IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図1
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図2
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図3
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図4
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図5
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図6
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図7
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図8
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図9
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図10
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図11
  • 特表-電力消費装置及びその取付ベース 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】電力消費装置及びその取付ベース
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20240219BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20240219BHJP
【FI】
B60K1/04 Z
H01M50/244 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552280
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2022070906
(87)【国際公開番号】W WO2023130417
(87)【国際公開日】2023-07-13
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】王霞
(72)【発明者】
【氏名】帥令
【テーマコード(参考)】
3D235
5H040
【Fターム(参考)】
3D235AA01
3D235BB05
3D235CC14
3D235DD21
3D235GA06
3D235HH09
5H040AA07
5H040AS07
5H040AT02
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC13
5H040CC46
5H040JJ03
(57)【要約】
本願は、電力消費装置及びその取付ベースを提供し、取付ベースは電池を取り付け、ベース本体と、支持アセンブリと、ロック機構と、を含む。支持アセンブリは、ベース本体に設けられ、間隔を空けて設けられる第1支持ベースと第2支持ベースとを含む。ロック機構は、ベース本体に設けられ、電池の第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入った部分を貫通し、第1支持ベースと第2支持ベースとに支持されて、電池を固定するためのロック軸を含む。本願による取付ベースでは、支持アセンブリがロック軸を共に支持するための第1支持ベース及び第2支持ベースを有するように構成されるとともに、ロック軸による電池の支持位置を第1支持ベースと第2支持ベースとの間に設けることにより、同じ衝撃、振動などの荷重の作用では、ロック軸の受ける曲げモーメントを小さくし、ロック軸の負荷能力を向上させ、更に取付ベースの耐用年数を延ばす。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池を取り付けるための電力消費装置の取付ベースであって、
ベース本体と、
前記ベース本体に設けられ、間隔を空けて設けられる第1支持ベース及び第2支持ベースを含む支持アセンブリと、
前記ベース本体に設けられ、前記電池の前記第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入った部分を貫通し、前記第1支持ベース及び前記第2支持ベースに支持されて、前記電池を固定するためのロック軸を含むロック機構と、を含む取付ベース。
【請求項2】
前記第1支持ベースは、前記ロック軸が挿通される第1支持孔を有し、及び/又は、
前記第2支持ベースは、前記ロック軸が挿通される第2支持孔を有する請求項1に記載の取付ベース。
【請求項3】
前記ロック軸は、前記ロック軸の延出方向において前記電池に接近する方向に向かい傾斜して設けられる傾斜セクションを有し、
前記傾斜セクションは、前記電池のくさびと互いに係合するためのものである請求項1又は2に記載の取付ベース。
【請求項4】
前記傾斜セクションは、段差状に分布される第1サブセクション及び第2サブセクションを含む請求項3に記載の取付ベース。
【請求項5】
前記ロック機構は、前記ロック軸に接続され、前記ロック軸の移動を駆動するための駆動部材をさらに含む請求項1~4のいずれか1項に記載の取付ベース。
【請求項6】
前記ロック機構は、前記ロック軸に外嵌されるスリーブをさらに含み、前記ロック軸は前記スリーブから延出可能である請求項1~5のいずれか1項に記載の取付ベース。
【請求項7】
前記第1支持ベースは、前記スリーブに接続され、前記第2支持ベースは前記第1支持ベースに接続されている請求項6に記載の取付ベース。
