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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】ジェリーロール及びパウチ型電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0587 20100101AFI20240219BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20240219BHJP
   H01M 50/538 20210101ALI20240219BHJP
   H01M 50/536 20210101ALI20240219BHJP
   H01M 50/105 20210101ALI20240219BHJP
【FI】
H01M10/0587
H01M10/04 W
H01M50/538
H01M50/536
H01M50/105
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552268
(86)(22)【出願日】2022-03-16
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2022081083
(87)【国際公開番号】W WO2022199435
(87)【国際公開日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202110317744.6
(32)【優先日】2021-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521555605
【氏名又は名称】珠海冠宇電池股分有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhuhai CosMX Battery Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 209, Zhufeng Road, Jing’an Town, Doumen District, Zhuhai City,Guangdong ,p,r,China, (1st Foor ,A plant south section)
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】張 保海
(72)【発明者】
【氏名】彭 冲
(72)【発明者】
【氏名】李 俊義
【テーマコード(参考)】
5H011
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011BB03
5H011CC02
5H011CC06
5H011CC10
5H028AA05
5H028BB07
5H028CC13
5H028EE06
5H028HH01
5H028HH05
5H029AJ05
5H029AJ14
5H029AK01
5H029AL01
5H029AM01
5H029BJ04
5H029BJ14
5H029CJ07
5H029DJ04
5H029DJ05
5H029EJ01
5H029EJ12
5H029HJ00
5H029HJ04
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA08
5H043CA12
5H043EA02
5H043EA06
5H043GA22
5H043GA27
5H043HA11E
5H043HA22E
5H043JA13E
5H043KA23E
5H043KA24E
5H043KA28E
5H043KA33E
5H043KA35E
5H043KA45E
(57)【要約】
本発明はジェリーロール及びパウチ型電池を提供し、リチウム電池技術の分野に属する。当該ジェリーロールは負極シートを備え、前記負極シートの捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面は第1テープ層により被覆され、前記第1テープ層の両端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影は、前記負極シートの捲回始端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影と接する又は部分的に重なる。それにより、ジェリーロールの表面の凹凸が改善されて、電池セルの平坦度の改善に有利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェリーロールであって、
負極シートを備え、前記負極シートの、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面は第1テープ層により被覆され、前記第1テープ層の両端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影は、前記負極シートの捲回始端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接するか又は部分的に重なる
ことを特徴とするジェリーロール。
【請求項2】
負極タブを更に備え、
前記負極シートは負極集電体と負極活性層とを備え、前記負極活性層は前記負極集電体の対向する両面に塗布され、
前記負極集電体の捲回始端は捲回方向に沿って順に露出されて負極両面無地領域と負極片面無地領域とを形成し、前記負極タブは前記負極両面無地領域内に設けられ、
前記第1テープ層は前記負極片面無地領域内に位置し、前記第1テープ層の両端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影は、前記負極タブの、前記ベンディング領域に近い一端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接する
ことを特徴とする請求項1に記載のジェリーロール。
【請求項3】
前記第1テープ層の、前記負極片面無地領域から離れた面には凹部が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のジェリーロール。
【請求項4】
前記凹部の、前記負極シートの長さ方向における中間領域の厚さは、前記凹部の他の領域の厚さよりも小さく、
前記凹部の厚さは、前記凹部の中間領域から両側に向かって漸次増加する
ことを特徴とする請求項3に記載のジェリーロール。
【請求項5】
前記凹部の中間領域の厚さ範囲は3μmないし8μmであり、及び/又は、
前記凹部の開口の、前記負極シートの長さ方向における寸法範囲は1mmないし5mmであり、及び/又は、
前記凹部の中間領域は、前記負極片面無地領域の、前記負極シートの長さ方向における中間領域に対応する
ことを特徴とする請求項4に記載のジェリーロール。
【請求項6】
正極シートと正極タブアセンブリとを更に備え、
前記正極シートは正極集電体と正極活性層とを備え、前記正極活性層は前記正極集電体の対向する両面に塗布され、
前記正極集電体の捲回始端は露出されて正極両面無地領域を形成し、前記正極タブアセンブリは前記正極両面無地領域内に設けられ且つ前記負極タブとの間に所定の間隔を有し、前記負極タブは前記正極タブアセンブリと前記ベンディング領域との間に位置し、
前記正極両面無地領域の対向する両面にはいずれも第2テープ層が設けられ、2つの前記第2テープ層の第1端は、前記正極集電体の対向する両面に位置する前記正極活性層の第1端をそれぞれ覆うように接続され、2つの前記第2テープ層の第2端はいずれも前記正極タブアセンブリの、前記負極タブから離れた一端に接する
ことを特徴とする請求項2に記載のジェリーロール。
【請求項7】
前記正極タブアセンブリは正極タブ、第1正極タブテープ層及び第2正極タブテープ層を備え、前記第1正極タブテープ層は前記正極タブの表面を被覆し、前記第2正極タブテープ層は前記正極両面無地領域の、前記正極タブから離れた面を被覆し、前記第2正極タブテープ層の位置は前記第1正極タブテープ層の位置と対向し、
ここで、
2つの前記第2テープ層の第2端はそれぞれ、前記第1正極タブテープ層の前記負極タブから離れた一端と、前記第2正極タブテープ層の前記負極タブから離れた一端とのそれぞれに接し、及び/又は、前記正極両面無地領域の、前記正極タブから離れた面に位置する第2テープ層と、前記第2正極タブテープ層とは一体部材であり、及び/又は、前記正極両面無地領域の、前記正極タブが設けられた面に位置する第2テープ層と、前記第1正極タブテープ層とは一体部材である
ことを特徴とする請求項6に記載のジェリーロール。
【請求項8】
前記正極シートの捲回終端には2つの第3テープ層が設けられ、
2つの前記第3テープ層の第1端は、前記正極集電体の対向する両面に位置する前記正極活性層の第2端をそれぞれ覆うように接続され、
2つの前記第3テープ層の第2端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影はいずれも前記正極タブの、前記負極タブから離れた一端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接する
ことを特徴とする請求項7に記載のジェリーロール。
【請求項9】
2つの前記第2テープ層の厚さと2つの前記第3テープ層の厚さの和は第1厚さであり、前記正極タブの厚さ、前記第1正極タブテープ層の厚さ及び前記第2正極タブテープ層の厚さの和は第2厚さであり、
前記第1厚さ値と前記第2厚さ値との差の範囲は80%~120%である
ことを特徴とする請求項8に記載のジェリーロール。
【請求項10】
セパレータを更に備え、前記セパレータは前記正極シートと前記負極シートとの間に位置し、
前記正極タブの厚さ、前記第1正極タブテープ層の厚さ、前記第2正極タブテープ層の厚さ、2倍の前記正極集電体の厚さ及び2倍の前記セパレータの厚さの和は、第3厚さであり、
