(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】洋上プラットフォーム用のターボ機械設備
(51)【国際特許分類】
F02C 6/00 20060101AFI20240219BHJP
F01K 13/00 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
F02C6/00 B
F01K13/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548810
(86)(22)【出願日】2022-02-15
(85)【翻訳文提出日】2023-09-09
(86)【国際出願番号】 EP2022025051
(87)【国際公開番号】W WO2022171366
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】102021000003356
(32)【優先日】2021-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】フラシネリ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】マガロット,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ダビル,ベンカタ ランバブ
(72)【発明者】
【氏名】タニ,エレナ
(57)【要約】
【解決手段】 洋上プラットフォーム用のターボ機械設備が開示されている。ターボ機械設備は、少なくとも1つの事前に組み立てられた動力モジュールを有するトレインシステム、並びに、トレインシステムが設置されるトルク・チューブ・ベースプレートを含む。動力モジュールの支持ベースプレートがトルク・チューブ・ベースプレートに結合している。更に、ターボ機械設備を組み立てる方法も開示されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洋上プラットフォーム用のターボ機械設備(1)であって、
トレインシステム(2)であって、
動力モジュール(20)であって、
エネルギーを前記ターボ機械設備(1)に供給するための動力源(201)、及び
前記動力源(201)を覆う囲み構造(203)を備える動力モジュール(20)と、
前記動力モジュール(20)によって駆動される負荷(21)とを含む、トレインシステム(2)と、
前記トレインシステム(2)が設置される、トルク・チューブ・ベースプレート(3)
とを含み、
前記動力モジュール(20)は、前記囲み構造(203)及び前記動力源(201)に結合する支持ベースプレート(204)を含み、前記支持ベースプレート(204)は、前記動力モジュール(20)と前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)との間に配置され、
前記ターボ機械設備(1)は、前記支持ベースプレート(204)と前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)とを結合する結合部材(35)も更に含むことを特徴とする、ターボ機械設備(1)。
【請求項2】
前記動力モジュール(20)は、前記支持ベースプレート(204)の下に設置され、前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)に結合する、前記トレインシステム(2)の運転用の補助機器(5)を含む、請求項1に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項3】
前記補助機器(5)は、燃料オイルポンプ、及び/又は、液体燃料用制振ボトル、及び/又は、バックパージ用の単一冷却器、及び/又はバックパージタンクと、複数の熱交換器と、複数のギア、及び/又は複数のパイプとを含む、請求項2に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項4】
前記結合部材(35)は、前記支持ベースプレート(25)と前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)との間に配置される、請求項1~請求項3の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項5】
前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)は、
主縦方向拡張部を有する、主ビーム(30)と、
複数の横ビーム(31、32、33)であって、それぞれが、前記支持ベースプレート(204)を支持するために、前記主ビーム(30)の前記主縦方向と垂直な方向に沿って展開する複数の横ビーム(31、32、33)とを含み、
前記結合部材(35)は、前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)の前記横ビーム(33)に接続し、前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)と前記支持ベースプレート(204)との間に配置され、前記結合部材(35)は、前記主ビーム30の方向、及び前記複数の横ビーム(31、32、33)の方向と垂直な軸の方向に沿って調整可能である、請求項1~請求項4の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項6】
