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特表2024-508466流体注入器用の空気検出および測定システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】流体注入器用の空気検出および測定システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/168 20060101AFI20240219BHJP
   A61M 5/14 20060101ALI20240219BHJP
   A61M 5/172 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
A61M5/168 510
A61M5/14 500
A61M5/172
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552092
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 US2022017812
(87)【国際公開番号】W WO2022182935
(87)【国際公開日】2022-09-01
(31)【優先権主張番号】63/154,184
(32)【優先日】2021-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】507021757
【氏名又は名称】バイエル・ヘルスケア・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・バローネ
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】カーティス・パストール
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・スワントナー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・カポネ
(72)【発明者】
【氏名】ヤロスワフ・ヴウォダルチク
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・ラング
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066CC03
4C066DD01
4C066DD02
4C066EE06
4C066EE12
4C066EE14
4C066GG10
4C066GG11
4C066HH07
4C066QQ47
4C066QQ52
4C066QQ72
4C066QQ77
4C066QQ79
4C066QQ82
4C066QQ92
(57)【要約】
流体注入器システムは、少なくとも1つの流体貯留層から少なくとも1つの流体を加圧し送出するための少なくとも1つの注入器と、少なくとも1つの注入器と流体連通し、所定の屈折率を有する少なくとも1つの流体経路セクションと、少なくとも1つの流体経路セクションに沿って配置された第1の近位センサおよび第1の遠位センサとを含む。第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々は、少なくとも1つの流体経路セクションを通って光を放射するように構成されたエミッタと、少なくとも1つの流体経路セクションを通って放射された光を受け取り、受け取られた光に基づいて電気信号を生成するように構成された検出器とを含む。流体注入器システムは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサによって生成された電気信号の差に基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションの中身の少なくとも1つの特性を特定するようにプログラムまたは構成された少なくとも1つのプロセッサをさらに含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの流体貯留層から少なくとも1つの流体を加圧し送出するための少なくとも1つの注入器と、
前記少なくとも1つの注入器と流体連通し、所定の屈折率を有する少なくとも1つの流体経路セクションと、
前記少なくとも1つの流体経路セクションに沿って配置された第1の近位センサおよび第1の遠位センサであって、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサの各々が、
前記少なくとも1つの流体経路セクションを通って光を放射するように構成されたエミッタ、および
前記少なくとも1つの流体経路セクションを通って放射された前記光を受け取り、前記受け取られた光に基づいて電気信号を生成するように構成された検出器を備える、第1の近位センサおよび第1の遠位センサと、
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサによって生成された前記電気信号の差に基づいて、前記少なくとも1つの流体経路セクションの中身の少なくとも1つの特性を特定するようにプログラムまたは構成された少なくとも1つのプロセッサと
を備える、流体注入器システム。
【請求項2】
前記中身の前記少なくとも1つの特性が、前記流体経路セクション内の前記流体の識別情報、前記流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の存在、前記流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の体積、前記流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の速度、前記流体経路セクションのプライミング状態、およびそれらのいずれかの組合せのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の流体注入器システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つのプロセッサが、
前記第1の近位センサによる気泡の検出と前記第1の遠位センサによる前記気泡の検出との間の時間オフセットに基づいて、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通過する前記気泡の速度を特定するようにプログラムまたは構成される、請求項1または2に記載の流体注入器システム。
【請求項4】
前記第1の近位センサの前記エミッタが、前記流体経路セクションの第1の側に配置され、
前記第1の遠位センサの前記エミッタが、前記流体経路セクションの第2の側に配置され、
前記流体経路セクションの前記第2の側が、前記流体経路セクションの前記第1の側の約180°反対側にある、請求項1から3のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項5】
前記コントローラが、前記第1の近位センサの前記エミッタおよび前記第1の遠位センサの前記エミッタを交互のパルスで作動させるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項6】
前記流体注入器システムが、それぞれ、第1の流体および第2の流体を送出するための第1の流体貯留層および第2の流体貯留層と、
前記第1の流体貯留層と流体連通する第1の流体経路セクションおよび前記第2の流体貯留層と流体連通する第2の流体経路セクションと、
第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサであって、前記第1の流体経路セクションが、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサに関連付けられ、前記第2の流体経路セクションが、前記第2の近位センサおよび前記第2の遠位センサに関連付けられる、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサとを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項7】
前記流体注入器システムが、前記第1の流体経路セクションおよび前記第2の流体経路セクションを備えるマニホールドをさらに備え、前記マニホールドが、前記第1の流体経路セクションおよび前記第2の流体経路セクションを、それぞれ、前記第1および第2の近位センサならびに前記第1および第2の遠位センサと連結するように位置決めする、請求項6に記載の流体注入器システム。
【請求項8】
前記マニホールドを取り外し可能に受け入れるためのマニホールドハウジングモジュールをさらに備え、前記マニホールドハウジングモジュールが、前記第1および第2の近位センサならびに前記第1および第2の遠位センサを備える、請求項7に記載の流体注入器システム。
【請求項9】
前記マニホールドが、前記マニホールドハウジングモジュール内で前記マニホールドを割出しするための少なくとも1つのリブを備える、請求項8に記載の流体注入器システム。
【請求項10】
前記第1および第2の近位センサならびに前記第1および第2の遠位センサの各々の前記エミッタおよび前記検出器が、前記マニホールドハウジングモジュールの関連する光学面の背後に配置され、前記少なくとも1つのリブが、前記マニホールドが前記マニホールドハウジングモジュールの前記関連する光学面に接触しないように防止する、請求項9に記載の流体注入器システム。
【請求項11】
前記マニホールドハウジングモジュールが、前記検出器に入る光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタを備える、請求項8から10のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項12】
前記マニホールドおよび前記マニホールドハウジングモジュールのうちの少なくとも1つが、前記エミッタから放射された光を集束または分散させるためのレンズを備える、請求項8から11のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項13】
前記マニホールドハウジングモジュールが、前記エミッタから放射された光を平行にするためのコリメータを備える、請求項8から12のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの流体貯留層が少なくとも1つのシリンジを備え、前記流体注入器システムが前記少なくとも1つの流体経路セクションを備えるシリンジ先端をさらに備える、請求項1から13のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの流体経路セクションを通過しなかった前記エミッタからの光を受け取るための基準検出器をさらに備える、請求項1から14のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項16】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に垂直な光を放射するように配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項17】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に対して約30°~約60°の角度で光を放射するように配置される、請求項1から15のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項18】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの流体経路セクションが所定量を超える総空気量を有する1つまたは複数の気泡を含むと判断することに応答して、前記少なくとも1つの注入器の作動を停止するようにプログラムまたは構成される、請求項1から17のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記電気信号に基づいて、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサの各々の前記エミッタと前記検出器との間に前記少なくとも1つの流体経路セクションが存在すると判断するようにプログラムまたは構成される、請求項1から18のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項20】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、紫外線スペクトルの光を放射するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項21】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、赤外線スペクトルの光を放射するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項22】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、可視スペクトルの光を放射するように構成される、請求項1から19のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項23】
前記少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率が、空気の屈折率よりも造影剤の屈折率に近い、請求項1から22のいずれか一項に記載の流体注入器システム。
【請求項24】
流体経路構成要素のための流体マニホールドであって、前記流体マニホールドが、
少なくとも1つの流体貯留層に流体連通するように構成された少なくとも1つの入口ポートと、
少なくとも1つの投与ラインに流体連通するように構成された少なくとも1つの出口ポートと、
少なくとも1つのバルク流体源に流体連通するように構成された少なくとも1つの充填ポートと、
前記少なくとも1つの入口ポート、前記少なくとも1つの出口ポート、および前記少なくとも1つの充填ポートと流体連通する少なくとも1つの流体経路セクションであって、前記少なくとも1つの流体経路セクションが、光が既知の屈折で前記流体経路セクションを通過するような所定の屈折率を有する側壁を有する、少なくとも1つの流体経路セクションとを備える、流体マニホールド。
【請求項25】
前記少なくとも1つの流体経路セクションの前記側壁の前記屈折率が、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い、請求項24に記載の流体マニホールド。
【請求項26】
前記少なくとも1つの流体経路セクションが剛性である、請求項24または25に記載の流体マニホールド。
【請求項27】
前記少なくとも1つの流体経路セクションが、半径方向外側に延在し、マニホールドハウジングモジュールに係合して前記マニホールドハウジングモジュール内の前記流体経路セクションを割出しするように構成された少なくとも1つのリブを備える、請求項24から26のいずれか一項に記載の流体マニホールド。
【請求項28】
前記少なくとも1つの流体経路セクションが、前記流体経路セクションを通過する光を集束または分散させるように構成された表面仕上げを有する、請求項24から27のいずれか一項に記載の流体マニホールド。
【請求項29】
前記マニホールドハウジングモジュールおよび前記少なくとも1つの流体経路セクションのうちの1つが、前記流体経路セクションを通過する光を集束または分散させるために少なくとも1つのレンズを備える、請求項27を引用する請求項28に記載の流体マニホールド。
【請求項30】
前記少なくとも1つの流体経路セクションが、紫外光、可視光、および赤外光のうちの少なくとも1つに対して透明である、請求項24から29のいずれか一項に記載の流体マニホールド。
【請求項31】
前記少なくとも1つの出口ポートの各々が逆止弁を備える、請求項24から30のいずれか一項に記載の流体マニホールド。
【請求項32】
第1の医療用流体のための第1の流体経路を画定する第1のマニホールドセクションと、
第2の医療用流体のための第2の流体経路を画定する第2のマニホールドセクションと、
前記第1のマニホールドセクションを前記第2のマニホールドセクションに接続する少なくとも1つの接続ビームと
をさらに備え、
前記第1の流体経路が前記第2の流体経路から隔離され、
前記少なくとも1つの接続ビームが、前記マニホールドハウジングモジュール内に嵌合し、前記第1の流体経路を第1の近位センサおよび第1の遠位センサと正しく連結し、前記第2の流体経路を第2の近位センサおよび第2の遠位センサと連結する位置に前記第1のマニホールドセクションおよび前記第2のマニホールドセクションを向ける、請求項24から31のいずれか一項に記載の流体マニホールド。
【請求項33】
流体注入器システムの少なくとも1つの流体経路セクション内を流れる流体の1つまたは複数の流体特性を特定するための方法であって、前記方法が、
前記少なくとも1つの流体経路セクションの近位部分を通って第1の近位センサのエミッタから光を放射するステップと、
前記第1の近位センサの検出器を用いて、前記少なくとも1つの流体経路セクションの前記近位部分を通過した前記光を検出するステップと、
前記少なくとも1つの流体経路セクションの遠位部分を通って第1の遠位センサのエミッタから光を放射するステップと、
前記第1の遠位センサの検出器を用いて、前記少なくとも1つの流体経路セクションの前記遠位部分を通過した前記光を検出するステップと、
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサによって特定された光測定値の差に基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションを通って流れるときの前記流体の少なくとも1つの特性を特定するステップとを含み、
前記少なくとも1つの流体経路セクションが、前記光が既知の屈折で前記流体経路セクションを通過するような所定の屈折率を有する、方法。
【請求項34】
前記流体の前記少なくとも1つの特性を特定するステップが、前記少なくとも1つの流体経路セクションが医療用流体を含むか、空気を含むか、または1つもしくは複数の気泡を含むかを判定するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の近位センサによる気泡の検出と前記第1の遠位センサによる前記気泡の検出との間の時間オフセットに基づいて、前記流体経路セクションを通過する前記気泡の速度を特定するステップをさらに含む、請求項33または34に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の近位センサによる気泡の気泡前面および気泡終端の検出と、前記第1の遠位センサによる前記気泡の前記気泡前面および前記気泡終端の検出との間の時間オフセット、ならびに前記流体経路セクション内の前記流体の圧力に基づいて、前記流体経路セクションを通過する前記気泡の体積を特定するステップをさらに含む、請求項33から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の近位センサが、前記流体経路セクションの第1の側に配置され、
