IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テスラ モーターズ,インコーポレーテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】ウェハ位置合わせ構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/07 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
H01L25/08 Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553071
(86)(22)【出願日】2022-02-23
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2022017504
(87)【国際公開番号】W WO2022187053
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/155,202
(32)【優先日】2021-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510192916
【氏名又は名称】テスラ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヨン グオ
(72)【発明者】
【氏名】ブハンダリ,リシャブー
(72)【発明者】
【氏名】ノボヴァティ,アイディン
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ,ロン
(72)【発明者】
【氏名】クリシヴァサン,ヴィジャイクマール
(72)【発明者】
【氏名】ヘシュケ,ミッチェル
(57)【要約】
システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリが開示される。SoWアセンブリは、第1の熱膨張係数(CTE)を伴う第1のSoWアセンブリ構造を含むことができる。第1のSoWアセンブリ構造は、異なる位置に第1~第3のスロットを含む。SoWアセンブリは、第1のSoWアセンブリ構造上に積層される第2のSoWアセンブリ構造を含むことができる。第2のSoWアセンブリ構造は、第1のCTEとは異なる第2のCTEを有する。第2のSoWアセンブリ構造は、この第2のSoWアセンブリ構造から延在して第1~第3のスロット内に配置される第1~第3のピンを有する。第1及び第2のスロットは、第1及び第2のピンが第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、第3のスロットは、第3のピンが第2の軸に沿って移動できるようにするべく成形される。特定の用途では、第1のSoWアセンブリ構造をSoWとすることができ、第2のSoWアセンブリ構造を放熱構造とすることができる。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリであって、
第1の位置にある第1のスロット、第2の位置にある第2のスロット、及び第3の位置にある第3のスロットを含む第1のSoWアセンブリ構造と、
前記第1のSoWアセンブリ構造と積層される第2のSoWアセンブリ構造であって、前記第2のSoWアセンブリ構造から延在するとともに前記第1のスロット内に少なくとも部分的に配置される第1のピンと、前記第2のSoWアセンブリ構造から延在するとともに前記第2のスロット内に少なくとも部分的に配置される第2のピンと、前記第2のSoWアセンブリ構造から延在するとともに前記第3のスロット内に少なくとも部分的に配置される第3のピンとを有する、第2のSoWアセンブリ構造と、を備え、
前記第1のスロット及び前記第2のスロットは、前記第1のピン及び前記第2のピンが1つの平面内で第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、前記第3のスロットは、前記第3のピンが前記平面内で前記第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、
前記第1のSoWアセンブリ構造又は前記第2のSoWアセンブリ構造のいずれかが、SoWを冷却するように構成される熱システムに含まれる、SoWアセンブリ。
【請求項2】
前記第1のSoWアセンブリ構造が前記SoWを備え、前記第2のSoWアセンブリ構造が放熱構造を備える、請求項1に記載のSoWアセンブリ。
【請求項3】
前記SoWに結合される補強機能部を更に備え、前記補強機能部は、前記第1のスロットと位置合わせする開口を備え、前記開口のサイズは、前記第1のピンが前記SoWと物理的に接触するのを前記補強機能部が妨げるように前記第1のスロットのサイズよりも小さい、請求項2に記載のSoWアセンブリ。
【請求項4】
前記開口が楕円形状を有する、請求項3に記載のSoWアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の軸が前記第2の軸に対して実質的に垂直である、請求項1に記載のSoWアセンブリ。
【請求項6】
前記第1のSoWアセンブリ構造が冷却システムを備え、前記第2のSoWアセンブリ構造が入力/出力フレームを備え、前記第1及び第2のSoWアセンブリ構造が前記SoWと積層される、請求項1に記載のSoWアセンブリ。
【請求項7】
システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリであって、
第1の熱膨張係数を有する第1のSoWアセンブリ構造であって、第1の位置にある第1のスロットと、第2の位置にある第2のスロットと、第3の位置にある第3のスロットとを含む、第1のSoWアセンブリ構造と、