【請求項8】
複数の前記ロック機構を含み、複数の前記ロック機構は間隔を空けて前記ベース本体に設けられている請求項1~7のいずれか1項に記載の取付ベース。
【請求項9】
前記電池は、第1方向に沿って前記取付ベースに支持され、前記電池は、第2方向において対向して設けられる第1面及び第3方向において設けられる第2面を有し、前記第1面は2つの前記第2面に接続され、前記第1方向、前記第2方向及び前記第3方向は互いに垂直であり、
前記取付ベースは、2つの前記ロック機構を含み、2つの前記ロック機構は前記第2方向において間隔を空けて設けられ、前記ロック軸の軸方向は前記第2方向に沿っており、2つの前記ロック軸の延出方向は反対しており、又は、
前記取付ベースは、複数対の前記ロック機構を含み、各対の前記ロック機構は第2方向において間隔を空けて設けられ、複数対の前記ロック機構は第3方向において間隔を空けて設けられ、前記ロック軸の軸方向は前記第2方向に沿っており、各対の前記ロック機構の前記ロック軸の延出方向は反対している請求項8に記載の取付ベース。
【請求項10】
前記ベース本体に設けられ、前記電池の移動を案内して前記電池を位置決めするための案内位置決め機構をさらに含む請求項1~9のいずれか1項に記載の取付ベース。
【請求項11】
前記案内位置決め機構は、
前記電池の移動を案内するためのガイド面を有するガイド部材と、
前記電池の位置決め孔と係合して、前記電池を位置決めするための位置決めピンと、を含む請求項10に記載の取付ベース。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の取付ベースと、
一部が前記第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入る電池であって、前記ロック軸が前記電池の前記第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入った部分を貫通し、前記第1支持ベースと前記第2支持ベースとに支持されて、前記電池を固定する電池と、を含む電力消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電池という技術分野に関し、より具体的には、電力消費装置及びその取付ベースに関する。
【背景技術】
【0002】
電池は、携帯電話、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、電動飛行機、電動船、電動自動車玩具、電動船玩具、電動飛行機玩具、電動工具などの電子機器に広く用いられている。電池は複数の電池セルを含み、電池セルはニッケルカドミウム電池セル、ニッケル水素電池セル、リチウムイオン電池セルやアルカリ亜鉛マンガン二次電池セルなどを含んでもよい。
【0003】
電池は、通常電力消費装置の取付ベースに取り付けられ、電力消費装置が作動するときに、電池は取付ベースに対し各種の衝撃や荷重を与え、取付ベースの耐用年数に悪影響を及ぼす。従って、如何に電力消費装置の取付ベースの耐用年数を延ばすかは当業者が研究を続ける課題となっている。
【発明の概要】
【0004】
以上に鑑み、本願は、取付ベースの耐用年数を延ばすことができる電力消費装置及びその取付ベースを提供する。
【0005】
第1態様では、本願の実施例は、電池を取り付けるための電力消費装置の取付ベースであって、ベース本体と、ベース本体に設けられ、間隔を空けて設けられる第1支持ベース及び第2支持ベースを含む支持アセンブリと、ベース本体に設けられ、電池の第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入った部分を貫通し、第1支持ベース及び第2支持ベースに支持されて、電池を固定するためのロック軸を含むロック機構と、を含む取付ベースを提供する。
【0006】
本願の実施例による取付ベースにおいて、支持アセンブリがロック軸を共に支持する第1支持ベース及び第2支持ベースを有するように構成されるとともに、ロック軸による電池の支持位置を第1支持ベースと第2支持ベースとの間に設けることによって、同じ衝撃、振動などの荷重の作用では、ロック軸の受ける曲げモーメントを小さくし、ロック軸の負荷能力を向上させ、更に取付ベースの耐用年数を延ばす。
【0007】
いくつかの実施例では、第1支持ベースは、ロック軸が挿通される第1支持孔を有し、及び/又は、第2支持ベースは、ロック軸が挿通される第2支持孔を有する。このようにして、第1支持ベース及び/又は第2支持ベースはロック軸の各方向における荷重を受けることができ、取付ベースの負荷能力をさらに向上させることができる。
【0008】
いくつかの実施例では、ロック軸は、ロック軸の延出方向において電池に接近する方向に向かい傾斜して設けられる傾斜セクションを有し、傾斜セクションは、電池のくさびと互いに係合するためのものである。このようにして、電池とロック軸とが良好に係合することを確保し、ロック軸と電池との係合箇所への加工精度の要求を低減させ、更に生産コストを低減させることができる。
【0009】
いくつかの実施例では、傾斜セクションは、段差状に分布される第1サブセクション及び第2サブセクションを含む。このようにして、電池の取り付け難度を低減させることができる。
【0010】
いくつかの実施例では、ロック機構は、ロック軸に接続され、ロック軸の移動を駆動するための駆動部材をさらに含む。ロック軸の移動を駆動するための駆動部材が設けられることにより、ロック軸の移動がより省力化され、容易になる。
【0011】
