IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ガルフィータ アーゲーの特許一覧

特表2024-508373固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法
<>
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図1
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図2
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図3
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図4A
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図4B
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図5
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図6
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図7
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図8A
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図8B
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図9
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図10
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図11
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図12
  • 特表-固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】固体医薬組成物および固体医薬組成物を生成する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/50 20060101AFI20240219BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20240219BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20240219BHJP
   A61K 31/7048 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 33/14 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
A61K9/50
A61K47/02
A61K45/00
A61P25/22
A61P25/04
A61P25/24
A61P25/20
A61P25/06
A61K31/7048
A61P33/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546035
(86)(22)【出願日】2022-01-26
(85)【翻訳文提出日】2023-07-27
(86)【国際出願番号】 EP2022051799
(87)【国際公開番号】W WO2022162023
(87)【国際公開日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】21154125.5
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523285694
【氏名又は名称】ガルフィータ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】プフコフ, マキシム
(72)【発明者】
【氏名】ハーグ, ローラント
(72)【発明者】
【氏名】プフィスター, マルク
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA61
4C076AA95
4C076BB01
4C076CC01
4C076CC32
4C076CC34
4C076DD25A
4C076DD26A
4C076DD61T
4C076EE53T
4C076FF06
4C076FF09
4C076FF52
4C076GG12
4C076GG14
4C084AA17
4C084MA38
4C084MA52
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA02
4C084ZA05
4C084ZA08
4C084ZB35
4C084ZB37
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA10
4C086EA14
4C086MA02
4C086MA05
4C086MA38
4C086MA52
4C086NA13
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZB35
4C086ZB37
(57)【要約】
本発明は、一次構造および内部二次構造を有しているテンプレート化担体粒子の生成のための方法であって、a)担体材料をテンプレート材料と合わせるステップであって、ここで、担体材料が、一次構造および内部二次構造を形成するステップと、b)テンプレート材料を変換するステップと、c)変換されたテンプレート材料を除去するステップと、d)内部二次構造を有している担体粒子を得るステップとを含む、方法に関する。さらに、本発明は、本発明による方法によって得ることができる内部二次構造を有している担体粒子に関する。本発明の方法はさらに、内部二次構造を有している担体粒子を圧縮して、圧縮担体物質を得るステップをさらに含むことによって、圧縮担体物質を生成するためにさらに使用することができる。さらに、本発明は、本発明の方法に従って生成された担体粒子または圧縮担体物質を含んでいる、固体医薬組成物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部二次構造を有している担体粒子の生成のための方法であって、
a)担体材料をテンプレート材料と合わせるステップであって、ここで、前記担体材料が、前記テンプレート材料の周囲に一次構造を形成するステップと、
b)前記テンプレート材料を変換するステップと、
c)前記変換されたテンプレート材料を除去するステップと、
d)内部二次構造を有している担体粒子を得るステップと
を含む、方法。
【請求項2】
テンプレート材料が無機材料であるか、または無機材料から主になっている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記担体材料が無機材料であるか、または無機材料から主になっている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
担体材料および前記テンプレート材料が、無機塩であるか、または無機塩から主になっている、請求項3または4に記載の方法。
【請求項5】
担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、前記テンプレート材料上への前記担体材料の化学的沈殿、層化および/または結晶化を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記テンプレート材料を変換するステップが、600℃~1200℃の温度に加熱することを含む、請求項1または5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記テンプレート材料を変換するステップが、600℃~900℃の温度に加熱することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記テンプレート材料を変換する前記ステップが、か焼を含む、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記テンプレート材料を変換する前記ステップが、その後の水の添加を含む、請求項6~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
水の前記添加が、発熱反応である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記テンプレート材料を除去するステップが、前記変換されたテンプレート材料を溶解させて、内部二次構造を形成することを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記テンプレート材料が、炭酸カルシウムを含んでいる、請求項2~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記担体材料が、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの群から選択される少なくとも1種の塩および/または複合物を含んでいる、請求項3~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記担体粒子が、1~300μmの直径を有している、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記担体粒子が、15m2/g~400m2/gの間の表面積を有している、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記内部二次構造が、≧0.2μmかつ≦1.5μmの範囲の直径サイズを有している細孔を含んでいる、請求項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
内部二次構造を有している前記得られた担体粒子における前記内部二次構造の総体積が、前記粒子の体積の≧10%~≦90%の範囲である、請求項13~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる内部二次構造を有している担体粒子。
【請求項19】
≧60v/v%の充填能力を有している、請求項18に記載の担体粒子。
【請求項20】
治療剤を含んでいる、請求項18または19に記載の担体粒子。
【請求項21】
圧縮担体物質の生成のための方法であって、
a)i)請求項1~17のいずれか一項に記載の担体粒子を生成するステップ、および/または
ii)請求項18~20のいずれか一項に記載の担体粒子を提供するステップと、
b)内部二次構造を有している前記担体粒子を圧縮して、前記圧縮担体物質を得るステップと
を含む、方法。
【請求項22】
請求項18~20のいずれか一項に記載の担体粒子または請求項21に記載の生成された圧縮担体物質を含んでいる、固体医薬組成物。
【請求項23】
前記治療剤が、抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および抗感染剤の群から選択される、請求項22に記載の固体医薬組成物、請求項21に記載の生成された圧縮担体物質、または請求項20に記載の担体粒子。
【請求項24】
少なくとも1種のアジュバントを含んでいる、請求項22または23に記載の固体医薬組成物。
【請求項25】
少なくとも1種のアジュバントが、崩壊剤、滑沢剤、および流動性増強剤の群から選択される、請求項24に記載の固体医薬組成物。
【請求項26】
前記少なくとも1種のアジュバントが、味変更剤、匂い変更剤、および外観変更剤の群から選択される、請求項24または25に記載の固体医薬組成物。
【請求項27】
前記味変更剤が、人工甘味剤、酸性度調整剤、ガム、セルロース誘導体、ハードファット、および塩の群から選択される、請求項26に記載の固体医薬組成物。
【請求項28】
処置における使用のための、請求項22~27のいずれかに記載の固体医薬組成物、請求項19に記載の生成された圧縮担体物質、または請求項20に記載の担体粒子。
【請求項29】
老年性疾患または障害の処置における使用のための、請求項28に記載の使用のための固体医薬組成物、請求項28に記載の使用のための圧縮担体物質、または請求項28に記載の使用のための担体粒子。
【請求項30】
小児性疾患もしくは障害の処置における使用のための、請求項28に記載の使用のための固体医薬組成物、請求項28に記載の使用のための圧縮担体物質、もしくは請求項28に記載の使用のための担体粒子、または
前記老年性疾患もしくは障害が、老年性および小児性疾患もしくは障害である、請求項29に記載の使用のための固体医薬組成物、請求項29に記載の使用のための圧縮担体物質、もしくは請求項29に記載の使用のための担体粒子。
【請求項31】
不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の処置における使用のための、請求項28に記載の使用のための固体医薬組成物、請求項28に記載の使用のための圧縮担体物質、または請求項28に記載の使用のための担体粒子、あるいは
前記小児性疾患もしくは障害、前記老年性疾患もしくは障害、または前記老年性および小児性疾患もしくは障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、請求項29もしくは30に記載の使用のための固体医薬組成物、請求項29もしくは30に記載の使用のための圧縮担体物質、または請求項29もしくは30に記載の使用のための担体粒子。
【請求項32】
獣医学的疾患または障害の処置における使用のための、請求項28に記載の使用のための固体医薬組成物、請求項28に記載の使用のための圧縮担体物質、または請求項28に記載の使用のための担体粒子。
【請求項33】
診断目的における使用のための、請求項22~27のいずれかに記載の固体医薬組成物、請求項21に記載の生成された圧縮担体物質、または請求項20に記載の担体粒子。
【請求項34】
シンチグラフィにおける使用のための、請求項33に記載の固体医薬組成物、請求項33に記載の生成された圧縮担体物質、または請求項33に記載の担体粒子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一次構造および内部二次構造を有しているテンプレート化担体粒子の生成のための方法であって、a)担体材料をテンプレート材料と合わせるステップであって、ここで、担体材料が、一次構造および内部二次構造を形成するステップと、b)テンプレート材料を変換するステップと、c)変換されたテンプレート材料を除去するステップと、d)内部二次構造を有している担体粒子を得るステップとを含む、方法に関する。さらに、本発明は、本発明による方法によって得ることができる内部二次構造を有している担体粒子に関する。本発明の方法はさらに、内部二次構造を有している担体粒子を圧縮して、圧縮担体物質を得るステップをさらに含むことによって、圧縮担体物質を生成するために使用することができる。さらに、本発明は、本発明の方法に従って生成された担体粒子または圧縮担体物質を含んでいる、固体医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
固体医薬組成物の薬物送達には、設計に対するいくつかの困難が伴う。固体医薬組成物の崩壊時間は、治療効果の開始を遅延させる。薬物充填能力は、固体医薬組成物当たりの最大投与量を制限する。不十分な機械的安定性は、固体医薬組成物の有効期間に対してマイナスの影響を有することがある。固体医薬組成物(solid pharmaceuticals compositions)の嚥下は、患者、特に小児および/または老年患者にとって問題になることがある。
【0003】
固体医薬組成物の所望の薬物送達特性の改善は、通常、固体医薬組成物の別の特性に望ましくない効果をもたらす。例えば、機械的に安定な硬い固体医薬組成物は、通常、崩壊時間がより長いが(例えば、Kitazawa, S. et al., 1975, The Journal of pharmacy and pharmacology, 27(10), 765-770を参照されたい)、嚥下がより困難になり得る。
【0004】
テンプレート化薬物の担体粒子は、現代の薬物送達において広く使用されており、活性な医薬構成成分の部位特異的(例えば、組織特異的)送達のために使用されている(例えば、Rosenholm, J. M., et al., 2010 Nanoscale, 2(10), 1870-1883を参照されたい)。液体中で中空の担体粒子を生成するための技術が、当技術分野で公知である(例えば、WO1999047253、Donath, E., et al., 1998, Angewandte Chemie International Edition, 37(16), 2201-2205を参照されたい)。しかし、投与可能な形態の固体医薬組成物の特性を改善するための担体粒子の適用には、注意が払われてこなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第1999/047253号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Kitazawa, S. et al., 1975, The Journal of pharmacy and pharmacology, 27(10), 765-770
【非特許文献2】Rosenholm, J. M., et al., 2010 Nanoscale, 2(10), 1870-1883
【非特許文献3】Donath, E., et al., 1998, Angewandte Chemie International Edition, 37(16), 2201-2205
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、所望の薬物送達特性を有している固体医薬組成物を得るための、改善された手段および方法が必要である。
【0008】
上記の技術的な問題は、本明細書に開示されている実施形態によって、特許請求の範囲に定義されている通り解決される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明は、とりわけ以下の実施形態に関する。
実施形態1.内部二次構造を有している担体粒子の生成のための方法であって、
a)担体材料をテンプレート材料と合わせるステップであって、ここで、前記担体材料が、前記テンプレート材料の周囲に一次構造を形成するステップと、
b)前記テンプレート材料を変換するステップと、
c)前記変換されたテンプレート材料を除去するステップと、
d)内部二次構造を有している担体粒子を得るステップと
を含む、方法。
実施形態2.前記テンプレート材料が無機材料であるか、または無機材料から主になっている、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.前記担体材料が無機材料であるか、または無機材料から主になっている、実施形態1または2に記載の方法。
実施形態4.前記担体材料および前記テンプレート材料が、無機塩であるか、または無機塩から主になっている、実施形態3または4に記載の方法。
実施形態5.担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、前記テンプレート材料上への前記担体材料の化学的沈殿、層化および/または結晶化を含む、実施形態1~4のいずれか一項に記載の方法。
実施形態6.前記テンプレート材料を変換するステップが、600℃~1200℃の温度に加熱することを含む、実施形態1または5のいずれか一項に記載の方法。
実施形態7.前記テンプレート材料を変換するステップが、600℃~900℃の温度に加熱することを含む、実施形態6に記載の方法。
実施形態8.前記テンプレート材料を変換する前記ステップが、か焼を含む、実施形態6または7に記載の方法。
実施形態9.前記テンプレート材料を変換する前記ステップが、その後の水の添加を含む、実施形態6~8のいずれか一項に記載の方法。
実施形態10.水の前記添加が、発熱反応である、実施形態9に記載の方法。
実施形態11.前記テンプレート材料を除去するステップが、前記変換されたテンプレート材料を溶解させて、内部二次構造を形成することを含む、実施形態1~10のいずれか一項に記載の方法。
実施形態12.前記テンプレート材料が、炭酸カルシウムを含んでいる、実施形態2~12のいずれか一項に記載の方法。
実施形態13.前記担体材料が、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの群から選択される少なくとも1種の塩および/または複合物を含んでいる、実施形態3~13のいずれか一項に記載の方法。
実施形態14.前記担体粒子が、1~300μmの直径を有している、実施形態13に記載の方法。
実施形態15.前記担体粒子が、15m2/g~400m2/gの間の表面積を有している、実施形態13または14に記載の方法。
実施形態16.前記内部二次構造が、≧0.2μmかつ≦1.5μmの範囲の直径サイズを有している細孔を含んでいる、実施形態13~15のいずれか一項に記載の方法。
実施形態17.内部二次構造を有している前記得られた担体粒子における前記内部二次構造の総体積が、前記粒子の体積の≧10%~≦90%の範囲である、実施形態13~16のいずれか一項に記載の方法。
実施形態18.実施形態1~17のいずれか一項に記載の方法によって得ることができる内部二次構造を有している担体粒子。
実施形態19.≧60v/v%の充填能力を有している、実施形態18に記載の担体粒子。
実施形態20.治療剤を含んでいる、実施形態18または19に記載の担体粒子。
実施形態21.圧縮担体物質の生成のための方法であって、
a)i)実施形態1~17のいずれか一項に記載の担体粒子を生成するステップ、および/または
ii)実施形態18~20のいずれか一項に記載の担体粒子を提供するステップと、
b)内部二次構造を有している前記担体粒子を圧縮して、前記圧縮担体物質を得るステップと
を含む、方法。
実施形態22.実施形態18~20のいずれか一項に記載の担体粒子または実施形態21に記載の生成された圧縮担体物質を含んでいる、固体医薬組成物。
実施形態23.前記治療剤が、抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および抗感染剤の群から選択される、実施形態22に記載の固体医薬組成物、実施形態21に記載の生成された圧縮担体物質、または実施形態20に記載の担体粒子。
実施形態24.少なくとも1種のアジュバントを含んでいる、実施形態22または23に記載の固体医薬組成物。
実施形態25.前記少なくとも1種のアジュバントが、崩壊剤、滑沢剤、および流動性増強剤の群から選択される、実施形態24に記載の固体医薬組成物。
実施形態26.前記少なくとも1種のアジュバントが、味変更剤、匂い変更剤、および外観変更剤の群から選択される、実施形態24または25に記載の固体医薬組成物。
実施形態27.前記味変更剤が、人工甘味剤、酸性度調整剤、ガム、セルロース誘導体、ハードファット、および塩の群から選択される、実施形態26に記載の固体医薬組成物。
実施形態28.処置における使用のための、実施形態22~27のいずれかに記載の固体医薬組成物、実施形態19に記載の生成された圧縮担体物質、または実施形態20に記載の担体粒子。
実施形態29.老年性疾患または障害の処置における使用のための、実施形態28に記載の使用のための固体医薬組成物、実施形態28に記載の使用のための圧縮担体物質、または実施形態28に記載の使用のための担体粒子。
実施形態30.小児性疾患もしくは障害の処置における使用のための、実施形態28に記載の使用のための固体医薬組成物、実施形態28に記載の使用のための圧縮担体物質、もしくは実施形態28に記載の使用のための担体粒子、または
前記老年性疾患もしくは障害が、老年性および小児性疾患もしくは障害である、実施形態29に記載の使用のための固体医薬組成物、実施形態29に記載の使用のための圧縮担体物質、もしくは実施形態29に記載の使用のための担体粒子。
実施形態31.不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の処置における使用のための、実施形態28に記載の使用のための固体医薬組成物、実施形態28に記載の使用のための圧縮担体物質、または実施形態28に記載の使用のための担体粒子、あるいは
前記小児性疾患もしくは障害、前記老年性疾患もしくは障害、または前記老年性および小児性疾患もしくは障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、実施形態29もしくは30に記載の使用のための固体医薬組成物、実施形態29もしくは30に記載の使用のための圧縮担体物質、または実施形態29もしくは30に記載の使用のための担体粒子。
実施形態32.獣医学的疾患または障害の処置における使用のための、実施形態28に記載の使用のための固体医薬組成物、実施形態28に記載の使用のための圧縮担体物質、または実施形態28に記載の使用のための担体粒子。
実施形態33.診断目的における使用のための、実施形態22~27のいずれかに記載の固体医薬組成物、実施形態21に記載の生成された圧縮担体物質、または実施形態20に記載の担体粒子。
実施形態34.シンチグラフィにおける使用のための、実施形態33に記載の固体医薬組成物、実施形態33に記載の生成された圧縮担体物質、または実施形態33に記載の担体粒子。
【発明を実施するための形態】
【0010】
したがって、第1の実施形態では、本発明は、内部二次構造を有している担体粒子の生成のための方法であって、a)担体材料をテンプレート材料と合わせるステップであって、ここで、担体材料が、テンプレート材料の周囲に一次構造を形成するステップと、b)テンプレート材料を変換するステップと、c)変換されたテンプレート材料を除去するステップと、d)内部二次構造を有している担体粒子を得るステップとを含む、方法に関する。
【0011】
驚くべきことに、担体粒子は、本明細書に記載されている通り変換を受けるテンプレート材料を用いて生成した場合、所望の薬物送達特性を示すことが見出された。したがって、本明細書で提供される手段および方法は、患者、特に小児および老年患者(限定されない)の医療において有用である。本明細書で提供される改善された手段および方法により、限定されるものではないが、有効性、安全性、薬物動態特性、物理的安定性、化学的安定性、薬物充填能力および/または崩壊時間を含めた薬物送達特性が増強された固体医薬組成物を得ることが可能になる。
【0012】
「担体粒子」という用語は、本明細書で使用される場合、対象に対して非毒性であるか、または実質的に毒性がなく、それによって、固体医薬組成物の所望の薬物送達特性を改善するために使用することができる材料を指す。本明細書に記載されている担体粒子は、治療剤が充填されない限り、対象への投与の際に治療効果がないか、または実質的にない。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体粒子は、治療剤が充填されない限り、薬理学的に不活性である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体粒子は、水に溶解しないか、または実質的に溶解しない。固体医薬組成物の本明細書に記載されている所望の薬物送達特性には、有効性、安全性、薬物動態特性(例えば、バイオアベイラビリティ)、物理的安定性、化学的安定性、薬物充填能力、および/または崩壊時間が含まれるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、固体医薬組成物の所望の薬物送達特性は、物理的安定性、薬物充填能力、および崩壊時間である。一部の実施形態では、固体医薬組成物の所望の薬物送達特性は、固体医薬組成物の高い薬物充填能力(例えば、≧50v/v%、≧55v/v%、≧60v/v%、≧65v/v%、≧70v/v%、≧75v/v%、≧80v/v%、好ましくは≧60v/v%、より好ましくは60v/v%~85v/v%の間の薬物充填能力)、固体医薬組成物の短い崩壊時間(例えば、≦15秒、≦14秒、≦13秒、≦12秒、≦11秒、≦10秒、好ましくは≦10秒)および/または物理的安定性(例えば、11mm錠剤について≧200N、≧210N ≧220N、≧230N、≧240Nもしくは≧250N、または6mm錠剤について≧40N、≧50N、≧60N、好ましくは6mm錠剤について≧50Nの錠剤硬度(例えば、実施例4を参照されたい))である。本発明による担体粒子は、任意の形状を有することができ、好ましくは本発明による担体粒子は、スフィア、スフェロイド、および/またはビーズの形状に類似の形状を有している(例えば、図1を参照されたい)。テンプレート材料が除去されると、少なくとも1つの細孔が、それ以外はほぼ均一な構造において生じ得る(例えば、図2を参照されたい)。担体粒子は、好ましくは、乾燥環境で中空構造を形成することができる。したがって、本明細書に記載されている担体粒子は、乾燥の際に崩壊しないか、または実質的に崩壊しない。
【0013】
「一次構造」という用語は、本明細書で使用される場合、テンプレート材料を包含する担体材料の層を指す。一部の実施形態では、一次構造は、担体粒子の表面積を増大するさらなる構造要素(例えば、図1におけるようなペタル(petal))を含んでいる。
【0014】
「内部二次構造」という用語は、本明細書で使用される場合、中空内部構造の内表面が、結晶化開始点で高密度である、中空内部構造を指す(例えば、図2を参照されたい)。したがって、内部二次構造は、担体粒子内側で結晶化を可能にする。
【0015】
「担体材料」という用語は、本明細書で使用される場合、本発明の担体粒子のための原材料を含んでいる材料または混合物を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体材料は、無機塩であるか、またはかなりの程度まで無機塩を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体材料は、水に不溶性であるか、または水に溶けにくい。一部の実施形態では、担体材料は、溶媒に溶解している。一部の実施形態では、担体材料または担体材料の前駆体は、液体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体材料は、非ポリマーであるか、またはかなりの程度まで非ポリマーを含んでいる。
【0016】
「テンプレート材料」という用語は、本明細書で使用される場合、担体粒子の一次構造の形成を可能にするテンプレートとして働くのに適している粒子を含んでいる固体材料を指す。テンプレート材料における粒子は、好ましくは、スフィア、スフェロイド、および/またはビーズの形状を有している。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、非ポリマーであるか、またはかなりの程度まで非ポリマーを含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、均一な、またはほぼ均一な粒径分布を有している。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、≦約5、≦約4.5、≦約4、≦約3.5、≦約3、≦約2.8、≦約2.4、≦約2、≦約1.8、≦約1.6、≦約1.4、≦約1.2、≦約1、≦約0.9、≦約0.8、≦約0.7、≦約0.6、≦約0.5、≦約0.4、≦約0.3、≦約0.2、または≦約0.1の分布幅(式:(D90-D10)/D50によって定義される)を有している。したがって、テンプレート材料は、変換可能であり、担体材料を保持するのに十分な安定性を有している任意の材料である。担体材料をテンプレート材料と合わせるステップの間、テンプレート材料の溶解を回避するために、組み合わせる液体に溶けにくいテンプレート材料が使用されるべきである。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、トルエン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、超臨界CO、ジメチルケトン、2-プロパノール、1-プロパノール、飽和アルカン、アルケン、アルカジエン、脂肪酸、グリセロール、シリコンオイル(silicon oil)、ガンマ-ブチロラクトン、およびテトラヒドロフランの群から選択される少なくとも1種の有機溶媒に溶けにくい。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、水に溶けにくい。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、溶解度変更剤を含んでいる水溶液(例えば、塩水)に溶けにくい。一部の実施形態では、本明細書に記載されている「に溶けにくい」という用語は、25℃で<約100mg/L、<約80mg/L、<約60mg/L、<約40mg/L、<約20mg/L、<約10mg/L、<約9mg/L、<約8mg/L、<約7mg/L、<約6mg/L、<約5mg/L、<約4mg/L、<約3mg/L、<約2mg/L、<約1mg/L、<約0.9mg/L、<約0.8mg/L、<約0.7mg/L、<約0.6mg/L、<約0.5mg/L、<約0.4mg/L、<約0.3mg/L、<約0.2mg/L、<約100μg/L、<約90μg/L、<約80μg/L、<約70μg/L、<約60μg/L、<約50μg/L、<約40μg/L、<約30μg/L、<約25μg/Lまたは<約20μg/Lの溶解度を指す。