前記第1のSoWアセンブリ構造上に積層される第2のSoWアセンブリ構造であって、前記第1の熱膨張係数とは異なる第2の熱膨張係数を有するとともに、前記第2のSoWアセンブリ構造から延在するとともに前記第1のスロット内に少なくとも部分的に配置される第1のピンと、前記第2のSoWアセンブリ構造から延在するとともに前記第2のスロット内に少なくとも部分的に配置される第2のピンと、前記第2のSoWアセンブリ構造から延在するとともに前記第3のスロット内に少なくとも部分的に配置される第3のピンとを有する、第2のSoWアセンブリ構造と、を備え、
前記第1のスロット及び前記第2のスロットは、前記第1のピン及び前記第2のピンが1つの平面内で第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、前記第3のスロットは、前記第3のピンが前記平面内で第2の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、前記第2の軸が前記第1の軸とは異なる、SoWアセンブリ。
【請求項8】
前記第1のSoWアセンブリ構造がSoWと積層される、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項9】
前記第2の熱膨張係数が前記第1の熱膨張係数よりも大きい、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項10】
前記第1のSoWアセンブリ構造がSoWを備える、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項11】
前記SoWに結合される補強機能部を更に備える、請求項10に記載のSoWアセンブリ。
【請求項12】
前記補強機能部が前記第1のスロットと位置合わせする開口を備え、前記開口のサイズが前記第1のスロットのサイズよりも小さい、請求項11に記載のSoWアセンブリ。
【請求項13】
前記第1の軸と前記第2の軸とが互いに実質的に垂直である、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項14】
前記第1のスロットは、前記第1のピンを受けるように構成される楕円形スロットを備え、前記第1のスロットの前記楕円形スロットの長軸が前記第1の軸に沿って延びる、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項15】
前記第3のスロットは、前記第3のピンを受けるように構成される楕円形スロットを備え、前記第3のスロットの前記楕円形スロットの長軸が前記第2の軸に沿って延びる、請求項14に記載のSoWアセンブリ。
【請求項16】
前記第2のSoWアセンブリ構造が放熱構造を備える、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項17】
前記第1のSoWアセンブリ構造は、前記第2のSoWアセンブリ構造から延びるピンを受けるように構成される3つ以下のスロットを含む、請求項7に記載のSoWアセンブリ。
【請求項18】
ウェハであって、該ウェハをこのウェハ上に垂直に積層される要素と位置合わせするための位置合わせ構造を伴うウェハであって、
前記ウェハの第1の位置に形成される第1のスロットであって、第1のピンと嵌合して前記ウェハと前記要素とを第1の軸に沿って位置合わせするように構成されるとともに、前記第1のスロットと前記第1のピンとが嵌合されるときに前記ウェハが前記第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形される、第1のスロットと、
前記第1の位置とは異なる前記ウェハの第2の位置に形成される第2のスロットであって、第2のピンと嵌合して前記ウェハと前記要素とを前記第1の軸に沿って位置合わせするように構成される、第2のスロットと、
前記第1及び第2の位置とは異なる前記ウェハの第3の位置に形成される第3のスロットであって、第3のピンと嵌合して前記ウェハと前記要素とを前記第1の軸とは異なる第2の軸に沿って位置合わせするように構成される、第3のスロットと、を備える、ウェハ。
【請求項19】
前記要素の材料の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する材料を含む、請求項18に記載のウェハ。
【請求項20】
前記第1の軸と前記第2の軸とが互いに実質的に垂直である、請求項18に記載のウェハ。
【請求項21】
前記第1のスロットは、前記第1のピンを受けるように構成される楕円形スロットを備え、前記第1のスロットの前記楕円形スロットの長軸が前記第1の軸に沿って延び、前記第3のスロットは、前記第3のピンを受けるように構成される楕円形スロットを備え、前記第3のスロットの前記楕円形スロットの長軸が前記第2の軸に沿って延びる、請求項18に記載のウェハ。
【請求項22】
前記ウェハ上に補強機能部を更に備え、前記補強機能部は、前記第1のスロットと位置合わせする開口を備え、前記補強機能部の前記開口のサイズは、前記第1のピンが前記ウェハと物理的に接触するのを妨げるべく前記補強機能部が構成されるように前記第1のスロットのサイズよりも小さい、請求項18に記載のウェハ。
【請求項23】
前記ウェハが複数の集積回路ダイを備える、請求項18に記載のウェハ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年3月1日に出願された「WAFER ALIGNMENT STRUCTURE(ウェハ位置合わせ構造)」と題する米国仮特許出願第63/155,202号の利益を主張し、その仮特許出願の開示内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本願に組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に、位置合わせ構造に関し、より具体的には、ウェハレベル位置合わせ構造に関する。
