作製およびバイオパニング
4個体の白色レグホン種のニワトリを、5μgの組み換えマウスC4d-Fcで、3回の追加免疫を用いて、免疫化した。免疫化の後で、以前に記載されるとおりcDNAを合成した14。C4d-Cκ共役磁気ビーズによる4ラウンドのバイオパニングを行った15。アウトプットタイタープレートから、ファージ酵素イムノアッセイのために、C4d-Cκコートされたマイクロタイタープレート(3690;Corning Life Sciences, Corning, NY, USA)を用いて、scFvクローンを無作為的に選択した16。C4d-Cκに対して反応性(A405>2.0)のクローンを、OmpSeqプライマーを用いて、Cosmogenetech(Seoul, Korea)により配列決定した17
【0088】
scFv-Cκ融合タンパク質の発現および精製
scFv-Cκ融合タンパク質をコードさせるために、pCEP4発現ベクターを構築した。パリビズマブscFvをまた、対照としてベクター中にクローニングした15。FectoPRO(Polyplus, Illkirch, France)を用いて、ヒト胚性腎臓293F細胞(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)中にコンストラクトをトランスフェクトし、以前に記載されるとおりアフィニティークロマトグラフィーにより精製した18
【0089】
レトロウイルスベクターの構築およびトランスフェクション
レトロウイルスベクターを構築するために、Integrated DNA Technologies(Coralville, IA, USA)により、抗C4d抗体のscFvフラグメント、c-mycタグ、ヒトCD8ヒンジ領域、マウスCD28の膜貫通領域および細胞質領域、ならびにヒトCD3ζ細胞質領域の遺伝子を含むプラスミドを合成した。CARコンストラクトを、pMSCV-puroレトロウイルスベクター(Takara Bio, Shiga Japan)のPGKプロモーターの下流にクローニングした。詳細なトランスフェクションおよびレトロウイルスパッケージングの手順は、A.1. Supplemental Methodsにおいて記載される。
【0090】
CAR Tregの作製
ソートされたCD62L+CD4+CD25+ T細胞を、DYNABEADS(商標)Mouse T-Activator CD3/CD28(Thermo Fisher Scientific, Waltham, MA, USA)およびインターロイキン(IL)-2(4,000IU、PROLEUKIN, Boehringer Ingelheim Pharma, Biberach/Riss, Germany)で、1日間にわたり刺激した(図2A)。次に、これらの細胞に、レトロネクチン(Takara Bio)を用いて、連続した2日間において、レトロウイルスで形質導入した。形質導入されたTregを、IL-2およびラパマイシン(100nM、Sigma-Aldrich, St Louis, MO, USA)の存在下において、2ラウンドにわたり、抗CD3/CD28 Dynabeadsにより刺激した。対照として、非形質導入Treg(NT Treg)を、ウイルスによる形質導入を除いて同じ様式において刺激した。
【0091】
CAR Tregについての結合および活性化アッセイ
CAR TregのC4dへの結合を評価するために、NT Treg、対照CAR Treg、または抗C4d CAR Tregを、C4d-ヒトFcと共に2時間にわたり培養し、次いで、フローサイトメトリー分析のために抗ヒトFcを添加した。活性化アッセイのために、C4d+Raji細胞を、48時間にわたり、3群のTregと共に共培養した19。TregにおけるCD69の発現、ならびにIL-10およびインターフェロン-γ(IFN-γ)の分泌を、それぞれ、フローサイトメトリーおよび酵素結合免疫吸着アッセイ(Biolegend, San Diego, CA, USA)により測定した。
【0092】
In vitroでの抑制アッセイ
CTV(CELLTRACE(商標)Violet Cell Proliferation Kit、Thermo Fisher Scientific)で標識された脾臓CD45.1+CD4+ T細胞を、3日間にわたり、4対1の比におけるCD45.2+CAR Tregと共に、またはこれを用いずに、抗CD3/CD28 Dynabeadsで刺激した。T細胞増殖を、分裂の指標として表した20
【0093】
心臓移植術および免疫抑制レジメン
野生型C57BL/6Jマウスを、以前に記載されるとおりヒト血液型A抗原により感作した21。A-TG BALB/cマウスからの心臓を、感作したC57BL/6Jマウスに移植した。CD45.1+NT、対照CAR、または抗C4d CAR Treg(1×106)を、移植術の1日前にレシピエントマウスに移入した。プレドニゾロン(Yuhan, Seoul, Korea)、タクロリムス(Astellas Pharma, Tokyo, Japan)、およびラパマイシン(Rapamune, Pfizer Pharmaceutical Korea, Seoul, Korea)を、毎日投与した。
【0094】
フローサイトメトリー分析
フローサイトメトリー分析において用いられた抗体を、表A.1において記載する。死細胞を染色するために、7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD;BD Biosciences, San Diego, CA, USA)を添加した。フローサイトメトリーは、Attune NxTフローサイトメーター(Thermo Fisher Scientific)を用いて行った。データは、FlowJoソフトウェア(Tree Star, Ashland, OR, USA)を用いて分析した。
【0095】
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応
心臓同種移植組織についてのリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応を行った;用いられた対応するプライマーを含む詳細な情報は、表A.2およびA.1. Supplemental Methodsにおいて記載される。IL-1β、IL-6およびIFN-γ遺伝子のmRNAレベルを、グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素(Gapdh)のものに対して正規化し、リン酸緩衝化食塩水(PBS)群におけるものと比較した相対的発現として表した。
【0096】
組織学的分析
心臓同種移植組織について、ヘマトキシリンおよびエオジン染色を行った。また、C4d、MycおよびCD45.1についてもまた、4,6-ジアミジノ-2-フェルインドール(DAPI、Sigma-Aldrich)により、免疫蛍光染色を行った。この分析において用いられた抗体を含む詳細な情報は、A.1. Supplemental Methodsにおいて記載される。
【0097】
統計学的分析
データは、平均±平均の標準誤差として示され、両側スチューデントt検定によりこれを分析した。移植片の生存は、ログランク検定により分析した。P<0.05を、統計学的有意とみなした。全ての分析を、GraphPad Prism(v. 7.0;GraphPad software, La Jolla, CA, USA)を用いて行った。
【0098】
結果&考察
ニワトリ免疫化後のコンビナトリアルscFvディスプレイファージライブラリーからの抗C4d抗体の選択
【0099】
バイオパニングされたscFvディスプレイファージライブラリーによるファージ酵素イムノアッセイを通して、いくつかの反応性クローンを、候補クローンとして同定した。2つのクローン(SC-8、BF-2)がC4dについて良好な結合アフィニティーを示し、BF-2クローンを、その結合活性および発現レベルに基づいて、さらなる研究のために選択した(図1A)。
【0100】
抗C4d CARレトロウイルスベクターの構築
抗C4d scFvを、第二世代CAR構造中のCD8、CD28およびCD3ζの様々な領域中にクローニングすることにより、抗C4d CARを含むレトロウイルスベクターを作製した(図1B)。パリビズマブscFvを含有する対照CARベクターもまた、構築した(図1B)。
【0101】
抗C4d CAR Tregの作製および表現型