前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)は、前記動力源(201)の軸受潤滑オイルを収集するタンク(4)を含む、請求項1~請求項5の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項7】
前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)は、前記タンク4を収容するよう成形されたハウジング部(34)を含み、前記ハウジング部(34)は、前記負荷(21)に近づけて、前記動力源(201)の下に配置される、請求項6に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項8】
前記タンク(4)は前記横ビーム(31)と一体化されている、請求項6又は請求項7の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項9】
前記
タンク(4)は、前記主ビーム(30)に結合する2つのサブタンク(41、42)を含み、
前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)の前記主ビーム(30)は、前記2つのサブタンク(41、42)の間に配置されている、請求項6~請求項8の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項10】
各サブタンク(41、42)は側方プレート(411、412)及び横プレート(43)の一部によって画定され、前記横プレート(43)は前記主ビーム(30)を横断し、
前記タンク(4)は、
前記サブタンク(41、42)に接続する、再循環用の1つ以上のパイプ(44)と、
前記タンク(4)内の前記オイルをポンプで圧送し、格納された前記オイルを再循環させる1つ以上のポンプ(45)とを含む、請求項9に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項11】
結合部材(35)は、ジャッキングネジであり、各ジャッキングネジはそれぞれの球状支持体を備える、請求項1~請求項10の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項12】
前記ターボ機械設備(1)は、前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)の下に配置され、前記洋上プラットフォームの変形性を補償するように適合されている、玉継手(36)を含む、請求項1~請求項11の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項13】
前記動力モジュール(20)は事前に組み立てられている、請求項1~請求項12の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項14】
前記負荷(21)は、駆動中に電流を生成可能とする発電機駆動機械、コンプレッサ、又はポンプである、請求項1~請求項13の何れか一項に記載のターボ機械設備(1)。
【請求項15】
ターボ機械設備(1)を組み立てる方法(6)であって、
補助機器(5)をトルク・チューブ・ベースプレート(3)に設置するステップ(61)と、
負荷(21)を前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)に設置するステップ(62)と、
1つ以上の結合部材(35)によって、動力モジュール(20)の囲み構造(203)の支持ベースプレート(204)を前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)上に結合するステップ(63)とを含み、前記動力モジュール(20)はガスタービン(201)を含む、方法(6)。
【請求項16】
前記結合部材(35)の手動調節、又は自動調節を通じて、前記動力モジュール(20)と前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)との間の相互位置を調整するステップ(64)も更に含む、請求項15に記載の方法(6)。
【請求項17】
前記結合部材(35)は、ジャッキングネジであり、それぞれの球状支持体又はワッシャを備える、請求項15又は請求項16の何れか一項に記載の方法(6)。
【請求項18】
前記結合部材(35)は、前記トルク・チューブ・ベースプレート(3)と前記支持ベースプレート(204)との間に配置される、請求項15~請求項17の何れか一項に記載の方法(6)。
【請求項19】
前記負荷(21)を前記動力源(201)に接続するステップ(65)も含む、請求項15~請求項18の何れか一項に記載の方法(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、例えば、ガスタービン、及び発電機駆動機械、又はコンプレッサを含むトレインシステム、並びに、トレインシステムを支持するための全般にトルク・チューブ・ベースプレート、又は支持構造を含む、ターボ機械設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、天然ガス、又は他の液体燃料を力学的エネルギーに変換可能とする燃焼機関である。ガスタービンは、発電機を駆動して、例えば、電気エネルギーを生産するために、陸上のみならず、洋上プラットフォームの何れかにも設置することができる。全般に、ガスタービンは、動力源としてのガスタービン自身と、負荷ギア、及び駆動されるべき負荷を含み得る伝達機器とを含む、いわゆるトレインプラント、あるいはトレインシステムの一部である。上記のように、負荷は、例えば、駆動中に電流を生成可能とする発電機駆動機械、コンプレッサ、ポンプでよい。
