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特表2024-508407トイレブランクを製造するための方法、及びトイレブランク
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】トイレブランクを製造するための方法、及びトイレブランク
(51)【国際特許分類】
   B28B 13/06 20060101AFI20240219BHJP
   B28B 1/14 20060101ALI20240219BHJP
   B28B 7/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
B28B13/06
B28B1/14 B
B28B1/14 J
B28B7/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548771
(86)(22)【出願日】2022-03-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-29
(86)【国際出願番号】 CN2022079471
(87)【国際公開番号】W WO2022188727
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202110263921.7
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523304238
【氏名又は名称】リクシル(チャイナ)インベストメント カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LIXIL (CHINA) INVESTMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】803-7, 333 Yishan Road, Xuhui District Shanghai 200030, CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】523304249
【氏名又は名称】リクシル エーエス サニタリー マニファクチャリング(シャンハイ)カンパニー, リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LIXIL AS SANITARY MANUFACTURING (SHANGHAI) CO., LTD
【住所又は居所原語表記】70B Punan Road, Xidu Town, Fengxian County, Shanghai 201401, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン, チョンゲ
(72)【発明者】
【氏名】リウ, ヨンゲ
(72)【発明者】
【氏名】シェン, ミャオゲン
(72)【発明者】
【氏名】リ, ユーリン
(72)【発明者】
【氏名】へ, シャオロン
(72)【発明者】
【氏名】トゥオ, フェンフェン
(72)【発明者】
【氏名】フー, ウェンビン
【テーマコード(参考)】
4G053
4G055
【Fターム(参考)】
4G053BA06
4G053EB01
4G053EB17
4G055AA08
4G055AB00
4G055AC00
4G055CB11
(57)【要約】
本発明は、トイレブランクを製造するための方法に関する。製造方法は、次のステップ、つまり、便座ブランク、内側容器ブランク、及び本体ブランクを作製するグラウト注入ステップと、本体金型の一部分、内側容器金型の一部分、及び便座金型の一部分を離型させる第1の離型ステップと、内側容器ブランクの第1の接着面と本体ブランクの接着面とを互いに接着する第1の接着ステップと、内側容器金型の別の部分を内側容器ブランクから離型させる第2の離型ステップと、便座ブランクの接着面と内側容器ブランクの第2の接着面とを互いに接着する第2の接着ステップと、便座金型、内側容器金型及び本体金型の非離型部分を、接着されたトイレブランクから離型させる第3の離型ステップと、を含む。金型の部分が離型されていない状態でブランクを互いに接着することにより、接着中、作業員のブランクへの接触が減り、金型の部分を使用して、ブランクを互いに正確に位置決めすることができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トイレブランクを製造するための方法であって、
互いに独立な便座金型(210)、内側容器金型(220)、及び本体金型(230)にそれぞれグラウト注入して、便座ブランク(110)、内側容器ブランク(120)、及び本体ブランク(130)を作製する、グラウト注入ステップと、
前記本体金型(230)の一部分を前記本体ブランク(130)から離型させて前記本体ブランク(130)の接着面(132)を露出させ、前記内側容器金型(220)の一部分を前記内側容器ブランク(120)から離型させて前記内側容器ブランク(120)の第1の接着面(122)を露出させ、前記便座金型(210)の一部分を前記便座ブランク(110)から離型させて前記便座ブランク(110)の接着面(112)を露出させる、第1の離型ステップと、