前記第2の遠位センサが、前記流体経路セクションの第2の側に配置され、
前記流体経路セクションの前記第2の側が、前記流体経路セクションの前記第1の側の約180°反対側にある、
請求項33から36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
交互のパルスで前記第1の近位センサから光を放射し、前記第1の遠位センサから光を放射するステップをさらに含む、請求項33から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記流体注入器システムが、それぞれ、第1の流体および第2の流体を送出するための第1の流体貯留層および第2の流体貯留層と、
前記第1の流体貯留層と流体連通する第1の流体経路セクションおよび前記第2の流体貯留層と流体連通する第2の流体経路セクションと、
第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサであって、前記第1の流体経路セクションが、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサに関連付けられ、前記第2の流体経路セクションが、前記第2の近位センサおよび前記第2の遠位センサに関連付けられる、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサとを備える、請求項33から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の流体経路セクションおよび前記第2の流体経路セクションを備えるマニホールドをマニホールドハウジングモジュールに挿入するステップをさらに含み、
前記マニホールドハウジングモジュールが、前記第1および第2の近位センサならびに前記第1および第2の遠位センサを備え、
前記マニホールドが、前記第1の流体経路セクションおよび前記第2の流体経路セクションを、それぞれ、前記第1および第2の近位センサならびに前記第1および第2の遠位センサと連結するように位置決めする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記マニホールドが、前記マニホールドハウジングモジュール内で前記マニホールドを割出しするための少なくとも1つのリブを備える、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサの各々の前記エミッタおよび前記検出器が、前記マニホールドハウジングモジュールの関連する光学面の背後に配置され、前記少なくとも1つのリブが、前記マニホールドが前記マニホールドハウジングモジュールの前記関連する光学面に接触しないように防止する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記マニホールドハウジングモジュールが、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサから放射された光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタを備える、請求項40から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記マニホールドおよび前記マニホールドハウジングモジュールのうちの少なくとも1つが、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサから放射された光を集束または分散させるためのレンズを含む、請求項40から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記マニホールドハウジングモジュールが、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサから放射された光を平行にするためのコリメータを備える、請求項40から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の近位センサまたは前記第1の遠位センサの基準検出器を用いて、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通過していない基準光を検出するステップと、
前記少なくとも1つの流体経路セクションの流体の中身を特定するために、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通過した前記光と前記基準光を比較するステップと
をさらに含む、請求項33から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に垂直な光を放射するように配置される、請求項33から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、前記少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に対して約30°~約60°の角度で光を放射するように配置される、請求項33から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記少なくとも1つの流体経路セクションが所定量を超える総空気量を有する1つまたは複数の気泡を含むと判断することに応答して、前記流体注入器システムの注入手順を停止するステップをさらに含む、請求項33から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記検出された光に基づいて、前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサの各々の前記エミッタと前記検出器との間に前記少なくとも1つの流体経路セクションが存在すると判断するステップをさらに含む、請求項33から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、紫外線スペクトルの光を放射するように構成される、請求項33から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、赤外線スペクトルの光を放射するように構成される、請求項33から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の近位センサおよび前記第1の遠位センサのうちの少なくとも1つの前記エミッタが、可視スペクトルの光を放射するように構成される、請求項33から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率が、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い、請求項33から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
以前の累積総空気量に前記気泡の前記体積を加算することにより、注入手順の間に前記少なくとも1つの流体経路セクションを通過する累積総空気量を特定するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年2月26日に出願された米国仮特許出願第63/154,184号の利益を主張し、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、医療用流体の加圧注入のための流体注入器とともに使用するための流体経路構成および装置に関する。具体的には、本開示は、注入手順の間の不注意による空気注入に対処するために、流体流れの中の空気の検出および測定のためのシステム、流体経路セット、および方法を記載する。
【背景技術】
【0003】
多くの医療診断および治療手順において、医師は患者に1つまたは複数の医療用流体を注入する。近年、心臓血管造影法(CV)、コンピュータ断層撮影法(CT)、超音波、磁気共鳴映像法(MRI)、陽電子放射断層撮影法(PET)、および他の撮像手順などの撮像手順で使用するために、(しばしば単に「造影剤」と呼ばれる)撮像造影剤溶液、生理食塩水または乳酸リンゲル液などのフラッシング剤、および他の医療用流体などの医療用流体の加圧注入用のいくつかの注入器作動シリンジおよび動力式流体注入器が開発されている。一般に、これらの流体注入器は、事前設定された圧力および/または流量で事前設定された量の流体を送出するように設計されている。
【0004】
通常、流体注入器は、例えばプランジャまたはシリンジの近位端壁上の係合機構との接続を介してシリンジに接続するピストンなどの少なくとも1つの駆動部材を有する。あるいは、流体注入器は、流体貯留層から医療用流体を注入するための1つまたは複数の蠕動ポンプを含んでもよい。シリンジは、バレル内に摺動可能に配置されたシリンジプランジャを有する剛性バレルを含んでもよい。駆動部材は、プランジャをバレルの長手方向軸に対して近位方向および/または遠位方向に駆動して、それぞれ、シリンジバレル内に流体を引き込むか、またはシリンジバレルから流体を送出する。特定の用途では、医療用流体は、CT撮像手順の場合には最大300psi、または例えばCV撮像手順の場合には最大1200psiの流体圧力で血管系に注入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
流体が血管系に投与されるこれらの高い流体圧での特定の注入手順の間、重大な患者の害が生じる可能性があるので、患者に医療用流体と同時に注入されるいかなる空気または他のガスも最小限に抑えられるか、または排除されることが重要である。したがって、注入手順の間に患者に向かって流れる空気の量を検出および測定し、空気量が安全な閾値よりも大きい場合、注入を停止して空気が注入システムから除去されることを可能にするために、新しい方法およびデバイスが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の必要性を考慮して、本開示は、医療用流体注入手順の間に流体ライン内に存在する空気量を検出および測定するためのシステム、デバイス、システム構成要素、および方法を提供する。特定の実施形態では、本開示は、少なくとも1つの流体貯留層から少なくとも1つの流体を加圧し送出するための少なくとも1つの注入器と、少なくとも1つの注入器と流体連通し、所定の屈折率を有する少なくとも1つの流体経路セクションと、少なくとも1つの流体経路セクションに沿って配置された第1の近位センサおよび第1の遠位センサとを含む流体注入器システムに関する。第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々は、少なくとも1つの流体経路セクションを通って光を放射するように構成されたエミッタと、少なくとも1つの流体経路セクションを通って放射された光を受け取り、受け取られた光に基づいて電気信号を生成するように構成された検出器とを含む。流体注入器システムは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサによって生成された電気信号の差に基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションの中身の少なくとも1つの特性を特定するようにプログラムまたは構成された少なくとも1つのプロセッサをさらに備える。
【0007】
いくつかの実施形態では、中身の少なくとも1つの特性は、流体経路セクション内の流体の識別情報、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の存在、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の体積、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の速度、流体経路セクションのプライミング状態、およびそれらのいずれかの組合せのうちの少なくとも1つから選択される。
【0008】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、第1の近位センサによる気泡の検出と第1の遠位センサによる気泡の検出との間の時間オフセットに基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションを通過する気泡の速度を特定するようにプログラムまたは構成される。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサのエミッタは、流体経路セクションの第1の側に配置され、第1の遠位センサのエミッタは、流体経路セクションの第2の側に配置され、流体経路セクションの第2の側は、流体経路セクションの第1の側の約180°反対側にある。
【0010】
いくつかの実施形態では、コントローラは、第1の近位センサのエミッタおよび第1の遠位センサのエミッタを交互のパルスで作動させるように構成される。
【0011】
いくつかの実施形態では、流体注入器システムは、それぞれ、第1の流体および第2の流体を送出するための第1の流体貯留槽および第2の流体貯留槽を含む。流体注入器システムは、第1の流体貯留槽と流体連通する第1の流体経路セクションと、第2の流体貯留槽と流体連通する第2の流体経路セクションと、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサとをさらに含む。第1の流体経路セクションは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサに関連付けられ、第2の流体経路セクションは、第2の近位センサおよび第2の遠位センサに関連付けられる。
【0012】
いくつかの実施形態では、流体注入器システムは、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを含むマニホールドをさらに含む。マニホールドは、それぞれ、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサと連結するように、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを位置決めする。
【0013】
いくつかの実施形態では、流体注入器システムは、マニホールドを取り外し可能に受け入れるためのマニホールドハウジングモジュールを含む。マニホールドハウジングモジュールは、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、マニホールドは、マニホールドハウジングモジュール内でマニホールドを割出しするための少なくとも1つのリブを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサの各々のエミッタおよび検出器は、マニホールドハウジングモジュールの関連する光学面の背後に配置され、少なくとも1つのリブは、マニホールドがマニホールドハウジングモジュールの関連する光学面に接触しないように防止する。
【0016】
いくつかの実施形態では、マニホールドハウジングモジュールは、検出器に入る光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタを含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、マニホールドおよびマニホールドハウジングモジュールのうちの少なくとも1つは、エミッタから放射された光を集束または分散させるためのレンズを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、マニホールドハウジングモジュールは、エミッタから放射された光を平行にするためのコリメータを含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体貯留層は少なくとも1つのシリンジを含み、流体注入器システムは、少なくとも1つの流体経路セクションを含むシリンジ先端をさらに含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、流体注入器システムは、少なくとも1つの流体経路セクションを通過しなかったエミッタからの光を受け取るための基準検出器をさらに含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に垂直な光を放射するように配置される。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に対して約30°~約60°の角度で光を放射するように配置される。
【0023】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、少なくとも1つの流体経路セクションが所定量を超える総空気量を有する1つまたは複数の気泡を含むと判断することに応答して、少なくとも1つの注入器の作動を停止するようにプログラムまたは構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのプロセッサは、電気信号に基づいて、第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々のエミッタと検出器との間に少なくとも1つの流体経路セクションが存在すると判断するようにプログラムまたは構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、紫外線スペクトルの光を放射するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、赤外線スペクトルの光を放射するように構成される。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、可視スペクトルの光を放射するように構成される。
【0028】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率は、空気の屈折率よりも造影剤の屈折率に近い。
【0029】
本開示の他の実施形態は、流体経路構成要素用の流体マニホールドに関する。流体マニホールドは、少なくとも1つの流体貯留層に流体連通するように構成された少なくとも1つの入口ポートと、少なくとも1つの投与ラインに流体連通するように構成された少なくとも1つの出口ポートと、少なくとも1つのバルク流体源に流体連通するように構成された少なくとも1つの充填ポートと、少なくとも1つの入口ポート、少なくとも1つの出口ポート、および少なくとも1つの充填ポートと流体連通する少なくとも1つの流体経路セクションとを含む。少なくとも1つの流体経路セクションは、光が既知の屈折で流体経路セクションを通過するような所定の屈折率を有する側壁を有する。