【0003】
以降、単に参照上の便宜のために、動力源、伝達機器、及び負荷、例えば、コンプレッサを含むシステムを、「トレイン」、「トレインシステム」、あるいは「トレインプラント」と称する場合がある。
【0004】
各トレインシステムは、ガスタービン、存在する場合には、負荷ギアのエンクロージャを含む、スキッドを提供する。
【0005】
トレインシステムを陸上に設置する必要がある場合、スキッドをベースプレート上に設置してから、これをコンクリート製の基礎ブロックに固定する。このようにして、ガスタービン、場合によっては、伝達機器、並びに、内部にベースプレートを備えるエンクロージャを含むモジュールは、工場で組み立ててから、設置場所まで直接輸送することができる。
【0006】
洋上のターボ機械設備では、トレインシステムは、必ず、例えば、洋上プラットフォームで必要とされ得る電気エネルギーを生産するための発電機を含む。したがって、ターボ機械設備は、トレインシステムと、ベースプレートとも呼ばれ、洋上プラットフォームに設置されるトルク・チューブ・ベースプレートとなり得る支持台とを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
通常、ターボ機械設備を形成するトレインシステム及びベースプレートは、様々な担当者又はオペレータ、あるいは、全般的には、様々な工場によって設計、実現される。それ故、通常、トレインシステムの様々な部品を全て工場内でトルク・チューブ・ベースプレート上に設置し、様々な部品を洋上プラットフォームまで輸送し、更に、設置ヤード(洋上プラットフォーム)上で直接パイプとケーブルによって補助スキッドをトレインシステムに接続する必要がある。これには長期間にわたる設置、及び技術的な適応が必要となる。
【0008】
それ故、ガスタービンは、トルク・チューブ・ベースプレート上で直接設置、覆われ、パッケージ化されなければならない。更に、トレインシステムの運転で必要な他の機器も全てトルク・チューブ・ベースプレート上に設置する必要があるため、標準化されたガス・タービン・パッケージを使用することは困難である。
【0009】
こうしたアプローチは、設計と製造コストの他、ガスタービンの洋上建設に必要な設置と試運転時間にも悪影響を及ぼす。
【0010】
一態様において、本明細書で開示の主題は、洋上プラットフォーム用のターボ機械設備を対象とする。ターボ機械設備は、動力モジュールから製造されたトレインシステム、並びに、トレインシステムが設置されるトルク・チューブ・ベースプレートを含む。トレインシステムは、ガスタービン又は動力源と、ガスタービンによって駆動される負荷とを有する。動力源は、囲み構造で覆われる。更に、動力モジュールは支持ベースプレートも含み、この支持ベースプレートは、動力源及び囲み構造に結合し、結合部材によって、動力モジュールとトルク・チューブ・ベースプレートとの間で配置される。
【0011】
別の態様では、本明細書で開示する主題は、設備の総専有面積を削減するよう、トレインシステムの運転用の補助機器を支持ベースプレートの下に設置して、トルク・チューブ・ベースプレートに結合する必要があることに関する。更に、結合部材は支持ベースプレートとトルク・チューブ・ベースプレートとの間に配置される。
【0012】
別の態様において、本明細書では、トルク・チューブ・ベースプレートが主ビームと、主ビームと垂直に配置された複数の横ビームとを含むことを、開示している。結合部材はトルク・チューブ・ベースプレートの横ビームに接続して、トルク・チューブ・ベースプレートと支持ベースプレートとの間の距離を調整するよう、トルク・チューブ・ベースプレートと支持ベースプレートとの間で配置される。
【0013】
別の態様において、本開示は、トルク・チューブ・ベースプレートが動力源の軸受潤滑オイルを収集するタンクを含むことを、開示している。タンクをトルク・チューブ・ベースプレートと一体化したり、あるいは、トルク・チューブ・ベースプレートで得られたハウジング部に収容することができる。
【0014】
別の態様において、本開示は、タンクがトルク・チューブ・ベースプレートの主ビームに結合された2つのサブタンクを含み得ることを、開示している。
【0015】
別の態様において、本開示は、結合部材がジャッキングネジであり、ジャッキングネジごとにそれぞれの球状支持体が設けられていることを、開示している。
【0016】
別の態様において、本開示は、ターボ機械設備が、洋上プラットフォームの変形性を補償するために、トルク・チューブ・ベースプレートの下に配置された玉継手、又は防振マウントを含むことを、開示している。
【0017】
本開示の更なる態様は、動力モジュールが事前に組み立てられているという事実に導かれる。
【0018】
