(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/511 20060101AFI20240219BHJP
A61F 13/514 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
A61F13/511 500
A61F13/514 400
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552265
(86)(22)【出願日】2022-03-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 US2022019232
(87)【国際公開番号】W WO2022192172
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】エマ、リン、サルティニ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ、ジョーン、ラマシャンドラン
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200BA08
3B200BB13
3B200DC10
3B200DD09
(57)【要約】
使い捨て吸収性物品が記載されている。使い捨て吸収性物品は、トップシート、バックシート、及びそれらの間に配設された吸収系を有する。吸収系は、吸収性コアの両側に長手方向側縁部及び吸収性コアの両側に端縁部を有する吸収性コアを有する。吸収性コアは、吸収性コアゾーン内に配設されている。吸収性物品は、トップシートの一部分及びバックシートの一部分によって少なくとも部分的に形成された外側周辺部、及び外側周辺部を含む外側境界ゾーンも有する。吸収性物品は、吸収性物品の後部分において外側境界ゾーンと吸収性コアゾーンとの間に配設された内側境界ゾーンも有する。吸収性コアゾーンと内側境界ゾーンとの間、並びに吸収性コアゾーンと外側境界ゾーンとの間には可視的差異が存在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸と、前記長手方向軸に対して垂直に配設された横方向軸と、前部分と、後部分と、前記前部分と前記後部分との間に配設された中央部分と、を有する使い捨て吸収性物品であって、
トップシートと、
バックシートと、
前記トップシートと前記バックシートとの間に配設された吸収系であって、前記吸収系が吸収性コアを備え、前記吸収性コアが前記吸収性コアの両側に長手方向側縁部及び前記吸収性コアの両側に端縁部を有し、前記吸収性コアが吸収性コアゾーン内に配設されており、前記吸収性コアゾーンが第1のL
*値を呈する、吸収系と、
前記トップシートの一部分及び前記バックシートの一部分によって少なくとも部分的に形成された外側周辺部と、
前記外側周辺部を含む外側境界ゾーンであって、30mm未満の幅を有し、89未満の第2のL
*値を呈する、外側境界ゾーンと、
前記後部分において前記外側境界ゾーンと前記吸収性コアゾーンとの間に配設された内側境界ゾーンであって、前記第2のL
*値よりも大きい第3のL
*値を呈する、内側境界ゾーンと、を更に備え、
前記吸収性コアゾーンと前記内側境界ゾーンとの間に知覚可能な視覚的差異が存在するように、前記第1のL
*値が前記第2のL
*値及び前記第3のL
*値よりも大きい、使い捨て吸収性物品。
【請求項2】
前記第2のL
*値が、約50~89である、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第3のL
*値が、約60~94である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアゾーンと前記内側境界ゾーンとの間の第1のデルタE
*値が、4超、より好ましくは7超、又は最も好ましくは9超である、請求項1~3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記内側境界ゾーンと前記外側境界ゾーンとの間の第2のデルタE
*値が、4超、より好ましくは6超、又は最も好ましくは8超である、請求項1~4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記第1のデルタE
*が、前記第2のデルタE
*値未満である、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
着色剤が前記トップシートの表面上に配設されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
着色剤が前記バックシートの表面上に配設されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記トップシートが、53未満、より好ましくは51未満、又は最も好ましくは47未満の不透明度を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記トップシートが不織布材料を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記バックシートが着色剤を含み、前記着色剤が前記吸収性コアゾーンの両側に配設されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
第1の着色剤部分が前記吸収性コアゾーンの第1の側に配設されており、第2の着色剤部分が前記吸収性コアゾーンの第2の側に配設されている、請求項11に記載の吸収性物品。
【請求項13】
前記トップシートと前記吸収性コアとの間又は前記吸収性コアと前記バックシートとの間に配設された任意選択の層を更に備え、前記任意選択の層が、前記吸収性コアゾーン及び前記内側境界ゾーン内に配設されているが、前記外側境界ゾーン内には配設されていない、請求項1~12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項14】
前記任意選択の層が、捕捉/分配層、又は捕捉層及び別個の分配層を含む、請求項13に記載の吸収性物品。
【請求項15】
前記任意選択の層が、前記後部分及び前記中央部分内に配設されているが、前記前部分内には配設されていない支持層を含む、請求項13に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザに対して視覚的合図を作り出すためのカラープロファイルを有する使い捨て吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
女性用衛生パッドなどの使い捨て吸収性物品は、かなり以前から利用されている。これらの吸収性物品は、液体放出物、すなわち、身体滲出物を吸収するために利用される。概して、かかる吸収性物品は、トップシート、バックシート、及びトップシートとバックシートとの間に配設された吸収性コアを備える。
【0003】
身体滲出物を吸収するように設計された多種多様な吸収性物品が存在する。これらの吸収性物品は、月経パッド又は成人用失禁パッドに焦点を当てた場合だけでも、多くの形状及びサイズで提供される。それらの吸収能力は、非常に大きい範囲で変化する。したがって、ユーザが吸収性物品を利用することができる時間は、物品の吸収容量に大きく依存する。
【0004】
追加的な複雑化の要因は、吸収性物品に排泄される液体の量である。一例として、月経中、排泄量は、日毎に一定ではない。したがって、吸収性物品が1日目に持続した時間量は、吸収性物品が月経周期の4日目に持続した時間量とは全く異なる場合がある。成人用失禁パッドについても同様である。これらのパッドが容量に達するまでの時間は、パッドへの液体放出物の量に応じて大きく変化し得る。