【0030】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率は、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い。
【0031】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションは剛性である。
【0032】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションは、半径方向外側に延在し、マニホールドハウジングモジュールに係合してマニホールドハウジングモジュール内の流体経路セクションを割出しするように構成された少なくとも1つのリブを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションは、流体経路セクションを通過する光を集束または分散させるように構成された表面仕上げを有する。
【0034】
いくつかの実施形態では、マニホールドハウジングモジュールおよび少なくとも1つの流体経路セクションのうちの1つは、流体経路セクションを通過する光を集束または分散させるために少なくとも1つのレンズを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションは、紫外光、可視光、および赤外光のうちの少なくとも1つに対して透明である。
【0036】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの出口ポートの各々は逆止弁を含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、マニホールドは、第1の医療用流体のための第1の流体経路を画定する第1のマニホールドセクションと、第2の医療用流体のための第2の流体経路を画定する第2のマニホールドセクションと、第1のマニホールドセクションを第2のマニホールドセクションに接続する少なくとも1つの接続ビームとをさらに含む。第1の流体経路は第2の流体経路から隔離され、少なくとも1つの接続ビームは、マニホールドハウジングモジュール内に嵌合し、第1の流体経路を第1の近位センサおよび第1の遠位センサと正しく連結し、第2の流体経路を第2の近位センサおよび第2の遠位センサと連結する位置に第1のマニホールドセクションおよび第2のマニホールドセクションを向ける。
【0038】
本開示の他の実施形態は、流体注入器システムの少なくとも1つの流体経路セクション内を流れる流体の1つまたは複数の流体特性を特定するための方法に関する。方法は、少なくとも1つの流体経路セクションの近位部分を通って第1の近位センサのエミッタから光を放射するステップと、第1の近位センサの検出器を用いて、少なくとも1つの流体経路セクションの近位部分を通過した光を検出するステップと、少なくとも1つの流体経路セクションの遠位部分を通って第1の遠位センサのエミッタから光を放射するステップと、第1の遠位センサの検出器を用いて、少なくとも1つの流体経路セクションの遠位部分を通過した光を検出するステップと、第1の近位センサおよび第1の遠位センサによって特定された光測定値の差に基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションを通って流れるときの流体の少なくとも1つの特性を特定するステップとを含み、少なくとも1つの流体経路セクションは、光が既知の屈折で流体経路セクションを通過するような所定の屈折率を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、流体の少なくとも1つの特性を特定するステップは、少なくとも1つの流体経路セクションが医療用流体を含むか、空気を含むか、または1つもしくは複数の気泡を含むかを判定するステップを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の近位センサによる気泡の検出と第1の遠位センサによる気泡の検出との間の時間オフセットに基づいて、流体経路セクションを通過する気泡の速度を特定するステップをさらに含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の近位センサによる気泡の気泡前面および気泡終端の検出と、第1の遠位センサによる気泡の気泡前面および気泡終端の検出との間の時間オフセット、ならびに流体経路セクション内の流体の圧力とに基づいて、流体経路セクションを通過する気泡の体積を特定するステップをさらに含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサは、流体経路セクションの第1の側に配置され、第2の遠位センサは、流体経路セクションの第2の側に配置され、流体経路セクションの第2の側は、流体経路セクションの第1の側の約180°反対側にある。
【0043】
いくつかの実施形態では、方法は、交互のパルスで第1の近位センサから光を放射し、第1の遠位センサから光を放射するステップをさらに含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、流体注入器システムは、それぞれ、第1の流体および第2の流体を送出するための第1の流体貯留層および第2の流体貯留層と、第1の流体貯留槽と流体連通する第1の流体経路セクションと、第2の流体貯留槽と流体連通する第2の流体経路セクションと、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサとを含む。第1の流体経路セクションは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサに関連付けられ、第2の流体経路セクションは、第2の近位センサおよび第2の遠位センサに関連付けられる。
【0045】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを含むマニホールドをマニホールドハウジングモジュールに挿入するステップをさらに含む。マニホールドハウジングモジュールは、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサを含み、マニホールドは、それぞれ、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサと連結するように、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを位置決めする。
【0046】
いくつかの実施形態では、マニホールドは、マニホールドハウジングモジュール内でマニホールドを割出しするための少なくとも1つのリブを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々のエミッタおよび検出器は、マニホールドハウジングモジュールの関連する光学面の背後に配置され、少なくとも1つのリブは、マニホールドがマニホールドハウジングモジュールの関連する光学面に接触しないように防止する。
【0048】
いくつかの実施形態では、マニホールドハウジングモジュールは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサから放射された光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、マニホールドおよびマニホールドハウジングモジュールのうちの少なくとも1つは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサから放射された光を集束または分散させるためのレンズを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、マニホールドハウジングモジュールは、第1の近位センサおよび第1の遠位センサから放射された光を平行にするためのコリメータを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、方法は、第1の近位センサまたは第1の遠位センサの基準検出器を用いて、少なくとも1つの流体経路セクションを通過していない基準光を検出するステップと、少なくとも1つの流体経路セクションの流体の中身を特定するために、少なくとも1つの流体経路セクションを通過した光と基準光を比較するステップとをさらに含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に垂直な光を放射するように配置される。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に対して約30°~約60°の角度で光を放射するように配置される。
【0054】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの流体経路セクションが所定量を超える総空気量を有する1つまたは複数の気泡を含むと判断することに応答して、流体注入器システムの注入手順を停止するステップをさらに含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、方法は、検出された光に基づいて、第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々のエミッタと検出器との間に少なくとも1つの流体経路セクションが存在すると判断するステップをさらに含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、紫外線スペクトルの光を放射するように構成される。
【0057】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、赤外線スペクトルの光を放射するように構成される。
【0058】
いくつかの実施形態では、第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタは、可視スペクトルの光を放射するように構成される。
【0059】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率は、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い。
【0060】
いくつかの実施形態では、方法は、以前の累積総空気量に気泡の体積を加算することにより、注入手順の間に少なくとも1つの流体経路セクションを通過する累積総空気量を特定するステップをさらに含む。
【0061】
本開示のさらなる態様または例は、以下の番号が付けられた条項に記載される。
【0062】
条項1.少なくとも1つの流体貯留層から少なくとも1つの流体を加圧し送出するための少なくとも1つの注入器と、少なくとも1つの注入器と流体連通し、所定の屈折率を有する少なくとも1つの流体経路セクションと、少なくとも1つの流体経路セクションに沿って配置された第1の近位センサおよび第1の遠位センサであって、第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々が、少なくとも1つの流体経路セクションを通って光を放射するように構成されたエミッタ、および少なくとも1つの流体経路セクションを通って放射された光を受け取り、受け取られた光に基づいて電気信号を生成するように構成された検出器を備える、第1の近位センサおよび第1の遠位センサと、第1の近位センサおよび第1の遠位センサによって生成された電気信号の差に基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションの中身の少なくとも1つの特性を特定するようにプログラムまたは構成された少なくとも1つのプロセッサとを備える、流体注入器システム。
【0063】
条項2.中身の少なくとも1つの特性が、流体経路セクション内の流体の識別情報、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の存在、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の体積、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の速度、流体経路セクションのプライミング状態、およびそれらのいずれかの組合せのうちの少なくとも1つから選択される、条項1の流体注入器システム。
【0064】
条項3.少なくとも1つのプロセッサが、第1の近位センサによる気泡の検出と第1の遠位センサによる気泡の検出との間の時間オフセットに基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションを通過する気泡の速度を特定するようにプログラムまたは構成される、条項1または2の流体注入器システム。
【0065】
条項4.第1の近位センサのエミッタが、流体経路セクションの第1の側に配置され、第1の遠位センサのエミッタが、流体経路セクションの第2の側に配置され、流体経路セクションの第2の側が、流体経路セクションの第1の側の約180°反対側にある、条項1から3のいずれかの流体注入器システム。
【0066】
条項5.コントローラが、第1の近位センサのエミッタおよび第1の遠位センサのエミッタを交互のパルスで作動させるように構成される、条項1から4のいずれかの流体注入器システム。
【0067】
条項6.流体注入器システムが、それぞれ、第1の流体および第2の流体を送出するための第1の流体貯留層および第2の流体貯留層と、第1の流体貯留層と流体連通する第1の流体経路セクションおよび第2の流体貯留層と流体連通する第2の流体経路セクションと、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサであって、第1の流体経路セクションが、第1の近位センサおよび第1の遠位センサに関連付けられ、第2の流体経路セクションが、第2の近位センサおよび第2の遠位センサに関連付けられる、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサとを備える、条項1から5のいずれかの流体注入器システム。
【0068】
条項7.流体注入器システムが、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを備えるマニホールドをさらに備え、マニホールドが、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを、それぞれ、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサと連結するように位置決めする、条項1から6のいずれかの流体注入器システム。
【0069】
条項8.マニホールドを取り外し可能に受け入れるためのマニホールドハウジングモジュールをさらに備え、マニホールドハウジングモジュールが、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサを備える、条項1から7のいずれかの流体注入器システム。
【0070】
条項9.マニホールドが、マニホールドハウジングモジュール内でマニホールドを割出しするための少なくとも1つのリブを備える、条項1から8のいずれかの流体注入器システム。
【0071】
条項10.第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサの各々のエミッタおよび検出器が、マニホールドハウジングモジュールの関連する光学面の背後に配置され、少なくとも1つのリブが、マニホールドがマニホールドハウジングモジュールの関連する光学面に接触しないように防止する、条項1から9のいずれかの流体注入器システム。
【0072】
条項11.マニホールドハウジングモジュールが、検出器に入る光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタを備える、条項1から10のいずれかの流体注入器システム。
【0073】
条項12.マニホールドおよびマニホールドハウジングモジュールのうちの少なくとも1つが、エミッタから放射された光を集束または分散させるためのレンズを備える、条項1から11のいずれかの流体注入器システム。
【0074】
条項13.マニホールドハウジングモジュールが、エミッタから放射された光を平行にするためのコリメータを備える、条項1から12のいずれかの流体注入器システム。
【0075】
条項14.少なくとも1つの流体貯留層が少なくとも1つのシリンジを備え、流体注入器システムが少なくとも1つの流体経路セクションを備えるシリンジ先端をさらに備える、条項1から13のいずれかの流体注入器システム。
【0076】
条項15.少なくとも1つの流体経路セクションを通過しなかったエミッタからの光を受け取るための基準検出器をさらに備える、条項1から14のいずれかの流体注入器システム。
【0077】
条項16.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に垂直な光を放射するように配置される、条項1から15のいずれかの流体注入器システム。
【0078】
条項17.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に対して約30°~約60°の角度で光を放射するように配置される、条項1から16のいずれかの流体注入器システム。
【0079】
条項18.少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの流体経路セクションが所定量を超える総空気量を有する1つまたは複数の気泡を含むと判断することに応答して、少なくとも1つの注入器の作動を停止するようにプログラムまたは構成される、条項1から17のいずれかの流体注入器システム。
【0080】
条項19.少なくとも1つのプロセッサが、電気信号に基づいて、第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々のエミッタと検出器との間に少なくとも1つの流体経路セクションが存在すると判断するようにプログラムまたは構成される、条項1から18のいずれかの流体注入器システム。
【0081】
条項20.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、紫外線スペクトルの光を放射するように構成される、条項1から19のいずれかの流体注入器システム。
【0082】
条項21.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、赤外線スペクトルの光を放射するように構成される、条項1から20のいずれかの流体注入器システム。
【0083】
条項22.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、可視スペクトルの光を放射するように構成される、条項1から21のいずれかの流体注入器システム。
【0084】
条項23.少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率が、空気の屈折率よりも造影剤の屈折率に近い、条項1から22のいずれかの流体注入器システム。