2倍の前記第1テープ層の厚さは第4厚さであり、
前記第3厚さと前記第4厚さとの差の範囲は80%~120%であり、
及び/又は、
第4テープ層を更に備え、前記第4テープ層は前記ジェリーロールの外面の少なくとも一側に貼り付けられ、前記第4テープ層は前記負極タブと前記正極タブとの間に位置する
ことを特徴とする請求項7に記載のジェリーロール。
【請求項11】
ケースと、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のジェリーロールと、を備え、前記ジェリーロールは前記ケース内にパッケージされる
ことを特徴とするパウチ型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互引用>
本願は、2021年03月25日に中国特許局に提出した、出願番号が202110317744.6であり、発明名称が「ジェリーロール及びパウチ型電池」である中国特許出願の優先権を主張し、その開示内容を参照により全体として本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、リチウム電池技術の分野に関し、特にジェリーロール及びパウチ型電池に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の発展に伴い、リチウムイオン電池の技術は急速に発展してきた。それとともに、ユーザもリチウムイオン電池の急速充電能力及び充放電倍率に対してより高く求めている。急速充電リチウム電池はすでに消費系リチウムイオン電池の発展傾向になっている。
【0004】
高倍率充電時のリチウムイオン電池の界面接合が良好かどうかは、リチウムイオン電池の長期サイクル寿命、リチウムイオン電池の膨張及びリチウムイオン電池の変形に直接影響を与える。リチウムイオン電池の界面接合が良好かどうかの鍵は、リチウムイオン電池が化成工程で受けた圧力が均一であるか否かにかかっているが、リチウムイオン電池が化成工程で受けた圧力が均一であるか否かの鍵は、電池セルの設計過程で電池セル全体の平坦度が良好かどうかにかかっている。すなわち、電池セルの表面の最高点と最低点の差が小さいほど、電池セルの平坦度が良好になる。ここで、電池セルは、ジェリーロールと、ジェリーロールをパッケージするケースとを含む。
【0005】
しかしながら、従来技術では、ジェリーロールの表面に凹凸があることが深刻で、電池セルの平坦さに影響を与えている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ジェリーロール及びパウチ型電池を提供する。当該ジェリーロールは表面の凹凸が改善されるため、電池セルの平坦度の改善に有利であり、ひいてはリチウムイオン電池の界面接合効果の改善に有利である。それにより、リチウムイオン電池の長期間サイクル寿命、膨張問題及び変形問題が改善される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、本発明は負極シートを備えるジェリーロールを提供する。前記負極シートの、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面は第1テープ層により被覆されており、前記第1テープ層の両端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影は、前記負極シートの捲回始端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接するか又は部分的に重なる。
【0008】
本発明によって提供されるジェリーロールは負極シートを備え、負極シートは、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面が第1テープ層により被覆され、且つ第1テープ層の両端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影は、負極シートの捲回始端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影に接するか又は部分的に重なる。それにより、ジェリーロールの、ベンディング領域に近い一端の厚さを増加させて、ジェリーロールの、ベンディング領域から離れた一端の厚さとベンディング領域に近い一端の厚さとがほぼ一致になるように寄与し、ひいてはジェリーロールの表面の凹凸を改善して電池セルの平坦度の向上に有利である。それとともに、化成後の電池の界面接合効果の改善に有利である。最終的に、電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【0009】
上述したジェリーロールは、選択的に、負極タブを更に備える。前記負極シートは、負極集電体と負極活性層とを備え、前記負極活性層は前記負極集電体の対向する両面に塗布され、前記負極集電体の捲回始端は捲回方向に沿って順に露出されて負極両面無地領域と負極片面無地領域とを形成し、前記負極タブは前記負極両面無地領域内に設けられ、前記第1テープ層は前記負極片面無地領域内に位置し、前記第1テープ層の両端は、前記負極タブの、前記ベンディング領域に近い一端に接する。
【0010】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記第1テープ層の、前記負極片面無地領域から離れた面には、凹部が設けられる。
【0011】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記凹部の、前記負極シートの長さ方向における中間領域の厚さは、前記凹部の他の領域の厚さよりも小さく、且つ前記凹部の厚さは前記凹部の中間領域から両側に向かって漸次増加する。
【0012】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記凹部の中間領域の厚さ範囲は3μmないし8μmである。
【0013】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記凹部の開口の、前記負極シートの長さ方向における寸法範囲は1mmないし5mmである。
【0014】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記凹部の中間領域は前記負極片面無地領域の、前記負極シートの長さ方向における中間領域に対応する。
【0015】
上述したジェリーロールは、選択的に、負極タブテープ層を更に備え、前記負極タブテープ層は前記負極タブの表面を被覆し、前記負極タブテープ層の、前記負極シートの長さ方向における寸法は第1長さであり、前記負極タブの、前記負極シートの長さ方向における寸法は第2長さであり、前記第1長さは前記第2長さ以上である。
【0016】
上述したジェリーロールは、選択的に、正極シートと正極タブアセンブリとを更に備える。前記正極シートは正極集電体と正極活性層とを備え、前記正極活性層は前記正極集電体の対向する両面に塗布され、前記正極集電体の捲回始端は露出されて正極両面無地領域を形成する。前記正極タブアセンブリは前記正極両面無地領域内に設けられるとともに、前記負極タブとの間に所定の間隔を有し、前記負極タブは前記正極タブアセンブリと前記ベンディング領域との間に位置する。前記正極両面無地領域の対向する両面にはいずれも第2テープ層が設けられ、2つの前記第2テープ層の第1端は、前記正極集電体の対向する両面に位置する前記正極活性層の第1端をそれぞれ覆うように接続され、2つの前記第2テープ層の第2端はいずれも前記正極タブアセンブリの、前記負極タブから離れた一端に接する。
【0017】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記正極タブアセンブリは正極タブと第1正極タブテープ層と第2正極タブテープ層とを備える。前記第1正極タブテープ層は前記正極タブの表面を被覆し、前記第2正極タブテープ層は前記正極両面無地領域の、前記正極タブから離れた面を被覆し、前記第2正極タブテープ層の位置は前記第1正極タブテープ層の位置と対向する。2つの前記第2テープ層の第2端はそれぞれ、前記第1正極タブテープ層の、前記負極タブから離れた一端と、前記第2正極タブテープ層の、前記負極タブから離れた一端とのそれぞれに接する。
【0018】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記正極両面無地領域の、前記正極タブから離れた面に位置する第2テープ層と、前記第2正極タブテープ層とは一体部材である。
【0019】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記正極両面無地領域の、前記正極タブが設けられた面に位置する第2テープ層と、前記第1正極タブテープ層とは一体部材である。
【0020】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記正極シートの捲回終端には2つの第3テープ層が設けられる。2つの前記第3テープ層の第1端は、前記正極集電体の対向する両面に位置する前記正極活性層の第2端をそれぞれ覆うように接続される。2つの前記第3テープ層の第2端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影はいずれも前記正極タブの、前記負極タブから離れた一端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接する。
【0021】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、2つの前記第2テープ層の厚さと2つの前記第3テープ層の厚さとの和は第1厚さであり、前記正極タブの厚さ、前記第1正極タブテープ層の厚さ及び前記第2正極タブテープ層の厚さの和は第2厚さであり、前記第1厚さと前記第2厚さとの差の範囲は80%ないし120%である。