【背景技術】
【0003】
ウェハレベルで要素を他の要素に対して正確に位置合わせすることは困難であり得る。システム・オン・ウェハアセンブリなどのシステムでは、高熱膨張係数(CTE)要素と低CTE要素とを互いに装着することができる。例えば、システム・オン・ウェハ及び放熱構造は、異なるCTEを有し、互いに取り付けられ得る。要素のCTE間の不一致は、熱応力に起因して要素間の位置ずれを引き起こす。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリが開示される。SoWアセンブリは、第1の位置にある第1のスロット、第2の位置にある第2のスロット、及び第3の位置にある第3のスロットを含む第1のSoWアセンブリ構造を含むことができる。SoWアセンブリは、第1のSoWアセンブリ構造と積層される第2のSoWアセンブリ構造を含むことができる。第2のSoWアセンブリ構造は、第2のSoWアセンブリ構造から延在して少なくとも部分的に第1のスロット内に配置される第1のピンと、第2のSoWアセンブリ構造から延在して少なくとも部分的に第2のスロット内に配置される第2のピンと、第2のSoWアセンブリ構造から延在して少なくとも部分的に第3のスロット内に配置される第3のピンとを有する。第1のスロット及び第2のスロットは、第1のピン及び第2のピンが1つの平面内で第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、第3のスロットは、第3のピンが平面内で第1の軸とは異なる第2の軸に沿って移動できるようにするべく成形される。第1のSoWアセンブリ構造又は第2のSoWアセンブリ構造のいずれかは、SoWを冷却するように構成される熱システムに含まれる。
【0005】
一実施形態では、要素がSoWと積層され得る。
【0006】
一実施形態では、要素がSoWを含む。SoWアセンブリは、SoWに結合される補強機能部を更に含むことができる。補強機能部は、第1のスロットと位置合わせする開口を含むことができる。開口のサイズは、第1のピンがSoWと物理的に接触するのを補強機能部が妨げるように第1のスロットのサイズよりも小さくすることができる。開口は、楕円形状を有することができる。第1の軸は、第2の軸に対して実質的に垂直であり得る。
【0007】
一態様では、システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリが開示される。SoWアセンブリは、第1の熱膨張係数を有する第1のSoWアセンブリ構造を含むことができ、第1のSoWアセンブリ構造は、第1の位置にある第1のスロットと、第2の位置にある第2のスロットと、第3の位置にある第3のスロットとを含む。SoWアセンブリは、第1のSoWアセンブリ構造上に積層されてSoWから熱を放散するように構成される第2のSoWアセンブリ構造を含むことができる。第2のSoWアセンブリ構造は、第1の熱膨張係数とは異なる第2の熱膨張係数を有する。第2のSoWアセンブリ構造は、第2のSoWアセンブリ構造から延在して少なくとも部分的に第1のスロット内に配置される第1のピンと、第2のSoWアセンブリ構造から延在して少なくとも部分的に第2のスロット内に配置される第2のピンと、第2のSoWアセンブリ構造から延在して少なくとも部分的に第3のスロット内に配置される第3のピンとを有する。第1のスロット及び第2のスロットは、第1のピン及び第2のピンが1つの平面内で第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、第3のスロットは、第3のピンが平面内で第2の軸に沿って移動できるようにするべく成形され、第2の軸は第1の軸とは異なる。
【0008】
一実施形態では、第1のSoWアセンブリ構造がSoWと積層される。
【0009】
一実施形態では、第2の熱膨張係数が第1の熱膨張係数よりも大きい。
【0010】
一実施形態では、第1のSoWアセンブリ構造がSoWを備える。SoWアセンブリは、SoWに結合される補強機能部を更に含むことができる。補強機能部は、第1のスロットと位置合わせする開口を含むことができ、開口のサイズは、第1のスロットのサイズよりも小さくすることができる。
【0011】
一実施形態では、第1の軸と第2の軸とが互いに実質的に垂直である。
【0012】
一実施形態において、第1のスロットは、第1のピンを受けるように構成される楕円形スロットを備え、第1のスロットの楕円形スロットの長軸が第1の軸に沿って延びる。第3のスロットは、第3のピンを受けるように構成される楕円形スロットを含むことができ、第3のスロットの楕円形スロットの長軸が第2の軸に沿って延びることができる。
【0013】
一実施形態では、第2のSoWアセンブリ構造が放熱構造を含む。
【0014】
一実施形態において、第1のSoWアセンブリ構造は、第2のSoWアセンブリ構造から延びるピンを受けるように構成される3つ以下のスロットを含むことができる。
【0015】
一態様では、ウェハが開示され、該ウェハは、ウェハをウェハ上に垂直に積層される要素と位置合わせするための位置合わせ構造を伴う。ウェハは、ウェハの第1の位置に形成される第1のスロットを含むことができる。第1のスロットは、第1のピンと嵌合してウェハと要素とを第1の軸に沿って位置合わせするように構成される。第1のスロットは、第1のスロットと第1のピンとが嵌合されるときにウェハが第1の軸に沿って移動できるようにするべく成形される。ウェハは、第1の位置とは異なるウェハの第2の位置に形成される第2のスロットを含むことができる。第2のスロットは、第2のピンと嵌合してウェハと要素とを第1の軸に沿って位置合わせするように構成される。ウェハは、第1及び第2の位置とは異なるウェハの第3の位置に形成される第3のスロットを含むことができる。第3のスロットは、第3のピンと嵌合してウェハと要素とを第1の軸とは異なる第2の軸に沿って位置合わせするように構成される。