【0005】
月経パッド及び成人用失禁パッドを含む、女性用衛生パッドを適時に交換することは、漏れを防止するのに役立ち得る。下着内へのパッドの配置も同様に重要である。位置ずれしたパッドは、パッドがその完全な吸収能力に達する前であっても漏れの問題を引き起こす可能性がある。これは、ユーザをいらいらさせるだけでなく、かなりの困惑を引き起こす可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に基づいて、必要とされるものは、容量及び配置の両方に関する視覚的合図をユーザに提供する吸収性物品である。追加的に、かかる物品を製造する複雑性において過度に複雑にならないように、簡略化された様式でかかる合図を提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従って構成された使い捨て吸収性物品は、長手方向軸と、長手方向軸に対して垂直に配設された横方向軸と、前部分と、後部分と、前部分と後部分との間に配設された中央部分と、を備える。ある特定の実施例では、使い捨て吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収系であって、吸収系が吸収性コアを備え、吸収性コアが吸収性コアの両側に長手方向側縁部及び吸収性コアの両側に端縁部を有し、吸収性コアが吸収性コアゾーン内に配設されており、吸収性コアゾーンが第1のL*値を呈する、吸収系と、トップシートの一部分及びバックシートの一部分によって少なくとも部分的に形成された外側周辺部と、外側周辺部を含む外側境界ゾーンであって、30mm未満の幅を有し、89未満の第2のL*値を呈する、外側境界ゾーンと、後部分において外側境界ゾーンと吸収性コアゾーンとの間に配設された内側境界ゾーンであって、第2のL*値よりも大きい第3のL*値を呈する、内側境界ゾーンと、を更に備え得、第1のL*値は、吸収性コアゾーンと内側境界ゾーンとの間に知覚可能な視覚的差異が存在するように、第2のL*値及び第3のL*値よりも大きい。
【0008】
別の例では、使い捨て吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収系であって、吸収系が吸収性コアを備え、吸収性コアが吸収性コアの両側に長手方向側縁部及び吸収性コアの両側に端縁部を有し、吸収性コアが吸収性コアゾーン内に配設されている、吸収系と、トップシートの一部分及びバックシートの一部分によって少なくとも部分的に形成された外側周辺部と、外側周辺部を含む外側境界ゾーンであって、30mm未満の幅を有する、外側境界ゾーンと、後部分において外側境界ゾーンと吸収性コアゾーンとの間に配設された内側境界ゾーンと、を更に備え得、吸収性コアゾーンと内側境界ゾーンとの間の第1のデルタE*は、4超、より好ましくは7超、又は最も好ましくは9超である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】吸収性物品の着用者に面する表面を示す吸収性物品の図面であり、吸収性物品は、本開示に従って構成される。
【
図1B】
図1Aの線1B-1Bに沿って取得された吸収性物品の断面である。
【
図1C】
図1Aの線1C-1Cに沿って取得された吸収性物品の断面である。
【
図2】吸収性物品の衣類に面する表面を示す、
図1Aの吸収性物品の図面である。
【
図3】
図1Aの吸収性物品の衣類に面する表面上に示される印刷部分の概略表現である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で使用する場合、「吸収性物品」という用語は、排泄物を吸収し収容するデバイスを指し、より具体的には、着用者の身体に当てて又は着用者の身体に近接して配置されて、身体から排泄された様々な排泄物を吸収して収容するデバイスを指す。本開示の吸収性物品には、限定されるものではないが、おむつ、成人用失禁ブリーフ、トレーニングパンツ、おむつホルダ、月経パッド、失禁用パッド、ライナ、吸収性インサート、パンティライナ、タンポン、及び同様のものが挙げられる。
【0011】
本開示の吸収性物品は、吸収性物品内の吸収性コアの強調された縁部に沿った配置ガイドをユーザに提供する。配置ガイドは、下着上の吸収性物品の位置決めに関するインプットをユーザに提供する。下着上への物品の正しい配置は、漏れの可能性を低減させる。また、吸収性コアの強調された縁部は、ユーザに対する容量の合図として機能することができる。容量の合図は、パッドが容量を使い果たしており、交換されるべきときにユーザに信号を提供することができる。配置ガイドと同様に、この特徴はまた、漏れの可能性を低減させる。
【0012】
本開示の吸収性物品は、トップシートと、バックシートと、トップシートとバックシートとの間に配設された吸収系と、を含む。本開示の吸収性物品は、長手方向軸及び長手方向軸に対して略垂直に延在する横方向軸を更に備える。追加的に、本開示の吸収性物品は、前部分、後部分、及び前部分と後部分との間に配設された中央部分を含む。前部分、後部分、及び中央部分の各々は、吸収性物品の全長の約3分の1を含む。
【0013】
吸収性物品は、外側周辺部又は外側縁部を備える。外側周辺部は、長手方向及び横方向の両方の吸収性物品の範囲を画定する。外側周辺部は、典型的には、トップシートがバックシートに接合される吸収性物品の外側縁部を含む。トップシートは、接着剤、ヒートシールなど、又はこれらの組み合わせを含む、任意の好適な様式でバックシートに接合され得る。
【0014】
これまで言及されたように、吸収系は、トップシートとバックシートとの間に配設される。吸収性コアを備えることに加えて、吸収系は、追加の任意選択の層を更に備え得る。例えば、捕捉/分配層は、トップシートとバックシートとの間に提供され得る。別の例として、トップシートからの液体放出物を迅速に捕捉する層が、トップシートと吸収性コアとの間に提供され得、一方で、別個の一次分配層が、捕捉層と吸収性コアとの間に提供され得る。更に別の例として、二次分配層が、吸収性コアとバックシートとの間に提供され得る。この二次分配層は、捕捉/分配層に加えて、又は一次捕捉層及び分配層に加えて提供され得る。
【0015】
本開示の吸収性物品の容量及び配置の合図を提供するために、1つ以上の着色剤が利用され得る。例えば、容量の合図は、吸収性物品の着用者に面する側から可視である第1の着色剤を含み得る。別の例として、配置の合図は、物品の衣類に面する側から可視である第2の着色剤を含み得る。第1の着色剤は、トップシートにより近接する吸収性物品の層上に提供され得る。一例として、吸収性コアの長手方向側縁部及び/又は横方向端縁部を強調するために、バックシート、吸収性コアとバックシートとの間の1つ以上の層、及び/又はトップシートと吸収性コアとの間の1つ以上の層は、着色剤を含み得る。
【0016】
第2の着色剤は、バックシートにより近接する吸収性物品の層上に提供され得る。一例として、第2の着色剤は、バックシート及び/若しくは二次分配層の着用者に面する表面並びに/又は衣類に面する表面上に提供され得る。
【0017】
第1の着色剤及び第2の着色剤は、これまで説明されたように提供され得るが、かかる着色剤の適用は、印刷を含む2つの別個の層が存在するという点で製造の複雑性を作り出す可能性があり、これは、提供される着色剤の量に起因してコストの増加を意味する可能性がある。しかしながら、吸収性物品の1つ以上の層と関連付けられた着色剤が、容量の合図並びに配置の合図の両方に適合させるように利用され得る形態が企図される。
