(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】バッファボックスを備えた真空排水システム
(51)【国際特許分類】
E03F 1/00 20060101AFI20240219BHJP
F25D 21/14 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
E03F1/00 Z
F25D21/14 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548298
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-21
(86)【国際出願番号】 FI2022050122
(87)【国際公開番号】W WO2022180308
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509003209
【氏名又は名称】エバック オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】モンソン、ティモシー ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】ウェールズ、マシュー エイ.
【テーマコード(参考)】
2D063
3L048
【Fターム(参考)】
2D063AA00
3L048AA07
3L048CB02
3L048CC05
3L048GA02
(57)【要約】
本発明は、真空排水システムのバッファボックスに関するものである。真空排水システムは、バッファボックス(10)と、真空排水配管と、少なくとも1つの回収分岐路と、ポンプとを備え、バッファボックス(10)は、外側フレーム構造として、側壁部(21、22)、端壁部(23、24)、頂壁部(25)、および底壁部(26)を備え、少なくとも1つの入口(13)および出口(14)をさらに備え、少なくとも1つの回収分岐路は、真空排水システムに、およびバッファボックス(10)の出口(14)に接続され、回収分岐路の各々は、吸引弁を備え、ポンプは、真空排水配管に接続され、真空排水配管内に負圧を生成するように構成される。バッファボックス(10)は、主区画(11)と、吸引出口(16)を備えた吸引区画(12)とを含む、少なくとも2つの区画を備える。主区画(11)と吸引区画(12)との間にバッフル(15)が配置される。バッフル(15)は、頂壁部(25)から底壁部(26)に向かって延在し、バッフル開口部が主区画(11)と吸引区画(12)との間に形成されるように、底壁部(26)から距離を置いて配置される。バッフル(15)は、主区画(11)内の液体の上の空気が吸引区画(12)に入るのを防ぐように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空排水システム(50)のバッファボックスであって、前記真空排水システム(50)は、
前記バッファボックス(10)と、
真空排水配管(41)と、
少なくとも1つの回収分岐路(38)と、
ポンプ(48)と、
を備え、
前記バッファボックス(10)は、外側フレーム構造として、側壁部(21、22)、端壁部(23、24)、頂壁部(25)および底壁部(26)を備え、少なくとも1つの入口(13)および出口(14)をさらに備え、
前記少なくとも1つの回収分岐路(38)は、前記真空排水システム(41)に、および前記バッファボックス(10)の出口(14)に接続され、前記回収分岐路(38)の各々が吸引弁(42)を備え、
前記ポンプ(48)は、前記真空排水配管(41)に接続され、前記真空排水配管(41)内に負圧を生成するように構成されている、前記バッファボックスにおいて、
前記バッファボックス(10)は、主区画(11)と、吸引出口(16)を備えた吸引区画(12)とを含む、少なくとも2つの区画を備え、
前記主区画(11)と前記吸引区画(12)との間にバッフル(15)が配置され、
前記バッフル(15)は、前記頂壁部(25)から前記底壁部(26)に向かって延在し、バッフル開口部(15A)が前記主区画(11)と前記吸引区画(12)との間に形成されるように、前記底壁部(26)から距離を置いて配置され、
前記バッフル(15)は、前記主区画(11)内の液体の上の空気が前記吸引区画(12)に入ることを防ぐように構成されていることを特徴とする、バッファボックス。
【請求項2】
