(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】越流貯留タンク
(51)【国際特許分類】
F01D 25/18 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
F01D25/18 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549636
(86)(22)【出願日】2022-02-17
(85)【翻訳文提出日】2023-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2022025054
(87)【国際公開番号】W WO2022174981
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021000003647
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】マガロット,アンドレア
(72)【発明者】
【氏名】フラッシネリ,ルカ
(72)【発明者】
【氏名】ダビル,ヴェンカタ ランバブ
(57)【要約】
【解決手段】 ターボ機械であって、ターボ機械の排出オイルを収集するための出口オイルパイプを有する、ターボ機械と、主要オイル収集タンクに接続された収集マニホールドと、を備える、ターボ機械アセンブリが開示される。ターボ機械アセンブリはまた、ターボ機械の排出オイルを収集するためのオイル越流貯留タンクを備える。オイル越流貯留タンクは、入口ポート及び出口ポートを備え、入口ポートは、出口ポートに対してより高い位置に置かれている。越流貯留タンクも開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターボ機械アセンブリ(1)であって、
ターボ機械(2)であって、
前記ターボ機械(2)から放出された潤滑オイルを収集するための出口オイルパイプ(25)と、
収集マニホールド(26)と、を備える、ターボ機械(2)と、
前記ターボ機械(2)の前記放出された潤滑オイルを収集するための主要オイル収集タンク(4)であって、前記収集マニホールド(26)が、前記放出された潤滑オイルを前記主要収集タンク(4)内に搬送するように、前記主要オイル収集タンク(4)に接続されている、主要オイル収集タンク(4)と、を備え、
前記ターボ機械アセンブリ(1)は、前記ターボ機械(2)の前記放出された潤滑オイルを収集するためのオイル越流貯留タンク(5)を備え、前記オイル越流貯留タンクは、
前記出口オイルパイプ(24)に接続された少なくとも1つの入口ポート(52)と、
前記収集マニホールド(26)に接続された少なくとも1つの出口ポート(54)と、を有し、
前記入口ポート(52)は、前記出口ポート(54)に対してより高い位置に置かれており、その結果、前記ターボ機械アセンブリ(1)が傾いたときに、前記収集マニホールド(26)を通って流れる前記潤滑オイルの一部が前記貯留タンク(5)内に蓄積することを特徴とする、ターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項2】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、上面(53)及び側面(55)を有し、
前記入口ポート(52)が、前記上面(53)上に位置するか、又は存在し、
前記出口ポート(54)が、前記側面(55)上に位置するか、又は存在する、請求項1に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項3】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、不規則な空間に適合するように、平行六面体、立方体、楕円体、又は不規則な形状の形状を有する、請求項1又は2に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項4】
前記ターボ機械(2)の下方に配置されたスキッド(3)を更に備え、
前記オイル越流貯留タンク(5)が、前記スキッド(3)に固定されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項5】
前記オイル越流貯留タンク(5)がまた、前記スキッド(3)の表面に固定される、各々にフランジが装備されている複数の、好ましくは4つの支持脚(55)を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項6】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、底部プレート(58)を有し、
前記支持脚(55)は、前記底部プレート(58)が前記収集マニホールド(26)と同じ傾斜を有するように、異なる高さを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項7】
