(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】調合物送達のための制御システム、デバイス、および方法
(51)【国際特許分類】
A45D 19/00 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
A45D19/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552090
(86)(22)【出願日】2022-02-22
(85)【翻訳文提出日】2023-10-23
(86)【国際出願番号】 US2022017353
(87)【国際公開番号】W WO2022182671
(87)【国際公開日】2022-09-01
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジ・リー
(72)【発明者】
【氏名】キャロライナ・カナマケ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・グレ
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040AE01
3B040AE07
(57)【要約】
調合物送達システム、調合物送達デバイス、およびそれらのための調合物カートリッジが提供される。調合物送達システムは、再利用可能なハンドルと、調合物分配アセンブリと、コントローラと、を含む。調合物分配アセンブリは、往復動ノズルアセンブリと、ポンプと、を含む。往復動ノズルアセンブリは、再利用可能なハンドル内に受け入れられた調合物カートリッジまたは洗浄カートリッジに流体的に結合可能である。調合物送達デバイスは、その中に調合物カートリッジを受け入れるように構成された再利用可能なハンドルと、再利用可能なハンドル内に配設された調合物分配アセンブリとを含む。調合物分配アセンブリは、流体導管と、流体導管に流体的に接続されたポンプと、往復動ノズルアセンブリと、コントローラと、を含む。調合物カートリッジは、再利用可能なカートリッジ本体と、バルブフレームと、再利用可能なカートリッジ本体に可逆的に結合可能な使い捨て補充パケットと、を含む。使い捨て補充パケットは、調合物パケットと、再利用可能なカートリッジ本体に挿入するように構成された本体部分と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調合物送達システムであって、
調合物をその中に保管するように構成された調合物カートリッジ、および洗浄液をその中に保管するように構成された洗浄カートリッジを可逆的に受け入れるように構成された再利用可能なハンドルと、
往復動ノズルアセンブリおよびポンプを含む調合物分配アセンブリであって、前記往復動ノズルアセンブリが1つ以上の流体導管を介して、前記再利用可能なハンドル内に受け入れられた前記調合物カートリッジまたは前記洗浄カートリッジに流体的に結合可能である、調合物分配アセンブリと、
前記再利用可能なハンドルに挿入された前記洗浄カートリッジまたは前記調合物カートリッジを示す1つ以上の入力に応答して、少なくとも洗浄ルーチンと調合ルーチンとの間でトグルするように構成された計算回路および論理を含むコントローラと、
を含む、調合物送達システム。
【請求項2】
実行されると、前記調合物送達システムに、
前記再利用可能なハンドルへの挿入後に、前記調合物カートリッジを認証することと、
前記調合物カートリッジの認証に基づいて、前記調合物分配アセンブリを通して前記調合物カートリッジから前記調合物を分配することによって前記調合ルーチンを実行することと、
を行わせる論理を、前記コントローラが含む、請求項1に記載の調合物送達システム。
【請求項3】
実行されると、前記調合物カートリッジを認証することに基づいて、前記調合物送達システムに少なくとも1つのデバイス動作パラメータを調整させる論理を、前記コントローラが含む、請求項2に記載の調合物送達システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのデバイス動作パラメータが、前記ポンプの流量または前記往復動ノズルアセンブリの往復速度のうちの少なくとも1つである、請求項3に記載の調合物送達システム。
【請求項5】
実行されると、前記調合物送達システムに、
前記再利用可能なハンドル上のボタンを押すこと、前記再利用可能なハンドルに前記調合物カートリッジを挿入すること、または前記再利用可能なハンドルに前記洗浄カートリッジを挿入することのうちの少なくとも1つに基づいて、スリープ状態からアウェイク状態へ目覚めさせることと、
所定の不活動期間の後、前記スリープ状態に戻ることと、
を行わせる論理を、前記コントローラが含む、請求項2に記載の調合物送達システム。
【請求項6】
実行されると、前記調合物送達システムに、前記認証された調合物カートリッジからの前記調合物の分配時間に基づいて、残りの調合物量を決定させる論理を、前記コントローラが含む、請求項2に記載の調合物送達システム。
【請求項7】
前記再利用可能なハンドルが、前記残りの調合物量を信号で伝える視覚的インジケータを含む、請求項6に記載の調合物送達システム。
【請求項8】
実行されると、前記調合物送達システムに、
前記再利用可能なハンドルへの挿入後に、前記洗浄カートリッジを認証することと、
前記洗浄カートリッジの認証に基づいて、前記調合物分配アセンブリを通して前記洗浄カートリッジから前記洗浄液を分配することによって前記洗浄ルーチンを実行することと、
を行わせる論理を、前記コントローラが含む、請求項1に記載の調合物送達システム。
【請求項9】
前記洗浄ルーチンが、前記調合ルーチンよりも高速で前記ポンプを作動させる、請求項8に記載の調合物送達システム。
【請求項10】
モバイルデバイスの非一時的機械可読記憶媒体上で動作するように構成され、論理を含むアプリケーションをさらに含み、実行されると、前記モバイルデバイスに、
少なくとも1つのユーザプロファイル入力を受け入れ、記憶することと、
前記少なくとも1つのユーザプロファイル入力に基づいて、前記調合物送達デバイスを使用するための指示を与えるユーザ固有のルーチンを作成することと、
前記ユーザ固有のルーチンを前記モバイルデバイス上に表示することと、
を行わせる論理を含む、請求項1に記載の調合物送達システム。
【請求項11】
前記モバイルデバイスによって実行されると、前記モバイルデバイスに較正ルーチンを実行させる論理を、前記アプリケーションが含み、前記較正ルーチンが、
ユーザに、前記再利用可能なハンドルを前記ユーザの身体部分の複数の較正場所に配置するよう指示することと、
前記較正場所を記録することと、
前記較正場所に基づいて前記ユーザ固有のルーチンを調整することと、
を含む、請求項10に記載の調合物送達システム。
【請求項12】
前記ユーザからの動作パラメータ入力に応答して前記モバイルデバイスによって実行されると、前記コントローラに少なくとも1つのデバイス動作パラメータを調整させる論理を、前記アプリケーションが含む、請求項10に記載の調合物送達システム。
【請求項13】
前記再利用可能なハンドルの位置信号を前記コントローラに送信する位置センサーをさらに含み、
実行されると、前記コントローラに、前記位置信号に基づいて前記モバイルデバイスに第2の位置信号を送信させる論理を、前記コントローラが含み、
前記モバイルデバイスによって実行されると、前記モバイルデバイスに前記第2の位置信号に基づいて正確な塗布指示を表示させる論理を、前記アプリケーションが含む、
請求項10に記載の調合物送達システム。
【請求項14】
位置信号を前記コントローラに送る位置センサーをさらに含み、
実行されると、前記コントローラに、前記位置信号に基づいて前記モバイルデバイスに第2の位置信号を送信させる論理を、前記コントローラが含み、
前記モバイルデバイスによって実行されると前記モバイルデバイスに、
前記第2の位置信号に基づいて分析プラットフォームに第3の位置信号を送信することと、
前記第3の位置信号に基づいて前記分析プラットフォームからユーザ提案を検索することと、
前記ユーザ提案を表示することと、
を行わせる論理を、前記アプリケーションが含む、請求項10に記載の調合物送達システム。
【請求項15】
調合物送達システムであって、
カートリッジを受け入れるように構成された再利用可能なハンドルであって、前記カートリッジが、複数の異なるカートリッジタイプを含む調合物製品ラインの一部を形成し、各カートリッジタイプが、洗浄カートリッジタイプまたは調合物カートリッジタイプから選択される、再利用可能なハンドルと、
前記再利用可能なハンドル内に受け入れられた前記カートリッジに流体的に結合可能な往復動ノズルアセンブリを含む調合物分配アセンブリと、
コントローラであって、
前記再利用可能なハンドルへの挿入後に、前記カートリッジを認証することと、
前記カートリッジを認証することに基づいて、
前記調合物分配アセンブリを通して前記カートリッジから洗浄液を分配する洗浄ルーチン、または
前記調合物分配アセンブリを通して前記カートリッジからヘアケア調合物を分配するヘアケア調合ルーチン、
を実行することと、
を行うように構成された計算回路および論理を含むコントローラと、
を含む、調合物送達システム。
【請求項16】
モバイルデバイスの非一時的機械可読記憶媒体上で動作するように構成され、論理を含むアプリケーションをさらに含み、実行されると、前記モバイルデバイスに、
少なくとも1つのユーザプロファイル入力を受け入れ、記憶することと、
前記少なくとも1つのユーザプロファイル入力に基づいて、前記調合物送達システムを使用するための指示を与えるユーザ固有のルーチンを作成することと、
前記ユーザ固有のルーチンを前記モバイルデバイス上に表示することと、
を行わせる論理を含む、請求項15に記載の調合物送達システム。
【請求項17】
前記モバイルデバイスによって実行されると前記モバイルデバイスに前記ユーザプロファイル入力またはユーザ固有のルーチン入力のうちの少なくとも1つに基づいて前記調合物製品ラインから複数の異なる調合物のうちの少なくとも1つの調合物を選択させる論理を、前記アプリケーションが含む、請求項16に記載の調合物送達システム。
【請求項18】
前記モバイルデバイスによって実行されると前記モバイルデバイスに前記選択された調合物の購入インターフェースを表示させる論理を、前記アプリケーションが含む、請求項17に記載の調合物送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月26日に出願された米国特許出願第17/187583号、および2021年6月8日に出願されたフランス特許出願第2106032号の優先権を主張し、これらの出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
頭髪および頭皮トリートメント調合物を塗布するための既存のシステムは、広く使用されてきた。一例では、頭髪着色キットは、一般に、その他の用途の中でも、頭髪色の外観を変えるため、または白髪をブレンドするために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既存の頭髪着色システムは、使用が難しいこと、時間がかかること、対象範囲にむらがあること、結果が予測できないこと、汚れがひどいことなどを含む、いくつかの不利な点を有する。一態様では、既存の頭髪着色システムは、頭髪の新しい部分が頭皮から成長した後に毛根をブレンドおよび着色することにおいて非効率的であることがあり、ここで自然の頭髪色は染めた頭髪の残存部とは異なる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、本開示は、特に、調合物を送達するためのシステム、デバイス、およびカートリッジ、ならびにそれらを使用するための方法を対象とする。一実施形態では、染料成分および顕色剤成分を有する化粧品調合物をユーザの皮膚、頭髪などに送達するように構成された1つ以上の方法または技術について説明する。有利には、開示する実施形態は、より良いユーザエクスペリエンス、より良い性能、および信頼性、ならびにより持続可能な構成を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本開示の代表的実施形態による調合物送達システムの概略図である。