【0022】
上述したジェリーロールは、選択的に、セパレータを更に備える。前記セパレータは前記正極シートと前記負極シートとの間に設けられる。前記正極タブの厚さ、前記第1正極タブテープ層の厚さ、前記第2正極タブテープ層の厚さ、2倍の前記正極集電体の厚さ及び2倍の前記セパレータの厚さの和は第3厚さであり、2倍の前記第1テープ層の厚さは第4厚さであり、前記第3厚さと前記第4厚さとの差の範囲は80%ないし120%である。
【0023】
上述したジェリーロールは、選択的に、第4テープ層を更に備え、前記第4テープ層は前記ジェリーロールの外面の少なくとも一側に貼り付けられ、前記第4テープ層は前記負極タブと前記正極タブとの間に位置する。
【0024】
第2の態様によると、本発明はパウチ型電池を提供する。前記パウチ型電池はケースと、上述したジェリーロールとを備え、前記ジェリーロールは前記ケース内にパッケージされる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によって提供されるパウチ型電池はケースとジェリーロールとを備え、ジェリーロールはケース内にパッケージされる。ジェリーロールの表面の凹凸が改善されることにより、パウチ型電池の平坦度も向上され、したがって化成後のパウチ型電池の界面接合効果が容易に改善されて、最終的にパウチ型電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【0026】
ここで、ジェリーロールは負極シートを備え、負極シートの、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面を第1テープ層で被覆するとともに、第1テープ層の両端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影が、負極シートの捲回始端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影と接するか又は部分的に重なるようにする。それにより、ジェリーロールの、ベンディング領域に近い一端の厚さを増加させて、ジェリーロールの、ベンディング領域から離れた一端の厚さとベンディング領域に近い一端の厚さとがほぼ一致になるように寄与し、ひいてはジェリーロールの表面の凹凸を改善して電池セルの平坦度の向上に有利である。それとともに、化成後の電池の界面接合効果の改善に有利である。最終的に、電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
以下、本発明の実施例又は従来技術による技術的手段をより明確に説明するために、実施例又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明に係る図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば創造的労力なしにこれら図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの上面図である。
図2図1によるジェリーロールの中心領域の拡大図である。
図3】本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの負極シートの正面図である。
図4】本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの負極シートの上面図である。
図5図4におけるA部分の拡大図である。
図6】本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの正面図である。
図7図6におけるB-Bに沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
関連技術では、ジェリーロールは主に負極シート、正極シート、セパレータ、負極タブ及び正極タブを備える。負極タブは負極シートの捲回始端に溶接され、正極タブは正極シートの捲回始端に溶接される。負極シート、正極シート及びセパレータは所定の順で積層され、捲回始端から同一方向に巻かれて最終的にジェリーロールを形成する。正/負極シートの構造、正/負極タブの構造、正/負極タブの溶接位置及びセパレータの設置形態等の要素により、ジェリーロールの各部分の厚さは互い相違する。そのため、ジェリーロールは平坦度が悪く、化成後の電池の界面接着効果に影響を与えて電池の長期サイクル寿命を短縮してしまい、電池の膨張問題及び変形問題がより深刻になる。
【0029】
上述の技術的問題を解決するために、本発明は負極シートを備えるジェリーロールを提供し、負極シートの、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面を第1テープ層で被覆し、第1テープ層の両端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影が負極シートの捲回始端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影と接するか又は部分的に重なるようにすることにより、ジェリーロールの、ベンディング領域に近い一端の厚さを増加させ、それによりジェリーロールの、ベンディング領域から離れた一端の厚さがベンディング領域に近い一端の厚さとほぼ一致になるようにする。このように、ジェリーロールの表面の凹凸を改善することに有利であり、電池セルの平坦度の向上に有利である。それとともに、化成後の電池の界面接合効果の改善に有利であり、最終的に電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【0030】
以下、本発明の実施例の目的、技術的手段及び利点を明確にするために、本発明の実施例の図面を参照して本発明の実施例の技術的手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明する実施例は本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的労力なしに得られた他の実施例はすべて本発明の保護範囲に属するべきである。
【0031】
<実施例1>
図1は本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの上面図であり、図2図1によるジェリーロールの中心領域の拡大図であり、図3は本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの負極シートの正面図であり、図4は本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの負極シートの上面図であり、図5は、図4におけるA部分の拡大図であり、図6は本発明の一実施例によって提供されるジェリーロールの正面図であり、図7図6におけるB-Bに沿う断面図である。
【0032】
図1図6を参照すると、本実施例はジェリーロールを提供し、当該ジェリーロール20は負極シート21を備え、負極シート21の捲回方向に沿った2番目のベンディング領域21121の内面は第1テープ層31により被覆され、第1テープ層31の両端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影は、負極シート21の捲回始端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影と接するか又は部分的に重なる。
【0033】
本実施例によって提供されるジェリーロールは負極シートを備え、負極シートは、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面が第1テープ層により被覆され、且つ第1テープ層の両端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影は、負極シートの捲回始端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影に接するか又は部分的に重なる。それにより、ジェリーロールの、ベンディング領域に近い一端の厚さを増加させて、ジェリーロールの、ベンディング領域から離れた一端の厚さとベンディング領域に近い一端の厚さとがほぼ一致になるように寄与し、ひいてはジェリーロールの表面の凹凸を改善して電池セルの平坦度の向上に有利である。それとともに、化成後の電池の界面接合効果の改善に有利である。最終的に、電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【0034】
選択的に、ジェリーロール20は負極タブ22を更に備え、負極シート21は負極集電体211と負極活性層212とを備え、負極活性層212は負極集電体211の対向する両面に塗布される。例示的に、負極集電体211は一般に銅箔を使用するが、当然ながら負極集電体211は実際の必要に応じて他の材料を使用してもよく、ジェリーロール20の要求を満足できればよい。
【0035】
負極集電体211の捲回始端は捲回方向に沿って順に露出されて、負極両面無地領域2111と負極片面無地領域2112とを形成する。ここで、捲回始端とは、巻き始める一端である。負極両面無地領域2111とは、負極集電体211の対向する両面において負極活性層212により被覆されていない領域である。負極集電体211の対向する両面中の一方の面が負極活性層212により被覆され、他方の面が負極活性層212により被覆されていない場合、負極活性層212により被覆されていない面が負極片面無地領域2112となる。負極片面無地領域2112は負極集電体211の、ジェリーロール20の中心に向かう面に位置し、負極片面無地領域2112は、負極両面無地領域2111と、対向する両面にいずれも負極活性層212が塗布された負極集電体211と、の間に介在する。負極タブ22は負極両面無地領域2111内に設けられる。