前記内側容器金型(220)を前記本体金型(230)上に載置して、前記内側容器ブランク(120)の前記第1の接着面(122)と前記本体ブランク(130)の前記接着面(132)とを互いに接着する、第1の接着ステップと、
前記内側容器金型(220)の別の部分を前記内側容器ブランク(120)から離型させて、前記内側容器ブランク(120)の第2の接着面(124)を露出させる、第2の離型ステップと、
前記便座金型(210)を前記内側容器金型(220)上に載置して、前記便座ブランク(110)の前記接着面(112)と前記内側容器ブランク(120)の前記第2の接着面(124)とを互いに接着する、第2の接着ステップと、
前記便座金型(210)、前記内側容器金型(220)、及び前記本体金型(230)の非離型部分を、接着されたトイレブランクから離型させる、第3の離型ステップと、を含み、
前記第1の離型ステップにおけるサブステップは任意の順序で実行することができ、前記第1の離型ステップが実行された後、前記第1の接着ステップ、前記第2の離型ステップ、前記第2の接着ステップ、及び前記第3の離型ステップが順次に実行される、方法。
【請求項2】
前記第1の離型ステップにおいて、前記本体金型(230)の上部金型(231)が前記本体ブランク(130)から離型され、前記内側容器金型(220)の底部金型(224)が前記内側容器ブランク(120)から離型され、前記便座金型(210)の底部金型(214)が前記便座ブランク(110)から離型される、請求項1に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項3】
前記第3の離型ステップは、前記便座金型(210)の上部金型(212)を前記便座ブランク(110)から離型させることと、前記本体金型(230)の残りの金型を前記本体ブランク(130)から離型させることと、を含む、請求項2に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項4】
前記第1の接着ステップにおいて、前記内側容器ブランク(120)と前記本体ブランク(130)とが互いに接着される前に、前記内側容器ブランク(120)と前記本体ブランク(130)との相対位置が、前記内側容器金型(220)の前記非離型部分と前記本体金型(230)の前記非離型部分とを使用して位置決めされる、請求項3に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項5】
前記第2の接着ステップにおいて、前記内側容器ブランク(120)と前記便座ブランク(110)とが互いに接着される前に、前記内側容器ブランク(120)と前記便座ブランク(110)との相対位置が、前記便座金型(210)の前記非離型部分と前記本体金型(230)の前記非離型部分とを使用して位置決めされる、請求項3に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項6】
前記本体金型(230)は、上部金型(231)及び側部金型を少なくとも含み、前記第1の接着ステップ及び前記第2の接着ステップにおいて、前記内側容器ブランク(120)と前記本体ブランク(130)との相対位置、並びに前記内側容器ブランク(120)と前記便座ブランク(110)との相対位置とが、前記本体金型(230)の前記側部金型を使用して位置決めされる、請求項4又は5に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項7】
第1の位置決め構造(236)が前記本体金型(230)の前記側部金型上に配置され、前記第1の位置決め構造(236)と形状において整合することができる第2の位置決め構造(226)及び第3の位置決め構造(216)が、前記内側容器金型(220)の上部金型(222)及び前記便座金型(210)の前記上部金型(212)の上にそれぞれ配置されている、請求項6に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項8】
前記第1の位置決め構造(236)は、少なくとも1つの位置決め孔を備え、前記第2の位置決め構造(226)及び前記第3の位置決め構造(216)は、前記少なくとも1つの位置決め孔に対応する少なくとも1つの位置決め戻り止めを備える、請求項7に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項9】
前記第3の離型ステップのサブステップ間に、前記トイレブランクに孔が開けられる、請求項6に記載のトイレブランクを製造するための方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の製造方法により製造されたトイレブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレブランクを製造するための方法、及びそれによって製造されるトイレブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
浴室業界の継続的な発展と、次第に高まる生活の質への人々の追求により、トイレは不可欠な必需品となっている。そのような巨大な市場需要を踏まえ、トイレの研究開発の現在の最優先課題は、トイレブランクの生産効率を改善することと、製品品質を改善することとである。
【0003】
