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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/204 20210101AFI20240219BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240219BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20240219BHJP
   H01M 10/6561 20140101ALI20240219BHJP
   H01M 50/271 20210101ALI20240219BHJP
   H01M 50/296 20210101ALI20240219BHJP
   H01M 50/507 20210101ALI20240219BHJP
   H01M 10/658 20140101ALN20240219BHJP
【FI】
H01M50/204 401H
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/6561
H01M50/271 S
H01M50/296
H01M50/204 401F
H01M50/507
H01M10/658
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023552286
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2021143663
(87)【国際公開番号】W WO2023123348
(87)【国際公開日】2023-07-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522492196
【氏名又は名称】遠景動力技術(江蘇)有限公司
【氏名又は名称原語表記】AESC Dynamics Technology(Jiangsu)Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.66 Shentai Road,Shengang Street,Jiangyin City,Wuxi City,Jiangsu Province,214443 China
(71)【出願人】
【識別番号】522492200
【氏名又は名称】遠景睿泰動力技術(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】AESC Intelligent Innovation Dynamics Technology (Shanghai) Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 101,Building No.2,No.2555 Xiupu Road,Kangqiao Town,Pudong New District,Shanghai,201315 China
(74)【代理人】
【識別番号】100204490
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 葉子
(72)【発明者】
【氏名】陳 卓烈
(72)【発明者】
【氏名】崔 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】何 亞飛
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031HH08
5H031KK02
5H031KK08
5H040AA01
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY05
5H040DD03
5H040DD06
5H040NN01
5H043AA05
5H043AA09
5H043AA13
5H043CA21
5H043FA04
(57)【要約】
本願は、動力電池の技術分野に関し、例えば、電池モジュール及び電池パックに関する。電池モジュールは、外フレーム及び複数のセルを備え、複数のセルは積層して設けられ、セルアセンブリを形成する。外フレームは、底板と、上部カバーと、外周板と、を備え,底板及び上部カバーは、それぞれ外周板の底部及び上部に設けられ、外周板は、2つの対向する側板及び2つの対向する端板を備え、2つの端板は、側板の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、2つの端板、2つの側板、底板及び上部カバーは、共同で囲んで収容キャビティを形成し、セルアセンブリは、収容キャビティ内に設けられ、上部カバーには放熱孔が設けられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層して設けられ、セルアセンブリを形成する複数のセルと、