【0018】
この簡略化された形態を更に理解するために、吸収性物品のゾーンに関するいくつかの情報が考察されなければならない。本開示の吸収性物品は、複数のゾーンを含む。一次ゾーンのうちの1つは、吸収性コアゾーンである。吸収性コアゾーンは、吸収性コアの長手方向側縁部及び端縁部によって画定される。吸収性コアゾーンは、吸収性コアに重なり、吸収性コアの長手方向側縁部及び横方向端縁部の境界内にある吸収性物品の全ての層の部分を含む。
【0019】
本開示の吸収性物品は、同様に、外側境界ゾーン及び内側境界ゾーンを備える。外側境界ゾーンは、吸収性物品の外側周辺部を含み、その内側に延在する。例えば、外側境界ゾーンは、外側周辺部の内側約30mm以下まで延在することができる。1つの具体的な例では、外側境界ゾーンは、吸収性物品の後部分における吸収性物品の周辺部を含み得る。追加的に、外側境界ゾーンは、吸収性物品の中央領域における周辺部又は周辺部の一部分を含み得る。
【0020】
外側境界ゾーンは、吸収性物品の複数の層を含み得る。一例として、外側境界ゾーンは、トップシート及びバックシートを含み得る。外側境界ゾーンは、捕捉/分配層、一次分配層、及び/又は二次分配層を含み得る。
【0021】
内側境界ゾーンは、外側境界ゾーンと吸収性コアゾーンとの間に配設される。内側境界ゾーンは、吸収性コアを除いて、内側境界ゾーン内の吸収性物品の全ての層の一部分を含む。外側境界ゾーンと同様に、内側境界ゾーンは、トップシート及びバックシートを含み得、追加的に、捕捉/分配層、一次分配層、及び/又は二次分配層を含み得る。内側境界ゾーンは、主に吸収性物品の後部分に提供され得る。例えば、内側境界ゾーンは、吸収性物品の中央部分及び/又は前部分よりも吸収性物品の後部分において、より大きい範囲、例えば、より大きい表面積を有し得る。
【0022】
これまで言及された吸収性物品の層に加えて、又はそれとは独立して、別の層が提供され得る。例えば、支持層は、吸収性コアとバックシートとの間、又はトップシートとバックシートとの間に配設され得る。支持層は、任意の好適な材料、例えば、不織布、フィルム、又はこれらの組み合わせであり得る。支持層は、夜間使用するように設計されたパッドにおいて特に有用であり得る。
【0023】
支持層は、吸収性コアゾーン、内側境界ゾーン、及び任意選択的に、外側境界ゾーン内に部分的に配設され得る。追加的に、支持層は、後部分において、潜在的に、中央部分において部分的に配設され得る。いくつかの形態では、支持層は、前部分に存在しない可能性がある。支持層及び夜間用パッドは、Munakataらに発行された、米国特許第8,715,258(B2)号に更に詳細に記載されている。
【0024】
吸収性物品のゾーンの理解と共に、ここで、容量及び配置の合図を提供するための着色剤の使用に戻る。前述したように、1つ以上の層と関連付けられた着色剤は、容量の合図及び配置の合図の両方を提供することができる。しかしながら、着色剤の配置は、両方の合図に適応させるために重要である。例えば、吸収性コアゾーン内、例えば、吸収性コアとバックシートとの間に配設される、すなわち、衣類に面する表面から視認可能である着色剤は、配置の合図として十分であり得るが、容量の合図を提供するための吸収性コアの縁部を十分に強調しない場合がある。同様に、物品の着用者に面する表面から視認可能な吸収性コアゾーン内に提供される着色剤は、コアの縁部を十分に強調し得るが、吸収性物品の衣類に面する表面からは可視ではない可能性がある。
【0025】
概して、吸収性コアは、不透明であり、吸収性コアの一方の側に配設された着色剤を反対側で視認することを可能にしない。そのため、本開示の吸収性物品では、着色剤は、内側境界ゾーン及び外側境界ゾーン内に提供され得る。内側境界ゾーン内に提供される着色剤は、容量の合図及び配置の合図の両方を提供することができる。2つ以上の着色剤が配置及び/又は容量の合図のために利用され得ることもまた留意に値する。
【0026】
着色剤が着用者に面する表面又は衣類に面する表面から視認されるためには、内側境界ゾーン及び/又は外側境界ゾーン内の材料は、それらが過度に不透明でなく、着色剤の視認を妨げないように選択されるべきである。一例として、いくつかのトップシート材料が、合図、具体的には、容量の合図の知覚に対する不透明度の影響を理解するために試験された。試験した試料のデータを、以下の表1に提供する。
【0027】
【0028】
試料1は、1.5パーセントの二酸化チタンを有するポリエチレン(polyethylene、PE)/ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)である、2デニールを有する100パーセントのバイコ繊維を含むカード不織布材料であった。
【0029】
試料2は、1.5パーセントの二酸化チタンを有するポリプロピレン(polypropylene、PP)及びPEである100パーセントのバイコ繊維を含む不織布材料であった。
【0030】
試料3は、1.5パーセントの二酸化チタンを有するPE及びPETの1.5デニールのバイコ繊維を含む不織布材料であった。
【0031】
試料4は、1.5パーセントの二酸化チタンを有するPE及びPETの2デニールのバイコ繊維を有する不織布であった。
【0032】
試料5及び6は、1.5パーセントの二酸化チタンを有する、PE/PETの3デニールのスパイラルバイコ繊維及びPE/PETの2デニールのバイコ繊維を有する不織布であった。
【0033】
試料7は、1.5パーセントの二酸化チタンを有する、PE/PETの2.5デニールのバイコ繊維及びPE/PETの2デニールのバイコ繊維を有する不織布材料であった。
【0034】
試料8は、1.5パーセントの二酸化チタンを有する、PE/PETの2.5デニールのスパイラルバイコ繊維及びPE/PETの2デニールのバイコ繊維を有する不織布材料であった。
【0035】
試料9は、1.5パーセントの二酸化チタンを有する、ポリエチレン(PE)/ポリエチレンテレフタレート(PET)である、2デニールを有する100パーセントバイコ繊維を含む不織布材料であった。試料9は、試料1と同様の材料構成を有していたが、試料9は、フローラルパターンであった開口パターンを含む。
【0036】
「合格」のスコアを達成した材料に関して、表1に明示されるものと同様の不透明度を有する限り、フィルムトップシートもまた利用され得ることは留意に値する。「合格」のスコアは、基礎となる着色剤がユーザによって視認されることを可能にする材料の能力に焦点を当てた主観的測定基準である。そのため、「不合格」のスコアを受けた材料については、それらの不透明度が高すぎて、吸収性コアの縁部を十分に強調することができないと判定された。
【0037】
表1に示される坪量は、公称(目標坪量)であるが、実際の坪量は、目標坪量の±5パーセント以内であると考えられる。表1のデータに基づいて、本発明者らは、トップシートは、容量の合図に対する十分な可視性を満たすために、35gsm以下の坪量を有するべきであると考える。トップシートは、35gsm以下、より好ましくは30gsm以下、又は最も好ましくは27gsm以下(具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を列挙する)の坪量を有し得る。
【0038】
