(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】動作の設定値を自動的に決定することによる医療用撮像システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240219BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023546514
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2022012862
(87)【国際公開番号】W WO2022164685
(87)【国際公開日】2022-08-04
(32)【優先日】2021-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】324001044
【氏名又は名称】ラダクション,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ・アール・キングマ
(72)【発明者】
【氏名】レトリシャ・ウィーバー
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA08
4C093EC16
4C093FA15
4C093FA52
4C093FA59
4C093FB09
4C093FB20
(57)【要約】
撮像デバイスを制御する制御ロジックを含む放射線低減システム。撮像デバイスは、電磁放射線を使用する医療手順中に被験者の画像を供給するように構成される。制御ロジックは、医学的に有用な1枚以上の被験者画像を生成するのに有用な動作設定値を自動的に決定しつつ、被験者および/または近くにいる係員に対する全体的放射線被曝を大幅に低減する。これらの設定値は、年齢、体形、性別等のような要因に基づいて決定される。制御ロジックは、撮像デバイス内にあってもよく、撮像デバイスと通信するテーブルまたはスマート・フォンのような、近くにあるコンピュータ内にあってもよく、または撮像デバイスと直接通信する、または他のコンピュータを介して通信する、リモート・サーバ内にあってもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
電磁放射線を使用して被験者の画像を取り組むように構成された撮像デバイスであって、前記撮像デバイスの挙動を制御するために、動作設定値を定める、撮像デバイスと、
判断基準を使用して、動作設定値を自動的に決定するように構成された制御ロジックであって、前記判断基準が、実行する特定の種類の撮像手順、前記被験者の目標位置、および前記被験者の少なくとも1つの身体的特性、またはこれらの任意の組み合わせを含み、前記コンピュータによって自動的に決定される前記動作設定値が、キロボルト最大値、管電流、被曝時間、またはこれらの任意の組み合わせを含む、制御ロジックと、
を備え、前記動作設定値が、前記制御ロジックから前記撮像デバイスに送信され、前記撮像デバイスが前記制御ロジックに応答し、前記計算された動作設定値を使用して、前記被験者の画像を生成するために、前記動作設定値を適用するように構成される、システム。
【請求項2】
請求項1記載のシステムであって、
前記撮像デバイスから離れたコンピュータと、
前記撮像デバイスと前記コンピュータとの間の通信リンクと、
を備え、前記制御ロジックが前記コンピュータ内にあり、前記動作設定値が、前記コンピュータから前記撮像デバイスに、前記コンピュータを前記撮像デバイスに電気的に接続する通信リンクを使用して、送信される、システム。
【請求項3】
請求項2記載のシステムにおいて、前記コンピュータが、前記動作設定値を定める入力を受け入れるように構成されたユーザ・インターフェースを有し、前記入力が、
前記撮像デバイスを識別する情報と、
前記撮像デバイスによって実行される特定の種類の撮像手順と、
前記撮像デバイスによって撮像されようとする前記被験者の目標位置と、
前記被験者の性別、被験者の体形、および被験者の体重を含む、前記被験者の身体的特性と、
を含む、システム。
【請求項4】
請求項2記載のシステムにおいて、前記通信リンクが、前記コンピュータを前記撮像デバイスに電気的に接続するワイヤを含む、システム。
【請求項5】
請求項2記載のシステムにおいて、前記通信リンクが、前記コンピュータを前記撮像デバイスに電気的に接続するワイヤレス接続を含む、システム。
【請求項6】
請求項1記載のシステムであって、
双方共前記撮像デバイスから離れている、第1および第2コンピュータと、
前記撮像デバイスと前記第1コンピュータとの間の第1通信リンクと、
前記第1コンピュータと前記第2コンピュータとの間の第2通信リンクと、
を備え、
前記制御ロジックが前記第2コンピュータ内にあり、前記動作設定値が、前記第2通信リンクを使用して、前記第2コンピュータから前記第1コンピュータに送信され、前記動作設定値が、前記第1通信リンクを使用して、前記第1コンピュータから前記撮像デバイスに送信される、システム。
【請求項7】
請求項1記載のシステムであって、
前記撮像デバイスを起動および解除するように構成されたコントローラを備え、
前記制御ロジックが前記コントローラ内にあり、前記コントローラが、前記撮像デバイスの筐体内に実装され、前記計算された動作設定値を使用して、前記被験者の画像を生成するために、前記撮像デバイスを制御するように構成される、システム。
【請求項8】
請求項7記載のシステムであって、
前記撮像デバイスから離れたコンピュータと、
前記コントローラと前記コンピュータとの間の通信リンクと、
を備え、
前記動作設定値が、前記コンピュータを前記コントローラに電気的に接続する通信リンクを使用して、前記コンピュータから前記コントローラに送信される、システム。
【請求項9】
請求項8記載のシステムであって、
前記動作設定値を定める入力、またはその任意の組み合わせを受け入れるように配置および構成された、前記撮像デバイスの撮像システム・ユーザ・インターフェースを備え、
前記コントローラが、前記撮像システム・ユーザ・インターフェースから入力を自動的に受け入れ、前記入力を前記コンピュータに送るように配置および構成され、
前記コントローラが、前記コンピュータから入力を自動的に受け入れ、前記ユーザ・インターフェースおよび前記撮像デバイスの動作設定値を、それに応じて調節するように配置および構成される、システム。
【請求項10】
請求項1記載のシステムであって、
前記撮像デバイスから離れたコンピュータと、
前記撮像デバイスを起動および解除するように構成されたコントローラと、
前記コントローラと前記コンピュータとの間の通信リンクと、
を備え、
前記制御ロジックが前記コントローラ内にあり、前記コントローラが、応答して、前記コンピュータから動作設定値を受け入れ、
前記コントローラが、前記撮像デバイスの筐体内に実装され、前記動作設定値を使用して、前記被験者の画像を生成するために、前記撮像デバイスを制御するように構成される、システム。
【請求項11】
請求項10記載のシステムであって、
前記動作設定値を定める入力を受け入れるように構成された、前記撮像デバイスの撮像システム・ユーザ・インターフェースを備え、前記コントローラが、前記撮像システム・ユーザ・インターフェースに応答し、前記コントローラが、前記通信リンクを使用して、前記撮像システム・ユーザ・インターフェースから受け取った前記動作設定値を前記コンピュータに送るように構成される、システム。
【請求項12】
請求項11記載のシステムであって、
前記動作設定値を定める入力を受け入れるように構成された、前記リモート・コンピュータのコンピュータ・ユーザ・インターフェースを備え、前記コンピュータが、前記通信リンクを使用して、前記動作設定値を前記コンピュータ・ユーザ・インターフェースから前記コントローラに送るように構成される、システム。
【請求項13】
請求項1記載のシステムにおいて、前記動作設定値が、前記特定の撮像デバイスを識別する情報を含む、システム。
【請求項14】
請求項1記載のシステムにおいて、前記被験者の少なくとも1つの身体的特性が、被験者の性別、被験者の体形、および被験者の体重、またはこれらの任意の組み合わせの内任意のものを含む、システム。
【請求項15】
請求項1記載のシステムにおいて、前記撮像デバイスが、自動露出制御手順を実行するように構成され、前記被験者の画像を取り込む前に、前記自動露出制御を解除するために、前記制御ロジックが前記撮像デバイスを制御するように配置および構成される、システム。
【請求項16】
請求項1記載のシステムにおいて、前記撮像デバイスが、X線放射を生成することによって、前記画像を生成し、前記X線放射が、前記被曝時間にほぼ等しい時間期間だけ生成され、前記被曝時間が1秒未満である、システム。
【請求項17】
請求項1記載のシステムにおいて、画像を生成するために必要な被曝時間が、約1秒未満である、システム。
【請求項18】
請求項1記載のシステムにおいて、画像を生成するために必要な被曝時間が、約0.6秒未満である、システム。
【請求項19】
請求項1記載のシステムにおいて、前記撮像デバイスが起動されているときの散乱率が、前記X線撮像デバイスの4フィート以内において、約300mR/時未満である、システム。
【請求項20】
請求項1記載のシステムにおいて、前記撮像デバイスが起動されているときの散乱率が、前記X線撮像デバイスの4フィート以内において、約150mR/時未満である、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示
本特許文書の開示の一部は、著作権またはマスク・ワーク保護の対象となる素材(material)を含む。著作権またはマスク・ワーク所有者は、特許文書または特許開示が特許および商標庁の特許包袋または記録において見られるので、著作権者またはマスク・ワーク所有者は、誰がその複写を行っても異論はないが、 その他の場合には全ての著作権およびマスク・ワーク権をいずれも留保する。
【従来技術】
【0002】
医療用撮像には、人間の身体、動物または他の無生物の内部構造の視覚表現を作成するために使用することができる種々の技法が含まれる。このような技法は、コンテンツ、標定(orientation)、完全性を評価するため、または医療問題を診断し処置するために役立つことができる。
【0003】
しかしながら、一部の撮像形態では、身体または被験者もしくは素材の画像を得るために、放射線の使用を必要とし、患者または被験者だけでなく、撮像手順を実行する係員をも放射線に被曝させるおそれがある。長時間の放射線被曝(exposure)は、悪影響を引き起こし、更に、白内障、ならびに甲状腺癌、乳癌、リンパ腫、白血病、神経膠腫、および放射線障害を含むがこれらには限定されない、癌のような状態の危険性が増大する原因になるおそれがある。
【0004】
放射線安全対策は、一般に、放射線被曝によって判断される。放射線被曝は、被曝時間(時間)、放射線源からの距離、患者への線量、および係員に対する散乱放射線(ここでは「散乱率」(scatter rate)または「散乱の比率」(rate of scatter)とも呼ぶ)の関数である。例えば、典型的な撮像システムは、放射線を0.9から1.2秒以上の間発生し(create)、散乱放射線は、6フィートまで、そして事実上10フィートまで検出可能である。これによって、所与の撮像セッション中に生成される画像毎に、毎時300ミリレントゲン(mR/hr)以上の典型的な散乱率が生ずる。
【0005】
殆どの撮像システムでは、撮像デバイスが、被験者を所与の設定で被曝させ、その結果得られた画像を自動的に評価することによって、動作の設定値を自動的に決定する。次いで、修正した設定で被験者を直ちに再被曝させ、画像を自動的に再評価する。この被曝サイクルは、最適な画像が生成されるまで、迅速にそして自動的に、通例0.9から1.2秒以内で、複数回繰り返される。このプロセスは、被曝ボタンが押される毎に、継ぎ目なく流れるように行われるが、操作係員には明らかでない。つまり、全体的な放射線被曝は、患者および近くに居るいずれの者に対しても、1秒以上にわたる延長被曝サイクルによる影響を及ぼす。
【0006】
この特徴は、自動露出制御(例えば、AEC:Automatic Exposure Control)とよく言われる。おしなべて有効であるが、AECは、全体的な放射線被曝時間、および被験者に対する線量を大幅に増大させる。更に重要なのは、撮像手順を実行する係員に伝えられる放射線の量を著しく増大させることである。被験者は人生を通じてときたま被曝を体験するに過ぎないとして差し支えないが、関与する臨床関係者は長年にわたり日々複数回の被曝を体験するおそれがある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示するのは、撮像システム、およびこのようなシステムが有害な高線量の放射線を減らすまたは完全になくすための動作方法である。開示するシステムは、撮像プロセス中における臨床係員、スタッフ、および患者のような、近くにいる個人(individual)に対する放射線被曝を抑制する。一例では、このシステムは、例えば、X線のような、電磁放射線を使用して医療手順の間に患者または被験者の画像を取り込むように構成された医療用撮像デバイスを含む。他の態様では、このシステムは、撮像デバイスと通信する1つ以上のコンピュータを含んでもよい。これらのコンピュータの1つは、例えば、入力を受け入れるように構成されたユーザ・インターフェースを生成および/または表示するように構成することができる。この入力は、随意に、撮像デバイスを識別する情報(例えば、製造会社、型番、または他の識別情報)、医療手順と組み合わせて撮像デバイスによって実行される特定の種類の撮像手順、撮像デバイスによって撮像しようとする患者または被験者の解剖学的構造の目標位置、および/または性別、体形、体重、もしくは他の関連する特性を含む、被験者の身体的特性を含むが、これらに限定されるのではない。