別の態様において、本明細書で開示する主題は、ターボ機械設備を組み立てる方法を対象としており、この方法では、補助機器をトルク・チューブ・ベースプレートに設置する。次に、負荷をトルク・チューブ・ベースプレートに設置する。最後に、1つ以上の結合部材によって、動力モジュールの支持ベースプレートをトルク・チューブ・ベースプレートに結合する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについての完全な理解は、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、それらがより良好に理解される際、容易に得られるであろう。
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る、トレインシステムがトルク・チューブ・ベースプレートに設置された、洋上プラットフォームの斜視図の概略を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1のトルク・チューブ・ベースプレートの上部から見た斜視図である。
【
図2B】
図2Bは、
図1のトルク・チューブ・ベースプレートの底部から見た斜視図である。
【
図3】
図3は、トルク・チューブ・ベースプレートとスリムベースプレートとの間の結合の詳細を示す図である。
【
図4】
図4は、
図2Aのトルク・チューブ・ベースプレートの詳細を示す図である。
【
図5】
図5は、
図1の発電機駆動機械を備えたトレインシステムの詳細を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る、トルク・チューブ・ベースプレートとスリムベースプレートとの結合方法の流れ図である。
【
図7】
図7は、第2実施形態に係る、トルク・チューブ・ベースプレートとスリムベースプレートとの結合方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
発電機を駆動し、電気エネルギーを洋上プラットフォーム設備自体に供給するために、ガスタービンが洋上プラットフォームに設置されることが多い。ガスタービンと発電機を設置するためには、多くの部品及び構成要素が必要とされ、これらを洋上プラットフォームまで直接輸送し、そこで組み立てなければならない。本発明の主題は、ガスタービン、及びベースプレートを含む動力モジュールをガスタービンの運転用の関連する補助機器と共に事前に組み立て可能とすることにより、すでに組み立てられた状態で、この組立体を洋上プラットフォームで輸送可能とする、組立体、又は設備を対象とする。このようにして、この組立体を洋上プラットフォーム上で直接設置することができる。
【0021】
これから、図面を参照すると、
図1は、洋上プラットフォーム(洋上プラットフォームは図示せず)に設置されるべき、参照番号1で示したターボ機械設備を示しており、このターボ機械設備は、トレインプラント又はトレインシステム2、並びに、トレインシステム2が結合するトルク・チューブ・ベースプレート3を含む。
【0022】
トレインシステム2は、動力モジュール又はガス・タービン・モジュール20と、動力モジュール20に接続される負荷21とを含み、これらについては、以下で詳細に述べる。
【0023】
動力モジュール20は、ガスタービン、蒸気タービン等の動力源201と、場合によっては、動力源201から生成された動力を、伝達軸(図示せず)によって負荷に伝達できるようにする遊星歯車等の伝達機器202とを、含む。しかし、他の伝達機器202も実装することもできる。幾つかの実施形態において、動力モジュール20は、伝達機器202を備えていないこともあり得る。
【0024】
囲み構造203が配置されるトルク・チューブ・ベースプレート3と比較した場合、重量とサイズを削減することを鑑みて、動力モジュール20は、囲み構造203、及び、当分野ではスリムベースプレートとも呼ばれる支持ベースプレート204も含む。囲み構造、及び支持ベースプレート204は、動力源201と伝達機器202とを包囲する。動力源201、及び伝達機器202は共に、支持ベースプレート204上に固定され、囲み構造203内で配置される。場合によっては、伝達機器202を通じて、負荷21を動力源201へと動力結合できるよう、更に、囲み構造203は片側で開放している。
【0025】
図1で見られるように、支持ベースプレート204は、ガス・タービン・モジュール20を支持するために、トレインシステム2とトルク・チューブ・ベースプレート3との間、具体的には、ガス・タービン・モジュール20とトルク・チューブ・ベースプレート3との間に配置されている。
【0026】
陸上設置では、支持ベースプレート204をコンクリートに直接固定することができる。一方、洋上設置では、支持ベースプレート204をトルク・チューブ・ベースプレート3に結合することが可能であり、これについては、以下で詳細に説明する。それ故、動力モジュール20は、陸上の他、洋上でも同様に設置可能である。
【0027】
更に、
図2A、
図2B、
図2C、及び
図3を参照すると、トルク・チューブ・ベースプレート3が詳細に図示されている。具体的には、トルク・チューブ・ベースプレート3は、直交座標系XYZ(
図1、
図2A、
図2B、及び
図3で図示)のX軸と平行、又は実質的に平行な方向に沿って展開する主ビーム30と、主ビーム30の方向と垂直、つまり、上記の同じ直交座標系XYZのY軸と平行、あるいは実質的に平行な方向に沿ってそれぞれが展開する複数の横ビーム31、32、33とを、含む。次に、トルク・チューブ・ベースプレート3は、フィッシュボーン形状をしている。