本開示のトップシートは、53未満、より好ましくは51未満、又は最も好ましくは47未満(具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を列挙する)の不透明度を有することができる。理論的には、非常に低い不透明度は、これまでに言及された合図の可視化を容易にする傾向があるが、非常に低い不透明度を有するトップシートはまた、液体放出物によって引き起こされる染みをより鮮明に示す傾向がある。これは、一部のユーザにとって、特に液体放出が月経である場合に、非常に気掛かりとなり得る。そのため、本開示のトップシートは、合図の可視化を可能にするだけでなく、吸収性物品への液体放出によって引き起こされる染みを十分に隠すために十分なレベルの不透明度を有するべきである。この点を念頭に置いて、本開示のトップシートは、約20~約53、より好ましくは約23~約51、又は最も好ましくは約25~約47(具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を列挙する)の不透明度を有することができる。
【0039】
更に、前述の不透明度の値は、吸収性物品の複数の層に同様に適用され得ると考えられる。例えば、支持層がトップシートと吸収性コアとの間に配設されており、かつ着色剤がバックシート上に配設される場合、支持層及びトップシートは、集合的に、これまでに説明された不透明度範囲内であり得る。着色剤がバックシートの着用者に面する表面上に配設されるこの同じ例では、バックシートは、配置の合図がユーザに容易に可視であるように、本明細書において考察される同様の不透明度値を有し得る。着色剤が吸収性物品の衣類に面する表面上に配設される更に別の例では、バックシート、トップシートとバックシートとの間の任意選択の層、及びトップシートの集合的な不透明度は、本明細書において説明される不透明度値を有することができる。このような構造体では、前述したように、トップシートの不透明度が任意選択の層の不透明度並びにバックシートの不透明度よりも高くなるようにトップシートを選択することが有益であり得る。あるいは代替的に、トップシート及びバックシートは、それらの不透明度が同様である一方で、トップシートとバックシートとの間の任意選択の層がトップシート又はバックシートのいずれかの不透明度よりも低い不透明度を有するように選択され得る。より高い不透明度のトップシート及び/又はバックシートの選択は、パッド内の染みを隠すことに役立ち得る。
【0040】
トップシート及び上で説明されたように選択された任意の他の介在層により、吸収性コアゾーン、内側境界ゾーン、及び外側境界ゾーンは、別個の視覚的外観を有し得る。これらの別個の視覚的外観は、本明細書において考察される合図を設定する。吸収性コアゾーン、内側境界ゾーン、及び外側境界ゾーンの間の視覚的な外観における差は、本明細書において、ハンターカラースケールの文脈内で説明される。ハンターカラースケールでは、いくつかの値が測定される。試料の明度又は暗度は、L*として測定される。L*のより高い値は、より明るい色を示し、一方でより低い値は、より暗い色を示す。試料の赤対緑は、a*として測定される。正の数は、赤を示し、負の数は、緑を示す。試料の黄対青は、b*として測定される。正の数は、黄を示し、負の数は、青を示す。色空間における2つの色の間の距離は、デルタE*又はΔE*として表示される。使い捨て吸収性物品に関連して、試料間の可視的差異は、ΔE*が2という低い値で発生すると考えられる。デルタE*は、本明細書の「試験方法」のセクション内で更に詳細に考察される。
【0041】
吸収性コアゾーンは、概して、背景色、例えば、白を含む。そのため、内側境界ゾーンは、対照的な色、例えば、a*、b*、L*、又はデルタE*における差を含むべきである。同様に、合図の作成を単純化するために、外側境界ゾーンは、内側境界ゾーン及び吸収性コアゾーンの色値と対照的な色値を有することができる。例えば、吸収性コアは、第1のL*値を呈し得、外側境界ゾーンは、第2のL*値を呈し得、及び内側境界ゾーンは、第3のL*値を呈し得る。第2のL*値は、約89未満であり得る。また、第3のL*値は、第2のL*値よりも大きくなり得、第1のL*値は、第2のL*値よりも大きくなり得る。
【0042】
前述したように、吸収性コアゾーンは、典型的には、背景色、例えば、白を含む。そのため、第1のL*値は、典型的には、かなり高くなり得る。一例として、第1のL*値は、約94超又は94~97であり得る。第1のL*値は、94より低い可能性があるが、かかる構造では、第3のL*値は、内側境界ゾーンが、吸収性コアゾーンから視覚的に区別されることを確実とするために、第1のL*値よりも少なくとも4だけ低くなければならないことに留意されたい。吸収性コアゾーンと内側境界ゾーンとの間のL*値における差は、吸収性コアの縁部が、本明細書において説明されるように、視覚的な容量の合図を提供するのに十分に強調されることを確実とすることができる。
【0043】
内側境界ゾーンは、第1のL*値よりも低く、第2のL*値よりも大きい第3のL*値を含む。第3のL*値は、60~94、より好ましくは約65~約92、又は最も好ましくは約70~約90であり得る。
【0044】
外側境界ゾーンは、第1のL*値及び第2のL*値の両方よりも低い第2のL*値を含む。第2のL*値は、約50~約91、より好ましくは約50~約89、又は最も好ましくは約50~約83であり得る。
【0045】
前述したように、L*値における差と組み合わせて、吸収性コアゾーン、内側境界ゾーン、及び外側境界ゾーンは、緑-赤測定値及び黄-青測定値における差も同様に含み得る。一例として、吸収性コアゾーンと内側境界ゾーンとの間の第1のデルタE*値は、4以上、より好ましくは7以上、又は最も好ましくは9以上であり得、具体的にはこの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を列挙する。例えば、第1のデルタE*は、約4~約18、又はより好ましくは約4~約15、又は最も好ましくは約4~約13(具体的にはこれらの範囲内の全ての値及びそれによって作り出される任意の範囲を列挙する)であり得る。
【0046】
同様に、内側境界ゾーンと外側境界ゾーンとの間の第2のデルタE*は、4超、より好ましくは6超、又は最も好ましくは8超であり得る。第1のデルタE*は、第2のデルタE*未満であり得る。対照的に、いくつかの形態では、第1のデルタE*は、第2のデルタE*より大きくてもよい。本開示に従って構成された例示的な吸収性物品を作り出し、本開示に従わない吸収性物品と比較した。結果を以下の表2に提供する。
【0047】
【0048】
以下の表3は、試料物品上の様々な場所の間のL*、a*、b*、C*、並びにΔE*の差を示す。
【0049】
【0050】
試料1及び2は、本開示に従って構築され、試料3はそうではなかった。試料1~3の各々は、24gsmのトップシート及びフィルムバックシートを含んだ。フィルムバックシートの間には、50gsmのスパンレース二次トップシート及び69gsmの坪量を有するエアレイド吸収性コアがあった。試料1及び2のバックシートは、試料3のバックシートよりも高い坪量の着色剤を含んでいた。
【0051】
本明細書において説明される合図を作り出すために利用される着色剤は、吸収性物品の任意の好適な層又は層の組み合わせ上に提供され得る。追加的に、着色剤を利用して、着用者に面する表面及び/又は衣類に面する表面上に他の視覚的合図を提供してもよい。例として、トップシート、又はトップシートの下にある層は、着色剤を含み得る。例えば、トップシートは、その下側に着色剤を含み得る。それと組み合わせて、又はそれとは独立して、トップシートの下層は、着色剤を含み得る。
【0052】