【0008】
他の態様では、このコンピュータは、実行しようとする特定の種類の撮像手順、被験者の解剖学的構造の目標位置、および被験者の身体的特性を使用して、撮像デバイスの動作設定値を計算する。動作設定値には、随意に、キロボルト波高値(kVp)、管電流および被曝時間(mAs)、ならびに任意の他の関連する機械設定値の任意の組み合わせを含む。動作設定値は、コンピュータを撮像デバイスに電気的に接続する通信リンクを使用して、コンピュータから撮像デバイスに送信することができ、こうして、コンピュータが、全体的な放射線被曝を低減させるために計算した動作設定値を使用して、被験者の画像を生成するように撮像デバイスを制御することを可能にする。
【0009】
他の態様では、撮像デバイスと通信するコントローラまたはコンピュータは、撮像機能である自動露出制御(AEC)を解除する(deactivate)するように動作可能であり、これによって、撮像デバイスは、異なる設定値を複数の放射線量に適用することによって、自動的に被験者の可変性(variability)を調節または補償し、複数の露出を利用して1つの最適な画像を生成する。
【0010】
他の態様では、本開示のシステムは、画像毎に、散乱率を300mR/hr未満、200mR/hr未満、または100mR/hr未満に抑えつつ、使用可能な画像を得るように動作可能である。
【0011】
他の態様では、本開示のシステムは、使用可能な画像を生成しつつも、散乱放射の範囲を10フィート未満、6フィート未満、または4フィート未満に狭める、あるいは完全になくすように動作可能である。
【0012】
他の態様では、本開示のシステムは、散乱放射線生成の期間を、1つの使用可能な画像毎に、0.5秒未満、0.35秒未満、または0.2秒未満に抑えるように動作可能である。
【0013】
以上で要約した概念の他の形態、目的、特徴、態様、効果、利点、および例について、以下の説明、特許請求の範囲、および図面において更に詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の放射線低減システムの一例のコンポーネントを示す。
【
図2】本開示の放射線低減システムと共に使用可能なコンピュータの一例のコンポーネント図を示す。
【
図3】本開示のコントローラに含むことができるコンポーネントの一例を示す。
【
図4】本開示の撮像システムを動作させる方法のフローチャートを示す。
【
図5】開示する撮像システムを動作させるためのユーザ・インターフェースの一例を示す。
【
図6】開示する撮像システムを動作させるためのユーザ・インターフェースの他の例を示す。
【
図7】開示する撮像システムを動作させるためのユーザ・インターフェースの他の例を示す。
【
図8】開示する撮像システムを動作させるためのユーザ・インターフェースの他の例を示す。
【
図9】開示する撮像システムを動作させるためのユーザ・インターフェースの他の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、開示する撮像システムにおいて、放射線を低減するために含むことができるコンポーネントの一例を、100で示す。システム100は、随意に、随意の通信リンク112を介して撮像デバイス108に結合されたコンピュータ104を含む。通信リンク112は、同軸ケーブル、光ファイバ・ケーブル等を使用するコンピュータ104と撮像デバイスとの間の有線接続のように、任意の適した形式でよい。他の例では、通信リンク112は、Wi-Fi、Bluetooth、LTE、または任意の他の適した形態のワイヤレス通信を使用する、ワイヤレス接続でもよい。コンピュータ104は、通信リンク162によってコンピュータ104に結合されたサーバ160のような、他のコンピュータと協働することもできる。また、リンク162は、コンピュータ104およびサーバ160が撮像システム100の1つ以上の動作態様(operational aspect)または設定値を決定することを可能にする、任意の適した有線またはワイヤレス接続であってもよい。
【0016】
撮像デバイス108は、被験者136の画像を取り込むために、C-armのような、撮像アセンブリ116を含むことができる。被験者136は、撮像するための任意の適した目標物とすることができ、その例には、人または動物、検体、病院において医師の治療の下にある患者、または撮像デバイスを使用して内部構造の画像を得ることができる任意の物体が含まれるが、これらに限定されるのではない。撮像デバイス108は、任意の適した種類でよく、1つ以上の発光エレメントまたは検知エレメントを含んでもよい。例えば、アセンブリ116は、X線のような電磁エネルギ141を放出するのに有用な電磁放射線源117、および電磁エネルギ、好ましくは、被験者136を貫通するエネルギを検出するのに有用な電磁放射線検出器118を含むことができる。アセンブリ116は、ベース122に取り付けられ、ベース122は移動体であってもよく、筐体142内に実装されたコントローラ126を含むことができる。撮像デバイス内には、動作設定値を撮像デバイスに供給するために、ユーザから入力を受け入れるように構成されたユーザ・インターフェース143を含むことができる。これらの動作設定値は、撮像プロセスを制御するために、コントローラ126に、コンピュータ104に、コンピュータ160に、または撮像システムの他の態様に供給することができる。
【0017】
放射線源と放射線検出器との間に被験者136を適切に位置決めし、被験者の内部構造の画像を生成するために、貫通する放射線141を使用することができるように、テーブルのような支持構造132を含ませることができる。この例では、放射線源117は、被験者の下において垂直に向けられており、検出器118は被験者の上方にある。しかしながら、この構成は、限定ではなく、単なる例示に過ぎず、撮像アセンブリ116の放射線源および検出器の態様は、任意の適した構成に配置することができる。例えば、他の可能な構成をいくつかあげると、放射線源および検出器を、図示したものとは逆にして、検出器を被験者の下に配し、放射線源を被験者の上に配してもよく、またはこれらを水平に配置し、被験者がエミッタと検出器との間で起立する、着座する、またはそれ以外で位置決めされてもよい。
【0018】
放射線源117は、任意の適した種類の発光源でよい。X線放出放射線源の場合、放射線源117は、電気入力電力をX線に変換するように構成されたX線管を含むことができる。X線管は、多くの場合カソードと呼ばれる加熱フィラメントを包囲する真空チェンバを含んでもよく、フィラメントは、正に荷電され、回転タングステン・ディスクのようなアノードに衝突する電子のビームを生成するように構成される。電子は、カソードとアノードとの間における非常に高い電位差のために、高速でアノードに衝突することができる。タングステン材料は、電子を吸収し、エネルギの一部をX線の形態で放出する。
【0019】
画像を生成するために、撮像デバイス108によって、電磁スペクトル内の任意の適した電磁エネルギを使用することができ、その例には、X線またはガンマ線が含まれるが、これらに限定されるのではない。例えば、低いkVpおよび高いmAsと比較して高いkVpおよび低いmAsを利用して画像を作成すると、同様の画質で、被験者による放射線吸収が低減し、または係員に散乱する照射(exposure to scatter)が低減する。
【0020】
一例では、撮像デバイス108は、日常的には「X線」、「X線画像」、また更に正式には「放射線画像」(radiograph)と呼ばれる内部画像を生成するように構成される。このような被験者の内部画像は、被験者の身体の異なる領域において実行される医療手順のような、任意の撮像手順を補助するために利用することができる。このような手順の例について、いくつかの非限定的な例をあげると、血管および血管内研究(vascular and endo-vascular studies)ならびに処置、または他の外科処置等のカテーテル治療の場合におけるような、コンピュータ断層写真(CT)、一般的な透視法、外科用透視法、介入的透視検査(interventional fluoroscopy)が含まれるが、これらに限定されるのではない。他の例では、被写体(subject)が製造物品(manufactured article)であり、開示するシステムを使用して異常または欠陥を検出し、その物品(item)の内部構造の画像を生成するために撮像されるのでもよい。
【0021】
内部画像は、放射線の一部が被験者の身体によって吸収され、放射線の一部が、透視装置のような電磁放射線検出器118、またはフラット・パネル・ディテクタのようなデジタルX線検出器によって取り込まれるように、放射線源117から被験者に向けて、X線のような放射線141を誘導することによって生成することができる。撮像デバイス108は、画像増強管119を含むことができる。画像増強管119は、取り込んだ放射線を、放射線源のみによって生成できる強度よりも高い強度を有する可視光に変換するように動作可能である。これによって、他の方法では見ることができないかもしれない画像の微妙な様相(aspect)を、観察者が一層容易に見られるようにすることができる。視野を狭めることによって、放射線源117からの、対象領域よりも外部にある、望ましくないX線放射を低減または排除し、特定の領域に更に特定してX線放射を誘導するように動作するために、コリメータ120も含ませることができる。つまり、コリメータ120は、明瞭な画像を得る可能性を高めつつ、被験者に対する全体的な有効線量を低減するように動作することができる。
【0022】
手順が異なると、有用な画像を生成するために、撮像デバイス108が異なる動作設定値を有することが必要になる場合もある。X線の場合、これらの動作設定値は、電圧と、X線管の管電流の被曝時間との積を含んでもよい。電圧は、キロボルト波高値(kVp)によって測定することができ、X線管に印加される最大電圧を記述し、電磁放射線源117から放出されるX線光子のエネルギに比例する。身体部分が異なれば、決まった最少kVp設定値が必要となり、これによって、目標物または身体の領域に貫入し貫通する十分なエネルギを有するX線を生成するので、キロボルト波高値の調節を使用して、X線画像のコントラストを調節することもできる。
【0023】
撮像デバイス108によって生成される画像に影響を及ぼすおそれがある他の可能な動作設定値に、管電流被曝時間積(tube current exposure time product)(mAs)がある。管電流被曝時間は、X線を発生するX線管を通過する電流、および管を動作させる時間の計算であり、放射線密度を制御するために使用することができる。管電流被曝時間積の値が大きい程、大きな放射線を示し、被験者の身体によって吸収され、放射線検出器118によって収集されるX線光子の数を増やすことができる。一例として、管電流被曝時間積が大きい程、被験者の広い面積を撮像するときに有用であるとして差し支えなく、一方撮像する領域が狭い程、小さい管電流被曝時間で十分であるとしてよい。
【0024】
撮像デバイス108のコントローラ126は、撮像アセンブリ116に対するこれらおよびその他の動作設定値を制御するように構成することができる。一例では、コントローラは、自動露出モード(auto exposure mode)を起動する(activate)。自動露出モードは、態様の中でもとりわけ、明確さを容認できる画像が生成されるまで、画像毎にkVpおよびmAs値の異なる組み合わせを使用して、複数の画像を順次生成するために、撮像アセンブリ116を起動することによって、所望の動作設定値を自動的に決定する。しかしながら、複数の撮像サイクルに対するこの繰り返し被曝の結果、被験者、および撮像システムを操作する個人による余分な放射線吸収が生じる。この所望の動作設定値の自動検索が1回の所与のセッション中に複数回行われると、全体的な放射線吸収は、1枚または2枚の有用な画像を生成するために必要とされる実際の放射線を遙かに超過する可能性があり、このため有用な画像毎の全体的な放射線被曝が増大する。
【0025】
開示する撮像システムは、医療手順の態様、被験者についての情報、使用する特定の撮像システムについての情報等を使用して、随意に自動露出制御を無効にし(disable)、放射線被曝を繰り返す必要なく、撮像デバイス108に相応しいまたは最適な動作設定値を決定することができる。
【0026】
一例では、コントローラ126は、内部制御ロジック127を使用して、全体的放射線被曝を低減するためにはどの設定値が最適か自動的に判定することができる。内部制御ロジック127は、ハード・ワイヤ・ロジック回路、または予めプログラミングされた特定用途集積回路(ASIC)として、コントローラ126にインストールすることができ、あるいはコントローラ126のもっと汎用性が高い処理回路内にソフトウェアとしてロードすることもでき、あるいはこれらの任意の適した組み合わせにすることもできる。制御ロジックへの入力は、コントローラに結合されたユーザ・インターフェースから受け取ることができ、または手順に先立って被験者について得られた情報から受け取り、コントローラにロードすることもできる。
【0027】
他の態様では、コントローラ126の制御ロジックは、コンピュータ104における制御ロジック128として、特定用途回路として、またはソフトウェアとして、あるいはその組み合わせでインストールすることもできる。この構成では、コントローラ126は、設定を求める要求をコンピュータ104に送ることによって、設定値を決定することもできる。他の例では、コントローラ126は、設定値を何にするかを示す、コンピュータ104からの入力またはコマンドを受け入れることによって、設定値を決定することもできる。制御ロジック128への入力は、コンピュータ104によって生成されるユーザ・インターフェースから、または手順に先立って被験者について得られた情報から受け取り、コントローラにロードすることができる。このように、コンピュータ104は、撮像システムの制御を引き受け、こうして、コントローラ126によって提供されるコントローラ機能の一部または全部を無効にするように構成することもできる。