底板と、上部カバー(11)と、外周板と、を備える外フレーム(1)と、を備え、
前記底板及び前記上部カバー(11)は、それぞれ前記外周板の底部及び上部に設けられ、前記外周板は、2つの対向する側板(13)及び2つの対向する端板(12)を備え、2つの前記端板(12)は、前記側板(13)の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、2つの前記端板(12)、2つの前記側板(13)、底板及び上部カバー(11)は、共同で囲んで収容キャビティを形成し、前記セルアセンブリは、前記収容キャビティ内に設けられ、前記上部カバー(11)には放熱孔(111)が設けられる電池モジュール。
【請求項2】
前記セルアセンブリの一端には出力極(5)が設けられ、前記放熱孔(111)は、第1の放熱孔を備え、前記第1の放熱孔は、前記上部カバー(11)の前記出力極(5)から離れた一端に設けられる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記放熱孔(111)は、第2の放熱孔及び第3の放熱孔をさらに備え、前記第2の放熱孔は、前記上部カバー(11)の両端に設けられ、前記第3の放熱孔は、前記上部カバー(11)の中央に設けられる、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記第2の放熱孔と前記第3の放熱孔との間には前記第1の放熱孔が設けられ、前記第1の放熱孔と前記前記第1の放熱孔に隣接する前記第2の放熱孔との距離は、前記第1の放熱孔と前記第3の放熱孔との距離よりも小さい、請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記放熱孔(111)の数は複数のであり、少なくとも一部の前記放熱孔(111)は長形孔であり、長形孔である前記放熱孔(111)の長さ方向は前記セルの長さ方向と一致する、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項6】
耐火ガスケット(2)をさらに備え、前記耐火ガスケット(2)は、前記セルアセンブリと前記端板(12)との間に設けられる、請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記出力極(5)に隣接する前記耐火ガスケット(2)には出力極収容孔(3)が設けられ、
前記出力極(5)から離れた前記耐火ガスケット(2)には低圧接続孔が設けられる、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
タブホルダー(4)及びバスバーをさらに備え、前記タブホルダー(4)及び前記バスバーは、いずれも前記セルアセンブリと前記端板(12)との間に設けられ、前記タブホルダー(4)は、前記セルアセンブリと前記バスバーとの間に設けられる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項9】
2つの前記端板(12)には、いずれも前記放熱孔(111)が設けられていない、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項10】
各前記側板(13)の内側壁上には排気経路が設けられ、各前記端板(12)には端部排気孔(121)が設けられる、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項11】
タブホルダー(4)をさらに備え、前記タブホルダー(4)は、前記収容キャビティ内に位置し、かつ、前記端板(12)と前記セルアセンブリとの間に位置し、前記セルのタブは前記タブホルダー(4)から伸出し、前記タブホルダー(4)には複数のホルダー排気孔(41)が設けられ、複数の前記ホルダー排気孔(41)と複数の前記端部排気孔(121)とは1対1で対応して設けられる、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項12】
耐火ガスケット(2)をさらに備え、前記耐火ガスケット(2)は、前記タブホルダー(4)と前記端板(12)との間に設けられる、請求項11に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記耐火ガスケット(2)には、耐火パッド排気孔(21)が設けられ、複数の前記耐火パッド排気孔(21)と複数の前記端部排気孔(121)とは1対1で対応して設けられる、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項14】