抗C4dおよび対照のCAR Tregを、図2Aにおけるプロトコルに従って作成した。いずれのCAR Tregも、CAR発現を表し(Myc+)、良好な生存能を示し(7-AAD-)、かつフォークヘッドボックスP3(Foxp3)の発現を保存したが、一方、NT Tregは、Mycを発現しなかった(図2B)。いずれのCAR Tregも、Foxp3、CD25、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)、潜在関連ペプチド(LAP)、およびグルココルチコイド誘導性腫瘍壊死因子受容体関連タンパク質(GITR)を、NT Tregと類似の程度まで発現し(図2C)、このことは、抗C4d CAR Tregにおいて、Tregにおける免疫抑制機能に関連する分子が、良好に保存されたことを示唆している。
【0102】
C4dに対する特異的結合による抗C4d CAR Tregの活性化
可溶性C4d-ヒトFcは、抗C4d CAR Tregに首尾よく結合したが、一方、それは、対照CAR TregまたはNT Tregには結合しなかった(図3A)。さらに、抗C4d CAR Tregは、C4dの結合に応答して、CD69発現を上方調節し、対照CAR TregおよびNT Tregのいずれよりもはるかに多いIL-10およびIFN-γを分泌した(P<0.01、図3B)。これらのデータは、抗C4d CAR Tregは、C4dに特異的に結合することができ、C4dに対するその結合により活性化されることを示す。
【0103】
抗C4d CAR Tregのin vitroでの免疫抑制活性
3つの群のTregは全て、T細胞増殖を抑制したが、CAR Tregはいずれも、NT Tregよりもわずかに強力な抑制効果を有した(P<0.05、図3C)。これらの結果は、抗C4d CAR Tregが、機能的に活性なTregであり、Tregの免疫抑制活性を示すことを示す。
【0104】
ABOi心臓移植術における心臓同種移植拒絶に対する抗C4d CAR Tregの抑制活性
図4Aは、ABOi心臓移植術におけるABMRに対する抗C4d CAR Tregのin vivoでの免疫抑制活性を示す。感作されたレシピエントは、移植術の前に、高力価の抗A IgMおよびIgGを発達させた(図4A)。抗C4d CAR Tregは、PBS対照および対照CAR Tregと比較して、ABOi心臓同種移植片の生存を著しく延長した(P<0.05、図4B)。心臓同種移植における炎症促進性サイトカインの発現を比較した場合、抗C4d CAR Treg群は、PBS対照群よりも低いIL-6発現を示した(P<0.01、図4C);しかし、抗C4d CAR Treg群とNT Treg群との間に、差異は存在しなかった。
【0105】
組織学的検査は、血管周囲の炎症およびC4d沈着を示し、このことは、ABOi心臓移植術においてABMRが実際に起こったことを示している(図4D)。免疫蛍光画像において、C4d+内皮細胞の周りでCD45.1+Myc+抗C4d CAR Tregの浸潤が顕著に観察された(図4D)。しかし、組織損傷に対するCAR Tregの保護効果は、顕著と考えられるものではなく、これは、おそらく、全ての組織研究が、移植不全の後で得られた、調達された末期試料を用いて行われたせいである。
【0106】
考察
上で提示されたデータは、抗C4d CAR Tregが、C4dに対する特異的結合により活性化され、in vitroでのT細胞の増殖を効果的に抑制したことを実証する。さらに、抗C4d CAR Tregは、ABOi心臓移植術の後でABMRを抑制し、ABOi心臓同種移植片の生存を著しく延長した。
【0107】
今日まで、抗HLA-A2 CAR Tregは、移植の分野において適用されて、同種移植拒絶に対して良好な免疫抑制効果を示した、唯一のCAR Tregである6~8。しかし、ドナー特異的HLAを標的とする抗HLA-A2 CAR Tregは、全てのドナー-レシピエントペアをカバーできない。対照的に、抗C4d CAR Tregは、周知のABMR関連分子であるC4dを標的とし、ドナーとレシピエントとのHLAの組み合わせにかかわらず、ほとんどのABMRを処置するために用いることができる。抗C4d CAR Tregの1つの潜在的な限定要因は、それらがC4d-陰性のABMRを抑制する能力の低さである22
【0108】
一方で、抗C4d CAR Tregは、C4d+ABOi同種移植片に浸潤することにより、ABOi移植術においてABMRを予防し得る。なぜならば、C4dの沈着は、ABOi移植術にユニークな順応の機序を介して、ABMRを伴うまたはこれを伴わないほとんどのABOi同種移植において起こるためである10、11、21。この仮説と一貫して、本明細書において提示されるそのデータは、抗C4d CAR TregがABOi同種移植片の生存を著しく延長することを実証する。
【0109】
本明細書において記載されるデータは、移植の分野において、ABMRおよびABOi移植術の両方のために、C4dを標的とする新たな型の調節性T細胞を提供することにより、CAR Treg治療および同種移植拒絶を制御することに寄与する。上記の結果は、マウスABOi心臓移植術モデルを用いて、同種移植拒絶に対する抗C4d CAR Tregの表現型および免疫抑制効果を初めて実証するものである。
【0110】
まとめると、この例は、ABMRを抑制することによりABOi心臓同種移植の生存率を増大させ、したがってヒト移植術における適用のために有望である、抗C4d CAR Tregを記載する。
【0111】
レトロウイルスベクタートランスフェクションおよびレトロウイルスパッケージング
レトロウイルスコンストラクトを、ウイルスのエンベロープタンパク質として水疱性口内炎インディアナウイルスGタンパク質(VSV-G)をコードするDNAを含むpMD2.Gプラスミド(ATCC)と一緒に、Phoenix GP(ATCC, Manassas, VA, USA)細胞株中にトランスフェクトした。リポフェクタミン3000(Invitrogen, Carlsbad, CA, USA)を用いたトランスフェクションの48時間後に、VSV-Gシュードタイプ化レトロウイルスを含む上清を収集し、レトロウイルスによる感染のために、Phoenix Eco(ATCC)細胞株と共に直接的にインキュベートした。
【0112】
CAR Tregについての活性化アッセイ
活性化アッセイのために、CD20+Raji細胞を、リツキシマブ-mIgG2a(3μg/mL)と共に、以前に記載されるとおりインキュベートした19。抗マウスC5抗体(200nM、ImmunAbs, Seoul, Korea)を5%のNSGマウス血清(Chemon, Seoul, Korea)と混合した後、混合物を、リツキシマブで前処置されたRaji細胞に添加し、細胞の損傷を伴うことなく、Raji細胞上にC4dを沈着させた。次に、C4d+Raji細胞を、NT Treg、対照CAR Treg、または抗C4d CAR Tregと共に、48時間にわたり共培養した。TregにおけるCD69の発現ならびにインターロイキン(IL)-10およびインターフェロン-γ(IFN-γ)の分泌を、それぞれ、フローサイトメトリーおよび酵素結合免疫吸着アッセイにより測定した。
【0113】
心臓移植術および免疫抑制レジメン
野生型C57BL/6Jマウスを、第-21日に、および第-14日に、ヒト血液型A抗原により感作させ、第-7日に、以前に記載されるとおりフローサイトメトリーにより、抗A IgMおよびIgGの血清力価を測定した21。プレドニゾロン(1mg/kg/日、Yuhan, Seoul, Korea)、タクロリムス(アドバグラフ(登録商標)、1mg/kg/日、Astellas Pharma, Tokyo, Japan)、およびラパマイシン(ラパミューン(登録商標)、1mg/kg/日、Pfizer Pharmaceutical Korea, Seoul, Korea)を、毎日投与した。心臓同種移植拒絶の発生を、触診スコア=0とみなした。
【0114】
リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応
心臓同種移植片組織を、Trizol(登録商標)試薬(Thermo Fisher Scientific,
Waltham, MA, USA)によりホモジナイズし、Superscript II逆転写酵素を用いてRNAをcDNAへと逆転写した。各々の反応混合物は、2×SYBR Green PCRマスターミックス(Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)および10pmol/μLの対応するプライマー(表A.2)を含んでなった。リアルタイムPCRの分析は、QuantStudio(v.3.o;Thermo Fisher