【
図2】本開示の代表的実施形態による調合物送達デバイスの概要図である。
【
図3】本開示の代表的実施形態による調合物送達システムのアプリケーションの概要図である。
【
図4】本開示の代表的実施形態による調合物送達デバイスの分解斜視図である。
【
図5】
図4の調合物送達デバイスの側面断面図である。
【
図6】本開示の代表的実施形態による調合物分配アセンブリの斜視図である。
【
図7】
図6の調合物分配アセンブリの側面断面図である。
【
図8A】本開示の代表的実施形態による調合物カートリッジの第1の斜視図である。
【
図9】
図8Aの調合物カートリッジの分解斜視図である。
【
図11】本開示の代表的実施形態による調合物カートリッジを再装填する方法を示す図である。
【
図12】本開示の代表的実施形態による洗浄カートリッジの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
特許請求される主題の前述の態様および付随する利点の多くは、添付の図面と併せて以下の発明を実施するための形態を参照することによって、より容易に諒解されるようになるであろう。
【0007】
ユーザが人間の頭髪および頭皮組織にトリートメント調合物を塗布することを可能にする1つ以上の方法または技術について説明する。以下の説明は、概して頭髪および頭皮トリートメント送達システム、デバイス、およびそれらのための調合物カートリッジに関する代表例を提供する。一実施形態では、トリートメント調合物が頭髪または頭皮組織の標的部分に塗布されることは有益である。一実施形態では、たとえば、色維持処置の間に着色染料を毛根に塗布するとき、頭皮付近の頭髪の一部にトリートメント調合物を塗布することが望ましい。別の例では、ある手法は、頭髪との接触を最小にしながら頭皮トリートメント調合物を直接、頭皮組織に塗布することを必要とする。
【0008】
頭髪および頭皮トリートメント調合物を塗布するための既存のシステムは、広く使用されてきた。一例では、頭髪着色キットは、一般に、その他の用途の中でも、頭髪色の外観を変えるため、または白髪をブレンドするために使用される。既存の頭髪着色システムは、使用が難しいこと、時間がかかること、対象範囲にむらがあること、結果が予測できないこと、汚れがひどいことなどを含む、いくつかの不利な点を有する。一態様では、既存の頭髪着色システムは、頭髪の新しい部分が頭皮から成長した後に毛根をブレンドおよび着色することにおいて非効率的であることがあり、ここで自然の頭髪色は染めた頭髪の残存部とは異なる。本開示は、これらおよび他の必要性を解決することを対象とする。
【0009】
いくつかの実施形態では、頭髪着色調合物は、少なくとも1つの染料と、別個の顕色剤と、を含み、これらが制御された割合で混合される。しかしながら、「調合物」は、本開示では染料および顕色剤に限定されない。本明細書で使用する「調合物」という用語は、一般に、染料、顕色剤、調合物、流体、またはそれらの任意の混合物のうちのいずれかを指す。本開示では、「調合物」は、永続的頭髪染料、半永続的頭髪染料、顕色剤、コンディショナー、商標名ROGAINE(登録商標)で製造されるミノキシジルなどの育毛トリートメント、頭髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合補修頭髪トリートメント、流体頭髪トリートメント、流体頭皮トリートメントなどを含む。
【0010】
本開示の実施形態は、頭髪および頭皮組織の目標領域に調合物を塗布するように構成される。上述の調合物のいずれも、本明細書で説明する実施形態を使用して適切に塗布されるが、本開示は、概して、以下で説明するシステムおよびデバイスによって塗布されるトリートメント調合物の一例として頭髪着色調合物を指す。しかしながら、システム、デバイス、カートリッジ、および方法のいずれも、上述の調合物のいずれかとともに利用され得ると諒解されたい。
【0011】
図1は、本開示による1つの代表的調合物送達システム100を示す。調合物送達システム100は、調合物製品ライン102と、調合物送達デバイス104と、オプションのアプリケーション106と、を含む、いくつかの異なる特徴を含み、これらが一緒に、カスタマイズされたユーザエクスペリエンスを可能にする。
【0012】
調合物製品ライン102は、異なる調合物108を含み、各々が、調合物送達デバイス104とともに使用するように構成された同じ(共通の)調合物カートリッジ110タイプに保管されている。共通の調合物カートリッジタイプのカートリッジは、一般に調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルのカートリッジ空洞に挿入されるように構成される。たとえば、いくつかの実施形態では、調合物カートリッジおよび洗浄カートリッジは、共通の断面形状および寸法を有する。さらに、共通の調合物カートリッジタイプのいくつかの実施形態は、出力ノズルの共通の数および配置を有する。
【0013】
したがって、共通の調合物カートリッジ110タイプは、顧客が単一の調合物送達デバイス104において多くの異なる調合物を利用することを可能にする。代表的調合物カートリッジ110タイプについては、
図8A~
図10において以下で説明し、代表的洗浄カートリッジ112については、
図12で説明する。
【0014】
代表的な実施形態では、調合物製品ライン102は、頭髪着色調合物および頭皮トリートメント調合物を含む。他の代表的実施形態では、調合物製品ライン102は、その各々が、同じ調合物カートリッジ110タイプ内に保管された、以下の異なる調合物、すなわち永続的頭髪染料および顕色剤、半永続的頭髪染料および顕色剤、シャンプー、コンディショナー、ミノキシジルなどの育毛トリートメント、頭髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合補修頭髪トリートメント、または流体頭皮トリートメントのうちの少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個を含む。またさらに代表的な実施形態では、調合物製品ライン102は、同じ調合物カートリッジ110タイプのオプションの洗浄カートリッジ112に加えて、上記の組合せのいずれかを含む。
【0015】
調合物カートリッジ110タイプは、調合物送達デバイス104のハンドルに、詳細にはハンドルのカートリッジ空洞に挿入するように構成された細長い形状および寸法を有する。調合物送達システム100のいくつかの実施形態では、細長い外側ハウジングは、調合物を含む調合物カートリッジ110と洗浄カートリッジ112との間で異なる構成を有するが、共通の形状および寸法を持つ。たとえば、いくつかの実施形態では、調合物を含んでいる調合物カートリッジ110は、
図8A~
図10に示す部分的に再利用可能な実施形態の構成を有し、洗浄カートリッジ112は、同様の形状および寸法を有するが、異なる材料および成分を有する。
【0016】
調合物カートリッジ110タイプの別の特徴は、複数の液体出力ノズルであり、これらは同じ大きさであり、調合物カートリッジ110の遠位(前方)端に、対応する複数の液体注入口(たとえば、第1の調合物注入口)と流体的に接続する構成で配置される。いくつかの実施形態では、液体出力ノズルは、調合物カートリッジ110に配設された調合物パケットのバルブである。
【0017】
調合物送達デバイス104に挿入するように、および第1の調合物および第2の調合物を保管するように構成された、代表的な調合物カートリッジ110タイプについて、
図8A~
図10において以下で説明する。
【0018】
共通の調合物カートリッジ110タイプである(すなわち、共通の外部寸法および複数の液体出力ノズルを有する)洗浄カートリッジ112は、ユーザが、調合物送達デバイス104の流体導管を通して洗浄カートリッジ112から洗浄液(たとえば、水)を流し、それによって調合物送達デバイス104の残留調合物を洗い流す洗浄ルーチンを実行することによって、調合物送達デバイス104をきれいにすることを可能にする。有利には、洗浄カートリッジ112および洗浄ルーチンは、調合物送達デバイス104のかなりの部分が異なる調合物に再利用されることを可能にし、それによって無駄およびコストを減らす。
【0019】
洗浄カートリッジ112は、外側ハウジングの内部に配設された補充可能な洗浄液貯蔵器を含み、これが複数の出力ノズルに流体的に接続される。したがって、ユーザは、洗浄液貯蔵器を水などの洗浄液で満たし、調合物送達デバイス104上でいくつかの洗浄ルーチンを実行し、洗浄液貯蔵器を補充することができる。
【0020】
調合物送達デバイス104は、カスタマイズされ、個人化されたユーザエクスペリエンスを提供するために、ユーザと、調合物カートリッジ110と、場合によってはアプリケーション106と、対話する、接続された電気機械器具である。代表的調合物送達デバイスおよびそれのサブシステムについて、
図4~
図7に関して以下で説明する。
【0021】
一般に、調合物送達デバイス104は、調合物カートリッジ110タイプを受け入れるように構成された再利用可能なハンドル、ならびに、共に再利用可能なハンドルに配設された調合物分配アセンブリおよびコントローラを含む。調合物分配アセンブリは、電動ポンプに、および往復動ノズルアセンブリに流体的に接続された少なくとも1つの流体導管を備え、調合物または洗浄液を調合物カートリッジ110から引き出し、それを往復動ノズルアセンブリを通してユーザの頭髪部分、頭皮部分、または身体部分に分配するように構成される。
【0022】
コントローラは、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジまたは調合物カートリッジを示す1つ以上の入力に応答して、少なくとも洗浄ルーチンと調合ルーチンとの間で切り替えるように構成される。コントローラは、所与の時間に再利用可能なハンドルに挿入される調合物カートリッジ110にどの調合物108が保管されているかを認証するために、調合物カートリッジ110上に配設された暗号化チップを読み取るために、再利用可能なハンドル内のカートリッジ認証インターフェースの暗号化チップリーダーと通信する。いくつかの実施形態では、コントローラはまた、洗浄カートリッジ112が再利用可能なハンドルにいつ挿入されるかを認証する。認証された調合物108または洗浄カートリッジ112に基づいて、コントローラは調合物送達デバイス104に、認証された調合物を調合物カートリッジから調合物分配アセンブリを通して分配する調合ルーチンを実行させる。認証された洗浄カートリッジ112に基づいて、コントローラは調合物送達デバイス104に、調合物分配アセンブリを通して洗浄液を分配する洗浄ルーチンを実行させる。
【0023】
アプリケーション106は、非一時的機械可読記憶媒体上で動作するように構成された論理を含み、またユーザエクスペリエンスを個人化し、役立つ分析を提供し、電子商取引を可能にするモジュールを含む。アプリケーション106は、スマートフォン、タブレットなどのモバイルデバイス114で動作し、
図3に関して以下で説明する複数のモジュールを通してすぐに使用可能な情報を提供するためにユーザ(たとえば、エンドユーザまたはサロンの技術者)と対話する。いくつかの実施形態では、アプリケーション106は、調合物送達デバイス104、およびモバイルネットワーク、クラウドベースのエンタープライズネットワーク、ローカルエリアネットワークなどのネットワーク116と通信する。
