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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】導電性消耗品
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20240219BHJP
【FI】
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023551995
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-25
(86)【国際出願番号】 EP2022055935
(87)【国際公開番号】W WO2022189452
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】21161783.2
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100168066
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 雄太
(72)【発明者】
【氏名】ヨヘントゲス,トーマス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
(57)【要約】
本発明は、デバイスの2つの電極の間に挟持して位置決めされるよう形成されるエアロゾル基材の加熱層を備える、本発明によるエアロゾル発生デバイス用の消耗品に関する。エアロゾル基材の加熱層は、風味材料及びエアロゾル形成剤を備える。消耗品は、層が、更に、層に埋め込まれる粒子形態の導電性材料を備え、導電性材料が、加熱層内に配置されて、2つの電極間に電流を伝導し、エアロゾル形成剤をエアロゾル化するのに十分な温度までエアロゾル基材を加熱することを特徴とする。本発明は更に、かかる消耗品を製造するための方法、消耗品を備えるたばこエアロゾルを送出するためのデバイス、及びデバイスによるたばこエアロゾルを生成するための方法に関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生デバイス(2)用の消耗品(1)であって、前記デバイス(2)の2つの電極(4a、b)の間に挟持して位置決めされるよう形成されるエアロゾル基材の加熱層(3)を備え、前記エアロゾル基材の加熱層(3)は、風味材料(5)及びエアロゾル形成剤(6)を備え、
前記層(3)は、更に、前記層(3)に埋め込まれる粒子形態の導電性材料(7)を備え、前記導電性材料(7)は、前記加熱層(3)内に配置されて、前記2つの電極(4a、b)間に電流を伝導し、前記エアロゾル形成剤(6)をエアロゾル化するのに十分な温度まで前記エアロゾル基材を加熱することを特徴とする、
消耗品(1)。
【請求項2】
前記導電性材料(7)は、少なくとも3.10S/m(20℃において)の導電率を有することを特徴とする、
請求項1に記載の消耗品(1)。
【請求項3】
前記層(3)の厚さ(8)は、0.5~3mmの間、好ましくは0.5~2mmの間に含まれることを特徴とする、
請求項1又は2に記載の消耗品(1)。
【請求項4】
前記導電性材料(7)は、電気が一方の電極(4a)から前記層(3)の前記厚さ(8)を通って他方の電極(4b)に流れることを可能にする量で、前記層(3)内及び上に分布していることを特徴とする、
請求項1~3のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項5】
前記導電性材料(7)は、前記加熱層(3)の内部及び前記層の表面積(3a)上にランダムに分布していることを特徴とする、
請求項1~4のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項6】
前記導電性材料(7)は、グラファイト及び/又はチャコール粒子を備えることを特徴とする、
請求項1~5のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項7】
前記導電性材料(7)は、前記層(3)に対して2.5~50重量%の量、好ましくは2.5~25重量%の間を備えることを特徴とする、
請求項1~6のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項8】
前記層(3)は、更に、結合剤、好ましくはCMCを、前記消耗品に対して0.5~2.5重量%の間の量で備えることを特徴とする、
請求項1~7のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項9】
前記エアロゾル形成剤(6)、好ましくはグリセリン及び/又はプロピレングリコールは、前記消耗品に対して25重量%未満の量を備えることを特徴とする、
請求項1~8のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項10】
前記層(3)は、更に、10~49.5重量%の間を含む量の水を含むことを特徴とする、
請求項1~9のいずれか一項に記載の消耗品(1)。
【請求項11】
前記風味材料は、前記消耗品に対して47.5重量%までの量のたばこを備えることを特徴とする、
請求項1~10のいずれか一項に記載の消耗品。
【請求項12】
たばこは、1000ミクロン未満の粒径を有するたばこ粉末を備えることを特徴とする、
請求項11に記載の消耗品(1)。
【請求項13】
前記たばこ材料(5)は、1~47.5%の間を含む量の鉄管乾燥たばこ(FCT)を備えることを特徴とする、