【0016】
一実施形態において、ウェハは、要素の材料の熱膨張係数よりも低い熱膨張係数を有する材料を含む。
【0017】
一実施形態では、第1の軸と第2の軸とが互いに実質的に垂直である。
【0018】
一実施形態において、第1のスロットは、第1のピンを受けるように構成される楕円形スロットを含み、第1のスロットの楕円形スロットの長軸が第1の軸に沿って延びる。第3の位置合わせスロットは、第3のピンを受けるように構成される楕円形スロットを含み、第3のスロットの楕円形スロットの長軸が第2の軸に沿って延びる。
【0019】
一実施形態において、ウェハは、その上に補強機能部を更に含む。補強機能部は、第1のスロットと位置合わせする開口を含むことができる。補強機能部の開口のサイズは、第1のピンがウェハと物理的に接触するのを妨げるべく補強機能部が構成されるように第1のスロットのサイズよりも小さくすることができる。
【0020】
一実施形態では、ウェハが複数の集積回路ダイを備える。
【図面の簡単な説明】
【0021】
ここで、限定ではなく例として与えられる以下の図面を参照して、特定の実装形態について説明する。
【0022】
図1A】処理システムの分解図である。
【0023】
図1B図1Aの処理システムの組立図である。
【0024】
図2A】一実施形態に係るシステム・オン・ウェハ(SoW)の概略斜視図である。
【0025】
図2B図2Aに例示されたSoWの一部の拡大図である。
【0026】
図3】一実施形態に係る放熱構造の概略斜視図である。
【0027】
図4】一実施形態に係る位置合わせ構造の上面図を示す。
【0028】
図5A】一実施形態に係る補強機能部の概略斜視図である。
【0029】
図5B】一実施形態に係る位置合わせ機能部の概略上面図である。
【0030】
図5C】一実施形態に係る位置合わせ構造を含むアセンブリの概略断側面図である。
【0031】
図6A】一実施形態に係る入力/出力(I/O)フレームの概略斜視図である。
【0032】
図6B】一実施形態に係る冷却システムの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
特定の実施形態の以下の詳細な説明は、特定の実施形態の様々な説明を提示する。しかしながら、本明細書に記載された技術革新は、例えば、特許請求の範囲によって基底及び包含されるように、多数の異なる方法で具現化され得る。この説明では、同様の参照番号及び/又は用語が同一又は機能的に同様の要素を示すことができる図面を参照する。図面に示される要素は、必ずしも原寸に比例して描かれていないことが理解され得る。更に、特定の実施形態は、図面に示されるよりも多くの要素及び/又は図面に示される要素のサブセットを含むことができることが理解され得る。更に、幾つかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の任意の適切な組み合わせを組み込むことができる。
【0034】
システム・オン・ウェハ(SoW)アセンブリは、SoWと、SoWに結合される放熱構造とを含むことができる。SoWは、集積回路ダイの配列を含むことができる。SoWの集積回路ダイは、動作中に熱を発生させることができる。放熱構造は、SoWで発生される熱を放散することができる。幾つかの用途では、SoWを放熱構造に対して比較的高い精度で位置合わせすることが重要であり得る。ロックピンを使用して、SoWと放熱構造とが互いに位置合わせされるようにすることができる。しかしながら、ロックピンは、SoWの熱膨張係数(CTE)と放熱構造のCTEとの間の不一致に起因してSoWを損傷する可能性がある。
【0035】
本明細書で開示される実施形態は、CTE不一致に起因する要素への損傷を防止及び/又は緩和しながら、比較的高い精度で位置合わせを達成することができる積層SoWアセンブリ構造を位置合わせするための位置合わせ構造を含むSoWアセンブリに関する。SoWアセンブリ構造は、要素と称され得る。位置合わせ構造は、位置合わせスロットと、位置合わせスロット内に配置されるピンとを含むことができる。本明細書に開示される位置合わせ構造の位置合わせスロットは、3つのスロットから成る。本明細書に開示される位置合わせ構造は、処理システム内の第1の要素と第1の要素に積層される第2の要素とを位置合わせすることができる。例えば、第1の要素はSoWを備えることができ、第2の要素は放熱構造を備えることができる。別の例として、第1の要素は冷却システムを備えることができ、第2の要素は入力/出力(I/O)フレームを備えることができる。したがって、熱システムは、積層要素のうちの1つ(例えば、放熱構造又は冷却システム)を含むことができる。第1の要素及び第2の要素はいずれもSoWアセンブリ構造である。幾つかの実施形態では、位置合わせスロットをSoW内に又はSoWと共に形成することができ、ピンを、SoW上に積層される放熱構造上に又は放熱構造と共に位置させることができる。位置合わせ構造は、SoWをピンから保護する補強機能部を含むことができる。
【0036】