【0017】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、塩を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、有機塩を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、カーボネートであるか、またはかなりの程度までカーボネートを含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、塩基性酸化物を含んでいる。
【0018】
「変換すること」という用語は、本明細書で使用される場合、組合せてテンプレート材料の除去を可能にする少なくとも1つの物理的ステップおよび少なくとも1つの化学的ステップによって、テンプレート材料の特性を変化させることを指す。「変換すること」の物理的ステップは、材料にエネルギーを提供することを含む。一部の実施形態では、エネルギーは、温度上昇および/または圧力変化の形態で印加される。一部の実施形態では、「変換すること」の物理的ステップは、テンプレート材料において吸熱化学反応を誘導する。「変換すること」の化学的ステップは、テンプレート材料に化学反応物を提供することを含む。一部の実施形態では、「変換すること」の化学的ステップにおいて提供された反応物は、テンプレート材料と反応するが、担体材料とは反応しないか、または実質的に反応しない。一部の実施形態では、「変換すること」の化学的ステップにおいて提供される化学的反応物は、液体形態、溶解形態、および/または気体形態で提供される。
【0019】
本発明の方法は、内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にする。一部の実施形態では、理論に拘泥するものではないが、担体粒子には、担体粒子の表面だけでなく、内部二次構造の内側にも薬物が充填され得るので、これらの内部二次構造は、高い薬物充填を可能にする。充填された薬剤または薬物は、多孔質担体の壁を介する拡散によって、担体を離れることができる。一部の実施形態では、本発明の方法は、標的部位において(例えば、患者の粘膜において)ある特定の安定性を有している、担体粒子の生成を可能にする。したがって、これらの担体粒子は、標的部位に残存し(例えば、粘膜への接着によって)、特異的な薬物送達を可能にすることができる。一部の実施形態では、充填された薬剤が、吸収部位において連続的に放出されるので、本発明の方法は、充填された薬剤の不快な味を遮蔽する担体粒子の生成を可能にする。充填された薬剤の放出速度は、テンプレート材料の幾何形状によって、および/または崩壊剤などの拡散速度調整剤によって制御することができる。したがって、不快な味は、知覚の位置(例えば、舌)への拡散の程度が低い。
【0020】
本明細書に記載されている内部二次構造は、担体粒子の内側に、効率的な薬物充填を可能にする。さらに、内部二次構造は、細孔を介して、例えば溶媒を充填するのに利用できる。一部の実施形態では、本発明の方法は、少ない労力で充填することができ、および/または特に高い充填能力を有している担体粒子の生成を可能にする。
【0021】
一部の実施形態では、本発明の方法は、粒子間力に有益な、特に大きい表面積を有している担体粒子の生成を可能にする。これらの粒子間力は、水の非存在下で担体粒子の間で作用し、担体粒子クラスターの機械的安定性を増加させる。この機械的安定性の増加により、医薬組成物、例えば固体医薬組成物、例えば錠剤における担体粒子の使用において、さらなる安定化材料の必要性が低減される。一部の実施形態では、本発明の方法に従って生成された担体粒子間で作用する粒子間力は、水によって弱められて、本発明による担体粒子を含む医薬組成物、例えば固体医薬組成物、例えば錠剤の崩壊時間を短くすることを可能にする。
【0022】
したがって、本発明は、本発明の方法が、1つまたは複数の所望の薬物送達特性を増強するのに有益な内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0023】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料が無機材料であるか、または無機材料から主になっている、本発明による方法に関する。
【0024】
「から主になっている」という用語は、材料の文脈において本明細書で使用される場合、その材料の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%からなっていることを指す。
【0025】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料が無機材料であるか、または無機材料から主になっている、本発明による方法に関する。
【0026】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料およびテンプレート材料が、無機塩であるか、または無機塩から主になっている、本発明による方法に関する。
【0027】
本発明者らは、無機材料/塩が、1つまたは複数の所望の薬物送達特性を増強するのに有益な、特定の所望のサイズの内部二次構造を有している安定な非毒性の担体粒子の生成を可能にすることを見出した。
【0028】
したがって、本発明は、本発明の方法が、1つまたは複数の所望の薬物送達特性を増強するのに有益な内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0029】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料をテンプレート材料と合わせる前に、テンプレート材料が液体に懸濁させられる、本発明による方法に関する。
【0030】
テンプレート材料は、反応容器内で、組み合わせる液体(例えば、水)に撹拌しながら懸濁させることができる(例えば、実施例1に記載されている通り)。設定されたかき混ぜ速度により、粒子の凝集を妨げるための安定な乱流混合が確保され、それによって、粒子の処理が個々に可能になる。
【0031】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、本明細書に記載されているテンプレート材料および本明細書に記載されている担体材料を、組み合わせる液体に添加することを含む、本発明による方法に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組み合わせる液体は、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、トルエン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、超臨界CO、ジメチルケトン、2-プロパノール、1-プロパノール、飽和アルカン、アルケン、アルカジエン、脂肪酸、グリセロール、シリコンオイル、ガンマ-ブチロラクトン、およびテトラヒドロフランの群から選択される少なくとも1種の有機溶媒である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組み合わせる液体は、水である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている組み合わせる液体は、溶解度変更剤を含んでいる水溶液(例えば、塩水)である。
【0032】
担体材料をテンプレート材料と合わせるステップの間、テンプレート材料の溶解を回避するために、組み合わせる液体の量と比較したテンプレート材料の量の適切な比が使用されるべきである。この適切な比は、組み合わせる液体へのテンプレート材料の溶解度に応じて決まる。一部の実施形態では、テンプレート材料および組み合わせる液体の量は、約0.05%(w/w)未満、約0.04%(w/w)未満、約0.03%(w/w)未満、約0.02%(w/w)未満、約0.01%(w/w)未満、約0.0095%(w/w)未満、約0.009%(w/w)未満、約0.0085%(w/w)未満、約0.0008%(w/w)未満、約0.0075%(w/w)未満、約0.007%(w/w)未満、約0.0065%(w/w)未満、約0.06%(w/w)未満、約0.0055%(w/w)未満、または約0.005%(w/w)未満のテンプレート材料が、組み合わせる液体に溶解するように選択される。
【0033】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、テンプレート材料上への担体材料の化学的沈殿、層化および/または結晶化を含む、本発明による方法に関する。
【0034】
「化学的沈殿」という用語は、本明細書で使用される場合、化学物質を不溶性形態に転換することによって、その物質を溶液から固体に転換するプロセスを指す。
【0035】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料の前駆体を合わせることにより、テンプレート材料の表面との化学反応において担体材料を形成する、本発明による方法に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体材料の可溶性前駆体は、リン酸である。
【0036】
本発明者らは、担体材料の前駆体を合わせることにより、テンプレート材料の表面との化学反応において担体材料を形成する実施形態に、転換グレードが関連していることを見出した。
【0037】
さらに本発明者らは、転換グレードが低すぎると、粒子に穴が開いたりシェルが破壊されたりする場合があり、一方、転換グレードが高すぎると、内腔のサイズが減少することがあり、例えばリン酸二カルシウムの外部結晶がより多く生成され、それらがヒドロキシアパタイトスラブにさらに転換することを見出した。
【0038】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている転換グレードは、約30%~約60%の間、約35%~55%の間、または約40%~約50%の間である。
【0039】
本明細書に記載されている化学的沈殿中の温度は、材料に実質的な影響を有することがある。
【0040】
例えば、リン酸二カルシウムは、そのままの状態ではヒドロキシアパタイトよりも熱力学的に不安定な形態である。したがって、温度が低すぎる、かつ、急速なまたは制御の利かない、炭酸カルシウムへのオルトリン酸の添加は、リン酸二カルシウムの沈殿を引き起こし、より多くのリン酸二カルシウムをもたらし、その結果、処理がより困難な個別の結晶を生じる。
【0041】
一部の実施形態では、化学的沈殿中の温度は、約60℃またはそれよりも高く、好ましくは約60℃~約100℃の間、より好ましくは約70℃~約95℃の間、より好ましくは約80℃~約95℃の間である。
【0042】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料の可溶性前駆体が、溶液中、テンプレート材料に添加され、担体材料の可溶性前駆体を不溶性担体材料に転換する反応物の添加によってテンプレート材料上に分布させられる、本発明による方法に関する。一部の実施形態では、本明細書に記載されている担体材料の可溶性前駆体は、リン酸ナトリウムまたは塩化カルシウムである(例えば、Despotovic, R., et al., 1975, Calc. Tis Res. 18, 13-26のように)。
【0043】
「層化」という用語は、本明細書で使用される場合、テンプレート材料上に担体の少なくとも1つの層を付加するための技術を指す。
【0044】
当技術分野で公知のいかなる層化技術を使用してもよい(例えば、Decher, G. H. J. D., et al., 1992, Thin solid films, 210, 831-835、Donath, E., et al., 1998, Angewandte Chemie International Edition, 37(16), 2201-2205、Caruso, F, et al., 1998, Science, 282(5391), 1111-1114を参照されたい)。一部の実施形態では、テンプレート材料上に少なくとも1つの層を調製するために、特にテンプレート材料上に多層フィルムを調製するために、静電相互作用(例えば、Decher, G. H. J. D., et al., 1992, Thin solid films, 210, 831-835に記載されている)、水素結合(例えば、Such, G. K. et al., 2010, Chemical Society Reviews, 40(1), 19-29に記載されている)、疎水性相互作用(例えば、Serizawa, T., Kamimura, S., et al., 2002, Langmuir, 18(22), 8381-8385に記載されている)、ならびに/または共有結合性カップリング(例えば、Zhang, Y., et al., 2003, Macromolecules, 36(11), 4238-4240に記載されている)、電気メッキおよび電着(例えば、Chandran, R., Panda, S.K. & Mallik, A. A short review on the advancements in electroplating of CuInGaSe2 thin films. Mater Renew Sustain Energy 7, 6 (2018)に記載されている)が活用される。
【0045】
「結晶化」という用語は、本明細書で使用される場合、過飽和溶液からの化学物質の転換プロセスを指す。
【0046】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料が、過飽和溶液中、テンプレート材料に添加され、化学的沈殿の開始によってテンプレート材料上に分布させられる、本発明による方法に関する。
【0047】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、テンプレート材料上での担体材料の化学的沈殿および結晶化を含む、本発明による方法に関する。
【0048】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、テンプレート材料上での担体材料の化学的層化および結晶化を含む、本発明による方法に関する。
【0049】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料をテンプレート材料と合わせるステップが、テンプレート材料上での担体材料の化学的沈殿および層化を含む、本発明による方法に関する。
【0050】
化学的沈殿プロセスは、テンプレート材料の前駆体の溶液を、担体材料上にまたは担体材料を含む液体にポンプ注入することによって行うことができる(例えば、実施例1に記載されている通り)。このプロセス中、担体材料は、テンプレート材料の表面上で成長し始め(例えば、結晶ラメラ構造の形態で)、したがって板状の(stratum)層を形成することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、担体材料に転換される。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料は、担体材料に、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約70%転換される。
【0051】
化学的沈殿、層化および/または結晶化により、テンプレート材料上の担体材料の微細なおよび/または均一な分布が可能になる。この微細なおよび/または均一な分布は、内部二次構造の形成に影響を及ぼす。
【0052】
したがって、本発明は、本発明の方法が、テンプレート材料上での担体材料の化学的沈殿、層化および/または結晶化を使用することによって、特に微細なおよび/または均一な内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0053】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を変換するステップが、約600℃~約1200℃、好ましくは約600~約900℃、好ましくは約600℃(”C)~839℃、好ましくは約650℃~約700℃の温度に加熱することを含む、本発明による方法に関する。
【0054】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を変換するステップが、840℃~1200℃の温度に加熱することを含む、本発明による方法に関する。
【0055】
この条件は、再分散性(redispersability)の問題が生じることがある、加熱ステップの間の粒子間凝縮を回避するように最適化することができる。一部の実施形態では、粒子間凝縮を回避するために添加する必要があるさらなる剤はないが(例えば、実施例1を参照されたい)、他の実施形態では、本明細書に記載されている加熱ステップ中および/またはその前に、粒子間凝縮を回避するための剤(例えば、焼結防止剤(anti-sintering agent))が添加される。このような焼結防止剤は、例えば、Okada, M., et al., 2014, Journal of nanoparticle research, 16(7), 1-9に記載されている。
【0056】
本明細書に記載されているテンプレート材料の変換は、任意の適切な温度または任意の適切な温度範囲で行うことができる。本明細書に記載されているテンプレート材料の変換を可能にするために、変換に適した最低温度は、ある特定の温度に、例えば、約210℃(例えば、テンプレート材料としての炭酸銀および炭酸金について)、約840℃(例えば、テンプレート材料としての炭酸カルシウムについて)、約900℃、約1000℃、または約1200℃(例えば、テンプレート材料としての炭酸カリウムおよび/または炭酸ナトリウムについて)に設定される。当業者は、テンプレート材料の分解温度から、適当な適した最低温度を特定することができる。温度の上昇により、変換時間を短縮することができるが、担体材料の融解は、担体粒子に対して望ましくない効果、例えば不完全な担体粒子の形成または担体粒子の硬度の低下をもたらし得る。担体材料の融解を回避するために、本明細書に記載されているテンプレート材料の変換に適した最高温度は、担体材料の融解温度未満に設定される。担体粒子の表面積を増強する所望の構造(例えば、担体粒子の表面上のペタル、例えば、図1を参照されたい)の変形および/または喪失は、担体材料の融解温度未満の温度で既に生じていることがある。したがって、ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料の変換に適した最高温度は、担体材料の融解温度よりも約100℃、約200℃、約400℃、約500℃、または約600℃低く設定される。
【0057】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を変換するステップが、テンプレート材料のおよそ分解温度から担体材料のおよそ融解温度の温度、好ましくはテンプレート材料のおよそ分解温度から、担体材料の融解温度よりも約400℃低い温度、より好ましくはテンプレート材料のおよそ分解温度から、担体材料の融解温度よりも約500℃低い温度に加熱することを含む、本発明による方法に関する。
【0058】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を変換するステップが、840℃~1600℃、好ましくは840℃~1200℃、より好ましくは約1100℃の温度に加熱することを含む、本発明による方法に関する。
【0059】
本明細書に記載されているテンプレート材料を変換するための加熱の持続期間は、テンプレート材料、担体材料、温度範囲、粒径、および/または担体粒子の所望の表面積などの様々な因子に応じて変わる。
【0060】
本明細書に記載されているテンプレート材料を変換するための加熱の持続期間は、実施例1に記載されている通り、例えば約1時間であり得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているテンプレート材料を変換するための加熱の持続期間は、約5分~約24時間の間、約10分~約12時間の間、20分~約4時間の間である。
【0061】
本明細書に記載されているテンプレート材料を変換するための加熱(例えば、ある特定の範囲、例えば、840℃~1200℃の間または600℃~900℃の間の温度への)は、温度の線形上昇などの任意の加熱パターンによって、または1つもしくは複数の予備加熱ステップを用いて達成することができる。本明細書に記載されている予備加熱ステップは、温度を一定期間にわたってある特定の温度レベルで維持した後、テンプレート材料をある特定の範囲、例えば、840℃~1200℃または600℃~900℃の温度に加熱することを含み得る。予備加熱は、例えば、溶媒などの望ましくない揮発性構成成分の除去を可能にする。
【0062】
一部の実施形態では、圧力は、テンプレート材料を変換するために、ある特定の範囲、例えば840℃~1200℃の温度に加熱している間に低下する。
【0063】
一部の実施形態では、圧力は、テンプレート材料を変換するために、ある特定の範囲、例えば840℃~1200℃の温度に加熱している間に増加する。
【0064】
一部の実施形態では、テンプレート材料を変換するための加熱は、吸熱化学反応を誘導する。
【0065】
一部の実施形態では、テンプレート材料を変換するために、ある特定の範囲、例えば、840℃~1200℃の温度に加熱する間、副反応を回避するために不活性物質(例えば、希ガス)が供給される。
【0066】
一部の実施形態では、テンプレート材料を変換するための加熱は、テンプレート材料の揮発性画分の蒸発を誘導する。
【0067】
ある特定の範囲、例えば、840℃~1200℃の温度への加熱は、テンプレート材料の変換を開始し得るが、担体材料を変化させず、または同程度まで変化させることはない。これにより、変化した特性に基づいて、変換されたテンプレート材料を除去することが可能になる。より低温(例えば、約600℃~約839℃または600℃~約900℃)は、ペタルの構造をより大きく維持するために使用することができ、それによって、結果として生じる錠剤の硬度を増加させることができる。
【0068】
温度が推奨範囲よりも高い場合、粒子の微細なペタル構造が溶融し、低減し、ペタルの可撓性が低減し、したがって、このような過熱材料を用いて生成された錠剤の硬度は、大きく低下する。過熱材料を用いて作製された医薬圧縮物(compact)は、キャッピングおよび積層を示し、医薬製剤において十分に同等には使用することができない。
【0069】
したがって、本発明は、テンプレート材料の変換のための加熱ステップを含む本発明の方法が、1つまたは複数の所望の薬物送達特性を増強するのに有益な内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0070】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を変換するステップがか焼を含む、本発明による方法に関する。
【0071】
「か焼」という用語は、本明細書で使用される場合、固体または固体を含む混合物を、その固体または混合物に空気または酸素を供給しながら、高温(例えば、840℃~1200℃または600℃~900℃の温度)に加熱することを指す。
【0072】
一部の実施形態では、本発明によるか焼は、カーボネート(例えば、炭酸塩、例えば炭酸カルシウム)を含んでいるテンプレート材料の、二酸化炭素への分解を誘導する。
【0073】
一部の実施形態では、本発明によるか焼は、金属炭酸塩を含んでいるテンプレート材料の、金属酸化物への、好ましくは塩基性酸化物への分解を誘導する。
【0074】
一部の実施形態では、本発明によるか焼は、水の除去によって、水和テンプレート材料の分解を誘導する。
【0075】
一部の実施形態では、本発明によるか焼は、テンプレート材料における揮発性物質の分解を誘導する。
【0076】
したがって、本発明は、テンプレート材料の変換のためのか焼ステップを含む本発明の方法が、1つまたは複数の所望の薬物送達特性を増強するのに有益な内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0077】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を変換するステップが、その後の水の添加を含む、本発明による方法に関する。
【0078】
本発明によるその後の水の添加は、化学反応においてテンプレート材料を変換するが、担体材料を変えず、または実質的に変えない。これにより、変化した特性に基づいて、変換されたテンプレート材料を除去することが可能になる。
【0079】
一部の実施形態では、本発明によるその後の水の添加は、金属酸化物と反応する。
【0080】
したがって、本発明は、本発明の変換ステップ方法が水の添加を含む本発明の方法が、1つまたは複数の所望の薬物送達特性を増強するのに有益な内部二次構造を有している担体粒子の生成を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0081】
ある特定の実施形態では、本発明は、水の添加が発熱反応を可能にする、本発明による方法に関する。
【0082】
「発熱反応」という用語は、本明細書で使用される場合、全体的な標準エンタルピー変化がマイナスである反応を指す。
【0083】
本発明によるその後の水の添加は、発熱性化学反応においてテンプレート材料を変換するが、担体材料を変えず、または実質的に変えない。これにより、変化した特性に基づいて、変換されたテンプレート材料を除去することが可能になる。
【0084】
本明細書に記載されている塩基性酸化物は、本発明の状況で使用される用量で毒性がないか、または実質的に毒性がない。一部の実施形態では、本発明によるその後の水の添加は、塩基性酸化物と反応する。一部の実施形態では、本発明によるその後の水の添加は、酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化ルビジウム、酸化セシウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、および酸化ビスマス(III)の群から選択される少なくとも1種の塩基性酸化物と反応する。一部の実施形態では、本発明によるその後の水の添加は、酸化マグネシウムおよび/または酸化カルシウムと反応する。
【0085】
本明細書に記載されている発熱反応は、テンプレート材料のその後の除去を促進することができる。発熱反応中に放出された上記力および/または発熱反応の生成物の特性は、密度を低下させ、かつ/または溶解度を増加させることができる。例えば、3.34g/cmの密度の酸化カルシウムと水との発熱反応は、2.21g/cmの密度の水酸化カルシウムをもたらす。
【0086】
したがって、本発明は、本発明による方法において、発熱反応を通して水を添加すると、二次構造の形成が支えられ、その後のテンプレート材料の除去が促進されるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0087】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料を除去するステップが、変換されたテンプレート材料を溶解させて内部二次構造を形成することを含む、本発明による方法に関する。
【0088】
内部二次構造は、担体材料ではなく変換されたテンプレート材料を溶解する(dissolved)溶媒に、変換されたテンプレート材料を溶解させることにより除去することによって、形成することができる。
【0089】
一部の実施形態では、テンプレート材料を除去するステップは、変換されたテンプレート材料を水または水溶液で溶解させることを含む。一部の実施形態では、水溶液のpHは、変換されたテンプレート材料の溶解度を増加させるか、または水溶液への担体材料の溶解度を低減するために、変換されたテンプレート材料の溶解前に変更される。
【0090】
一部の実施形態では、テンプレート材料を除去するステップは、変換されたテンプレートを有機溶媒で溶解させることを含む。
【0091】
溶解によるテンプレート材料の除去は、担体材料に対しては特に穏やかである。したがって、この穏やかな除去は、担体材料の一次構造の維持を支え、薬物充填プロセス中の結晶化に特に有益な、内部二次構造の形成を可能にする。
【0092】
したがって、本発明は、テンプレート材料を除去するステップが変換されたテンプレート材料を溶解することを含む、本発明による方法が、内部二次構造の形成を支えるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0093】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、金属炭酸塩を含んでいる。
【0094】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、LiCO、LiHCO、NaCO、NaHCO、NaH(CO、MgCO、Mg(HCO、Al(CO、KCO、KHCO、CaCO、Ca(HCO、MnCO、FeCO,NiCO、CuCO、CuCO、ZnCO、RbCO、PdCO、AgCO、CsCO、CsHCO、BaCOおよび(BiO)COの群から選択される少なくとも1種の金属炭酸塩を含んでいる。
【0095】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、Fe、Mg、Al、Mn、V、Ti、Cu、Ga、Ge、Ag、Au、Sm、U、Zn、PtおよびSnの群から選択される少なくとも1種の金属を含んでいる。ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、Si、S、Sb、I、およびCの群から選択される少なくとも1種の非金属を含んでいる。
【0096】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超または99%超の金属炭酸塩を含んでいる。
【0097】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超または99%超のLiCO、LiHCO、NaCO、NaHCO、NaH(CO、MgCO、Mg(HCO、Al(CO、KCO、KHCO、CaCO、Ca(HCO、MnCO、FeCO,NiCO、CuCO、CuCO、ZnCO、RbCO、PdCO、AgCO、CsCO、CsHCO、BaCOおよび(BiO)COの群から選択される少なくとも1種の金属炭酸塩を含んでいる。
【0098】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超または99%超の炭酸マグネシウムを含んでいる。
【0099】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料が炭酸カルシウムを含んでいる、本発明による方法に関する。
【0100】
ある特定の実施形態では、本発明のテンプレート材料は、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、96%超、97%超、98%超または99%超の炭酸カルシウムを含んでいる。
【0101】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている炭酸カルシウムは、無水炭酸カルシウム、炭酸カルシウムおよび/もしくは水和炭酸カルシウムを含む複合物、例えばCaCO・HO、ならびに/または炭酸カルシウム六水和物を含んでいる。