従来のトイレブランクは、一体型の金型にグラウト注入することによって形成されるが、そのような従来のやり方は、トイレブランクを製造する際に、長時間を要し、効率が低く、労働強度が高く、自動化度が低く、また、金型は、清掃することが困難である。上記の問題を解決するために、現在、分割構造を有する(トイレ完成素地としても周知の)トイレブランクを製造するための方法が、従来技術で一般的に使用されている。
【0004】
トイレブランクの現在の分割製造プロセスでは、トイレブランクは、通常、少なくとも5つのブランクによって形成され、次いで、トイレブランクは、焼成デバイス内でトイレのセラミック体に焼成される。ブランクの構造及び製造プロセスの制約により、プロセスは煩雑で、効率は低く、関連技術によって形成されたトイレブランクは、構造強度が不十分である。加えて、トイレブランクは少なくとも5つの部分を含むので、少なくとも5つ以上の金型がそれに応じて使用され、加工コストは高く、大規模生産に寄与しない。
【0005】
加えて、現在、使用される金型及び接着プロセスの数を減らすために、3つの部分、すなわち便座ブランク、内側容器ブランク、及び外殻ブランクを接着してトイレブランクにするプロセスが存在する。しかしながら、従来技術におけるトイレブランクを製造するための方法は、依然として、接着中に作業によって必然的に引き起こされる位置決めにおける困難性の問題を有し、高精度ブランクの要件を満たすことが困難となる。更に、従来技術の製造方法は、依然として、壊れやすいブランクとの作業員の接触によって引き起こされる高いスクラップ率の問題を有する。
【0006】
このため、トイレブランク製造の技術分野では、クレイブランクのスクラップ率を低減しながら、低コストで高精度ブランクを製造することが常に求められている。
【発明の概要】
【0007】
上記問題を解決するために、本発明は、トイレブランクを製造するための方法を提供する。製造方法は、互いに独立な便座金型、内側容器金型、及び本体金型にそれぞれグラウト注入して、便座ブランク、内側容器ブランク、及び本体ブランクを作製する、グラウト注入ステップと、本体金型の一部分を本体ブランクから離型させて本体ブランクの接着面を露出させ、内側容器金型の一部分を内側容器ブランクから離型させて内側容器ブランクの第1の接着面を露出させ、かつ便座金型の一部分を便座ブランクから離型させて便座ブランクの接着面を露出させる、第1の離型ステップと、内側容器金型を本体金型上に載置して、内側容器ブランクの第1の接着面と本体ブランクの接着面とを互いに接着する、第1の接着ステップと、内側容器金型の別の部分を内側容器ブランクから離型させて内側容器ブランクの第2の接着面を露出させる、第2の離型ステップと、便座金型を内側容器金型上に載置して、便座ブランクの接着面と内側容器ブランクの第2の接着面とを互いに接着する、第2の接着ステップと、便座金型、内側容器金型、及び本体金型の非離型部分を、接着されたトイレブランクから離型させる、第3の離型ステップと、を含む。第1の離型ステップにおけるサブステップは任意の順序で実行することができ、第1の離型ステップが実行された後、第1の接着ステップ、第2の離型ステップ、第2の接着ステップ、及び第3の離型ステップが順次に実行される。
【0008】
金型の部分が離型されていない状態でブランクを互いに接着することにより、接着中、作業員のブランクへの接触が減り、それによって、接触によって引き起こされるブランクのスクラップ率が低下する。加えて、接着中、ブランクは完全に離型されていないので、金型の残りの部分を使用してブランクを互いに正確に位置決めすることができ、それによって、接着効果が改善され、再作業率が低下する。
【0009】
好ましくは、第1の離型ステップにおいて、本体金型の上部金型が本体ブランクから離型され得、内側容器金型の底部金型が内側容器ブランクから離型され得、便座金型の底部金型が便座ブランクから離型され得る。
【0010】
第1の離型ステップにおいて本体金型の上部金型並びに内側容器金型及び便座金型の底部金型のみを離型させることにより、接着させるべきブランクの接着面を互いに対向させやすく、したがって、後続の接着プロセスの作業が容易となる。
【0011】
有利には、第3の離型ステップは、便座金型の上部金型を便座ブランクから離型させることと、本体金型の残りの金型を本体ブランクから離型させることと、を含み得る。
【0012】
第3の離型ステップにおいて、トイレブランクの製造における柔軟性を改善するために、2つのサブステップ間に追加プロセスステップが存在し得る(2つのサブステップが連続して存在する場合は、なくてもよい)。特に、本体金型が最後に離型される場合、ブランクの全体的な安定性を確保することができ、製品歩留まりを改善することができる。
【0013】
より好ましくは、第1の接着ステップにおいて、内側容器ブランクと本体ブランクとが互いに接着される前に、内側容器ブランクと本体ブランクとの相対位置が、内側容器金型の非離型部分と本体金型の非離型部分とを使用して位置決めされ得る。
【0014】
内側容器金型及び本体金型を使用して内側容器ブランク及び本体ブランクを位置決めすることにより、2つを正確に位置決めすることに寄与し、それによって、接着プロセスの信頼性が改善される。
【0015】
より好ましくは、第2の接着ステップにおいて、内側容器ブランクと便座ブランクとが互いに接着される前に、内側容器ブランクと便座ブランクとの相対位置が、便座金型の非離型部分と本体金型の非離型部分とを使用して位置決めされ得る。