【0024】
調合物製品ライン102、調合物送達デバイス104、およびアプリケーション106は一緒に、改善され、カスタマイズされたユーザエクスペリエンスを提供する。調合物送達システム100の上記の要素の各々について、次に詳細に説明する。
【0025】
図2は、代表的調合物送達デバイス200の概要図を、それのいくつかの代表的特徴の理解を容易にするために示す。調合物送達デバイス200は、
図1の調合物送達デバイス104と同じ特徴を有すると理解されたい。
【0026】
調合物送達デバイス200は、共通の調合物カートリッジタイプ(洗浄カートリッジ112を含む)を可逆的に受け入れるように構成された中空の細長い部分を有する再利用可能なハンドル202を含む。再利用可能なハンドル202はまた、プロセッサ206およびいくつかのモジュール(以下で説明する)を格納するデータストア208を含むコントローラ204、カートリッジ認証インターフェース210、電源212、調合物分配アセンブリ214、ならびにオプションの位置センサー216を含む、いくつかのサブアセンブリを収納する。
【0027】
電源212は、いくつかの実施形態では、家庭用交流コンセントに差し込むことによって充電されるように構成された充電式バッテリー(たとえば、リチウムイオンバッテリー)などの、直流(DC)電源である。他の実施形態では、電源212は、調合物送達デバイス200に電力を供給するために電気コード(図示略)を利用する一般的な家庭用交流(AC)などの交流電源である。
【0028】
調合物分配アセンブリ214は、調合物カートリッジ110からユーザの頭皮または頭髪に調合物および/または洗浄液を提供する。一実施形態では、調合物分配アセンブリ214は、(調合物カートリッジ110の第1の液体出力ノズルと結合する)第1の調合物注入口に流体的に接続された第1の流体導管と、(調合物カートリッジ110の第2の液体出力ノズルと結合する)第2の調合物注入口に流体的に接続された第2の流体導管と、モーター218と、モーター218によって駆動されるポンプ220と、同じくモーター218によって駆動される往復動ノズルアセンブリ222と、を含む。
【0029】
カートリッジ認証インターフェース210は、再利用可能なハンドル202に配置された、RFIDリーダー、近距離場リーダーなどであり、調合物カートリッジ110がその中に挿入されると、カートリッジ認証インターフェース210が、以下で説明する調合ルーチンモジュール226に関連して調合物カートリッジを認証するために、調合物カートリッジ224上に配設された暗号化チップを読み取る。
【0030】
オプションの位置センサー216は、ユーザの頭皮または頭髪に対する調合物送達デバイス200の位置および向きの決定を単独でまたは集合的に支援する1つ以上のセンサーを含む。いくつかの実施形態では、位置センサー216は、1つ以上の加速度計、タッチセンサー(たとえば、静電容量タッチセンサー)、近接センサー(たとえば、光近接センサー)などを含む。位置センサー216から送信された信号は、ユーザの頭髪または頭皮への調合物塗布の精度および効率を上げるために、コントローラ204、およびそれのいくつかのモジュールによって使用される。
【0031】
コントローラ204は、電源212、カートリッジ認証インターフェース210、調合物分配アセンブリ214、およびオプションの位置センサー216に動作可能に接続される(たとえば、電気的に接続される)。コントローラ204は、プロセッサ206(たとえば、汎用処理ユニット、画像処理ユニット、もしくは特定用途向け集積回路)、データストア926(有形機械可読記憶媒体)、ソフトウェア論理(たとえば、実行可能ソフトウェアコード)、ファームウェア論理、ハードウェア論理として実装された複数のモジュール、またはそれらの様々な組合せを含む。いくつかの実施形態では、コントローラ204は、以下で説明するモジュールのいずれかからの信号をモバイルデバイスに送信し、モバイルデバイスから送信された信号を受信するトランシーバを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、インターネット、セルラーネットワーク、RFネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、または他のネットワークを介して、調合物カートリッジ224(暗号化チップ)、洗浄カートリッジ228、カートリッジ認証インターフェース210、モバイルデバイスおよびそれに記憶されたアプリケーション、ならびに/または他のネットワーク要素を含む、調合物送達システムとの通信を可能にするように構成された回路を有する通信インターフェースを含む。したがって、通信インターフェースは、ワイヤレスプロトコル(たとえば、WIFI(登録商標)、WIMAX(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、セルラー、赤外線、近距離場など)および/またはワイヤードプロトコル(ユニバーサルシリアルバスもしくはRS-216、RJ-45などの他のシリアル通信、パラレル通信バスなど)を使用して通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、コントローラ204および他のネットワーク要素(たとえば、調合物カートリッジ110)が互いを識別し、制御情報(調合物カートリッジ110に保管されている調合物の識別情報)を交換することを可能にする発見プロトコルを開始するように構成された回路を含む。一実施形態では、通信インターフェースは、発見プロトコルを開始して1つ以上の事前共有鍵と交渉するように構成された回路を有する。
【0033】
データストア208は、機械(たとえば、プロセッサ206、またはモバイルデバイス114)によってアクセス可能な非一時的形態で情報を記憶する機構を含む、有形機械可読記憶媒体である。たとえば、機械可読記憶媒体は、記録可能/記録可能ではない媒体(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイスなど)を含む。
【0034】
以下で説明するモジュールは、代表であり、限定ではない。したがって、コントローラ204のいくつかの実施形態は、さらなるモジュールを含むが、他の実施形態は、すべてのモジュールよりも少ないモジュールを含む。
【0035】
カートリッジ認証モジュール230は、再利用可能なハンドル202に挿入されるいずれかの調合物カートリッジ224または洗浄カートリッジ228を認証するために、カートリッジ認証インターフェース210と通信する。たとえば、調合物カートリッジ224を再利用可能なハンドル202に挿入すると、カートリッジ認証インターフェース210は、調合物カートリッジ224上に配設された暗号化チップから暗号化された情報を読み取る。カートリッジ認証インターフェース210が暗号化チップから暗号化された情報を正常に読み取る場合、カートリッジ認証モジュール230は、調合物送達デバイス200、たとえば調合ルーチンモジュール226を「ロック解除する」。しかしながら、カートリッジ認証インターフェース210が、再利用可能なハンドル202に挿入された調合物カートリッジを正常に認証することができない場合、カートリッジ認証モジュール230は調合物送達デバイス200をロック解除しない。たとえば、調合物カートリッジが偽造カートリッジまたは粗悪な調合物を含む別のカートリッジである場合、カートリッジ認証モジュール230は、調合物送達デバイス200の機能をロック解除しない。このようにして、カートリッジ認証モジュール230は、有利にはユーザが害されることまたは経験が乏しいことを予防する。
【0036】
カートリッジ認証モジュール230は、いくつかの実施形態では、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、または調合物製造日のうちの1つ以上を含む、暗号化チップからの追加情報を読み取るように構成される。そのような実施形態では、カートリッジ認証モジュール230は、後で使用するために他のモジュールに追加情報を送信する。
【0037】
調合ルーチンモジュール226は、異なる調合物のための複数の調合ルーチン(たとえば、ヘアケア調合ルーチン)を記憶し、カートリッジ認証モジュール230によって認証された調合物カートリッジ224に基づいて、調合物分配アセンブリ214に1つ以上の調合ルーチンを実行させる。調合ルーチンが、認証された調合物108を調合物カートリッジ224から往復動ノズルアセンブリ222を通して分配する。たとえば、ヘアケア調合ルーチンが、1つ以上のヘアケア調合物を往復動ノズルアセンブリ222から、特定の分配時間の間、ポンプの特定の液体流量、ノズル往復動周波数および/または往復動ノズルアセンブリ222の往復動振幅、および/または調合ルーチンモジュール226に記憶された調合ルーチンによって指定される他のデバイス動作パラメータで分配する。このようにして、調合物送達デバイス200は、より効果的な頭髪および頭皮トリートメントのために、調合物送達デバイスに挿入された、認証された調合物カートリッジ224に保管された特定の調合物に基づいて、1つ以上のデバイス動作パラメータを調整する。
【0038】
いくつかの実施形態では、調合ルーチンモジュール226は、認証された調合物の分配時間に基づいて、調合物分配アセンブリを通した調合物カートリッジからの認証された調合物の分配量を決定する。分配時間および/または分配量に基づいて、調合ルーチンモジュール226は、再利用可能なハンドル202上の視覚インジケータに残りの調合物量を信号で伝えさせる。これは、調合物カートリッジがいつ交換される必要があるかをユーザが予想する助けとなり、追加の調合物カートリッジを便利に調達するために接続されたアプリケーションの電子商取引モジュールを利用するようユーザを促す。
【0039】
洗浄ルーチンモジュール232は、洗浄ルーチンを記憶し、洗浄カートリッジ228(洗浄液で満たされた貯蔵器を有する)が再利用可能なハンドル202に挿入され、カートリッジ認証モジュール230によって認証された後に、調合物分配アセンブリ214に洗浄ルーチンを実行させる。洗浄ルーチンは、調合物分配アセンブリ214内の残留調合物を排出するために、認証された洗浄カートリッジ228から往復動ノズルアセンブリ222を介して(たとえば、所定の時間の間、所定の流量で)洗浄液を分配する。洗浄ルーチンは、たとえば、1つの調合物が調合物送達デバイス200で利用された後に、ただし第2の異なる調合物が利用される前に、有効である。いくつかの実施形態では、洗浄ルーチンは、残留調合物をすべて除去するために、調合ルーチンモジュール226によって記憶された1つ以上の(またはすべての)調合ルーチンよりも高い流量でポンプ220を作動させる。
【0040】
いくつかの実施形態では、コントローラ204は、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジまたは調合物カートリッジを示す1つ以上の入力に応答して、少なくとも洗浄ルーチン(洗浄ルーチンモジュール232によって提供される)と調合ルーチン(調合ルーチンモジュール226によって提供される)との間で切り替えるように構成される。代表的入力は、カートリッジ認証モジュール230によって提供される調合物カートリッジまたは洗浄カートリッジの認証を含む。
【0041】
本開示の方法によれば、調合物送達デバイスのいずれかを洗浄する方法は、洗浄液で少なくとも部分的に満たされた洗浄カートリッジを調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルに挿入するステップと、調合物分配アセンブリを介して分配された洗浄液がきれいになるまで洗浄ルーチンを実行するステップとを、含む。
【0042】