【0085】
条項24.流体経路構成要素のための流体マニホールドであって、流体マニホールドが、少なくとも1つの流体貯留層に流体連通するように構成された少なくとも1つの入口ポートと、少なくとも1つの投与ラインに流体連通するように構成された少なくとも1つの出口ポートと、少なくとも1つのバルク流体源に流体連通するように構成された少なくとも1つの充填ポートと、少なくとも1つの入口ポート、少なくとも1つの出口ポート、および少なくとも1つの充填ポートと流体連通する少なくとも1つの流体経路セクションであって、少なくとも1つの流体経路セクションが、光が既知の屈折で流体経路セクションを通過するような所定の屈折率を有する側壁を有する、少なくとも1つの流体経路セクションとを備える、流体マニホールド。
【0086】
条項25.少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率が、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い、条項24の流体マニホールド。
【0087】
条項26.少なくとも1つの流体経路セクションは剛性である、条項24または25の流体マニホールド。
【0088】
条項27.少なくとも1つの流体経路セクションが、半径方向外側に延在し、マニホールドハウジングモジュールに係合してマニホールドハウジングモジュール内の流体経路セクションを割出しするように構成された少なくとも1つのリブを備える、条項24から26のいずれかの流体マニホールド。
【0089】
条項28.少なくとも1つの流体経路セクションが、流体経路セクションを通過する光を集束または分散させるように構成された表面仕上げを有する、条項24から27のいずれかの流体マニホールド。
【0090】
条項29.マニホールドハウジングモジュールおよび少なくとも1つの流体経路セクションのうちの1つが、流体経路セクションを通過する光を集束または分散させるために少なくとも1つのレンズを備える、条項24から28のいずれかの流体マニホールド。
【0091】
条項30.少なくとも1つの流体経路セクションが、紫外光、可視光、および赤外光のうちの少なくとも1つに対して透明である、条項24から29のいずれかの流体マニホールド。
【0092】
条項31.少なくとも1つの出口ポートの各々が逆止弁を備える、条項24から30のいずれかの流体マニホールド。
【0093】
条項32.第1の医療用流体のための第1の流体経路を画定する第1のマニホールドセクションと、第2の医療用流体のための第2の流体経路を画定する第2のマニホールドセクションと、第1のマニホールドセクションを第2のマニホールドセクションに接続する少なくとも1つの接続ビームとをさらに備え、第1の流体経路が第2の流体経路から隔離され、少なくとも1つの接続ビームが、マニホールドハウジングモジュール内に嵌合し、第1の流体経路を第1の近位センサおよび第1の遠位センサと正しく連結し、第2の流体経路を第2の近位センサおよび第2の遠位センサと連結する位置に第1のマニホールドセクションおよび第2のマニホールドセクションを向ける、条項24から31のいずれかの流体マニホールド。
【0094】
条項33.流体注入器システムの少なくとも1つの流体経路セクション内を流れる流体の1つまたは複数の流体特性を特定するための方法であって、方法が、少なくとも1つの流体経路セクションの近位部分を通って第1の近位センサのエミッタから光を放射するステップと、第1の近位センサの検出器を用いて、少なくとも1つの流体経路セクションの近位部分を通過した光を検出するステップと、少なくとも1つの流体経路セクションの遠位部分を通って第1の遠位センサのエミッタから光を放射するステップと、第1の遠位センサの検出器を用いて、少なくとも1つの流体経路セクションの遠位部分を通過した光を検出するステップと、第1の近位センサおよび第1の遠位センサによって特定された光測定値の差に基づいて、少なくとも1つの流体経路セクションを通って流れるときの流体の少なくとも1つの特性を特定するステップとを含み、少なくとも1つの流体経路セクションが、光が既知の屈折で流体経路セクションを通過するような所定の屈折率を有する、方法
【0095】
条項34.流体の少なくとも1つの特性を特定するステップが、少なくとも1つの流体経路セクションが医療用流体を含むか、空気を含むか、または1つもしくは複数の気泡を含むかを判定するステップを含む、条項33の方法。
【0096】
条項35.第1の近位センサによる気泡の検出と第1の遠位センサによる気泡の検出との間の時間オフセットに基づいて、流体経路セクションを通過する気泡の速度を特定するステップをさらに含む、条項33または34の方法。
【0097】
条項36.第1の近位センサによる気泡の気泡前面および気泡終端の検出と、第1の遠位センサによる気泡の気泡前面および気泡終端の検出との間の時間オフセット、ならびに流体経路セクション内の流体の圧力に基づいて、流体経路セクションを通過する気泡の体積を特定するステップをさらに含む、条項33から35のいずれかの方法。
【0098】
条項37.第1の近位センサが、流体経路セクションの第1の側に配置され、第2の遠位センサが、流体経路セクションの第2の側に配置され、流体経路セクションの第2の側が、流体経路セクションの第1の側の約180°反対側にある、条項33から36のいずれかの方法。
【0099】
条項38.交互のパルスで第1の近位センサから光を放射し、第1の遠位センサから光を放射するステップをさらに含む、条項33から37のいずれかの方法。
【0100】
条項39.流体注入器システムが、それぞれ、第1の流体および第2の流体を送出するための第1の流体貯留層および第2の流体貯留層と、第1の流体貯留層と流体連通する第1の流体経路セクションおよび第2の流体貯留層と流体連通する第2の流体経路セクションと、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサであって、第1の流体経路セクションが、第1の近位センサおよび第1の遠位センサに関連付けられ、第2の流体経路セクションが、第2の近位センサおよび第2の遠位センサに関連付けられる、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサとを備える、条項33から38のいずれかの方法。
【0101】
条項40.第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを備えるマニホールドをマニホールドハウジングモジュールに挿入するステップをさらに含み、マニホールドハウジングモジュールが、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサを備え、マニホールドが、第1の流体経路セクションおよび第2の流体経路セクションを、それぞれ、第1および第2の近位センサならびに第1および第2の遠位センサと連結するように位置決めする、条項33から39のいずれかの方法。
【0102】
条項41.マニホールドが、マニホールドハウジングモジュール内でマニホールドを割出しするための少なくとも1つのリブを備える、条項33から40のいずれかの方法。
【0103】
条項42.第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々のエミッタおよび検出器が、マニホールドハウジングモジュールの関連する光学面の背後に配置され、少なくとも1つのリブが、マニホールドがマニホールドハウジングモジュールの関連する光学面に接触しないように防止する、条項33から41のいずれかの方法。
【0104】
条項43.マニホールドハウジングモジュールが、第1の近位センサおよび第1の遠位センサから放射された光をフィルタリングするための少なくとも1つのフィルタを備える、条項33から42のいずれかの方法。
【0105】
条項44.マニホールドおよびマニホールドハウジングモジュールのうちの少なくとも1つが、第1の近位センサおよび第1の遠位センサから放射された光を集束または分散させるためのレンズを含む、条項33から43のいずれかの方法。
【0106】
条項45.マニホールドハウジングモジュールが、第1の近位センサおよび第1の遠位センサから放射された光を平行にするためのコリメータを備える、条項33から44のいずれかの方法。
【0107】
条項46.第1の近位センサまたは第1の遠位センサの基準検出器を用いて、少なくとも1つの流体経路セクションを通過していない基準光を検出するステップと、少なくとも1つの流体経路セクションの流体の中身を特定するために、少なくとも1つの流体経路セクションを通過した光と基準光を比較するステップとをさらに含む、条項33から45のいずれかの方法。
【0108】
条項47.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に垂直な光を放射するように配置される、条項33から46のいずれかの方法。
【0109】
条項48.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、少なくとも1つの流体経路セクションを通る流体の流れ方向に対して約30°~約60°の角度で光を放射するように配置される、条項33から47のいずれかの方法。
【0110】
条項49.少なくとも1つの流体経路セクションが所定量を超える総空気量を有する1つまたは複数の気泡を含むと判断することに応答して、流体注入器システムの注入手順を停止するステップをさらに含む、条項33から48のいずれかの方法。
【0111】
条項50.検出された光に基づいて、第1の近位センサおよび第1の遠位センサの各々のエミッタと検出器との間に少なくとも1つの流体経路セクションが存在すると判断するステップをさらに含む、条項33から49のいずれかの方法。
【0112】
条項51.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、紫外線スペクトルの光を放射するように構成される、条項33から50のいずれかの方法。
【0113】
条項52.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、赤外線スペクトルの光を放射するように構成される、条項33から51のいずれかの方法。
【0114】
条項53.第1の近位センサおよび第1の遠位センサのうちの少なくとも1つのエミッタが、可視スペクトルの光を放射するように構成される、条項33から52のいずれかの方法。
【0115】
条項54.少なくとも1つの流体経路セクションの側壁の屈折率が、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い、条項33から53のいずれかの方法。
【0116】
条項55.以前の累積総空気量に気泡の体積を加算することにより、注入手順の間に少なくとも1つの流体経路セクションを通過する累積総空気量を特定するステップをさらに含む、条項33から54のいずれかの方法。
【0117】
本明細書に詳細に記載される様々な例のさらなる詳細および利点は、添付の図面とともに様々な例の以下の詳細な説明を検討することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0118】
図1】本開示の一実施形態による、流体注入器システムの斜視図である。
図2】本開示の一実施形態による、流体注入器システムの概略図である。
図3】本開示の一実施形態による、センサモジュールの前面断面図である。
図4】液体充填流体経路セクションに関連付けられた図3のセンサモジュールの前面断面図である。
図5】気体充填流体経路セクションに関連付けられた図3のセンサモジュールの前面断面図である。
図6】気泡を含む液体充填流体経路セクションに関連付けられた図3のセンサモジュールの上面断面図である。
図7】気泡を含む液体充填流体経路セクションに関連付けられた、本開示の一実施形態によるセンサモジュールの上面断面図である。
図8】本開示の一実施形態による、マニホールドおよび関連するセンサモジュールの斜視図である。
図9】本開示の一実施形態による、センサモジュールを含むマニホールドハウジングモジュールと係合した図8のマニホールドの断面斜視図である。
図10】2つのセンサモジュールを含む図9のマニホールドおよびマニホールドハウジングモジュールの上面断面図である。
図11図9のマニホールドおよびマニホールドハウジングモジュールの上面図である。
図12】本開示の一実施形態による、シリンジ先端およびセンサモジュールの側面断面図である。
図13】本開示の一実施形態による、センサモジュールの概略図である。
図14】本開示の一実施形態による、センサモジュールの概略図である。
図15】本開示の一実施形態による、シリンジ出口を有する単一のマニホールドの斜視図である。
図16】偏心流体経路セクションの前面断面図である。
図17】通風を有する流体経路セクションの側面断面図である。
図18】表面仕上げを有する流体経路セクションの側面断面図である。
図19】真円でない流体経路セクションの前面断面図である。
図20】断片を有する流体経路セクションの前面断面図である。
図21】センサモジュールに関連付けられた流体経路セクションの様々な状態に対する経時的なセンサ出力電圧のグラフである。
図22】シリンジキャップまたはマニホールドハウジングモジュールの様々な状態および構成に対する経時的なセンサ出力電圧のグラフである。
図23A】本開示の一実施形態による、流体注入器システムを通る流体の流れを監視するための方法の流れ図である。
図23B】本開示の一実施形態による、流体注入器システムを通る流体の流れを監視するための方法の流れ図である。
図24】本開示の一実施形態による、経時的なエミッタ電力のグラフである。
図25】本開示の一実施形態による、経時的な検出器出力電圧のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0119】
本明細書で使用される「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈上明確に他の意味を規定しない限り、複数の指示対象を含む。「左」、「右」、「内側」、「外側」、「上方」、「下方」などの空間または方向用語は、図面に示されたように本発明に関係し、本発明が様々な代替の向きを想定することができるので、限定的であると見なされるべきではない。
【0120】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるすべての数字は、すべてのインスタンスにおいて「約」という用語によって修飾されていると理解されるべきである。「約」という用語は、述べられた値のプラスマイナス10%などの、述べられた値のプラスマイナス25%を含むことを意味する。しかしながら、これは、均等論の下での値のいかなる分析にも限定されるものと見なされるべきではない。
【0121】
別段の指示がない限り、本明細書に開示されるすべての範囲または比は、開始値および終了値ならびにそれらに包含されるありとあらゆる部分範囲または部分比を包含すると理解されるべきである。例えば、「1~10」と記載された範囲または比は、1の最小値と10の最大値との間の(およびそれらを含む)ありとあらゆる部分範囲または部分比、すなわち、1以上の最小値から始まり10以下の最大値で終わるすべての部分範囲または部分比を含むと見なされるべきである。本明細書に開示される範囲および/または比は、指定された範囲および/または比にわたる平均値を表す。
【0122】
「第1の」、「第2の」などの用語は、いかなる特定の順序または時系列も指すものではなく、異なる条件、特性、または要素を指すものである。
【0123】
本明細書で言及されるすべての文書は、それらの全体が「参照により組み込まれる」。
【0124】
「少なくとも」という用語は「大きいかまたは等しい」と同義である。「大きくない」という用語は、「小さいかまたは等しい」と同義である。本明細書で使用される「のうちの少なくとも1つ」は、「のうちの1つまたは複数」と同義である。例えば、「A、B、およびCののうちの少なくとも1つ」という語句は、A、B、もしくはCのいずれか1つ、またはA、B、もしくはCのいずれか2つ以上の任意の組合せを意味する。例えば、「A、B、およびCののうちの少なくとも1つ」は、Aのみ、またはBのみ、またはCのみ、またはAおよびB、またはAおよびC、またはBおよびC、またはA、B、およびCのすべてを含む。
【0125】
「含む(includes)」という用語は「含む(comprises)」と同義である。
【0126】
シリンジに関して使用されるとき、「近位」という用語は、シリンジの端壁と係合し、シリンジから流体を送出するための流体注入器ヘッドに最も近いシリンジの部分を指す。流体経路に関して使用されるとき、「近位」という用語は、流体経路が注入器システムと接続しているときに注入器システムに最も近い流体経路の部分を指す。シリンジに関して使用されるとき、「遠位」という用語は、送出ノズルに最も近いシリンジの部分を指す。流体経路に関して使用されるとき、「遠位」という用語は、流体経路が注入器システムと接続されているときに患者に最も近い流体経路の部分を指す。「半径方向」という用語は、近位端と遠位端との間を延在するシリンジの長手方向軸に垂直な断面平面内の方向を指す。「円周方向」という用語は、シリンジの側壁の内面または外面の周りの方向を指す。「軸方向」という用語は、近位端と遠位端との間を延在するシリンジの長手方向軸に沿った方向を指す。
【0127】
本開示は、明示的に反対に指定されている場合を除き、代替の変形およびステップシーケンスを想定できることを理解されたい。添付の図面に示され、以下の明細書に記載される具体的なデバイスおよびプロセスは、本開示の単なる例示的な態様であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される例に関連する具体的な寸法および他の物理的な特性は、限定的であると見なされるべきではない。
【0128】