【0016】
便座金型及び本体金型を使用して便座ブランク及び(本体ブランクにすでに接着された)内側容器ブランクを位置決めすることにより、便座ブランク及び内側容器ブランクを正確に位置決めすることに寄与し、それによって、接着プロセスの信頼性が改善される。
【0017】
特に有利な実施形態では、本体金型は、上部金型及び側部金型を少なくとも含み、第1の接着ステップ及び第2の接着ステップにおいて、内側容器ブランクと本体ブランクとの相対位置と、内側容器ブランクと便座ブランクとの相対位置とが、本体金型の側部金型を使用して位置決めされ得る。
【0018】
本体金型に側部金型を設けることにより、位置決めのための金型位置、例えば上向きの面が、都合よく提供され得、したがって、ブランクが互いに接着されるとき、相対的位置決め精度を改善することができる。
【0019】
特に、第1の位置決め構造が本体金型の側部金型上に配置され得、第1の位置決め構造と形状において整合することができる第2の位置決め構造及び第3の位置決め構造が、内側容器金型の上部金型及び便座金型の上部金型の上にそれぞれ配置され得る。
【0020】
形状において整合された位置決め構造間の接続又は締め付けによって、接着中、ブランクを正確に位置決めすることが容易にでき、それによって、トイレブランクの製造品質が改善される。
【0021】
例えば、第1の位置決め構造は少なくとも1つの位置決め孔を含み得、第2の位置決め構造及び第3の位置決め構造は、少なくとも1つの位置決め孔に対応する少なくとも1つの位置決め戻り止めを含み得る。
【0022】
孔及び戻り止めの簡単な構成を使用することにより、金型の設計が簡素化され、位置決め精度が改善され、作業員のミスが減少する。
【0023】
好ましくは、第3の離型ステップのサブステップ間に、孔がトイレブランクに開けられ得る。
【0024】
本体金型の非離型部分が離型される前に、様々なユーザ要件を満たすようにトイレブランクを製造する際の柔軟性を改善するための追加プロセスステップが存在し得る。
【0025】
最後に、本発明は、前述の製造方法のいずれかによって製造されたトイレブランクに更に関する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
参照される図面は、全てが縮尺通りに描かれているわけではなく、本発明の様々な態様を示すために拡大されている可能性があり、この点で、図面は限定的であると解釈されるべきではないことに留意されたい。
図1A】本発明の一実施形態による便座ブランクの例示的な立体図を示す。
図1B】本発明の一実施形態による内側容器ブランクの例示的な立体図を示す。
図1C】本発明の一実施形態による本体ブランクの例示的な立体図を示す。
図2A】便座金型の金型部分が合わせて閉じられた状態の、本発明の一実施形態による便座金型の例示的な立体図を示す。
図2B】内側容器金型の金型部分が合わせて閉じられた状態の、本発明の一実施形態による内側容器金型の例示的な立体図を示す。
図2C】本体金型の上部、下部、左側、及び右側の金型部分が合わせて閉じられた状態の、本発明の一実施形態による本体金型の例示的な立体図を示す。
図3A】便座金型の金型部分が開かれた状態の、本発明の一実施形態による便座金型の例示的な立体図を示す。
図3B】内側容器金型の金型部分が開かれた状態の、本発明の一実施形態による内側容器金型の例示的な立体図を示す。
図3C】本体金型の金型部分が開かれた状態の、本発明の一実施形態による本体金型の例示的な立体図を示す。
図4】便座ブランク、内側容器ブランク、及び本体ブランクの間の相対的な位置関係を示す、本発明の一実施形態によるトイレブランクの例示的な分解立体図を示す。
図5A】便座ブランクの接着面を示す、本発明の一実施形態による便座金型を伴う便座ブランクの例示的な底面立体図を示す。
図5B】内側容器ブランクの第1の接着面を示す、本発明の一実施形態による内側容器金型を伴う内側容器ブランクの例示的な底面立体図を示す。
図5C】本体ブランクの接着面を示す、本発明の一実施形態による本体金型を伴う本体ブランクの例示的な上面立体図を示す。
図6A】第3の位置決め構造を示す、本発明の一実施形態による便座金型の別の角度の例示的な底面立体図を示す。
図6B】第4の位置決め構造を示す、本発明の一実施形態による本体金型の上部金型の例示的な立体図を示す。
図6C】第1の位置決め構造を示す、本発明の一実施形態による本体金型の左側金型及び右側金型の例示的な立体図を示す。 図中の数字のリスト: 110-便座ブランク、 112-(便座ブランクの)接着面、 120-内側容器ブランク、 122-(内側容器ブランクの)第1の接着面、 124-(内側容器ブランクの)第2の接着面、 130-本体ブランク、 132-(本体ブランクの)接着面、 210-便座金型、 212-(便座金型の)上部金型、 214-(便座金型の)底部金型、 216-第3の位置決め構造、 220-内側容器金型、 222-(内側容器金型の)上部金型、 224-(内側容器金型の)底部金型、 226-第2の位置決め構造、 230-本体金型、 231-(本体金型の)上部金型、 232-(本体金型の)左側金型、 233-(本体金型の)右側金型、 234-(本体金型の)底部金型、 236-第1の位置決め構造、及び 238-第4の位置決め構造。
【発明を実施するための形態】
【0027】