電力管理モジュール234は、コントローラ204、カートリッジ認証インターフェース210、調合物分配アセンブリ214、または位置センサー216のうちの1つ以上に、電源212から電力を提供する。加えて、電力管理モジュール234は、スリープ状態(受動状態)とアウェイク状態(能動状態)との間で調合物送達デバイス104をトグルすることによって、利用可能な電力源を温存する(たとえば、バッテリー寿命を温存する)。
【0043】
スリープ/アウェイクモジュール236は、調合物送達デバイス200がアウェイク状態であるか、それともスリープ状態であるかを管理する。調合物送達デバイス200は、デフォルトでスリープ状態であり、それによって電源212から調合物分配アセンブリ214、カートリッジ認証インターフェース210、および/またはコントローラ204に電力はほとんど供給されない。スリープ状態では、調合物送達デバイス200は、調合ルーチンまたは洗浄ルーチンを実行することができない。アウェイク状態では、比較すると、コントローラ204、カートリッジ認証インターフェース210、調合物分配アセンブリ214、および位置センサー216は、調合物送達デバイス104が1つ以上の調合ルーチンまたは洗浄ルーチンを実行できるように、十分に電力供給される。いくつかの実施形態では、調合物送達デバイス104は、再利用可能なハンドル202に配設されたボタンをプッシュすることによって、または調合物カートリッジ224もしくは洗浄カートリッジ228を再利用可能なハンドル202に挿入することによって、「目覚めさせられ」、すなわちスリープ状態からアウェイク状態にされる。いくつかの実施形態では、調合物送達デバイス200は、所定の不活動期間(たとえば、120秒の不活動)の後、スリープ状態に戻る。
【0044】
位置モジュール238は、調合物送達デバイス200の位置を決定するために位置センサー216によって提供される位置信号を利用し、この位置情報は次いで、調合ルーチン、たとえば較正ルーチンの実行を容易にするために、調合ルーチンモジュール226に提供される。いくつかの実施形態では、位置モジュール238は、たとえば、較正ルーチン(以下で説明する)の実行を可能にするために、および/またはアプリケーションが位置信号に基づいて正確な塗布指示を表示することを可能にするために、(トランシーバを介して)モバイルデバイス上に記憶されたアプリケーションに位置信号を提供する。
【0045】
図3は、代表的アプリケーション300の概要図を示し、この代表的アプリケーション300は、
図1のアプリケーション106のすべての特徴を有し、本開示のすべての調合物送達システムおよび調合物送達デバイスに適合すると理解されたい。上述のように、アプリケーション300は、デバイス、たとえばスマートフォンまたはタブレットなどのモバイルデバイス上で動作するように構成される。1つの代表例として、アプリケーション300は、ネットワーク304に接続されたモバイルデバイス302の背景で説明されるが、これは限定ではない。
【0046】
モバイルデバイス302は、ディスプレイ306(たとえば、LEDまたはLCDディスプレイ)と、プロセッサ308と、複数のモジュールを記憶するデータストア310と、を有する。「プロセッサ」、「データストア」、および「モジュール」という用語は、コントローラ204に関して上記で説明したものと、および代表的調合物送達デバイスに関連して以下で使用するものと、同じ意味を有する。
【0047】
以下で説明する各モジュールは、ディスプレイ306上の1つ以上のユーザインターフェースを提示する。ディスプレイ306は、その上でユーザ入力を受け取るように構成されたタッチセンシティブディスプレイである。したがって、各モジュールに対して、ディスプレイ306上に提示されたユーザインターフェースは、情報を表示することと、ユーザ入力を受け取ることと、の両方を行うように構成される。
【0048】
アプリケーション300は、ユーザプロファイルモジュール312およびユーザルーチンモジュール314などの、ユーザエクスペリエンスを個人化するいくつかのモジュールを含む。以下で説明するモジュールは代表であり、限定ではない。したがって、アプリケーション300のいくつかの実施形態は、さらなるモジュールを含むが、他の実施形態は、すべてのモジュールよりも少ないモジュールを含む。
【0049】
ユーザプロファイルモジュール312は、調合物送達デバイス104のユーザのための1つ以上のプロファイルを構築する。これらのプロファイルは、他のモジュール、たとえばユーザルーチンモジュール314および電子商取引モジュール316に入力として提供される。したがって、ユーザプロファイルモジュール312は、頭髪の色、頭髪のタイプ(たとえば、縮毛、直毛)、染めている/染めていない状態、民族性、頭髪の状態(たとえば、傷んでいる)、頭皮の状態(たとえば、かゆみがある)、および/または年齢を含む、1つ以上のユーザプロファイル入力を提供するようユーザに促す、1つ以上のユーザインターフェースを提供する。ユーザプロファイルモジュール312は、ユーザプロファイル入力を受け付け、記憶する。
【0050】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルモジュール312は、ユーザプロファイル入力の1つ以上、またはユーザプロファイル全体をユーザルーチンモジュール314に提供することによって、ユーザルーチンモジュール314と通信する。ユーザルーチンモジュール314は、次いで、ユーザのための1つ以上のユーザ固有のルーチンを作成するために、および/またはディスプレイ306上で提示する1つ以上のチュートリアルを選択するために、ユーザプロファイル入力の1つ以上を利用する。
【0051】
いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルモジュール312は、調合物送達デバイス104と通信する。たとえば、いくつかの実施形態では、ユーザプロファイルモジュール312は、ユーザプロファイル入力の1つ以上に基づいて調合ルーチンモジュールによって生成される調合ルーチンの少なくとも1つのデバイス動作パラメータ(たとえば、流量、分配時間、往復動振幅、または往復動周波数)を調整する。
【0052】
ユーザルーチンモジュール314は、いくつかの実施形態では、1つ以上のユーザプロファイル入力に基づいてユーザごとに1つ以上のユーザ固有のルーチンを編み出すことによって、ユーザが接続された調合物送達デバイスを効果的に利用するのを助ける。すなわち、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザプロファイル入力によって識別された1つ以上の状態を効果的に処理するため、またはユーザプロファイル入力によって識別された1つ以上の目標を達成するために、(所定の調合ルーチンを選択するのではなく)新しい調合ルーチンを構築する。1つの代表例として、ユーザ入力が、ユーザの頭髪が染められており、傷んでもいることを示す場合、ユーザルーチンモジュール314は、配合物製品ラインからユーザの頭髪の色に対して適切な頭髪修復配合物およびシャンプー配合物を選択するユーザ固有のルーチンを構築し、ユーザの頭髪の健康を改善するために決定された間隔で、選択された頭髪修復配合物およびシャンプーを利用するためのユーザ固有のルーチンを(たとえば、指示として)表示する。
【0053】
加えて、ユーザルーチンモジュール314は、a)調合ルーチン、洗浄ルーチン、および/もしくは較正ルーチンのための1つ以上の受動チュートリアル、ならびに/またはユーザが調合物送達デバイスを使用するとき、ユーザに指示する1つ以上の能動命令セット、をディスプレイ306に表示する。
【0054】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザプロファイル入力の1つも以上、またはユーザプロファイル全体を、ユーザプロファイルモジュール312から受信し、次いで、受信したユーザプロファイル入力もしくはユーザプロファイルに基づいてユーザをターゲットとする受動チュートリアル(たとえば、あらかじめ記録された指示ビデオ)を表示する。一例として、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザが髪を染めていることを示すユーザプロファイル入力を、ユーザプロファイルモジュール312から受信し、ユーザの頭髪を染めるために調合物送達デバイスを使用する方法をユーザに示すチュートリアルをディスプレイ306に表示する。
【0055】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンモジュール314は、コントローラを介して調合物送達デバイスの位置センサーから1つ以上の位置信号を受信する。受信した位置信号に基づいて、ユーザルーチンモジュール314は、ユーザがデバイスを使用するとき、調合物送達デバイスをどのように使用するかをユーザに指示する(たとえば、調合物送達デバイスを特定の方向に、特定の速さで、特定のパターンで、特定の空間境界まで動かすための指示)。一例として、ユーザルーチンモジュール314は、位置センサーから、調合物送達デバイスがユーザの左側頭部に配置されていることを示す位置信号を受信し、この受信した位置信号に基づいて、ユーザルーチンモジュール314は、頭皮トリートメント調合物を分配しながら調合物送達デバイスを左側頭部から右側頭部へ移動させることによって頭皮トリートメント調合物を塗布するようユーザに指示するビデオを表示する。
【0056】
いくつかの実施形態では、ユーザルーチンモジュール314は、調合物送達デバイスから位置信号を受信し、位置信号に基づいて正確な塗布指示を表示する。
【0057】
較正モジュール318は、ユーザが調合物送達デバイスを較正するのに役立ち、これは調合物送達デバイスによって実行される調合ルーチンの有効性を向上させる。いくつかの実施形態では、較正モジュール318は、較正ルーチンを完了する方法をユーザに指示する受動チュートリアル(たとえば、あらかじめ記録された指示ビデオ)を表示する。いくつかの実施形態では、較正モジュール318は、ユーザが調合物送達デバイスを使用するとき、および較正モジュール318が調合物送達デバイスから位置信号を受信するとき、完了した較正ルーチンを使用する方法について指示する1つ以上の能動命令セットを提供する。
【0058】
1つの代表的較正ルーチンに従って、較正モジュール318は、ユーザに調合物送達デバイスをユーザの身体部分の複数の較正場所に、たとえば、特定の順序(たとえば、左側頭部、次いで右側頭部、次いで前方生え際、次いで後方生え際)で配置するよう指示する。ユーザは次いで、調合物送達デバイスを較正場所の各々に移動させ、調合物送達デバイスが指定された較正場所にあるとき、および/またはユーザが調合物送達デバイスを一方の較正場所から別の較正場所へ移動させながら、ユーザが調合物送達デバイス上のボタンを押して、または他のアクションで示す。
【0059】
調合物送達デバイスの位置センサーから受信した位置信号に基づいて、較正モジュール318および/または調合物送達デバイスは、較正場所を記録する。次いで、較正モジュール318および/または調合物送達デバイスは、記録された較正場所に基づいて、1つ以上のユーザ固有のルーチンを調整する。いくつかの実施形態では、この調整ステップは、調合ルーチンモジュールに記憶された1つ以上の調合ルーチンの空間限界および/または持続時間を調整することを含む。
【0060】
手動調整モジュール320は、調合物送達デバイスのより優れた制御およびよりカスタマイズされたユーザエクスペリエンスという利点のために、ユーザが調合物送達デバイスの1つ以上のデバイス動作パラメータ(たとえば、流量、分配時間、往復動振幅、または往復動周波数)を手動で調整することを可能にする。したがって、手動調整モジュール320は、ユーザからの1つ以上の動作パラメータ入力を受け取るように構成された、1つ以上のユーザ調整可能および仮想的なスライディングスケール、スイッチ、編集可能な値フィールドなどを有するユーザインターフェースを提示する。手動調整モジュール320は、動作パラメータ入力を受け取り、上記の動作パラメータ入力を調合物送達デバイス(たとえば、調合ルーチンモジュール)に送信し、調合物送達デバイスが、対応する動作パラメータ入力に基づいて(たとえば、動作パラメータ入力に適合するように)、対応するデバイス動作パラメータを調整する。
