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特表2024-508406複数のライトガイドを有するスクリーンを備えた車両用の照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】複数のライトガイドを有するスクリーンを備えた車両用の照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/236 20180101AFI20240219BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20240219BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20240219BHJP
   F21S 43/31 20180101ALI20240219BHJP
   F21S 43/20 20180101ALI20240219BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20240219BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20240219BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240219BHJP
   F21Y 115/20 20160101ALN20240219BHJP
【FI】
F21S43/236
F21S43/249
F21V8/00 270
F21S43/31
F21S43/20
F21W103:20
F21W103:55
F21Y115:10
F21Y115:20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548760
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2022053153
(87)【国際公開番号】W WO2022171690
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】2101349
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391011607
【氏名又は名称】ヴァレオ ビジョン
【氏名又は名称原語表記】VALEO VISION
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100106655
【弁理士】
【氏名又は名称】森 秀行
(72)【発明者】
【氏名】コスタディン、ビーブ
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー、ロザノ
(72)【発明者】
【氏名】パトリス、コロ
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー、ベルジュラ
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、デュフィル
(57)【要約】
本発明は、車両(2)用の照明装置(1)であって、少なくとも1つの照明機能(F)を遂行するように構成されると共に、スクリーン(10)と、少なくとも1つの光源(11)とを備えた照明装置(1)に関するものであり、スクリーン(10)は、出光面(100)と、少なくとも1つのライトガイド(101)と、少なくとも1つのライトガイド(101)のための支持体(102)とを備えていること、および、少なくとも1つのライトガイド(101)は出光面(100)の方向へ光線(R1)を伝達するように構成され、光線(R1)は、少なくとも1つの光源(11)によって放出されて少なくとも1つのライトガイド(101)に対して結合された光線(R0)から得られ、少なくとも1つのライトガイド(101)は支持体(102)と共に射出成型されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(2)用の照明装置(1)であって、少なくとも1つの照明機能(F)を遂行するように構成されると共に、スクリーン(10)と、少なくとも1つの光源(11)とを備えた照明装置(1)において、前記スクリーン(10)は、出光面(100)と、少なくとも1つのライトガイド(101)と、前記少なくとも1つのライトガイド(101)のための支持体(102)とを備えていること、および、前記少なくとも1つのライトガイド(101)は前記出光面(100)の方向へ光線(R1)を伝達するように構成され、前記光線(R1)は、前記少なくとも1つの光源(11)によって放出されて前記少なくとも1つのライトガイド(101)に対して結合された光線(R0)から得られ、前記少なくとも1つのライトガイド(101)は前記支持体(102)と共に射出成型されていることを特徴とする照明装置(1)。