【0036】
捲回時、負極シート21の、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域21121は負極片面無地領域2112内に位置し、すなわち、第1テープ層31は負極片面無地領域2112内に位置する。ベンディング領域21121は負極集電体211の捲回始端の端部と対向し、例示的に、負極集電体211の捲回始端の端部はベンディング領域21121内まで延在してもよく、又はベンディング領域21121の外部に位置してもよい。第1テープ層31の両端は負極タブ22の、ベンディング領域21121に近い一端に接する。
【0037】
例示的に、第1テープ層31は基材層と接着剤層とを含むことができる。第1テープ層31は接着剤層によってベンディング領域21121の表面に接着される。基材層の材料は主にキャストポリプロピレン、一軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル繊維又はポリ塩化ビニルのうちの1つ又は複数を含み、接着剤層の材料は主に水性接着剤、油性接着剤、ホットメルト接着剤、天然ゴム又は合成ゴムのうちの1つ又は複数を含む。接着剤層の厚さは2μmに設定することができ、基材層の厚さは実際の必要に応じて設定することができる。例示的に、第1テープ層の、負極シートの長さ方向における寸法=2×負極タブの、ベンディング領域に向かう一端とベンディング領域の、負極タブから離れた一端との間の距離である。
【0038】
負極片面無地領域2112の、捲回方向に沿った1番目のベンディング領域21121の表面を第1テープ層31で被覆し、第1テープ層31の両端が負極タブ22の、ベンディング領域21121に近い一端に接するようにする。それにより、負極タブ22の、ベンディング領域21121に向かう一端におけるジェリーロール20の厚さを増加させて、負極タブ22の、ベンディング領域21121に向かう一端におけるジェリーロール20の厚さがジェリーロール20の、負極タブ22が設けられた領域の厚さとほぼ一致になるようにする。ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸を改善して、電池セルの平坦度の向上に有利である。それとともに、化成後の電池の界面接合効果の改善に有利であり、最終的に電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【0039】
選択的に、第1テープ層31の、負極片面無地領域2112から離れた面には凹部311が設けられる。凹部311を設けることにより、第1テープ層31がベンディング領域21121に伴ってベンディングされた後に第1テープ層31の、負極片面無地領域2112から離れた面がベンディング位置で互いに圧迫されてジェリーロール20の、ベンディング位置における厚さが増加することを回避することができ、それによりジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0040】
選択的に、凹部311の、負極シート21の長さ方向における中間領域の厚さは、凹部311の他の領域の厚さよりも小さく、凹部311の厚さが凹部311の中間領域から両側に向かって漸次増加する。例示的に、凹部311の断面の輪郭形状は角形であってもよく、円弧形であってもよい。それにより、第1テープ層31が中間領域に沿ってベンディングされたときの厚さが均一になることに有利であり、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0041】
選択的に、凹部311の中間領域の厚さ範囲は3μmないし8μmである。例示的に、凹部311の中間領域の厚さは実際の必要に応じて3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm又は3μmないし8μmの任意の値に設定することができる。このように、第1テープ層31のベンディング後の厚さが均一になることに有利であり、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0042】
選択的に、凹部311の開口の、負極シート21の長さ方向における寸法範囲は1mm~5mmである。例示的に、凹部311の開口の、負極シート21の長さ方向における寸法は実際の必要に応じて1mm、2mm、4mm、5mm、又は1mm~5mmの任意の値に設定することができる。比較的に好ましく、凹部311の開口の、負極シート21の長さ方向における寸法は3mmに設定する。このように、第1テープ層31のベンディング後の厚さが均一になることに有利であり、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0043】
選択的に、凹部311の中間領域は、負極片面無地領域2112の、負極シート21の長さ方向における中間領域に対応する。一般的には、負極片面無地領域2112の、負極シート21の長さ方向における中間領域がベンディングされてベンディング領域21121を形成するため、第1テープ層31の凹部311の中間領域を負極片面無地領域2112の、負極シート21の長さ方向における中間領域に対応させることにより、凹部311の中間領域がベンディング領域21121に伴ってベンディングされるように保証することができる。それにより、第1テープ層31のベンディング後の厚さが均一になることに有利であり、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0044】
選択的に、ジェリーロール20は負極タブテープ層41を更に備え、負極タブテープ層41は負極タブ22の表面を被覆して、負極タブ22の表面にあるバリが負極シート21と正極シート23との間のセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡を引き起こすことを防止する。負極タブテープ層41の、負極シート21の長さ方向における寸法は、負極タブ22の、負極シート21の長さ方向における寸法以上である。ここで、負極タブ22の、負極シート21の長さ方向における寸法範囲は5mmないし10mmであってもよく、負極タブ22の厚さ範囲は45μmないし110μmであってもよく、負極タブテープ層41の、負極シート21の長さ方向における寸法範囲は10mmないし20mmであってもよく、負極タブテープ層41の厚さ範囲は5μmないし16μmであってもよい。例示的に、負極タブテープ層41の、負極シート21の長さ方向における寸法が負極タブ22の、負極シート21の長さ方向における寸法より大きい場合、負極タブテープ層41が負極シート21の長さ方向において負極タブ22の両端から突出する部分の寸法は等しくても等しくなくてもよい。
【0045】
選択的に、ジェリーロール20は正極シート23と正極タブアセンブリとを更に備え、正極シート23は正極集電体231と正極活性層232とを備え、正極活性層232は正極集電体231の対向する両面に塗布される。例示的に、正極集電体231は一般にアルミニウム箔を使用するが、当然ながら、正極集電体231は実際の必要に応じて他の材料を使用してもよく、ジェリーロール20の要求を満足できればよい。
【0046】
正極集電体231の捲回始端は露出されて正極両面無地領域2311を形成する。ここで、捲回始端は捲回が始まる一端を指し、正極両面無地領域2311は、正極集電体231の対向する両面が正極活性層232により被覆されていない領域を指す。正極タブアセンブリは、正極両面無地領域2311内に設けられるとともに、負極タブ22との間に所定の間隔を有する。負極タブ22は正極タブアセンブリとベンディング領域21121との間に位置する。ここで、正極タブアセンブリは正極タブ24を含み、正極タブ24と負極タブ22との間の所定の間隔は実際の必要に応じて設定することができ、ここでは具体的に限定しない。
【0047】
選択的に、正極集電体231の捲回始端の端部は正極タブ24と負極タブ22との間まで延在し、正極集電体231の、正極タブ24と負極タブ22との間に位置する部分の対向する両側には、いずれも保護テープ層35が設けられる。保護テープ層35は、正極集電体231の対向する両側に位置する負極集電体211に貼り付けられてもよく、正極集電体231に貼り付けられてもよく、正極集電体231の対向する両側におけるセパレータに貼り付けられてもよい。保護テープ層35の第1端は負極タブ22の、正極タブ24に向かう一端に接することができ、保護テープ層35の第2端は正極タブ24の、負極タブ22に向かう一端に接することができる。保護テープ層35は、正極集電体231上のバリがセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡が発生することを防止するとともに、ジェリーロール20の、正極タブ24bと負極タブ22との間に対応する部分の厚さを増加させることにより、ジェリーロール20の表面の凹凸を改善する。
【0048】
選択的に、正極集電体231の捲回終端の端部は正極タブ24と負極タブ22との間まで延在し、正極集電体231の捲回終端には封止テープ層36が設けられる。封止テープ層36は、正極集電体231の捲回終端をジェリーロール20の外面に固定させて捲回後のジェリーロール20の安定性と信頼性を保証するとともに、ジェリーロール20の、正極タブ24と負極タブ22との間に対応する部分の厚さを増加させてジェリーロール20の表面の凹凸を改善する。
【0049】