【0061】
分析モジュール322は、デバイス動作パラメータを(たとえば、調合物送達デバイスから)受信し、有用な分析を計算し、これを分析モジュール322は次いで、ユーザインターフェースを介してユーザに、および/またはネットワーク304を介して第三者に提供する。代表的な分析は、調合物使用パターン、調合物購入予測、および調合物送達デバイスの診断を含む。いくつかの実施形態では、分析モジュール322は、追加情報を検索するために、および/または上記の分析を計算するために、ネットワーク304(たとえば、1つ以上のクラウドベースのサーバ上に配設された分析プラットフォーム)と通信する。
【0062】
いくつかの実施形態では、調合物送達デバイスが、位置信号をコントローラに送る位置センサーと、位置信号をモバイルデバイスに送るトランシーバと、を備える。調合物送達デバイスは、位置信号を分析モジュール322に送信し、分析モジュール322は、受信した位置信号に基づいてネットワーク116上で分析プラットフォームからユーザ提案を検索し、ユーザ提案を表示する。
【0063】
調合法作成モジュール324は、ユーザが1つ以上の調合物入力のユーザの選択に基づいて、カスタム調合物を作成することを可能にし、1つ以上の調合物入力は、1つ以上の所望の結果(たとえば、所望の頭髪の色)、1つ以上の調合物入力(たとえば、ユーザの頭髪が傷んでいるという表示)、および/またはユーザプロファイルモジュール312に提供されたユーザプロファイル入力の1つ以上に対応する。したがって、調合法作成モジュール324は、ユーザプロファイルモジュール312から1つ以上のユーザプロファイル入力を受け取り、それらの入力に基づいてカスタム調合物を調合するように構成される。
【0064】
カスタム調合物のユーザの作成を容易にするために、調合法作成モジュール324は、各調合物入力に対応する1つ以上のユーザ調整可能および仮想的なスライディングスケール、スイッチ、編集可能な値フィールドなどを有するユーザインターフェースを提供する。いくつかの実施形態では、調合法作成モジュール324は、追加情報を検索するために、および/または上記のカスタム調合物を調合するために、ネットワーク304(たとえば、1つ以上のクラウドベースのサーバ上に配設された調合物のデータベース)と通信する。
【0065】
電子商取引モジュール316は、ユーザが(一回限り、またはサブスクリプションなどにより)調合物送達デバイスに関連する製品を購入することを可能にする購入インターフェースを提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引モジュール316は、調合法作成モジュール324(またはそれの構成要素)から1つ以上のカスタム調合物を検索し、ユーザがカスタム調合物を含んだ1つ以上の調合物カートリッジ110を購入するためのオプションを購入インターフェース上に提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引モジュール316は、ユーザプロファイルモジュール312から1つ以上のユーザプロファイル入力および/またはユーザ固有のルーチン入力を検索し、ユーザプロファイル入力をターゲットにする調合物を含んだ1つ以上の調合物カートリッジ(たとえば、ユーザ入力が傷んだ頭髪を示す場合、頭髪修復調合物を含んだ調合物カートリッジ)をユーザが購入するためのオプションを購入インターフェース上に提示する。いくつかの実施形態では、電子商取引モジュール316は、洗浄カートリッジ112または調合物送達デバイス104および/またはそれの構成要素を購入するためのオプションを購入インターフェース上に提示する。そのような購入インターフェースおよび購入オプションは、分析モジュール322から検索される調合物使用パターンおよび/または調合物購入予測に基づいてもよい。
【0066】
図4~
図5は、本開示の実施形態による、代表的調合物送達デバイス400、およびそれの構成要素を示す。調合物送達デバイス400は、調合物カートリッジ402タイプ(同じタイプの洗浄カートリッジを含む)を受け入れるように構成される。調合物カートリッジ402タイプの調合物カートリッジの一実施形態について、
図8A~
図10に関して以下で詳細に説明するが、
図4に示す調合物カートリッジ402は、そこで説明するものと同じ特徴を有すると理解されたい。調合物送達デバイス400のいくつかの実施形態は、調合物カートリッジ402および/またはオプションの引き抜きアダプタ(pull through adaptor)404を含む。
【0067】
調合物送達デバイス400は、ABSプラスチックまたは同様の硬質ポリマーもしくは他の材料から形成された再利用可能なハンドル406を含み、いくつかの実施形態では、スナップ、ねじなどの固定要素とともに接合されるように構成された複数のシェルから形成されたアセンブリである。再利用可能なハンドル406は、中空の、細長い把持部分を有し、その中に調合物カートリッジ402タイプを受け入れるようなサイズおよび寸法のカートリッジ空洞がある。いくつかの実施形態では、空洞は、調合物カートリッジ402タイプの正確な挿入を容易にする重要な特徴を含む。たとえば、いくつかの実施形態は、開口に配設され、調合物カートリッジ402が開口に正確に挿入されるとき、調合物カートリッジ402の対応するドッキング面と整合するフラットなドッキング面を有する、カートリッジインターフェース408を含む。
【0068】
再利用可能なハンドル406は、コントローラ412に加えて、調合物分配アセンブリ410(
図5~
図7に関して以下で説明する)を収納する。調合物分配アセンブリ410およびコントローラ412は、それぞれ
図2の調合物分配アセンブリ214およびコントローラ204と同じ特徴を有する。調合物分配アセンブリの実施形態について、
図6~
図7に関して以下で詳細に説明するが、
図4に示す調合物分配アセンブリ410は、そこで説明するものと同じ特徴を有すると理解されたい。
【0069】
調合物分配アセンブリ410は、調合物カートリッジ402から調合物または洗浄液を分配し、ポンプと、流体導管と、混合チャンバと、複数のオプションのスタンドオフ部分416の間に再利用可能なハンドル406の前方端部から離れて伸びるノズル付きの往復動ノズルアセンブリ414(以下で説明する)と、を含む。往復動ノズルアセンブリ414は、ユーザの皮膚または頭髪に調合物を分配しながら、再利用可能なハンドル406のトラックに沿って前後に往復する複数の環状ノズルを含む。いくつかの実施形態では、往復動ノズルアセンブリ414は、往復動振幅7.0~12.0mm(たとえば、8.0mm~11.0mm、または9.0~10.0mm)で、および/または往復動周波数5.0Hz~10.0Hz(たとえば、6.0Hz~9.0Hz、6.0Hz~8.0Hz)で往復し、これらは調合ルーチンモジュール、洗浄ルーチンモジュール、ユーザルーチンモジュール、手動調整モジュール、または他のモジュールによって調整可能である。
【0070】
図5に示すように、調合物カートリッジ402は、それの中に配設された1つ以上の調合物パケット418を有し、それらの各々が、調合物カートリッジ402がカートリッジ空洞424に完全に挿入されると、調合物分配アセンブリ410の対応する調合物注入口422と流体的に接続する構成で、調合物カートリッジ402の遠位(前方)端部から突き出る出力ノズル420を有する。
【0071】
再利用可能なハンドル406上に配設され、コントローラ412に電気的に接続されたボタン426は、上記で説明した調合物送達デバイス400の特徴を作動させる。いくつかの実施形態では、ボタン426を押して、
図2において上記で説明したモジュールのいずれかの特徴を作動させる。たとえば、いくつかの実施形態では、ボタン426を押して、コントローラ412に記憶されたスリープ/アウェイクモジュールを作動させ、それによって調合物送達デバイス400をスリープ状態からアウェイク状態へ目覚めさせる。いくつかの実施形態では、調合物カートリッジが再利用可能なハンドル406に挿入される間ボタン426を押して、コントローラ412に記憶された調合ルーチンモジュールを作動させ、それによって調合ルーチンを開始する。
【0072】
いくつかの実施形態では、洗浄カートリッジが再利用可能なハンドル406に挿入される間ボタン426を押して、コントローラ412に記憶された洗浄ルーチンモジュールを作動させ、それによって洗浄ルーチンを開始する。再利用可能なハンドル406に沿って配設された視覚的インジケータ428(たとえば、LED)が、たとえば、コントローラの調合ルーチンモジュールによって決定された分配時間に基づいて、残りの調合物量または残りのバッテリー寿命のうちの1つ以上を示す。いくつかの実施形態は、さらなるボタンおよび/または異なる機能を有する異なる数の視覚的インジケータ428を含み、図示の実施形態は限定的ではない。いくつかの実施形態では、視覚的インジケータ428はマルチセグメントLEDであり、各セグメントが調合物カートリッジに残っている調合物の等しい割合に対応する。
【0073】
コントローラ412は、(それのデータストアに記憶された)論理を含み、この論理は、コントローラ412のプロセッサによって実行されると、調合物カートリッジ402を認証するために、再利用可能なハンドル406内に配設されたカートリッジ認証インターフェース430(たとえば、RFIDリーダー)に調合物カートリッジ402上の暗号化チップ432を読み取らせる。暗号化チップ432は、調合物カートリッジ402、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、または調合物製造日のうちの少なくとも1つを記憶する。
【0074】
コントローラ412はまた、実行されると、調合物送達デバイスに、調合物カートリッジ402を認証することに基づいて、調合物カートリッジ402から調合物分配アセンブリを通して(第1の調合物および第2の調合物の)混合された調合物を分配する調合ルーチンを実行させる論理を含む。たとえば、調合物送達デバイスは、調合物カートリッジを再利用可能なハンドルに挿入した後に(または挿入する時に)第1および第2の調合物を認証し、次いで、再利用可能なハンドル上のボタンを押すことに応答して、調合物分配アセンブリ410にボタンが押されている限り、第1および第2の調合物を継続的にまたは断続的に混合させ、それを往復動ノズルアセンブリから以下の所定のデバイス動作パラメータ、すなわち調合物の流量、往復動周波数、または往復動振幅のうちの1つ以上で分配させる調合ルーチンを実行する。
【0075】
いくつかの実施形態では、コントローラ412はまた、実行されると、調合物送達デバイスに、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジを認証することに基づいて、調合物分配アセンブリを通して洗浄液を分配する洗浄ルーチンを実行させる論理を含む。たとえば、調合物送達デバイスは、再利用可能なハンドルに挿入された洗浄カートリッジを認証し、次いで、再利用可能なハンドル上のボタンを押すことに応答して、調合物分配アセンブリ410に、ボタンが押されている限り、往復動ノズルアセンブリから以下の所定のデバイス動作パラメータ、すなわち洗浄液の流量、往復動周波数、または往復動振幅のうちの1つ以上で洗浄液(たとえば、水)を継続的または断続的に分配させる洗浄ルーチンを実行する。いくつかの実施形態では、洗浄液の流量は、残留調合物を調合物分配アセンブリから効果的に洗い流すという利点のために、コントローラ412に記憶された調合ルーチンの1つ以上の調合物の流量よりも大きい。