図1A及び図1Bは、本開示の態様に係る処理システム10を示す。図1Aは、処理システム10の分解図である。図1Bは、処理システム10の組立図である。ウェハ位置合わせ構造などのこの開示の特徴は、処理システム10及び/又は任意の他の適切な処理システムに実装することができる。本開示の特徴は、異なるCTEを有する2つ以上の要素を含む任意のシステムに実装することができる。処理システム10は、高い計算密度を有することができ、処理システム10によって発生された熱の放散は、処理システム10の性能に大きく影響する可能性がある。処理システム10は、特定の用途において毎秒数兆回の動作を実行することができる。処理システム10は、ニューラルネットワークトレーニング及び/又は処理、機械学習、人工知能などの高性能コンピューティング及び/又は計算集約型アプリケーションで使用され得る及び/又はそれらのために特に構成され得る。処理システム10は、冗長性を実現することができる。幾つかの用途において、処理システム10は、車両(例えば、自動車)のオートパイロットシステムによる使用のためのデータを生成するために、他の自律型車両機能を実装するために、先進運転支援システム(ADAS)機能を実装するなどのためにニューラルネットワークトレーニングに関して使用され得る。
【0037】
図1Aに示されるように、処理システム10は、放熱構造12と、SoW14と、入力/出力(I/O)フレーム15と、電圧調整モジュール(VRM)16と、冷却システム18と、制御ブロード19とを含む。処理システム10において、熱システムは、放熱構造12及び冷却システム18を含む。処理システムの図示の要素のそれぞれは、SoWアセンブリ構造である。図1Bは、図1Aに対して上下逆の処理システム10を示す。処理システム10は、図1Bでは、制御基板19を伴うことなく示される。放熱構造12及びSoW14は、位置合わせ機能部及び位置合わせピンを備えることができる位置合わせ構造を使用して垂直に積層されて水平に位置合わせされ得る。位置合わせ構造については、後の図面に関連して詳細に説明する。
【0038】
放熱構造12は、SoW14から熱を放散することができる。放熱構造12はヒートスプレッダを含むことができる。そのようなヒートスプレッダは金属プレートを含むことができる。これに代えて又は加えて、放熱構造12がヒートシンクを含むことができる。放熱構造12は、望ましい放熱特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。熱伝達抵抗を低減する及び/又は最小限に抑えるために、熱界面材料を放熱構造12とSoW14との間に含めることができる。
【0039】
SoW14は、集積回路(IC)ダイの配列を含むことができる。ICダイは、成形材料に埋め込むことができる。SoW14は、高い計算密度を有することができる。ICダイは、シリコンダイなどの半導体ダイとなり得る。ICダイの配列は、任意の適切な数のICダイを含むことができる。例えば、ICダイの配列は、16個のICダイ、25個のICダイ、36個のICダイ、又は49個のICダイを含むことができる。SoW14は、例えば、一体型ファンアウト(InFO)ウェハとすることができる。InFOウェハは、ICダイの配列上に複数のルーティング層を含むことができる。例えば、InFOウェハは、特定の用途において4、5、6、8、又は10個のルーティング層を含むことができる。InFOウェハのルーティング層は、ICダイ間及び/又は外部構成要素への信号接続性をもたらすことができる。SoW14は、10インチ~15インチの範囲の直径など、比較的大きな直径を有することができる。一例として、SoW14は、12インチの直径を有することができる。
【0040】
I/Oフレーム15は、処理システム10の構造的完全性に寄与することができる。I/Oフレーム15は、VRM16に対する支持を行なってVRM16を所定位置に保持することができる。
【0041】
VRM16は、各VRMがSoW14のICダイと積層されるように位置され得る。処理システム10では、VRM16の高密度パッキングが存在する。したがって、VRM16は、かなりの電力を消費し、熱を発生させることができる。VRM16は、直流(DC)供給電圧を受け、より低い出力電圧をSoW14の対応するICダイに供給するように構成される。
【0042】
冷却システム18は、VRM16のための能動冷却を行なうことができる。冷却システム18は、制御基板19のための能動冷却を行なうことができる。冷却システム18は、熱伝達流体が流通するための流路を有する金属を含むことができる。組み立てられた処理システム10では、冷却システム18を放熱構造12にボルト止めすることができる。これにより、SoW14のための構造的支持を行なうことができ、及び/又はSoW14の破損の可能性を低減することができる。熱伝達抵抗を低減する及び/又は最小限に抑えるために、冷却システム18と制御基板19との間に熱界面材料を含めることができる。
【0043】
制御基板19は、電気部品を含むことができる。制御基板19の電子機器は、VRM16のための制御信号を供給することができる。制御基板19は、SoW14の動作を制御するための電子機器を含むことができる。
【0044】
図2Aは、一実施形態に係るSoW14の概略斜視図である。図2Bは、破線の矩形で示された図2Aに示されるSoW14の部分の拡大図である。図3は、放熱構造12の概略斜視図である。SoW14及び放熱構造12は、図1A及び図1Bに示される処理システム10などの処理システムに含めることができる。
【0045】
幾つかの実施形態において、放熱構造12は、比較的高い熱膨張係数(CTE)を有する材料を含むことができる。例えば、放熱構造12は、銅(Cu)及び/又はアルミニウム(Al)を含むことができる。幾つかの実施形態において、放熱構造12は、10ppm/℃~20ppm/℃の範囲のCTEを有する材料を含むことができる。例えば、放熱構造12は、約17ppm/℃のCTEを有する銅を含むことができる。幾つかの実施形態において、SoW14は、比較的低いCTE係数を有する材料を含むことができる。例えば、SoW14は、シリコン(Si)ウェハを備えることができる。幾つかの実施形態において、SoW14は、1ppm/℃~10ppm/℃の範囲のCTEを有する材料を含むことができる。例えば、シリコンは、約2.6ppm/℃のCTEを有することができる。幾つかの実施形態において、放熱構造12のCTEは、SoW14のCTEよりも2倍~7倍大きくすることができる。
