(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】カップ蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 47/06 20060101AFI20240219BHJP
【FI】
B65D47/06 110
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553640
(86)(22)【出願日】2021-07-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-04
(86)【国際出願番号】 KR2021009859
(87)【国際公開番号】W WO2022191365
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-00030568
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521397290
【氏名又は名称】ユン ハンノ
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】ユン ハンノ
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AA24
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB13
3E084DC03
3E084FC01
3E084GA08
3E084GB12
3E084KA06
3E084LB03
3E084LB07
3E084LB08
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】本発明は、ストローを必要としない環境にやさしいカップ蓋を提案する。
【解決手段】本発明のカップ蓋は、飲み物吐出用穴を頂点部分(24、34)に備えており、このような頂点部分を形成するための内側面、外側面、及び円周方向両側面のうち少なくとも一つが下向き傾斜面として成形されるストロー部分(20、30)を少なくとも一つ備えている。ここで、ストロー部分(20、30)は、円形の蓋における枠に成形され、内側面、外側面、及び円周方向両側面によって突出し、ユーザーの唇に挟まれながら、飲み物吐出用穴がユーザーの口の中に位置するように成形されている。そして、ストロー部分の内側に該当する蓋の中央部分は、相対的に低い凹部分(40)を備えており、カップの開放された上部に装着することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲み物吐出用穴を頂点部分に備えており、このような頂点部分を形成するための内側面、外側面、及び円周方向両側面のうち少なくとも一つが下向き傾斜面として成形されるストロー部分を少なくとも一つ備えており;
ストロー部分は、円形の蓋における枠に成形され、内側面、外側面、及び円周方向両側面によって突出し、ユーザーの唇に挟まれながら、飲み物吐出用穴がユーザーの口の中に位置するようになり;
ストロー部分の内側に該当する蓋の中央部分は、相対的に低い凹部分を形成することを特徴とし、カップの開放された上部に装着できるカップ蓋。
【請求項2】
前記ストロー部分は、対向する第1ストロー部分及び第2ストロー部分で構成され、第1ストロー部分と第2ストロー部分との間に凹部分が成形される、請求項1に記載のカップ蓋。
【請求項3】
ストロー部分を形成するための内側面及び円周方向両側面は、下向きに傾斜した傾斜面として成形される、請求項1又は2に記載のカップ蓋。
【請求項4】
第1ストロー部分及び第2ストロー部分の飲み物吐出用穴は、異なる大きさを有する、請求項2に記載のカップ蓋。
【請求項5】
ストロー部分を形成するための外側面は、水平面に対して91゜~95゜の傾斜面を形成する、請求項1又は2に記載のカップ蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーなどの飲み物を入れる紙カップ又は合成樹脂製カップに装着されるカップ蓋に関し、より詳細には、環境的に問題視されている合成樹脂製ストロー(Straw)を使用しないと共に、カップ内部の飲み物を楽に飲めるように構成されるカップ蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーなどを含む飲み物をテイクアウトする場合、使い捨てカップに入った飲み物が溢れることを防止しながら、飲み物を楽に飲めるようにするために、使い捨てカップの上部に蓋を結合して提供することが一般的である。このようなカップ蓋は、カップの開放された上部を閉鎖する機能と共に、蓋に成形された穴を介して飲み物を外部に排出できる機能を有している。
【0003】
このようなカップ蓋に対する先行特許である韓国特許公開第10-2020-36524号は、熱い内容物を冷やすための大きい穴を有するカップ蓋を提案している。他の先行特許である韓国実用新案登録第20-490171号は、カップの内部が2個の部分に区画され、カップ蓋も2個の穴を有する構成を公開している。このような先行特許でも分かるように、実質的には、カップ蓋の穴が、飲み物を外部に排出するためのものであることが分かる。
【0004】
しかし、このような先行特許文献によると、カップの内容物を外部に流出させるための手段として単純に穴を提供している。したがって、カップの飲み物を飲むためには、唇を穴の周辺に密着させた状態を取るしかない。しかし、このような動作によると、内容物全体がユーザーの口の中に提供されず、外部に流出するおそれが高いので、実質的には、使用上の便宜性において限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、環境的に有益でない合成樹脂製ストローを必要とせず、内容物を楽に飲めるようにカップの上端を開閉する蓋を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、カップの内容物をユーザーの口の中に流出させることによって、飲用の便宜性を最大化できるカップ蓋を提供することにある。
