(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】平面構造を有する振動ジャイロメータ
(51)【国際特許分類】
G01C 19/5642 20120101AFI20240219BHJP
【FI】
G01C19/5642
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550239
(86)(22)【出願日】2022-03-01
(85)【翻訳文提出日】2023-08-21
(86)【国際出願番号】 FR2022050368
(87)【国際公開番号】W WO2022189730
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518023164
【氏名又は名称】オフィス ナショナル デテュード エ ドゥ ルシェルシュ アエロスパシアル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ル トゥラオン,オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】ルヴィ,ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】ゲラール,ジャン
(72)【発明者】
【氏名】ペリエ,トマ
【テーマコード(参考)】
2F105
【Fターム(参考)】
2F105AA02
2F105BB01
2F105CC04
(57)【要約】
慣性角度位置センサは、センサの感知軸(A-A)の周りに対称に配置された、少なくとも3つの同等の共振器(R1~R3)を備える。その結果、前記センサによって構成されたジャイロメータは、積分機能を有する。前記センサは、各共振器の振動部分を、センサの他の全ての共振器の振動部分に接続する接続要素(Ec)をさらに備える。慣性角度位置センサの好適な構成は、高感度および低製造コストを伴う積分ジャイロメータを得ることを可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
慣性角度位置センサ(101~107)であって、
感知軸(A-A)と称される軸の周りに対称に配置されており、かつ、前記感知軸の周りの2π/nの回転に対して不変である、少なくとも3つの同等な共振器(R1~R3;R1~R4)を含んでおり、
nは、前記センサの共振器の数であり、
前記センサが振動の少なくとも2つの縮退モードを有するように、n個の前記共振器(R1~R3;R1~R4)が互いに接続されることにより、前記感知軸(A-A)の周りの前記センサの回転を特性決定することが可能であり、
各共振器(R1~R3;R1~R4)は、平坦かつ平行な2つの対向する面を有するウェハのそれぞれの部分を含んでおり、
各共振器に専用のウェハ部分は、前記共振器の振動部分と称され、前記センサの使用時に曲げ振動するように設計されており、
前記ウェハは、前記センサのn個の前記共振器(R1~R3;R1~R4)に共通であり、
前記センサは、各共振器(R1~R3;R1~R4)の前記振動部分を、前記センサのn個の前記共振器の内の他の全ての前記振動部分に接続する接続要素(Ec)をさらに含んでおり、
前記接続要素も、前記感知軸(A-A)の周りの2π/nの回転に対して不変であり、
n個の前記共振器の前記振動部分は、前記接続要素の周りに角度的に分布しており、
各共振器(R1~R3;R1~R4)の前記振動部分は、前記共振器に専用の足部(Pd)と称される前記ウェハの中間的なセグメントによって、前記振動部分および前記接続要素(Ec)の外部に位置している前記センサの支持部(Pf)に接続されており、
前記足部は、前記振動部分と一体化されており、かつ、前記支持部と前記振動部分との間の接続部を形成しており、
各共振器(R1~R3;R1~R4)について、
前記共振器の前記振動部分は、
前記ウェハの両面と平行であり、かつ、前記両面から等距離にある、中央平面と称される第1対称平面と、
前記中央平面に直交しており、かつ、前記支持部と前記振動部分との間に位置する前記足部(Pd)によって形成された前記接続部を長手方向に通過する、前記ウェハに直交する対称平面と称される第2対称平面と、を有しており、
前記中央平面と前記ウェハに直交する対称平面との共通部分は、前記振動部分の中心軸(Xm)を成しており、
前記振動部分は、それぞれが曲げ振動するように設計されている2つの延在部(P1,P2)を含んでおり、
2つの前記延在部は、前記足部(Pd)から、前記ウェハに直交する対称平面の各側に対称的に延在しており、
各延在部(P1,P2)には、前記ウェハに直交する対称平面から前記延在部の遠位端に向かうが、前記遠位端に達することなく、前記中央平面に直交して前記振動部分を通過する長手方向のスロット(FL1,FL2)が設けられており、
各延在部は、蛇行形状であり、
両方の延在部(P1,P2)のそれぞれの前記スロット(FL1,FL2)は、前記ウェハに直交する対称平面に対して対称であり、かつ、前記ウェハに直交する対称平面において交わり、
前記振動部分は、2つのプライマリセグメント(L1ext,L2ext)と、2つのセカンダリセグメント(L1int,L2int)とを含んでおり、
2つの前記プライマリセグメントのそれぞれは、前記足部(Pd)を前記延在部のうちの1つの遠位端に接続し、
2つの前記セカンダリセグメントは、前記ウェハに直交する対称平面において前記セカンダリセグメントのそれぞれの近位端によって相互接続されており、
2つの前記セカンダリセグメントのそれぞれは、前記延在部のうちの1つの遠位端に向かって延在しており、前記遠位端において前記プライマリセグメントのうちの1つに接続されており、
前記感知軸(A-A)の周りの回転を特性決定することを可能にする前記センサにおける両方の縮退モードについて、
各共振器の前記振動部分は、前記中央平面と平行であり、かつ、前記ウェハに直交する対称平面に対して対称な動きのみを伴っており、
両方のプライマリセグメント(L1ext,L2ext)は、振動中の各時点において、前記中心軸(Xm)に平行な瞬時速度成分を有しており、
前記瞬時速度成分の方向は、前記中心軸(Xm)に平行な前記セカンダリセグメント(L1int,L2int)の瞬時速度成分の方向とは逆である、センサ。
【請求項2】
前記接続要素(Ec)は、前記ウェハに形成されたパターンによって構成されており、かつ、各共振器(R1~R3;R1~R4)の前記振動部分と一体化されている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
各共振器(R1~R3;R1~R4)について、
前記中央平面に平行であり、かつ、前記ウェハに直交する対称平面に対して対称な動きのみを伴う前記センサの振動の各縮退モードが、前記センサに、前記中心軸(Xm)に平行な前記足部(Pd)のいかなる動きをも生じさせないように、前記振動部分が質量分布を有している、請求項1または2に記載のセンサ。
【請求項4】
各共振器(R1~R3)の各延在部(P1,P2)は、前記延在部の遠位端において、前記中央平面に平行に、前記延在部の前記プライマリセグメント(L1ext,L2ext)および前記セカンダリセグメント(L1int,L2int)の外側の長手方向のエッジに対する拡張部を有している、請求項1から3のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項5】