1つの具体的な例では、バックシートは、着色剤を含み得る。この着色剤は、バックシートの着用者に面する側及び/又はバックシートの衣類に面する表面上に配設され得る。配置の合図を提供するために、バックシート上の着色剤は、第1の部分及び第2の部分に提供され得る。着色剤の第1の部分は、吸収性コアゾーンの第1の側に配設され得、一方で着色剤の第2の部分は、第1の側とは反対側の吸収性コアゾーンの第2の側に配設され得る。第1の部分と第2の部分との間に存在する空間(吸収性コアゾーン)は、着色剤を欠いていてもよく、第1の部分及び/若しくは第2の部分よりも低い坪量の着色剤を有し得、並びに/又は第1の部分及び/若しくは第2の部分の色とは対照的な色を有し得る。
【0053】
第1の部分と第2の部分との間の空間は、概して、長手方向に延在し、吸収性物品の全長に延在し得るか、又は吸収性物品の全長より短くなり得る。一例として、空間は、吸収性物品の全長の少なくとも50パーセント、より好ましくは少なくとも75パーセント、又は最も好ましくは少なくとも85パーセントである長さを有し得る。1つの具体的な例では、第1の部分と第2の部分との間の空間は、吸収性物品の全長に延在し得る。吸収性コア及び吸収性コアゾーンの位置合わせに適応するために、着色剤の第1の部分及び/又は着色剤の第2の部分の内側縁部は、波形、正弦曲線、又は繰り返し要素の湾曲設計を有する任意の他の形状を含み得る。製造中、吸収性コア、したがって、吸収性コアゾーンの配置は、第1の部分及び第2の部分に対して、機械直交方向(横方向)におけるウェブトラッキングに起因して製品毎にシフトし得る。第1の部分及び第2の部分の内側縁部の形状は、吸収性コアゾーンのこのシフトに適応することができる。しかしながら、重要なことは、湾曲した設計の頂部の振幅(高さ)、並びに湾曲した設計の頻度(cm当たりの頂部)である。頂部の高さが大きすぎる場合、第1の部分及び/又は第2の部分内に配設された着色剤は、ギザギザかつ不自然に見える可能性がある。頂部の高さが低すぎる場合、湾曲した設計は、吸収性コアゾーンの場所の変動性に適応しない場合がある。
【0054】
上記は、以下の図において更に説明される。
図1A~
図2に示されるように、吸収性物品10は、長手方向中心線「L」、及び長手方向中心線Lに対して略垂直である横中心線「T」を備える。また、前述したように、吸収性物品10は、前部分100と、後部分110と、前部分100と後部分110との間に配設された中央部分105と、を備える。
【0055】
吸収性物品10は、トップシート20、任意選択の層30、吸収性コア40、及びバックシート50を更に備える。任意選択の層30は、捕捉/分配層、別個の捕捉層及び一次分配層、及び/又は支持層を含み得ることを想起されたい。追加的に、任意選択の層30は、トップシート20と吸収性コア40との間に図示されるが、バックシート50と吸収性コア40との間に配設されてもよい。かかる形態では、任意選択の層は、二次分配層及び/又は支持層を含み得る。トップシート20と吸収性コア40との間、並びに吸収性コア40とバックシート50との間に任意選択の層が提供される形態も企図される。
【0056】
追加的に、吸収性物品10は、吸収性物品の両側に一次的な対のウイング80を備え得る。示されるように、トップシート20及びバックシート50は、横方向外向きに延在し、一次的なウイング80の少なくとも一部分を形成し得る。しかしながら、一次的なウイング80は、別個の材料から同様に形成されてもよい。一例として、別個の不織布材料は、トップシート20及び/若しくはバックシート50に接合され得るか、又はトップシート20とバックシート50との間のどこかに取り付けられ、そこから外向きに延在して、一次的なウイング80を形成し得る。トップシート20及び/又はバックシート50に沿って別個の材料が一緒に接合されて、一次的な対のウイング80を形成する形態もまた企図される。
【0057】
図1Bに具体的に示されるように、任意選択の層30は、吸収性コア40と横方向に同一の広がりを有し得る。これは、特に、前部分100及び中央部分105の少なくとも一部の場合であり得る。しかしながら、
図1Cに示されるように、任意選択の層30は、特に後部分110において、吸収性コア40の長手方向側縁部40A及び40Bの横方向外側に延在し得る。長手方向側縁部40A及び40Bを越えて横方向に延在する任意選択の層30の部分は、内側境界ゾーン160内に配設される。注意すべきこととして、任意選択の層30は、利用可能ないくつかの選択肢のうちの1つである。提供される他の選択肢は、任意選択の層30の横方向範囲に関して、
図1Cに示されるものと同様の構成を有し得、本明細書において説明されるように構成され得る。
【0058】
図1B及び
図1Cに示される構成に基づいて、内側境界ゾーン160は、主に後部分110内に、わずかに中央部分105内に配設され得る。また、示されるように、前領域100は、内側境界ゾーン160を含まなくてもよい。このタイプの構成は、夜間着用することが意図される吸収性物品において特に有益であり得る。一例として、夜間用パッドは、典型的には、その日常使用の対応物よりもはるかに長い長さを有する。夜間、特に就寝中に使用されるとき、パッドへの液体放出物は、物品の後部分に向かって流れる傾向がある。そのため、より長い長さの夜間用パッドは、これらの液体放出物に対処するための追加の容量を提供すると考えられる。これは、後部分における容量の合図(吸収性コアの縁部を強調する)を非常に有用にする。
【0059】
再び
図1A~
図2を参照すると、外側周辺部95は、トップシート20及びバックシート50が互いに接合される場所に配設される。外側境界ゾーン150は、外側周辺部95を含み、吸収性物品に向かって内側に延在する。吸収性コアゾーン140は、吸収性コア40によって画定され、長手方向側縁部40A及び40B、並びに吸収性コア40の端縁部によって境界付けされる。
【0060】
外側境界ゾーン150と吸収性コアゾーン140との間には、内側境界ゾーン160が配設されている。示されるように、内側境界ゾーン160は、吸収性コアゾーン140から横方向外向きに延在する二次的な対のウイング90の一部分を形成し得る。二次的な対のウイング90が夜間用パッドの典型であることは留意に値する。そのため、夜間用パッドではない吸収性物品の場合、二次的な対のウイング90は、任意選択である。
【0061】
ここで
図2を参照すると、本明細書で言及される合図に適応するために、バックシート50は、着色剤を含み得る。示されるように、バックシート50は、第1の着色剤部分200及び第2の着色剤部分250を備え得る。第1の着色剤部分200及び第2の着色剤部分250は、吸収性コアゾーン140の両側に配設され得る。
【0062】
第1の着色剤部分200及び第2の着色剤部分250の各々は、吸収性コアゾーン140から横方向外向きに延在する。追加的に、第1の着色剤部分200及び第2の着色剤部分250の各々は、それぞれ、内側縁部201及び251を含む。これまでに考察されたように、内側縁部は、波形状を含む。内側縁部201及び251の波形状は、吸収性コアゾーン140の場所の変動性に適応することができる。
【0063】
第1の部分及び/又は第2の部分の湾曲した設計に関して、
図3を参照されたい。1つの具体的な例では、湾曲設計は、頂部の高さ315の2倍以上である、基部の幅305を含み得る。追加的に、湾曲設計の縁部は、湾曲設計が、吸収性コアの長手方向側縁部、例えば、40Aから、総配置変動から基部の幅の25パーセントを引いたものに等しい量だけオフセットされるとき、吸収性コア配置の変動に合わせることができる。
【0064】