請求項11又は12に記載の消耗品(1)。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の消耗品(1)を製造するための方法であって、
-前記風味材料(5)を粒子形態の前記導電性材料(7)、前記エアロゾル形成剤(6)、及び水と混合してペースト又は練粉を形成するステップ(100)と、
-前記ペースト又は練粉を層(3)に押圧するステップ(101)と、
-キュアリング及び/又は乾燥等によって前記加熱層(3)を固化させるステップ(102)と、を含む、
方法。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の消耗品(1)を備える、たばこエアロゾル(9)を送出するためのデバイス(2)であって、
一対の電極(4a、b)と、前記電極(4a、b)に供給する電気エネルギー源(10)とを特徴とし、接触面(11)を備える前記電極(4a、b)は、前記層(3)の表面積(3a)の少なくとも一部(3b)に沿って挟持して前記消耗品(1)の前記層(3)を押圧するよう構成される、
デバイス(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生デバイス用の消耗品として、加熱層を有する導電性たばこに関する。更に、本発明は、かかる導電性消耗品を製造するための方法、デバイスエアロゾル発生デバイス、及び上記の消耗品からエアロゾルを生成するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの種類の電気的喫煙デバイスが市販されている。最も一般的なのは、電子たばことして公知であり、e-リキッドを吸入可能な蒸気に気化させる。しかし、かかるデバイスは、e-リキッドの漏出に対して極めて脆弱である。これは、電気的喫煙デバイスをポケット又はバッグに保持するユーザにとって極めて不利になる。固体消耗品を有する代替デバイスが利用可能である。かかるデバイスは、紙に巻装されるたばこ再構成物質を燃焼させるのではなく加熱することにあり、漏れの心配はない。しかし、かかるデバイスは、ヒータがデバイスの一部であることを必要とし、そのため、適切に断熱されて、デバイスの表面において高温を回避することを必要とする。デバイスは、組み立てが比較的複雑であり、そのため、比較的高価である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明の目的は、加熱システム又はライターがデバイスの一部であることを必要とせずに、再充電可能な、例えばリチウムイオンバッテリを有するエアロゾル発生デバイスを動作させることを可能にする、エアロゾル発生デバイス用の導電性消耗品を提供することにある。更に、本発明の目的は、上記の導電性消耗品を製造するための方法、消耗品と共に用いるためのエアロゾル発生デバイス、及びエアロゾルを生成するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の要件は、請求項1の客体によって満たされる。好適な実施形態は、従属請求項の客体である。
【0005】
本発明によるエアロゾル発生デバイス用の消耗品は、加熱要素と、特にデバイスの2つの電極間に挟持して位置決めされるよう形成されるエアロゾル基材の加熱層を備える。エアロゾル基材の加熱層は、風味材料及びエアロゾル形成剤を備える。
【0006】
消耗品は、層が、更に、層に埋め込まれる粒子形態の導電性材料を備え、導電性材料が、加熱層内に配置されて、2つの電極間に電流を伝導し、及び/又は、エアロゾル形成剤をエアロゾル化するのに十分な温度までエアロゾル基材を加熱することを特徴とする。
【0007】
好ましくは、加熱層内に含まれる風味材料は、発生したエアロゾルの味を強調及び変更する天然及び/又は合成成分を備える。風味材料は、好ましくは異なる種類のタバコから製造することができるたばこ材料を備えることが考えられる。しかし、たばこ材料を香味材料に添加することは必須ではない。
【0008】
好ましくは、消耗品は2つの電極間に配置され、より好ましくは、消耗品は電極間で押圧される。2つの電極は、エアロゾル発生デバイスにおけるヒータとして用いるための共通電極を表すことが好ましい。好ましくは、消耗品、特に加熱層は、ペースト又は練粉として形成される。少なくとも様々な貯蔵可能性のため、この形状の消耗品を提供することが有利である。
【0009】
練粉形態での消耗品は、渦巻又は双曲渦巻と同様にそれ自体にロール状にされる層として提供又は貯蔵されることが好ましい。ボビンに巻かれた消耗品を提供することも可能である。好ましくは、消耗品全体、特にエアロゾル基材の加熱層は、消耗品を新鮮に保つことを意図することが好ましいカートリッジ内に貯蔵される。カートリッジには、カートリッジを開閉する機構を設けることが好ましい。種々のクロージャがこの目的のために利用可能である。このため、カートリッジは、消耗品、特に加熱層で再充填可能であることが考えられる。
【0010】
ペーストとして提供される消耗品は、最大10mPasの粘度(20℃で)を備える。消耗品の-好ましくは動的な-粘度は、電極の温度の上昇と共に減少することが好ましい。消耗品は非ニュートン流体であり、固体粒子を備えることが考えられる。消耗品の使用材料の組成に応じて、固体粒子の量は変化する。このため、消耗品の粘度、特に動的粘度は、成分及び消耗品中に含まれる固体粒子の量によって決まることが好ましい。
【0011】