Scientific)を用いて行った。
【0115】
組織学的分析
心臓同種移植片を、4%パラホルムアルデヒド中で24時間にわたり固定し、パラフィン包埋切片(4μm)を、ヘマトキシリンおよびエオジンで染色した。免疫蛍光染色のために、クライオスタット切片(厚み4μm)を、ウサギ抗マウスC4d(1:100、ポリクローナル、Hycult
Biotech, Plymouth Meeting, PA, USA)およびラット抗マウスmyc(1:200、クローン9E10、Abcam, Cambridge, UK)で、一晩4℃で染色した。次いで、切片を、ロバ抗ウサギIgG-Alexa Fluor 488およびヤギ抗ラットIgG-Alexa Fluor 647(Thermo
Fisher Scientific)と共に、2時間にわたり37℃でインキュベートした。抗マウスCD45.1-Alexa Fluor
594(クローンly-5.1、Biolegend, San Diego, CA, USA)を、2時間にわたり37℃でインキュベートし、4,6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI、Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA)で核DNAを可視化した。画像は、Leica TCS Sp8共焦点レーザー走査型顕微鏡(Wetzlar, Germany)上で取得し、LAS AF lite(Leica)を用いてエクスポートした。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
[実施例2]
この例は、抗C4d CARを発現する調節性T細胞を作製するための代表的な方法を記載する。
【0119】
マウス抗C4d
CAR Tregの作製
CD62L+CD4+CD25+ T細胞を、FACS Aria II(BD Biosciences, San Diego, CA)を用いてソートすることにより、C57BL/6Jマウスの脾臓およびリンパ節から単離した。ソートされたTregを、DYNABEADS(商標)Mouse
T-Activator CD3/CD28(ビーズ:細胞=1:1)およびIL-2(4,000IU)により、1日間にわたり刺激した。次いで、レトロネクチン試薬を用いて、連続する2日間において、3000rpm、32℃で90分間にわたり播種することにより、これらの細胞にレトロウイルスで形質導入した。第3日に、1500rpmで3分間の遠心分離を用いてレトロウイルスを洗浄した後で、形質導入されたTregを、抗CD3 mAbと共にCD86/CD64を発現するL細胞により、IL-2およびラパマイシン(100nM)の存在下において、第7日まで刺激し、第7日において、CAR
Tregに対して第2ラウンドの刺激を第13日まで適用した(図5Aを参照されたい)。対照として、非形質導入Treg(NT Treg)を、ウイルス形質導入を除いて同じ手法において刺激した。CARの形質導入効率は、Mycタグにより染色することにより、FACSとして確認した。
【0120】
ヒト抗C4d
CAR Tregの作製
ヒトCD4+
T細胞を、MojosortヒトCD4 T細胞単離キットを介して、ヒト末梢血単核細胞(PBMC)から単離した。CD8-CD4+CD45RA+CD127lowCD25+ T細胞を、FACS
Aria II(BD Biosciences, San Diego, CA)を用いて蛍光励起セルソーティングにより精製した。図6Aを参照されたい。ソートされたTregを、DYNABEADS(商標)Mouse T-Activator CD3/CD28(ビーズ:細胞=1:1)およびIL-2(4,000IU)により、1日間にわたり刺激した。次いで、ポリブレン(6ug/ml)試薬を用いて、連続する2日間において、25000rpm、25℃で40分間にわたり播種することにより、これらの細胞にレトロウイルス(letrovirus)で形質導入した。第3日に、1500rpmで3分間の遠心分離を用いてレトロウイルスを洗浄した後で、形質導入されたTregを、CD86/CD64を発現するK562細胞により、抗CD3 mAbと共に、IL-2およびラパマイシン(100nM)の存在下において、第7日まで刺激し、第7日において、CAR
Tregに対して第2ラウンドの刺激を第13日まで適用した(図7を参照されたい)。対照として、非形質導入Treg(NT Treg)を、ウイルス形質導入を除いて同じ手法において刺激した。
【0121】
[実施例3]
この例は、上の例1および図4において記載されるとおり、抗マウスC4d CAR TregがABOi心臓移植術において心臓同種移植の生存率を増大することを実証する。図5Bにおいて示されるとおり、抗マウスC4d CAR Tregは、PBS対照(P<0.001)、NT Treg(P<0.003)および対照CAR Treg(P<0.025)と比較して、ABOi心臓同種移植片の生存を著しく延長した。
【0122】
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20. Brender C, Tannahill GM, Jenkins BJ, et al. Suppressor of cytokine signaling 3 regulates CD8 T-cell proliferation by inhibition of interleukins 6 and 27. Blood. 2007;110(7):2528-2536.
21. Park S, Lee J-G, Jang JY, et al. Induction of Accommodation by Anti-complement Component 5 Antibody-based Immunosuppression in ABO-incompatible Heart Transplantation. Transplantation. 2019;103(9):e248-e255.
22. Orandi BJ, Alachkar N, Kraus ES, et al. Presentation and Outcomes of C4d-Negative Antibody-Mediated Rejection After Kidney Transplantation. Am J Transplant. 2016;16(1):213-220.
23. Wu GD, He Y, Chai NN, et al. Anti-CD20 antibody suppresses anti-HLA antibody formation in a HLA-A2 transgenic mouse model of sensitization. Transpl Immunol. 2008;19(3-4):178-186.
【0123】
本明細書において記載される例および態様は、単に説明を目的とするものであること、ならびに、それらを考慮した多様な修飾または変更が、当業者には示唆されるであろうこと、およびそれらは本出願の精神および範囲、および添付される請求の範囲の範囲内に含まれ得るべきであることが、理解される。本明細書において引用される全ての刊行物、Genbankアクセッション番号、特許および特許出願は、参照によりそれらの全体が、全ての目的のために、本明細書に組み込まれる。
【0124】
略式の配列表:
配列番号1.抗C4d scFv(BF-2)軽鎖(LC)ヌクレオチド配列
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCAGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGAGTAGTGGCAGCTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGAAGACAGCAGCTATGTTGGTGTATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
【0125】
配列番号2.抗C4d scFv(BF-2)軽鎖(LC)アミノ酸配列
LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGVFGAGTTLTVL
【0126】