前記バッファボックス(10)は低く、前記バッファボックスの高さは、温度制御キャビネットの下に配置されたときに、地表面から前記温度制御キャビネットの排水口までの隙間に応じて、排水を受けるのに十分な高さ、通常は50mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のバッファボックス。
【請求項3】
前記吸引区画(12)は、前記バッファボックス(10)の前記主区画(11)から液体が出る前に、測定された量の空気を前記出口(14)に送るように構成された事前曝気ポート(17)を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載のバッファボックス。
【請求項4】
前記吸引区画(12)は、前記主区画(11)から前記吸引区画(12)まで前記バッフル開口部(15A)に沿って吸引力を提供することによって、前記吸引区画(12)内に真空を生成することによって、前記事前曝気ポート(17)を介して前記吸引区画(12)から空気を除去することによって集められた液体を前記主区画(11)の内部から前記主区画(11)を空にすることを加速するように構成されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のバッファボックス。
【請求項5】
前記バッフル開口部(15A)の面積は、前記バッファボックス出口(14)の流れ面積およびバッファボックスの幅に正比例して存在し、有利には前記バッフル開口部(15A)の面積は、前記ボックス出口(14)に対して少なくとも1:1の比率であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のバッファボックス。
【請求項6】
前記バッファボックス(10)は、空気圧ヘッド圧力室(19)を備え、前記バッファボックス(10)内の前記主区画(11)から前記吸引区画(12)への流れが、前記空気圧ヘッド圧力室(19)に破片が入らないように構成されることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のバッファボックス。
【請求項7】
前記バッファボックス(10)は、前記バッファボックスの容量および出口流路面積に比例する突然の持続的な急増する流れに耐えるように構成されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のバッファボックス。
【請求項8】
前記バッファボックス(10)は、吸引室通気口(18)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のバッファボックス。
【請求項9】
前記バッファボックス(10)は、ヘッド圧力ポート(20)をさらに備えることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のバッファボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広く言えば、真空排水システムに関するものである。詳細には、本発明は、独立請求項1の前文部分に記載された真空排水システムのバッファボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食料品店、スーパーマーケットなど、および学校、食堂、カフェテリアなどの施設向けケータリングサービスにおいて、冷温(すなわち、通常は+8℃未満の温度)用の温度制御キャビネットが、低温で保管しなければならない、例えば、食品、飲料などの製品用に、および使用者または顧客が食料品およびその他の冷蔵または冷凍品にキャビネットからアクセスできるようにするために使用されることが従来技術から知られている。これらのキャビネットは、通常は、フレーム構造(支持構造、上部構造、下部構造、壁部構造)から構成され、少なくとも1つのドアを備えているか、またはドアなしで、顧客が製品にアクセスするための少なくとも1つの部分的に開放した壁部を備えている。フレーム構造は、冷蔵または冷凍製品用の棚および/または他の構造を備える少なくとも1つの製品空間を取り囲む。従来技術から、底部構造の一部として、リザーバを形成するベース構造が使用されることが知られている。リザーバは、あらゆる凝縮水分を制御可能に回収するために使用され、通常は凝縮水分を除去するための排水手段が設けられる。排水手段は、通常は、回収された凝縮水分をリザーバから除去するための配管を備える。また、キャビネットが設置されている部屋の床とキャビネットの底壁部との間に残された空間内に、キャビネットとは別個の構造として凝縮水分を回収するためのリザーバを配置することも知られている。従来技術から、真空排水システムが凝縮水分を除去するための排水手段として使用されることが知られている。