好ましくは、エアロゾル発生デバイスの2つの電極は、電圧源に接続される。また、好ましくは、電圧源は、1V~5Vの範囲の電圧を提供する電気エネルギーをエアロゾル発生デバイス全体に供給する。好ましい実施形態において、電圧源は、3.7Vの値を供給するリチウムイオンバッテリである。かかる電圧源は、再充電性の観点から、最新のエアロゾル発生デバイスにとって特に有利である。本発明による加熱層は、電極間の導体として現れ、消耗品の直接的なエアロゾル化を提供する。好ましくは、2つの電極及び加熱層は、消耗品に含まれるエアロゾル形成剤の十分なエアロゾル化のために、90~230℃の範囲の温度に達する。
【0012】
別の実施形態によれば、消耗品は、導電性材料が少なくとも3.10S/m(20℃において)の導電率を有することを特徴とする。導電率の値は、選択された導電性材料に応じて変化する場合がある。好ましくは、消耗品又は加熱層に含まれる導電性材料は、100×10S/mの導電率を有する。
【0013】
導電性材料は、たばこ産業で用いるための非毒性の認可された添加剤であることが好ましい。別の実施形態において、消耗品又は加熱層に含まれる導電性材料は、3×10S/m~3×10S/mの範囲の導電率を有することが考えられる。導電性材料は、電流が第1の電極から第2の電極に流れることを可能にすることが好ましい。好ましくは、電流は、消耗品の厚さに対して垂直な横方向に流れる。これに関連して、消耗品の厚さとは、第1及び第2の電極間に配置される消耗品の厚さを意味する。好ましくは、消耗品を通る、特に加熱層を通る電極間の十分な電流の流れを達成するために、消耗品の重量の少なくとも2.5%、好ましくは50%未満、より好ましくは2.5%~25%の間の量の導電性材料を提供することが必要である。
【0014】
追加又は代替として、必要とされる導電性は、電極の接触面同士の調節によって達成することができる。小さい電極接触面は、より大きい抵抗をもたらすことが考えられる。小さい電極接触面は、150mm~200mmの範囲の接触表面積を備えることが好ましい。この場合、加熱層中の導電性材料の量を増加させることが可能である。このため、大きい電極接触面を有する電極は、より少ない量の導電性材料を備える加熱層と共に用いるべきであることが好ましい。好ましくは、大きい電極接触面は、250mm~320mmの範囲の接触表面積を備える。好ましい実施形態において、電極接触表面積は、200mm~250mmの範囲であり、より好ましくは215mmを備える。
【0015】
別の実施形態によれば、消耗品は、加熱層の厚さが0.5~3mmの間、好ましくは0.5~2mmの間、最も好ましくは0.75mmに含まれることを特徴とする。消耗品の最小厚さは、加熱層によって特定されることが好ましい。好ましくは、消耗品の電気抵抗は、用いる加熱層の厚さに比例する。層が薄いほど、電気抵抗は低くなる。
【0016】
加熱層の厚さは、消耗品全体の厚さに対応することが考えられる。この場合、加熱層は、別個の層として形成されず、消耗品全体に分散することが好ましい。このため、導電性材料を備える消耗品全体が加熱層である。消耗品の最大厚さは、エアロゾル発生デバイスの設計によって特定されることが好ましい。多くの場合、比較的小さいエアロゾル発生デバイスにおいて利用可能な空間がほとんどないため、消耗品の厚さは特に重要である。このため、消耗品の好ましい厚さは、カートリッジへの貯蔵に特に有利である。
【0017】
消耗品の薄い厚さは、消耗品を備えるカートリッジのより大きな容量を可能にする。同時に、より少ない電圧及びより少ない加熱時間が、消耗品を加熱するために必要とされることが好ましい。これにより、ユーザは、単一のカートリッジを消耗品と共に長時間用いることができる。消耗品又は加熱層の好ましい厚さの更なる利点は、カートリッジ内のコンパクトな巻線である。これは、消耗品を有するカートリッジ内の無駄な空隙を回避することに役立つ。
【0018】
別の実施形態によれば、消耗品は、電気が一方の電極から層の厚さを通って他方の電極に流れることを可能にする量で、導電性材料が層内及び層上に分布することを特徴とする。2つの電極間の電気伝導を提供するよう、消耗品又は加熱層を導電性材料で被覆することが考えられる。本発明の幾つかの実施形態において、消耗品は、導電性材料を含む2つの加熱層を備える。
【0019】
加熱層は、消耗品の上層及び下層として配置可能であり、それによって、少なくとも3つの層を備える層状消耗品を作成することが好ましい。この場合、好ましくは、加熱層は電極に接触している。また好ましくは、消耗品は中間層に導電性材料を備え、それによって一方の電極から他方の電極への電流の流れを確実にする。
【0020】
別の実施形態において、導電性材料は、電流が一方の電極から加熱層の厚さを通って他方の電極に流れることを可能にするよう、加熱層内に特に均一に分布している。この場合、特に消耗品全体が加熱層である。しかし、導電性材料を備える追加の高濃縮層を用いることも考えられる。
【0021】
別の実施形態によれば、導電性材料は、加熱層の内部及び加熱層の表面積上にランダムに分布している。特に、好ましくは、導電性材料は、消耗品の内部及び消耗品の表面積にランダムに分布する。消耗品又は加熱層中の導電性材料の分布は、拡散に関するフィックの法則により説明することが好ましい。導電性材料又は加熱層が、好ましくは練粉の形態で提供される固体材料である場合、導電性材料は、消耗品の加熱層内部に異方的に分布することが好ましい。これは、加熱層又は消耗品内部での導電性材料の濃度の高い領域及び低い領域の形成に繋がる。
【0022】