吸収性物品の具体的な構成要素に関して、本明細書において開示される要件に従う限り、任意の好適な材料が利用され得る。例えば、選択された材料の不透明度が本明細書において説明された要件を満たす限り、任意の好適なトップシートが利用され得る。追加的に、トップシートは、着用者の皮膚に対して適合し、軟らかな感触で、刺激を与えないものであり得る。好適なトップシート材料としては、着用者の身体に向かって方向付けられ、かつ身体に接触して、流体がトップシートを通って着用者の皮膚に逆流することなく、身体の排泄物が通って急速に浸透することを可能にする、液体透過性材料が挙げられる。トップシートは、トップシートを通る流体の迅速な移動を可能にすることができる一方、ローション組成物を、着用者の皮膚の外側部分又は内側部分上に移動又は移行させることもできる。
【0065】
好適なトップシートは、織布材料及び不織布材料;有孔形成熱可塑性フィルム、有孔プラスチックフィルム、及び交絡繊維有孔フィルムを含む有孔フィルム材料;ハイドロフォームされた熱可塑性フィルム;多孔質発泡体;網状発泡体、網状熱可塑性フィルム;熱可塑性スクリム;又はこれらの組み合わせなどの様々な材料で作製され得る。
【0066】
トップシートとして使用するのに好適な有孔フィルム材料としては、身体排泄物に対して非吸収性及び透過性であり、トップシートを通る流体の逆流を最小にするか又は排除する有孔プラスチックフィルムが挙げられる。有孔及び非有孔形成フィルムを含む他の好適な形成フィルムの非限定例は、1975年12月30日にThompsonに発行された米国特許第3,929,135号、1982年4月13日にMullaneらに発行された米国特許第4,324,246号、1982年8月3日にRadelらに発行された米国特許第4,342,314号、1984年7月31日にAhrらに発行された米国特許第4,463,045号、1991年4月9日にBairdに発行された米国特許第5,006,394号、1986年9月2日にCurroらに発行された米国特許第4,609,518号、及び1986年12月16日にCurroらに発行された米国特許第4,629,643号においてより完全に記載されている。
【0067】
トップシートとして使用するのに好適な織布及び不織布材料の非限定例としては、天然繊維(例えば、100パーセントオーガニックコットンを含む綿)、改質天然繊維、合成繊維、又はこれらの組み合わせから作製された繊維状材料が挙げられる。これらの繊維状材料は、親水性であっても疎水性であってもよいが、トップシートは疎水性であるか又は疎水性になることが好ましい。親水性成分を含有するトップシートを作製する任意の既知の方法を使用して、選択肢としてトップシートの一部を親水性にすることができる。不織繊維トップシート20は、不織布ウェブを作製する任意の既知の手順により製造されてもよく、この非限定例としては、スパンボンディング、カーディング、ウェットレイド、エアレイド、メルトブローン、ニードルパンチング、機械交絡、熱機械交絡及び水流交絡が挙げられる。
【0068】
トップシートは、有孔フィルムと不織布との組み合わせから形成され得る。例えば、フィルムウェブと不織布ウェブとを、米国特許第9,700,463号に記載されるように組み合わせることができる。代替的に、フィルムは、不織布材料上に押出成形され得、これは、フィルム層と不織布材料との間の接触を強化すると考えられる。このような組み合わせの例示的なプロセスが、米国特許第9,849,602号及び同第9,700,463号に記載されている。
【0069】
追加的に、これらの材料の坪量は、40gsm未満、より好ましくは35gsm未満、又は最も好ましくは30gsm未満であり得る。別の例として、トップシート材料の坪量は、約15gsm~約40gsm、より好ましくは約15gsm~約35gsm、又は最も好ましくは約15gsm~約30gsm(具体的には、これらの範囲内の任意の値及びそれによって作り出される任意の範囲を含む)であり得る。
【0070】
バックシートは、吸収性コアの衣服に面する表面に隣接して位置決めされ得、当該技術分野において周知のものなどの取り付け方法によって、吸収性コアの衣服に面する表面に接合することができる。例えば、バックシートは、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターン層、又は接着剤の別個の線、螺旋、若しくは点の配列によって、吸収性コア及び/又は吸収性コア間の任意の層に固着され得る。代替的に、取り付け方法は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、若しくは当該技術分野で既知の他の任意の好適な取り付け方法又はこれらの取り付け方法の組み合わせの使用を含んでもよい。
【0071】
バックシートは、液体(例えば尿)に対して不透過性、又は実質的に不透過性であってもよく、薄いプラスチックフィルムから製造されてもよいが、他の可撓性の液体不透過性材料も使用され得る。本明細書で使用する場合、「可撓性」という用語は、順応性があり、人体の一般的な形状及び輪郭に容易に適合する材料を指す。バックシートは、吸収性コア中に吸収されて収容された排泄物が、下着などの失禁パッドに接触する衣類を濡らすことを防ぐか、又は少なくとも抑制し得る。しかしながら、バックシートは、蒸気を吸収性コアから逃がすことができる(すなわち、通気性である)が、場合によりバックシートは蒸気を逃がすことができない(すなわち、非通気性である)場合もある。したがって、バックシートは、ポリエチレン又はポリプロピレンの熱可塑性フィルムなどの高分子フィルムを含む場合がある。バックシートに好適な材料は、例えば、約0.012mm(0.5ミル)~約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムである。当該技術分野において既知の任意の好適なバックシートが本発明と共に利用され得る。
【0072】
バックシートは、その衣類の表面へと吸収性コアを通過し得るあらゆる吸収された体液に対するバリアとして作用し、その結果、下着又は他の衣類を汚すリスクを低減する。好ましい材料は、快適さのために柔らかさ及び共形性を提供し、かつ動きによって望ましくない音が生じないように低ノイズである、柔らかく滑らかで柔軟性のある、液体及び蒸気を通す材料である。
【0073】
例示的なバックシートは、1999年3月23日発行の米国特許第5,885,265号(Osborn,III)、2002年10月8日発行の同第6,462,251号(Cimini)、2003年9月23日発行の同第6,623,464号(Bewick-Sonntag)、又は2003年12月16日発行の米国特許第6,664439号(Arndt)に記載されている。本明細書での使用に好適な二層又は多層の通気性バックシートとしては、米国特許第3,881,489号、米国特許第4,341,216号、米国特許第4,713,068号、米国特許第4,818,600号、欧州特許第203821号、欧州特許第710471号、欧州特許第710472号、及び欧州特許第793952号に例示されているものが挙げられる。
【0074】
本明細書での使用に好適な通気性バックシートは、当該技術分野で周知の全ての通気性バックシートを含む。原則的に、2つのタイプの通気性バックシートがあり、通気性及び遮水性のある単一層の通気性バックシートと、組み合わせると通気性と遮水性の両方を提供する少なくとも2つの層を有するバックシートとがある。本明細書での使用に好適な単一層の通気性バックシートとしては、例えば英国特許第A2184389号、英国特許第A2184390号、英国特許第A2184391号、米国特許第4,591,523号、米国特許第3,989,867号、米国特許第3,156,242号、及び国際公開第97/24097号に記載されているものが挙げられる。