オイル貯留タンク(5)の容積(51)が、前記収集マニホールド(26)内に蓄積された前記オイルと、前記ターボ機械(2)の軸受から放出される前記オイルとを考慮して計算されており、この時間間隔の間に、典型的な波の周期の半分にほぼ等しくなるようにサイズ決定されており、その結果、前記オイル越流貯留タンク(5)内のオイルレベルが、軸受からの空気の流れを可能にする、請求項1~6のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項8】
前記主要オイル収集タンク(4)が、前記スキッド(3)の一部であるか、又は前記スキッド(3)と一体である、請求項4~6のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項9】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、トレーン回転中のスロッシング効果を制限するために、格納容積(51)の内部に設置された少なくとも1つの波防止バッフル(56)を備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項10】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、互いに対向して配置された複数の波防止バッフル(56)を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項11】
各波防止バッフル(56)が、少なくとも1つの底部開口部(57)、好ましくは2つの底部開口部(57)を有する、請求項9又は10に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項12】
前記ターボ機械が、ガスタービン(2)である、請求項1~11のいずれか一項に記載のターボ機械アセンブリ(1)。
【請求項13】
ターボ機械(2)のオイル越流を貯留するための貯留タンク(5)であって、
前記ターボ機械(2)は、潤滑排出オイルを収集するための出口オイルパイプ(25)と、前記出口オイルパイプ(25)に接続された主要収集マニホールド(26)とを備え、
前記貯留タンク(5)は、
格納容積(51)と、
前記出口オイルパイプ(25)に接続可能な入口ポート(52)と、
前記主要収集マニホールド(26)に接続可能な出口ポート(54)と、を有し、
前記入口ポート(52)は、前記出口ポート(54)に対してより高い位置に置かれている、貯留タンク(5)。
【請求項14】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、上面(53)及び側面(55)を有し、
前記入口ポート(52)が、前記上面(53)上に位置するか、又は存在し、
前記出口ポート(54)が、前記側面(55)上に位置するか、又は存在する、請求項13に記載の貯留タンク(5)。
【請求項15】
前記貯留タンク(5)が、不規則な空間に適合するように、平行六面体、立方体、楕円体、又は不規則な形状の形状を有する、請求項13又は14に記載の貯留タンク(5)。
【請求項16】
前記貯留タンク(5)を表面上に固定するために、各々にフランジ(551)が装備されている複数の、好ましくは4つの支持脚(55)を更に備え、
前記オイル越流貯留タンク(5)が、底部プレート(58)を有し、
前記支持脚(55)は、前記底部プレート(58)が前記収集マニホールド(26)と同じ傾斜を有するように、異なる高さを有する、請求項13~15のいずれか一項に記載の貯留タンク(5)。
【請求項17】
前記貯留タンク(5)の前記容積(51)が、前記収集マニホールド(26)内に蓄積された前記オイルと、前記ターボ機械(2)の軸受から放出される前記オイルとを考慮して計算されており、この時間間隔の間に、典型的な波の周期の半分にほぼ等しくなるようにサイズ決定されており、その結果、前記オイル越流貯留タンク(5)内のオイルレベルが、軸受からの空気の流れを可能にする、請求項13~16のいずれか一項に記載の貯留タンク(5)。
【請求項18】
トレーン回転中のスロッシング効果を制限するために、前記格納容積(51)の内部に設置された少なくとも1つの波防止バッフル(56)を更に備える、請求項13~17のいずれか一項に記載の貯留タンク(5)。
【請求項19】
前記オイル越流貯留タンク(5)が、互いに対向して配置された複数の波防止バッフル(56)を備え、
各波防止バッフル(56)が、少なくとも1つの底部開口部(57)、好ましくは2つの底部開口部(57)を有する、請求項13~18のいずれか一項に記載の貯留タンク(5)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ガスタービンの軸受から放出されたオイルを貯留するためのタンク又は容器に関する。タンクは、特に、洋上設置向けのガスタービンにおいて、軸受の浸水を回避する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン、特に、蒸気タービンは、陸上及び洋上プラットフォームのいずれかに設置される。後者は、主に、海底の下にある堆積物からガスを抽出するために使用される。