前記接続要素(Ec)は、前記セカンダリセグメント(L1int,L2int)の相互接続された近位端において、前記共振器の中心軸(Xm)と平行に、かつ、前記共振器の足部(Pd)とは反対側の前記振動部分の側において、各共振器(R1~R3;R1~R4)の前記振動部分に接続されている、請求項1から4のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記ウェハの材料は、単結晶であり、三方晶系に属しており、かつ、圧電性を有しており、
各共振器(R1~R3;R1~R4)について、
前記振動部分の前記中心軸(Xm)は、前記材料の軸Xcに平行であり、
前記振動部分の両方の前記プライマリセグメント(L1ext,L2ext)および両方の前記セカンダリセグメント(L1int,L2int)は、前記材料の軸Ycに平行である、請求項1から5のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項7】
各共振器(R1~R3;R1~R4)の前記振動部分の両方の延在部(P1,P2)が、60°、90°、または180°に等しい角度(α)を当該延在部間に成している、請求項1から6のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項8】
振動の前記縮退モードのうちの第1縮退モードに従って、n個の前記共振器(R1~R3;R1~R4)の前記振動部分の曲げ歪みを生じさせる励起手段と、
振動の前記第1縮退モードとは異なる、振動の別の縮退モードに従って、前記センサの振動振幅を測定する検出手段と、をさらに備えている、請求項1から7のいずれか1項に記載のセンサ。
【請求項9】
慣性角度位置センサを備えているジャイロメータであって、
前記センサは、請求項1から8のいずれか1項に記載のセンサである、ジャイロメータ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、慣性角度位置センサ、および、当該センサを備えるジャイロメータに関する。本発明は、平面構造を有するジャイロメータについての複数のモデルを提供する。当該平面構造は一体的(統合的)なエッチングプロセスによって製造可能であり、当該平面構造のそれぞれが、積分ジャイロメータの機能を提供する。本発明は、クオーツ(石英)結晶などの圧電材料、および、マイクロシステムの分野において一般的な他の結晶材料(例:シリコン)の両方に適用される。
【0002】
[先行技術]
既知の通り、少なくとも2つの個別の振動モードを有する少なくとも1つの振動部分からジャイロメータを形成することが可能である。この場合、これら2つのモードは、少なくとも1つの振動部分に加えられる回転によって互いにカップリング(結合)されうる。そこで、ジャイロメータは、(少なくとも1つの)振動部分に加えて、(i)2つの振動モードのうちの一方(パイロットモードと称される)を励起するための手段と、(ii)他方のモード(センシングモードと称される)における振動の振幅を検出するための手段と、を備える。
【0003】
積分ジャイロメータと称される物品においては、直接的に測定される値は、回転速度ではなく、ガリレオ基準系に対してジャイロが回転した回転角度に対応する値である。この動作原理は、「本体の振動の慣性」として知られており、1851年にレオン・フーコーによって振子を用いて実証された。このことは、ギュスターヴ・コリオリによって明らかにされた慣性力が、振動のいかなる好ましい軸をも有しない1つ以上の共振器に作用する場合には、当該慣性力の結果的な表現に関する。角速度を時間積分した結果を直接的に測定することは、高度に動的な用途において、かつ、角偏差に関する情報が必須である場合には、非常に有益でありうる。例えば、特に慣性ナビゲーションの用途では、このことが当てはまる。
【0004】
ロード・ブライアンによる1892年の論文「"On a revolving cylinder or bell", Proceedings of the Cambridge Philosophical Society, Volume VII, October 28, 1889 - May 30, 1892」によって理論化された通り、上述の周知の積分ジャイロメータは、半球状の共振器またはベルを使用する。当該共振器の構成の場合、回転は、共振器における縮退している2つのモード間の振動エネルギーの部分的な伝達に起因する、共振器振動の部分的な同調を生じさせる。
【0005】
既知の通り、2つの振動モードが、(i)共振器の幾何学的な歪み(変形)の個別のカテゴリに対応しているが、(ii)同じ振動周波数値を有している場合に、当該2つの振動モードが縮退していると称される。本明細書全体を通じて、共振器または慣性角度位置センサの振動モードは、単にその固有振動モードの1つとして表記されている。すなわち、外部干渉がない場合には、このモードでのプロセスにおける振動は、共振器またはセンサの別の固有振動モードと混合することなく継続する。ジャイロメータの場合、2つの固有モード間のカップリングを生じさせるのは、コリオリ力である。その結果、2つの固有モードのうちの1つに従って励起される振動は、他の固有モードに部分的にまたは完全に伝達される。振動エネルギーのこの伝達の強度は、回転速度の測定値をもたらす。あるいは、積分ジャイロメータの場合には、当該強度は回転角度の測定値をもたらす。
【0006】
積分ジャイロメータの別の例は、曲げ振動するように設計(意図)されている梁に基づいている。この梁は、等方性材料によって作成されており、かつ、互いに異なる少なくとも2つの曲げ方向においてその曲げ慣性が同等となるような断面を有している。特に、梁の断面が、円形、正方形、または二等辺三角形である場合、より一般的には、当該梁が、矩形(長方形)断面を有する梁とは対照的に、曲げ振動の好ましい軸を有していない場合には、このことが当てはまる。(i)梁または支持体内への埋込物における何らかの非対称性は、所望の効果を損なわせるおそれがあること、および、(ii)振動の慣性を得るためには、振動部分は外界から隔離されていると見なされなければならないことを、読者は理解できるであろう。このことは、当該振動が振動部分の取付状態に依存しないことを意味する。さらに、振動部分の材料は、考慮されている振動に適した対称性を有していることが必要でありうる。
【0007】
マイクロシステムの形態をとる共振器の場合、平面構造が必要である。これにより、ジャイロメータにおける(1つ以上の)共振器を形成するために選択された材料のウェハに基づく一体的な製造プロセスによって、当該共振器を容易に具現化できる。従来では、この材料は、単結晶または多結晶のシリコン、あるいはクオーツ結晶である。
【0008】
シリコンベース(シリコン系)の共振器では、静電力を使用することによって質量体の動きが設定されることが通常である。そして、移動部と固定部との間に形成された少なくとも1つのキャパシタに対してなされるキャパシタンス測定によって、このように生じた動きが検出されることが通常である。
【0009】
圧電材料によって作成されている共振器の場合、圧電効果による振動の有用な励起、および、検出される有用な信号は、動き(運動)にはもはや由来しておらず、機械的な応力または歪みに由来している。その結果、応力および歪みが共振器の拡張領域に亘って分布している共振器構造は、応力および歪みがスプリング(バネ)として作用する材料の部分にのみ存在している、当該スプリングに関連する非変形可能な慣性質量体の形態をとる構造に比べて圧電材料に適している。
【0010】