正極両面無地領域2311の対向する両面には、いずれも第2テープ層32が設けられ、2つの第2テープ層32の第1端はそれぞれ、正極集電体231の対向する両面に位置する正極活性層232の第1端のそれぞれを覆うように接続され、2つの第2テープ層32の第2端はいずれも正極タブアセンブリの、負極タブ22から離れた一端に接続される。一方で、正極活性層232の、正極集電体231に塗布された始端と終端にはバリが形成しやすいため、第2テープ層32の第1端が正極活性層232の第1端を覆うように両者を接続することにより、正極活性層232の第1端のバリが正極シート23と負極シート21との間のセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡を引き起こすことを防止することに有利である。他方では、第2テープ層32の第2端を正極タブアセンブリの、負極タブ22から離れた一端に接続させて、ジェリーロール20の、負極タブ22から離れた正極タブアセンブリの一端における厚さが、ジェリーロール20の、正極タブアセンブリが設けられた領域の厚さとほぼ一致になるようにする。それにより、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善を容易にする。
【0050】
具体的に実現する時には、実際の必要に応じて2つの第2テープ層32の厚さを等しく設定するか又は等しくなく設定することができ、また、実際の必要に応じて2つの第2テープ層32の、正極シート23の長さ方向における寸法を等しく設定するか又は等しくなく設定することができる。選択的な一実現形態においては、2つの第2テープ層32の、正極シート23の長さ方向に沿った寸法を等しく設定してもよい。例示的に、第2テープ層の、正極シートの長さ方向に沿った寸法は、正極タブの、負極タブから離れた一端から正極活性層の第1端までの距離と等しい。
【0051】
選択的に、正極タブアセンブリは正極タブ24、第1正極タブテープ層51及び第2正極タブテープ層52を備える。第1正極タブテープ層51は正極タブ24の表面を被覆して、正極タブ24の表面のバリがセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡を引き起こすことを防止する。第2正極タブテープ層52は正極両面無地領域2311の、正極タブ24から離れた面を被覆し、且つ第2正極タブテープ層52の位置は第1正極タブテープ層51の位置と対向する。それにより、正極タブ24の溶接過程で正極両面無地領域2311の、正極タブ24から離れた面に形成された溶接バリがセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡が発生することを防止する。
【0052】
第1正極タブテープ層51の、正極シート23の長さ方向における寸法は、正極タブ24の、正極シート23の長さ方向における寸法以上であってもよい。第2正極タブテープ層52の、正極シート23の長さ方向における寸法は、正極タブ24の、正極シート23の長さ方向における寸法以上であってもよい。ここで、正極タブ24の、正極シート23の長さ方向における寸法範囲は5mmないし10mmであってもよく、正極タブ24の厚さ範囲は45μmないし110μmであってもよく、第1正極タブテープ層51及び第2正極タブテープ層52の、正極シート23の長さ方向における寸法範囲は10mmないし20mmであってもよく、第1正極タブテープ層51及び第2正極タブテープ層52の厚さ範囲は5μmないし16μmであってもよい。
【0053】
例示的に、第1正極タブテープ層51及び第2正極タブテープ層52の、正極シート23の長さ方向における寸法が、正極タブ24の、正極シート23の長さ方向における寸法より大きい場合、第1正極タブテープ層51が正極シート23の長さ方向に沿って正極タブ24の両側から突出する部分の寸法は、等しくても等しくなくてもよく、第2正極タブテープ層52が正極シート23の長さ方向に沿って正極タブ24の両側から突出する部分の寸法は、等しくても等しくなくてもよい。
【0054】
選択的な一実現形態において、2つの第2テープ層32の第2端はそれぞれ、第1正極タブテープ層51と第2正極タブテープ層52の、負極タブ22から離れた一端にそれぞれ接する。それにより、ジェリーロール20の、負極タブ22から離れた正極タブ24の一端における厚さが均一になるようにして、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0055】
他の選択的な一実現形態において、正極両面無地領域2311の、正極タブ24から離れた面にある第2テープ層32と、第2正極タブテープ層52とは一体部材であってもよい。それによりジェリーロール20の、負極タブ22から離れた正極タブ24の一端における厚さが均一になることをより一層確保して、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0056】
類似するように、正極両面無地領域2311の、正極タブ24が設けられた面にある第2テープ層32と、第1正極タブテープ層51とは一体部材であってもよい。それによりジェリーロール20の、負極タブ22から離れた正極タブ24の一端における厚さが均一になることをより一層確保して、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0057】
選択的に、正極シート23の捲回終端には2つの第3テープ層33が設けられ、2つの第3テープ層33の第1端はそれぞれ、正極集電体231の対向する両面に位置する正極活性層232の第2端のそれぞれを覆うように接続され、2つの第3テープ層33の第2端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影はいずれも正極タブ24の負極タブ22から離れた一端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影に接する。一方で、正極活性層232の、正極集電体231上に塗布された始端と終端にはバリが形成しやすいため、第3テープ層33の第1端が正極活性層232の第2端を覆うように両者を接続すると、正極活性層232の第2端のバリが正極シート23と負極シート21との間のセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡を引き起こすことを防止することに有利である。他方では、第3テープ層33の第2端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影が、正極タブ24の負極タブ22から離れた一端の、ジェリーロールの厚さ方向における投影に接するようにすることにより、負極タブ22から離れた正極タブ24の一端におけるジェリーロール20の厚さが、正極タブ24が設けられた領域におけるジェリーロール20の厚さとほぼ一致するようにより確実に保証して、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0058】
具体的に実現する時に、実際の必要に応じて2つの第3テープ層33の厚さを等しく設定するか又は異なるように設定することができ、また、実際の必要に応じて2つの第3テープ層33の、正極シート23の長さ方向における寸法を等しく設定するか又は異なるように設定することができる。選択的な一実現形態において、2つの第3テープ層33の、正極シート23の長さ方向に沿った寸法を等しく設定してもよく、例示的に、正極シートの長さ方向における第3テープ層の寸法=ジェリーロールの厚さ×3.14÷2+ジェリーロールの厚さ÷2+負極タブから離れた正極タブの一端と正極活性層の第1端との間の水平距離+δになる。ここで、δが公差であり、2mm≦δ≦3mmである。
【0059】
選択的に、2つの第2テープ層32の厚さと2つの第3テープ層33の厚さとの和は第1厚さであり、正極タブ24の厚さ、第1正極タブテープ層51の厚さ及び第2正極タブテープ層52の厚さの和は第2厚さであり、第1厚さと第2厚さとの差の範囲は80%~120%である。例示的に、第1厚さと第2厚さ値とが等しくてもよく、又は第1厚さが第2厚さより小さくてもよく、又は第1厚さが第2厚さより大きくてもよく、第1厚さと第2厚さとの差の範囲が80%~120%を満たせばよい。これにより、負極タブ22から離れた正極タブ24の一端におけるジェリーロール20の厚さが、正極タブ24が設けられた領域におけるジェリーロール20の厚さと一致するように保証し、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0060】
ジェリーロール20はセパレータ(図示せず)を更に備え、セパレータは正極シート21と負極シート23の間に設けられて正極シート21と負極シート23が絶縁するようにする。選択的に、正極タブ24の厚さ、第1正極タブテープ層51の厚さ、第2正極タブテープ層52の厚さ、2倍の正極集電体231の厚さ及び2倍のセパレータの厚さの和が第3厚さであり、2倍の第1テープ層31の厚さが第4厚さであり、第3厚さと第4厚さとの差の範囲は80%~120%である。例示的に、第3厚さは第4厚さと等しくてもよく、又は、第3厚さは第4厚さより小さくてもよく、又は、第3厚さは第4厚さより大きくてもよく、第3厚さと第4厚さとの差の範囲が80%~120%を満たせばよい。ここで、正極タブ24の厚さが負極タブ22の厚さと等しくて負極タブテープ層41の厚さが第1正極タブテープ層51の厚さと等しい場合、上述した関係は、負極タブ22の厚さ、負極タブテープ層41の厚さ、第2正極タブテープ層52の厚さ、2倍の正極集電体231の厚さ及び2倍のセパレータの厚さの和が2倍の第1テープ層31の厚さに等しいと表わされてもよい。したがって、正極タブ24から離れた負極タブ22の一端におけるジェリーロール20の厚さが、正極タブ24が設けられた領域におけるジェリーロール20の厚さと一致することを保証し、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0061】