配列番号3.抗C4d scFv(BF-2)重鎖(HC)ヌクレオチド配列
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGGCTCCGGGTTCACCTTCAGGAGTTATGCCCTGGAGTGGGTGCGCCAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCGGGTATTAGCAGCAGTGGCAGTGGCACAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAAGTGCTTACGGTTATGTTGATGCTTACGGCATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGT
【0127】
配列番号4.抗C4d scFv(BF-2)重鎖(HC)アミノ酸配列
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALEWVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDAWGHGTEVIVSSTS
【0128】
配列番号5.抗C4d scFv(SC-8)軽鎖(LC)ヌクレオチド配列
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGAAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTAGGTGGTATGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTCTGATCCATGCTAATACCAAAAGACCCTCGAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCCTATCCGGCTCCACAAGCACATTAACCATCTCTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGGAGACAGCAGCACTGATAGTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
【0129】
配列番号6.抗C4d scFv(SC-8)軽鎖(LC)アミノ酸配列
LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYGWYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPSNIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGIFGAGTTLTVL
【0130】
配列番号7.抗C4d scFv(SC-8)重鎖(HC)ヌクレオチド配列
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGCGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGTGACCGTGCAATGCACTGGGTGCGACAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTCGCGGGTATTTACAGCAGTGGTAGATACACAGGCTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTGGTAGTATTTACTGTGGGTATGCTGATGTTGCTTGCATCGACGCGTGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGT
【0131】
配列番号8.抗C4d scFv(SC-8)重鎖(HC)アミノ酸配列
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMHWVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDAWGHGTEVIVSSTS
【0132】
配列番号9.ヒトCD8ヒンジ ヌクレオチド配列
TCAGCGCTGAGCAACTCCATCATGTACTTCAGCCACTTCGTGCCGGTCTTCCTGCCAGCGAAGCCCACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCATGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGAT
【0133】
配列番号10.ヒトCD8ヒンジ アミノ酸配列
SALSNSIMYFSHFVPVFLPAKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLD
【0134】
配列番号11.マウスCD28膜貫通&細胞質 ヌクレオチド配列
CCTAAGCTGTTTTGGGCACTGGTCGTGGTTGCTGGAGTCCTGTTTTGTTATGGCTTGCTAGTGACAGTGGCTCTTTGTGTTATCTGGACAAATAGTAGAAGGAACAGACTCCTTCAAAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGGAGGCCTGGGCTCACTCGAAAGCCTTACCAGCCCTACGCCCCTGCCAGAGACTTTGCAGCGTACCGCCCC
【0135】
配列番号12.マウスCD28膜貫通&細胞質 アミノ酸配列
PKLFWALVVVAGVLFCYGLLVTVALCVIWTNSRRNRLLQSDYMNMTPRRPGLTRKPYQPYAPARDFAAYRP
【0136】
配列番号13.マウスCD3-ゼータ細胞質 ヌクレオチド配列
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGCTAA
【0137】
配列番号14.マウスCD3-ゼータ細胞質 アミノ酸配列
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0138】
配列番号15.抗C4d(BF-2)CAR-Treg ヌクレオチド配列(scFv-hCD8ヒンジ-mCD28膜貫通+細胞質-mCD3z)
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCAGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGAGTAGTGGCAGCTATGGCTGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGAAGACAGCAGCTATGTTGGTGTATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTAGGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCCGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGGCTCCGGGTTCACCTTCAGGAGTTATGCCCTGGAGTGGGTGCGCCAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCGGGTATTAGCAGCAGTGGCAGTGGCACAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAAGTGCTTACGGTTATGTTGATGCTTACGGCATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGTGCGGCCGCAGAACAAAAACTCATCTCAGAAGAGGATCTGAATGGGGTCACCGTCTCTTCAGCGCTGAGCAACTCCATCATGTACTTCAGCCACTTCGTGCCGGTCTTCCTGCCAGCGAAGCCCACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCATGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGATCCTAAGCTGTTTTGGGCACTGGTCGTGGTTGCTGGAGTCCTGTTTTGTTATGGCTTGCTAGTGACAGTGGCTCTTTGTGTTATCTGGACAAATAGTAGAAGGAACAGACTCCTTCAAAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGGAGGCCTGGGCTCACTCGAAAGCCTTACCAGCCCTACGCCCCTGCCAGAGACTTTGCAGCGTACCGCCCCCTCGAGAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