【0003】
特許文献1には、冷凍冷却ユニットからの霜取り凝縮水を下に蓄積し、排出するためのシステムが開示されており、その際、水排出ユニットの各々は、ドッキングステーションと、ドッキングステーション内にスライド可能に設けられる水収集トレイとを含み、これにより各々のユニットは、冷凍ユニットと、冷凍ユニットが配置される床との間に適合するように特注され、これによりドッキングステーションは、上方に突出するガイド部材と、ドッキングステーション内でトレイをガイドし位置決めするための端部ストッパとを含み、ドッキングステーションの端部には、端部ストッパの間に、その外端でシステムの鉛直配管に密閉可能に接続される吸引パイプ接続部が設けられている。
【0004】
特許文献2には、部分真空圧下に維持される排水パイプと、排水パイプへのアクセスを選択的に制御するための吸引弁と、廃液源からの廃液を回収するように適合された入口を有する回収パイプとを有する真空回収システムで使用するためのバッファボックスが開示されている。バッファボックスは、ベースと、ベースから上方に延在する側壁部と、ベース、側壁部、およびカバーの内部がリザーバを画定するように側壁部に取り付けられたカバーと、回収パイプとリザーバとの間を流体連通する入口と、側壁部内に形成され、吸引弁と流体連通するように適合された出口と、バッファボックスと一体的に設けられ、リザーバと大気との間を流体連通する吸気オリフィスとを備え、リザーバに溜まった廃液は、吸引弁が開位置に作動したときに、排水パイプに輸送される。このバッファボックスにより、真空排水システム内の凝縮水の効果的な輸送が実現される。このバッファボックスは、空気圧ヘッド圧力感知ポートを使用して、測定された量の水を収容および輸送するように設計されている。圧力ヘッド感知ポートは、バッファボックスの内容物を除去するために開く排出弁に真空源を接続する空気圧アクティベータに接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2018/174719号
【特許文献2】米国特許第6467497号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、低温用温度制御キャビネットの設計変更により、低温用温度制御キャビネットを設置する部屋の床とキャビネットの底壁部との間に残される空間の高さが低くなり、したがって、場合によってはリザーバを収容するための床の凹みを設けることが必要になったり、他の場合には凝縮物を回収して、現在はキャビネットの上部など他の場所にあるリザーバへそれを輸送するための補助的なポンプシステムを、真空排水システムと接続するために提供することが必要になったりするため、凝縮水分を回収するためのリザーバの高さを低くして再設計する必要がある。
【0007】
バッファボックスの高さの減少は、流体の上部に空気が蓄積することによる不利益を引き起こす可能性があり、そのほとんどは、バッファボックスの出口から真空排水システムのライザーに向かう途中で流体の上部を通過するだけである。これにより、真空排水システムの機能、特にバッファボックスの取り外し機能にさらに困難が生じる可能性がある。
【0008】
本発明の1つの目的は、真空排水システム用の従来技術のバッファボックスの上記の問題および欠点を解消するか、または少なくとも最小限に抑えることである。
【0009】
本発明の特定の目的は、流体の上部に溜まる空気に関する欠点および問題が解消されるか、または少なくとも最小限に抑えられる、高さが低いバッファボックスを作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の目的および後述の目的を達成するために、本発明に係る真空排水システムのバッファボックスは、主に、請求項1の特徴部分に提示された内容によって特徴付けられる。本発明の有利な構成は、従属請求項で定義される。
【0011】