いくつかの実施例では、ロック機構は、ロック軸に外嵌されるスリーブをさらに含み、ロック軸はスリーブから延出可能である。スリーブにより、外部からの粒子や粉塵などがロック軸の伸縮対偶に侵入して、ロック軸の引っかかりを引き起こすリスクを低減させる。また、ロック軸が移動するときに、スリーブはロック軸の移動に対するガイドを提供することができ、ロック軸がずれるリスクを低減させることができる。
【0012】
いくつかの実施例では、第1支持ベースはスリーブに接続され、第2支持ベースは第1支持ベースに接続されている。取付ベースの内部構造の一体性を向上させ、ロック軸の移動精度を向上させ、ロック軸と電池との係合精度を向上させることができる。
【0013】
いくつかの実施例では、取付ベースは複数のロック機構を含み、複数のロック機構は間隔を空けてベース本体に設けられている。このようにして、単一のロック機構の受ける荷重を小さくし、取付ベースの負荷能力を高めることができる。
【0014】
いくつかの実施例では、電池は、第1方向に沿って取付ベースに支持され、電池は、第2方向において対向して設けられる第1面及び第3方向において設けられる第2面を有し、第1面は2つの第2面に接続され、第1方向、第2方向及び第3方向は互いに垂直であり、取付ベースは、2つのロック機構を含み、2つのロック機構は第2方向において間隔を空けて設けられ、ロック軸の軸方向は第2方向に沿っており、2つのロック軸の延出方向は反対しており、又は、取付ベースは、複数対のロック機構を含み、各対のロック機構は第2方向において間隔を空けて設けられ、複数対のロック機構は第3方向において間隔を空けて設けられ、ロック軸の軸方向は第2方向に沿っており、各対のロック機構のロック軸の延出方向は反対している。それぞれのロック機構のロック軸の受ける力をさらに低減させ、電池の受ける力のバランスをより良く取り、取付ベースに取り付けられた電池の安定性を向上させることができる。
【0015】
いくつかの実施例では、取付ベースは、ベース本体に設けられ、電池の移動を案内して電池を位置決めするための案内位置決め機構をさらに含む。このようにして、電池の取付精度及び取付効率を効果的に高めることができる。
【0016】
いくつかの実施例では、案内位置決め機構は、電池の移動を案内するためのガイド面を有するガイド部材と、電池の位置決め孔と係合して、電池を位置決めするための位置決めピンと、を含む。案内位置決め機構の案内位置決め機能を確保しつつ、案内位置決め機構の構造を簡素化させることができる。
【0017】
第2態様では、本願の実施例は、上記の実施例の何れかに記載の取付ベースと、一部が第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入る電池であって、ロック軸が電池の第1支持ベースと第2支持ベースとの間に入った部分を貫通し、第1支持ベースと第2支持ベースとに支持されて、電池を固定する電池と、を含む電力消費装置をさらに提供する。
【0018】
本願の実施例による電力消費装置は、上記の実施例のいずれかに記載の取付ベースを採用するので、同様な技術的効果を有するが、ここでは詳しく説明しない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本願の実施例の技術案をより明確にするために、以下では、本願の実施例に使用される図面について簡単に説明する。明らかに、以下で説明される図面は本願の実施例の一部に過ぎず、当業者であれば、創造的な努力を必要とせずに、図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0020】
図1】本願の実施例による車両の構造概略図である。
図2】本願の実施例による電力消費装置の電池の分解概略図である。
図3】本願の実施例による電力消費装置の電池の電池モジュールの構造概略図である。
図4】本願の実施例による、電池が取付ベースに取り付けられた状態での構造概略図である。
図5】本願の実施例による、電池が取付ベースに取り付けられていない状態での構造概略図である。
図6】本願の実施例による取付ベースの構造概略図である。
図7】本願の実施例による、取付ベースにおける支持アセンブリ、ロック機構、及び電池のロック部材の構造概略図である。
図8】本願の実施例による、取付ベースにおける支持アセンブリ、ロック機構、及び電池のロック部材の上面図である。
図9】電池のロック部材が取り付けられていない状態であるときの、図8のA-Aに沿った断面構造概略図である。
図10】電池のロック部材が取り付けられた状態であるときの、図8のA-Aに沿った断面構造概略図である。
図11】本願の実施例による別の取付ベースの構造概略図である。
図12】本願の実施例による更なる取付ベースの構造概略図である。 図面において、図面は実際の比率に基づいて描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例の技術案について、本願の実施例の図面を参照して明確に説明するが、説明される実施例は本願の実施例の一部であり、全ての実施例ではないことは明らかである。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な努力を必要とせずに取得した他のすべての実施例は、本願の保護範囲に属する。
【0022】
別段の定義がない限り、本願に使用されているすべての技術用語及び科学用語は、本願の当業者が通常理解している意味と同一である。本願の明細書において使用されている用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されており、本願を限定することを意図しない。本願の明細書及び特許請求の範囲、並びに上記の図面の説明における用語「含む」及び「有する」、ならびにそれらの変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図している。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記の図面における「第1」、「第2」などの用語は、異なる対象を区別するためのものであって、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではない。