バスバーをさらに備え、前記セルアセンブリの一端には2つの出力極(5)が設けられ、2つの前記出力極(5)は、前記セルアセンブリの同一端に設けられ、2つの前記出力極(5)は前記バスバーと接続され、前記バスバーは、前記タブホルダー(4)と前記耐火ガスケット(2)との間に設けられる、請求項12に記載の電池モジュール。
【請求項15】
前記放熱孔(111)は、前記上部カバー(11)の両端に設けられた第2の放熱孔を備える、請求項10に記載の電池モジュール。
【請求項16】
前記放熱孔(111)は、前記上部カバー(11)の前記出力極(5)から離れた一端に設けられた第1の放熱孔をさらに備える、請求項15に記載の電池モジュール。
【請求項17】
前記放熱孔(111)は、前記上部カバー(11)の中央に設けられた第3の放熱孔をさらに備え、前記第1の放熱孔は、前記第3の放熱孔と前記第2の放熱孔との間に位置する、請求項16に記載の電池モジュール。
【請求項18】
前記放熱孔(111)の数は複数であり、少なくとも一部の前記放熱孔(111)は長形孔であり、長形孔である前記放熱孔(111)の長さは、前記セルの長さ方向に沿って延伸する、請求項10~17のいずれか一項に記載の電池モジュール。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載の電池モジュールを備える電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、動力電池の技術分野、例えば、電池モジュール及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
環境保護問題への関心の高まりに伴い、新エネルギー電気自動車が普及しつつある。電池パックのエネルギー密度は電気自動車の走行距離に関係する。高いエネルギー要件を得るために、現在の電池パックは、直並列組み合わせで多数の二次電池を使用している。電池パックのエネルギー密度がますます高くなるにつれて、その熱的安全性の問題はますます深刻になっている。電池パックの安全性は電気自動車と乗員の安全に直接影響するため、電池パックの安全性は電気自動車の普及促進の障害となっている。
【0003】
従来技術では、横方向の空間がコンパクトな電池モジュールの熱故障後、箱体からの放熱が困難であり、電池パックの安全性の問題をいかに効果的に解決するかが緊急の技術的課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、横方向の空間が比較的コンパクトな状況で、制御不能となった電池モジュールの熱を箱体から放散できる電池モジュール及び電池パックを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、次の技術的試案を採用する。
【0006】
積層して設けられ、セルアセンブリを形成する複数のセルと、
底板と、上部カバーと、外周板と、を備える外フレームと、を備え、
前記底板及び前記上部カバーは、それぞれ前記外周板の底部及び上部に設けられ、前記外周板は、2つの対向する側板及び2つの対向する端板を備え、2つの前記端板は、前記側板の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、2つの前記端板、2つの前記側板、底板及び上部カバーは、共同で囲んで収容キャビティを形成し、前記セルアセンブリは、前記収容キャビティ内に設けられ、前記上部カバーには放熱孔が設けられる電池モジュールを提供する。
【0007】
本願は、さらに、前記電池モジュールを含む電池パックを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本願の実施形態1で提供される電池モジュールの構造概略図である。
図2】本願の実施形態1で提供される電池モジュールの分解概略図である。
図3】本願の実施形態2で提供される電池モジュールの構造概略図である。
図4】本願の実施形態2で提供される電池モジュールの分解概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付の図面及び実施形態と併せて本願を以下で詳細に説明する。
【0010】