選択的に、負極タブ22は、互いに接続する負極タブ溶接部と負極タブ自由部を含み、負極タブ溶接部は負極シート21の幅方向に沿って延在し且つ負極両面無地領域2111内に溶接され、負極タブ自由部は負極両面無地領域2111の外部まで延在する。負極タブ溶接部の長さは負極シート21の幅以上であり、それによりジェリーロール20の、負極シート21の幅方向における厚さが均一に維持され、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0062】
さらに、負極タブ自由部の、負極タブ溶接部に近い一端には負極タブパッド42が設けられる。ジェリーロール20がケース内にパッケージされるとき、負極タブパッド42は、負極タブ22とケースの間の隙間をシールすることができる。負極タブ溶接部の長さが負極シート21の幅より大きい場合、負極タブ溶接部の、負極シート21から突出する部分(すなわち、負極タブ溶接部の長さと負極シート21の幅との差の部分)が負極シート21と負極タブパッド42の間に位置するように設置することができる。一方では、負極タブパッド42が熱溶融して延長する場合のために空間を用意して、パッケージ時に負極タブパッド42が溶融して正極シート23と負極シート21との間に入ることを回避する。他方では、負極タブ22の、負極シート21に近い一端のためにベンディング調整空間を用意して、負極タブ22がベンディングされて位置調整されるときに負極タブパッド42が正極シート23及び負極シート21の捲回端面に直接付着することを回避する。例示的に、負極タブ溶接部の長さと負極シート21の幅との差は0.5mmないし1.5mmであり、具体的な実現場面では、実際の必要に応じて負極タブ溶接部の長さと負極シート21の幅との差を0.5mm、0.7mm、0.9mm、1.1mm、1.3mm、1.5mm又は0.5mmないし1.5mmの任意の値に設定することができる。
【0063】
選択的に、正極タブ24は、互いに接続する正極タブ溶接部と正極タブ自由部を含み、正極タブ溶接部は正極シート23の幅方向に沿って延在し且つ正極両面無地領域2311内に溶接され、正極タブ自由部は正極両面無地領域2311の外部まで延在する。正極タブ溶接部の長さは正極シート23の幅以上であり、それによりジェリーロール20の、正極シート21の幅方向における厚さが均一に維持され、ジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【0064】
通常の場合に、正極シート23の幅は負極シート21の幅より大きく、且つ正極シート23の幅と負極シート21の幅の差の範囲は0.5mmないし2mmである。例示的に、実際の必要に応じて正極シート23の幅と負極シート21の幅の差を0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、又は0.5mmないし2mmの任意の値に設定することができる。
【0065】
さらに、正極タブ自由部の、正極タブ溶接部に近い一端には正極タブパッド(図示せず)が設けられ、ジェリーロール20がケース内にパッケージされるとき、正極タブパッドは正極タブ24とケースの間の隙間をシールすることができる。正極タブ溶接部の長さが正極シート23の幅より大きい場合、正極タブ溶接部の、正極シート23から突出する部分(すなわち、正極タブ溶接部の長さと正極シート23の幅との差の部分)は、正極シート23と正極タブパッドとの間に位置する。一方では、正極タブパッドが熱溶融して延長する場合のために空間を用意して、パッケージ時に正極タブパッドが溶融して正極シート23と負極シート21との間に入ることを回避する。他方では、正極タブ24の、正極シート23に近い一端のベンディング調整空間を用意して、正極タブ24がベンディングされて位置調整されるときに正極タブパッドが正極シート23及び負極シート21の捲回端面に直接付着されることを回避する。例示的に、正極タブ溶接部の長さと正極シート23の幅の差は0.5mmないし1.5mmであり、具体的に実現する時、実際の必要に応じて正極タブ溶接部の長さと正極シート23の幅との差を0.5mm、0.7mm、0.9mm、1.1mm、1.3mm、1.5mm、又は0.5mmないし1.5mmの任意の値に設定することができる。
【0066】
選択的に、ジェリーロールは第4テープ層34を更に備える。第4テープ層34はジェリーロールの外面の少なくとも一側に貼り付けられ、且つ第4テープ層34は負極タブ22と正極タブ24との間に位置する。具体的に、第4テープ層34はジェリーロールの外面の任意の一側に貼り付けられてもよく、又は、第4テープ層34はジェリーロールの外面の対向する一側に貼り付けられてもよい。例示的に、第4テープ層34は、ジェリーロールの外面を一回り囲んでもよく、又はジェリーロールの対向する両面のみの貼り付けられてもよい。一方で、第4テープ層34は、ジェリーロールの負極タブ22と正極タブ24との間に位置する部分の厚さが、ジェリーロールの負極タブ22と正極タブ24が設けられた部分の厚さにほぼ一致するようにし、ひいてはジェリーロールの平坦度の改善に有利であり、化成後のジェリーロールの界面接合効果を改善し、最終的に電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。他方で、ジェリーロールが落下するか又はや衝撃を受けるときに、第4テープ層34は緩衝の役割を果たすことができ、したがってジェリーロールの落下性能の改善に有利である。
【0067】
選択的に、第4テープ層34の幅は、負極タブ22と正極タブ24の間の幅以下であり、それにより第4テープ層34が確実に負極タブ22と正極タブ24の間に設けられるように保証して、ジェリーロールの平坦度の改善に有利である。
【0068】
選択的に、第4テープ層34の厚さの2倍は、負極タブ22の厚さと等しく、又は、第4テープ層34の厚さの2倍は、正極タブ24の厚さと等しい。第4テープ層34は、ジェリーロールの、負極タブ22と正極タブ24の間に位置する部分の厚さを増加させ、それによりジェリーロールの、負極タブ22と正極タブ24の間に位置する部分の厚さが、ジェリーロールの、負極タブ22と正極タブ24が設けられた部分の厚さとほぼ一致になるようにして、ジェリーロールの平坦度の改善に有利である。負極タブ22の厚さと正極タブ24の厚さとは等しくてもよい。
【0069】
<実施例2>
実施例1のもとに、本実施例はパウチ型電池を提供し、当該パウチ型電池はケースとジェリーロールとを備え、ジェリーロールはケース内にパッケージされる。例示的に、ケースはアルミニウムプラスチックフィルムケースであってもよい。
【0070】
本実施例によるジェリーロールは実施例1におけるジェリーロールと構造が同じであり、同一又は類似する技術的効果をもたらすことができ、その詳細は実施例1を参照することができる。
【0071】
本実施例によって提供されるパウチ型電池は、ケースとジェリーロールとを備え、ジェリーロールはケース内にパッケージされる。ジェリーロールの表面の凹凸が改善されるため、パウチ型電池の平坦度も改善され、したがって化成後のパウチ型電池の界面接合効果の改善に有利であり、最終的にパウチ型電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【0072】
なお、本発明の記述において、特に明確な規定や限定がない限り、「取付」、「連結」、「接する」、「連接」などの用語は広義に理解されるべきである。例えば、固定接続又は取り外し可能な接続であってもよく、相互接触又は一体部材であってもよく、机械的接続又は電気的接続であってもよく、直接接続、中間媒体を介した間接的接続又は2つの要素の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に従って本発明における上述した用語の具体的な意味を理解することができる。
【0073】
本発明の明細書、特許請求の範囲及び上述した図面の説明における「第1」、「第2」との用語は、類似する対象を区別するためのものに過ぎず、必ずしも特定の順序又は優先順位を指示する必要がない。なお、このように使用されるデータは、本明細書で記述された実施形態が、例えば本明細書で図示又は説明されていない順序で実施できるように、適切な場合では交換可能である。
【0074】
最後に説明すべきのは、以上の各実施例は、本発明の技術的手段を説明するためのものに過ぎず、それに対する制限にはならない。前述の各実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば理解できる通り、前述の各実施例に記載の技術的手段は、修正されたり、その中の一部又は全部の技術構成が均等に置換されたりすることができ、これらの修正又は均等置換は、対応する技術的手段の本質を本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させることはない。
【符号の説明】
【0075】
20…ジェリーロール
21…負極シート
211…負極集電体
2111…負極両面無地領域
2112…負極片面無地領域
21121…ベンディング領域
212…負極活性層
22…負極タブ
23…正極シート
231…正極集電体
2311…正極両面無地領域
232…正極活性層
24…正極タブ
31…第1テープ層
311…凹部
32…第2テープ層
33…第3テープ層
34…第4テープ層
35…保護テープ層
36…封止テープ層
41…負極タブテープ層
42…負極タブパッド
51…第1正極タブテープ層
52…第2正極タブテープ層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-08-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジェリーロールであって、