【0028】
他の態様では、コントローラ126の制御ロジックは、制御ロジック129として、特定用途回路として、またはソフトウェアとしてのいずれか、あるいはその組み合わせで、サーバ160内にインストールすることもできる。この構成では、コントローラ126は、設定値を求める要求をサーバ160に送ることによって、設定値を決定することができる。他の例では、コントローラ126は、コンピュータ104ならびに通信リンク162および112を介して、またはコントローラ126とサーバ160との間にある通信リンク163を介して受信した、入力またはコマンドをサーバ160から受け入れることによって、設定値を決定することもできる。このように、サーバ160は、制御ロジック129を使用して、撮像システム100の設定値は何にすべきか決定することができる。この例におけるコントローラ設定値の決定は、コンピュータ104の補助を受けてまたは受けずに、サーバ160によって随意に設けられる処理および意志決定プロセスを含む。このように、サーバは、撮像システムの制御を引き継ぎ、こうして、コントローラ126によって提供されるコントローラ機能の一部または全部を無効にするように構成することができる。
【0029】
図2は、開示する撮像システムを制御するのに役立つことができるコンピュータの態様を示す。これらの態様は、サーバ160、コンピュータ104、コントローラ126、またはこのシステムにおける他の場所に含むことができる。コンピュータの態様は、一般に、ハードウェア202およびソフトウェア204として纏めることができる。開示するコンピュータのハードウェア・コンポーネント202は、プロセッサ208とメモリ212とを含むことができる。ユーザ、または他の協働するコンピュータは、ユーザ・インターフェース216を使用して、コンピュータと相互作用することができる。ユーザ・インターフェース216は、キーボード、マウス、またはタッチ・スクリーンのような、任意の適した入力または出力(I/O)デバイス216を含むことができる。情報をユーザに提示するために、ディスプレイ220を含むこともできる。ネットワーキング・インターフェース224を含め、ローカル・エリア・ネットワークまたはインターネットのようなコンピュータ・ネットワークにコンピュータを接続するように構成することができる。また、コンピュータがワイヤレス通信リンクを他のコンピュータと確立した場合におけるように、ワイヤレス信号の送信および受信を容易にし、管理するために、ワイヤレス・トランシーバ228も含めることができる。
【0030】
開示するコンピュータのソフトウェア・コンポーネント204は、ネットワーキング・インターフェース224を制御するネットワーク・モジュール242と、ユーザ・インターフェースを生成し、I/Oデバイス216を使用してこのユーザ・インターフェースへのアクセスを付与するように構成されたユーザ・インターフェース・モジュール246とを含むことができる。動作設定値モジュール250は、撮像デバイス108、コンピュータ104、サーバ160等に動作設定値を決定するために使用することができる。ある例では、ソフトウェア・コンポーネントは、撮像システムのコントローラ126に対する制御コマンドを決定するように構成された制御ロジック254も含むことができる。次いで、コントローラ126は、これらのコマンドを入力として受け入れ、動作設定値モジュール250によって指定される通りに、撮像デバイス108の動作設定値を構成することができる。
【0031】
一例では、コンピュータ104は、ディスプレイ220およびユーザI/Oデバイス216を使用して出力を供給し、次いで、撮像デバイス108に動作設定値を決定するために動作設定値モジュール250によって使用することができる入力を、適宜受け入れることができる。他の例では、サーバ160は、サーバ160によって生成されたユーザ・インターフェースから、コンピュータ104から、またはコントローラ126から入力を受け入れ、例えば、ディスプレイ220、ユーザI/Oデバイス216、またはネットワーキング・インターフェース224を使用して、撮像デバイス108に動作設定値を決定するための出力を供給する。
【0032】
図3は、開示する撮像システムのコントローラ126に含むことができるコンポーネント、または本明細書において開示する、他の同様に機能するコントローラに含むことができる、コンポーネントの例を300で示す。この例では、コントローラ306は、論理演算、または他の計算タスクを実行するプロセッサと、ユーザから入力を受け入れるために、コントローラ306を随意のユーザ・インターフェース504に結合するように構成された入力/出力インターフェース312とを含む。このようなユーザ・インターフェースの例は、本明細書の他の場所に開示されている。コントローラ306は、コンピュータ302のような他のコンピュータとワイヤレスで通信するために、アンテナと、ワイヤレス送信機および/または受信機318とを含むことができる。また、ここには先に論じた概念も示されており、開示するシステムの動作態様(operational aspects)を決定する制御ロジックを、随意にコントローラ306に、322においてハードウェアまたはソフトウェア(もしくは双方)として含めることができ、あるいは502において、コンピュータ302のような離れたコンピュータにおけるハードウェアまたはソフトウェア(もしくは双方)として含めることができる。動作パラメータ、コマンド、または他の情報は、メモリ316に保持することができ、通信プロトコル、およびコントローラ306がコンピュータ・ネットワーク上で他のコンピュータと通信することを可能にするための他の関連処理を管理するために、ネットワーキング・インターフェースも含むことができる。撮像デバイス326とコントローラ306との間における通信を管理および制御するために、撮像デバイス・インターフェース324を含めることもできる。撮像デバイス326は、本開示による任意の種類の撮像デバイスである。
【0033】
他の態様では、本開示のコントローラは、撮像デバイスのユーザ・インターフェース(ユーザ・インターフェース143、308、または他のこのようなインターフェースのような)から入力を受け入れ、この入力を撮像機械、コントローラと通信するコンピュータ、または双方に渡すように構成することもできる。また、コントローラは、このコントローラと通信するコンピュータから入力を受け入れ、次いでこの情報を撮像機械、撮像機械のユーザ・インターフェース、または双方に渡すように構成することもできる。このように、コントローラは、撮像機械を複数のユーザ・インターフェースに結合する通過制御インターフェースとして使用し、1つのユーザ・インターフェースにおいて設定値になされた更新を、撮像デバイスに結合されている他のユーザ・インターフェースの一部または全部に反映させることができるようにすることができる。
【0034】
例えば、サーバ・コンピュータ160のようなコンピュータが、撮像デバイスの動作設定値を変更するように構成された制御ロジック129を含んでもよい。このサーバは、126または306のような(もしくは他の)コントローラに結合してもよく、コントローラは、撮像デバイスの動作パラメータに値を自動的に決定し、通信リンク163を介して直接コントローラに、またはコンピュータ104ならびに通信リンク162および112を介して間接的に、これらを送るように構成される。次いで、これらの値はユーザ・インターフェース143上に現れることができる。
【0035】
他の例では、ユーザがコンピュータ104を使用して値を入力することもでき、制御ロジック129をサーバ160内に保持してもよい。値は、サーバ160、関与する制御ロジックに渡され、通信リンク162を介して、コンピュータ104のユーザ・インターフェース上で、更に、通信リンク163を介して(直接コントローラに)、または通信リンク162および112を介して(仲介コンピュータを経て)、ユーザ・インターフェース143上で、最終的な値を更新することができる。
【0036】
他の例では、ユーザが値をユーザ・インターフェース143に入力することもでき、通信リンク163を介してサーバ160に直接、および/またはコンピュータ104に、これらの値を渡すことができる。この例では、制御ロジックは、コンピュータ104における128、コンピュータ160における129,または撮像デバイス自体の中にあるコントローラ自体における127であってもよい。これらは、コントローラと通信する任意のコンピュータ、またはコントローラ自体において、制御ロジックをどのように位置付けるかについての少数の非限定的な例に過ぎず、これらのデバイスのいずれの設定値に対する更新も、使用可能な画像を得つつ、全体的な放射線量をどのようにして低減するかに関して判定を下すことができるように、任意の他の接続されているデバイスにおける制御ロジックに供給することができる。
【0037】
図4は、全体的な放射線被曝を低減するために、開示する撮像システムによって実行することができる動作の詳細の一部を示す。本システムは、402において開始し、本明細書において開示するようにユーザ・インターフェースを使用して、操作者から入力を受け入れることによってというようにして、602において関与する撮像デバイスの種類を判定することができる。他の例では、操作者が入力せずに、コントローラ(コントローラ126、306等のような)が、撮像デバイスから直接この情報を得ることもできる。602において得られる撮像デバイスの種類は、撮像システムの商品名または製造会社を含んでもよく、また撮像システムの型、自動調節に利用可能な動作パラメータ、これらの動作パラメータに対する閾値限界値(threshold limit)、または異なる撮像デバイスに特定的な他の特殊な属性というような、更に強い特殊性を含んでもよい。
【0038】
本システムは、406において実行する撮像手順の種類を決定するように構成することができる。この場合も、コントローラに結合されたコンピュータを介してユーザから、またはコントローラ自体から、入力を受け入れることによって、これを得ることができる。実行することができる手順の例には、介入疼痛(interventional pain)、一般的な外科手術、心臓病、整形外科、透視検査、または脳神経外科用の医療手順が含まれるが、これらに限定されるのではない。他の実施形態では、他の望まれる撮像の応用も含むことができる。例えば、これらの1つ、または他の選択肢をユーザによって選択することができる。つまり、閉じた1組の選択肢が既に埋められたリストから1つの選択肢として、手順を選出することができ、または予め記入されたリストには提供されていない選択肢をユーザが入力するというように、他の入力を含むこともできる。
【0039】
他の態様では、手順の目標位置を408において決定する。以前の例におけると同様、これは、ユーザ・インターフェースによって、または任意の他の適した手段によって得られた入力として、入力することができる。例えば、撮像しようとする被験者の身体のエリアが、膝である場合、コンピュータまたは撮像システムのコントローラによってディスプレイ・デバイス上に提示された人体図から、操作者は膝を選択することができる。
【0040】
他の態様では、本システムは被験者の身体的特性を判定することができる。これらは、414における性別、412における身長および体重、ならびに患者の体形、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。これらは、ユーザ・インターフェースを介したユーザからの入力として、または、体重の場合、例えば、コントローラもしくは協働するコンピュータに直接体重情報を供給するように構成された秤によってというように、他の適した手段によって得ることができる。
【0041】
他の例では、被験者の体形を定める入力を受け入れるように、ユーザ・インターフェースを構成することもできる。入力は、体形のリストから選択することを含み、または入力は、被験者の体重が集中するエリアを概略的に示す、異なる一般的な形状からの選択として、受け入れることもできる。例えば、人の形状または輪郭として認識可能な1つ以上の代表的な図(depiction)の集合体を提供し、体形の選択を補助してもよい。また、本システムは、416において、撮像プロセスにおいて検討する必要があるかもしれない、他の特殊な考慮事項を決定することもできる。例えば、被験者が金属製インプラントを有する場合、または被験者が、本明細書において論じたように、撮像部位の付近に何らかの他の形式の人工器官を有する場合である。
【0042】
本システムによって行われた決定は、418において、撮像システムのどの動作設定値を、どの程度調節すべきか判断するために使用することができる。この判断は、開示するコンピュータまたはサーバの内任意のものによって、あるいは開示したコントローラの内任意のものによって、別々に、もしくは一緒に協働することによって、行うことができる。例えば、
図1に示したように、撮像システムのコントローラと通信するコンピュータが、撮像システムから、および/またはユーザ・インターフェースを介してユーザから入力を受け入れることもでき、インストールされた制御ロジックを使用して、どの設定値を調節すべきか、そしてパラメータ値を何にすべきか決定することができる。
【0043】
他の例では、コントローラがユーザから入力を得て、この入力を離れたサーバに渡すこともできる。離れたサーバは、変更すべき設定値、および撮像システムに対する新たな値を何にすべきか決定するように構成することができる。次いで、これらの設定値をコントローラに伝達することができる。他の例では、コントローラが、開示した制御ロジックを使用して、最終的なパラメータ値を計算することもできる。この計算は、撮像デバイス自体のユーザ・インターフェースを介して、必要に応じて受信した、ユーザからの他の入力に基づくこともできる。