【0139】
配列番号16.抗C4d(BF-2)CAR-Treg アミノ酸配列(scFv-hCD8ヒンジ-mCD28膜貫通+細胞質-mCD3z)
LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYGWYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPSDIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGVFGAGTTLTVLGQSSRSSGGGGSSGGGGSAVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALEWVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDAWGHGTEVIVSSTSAAAEQKLISEEDLNGVTVSSALSNSIMYFSHFVPVFLPAKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDPKLFWALVVVAGVLFCYGLLVTVALCVIWTNSRRNRLLQSDYMNMTPRRPGLTRKPYQPYAPARDFAAYRPLERVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0140】
配列番号17.抗C4d(SC-8)CAR-Treg ヌクレオチド配列(scFv-hCD8ヒンジ-mCD28膜貫通+細胞質-mCD3z)
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGAAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTAGGTGGTATGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTCTGATCCATGCTAATACCAAAAGACCCTCGAACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCCTATCCGGCTCCACAAGCACATTAACCATCTCTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGGAGACAGCAGCACTGATAGTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTAGGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCCGCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGCGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGTGACCGTGCAATGCACTGGGTGCGACAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTCGCGGGTATTTACAGCAGTGGTAGATACACAGGCTACGGGTCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTGGTAGTATTTACTGTGGGTATGCTGATGTTGCTTGCATCGACGCGTGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGTGCGGCCGCAGAACAAAAACTCATCTCAGAAGAGGATCTGAATGGGGTCACCGTCTCTTCAGCGCTGAGCAACTCCATCATGTACTTCAGCCACTTCGTGCCGGTCTTCCTGCCAGCGAAGCCCACCACGACGCCAGCGCCGCGACCACCAACACCGGCGCCCACCATCGCGTCGCAGCCCCTGTCCCTGCGCCCAGAGGCATGCCGGCCAGCGGCGGGGGGCGCAGTGCACACGAGGGGGCTGGATCCTAAGCTGTTTTGGGCACTGGTCGTGGTTGCTGGAGTCCTGTTTTGTTATGGCTTGCTAGTGACAGTGGCTCTTTGTGTTATCTGGACAAATAGTAGAAGGAACAGACTCCTTCAAAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGGAGGCCTGGGCTCACTCGAAAGCCTTACCAGCCCTACGCCCCTGCCAGAGACTTTGCAGCGTACCGCCCCCTCGAGAGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
【0141】
配列番号18.抗C4d(SC-8)CAR-Treg アミノ酸配列(scFv-hCD8ヒンジ-mCD28膜貫通+細胞質-mCD3z)
LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYGWYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPSNIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGIFGAGTTLTVLGQSSRSSGGGGSSGGGGSAVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMHWVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKGRATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDAWGHGTEVIVSSTSAAAEQKLISEEDLNGVTVSSALSNSIMYFSHFVPVFLPAKPTTTPAPRPPTPAPTIASQPLSLRPEACRPAAGGAVHTRGLDPKLFWALVVVAGVLFCYGLLVTVALCVIWTNSRRNRLLQSDYMNMTPRRPGLTRKPYQPYAPARDFAAYRPLERVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0142】
配列番号19.マウスCD28(細胞外+膜貫通+細胞質)ヌクレオチド配列
ATCGAGTTCATGTACCCACCACCCTACCTTGACAATGAACGGAGTAACGGAACTATCATTCACATCAAGGAAAAGCATCTTTGCCACACACAATCTAGTCCAAAACTCTTTTGGGCATTGGTCGTTGTGGCTGGGGTGCTTTTCTGTTATGGACTTCTTGTGACCGTAGCACTCTGTGTCATCTGGACAAATAGCCGCCGAAACCGCGGCGGGCAGTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGACGCCCTGGACTGACTCGCAAACCCTATCAACCTTATGCTCCCGCTAGGGACTTCGCAGCCTATAGGCCC
【0143】
配列番号20.マウスCD28(細胞外+膜貫通+細胞質)アミノ酸配列
IEFMYPPPYLDNERSNGTIIHIKEKHLCHTQSSPKLFWALVVVAGVLFCYGLLVTVALCVIWTNSRRNRGGQSDYMNMTPRRPGLTRKPYQPYAPARDFAAYRP
【0144】
配列番号21.ヒトCD3-ゼータ細胞質 ヌクレオチド配列.
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
【0145】
配列番号22.ヒトCD3-ゼータ細胞質 アミノ酸配列
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0146】
配列番号23.マウスCD28(細胞外+膜貫通+細胞質)+マウスCD3-ゼータ ヌクレオチド配列