【請求項2】
前記少なくとも1つのライトガイド(101)は、矩形、半円形、台形、楕円形、または放物線形の断面を有している、請求項1記載の照明装置(1)。
【請求項3】
当該照明装置(1)は複数の光源(11)を備え、前記スクリーン(10)は複数のライトガイド(101)を備えている、請求項1および2のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項4】
各ライトガイド(101)に2つの光源(11)が関連付けられている、請求項3に記載の照明装置(1)。
【請求項5】
1つの光源(11)が複数のライトガイド(101)と関連付けられ、前記光源(11)は、当該光源(11)によって放出された光線(R0)を前記複数のライトガイド(101)に向かって導くように構成された光ファイバー(17)に対して結合されている、請求項3に記載の照明装置(1)。
【請求項6】
前記スクリーン(10)は、前記ライトガイド(101)同士の間に配置された不透明マスク(107)を更に備えている、請求項3から5のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項7】
前記スクリーン(10)の前記出光面(100)は、その外側表面を不透明、透明、および/または半透明の塗料で覆われている、請求項1から6のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのライトガイド(101)は、プリズム群もしくは粗面化加工(104)、または容積型散乱粒子群(105)を備えている、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのライトガイド(101)は、散光性塗料(106a)、または含金属塗料(106b)、または金属被覆(106c)で覆われている、請求項1から8のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つのライトガイド(101)に光ファイバー群(108)が封入されている、請求項1から9のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項11】
当該照明装置(1)は、前記少なくとも1つのライトガイド(101)に面して配置された少なくとも1つの反射体(14)もしくは少なくとも1つの散光体(14)、または内部に光源(11)の配置された少なくとも1つの反射性ハウジング(15)を更に備えている、請求項1から10のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項12】
前記スクリーン(10)の前記支持体(102)は一次屈折率(n1)を有し、前記少なくとも1つのライトガイド(101)は、前記一次屈折率(n1)よりも高い二次屈折率(n2)を有している、請求項1から11のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項13】
前記少なくとも1つの照明機能(F)は、合図機能またはスタイリング機能である、請求項1から12のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項14】
当該照明装置(1)は、前記スクリーン(10)に面して配置された外側出光レンズを更に備えている、請求項1から13のうちのいずれか一項に記載の照明装置(1)。
【請求項15】
車両(2)用の照明装置(1)のスクリーン(10)であって、出光面(100)と、少なくとも1つのライトガイド(101)と、前記少なくとも1つのライトガイド(101)のための支持体(102)とを備えたスクリーン(10)を製造するためのプロセス(5)において、前記出光面(100)を伴った前記支持体(102)と、前記少なくとも1つのライトガイド(101)とを射出成型によって製造することを含んでいることを特徴とする製造プロセス(5)。
【請求項16】
前記射出成型は、単一の段階で実行されるか、または、前記出光面(100)を伴った前記支持体(102)を射出成型する1つの段階と、前記支持体(102)上に前記少なくとも1つのライトガイド(101)を射出成型するか、若しくは前記少なくとも1つのライトガイド(101)上に前記支持体(102)を射出成型する1つの段階とを含んだ少なくとも2つの段階で実行される、請求項15に記載の製造プロセス(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の照明装置であって、少なくとも1つの照明機能を遂行するように構成された装置に関するものである。本発明は、特に(但し、非限定的に)スマート電動車両に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