論文「"The theory of a piezoelectric disc gyroscope", J.S. Burdess et al., IEEE Transactions on Aerospace And Electronic Systems, 1986, Volume: AES-22, issue 4」では、平面構造を有しており、かつ、圧電材料によって作成されている積分ジャイロメータが提案されている。当該論文において考慮されている共振器は、ディスク(円板)形状を有している。当該共振器の振動の2つの縮退モードは、励起電極および検出電極の設計によって選択される。振動電子回路は、共振器がディスクに直交する軸回転に供される場合に、振動の自然な(本来の)歳差運動に追従することを可能にする。このジャイロの主な欠点は、取付状態に対する共振器の多大な感度から生じる。すなわち、ディスクの中心に位置する取付領域は、共振器の効果的な取り付けを可能にするために、十分に大きくなければならない。ただし、当該取付領域は、振動の2つの有用なモードの周波数および減衰を大きく変化させる。ほとんどの場合、取付領域は、2つのモードの縮退における損失を引き起こし、積分ジャイロメータとして機能することを困難にするか、あるいは不可能にしさえする。例えば、FR2,723,635では、より高次のモードを使用することによる改善が提案されているが、環境から共振器を十分に隔離することが実現されていない。
【0011】
US7,040,163に記載の通り、静電力による励起のための手段、および、振動モードの容量性検出のための手段、の挿入を可能にする開口ディスクを提案することによって、共振器に応じたディスク形状もシリコン材料と共に使用されていた。しかし、圧電材料によって作成されたディスクに当てはまることであるが、中心への取り付けでは、振動モードの十分な縮退を実現できない。そして、中心への取り付けは、複雑かつ高価なバランシングおよび/または電子補償技術を用いることを要する。
【0012】
論文「"Flat is not dead: current and future performance of Si-MEMS Quad Mass Gyro (QMG) system", A.A. Trusov et al., DOI: 10.1109/PLANS.2014.6851383」に記載の通り、他の振動構造は、(i)剛体と、(ii)質量体間の接続手段と、に接続された非変形可能な質量体を実装している。当該論文に記載されている構造は、逆位相の運動を強制するために、レバーのシステムによってペアで互いに接続された4つの質量体によって構成されている。ただし、これらのレバーは製造が複雑であり、構造体の平面内の振動モード間での対称性を得るためには高いレベルの製造精度を要する。したがって、この構造は、特に静電剛体を加えることによって、有用なモードをバランシングする補助システムを導入することを要する。
【0013】
文献CN106,441,261Aは、内側リングおよび外側リングに接続された4つの振動質量体を備えたマイクロメカニカルジャイロを記載している。これらの内側リングへの接続は、レバーによって行われている。ジャイロ全体は、90°の回転に対して不変である。
【0014】
[技術的課題]
この状況に基づいて、本発明の目的は、積分ジャイロメータのための新規な慣性角度位置センサを提供することにある。上述の通り、当該ジャイロメータは、従来のセンサの欠点の少なくとも一部に関して改善される。
【0015】
本発明の副次的な目的は、クオリティファクタ(品質係数)値の増大をもたらし、かつ、2つの縮退モードをより容易に得るために、外部への振動エネルギー損失が低減されるセンサを提供することにある。
【0016】
本発明の別の副次的な目的は、ウェットケミカルエッチングプロセスによってセンサが製造される場合に、当該センサの形状に影響を及ぼしうる対称性欠陥を低減することにある。ウェットケミカルエッチングプロセスは、センサを形成するために使用される材料の異なる結晶方位間に存在するエッチング速度の差異に起因した、低コストの製造プロセスである。
【0017】
[発明の概要]
これらの目的または他の目的のうちの少なくとも1つを実現するために、本発明の第1の態様は、新規な慣性角度位置センサを提案している。前記センサは、感知軸と称される軸の周りに対称に配置された少なくとも3つの同等な共振器を備える。当該共振器は、この感知軸の周りの2π/nの回転に対して不変である。nはセンサの共振器の数である。n個の共振器は、センサが振動の少なくとも2つの縮退モードを有するように互いに接続されている。これにより、センサの感知軸周りの回転を特性決定することが可能とする。
【0018】
本発明のセンサの第1の構成によれば、各共振器は、平坦かつ平行な2つの対向する面を有するウェハのそれぞれの部分を含んでいる。各共振器に専用のウェハ部分は、センサの使用時に振動するように設計されており、当該共振器の振動部分と称される。さらに、ウェハは、センサのn個の共振器に共通である。
【0019】
本発明のセンサの第2の構成によれば、各振動部分は、センサの使用時に曲げ振動するように設計されている。
【0020】
最後に、本発明のセンサの第3の構成によれば、センサは接続要素をさらに備えている。接続要素は、各共振器の振動部分を、当該センサのn個の共振器の内の他の全ての振動部分に接続する。接続要素も、感知軸の周りの2π/nの回転に対して不変である。n個の共振器の振動部分は、接続要素の周りに角度的に分布している。
【0021】
本発明のセンサは、n個の共振器のそれぞれの振動部分を形成するように設計されている、ウェハに基づく一体的な製造プロセスを使用して、工業的に低コストで製造されうる。
【0022】
加えて、本発明の慣性角度位置センサは、振動の2つの縮退しているモードを有しているので、積分ジャイロメータの構成要素の一部であることに適している。当該振動の2つのモードでは、当該センサが受けるガリレオ基準系に対する感知軸の周りの回転によって、振動エネルギーが一方のモードから別のモードへと伝達されやすい。より正確には、センサを形成する個別の共振器の数の値(3以上)は、振動の縮退モードのペアの存在を、当該縮退モード間でエネルギーを伝達する感知軸の周りの回転の可能性と組み合わせることを可能にする。上述の通り、縮退している2つのモードは、共通の振動周波数値を有している。ただし、センサは、振動の2つの縮退モードにそれぞれ関連する、複数の振動周波数値を有していてもよい。
【0023】
最後に、本発明のセンサの接続要素は、センサの感知軸の周りの2π/nの回転に対して不変であるので、測定されるべき感知軸の周りの回転について、振動の2つの縮退モード間で振動エネルギーを伝達する場合に、良好な効率を保証しつつ、共振器のセットの振動における2つのモード間の縮退を維持できる。したがって、センサは、当該センサが組み込まれたジャイロメータに、高い検出感度および測定感度をもたらす。
【0024】
好ましくは、センサにおける共振器の数nは、8以下である。
【0025】
好ましくは、各振動部分は、センサの使用時に、ウェハの面に平行に曲げ振動するように設計されていてもよい。
【0026】
好ましくは、接続要素は、センサの共振器のそれぞれの振動部分と一体的に(一体化されて)ウェハ内に形成されたパターンから構成されていてもよい。
【0027】
本発明の第4の構成によれば、各共振器の振動部分は、足部と称されるウェハの中間的なセグメント(部分)によって、振動部分および接続要素の外部に位置しているセンサの支持部に接続される。足部は、振動部分と一体化されており、振動部分と支持部分との間の接続部を形成する。そして、各共振器について、下記の通りである。