【0023】
本願に言及されている「実施例」は、実施例を参照して説明された特定の特徴、構造、又は特性が本願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書中の様々な箇所にこの語句が表示されることは、必ずしも同じ実施例を意味するわけではなく、他の実施例と相互排他的な独立した又は代替の実施例を意味するわけではない。
【0024】
本願の説明においては、特に明示的な規定及び限定がない限り、「装着」、「接続」、「連結」、「取り付ける」という用語は広義に理解されるべきであり、例えば、固定的な接続、取り外し可能な接続、又は一体的な接続であってもよく、直接連結、中間媒体を介する間接的な連結、又は2つのコンポーネントの内部の連通であってもよい。当業者であれば、本願における上記用語の具体的な意味は、状況に応じて理解することができる。
【0025】
本願における「及び/又は」という用語は、関連オブジェクトを説明する関連関係にすぎず、3つの関係が存在し得ることを意味し、例えば、C及び/又はDは、Cが単独で存在する、CとDが同時に存在する、Dが単独で存在するという3つの状況を表すことができる。また、本願における符号「/」は、一般的に前後の関連オブジェクトが「又は」の関係であることを示している。
【0026】
本願の実施例では、同一の符号は同一の構成要素を表し、異なる実施例では、簡潔のために、同一の構成要素の詳細な説明を省略する。図面に示された本願の実施例における様々な構成要素の厚さ、縦横などの寸法、及び集積装置の全体的な厚さ、縦横などの寸法は例示的なものにすぎず、本願のいかなる限定を構成するべきではないことを理解すべきである。
【0027】
本願に記載の「複数」とは、2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0028】
本願では、電池セルは、リチウムイオン二次電池セル、リチウムイオン一次電池セル、リチウム硫黄電池セル、ナトリウムリチウムイオン電池セル、ナトリウムイオン電池セルやマグネシウムイオン電池セルなどを含んでもよいが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、円筒体、扁平体、長方体又は他の形状などとしてもよいが、本願の実施例はこれらに限定されない。電池セルは、一般には、そのパッケージング方式によって、円筒形電池セル、角形電池セル、及びソフトバッグ電池セルの3種類に分けられるが、本願の実施例はこれらに限定されない。
【0029】
本願の実施例に記載された電池とは、1つ又は複数の電池セルを含んでより高い電圧及び容量を提供する単一の物理モジュールを指す。例えば、本願で記載された電池は、電池モジュール又は電池パックなどを含んでもよい。電池は、一般には、1つ又は複数の電池セルをパッケージングするための筐体を含む。筐体は、液体や他の異物が電池セルの充電又は放電に影響を与えることを回避できる。
【0030】
電池は、電力消費装置に用いられる場合、通常、電力消費装置の取付ベースに取り付けられ、取付ベースは電池を支持するとともに、電池と電力消費装置内の関連機能モジュールとを電気的に接続するためのものである。
【0031】
本発明者らは、電池が電力消費装置の取付ベースに取り付けられた後、取付ベースにおける電池の支持構造の破損する確率が高いという問題を発見した後、電力消費装置の取付ベースの構造及び取付ベースと電力消費装置との組み立て方式について全面的な分析研究を行った。その結果、電池が取付ベースに取り付けられた後、取付ベースは片持ち支持の方式で電池を支持し、電力消費装置の使用に際しては、電池に与えられる衝撃、振動などの荷重が取付ベースに伝達されるが、取付ベースが電池を片持ち方式で支持することにより、取付ベースが大きな曲げ荷重を受け、取付ベースの負荷能力を大幅に低減させ、衝撃、振動などの荷重が頻繁に作用すると、取付ベースには支持故障や損壊のリスクがあり、これにより、取付ベースの耐用年数が深刻な影響を受け、また、電池が取付ベースから離脱するリスクも生じる。
【0032】
本発明者らは、見出した上記の問題に基づいて、取付ベースの構造を改良しており、本願の実施例で記載された技術案は、取付ベース及び取付ベースを用いた電力消費装置に適している。
【0033】
電力消費装置は、車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船、宇宙機、電動玩具及び電動工具などであってもよい。車両は、エンジン駆動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー自動車などであってもよく、宇宙機は、飛行機、ロケット、宇宙飛行機及び宇宙船などを備え、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船玩具及び電動飛行機玩具などを備え、電動工具は、金属切削電動工具、研磨電動工具、組立電動工具及び鉄道用電動工具、例えば、電動ドリル、電動グラインダ、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、インパクトドリル、コンクリート振動器及び電気カンナなどを備える。本願の実施例では、上記電力消費装置に特に限定されない。
【0034】
以下の実施例では、説明の便宜上、電力消費装置が車両である場合を例として説明する。