【0044】
他の例では、本システムは、動作パラメータを決定し、本システムのユーザ・インターフェースを介して操作者にこれらを供給することができる。操作者は、生成された動作設定値を視覚的に観察し、画質を微調整することが望ましい場合、手作業でこれらを調節することができる。このユーザ・インターフェースは、開示したコンピュータの内任意のものによって、またはコントローラ自体によって提供することができる。
【0045】
420において、動作パラメータ値を撮像デバイス108に供給することができ、422において、撮像プロセスを開始して、医学的に有用な画像または1組の画像を得つつも、被験者にかかる(applied)全体的な放射線を低減するために計算された動作パラメータを使用して、画像を生成することができる。
【0046】
図5~
図9は、被験者の態様を判定するときにユーザ入力を受け入れるために、開示したシステムによって提供することができるユーザ・インターフェース、および最小限の放射線被曝で有用な画像を得るときに役立つことができる手順の例を示す。
図5の500において、有資格医療専門家または他の操作者のようなユーザに表示することができる開始画面を示す。開始画面500は、撮像手順の間に使用する可能性がある撮像機器の異なる製造会社または商品名、および/または型のリスト502を含むことができる。この例では、リスト502は、最初に最高レベルとした製造会社または商品名から始まる階層配列のように、他のサブリストも含むことができる。ユーザが製造会社または商品名を選択する入力を供給すると、本システムはこの入力を受け入れることができ、選択された商品名または製造会社と関連付けられた型のサブリストを生成し、表示のために供給するように構成することができる。このような選択およびクエリ挙動は、例えば、開示したコンピュータの中の1つのユーザ・インターフェース・モジュール246によって、または撮像デバイスのコントローラによって行うことができる。他の例では、リスト502は、同じリストの中に別個の項目を含み、1つのリストで、全てのサポートする商品名および型を示すことができる。他の例では、撮像システムのコントローラ(コントローラ126のような)に結合されたコンピュータ(コンピュータ104のような)が、自動的に所定の要求をコントローラに送り、撮像機械の商品名および型についての情報を要求することができ、この応答からの情報を開始画面に入力することができ、このようにして、撮像デバイスおよび/またはコントローラからのこの入力に基づいて、システムが発見することができる最良の一致を予め選択することによって、または最良の一致をリスト502に予め埋め込むことによって、選択プロセスを簡略化することができる。
【0047】
また、開始画面500は、開示する撮像プロセスのための医療用途のリスト504も含むことができる。撮像手順が異なれば、放射線の全体的放射線量を低減するためには、異なる種類の撮像技法および動作設定値が必要になる場合があり、したがって、撮像機器を使用すべき特定の種類の手順を選択すれば、入力が得られ、この入力から、選択された撮像用途に適した画像を生成するのに有用な、対応する(relevant)動作設定値を決定する。このリストは、例えば、ある形式の撮像を必要とすることが多い、異なる医療手順を含むことができる。これらの手順は、介入疼痛(interventional pain)、一般的な外科手術、心臓病、整形外科、透視検査、または脳神経外科を含むように、概略的に類別することができる。開始画面500の他の例では、開示したシステムおよび方法に対して新たな用途が発見される毎に、医療手順以外の異なる用途、または他の一般用途を含んでもよい。
【0048】
他の態様では、ユーザ・インターフェース内に手順画面を含んでもよく、その一例を
図6の600で示す。この手順画面は、撮像手順の間照準を当てようとする被験者の特定エリアまたは解剖学的構造を、ユーザに指定させることができる。例えば、様々な身体部分では骨密度および筋肉質量に差があるために、身体の異なる場所が異なる放射線吸収特性を有するのはもっともである。撮像すべき身体の特定部分を選択することによって、本システムが、正しい動作設定値を決定するために使用することができる入力を得て、これらを自動的に適用することができる1つの方法が設けられる。
【0049】
図6に示すように、手順画面600は、人体の
図602を含むことができ、ユーザは、
図602を使用して所望の位置を選択することによって、撮像しようとする被験者の解剖学的構造の一部を選択することができる。他の例では、手順画面600は、解剖学的構造の異なる部分のリストを提示することができ、ユーザは所望の身体部分または被験者の解剖学的構造の一部をこのリストから選択することができる。また、手順画面600は、被験者が男性かまたは女性か、ユーザに選択させるように構成された性別選択項目(aspect)604も含むことができる。この項目は、画像の品質に影響を及ぼす可能性がある男性および女性の解剖学的構造の相違(variations)を考慮するために、本システムによって同様に使用され、撮像機械の設定値を自動的に決定および/または較正することができる。
【0050】
図7に示す他の態様では、本システムは、被験者情報画面700に、患者の体形および他の関心がある考慮事項を定める入力を受け入れるユーザ・インターフェースを設けることもできる。例えば、被験者についての情報は、702において被験者の身長を定める入力を受け入れ、更に704において体重を定める入力を受け入れるように配置および構成されたユーザ・インターフェース・コントロールによって取り込まれた入力を通じて得ることができる。身長入力704および/または体重入力702コントロールは、英単位系(即ち、インチおよびポンド)またはメートル単位系(即ち、センチメートルおよびキログラム)のいずれかで、身長および体重をユーザに入力させるように構成することができる。他の態様では、身長および体重入力は、ユーザによって、キーボードのような入力デバイスを使用して、直接入力することもでき、またある実施形態では、身長および/または体重のリストを表示することもでき、ユーザは、このリストから、被験者に最も近い所望の値を選択することができる。
【0051】
700において提示される(provided)被験者情報画面は、体形の選択706を定める入力を受け入れるために、ユーザ・インターフェース・コントロールも含むことができる。体形または「身体構造」(body habitus)画面706は、異なる体格(build)、身形(physique)、あるいは一般的なふるまい(bearing)または人体比率に対応する異なる体形を表す形状の集合体を表示する(present)ことができる。これらは、所与の手順が医学的に有用な画像を得るために必要とされるように、放射線出力を調節するときに役立つことができる。例えば、体形選択リストは、人間または動物の被験者に対して、人体比率の異なる態様を表す1つ以上の画像またはアイコンを含み、こうして被験者の全体的な解剖学的構造の特徴をシステムに知らせる入力を提供することができる。ユーザは、被験者の全体的形状に最も近い形状を選択することができ、あるいは撮像しようとする目標エリアの個人の対応する解剖学的構造に最も近い形状を選択することができる。この入力は、被験者の体重がどのように分布するかに基づいて、撮像デバイスの動作設定値を調節するために、本システムによって使用することができる。例えば、下半身が大きい被験者では、彼らの上半身を撮像するよりも、彼らの腹部を撮像するために一層強力な放射線を必要とするとして差し支えない。腕の長さ(span)、皮脂の厚さ、上腕周囲径等について測定値を定めるコントロールというような、他の有用な入力をユーザ・インターフェースに含めることもできる。
【0052】
被験者情報画面700上における特殊考慮事項画面708は、撮像デバイスに動作設定値を決定するときに考慮するとよい他の要因を定める入力を受け入れるように構成することができる。その例には、インプラント、義肢、ピン、螺旋、人工関節、および被験者の身体内で発見する可能性があるその他の異物が含まれる。これらの異物は、身体に向けて発せられた電磁放射線の吸収において、散乱または他の干渉を生じさせるおそれがあり、したがって、これらを考慮しないと、画像の品質に悪影響を及ぼすおそれがある。他の態様では、特殊考慮事項画面708は、全ての可能な特殊考慮事項を、直接被験者情報ページ700上に表示することもできる。他の態様では、特殊考慮事項の選択は、入力を受け入れるように構成することもでき、この入力が受け取られると、本システムによって処理され、初期選択に関係する詳細な態様についての追加のドロップ・ダウン・リストを生成する。詳細な態様は、一緒に考慮されて、撮像機械の設定値を更に正確にするための追加入力が得られる。
【0053】
他の態様では、ユーザ・インターフェース・モジュールは、設定値画面を設けるように構成され、その例が
図8における800,および
図9における900に見られる(appear)。設定値画面800は、本明細書において開示したシステムによって決定された提案動作設定値(suggested operating settings)を表示する。これらの最終的な設定値は、先に概要を説明したような、開始画面500、手順画面600、および被験者情報ページ700においてユーザによって提供された入力に基づく。また、設定値画面は、撮像デバイス・インディケータ806によってというようにして、ユーザの入力の確認を行う。撮像デバイス・インディケータ806は、開始画面500においてユーザによって選択された撮像デバイスの商品名および/または型を表示する。
【0054】
また、設定値画面800は放射線値セクション802も含む。放射線値セクション802は、随意に、動作設定値モジュール250を使用することによってというようにして、本システムによって決定された動作設定値に対する値を表示する。放射線値セクション802は、異なる値を含むことができ、これらに応じた視野(view)が撮像のために使用される。例えば、これらの視野は、正面/背面、斜め、および水平(lateral)視野を含むことができる。放射線値セクション802は、ユーザによって提供された入力に基づく視野の各々について、kVpおよびmAsに動作値を供給することができる。
【0055】
設定値画面800上には、コントローラ設定値セクション804も設けることができる。コントローラ設定値セクション804は、撮像機械の所与の型に特定するコントローラの選択肢を表示するように構成され、これらの選択肢は、提供されるユーザ入力に基づいて起動または解除されるように設定される。
図8に示す例では、コントローラ設定値には、自動露出、即ち、「Auto/AEC」、自動コントラスト、パルス(pulse)、および低線量が含まれる。使用される撮像デバイスの型および商品名に応じて、異なる設定値が示され、調節可能にすることもできる。つまり、
図8は、ユーザ・インターフェース・ディスプレイの例を示し、本システムは、画像が撮影されようとしているか、または既に撮影されたかに応じて、撮像プロセスが使用する、または使用した現在の設定値に関してフィードバックを提供する。
【0056】
設定値画面800上には、計算され放射線値セクション802に示された設定値が最適な画像を生成しない場合、画質を向上させるための技法または方法を用いて助言する(offer guidance)ために、トラブルシューティング・セクション808も設けることができる。これらの技法には、粒状画像、または明るすぎる画像もしくは暗すぎる画像を、正しい調節値を選択することによって改善する方法を含むことができる。次いで、本システムは、810における選択ボタンまたはアイコンによって示されるように、対応する設定値を所定の増分だけ、または所定の増分の2倍だけ、または所定の増分の3倍だけ、またはそれ以上調節することができる。
【0057】
他の態様では、ユーザ・インターフェース・モジュールは、トラブルシューティング・セクション808内に対話型ユーザ・インターフェース・コントロールを表示するように構成することもできる。対話型ユーザ・インターフェース・コントロールは、所与のシナリオに対して最良に作用すると思われる設定値はどれか、または最も役立つ調節値もしくは最も有用な調節値はどれかについて、追加の詳細を定める入力をユーザから受け入れるように構成することができる。これらのユーザが定めるトラブルシューティングの態様は、コンピュータ104または106のようなコンピュータのメモリ内、またはコントローラ306のようなコントローラのメモリ内というように、本システムによって格納することができる。他の態様では、これらのトラブルシューティングの態様は、後に同じまたは同様の設定値が現れた場合に、対応する特定のユーザ定義トラブルシューティング情報を自動的に表示できるように、ユーザによって提供された設定値または入力の特定的な組み合わせに関係付けることもできる。
【0058】
他の態様では、本システムは、
図9の900に示すような、設定値画面を設けることもできる。この例では、ユーザ・インターフェース・モジュールは、随意に、他の場合ではユーザが手作業で変更する場合もある設定値の一部または全部を調節するのに適した入力を、ユーザから受け入れるように構成されたコントロールを設ける。この例では、ユーザは、動作中に撮像デバイスの動作設定値を手作業で調節し、このようにして、開示したシステムによって決定された動作設定値の一部および全部を無効にすることができる。
図9に示すように、設定値画面900は、
図8に示す設定値画面800と同様のレイアウトを有することができ、撮像デバイス・インディケータ906、放射線値セクション902、コントローラ設定値セクション912、およびトラブルシューティング・セクション916、またはこれらの任意の組み合わせを含む。