ATCGAGTTCATGTACCCACCACCCTACCTTGACAATGAACGGAGTAACGGAACTATCATTCACATCAAGGAAAAGCATCTTTGCCACACACAATCTAGTCCAAAACTCTTTTGGGCATTGGTCGTTGTGGCTGGGGTGCTTTTCTGTTATGGACTTCTTGTGACCGTAGCACTCTGTGTCATCTGGACAAATAGCCGCCGAAACCGCGGCGGGCAGTCCGACTACATGAACATGACTCCTAGACGCCCTGGACTGACTCGCAAACCCTATCAACCTTATGCTCCCGCTAGGGACTTCGCAGCCTATAGGCCCAGAGCCAAATTTTCCCGATCTGCTGAGACTGCCGCCAATCTCCAGGACCCAAATCAATTGTTTAACGAACTGAACCTTGGACGGCGGGAAGAGTTTGATGTTTTGGAGAAGAAGCGCGCACGCGACCCTGAGATGGGTGGCAAGCAGCAACGCCGACGAAACCCTCAAGAGGGTGTTTACAATGCCCTGCAAAAGGACAAGATGGCAGAGGCTTATAGCGAAATAGGAACAAAGGGGGAACGGAGACGAGGAAAGGGACATGATGGACTTTTTCAGGGGCTCTCCACAGCCACAAAGGATACATTCGACGCCTTGCACATGCAAACCCTTGCTCCTAGA
【0147】
配列番号24.マウスCD28(細胞外+膜貫通+細胞質)+マウスCD3-ゼータ アミノ酸配列
IEFMYPPPYLDNERSNGTIIHIKEKHLCHTQSSPKLFWALVVVAGVLFCYGLLVTVALCVIWTNSRRNRGGQSDYMNMTPRRPGLTRKPYQPYAPARDFAAYRPRAKFSRSAETAANLQDPNQLFNELNLGRREEFDVLEKKRARDPEMGGKQQRRRNPQEGVYNALQKDKMAEAYSEIGTKGERRRGKGHDGLFQGLSTATKDTFDALHMQTLAPR
【0148】
配列番号25.c-mycタグ ヌクレオチド配列
GAACAAAAACTCATCTCAGAAGAGGATCTG
【0149】
配列番号26.c-mycタグ アミノ酸配列
EQKLISEEDL
【0150】
配列番号35.N2-7 scFv ヌクレオチド配列:
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCGAACCCGGGAGAAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGCAGCTACTATGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATAGCAACAACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAAGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGACGACGAGGCTGTCTATTACTGTGGGAGCTACGACAGCAATGCTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCC
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGCACTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCACCTTCAGCAGTTATGCCATGGGTTGGATGCGCCAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGACTTCGTCGCTGAAATTAGCGGCAGTGGCACTAGCACATACTACGGGCCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCGGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTTCTGCACGAGAGGTGGTGGTGCTGGTAGTTACATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGT
【0151】
配列番号39.N2-7軽鎖 ヌクレオチド配列:
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCGAACCCGGGAGAAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGCAGCTACTATGGCTGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATAGCAACAACAAGAGACCCTCGGACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAAGCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGACGACGAGGCTGTCTATTACTGTGGGAGCTACGACAGCAATGCTGGTATATTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
【0152】
配列番号40.N2-7 scFvリンカー ヌクレオチド配列:
GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCC
【0153】
配列番号41.N2-7重鎖 ヌクレオチド配列:
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGCACTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCACCTTCAGCAGTTATGCCATGGGTTGGATGCGCCAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGACTTCGTCGCTGAAATTAGCGGCAGTGGCACTAGCACATACTACGGGCCGGCGGTGAAGGGCCGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCGGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTTCTGCACGAGAGGTGGTGGTGCTGGTAGTTACATCGACGCATGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGT
【0154】
配列番号36.N2-7 scFv アミノ酸配列:
LTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTS
【0155】
配列番号42.N2-7軽鎖 アミノ酸配列:
LTQPSSVSANPGETVEITCSGGGSYYGWYQQKSPGSAPVTVIYSNNKRPSDIPSRFSGSKSGSTSTLTITGVQADDEAVYYCGSYDSNAGIFGAGTTLTVL
【0156】
配列番号43.N2-7 LCDR1 アミノ酸配列:
SGGGSYYG
【0157】
配列番号44.N2-7 LCDR2 アミノ酸配列:
SNNKRPS
【0158】
配列番号45.N2-7 LCDR3 アミノ酸配列:
GSYDSNAGI
【0159】
配列番号46.N2-7 scFvリンカー アミノ酸配列:
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
【0160】
配列番号47.N2-7重鎖 アミノ酸配列:
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFTFSSYAMGWMRQAPGKGLDFVAEISGSGTSTYYGPAVKGRATISRDNGRSTVRLQLNNLRAEDTGTYFCTRGGGAGSYIDAWGHGTEVIVSSTS
【0161】
配列番号48.N2-7 HCDR1 アミノ酸配列:
SYAMG
【0162】
配列番号49.N2-7 HCDR2 アミノ酸配列:
EISGSGTSTYYGPAVKG
【0163】
配列番号50.N2-7 HCDR3 アミノ酸配列:
CTRGGGAGSYIDA
【0164】
配列番号37.ヒトGM-CSF-Myc-h28z ヌクレオチド配列.