別途定義されない限り、本発明で使用される技術用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって理解される通常の意味を有するものとする。ステップは順番に実行されるべきであると本発明において明示的に記載されていない限り、本明細書で使用される「第1の」、「第2の」などの用語は、いかなる順序、量、又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためにのみ使用される。加えて、「上部」、「底部」、「左側」、「右側」などの用語は、相対的な位置関係のみを表す。記述された物体の絶対位置が変化するとき、相対的な位置関係もそれに応じて変化し得る。
【0028】
本発明では、「トイレ」という用語は、洗い流すために使用される衛生陶器全体を指し、例えば、衛生陶器は、流し台を伴う便器、トイレカバー(例えば、電子若しくはインテリジェントトイレカバー、又は従来のトイレカバー)、及びトイレで使用される様々な配管、ワイヤ、コネクタ、付属品などを含む。本発明のトイレブランクを使用して製造されるトイレは、様々なタイプのトイレ、例えばインテリジェントトイレ、サイフォントイレ、及び様々なタイプの従来のトイレを範囲に含み、それらの全てが本発明の範囲内であることが理解され得る。
【0029】
本発明の製造方法によって製造されるトイレブランクは、通常、前述のトイレの完成品を指すのではなく、通常、接着された完全なトイレブランク(すなわち、便器及び便座を含む)を指し、そのようなトイレブランクは、トイレの完成品になるために、巧みな仕上げ、組み立てなどが必要である。
【0030】
全体として、本発明は、独立3ブランク構造を使用し、それは、金型構造設計の難易度を低減し、製造及び加工を容易にし、かつコストを節約することができる。本体ブランク130(すなわち、便器の素地)、内側容器ブランク120(トイレ内側容器の素地)、及び便座ブランク110(便座の素地)を別々にかつ独立して形成することによって(図1A図1C及び図4を参照)、(例えば、セラミック)製品の空洞構造が効果的に低減され得、生産中の製品の変形が効果的に回避され得、それによって、製品の強度及び生産効率が改善される。加えて、独立3ブランク金型構造がより簡素化され、処理効率を効果的に改善し、作業上の困難性を低減し、ブランク製造プロセスにおける人的ミスを低減することができる。加えて、本発明では、独立3ブランク構造の使用により、本体ブランク130の形状が、トイレの外観に対する様々な要件を満たすために柔軟に変化し得る。
【0031】
この目的のために、本発明は、トイレブランクを製造するための3つのタイプの金型、すなわち便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230(例えば、図2A図2Cを参照)を提供する。どのように金型を形成するかは、本発明の焦点ではないが、いずれにせよ、これらの金型は、ブランクを形成するための構造及び硬度を有し、例えば、金型は、当業者に周知の要素、例えば、ランナ、気道、分離面、及び抜き勾配を含む。
【0032】
有利には、便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230は、非一体式金型であり得る。図2A図2C及び図3A図3Cに示された好ましい実施形態では、便座金型210は、上部及び下部の2部金型であり得、すなわち、上部金型212及び底部金型214を含み、内側容器金型220もまた、上部及び下部の2部金型であり得、すなわち、上部金型222及び底部金型224を含み、本体金型230は、4部金型であり得、すなわち、上部金型231、底部金型234、左側金型232、及び右側金型233を含む。しかしながら、これらの金型は、必ずしも、図に示されるような下位金型部分に分割されなくてもよいことが十分に理解され得る。例えば、本体金型230はまた、2部金型であり得、すなわち、上部金型及び底部金型を含み、又は3部金型であり得、すなわち、上部金型、底部金型、及び側部金型を含む(図には一体的な側部金型は示さず)。便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230が各々、複数の下位金型部分を含むという事実により、トイレブランクに使用される従来の金型の、大きな占有面積、低ブランク生産効率、高度のブランク補修粉塵、高い金型コストなどの問題が解決される。
【0033】
好ましくは、便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230は、組み立てられ、グラウト注入用の生産ライン上に載置される。グラウト注入もまた、既存の生産ラインの自動化度に応じて、別々に及び順次に実行され得る。互いに独立した便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230にそれぞれグラウト注入することによって、便座ブランク110、内側容器ブランク120、及び本体ブランク130が製造される。グラウト注入が完了し、金型内にクレイブランクが形成された後、金型は離型される。グラウト注入プロセスは、本発明の焦点ではなく、したがって、ここでは説明しない。
【0034】