【0003】
洋上プラットフォームにおけるガスタービンの設置は、主に、海の動きに起因するピッチ及び変動を受けることが多い。洋上設置のための典型的なピッチ値(5~10度)は、潤滑オイル放出マニホールドの傾斜角が大きくなければならず、その結果、トレーン中心線の高さが増加し、機械に対するタンクの位置が制約される。
【0004】
より具体的には、ターボ機械などの任意の設置は、動作に潤滑オイルを必要とするが、これが軸受を潤滑すると、潤滑オイルは収集され処理されなければならない。例えば、電気エネルギーを生成するためのターボ機械は、ガスタービンと、スキッド、すなわちガスタービンが設置される支持ベースと、通常はガスタービンの下方に配置され、軸受の潤滑及び冷却に使用された潤滑オイルを冷却、濾過、及びガスタービンに再導入するために収集する主要オイル収集タンクと、を提供する。主要オイル収集タンクは、スキッドの一部であり、洋上プラットフォーム上の空間を節約する。ターボ機械から到来する潤滑オイルは、ターボ機械からオイル放出マニホールドを通ってオイルタンクに放出される。
【0005】
洋上プラットフォームのピッチがゆえに、オイルタンク内に格納された潤滑オイル又はオイル放出マニホールドを通って流れる潤滑オイルが、ガスタービンに戻るのを防止するために、オイル放出マニホールドは、起こり得る逆流を補償するように下方に角度を付けて配置される。これは必然的に、オイルタンクを可能な限り低いレベルに置く必要があることを含意する。これは、全体的な設置サイズの増加、並びにより複雑な構造をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上のことは、洋上での建設及び運用コストに悪影響を及ぼす。
【0007】
したがって、本技術においては、よりコンパクトなサイズでの改良された設置が歓迎されるであろう。
【0008】
一態様では、本明細書に開示される主題は、ターボ機械アセンブリであって、ガスタービンなどのターボ機械の放出されたオイルを収集するための出口オイルパイプと、収集マニホールドと、ターボ機械から到来する放出されたオイルを収集するための主要オイル収集タンクとを備える、ターボ機械アセンブリを対象とする。収集マニホールドは、軸受から到来する潤滑オイルを主要オイル収集タンクに放出する。ターボ機械アセンブリは、オイル越流貯留タンクを備え、ターボ機械アセンブリが傾斜したときに収集マニホールドを通って流れるオイルの一部の蓄積を可能にする。
【0009】
別の態様では、本明細書に開示される主題は、オイル越流貯留タンクが、タンクの上面上に存在し、出口オイルパイプに接続可能な入口ポートと、タンクの側面上に存在し、収集マニホールドに接続可能な出口ポートと、を有することに関する。
【0010】
別の態様では、本明細書に開示されるのは、オイル越流貯留タンクが、タンクを固定するための複数の支持脚を備えることである。
【0011】
本開示の更なる態様は、オイル貯留タンクが、トレーン回転中のスロッシング効果を制限するために、タンク内に配置された波防止バッフルも備えることに向けられている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明の開示される実施形態、及びそれに付随する利点の多くについての完全な理解は、添付図面に関連して考慮される場合、以下の発明を実施するための形態を参照することによって、それらがより良好に理解される際、容易に得られるであろう。
【
図1】
図1は、第1の実施形態による越流貯留タンクを備えたターボ機械の概略斜視図を示す。
【
図3】
図3は、第1の実施形態による越流貯留タンクを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ガスタービンは、プラットフォーム自体のいくつかの装置にエネルギーを供給するために、洋上プラットフォームにおいて広く使用されている。ガスタービンは、任意の機械式機械と同様に、動作するために潤滑オイルを必要とする。特に、オイルは、ガスタービンの軸受を潤滑して回転部品の回転を可能にするために使用される。ガスタービンの軸受の潤滑オイルは、ガスタービンから放出され、好適なオイル収集タンクに収集され、再使用される前に冷却及び濾過される。適切なパイプが、ガスタービンをオイル収集タンクに接続する。洋上プラットフォームは、例えば、波浪によるピッチを受ける。これにより、ガスタービンから放出された潤滑オイルがガスタービンに逆流する可能性がある。一態様によれば、本主題は、ガスタービンとオイル収集タンクとの間に介在し、ガスタービン、洋上プラットフォームのピッチの場合には、ガスタービンの端部に向かって誘導される潤滑オイルのいかなる逆流も収集することが意図された、越流貯留タンクを対象とする。
【0014】
ここで図面を参照すると、
図1及び