【0075】
バックシートは、約20gsm~約50gsmの坪量を有する不織布ウェブであってもよい。一例として、バックシートは、Fiberweb NeubergerからF102301001の名称で入手可能な4デニールポリプロピレン繊維の、比較的疎水性の23gsmスパンボンド不織布ウェブであり得る。バックシートは、2002年8月20日発行の米国特許第6,436,508号(Ciammaichella)に記載されるように、非水溶性の液体膨潤性材料でコーティングされていてもよい。
【0076】
バックシートは、衣類に面する側と、反対側の身体に面する側とを有する。バックシートの衣類に面する側は、非接着領域と接着領域とを含む。接着領域は、任意の従来の手段によって提供され得る。感圧性接着剤が、この目的に対して十分に機能することが概して見出されている。
【0077】
トップシートは、当該技術分野で周知のものなどの取り付け方法(図示せず)によって、バックシートに接合され得る。トップシート及びバックシートは、物品の周辺部において互いに直接接合され得、それらを吸収性コア、流体管理層、及び/又はトップシートとバックシートとの間に配設された追加層に直接接合することによって、一緒に間接的に接合され得る。この間接接合又は直接接合は、当該技術分野において周知である取り付け方法によって実現することができる。
【0078】
吸収性コアは、楕円形、ディスコ矩形(discorectangle)、矩形、非対称形状、及び砂時計形を含むが、これらに限定されない任意の好適な形状を含み得る。例えば、本発明のいくつかの形態では、吸収性コアは、輪郭のある形状、例えば、中間領域が端部領域よりも狭い形状を含み得る。更に別の例としては、吸収性コアは、パッドの一方の端部領域により広い部分を有し、パッドのもう一方の端部領域のより狭い端部領域に向かって先細りになる、先細形状を含み得る。吸収性コアは、MD及びCDに様々な剛度を有することができる。
【0079】
吸収性コアの構成及び構造は、変化し得る(例えば、吸収性コアは、変化するキャリパゾーン、親水性勾配、超吸収性勾配、又はより低い平均密度、及びより低い平均坪量の捕捉ゾーンを有し得る)。更に、吸収性コアのサイズ及び吸収能力も、様々な着用者に適応するように変化されてもよい。しかしながら、吸収性コアの総吸収容量は、使い捨て吸収性物品又は失禁パッドの設計負荷及び意図された用途に適合するべきである。
【0080】
本開示のいくつかの形態では、吸収性コアは、第1及び第2の積層体に加え、複数の多機能層を含み得る。例えば、吸収性コアは、第1及び第2の積層体、並びに他の任意選択の層を包囲するのに有用なコアラップ(図示せず)を含むことができる。コアラップは、2つの不織布材料、基材、積層体、フィルム、又は他の材料によって形成され得る。一態様では、コアラップは、単一の材料、基材、積層体、又は少なくとも部分的にその周りが包まれた他の材料のみを含み得る。吸収性コアは、例えば、第1及び第2の積層体内にSAP又は他の吸収性材料を固定化するのを助けるために、1つ以上の接着剤を含むことができる。
【0081】
様々なコア設計による相対的に高い量のSAPを含む吸収性コアが、Goldmanらの米国特許第5,599,335号、Busamらの欧州特許第1,447,066号、Tanzerらの国際公開第95/11652号、Hundorfらの米国特許出願公開第2008/0312622(A1)号及びVan Malderenの国際公開第2012/052172号に開示されている。これらを使用して、超吸水性層を構成することができる。
【0082】
本開示のコアへの追加が想定される。具体的には、現在の多積層体吸収性コアへの予想される追加が、1986年9月9日にWeismanらに発行された「High-Density Absorbent Structures」という表題の米国特許第4,610,678号、1987年6月16日にWeismanらに発行された「Absorbent Articles With Dual-Layered Cores」という表題の米国特許第4,673,402号、1989年12月19日にAngstadtに発行された「Absorbent Core Having A Dusting Layer」という表題の米国特許第4,888,231号及び1989年5月30日にAlemanyらに発行された「High Density Absorbent Members Having Lower Density and Lower Basis Weight Acquisition Zones」という表題の米国特許第4,834,735号に記載されている。吸収性コアは、1993年8月10日にAlemanyらに発行された「Absorbent Article With Elastic Waist Feature and Enhanced Absorbency」という表題の米国特許第5,234,423号及び米国特許第5,147,345号に詳説されるように、吸収性貯蔵コア上に位置付けられた、化学的に剛性化された繊維の捕捉/分配コアを収容する二重コア系を模倣する追加の層を更に備えてもよい。これらは、本発明の吸収性コアの以下に記載される積層体の効果を打ち消さないか、又は効果と競合しない程度に有用である。好適な吸収性コアの追加の例が、米国特許出願公開第2018/0098893号及び同第2018/0098891号に記載されている。
【0083】
吸収系の任意選択の層に関して、任意の好適な材料が利用され得る。これらの層の各々は、約40gsm~約100gsm、約45gsm~約75gsm、又は約50gsm~約65gsm(具体的にはこれらの範囲及びそれによって作り出される任意の範囲内の全ての値を含む)の坪量を有し得る。いくつかの形態では、これらの層のうちの1つ以上は、繊維の均質な混合物を含み得るが、他の形態では、流体管理層は、繊維の不均一な混合物を含み得る。
【0084】
いくつかの例示的な吸収系に関する任意選択の層は、米国特許出願公開第2015/0351976(A1)号及び同第2014/0343523(A1)号、及び米国特許出願第15/729704号に記載されている。
【0085】
試験方法
色測定法
吸収性物品上の様々なゾーンの色分析は、ASTM E1349に従って、標準CIE L*a*b*測定を行うことができる調節可能な開口部を有する0°/45°分光光度計を使用して行われる。好適な分光光度計の例は、Labscan XE(Hunter Associates Laboratory,Inc.,Reston,VAから入手可能、又は同等物)である。全ての試験は、23℃±2.0℃の温度及び50%±2%の相対湿度に維持された室内で実施され、試験試料は、試験前に少なくとも2時間、同じ環境条件下で調整される。
【0086】
この手順では、試験試料は、完全な吸収性物品である。合計3つの個別試験試料が必要とされる。使用時に、試料のどの縁部が身体の前方に向かって配向されるかを判定し、留意する。また試料のどちらの側が使用中に身体に面することを意図されるかに留意する。試料の着用者に面する側は、測定中に開口部に面する。試料を、任意の外側包装から取り出し、(必要であれば)広げ、存在するいずれの剥離紙を剥がして処分する。粘着性を軽減するために、パンティ固定用接着剤及びウイング用接着剤にタルクの薄いコーティングを適用する。次いで、試料を長手方向に3等分し、以下のように、前部分、中央部分、及び後部分を表示するために印を付ける。試料を、ベンチ上に平らに置き、試料の長さを、横方向の中点で長手方向軸に沿って測定する。前部分に印を付けるために、横方向軸に平行な線が、前縁部から離れて試料の長さの1/3の距離で試料上に印を付けられる。中央部分及び後部分に印を付けて分割するために、横方向軸に平行な線が、前縁部から離れて試料の長さの2/3の距離で試料上に印を付けられる。中央部分は、試料の長さの1/3及び2/3を図示する線の間のセクションであり、後部分は、試料の長さの2/3を図示する線の後ろのセクションである。同様に、3つの試料の各々の前部分、中央部分、及び後部分を表示するために線を引く。