まず、第1の離型ステップが実行される(ここで、「第1の」は、離型ステップの順番を指す)。第1の離型ステップは、複数のサブステップ、例えば、本体金型230の一部分を本体ブランク130から離型させて、本体ブランク130の接着面132を露出させること、内側容器金型220の一部分を内側容器ブランク120から離型させて、内側容器ブランク120の第1の接着面122を露出させること(例えば、図5A図5Cを参照)、便座金型210の一部分を便座ブランク110から離型させて、便座ブランク110の接着面112を露出させることなど、を含み得る。これらのサブステップは、上記の順序で順次に実行できるし、又は任意の他の順序で実行できるし、又は後続のプロセスに影響を与えることなく同時に実行又は完了できることが理解され得る。
【0035】
便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230は各々、複数の下位金型部分を含むという事実により、上述の「金型の部分」は、便座金型210、内側容器金型220、及び本体金型230の各々から離型されるべき複数の下位金型部分のうちの少なくとも1つを指す。いくつかの好ましい実施形態では、本体金型230の上部金型231が本体ブランク130から離型され得(上部金型231のみが離型された状態の本体ブランク130が図5Cに示されている)、内側容器金型220の底部金型224が内側容器ブランク120から離型され得(底部金型224のみが離型された状態の内側容器ブランク120が図5Bに示されている)、便座金型210の底部金型214が便座ブランク110から離型され得る(底部金型214のみが離型された状態の便座ブランク110が図5Aに示されている)。
【0036】
ここで、「接着面」という用語は、接着物質、例えば接着クレイを塗布するためのブランクの表面を指す。好ましくは、接着面は、形成、塗布、及び接着を容易にするために、少なくとも部分的に平坦な表面、特に完全な平面を含む。しかしながら、トイレのサイズ、タイプ、及び完成品構造などの要因に応じて、接着面が曲面であるか、又は段差を含む複数の平面であることも、本発明の保護の範囲内である。
【0037】
好ましい実施形態では、本体ブランク130の接着面132は、本体ブランク130の最上部(図5Cを参照)、すなわち、本体金型230の上部金型231によって覆われた部分にあり、内側容器ブランク120の第1の接着面122は、内側容器ブランク120の底部(図5Bを参照)、すなわち、内側容器金型220の底部金型224によって覆われた部分にあり、内側容器ブランクの第2の接着面124は、内側容器ブランク120の最上部(図4を参照)、すなわち、内側容器金型220の上部金型222によって覆われた部分にあり、便座ブランク110の接着面112は、便座ブランク110の底部(図5Aを参照)、すなわち、便座金型210の底部金型214によって覆われた部分にある。しかしながら、接着面の位置は、決して図に示された位置に限定されるものではなく、例えば、接着面はまた、トイレブランクの中央内側部分に向かって配向されてもよい。
【0038】
便座ブランク110、内側容器ブランク120、及び本体ブランク130がそれぞれ特定の硬度に達した後、金型の部分がまだ、便座ブランク110、内側容器ブランク120、及び本体ブランク130の上にある(すなわち、各々が完全には離型されておらず、部分的に離型されただけである)場合には、次のプロセス、すなわち、第1の接着ステップ(ここで、「第1の」は、接着ステップの順番を指す)が実行される。
【0039】
第1の接着ステップでは、内側容器ブランク120の第1の接着面122と本体ブランク130の接着面132とが互いに接着される。例えば、第1の接着ステップは、内側容器ブランク120の第1の接着面122と本体ブランク130の接着面132とを互いに対向させ、接着物質、例えば接着クレイを、互いに対向する接着面に塗布することによって実行される。好ましい実施形態では、内側容器金型220を本体金型230上に載置して、内側容器ブランク120の第1の接着面122及び本体ブランク130の接着面132が互いに接着するよう促し得る。ここで、「内側容器金型220」及び「本体金型230」は、両方とも、完全な原型の金型ではなく、部分(例えば、内側容器金型220の底部金型224及び本体金型230の上部金型231)が離型された状態の金型を指す。
【0040】
特に有利には、接着物質が内側容器ブランク120の第1の接着面122及び本体ブランク130の接着面132にそれぞれ塗布された後、内側容器金型220の非離型部分(例えば、内側容器金型220の上部金型222)を本体金型230の非離型部分(例えば、本体金型230の左側金型232及び右側金型233)上に載置して、内側容器金型220の非離型部分及び本体金型230の非離型部分を使用して位置をうまく位置決めし得る(位置決めのやり方は以下に詳述する)。この時点で、ブランクは、金型の非離型部分内に留まっている(すなわち、金型を伴うブランクが接着される)。
【0041】
第1の接着ステップが完了した後、内側容器ブランク120と本体ブランク130とは互いに接着されている。次いで、第2の離型ステップが実行され(ここで、「第2の」は、離型ステップの順番を指す)、つまり、内側容器金型220の別の部分が内側容器ブランク120から離型されて、(例えば、図4に示されたような)内側容器ブランク120の第2の接着面124を露出させる。
【0042】