【0046】
SoW14は、ウェハ24上に位置された集積回路(IC)ダイ22の配列を含むことができる。幾つかの実施形態において、ICダイ22は、センサダイ、メモリダイ、特定用途向け集積回路(ASIC)ダイ、及び/又は微小電気機械システム(MEMS)ダイを含むことができる。幾つかの実施形態において、ICダイ22は、該ICダイ22に形成された再配線層(RDL)を介してSoW14内で互いに通信することができる。SoW14内のRDL及び/又は他の電気接続は、例えば、ICダイ22間の通信における比較的低いレイテンシ、比較的高い帯域幅密度、及び/又は比較的低い配電ネットワーク(PDN)インピーダンスを有益に与えることができる。動作中、SoW14は発熱する。
【0047】
望ましい放熱を得るためには、SoW14と放熱構造12とを比較的高い精度で位置合わせすることが有益であり得る。例えば、SoW14の基準点26(例えば、中心点)が放熱構造12の基準点32(例えば、中心点)と位置合わせするようにSoW14と放熱構造12とを位置合わせすることが有益であり得る。SoW14の基準点26は、100ミクロン~200ミクロンの許容範囲内で放熱構造12の基準点32と位置合わせされ得る。例えば、SoW14の基準点26は、100ミクロン~150ミクロン、150ミクロン~200ミクロン、又は125ミクロン~175ミクロンの許容範囲内で放熱構造12の基準点32と位置合わせされ得る。しかしながら、放熱構造12及びSoW14を適所にロックするための機構が、CTE不一致に起因して放熱構造12及び/又はSoW14を損傷させる場合がある。
【0048】
放熱構造12及びSoW14を垂直に積層させることができる。放熱構造12及びSoW14は、位置合わせ構造を使用して水平方向に位置合わせされ得る。位置合わせ構造は、スロット28a、28b、28cと、位置合わせピン34a、34b、34cとを備えることができる。例えば、SoW14は、図2A及び図2Bに示されるように、第1~第3の穴又はスロット28a、28b、28cを含むことができる位置合わせ機能部28を備えることができる。スロット28a、28b、28cは、SoW14の位置合わせ機能部の例である。図3に示されるように、放熱構造12からは第1~第3のピン34a、34b、34cが延在し得る。幾つかの実施形態において、放熱構造12及び第1~第3のピン34a、34b、34cは、別々に形成されて互いに組み付けられ得る。スロット28a、28b、28cは、第1~第3のピン34a、34b、34cのそれぞれと嵌合する又はこれらのピンを受けることができる。位置合わせ構造は、放熱構造12とSoW14との間のCTE不一致に起因する要素の損傷を防止及び/又は緩和しながら比較的高い精度で位置合わせを達成することができる。
【0049】
図示の実施形態は、SoW14内のスロット28a、28b、28c及び放熱構造12から延在するピン34a、34b、34cを示しているが、幾つかの他の用途では、スロットを放熱構造12に形成することができ、ピンがSoW14から延在することができる。ピンが支持構造体を伴わない場合よりも強く及び/又は確実にSoW14に結合されるように、SoW14から延びるピンの周りに支持構造体(図示せず)を設けることができる。本明細書に開示される任意の適切な原理及び利点は、異なるCTEを有する2つ以上の要素を位置合わせするときに利用することができる。
【0050】
図4は、第1のスロット28aと、スロット28a内に配置される第1のピン34aとを備える位置合わせ構造の平面図を示す。また、位置合わせ構造は、図4に示されるのと同じ又はほぼ同様の態様でそれぞれの第2及び第3のスロット28b及び28c内に配置された第2及び第3のスロット34b及び34c並びに第2及び第3のピン28b及び28bも含むことができる。
【0051】
第1のスロット28aは、第1のピン34aが第1の水平軸40に沿ってシフト又は移動できるようにすることができる(図2A参照)。第2のスロット28bは、第2のピン34bが第1の水平軸40に沿ってシフト又は移動できるようにすることができる(図2Aを参照)。第3のスロット28cは、第3のピン34cが第2の水平軸42(図2Aを参照)に沿ってシフト又は移動できるようにすることができる(図2Aを参照)。第1の水平軸40及び第2の水平軸42は互いに非平行である。例えば、第1の水平軸40及び第2の水平軸42は、図2Aに示されるように互いに垂直であり得る。第1の水平軸40及び第2の水平軸42は、互いに対して85°~95°の範囲の角度で方向付けられるなど、互いに実質的に垂直であり得る。第1の水平軸40及び第2の水平軸42は、1つの平面内の2つの軸の例である。
【0052】
第1~第3のスロット28a、28b、28cは、任意の適切な形状をとることができる。幾つかの実施形態において、第1~第3のスロット28a、28b、28cは、楕円形又は長円形の穴を備えることができる。そのような実施形態において、第1のスロット28aの楕円形穴の長軸36及び第2のスロット28bの楕円形穴の長軸36は、第1の水平軸40に沿って延びることができ、第3のスロット28cの楕円形穴の長軸36は、第2の水平軸42に沿って延びることができる。図4に示されるように、第1~第3のピン34a、34b、34cは、第1~第3のスロット28a、28b、28cより小さくてもよい。幾つかの実施形態において、ピン34a、34b、34cは、スロット28a、28b、28cの楕円形穴の短軸38に沿って比較的しっかりと嵌合する円形断面を有するピンを構成することができるとともに、スロット28a、28b、28cの楕円形穴の長軸36に沿って隙間を有し、それによってピン34a、34b、34cが長軸36に沿って移動できるようにする。したがって、ピン34a、34b、34cは、放熱構造12とSoW14との間のCTE不一致を補償して、放熱構造12及び/又はSoW14の損傷を防止及び/又は緩和するように移動することができる。同時に、ピン34a、34b、34cは、スロット28a、28b、28cと共に、放熱構造12とSoW14との互いの位置合わせを比較的高い精度で維持することができる。