しかし、好ましくは、消耗品の加熱層内部の導電性材料は、電流が確実に流れる程度に分散される。好ましくはペーストの形態での、より液体の消耗品内部の導電性材料の分布は、固体消耗品内部の分布と比較して、良好であることが有利である可能性がある。好ましくは、導電性材料は、液体消耗品の内部に均一に分散される。これは、液体導電性材料又はキャリア液体中に分散される導電性粒子により達成することができる。
【0023】
別の実施形態によれば、導電性材料は、グラファイト又はチャコール粒子である。材料は、粉末、遊離又は凝集粒子の形態をとってもよい。また、特に少なくともたばこ産業又は食品産業において認可されている他の導電性材料を用いることも考えられる。
【0024】
別の実施形態によれば、導電性材料は、加熱層に対して2.5~50重量%の量、好ましくは2.5~25重量%の間を備える。好ましくは、導電性材料は、消耗品に対して2.5~59重量%の量を備える。好ましくは、消耗品又は加熱層内に存在する炭素又はチャコール粒子の量は、少なくとも消耗品又は加熱層の厚さによって決まる。また、消耗品内に存在する炭素又はチャコール粒子の量は、加熱プロセス中に第1の電極と第2の電極との間に提供される圧力によって決まることも考えられる。消耗品は、炭素及びチャコール粒子の両方を備えることが可能である。この場合、加熱層又は消耗品中の両材料の量は、消耗品に対して、好ましくは5~40重量%、また好ましくは2.5~60重量%の範囲で存在する。一般に、消耗品又は加熱層において50重量%より多い量の炭素及び/又はチャコール粒子を用いることが考えられる。
【0025】
導電性材料は、中空構造を有していてもよい。中空構造は、細孔若しくは管又は別の毛細管或いはスポンジ構造によって形成することができる。かかる構造の利点は、消耗品を軟化させることなくエアロゾル形成剤のための予備を提供できることである。
【0026】
別の実施形態によれば、加熱層は、更に、結合剤、好ましくはカルボキシメチルセルロース(CMC)を、消耗品又は加熱層に対して0.5~2.5重量%の間の量で備える。特に、消耗品は、CMCとしての結合剤を、消耗品に対して0.5~2.5重量%の間の量で備えることが好ましい。一実施例において、結合剤は、消耗品の総重量の約1.74重量%の量で含まれる。他の結合剤、例えばセルロースガム、水、及びグリセリンの混合物を用いることも考えられる。水は、結合剤を活性化することを可能にし、その量は、選択される結合剤に応じて変化する可能性がある。
【0027】
別の実施形態によれば、エアロゾル形成剤は、消耗品又は加熱層に対して25重量%未満の量を備える。好ましくは、エアロゾル形成剤は、グリセリン及び/又はプロピレングリコールである。このため、エアロゾル形成剤を消耗品又は加熱層に添加しないことも可能である。この場合、含まれる導電性材料、好ましくはチャコールは、消耗品に含まれる香味料のエアロゾル化のためにより高い温度を必要とする。特により固体の消耗品を用いる場合、少量のエアロゾル形成剤を用いるか、又はエアロゾル形成剤を用いないことが考えられる。これは、消耗品内の不必要な水分含有量を回避するのに役立つ。しかし、エアロゾル形成剤は、消耗品の弾性にとって特に有利である。消耗品におけるエアロゾル形成剤の使用は、少なくともその脆弱性を回避することができる。これは、エアロゾル発生デバイスの2つの電極間で加熱するための消耗品又は加熱層の最適な形状を可能にする。好ましい実施形態において、エアロゾル形成剤は、消耗品に対して少なくとも5重量%且つ25重量%未満の量を備える。例えば、エアロゾル形成剤は、約12.50重量%の量のグリセリンである。
【0028】
別の実施形態によれば、層は、更に、消耗品に対して10~49.5重量%の間、好ましくは22.5~49.5重量%の間を含む量の水を備える。例えば、層は、約36重量%の水を備える。
【0029】
別の実施形態によれば、たばこ材料は、消耗品に対して47.5重量%までの量のたばこを備える。好ましくは、たばこ材料は、消耗品の総重量の25重量%~47.5重量%の間の量のたばこを備える。たばこは、たばこ粉末及び/又は鉄管乾燥たばこ(FCT)等の細断たばこであってもよい。特に、消費者は、たばこ粉末を含まない本発明による消耗品を用いることができる。好ましくは、たばこ粉末を含まない湿潤剤を備える消耗品は、エアロゾル発生デバイスの電極間でエアロゾル化可能である。湿潤剤は、異なる風味を有する生成されたエアロゾルを強調するための香味料を備えることが好ましい。しかし、たばこ粉末は、生成されたエアロゾルの特別に拡大されたたばこ風味を提供する。消耗品又は加熱層に含まれるたばこ粉末は、導電性材料、好ましくはチャコールに付着し、それによって生成されたエアロゾルにニコチンを提供することが考えられる。
【0030】
別の実施形態によれば、たばこ粉末は、1000ミクロン未満の粒径を有する。たばこ粒子は、タバコの任意の部分、例えば、葉、茎、又は根に由来してもよい。たばこ粉末の粒径は、送出されるたばこの味の観点から極めて重要である。たばこ粒子をより小さい粒径に粉砕することは、臭気に影響を及ぼす可能性があることが見出された。臭気分子の一部は、高剪断エネルギーによって分解されると考えられる。
【0031】
更に、幾つかの臭気分子は、粉砕プロセスの間又は後の取り扱いプロセスの間に、小さすぎるたばこ粒子を排出する可能性がある。これにより、結果としてたばこ粒子中のこれらの臭気分子が枯渇し、臭気組成物は、完全なたばこの香りと異なるものとなる。他の実施形態において、加熱層又は消耗品に用いられるたばこ粉末の粒径は、600ミクロン以下であることが考えられる。かかる小さな平均粒径を有するたばこ粒子は、臭気分子が粒子から離れる可能性がある大きな表面積を提供している。このため、小さなたばこ粒子は、長期間にわたって完全なたばこ風味を提供するため、重要であることが判明している。