好ましくは、内側容器金型220の別の部分は、内側容器金型220内の上部金型222であり得(図5Bを参照)、内側容器ブランク120の第2の接着面124が最上部にあり得ることを示す。特に、内側容器ブランク120の第2の接着面124は、第1の接着面122のほぼ反対側に配置され得る。しかしながら、内側容器金型220が多部金型である場合、便座ブランク110に接着されるべき内側容器ブランク120の第2の接着面124の位置に応じて、内側容器ブランクの第2の接着面は、他の金型部分のほぼ反対に配置されてもよい。好ましくは、第2の離型ステップが完了した後、内側容器ブランク120上に金型部分が残らず、すなわち、内側容器ブランク120は金型から完全に離型されている。しかしながら、特に内側容器金型220が4部金型であるとき、1つ以上の金型部分が依然として内側容器ブランク120上に残っていることも想定され得る。
【0043】
第2の離型ステップが完了した後、特に内側容器ブランク120が金型から完全に離型されたとき、外部から触れることができるものなどの余分な接着物質が除去され得るか、又は他の洗浄作業が行われ得る。
【0044】
第2の離型ステップの後、第2の接着ステップが実行され得(ここで、「第2の」は、接着ステップの順番を指す)、つまり、便座ブランク110の接着面112と内側容器ブランク120の第2の接着面124とが互いに接着される。好ましい実施形態では、便座金型210を本体金型230上に載置して、便座ブランク110の接着面112及び本体ブランク130の接着面132が互いに接着するよう促し得る。ここで、「便座金型210」及び「本体金型230」は、両方とも、完全な原型の金型ではなく、部分(例えば、便座金型210の底部金型214及び本体金型230の上部金型231)が離型された状態の金型を指す。好ましくは、便座ブランク110の接着面112は、その底面上にあり、内側容器ブランク120の第2の接着面124は、その上面上にある。
【0045】
特に有利には、接着物質、例えば、接着クレイが、内側容器ブランク120の第2の接着面124及び便座ブランク110の接着面112にそれぞれ塗布された後、便座金型210の非離型部分(例えば、図5Aに示されるような便座金型210の上部金型212)を、本体金型230の非離型部分(例えば、図5Cに示されるような本体金型230の左側金型232及び右側金型233)上に載置して、便座金型210の非離型部分及び本体金型230の非離型部分を使用して位置をうまく位置決めし得る(位置決めのやり方は以下に詳述する)。この時点で、便座ブランク110及び本体ブランク130は、金型の非離型部分内に留まっている(すなわち、金型を伴うブランクが接着されている)。
【0046】
第1の接着ステップ及び第2の接着ステップの両方で、好ましくは、内側容器金型220(の非離型部分)及び便座金型210(の非離型部分)を、本体金型230(の非離型部分)上に載置するが、主にブランクの接着面の位置に応じて、通常は金型の位置に寄与する方法で、他の相対的な位置も想定され得る(例えば、本体金型230内に部分的に載置される)ことが理解され得る。
【0047】
第2の接着ステップが完了した後、合わせて接着された便座ブランク110、内側容器ブランク120、及び本体ブランク130を含む一体的トイレブランクが形成される。したがって、第2の接着ステップの後、第3の離型ステップが実行され(ここで、「第3の」は、離型ステップの順番を指す)、つまり、便座金型210、内側容器金型220(まだ離型部分がある場合)、及び本体金型230の非離型部分が、接着されたトイレブランクから離型される。
【0048】
好ましくは、第3の離型ステップは、次の2つのサブステップ、つまり、便座金型210の残りの金型部分(例えば、上部金型212)が(便座ブランク110から)離型されることと、本体金型230の残りの金型部分が(本体ブランク130から)離型されることとに、更に細分化される。好ましくは、まず、便座ブランク110が(最終的に)離型され、次いで、本体ブランク130が(最終的に)離型される。
【0049】
例えば、第2の接着ステップが完了した後、便座金型210の残りの金型部分(例えば、上部金型212)が便座ブランク110から離型され得、余分な接着物質が除去され得、又は他の洗浄作業が行われ得る。本体ブランク130が(最終的に)離型される前に、他のステップ、例えば、トイレブランク全体に孔を開けることが、実行され得る。しかしながら、まず本体金型230が最終的に離型され、次いで便座金型210が最終的に離型されることも想定され得る。
【0050】
本体ブランク130が(最終的に)離型された後(すなわち、トイレブランク全体が離型された後)、好ましくは、トイレブランクは、トレイ上に載置され、拭き取りされ、トリミングされる。次いで、トイレブランクは、乾燥室に移されて、一定期間乾燥され得る。乾燥後、トイレブランクには釉薬が施され、次いで、ブランクは窯に入れられて焼成され、完成品(セラミック)になる。これらのプロセスステップは、本発明の焦点ではないので、ここでは詳しく説明しない。
【0051】
ブランク間の相対位置に関しては、前述したように、第1の接着ステップにおいて、内側容器ブランク120と本体ブランク130とが互いに接着される前に、内側容器ブランク120と本体ブランク130との相対位置が、内側容器金型220の非離型部分(例えば、上部金型222)と本体金型230の非離型部分(例えば、左側金型232及び右側金型233)を使用して、有利に位置決めされ得る。