【0053】
3つのスロット28a、28b、28c及びそれぞれの3つのピン34a、34b、34cにより、放熱構造12及びSoW14は、互いに水平に位置合わせできる。例えば、第1及び第2のスロット28a、28b並びに第1及び第2のピン34a、34bは、一方の水平軸に沿った放熱構造12及びSoW14の位置合わせに寄与することができ、第3のスロット28c及び第3のピン34cは、他方の水平軸に沿った放熱構造12及びSoW14の位置合わせに寄与することができる。したがって、放熱構造12とSoW14との間のCTE不一致を補償するようにピン34a、34b、34cが移動するとき、放熱構造12及びSoW14の基準点26、32間の位置合わせを十分に維持することができる。
【0054】
3つのスロット28a、28b、28cとそれぞれのピン34a、34b、34cとを伴う位置合わせ構造は、4つ以上のスロット及びそれぞれのピンを含むよりも有益であり得る。例えば、3つのスロットとそれぞれのピンとを伴う位置合わせ構造は、位置合わせを維持するために、放熱構造12及びSoW14が水平方向及び垂直方向の両方で互いに対して移動できるようにする。これに対し、4つ以上のスロットを伴う位置合わせ構造は、放熱構造12とSoW14とが直交する2つの方向に互いに対して移動するのを妨げ得る。したがって、4つ以上のスロット及びそれぞれのピンがある場合、放熱構造12及び/又はSoW14は、放熱構造12とSoW14との間のCTE不一致に起因して位置ずれする可能性がある。4つのスロット及び対応するピンを用いると、SoW14及び放熱構造12を過度に制約する可能性があり、それにより、CTEの不一致による熱膨張がSoW14及び/又は放熱構造12の位置ずれ又は損傷を引き起こし得る。
【0055】
一方、2つのスロット及びそれぞれのピンを伴う位置合わせ構造では、放熱構造12とSoW14とが互いに対して移動する自由度が大きくなりすぎてしまう可能性があり、放熱構造12とSoW14との間の位置ずれを引き起こす可能性がある。2つのスロット及び対応するピンを用いると、SoW14及び放熱構造12を抑制する可能性があり、それのより、CTEの不一致による熱膨張がSoW14及び/又は放熱構造12の位置ずれ又は損傷を引き起こし得る。
【0056】
スロット28a、28b、28cのサイズは、積層プロセス中の製造公差、及び放熱構造12とSoW14との間のCTE不一致に少なくとも部分的に基づいて決定することができる。例えば、スロット28a、28b、28cのサイズは、ピン34a、34b、34cがスロット28a、28b、28cの端部と接触することなく長軸36に沿って移動するのに十分な空間を与えるように決定することができる。
【0057】
第1及び第2のスロット28a、28bは、第1の水平軸40に沿う長さと、第1の水平軸40に対して垂直な軸(例えば、第2の水平軸42)に沿う幅とを有する。第3のスロット28cは、第2の水平軸42に沿う長さと、第2の水平軸42に対して垂直な軸(例えば、第1の水平軸40)に沿う幅とを有する。幾つかの実施形態において、スロット28a、28b、28cの長さは、ピン34a、34b、34cの直径の約1.5倍であり得る。例えば、スロット28a、28b、28cの長さは、ピン34a、34b、34cの直径の約1.1~2、約1.4~2、約1.1~1.7、又は約1.4~1.7倍であり得る。幾つかの実施形態において、スロット28a、28b、28cの幅は、ピン34a、34b、34cの直径とほぼ同じサイズとすることができる。
【0058】
図5Aは、一実施形態に係る補強機能部50の概略斜視図である。補強機能部50は、本明細書に開示された位置合わせ構造のいずれかで実装することができる。図5Bは、SoW14とSoW14上に配置された補強機能部50とが形成されるスロット28aを含む位置合わせ機能部28の概略上面図である。2つ以上の補強機能部50がSoW14の他の部分に設けられ得る。例えば、2つの更なる補強機能部50をスロット28b、28cの上方に位置させてスロット28b、28cと位置合わせすることができる(図2Aを参照)。図5Cは、位置合わせ構造を含むアセンブリの概略断側面図である。図5Cに示されるように、位置合わせ構造は、位置合わせ機能部28と、放熱構造12から延びるピン34とを含む。
【0059】
補強機能部50は、SoW14の材料よりも耐久性及び/又は剛性が高い材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、補強機能部50は、セラミック、セラミック状材料、又は有機材料を含むことができる。幾つかの実施形態において、補強機能部50は、SoW14のCTEと同様のCTEを有する材料を含むことができる。例えば、SoWのCTEは、放熱構造12のCTEよりも補強機能部50のCTEに近くすることができる。
【0060】
補強機能部50は、開口52を備えることができる。開口52のサイズは、スロット28aのサイズ以下とすることができる。開口52の形状は、スロット28aの形状と同じ又は同様であり得る。例えば、開口52は、楕円形又は長円形の穴を備えることができる。ピン34aがスロット28a内で一緒に移動するとき、補強機能部50は、ピン34がSoW14と接触するのを防止することができ、それにより、SoW14をピン34によって損傷されないように保護する。したがって、補強機能部50は、ピン及びスロットの接触力によってSoW14が削り取られて割れるリスクを低減又は排除することができる。