【0028】
この共振器の振動部分は、(i)ウェハの両面と平行であり、かつ、これらの2つの面から等距離にある第1対称平面(中央平面と称される)と、(ii)中央平面に直交しており、かつ、支持部分と振動部分との間に位置する足部によって形成された接続部を長手方向に通過する第2対称平面(ウェハに直交する対称平面と称される)と、を有している:
(i)中央平面と、(ii)ウェハに直交する対称平面と、の共通部分(交点)は、振動部分の中心軸を成している:
振動部分は、2つの延在部を有する。2つの延在部のそれぞれは、曲げ振動するように設計されている。これらの2つの延在部は、足部から、ウェハに直交する対称平面の各側に対称的に延在している:
各延在部には、長手方向のスロットが設けられている。当該スロットは、ウェハに直交する対称平面からこの延在部の遠位端に向かうが、当該遠位端に達することなく、中央平面と直交するように振動部分を通過する。その結果、各延在部は蛇行形状である:
両延在部のそれぞれのスロットは、ウェハに直交する対称平面に対して対称であり、ウェハに直交するこの対称平面において交わる。その結果、振動部分は、2つのプライマリセグメント(1次セグメント)と、2つのセカンダリセグメント(2次セグメント)とを備える。2つのプライマリセグメントは、足部を延在部のうちの1つの遠位端にそれぞれ接続する。2つのセカンダリセグメントは、ウェハに直交する対称平面において、当該セカンダリセグメントのそれぞれの近位端によって相互接続されている。2つのセカンダリセグメントのそれぞれは、延在部のうちの1つの遠位端へと延在しており、その遠位端においてプライマリセグメントのセグメントのうちの1つに接続されている。
【0029】
センサの共振器のそれぞれの振動部分の上記構成によれば、感知軸の周りの回転を特性決定することを可能にするセンサの振動の両方の縮退モードについて、この振動部分は、中央平面に平行であり、かつ、ウェハに直交する対称平面に対して対称な動きのみを伴う。さらに、両方のプライマリセグメントは、振動中の各時点において、中心軸と平行な瞬時速度成分を有する。当該瞬時速度成分の方向は、セカンダリセグメントの瞬時速度成分の方向とは逆である。セカンダリセグメントの瞬時速度成分も、中心軸と並行である。これらの正反対の速度の向きは、それらに関連する運動量成分の一部が、各共振器について互いに少なくとも部分的に補償することを可能にする。それゆえ、振動部分によってこの共振器の足部に伝達される動きが低減される。その結果、共振器は、低い振動エネルギー損失を有する。それゆえ、そのクオリティファクタは高くなりうる。このため、2つの縮退振動モードのそれぞれに有効なセンサのクオリティファクタも高い。
【0030】
有益であることに、各共振器について、中央平面に平行であり、かつ、ウェハに直交する対称平面に対して対称な動きのみを伴うセンサの振動の各縮退モードは、考慮されている共振器に、中心軸に平行な足部のいかなる動きをも生じさせないよう、振動部分は質量分布を有していてもよい。言い換えれば、考慮されている共振器の中心軸に平行な各振動部分の運動量成分の補償は、精密(正確)またはほぼ精密でありうる。この場合、共振器の足部を通じた振動エネルギー損失は、ゼロまたはほぼゼロである。このため、振動の2つの縮退モードに対するセンサのクオリティファクタは、非常に高くなりうる。加えて、足部に上記動きを生じさせないことにより、センサを、対称性欠陥に対して低感度にすることができる。当該対称性欠陥は、外部基部への取り付け時に生じることがあり、振動モード間の縮退を排除することがある。
【0031】
各共振器の各延在部は、当該延在部の遠位端において、中央平面に平行に、この延在部のプライマリセグメントおよびセカンダリセグメントの外側の長手方向のエッジ(端部)に対する拡張部を含みうる。当該拡張部は、追加の自由度を提供する。これにより、各振動部分内において、中心軸に平行な運動量成分の補償をもたらすことができる。したがって、足部を通じて動きを伝達しない共振器の設計が容易化される。
【0032】
有益であることに、本発明の好ましい実施形態では、接続要素は、共振器の中心軸と平行に、かつ、足部とは反対側の振動部分の側で、セカンダリセグメントの相互接続された近位端において、各共振器の振動部分に接続されていてもよい。センサの上記構成は、振動の2つの縮退モードにおいて測定されるべき回転によって生じる振動エネルギーの伝達を増大させる。したがって、センサの感度はさらに高くなる。
【0033】
有益であることに、ウェハ材料は、単結晶であってよく、三方晶系に属していてよく、かつ、圧電性を有していてもよい。この場合、上述した本発明の好適な実施形態の各共振器について、振動部分の中心軸は、材料の軸Xcに平行でありうる。そして、この振動部分のプライマリセグメントおよびセカンダリセグメントの両方は、材料の軸Ycに平行でありうる。言い換えれば、各振動部分の両方の延在部のうちの一方は結晶軸Yc+に平行であってよく、他方は結晶軸Yc-に平行であってよい。このため、それらの延在部は、60°(度)に等しい角度を当該延在部間に成している。したがって、各センサ共振器は、センサパターンをウェハ内にエッチングするためのウェットケミカルエッチングプロセスを使用して直接的に製造されるので、対称的になりうる。特に、ウェハは、(i)αクオーツ結晶(α-SiO2)によって作成されてもよいし、(ii)オルトリン酸ガリウム(GaPO4)、酸化ゲルマニウム(GeO2)、ヒ酸ガリウム(GaAsO4)などの三方晶系クラス32の任意の他の結晶によって作成されてもよいし、あるいは、(iii)LGXファミリの結晶、すなわち、ランガサイト(LGS、すなわちLa3Ga5SiO14)、ランガテイト(LGT、すなわちLa3Ga5,5TaO,5O14)、またはランガナイト(LGN、すなわちLa3Ga5,5NbO,5O14)によって作成されてもよい。
【0034】
あるいは、各振動部分の両方の延在部は、90°または180°に等しい角度を当該延在部間に成していてもよい。
【0035】
一般的には、本発明におけるセンサは、
-センサの振動の複数の縮退モードのうちの第1モードに従って、n個の共振器の振動部分の曲げ歪みを生じさせるように適合化された励起手段と、
-第1振動縮退モードとは異なる別の振動の縮退モードに従ってセンサの振動振幅を測定するように適合化された検出手段と、
をさらに有している。
【0036】
最後に、本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様に係るセンサを備えるジャイロメータに関する。当該ジャイロメータの機能は、振動の2つの縮退モード間のコリオリ力によって生じるカップリングを使用する。そのタイプは、積分ジャイロメータである。
【0037】
[図面の簡単な説明]
本発明の構成および利点は、添付の各図面を参照することにより、複数の非限定的かつ例示的な実施形態の以下の詳細な説明からより明確になるであろう。図面は、下記のものを含んでいる:
図1aは、本発明に係る第1慣性角度位置センサの平面図である;
図1bは、
図1aに対応しており、第1慣性角度位置センサにおける振動の第1縮退モードを示す;
図1cは、
図1bに対応しており、第1慣性角度位置センサにおける振動の第2縮退モードを示す;
図2aは、
図1aに対応しており、本発明に係る第2慣性角度位置センサに関する;
図2bは、
図1bに対応しており、第2慣性角度位置センサに関する;
図2cは、
図1cに対応しており、第2慣性角度位置センサに関する;
図3aは、