【0032】
別の実施形態によれば、風味付けされた材料は、消耗品に対して1~47.5重量%の間を含む量の鉄管乾燥たばこ(FCT)を備える。好ましい実施例において、風味付けされた材料は、消耗品の総重量の約25重量%の量の鉄管乾燥たばこ(FCT)を備える。鉄管乾燥たばこは、たばこストランドとたばこダストのブレンドを備えてもよい。例えば、細断たばこは、最大約5mm長のたばこストランド(例えば、たばこカットフィラー)を備えてもよい。好ましくは、風味付けされた材料は、異なる種類のたばこを含むたばこ材料を備える。このため、少なくとも直火乾燥たばこ及び/又は鉄管乾燥たばこ及び/又は他の植物添加物を用いて、異なるたばこの味により消耗品を強調することが可能である。
【0033】
好ましくは、消耗品の固体対液体成分含有量の比は、70:30~30:70の間、好ましくは60:40~40:60、より好ましくは55:45~50:50の間、最も好ましくは52:48である。このため、消耗品は十分なエアロゾル形成剤を含有し、導電性のために十分な導電性材料を有しながら、脆すぎることなくシート状に形成される場合がある。
【0034】
目的は、また、以下のステップを含む消耗品の製造方法によっても達成される。
-風味材料を粒子形態の導電性材料、エアロゾル形成剤、及び水と混合してペースト又は練粉を形成するステップと、
-ペースト又は練粉を層に押圧するステップと、
-キュアリング及び/又は乾燥等によって加熱層を固化させるステップと、を含む。
【0035】
送出されるペースト又は練粉にたばこ粉末又はたばこ材料を添加することが考えられる。たばこ材料又はたばこペーストを備える練粉又はペーストは、強いたばこの味を送出することが好ましい。他の実施形態において、風味材料は、更に、チョコレート、バニラ、又はメンソール等の香味料により消耗品又は加熱層又は発生したエアロゾルを強調することができる天然又は合成香味料を備える。
【0036】
特に、「混合」とは、これに関連して、消耗品又は加熱層の成分が分散可能又は分布可能であることを意味する。幾つかの成分は固体形態で提供され、他のものは液体形態で提供されることが考えられる。また、固体成分を液体成分に浸漬して消耗品又は加熱層を製造することも考えられる。その後、特に成分の均一な分布のために、ペースト又は練粉を混練することが有利である。好ましくは、導電性材料、風味材料、及び少なくともCFTは、消耗品又は加熱層の固体成分として提供される。また好ましくは、エアロゾル形成剤、水、及び少なくとも結合剤は、消耗品の液体成分として提供される。好ましくは、消耗品又は加熱層のための成分の最適な割合は、少なくとも52重量%の固体成分及び少なくとも48重量%の液体成分を含む。
【0037】
好ましくは、練粉又はペーストは、少なくとも0.5mmの厚さを有する層に押圧される。また、厚さ2mm以下の層に押圧させることも可能である。しかし、2つの電極間に配置される消耗品又は加熱層の電気抵抗は、層の厚さが大きくなるにつれて上昇する。ペースト又は練粉として提供される消耗品による実施形態において、ペースト又は練粉を押圧して層にし、これを乾燥させることが可能である。追加又は代替として、ペースト又は練粉は、支持層に押圧され、及び/又は2つの多孔性ラッピング層の間で圧延され得る。かかるラッピング層は、押圧された成分の層状形態を形成し、維持するのに有利である可能性がある。支持層及び/又はラッピング層は、紙又はシリコンを備えることが好ましい。従って、加熱層の特に安定した形態を達成することができる。
【0038】
目的はまた、一対の電極と、電極に供給する電気エネルギー源とを特徴とする消耗品を備えるたばこエアロゾルを送出するためのデバイスによって達成され、ここで接触面を備える電極は、層の表面積の少なくとも一部に沿って挟持して消耗品の層を押圧するよう構成される。たばこエアロゾルを送出するためのデバイスは、本発明による消耗品のためのエアロゾル発生デバイスとして使用可能であることが好ましい。かかるデバイスは、一般的な電気エアロゾル送出デバイスとして、更なる機械部品、電気部品、及び/又は電子部品を備えることが考えられる。このため、デバイスは、更に、消耗品を貯蔵するためのカートリッジを備えることが可能である。好ましくは、カートリッジは、消耗品で再充填可能又は補充可能である。
【0039】
別の実施形態によれば、デバイスは、層と接触する部分が、電極間の表面積の10~80%、好ましくは20~50%の間に含まれることを特徴とする。
【0040】
別の実施形態によれば、電極は、0.5~10バールの間、好ましくは5バールを含む圧力で層に押圧される。好ましい実施形態において、デバイスは、圧力発生のための手段を備える。好ましくは、手段は、0.5~10バールの間の圧力を発生させるためのばねを備える。好ましい実施形態において、圧力発生手段は、2つの電極間に5バールの圧力を発生させる。好ましくは、圧力は、150~300mm、例えば215mmの表面積を有する電極に作用する。しかし、また、より大きな表面積の電極に少なくとも5バールの圧力を発生させることも可能である。しかし、電極の表面積は、デバイス全体の大きさによって決まる。電極は、エアロゾルが消耗品から流出するのを容易にする孔又はチャネルを備えてもよい。例えば、各電極は、波形及び/又は開口接触表面を備える。
【0041】
目的は、また、以下のステップを含むたばこエアロゾルの生成方法によっても達成される。
-エアロゾル発生デバイスの2つの電極間にエアロゾル基材の加熱層を配置するステップと、