図2は、洋上プラットフォーム(図示せず)に設置され得る、参照番号1で示されるターボ機械アセンブリを示す。
【0015】
ターボ機械アセンブリ1は、概して、軸流タービンであり、圧縮機21と、燃料ノズル及び燃料ノズルによって吐出された燃料を燃焼させる点火装置を装備した燃焼チャンバ22と、出力シャフト23に接続された1つ以上の段の出力タービン(図示せず)とを備える、参照番号2によって全体的に示されるガスタービン又はターボ機械を備える。次いで、出力シャフト23は、電気エネルギーを発生させる発電機(図示せず)、又はガス圧縮機、又はポンプに接続されている。次いで、燃焼排気ガスは、排気筒24によって吐出される。
【0016】
ガスタービンはまた、以下に更によく説明する通り、ターボ機械2から潤滑オイルを流出させるための出口オイルパイプ25と、出口オイルパイプ25から排出されたオイルが流入する収集マニホールド26と、を備える。ターボ機械1はまた、ガスタービン2を支持するためのスキッド3を備える。スキッド3は、ガスタービン2の下方に配置されている。
【0017】
収集マニホールド26は、ほぼ水平に、すなわち、ガスタービン2の軸に平行に配置される。
【0018】
ターボ機械1はまた、潤滑オイルを収集するために、通常は、ガスタービン2の下方に配置された主要オイルタンク4を備える。主要オイルタンク4は、スキッド3の一部であるか、又はスキッド3と一体である。
【0019】
また、収集マニホールド26は、主要オイルタンク4に接続されている。出口オイルパイプ25を通ってガスタービン2から流出した潤滑オイルは、収集マニホールド26内に収集される。
【0020】
ターボ機械1はまた、スキッド2上において、ターボ機械1付近に、図示の実施形態では、ターボ機械1の真下に配置された越流貯留タンク5を備える。オイル越流貯留タンク5に関する更なる構造は、その動作を更によく記載するために以下にて詳述する。
【0021】
他の実施形態では、オイル越流貯留タンク5は他の位置に位置してもよい。しかしながら、通常、越流貯留タンク5は、ガスタービン2よりも低いレベルに、すなわち、排出された潤滑オイルが到来する配置から、置かれる。
【0022】
概して、オイル越流貯留タンク5は、オイル収集タンクから最も遠い位置に位置する。
【0023】
図3も参照すると、オイルの収集が可能な格納容積51を規定する越流貯留タンク5が見て取れる。本実施形態では、越流貯留タンク5は、平行六面体の形状を有する。他の実施形態では、越流貯留タンク5は他の形状を有することができる。例として、オイル越流貯留タンク5は、立方体状、楕円状であってもよく、又はあり得る不規則な空間に適合するように不規則な形状を有してもよい。
【0024】
オイル貯留タンク容積51は、収集マニホールド26内に蓄積されたオイルと、軸受から放出されるオイルとを考慮して計算される。容積51は、典型的な波の周期の半分に等しい、この時間間隔の間、軸受の下流でのオイルミスト除去器の減圧効果を保証するように、貯留タンク内のオイルレベルが常に軸受からタンクへの空気の流れを可能にするように、サイズ決定される。オイルレベルにより、空気通路に対して出口ポート54を部分的に開いたままにするか、又はオイルが放出マニホールドを決して完全に満たさず、主要オイルタンク4への自由な空気通過が常に可能となる位置で、貯留タンクの上部を収集マニホールド26の上部に接続するように、ベントパイプが含まれるか、のいずれかである。
【0025】
越流貯留タンク5は、出口オイルパイプ25に接続されて越流貯留タンク5の上面53に位置するか又は得られる入口ポート52と、収集マニホールド26に接続されてオイル越流貯留タンク5の側面55に位置するか又は得られる出口ポート54と、を有する。換言すれば、越流貯留タンクは、出口オイルパイプ25及び収集マニホールド26に接続される。入口ポート52は、出口ポート54に対してより高い位置に置かれている。越流貯留タンク5はまた、ボルト又は任意の他の固定手段によってスキッド3の表面に固定される、各々にフランジ551が装備されている4つの支持脚55を備える。
【0026】
脚55は、オイル越流貯留タンク5の底部プレート58が収集マニホールド26と同じ傾斜を有するように、異なる高さを有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、オイル越流貯留タンク5は、複数の入口ポート52と、複数の出口ポート54と、を有し得る。いずれの場合も、全ての出口ポート54は、いずれの入口ポート52よりも低い位置に得られる。
【0028】
図示の実施形態では、越流貯留タンク5はまた、トレーン回転中のスロッシング効果を制限するために、越流貯留タンク5の格納容積51内に設置された波防止バッフル56(穴あきプレートタイプ)を備える。各波防止バッフル54は、バルクヘッドであり、少なくとも1つの底部開口部57を有する。より具体的には、図示の実施形態では、波防止バッフル56は、2つの底部開口部57を有する。底部開口部57は、オイル越流貯留タンク5内に格納されるオイルの分配を可能にし、同時に、波防止バッフル56がオイル越流貯留タンク5内の波を低減することを可能にする。波防止バッフル56も傾斜させ得る。