図1は、本願のいくつかの実施例による車両1の構造概略図である。図1に示すように、車両1の内部に電池2が設けられている。
【0035】
電池2は、車両1の底部、頭部又は尾部に設けられてもよい。電池2は、車両1に電力を供給することができ、例えば、電池2は車両1の動作電源として用いられてもよい。
【0036】
車両1は、コントローラ11と、モータ12とをさらに含んでもよく、コントローラ11は、電池2を制御してモータ12に電力を供給するように構成され、例えば、車両1の起動、ナビゲーション及び走行時の動作電力需要に用いられる。
【0037】
本願のいくつかの実施例では、電池2は、車両1の動作電源として使用されるだけではなく、車両1の駆動電源として使用され、燃料又は天然ガスを代替又は部分的に代替して車両1に駆動力を提供することができる。
【0038】
図2は、本願のいくつかの実施例による電池2の分解概略図である。図2に示すように、電池2は、筐体21と電池セル(図示せず)とを含み、電池セルが筐体21内に収容される。
【0039】
筐体21は、電池セルを収容するためのものであり、様々な構造としてもよい。いくつかの実施例では、筐体21は、第1部分211と第2部分212を含んでもよく、第1部分211と第2部分212とは互いに結合され、第1部分211及び第2部分212の両方により電池モジュール3を収容するための収容室21aが画定される。第1部分211が、一端を開口部とした中空構造であり、第2部分212が板状構造であり、第2部分212が第1部分211の開口部側に被せられることで、収容室21aを有する筐体21が形成されるようにしてもよい。第1部分211及び第2部分212はいずれも一方側が開口した中空構造であり、第1部分211の開口部側が第2部分212の開口部側に被せられ、これにより、収容室21aを有する筐体21が形成されてもよい。もちろん、第1部分211及び第2部分212は、円筒体、直方体などの様々な形状であってもよい。
【0040】
第1部分211が第2部分212のトップに被せられる場合、第1部分211は、上部カバー、第2部分212は下部筐体21と呼ばれてもよい。
【0041】
電池2では、電池セルが1つであっても複数であってもよい。電池セルが複数である場合、複数の電池セルは、互いに直列接続、並列接続又は直並列接続されてもよく、直並列接続とは、複数の電池セルのうち、直列接続したものもあるし、並列接続したものもあることを意味する。複数の電池セルを直接直列接続、並列接続又は直並列接続して一体化してから、複数の電池セルからなる全体を筐体21に収容してもよいが、もちろん、複数の電池セルを直列接続、並列接続又は直並列接続して電池モジュール3を構成し、複数の電池モジュール3を直列接続、並列接続又は直並列接続して一体化したものを筐体21内に収容してもよい。
【0042】
図3は、図2に示す電池モジュール3の構造概略図である。
【0043】
いくつかの実施例では、図3に示すように、電池セル31は複数であり、複数の電池セル31は、直列接続、並列接続又は直並列接続されて電池モジュール3となる。さらに、複数の電池モジュール3は、直列接続、並列接続又は直並列接続され一体となって、筐体内に収容される。
【0044】
電池モジュール3における複数の電池セル31は互いにバスバーによって電気的に接続されて、電池モジュール3における複数の電池セル31の並列接続、直列接続又は直並列接続を実現する。
【0045】
図4図6に示すように、本願の実施例による電力消費装置の取付ベース4は、電池2を取り付けるために用いられ、取付ベース4は、ベース本体41、支持アセンブリ42及びロック機構43を含む。支持アセンブリ42はベース本体41に設けられ、支持アセンブリ42は、間隔を空けて設けられる第1支持ベース421及び第2支持ベース422を含む。ロック機構43はベース本体41に設けられ、ロック機構43は、電池2のうち第1支持ベース421と第2支持ベース422との間に入った部分を貫通し、第1支持ベース421と第2支持ベース422とに支持されて、電池2を固定するためのロック軸431を含む。
【0046】
具体的には、取付ベース4は、電力消費装置に取り付けられ、電池2を載置するとともに、電池2を位置決めするために用いられる。さらに、電池2と関連機能モジュールとを電気的に接続し、電池2が正常に電力消費装置に電力を供給するために、取付ベース4には、他の機能モジュールが集積されてもよい。取付ベース4の構造の具体的な形態について限定されなく、電池2を取り付けることができればよい。電力消費装置が車両である場合を例にして、取付ベース4は車両のシャシーに固定されてもよい。
【0047】
ベース本体41は、電力消費装置に接続され、制御素子などの機能モジュールが集積されている構造としてもよく、板状構造であってもよく、棒状構造を接合したものであってもよく、具体的なニーズに応じて決定してもよい。
【0048】
電池2が取付ベース4に取り付けられると、電池2はロック機構43のロック軸431に直接支持され、ロック軸431は支持アセンブリ42の第1支持ベース421と第2支持ベース422との間に支持され、電池2に対するロック軸431の支持部位は第1支持ベース421と第2支持ベース422との間にある。このようにして、電池2に対するロック軸431の支持点の両側に共に効果的な支持が得られ、ロック軸431が両点で支持されることになり、ロック軸431の片持ち支持、すなわち、電池2に対するロック軸431の支持部位は、一方側のみが効果的に支持され、他方側がぶら下がっているような技術案と比べて、両点支持の技術案において、同じ衝撃、振動などの荷重作用で、支持アセンブリ42が両点でロック軸431を支持する方が、ロック軸431の受ける曲げ荷重をより小さくすることができる。