-電極を加熱層に押圧するステップと、
-電極に電流を供給するステップであって、加熱層が電極間に電流を伝導する、ステップと、
-加熱層を加熱し、それによってたばこエアロゾルを生成するステップと、を含む。
【0042】
好ましくは、加熱層又は消耗品の加熱は、エアロゾル発生デバイスの電極から別の電極に流れる電流により提供される。消耗品又は加熱層に含まれる導電性材料は、電流の流れを可能にすることが好ましい。このため、消耗品又は加熱層は、デバイスの2つの電極間で燃焼し、それによって吸入可能なエアロゾルを生成する。
【0043】
好ましくは、本方法は、更に、たばこエアロゾルを導管又はエアロゾルチャネルを通してマウスピース出口に案内することを含む。導管又はエアロゾルチャネルは、マウスピース及びデバイスの加熱セクションに接続されることが考えられる。好ましくは、デバイスの加熱セクションは、2つの電極及び加熱層配置を備える。
【0044】
本特許出願において、粒径は、乾式分散法を用いる粒径分析器Malvern 3000及びソフトウェアv3.62によるレーザー回折によって特定される平均直径D90を指している。
【0045】
本発明の更なる利点、目的、及び特徴について、添付の図面を参照して以下の説明に例示目的でのみ説明する。図では、異なる実施形態における類似の構成要素が同一の参照符号を示す場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1a】導電性材料の1つの粒子と共に2つの電極間に導電性材料を備える消耗品の断面略図。
図1b】導電性材料の2つの接触粒子と共に2つの電極間に導電性材料を備える消耗品の断面略図。
図1c】2つの電極間に導電性材料を備える消耗品の平面略図。
図2】2つの電極と、電極間に配置される消耗品とを有する、エアロゾルを送出するためのデバイスの略図。
図3】導電性材料を備える消耗品を製造するための方法のフロー図。
図4】2つの電極と、電極間に配置される消耗品とを備えるデバイスによるエアロゾル発生方法のフロー図。
図5a】渦巻として配置される消耗品を備えるカートリッジの略図。
図5b】双曲渦巻として配置される消耗品を備えるカートリッジの略図。
【発明を実施するための形態】
【0047】
図1a及び1bにおいて、2つの電極4a、bの間に導電性材料7を備える消耗品1の断面略図を示している。両図において、図示の消耗品1は、少なくとも風味材料5、導電性材料7、及び任意にエアロゾル形成剤6を備えている。消耗品1は、更に、エアロゾル基材(図示せず)を形成する成分を備えることが考えられる。風味材料5は、個々のたばこ味によってエアロゾル基材を強調するためのたばこ材料であってもよく、及び/又はたばこ材料に追加又は代替として添加される別の風味物質であってもよい。成分、特に導電性材料7は、粒子形態で提供される。特に、成分は、導電性材料の粒子を備える固体粉末として提供されてもよい。かかる粒子成分は、加熱層3又は消耗品1に埋め込まれることが好ましい。しかし、好ましくは、消耗品1は、層として形成され、特に加熱層3であるか又はそれを備える。また、好ましくは、層3又は消耗品1は、エアロゾル発生デバイス2(図2に示す)内の2つの電極4a、bの間に配置される。
【0048】
2つの電極4a、bは、互いに離間され、消耗品1又は加熱層3と接続される。好ましくは、電極4a、bの間の距離は、消耗品1の厚さ8とみなされる。消耗品1又は加熱層3の厚さ8は、好ましくは0.5mm~5mmの範囲、好ましくは0.5~2mmの範囲であってもよい。特に、厚さ8は、エアロゾル発生デバイス2(図2に示す)の大きさ及び電極4a、bの大きさによって決まる。とりわけ、ハンディデバイス2は、小さい平均接触面11を有する電極4a、bを備えることが好ましい。一実施例において、接触面11は、215mmの面積を備える。しかし、また、接触面11は、150mm~300mmの範囲の面積を備えることも考えられる。図1aに示すように、電極4a、bの接触面11は、消耗品1又は加熱層3と直接接触している。一実施例において、接触面11の70%~95%が消耗品1又は加熱層3に接触する。好ましくは、電極4a、bは、消耗品1又は加熱層3に圧力を加えて、電極と導電性粒子との間の接触抵抗を減少させる。
【0049】
第1の電極4a及び第2の電極4bは、電圧源19により供給される。エアロゾル発生デバイス2の使用状態において、電流は、一方の電極4bから消耗品1を通って他方の電極4aに流れる。一実施例において、電圧源19は、3.7Vの電圧値を有するリチウムイオン等の充電式バッテリによって供給される。しかし、また、電極4a、bにエネルギーを供給するために他の電気エネルギー源10(図2に示す)を用いることも考えられる。
【0050】
図1aに示すような消耗品1は、圧縮後に、導電性粒子の最大寸法以下の厚さ8を備えることが好ましい。導電性材料7を粒子として示している。消耗品1は、導電性材料7の2つ以上の粒子を備えることが考えられる。好ましくは、消耗品は、消耗品中にランダムに分散した複数の粒子を備える。例えば、導電性材料7は、約780ミクロンの粒径の粒子を備える。特に、導電性材料7は、参照名Jacobi EcoSorb MB3-10Hの活性炭粒子であった。電極間の抵抗は、導電性材料7の粒子の大きさによって決まることが考えられる。導電性材料7は、互いに平行に配置されることが好ましい電極4a、bとの2つの接点7aを備えてもよいことが好ましい。好ましくは、電流は、一方の接点7aから他方に流れ、それによって電極4a、bを電気的に接続する。