図1aに対応しており、本発明に係る第3慣性角度位置センサに関する;
図3bは、
図1bに対応しており、第3慣性角度位置センサに関する;
図3cは、
図1cに対応しており、第3慣性角度位置センサに関する;
図4aは、
図1aに対応しており、本発明に係る第4慣性角度位置センサに関する;
図4bは、
図1bに対応しており、第4慣性角度位置センサに関する;
図4cは、
図1cに対応しており、第4慣性角度位置センサに関する;
図5aは、本発明の好適な実施形態において使用可能な第1共振器モデルを示す平面図である;
図5bは、
図5aに対応しており、第1共振器モデルの振動モードにおける歪みを、関連する運動量とともに示す;
図5cは、
図5aに対応しており、本発明の他の好適な実施形態において使用可能な第2共振器モデルに関する;
図5dは、
図5bに対応しており、第2共振器モデルに関する;
図6aは、
図1aに対応しており、
図5a~
図5bの第1共振器モデルを使用する本発明に係る第5慣性角度位置センサに関する;
図6bは、
図1bに対応しており、第5慣性角度位置センサに関する;
図6cは、
図1cに対応しており、第5慣性角度位置センサに関する;
図7aは、
図1aに対応しており、
図5c~
図5dの第2共振器モデルを使用する本発明に係る第6慣性角度位置センサに関する;
図7bは、
図1bに対応しており、第6慣性角度位置センサに関する;
図7cは、
図1cに対応しており、第6慣性角度位置センサに関する;
図8aは、
図1aに対応しており、本発明に係る第7慣性角度位置センサに関する;
図8bは、
図1bに対応しており、第7慣性角度位置センサに関する;
図8cは、
図1cに対応しており、第7慣性角度位置センサに関する;
図9は、圧電性を有しており、かつ、三方晶系および対称性クラス32に属する梁材料(例:αクオーツ)の場合に、梁の曲げ振動を励起および検出するために使用可能な圧電カップリングに適した、実現可能な電極構成を示す。
【0038】
[発明の詳細な説明]
明瞭化のために、これらの図に示されている各要素の寸法は、実際の寸法には対応していないし、実際の寸法比にも対応していない。特に、図示されている全ての共振器の歪みは、より良好な視認性を目的として誇張された程度まで拡大されている。さらに、異なる図中において示されている同一の参照符号は、同一の要素または測定値、もしくは、同一の機能を有する要素または測定値を示す。
【0039】
図9を除く全ての図は、2つの平坦かつ平行な面を有する固体材料のウェハの内部にエッチングされた慣性角度位置センサまたは共振器を示す。これらの図は、ウェハの2つの面に平行であり、これらの2つの面の間に位置しており、かつ、これらの面から等距離に位置している平面における図示である。この平面は、各センサまたは共振器の対称平面であり、中央平面と称される。一体的なエッチングプロセスによって作成される小型のセンサの場合、使用されるウェハの厚さ(当該厚さは上記面に垂直に測定される)は、数マイクロメートルから数ミリメートルまででありうる。
【0040】
図1a~
図1c、
図2a~
図2c、
図3a~
図3c、および、
図4a~
図4cは、各請求項に係る発明に対応していない。また、これらの図に関する説明として示されている部分は、本発明および本発明の利点の理解を容易化することを意図している。
【0041】
図1aは、4つの共振器を有する(すなわちn=4である)、本発明に係る第1慣性角度位置センサ101を示す。当該センサは、正方形の周辺フレームの形態をとる支持部を備える。当該支持部は、参照符号Pfによって示されており、固定部とも称される。この固定部Pfは、センサ101をベース(不図示)に固定し、共振器によって担持されている電極(不図示)と電子励起・検出回路(不図示)との間に電気的コンタクトを確立するように設計されている。4つの梁Pは、固定部Pfのフレームの内側に、当該フレームの4つの辺に平行に、かつ、当該4つの辺から離間して配置されている。梁Pはそれぞれ、自身の2つの対向する端部において、固定部Pfのコーナー(隅部)に位置する2つの足部Pdによって、固定部Pfに接続されている。したがって、足部Pdはそれぞれ、2つの隣接する梁Pによって共有されている。次いで、梁Pはそれぞれ、自身の2つの端部の間において、中央平面と平行に曲げ振動しうる。したがって、梁Pはそれぞれ、個別の共振器を構成する。4つの共振器は、参照符号R1、R2、R3、およびR4によって個別に示されている。このように、梁Pはそれぞれ、各共振器の振動部分を構成する。センサ101は、Ecとして示されている十字形の接続要素をさらに備える。接続要素Ecも、梁Pおよび足部Pdと同様に、ウェハの内部にエッチングされている。接続要素Ecのアームの端部は、梁Pのそれぞれの中央に1対1で接続されている。このように、固定部Pf、足部Pd、梁P、および接続要素Ecを備えるセンサ101の全体は、中央平面に直交しており、かつ、当該センサの中心を通過する軸の周りのπ/2の回転に対して不変である。当該センサは、接続要素Ecの中心点の振動変位に対応する2つの縮退モードを有する。
図1bに示す通り、第1モードでは、当該振動変位はX軸に平行である。また、
図1cに示す通り、第2モードでは、当該振動変位はY軸に平行である。対称性のため、これらの2つのモードは、それぞれ同一の振動周波数値を有しているので、縮退している。さらに、ウェハに直交しており、かつ、センサの中心を通過する軸A-Aの周りの当該センサの回転によって生じ、接続要素Ecに印加されるコリオリ力は、これらの2つの縮退モードのカップリングをもたらす。このように、センサ101の回転は、一方のモードから他方のモードへの振動エネルギーの伝達を生じさせる。したがって、この第1慣性角度位置センサ101は、感知軸として軸A-Aを有する積分ジャイロメータを作成するために適している。
【0042】
図2aは、3つの共振器を有する(すなわちn=3である)、本発明に係る第2慣性角度位置センサ102を示す。この第2センサの設計は、
図1aの第1センサの設計と同様であるが、固定部Pfのフレームの正方形形状が、正三角形形状に置き換えられている。したがって、当該第2センサは、(i)3つの個別の共振器R1~R3と、(ii)3つのアームを有する接続要素Ecと、を備える。共振器R1~R3のそれぞれは、固定部Pfに接続された梁Pの2つの対向する端部によって形成されている。3つのアームのそれぞれは、自身に隣接するアームから120°だけ離間している。接続要素Ecの各アームは依然として、3つの梁Pのうちの1つの中央に接続されている。この第2センサ102は依然として、振動の2つの縮退モードとして第1モードおよび第2モードを有する。
図2bに示す通り、第1モードでは、接続要素Ecの中心点は、X軸に平行な振動運動を伴う。また、
図2cに示す通り、第2モードでは、接続要素Ecの中心点は、Y軸に平行な振動運動を伴う。したがって、この第2慣性角度位置センサ102も、積分ジャイロメータを作成するために適している。
【0043】
ただし、
図1a~
図1cおよび
図2a~