本願の説明において、他に明確に指定及び限定されない限り、「連結された」、「接続された」、及び「固定された」という用語は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、それは、固定接続であって良く、取り外し可能な接続であって良く、又は一体に接続されていても良く、機械的接続又は電気的接続であって良く、直接的な接続又は仲介物を介した間接的な接続であって良く2つの構成要素の内部連通又は2つの構成要素間の相互作用関係であって良い。当業者は、具体的な状況において本願における前記用語の特定の意味を理解することができる。
【0011】
本願では、特に明示的に指定及び制限されない限り、第2の特徴の「上」又は「下」にある第1の特徴は、第1及び第2の特徴の間の直接接触する場合を含んで良く、また、第1及び第2の特徴が直接接触しておらず、それらの間の別の特徴を介して接触する場合を含んで良い。さらに、第2の特徴「の上」、「上方」、「上面」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上にあること、あるいは単に第1の特徴が第2の特徴よりも水平方向に高いことを含む。第2の特徴「の下」、「下方」、「下面」にある第1の特徴は、第1の特徴が第2の特徴の直下及び斜め下にあることを含み、あるいは単に第1の特徴が第2の特徴よりも水平方向に低いことを含む。
【0012】
本実施形態の説明において、技術用語「上」、「下」、「右」などの向き又は位置関係を示す用語は、図面に示す向き又は位置関係に基づくものであり、専ら説明の便宜及び簡略化のためのものであり、動作の説明は、言及される装置又は構成要素が特定の向きを有し、特定の向きで構成及び動作する必要があることを示したり暗示したりするものではなく、したがって本願を限定するものとして解釈されるべきではない。また、「第1」、「第2」という用語は、専ら説明上区別するために使用するものであり、特別な意味はない。
【0013】
従来技術のバッテリモジュールは、内部空間が横方向にコンパクトである場合、セル内で熱暴走が発生した後に、セルによって生成される熱を放出することが困難であり、バッテリモジュール全体の危険性が増大する。そこで、本実施形態では、熱を電池モジュールの箱外に適時に効果的に放出することができる電池パックを提供する。前記電池パックは、電池モジュールを含み、電池モジュールは、適時に熱を放出することができるため、内部から高温の煙を迅速に放出し、熱の拡散を遅らせることができる。
【0014】
実施形態1
【0015】
図1及び図2に示されるように、前記電池モジュールは、外フレーム1と、タブホルダー4と、バスバーと、複数のセルと、を備え、複数のセルは積層して設けられ、セルアセンブリを形成し、セルの間は、タブを介して直列又は並列に接続される。外フレーム1は、底板と、上部カバー11と、外周板と、を備え、底板及び上部カバー11は、それぞれ外周板の底部及び上部に設けられ、外周板は、2つの対向する側板13及び2つの対向する端板12を備え、2つの端板12は、側板13の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、2つの端板12、2つの側板13、底板及び上部カバー11は、共同で囲んで収容キャビティを形成し、セルアセンブリは収容キャビティ内に設けられ、上部カバー11には放熱孔111が設けられる。タブホルダー4及びバスバーは、いずれもセルアセンブリと端板12との間に設けられ、タブホルダー4は、セルアセンブリとバスバーとの間に設けられる。セルのタブは、タブホルダー4から伸出してバスバーに接続される。2つの出力極5は、セルアセンブリの同一端に設けられ、出力極5はバスバーに接続され、バスバーは、セルと出力極5とを接続して、電気エネルギーの出力を実現するように設けられる。
【0016】
セルの熱暴走により高温の煙が発生した場合、上部カバー11には放熱孔111が設けられているので、上部カバー11に位置する放熱孔111から熱暴走時の高温の煙を速やかに導出して、その他のセルに影響することを防止することができ、放熱孔111は主要排気経路であり、上部カバー11から大量の高温の煙を排出することができる。上部カバー11に放熱孔111を設けることにより、横方向の空間がコンパクトな電池モジュールによって生成される高温の煙を効果的に速やかに箱外に排出することができ、前記電池モジュールの危険性を低減することができる。
【0017】
任意に、本実施形態におけるセルアセンブリの一端には出力極5が設けられ、セルアセンブリの一端には2つの出力極5が設けられ、放熱孔111は、第1の放熱孔を備え、出力極5から離れた上部カバー11の一端には、複数の第1の放熱孔が設けられることを理解できる。上部カバー11は出力出力極から遠く離れている。第1の放熱孔を設けることにより、高温の煙を主に非出力極近傍から噴出させることができ、出力極5と同一端の高圧部品への影響を防止し、これにより、前記電池モジュールに熱暴走が発生した時の危険性を低減する。