図面のいくつかの図全体を通して同様の参照符号が同様の部分を指す図面を参照すると、本開示は、注入手順の間に流体経路セクションの流体の中身および空気量を検出し分析するためのシステム、構成要素、デバイス、および方法を提供する。最初に図1および図2を参照すると、二重シリンジ流体注入器システム2000の実施形態が示されている。流体注入器システム2000は、添付の図面にシリンジとして示されているそれぞれの流体貯留層10A、10Bから2つの医療用流体を注入するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の流体貯留層10Aは、血管造影、MRI、PET、またはコンピュータ断層撮影注入手順のための撮像造影剤を含み、第2の流体貯留層10Bは、生理食塩水または乳酸リンゲル液などのフラッシング流体を含む。流体は、流体貯留層10A、10Bから、患者の血管系に挿入されたカテーテル110に流体貯留層10A、10Bを接続する一連の流体経路要素を通って注入される。流体注入器システム2000は、それぞれのシリンジ10A、10Bに、それぞれ、造影剤およびフラッシング流体を充填および補充するためのバルク流体容器19Aおよび19Bをさらに含んでもよい。システム2000は、第1のシリンジ10Aの先端またはノズル16Aと流体連通する第1のシリンジライン208Aと、第1のバルク流体容器19Aと流体連通する第1の充填ライン216Aと、カテーテル110と流体連通する第1の患者ライン210Aとを含む流体経路セットを含む。いくつかの実施形態では、第1のシリンジライン208A、第1の充填ライン216A、および第1の患者ライン210Aは、流体注入器12のマニホールドハウジングモジュール220に解放可能に固定されたマニホールド500(例えば、図8を参照)で流体接続される。流体経路セットは、第2のシリンジ10Bの先端またはノズル16Bと流体連通する第2のシリンジライン208Bと、第2のバルク流体容器19Bと流体連通する第2の充填ライン216Bと、カテーテル110と流体連通する第2の患者ライン210Bとをさらに含む。いくつかの実施形態では、第2のシリンジライン208B、第2の充填ライン216B、および第2の患者ライン210Bは、マニホールド500(図8)で流体接続される。流体経路セットの配置は、流体が第1の充填ライン216Aおよび第1のシリンジライン208Aを介して第1のバルク流体容器19Aから第1のシリンジ10Aに引き出されることを可能にする。流体は、第1のシリンジライン208A、第1の患者ライン210A、およびカテーテル110を介して第1のシリンジ10Aから患者に注入することができる。同様に、流体は、第2の充填ライン216Bおよび第2のシリンジライン208Bを介して第2のバルク流体容器19Bから第2のシリンジ10Bに引き出されてもよい。流体は、第2のシリンジライン208B、第2の患者ライン210B、およびカテーテル110を介して第2のシリンジ10Bから患者に注入することができる。図1および図2に示された流体注入器12は、第1の造影剤シリンジおよび第2のフラッシング流体シリンジとともに示されているが、特定の注入手順では、造影剤のみが使用される場合があり、関連するフラッシング流体は使用されない。これらの実施形態によれば、流体注入器12は、第1のシリンジ10Aおよび関連する第1のバルク貯留層19A、ならびに造影剤を患者に注入するための流体経路構成要素のみと係合される場合がある。流体注入器12の水洗側は、そのような単一の流体注入手順の間空のままにされる場合がある。あるいは、単一のシリンジのみと係合するように構成された流体注入器(図示せず)は、本明細書に記載されたセンサモジュール、マニホールド、マニホールドハウジングモジュール、ならびに関連する空気検出および量測定方法の様々な実施形態を利用することができる。
【0129】
シリンジ、チューブおよび流体経路構成要素、シャットオフバルブ、ピンチバルブ、ならびにコントローラを含む適切で非限定的な電動注入器システムのさらなる詳細および例は、米国特許第5,383,858号明細書、第7,553,294号明細書、第7,666,169号明細書、第8,945,051号明細書、第10,022,493号明細書、および第10,507,319号明細書、ならびに国際PCT出願第PCT/US2013/061275号明細書、PCT/US2018/034613号明細書、PCT/US2020/049885号明細書、PCT/US2021/035273号明細書、PCT/US2021/029963号明細書、PCT/US2021/018523号明細書、PCT/US2021/037623号明細書、PCT/US2021/037574号明細書、およびPCT/US2021/045298号明細書に記載され、これらの開示は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0130】
引き続き図1および図2を参照すると、注入器システム2000は、シリンジ10A、10Bの各々にそれぞれ関連付けられた第1のピストン13Aおよび第2のピストン13Bを含む。ピストン13A、13Bの各々は、それぞれのシリンジ10A、10Bのバレル内のそれぞれのプランジャ14A、14Bを駆動するように構成される。流体注入器システム2000は、例えば、注入手順の進行を監視することと、例えば、本明細書に記載された空気センサモジュールの様々な実施形態を使用することにより、流体経路要素を通過する空気量を追跡することと、流体経路要素を通過する空気量が特定の閾値量を超える場合、閾値量を超える空気量が患者に注入されないように注入手順を停止することとを含む、注入手順を実行するためにシステム2000の様々な構成要素と電子通信するコントローラ900を含む。詳細には、コントローラ900は、注入手順のためのプログラムされたプロトコルに従って医療用流体を送出するために、ピストン13A、13B、および注入器システム2000の様々な他の構成要素を作動させるようにプログラムまたは構成された少なくとも1つのプロセッサを含んでもよい。コントローラ900は、少なくとも1つのプロセッサによる実行のために1つまたは複数の注入プロトコルが記憶され得るメモリなどのコンピュータ可読媒体を含んでもよい。コントローラ900は、ピストン13A、13Bを作動させて、プランジャ14A、14Bをシリンジ10A、10B内で往復移動させ、それによって注入手順を実行および停止するように構成される。流体注入器システム2000は、オペレータが注入手順の状態を確認し注入手順を制御するために、それを介してコントローラ900と対話することができる、少なくとも1つのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)11をさらに含んでもよい。同様に、流体注入システムが蠕動ポンプなどの1つまたは複数のポンプを含む場合、関連するコントローラは、ポンプの速度および送出される流体の量などの流体注入器の様々な構成要素を動作させ、例えば、本明細書に記載された空気センサモジュールを使用することにより、関連する流体経路要素を通過する空気量を監視および特定して、流体経路要素を通過する空気の総量が閾値を超えないことを保証し、流体経路要素を通過する空気の総量が閾値を超える場合、コントローラ900は注入手順を停止することができる。
【0131】
コントローラ900は、各シリンジ10A、10Bに関連付けられたピストン13A、13Bがシリンジ10A、10Bの近位端に向かって引き込まれて注入流体F(例えば、撮像造影剤およびフラッシング流体)を、それぞれ、バルク流体容器19A、19Bからシリンジ10A、10B内に引き出す充填動作を実行するようにプログラムまたは構成されてもよい。そのような充填動作の間、コントローラ900は、充填ライン216Aおよび216Bを介してそれぞれのシリンジ10A、10Bとバルク流体容器19A、19Bとの間の流体連通を確立して、シリンジ10A、10Bへの適切な注入流体Fの充填を制御するために、様々なバルブ、ストップコック、または(ピンチクランプなどの)クランプを選択的に作動させるようにプログラムまたは構成されてもよい。様々な実施形態によれば、流体は、充填動作の間にマニホールドの少なくとも一部を通って流れることができる。
【0132】
充填動作ならびに(シリンジから流体経路要素を通って流体を流すことによってシリンジおよび様々な流体経路要素から過剰な空気が除去される)プライミング動作の後、コントローラ900は、その間にシリンジ10A、10Bのうちの1つまたは両方に関連付けられたピストン13A、13Bがシリンジの遠位端に向かって移動し、それぞれ、第1の患者ライン210Aおよび第2の患者ライン210Bに注入流体Fを指定の流量および時間注入して、所望の量の流体Fを送出する流体送出動作を実行するようにプログラムまたは構成されてもよい。コントローラ900は、患者ライン210A、210Bを介してシリンジ10A、10Bと患者との間の流体連通を確立するために、様々なバルブ、ストップコック、および/またはピンチクランプを選択的に作動させるようにプログラムまたは構成されてもよい。患者ライン210A、210Bは、カテーテル110に接続する前に、例えば、その開示が全体として本明細書に組み込まれるPCT国際出願番号PCT/US2021/019507に記載された乱流混合チャンバで最終的に合流する。
【0133】
様々な実施形態によれば、システム2000は、各シリンジ10A、10Bに関連付けられた流体経路要素内の空気を検出するように構成された1つまたは複数のセンサおよび/またはセンサモジュールを含む。特定の実施形態では、センサモジュールは、センサモジュールに関連付けられた流体経路要素に沿って直線的に配置された2つのセンサ、近位センサおよび遠位センサを含んでもよい。図2に示されたように、第1のシリンジ10Aに関連付けられた第1のセンサモジュール300Aおよび第2のシリンジ10Bに関連付けられた第2のセンサモジュール300Bは、マニホールドハウジングモジュール220内に配置されてもよい。センサモジュール300A、300Bは、流体経路セットの様々な流体経路セクションと動作可能に関連して配置される。他の実施形態では、センサモジュール300は、システム2000内の異なる場所または追加の場所に配置されてもよい。例えば、図12および図15に示された実施形態では、センサモジュール300A、300Bは、シリンジ先端16A、16Bの各々の流体経路セクションが対応するセンサモジュール300A、300Bと動作可能に連通するように、それぞれのシリンジ先端16A、16Bまたはその近くに配置されてもよい。センサモジュール300A、300Bは、コントローラ900と電子通信しており、その結果コントローラ900は、センサモジュール300A、300Bによってコントローラ900に送信された1つまたは複数の信号に基づいて、流体経路セクションの中身の少なくとも1つの特性を特定することができる。例えば、センサモジュール300A、300Bによって送信された1つまたは複数の信号に基づいて、コントローラ900は、流体経路セクション内の流体の識別情報、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の存在、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の体積、流体経路セクション内の1つまたは複数の気泡の速度、流体経路セクションを通過する総空気量、流体経路セクション内の流量、流体経路セクション内の流体圧力、流体経路セクションのプライミング状態、およびそれらのいずれかの組合せを特定するように構成されてもよい。
【0134】
ここで図3図5を参照すると、いくつかの実施形態では、各センサモジュール300A、300Bは、図3に示されたように、エミッタ312および集光器または検出器314を各々が含む1つまたは複数のセンサ310を含んでもよい。エミッタ312および検出器314は、ギャップGを画定して互いに離間し、ギャップGの中に、例えば、マニホールド500(図8図11を参照)の一部またはシリンジ先端16A、16Bが位置決めされ、流体経路セクション506に動作可能に関連付けられる。エミッタ312は、検出器314に向かって所定の波長で電磁放射ER(例えば、光)を放射するように構成される。電磁放射ERは、流体経路セクション506を通過して検出器314に到達するはずである。その際、流体経路セクション506の中身、およびいくつかの実施形態では流体経路セクション506自体の構造は、流体および流体経路セクション506の屈折率に起因して、検出器314に到達する前に電磁放射ERを発散または集束させる。測定された屈折の差は、流体経路セクション506がセンサ310の場に動作可能に挿入されているものと比較して、空のセンサ310を区別するために使用されてもよい。特定の実施形態では、センサ310からの信号は、流体経路セクション506がセンサ310に適切に挿入されたかどうかをさらに示すことができる。流体経路セクション506がセンサ内に正しく設置されると、センサは、測定された屈折の差を使用して、流体経路セクションが液体流体(造影剤もしくは水性フラッシング流体)含むか、または空気を含むかを判定することができる。
【0135】
いくつかの実施形態では、エミッタ312は、所定の波長(または波長の範囲)で電磁放射ERを放射するように構成された1つまたは複数の発光ダイオード(LED)または液晶であってもよいが、他のエミッタ光源も本開示の範囲内である。特定の実施形態では、エミッタ312は、測定される流体に応じて、2つ以上の波長で電磁放射ERを放射することができる場合がある。例えば、エミッタ312は、流体注入手順の要件に応じて、第1の波長で光を放射し、第2または他の波長で光を放射するように構成されてもよい。検出器314は、受光量を電気信号に変換することが可能な任意の検出器、例えばフォトダイオードまたはフォトダイオードアレイであってもよい。様々な実施形態では、検出器314は、エミッタ312によって放射された波長に応じて、異なる特定の波長で受信された電磁放射ERの量を測定するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、エミッタ312は、例えば約750ナノメートル(nm)と約2000nmの間の赤外線(IR)スペクトルの電磁放射を放射するように構成される。いくつかの実施形態では、エミッタ312は、例えば約10nmと約400nmの間の紫外線(UV)スペクトルの電磁放射を放射するように構成される。いくつかの実施形態では、エミッタ312は、例えば約380nmと約760nmの間の可視スペクトルの電磁放射を放射するように構成される。特定の実施形態では、エミッタ312によって放射される電磁放射は、約1350nm~約1550nm、および特定の実施形態では約1450nmの波長を有する場合がある。他の実施形態では、エミッタ312によって放射される電磁放射は、約750nm~約950nm、または別の実施形態では約800nm~約900nmのスペクトルのIRセクション内の波長を有する場合がある。いくつかの実施形態では、エミッタ312は、音響、例えば超音波エネルギーを放射するように構成されてもよく、検出器314は、音響エネルギーを検出するように構成されてもよい。上述の波長の電磁放射は、電磁放射が流体経路セクション506とセンサ310との間の音響結合(例えば、圧縮接触)を必要としないという点で、超音波などの他の撮像プロトコルを超える利点を有する場合がある。
【0136】
電磁放射の特定の波長は、注入手順で使用される流体Fおよび流体経路セクション506の構造特性に基づいて選択されてもよい。詳細には、流体経路セクション506内に空気が存在するときと比較して、流体経路セクション506内に液体が存在するときに検出器314の出力信号の最大区別をもたらす電磁放射の波長が選択されてもよい。さらに、電磁放射の波長は、電磁放射エミッタ312と検出器314の位置合わせ、エミッタ312および検出器314との流体経路セクション506の位置合わせ、流体経路セクション506の外側壁の材料および幾何形状、ならびに検出器314の周囲光への曝露などの、センサ性能に影響を及ぼす可能性がある要因の悪影響を最小限に抑えるように選択されてもよい。
【0137】
図3は、ギャップG内に流体経路セクションが存在しないことを示し、そのため電磁放射ERは、検出器314に到達するためにギャップG内の空気のみを通過しなければならない。図4は、センサ310と動作可能に関連するギャップG内に配置された流体経路セクション506を示す。図4の流体経路セクション506は、注入手順の間にプライミングされた流体経路から予想されるように、注入流体Fで満たされている。注入流体Fの屈折率は、流体経路セクション506を通過する電磁放射ERを検出器314に到達する前に集束させることができ、それにより、検出器314によって受信および測定された信号強度の増加が引き起こされる。図5は、センサ310と動作可能に関連するギャップG内に配置された流体経路セクション506を示し、流体経路セクション506は、流体経路セクション506をプライミングする前に予想されるように少なくとも部分的に空気で満たされるか、またはそれは注入手順の間に注入流体F内に気泡が存在する場合に起こる可能性がある。空気の屈折率は、流体経路セクション506を通過する電磁放射ERを検出器314に到達する前に発散させることができ、それにより、検出器314によって受信および測定された信号強度の減少が引き起こされる。
【0138】
特定の実施形態では、エミッタ312と検出器314との間の中身による光吸収は、検出器314によって測定された信号強度の差を引き起こす場合がある。例えば、流体経路セクション506が存在しない図3では、空気は(任意の計算に分解することができる)エミッタからの光の最小限の吸収しかもたないので、光はセンサ310のエミッタ312から検出器314まで最小限の信号強度の減少で自由に通ることができる。流体が充填された流体経路セクション506がセンサ310に挿入されると、エミッタ312から検出器314まで通る光の信号は、流体経路セクション506内の流体だけでなく流体経路の側壁の分子構成による吸収によって減衰する。流体経路セクション506が、空気または空気と医療用流体の混合物で満たされている状態では、例えば、小さい気泡がそれを通過しているとき、エミッタ312から検出器314まで通る光の信号は、(流体経路内または大きい気泡内のプライミングされていない空気による吸収がない)流体経路セクション506の側壁の分子構成による吸収によって減衰し、空気と流体の両方が部分的に満たされた流体経路セクション506内に存在する(気泡の断面体積が流体経路セクション506の断面体積よりも小さい)場合、エミッタ312から検出器314まで通る光の信号は、流体経路セクション506の側壁の分子構成による吸収ならびに流体経路セクション506内の流体の部分体積によって減衰する。様々な実施形態では、検出器314は、流体経路内の異なる液体に起因する光減衰の差を使用して、異なる造影剤のタイプもしくは濃度の間、または流体経路セクション506内の造影剤と生理食塩水との間を区別することができる。
【0139】
図6は、気泡400が流体経路セクション506を通って移動するセンサ310の上面図を示す。気泡400の前部の液気面界面がエミッタ312によって生成された電磁放射ERの場に入るにつれて、電磁放射ERは、注入流体Fの屈折率に対する気泡400の屈折率に起因して発散し始め、かつ/または空気に対する流体の吸収特性の差に起因して減衰し始める。図6から諒解され得るように、エミッタ312および検出器314は、エミッタ312が流体経路セクション506を通る流体の流れに対してほぼ垂直に電磁放射を発射するように配置されてもよい。気泡400がセンサ310を過ぎて進み続けるにつれて、検出器314は、気泡400の後端の気液面界面がセンサ310の検知領域から出るまで、信号強度の減少を記録し続ける。様々な実施形態では、次いで、気泡は、流体経路セクション506を遠位センサ310’(図7参照)まで下がり続け、そこで測定プロセスが繰り返される。次いで、第1の近位センサおよび第2の遠位センサからの信号データは、コントローラ900に送られる場合があり、コントローラ900は、本明細書に記載されたように、流体経路セクション506内の空気および流体の様々な特性を計算することができる。