【0059】
撮像デバイス・インディケータ906は、使用中の撮像システムの商品名および型を表示することができる。放射線値セクション902は、撮像デバイスの動作設定値として使用されるkVpおよびmAs値を表示する。コントロール908および910は、それぞれ、各kVpおよびmAs値の隣に位置付けられている。コントロール908および910は、撮像デバイスの対応する動作設定値を直接調節するために使用することができる。
図9に示す例では、コントロール908、910は、上向き矢印および下向き矢印を含む。kVpまたはmAsを所定間隔だけ増大させるためには、ユーザは上向きの矢印をクリックするまたは押下すればよく、またkVpまたはmAsを所定間隔だけ減少させるためには、ユーザは下向きの矢印をクリックするまたは押下すればよい。ある実施形態では、ユーザは、kVpまたはmAs値を調節するために、コントロール908、910を使用する代わりに、キーボードのような入力デバイスを使用して、特定のkVpまたはmA値を放射線値セクション902に入力することもできる。コントローラ設定値セクション904は、Auto/AEC、自動コントラスト、パルス、および低放射線量というような異なるコントローラの選択肢、ならびにこれらの選択肢をオンまたはオフにするか表示する。ユーザは、所望の選択肢に隣接するスライダ912を選択することによって、これらの選択肢をオンまたはオフにすることができる。撮像デバイスの設定値を選択または入力するためには、任意の適した種類のユーザ・インターフェース・コントロールを使用することができる。
【0060】
開示したシステムは、連続(live)透視検査の代わりに、スタッカート(Staccato)設定選択肢も設けることができる。画面900は、随意に、914においてスタッカート設定を制御する入力を設ける。スタッカート設定は、手作業の、この場合は、自動コンピュータ制御型パルス撮像を利用することによって、放射線被曝を低減することができる。コンピュータ104または160のような開示したコンピュータはいずれも、撮像システムがこのように動作するように、自動的に制御するために使用することができる。この例では、ユーザが通常の設定または高速スタッカート設定のいずれかを使用することを選択することができる。これらの選択肢は、各々、本明細書において開示したようなコンピュータの画面上に、ユーザ・インターフェース・コントロールとして表示することができ、または随意にコントローラの画面上に表示することもできる。遅いスタッカート設定のような、追加のスタッカート速度も含ませることができ、またはスタッカート設定をある範囲の数値として表示することもでき、ユーザ・インターフェース・コントロールは、使用される速度または速度の範囲を定める入力を受け入れるように構成することができる。これらの速度は、システムが毎秒撮影する画像の枚数によってというように、任意の適したフォーマットで指定することができる。
【0061】
以下の番号が付けられた例には、開示したシステムに含むことができる特徴の追加の組み合わせが含まれる。
【0062】
1.電磁放射線を使用して被験者の画像を取り込むように構成された撮像デバイスを含むシステムであって、撮像デバイスが、当該撮像デバイスの挙動を制御するための動作設定値を定め、
実行しようとする特定の種類の撮像手順、被験者の目標位置、および被験者の少なくとも1つの身体的特性、またはこれらの組み合わせを含む判断基準を使用して、動作設定値を自動的に決定するように構成された制御ロジックを備え、コンピュータによって自動的に決定される動作設定値が、最大キロボルト、管電流、被曝時間、またはこれらの任意の組み合わせを含み、
動作設定値が、制御ロジックから撮像デバイスに送信され、撮像デバイスが制御ロジックに応答し、計算した動作設定値を使用して被験者の画像を生成するために、動作設定値を適用するように構成される。
【0063】
2.いずれかの前出の例のシステムであって、撮像デバイスから離れたコンピュータと、撮像デバイスとコンピュータとの間の通信リンクとを含み、制御ロジックがコンピュータ内にあり、動作設定値が、コンピュータを撮像デバイスに電気的に接続する通信リンクを使用して、コンピュータから撮像デバイスに送信される。
【0064】
3.いずれかの前出の例のシステムにおいて、コンピュータが、動作設定値を定める入力を受け入れるように構成されたユーザ・インターフェースを有し、入力が、撮像デバイスを識別する情報と、撮像デバイスによって実行される撮像手順の特定の種類、撮像デバイスによって撮像される被験者の目標位置、ならびに、被験者の性別、被験者の体形、および被験者の体重を含む被験者の身体的特性を含む。
【0065】
4.いずれかの前出の例のシステムにおいて、通信リンクが、コンピュータを撮像デバイスに電気的に接続するワイヤを含む。
【0066】
5.いずれかの前出の例のシステムにおいて、通信リンクが、コンピュータを撮像デバイスに電気的に接続するワイヤレス接続を含む。
【0067】
6.いずれかの前出の例のシステムであって、第1および第2コンピュータであって、双方共撮像デバイスから離れている、第1および第2コンピュータと、撮像デバイスと第1コンピュータとの間にある第1通信リンクと、
第1コンピュータと第2コンピュータとの間にある第2通信リンクと、
を含み、
制御ロジックが第2コンピュータ内にあり、動作設定値が、第2通信リンクを使用して、第2コンピュータから第1コンピュータに送信され、動作設定値が、第1通信リンクを使用して、第1コンピュータから撮像デバイスに送信される。
【0068】
7.いずれかの前出の例のシステムであって、撮像デバイスを起動および解除するように構成されたコントローラを含み、制御ロジックがコントローラ内にあり、コントローラが、撮像デバイスの筐体内に実装され、計算した動作設定値を使用して、被験者の画像を生成するために、撮像デバイスを制御するように構成される。
【0069】
8.いずれかの前出の例のシステムであって、撮像デバイスから離れたコンピュータと、コントローラとコンピュータとの間にある通信リンクとを含み、動作設定値が、コンピュータをコントローラに電気的に接続する通信リンクを使用して、コンピュータからコントローラに送信される。
【0070】
9.いずれかの前出の例のシステムであって、動作設定値、またはその任意の組み合わせを定める入力を受け入れるように配置および構成された撮像デバイスの撮像システム・ユーザ・インターフェースを含み、コントローラが、撮像システム・ユーザ・インターフェースから入力を自動的に受け取り、それをコンピュータに送るように配置および構成され、コントローラが、コンピュータから入力を自動的に受け入れ、それに応じて、撮像デバイスのユーザ・インターフェースおよび動作設定値を調節するように配置および構成される。
【0071】
10.いずれかの前出の例のシステムであって、
撮像デバイスから離れたコンピュータと、
撮像デバイスを起動および解除するように構成されたコントローラと、
コントローラとコンピュータとの間にある通信リンクと、
を含み、
制御ロジックがコンピュータ内にあり、コントローラが、応答して、コンピュータから動作設定値を受け入れ、
コントローラが、撮像デバイスの筐体内に実装され、撮像デバイスを制御して、動作設定値を使用して被験者の画像を生成するように構成される。
【0072】
11.いずれかの前出の例のシステムであって、動作設定値を定める入力を受け入れるように構成された、撮像デバイスの撮像システム・ユーザ・インターフェースを含み、コントローラが、撮像システム・ユーザ・インターフェースに応答し、コントローラが、撮像システム・ユーザ・インターフェースから受け取った動作設定値を、コンピュータに、通信リンクを使用して送るように構成される。
【0073】
12.いずれかの前出の例のシステムであって、動作設定値を定める入力を受け入れるように構成された、離れたコンピュータのコンピュータ・ユーザ・インターフェースを含み、コンピュータが、動作設定値をコンピュータ・ユーザ・インターフェースからコントローラに、通信リンクを使用して送るように構成される。
【0074】
13.いずれかの前出の例のシステムにおいて、動作設定値が、特定の撮像デバイスを識別する情報を含む。
【0075】
14.いずれかの前出の例のシステムにおいて、被験者の少なくとも1つの身体的特性が、被験者の性別、被験者の体形、および被験者の体重、またはこれらの任意の組み合わせのいずれかを含む。
【0076】
15.いずれかの前出の例のシステムにおいて、撮像デバイスが、自動露出制御手順を実行するように構成され、被験者の画像を取り込む前に自動露出制御を解除するために、制御ロジックが撮像デバイスを制御するように配置および構成される。
【0077】
16.いずれかの前出の例のシステムにおいて、撮像デバイスが、X線放射を生成することによって、画像を生成し、X線放射が、被曝時間にほぼ等しい時間期間にわたって生成され、被曝時間が1秒未満である。
【0078】
17.いずれかの前出の例のシステムにおいて、画像を生成するために必要な被曝時間が、約1秒未満である。
【0079】
18.いずれかの前出の例のシステムにおいて、画像を生成するために必要な被曝時間が、約0.6秒未満である。
【0080】
19.いずれかの前出の例のシステムにおいて、撮像デバイスが起動されたときの散乱率が、X線撮像デバイスから4フィート以内において、約300mR/時未満である。
【0081】
20.いずれかの前出の例のシステムにおいて、撮像デバイスが起動されたときの散乱率が、X線撮像デバイスから4フィート以内において、約150mR/時未満である。
【0082】
定義および代替語の用語集
以上、本発明の例について図面に図示し、本明細書において説明したが、この開示は、本質的に限定ではなく例示として見なすのは当然である。本開示は、本質的に例示であり(exemplary)、本発明の主旨に該当する全ての変更、均等、および修正が含まれる。詳細な説明が本明細書に含まれるのは、発明の原理の理解を促進する目的で、図面に示した例の態様を論ずるためである。それによって、本発明の範囲を限定することは意図していない。説明した例におけるあらゆる変更および更なる修正、ならびに本明細書において説明した原理のあらゆる他の応用も、本発明が関係する技術分野における当業者には通常に想起されるものであると考えられる。いくつかの例については詳しく開示したが、関連がないかもしれない特徴は、明確にするために、割愛したものもある。
【0083】
刊行物、特許、特許出願が本明細書において引用される場合、これらは、個々の刊行物、特許、または特許出願の各々が、あたかも具体的にそして個々に、引用によって本願にも含まれることが示され、その全体が本明細書において明記されたかのように、その引用により本願にも含まれると理解されるものとする。
【0084】
単数形「a」、「an」、「the」等は、別段明示的に論じられていなければ、複数の引用物も含む。一例として、「1つのデバイス」(a device)または「そのデバイス」(the device)に対する引用は、1つ以上のこのようなデバイスおよびその均等物を含む。
【0085】
「上へ」(up)、「下へ」(down)、「最上位」(top)、「底」(bottom)、「前」(fore)、「後ろ」(aft)、「横の」(lateral)、「長手方向の」(longitudinal)、「半径方向の」(radial)、「円周方向の」(circumferential)というような方向を示す用語は、本明細書では、読み手の便宜のためにのみ使用され、図示する例を読み手が理解するときに補助するために過ぎない。これらの方向を示す用語の使用は、説明する、図示する、および/または特許請求する特徴を特定の方向(direction)および/または方位(orientation)に限定するのでは断じてない。
【0086】
複数の関連する品目が図面に示され、別々の個々の実例毎に1つの文字で区別された 同じ部品番号が付されている場合、名称全体の中の区別可能な部分によって、および/または番号のみによって、総称的に呼ぶこともできる。例えば、複数の「横方向に延びるエレメント」90A、90B、90C、および90Dが図面に示されている場合、本開示では、これらを「横方向に延びるエレメント90A~90D」と呼んでもよく、または「横方向に延びるエレメント90」と呼んでもよく、または「エレメント90」のような名称全体の中の区別可能な部分によって、これらに言及してもよい。
【0087】
本開示において使用した文言は、以下で明示的に定められていなければ、それらの平素で通常の意味のみを有すると仮定する。本明細書に含まれる定義で使用される単語は、それらの平素で通常の意味のみを有するものとする。このような平素で通常の意味は、最近出版されたWebster’s and Random House(ウェブスターおよびランダム・ハウス)辞書からの一貫性のある辞書定義全てを含む。本明細書において使用する場合、以下の定義は、以下の用語に、またはその共通の変形(例えば、単数/複数形、過去/現在時制等)に当てはまる。
【0088】
数値の言及を伴う「約」(about)は、通常、表示値のプラスまたはマイナス10%を指す。例えば、表示値が4.375である場合、「約4.375」という用語を使用すると、通常3.9375および4.8125の間の範囲を意味する。
【0089】
「起動する」(activate)は、通常、「電力を供給する」と同義であり、または既に電力を有する回路または電子デバイスの「特定機能を可能にする」ことを意味する。
【0090】
「および/または」(and/or)は、本明細書では包含的であり、「または」だけでなく「および」も意味する。例えば、「Pおよび/またはQ」は、P、Q、およびPとQを包含し、このような「Pおよび/またはQ」は他のエレメントも含むことができる。
【0091】