【0076】
引き抜きアダプタ404は、往復動ノズルアセンブリ414の上で再利用可能なハンドル406に付着する。いくつかの実施形態では、引き抜きアダプタ404は、再利用可能なハンドル406と正しく係合すると、可聴フィードバック信号を生じる。
【0077】
図6~
図7は、本明細書で説明する調合物送達デバイス、調合物カートリッジ、および洗浄カートリッジのいずれかに適合する、代表的調合物分配アセンブリ600を示す。調合物分配アセンブリ600の主要な機能は、2つの異なる調合物の混合調合物を、調合物カートリッジからユーザの皮膚または頭髪に分配することである。いくつかの実施形態では、調合物分配アセンブリ600は、20~40mL/分または4分当たり120mLの流量で、たとえば、20~35mL/分、20~30mL/分、20~25mL/分、25~35mL/分、25~30mL/分、または35~40mL/分の流量で、混合調合物を分配する。
【0078】
調合物分配アセンブリ600は、第1の調合物注入口602および第2の調合物注入口604と、第1の調合物注入口602および第2の調合物注入口604にそれぞれ流体的に接続された第1の流体導管606および第2の流体導管608と、を含む。いくつかの実施形態では、第1の調合物注入口602および第2の調合物注入口604の各々が、それぞれ第1の流体導管および第2の流体導管から後方に(すなわち、再利用可能なハンドルに配設されたとき、カートリッジ空洞に向かって)、再利用可能なハンドルの後端に向かって伸びる突出部として形成され、突出部は、調合物カートリッジの中に突き出すように構成される。
【0079】
調合物分配アセンブリ600はまた、モーター610と、モーター610に動作可能に接続されたギヤボックス612と、ギヤボックス612を介してモーター610によって駆動されるポンプ614と、を含む。いくつかの実施形態では、ポンプ614は、混合チャンバおよび本明細書で説明する先細になった調合物チャネルと組み合わせて利用されると、調合物分配を改善することが発見された蠕動ポンプである。
【0080】
往復動ノズルアセンブリ616は、コーム620上に配設された複数の環状ノズル618を含み、使用中にコーム620は、より一様な調合物適用範囲(formulation coverage)を実現するためにユーザの皮膚または頭髪に調合物を分配しながら再利用可能なハンドル406のトラックに沿って前後に循環する。ノズル618の各々は、それを通る調合物チャネル622を含み、それの各々が、多岐管624を介して第1の流体導管606および第2の流体導管608に流体的に接続される。いくつかの実施形態では、各調合物チャネル622は、調合物分配速度を上げるという利点のために、および/または2つの調合物をさらに混合するために、先細になっている。先細になった調合物チャネルは、たとえば、ポンプ614が蠕動ポンプであり、および/または乱流混合チャンバが1つ以上のらせんミキサ626を含む、本明細書で説明する他の特徴と組み合わせて利用されると有利であることがわかった。
【0081】
モーター610およびギヤボックス612は、直線往復運動で往復動ノズルアセンブリ616を駆動する。一実施形態では、直線往復運動は、ギヤボックス612の出力軸630に結合された偏心ローラー628によって誘導され、偏心ローラー628はコーム620の環状ブラケットの内部で回転する。ポンプ614および往復動ノズルアセンブリ616を共通のモーター610で駆動すると、電力効率を向上させ、重さおよびサイズを削減し、それによって調合物送達デバイスのフォームファクタを改善する。それでもなお、いくつかの実施形態は、ポンプ614および往復動ノズルアセンブリ616を駆動するために2つ以上のモーターを使用する。
【0082】
ノズル618は、第1の流体導管606および第2の流体導管608に乱流混合チャンバ632を介して流体的に接続され、乱流混合チャンバ632は、混合された調合物を作成するために、第1の流体導管606を介して調合物カートリッジから引き込まれた第1の調合物を、第2の流体導管608を介して調合物カートリッジから引き込まれた第2の調合物と混合する。詳細には、乱流混合チャンバ632は、2つの調合物を共通のチャンバ内で圧力下で組み合わせ、(層流とは区別される)混合調合物の乱流を作り出す、1つ以上の混合要素を過ぎて2つの調合物を流すことによって、2つの調合物を混合する。第1の調合物の第2の調合物に対する割合は、様々な実施形態で変化する。たとえば、いくつかの実施形態では、混合調合物は、約0.8:1.0~1.2:1.0の比の、たとえば、0.85、0.90、0.95、1.00、1.05、1.10、または1.15の比の第1の調合物と第2の調合物の混合である。
【0083】
いくつかの実施形態では、乱流混合チャンバ632は、ポンプ614と、往復動ノズルアセンブリ616と、の間に配設される。この構成では、2つの調合物が、分配の直前に混合され、これがより一様な調合物均質性(consistency)を作り出し、ポンプ614の上流で調合物を混合するのと比較してノズル618からのより優れた調合物分配をもたらす。
【0084】
いくつかの実施形態では、乱流混合チャンバ632は、その中に配設されたらせんミキサ626を含む。いくつかの実施形態は、混合を改善するために、乱流混合チャンバ632内に流体経路に沿って直列に流体的に接続された複数のらせんミキサ626を含む。いくつかの実施形態では、各らせんミキサが、2.00mmと5.00mmの間の、たとえば3.0mmと4.00mmの間の、たとえば3.18mmの外径を有する。いくつかの実施形態では、各らせんミキサが、20.0mmと40.0mmの間の、たとえば25.0mmと35.0mmの間の、たとえば33.0mmの全長を有する。いくつかの実施形態では、各らせんミキサが、0.75と1.25の間の、たとえば0.80と0.90の間の、たとえば0.865の長さ対直径のピッチ(全長/[外径*#混合要素]と定義される)を有する。上記の規格の組合せが、特に2つの調合物が、ポンプ614の下流、往復動ノズルアセンブリ616のわずかに上流まで混合されないとき、またポンプ614が蠕動ポンプであるとき、混合調合物の最良の均質性を生み出すことが発見された。
【0085】
使用中、ポンプ614は、接続された調合物カートリッジから、第1の流体導管606および第2の流体導管608を通して、乱流混合チャンバ632を通して、多岐管624を通して、およびノズル618を通して、調合物を引き込む。図示された実施形態では、第1の流体導管606および第2の流体導管608は、乱流混合チャンバ632まで2つの調合物の混合を防ぐために、ポンプ614の下流まで流体的に別個に維持される。前述のように、2つの調合物を分配の直前に(すなわち、ポンプ614と多岐管624との間で)混合して、混合調合物の均質性を向上させる。
【0086】
図8A~
図10は、本明細書で説明する調合物送達システム、調合物送達デバイス、および調合物製品ラインのいずれかに適合する調合物カートリッジタイプの代表的調合物カートリッジ800を示す。しかしながら、本明細書で説明する調合物送達システム、調合物送達デバイス、および調合物製品ラインは、
図8A~
図10に示す持続可能な調合物カートリッジ800を使用する必要はない。
【0087】
調合物カートリッジ800は、ユーザフレンドリな体験を与えながら、無駄および環境への影響を低減するように特別に設計された持続可能な実施形態である。そのために、調合物カートリッジ800は、2つの主要な構成要素、すなわちハンドル部分802と、ハンドル部分802内に可逆的に滑り込むように構成された、使い捨て補充パケット804と、を含む。歴史的に、既知のカートリッジは、その中に保管された調合物を使い果たした後、全体を廃棄されるように設計され、著しい無駄およびより高い消費者価格につながった。
【0088】
既知のカートリッジとは対照的に、調合物カートリッジ800は、ハンドル部分802が無期限に再利用可能であるように構成され、使い捨て補充パケット804のみが、その中に保管された調合物を使い果たした後に捨てられる、またはリサイクルされる必要がある。またさらに、各使い捨て補充パケット804は、より小さい構成要素に分解されるように構成され、それらの一部はリサイクル可能であり、他は捨てられる。したがって、調合物カートリッジ800は、無駄を減らし、ユーザエクスペリエンスを向上させるための革新的な構造を利用する。
【0089】
ハンドル部分802は、調合物送達デバイスのカートリッジ空洞に繰り返して挿入されるようなサイズ、寸法、および構成にされる。したがって、ハンドル部分802は、ABSプラスチックまたは同様の硬質ポリマーまたは他の材料で形成され、使い捨て補充パケット804をその中に受け入れるように構成された中空のハンドル部分802と、ハンドル部分802から離れて伸びるトレイ部分806と、を含む。ハンドル部分802は、(他の実施形態では1つの部品である場合があるが)図示した代表的な実施形態では2つの部品のアセンブリであり、調合物送達デバイスのカートリッジ空洞に完全に挿入されると、それのハンドルの継ぎ目のない伸長を形成するようなサイズおよび寸法にされる。トレイ部分808は、ハンドル部分802から離れて突き出し、使い捨て補充パケット804を支持するように構成されたU字形状を有する(たとえば、前方本体部分810)。確実な係合および簡単な取外しを容易にするために、ハンドル部分802は、調合物カートリッジ800を調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルに結合するための結合手段を含む。代表的な結合手段は、適切かつ完全に挿入すると、調合物送達デバイスと係合する、ハンドル部分802に形成されたカートリッジ解放部812(たとえば、ラッチ)を含む。
【0090】
使い捨て補充パケット804は、第1の調合物818および第2の調合物820をそれぞれ含んでいる、第1の調合物パケット814および第2の調合物パケット816を保管する。第1の調合物パケット814および第2の調合物パケット816の各々が、40mLと70mLの間、たとえば、50mL~60mL、または55mLを有する。いくつかの実施形態では、第1の調合物パケット814および第2の調合物パケット816は、異なる量を有する。
【0091】
第1の調合物818および第2の調合物820は、各々、本明細書で説明した調合物のいずれか、たとえば、永続的頭髪染料、半永続的頭髪染料、顕色剤、コンディショナー、ミノキシジルなどの育毛トリートメント、頭髪タンパク質トリートメント、ジスルフィド結合補修頭髪トリートメント、流体頭髪トリートメント、流体頭皮トリートメントなどであることがある。いくつかの実施形態では、第1の調合物818および第2の調合物820は異なる。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の調合物818は頭髪染料であり、第2の調合物820は顕色剤である。他の実施形態では、第1の調合物818および第2の調合物820は同じ(たとえば、コンディショナーまたは頭皮トリートメント調合物)である。
【0092】
図9に示すように、各調合物パケットは、調合物含有パケット822と、調合物カートリッジ800がハンドヘルドの調合物分配デバイス内に受け入れられるとき、使い捨て補充パケットを調合物送達デバイスの分配ノズルユニットに選択的に流体結合する(selectively-fluidic coupling)バルブ手段と、を含む。代表的なバルブ手段は、バルブ824を含み、調合物はそれを通ってパケット822から出る。代表的な調合物パケットについては、2018年9月24日に出願され、L’Oreal SAに譲渡された国際特許出願第PCT/US2018/052345号、および2020年12月23日に出願され、L’Oreal SAに譲渡された米国特許出願第17/133110号において説明され、それらの両方がすべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0093】