【0102】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている炭酸カルシウムは、無水炭酸カルシウムである。
【0103】
本明細書に記載されている金属炭酸塩は、テンプレート材料の表面上に、明確な特性を有している担体材料を生成するための主成分として使用することができ(例えば、金属炭酸塩とHPOとの反応による不溶性金属リン酸塩)、本明細書に記載されている通り変換することができる。
【0104】
したがって、本発明は、テンプレート材料が金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムを含んでいる場合、本発明の方法が特に効率的であるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0105】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料が、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの群から選択される少なくとも1種の塩および/または複合物を含んでいる、本発明による方法に関する。
【0106】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料が、リン酸マグネシウムの少なくとも1種の塩および/または複合物を含んでいる、本発明による方法に関する。
【0107】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体材料が、リン酸カルシウムの少なくとも1種の塩および/または複合物を含んでいる、本発明による方法に関する。
【0108】
リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムは、特に水への溶解度が低く、合理的な耐熱性を示す。さらに、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムは、典型的に、薬理学的に不活性であり、非毒性である。したがって、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムは、ロバストであり、非毒性であり、本明細書に記載されているテンプレート材料を、分解することなく変換することができる。
【0109】
したがって、本発明は、担体材料が、リン酸カルシウムおよびリン酸マグネシウムの群から選択される少なくとも1種の塩および/または複合物を含んでいる場合、本発明の方法が特に効率的であるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0110】
テンプレート材料は、様々な構造、例えば、粉末(例えば、約1.9μm、約2.3μm、約3.2μm、約4.5μm、約5.5μm、約6.5μm(μmo)または約14μmのD50を有している粉末、約1~100μm、約100μm~300μmまたは約300μm~600μmの粒径範囲を有している粉末)またはナノ粒子を有することができる。
【0111】
ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料が、1~300μmの直径を有している粒子を含んでいる、本発明による方法に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料が、粒子からなっており、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、約98%、約99%の粒子が1~300μmの直径を有している、本発明による方法に関する。ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料が、約1~300μm、約1~250μm、約1~200μm、約1~150μm、約1~100μm、約1~90μm、約1~80μm、約1~70μm、約1~60μm、約1~50μm、約1~40μm、約1~30μmまたは約1~20μmの直径中央値を有している粒子を含んでいる、本発明によるものに関する。
【0112】
テンプレート材料の粒径は、担体粒子の直径に影響を及ぼす。ある特定の実施形態では、本発明は、テンプレート材料の粒子が、担体粒子の直径中央値とほぼ同じ直径中央値を有している、本発明による方法に関する。テンプレート材料および担体材料が、本明細書に記載されている通り層化および/または結晶化によって合わされる実施形態では、担体粒子は、テンプレート材料と比較して類似のまたはそれよりも大きい直径中央値を有している。
【0113】
テンプレート材料および担体材料が、本明細書に記載されている通り化学的沈殿によって合わされる実施形態では、担体粒子は、テンプレート材料と比較して類似のまたはそれよりも小さい直径中央値を有している。
【0114】
当業者は、テンプレート材料、担体材料、および本明細書に記載されている通りテンプレート材料を担体材料と合わせるために使用される技術から、担体材料を予測することができる。
【0115】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が1~300μmの直径を有している、本発明による方法に関する。
【0116】
本発明の方法において使用されるパラメーターおよび材料を適合させることとは別に、ミル粉砕、ふるい分けを含めた当技術分野で公知の方法によって、ある特定のサイズの粒子を得ることができる(例えば、Patel, R. P., et al., 2014, Asian Journal of Pharmaceutics (AJP), 2(4)、DAVID, J. and PETER, R., 2006, Fundamentals of Early Clinical Drug Development: From Synthesis Design to Formulation, 247、US5376347Aを参照されたい)。粒径および形状の測定は、レーザー回折またはインサイチュ顕微鏡法などの当技術分野で公知の任意の方法を使用して作製することができる(Kempkes, M., Eggers, J., & Mazzotti, M., 2008, Chemical Engineering Science, 63(19), 4656-4675、Allen, T. (2013). Particle size measurement. Springer)。
【0117】
一部の用途では、特定の小さい担体粒子直径が望まれる。ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が、肺内投与および/または経鼻投与において使用するために、約1~20μm、約1~15μm、約1~10μm、または約1~5μmの直径を有している、本発明による方法に関する。一部の用途では、拡散表面を増加させ、充填された薬剤の放出を加速するために、特定の小さい担体粒子直径が望まれる。
【0118】
一部の用途では、担体粒子の流動性を増強し、さらなる処理を促進するために、より大きい担体粒子直径が望まれる。ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が、約5~300μm、約10~250μm、約15~200μm、または約20~150μmの直径を有している、本発明による方法に関する。
【0119】
したがって、本発明は、担体粒子がある特定の範囲の直径を有している本発明の方法が、本発明の方法に従って生成された担体粒子のさらなる処理(例えば、流動性)および/または適用(例えば、拡散表面)のために特に有用となり得るという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0120】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が、15m2/g~400m2/gの間または30m2/g~400m2/gの間の表面積を有している、本発明による方法に関する。
【0121】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が、ガスとして窒素を用いる5点BET(ブルナウアー-エメット-テラー(Brunnauer-Emmet-Teller))表面積分析によって測定される通り、約15m2/g~400m2/gの間 約30m2/g~400m2/gの間、約50m2/g~350m2/gの間、約70m2/g~320m2/gの間、約90m2/g~300m2/gの間または約100m2/g~280m2/gの間の表面積を有している、本発明による方法に関する。
【0122】
あるいは、担体粒子の表面積は、当技術分野で公知の任意の方法によって測定することができる(例えば、Akashkina, L.V., Ezerskii, M.L., 2000, Pharm Chem J 34, 324-326、Bauer, J. F., 2009, Journal of Validation Technology, 15(1), 37-45を参照されたい)。
【0123】
担体粒子の表面積は、例えば、担体材料の粒径によって、担体材料によって、および/または本発明の方法において使用されるパラメーター(例えば、熱、加熱持続期間)により表面構造を変化させることによって、変えることができる。
【0124】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が吸着体として使用される、本発明による担体粒子に関する。
【0125】
複数の粒子が接触すると、本明細書に記載されている担体粒子の比表面積(specific surface)がより大きくなることにより、強力なファンデルワールス相互作用が可能となる。この効果は、最終剤形のより高い引張強度をもたらす。これらのファンデルワールス相互作用は、水の添加によって減少し、粒子クラスターの崩壊を支持することができる。
【0126】
したがって、本発明は、担体粒子が、15m2/g~400m2/gの間、好ましくは30m2/g~400m2/gの間の表面積を有している場合、本発明の方法が、機械的安定性および崩壊能を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0127】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造が、≧0.2μmかつ≦1.5μmの範囲の直径サイズを有している細孔を含んでいる、本発明による方法に関する。
【0128】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造が、≧約0.2μm、≧約0.3μm、≧約0.4μm、≧約0.5μm、≧約0.6μm、≧約0.7μm、≧約0.8μm、≧約0.9μm、≧約1μm、≧約1.1μm、≧約1.2μm、≧約1.3μm、または約1.5μmの直径サイズを有している細孔を含んでいる、本発明による方法に関する。
【0129】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造が、≧約0.2μm~≦1.5μm、≧約0.3μm~≦1.5μm、≧約0.4μm~≦1.5μm、≧約0.5μm~≦1.5μm、≧約0.6μm~≦1.5μm、≧約0.7μm~≦1.5μm、≧約0.8μm~≦1.5μm、≧約0.9μm~≦1.5μm、≧約1μm~≦1.5μm、≧約1.1μm~≦1.5μm、≧約1.2μm~≦1.5μmまたは≧約1.3μm~≦1.5μmの範囲の直径サイズを有している細孔を含んでいる、本発明による方法に関する。
【0130】
担体粒子の細孔径は、当技術分野で公知の任意の方法によって測定することができる(例えば、Markl, D. et al., 2018, International Journal of Pharmaceutics, 538(1-2), 188-214を参照されたい)。
【0131】
本発明の方法によって形成することができる多孔質構造は、特に大きいサイズの細孔を可能にする。この大きい細孔径は、担体粒子における薬物充填を促進し、担体粒子からの薬物放出を加速する。
【0132】
テンプレート材料の粒子の直径の90%超の細孔径直径は、不安定な担体粒子をもたらす。したがって、最大細孔径は、テンプレート材料の粒子のサイズ(the size particles)に応じて決まる。
【0133】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造が、≦約270μm、≦約225μm、≦約180μm、≦約135μm、≦約90μm、≦約81μm、≦約72μm、≦約63μm、≦約54μm、≦約45μm、≦約36μm、≦約27μm、または≦約18μm直径の直径サイズを有している細孔を含んでいる、本発明による方法に関する。したがって、本発明は、内部二次構造がある特定の直径サイズを有している細孔を含んでいる本発明の方法が、本発明の方法に従って生成された(produces)担体粒子のその後の薬物充填および薬物放出のために特に有用であるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0134】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造を有している得られた担体粒子における内部二次構造の総体積が、樹脂に包埋された粒子の横断面(crossection)画像のSEM-FIBおよびSEMの画像分析によって決定される通り、粒子体積の≧10%~≦90%の範囲である、本発明による方法に関する。内部構造および粒子の体積比を測定するための代替の分析方法には、担体材料の真の結晶密度に対する、担体材料のタップバルクの比としての多孔性の計算が含まれる。
【0135】
内部二次構造の総体積は、テンプレート材料の除去から生じる粒子内側の体積(the volume inside the particle inside)を指す(例えば、図2を参照されたい)。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている内部二次構造の総体積は、本発明の方法に従って得られた担体粒子の平均内部体積である。
【0136】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている内部二次構造の総体積は、本発明の方法に従って得られた担体粒子の内部体積中央値である。
【0137】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造を有している得られた担体粒子における内部二次構造の総体積が、粒子体積の約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約30%超、約35%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、または約80%超である、本発明による方法に関する。
【0138】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造を有している得られた担体粒子における内部二次構造の総体積が、粒子体積の約10%超、約15%超、約20%超、約25%超、約30%超、約35%超、約40%超、約50%超、約60%超、約70%超、または約80%超である、本発明による方法に関する。
【0139】
ある特定の実施形態では、本発明は、内部二次構造を有している得られた担体粒子における内部二次構造の総体積が、粒子体積の≧約10%~≦90%、≧約15%~≦90%、≧約20%~≦90%、≧約25%~≦90%、≧約30%~≦90%、≧約35%~≦90%、≧約40%~≦90%、≧約45%~≦90%、≧約50%~≦90%、≧約55%~≦90%、≧約60%~≦90%、≧約65%~≦90%、≧約70%~≦90%、≧約10%~≦80%、≧約15%~≦80%、≧約20%~≦80%、≧約25%~≦80%、≧約30%~≦80%、≧約35%~≦80%、≧約40%~≦80%、≧約45%~≦80%、≧約50%~≦80%、≧約55%~≦80%、≧約60%~≦80%、≧約65%~≦80%、≧約70%~≦80%、≧約10%~≦70%、≧約15%~≦70%、≧約20%~≦70%、≧約25%~≦70%、≧約30%~≦70%、≧約35%~≦70%、≧約40%~≦70%、≧約45%~≦70%、≧約50%~≦70%、≧約55%~≦70%、≧約60%~≦70%、≧約65%~≦70%、≧約10%~≦60%、≧約15%~≦60%、≧約20%~≦60%、≧約25%~≦60%、≧約30%~≦60%、≧約35%~≦60%、≧約40%~≦60%、≧約45%~≦60%、≧約50%~≦60%、≧約55%~≦60%、≧約10%~≦50%、≧約15%~≦50%、≧約20%~≦50%、≧約25%~≦50%、≧約30%~≦50%、≧約35%~≦50%、≧約40%~≦50%または≧約45%~≦50%の範囲である、本発明による方法に関する。
【0140】
ある特定の実施形態では、本発明は、本発明による方法によって得ることができる内部二次構造を有している担体粒子に関する。
【0141】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が、≧72v/v%、≧70v/v%、≧68v/v%、≧66v/v%、≧64v/v%、≧62v/v%、または≧60v/v%の充填能力を有している、本発明による担体粒子に関する。
【0142】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が、≧60v/v%の充填能力を有している、本発明による担体粒子に関する。
【0143】
「充填能力」という用語は、本明細書で使用される場合、担体粒子全体の体積と比較した、薬剤を充填するために使用することができる担体粒子の体積を指す。したがって、60v/v%の充填能力を有している担体粒子は、担体粒子の体積の60%を有している薬剤を充填することができる。担体粒子の体積は、担体粒子の直径から計算される。したがって、内部構造の体積は、この計算については担体粒子の体積の一部である。
【0144】
一部の実施形態では、担体粒子に充填されている薬剤は、充填溶媒から構成されており、充填溶媒は、充填を完了するために除去される。
【0145】
充填されるべき薬剤は、充填溶媒に溶解させられ、担体粒子と接触させられて、担体粒子の完全な湿潤を確保する。充填溶媒は、当業者に公知の任意の溶媒除去方法である方法によって除去することができる。一部の実施形態では、充填溶媒は、蒸発、真空補助蒸発、空気乾燥、真空凍結乾燥、大気圧での凍結乾燥、噴霧乾燥、流動床装置における噴霧乾燥、マイクロ波支援乾燥、エレクトロスプレー支援乾燥、誘電乾燥、流動床支援薬物充填、および溶媒吸着法の群から選択される方法によって除去される。
【0146】
一部の実施形態では、溶媒吸着法は、高せん断造粒を含む。
【0147】
適切な充填溶媒の選択は、溶媒毒性、溶媒部分蒸気圧、充填されるべき薬剤の特性(例えば、充填されるべき薬剤のpH安定性および/または溶解度)および/または担体材料の特性に応じて決まる。
【0148】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている充填溶媒は、少なくとも1種の有機溶媒、好ましくはジクロロメタン、ジエチルエーテル、トルエン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、超臨界CO、ジメチルケトン、2-プロパノール、1-プロパノール、飽和アルカン、アルケン、アルカジエン、脂肪酸、グリセロール、シリコンオイル、ガンマ-ブチロラクトン、およびテトラヒドロフランの群から選択される少なくとも1種の有機溶媒を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている充填溶媒は、水である。
【0149】
一部の充填溶媒、例えば水は、高い表面張力を有しており、したがって、細孔径が非常に大きいにもかかわらず、本発明の担体粒子の細孔(複数可)への進入を支持するためのさらなる手段を必要とし得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されている充填溶媒は、少なくとも1種の表面活性剤、例えば界面活性剤(tenside)を含んでいる。一部の実施形態では、充填溶媒の添加は、担体粒子の内側に入ることによって充填溶媒を支えるために、増大された圧力下で行われる。
【0150】
一部の実施形態では、本発明による担体粒子上および内への充填は、充填溶媒中に充填されるべき薬剤の溶解度を低減する抗溶媒の添加を含む。一部の実施形態では、抗溶媒は、水、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、トルエン、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド、超臨界CO、ジメチルケトン、2-プロパノール、1-プロパノール、飽和アルカン、アルケン、アルカジエン、脂肪酸、グリセロール、シリコンオイル、ガンマ-ブチロラクトン、およびテトラヒドロフランの群から選択される少なくとも1種の抗溶媒である。
【0151】
一部の実施形態では、充填溶媒は、例えば、温度の増加および/または圧力の低減によって蒸発させることによって除去される。充填溶媒の除去のための最大温度は、充填された薬剤の熱安定性に応じて決まる。
【0152】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子がプラセボとして使用される、本発明による担体粒子に関する。
【0153】
ある特定の実施形態では、本発明は、担体粒子が治療剤を含んでいる、本発明による担体粒子に関する。
【0154】
「治療剤」という用語は、本明細書で使用される場合、治療有効量で対象に投与されると対象に治療利益をもたらす、化合物または組成物を指す。治療剤は、疾患または病状を処置、制御または防止するために使用される任意の種類の薬物、薬、医薬品、ホルモン、抗生物質、成長因子、および/または生物活性物質であり得る。当業者は、「治療剤」という用語が、規制当局の承認を受けた薬物に限定されないことを十分に理解されよう。
【0155】
本発明の担体粒子は、標的部位への接着によって、部位特異的治療剤の送達を可能にすることができる。ある特定の実施形態では、本発明の担体粒子は、粘膜に接着する。ある特定の実施形態では、本発明の担体粒子は、鼻、頬側、舌下、気管支内、膣、尿道、または直腸組織に接着して、部位特異的治療剤の送達を可能にする。
【0156】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、局所(例えば、リゾチームの頬側適用)に作用する酵素である。
【0157】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、局所(例えば、気管支副腎皮質ステロイド適用)および/または全身(例えば、気管支へのインスリン適用)に作用する、ペプチド、ホルモン、および/または小分子である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、抗糖尿病薬物、例えばインスリンである。したがって、ある特定の実施形態では、本発明の担体粒子は、注射または注入によって典型的に投与される治療剤の、鼻、頬側、舌下、気管支内、膣、尿道、または直腸投与を可能にする。
【0158】
本発明の担体粒子は、部位特異的治療剤の送達を可能にし、位置特異的条件(例えば、胃酸)および/または酵素(例えば、消化酵素または肝酵素)による実質的な初回通過効果および/または崩壊を回避することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、GI管および/または肝臓によって崩壊する治療剤である。
【0159】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、対象への有効量の経口投与の際に治療効果を有することが、当業者に公知である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、小分子である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている治療剤は、<1600Da、<1500Da、<1400Da、<1300Da、<1200Da、<1100Da、<1000Da、<900Da、<800Da、<700Da、<600Da、または<500Daの分子量を有している。
【0160】
担体粒子が治療剤を含んでいる本発明による担体粒子は、治療剤の保存のため、処置のためおよび/もしくは分析方法のために使用することができ、またはさらに加工することができる。
【0161】
したがって、本発明は、担体粒子が治療剤を含んでいる本発明による担体粒子が、多目的使用を有することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0162】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質の生成のための方法であって、圧縮担体物質の生成が、本発明による生成方法を含み、その方法が、内部二次構造を有している担体粒子を圧縮して、圧縮担体物質を得るステップをさらに含む、方法に関する。
【0163】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質の生成のための方法であって、a)本発明による担体粒子を生成するステップと、b)内部二次構造を有している担体粒子を圧縮して、圧縮担体物質を得るステップとを含む、方法に関する。
【0164】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質の生成のための方法であって、a)本発明による担体粒子を提供するステップと、b)内部二次構造を有している担体粒子を圧縮して、圧縮担体物質を得るステップとを含む、方法に関する。
【0165】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質の生成のための方法であって、a)本発明による担体粒子を生成し、本発明による担体粒子を提供するステップと、b)内部二次構造を有している担体粒子を圧縮して、圧縮担体物質を得るステップとを含む、方法に関する。
【0166】
「圧縮担体物質」という用語は、本明細書で使用される場合、担体粒子の間で作用する接着力を有している、2つ以上の担体粒子のクラスターを指す。
【0167】
「圧縮すること」という用語は、本明細書で使用される場合、2つ以上の粒子(例えば、担体粒子)に圧力を印加して、圧縮担体物質を形成し、担体粒子が少なくとも部分的に、圧力放出の際に互いに接着したままになることを指す。圧縮するための技術は、当業者に公知である(例えば、Odeku, O. A. et al., 2007, Pharmaceutical Reviews, 5(2)を参照されたい)。圧縮のための技術の例として、打錠、ローラー圧縮、スラッギング、ブリケッティングおよび/または遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。
【0168】
本明細書に記載されている圧縮担体物質は、特に安定であり、特に安定な医薬組成物を得るために使用することができる(例えば、実施例3を参照されたい)。圧縮中、本明細書に記載されている担体粒子の表面積が大きいと、強力な粒子間ファンデルワールス接着力が形成され、これにより機械的安定性が可能になる。摂取の際に、水が粒子の間に入り(例えば、毛管力によって)、距離依存的なファンデルワールス接着力が低下し、圧縮担体物質が崩壊する。
【0169】
したがって、本発明は、本明細書に記載されている圧縮担体物質が、特定の機械的安定性および/または急速な崩壊時間を可能にするという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0170】
ある特定の実施形態では、本発明は、固体医薬組成物において使用するための本発明の担体粒子に関する。
【0171】
ある特定の実施形態では、本発明は、本発明による担体粒子を含む固体医薬組成物に関する。
【0172】
ある特定の実施形態では、本発明は、本発明に従って生成された圧縮担体物質を含む固体医薬組成物に関する。
【0173】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、経口、舌下、頬側、鼻、気管支、直腸、尿道、および/または腟内投与のための固体医薬組成物である。
【0174】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、顆粒剤(granulate)、錠剤、カプセル剤、または坐剤である。
【0175】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、経口投与のための固体医薬組成物である。
【0176】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、水によって崩壊して、嚥下を促進し、かつ/または部位特異的送達を可能にする、経口投与のための固体医薬組成物である。
【0177】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、発泡性錠剤、口腔内崩壊錠剤、分散性錠剤、発泡性顆粒剤(efference granulate)、口腔内崩壊顆粒剤、および分散性顆粒剤の群から選択される、経口投与のための固体医薬組成物である。
【0178】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、フィルムコーティングされた錠剤であるおよび/またはフィルムコーティングされた顆粒剤を含む、経口投与のための固体医薬組成物である。本明細書に記載されている錠剤または顆粒剤をコーティングするフィルムは、様々な機能、例えば味を遮蔽する、匂いを遮蔽する、外観を変える、および治療剤の放出を修正する機能を有することができる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているフィルムコーティングされた錠剤および/またはフィルムコーティングされた顆粒剤を含むものは、即時放出、遅延放出(例えば、時限放出)、およびpH制御放出の群から選択される少なくとも1つの修正放出形態のために設計される。修正放出錠剤を設計するための方法は、当業者に公知である(例えば、US6419954、Pietrzak, K. et al., 2015, European journal of pharmaceutics and biopharmaceutics, 96, 380-387、de Sousa Rodrigues, L. A., et al., 2013, Colloids and Surfaces B: Biointerfaces, 103, 642-651を参照されたい)。これらの実施形態では、本発明は、所望の時点での治療剤の急速かつ有効な放出、ならびに/または本明細書に記載されているフィルムコーティングされた錠剤および/もしくはフィルムコーティングされた顆粒剤の放出区画における治療剤の圧縮保存(compact storing)を可能にする。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されているフィルムコーティングされた顆粒剤は、錠剤に含まれており、コーティングは、錠剤の崩壊後または錠剤を壊した後でも、pH制御放出を可能にする。
【0179】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている固体医薬組成物は、摂取される前に崩壊するか、または口内で崩壊することができる錠剤またはカプセル剤である。
【0180】
前述の固体医薬組成物の設計の一部は、物理的耐性の欠如(例えば、ブリスターパックにおける)および高濃度の治療剤を組み込む能力の制限と関連している。本発明は、高濃度の治療剤を含む緻密かつ安定な固体医薬組成物を生成するための手段および方法を提供する。
【0181】