「アンテナ」(antenna)または「アンテナ・システム」は、通常、電力を電磁放射線に変換する、任意の適した構成の電子デバイスまたは一連のデバイスを指す。このような放射線は、電磁スペクトルに沿った任意の周波数において、垂直、水平、または円偏波させることができる。円偏波で送信するアンテナは、右旋または左旋偏波のいずれかを有することができる。
【0092】
無線波の場合、アンテナは極低周波数(ELF)から極高周波数(EHF)までの電磁スペクトラムに沿った範囲の周波数において送信することができる。無線波を送信するように設計されたアンテナまたはアンテナ・システムは、受信機または送信機に電気的に接続された(多くの場合送信線を通じて)金属導体(エレメント)の構成(arrangement)を含むことができる。送信機によってアンテナを通過させられる電子の発振電流が、アンテナ・エレメント周囲に発振磁場を形成する(create)ことができ、一方電子の電荷(charge)もエレメントに沿って発振電場を形成する。これらの時間可変場は、アンテナから空間内へ、移動横断電磁場波(moving transverse electromagnetic field wave)として放射する。逆に、受信中には、着信電磁波の発振電場および磁場は、アンテナ・エレメントにおいて電子に力を及ぼし、これらを前後に移動させて、アンテナにおいて発振電流を発生する。次いで、これらの電流は、受信機によって検出され、処理されて、デジタルまたはアナログ信号もしくはデータを引き出すことができる。
【0093】
アンテナは、全ての水平方向に実質的に等しく(無指向性アンテナ)、または特定の方向(指向性または高利得アンテナ)に優先的に、無線波を送信および受信するように設計することができる。後者の場合、アンテナは、送信機または受信機に対して任意の物理的電気接続を有するまたは有さないのでもよい、追加のエレメントまたは表面も有することができる。例えば、寄生エレメント、パラボラ型反射器またはホーン、および他のこのような非付勢エレメントが、無線波をビームまたは他の所望の放射パターンに誘導するように作用する(serve)。つまり、アンテナは、これら種々の表面またはエレメントの設置によって、指向性または「利得」の増大もしくは減少を呈するように構成することができる。高利得アンテナは、放射電磁エネルギの実質的に大部分を、垂直、水平、またはこれらの任意の組み合わせでもよい所与の方向に誘導するように構成することができる。
【0094】
また、アンテナは、地球に対して特定の範囲の垂直角度(即ち、「離陸角度)以内に電磁エネルギを放射し、電離層のような、大気の上層に向けて電磁エネルギを集中させるように構成することもできる。特定の角度で上側の大気に向けて電磁エネルギを誘導することによって、電磁エネルギを特定の周波数で送信することによって、1日の特定の時間帯に特定の跳躍距離を達成することができる。
【0095】
アンテナの他の例は、エミッタと、電気エネルギを電磁スペクトルの可視光または不可視光部分における電磁エネルギのパルスに変換するセンサとを含む。その例には、遠赤外線から超紫外線までの電磁スペクトルに沿った範囲にわたる周波数において、電磁エネルギを生成するように構成された、発光ダイオード、レーザ等が含まれる。
【0096】
「指極」(arm span)は、通常、腕を最大限広げた状態における中指の先端間の距離を指す。
【0097】
「Bluetoothプロトコル」または「Bluetooth」は、通常、2.402GHzから2.480GHzまでの、工業、科学、および医療用無線帯域において、短波長UHF無線波を使用して短距離で、固定および移動体デバイス間でデータを交換し、個人エリア・ネットワーク(PAN)を構築するために使用されるワイヤレス技術規格を指す。これは、本来、RS-232データ・ケーブルに代わるワイヤレスとして着想された。
【0098】
Bluetoothは、各デバイスにおける低コスト・トランシーバ・マイクロチップに基づいて、主に低電力消費および短距離用に設計された、標準的な配線置換(wire-replacement)通信プロトコルである。デバイスは無線(ブロードバンド)通信システムを使用するので、これらは互いの見通し線内にある必要はない。しかしながら、擬似光ワイヤレス経路(quasi-optical wireless path)が存在可能(viable)でなければならない。距離はパワー・クラスに依存するが、有効距離は実際には変化する。
【0099】
正式には、クラス3無線は、1メートル(3ft)までの距離を有し、移動体デバイスで最も一般的に見られるクラス2は10メートル(33ft)、そして主に産業用途向けのクラス1は、100メートル(300ft)までの範囲を有する。Bluetoothマーケティングは、クラス1の距離は殆どの場合20~30メートル(66~98ft)であり、クラス2の距離は5~10メートル(16~33ft)であると認めている(qualify)。所与のリンクによって達成される実際の距離は、リンクの両端にあるデバイスの品質、およびその間の空気状態、ならびに他の要因に左右される。
【0100】
有効距離は、伝搬条件、マテリアル・カバレッジ(material coverage)、製品見本のばらつき、アンテナ構成、およびバッテリ状態に応じて変化する。殆どのBluetoothの用途は、室内条件に合わせており、壁の減衰および信号反射による信号フェージングのために、Bluetooth製品の指定見通し線距離よりも、距離は遙かに短くなる。
【0101】
殆どのBluetooth用途は、バッテリ給電型のクラス2デバイスであり、供給される電力が低い方のデバイスによって、距離限度が設定される傾向があるので、リンクの他端にクラス1デバイスがあっても、またはクラス2デバイスがあっても、距離の差は余りない。場合によっては、クラス2デバイスがクラス1トランシーバに接続され、双方共、典型的なクラス2デバイスよりも高い感度および送信電力を有するときには、データ・リンクの有効距離を延長することができる。しかしながら、殆どの場合、クラス1デバイスはクラス2デバイスと同様の感度を有する。2つのクラス1デバイスを接続し、双方共高い感度および高い電力を有する場合、用途に要求されるスループットによっては、典型的な100mを遙かに超える距離にも対応する(allow)ことができる。このようなデバイスの中には、法的な放出限度(emission limits)を超えることなく、2つの同様のデバイス間で1kmを超える開放場距離(open field range)を可能にするものもある。
【0102】
Bluetooth Coreの仕様では、10メートル(33ft)以上の距離を推奨する(mandate)が、実際の距離に上限はない。各場合に必要とされる距離に対応する(provide)ために、製造会社の実装(implementation)を調整する(tune)ことができる。
【0103】
「身長」(body height)は、通常、足の平坦な表面から頭頂部までの長さを指す。
【0104】
「体形」(body size)または「身体の姿勢」(Body Habitus)は、通常、個人の身体的特性を指し、身形、一般的なふるまい、および体格というような、考慮事項が含まれる。その例には、更に時代遅れの「体型」(somatotype)が含まれる(中胚葉型-筋肉および筋骨型、内胚葉型-丸みがあり肥満型、および外胚葉型-背が高く痩せている)。過去において、これらは性癖から病気までとも相関付けられていた(例えば、卒中体型)。
【0105】
他の更に一般的な例では、体形および姿勢は、身長、体重、身体比率、皮下脂肪厚、および上腕周囲径の一層定量化可能な測定値を包含するために使用することができる。これらの測定値は、通例、「正常」または「異常」値と関連付けられないが、個人の年齢、性別、臨床状態、および以前の測定値のコンテキストで解釈されるのが一般的である。これらの値は、基準母数のパーセンタイルとして、または「理想的な」値のパーセンテージとしてプロットすることができる。
【0106】
「身体比率」(body proportion)は、通常、体幹対四肢の比率および指極を指す。
【0107】
「体重」(body weight)は、通常、身体の総重量を指す。「理想」よりも120%重い体重は肥満を示唆し、一方「理想」よりも70%軽い体重は重度の栄養失調を示すおそれがある。
【0108】
「Cアーム」(C-arm)は、通常、電磁エネルギ(例えば、X線)源および検出器を有する放射線撮影デバイスを指し、被験者の内部の隠れた構造の透視検査または他のリアル・タイム放射線撮影を実行するように構成される。名称は、「C」字状のアームに由来する。これは、エネルギ源とエネルギ検出器とを互いに位置決めし、撮像しようとする被験者の部分をエネルギ源と検出器との間に位置決めできるようにするために使用される。Cアームは、放射線写真(即ち静止写真)を作成するため、また更に一般的には、透視検査のために使用することができる。
【0109】
また、Cアームは「撮像スキャナ増感器」(imaging scanner intensifier)とも呼ばれることもあるが、Cアームは画像増感器を使用するものであると考える方が、おそらくは一層正確であろう。一般に、X線画像増感器(XRII)は画像増感器であり、単なる蛍光画面が通常できるものよりも高い強度の可視光に、X線を変換する。Cアーム・システムは、通常、このような増感器(最新の透視検査器と同様)を使用して、低強度のX線を、人が見やすい可視光出力に変換することを可能にするX線撮像システムを実現する。この増感効果は、見る人が、撮像された物体(object)の構造を、蛍光画面だけで可能なものよりも容易に、見ることを可能にする。XRIIは、一層効率的にX線量子(x-ray quanta)を可視光に変換するので、必要な吸収線量(absorbed doses)が減少する。
【0110】
他の例では、Cアームはフラット・パネル・ディテクタ(FDP:Flat Panel Detector)を使用することもできる。FDPは、通常、デジタル写真撮影およびビデオに使用される画像センサと原理的に類似する、ソリッド・ステートX線デジタル放射線撮影デバイスの1クラスを指す。これらは、投影放射線撮影において、そして透視検査機器におけるX線画像増感器(II)の代用として、双方で使用される。FDPは、直接および間接検出器を含む。FDPは、通常、放射線写真フィルムよりも感度が高く高速であるので、所与の写真品質に対してX線放射の線量を減少させることができる。透視検査の場合、これらはXRIIデバイスよりも軽く、耐久性があり、小型で、精度が高く、少ない歪みで撮像することができるとして差し支えない。
【0111】
「コリメータ」(collimator)は、通常、粒子または波のビームを狭める、合焦する、または整列するデバイスを指す。狭めるとは、運動の方向を特定の方向に更に整列させる(即ち、平行化された光または平行光線にする)こと、またはビームの空間断面積を小さくする(即ち、ビーム制限デバイス)ことのいずれかを意味することができる。
【0112】
光学分野では、コリメータは、湾曲ミラーまたはレンズで構成することができ、その焦点に光源および/または画像がある。これは、無限長において合焦された目標を、殆どまたは全く視差なしで、複製するために使用することができる。光学コリメータは、他の光学素子を較正するため、全てのエレメントが光軸に整列されているかチェックするため、適正な焦点にエレメントを設定するため、または双眼鏡もしくは砲身および照準のように、2つ以上のデバイスを整列するために使用することができる。測量カメラでは、写真測量におけるように、その基準マーカ(fiduciary markers)が主点を定めるように、基準マーカを設定することによって、平行化することができる。
【0113】
X線、ガンマ線、および中性子線光学のような、高エネルギ放射線の用途では、コリメータは、指定された方向に対して平行に進む光線だけが通過することが許容されるように、光線のストリームを濾波することができる。コリメータは、X線、ガンマ線、および中性子線撮像に使用されることが多い。何故なら、従前からのレンズは、通例、光波長またはほぼ光(near-optical)波長における電磁放射線では型通りになっているようには、これらの種類の放射線を画像に合焦することができないからである。
【0114】
「コンピュータ」(computer)は、通常、任意の数の入力値または変数から結果を計算するように構成された任意のコンピューティング・デバイスを指す。コンピュータは、入力または出力を処理するために計算を実行するプロセッサを含むことができる。コンピュータは、プロセッサによって処理される値を格納するため、または以前の処理の結果を格納するために、メモリを含むことができる。
【0115】
また、コンピュータは、値を受信または送信するための、広い範囲にわたる入力および出力デバイスから、入力および出力を受け入れるように構成することもできる。このようなデバイスには、他のコンピュータ、キーボード、マウス、視覚ディスプレイ、プリンタ、工業計器、ならびに全ての機種およびサイズのシステムまたは機械類(machinery)が含まれる。例えば、コンピュータは、要求に応じて種々のネットワーク通信を実行するために、ネットワーク・インターフェースを制御することができる。ネットワーク・インターフェースは、コンピュータの一部でもよく、またはコンピュータとは別個で離れていることを特徴とすることもできる。
【0116】
コンピュータは、デスクトップ・コンピュータ、ラップトップ・コンピュータのような、1つの物理的コンピューティング・デバイスとして差し支えないが、ネットワーク接続クラスタにおいて1つのデバイスとして動作するサーバの集合体のような、同じ種類の複数のデバイスで構成することもでき、または1つのコンピュータとして動作し、通信ネットワークによって一緒にリンクされる異なるコンピューティング・デバイスの異質な組み合わせで構成することもできる。また、コンピュータに接続される通信ネットワークは、インターネットのような、もっと広いネットワークに接続することもできる。このように、コンピュータは、1つ以上の物理プロセッサまたは他のコンピューティング・デバイスもしくは回路を含むことができ、更に任意の適した形式のメモリも含むことができる。