【0018】
任意に、本実施形態における放熱孔は、第2の放熱孔(図1及び2では図示せず)及び第3の放熱孔をさらに備え、上部カバー11の両端には複数の第2の放熱孔が設けられ、上部カバー11の中央には複数の第3の放熱孔が設けられる。複数の第2の放熱孔及び複数の第3の放熱孔は、高温の煙を速やかに外フレーム1の外に排出することができる。本実施形態における端板12には、出力極5及び低圧アセンブリが通過するための孔のみが設けられており、2つの端板12には、いずれも放熱孔111は設けられないため、熱暴走時の高温の煙がモジュールの両側に向かって流れ、出力極5及びその他の構造に影響することを防止することができる。
【0019】
第2の放熱孔及び第3の放熱孔の間には第1の放熱孔が設けられ、第1の放熱孔と、前記第1の放熱孔に隣接する第2の放熱孔との間の距離は、第1の放熱孔と第3の放熱孔の距離よりも小さい。第1の放熱孔は、第2の放熱孔の近くに設けられ、目的は、高温の煙に対して好ましい導流作用を生じ、これにより高温の煙を出力極5から遠ざけ、高温の煙が出力極5と同一端の高圧アセンブリに影響することを防止することにある。
【0020】
任意に、本実施形態における少なくとも一部の放熱孔111は長形孔であると同時に、長形孔である放熱孔111の長さ方向はセルの長さ方向と一致する。長形孔を設けることにより、加工に有利となり、円形の排気孔と比べて、孔面積が増大し、高温の煙を適時に排出することができる。本願の実施形態では、第3の放熱孔及び第1の放熱孔の長さ方向はセルの長さ方向と一致し、高温の煙をセルの長さ方向に沿って速やかに散出し、高温の煙がセル長さ方向に集中するのを防止することができる。第3の放熱孔及び第1の放熱孔は複数であり、且つ、第3の放熱孔及び第1の放熱孔は、それぞれ一列に設けられる。
【0021】
任意に、図2に示されるように、電池モジュールは、耐火ガスケット2をさらに備え、耐火ガスケット2は、セルと端板12との間に設けられる。耐火ガスケット2は、端板12とセルアセンブリとの間に設けられ、例えば、タブホルダー4と端板12との間に設けられる。耐火ガスケット2はシリコン発泡体からなり、耐火ガスケット2の厚さはタブホルダー4と端板12との間の距離よりも大きく、高温の煙がタブホルダー4と端板12との間に侵入するのを効果的に防止することができ、これにより封止の効果を実現するとともに、バスバーのアーク短路の問題の発生を効果的に防止することができる。耐火ガスケット2がシリコン発泡体からなるため、従来の端部雲母プレートの代わりに使用でき、重量とコストが削減される。
【0022】
任意に、本実施形態では、出力極5に隣接する耐火ガスケット2には出力極収容孔3が設けられる。これに対応して、端板12には出力極収容孔3も設けられ、出力極収容孔3の形状は異なっていても良く、実際の必要に応じて設けられる。出力極収容孔3により、端板12の組立工程において、出力極5が干渉して組立に影響することを防止でき、組立効率を向上することができる。
【0023】
任意に、本実施形態では、出力極5から離れた耐火ガスケット2には低圧接続孔が設けられる。これに対応して、出力極5から離れた端板12にも低圧接続孔が設けられ、低圧接続孔の形状は異なっていても良く、実際の必要に応じて設けられる。低圧接続孔を設けることにより、箱体の組立工程において、低圧アセンブリが端板12に干渉することを防止するとともに、出力極収容孔3と低圧接続孔は、高温の煙が発生した後、高温の煙を導出し、放熱の効果も実現することができる。
【0024】
本実施形態における電池モジュールは、外フレーム及び複数のセルを備え、複数のセルは積層して設けられ、セルアセンブリを形成する。外フレームは、底板と、上部カバーと、外周板と、を備え、底板及び上部カバーは、それぞれ外周板の底部及び上部に設けられ、外周板は、2つの対向する側板及び2つの対向する端板を備え、2つの端板は、側板の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、2つの端板、2つの側板、底板及び上部カバーは、共同で囲んで収容キャビティを形成し、セルアセンブリは、収容キャビティ内に設けられ、上部カバーには放熱孔が設けられる。セルが熱暴走して高温の煙が発生した場合、上部カバーには放熱孔が設けられているので、放熱孔は、熱暴走時の高温の煙を速やかに導出して、その他のセルに影響することを防止することができ、放熱孔は、上部カバーから大量の高温の煙を排出することができ、上部カバーに放熱孔を設けることにより、横方向の空間がコンパクトな電池モジュールによって生成される高温の煙を効果的に速やかに箱外に排出することができ、危険性を低減することができる。