したがって、本発明は、本明細書に記載されている固体医薬組成物が、特定の所望の薬物送達特性を有しているという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0182】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が、抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および抗感染剤の群から選択される、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0183】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が、抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および抗感染剤の群から選択される、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0184】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が、抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および抗感染剤の群から選択される、本発明による担体粒子に関する。
【0185】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗不安剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0186】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗不安剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0187】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗不安剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0188】
「抗不安剤」という用語は、本明細書で使用される場合、ストレス、不安、神経症、および強迫性障害を含めた不安または情緒障害を有している患者における症状を処置するために使用される医薬化合物を指す。抗不安薬は、通常、ベンゾジアゼピンおよび非ベンゾジアゼピンの2つの広範な分類に分けられる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗不安剤は、ベンゾジアゼピンである。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗不安剤は、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、クロバザム、クロラゼペート、エチゾラムの群から選択されるベンゾジアゼピンである。
【0189】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗不安剤は、非ベンゾジアゼピンである。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗不安剤は、セロトニン1Aアゴニスト、バルビツレート、カルバメート、抗ヒスタミン剤、オピオイド、およびZ薬のクラスから選択される少なくとも1種の非ベンゾジアゼピンを含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗不安剤は、ブスピロン、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、メフォバルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、プリミドン、セコバルビタール、チオペンタール、メプロバメート、カリソプロドール、チバメート、ロルバマート、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、トリメプラジン、ガバペンチン、プレガバリン、トラマドール、タペンタドール、モルヒネ、ジアモルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、ヒドロコドン、メタドン、プロポキシフェン、メペリジン、フェンタニル、コデイン、カルフェンタニル、レミフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、フェニバット、メビカー(mebicar)、およびガンマ-ヒドロキシ酪酸の群から選択される少なくとも1種の非ベンゾジアゼピンを含んでいる。
【0190】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が鎮静剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0191】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が鎮静剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0192】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が鎮静剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0193】
「鎮静剤」という用語は、本明細書で使用される場合、易刺激性または興奮を低減することによって鎮静を誘導する物質を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている鎮静剤は、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、Z薬、全身麻酔薬、植物性鎮静剤、メタカロン/メタカロンアナログ、骨格筋弛緩薬、オピオイド、および抗精神病薬のクラスから選択される少なくとも1種の鎮静剤を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている鎮静剤は、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、メフォバルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、プリミドン、セコバルビタール、チオペンタール、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、クロバザム、クロラゼペート、エチゾラム、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、トリメプラジン、ケタミン、エスケタミン、アフロクアロン、クロロカロン、ジプロカロン、エタカロン、メタカロン、メチルメタカロン、メブロカロン、メクロカロン、ニトロメタカロン、カンナビノイド、バクロフェン、メプロバメート、カリソプロドール、シクロベンザプリン、メタキサロン、メトカルバモール、チザニジン、クロニジン、クロルゾキサゾン、オルフェナドリン、ガバペンチン、プレガバリン、トラマドール、タペンタドール、モルヒネ、ジアモルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、ヒドロコドン、メタドン、プロポキシフェン、メペリジン、フェンタニル、コデイン、カルフェンタニル、レミフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、オランザピン、クロザピン、チオチキセン、ハロペリドール、フルフェナジン、プロクロルペラジン、トリフロペラジン、ロキサピン、クエチアピン、アセナピン、ガンマ-ヒドロキシ酪酸およびデキストロメトルファンの群から選択される少なくとも1種の鎮静剤を含んでいる。
【0194】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が麻薬性薬剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0195】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が麻薬性薬剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0196】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が麻薬性薬剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0197】
「麻薬性薬剤」という用語は、本明細書で使用される場合、無感覚にするまたは麻痺させる特性を有している向精神化合物を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている麻薬性薬剤は、バルビツレート、ベンゾジアゼピン、Z薬、全身麻酔薬、およびオピオイドのクラスから選択される少なくとも1種の麻薬性薬剤を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている麻薬性薬剤は、アモバルビタール、アプロバルビタール、ブタバルビタール、メフォバルビタール、メトヘキシタール、ペントバルビタール、フェノバルビタール、プリミドン、セコバルビタール、チオペンタール、クロナゼパム、ジアゼパム、エスタゾラム、フルニトラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、トリアゾラム、テマゼパム、クロルジアゼポキシド、アルプラゾラム、クロバザム、クロラゼペート、エチゾラム、ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、プロメタジン、トリメプラジン、ケタミン、エスケタミン、トラマドール、タペンタドール、モルヒネ、ジアモルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、オキシコドン、ヒドロコドン、メタドン、プロポキシフェン、メペリジン、フェンタニル、コデイン、カルフェンタニル、レミフェンタニル、アルフェンタニル、スフェンタニル、デキストロメトルファンの群から選択される少なくとも1種の麻薬性薬剤を含んでいる。
【0198】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている鎮静剤は、抗不安剤でもある。一部の実施形態では、本明細書に記載されている麻薬性薬剤は、抗不安剤でもある。一部の実施形態では、本明細書に記載されている鎮静剤は、麻薬性薬剤でもある。
【0199】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗うつ剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0200】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗うつ剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0201】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗うつ剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0202】
「抗うつ剤」という用語は、本明細書で使用される場合、抑うつ障害の処置において有用な特性を有している治療剤を指す。
【0203】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗うつ剤は、SSRI、SNRI、SMS、SARI、NRI、NDRI、TCA、TeCA、MAOIのクラスから選択される抗うつ剤である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗うつ剤は、アゴメラチン、エスケタミン、ケタミン、タンドスピロン、チアネプチン、メトラリンドール、モクロベミド、ピルリンドール、トロキサトン、カロキサゾン、セレギリン、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、アモキサピン、マプロチリン、ミアンセリン、ミルタザピン、セチプチリン、アミトリプチリン、アミトリプチリンオキシド、クロミプラミン、デシプラミン、ジベンゼピン、ジメタクリン、ドスレピン、ドキセピン、イミプラミン、ロフェプラミン、メリトラセン、ニトロキサゼピン、ノルトリプチリン、ノキシプチリン、オピプラモール、ピポフェジン、プロトリプチリン、トリミプラミン、ブプロピオン、アトモキセチン、レボキセチン、テニロキサジン、ビロキサジン、トラゾドン、ビラゾドン、ボルチオキセチン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、レボミルナシプラン、ミルナシプラン、ベンラファキシン、シタロプラム、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、およびセルトラリンの群から選択される抗うつ剤である。
【0204】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗片頭痛剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0205】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗片頭痛剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0206】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗片頭痛剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0207】
「抗片頭痛剤」という用語は、本明細書で使用される場合、急性片頭痛症状の処置において有用な特性を有している治療剤を指す。
【0208】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗片頭痛剤は、パラセタモール、NSAID、およびトリプタンの群から選択される薬剤である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗片頭痛剤は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、およびフェニルブタゾンの群から選択されるNSAIDである。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗片頭痛剤は、スマトリプタン、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、およびゾルミトリプタンの群から選択されるトリプタンである。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗片頭痛剤は、NSAIDとトリプタンの組合せである。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗片頭痛剤は、NSAIDと制吐薬の組合せ、例えばNSAIDとドンペリドンである。
【0209】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗炎症剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0210】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗炎症剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0211】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗炎症剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0212】
「抗炎症剤」という用語は、本明細書で使用される場合、炎症および/または腫脹を低減する治療剤を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗炎症剤は、NSAID、抗ロイコトリエン、免疫選択的抗炎症誘導体、グルココルチコイド、ステロイドの群から選択される抗炎症剤である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗炎症剤は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、フェニルブタゾン、プレドニゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン(tramcinolone)、フルチカゾン、インフリキシマブ、アダリムマブ、セルトリズマブペゴル、ゴリムマブ、エタネルセプト、クルクミン、IL-1RA、カナキヌマブ、アロプリノール、コルヒチン、プレドニゾン、ペントキシフィリン、ロスバスタチンおよびオキシプリノールの群から選択される抗炎症剤である。
【0213】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗感染剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0214】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗感染剤である、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0215】
ある特定の実施形態では、本発明は、治療剤が抗感染剤である、本発明による担体粒子に関する。
【0216】
「抗感染剤」という用語は、本明細書で使用される場合、病原体の感染に対する処置において有用な特性を有している治療剤を指す。抗感染剤は、とりわけ、病原体の成長、生存、複製、機能、および/または播種を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに有害な影響を及ぼす、および/または妨害する特性を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗感染剤は、殺アメーバ剤、駆虫薬、抗真菌薬、抗マラリア剤、抗生物質、および抗ウイルス薬のクラスから選択される少なくとも1種の治療剤を含んでいる。
【0217】
「駆虫薬」という用語は、本明細書で使用される場合、蠕虫、例えば吸虫、回虫、および条虫の感染に対する処置において有用な特性を有している治療剤を指す。駆虫薬は、とりわけ、蠕虫の成長、生存、複製、機能、および/または播種を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに有害な影響を及ぼす、および/または妨害する特性を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている駆虫薬は、ピランテル、イベルメクチン、メベンダゾール、アルベンダゾール、プラジカンテル、およびミルテホシンの群から選択される少なくとも1種の治療剤を含んでいる。
【0218】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗感染剤は、抗真菌薬である。「抗真菌薬」という用語は、本明細書で使用される場合、真菌感染に対する処置において有用な特性を有している治療剤を指す。抗真菌薬は、とりわけ、真菌の成長、生存、複製、機能、および/または播種を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに有害な影響を及ぼす、および/または妨害する特性を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗真菌薬は、アゾール抗真菌薬、エキノキャンディン、およびポリエンのクラスから選択される少なくとも1種の抗真菌薬を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗真菌薬は、ボリコナゾール、イトラコナゾール、ポサコナゾール、フルコナゾール、ケトコナゾール、クロトリマゾール、およびミコナゾールの群から選択される少なくとも1種の抗真菌薬を含んでいる。
【0219】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗感染剤は、殺アメーバ剤である。「殺アメーバ剤」という用語は、本明細書で使用される場合、アメーバ感染に対する処置において有用な特性を有している治療剤を指す。殺アメーバ剤は、とりわけ、アメーバの成長、生存、複製、機能、および/または播種を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに有害な影響を及ぼす、および/または妨害する特性を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている殺アメーバ剤は、ニタゾキサニド、クロロキン、パロモマイシン、メトロニダゾール、およびチニダゾールの群から選択される少なくとも1種の治療剤を含んでいる。
【0220】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗感染剤は、抗生物質である。「抗生物質」という用語は、本明細書で使用される場合、細菌関連疾患に対する処置において有用な特性を有している治療剤を指す。抗生物質は、とりわけ、バクテリアの成長、生存、複製、機能、および/または播種を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに有害な影響を及ぼす、および/または妨害する特性を有することができる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗生物質は、マクロライド(例えば、エリスロマイシン)、ペニシリン(例えば、ナフシリン)、セファロスポリン(例えば、セファゾリン)、カルバペネム(例えば、イミペネム)、モノバクタム(例えば、アズトレオナム)、他のベータ-ラクタム抗生物質、ベータ-ラクタム阻害剤(例えば、スルバクタム)、オキサリン(例えば、リネゾリド)、アミノグリコシド(例えば、ゲンタマイシン)、クロラムフェニコール、スルホンアミド(sufonamides)(例えば、スルファメトキサゾール)、グリコペプチド(例えば、バンコマイシン)、キノロン(例えば、シプロフロキサシン)、テトラサイクリン(例えば、ミノサイクリン)、トリメトプリム、メトロニダゾール、クリンダマイシン、ムピロシン、リファマイシン(例えば、リファンピン)、ストレプトグラミン(例えば、キヌプリスチンおよびダルホプリスチン)、リポタンパク質(例えば、ダプトマイシン)およびポリエン(例えば、アンホテリシンB)のクラスから選択される少なくとも1種の抗生物質を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗生物質は、エリスロマイシン、ナフシリン、セファゾリン、イミペネム、アズトレオナム、ゲンタマイシン、スルファメトキサゾール、バンコマイシン、シプロフロキサシン、トリメトプリム、リファンピン、メトロニダゾール、クリンダマイシン、テイコプラニン、ムピロシン、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、オフロキサシン、ロメフロキサシン、ノルフロキサシン、ナリジクス酸、スパルフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、ガチフロキサシン、モキシフロキサシン、ゲミフロキサシン、エノキサシン、フレロキサシン、ミノサイクリン、リネゾリド、テマフロキサシン、トスフロキサシン、クリナフロキサシン、スルバクタム、クラブラン酸およびその任意の組合せの群から選択される少なくとも1種の抗生物質を含んでいる。
【0221】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗感染剤は、抗ウイルス薬である。「抗ウイルス薬」という用語は、本明細書で使用される場合、ウイルス関連疾患の処置において有用な特性を有している治療剤を指す。ウイルス関連疾患の処置において有用な特性には、とりわけ、ウイルスの成長、生存、複製、機能、および/または播種を防止する、阻害する、抑制する、低減する、それに有害な影響を及ぼす、および/または妨害する特性を含み得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗ウイルス薬は、ヌクレオシドアナログ、ピロホスフェートアナログ、ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、インテグラーゼ阻害剤、侵入阻害剤、非環式グアノシンアナログ、非環式ヌクレオシドホスホネートアナログ、および5置換2’-デオキシウリジンアナログのクラスから選択される少なくとも1種の抗ウイルス薬を含んでいる。
【0222】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている抗ウイルス薬は、アバカビル、アシクロビル、アデホビル、アマンタジン、アンプレナビル、アスナプレビル、アタザナビル、ボセプレビル、ブリブジン、シドホビル、コビシスタット、ダサブビル、ダクラタスビル、ダルナビル、デラビルジン、ジダノシン、ジピボキシル、ドコサノール、ドルテグラビル、エファビレンツ、エルバスビル、エルビテグラビル、エムトリシタビン、エンフビルチド、エンテカビル、エトラビリン、ファムシクロビル、ファビピラビル、ホミビルセン、ホスアンプレナビル、ホスカルネット、ガンシクロビル、グラゾプレビル、イドクスウリジン、イミキモド、インジナビル、インターフェロンアルファコン1、ラミブジン、ラニナミビルオクタン酸エステル、レジパスビル、ロピナビル、マラビロク、ネルフィナビル、ネビラピン、オムビタスビル、オセルタミビル、パリビズマブ、パリタプレビル、ペグ化インターフェロンアルファ2a、ペンシクロビル、ペラミビル、ポドフィロックス、ラルテグラビル、リバビリン、リルピビリン、リマンタジン、リトナビル、RSV-IGIV、サキナビル、シメプレビル、ソホスブビル、スタブジン、テラプレビル、テルビブジン、テノホビルアラフェナミド、テノホビルジソプロキシルフマル酸塩、チプラナビル、トリフルリジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、バニプレビル、variZIG、ビダラビン、VZIG、ザルシタビン、ザナミビルおよびジドブジンの群から選択される少なくとも1種の抗ウイルス薬を含んでいる。
【0223】
一部の実施形態では、本発明の治療剤は、本明細書に記載されている薬物クラスの薬物である。一部の実施形態では、本発明の治療剤は、本明細書に記載されている治療剤のプロドラッグであり、プロドラッグは、例えば担体粒子の標的部位において活性化された後に治療効果を発揮する。プロドラッグおよびその設計は、当業者に公知である(例えば、Rautio, J. et al., 2008, Nature Reviews Drug Discovery, 7(3), 255-270、Dubey, S., and Valecha, V., 2014, World Journal of Pharmaceutical Research, 3(7), 277-297を参照されたい)。一部の実施形態では、本発明の治療剤は、本明細書に記載されている治療剤の薬学的に許容される塩である。一部の実施形態では、本発明の治療剤は、本明細書に記載されている治療剤の構造的アナログであり、本明細書に記載されている治療剤と等価な治療適応のために使用される。
【0224】
本明細書で提供される手段および方法は、本明細書に記載されている抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および/または抗感染剤の薬物送達および作用を改善することができる。例えば、本明細書に記載されている治療剤の一部は、それらの完全な治療潜在性を展開するために、急速な吸収を必要とする。本明細書に記載されている他の治療剤は、通常、嚥下の問題を有しているか、または長期的な摂取を必要とする患者に投与される。提供されている手段および方法は、吸収を促進し、治療剤の摂取を促進する。
【0225】
したがって、本発明は、本発明によって提供される手段および方法が、抗不安剤、鎮静剤、麻薬性薬剤、抗うつ剤、抗片頭痛剤、抗炎症剤、および/または抗感染剤の治療効果を増強し、かつ/または支えることができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0226】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントを含んでいる、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0227】
「アジュバント」という用語は、本明細書で使用される場合、用いられる投与量でレシピエントに一般に非毒性であり、担体粒子でも、圧縮担体物質でも、治療剤でもない、固体医薬組成物の成分を指す。
【0228】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているアジュバントは、付着防止剤(anti-adherent)、結合剤、充填剤、コーティング、崩壊剤、味変更剤、匂い変更剤(smell altering agent)、外観変更剤、流動性増強剤(flowability enhancement agent)、滑沢剤、防腐剤、および吸着剤の群から選択される少なくとも1種のアジュバントを含んでいる。
【0229】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているアジュバントは、標的部位、例えば粘膜における担体粒子の接着を改善する。
【0230】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているアジュバントの含量は、固体医薬組成物の重量に基づいて0.1~40重量%の間である。
【0231】
アジュバントは、本発明による固体医薬組成物の生成を促進するか、またはさらにはその所望の薬物送達特性を増強することができる。
【0232】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物が、少なくとも1種のアジュバントによってさらに改善され得るという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0233】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが、崩壊剤、滑沢剤、および流動性増強剤の群から選択される、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0234】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが崩壊剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0235】
「崩壊剤」という用語は、本明細書で使用される場合、固体医薬組成物を崩壊させ、水分と接触すると治療剤を放出する、固体医薬組成物の調製のための剤を指す。崩壊特性を有している剤は、当業者に公知である(例えば、Desai, P. M. t al., 2016, Journal of pharmaceutical sciences, 105(9), 2545-2555を参照されたい)。一部の実施形態では、本明細書に記載されている崩壊剤の含量は、固体医薬組成物の重量に基づいて2重量%~25重量%の間である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている崩壊剤は、セルロース誘導体、デンプン、ベントナイト、アルギン酸ナトリウム、ペクチンおよび架橋ポリビニルピロリドンの群から選択される少なくとも1種の崩壊剤を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている崩壊剤は、セルロースグリコール酸ナトリウム、チロース、primojel、explotab、ベントナイト、アルギン酸ナトリウム、ペクチンおよびクロスポビドンの群から選択される少なくとも1種の崩壊剤を含んでいる。
【0236】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている崩壊剤は、部位特異的薬物送達のための特性を変える(例えば、粘膜接着性を増加させる)崩壊剤である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている崩壊剤は、アルカリ環境でゼリー状になる崩壊剤である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている崩壊剤は、クロスカルメロースナトリウムを含んでいる。