【0061】
幾つかの実施形態において、補強機能部50は、接着剤54によってSoW14と結合され得る。補強機能部50は、位置合わせボードとなり得る。幾つかの実施形態において、補強機能部50は、ボールグリッドアレイ(BGA)によってSoW14と結合され得る。そのようなBGAは、SoW14上のパッドと位置合わせされ得る。補強機能部50は、SoWと光学的に位置合わせされ得る。この光学的位置合わせの後、強度及び信頼性のためにアンダーフィルを設けることができる。接着剤54はアンダーフィルを含むことができる。
【0062】
本明細書に開示される実施形態は、SoWと放熱構造とを位置合わせするための位置合わせ構造に関連し得るが、本明細書に開示される任意の適切な原理及び利点は、I/Oフレーム15と冷却システム18との間など(図1A図1B図6A、及び図6B)を参照、処理システム内の任意の場所の位置合わせ構造に適用することができる。位置合わせ構造に関連して本明細書で開示される任意の適切な原理及び利点は、SoWアセンブリ内の異なるそれぞれのCTEを有する2つの異なる要素間の正確な位置合わせを維持するために適用することができる。
【0063】
図6Aは、一実施形態に係るI/Oフレーム15の概略斜視図である。図6Bは、一実施形態に係る冷却システム18の概略斜視図である。I/Oフレーム15は、これを貫通する開口を通じてピン60を受けることができる。冷却システム18はスロット62a、62b、62cを備えることができる。スロット62a、62b、62cは、I/Oフレーム15と冷却システム18とを位置合わせするためにピン60と嵌合する又はピン60を受けるように構成され得る。本明細書に開示される任意の適切な原理及び利点は、ピン60及びスロット62a、62b、62cに適用することができる。幾つかの他の実施形態では、I/Oフレーム15がスロットを備えることができ、冷却システムがピンを備えることができる。
【0064】
本明細書に開示される位置合わせ構造は、処理システム(例えば、図1Aに示される処理システム10)内の2つ以上のSoWアセンブリ構造を位置合わせするために使用され得る。本明細書に開示される位置合わせ構造は、異なるCTEを有する処理システム内の第1及び第2のSoWアセンブリ構造を位置合わせするために使用され得る。例えば、第1のSoWアセンブリ構造をSoW14とすることができ、第2のSoWアセンブリ構造を放熱構造12とすることができる。別の例として、第1のSoWアセンブリ構造を冷却システム18とすることができ、第2のSoWアセンブリ構造をI/Oフレーム15とすることができる。
【0065】
文脈が明らかにそうでないことを要求しなければ、明細書及び特許請求の範囲の全体にわたって、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」、「含む(include)」、「含んでいる(including)」などの単語は、排他的又は網羅的な意味とは対照的に、包括的な意味で、すなわち、「~を含むがこれに限定されない」という意味で解釈されるべきである。本明細書で一般的に使用される「結合される」という用語は、直接接続され得る、又は1つ以上の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。同様に、本明細書で一般的に使用される「接続される」という用語は、直接接続され得る、又は1つ以上の中間要素によって接続され得る2つ以上の要素を指す。更に、「本明細書において(herein)」、「下記において(below)」、「上記において(above)」という単語、及び同様の意味の単語は、この出願で使用される場合、この出願全体を指すものとし、この出願の特定の部分を指すものではない。文脈が許す場合、単数又は複数の数字を使用する上記の詳細な説明における単語は、複数又は単数のそれぞれも含むことができる。2つ以上の項目のリストに関連する「又は」という単語は、その単語の以下の解釈の全て、すなわち、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、及びリスト内の項目の任意の組み合わせを網羅する。
【0066】
更に、本明細書で使用される条件付き言語、とりわけ、「できる(can)」、「し得る(could)」、「場合がある(might)」、「よい(may)」、「例を挙げると(e.g.)」、「例えば(for example)」、「など(such as)」などは、別段具体的に明記されなければ、又は使用される文脈内で他の意味で理解されなければ、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、及び/又は状態を含むが、他の実施形態がこれらを含まないことを伝えようとしている。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又は状態が1つ以上の実施形態のために何らかの形で必要とされることを示唆しようとするものではない。
【0067】
上記の説明は、特定の実施形態に関連して説明されている。しかしながら、上記の例示的な説明は、網羅的であること又は本発明を記載された正にその形態に限定することを意図するものではない。上記の教示内容を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。それにより、当業者は、様々な用途に適した様々な変更を伴う技術及び様々な実施形態を最良に利用することが可能になる。
【0068】
本開示及び実施例を添付図面に関連して説明してきたが、様々な変更及び修正が当業者に明らかになる。そのような変更及び修正は、本開示の範囲内に含まれると理解されるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
【国際調査報告】