図2cの2つのセンサでは、振動の両方の縮退モードのそれぞれに関与する運動量は補償されない。そのため、固定部Pfは、共振器のセットおよび接続要素Ecの動きとは逆方向の動きによって移動させられる。固定部Pfに対するこの動きの伝達は、足部Pdを介して生じる。このため、センサは、外部ベースへの固定部Pfの取付条件に対して非常に高い感度を有することになる。特に、これらの取付条件によって引き起こされるX軸とY軸との間における対称性の損失は、センサの振動の2つの固有モードにおける縮退を妨げる結果をもたらす。この場合、ジャイロはもはや積分器として機能しない。しかしながら、固定部Pfを外部ベースに取り付けるための条件は、(特にこの取り付けが接着剤によって行われる場合には)十分に制御できないことが一般的である。加えて、固定部Pfに伝達される動きは、振動の複数のモードにおいて振動エネルギーの損失を引き起こす。このことは、共振過電圧を生じさせ、ジャイロの感度を低下させる。以降に説明する本発明の改良は、この欠点を克服する。
【0044】
この改良によれば、センサにおける共振器はそれぞれ、個別にバランシングされる。その結果、当該共振器はそれぞれ、固定部Pfから動的に分離される。したがって、各共振器の振動は、自身が接続されている(複数の)足部の運動を引き起こさない。その結果、足部を介した振動エネルギーの損失が生じない。したがって、センサにおける振動の縮退モードは、固定部Pfを外部ベースに取り付ける場合における対称性の欠陥に対して低い感度を有することになる。その結果、センサを組み込んだジャイロメータは、高性能の積分機能を有しうる。言い換えれば、本発明におけるこの改良は、慣性角度位置センサのn次の軸対称配置に加えて、内在的にバランシングされた共振器モデルを使用することを含む。
【0045】
上述の通り固定部から分離された共振器は、先行技術によって公知である。先行技術の例としては、(i)特にUS4,215,570に記載されている両端音叉、および、(ii)FR8,418,587に記載されている両端に慣性質量体を有する単純な両端ブレード、を挙げることができる。
【0046】
言い換えれば、本発明のこの改良は、慣性角度位置センサのn次の軸対称配置において内在的にバランシングされた共振器モデルを使用することを含む。
【0047】
図3aの第3慣性角度位置センサ103は、依然として
図1aのセンサの4次(n=4)の軸対称性を使用している。ただし、当該センサは、両端音叉に基づく共振器モデルを使用している。したがって、共振器R1~R4のそれぞれは、互いに平行であり、かつ、当該共振器が接続されている2つの足部Pdの間にそれぞれ延在している2つの梁P1およびP2によって構成されている。好ましくは、共振器R1~R4のそれぞれは、梁P1およびP2と各足部Pdとの間に中間領域ZIを有している。当該中間領域ZIの内部に、2つの梁が埋め込まれている。中間領域ZIは、当該中間領域が存在していなければ、梁P1およびP2によって足部Pdに伝達されるであろう残留力を除去する。さらに、この共振器の梁P1に対する接続要素Ecによって生じる慣性寄与をバランシングさせるために、付加的な慣性質量体MIが、それぞれの共振器の梁P2にリジッドに接続されている。好ましくは、付加的な慣性質量体MIのそれぞれは、ウェハセグメントによって構成されていてもよい。当該ウェハセグメントの中心は、梁P2の中心に接続されている。その結果、ウェハセグメントの剛性は変更されない。あるいは、共振器における対称性が損なわれない。次いで、
図3bおよび
図3cは、X軸またはY軸にそれぞれ平行な接続要素Ecの動きを伴う、当該センサに対して有効な振動の2つの縮退モードを示す。これらの振動の縮退のモードのそれぞれについて、2つの梁P1およびP2は逆位相で振動し、互いに離れるように移動し、次いで、中央平面に平行なそれぞれの曲げによって互いの方向に向かうように移動する。このため、センサ103の各足部Pdには、結果として生じるいかなる力も伝達されない。したがって、センサ103の固定部Pfは、2つの縮退モードのそれぞれの振動時に静止したままとなる。このため、ジャイロは、高性能な積分機能を有しうる。
【0048】
図4aの第4慣性角度位置センサ104は、依然として
図1aのセンサの4次(n=4)の軸対称性を使用している。ただし、この例における当該センサは、FR8,418,587に記載されている共振器モデルを使用して、共振器R1~R4のそれぞれを形成している。したがって、それぞれの共振器は、2つの慣性質量体MI1およびMI2を備える。これらの慣性質量体はそれぞれ、ヒンジとして作用するそれぞれの足部Pdによって固定部Pfに接続されている。加えて、慣性質量体MI1およびMI2は、フレキシブルセグメントSによって互いに接続されている。それぞれの共振器R1~R4が振動すると、2つの慣性質量MI1およびMI2はウェハの面に平行に、同じ側に向かって移動しつつ、逆方向に回転する。その一方、フレキシブルセグメントSの中央部は、反対側に向かって移動する。接続要素Ecの各アームは、共振器R1~R4のうちの1つのフレキシブルセグメントSの中央に接続されている。そこで、接続要素Ecの質量を考慮している慣性質量体MI1およびMI2に応じた寸法を採用することによって、および、場合によっては、接続要素Ecの中心に追加の慣性質量体を追加することによって、それぞれの共振器R1~R4は、見かけ上、センサ104内において個別にバランシングされているようになる。
図4bおよび
図4cは、X軸またはY軸にそれぞれ平行な接続要素Ecの動きを伴う、センサ104の振動の2つの縮退モードを示す。この第4慣性角度位置センサ104を組み込んだジャイロメータは、高性能な積分機能を有しうる。
【0049】
ただし、
図3aおよび
図4aの2つのセンサ構成はかさばっているため、高レベルの小型化を要する用途にはあまり適していない。
図5aおよび
図5cは、本発明の改良に係る、依然としてバランシングされており、かつ、慣性角度位置センサに使用されうる2つの新規な共振器モデルを示す。さらに、これら2つの新規な共振器モデルは、
図3aおよび
図4aに示されている共振器モデルと比較して、より小さい寸法にて作成されうる。
【0050】
図5aおよび
図5cの共振器は、従来の共振器とは異なり、1つの足部Pdのみによって固定部Pfに接続されている。さらに、それぞれの共振器は、それぞれの軸A1およびA2に沿って長手方向に延在している2つの延在部(それぞれP1およびP2と表記されている)を有する振動部分によって、個別に構成されている。
図5aの共振器では、軸A1とA2とが、軸A1とA2との間に60°に等しい角度αを成している。
図5cの共振器では、軸A1とA2との角度αは180°に等しい。2つの延在部P1およびP2は、足部Pdから、当該足部Pdの長手方向と一致する中心軸Xmの各側に対称的に延在している。この中心軸Xmは、(i)すでに説明された中央平面と、(ii)ウェハの面に直交している別の対称平面と、の共通部分に対応している。2つの延在部P1およびP2は、当該対称平面について鏡面対称に対応している。本明細書の残りの部分では、US3,683,213に記載されている音叉共振器との類推により、2つの延在部P1およびP2は、梁P1およびP2とも称される。
図5aおよび