ATGCTTCTCCTGGTGACAAGCCTTCTGCTCTGTGAGTTACCACACCCAGCATTCCTCCTGATCCCA
GAGCAGAAGCTGATCAGCGAGGAGGACCTG
ATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCCTTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGGGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTGAGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCC
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
【0165】
配列番号51.GM-CSF ヌクレオチド配列:
ATGCTTCTCCTGGTGACAAGCCTTCTGCTCTGTGAGTTACCACACCCAGCATTCCTCCTGATCCCA
【0166】
配列番号52.Myc-タグ ヌクレオチド配列:
GAGCAGAAGCTGATCAGCGAGGAGGACCTG
【0167】
配列番号53.ヒトCD28膜貫通 ヌクレオチド配列:
ATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCCTTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGGGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTGAGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCC
【0168】
配列番号54.ヒトCD3-ゼータ ヌクレオチド配列:
AGAGTGAAGTTCAGCAGGAGCGCAGACGCCCCCGCGTACCAGCAGGGCCAGAACCAGCTCTATAACGAGCTCAATCTAGGACGAAGAGAGGAGTACGATGTTTTGGACAAGAGACGTGGCCGGGACCCTGAGATGGGGGGAAAGCCGAGAAGGAAGAACCCTCAGGAAGGCCTGTACAATGAACTGCAGAAAGATAAGATGGCGGAGGCCTACAGTGAGATTGGGATGAAAGGCGAGCGCCGGAGGGGCAAGGGGCACGATGGCCTTTACCAGGGTCTCAGTACAGCCACCAAGGACACCTACGACGCCCTTCACATGCAGGCCCTGCCCCCTCGC
【0169】
配列番号38.ヒトGM-CSF-Myc-h28z アミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
EQKLISEEDL
IEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0170】
配列番号55.GM-CSF アミノ酸配列:
MLLLVTSLLLCELPHPAFLLIP
【0171】
配列番号56.Myc-タグ アミノ酸配列:
EQKLISEEDL
【0172】
配列番号57.ヒトCD28膜貫通 アミノ酸配列:
IEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS
【0173】
配列番号58.ヒトCD3-ゼータ アミノ酸配列:
RVKFSRSADAPAYQQGQNQLYNELNLGRREEYDVLDKRRGRDPEMGGKPRRKNPQEGLYNELQKDKMAEAYSEIGMKGERRRGKGHDGLYQGLSTATKDTYDALHMQALPPR
【0174】
配列番号59.BF-2 scFv ヌクレオチド配列:
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCAGGAGGAACCGTCGAGATCACCTGCTCCGGGAGTAGTGGCAGCTATGGC TGGTATCAGCAGAAGTCACCTGGCAGTGCCCCTGTCACTGTGATCTATTACAACGACAAGAGACCCTCG GACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCAAATCCGGCTCCACAGCCACATTAACCATCACTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGAAGACAGCAGCTATGTTGGTGTA TTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCC
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAACGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGGCTCCGGGTTCACCTTCAGGAGTTATGCCCTGGAG TGGGTGCGCCAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGAATACGTCGCGGGTATTAGCAGCAGTGGCAGTGGCACAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGC CGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAAGTGCTTACGGTTATGTTGATGCTTACGGCATCGACGCA TGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGT
【0175】
配列番号60.BF-2 LCDR1 ヌクレオチド配列:
TCCGGGAGTAGTGGCAGCTATGGC
【0176】
配列番号61.BF-2 LCDR2 ヌクレオチド配列:
TACAACGACAAGAGACCCTCG
【0177】
配列番号62.BF-2 LCDR3 ヌクレオチド配列:
GGGAGTGAAGACAGCAGCTATGTTGGTGTA
【0178】
配列番号63.BF-2 HCDR1 ヌクレオチド配列:
AGTTATGCCCTGGAG
【0179】
配列番号64.BF-2 HCDR2 ヌクレオチド配列:
GGTATTAGCAGCAGTGGCAGTGGCACAAACTACGGGTCGGCGGTGAAGGGC