スマート電動車両は、空気取入口のために必要な前部のスペースが小さくなるが、対照的に半自動運転や自動運転のために増強された照明機能が必要とされる。従って、車両の前部や後部、或いは側部の広範囲内に「ライト(灯火類)」を組み込むことへの関心が増大している。それは、改善された合図および/または通信を得るためや、新たな広範囲の車両照明機能をもたらすためである。特に、規制照明機能を遂行し、および/または所与の発光シグネチャーを発生させ、および/またはウェルカム・シナリオを伝えさえするためには、個別制御可能なシグネチャーラインを手に入れることが望まれる。
【0003】
少なくとも1つの照明機能を遂行するように構成された車両用の照明装置の、当業者に知られた一例は、
- 不透明区域を有したスクリーンと、
- 複数の光源を備えた電子的支持体と、
- スクリーンの不透明区域同士の間に配置された複数の合図用構造と、
を備えている。
【0004】
この照明装置は、個別制御可能なシグネチャーラインを手に入れることを可能とする。具体的には、電子的支持体が、スクリーンに面して配置されると共に、当該スクリーンの表面の全長に伸びる表面を備えている。電子的支持体の表面は、光源によって完全に覆われていている。規制照明機能を遂行し、および/または所与の発光シグネチャーを発生させ、および/またはウェルカム・シナリオを伝えるため、各光源が選択的に作動される。
【0005】
この先行技術の1つの欠点は、そのような照明装置の備える部品が多すぎ(これが重量を生じさせ)、備える光源が多すぎる(これが高消費や高コストを生じさせる)ことである。
【発明の概要】
【0006】
この状況において、本発明は、既述の欠点を改善することを可能とした照明装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
この目的のために、本発明は、車両用の照明装置であって、少なくとも1つの照明機能を遂行するように構成されると共に、スクリーンと、少なくとも1つの光源とを備えた照明装置において、当該スクリーンは、出光面と、少なくとも1つのライトガイド(導光体)と、当該少なくとも1つのライトガイドのための支持体とを備えていること、および、当該少なくとも1つのライトガイドは当該出光面の方向へ光線を伝達するように構成され、当該光線は、当該少なくとも1つの光源によって放出されて当該少なくとも1つのライトガイドに対して結合された光線から得られ、当該少なくとも1つのライトガイドは当該支持体と共に射出成型されていること、を特徴とする照明装置を提供する。
【0008】
当該照明装置は、当該車両の車体へ組込み可能である。当該支持体と共に射出成型される当該少なくとも1つのライトガイドは、かくして単一の部品のみを形成する。
【0009】
かくして、下記で詳細に分かることとなるように、合図用構造を取り除くことによって照明装置が軽量化されるのである。その上、ライトガイドのおかげで、光源の数が減らされる。もはや、スクリーンの表面全体に相当する広い範囲を光源で覆う必要は無いのである。
【0010】
非限定的な諸実施形態によれば、当該照明装置は更に、単独ないしは技術的に可能な任意の組合せにて実施される以下の付加的な諸特徴を備えていてもよい。
【0011】
非限定的な一実施形態によれば、当該少なくとも1つのライトガイドは、矩形、半円形、台形、楕円形、または放物線形の断面を有している。
【0012】
非限定的な一実施形態によれば、当該照明装置は複数の光源を備え、当該スクリーンは複数のライトガイドを備えている。
【0013】
非限定的な一実施形態によれば、各ライトガイドに2つの光源が関連付けられている。
【0014】
非限定的な一実施形態によれば、1つの光源が複数のライトガイドと関連付けられ、当該光源は、当該光源によって放出された光線を当該複数のライトガイドに向かって導くように構成された光ファイバーに対して結合されている。
【0015】
非限定的な一実施形態によれば、当該スクリーンは、当該ライトガイド同士の間に配置された不透明マスクを更に備えている。
【0016】
非限定的な一実施形態によれば、当該スクリーンの当該出光面は、その外側表面を不透明、透明、および/または半透明の塗料で覆われている。
【0017】
非限定的な一実施形態によれば、当該少なくとも1つのライトガイドは、プリズム群もしくは粗面化加工、または容積型散乱粒子群を備えている。
【0018】
非限定的な一実施形態によれば、当該少なくとも1つのライトガイドは、散光性塗料、または含金属塗料、または金属被覆で覆われている。
【0019】