【0052】
同様に、第2の接着ステップにおいて、内側容器ブランク120と便座ブランク110とが互いに接着される前に、内側容器ブランク120と便座ブランク110との相対位置が、便座金型210の非離型部分(例えば、上部金型212)と本体金型230の非離型部分(例えば、左側金型232及び右側金型233)を使用して、有利に位置決めされ得る。
【0053】
本体金型230及び内側容器金型220にそれぞれ配置された位置決め構造を図5B及び図5C並びに図6Cに示す。この実施形態では、第1の位置決め構造236が本体金型230の非離型部分、例えば側部金型(左側金型232及び右側金型233)に配置され、第1の位置決め構造236と形状において整合することができる第2の位置決め構造226及び第3の位置決め構造216が、便座金型210の非離型部分、例えば上部金型212、及び内側容器金型220の非離型部分、例えば上部金型222上にそれぞれ配置されている。当然ながら、図6Bに示されるように、第1の位置決め構造236に対応する第4の位置決め構造238もまた、本体金型230の上部金型231に配置され得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、第1の位置決め構造236は、少なくとも1つの位置決め孔を含み得、第2の位置決め構造226及び第3の位置決め構造216は、各々、少なくとも1つの対応する位置決め戻り止めを含み得る(図5A及び図5B並びに図6Aを参照)。あるいは、第1の位置決め構造236は、少なくとも1つの位置決め戻り止め又は位置決め支柱を含み得、第2の位置決め構造226及び第3の位置決め構造216は、各々、少なくとも1つの対応する位置決め孔を含み得る。図5C及び図6Cには、本体金型230の左側金型232及び右側金型233上の6つの位置決め孔が示されており、一方、図5A及び図5Bには、便座金型210の上部金型212及び内側容器金型220の上部金型222上の4つの位置決め戻り止めが示されている。しかしながら、これらの孔の具体的な数及び配置は限定されず、任意の好適な数及び位置が使用され得る。
【0055】
本発明では、位置決め構造は、好ましくは、形状において整合された整合構造、特に互いに対向して配置された位置決め構造であるが、本発明の位置決め構造はこれに限定されず、例えば、位置決め構造は、金型の非離型部分の側方の2つの側部のうちの少なくとも一方に配置された位置決め構造や、他の整合構造でもあってもよい。
【0056】
第1の接着ステップでは、内側容器金型220の非離型部分上の第2の位置決め構造226が、本体金型230の非離型部分上の第1の位置決め構造236に整合し、接続することができる(例えば、内側容器金型220の上部金型222上に配置された位置決め戻り止めを、本体金型230の左側金型232及び右側金型233上の位置決め孔に接続することができる)という事実により、内側容器ブランク120及び本体ブランク130が、単に2つの金型部分を閉じるだけで正確に位置決めされ得て、最良の接着効果が得られる。
【0057】
第2の接着ステップでは、便座金型210の非離型部分上の第3の位置決め構造216が、本体金型230の非離型部分上の第1の位置決め構造236に整合し、接続することができる(例えば、便座金型210の上部金型212上に配置された位置決め戻り止めを、本体金型230の左側金型232及び右側金型233の位置決め孔に接続することができる)という事実により、便座ブランク110及び(すでに本体ブランク130に接着されている)内側容器ブランク120が、単に2つの金型部分を閉じるだけで正確に位置決めされ得て、最良の接着効果が得られる。
【0058】
金型が離型されていない状態で全てのブランクが互いに接着されるという事実により、接着中、作業員のブランクへの接触が減り、それによって、接触によって引き起こされるブランクのスクラップ率が低下する。加えて、位置決めが、金型上の位置決め構造により支援されるので、金型を伴う接着中の位置精度が大幅に改善される。更に、ブランクを製造する際の自動化度を改善する可能性が高まり、製造コストが低減され得る。
【0059】
本発明の様々な実施形態が、添付の図面では3つの独立ブランクを有するトイレの実施形態を参照して説明されているが、本発明の範囲内の実施形態は、同様の構造を有する衛生陶器(例えば、4つのブランク若しくは5つのブランクを有するトイレ)及び/又は同様の機能を有する衛生陶器(例えば、小便器や浴槽など、トイレ以外の衛生陶器)に適用され得ることを理解されたい。
【0060】
前述の説明は、様々な代替実施形態を含む多くの特徴及び利点、並びにデバイス及び方法の構造及び機能の詳細を提供した。この説明は、網羅又は制限よりはむしろ、説明を目的としている。
【0061】
当業者には、添付の特許請求の範囲で表現される用語の広い上位の意味によって示される範囲全体において、特に、本明細書に記載の原理の範囲内のこれらの態様の組み合わせを含む、構造、材料、要素、構成部品、形状、寸法、及び構成部品の配置の観点から、様々な改変が行われ得ることは明らかである。添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱しない様々な改変もまた、この条項に含まれる。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】