【0049】
第1支持ベース421及び第2支持ベース422はそれぞれ支持面を有し、具体的には、支持面は、ロック軸431と係合する面であり、平面、曲面又はシリンドリカル面であってもよく、実際のニーズに応じて決定してもよい。第1支持ベース421及び第2支持ベース422は、それぞれ独立して、ベース本体41に設けられてもよく、両方が一体に接続されてベース本体41に設けられてもよい。
【0050】
ロック軸431が電池2を貫通する方式としては、ロック軸431は電池2の密閉構造を貫通して設けられ、例えば、電池2の密閉シリンドリカル面を貫通して設けられてもよいし、電池2の半密閉構造を貫通して設けられ、例えば、電池2の半密閉半シリンドリカル面を貫通して設けられてもよく、具体的には、実際のニーズに応じて決定してもよい。
【0051】
選択的には、電池2の取付ベース4に近い側にロック部材22が設けられ、ロック軸431は電池2のロック部材22を貫通して設けられるようにしてもよい。
【0052】
ロック軸431による電池2の支持は、線接触でも面接触でもよい。ロック軸431による電池2の支持位置は、第1支持ベース421及び第2支持ベース422からの距離が同じであってもよく、異なってもよい。ロック軸431による電池2の支持位置が、第1支持ベース421と第2支持ベース422との中央部にある場合、ロック軸431の両側の受ける曲げモーメントが近くなり、これにより、外部からの荷重作用が同じ場合は、ロック軸431の受ける曲げ荷重が最小であることが理解される。
【0053】
本願の実施例による取付ベース4において、支持アセンブリ42が、ロック軸431を共に支持する第1支持ベース421及び第2支持ベース422を含み、ロック軸431による電池2の支持位置が第1支持ベース421と第2支持ベース422との間にあるように構成されることによって、同じ衝撃、振動などの荷重作用では、ロック軸431の受ける曲げモーメントが小さく、ロック軸431の負荷能力が高くなり、取付ベース4の耐用年数が長くなる。
【0054】
第1支持ベース421及び第2支持ベース422によるロック軸431の支持方式は、面接触、線接触などとしてもよく、一例として、ロック軸431の第1支持ベース421又は第2支持ベース422に接触する部位が円筒形である場合、対応する第1支持ベース421又は第2支持ベース422の部位は、平面、ロック軸431と係合する半密閉の半シリンドリカル面又はロック軸431と係合する密閉シリンドリカル面などであってもよい。ここでは限定されず、実際のニーズに応じて決定してもよい。
【0055】
いくつかの好ましい実施例では、図7に示すように、第1支持ベース421は、ロック軸431が挿通される第1支持孔421aを有する。
【0056】
電力消費装置が作動するときに、電池2の受ける衝撃、振動荷重の方向が様々な方向に向かう可能性があり、このため、電池2によるロック軸431、ロック軸431による第1支持ベース421の荷重方向も様々な方向に向かう可能性があることが理解される。第1支持ベース421が第1支持孔421aを有するように構成されることにより、第1支持ベース421は、ロック軸431による第1支持ベース421の様々な方向の荷重を受けることができ、これにより、取付ベース4の負荷能力をさらに向上させることができる。
【0057】
いくつかの実施例では、図7に示すように、第2支持ベース422は、ロック軸431が挿通される第2支持孔422aを有する。
【0058】
第1支持ベース421に第1支持孔421aが設けられる場合と同様に、第2支持ベース422が第2支持孔422aを有するように構成されることにより、第2支持ベース422はさらに、様々な方向の荷重を受けることができるようになり、これにより、取付ベース4の負荷能力を向上させることができる。
【0059】
いくつかの実施例では、図8及び図9に示すように、ロック軸431は、ロック軸431の延出方向において電池に接近する方向に向かって傾斜して設けられ、電池のくさび221と互いに係合するための傾斜セクション4311を有する。
【0060】
具体的には、本明細書に記載のロック軸431の延出方向は、ロック軸431が延出して電池に挿通され、第1支持ベース421及び第2支持ベース422に支持される方向である。くさび221は、電池においてロック軸431と係合するロック部材22内に形成されて、傾斜セクション4311と係合するためのブロックであってもよく、くさび221の傾斜方向が傾斜セクション4311の傾斜方向と反対することで、両方をうまく密着させることができる。
【0061】
理解できるように、ロック軸431及び電池の加工精度のズレにより、ロック軸431が電池に挿通された後、ロック軸431が電池に良好に密着することを確保することができない。ロック軸431の傾斜セクション4311が電池のくさび221と係合するように構成されることにより、延出方向に沿ってロック軸431を電池に挿通する過程において、実際のニーズに応じてロック軸431の具体的な延出長さ及び距離を設定することで、ロック軸431が電池に良好に係合することを確保できる。これにより、電池とロック軸431との係合部位の加工精度への要求を低減させ、生産コストを削減させることができる。
【0062】
傾斜セクション4311は、一体成形されて、適切な傾斜角度を有するように構成されてもよい。
【0063】
いくつかの好ましい実施例では、図8図10に示すように、傾斜セクション4311は、第1サブセクション431aと第2サブセクション431bを含み、第1サブセクション431a及び第2サブセクション431bは段差状に分布している。
【0064】