非限定的な一実施形態によれば、当該少なくとも1つのライトガイドに光ファイバー群が封入されている。
【0020】
非限定的な一実施形態によれば、当該照明装置は、当該少なくとも1つのライトガイドに面して配置された少なくとも1つの反射体もしくは少なくとも1つの散光体、または内部に光源の配置された少なくとも1つの反射性ハウジングを更に備えている。
【0021】
非限定的な一実施形態によれば、当該スクリーンの支持体は一次屈折率を有し、当該少なくとも1つのライトガイドは、当該一次屈折率よりも高い二次屈折率を有している。
【0022】
非限定的な一実施形態によれば、当該少なくとも1つの照明機能は、合図機能またはスタイリング機能である。
【0023】
非限定的な一実施形態によれば、当該照明装置は、当該スクリーンに面して配置された外側出光レンズを更に備えている。
【0024】
非限定的な一実施形態によれば、当該スクリーンの当該支持体と、当該少なくとも1つのライトガイドとが、同じ材料で、或いは異なる材料で作られている。
【0025】
更には、車両用の照明装置のスクリーンであって、出光面と、少なくとも1つのライトガイドと、当該少なくとも1つのライトガイドのための支持体とを備えたスクリーンを製造するためのプロセスにおいて、出光面を伴った支持体と、当該少なくとも1つのライトガイドとを射出成型によって製造することを含んでいることを特徴とする製造プロセスが提供される。かくして、支持体と当該少なくとも1つのライトガイドとが単一の部品のみを形成する。
【0026】
非限定的な一実施形態によれば、射出成型は、単一の段階で実行されるか、または、出光面を伴った支持体を射出成型する1つの段階と、当該支持体上に当該少なくとも1つのライトガイドを射出成型するか、若しくは当該少なくとも1つのライトガイド上に当該支持体を射出成型する1つの段階とを含んだ少なくとも2つの段階で実行される。
【0027】
非限定的な一実施形態によれば、スクリーンは、複数のライトガイドと、当該ライトガイド同士の間に配置された不透明マスクとを備え、射出成型は、出光面を伴った支持体を射出成型する1つの段階と、支持体上に当該ライトガイドを射出成型する1つの段階と、不透明マスクを射出成型する1つの段階とを含んだ3つの段階で実行される。
【0028】
非限定的な一実施形態によれば、当該スクリーンを備えた当該照明装置は、少なくとも1つの光源を更に備え、当該少なくとも1つのライトガイドは当該出光面の方向へ光線を伝達するように構成されており、当該光線は、当該少なくとも1つの光源によって放出されて当該少なくとも1つのライトガイドに対して結合された光線から得られている。
【0029】
以下の説明を読み取ることで、また図面を考察することで、本発明およびその種々の応用例がより深く理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の非限定的な一実施形態による車両用の照明装置であって、出光面を伴った支持体と、複数のライトガイドと、複数の光源とを有するスクリーン備えた照明装置の模式図。
図2】非限定的な一実施形態による、図1の照明装置の模式的な背面図。
図3】非限定的な一実施形態による、当該光源のための電子的支持体を更に備えた図2の照明装置の模式的な背面図および模式的な断面図。
図4】非限定的な一実施形態による、不透明マスクを更に備えた図2の照明装置の断面図。
図5】非限定的な一実施形態による、不透明、透明、および/または半透明の塗料で出光面が覆われた図2の照明装置の断面図。
図6】第1の非限定的な実施形態によるライトガイドを有する図2の照明装置の断面図。
図7】第2の非限定的な実施形態によるライトガイドを有する図2の照明装置の断面図。
図8】第3の非限定的な実施形態によるライトガイドを有する図2の照明装置の断面図。
図9】第4の非限定的な実施形態による、更に光ファイバー群をライトガイドに封入している図2の照明装置の断面図。
図10】非限定的な一実施形態による、反射体または散光体を更に備えた図2の照明装置の断面図。
図11】非限定的な一実施形態による、反射性ハウジングを更に備えた図2の照明装置の背面図。
図12】非限定的な一実施形態による、光源に結合される光ファイバーを更に備えた図2の照明装置の背面図。
図13】非限定的な一実施形態による、図1および図2の照明装置が組み込まれ得る車両の前面を示す図。
図14】第1の非限定的な実施形態による、図1および図2の照明装置を製造するためのプロセスのフローチャート。
図15】第2の非限定的な実施形態による、図1および図2の照明装置を製造するためのプロセスのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0031】
構造または機能において同等な、2つ以上の図に現れる要素同士は、別様に示されない限り同じ参照符号によって表されている。