【0087】
任意の色測定を行う前に、分光光度計は、供給メーカによって提供された標準白黒タイルを使用して、供給メーカの指示に従って較正及び標準化される。分光光度計は、各それぞれの開口部で測定を行う直前に、各異なるサイズの開口部に関して標準化されなければならない。分光光度計を、D65標準照明、10°オブザーバ、及び公称に設定されたUVフィルタを用いて、CIE L*a*b*色空間を使用するように設定する。適切なサイズの開口部が、本明細書で更に説明されるように、どの試料ゾーンが測定されているかに従って選択される。各試料ゾーンの試験場所は、開口部全体が試験場所によって覆われるように、平坦に配置され、開口部上の中心に置かれる。標準白タイルは、試験場所の裏側の定位置に保持され、読み取りを行う。L*、a*、及びb*値を、0.01単位で記録する。
【0088】
図1Aを参照すると、色測定を受ける試験試料上に3つの異なるゾーンが存在する。ゾーン1は、吸収性コアゾーン140であり、ゾーン2は、外側境界ゾーン150であり、ゾーン3は、内側境界ゾーン160である。
【0089】
ゾーン1(吸収性コアゾーン140)に関して、色測定は、試料の前部分、中央部分、又は後部分から取得され得るが、しかしながら試験場所は、しわ及び折り目を回避しながら、追加の色(例えば、印刷信号又は他の色の領域)がないものでなければならない。ゾーン1に関して、開口部サイズは、直径0.7インチであり、視野域は、直径0.50インチである。3つの試験試料の各々についてゾーン1から色の読み取り値を取得し、0.01単位で記録する。全ての複製にわたって取得されたL*、a*、及びb*値の算術平均を計算し、L*
1、a*
1、及びb*
1として0.01単位で記録する。
【0090】
ゾーン3(内側境界ゾーン160)に関して、色は、しわ又は折り目もない試験場所において測定される。ゾーン3は、試料の後部分において存在する可能性が最も高い。ゾーン3に関して、開口部サイズは、直径0.70インチであり、視野域は、直径0.50インチである。3つの試験試料の各々についてゾーン3から色の読み取り値を取得し、0.01単位で記録する。全ての複製にわたって取得されたL*、a*、及びb*値の算術平均を計算し、L*
3、a*
3、及びb*
3として0.01単位で報告する。
【0091】
ゾーン2(外側境界ゾーン150)に関して、色測定値は、試料の後部分における複数の試験場所において0.01単位で記録される。ゾーン2内の面積が小さいため、開口部のサイズは、直径0.40インチであり、視野域は、直径0.25インチである。ゾーン2に関する第1の色の読み取り値は、横側部のうちの1つにおいて始まる試料の後部分における、試料の長さの2/3を図示する線のすぐ後ろの最初の10mmの場所で取得される。次いで、試料の長さの2/3を図示する線が試料の反対側の横側部に到達するまで、ゾーン2内の試料の後部分全体に沿って開口部を移動させながら、10mm毎に後続の色の読み取りを行う。同じ要領で、色の読取値を、3つの試験試料の各々についてゾーン2から取得し、0.01単位で記録する。全ての複製にわたって取得されたL*、a*、及びb*値の算術平均を計算し、L*
2、a*
2、及びb*
2として0.01単位で報告する。
【0092】
異なるゾーンについて取得された色測定値間の色差は、デルタE*として計算される。ゾーン1(吸収性コアゾーン140)とゾーン3(内側境界ゾーン160)との間の色差を判定するために、デルタE*を以下のように計算し、0.01単位で報告し、比較されている2つのゾーンに留意する:
デルタE*=Sqrt[(L3
*-L1
*)2+(a3
*-a1
*)2+(b3
*-b1
*)2]
ゾーン2(外側境界150)とゾーン3(内側境界160)との間の色差を判定するために、以下のようにデルタE*を計算し、0.01単位で報告し、比較されている2つのゾーンに留意する:
デルタE*=Sqrt[(L3
*-L2
*)2+(a3
*-a2
*)2+(b3
*-b2
*)2]
【0093】
不透明度測定方法
不透明度の測定を、XYZ座標及びコントラスト比を使用して標準的なCIE色測定を行うことができる調節可能な開口部を有する0°/45°分光光度計を使用して行う。好適な分光光度計の例は、Labscan XE(Hunter Associates Laboratory,Inc.,Reston,VAから入手可能、又は同等物)である。測定は、試験材料の単一層又は複数の層のいずれかで行う。全ての試験は、23℃±2.0℃の温度及び50%±2%の相対湿度に維持された室内で実施され、試料は、試験前に少なくとも2時間、同じ環境条件下で調整される。
【0094】
必要に応じて、吸収性物品から取り出すことによって試験試料を得る。試料を吸収性物品から切除するとき、プロセス中に試料層にいかなる汚染又は変形も付与しないように注意を払う。試験試料は、折り目又はしわを含まない領域から得るが、分光光度計で使用される開口部よりも大きくなければならない。試験試料のどちらの側が、使用中に身体に面する(又は、面することを意味する)かに留意する。2つ以上のタイプの材料が複数の層として測定される場合、使用中に身体に面する(又は面することを意味する)各層の側に留意する。試料の着用者に面する表面は、測定中に開口部に面する側である。評価する材料の重複しない領域上で10回の測定を行うことができるように、十分な量の試料材料を取得する。
【0095】
不透明度を測定するために、適所に直径0.70インチの開口部を有する、供給メーカによって提供された標準白黒タイルを使用して供給メーカの指示に従って機器を較正及び標準化する。分光光度計を、D65標準照明、10°オブザーバ、0.70インチの開口部、0.50インチの視野域でCIE XYZ色空間を使用するように設定し、UVフィルタを公称に設定する。試験試料の身体に面する側を開口部の上に配置し、開口部全体が試料によって覆われるようにする。複数の層を測定する場合、それらを吸収性物品内の層の配置に従って身体に面する層の上部に積層し、開口部の上に中心を合わせ、各々の身体に面する側を開口部に向けて配向する。標準白色タイルを試料の背面に直接接触させて配置し、読み取りを行い、Y値をY背景白として0.01単位で記録する。試験試料の位置を動かさずに、標準白色タイルを取り外し、黒色標準タイルと交換する。読み取り値をとり、Y値をY背景黒として0.01単位で記録する。Y背景黒値をY背景白値で割ってから100を掛けることによって不透明度を計算する。不透明度を0.1パーセント単位で記録し、測定された材料(又は複数の材料)に留意する。
【0096】
同じ要領で、試験試料材料の重なり合わない領域で合計5回の測定を繰り返す。全体にわたって取得された不透明度の算術平均を計算し、0.1パーセント単位で報告し、測定された材料(又は複数の材料)に留意する。
【0097】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0098】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0099】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】