使い捨て補充パケット804はまた、使い捨て補充パケット804に構造を与え、第1の調合物パケット814と第2の調合物パケット816とを含む、使い捨ての細長い本体部分826を含む。いくつかの実施形態では、本体部分826は、150mmと250mmの間(たとえば、175mm~225mm、185mm~215mm、195mm~205mm、または200mm)の全長、および25mm~50mm(たとえば、30mm~45mm、35mm~40mm、または36mm)の最大断面寸法を有する。本体部分826は、後方本体部分828と、細い前方本体部分810と、を有する。後方本体部分828は、前方本体部分810よりも大きい断面寸法を有し、使用中、(たとえば、摩擦嵌合により)ハンドル部分802のハンドル部分802の内部にとどまる。細い前方本体部分810は、ハンドル部分802のトレイ部分806によって支持され、使用中、調合物送達デバイスのカートリッジ空洞に突き出る。
【0094】
図示の実施形態では、本体部分826は、リサイクル可能な材料、たとえば、構造化された紙(たとえば、ボール紙)から構成される。本体部分826が紙で形成されるいくつかの実施形態では、紙は、過剰な使い捨て材料をもたらすことなく、十分な剛性を与えるために、8~12ポイント(たとえば、8.5ポイント、9.0ポイント、9.5ポイント、10.0ポイント、10.5ポイント、11.0ポイント、または11.5ポイント)の重さを有する。いくつかのそのような実施形態では、本体部分826は、単一のリサイクル可能な材料で形成される。一例として、図示された実施形態では、本体部分826は、単一の紙で形成される。
図9に示すように、この折り畳んだ構成は、後方本体部分828における8つの辺の多角形断面と、前方本体部分810における6つの辺の多角形断面を作り出す。組立てを容易にするために、本体部分826のいくつかの実施形態は、正確な折り畳みを確実にするための1つ以上の刻み目またはガイドラインを含む。図示の実施形態の多角形断面は代表であり、限定ではない。他の実施形態は、三角形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、または他の多角形の断面形状を有する。他の実施形態では、本体部分826は、本明細書で説明する形状および構造を有するが、リサイクル可能な材料から構成されない。
【0095】
オプションのパケットスリーブ830は、いくつかの重要な利点をもたらす。第1に、パケットスリーブ830は、前方本体部分810の上を滑ることおよびこれを強化することによって、使い捨て補充パケット804にさらなる構造を与える。したがって、いくつかの実施形態では、パケットスリーブ830は、本体部分826を形成する材料と比較してより大きい重さまたは厚さを有するが、これは必要ではない。いくつかの実施形態では、パケットスリーブ830もまた、リサイクル可能な材料で形成され、このリサイクル可能な材料は、本体部分826と同じリサイクル可能な材料であってもよい。
【0096】
第2に、パケットスリーブ830は、バルブフレーム832と結合する。たとえば、図示したパケットスリーブ830は、バルブフレーム832の係合部材と可逆的に結合するように構成された複数の係合部材凹部834を含む。
【0097】
第3に、パケットスリーブ830は、使い捨て補充パケット804の分解を容易にする。
図8Aおよび
図9に示すように、パケットスリーブ830は、オプションの一体剥ぎ取り部836(integral tearaway)(たとえば、プルタブ付きミシン目(perforation))を含む。使用中、調合物を使い果たした後、ユーザは一体剥ぎ取り部836のプルタブを引っ張り、それによってバルブフレーム832をパケットスリーブ830から分離する。このアクションが完了すると、パケットスリーブ830はリサイクルされ、バルブフレーム832は捨てられる。いくつかの実施形態では、一体剥ぎ取り部836は、本体部分826、たとえば前方本体部分810に配設される。
【0098】
パケットスリーブ830はいくつかの利点を与えるが、パケットスリーブ830はオプションである。いくつかの実施形態では、パケットスリーブ830の上記の特徴のうちの1つ以上は、本体部分826に一体に形成される。
【0099】
バルブフレーム832は、調合物送達デバイスとの(および詳細には、それの調合物分配アセンブリとの)正確かつ堅固な結合のために、ならびに調合物送達デバイスのカートリッジ認証インターフェースに隣接した暗号化チップ838の正確な位置決めのために、調合物パケットバルブ824および暗号化チップ838を支持する剛性構造を与える。したがって、バルブフレーム832は、ABSプラスチック、HDPE、または他の硬質ポリマー、または他の材料から形成される。複数のバルブ係合ユニット840が、バルブフレーム832の前端を通って伸びる。各バルブ係合ユニット840は、調合物パケットバルブ824の1つを受け入れ、固定する。いくつかの実施形態では、バルブ係合ユニット840は、バルブフレーム832の一面を通して配設されたバルブ開口であり、バルブ開口は、調合物パケットのバルブを受け入れるサイズである。パケットスリーブ830(またはいくつかの実施形態では本体部分826)との結合を可能にするために、バルブフレーム832は、そこから伸びる係合部材842(たとえば、タブ)を含む。
【0100】
暗号化チップ838は、使い捨て補充パケット804上に、たとえば、本体部分826上に、または(図示された実施形態のように)バルブフレーム832上に、配設される。暗号化チップ838は、調合物カートリッジ800が調合物送達デバイスに挿入されるとき、それのカートリッジ認証インターフェースによって読み取られるように位置するように、使い捨て補充パケット804上に配置される。したがって、暗号化チップ838は、調合物カートリッジ800およびそれの内容についての情報、たとえば、調合物識別情報、開始調合物量、調合物有効期限、または調合物製造日のうちの少なくとも1つを記憶する。
【0101】
このようにして、本体部分826、パケットスリーブ830、調合物パケット、およびバルブフレーム832は、使い捨て補充パケット804を形成する。使用中、使い捨て補充パケット804は、たとえば、使い捨て補充パケット804とハンドル部分802との摩擦嵌合などの固定手段、および本体部分826またはパケットスリーブ830上の結合タブ844によって、ハンドル部分802と可逆的に結合可能である。結合タブ844は、使い捨て補充パケット804をその中に挿入すると、ハンドル部分802と係合し、ハンドル部分802から強制的に引っ張り出されるまで、使い捨て補充パケット804をその中に保持する。ハンドル部分802の内部に使い捨て補充パケット804を保持することをさらに助けるために、図示したハンドル部分802は、1つ以上のオプションの保持要素846(この実施形態では、使い捨て補充パケット804と係合するたわみ可能なタブ)を含む。
【0102】
図11は、本開示の調合物カートリッジのいずれか、たとえば、
図8A~
図10の調合物カートリッジ800とともに使用され得る、
図11に示す本開示の代表的な方法1100を示す。
【0103】
ブロック1102において、使い果たした調合物カートリッジ、すなわち、その中の調合物パケットが調合物を使い果たした調合物カートリッジが与えられる。いくつかの実施形態では、調合物カートリッジは、たとえば、カートリッジ解放部を押し、調合物カートリッジを調合物送達デバイスから引っ張り出すことによって、調合物送達デバイスから取り除かれる。
【0104】
ブロック1104において、使い捨て補充パケットは、たとえば、結合タブおよび保持要素によって加えられる保持力に打ち勝つ十分な力で使い捨て補充パケットを引っ張って再利用可能なカートリッジ本体から離すことによって、再利用可能なカートリッジ本体から分離される。
【0105】
オプションのブロック1106において、使い捨て補充パケットのリサイクル可能な部分が、使い捨て補充パケットのリサイクル可能ではない部分から分離される。たとえば、バルブフレームおよび調合物パケットは、たとえば、パケットスリーブまたは本体部分上の一体剥ぎ取り部を剥ぎ取り、バルブフレームを(それに固定された使い果たした調合物パケットと一緒に)引っ張ってパケットスリーブおよび本体部分から離すことによって、本体部分および/またはオプションのパケットスリーブ(これらの両方がいくつかの実施形態ではリサイクル可能である)から分離される。
【0106】
オプションのブロック1108において、使い捨て補充パケットのリサイクル可能な部分(すなわち、本体部分および/またはパケットスリーブ)はリサイクルされ、リサイクル可能ではない部分(すなわち、使い果たした調合物パケットおよびバルブフレーム)は捨てられる。
【0107】
ブロック1110において、新しい使い捨て補充パケットが、再利用可能なカートリッジ本体に挿入される。
【0108】
ブロック1112において、再装填された調合物カートリッジは、新しい使い捨て補充パケットを再利用可能なカートリッジ本体に挿入した後、調合物送達デバイスに再び挿入される。
【0109】
したがって、本開示は、持続可能な調合物カートリッジだけでなく、無駄および環境への影響をさらに減らすためにそれを使用する方法もまた提供する。
【0110】
図12は、前に説明した洗浄カートリッジと同じ特徴を有し、本開示のどんな調合物送達システム、調合物送達デバイス、および製品ラインにも適合する代表的な洗浄カートリッジ1200を示す。したがって、洗浄カートリッジ1200は、本明細書で説明した調合物カートリッジと同じカートリッジタイプである(たとえば、調合物送達デバイスの再利用可能なハンドルの内部にしっかりと嵌まるように構成され、同じ形状および寸法、ならびに複数の出力ノズルを有する)。
【0111】
洗浄カートリッジ1200の主要な機能は、調合物送達デバイスと流体的に接続すること、および洗浄ルーチンの一部として調合物分配アセンブリを通って流される洗浄液1202(たとえば、水)を提供することである。したがって、洗浄カートリッジ1200は、ABSプラスチックまたは他の適度に硬質なポリマーで形成された本体部分1204を有する再利用可能なアセンブリである。本体部分1204は、その中に洗浄液1202を、たとえばそれの50~200mLを保管する洗浄液貯蔵器1206、すなわちタンクを支持する。洗浄液貯蔵器1206は、調合物送達デバイスの流体導管と流体的に結合するようなサイズおよび配置にされた複数の出力ノズル1208を有する。補充キャップ1210は、洗浄液貯蔵器1206の補充を容易にする。
【0112】
本出願はまた、量および数に言及することがある。特に明記されていない限り、そのような量および数は、限定的とは見なされず、本出願に関連する可能な量または数を表すと見なされる。同じく、この点について、本出願は、量または数に言及するために「複数」という用語を使用することがある。この点について、「複数」という用語は、1より多い、たとえば2、3、4、5などである任意の数であるように意図されている。「約」、「およそ」、「ほぼ」などの用語は、提示する値のプラスまたはマイナス5%を意味する。本開示の目的のために、たとえば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」という語句は、(A)、(B)、(C)、(AおよびB)、(AおよびC)、(BおよびC)、または(A、B、およびC)を意味し、4つ以上の要素が列挙されるときは、さらなる考えられる順列すべてを含む。
【0113】