【0032】
ここで、本発明による照明装置1(車両2用のもの)を図1から図13を参照して説明することとする。非限定的な一実施形態において、車両2は自動車両である。自動車両は、如何なる型式の動力化された車両をも意味するものである。この実施形態は、本明細書の残部全体を通じて非限定的な例示とみなされる。かくして、本明細書の残部全体を通じて、車両2は自動車両2とも呼ばれる。非限定的な代替的な一実施形態において、車両2は半自動運転や自動運転の電動車両である。
【0033】
照明装置1は、少なくとも1つの照明機能Fを遂行するように構成されている。照明機能Fは、規制されたものか、されていないものかの何れかである。非限定的な諸実施形態において、当該少なくとも1つの照明機能Fは、合図機能またはスタイリング機能である。非限定的な例において、合図機能は、DRL機能(DRLは、デイタイムランニングライト(昼間走行灯)を意味する)、PL機能(PLは、パーキングライト(駐車灯)を意味する)、TL機能(TLは、テールライト(尾灯)を意味する)、点滅式TI機能(TIは、ターンインジケーター(方向指示器)を意味する)、SM(SMは、サイドマーカーを意味する)などである。非限定的な例において、スタイリング機能は、発光シグネチャー、ウェルカム・シナリオ、装飾的照明機能、側面上の発光表示機能や、ピクトグラム表示機能ですらある。非限定的な一実施形態において、照明装置1は複数の照明機能Fを遂行するように構成されている。
【0034】
照明装置1は、自動車両2の前部、後部、または側部、特に自動車両2の車体20へ組込み可能である。
【0035】
かくして図13に示すように、非限定的な諸実施形態において、照明装置1は自動車両2の車体20へ、
- ヘッドランプ21の下(図示の位置p1)で、
- グリル22と同程度の所(図示の位置p2)で、
- ロゴ24両側の中央区域23における2つのヘッドランプ同士の間(図示の位置p3)、- エアインテーク25と同程度の所(図示の位置p4)で、
- バンパー26と同程度の所(図示の位置p5)で、
- 両側面27上(図示の位置p6)で、
- 後部28の所(図1に示す位置p7)で、
組み込まれ得る。
【0036】
図1に示すように、車両2用の照明装置1は、
- 出光面100と、少なくとも1つのライトガイド101と、支持体102とを備えたスクリーン10と、
- 少なくとも1つの光源11と、
を具備している。
【0037】
非限定的な一実施形態においては、照明装置1が複数の光源11を備え、当該スクリーン10が複数のライトガイド101を備えている。この非限定的な実施形態は、本明細書の残部全体を通じた非限定的な例とみなされる。
【0038】
照明装置1は、自動車両2の車体20へ容易に組込み(一体化)可能である、ということに留意されたい。それは、スクリーン10が、車体20の塗料で塗装され得ることから、当該車体20と溶け合い得るからである。この場合、非限定的な一実施形態において、塗料は、不透明、透明、および/または半透明である。各ライトガイド101の前方では、それらのライトガイド101が作用することを可能とするために、塗料が透明ないし半透明である。車体20の残部上では、塗料が透明でも半透明でも不透明でもよい。
【0039】
図1に示す非限定的な一実施形態において、当該照明装置1は更に、各ライトガイド101の反対側で当該スクリーン10に面して(特に、出光面100に面して)配置された外側出光レンズ13を備えている。非限定的な一実施形態において、外側出光レンズ13は、不透明、透明、および/もしくは半透明の塗料で塗装されるか、または金属被覆で覆われている。各ライトガイド101の前方では、それらのライトガイド101が作用することを可能とするように、外側出光レンズ13が透明ないし半透明の塗料で塗装されるか、または半透明の金属被覆で覆われている。非限定的な例では、塗料が、車体20の塗料と同じ色であるか、黒色塗料であるか、または含金属塗料である。非限定的な諸実施形態において、金属被覆は、電着や物理蒸着(PVD)によって作り出されてよい。
【0040】
非限定的な一実施形態においては、各ライトガイド101に2つの光源11が関連付けられている。特に、それらの光源11は、1つのライトガイド101の(図2に示す)両端部101aそれぞれの側方に配置される。
【0041】
非限定的な一実施形態において、照明装置1は更に、光源11のための電子的支持体12(図3に示す)を備えている。ある1つの電子的支持体12が、少なくとも1つの光源11を支持している。かくして図3に示すように、非限定的な一実施形態においては、各光源11が1つの電子的支持体12上にそれぞれ配置されている。図3に示す非限定的な一実施形態においては、光源11がライトガイド101の一端部101aに面するように、電子的支持体12がガイドウェイ(案内路)16内へ挿入されている。