本発明によれば、真空排水システムのバッファボックスであって、真空排水システムが、外側フレーム構造として、側壁部、端壁部、頂壁部、底壁部を備え、入口と出口をさらに備えるバッファボックスを備える。真空排水システムは、真空排水配管と、真空排水システムに、およびバッファボックスの出口に接続された少なくとも1つの回収分岐路とを備え、回収分岐路の各々は、吸引弁と、ポンプとを備え、ポンプは、真空排水配管に接続され、真空排水配管内に負圧を生成するように構成され、バッファボックスは、主区画と、吸引出口を備えた吸引区画とを備え、主区画と吸引区画との間にバッフルが配置され、バッフルは、頂壁部から底壁部に向かって延在し、バッフル開口部が主区画と吸引区画との間に形成されるように、底壁部から距離を置いて配置され、バッフルは、主区画内の液体の上の空気が吸引区画に入るのを防ぐように構成される。本発明の有利な一態様によれば、真空排水システムは、貯留タンクを備え、真空排水配管は、貯留タンクに接続されるか、または別の有利な一態様によれば、真空排水システムは、ポンプを備え、真空排水配管は、真空輸送配管に直接接続されたポンプを経由するか、または下水道への排水管へ直接つながる。
【0012】
本発明の有利な構成によれば、バッファボックスは低く、バッファボックスの高さは、温度制御キャビネットの下に配置されたときに、地表面から温度制御キャビネットの排水口までの隙間に応じて、排水を受けるのに十分な高さ、典型的には50mm以下である。
【0013】
本発明の有利な構成によれば、吸引区画は、バッファボックスの主区画から液体が出る前に、測定された量の空気を出口に送るように構成された事前曝気ポートを備える。
【0014】
本発明の有利な構成によれば、吸引区画は、主区画から吸引区画までバッフル開口部に沿って吸引力を提供することによって、吸引区画内に真空を生成することによって、事前曝気ポートを介して吸引区画から空気を除去することによって集められた液体を主区画の内部から主区画を空にすることを加速するように構成される。
【0015】
本発明の有利な構成によれば、バッフル開口部の面積は、バッファボックス出口の流れ面積およびバッファボックスの幅に正比例して存在し、有利にはバッフル開口部の面積は、ボックス出口に対して少なくとも1:1の比率である。これにより、流れの制限の可能性が有利に回避される。
【0016】
本発明の有利な特徴によれば、バッファボックスは空気圧ヘッド圧力室を備える。有利な一態様によれば、バッファボックス内の主区画から吸引区画への流れは、出口の流れの面積によって決定されるときのバッフル開口部の高さを設計することによって、空気圧ヘッド圧力室を破片(異物)の無い状態に維持するように構成され、バッファボックスの幅は、空気圧ヘッド圧力室の開口部の設定高さに等しい。この関係により、流体がバッフルの下を流れるときに、生成される流れの速度が、それに応じて設定された空気圧室の開口部を通過することが有利に保証される。
【0017】
本発明の有利な構成によれば、バッファボックスは、バッファボックスの容量および出口流路面積に比例する突然の持続的な急増する流れに耐えるように構成される。最大1Lの公称保持容量を有する本発明の一実施形態では、バッファボックスは、最大30LPMの突然の持続的な急増する流れにオーバーフローすることなく耐えるように構成される。
【0018】
本発明の有利な構成によれば、バッファボックスはさらに、吸引室通気口を備える。通気口は、主区画と吸引区画の間で回収された流体でボックスを充填する際の圧力平衡を可能にし、その後、吸引区画の排気中に事前曝気ポートに空気を供給する役割を果たす。
【0019】
本発明の有利な構成によれば、バッファボックスはさらに、ヘッド圧力ポートを備える。
【0020】
本発明の有利な一態様によれば、真空排水システムは、バッファボックスとともに使用されるように構成された空気圧作動アクティベータを備える。空気圧作動アクティベータは、公称50mm未満、有利には12~25mmの作動ヘッドを備える。
【0021】
本発明の有利な一態様によれば、真空排水システムは、バッファボックスの主区画から水が出る前に、測定された量の空気を出口に送るように構成された事前曝気ポートを備える。この曝気により、バッファボックスを真空排水配管に接続する回収分岐路の出口延長パイプ部分から滞留水を水平方向に急速に除去する。この水平パイプ部分の長さは、典型的には、最大1メートルである。
【0022】