【0028】
本開示によると、主ビーム30は正方形のトルクチューブ、つまり、それぞれの高さを持つ、略正方形の断面を有する。主ビーム30は、単一部材か、又は、開放断面のビームとプレートとを溶接して得られるものでもよい。
【0029】
横ビーム、つまり、前方横ビーム31、中間横ビーム32、及び後方横ビーム33は、互いの横ビーム、更には、主ビーム30と比較して、高さが異なってもよい。幾つかの実施形態において、横ビーム31、32、及び33は、主ビーム30と高さが同じであってもよい。
【0030】
横ビーム31、32、33の1つ以上は、高さが異なることにより、パイプの通過、及び工具の設置を容易にしており、これについては、以下で詳細に述べる。
【0031】
図1、
図2A、及び
図2Bで図示された実施形態において、中間横ビーム32は、主ビーム30と高さが同じであり、負荷21の第1側又は駆動端(DE)側を支持し、動力源201と負荷21との間には接続フランジ(図示せず)がある。その代わり、前方横ビーム31は負荷21の第2側又は非駆動端(NDE)側を支持する。横ビーム33は、動力ユニット20の支持ベースプレート204を支持する。本開示において、各後方横ビーム33は第1ビーム30に溶接されている。しかし、幾つかの他の実施形態において、横ビーム33は、機械的手段によってのみ第1ビーム30に接続することもできる。
【0032】
更に、トルク・チューブ・ベースプレート3は、ハウジング部34と、ハウジング部34に収容されたタンク4とを含む。タンク4は、動力源201自体に再利用、あるいは再導入されるよう、濾過、冷却されるべき動力源201の軸受潤滑オイルを回収するためのものである。
【0033】
図2A~2B、及び
図4で見られるように、ハウジング部34は、タンク4を収容するよう成形されており、タンク4を負荷21に近づけて、動力源201の下に配置することができる。図示の実施形態において、タンク4、ひいては、ハウジング部34は、平行六面体の形状をしている。とりわけ、本開示において、タンク4はハウジング部34と一体化されている。
【0034】
他の実施形態において、タンク4は、負荷21に対して他の位置に配置してもよい。更に、幾つかの実施形態において、タンク4は、2つの外部サブタンク41と42を含むことができる。主ビーム30は、サブタンク41と42の間に配置されている。係る実施形態において、2つのサブタンク41と42は、溶接によって主ビーム30に結合することができる。
【0035】
より具体的には、サブタンク41は側方プレート411及び横プレート43の一部によって画定され、サブタンク42は関連する側方プレート421及び横プレート43の一部によって画定される。横プレートは主ビーム30を横断する。更に、タンク4は、サブタンク41と42を接続する、1つ以上の循環用パイプ44も含む。また、タンク4は、
図4に示す矢印に従って、タンク4内のオイルをポンプで圧送し、オイルを再循環させる幾つかのポンプ45を含む。更に、タンク4はオイルから不所望な溶解ガスを脱ガスするための脱ガストレイ46も収容することができる。
【0036】
とりわけ、鉱物潤滑オイルタンク4の構成によって、タンク入口からポンプ吸引部までの長い流路が確保される。その上、本開示では、中間横ビーム32は、一体型鉱物潤滑オイルタンク4を作る境界の一部である。
【0037】
更に、
図3を参照すると、ターボ機械設備1は、トルク・チューブ・ベースプレート3と支持ベースプレート204との間に配置され、とりわけ、トルク・チューブ・ベースプレート3の後方横ビーム33、及び支持ベースプレート204に接続された結合部材35も含む。他の実施形態において、結合部材35は、支持されるべき重量に応じて、他の位置に配置してもよい。
【0038】
本開示によると、各結合部材35は、それぞれの球状支持体又はワッシャを備えた、ジャッキングネジでもよい。結合部材35は、トルク・チューブ・ベースプレート3が設置されている洋上プラットフォームのデッキの変形に従って、トルク・チューブ・ベースプレート3と支持ベースプレート204との間の完璧な接触を確保することができる。
【0039】
とりわけ、結合部材35は、主ビーム30の方向及び横ビーム31、32、33の方向に垂直な方向、つまり、直交座標系XYZ(
図1、
図2A、
図2B、及び
図3に示す)のZ軸に平行又は実質的に平行な方向に沿って、調整可能である。結合部材35によって、トルク・チューブ・ベースプレート3と支持ベースプレート204との間の結合を調整することが可能である。
【0040】
更に、トルク・チューブ・ベースプレート3は、トルク・チューブ・ベースプレート3の下、具体的には、主ビーム30の下、及び/又はトルク・チューブ・ベースプレート3のハウジング部34に配置された玉継手、又はジンバル36も含む。玉継手36は、洋上プラットフォームの平面の変形性を相殺することができる。玉継手36は、ベースプレート3を洋上プラットフォームに接続する。
【0041】
図1及び
図2A~
図2Bを参照すると、トルク・チューブ・ベースプレート3は、具体的には、3つの玉継手36を含む。とりわけ、2つの玉継手36は横ビーム31と一致して配置される一方、負荷21が配置される、トルク・チューブ・ベースプレート3の反対側において横ビーム33と一致するよう、追加の玉継手36が配置される。