【0042】
光源11は光を放出する。かくして光源11は、自らの関連付けられるライトガイド101に対して結合される光線R0(図2に示す)を放出するのである。光線R0は、ライトガイド101を通じて伝播する。かくして、これによりスクリーン10の出光面100の方向へ伝達される光線R1(図1に示す)を形成することが可能となる。光線R1は、出光面100を通過する。光源11同士は、選択的に作動可能である。かくして、それらの光源11は、互いに独立して点灯され得る。これにより、所望の照明機能Fの知覚を増強させることが可能となる。
【0043】
非限定的な一実施形態において、光源11は半導体光源である。非限定的な一実施形態において、半導体光源は発光ダイオードの一部を形成している。発光ダイオードは、例えば(非限定的な例では)従来型のLED(発光ダイオード)、OLED(有機LED)AMOLED(アクティブマトリックス式有機LED)、FOLED(フレキシブルOLED)、RGBダイオード、またはマルチチップ・ダイオードなどの如何なる型式の発光ダイオードをも意味するものである。
【0044】
支持体102は、出光面100を備え、各ライトガイド101の支持体の役目をする。
【0045】
図5に示す非限定的な一実施形態において、当該スクリーン10の出光面100は、その外側表面を不透明、透明、および/または半透明の塗料103で覆われている。各ライトガイド101の前方では、それらのライトガイド101が作用することを可能とするように、その出光面100は透明ないし半透明の塗料で103で覆われている。かくして、当該塗料103を通じての照明がもたらされるのである。いわゆる「ゴースト効果」が得られる。これにより、塗料103の各部を(非限定的な一例では、レーザー・スクレーピング法にて)削り取ることによって所与の発光シグネチャーを得ることが可能となる。非限定的な例では、塗料103が、車体20の色であったり、メタリック(金属光沢)色や黒色であったりする。
【0046】
図4に示す非限定的な一実施形態において、スクリーン10は更に、当該ライトガイド101同士の間に配置された不透明マスク107を備えている。これにより、光の漏洩を制限すること、および出光面100の背後にライトガイド101が有ったり無かったりする区域同士の間のコントラストを増大させることが可能となる。これにより、光学的なシグネチャーのコントラストを得ることが可能となるのである。
【0047】
各ライトガイド101は、出光面100とは反対の側に配置されている。支持体102は、可視光に対して透明な材料で作られている。非限定的な諸実施形態において、材料はポリメチルメタクリレート(PMMA)またはポリカーボネート(PC)である。図4から図10に示すように、非限定的な一実施形態において支持体102は、2.5から3mmの間に含まれる厚さe1を有している。
【0048】
非限定的な一実施形態において、スクリーン10は約20個のライトガイド101を備え、各ライトガイド101が2つの光源11と関連付けられている。これは、当該少なくとも1つの所望の照明機能Fを遂行するには十分なものである。各ライトガイド101は支持体102から伸びているが、出光面100は各ライトガイド101とは反対の側に位置している。各ライトガイド101は、光源11によって放出された光を、スクリーン10の出光面100に向かって、従って自動車両2の外部へ向かって伝達するように構成されている。図1の非限定的な例では、照明装置1が自動車両2の前部または後部の所に配置されている場合、光線R1は主として(図1に示す)車両軸線Axの方向または車両軸線Axとは反対の方向へそれぞれ伝達される。図示しない非限定的な別の実施形態において、照明装置1が自動車両2の一側面上に配置されている場合、光線R1は主として(図1に示す)車両軸線Axに垂直な方向へ伝達される。
【0049】
ライトガイド101は、光源11によって放出された光(即ち、光線R0)が伝達されることを可能とする。ライトガイド101は、可視光に対して透明な材料で作られている。非限定的な一実施形態において、それらはスクリーン10の支持体102と同じ材料で作られている。非限定的な別の実施形態において、それらは異なる材料で作られている。非限定的な諸実施形態において、材料はポリメチルメタクリレート(PMMA)またはポリカーボネート(PC)である。図4から図10に示すように、ライトガイド101は、3から10mmの間に含まれる厚さe2を有している。この厚さe2は、照明装置1の光学的な要求に応じて定められる。非限定的な一実施形態において、支持体102の厚さe1とライトガイド101の厚さe2とによって形成される合計厚さe0は、多くとも支持体102の厚さe1の2倍である。これにより、射出成型によるスクリーン10の製造が容易となり、強固なスクリーン10を得ることが可能となる。製造がバイ・インジェクション(共射出)成型による場合には、この規定を満たすことが絶対に必要なわけではない、ということに留意されたい。図2に示す非限定的な一実施形態においては、ライトガイド101同士が60mmの最小距離d1だけ間隔を置かれている。これにより、各ライトガイド101を独立して射出成型できるようにすることが可能となる。この距離d1が60mm未満の場合には、ライトガイド101をグループに分けて射出成型することができるように機械設備の配置構成が成されねばならない。