別の実施形態(図1b参照)において、少なくとも2つの粒子を備える導電性材料7は、少なくとも3つの接点7aを備えることが好ましい。好ましくは、2つの接点7aが電極4a、bに接触し、第3の接点7aは、導電性材料7の粒子間の接点である。無論、消耗品において図1a、1bの両方の配置を有する導電性材料7も可能である。好ましくは、消耗品の厚さ8は、複数の粒子について電極との接点7aを確実にするよう、粒径と略等しい。消耗品の厚さは、電極間の消耗品の圧縮後の接点を確実にするよう、粒径よりも0~20%大きくてもよい。例えば、導電性粒子の粒径は、それぞれ、約250ミクロン、又は300ミクロン、又は350ミクロン、又は400ミクロン、又は450ミクロン、又は500ミクロン、又は550ミクロン、又は600ミクロン、又は650ミクロン、又は700ミクロン、又は750ミクロン、又は800ミクロンであってもよく、消耗品の厚さ又は電極間の距離8は、それぞれ、200~250ミクロンの間、又は300~360ミクロンの間、又は350~420ミクロンの間、又は400~480ミクロンの間、又は450~540ミクロンの間、又は500~600ミクロンの間、又は55~660ミクロンの間、又は600~720ミクロンの間、又は650~780ミクロンの間、又は700~840ミクロンの間、又は750~900ミクロンの間、又は800~960ミクロンの間であってもよい。
【0051】
図1a及び1bは、特に、消耗品1の厚さ8における抵抗が減少する好ましい実施形態を示している。電流は、電極4a、bへの接点7aを可能な限り少なくすることを可能にする消耗品の厚さ8によってより良好に流れる。このため、境界抵抗は、厚さ8及び/又は接点7aの数に比例することが好ましい。
【0052】
図1cは、2つの電極4a、bの間に導電性材料7を備える消耗品1の平面略図を示している。図1bにおいて見て取ることができるように、消耗品1は、電極4a、b(4bは図示せず)の間に配置される。好ましくは、消耗品1又は加熱層3は、電極4a、bの接触面11(図示せず)に接触する少なくとも1つの表面積3aを有する。消耗品1が電極4a、bの間で押圧されるという事実により、消耗品1の表面3bの一部のみが加熱可能であることが考えられる。
【0053】
図2は、2つの電極4a、bと、電極4a、bの間に配置される消耗品1とを有する、エアロゾルを送出するためのデバイス2の略図を示している。デバイス2は、更に、電気エネルギー供給源10と、マウスピース12と、エアロゾルチャネル13と、カートリッジ14とを備える。デバイス2は、更なる機械的、電気的、及び/又は電気コンポーネントを備えることが考えられる。好ましくは、電極4a、bには、電気エネルギー10供給源に備えられるエネルギーが供給される。このため、電極4a、bは、外部電圧源19(図示せず)を必要としないことが好ましい。しかし、デバイス2の別の実施形態は、電極のみにエネルギーを供給する電圧源19(図示せず)を備えることも可能である。
【0054】
好ましくは、カートリッジ14は消耗品1を備える。カートリッジ14は、消耗品1の貯蔵に用いる。また、好ましくは、カートリッジ14内の貯蔵された消耗品1は、有利には、空間を節約する方法で載置される。カートリッジ14は、電極4a、bに新しい、特に燃焼していない消耗品1を供給するために電極4a、bに接続されることが好ましい。カートリッジは、貯蔵された消耗品1を電極4a、bに向かって前方に押すための手段(図示せず)を備えることが考えられる。この手段は、手動又は電気推進であってもよい。
【0055】
2つの電極4a、bの間に配置される加熱された消耗品1は、吸入可能なエアロゾル9を分離することが好ましい。好ましくは、エアロゾル9は、エアロゾルチャネル13を通ってデバイス2のマウスピース12に案内される。このため、エアロゾルチャネル13が電極4a、bに接続されることが考えられる。また、電極4a、bがエアロゾルチャネル13内に配置されることも可能である。かかる場合、エアロゾルチャネル14は、カートリッジ13に接続されてもよい。
【0056】
図3は、導電性材料7を備える消耗品1を製造する方法のフロー図を示している。消耗品1を製造するための方法の第1のステップは、エアロゾル基材の成分を混合100して滑らかな混合物を提供することであってもよいことが好ましい。好ましくは、成分は固体及び液体を含む。また好ましくは、たばこ材料又は他の風味物質等の風味材料5及び導電性材料7は、粒子形態で、好ましくは粉末として提供される。液体成分を固体成分に添加する前に、固体材料を混合することが有利である。エアロゾル形成剤6及び水は、液体成分として提供されることが好ましい。また、より滑らかなエアロゾル基材混合物のために結合剤を用いることも考えられる。また、他の成分と混合する前に、チャコール等の多孔質導電性粒子を液体形成剤に浸漬することも考えられる。成分を混合100した後、エアロゾル基材は練粉又はペーストの形態で得られる。製造方法の次のステップは、押圧ステップ101であることが好ましい。好ましくは、押圧ステップ101は、消耗品1を層に形成するためのエアロゾル基体の機械的な圧縮を含む。押圧された消耗品1は、押圧ステップ101の後に2つのラッピングの間に配置されることが考えられる。かかるラッピングは、消耗品1をロール状又は層状にするのに有用であることが好ましい。幾つかの実施形態において、消耗品1は、ラッピングを使用せずにロール状又は層状にされることができる。ラッピング層は紙層とすることができる。しかし、カートリッジ14に更に貯蔵するために、消耗品1をロール形状にすることが有利である。消耗品を製造するための方法の最後のステップとしては、固化ステップ102とすることができる。好ましくは、押圧及び/又はロール状にされた消耗品1は、ステップ102の間に乾燥及び/又はキュアリングされる。デバイス2における更なる使用のためにカートリッジ14内に消耗品1を配置することが考えられる。消耗品1は、更なる使用のために十分に弾性であるために一定量の水分を含んでいる必要がある。好ましくは、消耗品1は、デバイス2における更なる使用の際に徐々に繰り出される。