【0140】
引き続き図3図6を参照すると、検出器314は、検出された電磁放射ERからの信号強度に基づいて、コントローラ900に出力信号(例えば、出力電圧)を送信するように構成される。したがって、出力信号は、ギャップG内の中身の屈折率および吸収特性に応じて異なり、(図3のように)流体経路セクション506が存在しないか、流体経路セクション506が存在し、医療用流体Fで満たされている(図4)か、または流体経路セクション506が存在し、少なくとも部分的に空気で満たされている(図5および図6)かをコントローラ900が判定することが可能になる。
【0141】
ここで図7を参照すると、各センサモジュール300A、300Bは、注入流体Fの流れ方向に沿って直列に配置された2つ以上のセンサ310を含んでもよい。いくつかの実施形態では、各センサモジュール300A、300Bは、実質的に図3図6に関連して記載されたような近位センサ310と、近位センサ310と構造が本質的に同一であるが、近位センサ310の下流に配置され得る遠位センサ310’とを含んでもよい。様々な実施形態では、遠位センサ310’のエミッタ312’は、近位センサ310のエミッタ312と同じ波長および/もしくは周波数で、または近位センサ310のエミッタ312とは異なる波長および/もしくは周波数で電磁放射を放射するように構成されてもよい。特定の実施形態では、遠位センサ310’は、遠位センサ310’のエミッタ312’が近位センサ310のエミッタ312に対して流体経路セクション506の反対側(すなわち、流体経路セクションを中心に約180°)に配置されるように配置されてもよい。同様に、遠位センサ310’の検出器314’は、近位センサ310の検出器314に対して流体経路セクション506の反対側(すなわち、流体経路セクションを中心に約180°)に配置されてもよい。この配置は、近位センサ310のエミッタ312からの電磁放射ERが遠位センサ310’の検出器314’によって検出されること、および遠位センサ310’のエミッタ312’からの電磁放射ERが近位センサ310の検出器314によって検出されることを防止するか、または実質的に低減する。他の実施形態では、近位センサ310および遠位センサ310’は、互いに対して任意の角度で配置されてもよい。
【0142】
他の実施形態では、近位および遠位センサ310、310’のエミッタ312、312’は、流体経路セクションの同じ側に配置されてもよく、近位および遠位センサ310、310’の検出器314、314’は、流体経路セクション506の同じ側に配置されてもよい。センサ310、310’間の十分な空間および/またはセンサ310、310’間に設けられた光学シールドは、2つのセンサ310、310’間の発生した電磁放射の干渉を防止するために使用されてもよい。あるいは、近位センサ310は、遠位センサ310’とは異なる波長を有する電磁放射ERを使用して、2つのセンサによって放射される電磁放射の交差干渉を回避することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、近位および遠位センサ310、310’のエミッタ312、312’は、どのエミッタ312、312’が任意の所与の時間に電磁放射を生成しているかについて混乱がないように、交互の時間オフセットされた、例えば重複しないパルスで電磁放射を放射するように構成されてもよい。さらに、コントローラ900は、その間にエミッタ312、312’のいずれも電磁放射を生成していない時間間隔を設定することができる。コントローラ900は、これらの間隔の間に検出器314、314’によって生成された信号を、出力信号に対する周囲光の影響の基準として使用することができ、コントローラ900は、周囲光の影響を考慮するように後続の出力信号を補正することができる。センサモジュール300A、300Bはまた、周囲光に特有の波長および/または周波数を除去するように構成された(図12に示された)フィルタを含んでもよい。
【0144】
直列の2つのセンサ310、310’の実装形態は、コントローラ900が流体経路セクション506内の気泡400の速度および体積を検出することを可能にし、シリンジ内に加えられた圧力に基づいて大気圧での総空気量を計算することができる。気泡400の速度は、近位センサ310による気泡400の検出と遠位センサ310’による気泡400の検出との間の時間オフセットに基づいて特定されてもよい。いくつかの実施形態では、時間オフセットは、(図6に示された)気泡400の前縁の液気面界面が近位センサ310のエミッタ312によって生成された電磁放射ERの場に入る時間から、気泡400の前縁が遠位センサ310’のエミッタ312’によって生成された電磁放射ERの場に入る時間まで計算されてもよい。気泡400の前縁が各センサ310、310’によって検出される時間は、注入流体Fの屈折率および/または吸収と比較された気泡400の屈折率および/または吸収の差に対応する検出器314、314’の出力の電圧変化によって決定されてもよい。いくつかの実施形態では、時間オフセットは、気泡400の後縁を検出するそれぞれの検出器314、314’の間の時間に基づいて、または(液体充填流体経路セクションと比較された検出器出力電圧の最大変化に関連付けられた)気泡の最大直径セクションを検出するそれぞれの検出器314、314’の間の時間に基づいて計算されてもよい。
【0145】
気泡400の流量の検出は、気泡が周囲の注入流体Fよりも速くまたは遅く流れる場合があるので、重要である。詳細には、流体経路セクションの中央の気泡は周囲の注入流体Fよりも速く流れる傾向があり得るが、流体経路セクション506の壁上の気泡は周囲の注入流体Fよりも遅く流れる場合がある。さらに、流体の流れ方向が下向きになるように流体経路セクション506が向けられた場合、気泡は、上方への気泡に影響する浮力に起因して、周囲の注入流体Fよりも遅く流れる場合がある。したがって、注入流体Fの規定の流量は、気泡の流量の信頼できる指標ではない。
【0146】
センサ310、310’によって検出されている気泡400の前縁間の時間オフセットはまた、気泡400の流量を計算する構成要素として使用されてもよい。気泡がセンサ310、310’を過ぎて進み続けるにつれて、検出器314’の出力信号が所定の閾値を下回ると、気泡の後縁が注目され、気泡の後縁が近位および遠位センサ310、310’の検出領域を通過したことを示し、コントローラ900は、検出器314、314’の出力信号が所定の閾値を超えた総時間を記録する。
【0147】
いくつかの実施形態では、コントローラ900は、気泡の流量、検出器314、314’の出力信号が所定の閾値を超えた総時間、ならびに流体経路セクション506の圧力、断面積、および体積などの他の既知の値に基づいて、気泡400の体積を計算するように構成されてもよい。このように計算される体積は、流体経路セクション506内の流体圧力に依存する。したがって、有用な体積測定値を取得するために、流体経路セクション506内の流体圧力は、コントローラ900が、患者の血管系内の著しく低い圧力雰囲気と比較して、CTおよび/またはCT注入の高圧下での気泡の圧縮を正確に考慮することができるように、知られるかまたは推定されなければならない。圧力値は、流体経路セットに関連付けられた圧力トランスデューサを介してコントローラ900によって動的に提供されてもよい。さらに、流体経路セクション506の内部断面積は、気泡速度から流量を正確に計算するために知られるかまたは推定される必要があり得、流量は気泡体積を計算するために使用することができる。
【0148】
センサモジュール300A、300Bを通過する空気量が所定の安全な量、例えば約1.0ミリリットル(mL)または(0mLの空気を含む)医学的に許容可能であると判定された他の量よりも大きい場合、コントローラ900は、空気が患者に注入されないように防止するために注入プロトコルを自動的に停止することができる。空気量が所定の安全な量以下であると計算された場合、コントローラ900は、注入プロトコルを続行し、任意選択的に、計算された空気量が流体経路セット内に存在することをユーザに警告する(例えば、GUI11に表示される)。次いで、コントローラ900は、所定の安全な量よりも少ない空気量に注目し、センサモジュール300A、300Bを通過した空気量の連続集計を維持し、後続の気泡の体積を連続集計に加算して、注入プロトコル中の総空気量を提供することができる。特定の手順では、注入プロトコル中に2つ以上の小さい気泡がセンサモジュール300A、300Bを通過する場合がある。これらの実施形態によれば、コントローラ900は、各気泡の体積を特定し、別個の気泡の個々の体積を加算することにより、センサモジュール300A、300Bを通過した総累積空気量を計算することができる。コントローラ900は、センサモジュール300A、300Bを通過した連続総空気量のリアルタイム警報を提供することができ、総空気量をユーザに警告することができる。例えば、特定の実施形態では、コントローラ900は、GUI11上のディスプレイに総空気量値を表示して、連続リアルタイム合計をユーザに通知することができる。そのため、ユーザは、注入された総空気量を認識し、患者の健康または他の要因に応じて、総空気量が特定の患者にとって安全ではないと考えられる値に達した場合に注入プロトコルを早く終了するように決定することができる。あるいは、総空気量が所定の安全でない総空気量(例えば1.0mL)に近づくと、コントローラ900は、過剰な空気が注入されていることをユーザに警告することができ、またはコントローラ900は、流体経路セット内の総空気量が患者にとって安全でなくなる前に注入プロトコルを自動的に停止するように構成されてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、近位センサ310は、遠位センサ310’とは異なる波長および/または周波数で電磁放射を放射するように構成されてもよい。これにより、それぞれのセンサ310、310’が特定のタスク向けに最適化されることが可能になる。例えば、近位センサ310のエミッタ312は、流体経路セクション506の特性および/または欠陥を検出するように最適化された波長および周波数を有することができ、流体経路セクション506は、次いで、遠位センサ310’によって取得された測定データを正規化または補正するために使用することができる。遠位センサ310’のエミッタ312’は、流体経路セクション506内の空気を検出するために最適化された波長および周波数を有することができる。コントローラ900は、近位センサ310から取得された情報を使用して、遠位センサ310’の検出器314’によって生成された出力信号を正規化および/または補正することができる。
【0150】
ここで図24を参照すると、気泡が流体経路セクション506を通過するときの時間に対して、近位センサ310および遠位センサ310’のエミッタ312、312’に供給される電力のグラフが示されている。図24から諒解され得るように、エミッタ電力は一定のままであり、気泡の存在によって影響を受けない。図25は、図24のグラフと同じ時間間隔にわたる近位センサ310および遠位センサ310’の検出器314、314’の電圧出力のグラフを示す。図25から諒解され得るように、検出器314、314’の電圧出力は、「空気」の下のグラフの中央のバーの縮小によって示されたように、(例えば、気泡の形態の)空気がセンサ310、310’の検出範囲に入ると減少する。気泡がセンサ310、310’を通った後、グラフの右端のけん引バーに示されたように、検出器314、314’の電圧出力は元のレベルに戻る。したがって、エミッタ出力は同じままであるが、検出器出力は、周囲の注入流体Fに対する気泡の屈折および/または吸収の変化に起因して減少する。
【0151】
ここで図8を参照すると、センサモジュール300A、300B(図8に示されていないセンサモジュール300B、図10参照)は、空気について監視される流体経路セクションを画定するマニホールド500と動作可能に連結するように配置されてもよい。マニホールド500は、第1のシリンジ10Aに関連付けられた第1のマニホールドセクション502と、第2のシリンジ10Bに関連付けられた第2のマニホールドセクション504とを含む。第1のマニホールドセクション502は、第1の入口ポート510、第1の出口ポート512、および第1の充填ポート514と流体連通する第1の流体経路セクション506を画定する。第1の入口ポート510は、シリンジライン208Aに接続されるか、またはシリンジライン208Aと一体形成され、第1の出口ポート512は、患者ライン210Aに接続されるか、または患者ライン210Aと一体形成され、第1の充填ポート514は、充填ライン216Aに接続されるか、または充填ライン216Aと一体形成される。同様に、第2のマニホールドセクション504は、第2の入口ポート520、第2の出口ポート522、および第2の充填ポート524と流体連通する第2の流体経路セクション508を画定する。第2の入口ポート520は、シリンジライン208Bに接続されるか、またはシリンジライン208Bと一体形成され、第2の出口ポート522は、患者ライン210Bに接続されるか、または患者ライン210Bと一体形成され、第2の充填ポート524は、充填ライン216Bに接続されるか、または充填ライン216Bと一体形成される。第1の流体経路セクション506および第2の流体経路セクション508は、第1の流体経路セクション506を通って流れる撮像造影剤が、第2の流体経路セクション508を通って流れるフラッシング流体と混合しないように互いに隔離され、逆も同様である。第1のマニホールドセクション502および第2のマニホールドセクション504は、少なくとも1つの接続ビーム550によって接続されてもよい。少なくとも1つの接続ビーム550は、第1のマニホールドセクション502および第2のマニホールドセクション504をマニホールドハウジングモジュール220内に収まる位置に向けて位置決めし、第1の流体経路セクション506を第1のセンサモジュール300Aのセンサ310、310’と正確に割出し連結し、第2の流体経路セクション508を第2のセンサモジュール300Bのセンサ310、310’と割出し連結する。したがって、マニホールド500は、流体流路の空気検出領域がセンサ310および310’の読取り部分に正しく挿入されるように、ユーザがマニホールドハウジングモジュール220にチューブセットを迅速かつ正確に設置することを可能にするように設計される。例えば、新しい注入手順のために流体注入器システム2000を準備する際に、ユーザは、シリンジライン208A、208Bをシリンジ10A、10Bに接続し、マニホールド500をマニホールドハウジングモジュール220にスナップし、(例えば、充填ライン216A、216Bをそれぞれのバルク流体源19A、19Bにスパイクすることによって)充填ライン216A、216Bをバルク流体源19A、19Bに接続するだけでよく、流体経路セットはプライミングの準備ができているはずである。特定の場合には、マニホールド500およびマニホールドハウジングモジュール220は、マニホールド500をマニホールドハウジングモジュール220と解放可能に係合するために、例えば少なくとも1つの接続ビーム550上に相補的なラッチ構成要素を含んでもよい。特定の実施形態では、マニホールド500および関連する流体経路構成要素は、単一の患者に対する単一の注入手順の間に、または一連の注入手順のために使用するように構成された使い捨て構成要素であってもよい。他の実施形態では、マニホールド500および関連する流体経路構成要素は、流体経路セットの複数使用部分の使い捨て構成要素であってもよく、これは、処分される前のいくつかの流体注入手順にわたって、例えば設定された数の注入または24時間の使用後に、複数の単回使用部分とともに使用することができる。本明細書に述べられたように、上述されたマニホールド500は、単一の流体注入手順、例えば造影剤のみの注入のために構成されてもよい。これらの実施形態によれば、マニホールド500は、第1のシリンジ10Aに関連付けられた第1のマニホールドセクション502、およびマニホールドをセンサ300Aで割出しするように設計された機構のみを含んでもよい。例えば、第2のマニホールドセクション504および少なくとも1つの接続ビーム550は、第1のマニホールドセクション502をセンサ300Aで割出ししながら、マニホールドハウジングモジュール220の対応する機構内に解放可能に係合し嵌合するように成形されてもよいが、例えば、単一の注入流体注入手順マニホールド500のコストを制限するために、第2のマニホールドセクション504内に関連する流体経路要素を欠いてもよい。使用後、マニホールド500およびマニホールド500に接続された様々な流体ラインは、後続の患者に対する流体注入器システム2000の使用前に廃棄される。
【0152】
第1の流体経路セクション506は、第1の流体経路セクション506がセンサモジュール300Aのセンサ310、310’に動作可能に関連して配置されたときに、エミッタ312、312’から検出器314、314’への電磁放射の通過を可能にするように構成された側壁530を含む。側壁530は、エミッタ312、312’によって生成された所定の波長の電磁放射ERに対して少なくとも部分的に透明である。側壁530は、ポリマー、ガラス、透明複合材、水晶、または他の適切な材料などの、少なくとも部分的に透明な材料から作られてもよい。特定の実施形態では、側壁530は、所定の屈折率を有するポリエチレンテレフタレート(PET)などのプラスチック材料から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、側壁530の屈折率は、空気の屈折率よりも水の屈折率に近い。いくつかの実施形態では、側壁530は、側壁530が撓むことができないように剛性であってもよく、これは、第1の流体経路セクション506を通る電磁放射ERの経路を変更し、信頼できないセンサ読取り値を引き起こす可能性がある。特定の実施形態では、側壁530は、第1の流体経路セクション506の外面の周りに円周方向に延在して湾曲する場合がある。他の実施形態では、側壁530は、1つまたは複数の実質的に平坦な外面および内面を有する場合がある。1つまたは複数の実質的に平坦な表面は、エミッタ312から検出器314への電磁放射の経路が1つまたは複数の実質的に平坦な表面を通過するように配置されてもよい。これらの実施形態によれば、1つまたは複数の実質的に平坦な表面は、電磁放射が第1の流体経路セクション506を通過するときの電磁放射のビームに対する表面による集束または非集束レンズ効果を最小化または排除することができる。他の実施形態では、側壁530は、流体経路セクション506を通過する電磁放射を集束または分散させるためにレンズを含むか、またはレンズとして作動することができる。例えば、側壁530は、曲面よりも予測可能に光を透過させることができる1つまたは複数の平坦面を有することができ、いくつかの実施形態では、側壁530は正方形チューブであってもよい。いくつかの実施形態では、側壁530は、流体経路セクション506を通過する電磁放射を集束または分散させるために表面仕上げを有する場合がある。いくつかの実施形態では、側壁530は、流体経路セクション506から半径方向外側に延在する1つまたは複数のリブ540を含む。1つまたは複数のリブ540は、例えば、センサモジュール300Aに対して側壁530および第1の流体経路セクション506を正確に位置決めし、および/または側壁530とエミッタ312、312’または検出器314、314’の表面との間の接触を防止するために、図9図11に関連して記載されるように、マニホールドハウジングモジュール220と係合するように構成されてもよい。