本明細書で開示する実施形態は、本明細書で説明する技術および方法を実施すること、2つ以上の構成要素を動作可能に接続すること、情報を生成すること、動作条件を決定すること、器具、デバイスまたは方法を制御すること、などを行うために回路を利用する場合がある。任意のタイプの回路を使用することができる。一実施形態では、回路は、特に、プロセッサ(たとえば、マイクロプロセッサ)、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、またはそれらの任意の組合せなどの1つ以上のコンピューティングデバイスを含み、ディスクリートデジタルまたはアナログ回路要素または電子機器、またはそれらの組合せを含むことができる。
【0114】
一実施形態では、回路は、複数のあらかじめ定義された論理構成要素を有する1つ以上のASICを含む。一実施形態では、回路は、複数のプログラマブル論理構成要素を有する1つ以上のFPGAを含む。一実施形態では、回路は、ハードウェア回路実装形態(たとえば、アナログ回路での実装形態、デジタル回路での実装形態など、およびそれらの組合せ)を含む。一実施形態では、回路は、回路と、本明細書で説明する1つ以上の方法または技術をデバイスに行わせるために一緒に動作する1つ以上のコンピュータ可読メモリにソフトウェアまたはファームウェア命令を記憶したコンピュータプログラム製品の組合せを含む。一実施形態では、回路は、動作のためにソフトウェア、ファームウェアなどを必要とする、たとえば、マイクロプロセッサ、またはマイクロプロセッサの一部分などの回路を含む。一実施形態では、回路は、1つ以上のプロセッサまたはそれの一部分と、付随するソフトウェア、ファームウェア、ハードウェアなどを含む実装形態を含む。一実施形態では、回路は、サーバ、セルラーネットワークデバイス、他のネットワークデバイス、または他のコンピューティングデバイスにおける、ベースバンド集積回路またはアプリケーションプロセッサ集積回路または同様の集積回路を含む。一実施形態では、回路は、1つ以上の遠隔に位置する構成要素を含む。一実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、ワイヤレス通信を介して動作可能に接続される。一実施形態では、遠隔に位置する構成要素は、1つ以上の受信機、送信機、トランシーバなどを介して動作可能に接続される。
【0115】
一実施形態は、たとえば、命令またはデータを記憶する、1つ以上のデータストアを含む。1つ以上のデータストアの非限定的な例には、揮発性メモリ(たとえば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)など)、不揮発性メモリ(たとえば、読取り専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、コンパクトディスク読取り専用メモリ(CD-ROM)など)、永続メモリなどが含まれる。1つ以上のデータストアのさらなる非限定的な例には、消去可能プログラマブル読取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュメモリなどが含まれる。1つ以上のデータストアは、たとえば、1つ以上の命令、データ、または電力バスによって1つ以上のコンピューティングデバイスに接続され得る。
【0116】
一実施形態では、回路は、1つ以上のコンピュータ可読媒体ドライブ、インターフェースソケット、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、メモリカードスロットなど、および、たとえばグラフィカルユーザインターフェース、ディスプレイ、キーボード、キーパッド、トラックボール、ジョイスティック、タッチスクリーン、マウス、スイッチ、ダイヤルなどの1つ以上の入力/出力構成要素、および任意の他の周辺デバイスを含む。一実施形態では、回路は、実施形態の1つ以上の態様を(電気的に、電気機械的に、ソフトウェア実装で、ファームウェア実装で、もしくは他の制御で、またはそれらの組合せで)制御するために少なくとも1つのコンピューティングデバイスに動作可能に接続された1つ以上のユーザ入力/出力構成要素を含む。
【0117】
一実施形態では、回路は、信号担持媒体(たとえば、コンピュータ可読メモリ媒体、コンピュータ可読記録媒体など)を受け入れるように構成されたコンピュータ可読媒体ドライブまたはメモリスロットを含む。一実施形態では、開示する方法のいずれかをシステムに実行させるためのプログラムが、たとえば、コンピュータ可読記録媒体(CRMM)、信号担持媒体などに記憶され得る。信号担持媒体の非限定的な例には、任意の形態のフラッシュメモリ、磁気テープ、フロッピーディスク、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク、デジタルテープ、コンピュータメモリなどの記録可能なタイプの媒体、ならびにデジタルおよび/またはアナログ通信媒体(たとえば、光ファイバーケーブル、導波路、有線通信リンク、ワイヤレス通信リンク)などの送信タイプの媒体(たとえば、送信機、受信機、トランシーバ、送信論理、受信論理など)が含まれる。信号担持媒体のさらなる非限定的な例には、限定はしないが、DVD-ROM、DVD-RAM、DVD+RW、DVD-RW、DVD-R、DVD+R、CD-ROM、スーパーオーディオCD、CD-R、CD+R、CD+RW、CD-RW、ビデオコンパクトディスク、スーパービデオディスク、フラッシュメモリ、磁気テープ、光磁気ディスク、MINIDISC、不揮発性メモリカード、EEPROM、光ディスク、光記憶装置、RAM、ROM、システムメモリ、ウェブサーバなどが含まれる。
【0118】
類似の番号が類似の要素を参照する添付の図面に関連して上記に記載した発明を実施するための形態は、本開示の様々な実施形態の説明を意図したものであり、唯一の実施形態を表すことを意図したものではない。本開示において説明する各実施形態は、単に一例または例示として提供されており、他の実施形態より好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。本明細書で提供する例示的な例は、網羅することを意図したものでも、または本開示を開示された厳密な形態に限定することを意図したものでもない。同様に、本明細書で説明する任意のステップは、同じまたは実質的に類似の結果を達成するために、他のステップと交換可能であるか、またはステップの組合せであり得る。一般に、本明細書で開示する実施形態は非限定的であり、本発明者は、本開示の範囲内の他の実施形態が、図に示し、本明細書で説明する2つ以上の特定の実施形態からの構造および機能を含み得ることを企図している。
【0119】
上記の説明では、本開示の例示的実施形態の十分な理解を実現するために、具体的詳細が記載されている。しかしながら、本明細書で開示する実施形態は、具体的な詳細すべてを具体化することなく実施され得ることは、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、周知のプロセスステップは、本開示の様々な態様を不必要に不明瞭にしないために、詳細に説明されていない。さらに、本開示の実施形態は、本明細書に記載されている特徴の任意の組合せを使用する可能性があることが諒解されよう。
【0120】
本出願は、「垂直の」、「水平の」、「前の」、「後の」、「左の」、「右の」、「上の」、「底の」など、方向に対する言及を含み得る。本出願におけるこれらの言及および他の同様の言及は、(実施形態が使用のために配置されたときなどに)特定の実施形態の説明および理解の支援に役立つことを意図しており、本開示をこれらの方向またはロケーションに制限することを意図していない。
【0121】
本出願はまた、量および数に言及することがある。特に明記されていない限り、そのような量および数は、限定的とは見なされず、本出願に関連する可能な量または数の例と見なされる。同じく、この点について、本出願は、量または数に言及するために「複数」という用語を使用することがある。この点について、「複数」という用語は、1より多い、たとえば2、3、4、5などである任意の数であるように意図されている。「約」、「およそ」などの用語は、提示する値のプラスまたはマイナス5%を意味する。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」を意味する。
【0122】
本開示の原理、代表的な実施形態および動作モードについて、上記の説明で説明した。しかしながら、保護されることを意図する本開示の態様は、開示した特定の実施形態に限定的なものと解釈されるべきではない。さらに、本明細書で説明する実施形態は、限定的ではなく例示的と見なされるべきである。本開示の趣旨から逸脱することなく、変形形態および変更形態が他者によって作成され、均等物が採用され得ることは諒解されよう。したがって、そのような変形形態、変更形態、および均等物がすべて特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨および範囲内に入ることが明確に意図される。
【符号の説明】
【0123】
100 調合物送達システム
102 調合物製品ライン
104 調合物送達デバイス
106 アプリケーション
108 調合物
110 調合物カートリッジ
112 洗浄カートリッジ
114 モバイルデバイス
116 ネットワーク
200 調合物送達デバイス
202 ハンドル
204 コントローラ
206 プロセッサ
208 データストア
210 カートリッジ認証インターフェース
212 電源
214 調合物分配アセンブリ
216 位置センサー
218 モーター
220 ポンプ
222 往復動ノズルアセンブリ
224 調合物カートリッジ
226 調合ルーチンモジュール
228 洗浄カートリッジ
230 カートリッジ認証モジュール
232 洗浄ルーチンモジュール
234 電力管理モジュール
236 スリープ/アウェイクモジュール
238 位置モジュール
300 アプリケーション
302 モバイルデバイス
304 ネットワーク
306 ディスプレイ
308 プロセッサ
310 データストア
312 ユーザプロファイルモジュール
314 ユーザルーチンモジュール
316 電子商取引モジュール
318 較正モジュール
320 手動調整モジュール
322 分析モジュール
324 調合法作成モジュール
400 調合物送達デバイス
402 調合物カートリッジ
404 引き抜きアダプタ
406 ハンドル
408 カートリッジインターフェース
410 調合物分配アセンブリ
412 コントローラ
414 往復動ノズルアセンブリ
416 スタンドオフ部分
418 調合物パケット
420 出力ノズル
422 調合物注入口
424 カートリッジ空洞
426 ボタン
428 視覚的インジケータ
430 カートリッジ認証インターフェース
432 暗号化チップ
600 調合物分配アセンブリ
602 第1の調合物注入口
604 第2の調合物注入口
606 第1の流体導管
608 第2の流体導管
610 モーター
612 ギヤボックス
614 ポンプ
616 往復動ノズルアセンブリ
618 環状ノズル
620 コーム
622 調合物チャネル
624 多岐管
626 らせんミキサ
628 偏心ローラー
630 出力軸
632 乱流混合チャンバ
800 調合物カートリッジ
802 ハンドル部分
804 使い捨て補充パケット
806 トレイ部分
808 トレイ部分
810 前方本体部分
812 カートリッジ解放部
814 第1の調合物パケット
816 第2の調合物パケット
818 第1の調合物
820 第2の調合物
822 調合物含有パケット
824 バルブ
826 本体部分
828 後方本体部分
830 パケットスリーブ
832 バルブフレーム
834 係合部材凹部
836 一体剥ぎ取り部
838 暗号化チップ
840 バルブ係合ユニット
842 係合部材
844 結合タブ
846 保持要素
1200 洗浄カートリッジ
1202 洗浄液
1204 本体部分
1206 洗浄液貯蔵器
1208 出力ノズル
1210 補充キャップ
【国際調査報告】