【0237】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが滑沢剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0238】
「滑沢剤」という用語は、本明細書で使用される場合、固体医薬組成物の成分(the ingredients if the solid pharmaceutical composition)が、一緒に凝集するのを防止し、かつ/または生産プロセス中に固体医薬組成物と接触する装置に固着するのを防止する剤を指す。
【0239】
滑沢特性を有する剤は、当業者に公知である(例えば、Wang, J., et al., 2010, European journal of pharmaceutics and biopharmaceutics, 75(1), 1-15、US5843477、Paul, S. et al., 2018, European Journal of Pharmaceutical Sciences, 117, 118-127を参照されたい)。
【0240】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤の含量は、固体医薬組成物の重量に基づいて0.25~5重量%の間である。
【0241】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、親水性滑沢剤である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、疎水性滑沢剤である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、固体脂肪酸またはその塩である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸の群から選択される少なくとも1種の滑沢剤を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ホウ酸、Carbowax(PEG)4000/6000、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸Mg、ステアリン酸金属(Mg、Ca、Na)、Sterotex、タルク、ワックス、Stear-O-Wet、ベヘン酸グリセリルの群から選択される少なくとも1種の滑沢剤を含んでいる。
【0242】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、流動性増強剤のさらなる特性を有している。一部の実施形態では、本明細書に記載されている滑沢剤は、崩壊剤のさらなる特性を有している。
【0243】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが流動性増強剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0244】
「流動性増強剤」という用語は、本明細書で使用される場合、粒子間摩擦および粘着を低減する剤を指す。流動性増強特性を有している剤は、当業者に公知である(例えば、Augsburger, L. L., and Shangraw, R. F, 1966, Effect of glidants in tableting. Journal of Pharmaceutical Sciences, 55(4), 418-423、Armstrong, N. A., 2008, In Pharmaceutical Dosage Forms-Tablets (pp. 267-284). CRC Pressを参照されたい)。ある特定の流動性増強剤は、ある特定の濃度範囲でのみ流動性を増強する。したがって、固体医薬組成物における流動性増強剤の濃度は、特定の流動性増強剤に応じて決まる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている流動性増強剤は、シリカゲル、フュームドシリカ、タルク、ならびに炭酸マグネシウムおよび水和シリコアルミン酸ナトリウムの群から選択される少なくとも1種の流動性増強剤を含んでいる。
【0245】
適切な流動性の予測および決定のための技術は、当業者に公知である(例えば、Hildebrandt, C, et al., 2019, Pharmaceutical development and technology, 24(1), 35-47、Morin, G., & Briens, L, 2013, AAPS Pharmscitech, 14(3), 1158-1168を参照されたい)。
【0246】
崩壊剤、滑沢剤、および/または流動性増強剤は、本発明による固体医薬組成物の生成を促進するか、またはさらにはその所望の薬物送達特性を増強することができる。
【0247】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物の特性が、崩壊剤、滑沢剤、および/または流動性増強剤によってさらに改善され得るという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0248】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが、味変更剤、匂い変更剤、および外観変更剤の群から選択される、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0249】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが匂い変更剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0250】
「匂い変更剤」という用語は、本明細書で使用される場合、ヒト対象および/またはオルファクトメーターによって検出可能な匂いの変化を誘導することができる任意のアジュバントを指す。オルファクトメーター、例えば、フロー-オルファクトメーター、動的希釈オルファクトメーター(dynamic dilution olfactometer)、およびフィールドオルファクトメーターは、当業者に公知である。固体医薬組成物の匂いを変えるために使用することができる、匂い変更剤は、当業者に公知である(例えば、US20120164217、US6667059を参照されたい)。一部の実施形態では、本明細書に記載されている匂い変更剤は、レモンオイル、花、例えばライラック、ハニーサックル、バラ、カーネーション由来の香りのオイルオイル、およびGRAS状態を有する他のこのようなオイルの群から選択される芳香付与(scenting)剤である。GRAS状態を有するオイルには、バジル(ocimum basilicum)、ベルガモット(citrus bergamia)、黒コショウ(piper nigrum)、カシア(cinnamomum cassia)、シナモン(cinnamomum zeylanicum)、クラリーセージ(salvia sclarea)、クローブ(eugenia caryophyllata)、コリアンダー(coriandrum sativum)、クミン(cuminum cyminum)、フェンネル(foeniculum vulgare)、ゼラニウム(pelargonium graveolens)、ショウガ(zingiber officinale)、グレープフルーツ(citrus x paradisi)、ジュニパーベリー(juniperus communis)、レモン(citrus limon)、レモングラス(cymbopogon flexuosus)、ライム(citrus aurantifolia)、マジョラム(origanum majorana)、セイヨウヤマハッカ(melissa officinalis)、オレガノ(origanum vulgare)、ペパーミント(mentha piperita)、プチグレン(citrus aurantium)、ローマンカモミール(anthemis nobilis)、ローズマリー(rosmarinus officinalis)、スペアミント(mentha spicata)、タンジェリン(citrus reticulate)、タイム(thymus vulgaris)、ワイルドオレンジ(citrus sinensis)およびイランイラン(cananga odorata)が含まれるが、これらに限定されない。
【0251】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている匂い変更剤の含量は、固体医薬組成物の重量に基づいて0.1~10重量%の間である。担体粒子のより高い比表面積は、匂い変更剤の作用を強化する。
【0252】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている匂い変更剤は、固体医薬品の摂取中に摂取している対象によって知覚される匂いを変える。
【0253】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている匂い変更剤は、固体医薬品の摂取後に摂取している対象によって知覚される匂いを変える。
【0254】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが外観変更剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0255】
「外観変更剤」という用語は、本明細書で使用される場合、固体医薬組成物の色および/または形状を変えるアジュバントを指す。
【0256】
外観変更剤およびそれらの使用は、当業者に周知である(例えば、Biswal, P. K. et al., 2015, International Journal of Pharmaceutical, Chemical & Biological Sciences, 5(4)を参照されたい)。
【0257】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている外観変更剤は、そのままの固体医薬組成物の外観を変える。一部の実施形態では、本明細書に記載されている外観変更剤は、崩壊した固体医薬組成物の外観を変える。
【0258】
一部の実施形態では、外観変更剤は、本発明による固体医薬組成物の識別、フレーバーの知覚(例えば、サクランボのための赤色)、ブランドの識別、品質知覚、および/または偽造防止を可能にする。
【0259】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている外観変更剤の含量は、固体医薬組成物の重量に基づいて0.1~2重量%の間である。担体材料の高い比表面積は、外観変更剤の作用を強化する。
【0260】
ある特定の実施形態では、本発明は、少なくとも1種のアジュバントが味変更剤である、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0261】
「味変更剤」という用語は、本明細書で使用される場合、固体医薬組成物のフレーバーを変えるアジュバントを指す。フレーバーの決定は、様々な質量分析技術によってまたはヒトによる官能検査によって行うことができる。味変更剤は、当業者に周知である(例えば、Ahire, S. B, et al., 2012, Pharma Science Monitor, 3(3)、US20070122475、WO1998043675を参照されたい)。
【0262】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている味変更剤は、レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ベリーフレーバー、ペパーミント、甘草、およびメントールの群から選択される、味変更剤である。
【0263】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている味変更剤は、マンザネート、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセトイン、酢酸イソアミル、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、プロピオン酸エチル、アントラニル酸メチル、リモネン、デカジエン酸エチル、ヘキサン酸アリル、エチルマルトール、2,4-ジチアペンタン、エチルバニリン、サリチル酸メチル、カルボマー934、カルボマー971、カルボマー974、PEG-5M、カラゲナン、コンドロイチン硫酸、硫酸デキストラン、アルギン酸、ジェラン(dielan)ガム、キサンタンガム、亜鉛塩の群から選択される、味変更剤である。
【0264】
本明細書に記載されている味変更剤の含量は、味変更剤の強度に応じて決まる。担体粒子の高い比表面積は、味変更剤の味を変化させる作用を強化し得る。
【0265】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている外観変更剤の含量は、固体医薬組成物の重量に基づいて0.1~20重量%の間である。
【0266】
本明細書に記載されている匂い変更剤および外観変更剤、特に味変更剤の使用は、本発明による固体医薬組成物の匂い、味、および/または外観を改善することができる。改善された匂い、味、および/または外観は、本発明による固体医薬組成物の摂取を促進することができる。
【0267】
したがって、本発明は、味変更剤、匂い変更剤、および/または外観変更剤が、本発明による固体医薬組成物の摂取を促進することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0268】
ある特定の実施形態では、本発明は、味変更剤が、人工甘味剤、酸性度調整剤、ガム、セルロース誘導体、ハードファット、および塩の群から選択される、本発明による固体医薬組成物に関する。本発明の担体粒子の高表面積は、本明細書に記載されている味変更剤の嗅覚に対する効果を強化し得る。
【0269】
「人工甘味剤」という用語は、本明細書で使用される場合、糖の甘味に似た甘味を提供するアジュバントを指す。人工甘味剤は、植物エキスの製造により誘導され得るか、または化学合成によって加工され得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されている人工甘味剤は、スクラロース、タウマチン、ネオヘスペリジン、アスパルテーム、サッカリン、アセスルファム、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、およびステビアの群から選択される人工甘味剤である。
【0270】
本発明による固体医薬組成物において使用されることになる人工甘味剤の濃度は、当業者に公知であり、人工甘味料の強度に応じて決まる。
【0271】
「酸性度調整剤」という用語は、本明細書で使用される場合、医薬組成物の摂取の際に知覚される酸性度を変えるアジュバントを指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている酸性度調整剤は、クエン酸、リン酸、および/またはそれらの塩である。
【0272】
本発明による固体医薬組成物において使用されることになる酸性度調整剤の濃度は、当業者に公知であり、酸性度調整剤の強度および修正されるべき酸性度に応じて決まる。
【0273】
「ガム」という用語は、本明細書で使用される場合、医薬組成物の摂取の際に知覚される粘稠度を変えるアジュバントを指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されているガムは、標的部位、例えば粘膜における担体粒子の接着を改善する。
【0274】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているガムは、アルギン酸エステル、カラゲナン、キサンタン、寒天、ペクチン、ペクチン酸、アラビアゴム、トラガカントガムおよびカラヤガム、グアーガム、ならびに四級化グアーガムの群から選択されるガムである。
【0275】
「セルロース誘導体」という用語は、本明細書で使用される場合、医薬組成物の不快な味を遮蔽するまたは変えるために使用することができる多糖ポリマー、例えばセルロースエーテル誘導体およびセルロースエステル誘導体を指す。
【0276】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているセルロース誘導体は、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースの群から選択されるセルロース誘導体である。一部の実施形態では、本明細書に記載されているセルロース誘導体は、水不溶性ポリマー、例えばエチルセルロースである。一部の実施形態では、本明細書に記載されているセルロース誘導体は、水溶性ポリマー、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースのポリマーである。一部の実施形態では、本明細書に記載されているセルロース誘導体は、非イオン性セルロースエーテル、例えばエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0277】
一部の実施形態では、本明細書に記載されているセルロース誘導体は、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのアニオン性エーテル誘導体である。
【0278】
一部の実施形態では、本発明による固体医薬組成物および/または本発明による固体医薬組成物における担体粒子は、不快な味を遮蔽するためにセルロース誘導体でコーティングされている。
【0279】
一部の実施形態では、味変更剤、例えばハードファットおよび/または塩は、心地よい良い味の知覚を誘導または増強する。
【0280】
一部の実施形態では、味変更剤、例えばセルロース誘導体またはガムは、不快な味(例えば、苦味)の拡散を低減する。
【0281】
味変更剤、特に本明細書に記載されている味変更剤の使用は、本発明による固体医薬組成物の味を改善するか、または本発明による固体医薬組成物の成分の味を遮蔽することができる。改善された味は、本発明による固体医薬組成物の摂取を促進することができる。
【0282】
したがって、本発明は、人工甘味剤、酸性度調整剤、ガム、セルロース誘導体、ハードファット、および/または塩が、本発明による固体医薬組成物の摂取を促進することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0283】
ある特定の実施形態では、本発明は、処置において使用するための、本発明による固体医薬組成物に関する。
【0284】
ある特定の実施形態では、本発明は、処置において使用するための、本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0285】
ある特定の実施形態では、本発明は、処置において使用するための、本発明による担体粒子に関する。
【0286】
「処置において使用するため」または「疾患または障害の処置において使用するため」という句はまた、「疾患または障害の症状の処置において使用するため」を意味することができる。疾患または障害の症状は、本明細書に記載されている症状および/または当業者に公知の疾患もしくは障害の症状、例えばある特定の疾患もしくは障害に関するICD-11の説明における症状(世界保健機関、2018年、死亡率および罹患率の統計についてのICD-11)またはDSM-5に記載されている症状もしくは診断基準(米国精神医学会。精神疾患の診断および統計マニュアル、第5版、2013年)であり得る。
【0287】
「処置において使用するため」または「疾患または障害の処置において使用するため」という句は、小児患者、成人および/または老年患者を含めた任意の年齢群における処置を指すことができる。
【0288】
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている治療剤を含んでいる、処置において使用するための本発明による固体医薬組成物に関する。
【0289】
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている治療剤を含んでいる、処置において使用するための本発明に従って生成された圧縮担体物質に関する。
【0290】
ある特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている治療剤を含んでいる、処置において使用するための本発明による担体粒子に関する。
【0291】
例えば、治療剤は、有効用量で患者に投与することができ、ここで本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子は、薬物送達を促進し、かつ/または改善された薬物送達特性によって治療剤の治療効果を増強する。
【0292】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0293】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0294】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0295】
「老年性疾患または障害」という用語は、本明細書で使用される場合、高齢者に影響を及ぼす疾患または障害を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている老年性疾患または障害は、主に高齢者に影響を及ぼす(すなわち、その高齢者が、より若年の成人および小児よりも大きい患者群である)疾患または障害であり、特に高齢者が患者集団の少なくとも40%、50%、60%、70%、80%または90%である疾患または障害である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている老年性疾患または障害は、加齢に伴う罹患率および/または死亡率を増加させる疾患または障害である。一部の実施形態では、「老年性疾患または障害の処置において使用するため」という句は、高齢患者における疾患または障害の処置における使用を指す。
【0296】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている高齢者は、ある特定の年齢を上回る、例えば50歳、55歳、60歳、65歳、70歳、75歳、80歳、または85歳の年齢を上回るヒトである。しかし、一部の行動は、身体の老化を加速することがある。例えば、喫煙者は、彼らの呼吸器系の予備力を早期に消費して、肺および他の臓器の老化過程が、より急速になる。したがって、ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている高齢者は、年齢以外の他のまたはさらなる基準によって定義される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている高齢者は、ある特定の加齢に伴うに伴う罹患率を有している成人(例えば、タバコの消費、がん、糖尿病)を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されている高齢者は、ある特定の加齢加速性の罹患率を有している成人(例えば、遺伝性疾患または障害)を含む。一部の実施形態では、本明細書に記載されている高齢者は、ある特定のガイドライン、例えばSingh, S., & Bajorek, B., 2014, Pharmacy practice, 12(4), 489によって分析および/または記載されている指針の1つによって定義される。
【0297】
一部の実施形態では、老年性疾患または障害は、骨粗鬆症、糖尿病、がん、良性前立腺肥大症、および心血管疾患の群から選択される少なくとも1種の疾患または障害である。
【0298】
老年性疾患または障害の症状には、限定されるものではないが、認知機能低下、うつ病、失禁、虚弱、ビタミンD欠乏、腎不全、および慢性疼痛が含まれる。
【0299】
老年性疾患または障害の処置は、高齢患者の独特の必要性が考慮される必要があるので、成人用の標準的な薬とは異なる。加齢した身体は、より若年の成人身体とは生理的に異なっており、例えば高齢になると、様々な臓器系の低下が顕著になる。例えば、過去の健康上の問題、ライフスタイルの選択、および残りの蓄えに応じて、様々な因子が、高齢患者の処置にとって関連し得る。高齢患者の処置に関連するこのような因子には、例えば、経口医薬品を嚥下する能力の制限、処置への遵守、吸収変化、分布変化、代謝変化、排出変化、薬物相互作用の確率の増加、有害な薬物反応の確率の増加、生活の質の懸念の増大、社会支援の低下、および機能的能力の低下が含まれる。
【0300】
本発明によって提供される手段および方法は、特に、高齢患者の処置において有用である。例えば、高用量の本明細書に記載されている治療剤を含んでいるODTの、例えば、急速な崩壊時間などの改善された所望の薬物送達特性は、老年性疾患または障害の処置の文脈において、薬物吸収を改善し、遵守を促進し得る。例えば、固体医薬組成物の機械的安定性が改善すると、固体医薬組成物を損なうことなく開封がより容易であって、機能的能力が低下している高齢患者の必要性を満たすパッケージングを可能にすることができる。
【0301】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質または本発明による担体粒子が、老年性疾患または障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0302】
ある特定の実施形態では、本発明は、小児性疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0303】
ある特定の実施形態では、本発明は、小児性疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0304】
ある特定の実施形態では、本発明は、小児性疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0305】
「小児性疾患または障害」という用語は、本明細書で使用される場合、乳児および小児に影響を及ぼす疾患または障害を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている小児性疾患または障害は、主に乳児および小児に影響を及ぼす(すなわち、その乳児および小児が、成人および高齢者よりも大きい患者群である)疾患または障害であり、特に乳児および小児が患者集団の少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%である疾患または障害である。一部の実施形態では、「小児性疾患または障害の処置において使用するため」という句は、乳児または小児における疾患または障害の処置における使用を指す。
【0306】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている乳児および小児は、ある特定の年齢未満、例えば21歳未満、20歳未満、19歳未満、18歳未満、17歳未満、16歳未満、15歳未満、14歳未満、13歳未満、12歳未満、11歳未満、10歳未満、9歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、5歳未満、4歳未満、3歳未満、2歳未満、1歳未満、または0.5歳未満のヒトである。小児性疾患または障害の処置における使用には、年齢以外の他のまたはさらなる因子が関連し得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されている乳児および小児は、ある特定の体重未満、例えば44kg未満、42kg未満、40kg未満、38kg未満、36kg未満、34kg未満、32kg未満、30kg未満、28kg未満、26kg未満、24kg未満、22kg未満または20kg未満のヒトである。一部の実施形態では、本明細書に記載されている乳児および小児は、別の成熟マーカーまたはさらなる成熟マーカーによって定義されるヒトである。
【0307】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている小児性疾患または障害は、小児患者における疼痛および/または小児患者における感染である。
【0308】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている小児性疾患または障害は、貧血、喘息、水痘、ジフテリア、白血病、麻疹、流行性耳下腺炎、肺炎、ポリオ、結核、百日咳、ライム病、発熱、ダウン症候群、う蝕、嚢胞性線維症、シャーガス病、カンジダ症、がん、および細気管支炎の群から選択される少なくとも1種の疾患または障害である。
【0309】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている小児性疾患または障害は、精神障害、例えば小児全般性不安障害および/または小児期発症双極性障害である。
【0310】
乳児または新生児の身体は、成人の身体とは生理が実質的に異なっている。小児は、単に「小さい成人」ではない。乳児または新生児の未成熟な生理が考慮に入れられなければならず、小児患者の処置に関連する因子が考慮されなければならない。小児患者の処置に関連するこのような因子には、例えば、経口医薬品を嚥下する能力の制限、処置への遵守、吸収変化、分布変化、代謝変化、排出変化、発達の問題に関する懸念、および機能的能力の制限が含まれる。
【0311】
本発明によって提供される手段および方法は、特に小児患者の処置に有用である。例えば、高用量の本明細書に記載されている治療剤を含んでいるODTの、例えば、急速な崩壊時間などの改善された所望の薬物送達特性は、小児性疾患または障害の処置の文脈において、薬物吸収を改善し、遵守を促進し得る。
【0312】
さらに、本明細書で提供される手段および方法は、特に、ODTの水との結合を弱めることを可能にする(例えば、実施例6を参照されたい)。この特性は、大体積の結合した水により、局所的な膨張およびその後の窒息の危険性が生じることがあるので、特に関連する。窒息の危険性は、いかなる患者群にも関連するが、小児科において、例えば、訓練を受けていない保育者(例えば、親)による適用によって、および/またはストレスの多い状況、例えば夜間において、特に関連する。したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、小児性疾患または障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0313】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害が、老年性および小児性疾患または障害である、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0314】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害が、老年性および小児性疾患または障害である、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0315】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害が、老年性および小児性疾患または障害である、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0316】
「老年性および小児性疾患または障害」という用語は、本明細書で使用される場合、高齢者、ならびに乳児および/または小児に影響を及ぼす疾患または障害を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている老年性および小児性疾患または障害は、主に老年患者および小児患者に影響を及ぼす(すなわち、その老年患者および小児患者が、非老年成人よりも大きい患者群である)疾患または障害であり、特に老年患者および小児患者が患者集団の少なくとも51%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%または少なくとも90%である疾患または障害である。一部の実施形態では、「老年性および小児性疾患または障害の処置において使用するため」という句は、老年患者および小児患者における疾患または障害の処置における使用を指す。