【0153】
第2の流体経路セクション508は、第1の流体経路セクション506の側壁530と実質的に同様であってもよく、同じ機構を有する場合がある側壁532を含む。
【0154】
引き続き図8を参照すると、マニホールド500は、充填ポート514、524にそれぞれ配置された逆止弁516、526などの1つまたは複数の逆止弁を含んでもよい。逆止弁516、526は、加圧注入動作中にバルク流体容器19A、19B内への流体の逆流を防止するように作動することができる。いくつかの実施形態では、マニホールド500を通る流体の流れを選択的に制御するために、追加の逆止弁または能動的に制御されるバルブ(例えば、ストップコック、ピンチバルブなど)が、入口ポート510、520、出口ポート512、522、および充填ポート514、524のいずれかに配置されてもよい。例えば、様々な実施形態によれば、マニホールド500またはマニホールドハウジングモジュール220は、第1の流体経路セクション506に関連付けられた逆止弁または他の能動的に制御されるバルブを含んでもよく、第1の流体経路セクション506から下流の領域とシリンジ10Aとの流体連通を防止するように作動することができる。この実施形態によれば、第1の流体経路セクション506に関連付けられたバルブは、ピストン13Aによるプランジャ14Aの後退によって流体がバルク流体源19Aからシリンジ10Aに移送される充填動作中に、下流領域からシリンジ10Aに戻る流体の逆流を防止することができる。同様の機構は、第2の流体経路セクション508にも関連付けられるはずである。
【0155】
引き続き図8を参照し、さらに図9図11を参照すると、マニホールド500は、マニホールドハウジングモジュール220内の受け入れチャネル222に挿入されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マニホールドハウジングモジュール220は、センサモジュール300A、300Bを含み、受け入れチャネル222は、マニホールド500の流体経路セクション506、508が、それぞれ、センサモジュール300A、300Bと動作可能に関連付けられるように、マニホールド500を割出しする。受け入れチャネル222は、センサモジュール300A、300Bのセンサ310、310’がその背後に配置される光学面224を含んでもよい。光学面224は、必要に応じて、エミッタ312、312’から放射された、かつ/または検出器314、314’によって検出された電磁放射を集束および/または分散させるためのレンズを含むか、またはレンズとして機能することができる。光学面224は、必要に応じて、エミッタ312、312’から放射された、かつ/または検出器314、314’によって検出された電磁放射を平行にするためのコリメータを含むか、またはコリメータとして機能することができる。加えて、光学面224は、センサモジュール300A、300Bのセンサ310、310’の様々な構成要素を、例えば、検出器314、314’によって受信される電磁放射の量に影響を与え得る汚れ、ほこり、造影剤、または他の汚染物質による摩耗または汚染から保護するように作動することができる。図9図11に示された実施形態では、受け入れチャネル222は、入口ポート510、520に隣接する流体経路セクション506、508の一部が、それぞれのセンサモジュール300A、300Bと動作可能に位置合わせされるように配置されてもよい。そのため、センサモジュール300A、300Bは、充填動作中に入口ポート510、520を介してシリンジ10A、10Bに流入する気泡を検出し、流体注入中に入口ポート510、520を介してシリンジ10A、10Bから流出する気泡を検出するために使用することができる。
【0156】
マニホールド500の1つまたは複数のリブ540は、マニホールドハウジングモジュール220の受け入れチャネル222と係合して、センサモジュール300A、300Bに対してマニホールド500を割出しする。さらに、センサ310、310’と位置合わせされた受け入れチャネル222の光学面224に側壁530、532が接触することを防止して、センサ読取り値に悪影響を及ぼす可能性がある光学面224の引っ掻きまたはさもなければ光学特性の低下を防止するために、1つまたは複数のリブ540は、第1および第2の流体経路セクション506、508の外面に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、受け入れチャネル222は、1つまたは複数のリブ540を受け入れて、マニホールドハウジングモジュール220内のマニホールド500の動きを抑制し、マニホールドハウジングモジュール220に対してマニホールド500を割出しするために、マニホールドハウジングモジュール220内の1つまたは複数の溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、代わりに、1つまたは複数のリブ540は、(例えば、受け入れチャネル222から内側に延在する)マニホールドハウジングブロック220に設けられてもよく、設けられる場合、溝はマニホールド500に設けられてもよい。特定の実施形態では、1つまたは複数のリブ540は、マニホールド500およびマニホールドハウジングモジュール220の両方に配置されてもよく、関連する溝は、それぞれのマニホールドハウジングモジュール220およびマニホールド500の両方に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のリブ540は、近位センサ310のエミッタ312によって放射された電磁放射が遠位センサ310’の検出器314’によって検出されることから少なくとも部分的に保護し、遠位センサ310’のエミッタ312’によって放射された電磁放射が近位センサ310の検出器314によって検出されることから少なくとも部分的に保護するように構成されてもよい。
【0157】
本明細書に記載されたように、マニホールド500およびマニホールドハウジングモジュール220は、マニホールド500をマニホールドハウジングモジュール220と解放可能に係合するために、例えば少なくとも1つの接続ビーム550上に相補的なラッチ構成要素を含んでもよい。コントローラ900は、マニホールド500がマニホールドハウジングモジュール220に正しく挿入され係合されたときにラッチ構成要素がコントローラ900に信号を送信することができるように、ラッチ構成要素に関連付けられたセンサまたは検出器と動作可能に通信することができる。マニホールド500が正しく係合されたという信号がコントローラ900によって受信されると、コントローラ900は、システムがプライミングの準備ができていることをユーザに示すことができる。他の実施形態では、マニホールド500が正しく係合されたという信号がコントローラ900によって受信されると、次いで、コントローラ900は、プライミングシーケンスを自動的に開始して流体経路をプライミングすることができる。あるいは、コントローラ900は、自動プライミングシーケンスを開始する前に、バルク流体源19A、19Bが充填ライン216A、216Bに流体接続されていること、およびシリンジ10A、10Bがシリンジライン208A、208Bに流体接続されていることを確認するようにユーザに要求することができる。他の実施形態では、マニホールド500は、例えば少なくとも1つの接続ビーム550または流体経路壁に配置された、バーコード、QRコード、RFIDタグなどの、1つまたは複数の符号化識別子580を含んでもよい。流体注入器12は、マニホールドハウジングモジュール220に関連付けられたバーコードリーダ、QRコードリーダ、RFIDリーダなどの適切に配置されたリーダ280を有する場合がある。マニホールド500がマニホールドハウジングモジュール220と正しく係合すると、マニホールド500が正しく挿入されていること、注入手順のための正しいマニホールド500、マニホールド500および関連する流体経路構成要素の製造日が所要時間枠内であることのうちの少なくとも1つなどの、マニホールド500および関連する流体経路要素の1つまたは複数の特性を判定し、マニホールド500の製造業者が承認された製造業者であるかどうかを判定するために、符号化識別子がリーダによって読み取られる。マニホールド500に問題がある可能性があることを符号化識別子が示したとコントローラ900が判定した場合、コントローラ900は、ユーザに警告し、流体注入手順が実行され得る前に問題の修正を要求することができる。
【0158】
引き続き図9図10を参照すると、マニホールドハウジングモジュール220および/またはセンサモジュール300A、300Bは、エミッタ312、312’の各々に関連付けられたコリメート開口350、および/または検出器314、314’の各々に関連付けられたコリメート開口352を含んでもよい。エミッタ312、312’に関連付けられたコリメート開口350は、エミッタ312、312’を出る電磁放射を、それぞれの検出器314、314’に向かって実質的にまっすぐな軌道に限定することができる。検出器314、314’に関連付けられたコリメート開口352は、それぞれのエミッタ312、312’の方向から来る電磁放射のみが検出器314、314’に到達することができるように、検出器314、314’の周辺視野を制限することができる。したがって、コリメート開口352は、検出器314、314’を周囲光源から遮蔽することができる。いくつかの実施形態では、コリメート開口350、352は、図9図11に示されたように、直径よりも小さい長さを有する場合がある。いくつかの実施形態では、コリメート開口350、352は、直径よりも大きい長さを有する場合がある。
【0159】
いくつかの実施形態では、センサモジュール300A、300Bは、周囲光源に存在するのとは異なる周波数でエミッタ312、312’をパルス化することにより、周囲光が検出器出力信号に影響を及ぼすことを防止するように構成されてもよい。例えば、コントローラ900および/またはセンサモジュール300A、300Bは、約20,000ヘルツ(Hz)~約30,000Hz、いくつかの実施形態では約25,000Hzの周波数で、エミッタ312、312’をパルス化する(すなわち、エミッタ312、312’を迅速にオンオフする)ように構成することができる。検出器314、314’は、エミッタ312、312’のパルス化と同じ周波数および位相ではない電磁放射を無視するためにゲート制御されてもよい。したがって、約25,000Hzで検出器314、314’をゲート制御することにより、検出器314、314’は、約25,000Hzでパルス化されているエミッタ312、312’からの電磁放射を登録するが、検出器314、314’は、太陽光および(パルス化されていない)白熱灯からの光、ならびに(通常、50Hz~60HzのAC回線周波数でパルス化された)蛍光灯およびLED灯からの光を無視する。
【0160】
ここで図12を参照すると、いくつかの実施形態では、センサモジュール300A、300Bは、それぞれ、シリンジ10A、10Bのシリンジ先端16A、16Bに動作可能に関連付けられてもよい。シリンジ先端16A、16B自体は、センサ310、310’と位置合わせされた流体経路セクションとして機能することができ、または別個の流体経路セクション570は、シリンジ先端16A、16Bに取り付けられ、センサ310、310’と位置合わせされてもよい。これらの実施形態における流体経路セクション570は、図8図11の実施形態の流体経路セクション506と機能的に同様であってもよく、少なくとも部分的に透明で剛性であり得る側壁を有し、センサ310、310’の使用を容易にするために光学機構(例えば、レンズまたは表面仕上げ)を含む。センサモジュール300A、300Bは、大量の周囲光を受け取る特定の向きを回避などするために、オペレータがセンサモジュール300A、300Bを自由に配置できるように、シリンジ先端16A、16Bの周りを自由に回転することができる。周囲光が検出器314、314’の測定に影響を及ぼすことを防止するために、エミッタ312、312’と検出器314、314’との間に光学フィルタ318が設けられてもよい。光学フィルタ318は、エミッタ312、312’によって放射された波長よりも大きいおよび/または小さい電磁放射の波長の全部または大部分を遮断するように構成されてもよい。例えば、エミッタ312、312’が約1450nmで電磁放射線を生成するように構成された実施形態では、光学フィルタ318は、約1200nm未満および約1600nm超の波長を遮断するように構成されてもよい。
【0161】
引き続き図12を参照すると、センサモジュール300A、300Bは、流体経路セクション570のさらなる情報を提供するように構成された1つまたは複数の追加のセンサ310”を含んでもよい。追加のセンサ310”のエミッタ312”は、近位および遠位センサ310、310’と同じかまたは異なる波長で電磁放射ERを放射するように構成されてもよい。図12に示された実施形態では、追加のセンサ310”は、近位および遠位センサ310、310’の上流に配置されてもよい。他の実施形態では、追加のセンサ310”は、近位および遠位センサ310、310’の下流に、または近位センサ310と遠位センサ310’との間に配置されてもよい。図8図11の実施形態と同様に、センサモジュール300A、300Bおよび/または流体経路セクション570の側壁は、センサモジュール300A、300Bに対する流体経路セクション570の位置を特定するために相補的なリブおよび/または溝を含んでもよい。いくつかの実施形態では、シリンジ先端16A、16Bの円錐形の輪郭は、センサモジュール300A、300Bに対して流体経路セクション570を位置決めするために使用されてもよい。
【0162】
引き続き図12を参照すると、センサモジュール300A、300Bは、エミッタ312、312’、312”の各々に関連付けられたコリメート開口350、および/または検出器314、314’、314”の各々に関連付けられたコリメート開口352を含んでもよい。図9および図10に関連して記載されたように、エミッタ312、312’、312”に関連付けられたコリメート開口350は、エミッタ312、312’、312”を出る電磁放射を、それぞれの検出器314、314’、314”に向かって実質的にまっすぐな軌道に限定することができる。検出器314、314’、314”に関連付けられたコリメート開口352は、それぞれのエミッタ312、312’、312”の方向から来る電磁放射のみが検出器314、314’、314”に到達することができるように、検出器314、314’、314”の周辺視野を制限することができる。いくつかの実施形態では、図12に示されたように、コリメート開口350は、エミッタ312、312’、312”からの電磁放射のコリメーションを増加させるために直径よりも大きい長さを有する場合がある。
【0163】
ここで図13を参照すると、センサモジュール300A、300Bの別の実施形態は、単一のエミッタ311、ならびにエミッタ311によって生成された電磁放射ERを、それぞれ、近位および遠位検出器314、314’によって検出可能な2つの別個の経路に分割する一対の反射器313、313’のみを含む。したがって、図13のセンサモジュール300A、300Bの実施形態は、単一のエミッタ311のみを用いて、図6図12の実施形態のような流体経路セクション506内の2つの異なる位置で気泡の存在を検出することができる。図13の配置は、複数のエミッタを近接させることに関連付けられ得るクロストークを最小限に抑え、自己較正を使用し、レンズ効果による位置合わせの変化を相殺してセンサアレイの位置合わせを容易にし、検出範囲およびシステム公差に基づいて最小値/最大値を取り込み、検出閾値を設定することができる。
【0164】
ここで図14を参照すると、センサ310、310’は、エミッタ312、312’が流体経路セクション506に対して90°以外の角度で電磁放射ERを放射するように配置されてもよい。例えば、エミッタ312、312’および検出器314、314’は、電磁放射ERが流体経路セクション506を通る流体の流れに対して約30°~約60°、いくつかの実施形態では約45°の角度で放射されるように配置されてもよい。この配置は、電磁放射ERが流体経路セクション506を横切るために移動しなければならない距離を増加させ、それはセンサ310、310’の感度を上げることができる。さらに、傾斜した入射電磁放射ERは、屈折率差に起因して流体経路セクション506が空である(空気で満たされている)ときにチューブの表面に反射する場合があり、基準検出器317、317’によって検出されてもよい。この構成は、高いコントラスト(少なくとも4:1)を有する大きい気泡の検出を可能にすることができるが、空の流体経路(空気)は、空気と比較して流体経路セクションチューブのプラスチックの屈折率の大きい差に起因して、45°検出器317、317’にかなりの量の入射光を反射する。水または造影剤が流体経路セクション506を満たすと、流体の屈折率は流体経路セクション506の側壁530の屈折率により近くなり、低減された反射およびより大きい透過率が観察される。したがって、この実施形態によれば、傾斜した入射電磁放射は、空気と液体流体との間の改善された区別をもたらすことができる。
【0165】
引き続き図14を参照すると、センサ310、310’のうちの1つまたは両方は、流体経路セクション506のエミッタ側に反射された電磁放射ERを検出するように構成された基準検出器317、317’をさらに含んでもよい。基準検出器317、317’は、センサ310、310’を較正し、流体経路セクション506内の流体とは無関係に電磁放射ERのベースライン測定値を提供するために使用されてもよい。基準検出器317、317’からの出力信号は、流体経路セクション506の中身をより正確に特定するために、検出器314、314’からの出力信号と比較されてもよい。
【0166】