【0050】
ライトガイド101は種々の形態をとり得る。かくして、非限定的な諸実施形態においてライトガイド101は、例えば図4に示すように矩形の断面を有していたり、図7に示すように半円形の断面を有していたり、図8に示すように台形の断面を有していたりする。図示しない他の非限定的な諸実施形態において、ライトガイド101は楕円形や放物線形の断面を有している。
【0051】
ライトガイド101は、非限定的な種々の実施形態により下記で説明されるように覆われたり種々の要素を備えていたりしていてもよい。
【0052】
図6に示す第1の非限定的な実施形態において、ライトガイド101は、プリズム群104または粗面化加工104を備えている。粗面化加工によって、自動車両2の外部から観察したとき光に曇った外観を与えることが可能となる。プリズム群によっては、所与の方向への光線R1の出光を促進することが可能となる。
【0053】
図7に示す第2の非限定的な実施形態において、ライトガイド101は、容積型散乱粒子群105を備えている。これにより、乳白色の外観と奥行き効果とを得ることが可能となる。
【0054】
図8に示す第4の非限定的な実施形態において、ライトガイド101は、散光性塗料106a、または含金属塗料106b、または金属被覆106cで覆われている。散光性塗料106aによって、光の配分の均一性を向上させることが可能となる。含金属塗料106bによっては、異なる外観(粗面化金属)を得ることが可能となる。非限定的な諸実施形態において、金属被覆106cは電着やPVDによって作り出されてよい。
【0055】
図9に示す第5の非限定的な実施形態において、各ライトガイド101は、光ファイバー群108を封入している。これにより、発光シグネチャーの形状に自由度を得ることが可能となり、より大きな湾曲をライトガイド101に与えることが可能となる。
【0056】
上記で提示した5つの実施形態は、任意の組合わせ方で互いに組み合わせられてもよい、ということに留意されたい。更に、それらの実施形態は、不透明マスク107と、或いは出光面100を覆う不透明、透明、および/または半透明の塗料103とですら組み合わされもよい、ということに留意されたい。
【0057】
図10に示す非限定的な一実施形態において、照明装置1は更に、ライトガイド101に面して配置された少なくとも1つの反射体14または散光体14を備えている。反射体14によって、照明装置1の効率を向上させることが可能となる。散光体14によっては、優れた均一性の光を得ることが可能となる。図示の非限定的な実施形態では、反射体14ないし散光体14が湾曲していたり平坦であったりしている。非限定的な一実施形態においては、反射体14が粗面化加工されている。これにより、所与の方向周辺への散光を得ることが可能となる。図示の非限定的な例では、ライトガイド101と同じ数の反射体/散光体14が存在している。図示の非限定的な例では、反射体が散光体と同じようにして表され、それらに同じ参照符号14が付されている。
【0058】
図11に示す非限定的な別の実施形態において、照明装置1は更に、内部に光源11の配置された反射性ハウジング15を備えている。これにより、ライトガイド101に対しての光線R0の結合を改善することが可能となり、反射性ハウジング15が閉じられている場合には密封型の光源11を得ることが可能となる。
【0059】
図12に示す非限定的な別の実施形態においては、1つの光源11が複数のライトガイド101と関連付けられている。当該光源11によって放出された光(光線R0)を当該複数のライトガイド101に向かって導くように構成された光ファイバー群17に対して当該光源11が結合されているのである。図示の非限定的な例では、かくして3組の光ファイバー17に対して結合された1つの光源11が存在し、それぞれの組が3つの異なるライトガイド101に向かって光線R0を導いている。
【0060】
図1、および図4から図10に示す非限定的な一実施形態において、出光面100を伴った支持体102は一次屈折率n1を有し、当該ライトガイド101は、一次屈折率n1よりも高い二次屈折率n2を有している。これにより(非限定的な一例では、60°を超える)大きな入射角を有した光線R0について全反射を得ることが可能となる。かくして光源11によって放出された光線R0は、ライトガイド101の材料内の奥まで伝播して行くのである。