【0042】
しかし、本開示の他の実施形態において、トルク・チューブ・ベースプレート3は、様々な数の玉継手36を備える他、他の位置に配置されてもよい。
【0043】
更に、これまで説明した
図1の概略図を参照すると、負荷21は発電機駆動機械であり、駆動中に電流を生成可能である。発電機駆動機械21は、例えば、洋上プラットフォームに給電するために、動力源22によって起動された際、電流を生成するように適合されている。他の実施形態において、かかる負荷21は、必要に応じて、コンプレッサ、又はポンプでよい。
【0044】
図5を参照すると、幾つかの実施形態において、トルク・チューブ・ベースプレート3は、例えば、燃料オイルポンプ、液体燃料用制振ボトル、バックパージ用の単一冷却器、潤滑冷却器、及びバックパージタンク等の補助機器5を含む。とりわけ、液体燃料ブースタ及びバックパージ機器は、支持ベースプレート204の下の自由空間、及び/又はトルク・チューブ・ベースプレート3の横ビーム31、32、33の間に設置することができる。
【0045】
ターボ機械設備1は、以下のように設置することができる。
【0046】
ターボ機械設備1は、洋上プラットフォーム上で輸送できるように、動力モジュール20、及びトルク・チューブ・ベースプレート3を取り付けて、事前に組み立てることができる。
【0047】
より具体的には、
図6を参照すると、ターボ機械設備1を組み立てる方法6が図示されている。方法6は、補助機器5をトルク・チューブ・ベースプレート3上に設置する第1ステップ61を含む。
【0048】
次に、負荷21をトルク・チューブ・ベースプレート3に設置する(ステップ62)。
【0049】
次のステップ63で、1つ以上の結合部材35によって、動力モジュール20の囲み構造203の支持ベースプレート204をトルク・チューブ・ベースプレート3に結合する。
【0050】
次に(
図7も参照)、結合部材35の手動調節、又は自動調節を通じて、動力モジュール20とトルク・チューブ・ベースプレート3との間の相互位置を調整するステップ64を実行する。
【0051】
本開示の利点は、ガス・タービン・ユニットの設置は、陸上及び海上について変わらないため、途切れのないエネルギー生産のメリットが得られるということである。
【0052】
本開示のもう1つの利点は、補助機器を支持ベースプレートの下にあるトルク・チューブ・ベースプレート上で事前に設置しておくことにより、ターボ機械システムの設置がより迅速になるということである。
【0053】
本開示の更なる利点は、総専有面積が削減され(液体燃料ブースタとバックパージスキッドが無くなる)、同じガス・タービン・ユニットで左エンジン(LH)と右エンジン(RH)の双方を取り外すことができるということである。
【0054】
本開示のもう1つの利点は、従来の単一リフトベースプレート、液体燃料ブースタ、並びにバックパージベースプレートと比較して、ベースプレートの軽量化による重量削減である。
【0055】
本発明の更なる利点は、一部の要素は、他の場所に設置する代わりに、ビーム間の支持ベースプレートの下に設置できるので、よりコンパクトなレイアウトでベースプレートを設計することが可能である。
【0056】
本発明の態様は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、当業者には、特許請求の範囲の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの修正、変更、及び省略が可能であることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で別段の指定がない限り、何れのプロセス又は方法ステップの順序又は配列も、代替的な実施形態に従って変更又は再配列され得る。
【0057】
本開示の実施形態に対して詳細な参照がなされており、これらの1つ以上の例は、図面に例解されている。各例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明として提供するものである。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「ある実施形態」又は「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、一実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な個所における「ある実施形態では」又は「一実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句が現れると、それは、必ずしも同一の実施形態を指しているものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式において組み合わされ得る。
【0058】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「当該(said)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であることが意図され、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。
【国際調査報告】