図5cの共振器の本来の特性によれば、それぞれ参照符号FL1、FL2によって示されている長手方向のスロットが、それぞれの梁P1、P2に設けられている。これらの2つの長手方向のスロットFL1およびFL2は、共振器の中心軸Xmにおいて交わる。したがって、1または2に等しい添字iについて、それぞれの梁Piは、2つのブレードLiextおよびLiintによって構成されている。本明細書の全般的な部分において、ブレードL1ext(あるいはL2ext)は、延在部P1(あるいはP2)のプライマリセグメントと称されている。また、ブレードL1int(あるいはL2int)は、延在部P1(あるいはP2)のセカンダリセグメントと称されている。したがって、2つのブレードL1extおよびL2extは、足部Pdに接続されており、梁P1およびP2のそれぞれの遠位端に向かって延在している。当該遠位端において、2つのブレードL1extおよびL2extは、2つのブレードL1intおよびL2intに1対1で接続されている。したがって、それぞれの梁または延在部P1、P2は、中心軸Xmとその遠位端との間において、蛇行形状となる。加えて、ブレードL1intおよびL2intは、中心軸Xmにおいて、当該2つのブレードL1intおよびL2intのそれぞれの近位端によって相互接続されている。また、それぞれの梁P1およびP2の2つの長手方向のスロットFL1およびFL2は、中心軸Xmにおいて交わる。したがって、2つのブレードL1intおよびL2intのそれぞれの近位端の接合部は、ブレードL1extおよびL2extから分離されているとともに、足部Pdからも分離されている。
【0051】
図5aの共振器では、
図5bに示す通り、共振器の振動時に、延在部P1およびP2の遠位端が中心軸Xmから反対方向に対称的に離れるように動く場合、ブレードL1extおよびL2extは、運動量MV1およびMV2をそれぞれ有している。MV1とMV2とは、斜めかつ対称的に方向付けられており、足部Pdと同じ側に向かう。このため、ブレードL1intとL2intとの共通の接合部は、運動量MV12を有する。運動量MV12は、中心軸Xmに平行であり、かつ、足部Pdから離れる方向を向いている。その結果、ブレードL1intおよびL2intは、足部Pdとは反対側の共振器の側に向かって、斜めかつ対称的に方向付けられた運動量をそれぞれ有する。このため、全てのブレードL1extとL2extとL1intとL2intとの間の振動部分における質量の分布は、これらの運動量に起因する足部Pdの動きが0またはほぼ0であるような分布となりうる。このように足部Pdの動きを無くすことにより、振動部分から支持部Pfへの振動エネルギーの伝達は、0または非常に低くなりうる。このため、共振器のクオリティファクタは高くなりうる。振動部分の4つのブレード間における質量の最適化された分布は、依然として中心軸に対して対称である。当該分布は、2つのブレードL1extおよびL2extに共通の厚みeextを割り当てることによって得られうる。eextは、2つのブレードL1intおよびL2intの厚み(eintと表記されている)とは異なっている。こうした最適化が適用されることにより、共振器はバランシングされる。ブレードの厚さeextおよびeintは、ウェハの面に平行に測定される。上記バランシングを提供する共振器寸法の値は、複数の方法に従って、特に有限要素計算を使用することによって、決定されてよい。
【0052】
図5aにおいて併せて示されているが、互いに独立して使用されうる共振器の2つの改良によれば、共振器の振動部分は、(i)第1改良に応じた2つの慣性質量体MI1およびMI2と、(ii)第2改良に応じたステムPcと、によって補足されうる。好ましくは、2つの慣性質量体MI1およびMI2は、2つの梁P1およびP2の遠位端に位置しており、同等である。当該2つの慣性質量体はそれぞれ、対応する梁P1、P2をその遠位端において広げることによって形成されうる。ステムPcは、付加的なブレードによって形成されうる。当該付加的なブレードは、ブレードL1intおよびL2intの近位端の接合部から、中心軸Xmに平行に、かつ、足Pdから離れる方向に、当該中心軸Xmと重なるように延在している。有利には、ステムPcも、中心軸Xmに対して対称である。2つの慣性質量体MI1およびMI2、および/または、ステムPcを共振器の振動部分に追加することにより、付加的な自由度を用いて共振器のバランシングを実現できる。したがって、バランシングをさらに容易化できる。
図5bは、共振器の振動中における同じ時点における慣性質量体MI1およびMI2の動きを、ステムPcの動きと共に示している。2つの慣性質量体MI1およびMI2は、中心軸Xmに沿って、ステムPcの運動量成分MV12とは逆方向(逆向き)の運動量成分MV1及びMV2を有する。慣性質量体MI1およびMI2ならびにステムPcのこれらの運動量成分は、4つのブレードL1ext、L2ext、L1intおよびL2intの運動量成分と組み合わさって、0またはほぼ(実質的に)0である足部Pdの動きをもたらす。
【0053】
図5cの共振器では、
図5dに示す通り、共振器の振動時に、2つの慣性質量体MI1およびMI2は中心軸Xmに平行に同位相で移動する。ブレードL1intとL2intとの接合部も、中心軸Xmに平行に移動するが、慣性質量体MI1およびMI2に対して逆位相で移動する。このことは、関与する運動量の少なくとも部分的な補償をもたらす。その結果、足部Pdの動きは、共振器に応じた適切な寸法を決定することによって低減または排除されうる。慣性質量体MI1およびMI2は、共振器の正確なバランシングを実現するために必要である。一方、ステムPcは任意である。ただし、当該ステムは、共振器のバランシングをもたらす寸法について付加的な自由度を与える。
【0054】
図6aの第5慣性角度位置センサ105は、共振器R1~R3のそれぞれについて、その2つの端部によって保持されている単一梁共振器モデルに替えて、
図5aの共振器モデルを使用することにより、
図2aの第2センサから得られる。3つの共振器R1~R3のそれぞれの足部Pdは、固定部Pfによって形成されている三角形フレームのコーナーのうちの1つにおいて、当該固定部Pfに接続されている。次いで、
図6bおよび
図6cは、X軸またはY軸のいずれかに平行な接続要素Ecの動きを伴う、当該第5センサに有効な振動の2つの縮退モードを示す。
【0055】
図7aの第6慣性角度位置センサ106も、
図2aの第2センサから得られる。ただし、この例では、共振器R1~R3のそれぞれについて、2つの端部によって保持されている単一梁共振器モデルに替えて、
図5cの共振器モデルを使用している。3つの共振器R1~R3のそれぞれの足部Pdは、固定部Pfによって形成されているフレームの辺のうちの1つの中央において、当該固定部Pfに接続されている。次いで、
図7bおよび
図7cは、X軸またはY軸のいずれかに平行な接続要素Ecの動きを伴う、当該第6センサに有効な振動の2つの縮退モードを示す。
【0056】
最後に、
図8aの第7慣性角度位置センサ107は、
図1aの第1センサから得られる。ただし、この例では、共振器R1~R4のそれぞれについて、2つの端部によって保持されている単一梁共振器モデルに替えて、角度αが90°に等しい
図5aの共振器モデルを使用している。4つの共振器R1~R4のそれぞれの足部Pdは、固定部Pfによって形成されている正方形フレームのコーナーのうちの1つにおいて、当該固定部Pfに接続されている。次いで、
図8bおよび
図8cは、X軸またはY軸のいずれかに平行な接続要素Ecの動きを伴う、当該第7センサに有効な振動の2つの縮退モードを示す。
【0057】
これらの第5慣性角度位置センサ、第6慣性角度位置センサ、および第7慣性角度位置センサは、個別にバランシングされた共振器によって作成されているので、特にパイロットモードおよびセンシングモードにおいて、高いまたは非常に高いクオリティファクタ値を有する高性能な積分ジャイロメータを得ることができる。このようにして得られたジャイロは、非常に高感度でありうる。
【0058】
有益であることに、上述した慣性角位置センサは全て、(i)αクォーツ(α-SiO
2)の単結晶ウェハによって作成されてもよいし、(ii)オルトリン酸ガリウム(GaPO
4)、酸化ゲルマニウム(GeO
2)、ヒ酸ガリウム(GaAsO