具体的には、第1サブセクション431a及び第2サブセクション431bの対応する面は互いに平行としてもよく、異なる傾斜角度をなしてもよい。第1サブセクション431a及び第2サブセクション431bが段差状に設けられることによって、第1サブセクション431aがくさび221と係合できない場合、ロック軸431の延出方向に小さな距離だけ移動させれば、第2サブセクション431bとくさび221とを係合させることができる。このような構成によれば、電池2の取り付け難度を効果的に低減できる。
【0065】
電池の位置決めが必要な場合、ロック軸431を延出方向に沿い延ばして移動させ、電池に挿通するように構成されてもよく、電池を電力消費装置から取り外す必要がある場合、ロック軸431を縮退させて、電池に対するロック作用を解除するように構成されてもよい。ロック軸431を延ばして移動させることは手動により達成されてもよく、機械的に達成されてもよいが、ここでは限定されず、実際のニーズに応じて決定してもよい。
【0066】
いくつかの実施例では、ロック機構43は、ロック軸431に接続され、ロック軸431を移動させるように駆動するための駆動部材432をさらに含む。
【0067】
具体的には、駆動部材432は、ロック軸431を駆動して延出方向に沿い延ばして移動させることで、電池のロック部材22を位置決めすることを実現できる。電池を取付ベース4から取り外す必要がある場合、駆動ユニットによってロック軸431を縮退させるように駆動して、電池を取付ベース4に対しロック解除することができる。ロック軸431を移動させるように駆動するための駆動部材432が設けられることによって、ロック軸431の移動をより省力化して、容易にすることができる。
【0068】
理解できるように、駆動部材432は、エアシリンダ、油圧シリンダやモータなどの構造であってもよい。一例として、駆動部材432は油圧シリンダであり、ロック軸431はピストンロッドに接続され、ピストンロッドの延出又は縮退により、ロック軸431による電池の位置決め又は位置決め解除を実現できる。
【0069】
ロック軸431は、外部環境に露出してもよいし、ロック軸431を保護するためにロック軸431に保護カバーを設けてもよい。
【0070】
いくつかの好ましい実施例では、ロック機構43は、ロック軸431に外嵌されるスリーブ433をさらに含み、ロック軸431はスリーブ433から延出可能である。
【0071】
具体的には、ロック軸431は、電池を支持して位置規制する必要がないとき、スリーブ433内に縮退され、電池を支持する必要があるとき、スリーブ433から延出する。スリーブ433が設けられることによって、ロック軸431が保護され、外部の粒子、粉塵などがロック軸431の伸縮対偶に侵入して、ロック軸431の引っかかりを引き起こすリスクを低減させることができる。また、スリーブ433は、ロック軸431の移動過程においてロック軸431の移動に対するガイドを提供し、ロック軸431がずれるリスクを低減させることができる。
【0072】
スリーブ433は、第1支持ベース421及び第2支持ベース422とは個別に設けられてもよいし、互いに接続されて設けられてもよいが、ここでは限定されない。
【0073】
いくつかの好ましい実施例では、第1支持ベース421はスリーブ433に接続され、第2支持ベース422は第1支持ベース421に接続されている。
【0074】
このような構成によれば、第1支持ベース421、第2支持ベース422及びスリーブ433が一体に接続されてベース本体41に設けられることで、取付ベース4の内部構造の一体性を向上させ、これら3つが接続されることで、ロック軸431の移動精度を向上させ、ロック軸431と電池との係合精度を向上させることができる。
【0075】
取付ベース4による電池の支持方式によっては、取付ベース4は、1つ又は複数のロック機構43を含んでもよく、取付ベース4が複数のロック機構43を含む実施例では、複数のロック機構43の分布形態が様々であり、例えば、1行に分布してもよく、2行又は複数行に分布してもよい。電池に対する取付ベース4の負荷能力は実際のニーズに応じて具体的に設定することができる。
【0076】
いくつかの実施例では、図11及び図12に示すように、取付ベース4は複数のロック機構43を含み、複数のロック機構43は間隔を空けてベース本体41に設けられている。
【0077】
理解できるように、電池の重量が一定である場合、複数のロック機構43が設けられることによって、電池が取付ベース4に与える荷重を複数のロック機構43に分担させて、1つのロック機構43の受ける電池の荷重を低減させることができ、このような構成によれば、取付ベース4の負荷能力を向上させ、取付ベース4の耐用年数を延ばすことができる。
【0078】
いくつかの実施例では、電池は第1方向Xに沿って取付ベース4に支持され、電池は、第2方向Yにおいて対向して設けられる第1面及び第3方向Zにおいて設けられる第2面を有し、第1面は2つの第2面に接続される。第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zは互いに垂直である。
【0079】
具体的には、第1方向Xは鉛直方向であってもよく、第2方向Y及び第3方向Zは水平方向であってもよい。ロック軸431は第2方向Yに沿って延出して移動してもよいし、第3方向Zに沿って延出して移動してもよいし、他の方向に沿って延出して移動してもよい。取付ベース4が複数のロック機構43を含む場合、複数のロック機構43は第2方向Yにおいて間隔を空けて設けられてもよいし、第3方向Zにおいて間隔を空けて設けられてもよく、ロック機構43は、ペアをなして設けられ、それぞれ電池の第2方向Y又は第3方向Zに沿った両側に設けられてもよい。
【0080】