【0117】
また、コンピュータは、未知の数または変動する数の物理プロセッサおよびメモリまたはメモリ・デバイスを有する、仮想コンピューティング・プラットフォームでもよい。つまり、コンピュータは、物理的に、1つの地理的場所に位置してもよく、または様々な広く散在する場所全域に物理的に拡散され、複数のプロセッサが、1つのコンピュータとして動作するために、通信ネットワークによって一緒にリンクされてもよい。
【0118】
「コンピュータ」およびコンピュータまたはコンピューティング・デバイス内における「プロセッサ」の概念は、開示するシステムの一部として計算または比較を行うように機能する(serve)、任意のこのようなプロセッサまたはコンピューティング・デバイスも包含する。閾値比較、規則比較、計算等に関係する処理動作は、コンピュータ内で行われ、例えば、別個のサーバ、別個のプロセッサを有する同じサーバ、または、先に説明したように、未知数の物理プロセッサを有する仮想コンピューティング環境において行うことができる。
【0119】
コンピュータは、随意に、1つ以上の視覚ディスプレイに結合することができ、および/または一体化された視覚ディスプレイを含むこともできる。同様に、ディスプレイは、同じ種類でも、異なる視覚デバイスの異質な組み合わせでもよい。また、コンピュータは、いくつかの代表的な例をあげると、キーボード、マウス、タッチ・スクリーン、レーザもしくは赤外線ポインティング・デバイス、またはジャイロスコープ型ポインティング・デバイスというような、1つ以上の操作者入力デバイスを含むこともできる。また、ディスプレイ以外にも、プリンタ、プロッタ、産業用製造機械、3Dプリンタ等のような、1つ以上の他の出力デバイスも含めることができる。したがって、種々のディスプレイ、入力および出力デバイスの配置も可能である。
【0120】
通信ネットワークを形成するために、有線またはワイヤレス通信リンクを介して、互いにまたは他のデバイスと通信するために、複数のコンピュータまたはコンピューティング・デバイスを構成することができる。ネットワーク通信は、交換機、ルータ、ファイヤウォール、または他のネットワーク・デバイスもしくはインターフェースというような、ネットワーク・アプライアンスとして動作する種々のコンピュータを通過した後、インターネットのような他のもっと大きいコンピュータ・ネットワークを通過することができる。また、ワイヤレス・データ送信は、送信線または自由空間を通って電磁波上を搬送されるので、通信ネットワークを通じて通信を通過させることもできる。このような通信は、WiFiまたは他のワイヤレス・ローカル・エリア・ネットワーク(WLAN)もしくはセルラ送信機/受信機を使用してデータを転送することを含む。このような信号は、802.11a/b/g/n、3G、4G等のような、複数のワイヤレスまたは移動体電気通信技術規格のいずれかに準拠する。
【0121】
「通信リンク」(communication link)は、通常、2つ以上の通信エンティティ間における接続を指し、通信エンティティ間の通信チャネルを含んでも、含まなくてもよい。通信エンティティ間の通信は、任意の適した手段によって行うことができる。例えば、接続は、実際の物理リンク、電気リンク、電磁リンク、論理リンク、または通信を容易にする任意の他の適した連結(linkage)として実施することができる。
【0122】
実際の物理リンクの場合、通信は、1つのエレメントの他方に対する物理的移動によって互いに応答するように構成された、通信リンク内の複数のコンポーネントによって行うことができる。電気リンクの場合、通信リンクは、通信リンクを形成するために電気的に接続された複数の導電体によって構成することができる。
【0123】
電磁リンクの場合、接続は、任意の適した周波数で電磁エネルギを送信または受信することによって実施することができ、こうして通信が電磁波として通過することを可能にする。これらの電磁波は、光ファイバのような物理媒体、または自由空間、もしくはこれらの任意の組み合わせを通過しても、しなくてもよい。電磁波は、電磁スペクトルにおける任意の周波数を含む、任意の適した周波数で通過させることができる。
【0124】
論理リンクの場合、通信リンクは、受信局における送信局のような、発信元と受信先との間の概念的連結(conceptual linkage)としてもよい。論理リンクは、物理、電気、電磁、または他の種類の通信リンクの任意の組み合わせを含むことができる。
【0125】
「電気的に接続される」(electrically connected)は、通常、2つの物体間に電気を流す、または2つの物体を通過するように電気を流すことを可能にする、2つの物体の構成を指す。一例では、2つの導電体を物理的に互いに隣接させ、電気がこれらの間を通過するように、十分に互いに密接させる。他の例では、2つの導電体を物理的に接触させ、これらの間に電気を流させる。
【0126】
「電磁放射線」(electromagnetic radiation)または「放射線」(radiation)は、通常、電磁スペクトル内の任意の周波数または波長において電磁波によって放射されたエネルギを指す。電磁放射線は、他の種類のエネルギから生成され、それが破壊されると、他の種類に変換される。電磁放射線は、その発生源から離れるように光速で(真空内)進行しつつ、そのエネルギを搬送する。また、電磁放射線は、運動量および角運動量の双方も搬送する。これらの属性は、電磁放射線がその発生源から離れるように外側に向けて移動するにつれて、電磁放射線が相互作用する物体(matter)に、全て分与されることもある。
【0127】
電磁放射線は、1つの媒体から他の媒体に移るにつれて、速度が変化する。1つの媒体から次の媒体に遷移するとき、新たな媒体の物理的属性が、放射されたエネルギの一部または全てを反射させることができ、一方残りのエネルギは新たな媒体に侵入する。これは、電磁放射線が進行するにつれて遭遇する媒体間のあらゆる接合部において発生する。
【0128】
光子は、電磁相互作用の量子(quantum)であり、電磁放射線の全ての形態の基本構成要素である。光の量子性(quantum nature)は、高い周波数において一層明らかになる。何故なら、電磁放射線は、その周波数が高くなる程、粒子のように振る舞い、波のように振る舞わないからである。
【0129】
「電磁スペクトル」は、通常、電磁放射線の全ての可能な周波数の範囲を指す。電磁スペクトルは、通常、周波数およびエネルギが低い順、ならびに波長が長い順に、次のように分類される。
【0130】
「極低周波」(ELF)は、通常、周波数が約3から約30Hz、波長が約100,000から10,000kmまでの帯域を示す(designate)。
【0131】
「長低周波」(SLF)は、通常、周波数が大まかに約30Hzから約300Hzに及び、波長が約10,000から約1000kmまでの帯域を示す。
【0132】
「音声周波数」(voice frequency)または「音声帯域」(voice band)は、通常、人間の耳に聴取可能な電磁エネルギを示す。成人男性は、通常、約85および約180Hzの間の範囲で話し、一方成人女性は、通常、約165から約255Hzまでの範囲で会話する。
【0133】
「超長波」(VLF:very low frequency)は、通常、周波数が約3kHzから約30kHzまで、対応する波長が約10から約100kmまでの帯域を示す。
【0134】
「長波」(LF)は、通常、周波数が約30kHzから約300kHz、波長範囲が約1から約10kmまでの帯域を示す。
【0135】
「中波」(MF)は、通常、周波数が約300kHzから約3MHzまで、波長が約1000から約100mまでの帯域を示す。
【0136】
「短波」(HF)は、通常、周波数が約3MHzから約30MHzまでで、約100mから約10mまでの波長を有する帯域を示す。
【0137】
「超短波」(VHF)は、通常、周波数が約30Hzから約300MHzまで、波長が約10mから約1mまでの帯域を示す。
【0138】
「極超短波」(UHF)は、通常、周波数が約300MHzから約3GHzまで、重量波長(weight wavelength)が約1mから約10cmまでに及ぶ帯域を示す。
【0139】
「マイクロ波」(SHF:super high frequency)は、通常、周波数が約3GHzから約30GHzまで、波長が約10cmから約1cmまでに及ぶ帯域を示す。
【0140】
「ミリ波」(EHF:extremely high frequency)は、通常、周波数が約30GHzから約300GHzまで、波長が約1cmから約1mmまでに及ぶ帯域を示す。
【0141】
「遠赤外線」(FIR)は、通常、周波数が約300GNzから約20THzまで、波長が約1mmから約15μmまでに及ぶ帯域を示す。
【0142】
「長波長赤外線」(LWIR)は、通常、周波数が約20THzから約37THzまで、波長が約15μmから約8μmに及ぶ帯域を示す。
「中赤外線」(MIR)は、通常、周波数が約37THzから約100THzまで、波長が約8μmから約3μmまでの帯域を示す。
【0143】
「短波長赤外線」(SWIR)は、通常、周波数が約100HTzから約214THzまで、波長が約3μmから約1.4μmまでの帯域を示す。
【0144】
「近赤外線」(NIR)は、通常、周波数が約214THzから約400THzまで、波長が約1.4μmから約750nmまでの帯域を示す。
【0145】
「可視光」(Visible light)は、通常、周波数が約400THzから約750THzまで、波長が約750nmから約400nmまでの帯域を示す。
【0146】
「近紫外線」(NUV)は、通常、周波数が約750THzから約1PHzまで、波長が約400nmから約300nmまでの帯域を示す。
【0147】
「中紫外線」(MUV)は、通常、周波数が約1PHzから約1.5PHz、波長が約300nmから約200nmまでの帯域を示す。
【0148】
「遠紫外線」(FUV)は、通常、周波数が約1.5PHzから約2.48PHzまで、波長が約200nmから約122nmまでの帯域を示す。
【0149】
「超紫外線」(EUV)は、通常、周波数が約2.48PHzから約30PHzまで、波長が約121nmから約10nmまでの帯域を示す。
【0150】
「軟X線」(SX)は、通常、周波数が約30PHzから約3EHzまで、波長が約10nmから約100pmまでの帯域を示す。
【0151】
「硬X線」(HX)は、通常、周波数が約3EHzから約30EHzまで、波長が約100pmから約10pmまでの帯域を示す。
【0152】
「ガンマ線」(gamma rays)は、通常、周波数が約30EHzより高く、波長が約10pm未満の帯域を示す。
【0153】
「電磁波」(electromagnetic waves)は、通常、別々の電気および磁気成分を有する波を指す。電磁波の電気および磁気成分は、同相で発振し、常に90度の角度だけ離れている。電磁波は、発生源から放射して、媒体または真空を通過することができる電磁放射線を発生することができる。電磁波は、無線波、可視および不可視光、X線、およびガンマ線を含むが、これらに限定されない電磁スペクトル内にある任意の周波数で発振する波を含む。
【0154】
「透視装置」(fluoroscopes)は、通常、通過光線が衝突すると発光する蛍光体を含む表面を電磁エネルギが通過することによって形成される画像をリアル・タイムで見るために使用される計器(instrument)を指す。このように、電磁エネルギを透過させながらリアル・タイムで見るために、見えない電磁エネルギを視認可能にすることができる。つまり、不可視放射線が可視光になる。
【0155】
「透視法」(fluoroscopy)は、通常、デバイス(透視装置、または電子検出器のような)を使用して、物体の近くを通る電磁エネルギまたは物体を通過する電磁エネルギを取り込み、リアル・タイムの移動画像を生成する撮像技法を指す。医療用撮像では、透視装置は、被験者の内部構造および機能(function)がリアル・タイムで現れるのを、医師が見ることを可能にする。これは、診断および治療の双方に有用であり、医療の多くの分野において行われる。一例では、透視装置は、X線源と、蛍光画面とから成り、その間に被験者が置かれる。画像の視認性を高め、離れた表示画面上でも利用できるようにするために、X線画像増感器およびカメラも使用してもよい。電磁エネルギを検出し、移動画像を生成するためには、透視装置ではなく、電子検出器を使用してもよい。透視装置を使用しないが、この手順も透視法と呼んでもよい。
【0156】
電離放射線の形態でX線を使用するには、この手順からの潜在的な危険性を、この手順によって被験者にもたらされる利点と注意深く均衡させる必要がある。一時的なパルスの代わりに、連続的なX線源に被験者を被曝させなければならないので、透視法の手順は、一般に、通常の(静止)放射線写真よりも高い放射線の吸収線量に、被験者を晒す(subject)ことになる。健康管理、身体の安全、食の安全、非破壊検査、および科学的研究というような重要な用途だけが、使用に対するリスク-ベネフィット閾値を満たす。透視法は、隠された武器または爆弾を検査するために、飛行場のセキュリティ・スキャナにおいても使用される。これらの機械は、医療用透視法よりも低い放射線線量を使用する。医療用途における方が線量が高い理由は、組織のコントラストに関して高線量が一層求められているからであり、同じ理由のために、造影剤が必要になる場合もある。
【0157】