ここで図15を参照すると、マニホールド600の別の実施形態は、図8図11に示された実施形態と同様に、センサモジュール300A、300B(図示せず)が動作可能に関連付けられ得る剛性の少なくとも部分的に透明な側壁630を含む。図8図11の実施形態とは異なり、マニホールド600は、シリンジ10A、10Bのうちの1つのみに取り付けるように構成されてもよく、そのため、シリンジ10A、10Bの各々に1つずつの2つのマニホールド600がシステム2000内で使用されてもよい。マニホールド600は、図12を参照して説明されたように、別個の流体経路セクション570と同様に使用されてもよい。マニホールド600および関連する側壁630は、その開示がこの参照によりその全体が組み込まれる、PCT国際出願番号PCT/US2021/018523に記載されたクリップ係合機構によって、シリンジ10A、10Bの先端の対応する機構にクリップするか、またはさもなければ係合することができる。マニホールド600は、可撓性チューブを介在させることなくシリンジ先端16Aに取り付けられた入口ポート610を含む。マニホールド600の入口ポート610、出口ポート612、および充填ポート614は、そうでない場合、図8図11のマニホールド500の入口ポート510、出口ポート512、および充填ポート514と実質的に同じであってもよい。入口ポート610、出口ポート612、および充填ポート614と流体連通する流体経路セクション606および関連する側壁630は、対応するセンサモジュール300A(図示せず)と動作可能に関連して配置されてもよく、一般に、図8図14の実施形態の流体経路セクション506の同じ機構と同様であり、それを含んでもよい。
【0167】
ここで図16図20を参照すると、センサ310、310’に関連付けられた流体経路セクション内に存在する場合がある様々なチューブ形状および製造上の欠陥が示されている。図16は、流体経路セクションの内腔580が側壁530と同心ではない偏心を示す。図17は、側壁530の内径および/または外径が近位から遠位の方向に先細になっている通風を示す。図18は、側壁530に塗布された表面仕上げ582を示す。本明細書に記載されたように、特定の表面仕上げは、側壁530を通過する電磁放射の集束および/または発散を操作することが意図される場合がある。しかしながら、他の表面仕上げおよび/または一貫性なく塗布された表面仕上げは、センサ読取り値ならびに気泡検出および特性識別に悪影響を及ぼす可能性がある。図19は、側壁530の内径および/または外径が真円でない楕円チューブを示す。図20は、側壁530内の断片584、例えば、製造中に与えられる基材または成形ライン内の含有物を示す。図16図20に示された特徴の各々は、流体経路セクションを通過する電磁放射を予期しない方法で挙動させる可能性があり、それは、検出器314、314’からの偽の信頼できない出力信号をもたらす可能性がある。
【0168】
いくつかの実施形態では、コントローラ900は、注入手順の前に試験測定を実行して、検出器314、314’からの出力信号に対するこれらの幾何学的特徴/欠陥の存在および潜在的な影響を確立するように構成されてもよい。コントローラ900は、試験測定の結果を使用して、検出器314、314’を較正し、かつ/または造影剤注入流体経路およびフラッシング流体経路のうちの1つもしくは両方における特徴/欠陥の影響に基づいて1つもしくは複数の補正係数を計算することができる。注入手順の間、コントローラ900は、検出器314、314’およびセンサモジュール300A、300Bからの1つまたは複数の出力信号に補正係数を適用して、製造上の特徴/欠陥を補償することができる。
【0169】
センサ読取り値に影響を及ぼす可能性があるさらなる製造上の問題は、側壁530の内径が予想値とは異なることである。これは、製造公差および/またはサードパーティ構成要素の使用によって起こる可能性がある。コントローラ900は、気泡の検出された長さを体積に変換するために内径に対応する所定の直径定数を利用することができるので、側壁530の予期しない内径は、気泡体積の計算に特に影響する可能性がある。側壁530の実際の内径が所定の直径定数と異なる場合、気泡体積の計算は不正確であり得る。いくつかの実施形態では、コントローラ900は、注入手順の前に試験測定を実行して、空の流体経路セクションの検出された屈折に基づいて側壁の外径、内径、および厚さを確立するように構成されてもよい。試験測定に基づいて、コントローラ900は、検出器314、314’からの後続の出力信号に補正係数を適用することができる。特定の実施形態では、測定誤差、ならびにその結果、検出領域を通過する気泡の体積の誤差および注入手順における総空気量の誤差を防止するために、流体経路構成要素およびマニホールドの製造中に高品質制御が行われることが重要であり得る。本明細書で述べられたように、承認された製造業者によって正しく製造されたマニホールドを使用することは、流体注入手順中の空気量誤差を防止するために重要であり得る。符号化識別子の使用は、不適切な流体経路構成要素の不注意による使用を防止するのに役立つ場合がある。
【0170】
ここで図21を参照すると、1450nmで動作するエミッタ312、312’について、コントローラ900に対する近位または遠位検出器314、314’の例示的な出力信号のグラフが示されている。図21は、異なる注入器状態、すなわち、センサ内に流体経路がない、完全に空気で満たされた流体経路、部分的に空気で満たされた流体経路、および水で満たされた流体経路に基づく、観察されたセンサ電圧(V)の差を示し、コントローラ900が、4~5ボルトの出力信号に対応する、流体経路セクションがセンサモジュール300A、300B内に配置されていない状態、約3.0ボルトの出力信号に対応する、空気で満たされた流体経路セクションがセンサモジュール300A、300B内に配置されている状態、約2.0ボルトの出力信号に対応する、部分的に空気で満たされた流体経路セクションがセンサモジュール300A、300B内に配置されている状態、および0~1ボルトの出力信号に対応する、水で満たされた流体経路セクションがセンサモジュール300A、300B内に配置されている状態を区別する能力を確立する。当業者によって理解されるように、図示されたセンサ電圧値は例示目的であり、電磁放射の波長または強度、検出器構成、管材、直径、または他の特性などを含む特定の特性に応じて変化する場合がある。しかしながら、本開示によるセンサ310、310’および流体経路構成要素の様々な実施形態は、センサ310、310’からの測定値に従って流体経路の中身に関連付けられた様々な状態を正確に区別することができる。
【0171】
検出器314、314’の出力信号は、流体経路セクションの流体の中身の変化に直ちに応答しない可能性があり、出力信号の変化は、定常状態に達する前に変動または他の矛盾した値を示す可能性があることに留意されたい。例えば、センサ310、310’の電磁放射の場に入る気泡は、最初に検出器314、314’の出力電圧のわずかな低下を引き起こし、続いて定常状態の出力電圧まで徐々に上昇する可能性がある。いくつかの実施形態では、コントローラ900は、流体経路セクションの流体の中身の変化が生じたと判定する前に、そのような変動および不一致を無視するように構成されてもよい。しかしながら、流体経路セクションを通って流れる小さい気泡は、検出器314、314’の出力信号が定常状態に達することを可能にするのに十分長い時間の間、センサ310、310’の電磁放射の場を占有しない場合がある。コントローラ900は、空気に関連付けられた予想される定常状態の出力電圧に決して到達しない場合でも、検出器314、314’の出力電圧信号の初期低下によってそのような小さい気泡を識別するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ900は、気泡に関連付けられた検出器出力電圧プロファイルを学習するために、機械学習アルゴリズムを実施するように構成されてもよい。次いで、コントローラ900は、検出器314、314’の出力信号内のこのプロファイルを識別することによって気泡の存在を識別することができる。さらに、コントローラ900は、機械学習アルゴリズムを使用して、経時的な検出器出力電圧に基づいて気泡を識別するその能力を改良することができる。
【0172】
ここで図22を参照すると、3つの異なる内径(0.122インチのシリンジキャップ「A」、0.165インチのシリンジキャップ「B」、および0.210インチのシリンジキャップ「C」)の(図12に示された)シリンジ先端16A、16Bと動作可能に関連して配置された近位または遠位検出器314、314’について、検出器314の例示的な出力信号のグラフが示されている。シリンジキャップがセンサモジュール300A、300Bと動作可能に関連していない、シリンジキャップがセンサモジュール300A、300Bと動作可能に関連し、空気で満たされている、およびシリンジキャップがセンサモジュール300A、300Bと動作可能に関連し、水で満たされているの3つの異なる状態について、シリンジキャップ「A」、「B」、および「C」の各々に対して試験が実行された。検出器314からの出力信号により、シリンジキャップの内径にかかわらず、コントローラ900がこれらの3つの状態を区別することが可能になる。3つすべてのシリンジキャップ直径について行われた測定にわたって、センサと動作可能に関連していないシリンジキャップの平均出力信号は4.110~4.111ボルトの範囲であり、空気で満たされたシリンジキャップの平均出力信号は2.120~2.665ボルトの範囲であり、水で満たされたシリンジキャップの平均出力信号は1.102~1.283ボルトの範囲であった。図22に示された試験結果の場合、エミッタ312は1450nmで動作した。
【0173】
ここで図23Aおよび図23Bを参照すると、流体注入器システム2000の少なくとも1つの流体経路セクション内を流れる流体の1つまたは複数の流体特性を特定するための方法3000についてのフロー図が示されている。ステップ3002において、注入手順が開始され、注入手順は、バルク流体容器19A、19Bからシリンジ10A、10Bを充填することと、流体経路セットをプライミングすることとを含んでもよい。ステップ3004において、注入手順は、例えば、ピストン13A、13Bに予圧をかけ、シリンジ10A、10Bを患者と流体連通させるように1つまたは複数のバルブを選択的に作動させることによって開始される。ステップ3006において、空気チェックが実行され、その中でコントローラ900は、本明細書または参照により本明細書に組み込まれる様々な特許文献に記載された手順および構成要素使用して、シリンジ10A、10B、または流体経路セット内の空気の存在を判定する。ステップ3008として、プライミングシーケンスの後に空気が検出された場合、コントローラ900はステップ3002に戻ることができ、次に注入手順を再開し、注入手順は、検出された空気をパージするために、ユーザに警告し、システム2000に再プライミングすることを含んでもよい。空気が検出されない場合、コントローラ900はステップ3010に進み、注入手順に備えてシステム2000を準備する。ステップ3012において、各流体の選択された流量および選択された体積でシリンジ10A、10Bから患者に流体を送出するようにピストン13A、13Bを作動させることによって注入手順が開始される。ステップ3012として注入を開始するのと同時に、ステップ3014において、累積総空気量を0mLに設定することによって監視手順が開始される。ステップ3016において、コントローラ900は、流体経路セクション内の気泡の前縁について近位センサ310を監視する。ステップ3018において、検出器314の出力信号が所定の閾値、例えば0.1ボルトを下回る場合、コントローラ900は、流体経路セクションに空気が存在しないと判断し、ステップ3016に戻る。検出器314の出力信号が所定の閾値、例えば0.1ボルトを上回る場合、コントローラ900は、気泡の前縁が存在すると判断し、ステップ3020において、気泡の前縁が近位センサ310によって検出された時間を記録する。次いで、ステップ3022において、コントローラ900は、気泡の前縁について遠位センサ310’を監視する。ステップ3024において、検出器314’の出力信号が所定の閾値、例えば0.1ボルトを下回る場合、コントローラ900は、気泡が遠位センサ310’に到達していないと判断し、ステップ3022に戻る。検出器314’の出力信号が所定の閾値、例えば0.1ボルトを上回る場合、コントローラ900は、気泡の前縁が遠位センサ310’に到達したと判断し、ステップ3026において、コントローラ900は、検出器314の出力信号が所定の閾値を上回る時間の記録を開始する。さらに、ステップ3028において、コントローラ900は、気泡の前縁が遠位センサ310’によって検出された時間を記録する。これらの測定値から、検出領域を通る気泡の流量は、コントローラ900によって特定されてもよい。
【0174】
ステップ3030において、コントローラ900は、ステップ3020および3028において記録されたように、近位センサ310による気泡の前縁の検出と遠位センサ310’による気泡の前縁の検出との間の時間オフセットを計算する。次いで、コントローラ900は、近位センサ310による検出と遠位センサ310’による検出との間の時間オフセットに基づいて、本明細書に記載されたように気泡の流量を計算する。ステップ3032において、検出器314’の出力信号が所定の閾値を下回ると、気泡の後縁が近位および遠位センサ310、310’の検出領域を通過したことを示し、コントローラ900は、検出器314、314’の出力信号が所定の閾値を超えた総時間を記録する。次に、ステップ3034において、コントローラ900は、ステップ3030において計算された流量、検出器314、314’の出力信号が所定の閾値を超えた総時間、ならびに流体経路セクションの圧力、断面積、および体積などの他の既知の値に基づいて、本明細書に記載されたように気泡の体積を計算する。圧力値は、流体経路セットに関連付けられた圧力トランスデューサを介してコントローラ900によって動的に提供されてもよい(ステップ3040参照)。
【0175】
ステップ3036において、コントローラ900は、ステップ3034において計算された空気量を、ステップ3014において最初に設定された総累積空気量に加算する。総累積空気が所定の安全量、例えば1mLを超える場合、コントローラ900は、所定の安全量を超える量の空気の注入を防止するために、ユーザに警告し、かつ/または注入手順を自動的に停止することができる。ステップ3038において、コントローラ900は、近位センサ310および遠位センサ310’の両方が、所定の時間期間、例えば0.5秒よりも長い間、同時に所定の出力信号閾値(例えば0.1ボルト)を超えたかどうかを判定する。そうである場合、コントローラ900は、第1の気泡が遠位センサ310’を通過する前に第2の気泡が近位センサ310の検出範囲にすでに入っていると判断する。コントローラ900は、第2の気泡が第1の気泡と同じ速度で移動しており、気泡が時間的に近接している(例えば、互いの所定の時間期間、例えば0.5秒以内)と想定することができる。そのため、コントローラ900はステップ3022に戻り、第2の気泡の前縁について遠位センサ310’を監視する。そうでない場合、コントローラ900はステップ3016に戻り、後続の気泡の前縁について近位センサ310の監視を開始する。
【0176】
次いで、注入手順はステップ3040に続き、コントローラ900による監視が継続される。コントローラ900はまた、ステップ3034-流体経路セクション内の気泡の体積を計算する将来の反復で使用する様々なセンサを使用してデータを収集する。例えば、コントローラ900は、流体経路セットに関連付けられた圧力トランスデューサを介して流体経路セクション内の圧力を特定することができる。
【0177】
いくつかの実施形態では、コントローラ900は、所定の間隔で、例えば200~500ミリ秒ごとに検出された総空気量を集計するように構成されてもよい。気泡の前縁がすでに患者に到達するまで(ステップ3032において)その気泡の後縁を示す電圧降下をコントローラ900が検出しないほど、気泡が非常に大きい可能性があるので、この確認は大きい気泡が患者に到達するのを防止するために使用することができる。この問題を回避するために、所定の間隔でのチェックは、コントローラが注入を停止するために是正措置をとる前に、気泡全体がセンサ310、310’を完全に通過する必要がないことを保証する。
【0178】
本発明の様々な例が前述の説明において提供されたが、当業者は、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく、これらの例に対して修正および変更を行うことができる。したがって、前述の説明は、限定的ではなく例示的であることが意図される。上述された開示は、添付特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内に入る本開示に対するすべての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【符号の説明】
【0179】
10A 第1のシリンジ、流体貯留層
10B 第2のシリンジ、流体貯留層
11 グラフィカルユーザインターフェース(GUI)
12 流体注入器
13A 第1のピストン
13B 第2のピストン
14A プランジャ
14B プランジャ
16A シリンジ先端
16B シリンジ先端、先端またはノズル
19A 第1のバルク流体容器、バルク貯留層、バルク流体源
19B 第2のバルク流体容器、バルク流体源
110 カテーテル
208A 第1のシリンジライン
208B 第2のシリンジライン
210A 第1の患者ライン
210B 第2の患者ライン
216A 第1の充填ライン
216B 第2の充填ライン
220 マニホールドハウジングモジュール、マニホールドハウジングブロック
222 受け入れチャネル
224 光学面
280 リーダ
300 センサモジュール
300A 第1のセンサモジュール
300B 第2のセンサモジュール
310 近位センサ
310’ 遠位センサ
310’’ 追加のセンサ
312 電磁放射エミッタ
312’ エミッタ
312’’ エミッタ
313 反射器
313’ 反射器
314 近位検出器
314’ 遠位検出器
314’’ 検出器
317 基準検出器、45°検出器
317’ 基準検出器、45°検出器
318 光学フィルタ
318’ 光学フィルタ
318’’ 光学フィルタ
350 コリメート開口
352 コリメート開口
400 気泡
500 単一の注入流体注入手順マニホールド
502 第1のマニホールドセクション
504 第2のマニホールドセクション
506 第1の流体経路セクション
508 第2の流体経路セクション
510 第1の入口ポート
512 第1の出口ポート
514 第1の充填ポート
516 逆止弁
520 第2の入口ポート
522 第2の出口ポート
524 第2の充填ポート
526 逆止弁
530 側壁
532 側壁
540 リブ
550 接続ビーム
570 流体経路セクション
580 符号化識別子、内腔
582 表面仕上げ
584 断片
600 マニホールド
606 流体経路セクション
610 入口ポート
612 出口ポート
614 充填ポート
630 側壁
900 コントローラ
2000 二重シリンジ流体注入器システム
ER 入射電磁放射
F 注入流体、医療用流体
G ギャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20
図21
図22
図23A
図23B
図24
図25
【国際調査報告】