本発明の有利な一態様によれば、真空排水システムのバッファボックスは、温度制御されたキャビネットの洗浄などのイベントによる水の急増を効率的に除去するためにバッファボックスの主区画を空にするのを加速する吸引区画を備え、事前曝気ポートを介して吸引区画から空気が除去されると、吸引区画内に真空が生成され、この真空により主区画から吸引区画までバッフル開口部に沿って吸引力が生成される。これにより、真空排水システムへの空気の流れが減少し、主区画が空になるのが加速される。バッファボックスを通る流れは、感知室(すなわち、空気圧ヘッド圧力室)も破片のない状態に保ち、バッフルの下(すなわち、バッフル開口部)の流れの速度を高めるのに役立ち、バッファボックスを清潔で柔らかい破片のない状態に保つ。
【0023】
本発明の真空排水システムの有利な一態様によれば、空気が事前曝気ポートを通して吸引区画から除去されると、吸引区画内に真空が生成される。この真空により、バッフル開口部に沿って主区画から吸引区画まで吸引力が発生する。これにより、真空排水システムへの空気の流入が減少し、主区画が空になるのが加速される。これにより、真空排水システムへの空気の流入が減り、水の排出が加速され、したがって、オーバーフローすることなく最大30LPMの突然の持続的な急増する流れに耐えるバッファボックスが提供される。したがって、バッファボックスの構成により、空気圧ヘッド圧力室の開口部の周囲とバッファボックスの底部を横切る高流量すすぎ領域も可能になる。バッファボックスの底部を横切るこの水の流れは、空気圧感知カラムの底部を横切るすすぎ作用を提供する。
【0024】
本発明は、凝縮物回収システムとして冷温用の温度制御キャビネットと接続して使用するのに特に適している。この薄型の感知・制御アプローチは、真空廃棄物排水システムの雑排水回収点として利用される床排水管およびシャワー排水管などの他の回収製品にも適用できる。
【0025】
本発明に係る真空排水システムのバッファボックスおよびその有利な構成は、空気圧感知カラムのすすぎ効果に対するメンテナンスの低減を提供する。バッファボックスはまた、空気圧感知ポートの周囲のゼリーの蓄積を低減またはさらには排除する。
【0026】
しかしながら、本発明の態様は、追加の目的およびその利点とともに、添付の図面と併せて読まれると、いくつかの例示的な実施形態の以下の説明から最も良く理解され、以下では、添付の図面を参照して本発明がより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】真空排水システムの有利な一例が概略的に示されている。
【
図2A】本発明に係るバッファボックスの外側フレーム構造の有利な一例が概略的に示されている。
【
図2B】本発明に係るバッファボックスの外側フレーム構造の有利な一例が概略的に示されている。
【
図3A】
図2A~
図2Bに係るバッファボックスの有利な例の内部構造の有利な一例が概略的に示されている。
【
図3B】
図2A~
図2Bに係るバッファボックスの有利な例の内部構造の有利な一例が概略的に示されている。
【
図3C】
図2A~
図2Bに係るバッファボックスの有利な例の内部構造の有利な一例が概略的に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この説明の過程で、本発明を説明する異なる図に係る同様の要素を識別するために同様の符号および記号が使用される。明確にするために、図では一部の符号の繰り返しが省略されている場合がある。
【0029】
図1には、貯留タンク40と、少なくとも1つの(
図1の例では2つの)回収分岐路38に接続されている、貯留タンク40に接続された真空排水配管41と、真空排水配管41によって貯留タンク40に接続されているポンプ48とを備える真空排水システム50の一例が示されている。
図1の例では、真空排水システム50は、貯留タンク40を備え、真空排水配管41は、貯留タンク40に接続されているが、その代替としては、真空排水システム50は、ポンプを備えることができ、真空排水配管41は、真空輸送配管に直接接続されたポンプ、または下水道への排水管に直接接続されたポンプを経由する。回収分岐路38の各々は、それぞれの回収分岐路38を真空排水配管41に接続する吸引弁42を備える。通常動作段階では、吸引弁42は閉じられており、ポンプ48により真空排水配管41内に負圧が発生する。したがって、回収分岐路38は、一端が吸引弁42によって真空排水配管41に接続され、他端がバッファボックス10の出口14に接続される。バッファボックス10は、冷温用の温度制御キャビネットからの液体凝縮物が導かれる入口13を有する。真空排水配管41はまた、真空排水配管41が貯留タンク40に接続する手前の位置に逆止弁44を備える。貯留タンク40はまた、下水道排水管への定期的な排出に使用される排水管43を備える。