【0317】
老年患者および小児患者は、制限および必要とするものが重複している。老年患者および小児患者の処置に関連する因子には、例えば、経口医薬品を嚥下する能力の制限、処置への遵守、吸収変化、分布変化、代謝変化、排出変化、および機能的能力の制限が含まれる。
【0318】
本発明によって提供される手段および方法は、特に、老年患者および小児患者の処置に有用である。例えば、高用量の本明細書に記載されている治療剤を含んでいるODTの、例えば、急速な崩壊時間などの改善された所望の薬物送達特性は、老年性および小児性疾患または障害の処置の文脈において、薬物吸収を改善し、遵守を促進し得る。
【0319】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、老年性および小児性疾患または障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0320】
ある特定の実施形態では、本発明は、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0321】
ある特定の実施形態では、本発明は、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0322】
ある特定の実施形態では、本発明は、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0323】
不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の症状は、治療中の治療剤の摂取を困難にすることがある。本発明によって提供される手段および方法は、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の文脈において、治療剤の摂取を促進する。
【0324】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質または本発明による担体粒子が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される疾患または障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0325】
ある特定の実施形態では、本発明は、不安障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0326】
ある特定の実施形態では、本発明は、不安障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0327】
ある特定の実施形態では、本発明は、不安障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0328】
「不安障害」という用語は、本明細書で使用される場合、過度の恐れおよび不安の特色、ならびに関連する行動障害を共有している障害を指す。
【0329】
本明細書に記載されている不安障害の例として、パニック発作、広場恐怖症、急性ストレス障害、限局性恐怖症、パニック障害、向精神物質不安障害、器質性不安障害、強迫性不安障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、社会不安障害、および全般性不安障害が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で言及される不安には、状況不安(例えば、パフォーマーがパフォーマンス前に経験する)も含まれる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている不安障害は、DSM-5(米国精神医学会。精神障害の診断および統計マニュアル、第5版、2013年)に従って診断される不安障害である。
【0330】
不安障害の症状には、不安、情動不安、疲労、集中力低下、易刺激性、筋肉の緊張、睡眠障害、恐れ、発汗、振戦、胃腸管の問題、心拍上昇、呼吸速度の増加、自殺念慮、および自殺行動が含まれるが、これらに限定されない。
【0331】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗不安剤、特に本明細書に記載されている抗不安剤を含んでいる、不安障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0332】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗不安剤、特に本明細書に記載されている抗不安剤を含んでいる、不安障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0333】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、抗不安剤、特に本明細書に記載されている抗不安剤を含んでいる、不安障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0334】
不安障害の患者は、治療への遵守が低い傾向があり、不安障害の一部の症状、例えばパニック発作は、作用の急速な開始を確保するために、治療剤の急速な吸収を必要とする。本発明によって提供される手段および方法は、不安障害の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0335】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、および/または本発明による担体粒子が、不安障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0336】
ある特定の実施形態では、本発明は、双極性障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0337】
ある特定の実施形態では、本発明は、双極性障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0338】
ある特定の実施形態では、本発明は、双極性障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0339】
「双極性障害」という用語は、本明細書で使用される場合、明確な期間において生じる異常に強烈な感情状態、例えば気分エピソードによって特徴付けられる障害を指す。過度に高揚したまたは過剰に興奮した状態は、躁病エピソードと呼ばれ、極度に悲しいまたは無希望な状態は、抑うつエピソードと呼ばれる。双極性障害の症状には、気分循環(すなわち、躁病エピソード、抑うつエピソード、および通常の気分の間の循環)、危害が加えられることへの脅迫的な恐れ、重度の攻撃性、縄張り性攻撃行動、体温調節異常(thermal dysregulation)、寝汗、入眠能の低下、睡眠能の低下、解体した会話、早口の話し方、大きな話し声、不明瞭な話し方、声色の異常、まとまりのない考え、過度の儀式化、移行対象への依存、溜め込み、極度の分離不安、幻覚、妄想、および甘いものへの欲求が含まれるが、これらに限定されない。
【0340】
躁病エピソードを経験している個体は、一般に、抑うつエピソードもしくは症状、または躁病およびうつ病の両方の特色が同時に存在している混合エピソードも経験する。これらのエピソードは、通常、「通常の」気分の期間によって分離されるが、一部の個体では、うつ病および躁病が、交互に急速に現れることがあり、これは急速循環として公知である。極度の躁病エピソードは、時として精神病症状、例えば妄想および幻覚をもたらすことがある。双極性障害に罹患している患者は、少なくとも1つの躁病または軽躁(軽度の躁病)エピソードを有していたことがある。完全な躁病およびうつ病を有している患者は、双極I型障害を有しているものとして示される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている双極性障害は、双極I型障害を指す。軽躁病およびうつ病を有している患者は、双極II型障害を有しているものとして説明される。一部の実施形態では、本明細書に記載されている双極性障害は、双極II型障害を指す。
【0341】
エピソード開始は、急性の傾向があり、症状は数日から数週間にわたって生じる。躁病または躁病エピソードの症状には、気分変化および行動変化の両方が含まれる。気分変化には、以下が含まれる。「ハイ(high)」または過度に幸せもしくは社交的気分を長期間感じる、および極度過敏性気分、激越、「ビクビクしている(jumpy)」または「神経過敏な(wired)」と感じる。行動変化には、以下が含まれる。非常に急速に話す、ある考えから別の考えに飛ぶ、観念奔逸(racing thoughts)を持つ;容易に気が散る;目標指向活動の増大、例えば新しいプロジェクトを抱え込む;落ち着かない;わずかしか睡眠できない;自分の能力への非現実的な過信;衝動的に行動し、快感を得ることばかりに関わる;ならびに危険性の高い行動、例えば散財、衝動的な性行動、および衝動的な企業投資。うつ病または抑うつエピソードの症状には、気分変化および行動変化の両方が含まれる。気分変化には、以下が含まれる。心配または空虚を長期間感じる、および活動を楽しんだ後の興味喪失。行動変化には、以下が含まれる。疲れているまたは「失速している」と感じる;集中、想起および決定するのに問題がある;落ち着かないまたは過敏になっている;食事、睡眠または他の習慣の変化;ならびに死亡もしくは自殺念慮、または自殺未遂。
【0342】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている双極性障害の処置は、小児期発症双極性障害の処置である。小児期発症双極性障害は、当技術分野で公知の任意の方法を使用して検出することができる。一部の実施形態では、小児期発症双極性障害は、小児期双極性質問票(Questionaire)(CBQ)の使用によって検出される。
【0343】
ある特定の実施形態では、本発明は、鎮静剤、特に本明細書に記載されている鎮静剤を含んでいる、双極性障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0344】
ある特定の実施形態では、本発明は、鎮静剤、特に本明細書に記載されている鎮静剤を含んでいる、双極性障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0345】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、鎮静剤、特に本明細書に記載されている鎮静剤を含んでいる、双極性障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0346】
双極性障害の患者は、治療への遵守が低い傾向があり、双極性障害の一部の症状、例えば抑うつエピソード中の自殺念慮は、作用の急速な開始を確保するために、治療剤の急速な吸収を必要とする。本発明によって提供される手段および方法は、双極性障害の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0347】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、双極性障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0348】
ある特定の実施形態では、本発明は、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0349】
ある特定の実施形態では、本発明は、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0350】
ある特定の実施形態では、本発明は、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0351】
「疼痛」という用語は、本明細書で使用される場合、実際のまたは潜在的な組織損傷と関連しているか、または関連するものに類似の、不快な感覚および感情的経験を指す。疼痛の決定方法は、当業者に公知であり、それには、疼痛測定尺度、寒冷昇圧試験、および痛覚計が含まれる。
【0352】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている疼痛は、頭痛 頸部疼痛、嚥下痛、歯痛、咽喉痛、胸膜痛、関節痛、骨痛、筋肉痛、急性疼痛、遅発性疼痛、神経痛、疼痛性障害、発作性激痛症、慢性疼痛、痛覚過敏、痛覚鈍麻、痛覚異常過敏、関連痛、骨盤痛、肛門直腸痛、がん誘発疼痛、離脱誘発性疼痛、背部痛、および下背部痛の群から選択される。
【0353】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている疼痛は、疾患または障害の症状である。
【0354】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている疼痛は、例えば、数値化評定スケール(NRS-11)(例えば、Farrar, J. T., et al., 2001, Pain, 94(2), 149-158を参照されたい)に従って、疼痛なし、軽度疼痛、中等度疼痛、および重症疼痛のクラスに分類される。
【0355】
ある特定の実施形態では、本発明は、重度疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物、本発明に従って使用するための担体粒子、および/または本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0356】
ある特定の実施形態では、本発明は、中等度疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物、本発明に従って使用するための担体粒子、および/または本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0357】
ある特定の実施形態では、本発明は、軽度疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物、本発明に従って使用するための担体粒子、および/または本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0358】
ある特定の実施形態では、本発明は、麻薬性薬剤、特に本明細書に記載されている麻薬性薬剤を含んでいる、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0359】
ある特定の実施形態では、本発明は、麻薬性薬剤、特に本明細書に記載されている麻薬性薬剤を含んでいる、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0360】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、麻薬性薬剤、特に本明細書に記載されている麻薬性薬剤を含んでいる、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0361】
ある特定の実施形態では、本発明は、鎮痛剤を含んでいる、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0362】
ある特定の実施形態では、本発明は、鎮痛剤を含んでいる、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0363】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、鎮痛剤を含んでいる、疼痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0364】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている鎮痛剤は、パラセタモールおよび/またはNSAIDである。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている鎮痛剤は、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、ナプロキセン、ジクロフェナク、インドメタシン、ピロキシカム、およびフェニルブタゾンの群から選択されるNSAIDである。
【0365】
疼痛、特に急性疼痛の処置は、作用の急速な開始を確保するために、治療剤の急速な吸収を必要とする。さらに、疼痛、例えば咽喉痛のある特定の形態は、治療剤の摂取を困難にすることがある。本発明によって提供される手段および方法は、疼痛の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0366】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、疼痛の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0367】
ある特定の実施形態では、本発明は、感染の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0368】
ある特定の実施形態では、本発明は、感染の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0369】
ある特定の実施形態では、本発明は、感染の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0370】
「感染」という用語は、本明細書で使用される場合、1種または複数の伝染性病原体による、対象の少なくとも1つの身体組織への侵入、それらの増殖、ならびに感染性病原体およびその病原体が産生する毒素への宿主組織の反応を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、一次感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、日和見感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、二次感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染を引き起こす病原体は、ウイルス、バクテリア、真菌、または寄生虫である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、下気道感染、HIV感染、下痢性疾患、結核、およびマラリアの群から選択される感染である。
【0371】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、ウイルスの感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、Adenoviridae、Anelloviridae、Arenaviridae、Astroviridae、Bunyaviridae、ブニヤウイルス、Caliciviridae、Coronaviridae、Filoviridae、Flaviviridae、Hepadnaviridae、Herpesviridae、Orthomyxoviridae、Papillomaviridae、Paramyxoviridae、Parvoviridae、Picornaviridae、Pneumoviridae、Polyomaviridae、Poxviridae、Reoviridae、Retroviridae、Rhabdoviridae、ラブドウイルスおよびTogaviridaeからなる群から選択される属由来のウイルスの感染である。
【0372】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、アイチウイルス、オーストラリアコウモリリッサウイルス、BKポリオーマウイルス、バンナウイルス、バーマフォレストウイルス、ブニヤンベラウイルス、ラクロスブニヤウイルス(Bunyavirus La Crosse)、カンジキウサギブニヤウイルス(Bunyavirus snowshoe hare)、オナガザルヘルペスウイルス、チャンディプラウイルス、チクングニアウイルス、コサウイルスA、牛痘ウイルス、コクサッキーウイルス、クリミア・コンゴ出血熱ウイルス、デングウイルス、ドーリウイルス、ダグベ(Dugbe)ウイルス、ドゥベンヘイジ(Duvenhage)ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス、脳心筋炎ウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヨーロッパコウモリリッサウイルス、GBウイルスC/肝炎Gウイルス、ハンタンウイルス、ヘンドラウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、馬痘ウイルス、ヒトアデノウイルス、ヒトアストロウイルス、ヒトコロナウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトエンテロウイルス68、ヒトエンテロウイルス70、ヒトヘルペスウイルス1、ヒトヘルペスウイルス2、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8、ヒト免疫不全ウイルス、ヒトパピローマウイルス1、ヒトパピローマウイルス2、ヒトパピローマウイルス16、ヒトパピローマウイルス18、ヒトパラインフルエンザ、ヒトパルボウイルスB19、ヒト呼吸器合胞体ウイルス、ヒトライノウイルス、ヒトSARSコロナウイルス、ヒトスプマレトロウイルス(spumaretrovirus)、ヒトTリンパ好性ウイルス、ヒトトロウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、イスファハンウイルス、JCポリオーマウイルス、日本脳炎ウイルス、フニンアレナウイルス、KIポリオーマウイルス、クンジンウイルス、ラゴスコウモリウイルス、ヴィクトリア湖マールブルグウイルス、ランガットウイルス、ラッサウイルス、ローズデールウイルス、ルーピングイルウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、マチュポウイルス、マヤロウイルス、MERSコロナウイルス、麻疹ウイルス、メンゴ脳心筋炎ウイルス、メルケル細胞ポリオーマウイルス、モコラウイルス、伝染性軟属腫ウイルス、サル痘ウイルス、ムンプスウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ニューヨークウイルス、ニパウイルス、ノーウォークウイルス、オニョンニョンウイルス、オーフウイルス、オロプーシェウイルス、ピチンデウイルス、ポリオウイルス、プンタトロ(Punta toro)フレボウイルス、プーマラウイルス、狂犬病ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、ロサウイルスA、ロスリバーウイルス、A群ロタウイルス、B群ロタウイルス、C群ロタウイルス、風疹ウイルス、鷺山ウイルス、サリウイルスA、サシチョウバエ熱シチリアウイルス(Sandfly fever sicilian virus)、札幌ウイルス、SARSコロナウイルス2、セムリキ森林ウイルス、ソウルウイルス、サル泡沫状ウイルス、サルウイルス5、シンドビスウイルス、サウサンプトンウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介性ポワッサンウイルス、トルクテノウイルス、トスカーナウイルス、ウークニエミウイルス、ワクチニアウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、痘瘡ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、水疱性口内炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、WUポリオーマウイルス、ウエストナイルウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、ヤバ様疾患ウイルス、黄熱病ウイルスおよびジカウイルスからなる群から選択される少なくとも1種のウイルスの感染である。
【0373】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、少なくとも1種の細菌の感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、Abiotrophia、Achromobacter、Acidaminococcus、Acidovorax、Acinetobacter、Actinobacillus、Actinobaculum、Actinomadura、Actinomyces、Aerococcus、Aeromonas、Afipia、Agrobacterium、Alcaligenes、Alloiococcus Alteromonas、Amycolata、Amycolatopsis、Anaerobospirillum、Anaerorhabdus、“Anguillina”、Arachnia、Arcanobacterium、Arcobacter、Arthrobacter、Atopobium、Aureobacterium、Bacillus、Bacteroides、Balneatrix、Bartonella、Bergeyella、Bifidobacterium、Bilophila、Branhamella、Borrelia、Bordetella、Brachyspira、Brevibacillus、Brevibacterium、Brevundimonas、Brucella、Burkholderia、Buttiauxella、Butyrivibrio、Calymmatobacterium、Campylobacter、Capnocytophaga、Cardiobacterium、Catonella、Cedecea、Cellulomonas、Centipeda、Chlamydia、Chlamydophila、Chromobacterium、Chyseobacterium、Chryseomonas、Citrobacter、Clostridium、Collinsella、Comamonas、Corynebacterium、Coxiella、Cryptobacterium、Delftia、Dermabacter、Dermatophilus、Desulfomonas、Desulfovibrio、Dialister、Dichelobacter、Dolosicoccus、Dolosigranulum、Edwardsiella、Eggerthella、Ehrlichia、Eikenella、Empedobacter、Enterobacter、Enterococcus、Erwinia、Erysipelothrix、Escherichia、Eubacterium、Ewingella、Exiguobacterium、Facklamia、Filifactor、Flavimonas、Flavobacterium、Flexispira、Francisella、Fusobacterium、Gardnerella、Gemella Globicatella、Gordona、Haemophilus、Hafnia、Helicobacter、Helococcus、Holdemania、Ignavigranum、Johnsonella、Kingella、Klebsiella、Kocuria、Koserella、Kurthia、Kytococcus、Lactobacillus、Lactococcus、Lautropia、Leclercia、Legionella、Leminorella、Leptospira、Leptotrichia、Leuconostoc、Listeria、Listonella、Megasphaera、Methylobacterium、Microbacterium、Micrococcus、Mitsuokella、Mobiluncus、Moellerella、Moraxella、Morganella、Mycobacterium、Mycoplasma、Myroides、Neisseria、Nocardia、Nocardiopsis、Ochrobactrum、OeskoviaOligella、Orientia、Paenibacillus、Pantoea、Parachlamydia、Pasteurella、Pediococcus、Peptococcus、Peptostreptococcus、Photobacterium、Photorhabdus、Plesiomonas Porphyrimonas、Prevotella、Propionibacterium、Proteus、Providencia、Pseudomonas、Pseudonocardia、Pseudoramibacter、Psychrobacter、Rahnella、Ralstonia、Rhodococcus、Rickettsia、Rochalimaea、Roseomonas、Rothia、Ruminococcus、Salmonella、Selenomonas、Serpulina、Serratia、Shewenella、Shigella、Simkania、Slackia、Sphingobacterium、Sphingomonas、Spirillum、Staphylococcus、Stenotrophomonas、Stomatococcus、Streptobacillus、Streptococcus、Streptomyces、Succinivibrio、Sutterella、Suttonella、Tatumella、Tissierella、Trabulsiella、Treponema、Tropheryma、Tsakamurella、Turicella、Ureaplasma、Vagococcus、Veillonella、Vibrio、Weeksella、Wolinella、Xanthomonas、Xenorhabdus、YersiniaおよびYokenellaからなる群から選択される属由来の少なくとも1種の細菌の感染である。