負極シートを備え、前記負極シートの、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域の内面は第1テープ層により被覆され、前記第1テープ層の両端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影は、前記負極シートの捲回始端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接するか又は部分的に重なる
ことを特徴とするジェリーロール。
【請求項2】
負極タブを更に備え、
前記負極シートは負極集電体と負極活性層とを備え、前記負極活性層は前記負極集電体の対向する両面に塗布され、
前記負極集電体の捲回始端は捲回方向に沿って順に露出されて負極両面無地領域と負極片面無地領域とを形成し、前記負極タブは前記負極両面無地領域内に設けられ、
前記第1テープ層は前記負極片面無地領域内に位置し、前記第1テープ層の両端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影は、前記負極タブの、前記ベンディング領域に近い一端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接する
ことを特徴とする請求項1に記載のジェリーロール。
【請求項3】
前記第1テープ層の、前記負極片面無地領域から離れた面には凹部が設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載のジェリーロール。
【請求項4】
前記凹部の間領域の厚さは、前記凹部の他の領域の厚さよりも小さく、
ここで、前記凹部の中間領域は前記凹部の、前記負極シートの長さ方向における中間領域であり、
前記凹部の厚さは、前記凹部の中間領域から両側に向かって漸次増加する
ことを特徴とする請求項3に記載のジェリーロール。
【請求項5】
前記凹部の中間領域の厚さ範囲は3μmないし8μmであり、及び/又は、
前記凹部の開口の、前記負極シートの長さ方向における寸法範囲は1mmないし5mmであり、及び/又は、
前記凹部の中間領域は、前記負極片面無地領域の、前記負極シートの長さ方向における中間領域に対応する
ことを特徴とする請求項4に記載のジェリーロール。
【請求項6】
正極シートと正極タブアセンブリとを更に備え、
前記正極シートは正極集電体と正極活性層とを備え、前記正極活性層は前記正極集電体の対向する両面に塗布され、
前記正極集電体の捲回始端は露出されて正極両面無地領域を形成し、前記正極タブアセンブリは前記正極両面無地領域内に設けられ且つ前記負極タブとの間に所定の間隔を有し、前記負極タブは前記正極タブアセンブリと前記ベンディング領域との間に位置し、
前記正極両面無地領域の対向する両面にはいずれも第2テープ層が設けられ、2つの前記第2テープ層の第1端は、前記正極集電体の対向する両面に位置する前記正極活性層の第1端をそれぞれ覆うように接続され、2つの前記第2テープ層の第2端はいずれも前記正極タブアセンブリの、前記負極タブから離れた一端に接する
ことを特徴とする請求項2に記載のジェリーロール。
【請求項7】
前記正極タブアセンブリは正極タブ、第1正極タブテープ層及び第2正極タブテープ層を備え、前記第1正極タブテープ層は前記正極タブの表面を被覆し、前記第2正極タブテープ層は前記正極両面無地領域の、前記正極タブから離れた面を被覆し、前記第2正極タブテープ層の位置は前記第1正極タブテープ層の位置と対向し、
ここで、
2つの前記第2テープ層の第2端はそれぞれ、前記第1正極タブテープ層の前記負極タブから離れた一端と、前記第2正極タブテープ層の前記負極タブから離れた一端とのそれぞれに接し、及び/又は、前記正極両面無地領域の、前記正極タブから離れた面に位置する第2テープ層と、前記第2正極タブテープ層とは一体部材であり、及び/又は、前記正極両面無地領域の、前記正極タブが設けられた面に位置する第2テープ層と、前記第1正極タブテープ層とは一体部材である
ことを特徴とする請求項6に記載のジェリーロール。
【請求項8】
前記正極シートの捲回終端には2つの第3テープ層が設けられ、
2つの前記第3テープ層の第1端は、前記正極集電体の対向する両面に位置する前記正極活性層の第2端をそれぞれ覆うように接続され、
2つの前記第3テープ層の第2端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影はいずれも前記正極タブの、前記負極タブから離れた一端の、前記ジェリーロールの厚さ方向における投影に接する
ことを特徴とする請求項7に記載のジェリーロール。
【請求項9】
2つの前記第2テープ層の厚さと2つの前記第3テープ層の厚さの和は第1厚さであり、前記正極タブの厚さ、前記第1正極タブテープ層の厚さ及び前記第2正極タブテープ層の厚さの和は第2厚さであり、
前記第1厚さ値と前記第2厚さ値との差の範囲は80%~120%である
ことを特徴とする請求項8に記載のジェリーロール。
【請求項10】
セパレータを更に備え、前記セパレータは前記正極シートと前記負極シートとの間に位置し、
前記正極タブの厚さ、前記第1正極タブテープ層の厚さ、前記第2正極タブテープ層の厚さ、2倍の前記正極集電体の厚さ及び2倍の前記セパレータの厚さの和は、第3厚さであり、
2倍の前記第1テープ層の厚さは第4厚さであり、
前記第3厚さと前記第4厚さとの差の範囲は80%~120%であ
ことを特徴とする請求項7に記載のジェリーロール。
【請求項11】
第4テープ層を更に備え、前記第4テープ層は前記ジェリーロールの外面の少なくとも一側に貼り付けられ、
前記第4テープ層の、前記ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影は、前記負極タブの、前記ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影と前記正極タブの、前記ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影との間に位置する
ことを特徴とする請求項7に記載のジェリーロール。
【請求項12】
ケースと、請求項1乃至11のいずれか1項に記載のジェリーロールと、を備え、前記ジェリーロールは前記ケース内にパッケージされる
ことを特徴とするパウチ型電池。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
高倍率充電時のリチウムイオン電池の界面接合が良好かどうかは、リチウムイオン電池の長期サイクル寿命、リチウムイオン電池の膨張及びリチウムイオン電池の変形に直接影響を与え
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
上述したジェリーロールにおいて、選択的に、前記凹部の間領域の厚さは、前記凹部の他の領域の厚さよりも小さく、且つ前記凹部の厚さは前記凹部の中間領域から両側に向かって漸次増加する。ここで、前記凹部の中間領域は、前記凹部の、前記負極シートの長さ方向における中間領域である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
上述したジェリーロールは、選択的に、第4テープ層を更に備え、前記第4テープ層は前記ジェリーロールの外面の少なくとも一側に貼り付けられ、前記第4テープ層の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影前記負極タブの、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影と前記正極タブの、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影との間に位置する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
リチウムイオン電池の界面接合が良好かどうかの鍵は、リチウムイオン電池が化成工程で受けた圧力が均一であるか否かにかかっているが、リチウムイオン電池が化成工程で受けた圧力が均一であるか否かの鍵は、電池セルの設計過程で電池セル全体の平坦度が良好かどうかにかかっている。すなわち、電池セルの表面の最高点と最低点の差が小さいほど、電池セルの平坦度が良好になる。ここで、電池セルは、ジェリーロールと、ジェリーロールをパッケージするケースとを含む。
しかしながら、関連技術では、ジェリーロールの表面に凹凸があることが深刻で、電池セルの平坦さに影響を与えている。
関連技術では、ジェリーロールは主に負極シート、正極シート、セパレータ、負極タブ及び正極タブを備える。負極タブは負極シートの捲回始端に溶接され、正極タブは正極シートの捲回始端に溶接される。負極シート、正極シート及びセパレータは所定の順で積層され、捲回始端から同一方向に巻かれて最終的にジェリーロールを形成する。正/負極シートの構造、正/負極タブの構造、正/負極タブの溶接位置及びセパレータの設置形態等の要素により、ジェリーロールの各部分の厚さは互い相違する。そのため、ジェリーロールは平坦度が悪く、化成後の電池の界面接着効果に影響を与えて電池の長期サイクル寿命を短縮してしまい、電池の膨張問題及び変形問題がより深刻になる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】