【0030】
図2A~
図4Bには、外側フレーム構造として、側壁部21、22、端壁部23、24、頂壁部25、および底壁部26を備えるバッファボックス10の一例が示されている。側壁部21、22および端壁部23、24を有する頂壁部25は、バッファボックス10のカバーフレーム構造を形成するように構築され、底壁部26は、バッファボックス10の底部フレーム構造を形成する。バッファボックス10は、機能部分として、主区画11と吸引区画12とを備えている。主区画11と吸引区画12との間には、仕切り構造としてバッフル15が配置されている。バッフル15は、頂壁部25から底壁部26に向かって延在するが、バッフル開口部15Aが形成されるように底壁部26から距離を置いて配置される。バッフル開口部15Aの面積は、バッファボックス出口14の流れ面積およびバッファボックス10の幅に正比例して存在し、有利にはバッフル開口部15Aの面積は、バッファボックス出口14に対して少なくとも1:1の比率であることが有利である。
【0031】
バッファボックス10は、一方の端壁部23に入口13を有し、他方の端壁部24に出口14を有する。この例のバッファボックス10は、通気口およびオーバーフローとしても機能することができる代替入口27も備える。代替入口27は、入口13を密閉した状態でバッファボックス10の上部に直接排水するために使用することができるか、または排水が両方の入口に同時に入る複数の構成で使用することができる。バッファボックス10はまた、事前曝気ポート17を備えた吸引区画12からの吸引出口16、吸引室通気口18、空気圧ヘッド圧力室19、およびヘッド圧力ポート20を備える。吸引出口16は、吸引出口開口部16Aを備え、そのギャップは、バッフル開口部15Aを通過するあらゆる材料がバッファボックス出口14を通って真空回収分岐路38に入ることができるようにするために、バッフル開口部15Aよりわずかに高く設定されている。典型的には、吸引出口開口部16Aは、バッフル開口部15Aよりわずかに高く設定されるが、出口14の出口最低点よりも低いことが有利である。例えば、吸引区画12に破片が入った場合、破片は吸引出口16を通って真空排水配管41に流入する。有利には、圧力室19の開口部とバッフル開口部15Aは、洗浄目的での流れの洗浄作用を確保し、有利には名目上より高いその開口部16Aを介して吸引出口16への流れを継続するために、実質的に同一に設定される。バッファボックス10は低く、バッファボックス10の高さは、温度制御キャビネットの下に位置するときに、地表面から温度制御キャビネットの排水口までのクリアランスに応じて、排水を受けるのに十分な高さ、典型的には50mm以下である。有利には、バッファボックス10は、44.5~51mmの高さを有することができ、すなわち、底壁部26の外面と頂壁部25の外面との間の距離は、44.5~51mmであることが有利である。事前曝気ポート17は、バッファボックス10の主区画11から水が出る前に、測定された量の空気を出口14に送るように構成される。この曝気により、バッファボックス10を真空排水配管41に接続する回収分岐路の水平パイプ部分が延在する出口14から滞留水を急速に除去する。出口14から延在するこの水平パイプ部分は、典型的には、長さが最大1メートルである。
【0032】
吸引区画12は、バッファボックス10の主区画11を空にするのを加速し、事前曝気ポート17を介して吸引区画12から空気が除去され、吸引区画12内に真空が生成されるときに、急激な水の急増を効率的に除去するように構成されており、この真空は、主区画11から吸引区画12までバッフル開口部15Aに沿って吸引力を生み出す。これにより、液体の上の空気が吸引区画に入るのをバッフル15が防ぐため、真空排水システム50内への空気流が減少し、主区画11を空にするのが加速される。バッファボックス10を通る流れはまた、空気圧ヘッド圧力室19(すなわち、感知室)を破片のない状態に保ち、バッフル15の下(すなわち、バッフル開口部15A内)の流れの速度を増加させ、バッファボックス10を清浄かつ柔らかい破片のない状態に保つのに役立つ。出口14の流路面積とバッファボックス10の幅によって決まるバッフル15の高さは、空気圧ヘッド圧力室19の開口部19Aの設定高さに等しい。真空がバッフル開口部15Aに沿って主区画11から吸引区画12への吸引力を生成し、真空排水システム50(