【0374】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、Actimomyces europeus、Actimomyces georgiae、Actimomyces gerencseriae、Actimomyces graevenitzii、Actimomyces israelii、Actimomyces meyeri、Actimomyces naeslundii、Actimomyces neuii neuii、Actimomyces neuii anitratus、Actimomyces odontolyticus、Actimomyces radingae、Actimomyces turicensis、Actimomyces viscosus、Arthrobacter creatinolyticus、Arthrobacter cumminsii、Arthrobacter woluwensis、Bacillus anthracis、Bacillus cereus、Bacillus circulans、Bacillus coagulans、Bacillus licheniformis、Bacillus megaterium、Bacillus myroides、Bacillus pumilus、Bacillus sphaericus、Bacillus subtilis、Bacillus thuringiensis、Borrelia afzelii、Borrelia andersonii、Borrelia bissettii、Borrelia burgdorferi、Borrelia garinii、Borrelia japonica、Borrelia lusitaniae、Borrelia tanukii、Borrelia turdi、Borrelia valaisiana Borrelia caucasica、Borrelia crocidurae、Borrelia recurrentis、Borrelia duttoni、Borrelia graingeri、Borrelia hermsii、Borrelia hispanica、Borrelia latyschewii、Borrelia mazzottii、Borrelia parkeri、Borrelia persica、Borrelia recurrentis、Borrelia turicatae、Borrelia venezuelensi、Bordetella bronchiseptica、Bordetella hinzii、Bordetella holmseii、Bordetella parapertussis、Bordetella pertussis、Bordetella trematum、Clostridium absonum、Clostridium argentinense、Clostridium baratii、Clostridium bifermentans、Clostridium beijerinckii、Clostridium butyricum、Clostridium cadaveris、Clostridium carnis、Clostridium celatum、Clostridium clostridioforme、Clostridium cochlearium、Clostridium cocleatum、Clostridium fallax、Clostridium ghonii、Clostridium glycolicum、Clostridium haemolyticum、Clostridium hastiforme、Clostridium histolyticum、Clostridium indolis、Clostridium innocuum、Clostridium irregulare、Clostridium leptum、Clostridium limosum、Clostridium malenominatum、Clostridium novyi、Clostridium oroticum、Clostridium paraputrificum、Clostridium piliforme、Clostridium putrefasciens、Clostridium ramosum、Clostridium septicum、Clostridium sordelii、Clostridium sphenoides、Clostridium sporogenes、Clostridium subterminale、Clostridium symbiosum、Clostridium tertium、Clostridium tetani、Escherichia coli、Escherichia fergusonii、Escherichia hermanii、Escherichia vulneris、Enterococcus avium、Enterococcus casseliflavus、Enterococcus cecorum、Enterococcus dispar、Enterococcus durans、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Enterococcus flavescens、Enterococcus gallinarum、Enterococcus hirae、Enterococcus malodoratus、Enterococcus mundtii、Enterococcus pseudoavium、Enterococcus raffinosus、Enterococcus solitarius、Haemophilus aegyptius、Haemophilus aphrophilus、Haemophilus paraphrophilus、Haemophilus parainfluenzae、Haemophilus segnis、Haemophilus ducreyi、Haemophilus influenzae、Klebsiella ornitholytica、Klebsiella oxytoca、Klebsiella planticola、Klebsiella pneumoniae、Klebsiella ozaenae、Klebsiella terrigena、Lysteria ivanovii、Lysteria monocytogenes、Mycobacterium abscessus、Mycobacterium africanum、Mycobacterium alvei、Mycobacterium asiaticum、Mycobacterium aurum、Mycobacterium avium、Mycobacterium bohemicum、Mycobacterium bovis、Mycobacterium branderi、Mycobacterium brumae、Mycobacterium celatum、Mycobacterium chelonae、Mycobacterium chubense、Mycobacterium confluentis、Mycobacterium conspicuum、Mycobacterium cookii、Mycobacterium flavescens、Mycobacterium fortuitum、Mycobacterium gadium、Mycobacterium gastri、Mycobacterium genavense、Mycobacterium gordonae、Mycobacterium goodii、Mycobacterium haemophilum、Mycobacterium hassicum、Mycobacterium intracellulare、Mycobacterium interjectum、Mycobacterium heidelberense、Mycobacterium kansasii、Mycobacterium lentiflavum、Mycobacterium leprae、Mycobacterium malmoense、Mycobacterium marinum、Mycobacterium microgenicum、Mycobacterium microti、Mycobacterium mucogenicum、Mycobacterium neoaurum、Mycobacterium nonchromogenicum、Mycobacterium peregrinum、Mycobacterium phlei、Mycobacterium scrofulaceum、Mycobacterium shimoidei、Mycobacterium simiae、Mycobacterium smegmatis、Mycobacterium szulgai、Mycobacterium terrae、Mycobacterium thermoresistabile、Mycobacterium triplex、Mycobacterium triviale、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium tusciae、Mycobacterium ulcerans、Mycobacterium vaccae、Mycobacterium wolinskyi、Mycobacterium xenopi、Mycoplasma buccale、Mycoplasma faucium、Mycoplasma fermentans、Mycoplasma genitalium、Mycoplasma hominis、Mycoplasma lipophilum、Mycoplasma orale、Mycoplasma penetrans、Mycoplasma pirum、Mycoplasma pneumoniae、Mycoplasma primatum、Mycoplasma salivarium、Mycoplasma spermatophilum、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas alcaligenes、Pseudomonas chlororaphis、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas luteola. Pseudomonas mendocina、Pseudomonas monteilii、Pseudomonas oryzihabitans、Pseudomonas pertocinogena、Pseudomonas pseudalcaligenes、Pseudomonas putida、Pseudomonas stutzeri、Rickettsia africae、Rickettsia akari、Rickettsia australis、Rickettsia conorii、Rickettsia felis、Rickettsia honei、Rickettsia japonica、Rickettsia mongolotimonae、Rickettsia prowazekii、Rickettsia rickettsiae、Rickettsia sibirica、Rickettsia slovaca、Rickettsia typhi、Salmonella choleraesuis choleraesuis、Salmonella choleraesuis arizonae、Salmonella choleraesuis bongori、Salmonella choleraesuis diarizonae、Salmonella choleraesuis houtenae、Salmonella choleraesuis indica、Salmonella choleraesuis salamae




、Salmonella enteritidis、Salmonella typhi、Salmonella typhimurium、Shigella boydii、Shigella dysentaeriae、Shigella flexneri、Shigella sonnei、Staphylococcus aureus、Staphylococcus auricularis、Staphylococcus capitis capitis、Staphylococcus c. ureolyticus、Staphylococcus caprae、Staphylococcus aureus、Staphylococcus cohnii cohnii、Staphylococcus c. urealyticus、Staphylococcus epidermidis、Staphylococcus equorum、Staphylococcus gallinarum、Staphylococcus haemolyticus、Staphylococcus hominis hominis、Staphylococcus h. novobiosepticius、Staphylococcus hyicus、Staphylococcus intermedius、Staphylococcus lugdunensis、Staphylococcus pasteuri、Staphylococcus saccharolyticus、Staphylococcus saprophyticus、Staphylococcus schleiferi schleiferi、Staphylococcus s. coagulans、Staphylococcus sciuri、Staphylococcus simulans、Staphylococcus warneri、Staphylococcus xylosus、Streptococcus agalactiae、Streptococcus canis、Streptococcus dysgalactiae dysgalactiae、Streptococcus dysgalactiae equisimilis、Streptococcus equi equi、Streptococcus equi zooepidemicus、Streptococcus iniae、Streptococcus porcinus、Streptococcus pyogenes、Streptococcus anginosus、Streptococcus constellatus constellatus、Streptococcus constellatus pharyngidis、Streptococcus intermedius、Streptococcus mitis、Streptococcus oralis、Streptococcus sanguinis、Streptococcus cristatus、Streptococcus gordonii、Streptococcus parasanguinis、Streptococcus salivarius、Streptococcus vestibularis、Streptococcus criceti、Streptococcus mutans、Streptococcus ratti、Streptococcus sobrinus、Streptococcus acidominimus、Streptococcus bovis、Streptococcus equinus、Streptococcus pneumoniae、Streptococcus suis、Vibrio alginolyticus、V、carchariae、Vibrio cholerae、C. cincinnatiensis、Vibrio damsela、Vibrio fluvialis、Vibrio furnissii、Vibrio hollisae、Vibrio metschnikovii、Vibrio mimicus、Vibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificus、Yersinia pestis、Yersinia aldovae、Yersinia bercovieri、Yersinia enterocolitica、Yersinia frederiksenii、Yersinia intermedia、Yersinia kristensenii、Yersinia mollaretii、Yersinia pseudotuberculosisおよびYersinia rohdeiからなる群から選択される少なくとも1種の細菌の感染である。
【0375】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、少なくとも1種の真菌の感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、カンジダ、アスペルギルス、クリプトコッカス、ヒストプラズマ、ニューモシスチス、およびスタキボトリスからなる群から選択される属の少なくとも1種の真菌の感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、Aspergillus fumigatus、Aspergillus flavus、Aspergillus Niger、Candida albicans、Candida dubliniensis、Candida glabrata(Torulopsis glabrata、Candida guilliermondii (Pichia guilliermondii;Yamadazyma guilliermondii)、Candida krusei(Issatchenkia orientalis)、Candida.lusitaniae(Clavispora lusitaniae)、Candida parapsilosis、Candida pseudotropicalis(C.kefyr;Kluyveromyces cicerisporus;K.fragilis;K.marxianus)、Candida Tropicalis、Coccidioides immitis、Cryptococcus neoformans、Pneumocystis carinii、Pneumocystis jiroveci、Blastomyces dermatitidis and Histoplasma capsulatumからなる群から選択される少なくとも1種の真菌の感染である。
【0376】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、少なくとも1種の寄生虫の感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、外寄生生物、原虫生物、および蠕虫、例えばサナダムシ、吸虫、ならびに/または回虫からなる群から選択される属由来の少なくとも1種の寄生虫の感染である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている感染は、Acanthamoeba spp.、Ancylostoma duodenale、Necator americanus、Angiostrongylus、Anisakis、Arachnida、IxodidaeおよびArgasidae、Arachnida: Trombiculidae、Archiacanthocephala、Moniliformis moniliformis、Ascaris sp.Ascaris lumbricoides、Babesia B.divergens、B.bigemina、B.equi、B.microfti、B.duncani、Balamuthia mandrillaris、Balantidium coli、Baylisascaris procyonis、Bertiella mucronata、Bertiella studeri、Blastocystis spp.、Brugia malayi、Brugia timori、Cestoda、Taenia multiceps、Cimicidae、Cimex lectularius、Cimex hemipterus、Clonorchis sinensis、Clonorchis viverrini、Cochliomyia hominivorax、Cryptosporidium spp.、Cyclospora cayetanensis、Demodex folliculorum、Demodex brevis、Demodex canis、Dermanyssus gallinae、Dermatobia hominis、Dicrocoelium dendriticum、Dientamoeba fragilis、Dioctophyme renale、Diphyllobothrium latum、Dracunculus medinensis、Echinococcus granulosus、Echinococcus multilocularis、E.vogeli、E.oligarthrus、Echinostoma echinatum、Entamoeba histolytica、Enterobius vermicularis、Enterobius gregorii、Fasciola hepatica、Fasciola gigantic、Fasciolopsis buski、Giardia lamblia、Gnathostoma spinigerum、Gnathostoma hispidum、Halicephalobus gingivalis、Hymenolepis nana、Hymenolepis diminuta、昆虫綱、双翅目、Isospora belli、Laelaps echidnina、Leishmania spp.、Linguatula serrata、Liponyssoides sanguineus、Loa loa filarial、Mansonella streptocerca、Metagonimus yokogawai、Metorchis conjunctus、Naegleria fowleri、Oestroidea、Calliphoridae、Sarcophagidae、Onchocerca volvulus、Opisthorchis viverrini、Opisthorchis felineus、Clonorchis sinensis、Ornithonyssus bacoti、Ornithonyssus bursa、Ornithonyssus sylviarum、Paragonimus westermani、Paragonimus africanus、Paragonimus caliensis、Paragonimus kellicotti、Paragonimus skrjabini、Paragonimus uterobilateralis、Pediculus humanus capitis、Pediculus humanus humanus、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、Plasmodium ovale curtisi、Plasmodium ovale wallikeri、Plasmodium malariae、Plasmodium knowlesi ,Pthirus pubis、Rhinosporidium seeberi、Sarcocystis bovihominis,Sarcocystis suihominis、Sarcoptes scabiei、Schistosoma haematobium、Schistosoma japonicum、Schistosoma mansoni、Schistosoma intercalatum、Schistosoma mekongi、Schistosoma sp.、Siphonaptera、Pulicinae、Spirometra erinaceieuropaei、Strongyloides stercoralis、Taenia saginata、Taenia solium、Thelazia californiensis、Thelazia callipaeda、Toxocara canis、Toxocara cati、Toxascaris leonine、Toxoplasma gondii、Trichinella spiralis、Trichinella britovi、Trichinella nelsoni、Trichinella native、Trichobilharzia regenti、Schistosomatidae、Trichomonas vaginalis、Trichuris trichiura、Trichuris vulpis、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、Tunga penetransおよびWuchereria bancroftiからなる群から選択される少なくとも1種の寄生虫の感染である。
【0377】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗感染剤、特に本明細書に記載されている抗感染剤を含んでいる、感染の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0378】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗感染剤、特に本明細書に記載されている抗感染剤を含んでいる、感染の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0379】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、抗感染剤、特に本明細書に記載されている抗感染剤を含んでいる、感染の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0380】
感染の症状、例えば食欲の低下 悪心および嘔吐は、治療中の治療剤の摂取を困難にすることがある。本発明によって提供される手段および方法は、感染の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0381】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、感染の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0382】
ある特定の実施形態では、本発明は、片頭痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0383】
ある特定の実施形態では、本発明は、片頭痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0384】
ある特定の実施形態では、本発明は、片頭痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0385】
「片頭痛」という用語は、本明細書で使用される場合、悪心、嘔吐、または光に対する感受性を含めた症状を伴い得る頭痛を指す。片頭痛と関連する疼痛は、典型的に、片側性のずきずき痛として説明される。片頭痛には、視覚障害、例えば前兆、閃光、波線、奇妙な味もしくは匂い、しびれ感、ピリピリ感、めまい、耳鳴、または身体の一部のサイズもしくは形状が歪められるような感じが先行し得る。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている片頭痛は、前兆がない片頭痛である。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている片頭痛は、前兆がある片頭痛である。
【0386】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗片頭痛剤、特に本明細書に記載されている抗片頭痛剤を含んでいる、片頭痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0387】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗片頭痛剤、特に本明細書に記載されている抗片頭痛剤を含んでいる、片頭痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0388】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、抗片頭痛剤、特に本明細書に記載されている抗片頭痛剤を含んでいる、片頭痛の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0389】
片頭痛の症状、例えば食欲の低下 悪心、吸収低下、および嘔吐は、治療中の治療剤の摂取を困難にすることがある。さらに、片頭痛攻撃は、初期に処置された場合には重症になりにくい傾向がある。本発明によって提供される手段および方法は、片頭痛の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0390】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、片頭痛の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0391】
ある特定の実施形態では、本発明は、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0392】
ある特定の実施形態では、本発明は、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0393】
ある特定の実施形態では、本発明は、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0394】
「睡眠障害」という用語は、本明細書で使用される場合、入眠および睡眠維持に関する障害を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている睡眠障害は、慢性不眠症、不規則な睡眠覚醒スケジュール、規則的な睡眠スケジュールを維持することができない交代制勤務、時差ぼけ、うつ病関連睡眠障害の群から選択される睡眠障害である。「不眠症」という用語は、睡眠が不適切なまたは安らかでない患者による知覚に関するすべての状態を説明するために使用される。睡眠障害は、一般的な医療行為において見出される最も一般的な症状の1つである。不眠症は、頻繁な愁訴であり、成人集団の13%~45%によって報告されている。睡眠障害の症状には、夜間入眠の頻繁なもしくは連続的な困難、頻繁な夜間覚醒、および/または早朝覚醒が含まれるが、これらに限定されない。不眠自体が多くの形態を取り得るが、年齢、性別、および個体の精神病理学的状態に最も密に関係しているように見え、高齢者および女性においては特に重要である。したがって、睡眠障害の処置には、それを必要とする患者の睡眠の誘導および延長の両方が含まれ得る。
【0395】
ある特定の実施形態では、本発明は、麻薬性薬剤、特に本明細書に記載されている麻薬性薬剤を含んでいる、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0396】
ある特定の実施形態では、本発明は、麻薬性薬剤、特に本明細書に記載されている麻薬性薬剤を含んでいる、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0397】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、麻薬性薬剤、特に本明細書に記載されている麻薬性薬剤を含んでいる、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0398】
ある特定の実施形態では、本発明は、鎮静剤、特に本明細書に記載されている鎮静剤を含んでいる、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0399】
ある特定の実施形態では、本発明は、鎮静剤、特に本明細書に記載されている鎮静剤を含んでいる、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0400】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、鎮静剤、特に本明細書に記載されている鎮静剤を含んでいる、睡眠障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0401】
睡眠障害の症状は、作用の急速な開始を確保するために、治療剤の急速な吸収を必要とする。本発明によって提供される手段および方法は、睡眠障害の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0402】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、睡眠障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0403】
ある特定の実施形態では、本発明は、抑うつ障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0404】
ある特定の実施形態では、本発明は、抑うつ障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0405】
ある特定の実施形態では、本発明は、抑うつ障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0406】
「抑うつ障害」という用語は、本明細書で使用される場合、悲しい気分の継続、および/またはほとんどの活動における興味もしくは喜びの喪失によって典型的に特徴付けられる、精神障害を指す。
【0407】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている抑うつ障害は、大うつ病性障害、単極性うつ病、不安による苦痛を伴ううつ病、気分変調症(気分変調性障害とも呼ばれる)、非定型うつ病、うつ病(気分)、メランコリー型うつ病、精神病性うつ病、高齢者うつ病、心理社会的ストレス関連うつ病、および産後うつ病の群から選択される抑うつ障害である。
【0408】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗うつ剤、特に本明細書に記載されている抗うつ剤を含んでいる、抑うつ障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0409】
ある特定の実施形態では、本発明は、抗うつ剤、特に本明細書に記載されている抗うつ剤を含んでいる、抑うつ障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0410】