【0061】
照明装置1のスクリーン10を製造するためのプロセス5が、非限定的な実施形態により図14および図15に示されている。製造プロセス5は、出光面100を伴った支持体102と当該ライトガイド101とを射出成型によって作り出すことを含んでいる。
【0062】
非限定的な第1の実施形態において、射出成型は単一の段階で実行される。特に、出光面100、支持体102、およびライトガイド101が同じ材料で作られる場合や、ライトガイド101が厚すぎない場合に、単一の射出成型操作が実行される。非限定的な一例では、6mmの合計厚さe0に対して、e1=e2=3mmである。
【0063】
図14に示す非限定的な第2の実施形態において、射出成型は、出光面100を伴った支持体102を射出成型する1つの段階E1と、当該支持体102上に当該ライトガイド101を射出成型するか、または当該ライトガイド101上に当該支持体102を射出成型する1つの段階E2とを含んだ2つの段階で実行される。かくして、各ライトガイド101が支持体102上にオーバーモールドされるか、または各ライトガイド101上に支持体102がオーバーモールドされるのである。特に、2つの射出成型操作は、支持体102と各ライトガイド101とが異なる材料で作られている場合や、各ライトガイドが厚すぎる場合に実行される。非限定的な一例では、e0が6mmを超える場合、またはe1とe2との間の差が大きすぎる場合に2つの射出成型操作が用いられる。もちろん、2つの射出成型操作は、同じ材料が用いられる場合に実行されてもよい。非限定的な一実施形態においては、射出成型されるべきライトガイド101のグループ毎に1つの注入箇所が存在している。かくして、非限定的な一例では、20個のライトガイド101が存在する場合、それぞれが4つのライトガイド101を含んだ5つのグループが、従って5つの注入箇所が存在することとなる。
【0064】
図15に示す非限定的な第3の実施形態において、照明装置1が不透明マスク107を備えている場合、射出成型は、出光面100を伴った支持体102を射出成型する1つの段階E1と、支持体102上に当該ライトガイド101を射出成型する1つの段階E2と、不透明マスク107を射出成型する1つの段階とを含んだ3つの段階で実行される。非限定的な別の実施形態において、不透明マスク107は、IMLプロセス(IMLは、インモールド・ラベル法を意味する)を用いて作り出されてもよい。
【0065】
かくして、出光面100を伴った支持体102と、各ライトガイド101とが、唯1つだけの部品、即ちスクリーン10を形成するのである。支持体102上への各ライトガイド101の接着剤接合や機械的な組付けは存在しない。
【0066】
もちろん、本発明の説明は、上述した諸実施形態や、上述した分野に限定されるものではない。かくして、非限定的な一実施形態においては、当該照明装置1が更に、当該複数の光源11が内部に組み込まれる少なくとも1つの密封型ハウジング、または各光源11用の密封型ハウジングを備えている。かくして、非限定的な別の実施形態においては、全ての光源11を支えるのに単一の電子的支持体12が用いられる。かくして、非限定的な別の実施形態においては、光源11が、光源11の支持体に平行な方向へ発光する光源である場合(即ち、いわゆる側面発光型LEDである場合)、ライトガイド101の側面上に光源11が配置される。かくして、非限定的な別の実施形態においては、ある1つの光源11が単一のライトガイド101と関連付けられる。
【0067】
かくして、特に説明された本発明は、以下の利点を有している:
- 先行技術の装置よりも軽量な(具体的には、先行技術の合図用構造が取り除かれている)照明装置1を得ることが可能となり、かくして車両2の車体20への組込みが、より容易となり、
- 先行技術に対して光源11の数を減少させることが可能となり、これにより、配線や電流消費量が減少し、かくして応分な数の光源11を採用し、それに応じてコストを低減することが可能となり、
- 1つないし複数の照明機能Fを遂行することが可能となる。
図1
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図3
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図6
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図10
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【国際調査報告】