いくつかの好ましい実施例では、取付ベース4は、2つのロック機構43を含み、2つのロック機構43は第2方向Yにおいて間隔を空けて設けられる。ロック軸431の軸方向は第2方向Yに沿っており、2つのロック軸431の延出方向は反対している。
【0081】
このように構成によれば、2つのロック機構43による電池の支持力は電池の重心に対しできる限り対称的に設けられてもよく、これにより、取付ベース4に対する電池の荷重バランスがより良く取られ、電池の受ける転覆モーメントを低減させることができる。
【0082】
別のいくつかの実施例では、取付ベース4は複数対のロック機構43を含み、各対のロック機構43は第2方向Yにおいて間隔を空けて設けられ、複数対のロック機構43は第3方向Zにおいて間隔を空けて設けられ、ロック軸431の軸方向は第2方向に沿っており、各対のロック機構43のロック軸431の延出方向は反対している。
【0083】
なお、それぞれのロック機構43は何れも1つの支持アセンブリ42に対応し、複数対のロック機構43が設けられるため、それぞれのロック機構43のロック軸431を支持するために、複数対の支持アセンブリ42の設置が必要とされる。
【0084】
理解できるように、取付ベース4が複数対のロック機構43を含むことにより、取付ベース4による電池の負荷能力を向上させ、それぞれのロック機構43のロック軸431の受ける力を低減させることができる。複数対のロック機構43の延出方向が反対するように構成されることで、電池の受ける力のバランスがより良く取られる。
【0085】
いくつかの実施例では、取付ベース4は、ベース本体41に設けられる案内位置決め機構44をさらに含む。案内位置決め機構44は、電池の移動を案内して電池を位置決めするために用いられる。
【0086】
理解できるように、ロック軸431を電池に挿通するステップの前に、電池を取付ベース4の所定の位置に設け、電池の取付位置の正確性を確保するために、電池を位置決めする必要がある。従って、案内位置決め機構44が設けられることにより、電池を取付ベース4に載置するときに、電池の移動方向を案内し、電池を取付ベース4に載置した後に電池の位置を何度も調整する事態を回避することができる。電池が所望の位置に載置されると、案内位置決め機構44は電池を簡単に位置決めし、電池が取付ベース4に載置された後に位置ズレが生じるリスクを低減させる。従って、案内位置決め機構44が設けられることにより、電池の取付精度及び取付効率を効果的に向上させることができる。
【0087】
案内位置決め機構44の具体的な構造について限定されず、電池の移動に対するガイドを提供し、電池が所望の位置に載置された後、電池に一定の位置決め作用を果たすことができればよい。
【0088】
いくつかの好ましい実施例では、案内位置決め機構44は、ガイド部材441と位置決めピン442とを含む。ガイド部材441は、電池の移動を案内するためのガイド面441aを有する。位置決めピン442は、電池の位置決め孔と係合して、電池を位置決めするために用いられる。
【0089】
具体的には、ガイド面441aは、取付ベース4に向かう方向に傾斜して設けられる斜面としてもよい。電池が取付ベース4に向かって移動するときに、ガイド面441aと接触し、ガイド面441aに沿って移動することができる。電池がガイド面441aに沿って移動するときに、電池の位置決め孔が次第に位置決めピン442と係合し、電池が所望の位置に移動した後、位置決めピン442は電池を位置決めする役割を果たす。従って、案内位置決め機構44がガイド部材441と位置決めピン442を含むように構成されることにより、簡単な構造で電池を取り付ける過程におけるガイド、位置決めの作用を発揮できる。
【0090】
ガイド部材441及び位置決めピン442の数について限定されない。一例として、電池と取付ベース4との対向する4辺に対応する位置にいずれもガイド部材441が設けられ、電池と取付ベース4との対向する対角線に2つの位置決めピン442が設けられ、これにより、電池に対するガイドがより正確になり、電池の取付効率がさらに向上する。
【0091】
本願の実施例による電力消費装置は、電池と、上記のいずれかの実施例による取付ベース4と、を含む。電池の一部は第1支持ベース421と第2支持ベース422との間に入り、ロック軸431は、電池の第1支持ベース421と第2支持ベース422との間に入った部分を貫通し、第1支持ベース421と第2支持ベース422とに支持されて、電池を固定する。
【0092】
なお、矛盾しない限り、本願の実施例及び実施例の構成は互いに組み合わせられてもよい。
【0093】
なお、以上の実施例は本願の技術案を説明するに過ぎず、これを限定するものではない。本願を前述実施例を参照して詳細に説明したが、当業者が理解できるように、前述各実施例に記載の技術案を修正したり、その技術特徴の一部を等価で置換したりすることができ、これらの修正又は置換により、対応する技術案の主旨が本願の各実施例の技術案の趣旨及び範囲から逸脱することはない。
【符号の説明】
【0094】
1 車両、11 コントローラ、12 モータ、
2 電池、21 筐体、211 第1部分、212 第2部分、21a 収容室、22 ロック部材、221 くさび、
3 電池モジュール、31 電池セル、
4 取付ベース、41 ベース本体、42 支持アセンブリ、421 第1支持ベース、421a 第1支持孔、422 第2支持ベース、422a 第2支持孔、43 ロック機構、431 ロック軸、4311 傾斜セクション、431a 第1サブセクション、431b 第2サブセクション、432 駆動部材、433 スリーブ、44 案内位置決め機構、441 ガイド部材、441a ガイド面、442 位置決めピン、
X 第1方向、Y 第2方向、Z 第3方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】