「下部」(lower segment)は、通常、恥骨結合から足底面までの距離を指し、総身長に対する「下肢」の寄与を表す。出生時では、通常の上部対下部比は1.7:1である。脚部の方が体幹よりも急速に成長し、10歳までに上部および下部は等しくなり、成人になってもそのままとなる。
【0158】
「医療用撮像用途」(medical imaging application)は、通常、撮像が望まれると言って差し支えない、任意の医療手順または医療状態を指す。非限定的な例として、医療用撮像用途には、介入疼痛(interventional pain)、一般的な外科手術、心臓病、整形外科、透視検査、または脳神経外科を含むことができる。
【0159】
「メモリ」(memory)は、通常、データまたは情報を保持するように構成された任意の記憶システムまたはデバイスを指す。各メモリは、いくつかあげると、1つ以上の種類のソリッド・ステート電子メモリ、磁気メモリ、または光メモリを含むことができる。非限定的な例として、各メモリは、ソリッド・ステート電子ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、連続アクセス可能メモリ(SAM)(数々の先入れ、先出し(FIFO)型、または数々の後入れ先出し(LIFO)型のような)、プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(PROM)、電子的プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EPROM)、または電子的消去可能プログラマブル・リード・オンリ・メモリ(EEPROM)、光ディスク・メモリ(DVDまたはCD ROMのような)、磁気エンコード・ハード・ディスク、フロッピ・ディスク、テープ、またはカートリッジ媒体、あるいはこれらのメモリの種類のいずれかの組み合わせを含むことができる。また、各メモリは、揮発性、不揮発性、または数々の揮発性および不揮発性の混成複合体(hybrid combination)でもよい。
【0160】
「中上腕」(mid-upper arm)は、通常、肩峰突起と肘頭突起との間のほぼ中点を指す。上腕周囲径は、上腕筋周囲径を計算するために使用することができる。30パーセンタイル未満の筋肉周囲径は、重度のタンパク質貯蔵量枯渇を示唆する場合もある。
【0161】
「多数」(multiple)は、本明細書において使用する場合、「複数」という用語と同義であり、1つよりも多いこと、また延いては2つ以上を指す。
【0162】
「随意に」(optionally)は、本明細書において使用する場合、「任意の」(discretionary)、必要でない、可能であるが義務でない、人の選択に委ねることを意味する。
【0163】
「動作設定値モジュール」(operating settings module)は、通常、入力を受け入れ、この入力を使用して、見ることができる画像を生成するために、撮像デバイスの動作設定値を計算することができるソフトウェアを指す。動作設定値モジュールによって受け入れられる入力は、任意のデータ、記述(description)、または撮像システムの動作設定値を最適化するために使用することができる他の形態の情報であってもよい。動作設定値モジュールは、入力を過去のデータと比較することによって、または読み取り可能な画像を生成する動作設定値を決定する任意の他の適した方法によって、方程式または1組の方程式を使用して、動作設定値を計算することができる。
【0164】
「光ファイバ」(optical fiber)は、通常、実質的に透明な媒体を含む細長い導管を有する電磁導波路を指し、電磁エネルギがこの導管の長軸を横断する際に、この実質的に透明な媒体を通過する。電磁放射線が導管を横断するとき、電磁放射線の全内反射によって、電磁放射線を導管内に保持することができる。全内反射は、通常、実質的に透明なコアと、コアよりも小さい屈折率を有し、これを包囲する第2の実質的に透明な被覆材料とを含む光ファイバを使用して、達成される。
【0165】
光ファイバは、通常、導電性でないが実質的に透明な誘電体材料で作られる。このような材料は、シリカ、フッ化物ガラス、リン酸塩ガラス、カルコゲン化物ガラスのような押出ガラス、または種々の種類のプラスチックのようなポリマー材料、または他の適した材料の任意の組み合わせを含んでも、含まなくてもよく、任意の適した断面形状、長さ、または寸法で構成することができる。光ファイバをうまく通過させることができる電磁エネルギの例には、電磁スペクトルの近赤外線、中赤外線、および可視光部分における電磁波が含まれるが、任意の適した周波数の電磁エネルギを使用することができる。
【0166】
「プロセッサ」は、通常、入力を処理して出力を生成するように構成またはプログラミングされた1つのユニットとして動作するように構成された1つ以上の電子コンポーネントを指す。あるいは、マルチコンポーネント形態の場合では、プロセッサは、他に対して離れて位置する1つ以上のコンポーネントを有するのでもよい。各プロセッサの1つ以上のコンポーネントは、デジタル回路、アナログ回路、または双方を定める数々の電子コンポーネントでよい。一例では、各プロセッサは、米国95052、カリフォルニア州、サンタ・クララ、Mission College Boulevard2200のINTEL Corporationによって供給される1つ以上のPENTIUM(登録商標)、i3、i5、またはi7プロセッサのような、従来の集積回路マイクロプロセッサ構成を本質的に有する。
【0167】
プロセッサの他の例に、特定用途集積回路(ASIC)がある。ASICは、特定の一連の論理演算を実行するようにカスタム化された集積回路(IC)であり、特定のタスクまたは機能を実行するようにコンピュータを制御する。ASICは、汎用に構成されたプロセッサではなく、特殊目的コンピュータ用のプロセッサの一例である。特定用途集積回路は、一般に、他の機能を実行するようにプログラミングし直すことができず、それが製造されるときに1回だけプログラミングすることができる。
【0168】
他の例では、プロセッサには、「フィールド・プログラマブル」型であることを特徴とするものもある。このようなプロセッサは、「現場において」複数回プログラミングし、これらが製造された後でも、種々の特殊機能または汎用機能を実行することができる。フィールド・プログラマブル・プロセッサは、プロセッサにおける集積回路において、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)を含むこともできる。FPGAは、特定の一連の命令を実行するようにプログラミングすることができ、この特定の一連の命令は、FPGA内の不揮発性メモリ・セルに保持することができる。FPGAは、顧客または設計者によって、ハードウェア記述言語(HDL)を使用して構成することもできる。FPGAは、新たな1組のコマンドまたは動作命令を実装するために、FPGAを構成し直すように、他のコンピュータを使用してプログラミングし直すことができる。このような動作は、プロセッサ回路に対するファームウェア・アップグレードによってというようにして、任意の適した手段で実行することができる。
【0169】
コンピュータの概念が1つの場所における1つの物理デバイスに限定されないのと丁度同じように、「プロセッサ」の概念も1つの物理的論理回路または回路のパッケージに限定されるのではなく、多数の物理的位置における複数のコンピュータ内に、または複数のコンピュータに跨がって収容されることが可能な1つ以上のこのような回路もしくは回路パッケージも含む。仮想コンピューティング環境では、未知数の物理プロセッサが能動的にデータを処理することもでき、未知数はときの経過と共に自動的に変化してもよい。
【0170】
「プロセッサ」の概念には、閾値比較を行う、規則比較を行う、計算を行う、または規則をデータに適用して論理的結果(例えば、「真」または「偽」)を得る論理演算を実行するように構成またはプログラミングされたデバイスを含む。処理アクティビティは、別個のプロセッサ上における複数の単独プロセッサにおいて、別個のプロセッサを有する1つのサーバにおける複数のプロセッサ上において、または別個のコンピューティング・デバイスにおいて互いに物理的に離れた複数のプロセッサ上において実行することもできる。
【0171】
「放射線撮影」は、通常、電磁波(例えば、X線)を使用して物体の画像を形成する(create)撮像技法を指す。一例では、放射線撮影は、不透明な物体の内部構造を見るために使用され、X線発生器によってX線のビームを生成し、物体に向けて投射する。この物体の密度および構造的組成に応じて、特定量のX線がこの物体によって吸収される。物体を通過したX線は、物体の背後において、検出器(写真フィルムによってまたはデジタル検出器によってというようにして)によって取り込むことができる。この技法による平面二次元画像の生成は、「投射放射線撮影」(projectional radiography)と呼ばれることもある。コンピュータ断層撮影(CT)スキャニングは、放射線撮影の一例であり、異なる角度からの複数の二次元画像が、コンピュータ処理を受けて、三次元表現を生成する。
【0172】
他の例では、物体から反射した電磁エネルギを検出し、画像を形成することによって、画像を生成することができる。この技法は、X線のコンプトン散乱効果である、電離放射線の一形態を基本にすることができる。物体を通過したX線を検出する代わりに、「後方散乱X線検出」は、主に、物体から反射した放射線を検出して画像を形成することを基本とする。検出される後方散乱パターンは、一般に、物体の材料属性によって異なり、有機材料を撮像するために使用されることが多い。
【0173】
放射線撮影の用途には、放射線写真撮影(radiographic photography)(静止画像)、被験者の透視法(リアル・タイム画像)を含む医療用(または「診断用」)放射線撮影が含まれる。他の使用には、製造された物体の内部組成を判定するための工業用放射線撮影、および飛行場のセキュリティが含まれ、飛行場では、身体スキャナが、後方散乱X線検出を使用して、乗客の画像を形成することができる。
【0174】
「受信する」(receive)は、通常、転送(transfer)、通信、伝達、中継、発送、または回送(forward)された何かを受け入れることを意味する。この概念は、何かが送信元エンティティから到達するのを待ち受ける(listen for)または待つ行為を含んでも、含まなくてもよい。例えば、誰または何が送信したのかについての知識がなくても、送信を受信することができる。同様に、誰または何が受信するのかについての知識があっても、なくても、送信を送ることができる。「受信する」は、電磁スペクトルにおける任意の適した周波数で電磁エネルギを取り込むまたは得る行為を含むことができるが、これに限定されるのではない。受信は、電磁放射線を検知することによって、行うことができる。電磁放射線の検知は、ワイヤまたは光ファイバのような媒体を通過する、あるいは媒体から移動するエネルギ波を検出することを伴うとしてもよい。受信には、信号、データグラム、パケット等のような、種々の型のアナログまたは二進データを定めることができるデジタル信号を受信することが含まれる。
【0175】
「皮下脂肪厚」(skinfold thickness)は、通常、皮下脂肪の測定値を指し、総肥満を推定するために使用される。この測定値は、例えば、上腕において計測することができる。男性では23mmよりも大きい値、女性では30mmよりも大きい値によって、肥満を示すことができる。30パーセンタイル未満の値によって、重度のエネルギ貯蔵量枯渇を示すことができる。
【0176】
「線源線量率」(SDR:source dose rate):通常、被験者に送達される線量率を指し、更に、被験者および傍観者の双方に対する最大の潜在的線量率被曝(dose rate exposure)となる。
【0177】
「線源線量散乱」(SDS:source dose scatter):経時的な線源線量率、およびSDRからの距離として定義される。
【0178】
「送信する」(transmit)は、通常、何かを転送する、通信する、伝達する、中継する、発送する、または回送することを意味する。この概念は、何かを送信元エンティティから受信先エンティティに伝える行為を含んでも、含まなくてもよい。例えば、誰または何が送信したのかについての知識がなくても、送信を受信することができる。同様に、誰または何が受信するのかについての知識があっても、なくても、送信を送ることができる。「送信する」は、電磁スペクトルにおける任意の適した周波数で電磁エネルギを送るまたはブロードキャストする行為を含むことができるが、これに限定されるのではない。送信は、データグラム、パケット等のような、種々の型の二進データを定めることができるデジタル信号を含むことができる。また、送信はアナログ信号も含むことができる。
【0179】
「体幹または上部」(trunk or upper segment)は、通常、恥骨結合から頭頂部までの距離を指す。
【0180】
「ユーザ・インターフェース」(user interface)は、通常、ユーザおよびデバイスまたはコンピュータ・プログラムが、具体的には、入力デバイスおよびソフトウェアの使用を調整することによって、相互作用する手段を提供する、デバイスまたはコンピュータ・プログラムの態様を指す。ユーザ・インターフェースは、デバイスまたはコンピュータ上で実行するソフトウェアが、ディスプレイ・デバイスを使用して、画像、テキスト、グラフィクス等を提示し、ユーザにとって意味がある出力を提示し、出力のグラフィック表示と併せてユーザから入力を受け入れることができることから、本質的に「グラフィカル」(graphical)であると言うことができる。他の例では、ユーザ・インターフェースは、光、LED、7セグメント・ディスプレイ、LCDディスプレイ、物理ボタン、スイッチ、レバー、出力をユーザに供給し入力を受け入れる他のデバイスを含むことができる。
【国際調査報告】