図1)への空気流の減少による主区画11を空にするのが加速されるため、水の排出が加速される。バッファボックス10は、バッファボックスの容量と出口流路面積に比例する突然の持続的な急増する流れに耐えるように構成される。最大1Lの公称保持容量を有するバッファボックス10の一例では、バッファボックス10は、最大30LPMの突然の持続的な急増する流れにオーバーフローすることなく耐えるように構成される。したがって、バッファボックス10の構成により、空気圧ヘッド圧力室17の開口部の周囲およびバッファボックス10の底壁部26の内面を横切る高流量すすぎ領域が可能になる。バッファボックス10の底部を横切るこの水の流れは、空気圧ヘッド圧力室19の底部を横切るすすぎ作用を提供する。
【0033】
図1~
図4Cに示されるように、真空排水システム50は、吸引弁42の動作によってバッファボックス10の主区画11の液面を制御するように構成されたアクティベータ34も備える。真空排水システム50には、バッファボックス10のヘッド圧力ポート20に接続されたセンサ36が設けられている。センサ36は、空気圧ヘッド圧力室19内の圧力レベルを監視する。バッファボックス10が液体で満たされ、同時に空気が閉じ込められて圧縮されると、バッファボックス10の主区画11内の液体は、空気圧ヘッド圧力室19の下端を閉じる。したがって、液面上昇中に、空気圧ヘッド圧力室19内で閉じ込められた空気の圧力が増加し、測定された圧力レベルに基づいて、バッファボックス10の主区画11内の液面を決定することができる。アクティベータ34はまた、吸引および弁ライン37によって、それぞれの接続ライン38を介して真空排水配管41の弁42に接続される。弁42は、吸引および弁ライン37を通って輸送されるときの接続ライン38および真空排水配管41内の負圧によって、開位置と閉位置との間で機能する。したがって、アクティベータ34の設定に基づいて、設定された液面高さがセンサ36によって観察されると、アクティベータ34は、弁42が開くにつれて負圧が弁42に流れることを可能にする。バッファボックス10の主区画内の液面が、センサ36によって設定された液面に達すると、液体は、バッファボックス10の出口を介して回収分岐路38および真空排水配管41に輸送される。アクティベータ34は、弁42を開き、予め設定された期間の間、弁42を開いた位置に維持する。弁42が開位置にあるとき、負圧は、バッファボックス10内の液体に影響を与える。バッファボックス10内の液体の上の大気は、吸引室通気口18を介して圧力差を生成し、液体をバッファボックス10の出口14および回収分岐路38に押し出し、さらに真空排水配管41および同時に吸引室通気口18に押し出す。同時に、事前曝気通気口17を通って流れる空気が、バッファボックス10内に充満する。設定された時間間隔の後、吸引は、弁42によって閉じられる。真空排水配管41は、液体を貯留タンク20に導き、貯留タンク20は、排水口43を介して設定された時間間隔で空になる。真空排水配管41はまた、逆流を防止する逆止弁44も備える。
【0034】
前述の説明では、いくつかの機能が特定の構成を参照して説明されているが、それらの機能は、記載の有無にかかわらず、他の構成によって実行可能であり得る。特定の実施形態または例を参照して構成を説明したが、それらの構成は、記載の有無にかかわらず、他の実施形態または例にも存在し得る。以上、いくつかの有利な例のみを参照して本発明を説明したが、本発明はこれらに狭く限定されるものではない。以下の特許請求の範囲で定義されるような本発明内で、多くの修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0035】
10 バッファボックス
11 主区画
12 吸引区画
13 入口
14 出口
15 バッフル
15A バッフル開口部
16 吸引出口
16A 吸引出口開口部
17 事前曝気ポート
18 吸引室通気口
19 空気圧ヘッド圧力室
19A 空気圧ヘッド圧力室開口部
20 ヘッド圧力ポート
21、22 側壁部
23、24 端壁部
25 頂壁部
26 底壁部
27 代替入口
34 アクティベータ
36 センサ
37 吸引および弁ライン
38 回収分岐路
40 貯留タンク
41 真空排水配管
42 吸引弁
43 排水口
44 逆止弁
48 ポンプ
50 真空排水システム
【国際調査報告】