ある特定の実施形態では、本発明は、圧縮担体物質が、抗うつ剤、特に本明細書に記載されている抗うつ剤を含んでいる、抑うつ障害の処置において使用するための、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0411】
抑うつ障害の患者は、治療への遵守が低い傾向があり、抑うつ障害の一部の症状、例えば抑うつエピソード中の自殺念慮は、作用の急速な開始を確保するために、治療剤の急速な吸収を必要とする。本発明によって提供される手段および方法は、抑うつ障害の文脈において、治療剤の摂取を促進し、吸収が加速され得る。
【0412】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、抑うつ障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0413】
ある特定の実施形態では、本発明は、小児性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0414】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0415】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性および小児性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための固体医薬組成物に関する。
【0416】
ある特定の実施形態では、本発明は、小児性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0417】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0418】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性および小児性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための圧縮担体物質に関する。
【0419】
ある特定の実施形態では、本発明は、小児性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0420】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0421】
ある特定の実施形態では、本発明は、老年性および小児性疾患または障害が、不安障害、双極性障害、疼痛、感染、片頭痛、睡眠障害、および抑うつ障害の群から選択される、本発明に従って使用するための担体粒子に関する。
【0422】
ある特定の実施形態では、本発明は、獣医学的疾患または障害の処置において使用するための固体医薬組成物に関する。
【0423】
ある特定の実施形態では、本発明は、獣医学的疾患または障害の処置において使用するための圧縮担体物質に関する。
【0424】
ある特定の実施形態では、本発明は、獣医学的疾患または障害の処置において使用するための担体粒子に関する。
【0425】
「獣医学的疾患または障害」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に記載されている治療剤によって処置することができる非ヒト動物の任意の疾患または障害を指す。
【0426】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている非ヒト動物は、脊椎動物生物を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている非ヒト動物は、哺乳動物を指す。一部の実施形態では、本明細書に記載されている非ヒト動物は、ウシ、ブタ、マウス、ラット、ネコ、イヌ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、クジラ、鳥(例えば、アヒル、ニワトリ、ガチョウ)、非ヒト霊長類、サル、類人猿、ヒヒおよびチンパンジーの群から選択される非ヒト動物を指す。
【0427】
一部の実施形態では、本明細書に記載されている獣医学的疾患または障害は、炭疽、ブルセラ症、カンピロバクター症、伝染性膿瘡、クリプトスポリジウム症、E.coli、インフルエンザ、レプトスピラ症、リステリア症、Q熱、狂犬病、白癬、およびサルモネラ症の群から選択される少なくとも1種の疾患または障害を指す。
【0428】
非ヒト動物への処置の施行は、非ヒト動物の協力が制限されていることにより複雑になることがある。獣医学的疾患または障害は、さらに投与を妨げることがある。例えば、非ヒト動物は、獣医学的疾患もしくは障害に起因して、または協力する意志の欠如に起因して、薬物の嚥下に困難があり得る。本発明の手段および方法は、非ヒト動物への治療剤の鼻、頬側、舌下、気管支内、膣、尿道、および/または直腸投与を可能にし、促進し、かつ/または加速する。
【0429】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、獣医学的疾患または障害の処置を改善することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0430】
ある特定の実施形態では、本発明は、診断目的において使用するための、固体医薬組成物に関する。
【0431】
ある特定の実施形態では、本発明は、診断目的において使用するための、圧縮担体物質に関する。
【0432】
ある特定の実施形態では、本発明は、診断目的において使用するための、担体粒子に関する。
【0433】
ある特定の実施形態では、本発明は、診断マーカーを含むおよび/または診断マーカーが充填されている、固体医薬組成物、圧縮担体物質および/または担体粒子に関する。
【0434】
本明細書に記載されている「診断マーカー」という用語は、対象への投与の際のイメージング技術において有用な任意のマーカーであり得る。一部の実施形態では、本明細書に記載されている診断マーカーは、Fe、Mg、Al、Mn、V、Ti、Cu、Ga、Ge、Ag、Au、Sm、U、Zn、PtおよびSnの群から選択される金属を含んでいる。ある特定の実施形態では、本明細書に記載されている診断マーカーは、Si、S、Sb、I、およびCの群から選択される少なくとも1種の非金属を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている診断マーカーは、少なくとも1種の造影剤を含んでいる。一部の実施形態では、本明細書に記載されている診断マーカーは、少なくとも1種の富化された同位体を含んでいる。一部の実施形態では、富化された同位体は、テクネチウム-99m、ヨウ素-123および/またはタリウム-201である。一部の実施形態では、本明細書に記載されている診断マーカーは、ガンマ放射線を放出する。
【0435】
ある特定の実施形態では、本発明は、シンチグラフィにおいて使用するための、固体医薬組成物に関する。
【0436】
ある特定の実施形態では、本発明は、シンチグラフィにおいて使用するための、圧縮担体物質に関する。
【0437】
ある特定の実施形態では、本発明は、シンチグラフィにおいて使用するための、担体粒子に関する。
【0438】
シンチグラフィにおける本発明の手段および方法の使用は、本明細書に記載されているある特定の診断マーカーによって可能になり得る。
【0439】
診断目的の文脈において、診断手順の速度および精度にとって、簡単な、急速な、かつ/または標的に特異的な送達(例えば、診断マーカーの)が非常に重要となり得る。本発明の手段および方法は、診断手順における診断マーカーの送達を改善、促進および/または加速することができる。
【0440】
したがって、本発明は、本発明による固体医薬組成物、本発明に従って生成された圧縮担体物質、または本発明による担体粒子が、診断手順を改善または促進することができるという驚くべき知見に、少なくとも部分的に基づく。
【0441】
「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、本明細書では、その冠詞の文法的目的語の1つまたは2つ以上(すなわち、少なくとも1つ、または1つもしくは複数)を指すために使用される。
【0442】
「または」は、代替物のいずれか1つ、その両方、またはその任意の組合せを意味すると理解されるべきである。
【0443】
「および/または」は、代替物のいずれか1つまたはその両方を意味すると理解されるべきである。
【0444】
本明細書を通して、文脈により別段必要とされない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」という用語は、記述されているステップもしくは要素、またはステップもしくは要素の群を包含するが、任意の他のステップもしくは要素またはステップもしくは要素の群を除外しないことを暗示すると理解される。
【0445】
「含む(include)」および「含む(comprise)」という用語は、同義的に使用される。「好ましくは」は、他の選択肢を除外することなく、一連の選択肢から1つを選択することを意味する。「例えば」は、列挙されている例に制限されない一例を意味する。「からなる(consisting of)」とは、「からなる」という句に何が続こうとも、それらを含み、それらに限定されることを意味する。
【0446】
「約」または「およそ」という用語は、本明細書で使用される場合、所与の値または範囲の「20%以内」、より好ましくは「10%以内」、さらにより好ましくは「5%以内」を指す。
【0447】
本明細書を通して、「一実施形態」、「実施形態」、「特定の実施形態」、「関連実施形態」、「ある特定の実施形態」、「追加の実施形態」、「一部の実施形態」、「具体的な実施形態」または「さらなる実施形態」またはそれらの組合せへの言及は、実施形態に関連して記載されている特定の特色、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所における前述の句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態に言及しているとは限らない。さらに、特定の特色、構造、または特徴は、任意の適切な方式で、1つまたは複数の実施形態に組み合わされ得る。また、一実施態様における特色の積極的な記載は、特定の実施形態における特色を除外するための根拠として働くことが理解される。
【0448】
薬剤、例えば治療剤の「有効量」は、所望の治療的または予防的結果を達成するのに必要な投与量および期間で有効な量を指す。さらに、有効量は、個々の患者の病歴、年齢、体重、家族歴、遺伝子構成(例えば、HLA遺伝子型)、心筋炎のステージ、もしあれば先行する処置または併用処置の種類、および処置されることになる対象の他の個々の特徴に応じて決まり得る。
【0449】
本明細書で使用される場合(As used herein as)、「対象」は、霊長類(例えば、ヒト 非ヒト霊長類、例えばサル、およびチンパンジー)、非霊長類(例えば、ウシ ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウス、ウマ、およびクジラ)、または鳥(例えば、アヒルまたはガチョウ)を含めた哺乳動物などの動物である。
【0450】
本発明は、以下の実施例においてさらに記載されるが、実施例は、特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0451】
図1】テンプレート材料を除去する前の担体粒子の電子顕微鏡写真走査。板状の層のラメラ構造が、ペタルとして見えている。
図2】本発明に従って調製されたテンプレート化反転粒子(templated inverted particles)(TIP)の電子顕微鏡写真走査。中空の空隙は、粒子からテンプレート材料が除去されて生じる。
図3】本発明の実施形態の概略図。
図4】A)エポキシ樹脂に包埋されたTIP粒子の横断面。より大きい内径(最長の矢印によって示されている)は、23.6マイクロメートルであり、より短い内径(次に長い矢印によって示されている)は、18.8マイクロメートルである。小さい矢印の間の距離(シェルの厚さ)は、それぞれ(a)5.87マイクロメートル、(b)4.63マイクロメートル、(c)6.06マイクロメートル、(d)5.27マイクロメートル、および(e)5.14マイクロメートルである。TM4000 5kV 7.5mm×2.50k BSE L、スケール20.0μm B)いくつかの粒子の全体像。
図5】イベルメクチンを充填されたTIP粒子。ボール様の構造は、充填されたイベルメクチンに対応している。TM4000 5kV 7.8mm×3.00k BSE H、スケール10.0μm。
図6】Partek ODTの崩壊。錠剤を蒸留水に入れてから10秒後に撮影した写真。全崩壊時間はおよそ60秒である。
図7】TIP ODTの崩壊。写真は、蒸留水と接触してから6秒後に撮影されている。この時点で、錠剤は、完全に崩壊している。
図8】錠剤を蒸留水中に落下させた1分後に撮影した、錠剤崩壊の写真。A)CN1292803Cに開示されている方法に従って調製した錠剤(左)と、TIP ODT(右)との崩壊時間の比較。B)US8940203に開示されている方法に従って調製した圧縮物についての崩壊時間の試験。写真は、多孔質物体を蒸留水中に落下させてから1分後に撮影した。観察可能な崩壊の徴候はない。
図9】るつぼから抽出した後の、結果として生じた多孔質セラミックの図。
図10】US8940203(実施例1)に開示されている方法を用いて作製した粒子からの錠剤。錠剤は弱く、ダイから駆出された後に崩れている。
図11】US8940203(実施例1)に開示されている方法を用いて作製した、結果として生じたセラミックのSEM顕微鏡写真。内部細孔を明らかにするために構造物を切断した。多孔質構造が、写真に明らかに見えている(大きい細孔)。
図12】単一細孔の拡大写真。周囲の材料は、微多孔質焼結ヒドロキシアパタイト(microporous sintered hydroxyapatite)である。
図13】内部多孔質構造を明らかにするために切断された、焼結方法によって調製された多孔質セラミック。
【実施例
【0452】
(実施例1)
テンプレート化薬物担体の生成
テンプレート材料(炭酸カルシウム200g、Natura 330、Lehmann&Foss&Co.、ドイツ)を、水量650mlを入れた滑らかなグラスライニング処理されたまたはバッフル付き反応容器(容器体積1.2リットル)において、激しく撹拌しながら(200~700RPM)水に懸濁させた。設定されたかき混ぜ速度と、反応器および撹拌機の幾何形状の組合せとにより、Re>10e+4(すなわち、安定な乱流混合)を確保しなければならない。化学的沈殿プロセスは、オルトリン酸溶液(脱イオン水で150mlまで希釈したHPO(85%)41.1ml)を、炭酸カルシウム懸濁水溶液に、1分当たり酸溶液1.4gでポンピングすることによって行う。このプロセス中、ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))のラメラが、テンプレート材料の表面上に成長し始め、したがって、板状の層(一次構造)を形成する。反応の化学量論量は、以下の通りである。
2CaCO(固体)+1.2HPO(液体) → 0.2Ca10(PO(OH)+1.6HO+2CO(気体)
【0453】
テンプレート材料および担体材料を、1100℃に1時間加熱して、テンプレート材料のCaO形成を誘導した。水(2リットル)を、ブフナー漏斗を用いて添加して、テンプレート材料におけるCa(OH)形成を誘導し、変換されたテンプレート材料を溶解させ、除去した。このステップを、15回反復した。濾過し、水および溶解したテンプレート材料を除去した後、内部二次構造を有している担体粒子が得られた。
【0454】
(実施例2)
溶媒中への治療剤の充填
ミダゾラム塩酸塩(Haenseler AG、Switzerland)3.5gを、エタノール(50ml)に溶解させた。粒状の担体材料(100g)を、エタノール/薬物溶液と混合し、ロータリーエバポレーター中、40℃の水浴温度および100mbarの圧力下で乾燥させた。
【0455】
(実施例3)
アジュバント、例えば匂い修正剤、味修正剤および崩壊剤の添加
結果として生じた、薬物を充填された粒子を、10ml当たり1滴のフレーバー濃度を有するラズベリーアロマのエタノール溶液(Givaudan、Switzerland)と混合し、真空キャビネット中で2時間乾燥させた。シクラメートおよびサッカリン粉末混合物、Sanaro SA、Switzerland(1%、w/w)を、充填および風味付けした担体粒子の乾燥粉末に添加した。粉末のブレンド処理を、Turbulaブレンダーで10分間行った。
【0456】
その後、崩壊剤を添加した。5%(w/w)に対応する量のデンプングリコール酸ナトリウム(Pharmatrans SANAQ、Switzerland)を、予め調製しておいた粉末混合物とブレンドした。
【0457】
(実施例4)
圧縮
実施例1で得られた担体粒子を、Korsch XP1-R&D単一パンチプレス機を使用して圧縮して、≧2.5MPaの引張強度を有する6mmの凹面錠剤を得た。
【0458】
Stanley, P.; Newton, J.M. The tensile fracture stress of capsule-shaped tablets. J. Pharm. Pharmacol. 1980, 32(12), 852-854およびPitt, K.G.; Newton, J.M.; Stanley, P. Tensile fracture of doubly-convex cylindrical discs under diametral loading. J. Mater. Sci. 1988, 23, 2723-2728に従って計算した引張強度。
【0459】
登録された錠剤の硬度は60Nであり、対応する引張強度は2.51MPaである。
【0460】
(実施例5)
テンプレート化反転粒子(TIP)薬物担体の製造
粉砕した炭酸カルシウム(Ph.Eur、USP NF、BPグレード)を、出発材料として使用した。カーボネート粉末200gを、必要とされるバッチサイズのために選択された体積2.5Lを有する撹拌機の反応容器(stirrer reactor vessel)において処理した。
【0461】
カーボネート粒子を、4Mリン酸(Ph.Eur、USP NF、BPグレード)150mlで処理して、40v/v%~50v/v%の間の転換率を得た。全体積の4Mリン酸を、ポンピング速度2.5ml/分で導入した。
【0462】
反応器での処理は、脱イオン水中で行った。オルトリン酸の添加速度は、2.5ml/分で制御される。反応容器の温度は、全活性化ステップ中、すなわちオルトリン酸の添加中、維持され、90~95℃で保持されなければならない。
【0463】
得られた材料を濾過し、水で洗浄し、乾燥させる。最後の洗浄ステップ中、上昇させたせん断ストレス下で粒子を処理して、粒子表面の粗さを低減して、最終生成物の流動性を増大することが推奨される。この中間材料は、本明細書ではTIP-Lと呼ばれる。
【0464】
TIP-Lは、残りの60~50%の炭酸カルシウムの表面にしっかり結合した、ペタルにおける40~50%のヒドロキシアパタイトからなっている。
【0465】
次のステップは、高温オーブン中、650℃~700℃の間の温度範囲でのか焼である。か焼ステップは、一定の温度で14時間またはそれよりも長時間行った。
【0466】
か焼された材料を、TIP材料200g当たりおよそ30Lの水において、0℃の水で洗浄して、残余のテンプレート材料を溶解させた。洗浄された材料を、棚型乾燥機で乾燥させ、バッグまたはドラム内にパッケージする。
【0467】
(実施例6)
TIP材料は、多孔質ヒドロキシアパタイトシェルおよび単一TIP粒子の少なくとも30%(v/v)を占める中空の空洞からなっている、およそ20~60ミクロンの外径を有する単一の中空粒子である。TIP粒子は、縦横比が1に近い多面体の幾何形状を有している。各TIP粒子は、単一単位であり(図4A)、他の粒子とは実質的に凝集していない(図4B)。
【0468】
TIP粒子に、医薬品APIを充填し、簡単な溶媒蒸発法により、平坦な表面を有している、許容される流動性を有する粒子が得られ、ODT/ODF製剤の開発に適している、硬いが急速に崩壊する錠剤が得られた(図5)。
【0469】
充填されたAPI物質は、TIP粒子内に、主に個々の各TIP粒子の中空の空洞内に含有されていた(図5)。APIは、分子に応じて、空洞内に結晶形態または非晶質形態のいずれかで存在している。
【0470】
イベルメクチンの充填が、溶媒蒸発プロセスによって達成された。
【0471】
イベルメクチン(LOT)0.100gを、無水エタノール(100ml)に溶解させ、TIP材料0.200gと混合する。溶媒除去を、ロータリーエバポレーター(Buechi、Switzerland)中、300mbarの圧力および50~60℃の温度下で行う。容器の回転速度を、50RPMに設定した。窒素ガス注入速度は、1分当たり200ccである。15分後、圧力を、30分間にわたって200mbarに設定し、次に15分間にわたって100mbarに設定し、次に15分間にわたって20mbarに設定した。
【0472】
充填のプロセスは、容器内の残余の粉末が乾燥して、目に見える液体の痕跡がなくなったら停止する(topped)。
【0473】
結果として生じた粉末を、SEMの下で外部結晶化の痕跡について視覚的に検査する。TIP粒子の内部空洞の充填を、図5のSEM顕微鏡写真で確認する。
【0474】
充填されたTIP材料を、崩壊剤(3%、w/w)、甘味剤(およそ1%、w/w)およびアロマ(およそ0.5%、w/w)とブレンドする。
【0475】
TIP粒子の混合のために、簡単な粉末ブレンド処理を使用した。結果として生じた粉末混合物を、0.5トンの圧縮力下で直接打錠した。
【0476】
TIP材料は、オイル含有溶液、例えば、油溶性ビタミンまたはアロマを固化するのに適している。TIP材料を用いて調製された錠剤は、高い機械的強度を有しており、例えば5×1mmの錠剤の硬度は50Nに達し、これは6.4MPaの引張強度に等価である。
【0477】
結果として生じたTIP錠剤は、非常に急速に崩壊し、最小限(例えば、30%(w/w))の液体で済む。最小限の液体で済むということは、TIP材料を、ODT/FDT固体剤形にとって非常に魅力的にする。錠剤の崩壊後、TIP粒子は無傷のままであった。TIP粒子は、30%超の水を結合しない。
【0478】
(実施例7)
CN1292803Cに公開されている参照方法
参照テンプレート材料を、本明細書に記載されている通り、およびCN1292803Cのステップに従って調製した。この方法では、ポリスチレンビーズを使用して、テンプレート材料を製造した。PVCビーズを、[J. Wang, F. Wang, H. Duan, Y. Li, J. Xu, Y. Huang, B. Liu, T. Zhang, ChemSusChem 2020, 13, 6426]に公開されている方法に従って、「溶媒交換」機序に従ってスフェロイド化(spheroidization)によって調製した。ポリ塩化ビニルプラスチックを、ジメチルアセトアミドに溶解させ、水-エタノール混合物を含有している液体に注意深く落下させた。すぐにビーズが形成される。それらのビーズを乾燥させ、次のステップでテンプレートとして使用した。
【0479】
結合剤(溶解ポリスチロール、Styropor)で湿潤したPVCビーズを、10mmの打錠用ダイに入れ、上部および下部パンチでわずかに固定し、ビーズが互いに粘着し、錠剤の形状を取るようにする。
【0480】
結果として生じた凝集物を乾燥させて、粒子間に細孔を確保した。ヒドロキシアパタイト粒子を分散剤と混合して、均質な塊を得、その中にテンプレート複合物を浸漬させて、多孔質構造の内側にHA-PVA-PVB(Mowiol 8-88、Sigma-Aldrich、ポリビニルアルコールおよび微量のポリビニルブチラールの混合物)混合物が完全に浸透するようにした。結果として生じた成形型を、オーブン内で、80~100℃で1時間乾燥させた。これらの最後の2つのステップを5回反復した。5回目の乾燥の後、成形型をマッフルオーブンに入れた。オーブンの温度を、1分当たり5℃の速度で600℃に上昇させた。その温度に達した後、オーブンを2時間にわたって600℃で保持した。2時間の保持の終わりまでに、温度を、5℃/分の速度で1100℃に設定した。オーブンを1100℃で4時間保持し、その後加熱を停止し、オーブンを一晩室温に冷却した。
【0481】
結果として生じた焼結された成形型を切断して、内部構造を調べた。生成された材料のSEM画像は、図13に示されている。
【0482】
図13に示されている通り、多孔質構造が生じ、細孔は、使用されたPVCテンプレートのサイズと同じである。得られた構造物を、7×2mmの錠剤(およそ70mg)に圧縮し、硬度について試験した。結果として生じた圧縮物は、試験するには弱過ぎ、測定された硬度は、0または検出不可能であった。錠剤は、非常に取り扱いにくく、指で軽く触れると一次粒子まで崩れた。
【0483】
成形型の多孔質構造(図6におけるような)は、圧縮後に喪失した。錠剤は脆弱であったため、錠剤の崩壊を試験することは不可能であった。
【0484】
結論
中空構造を有している粒子を生成するための参照方法は、それらの粒子を経口薬物送達においてさらに使用するには適していない。この方法を用いて形成された錠剤は弱く、患者によっても訓練を受けた医療従事者によっても、取り扱うことが不可能である。全体的なテンプレート化構造は、それを錠剤に圧縮した後に喪失する。
【0485】
(実施例8)
US8940203に公開されている参照方法
ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-co-メタクリル酸)(pNIPAM-MA)は合成しなかったが、Sigma-Aldrich(ロットMKCF2244)から購入した。他のすべてのステップは、US8940203の実施例1に従って行った。
【0486】
スラリーの調製
ヒドロキシアパタイト(Hap、21223-1KG、Sigma-Aldrich)1.25gを、800℃で1時間保持した。分散剤(ポリアクリル酸)(PAA、Sigma-Aldrich、ロットSTBG0155V)0.05gを、50mlのガラスビーカー内で一緒にして均一に混合した。pNIPAM-MAヒドロゲル溶液(1体積のpNIPAM-MAに対して1体積の蒸留水)1mlを、ホモジナイザー(Polytron PT2100、Switzerland)によって混合した。
【0487】
ポリエチレン粒子を、粉砕した低密度ポリエチレンからふるい分けし、ふるいから850~1000マイクロメートルの間のサイズ画分を得た。結果として生じたポリエチレン粒子120mgを、pNIPAM-MAヒドロゲルを含んでいるビーカーに添加し、手動で均一に撹拌した。
【0488】
結果として生じた塊を、ビーカーから50mlのセラミックるつぼに移した。るつぼを、成形型の幾何形状として使用した。
【0489】
焼結手順
るつぼにおける調製した材料の焼結は、特許US8940203に従った。
【0490】
このプロセスは、以下の4つの段階からなる。
段階1:2時間にわたって650℃に加熱(1分当たり約5℃)、30分間保持、
段階2:1分当たり20℃で1100℃に加熱、10分間保持、
段階3:1100℃で3時間10分保持、
段階4:25℃に冷却。
【0491】
結果として生じた多孔質セラミック(図9)はるつぼ形状に従っており、ここで焼結ステップを行った。結果として生じたセラミックの構造が弱かったため、抽出中に形状が喪失した(図9)。SEM画像(HITACHI TM4000、日本)を、結果として生じたペレットおよび粉砕した粉末の表面から取得した(図11および図12)。
【0492】
多孔質セラミックペレットを、1000ミクロンのふるいを通して粉砕し、その粉末(100mg)を使用して、1000kgの圧縮力の下で錠剤(直径5mm)に圧縮した。圧縮された粉末は、脆弱な錠剤を形成し、ダイから取り出した直後に崩壊した。軽く触れたら粉末が崩れたので、ダイから出た後の硬度(Dr.Schleuniger、Switzerland)を測定することができなかった(図10)。
【0493】
錠剤が形成されなかったことに起因して、結果として生じた錠剤の崩壊時間は測定しなかった。SEM写真は、使用したサイズのPEポリマーテンプレートにおける、中空の空洞を有する焼結されたHA粒子のブロックを示している。これらのブロックは、より小さい粒子に粉砕することができる。しかし、中空構造は、この操作中に喪失する。したがって、APIの充填は、粉砕した材料の表面上への吸着によって初めて可能になる。
【0494】
インタクトな材料の流動性は、それがただ1つの単一粒子であるため測定不可能である。粉砕した材料の流動性は、粗く不規則な形状の粒子に起因して乏しい。
【0495】
結論
中空構造を有している粒子を生成するための提案された方法は、それらの粒子を経口薬物送達においてさらに使用するには適していない。この方法を用いて形成された錠剤は弱く、患者によっても訓練を受けた医療従事者によっても、取り扱うことが不可能である。全体的なテンプレート化構造は、粉砕ステップ後またはそれを錠剤に圧縮した後に喪失する。
【0496】
(実施例9)
Partek ODT、実施例7および8の生成物と、本発明の方法の生成物との比較
主要目的は、TIP材料を含めた先に言及した説明に従う粒子の形成および特性を研究し、それらの特徴をTIP要件と比較することであった。
【0497】
比較実験の一覧
1.粒子形態。TIPは、およそ50~100ミクロンの直径を有している、多孔質シェルを有する単一粒子の中空カプセルである。実施例6、7、および8の方法に従って生成された材料を、SEM顕微鏡の下で調べ、測定する。
2.粒子圧縮率。直径11mmの錠剤を、実施例6、7、および8の方法に従って調製された、等量の材料から作製する。錠剤を、1トンの圧縮圧力の下で圧縮し、錠剤硬度試験機を用いて測定する。予測硬度>50N。
3.錠剤崩壊。実施例6、7、および8の方法に従って調製された材料を、3w/w%クロスカルメロースナトリウムと混合し、0.5トンの圧縮力の下で圧縮する。TIP-ODTを調製するために、TIP材料を使用する。TIP-L ODTを調製するために、TIP-L材料を使用する。TIPおよびTIP-L ODTのためのクロスカルメロースナトリウムの量は同じである。錠剤を、崩壊時間について研究する。完全な崩壊についての予測値<10秒。
4.薬物充填。実施例6、7、および8の方法に従って調製された材料に、イベルメクチンの飽和エタノール溶液からの、イベルメクチン薬物物質を充填する。乾燥キャビネット内で化学フードの下で乾燥を行う。予測充填能力は50%である。余分な粒子の結晶化を伴わない充填の成功を、SEM顕微鏡の下で調べる(Preisig et al., Drug loading into porous calcium carbonate microparticles by solvent evaporation, EJPB, 87-3, 2014)。
【0498】
TIPおよびTIP-L材料の特徴付け
TIP材料のSEM顕微鏡写真は、図4に示されている。
【0499】
TIP ODTの特徴付けおよび比較分析
TIPを用いて作製された錠剤の錠剤崩壊時間を、従来の製剤および特許の製剤と比較した。特許US8940203およびCN1292803Cからの製剤を、TIP錠剤と比較した。従来のODT製剤として、すぐに使用できる混合物であるEMPROVE(登録商標)ESSENTIAL Partek(登録商標)ODT(Partek ODT)マンニトールベースの混合物を使用した。比較分析の結果は、表1に提示されている。直径11mmおよび重量およそ300mgを有する錠剤または多孔質構造について、パラメーターを測定した。錠剤を、500kgの圧縮力で圧縮した。特許US8940203およびCN1292803Cに従って調製された形態は圧縮せず、焼結後に鋳型から出してそのままの状態で使用した。
【0500】
【表1】
【0501】
図6(Partek ODT)および図7(TIP-ODT)は、崩壊の10秒後のビデオスクリーンショットを示している。実験結果およびビデオスクリーンショットから分かる通り、TIP ODTは、Partek ODT混合物よりも有意に急速に崩壊する。実施例7および8に従って作製された製剤は、図8A/Bに示されている通り崩壊しない。TIP-L ODTの硬度は、Partek ODTおよびTIP ODTの硬度よりも高い。実施例7および8からの製剤化に従って作製された錠剤は、標準医薬品試験装置を用いて測定するのに十分な安定性がない。熱処理後の錠剤硬度の低下は、熱応力下でのTIP粒子のペタルの弾性の変化に起因している。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】