4)などの三方晶系クラス32の任意の他の単結晶によって作成されてもよいし、あるいは、(iii)LGXファミリの結晶、すなわち、ランガサイト(LGS、すなわちLa
3Ga
5SiO
14)、ランガテイト(LGT、すなわちLa
3Ga
5,5TaO,5O
14)、またはランガナイト(LGN、すなわちLa
3Ga
5,5NbO,5O
14)によって作成されてもよい。これらの材料は、圧電性を有している。このケースでは、
図5aのモデルまたは
図5cのモデルの共振器が使用される場合、センサのそれぞれの共振器の梁P1およびP2の向き(すなわち、それらの長手方向の軸A1およびA2)は、有利には結晶軸Yc、Yc+、およびYc-に平行であるように選択される。ウェハの面は、結晶面Xc-Ycに平行である。ウェハの結晶に対してセンサパターンを上記の通り方向付けることにより、結晶面Xc-Ycにおけるそれらのそれぞれの曲げ振動に従って、パイロットモードを励起し、かつ、センシングモードを検出するための最適な圧電カップリングからの利益を得ることが可能となる。実際のところ、三方晶系クラスの結晶の圧電テンソルは、電界Exxを伴う、各梁の軸に沿った歪みSyyに応じた最適なカップリングをもたらす。これにより、(i)ブレードに沿って配置された電極を用いてパイロットモードの曲げ振動を直接的な圧電効果によって励起して電界Exxを生じさせること、および、(ii)これらの同じ電極における間接的な圧電効果によって生じた電荷を用いて歪みSyyを検出すること、が可能となる。このため、複数の異なる電極構成が知られている。
図9に示す通り、これらの構成のうちの第1の構成によれば、3つの電極セグメントが、ウェハの面のうちの1つと一致する各ブレードの両面のそれぞれに配置される。当該第1の構成の電極は、導電材料蒸着のプロセスによって容易に製造される。別の可能な構成によれば、2つの電極セグメントが、ウェハの面に直交している各ブレードのそれぞれの側に配置される。例えばUS4,524,619に記載の通り、この他の構成は、より効果的ではあるが、実現がより困難である。また、ウェハの結晶に対してセンサのパターンを同じく方向付けることにより、ウェットケミカルエッチング速度が、結晶軸Zからの利益を得ることが可能となる。すなわち、結晶軸Zに沿ったウェットケミカルエッチング速度が、より速くなる。この軸Zは、使用されるウェハの面に直交している。この場合、ウェットケミカルエッチングプロセス、特に、フッ化アンモニウム(NH
4F)とフッ化水素酸(HF)との混合物を使用する当該プロセスによって、センサを低価格で製造できる。さらに、対称性クラス32の三方晶系の単結晶材料のウェハ内に作成されており、かつ、結晶軸に対して上述の向きを有している
図5aまたは
図5cに係る各共振器が、ウェットケミカルエッチングステップの終了時に対称欠陥を伴うことなく直接的に得られる。このように、各共振器は直接的にバランシングされているので、
図6aおよび
図7aの慣性角度位置センサにおける複数の共振器は厳密に同等である。
【0059】
上記の通りウェットケミカルエッチングプロセスのみを使用してセンサのパターンを製造できることは、マイクロデバイスに応じたこの一体的な製造プロセスによって得られる低コストゆえに、特に有益である。加えて、ウェットケミカルエッチングプロセスは、結晶の固有のクオリティファクタを保持する。実際のところ、ケミカルエッチングは、原子ごとの結晶の溶解を生じさせる局所的な反応に基づいている。この事実により、ケミカルエッチングは、センサを形成する残りのウェハ材料の結晶格子を変化させない。プローブ(ソノトロード)とエッチングされるべき表面との間に生じる超音波によって励起される微細な研磨粒子を使用する超音波機械加工、または、イオンの運動エネルギーを使用するイオン衝突などの、局所的な研磨に基づくエッチングの場合には、このことは当てはまらない。これらの最後の2つの技術は、最高エネルギーエッチングのために数十ナノメートルから数マイクロメートルまでの特性距離に亘って、エッチングのエッジにおける結晶格子を変化させる。このため、共振器に固有のクオリティファクタは、センサの大幅な小型化が望まれる場合には、ますます低減させられる。
【0060】
本発明は、対称性クラス32の三方晶系の圧電材料に限定されないことが理解される。取付部に対して分離されており、軸対称構成にて配置され、軸対称でもある接続要素によって互いに接続されている同等の共振器の原理は、他の材料、特にシリコン結晶の使用と組み合わせられてよい。単結晶シリコンの立方晶系結晶構造を考慮すると、
図1a、
図3a、
図4a、および
図8aなどの、4つの共振器に基づく配置が好ましい。この場合、パイロットモードの励起は、静電力を印加することによって実現されうる。センシングモードにおける振幅は、センサの固定部と当該センサの可動部との間のキャパシタンスを測定することによって決定されうる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1a】本発明に係る第1慣性角度位置センサの平面図である。
【
図1b】
図1aに対応しており、第1慣性角度位置センサにおける振動の第1縮退モードを示す。
【
図1c】
図1bに対応しており、第1慣性角度位置センサにおける振動の第2縮退モードを示す。
【
図2a】
図1aに対応しており、本発明に係る第2慣性角度位置センサに関する。
【
図2b】
図1bに対応しており、第2慣性角度位置センサに関する。
【
図2c】
図1cに対応しており、第2慣性角度位置センサに関する。
【
図3a】
図1aに対応しており、本発明に係る第3慣性角度位置センサに関する。
【
図3b】
図1bに対応しており、第3慣性角度位置センサに関する。
【
図3c】
図1cに対応しており、第3慣性角度位置センサに関する。
【
図4a】
図1aに対応しており、本発明に係る第4慣性角度位置センサに関する。
【
図4b】
図1bに対応しており、第4慣性角度位置センサに関する。
【
図4c】
図1cに対応しており、第4慣性角度位置センサに関する。
【
図5a】本発明の好適な実施形態において使用可能な第1共振器モデルを示す平面図である。
【
図5b】
図5aに対応しており、第1共振器モデルの振動モードにおける歪みを、関連する運動量とともに示す。
【
図5c】
図5aに対応しており、本発明の他の好適な実施形態において使用可能な第2共振器モデルに関する。
【
図5d】
図5bに対応しており、第2共振器モデルに関する。
【
図6a】
図1aに対応しており、
図5a~
図5bの第1共振器モデルを使用する本発明に係る第5慣性角度位置センサに関する。
【
図6b】
図1bに対応しており、第5慣性角度位置センサに関する。
【
図6c】
図1cに対応しており、第5慣性角度位置センサに関する。
【
図7a】
図1aに対応しており、
図5c~
図5dの第2共振器モデルを使用する本発明に係る第6慣性角度位置センサに関する。
【
図7b】
図1bに対応しており、第6慣性角度位置センサに関する。
【
図7c】
図1cに対応しており、第6慣性角度位置センサに関する。
【
図8a】
図1aに対応しており、本発明に係る第7慣性角度位置センサに関する。
【
図8b】
図1bに対応しており、第7慣性角度位置センサに関する。
【
図8c】
図1cに対応しており、第7慣性角度位置センサに関する。
【
図9】圧電性を有しており、かつ、三方晶系および対称性クラス32に属する梁材料(例:αクオーツ)の場合に、梁の曲げ振動を励起および検出するために使用可能な圧電カップリングに適した、実現可能な電極構成を示す。
【国際調査報告】