【0029】
また、越流貯留タンク5には、複数の波防止バッフル56を設けることができる。この場合、波防止バッフル56は、互いに対向するように配置され、越流貯留タンク5の底部に固定される。
【0030】
また、波防止バッフル56は、出口ポート54の前方に配置される。
【0031】
いくつかの実施形態では、越流貯留タンク5は、波防止バッフル53を備えていなくてもよく、又は異なる数若しくは形状の波防止バッフル53を備え得る。
【0032】
越流貯留タンク5は、金属又は潤滑オイルを格納するのに好適な他の任意の材料で作製可能である。
【0033】
ターボ機械アセンブリ1の越流貯留タンク5は、以下のように動作する。
【0034】
ターボ機械アセンブリ1のターボ機械2、すなわち、ガスタービンが動作すると、ガスタービン2の排出潤滑オイルは、ガスタービン2自体によって生成される。排出された潤滑オイルは、出口オイルパイプ25を通って流れ、格納容積51内に収集されるように、入口ポート52を通って越流貯留タンク5に流入する。
【0035】
出口ポート54が入口ポート52に対してより低い位置に置かれるため、越流貯留タンク5内に格納された潤滑オイルは、主要オイル収集タンク4に到達するように、タンク5から収集マニホールド26を通って流出する。
【0036】
10度にも達し得る洋上設置のピッチの場合、収集マニホールド26を通って流れる潤滑オイルは逆流する可能性があって、オイルが越流貯留タンク5内に蓄積する可能性がある。また、入口ポート52が出口ポート54よりも高いレベルにあるため、潤滑オイルが出口オイルパイプ25を通ってひいてはガスタービン2に逆流することが防止される。
【0037】
また、上述したように、脚55の長さが異なるため、オイル越流貯留タンク5の底部プレート58は、収集マニホールド26と同じ傾斜を有し、したがって、オイルのレベルと収集マニホールド26との間に追加のオフセットがない。
【0038】
また、洋上プラットフォームに応力を誘発するような、特に波の動きの場合、越流貯留タンク5内に収集された潤滑オイルは、越流貯留タンク5内に生じ得る波を単に遮断する波防止バッフル56の作用のおかげで、収集マニホールド26を通って過剰な力で流れることが防止される。
【0039】
越流貯留タンクの設置の利点は、トレーンの中心線高さが低減され、パッケージがよりコンパクトなレイアウトで設計され得ることである。
【0040】
いくつかの実施形態では、出口ポート54は、異なる位置に存在し得、例えば、越流貯留タンク5の別の側又は底部に存在し得る。概して、重力によって、越流貯留タンク5内に収集された排出オイルは、収集マニホールド26からの排出オイルの任意の逆流のために収集されるが、出口オイルパイプ25を通ってターボ機械2に逆流することが禁止されるように、出口ポート54は、入口ポート52よりも低いレベルに配置される。
【0041】
本発明の態様は、様々な特定の実施形態に関して説明されてきたが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲を逸脱することなく多くの修正、変更、及び省略が可能であることが、当業者には明らかであろう。加えて、本明細書で別段の指定がない限り、いずれのプロセス又は方法ステップの順序又は配列も、代替的な実施形態に従って変更又は再配列され得る。
【0042】
本開示の実施形態に対して詳細な参照がなされており、これらの1つ以上の例は、図面に例解されている。各例は、本開示を限定するものではなく、本開示の説明として提供するものである。実際には、本開示の範囲又は趣旨から逸脱しない限り、本開示に様々な修正及び変形を加えることができるということが、当業者には明らかであろう。本明細書全体を通して「一実施形態」又は「実施形態」又は「いくつかの実施形態」への言及は、実施形態に関して説明される特定の特徴、構造、又は特性が、開示される主題の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な個所における「ある実施形態では」又は「一実施形態では」又は「いくつかの実施形態では」という句が現れると、それは、必ずしも同一の実施形態を指しているものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式において組み合わされ得る。
【0043】
様々な実施形態の要素を提示する際、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「当該(said)」は、要素のうちの1つ以上があることを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」という用語は、非排他的であることが意図され、列記された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味するものである。
【国際調査報告】