【0057】
図4は、2つの電極4a、bと、電極4a、bの間に配置される消耗品1とを備えるデバイス2によるエアロゾル生成のための方法のフロー図を示している。エアロゾル生成のための方法の第1のステップは、消耗品1又は加熱層3をデバイス2の電極4a、bの間に配置すること200が好ましい。また、配置する200前に、消耗品1がデバイス2のカートリッジ14から繰り出され、電極4a、bに案内されることも考えられる。エアロゾル生成のための方法は、更に、押圧ステップ201を含み、ここで電極4a、bは、ある圧力量で消耗品1に押圧される。好ましくは、電極4a、bは、互いに平行に配置され(図1aに示す)、2つの側面又は方向から消耗品1を囲む。方法は、更に、供給ステップ202を含む。供給ステップ202は、電極4a、bに電流を供給することを含む。好ましくは、加熱層3又は消耗品1は、2つの電極4a、bの間に電流を伝導する。このため、方法は、加熱ステップ203を含む。電極4a、bの温度は、上昇し、それによって消耗品1又は加熱層3を加熱することが好ましい。吸入可能なエアロゾル9は、加熱ステップ203中に消耗品1又は加熱層3から発生する。
【0058】
図5aは、渦巻として配置される消耗品1を備えるカートリッジ14の略図を示している。好ましくは、消耗品1又は加熱層3は、ある点(図示せず)から出て、消耗品1がその点の周りを回転するにつれて更に遠ざかる曲線の周りを通る。消耗品1は、カートリッジ14内に配置又は貯蔵されることが好ましい。カートリッジ14は、消耗品の鮮度を保つ保管箱又は別の容器であることが考えられる。カートリッジは、更に、デバイス2の電極4a、bに接続される先導チャネル17を備える。先導チャネル17がデバイス2のエアロゾルチャネル13に接続され、電極4a、bがエアロゾルチャネル13の内部に少なくとも部分的に配置されることも考えられる。しかし、カートリッジ14は、接続手段18を介して電極4a、bに着脱自在に接続されることが好ましい。これは、カートリッジ14に新しい消耗品1を補充する場合に有用であり得る。デバイス2は、更に、使用済み消耗品16のための容器15を備えることが考えられる。幾つかの実施形態において、使用済み消耗品16は、350℃までの温度で加熱されることが好ましく、使用済み消耗品16は、極めて少量の液体を備えるか、又は全く液体を備えていない。液体形成剤の量が少なすぎる場合、より高い温度、例えば350℃(たばこの燃焼に近い)が、エアロゾルを発生させるために必要とされる場合がある。十分な量の形成剤が消耗品に含まれる場合、十分なエアロゾルを気化させる温度は、例えば300℃未満に低下させることができる。使用済みの消耗品16は、新しい消耗品1がカートリッジ14から電極4a、bに送られた後に容器15内に落下することが好ましい。また、使用済みの消耗品16を保管するための他の構造をデバイス2内に配置することも考えられる。
【0059】
図5bは、双曲渦巻として配置される消耗品1を備えるカートリッジ14の略図を示している。消耗品1は、図5aに示すようにカートリッジ14内に配置されることが好ましい。好ましくは、消耗品1は、カートリッジ14内部の消耗品1のより良好な支持のために、ラッパー又は固定具(図示せず)上に巻装される。しかし、カートリッジ14内部に消耗品1又は層3を配置する多くの可能性が存在する。デバイス2内部のカートリッジ14の長い動作可能時間を提供するよう、消耗品1をカートリッジ14内部に極めてコンパクトに配置することが重要である。
【0060】
消耗品は、連続したアコーディオン状の消耗品のスタック又はスタック状に配置される別々の層等の、図5a、5bの形態に代わる形態で貯蔵することができる。
【0061】
本出願人は、本願で開示した全ての特徴を、これらが個別に又は組合せで先行技術に照らして新規である限り、本発明の本質的な特徴として特許請求する権利を留保する。更に、図において、個別に有利であり得る特徴が記載されていることに留意されたい。当業者であれば、図に開示されている特定の特徴が、この図から更なる特徴を取り入れなくても有利であり得ることを直接認識するであろう。更に、当業者であれば、1つ又は様々な図に開示されている多様な特徴の組合せから利点が展開し得ることを認識するであろう。
【符号の説明】
【0062】
1 消耗品
2 エアロゾル発生デバイス
3 加熱層
3a 層の表面積
3b 層の表面の一部
4a 第1の電極
4b 第2の電極
5 風味材料/たばこ材料
6 エアロゾル形成剤
7 導電性材料
7a 導電性材料と電極との接点
8 加熱層/消耗品の厚さ
9 エアロゾル
10 電気エネルギー
11 電極の接触面
12 マウスピース
13 エアロゾルチャネル
14 カートリッジ
15 使用済み消耗品用の容器
16 使用済み消耗品
17 先導チャネル
18 接続手段
19 電圧源
100 消耗品の成分を混合する
101 練粉又はペーストを層に押圧する
102 加熱層を固化する
200 電極間に加熱層/消耗品を配置する
201 加熱層/消耗品上に電極を押圧する
202 電極に電流を供給する
203 加熱層を加熱する
図1a
図1b
図1c
図2
図3
図4
図5a
図5b
【国際調査報告】