【0180】
配列番号65.BF-2 HCDR3 ヌクレオチド配列:
GTGCTTACGGTTATGTTGATGCTTACGGCATCGACGCA
【0181】
配列番号66.BF-2 scFvリンカー ヌクレオチド配列:
GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCC
【0182】
配列番号67.BF-2 scFv アミノ酸配列
LTQPSSVSANPGGTVEITCSGSSGSYG WYQQKSPGSAPVTVIYYNDKRPS DIPSRFSGSKSGSTATLTITGVQAEDEAVYFCGSEDSSYVGV FGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGTLSLVCKGSGFTFRSYALE WVRQAPGKGLEYVAGISSSGSGTNYGSAVKG RATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKSAYGYVDAYGIDA WGHGTEVIVSSTS
【0183】
配列番号68.BF-2 LCDR1 アミノ酸配列:
SGSSGSYG
【0184】
配列番号69.BF-2 LCDR2 アミノ酸配列:
YNDKRPS
【0185】
配列番号70.BF-2 LCDR3 アミノ酸配列:
GSEDSSYVGV
【0186】
配列番号71.BF-2 HCDR1 アミノ酸配列:
SYALE
【0187】
配列番号72.BF-2 HCDR2 アミノ酸配列:
GISSSGSGTNYGSAVKG
【0188】
配列番号73.BF-2 HCDR3 アミノ酸配列:
AYGYVDAYGIDA
【0189】
配列番号74.BF-2 scFvリンカー アミノ酸配列:
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
【0190】
配列番号75.SC-8 scFv ヌクレオチド配列:
CTGACTCAGCCGTCCTCGGTGTCAGCAAACCCGGGAGAAACCGTCAAGATCACCTGCTCCGGGGGTGGTAGGTGGTATGGC TGGTACCAGCAGAAGTCTCCTGGCAGTGCCCCTGTCACTCTGATCCATGCTAATACCAAAAGACCCTCG AACATCCCTTCACGATTCTCCGGTTCCCTATCCGGCTCCACAAGCACATTAACCATCTCTGGGGTCCAAGCCGAGGACGAGGCTGTCTATTTCTGTGGGAGTGGAGACAGCAGCACTGATAGTGGTATA TTTGGGGCCGGGACAACCCTGACCGTCCTA
GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCC
GCCGTGACGTTGGACGAGTCCGGGGGCGGCCTCCAGACGCCCGGAGGAGCGCTCAGCCTCGTCTGCAAGGCCTCCGGGTTCTCCTTCAGTGACCGTGCAATGCAC TGGGTGCGACAGGCACCCGGCAAGGGGCTGGAGTGGGTCGCGGGTATTTACAGCAGTGGTAGATACACAGGCTACGGGTCGGCGGTGAAGGGC CGTGCCACCATCTCGAGGGACAACGGGCAGAGCACAGTGAGGCTGCAGCTGAACAACCTCAGGGCTGAGGACACCGGCACCTACTACTGCGCCAAAGCTGGTAGTATTTACTGTGGGTATGCTGATGTTGCTTGCATCGACGCG TGGGGCCACGGGACCGAAGTCATCGTCTCCTCCACTAGT
【0191】
配列番号76.SC-8 LCDR1 ヌクレオチド配列:
TCCGGGGGTGGTAGGTGGTATGGC
【0192】
配列番号77.SC-8 LCDR2 ヌクレオチド配列:
CATGCTAATACCAAAAGACCCTCG
【0193】
配列番号78.SC-8 LCDR3 ヌクレオチド配列:
GGGAGTGGAGACAGCAGCACTGATAGTGGTATA
【0194】
配列番号79.SC-8 HCDR1 ヌクレオチド配列:
GACCGTGCAATGCAC
【0195】
配列番号80.SC-8 HCDR2 ヌクレオチド配列:
GGTATTTACAGCAGTGGTAGATACACAGGCTACGGGTCGGCGGTGAAGGGC
【0196】
配列番号81.SC-8 HCDR3 ヌクレオチド配列:
GCTGGTAGTATTTACTGTGGGTATGCTGATGTTGCTTGCATCGACGCG
【0197】
配列番号82.SC-8 scFvリンカー ヌクレオチド配列:
GGTCAGTCCTCTAGATCTTCCGGCGGTGGTGGCAGCTCCGGTGGTGGCGGTTCC
【0198】
配列番号83.SC-8 scFv アミノ酸配列:
LTQPSSVSANPGETVKITCSGGGRWYG WYQQKSPGSAPVTLIHANTKRPS NIPSRFSGSLSGSTSTLTISGVQAEDEAVYFCGSGDSSTDSGI FGAGTTLTVL
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
AVTLDESGGGLQTPGGALSLVCKASGFSFSDRAMH WVRQAPGKGLEWVAGIYSSGRYTGYGSAVKG RATISRDNGQSTVRLQLNNLRAEDTGTYYCAKAGSIYCGYADVACIDA WGHGTEVIVSSTS
【0199】
配列番号84.SC-8 LCDR1 アミノ酸配列:
SGGGRWYG
【0200】
配列番号85.SC-8 LCDR2 アミノ酸配列:
HANTKRPS
【0201】
配列番号86.SC-8 LCDR3 アミノ酸配列:
GSGDSSTDSGI
【0202】
配列番号87.SC-8 HCDR1 アミノ酸配列:
DRAMH
【0203】
配列番号88.SC-8 HCDR2 アミノ酸配列:
GIYSSGRYTGYGSAVKG
【0204】
配列番号89.SC-8 HCDR3 アミノ酸配列:
AGSIYCGYADVACIDA
【0205】
配列番号90.SC-8 scFvリンカー アミノ酸配列:
GQSSRSSGGGGSSGGGGS
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
【配列表】
2024508360000001.xml
【国際調査報告】