【0025】
実施形態2
【0026】
図3及び図4に示されるように、電池モジュールは、収容キャビティを有する箱体及び箱体内に設けられる複数のセルを含み、複数のセルは、直列又は並列に積層されてセルアセンブリを形成し、セルアセンブリは、電気エネルギーを出力するための出力極5が設けられる。任意に、箱体は、底板、上部カバー11、側板13及び端板12を備え、底板の両側には、それぞれ側板13が設けられ、底板の両端には、それぞれ端板12が設けられ、即ち、端板12の両端は、それぞれ側板13と接続され、底板、上部カバー11、2つの側板13及び2つの端板12は、共同で囲んで収容キャビティを形成する。各側板13の内側壁上には排気経路が設けられ、上部カバー11上には放熱孔111が設けられ、2つの端板12には、いずれも端部排気孔121が設けられる。上部カバー11及び端板12上に放熱孔及び端部排気孔を設けることにより、横方向の空間がコンパクトで、及び縦方向の空間がコンパクトな電池モジュールによって生成される高温の煙を効果的に速やかに箱外に排出することができ、危険性を低減することができる。
【0027】
任意に、本願の実施形態では、放熱孔111は、上部カバー11の両端に設けられた第2の放熱孔(図3及び図4では図示せず)と、上部カバー11の出力極5から離れた一端に設けられた第1の放熱孔及び上部カバー11の中央に設けられた第3の放熱孔と、を備え、第1の放熱孔は、第3の放熱孔と第2の放熱孔との間に設けられ、ここで、第1の放熱孔と前記第1の放熱孔に隣接する第2の放熱孔の距離は、第1の放熱孔と第3の排気との距離よりも小さい。
【0028】
セルが熱暴走して高温の煙を発生した後、高温の煙は、側板13に設けられた排気経路を介して端板12に導かれることができ、端板12の端部排気孔121は、適時に高温の煙を排出することができる。上部カバー11には放熱孔111が設けられ、放熱孔111は、第1の放熱孔、第2の放熱孔及び第3の放熱孔を含み、上部カバー11の両端に設けられた第2の放熱孔は、熱暴走時の高温の煙を速やかに導出することができるので、その他のセルに影響することを防止することができ、出力極5から離れた一端に設けられた第1の放熱孔は、高温の煙を主に非出力極近傍から噴出させることができ、高温の煙が出力極5の側の高圧アセンブリに影響することを防止することができ、第3の放熱孔は、上部カバー11の中央に設けられ、熱暴走したセルから第3の放熱孔の経路は主要排気経路であり、第3の放熱孔は、大量の高温の煙を上部カバー11から排出することができる。
【0029】
本実施形態における少なくとも上部カバー11は非金属材料からなり、箱体全体は非金属材料からなるか、箱体の一部が非金属材料からなることを理解できる。上部カバー11に第1の放熱孔、第2の放熱孔及び第3の放熱孔を設けることにより、高温の煙が非金属からなる上部カバー11を溶かし、電池モジュール全体を失効させることを回避することができる。
【0030】
任意に、本実施形態では、図4に示されるように、電池モジュールは、タブホルダー4及びバスバーをさらに備える。タブホルダー4は、箱体の内部(即ち、収容キャビティ内)に位置し、かつ、端板12とセルアセンブリとの間に位置し、バスバーは、タブホルダー4と端板12との間に位置する。セルのタブは、タブホルダー4から伸出してバスバーに接続される。タブホルダー4には、複数のホルダー排気孔41が設けられ、複数のホルダー排気孔41と複数の端部排気孔31とは1対1で対応して設けられる。ホルダー排気孔41を設けることにより、高温の煙を箱体の収容キャビティ内から適時に排出することができる。セルアセンブリ一端には2つの出力極5が設けられ、2つの出力極5はセルアセンブリの同一端に設けられ、高温の煙を出力極5のない一端まで導き排出することが容易となる。出力極5はバスバーに接続され、バスバーは、セルと出力極5とを接続して、電気エネルギーの出力を実現するように設けられる。
【0031】
任意に、本実施形態では、図4に示されるように、電池モジュールは、耐火ガスケット2をさらに備え、耐火ガスケット2はタブホルダー4と端板12との間に設けられる。耐火ガスケット2はシリコン発泡体からなり、耐火ガスケット2の厚さはタブホルダー4と端板12との間の距離よりも大きく、高温の煙がタブホルダー4と端板12との間に侵入するのを効果的に防止することができ、これにより封止の効果を実現するとともに、バスバーのアーク短路の問題の発生を効果的に防止することができる。耐火ガスケット2がシリコン発泡体からなるため、従来の端部雲母プレートの代わりに使用でき、重量とコストが削減される。