捲回時、負極シート21の、捲回方向に沿った2番目のベンディング領域21121は負極片面無地領域2112内に位置し、すなわち、第1テープ層31は負極片面無地領域2112内に位置する。ベンディング領域21121は負極集電体211の捲回始端の端部と対向し、例示的に、負極集電体211の捲回始端の端部はベンディング領域21121内まで延在してもよく、又はベンディング領域21121の外部に位置してもよい。第1テープ層31の両端の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影負極タブ22の、ベンディング領域21121に近い一端の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影に接する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
例示的に、第1テープ層31は基材層と接着剤層とを含むことができる。第1テープ層31は接着剤層によってベンディング領域21121の表面に接着される。基材層の材料は主にキャストポリプロピレン、一軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル繊維又はポリ塩化ビニルのうちの1つ又は複数を含み、接着剤層の材料は主に水性接着剤、油性接着剤、ホットメルト接着剤、天然ゴム又は合成ゴムのうちの1つ又は複数を含む。接着剤層の厚さは2μmに設定することができ、基材層の厚さは実際の必要に応じて設定することができる。例示的に、第1テープ層31の、負極シート21の長さ方向における寸法=2×負極タブ22の、ベンディング領域21121に向かう一端とベンディング領域21121の、負極タブ22から離れた一端との間の距離である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
負極片面無地領域2112の、捲回方向に沿った1番目のベンディング領域21121の表面を第1テープ層31で被覆し、第1テープ層31の両端の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影が負極タブ22の、ベンディング領域21121に近い一端の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影に接するようにする。それにより、負極タブ22の、ベンディング領域21121に向かう一端におけるジェリーロール20の厚さを増加させて、負極タブ22の、ベンディング領域21121に向かう一端におけるジェリーロール20の厚さがジェリーロール20の、負極タブ22が設けられた領域の厚さとほぼ一致になるようにする。ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸を改善して、電池セルの平坦度の向上に有利である。それとともに、化成後の電池の界面接合効果の改善に有利であり、最終的に電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
選択的に、正極集電体231の捲回始端の端部は正極タブ24と負極タブ22との間まで延在し、正極集電体231の、正極タブ24と負極タブ22との間に位置する部分の対向する両側には、いずれも保護テープ層35が設けられる。保護テープ層35は、正極集電体231の対向する両側に位置する負極集電体211に貼り付けられてもよく、正極集電体231に貼り付けられてもよく、正極集電体231の対向する両側におけるセパレータに貼り付けられてもよい。保護テープ層35の第1端の、負極集電体211における投影は負極タブ22の、正極タブ24に向かう一端に接することができ、保護テープ層35の第2端の、正極集電体231における投影は正極タブ24の、負極タブ22に向かう一端に接することができる。保護テープ層35は、正極集電体231上のバリがセパレータを突き破ってジェリーロール20の内部短絡が発生することを防止するとともに、ジェリーロール20の、正極タブ24bと負極タブ22との間に対応する部分の厚さを増加させることにより、ジェリーロール20の表面の凹凸を改善する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
選択的に、正極集電体231の捲回終端の端部は正極タブ24の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影と負極タブ22の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影との間まで延在し、正極集電体231の捲回終端には封止テープ層36が設けられる。封止テープ層36は、正極集電体231の捲回終端をジェリーロール20の外面に固定させて捲回後のジェリーロール20の安定性と信頼性を保証するとともに、ジェリーロール20の、正極タブ24と負極タブ22との間に対応する部分の厚さを増加させてジェリーロール20の表面の凹凸を改善する。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
具体的に実現する時には、実際の必要に応じて2つの第2テープ層32の厚さを等しく設定するか又は等しくなく設定することができ、また、実際の必要に応じて2つの第2テープ層32の、正極シート23の長さ方向における寸法を等しく設定するか又は等しくなく設定することができる。選択的な一実現形態においては、2つの第2テープ層32の、正極シート23の長さ方向に沿った寸法を等しく設定してもよい。例示的に、第2テープ層32の、正極シート23の長さ方向に沿った寸法は、正極タブ24の、負極タブ22から離れた一端から正極活性層232の第1端までの距離と等しい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
具体的に実現する時に、実際の必要に応じて2つの第3テープ層33の厚さを等しく設定するか又は異なるように設定することができ、また、実際の必要に応じて2つの第3テープ層33の、正極シート23の長さ方向における寸法を等しく設定するか又は異なるように設定することができる。選択的な一実現形態において、2つの第3テープ層33の、正極シート23の長さ方向に沿った寸法を等しく設定してもよく、例示的に、正極シート23の長さ方向における第3テープ層33の寸法=ジェリーロールの厚さ×3.14÷2+ジェリーロールの厚さ÷2+負極タブ22から離れた正極タブ24の一端と正極活性層232の第1端との間の水平距離+δになる。ここで、δが公差であり、2mm≦δ≦3mmである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
ジェリーロール20はセパレータ(図示せず)を更に備え、セパレータは正極シート23と負極シート21の間に設けられて正極シート23と負極シート21が絶縁するようにする。選択的に、正極タブ24の厚さ、第1正極タブテープ層51の厚さ、第2正極タブテープ層52の厚さ、2倍の正極集電体231の厚さ及び2倍のセパレータの厚さの和が第3厚さであり、2倍の第1テープ層31の厚さが第4厚さであり、第3厚さと第4厚さとの差の範囲は80%~120%である。例示的に、第3厚さは第4厚さと等しくてもよく、又は、第3厚さは第4厚さより小さくてもよく、又は、第3厚さは第4厚さより大きくてもよく、第3厚さと第4厚さとの差の範囲が80%~120%を満たせばよい。ここで、正極タブ24の厚さが負極タブ22の厚さと等しくて負極タブテープ層41の厚さが第1正極タブテープ層51の厚さと等しい場合、上述した関係は、負極タブ22の厚さ、負極タブテープ層41の厚さ、第2正極タブテープ層52の厚さ、2倍の正極集電体231の厚さ及び2倍のセパレータの厚さの和が2倍の第1テープ層31の厚さに等しいと表わされてもよい。したがって、正極タブ24から離れた負極タブ22の一端におけるジェリーロール20の厚さが、正極タブ24が設けられた領域におけるジェリーロール20の厚さと一致することを保証し、ひいてはジェリーロール20の表面の凹凸の改善に有利である。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
選択的に、ジェリーロールは第4テープ層34を更に備える。第4テープ層34はジェリーロールの外面の少なくとも一側に貼り付けられ、且つ第4テープ層34の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影は負極タブ22の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影と正極タブ24の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影との間に位置する。具体的に、第4テープ層34はジェリーロールの外面の任意の一側に貼り付けられてもよく、又は、第4テープ層34はジェリーロールの外面の対向する側に貼り付けられてもよい。例示的に、第4テープ層34は、ジェリーロールの外面を一回り囲んでもよく、又はジェリーロールの対向する両面のみの貼り付けられてもよい。一方で、第4テープ層34は、ジェリーロールの負極タブ22と正極タブ24との間に位置する部分の厚さが、ジェリーロールの負極タブ22と正極タブ24が設けられた部分の厚さにほぼ一致するようにし、ひいてはジェリーロールの平坦度の改善に有利であり、化成後のジェリーロールの界面接合効果を改善し、最終的に電池の長期サイクル寿命、膨張問題及び変形問題を改善する目的を実現する。他方で、ジェリーロールが落下するか又はや衝撃を受けるときに、第4テープ層34は緩衝の役割を果たすことができ、したがってジェリーロールの落下性能の改善に有利である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
選択的に、第4テープ層34の幅は、負極タブ22の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影と正極タブ24の、ジェリーロールの厚さ方向に沿う投影の間の距離以下であり、それにより第4テープ層34が確実に負極タブ22と正極タブ24の間に設けられるように保証して、ジェリーロールの平坦度の改善に有利である。
【国際調査報告】