【0032】
高温の煙を耐火ガスケット2から流出させるために、耐火ガスケット2には耐火パッド排気孔21が設けられ、複数の耐火パッド排気孔21と複数の端部排気孔31とは1対1で対応して設けられる。高温の煙は、セルからホルダー排気孔41、耐火パッド排気孔21及び端部排気孔31を順に通過して、箱体の収容キャビティの外に排出され、高温の煙が箱体内に集中して、その他のセルに影響し、熱暴走を加速することを防止する。
【0033】
本実施形態では、端板12は、出力極端板及び非出力極端板をさらに備え、出力極端板はセルアセンブリの出力極5を有する一端に設けられ、非出力極端板はセルアセンブリの出力極5を有さない一端に設けられ、即ち、出力極5は同時にセルアセンブリの一端に設けられることを理解できる。出力極5が箱体の組立過程において端板に影響することを回避するために、本実施形態では、出力極端板及び前記出力極端板と同側に設けられる耐火ガスケット2には、いずれも出力極収容孔3が設けられる。出力極収容孔3は、端板12の組立工程において、出力極5が干渉して組立に影響することを防止でき、組立効率を向上することができる。セルには、さらに低圧アセンブリが接続され、本実施形態における低圧アセンブリ及び出力極5は、それぞれセルアセンブリの両端に位置するので、非出力極端板及び非出力極端板と同側に設けられる耐火ガスケット2には、いずれも低圧接続孔が設けられる。低圧接続孔を設けることにより、低圧アセンブリが箱体の組立過程において端板と干渉することを防止すると同時に、出力極収容孔3及び低圧接続孔は、高温の煙が発生した後、高温の煙を導出し、放熱の効果も実現することもできる。
【0034】
任意に、本実施形態では、少なくとも一部の放熱孔111は長形孔であり、端部排気孔121、ホルダー排気孔41及び耐火パッド排気孔21の少なくとも1つは長形孔である。放熱孔111が長形孔である場合、放熱孔111の長さはいずれもセルの長さ方向に沿って延伸する。端部排気孔121、ホルダー排気孔41及び耐火パッド排気孔21はいずれも端板12の高さ方向に沿って延伸する。長形孔を設けることにより、加工に有利で、かつ、孔の面積が大きく、円形の排気孔と比べて、孔面積が増大し、高温の煙を適時に排出するのに有利である。
【0035】
本実施形態における電池モジュールは、外フレーム及び複数のセルを備え、複数のセルは積層して設けられ、セルアセンブリを形成する。外フレームは、底板と、上部カバーと、外周板と、を備え、底板及び上部カバーは、それぞれ外周板の底部及び上部に設けられ、外周板は、2つの対向する側板及び2つの対向する端板を備え、2つの端板は、側板の長さ方向に沿って間隔をあけて設けられ、底板、上部カバー、2つの端板及び2つの側板は、共同で囲んで収容キャビティを形成し、セルアセンブリは、収容キャビティ内に設けられ、側板の内側壁上には排気経路が設けられ、上部カバー上には放熱孔が設けられ、端板上には端部排気孔が設けられる。
【0036】
本実施形態における電池モジュールは、収容キャビティを有する箱体(即ち、外フレーム)及び箱体内に設けられる複数のセルを備え、複数のセルは積層され、セルアセンブリを形成し、セルアセンブリには出力極が設けられ、箱体は、底板、上部カバー、側板及び端板を備え、底板の両側には、それぞれ側板が設けられ、底板の両端にはそれぞれ端板が設けられ、底板、上部カバー、2つの側板及び2つの端板は、共同で囲んで収容キャビティを形成し、各側板の内側壁上には排気経路が設けられ、上部カバーには放熱孔が設けられ、2つの端板には端部排気孔が設けられる。セルが熱暴時に高温の煙を発生した場合、側板に設けられた排気経路を介して端板側に導くことができ、端板の端部排気孔は、高温の煙を適時に排出することができ、上部カバーには放熱孔が設けられているので、熱暴走時の高温の煙速やかに導出し、その他のセルに影響することを防止することができ、上部カバーと端板上に放熱孔及び端部排気孔を設けることにより、横方向の空間がコンパクトで、及び縦方向の空間がコンパクトな電池モジュールによって生成される高温の煙を効果的に速やかに箱外に排出することができ、危険性を低減することができる。
【符号の説明】
【0037】
1、外フレーム
11、上部カバー
111、放熱孔
12、端板
121、端部排気孔
13、側板
2、耐火ガスケット
21、耐火パッド排気孔
3、出力極収容孔
4、タブホルダー
41、ホルダー排気孔
5、出力極
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】