【0007】
本発明の更に他の目的は、冷たい飲み物又は熱い飲み物を選択的に飲めるカップ蓋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のカップ蓋は、飲み物吐出用穴を頂点部分に備えており、このような頂点部分を形成するための内側面、外側面、及び円周方向両側面のうち少なくとも一つが下向き傾斜面として成形されるストロー部分を少なくとも一つ備えている。ここで、ストロー部分は、円形の蓋における枠に成形され、内側面、外側面、及び円周方向両側面によって突出し、ユーザーの唇に挟まれながら、飲み物吐出用穴がユーザーの口の中に位置するように成形されている。そして、ストロー部分の内側に該当する蓋の中央部分は、相対的に低い凹部分を備えており、カップの開放された上部に装着することができる。
【0009】
本発明の実施例によると、ストロー部分は、対向する第1ストロー部分及び第2ストロー部分で構成され、第1ストロー部分と第2ストロー部分との間には凹部分が成形されている。
【0010】
そして、ストロー部分を形成するための内側面及び円周方向両側面は、下向きに傾斜した傾斜面として成形されることが好ましい。
【0011】
他の実施例によると、第1ストロー部分と第2ストロー部分の飲み物吐出用穴は、異なる大きさを有している。
【0012】
更に他の実施例によると、第1ストロー部分と第2ストロー部分の横方向の凹部分は、平面として形成されている。
【0013】
更に他の実施例によると、ストロー部分を形成するための外側面は、外側の水平面に対して91゜~95゜の傾斜面となっている。
【発明の効果】
【0014】
このような構成を有する本発明のカップ蓋によると、基本的に別途のストローを使用しないと共に、ストロー部分を用いて内容物を楽に飲むことができる。したがって、通常、合成樹脂製のストローを不要にすることによって、より環境にやさしいという長所があることを容易に理解できる。
【0015】
そして、本発明によると、カップの中央部分が凹部として成形されているので、飲み物を飲む場合、カップの中央部分と鼻との干渉が発生しない。このような点も、飲み物の飲用時の便利さとして作用することは当然である。
【0016】
ユーザーが飲み物を飲むとき、本発明のストロー部分がユーザーの口の中にあるので、ストロー部分の頂点に成形された穴を介して出る飲み物の飲用が非常に楽になることは当然である。そして、一対の穴の大きさを互いに異ならせることによって、冷たい飲み物と熱い飲み物を選択的に飲むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明のカップ蓋の使用状態を示した例示斜視図である。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【
図5】本発明の他の実施例のカップ蓋を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に示した実施例を参考にしながら、本発明に対してさらに詳細に説明する。
【0023】
図1に示したように、本発明のカップ蓋10は、カップCの開放された上部を閉鎖できるようにカップCの上部に装着されるものであって、平面図から見たとき、カップの上部と同一の円形に成形される。そして、カップ蓋10は、互いに対向する方向に第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30が凸状に突出して成形されている。そして、第1ストロー部分20と第2ストロー部分30との間には、窪んだ凹部分40が形成されている。
【0024】
以下、本明細書では、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30が成形されている方向を前後方向として説明する。そして、第1ストロー部分20と第2ストロー部分30は互いに対向する枠部分に成形されており、その間の部分には相対的に低い凹部分40が形成されているとまとめられる。そして、側面図である
図3から分かるように、本発明において、一対のストロー部分20、30は、その中間に形成される凹部分40に比べて相対的に上部に突出したものであると言える。
【0025】
このようなストロー部分20、30の頂点部分24、34には、飲み物が出られる穴22、32がそれぞれ形成されている。
図3の側面図から見たとき、このような飲み物吐出用穴22、32を備える一対の頂点部分24、34は、その間に上述した凹部分40を形成できるように、それぞれの頂点部分24、34の向かい合う内側面26、36が傾斜面として成形されている。
【0026】
図1から
図3で確認できるように、上述した凹部分40は、第1ストロー部分20と第2ストロー部分30との間の前後方向から見ると、凹状の曲面として成形され、側面方向(左右方向)には直線に近い形状を有していることが分かる。このような凹部分40は、カップCを水平に傾けながら飲み物を飲む場合、鼻などの身体部位と干渉を起こさない範囲内で多様に変形可能であることは当然である。
【0027】
そして、ストロー部分20、30の頂点部分24、34の内側面26、36は、蓋10の中心部分のうち最も低い底面42と互いに連結されながら、全体的に凹部分40を形成するようになる。そして、ストロー部分20、30又は頂点部分24、34の外側面28、38は、カップの外側水平線に対して91゜~95゜の傾斜角αを有する傾斜面として成形される。このように外側面28、38を傾斜面として成形する理由は、カップ蓋の成形時、金型から容易に分離できるようにするためである。
【0028】
次には、カップ蓋10の正面図である
図4から分かるように、穴22が成形された第1ストロー部分20の頂点部分24の円周方向両側面29も下向き傾斜面として成形されている。そして、第2ストロー部分30の穴32を備えている頂点部分34の円周方向両側面も、実質的に同一の傾斜面として成形されている。このように傾斜した両側面29を中心に、実質的には、第2ストロー部分30の頂点部分24、34が突出した状態であることが分かる。
【0029】
外側枠に形成される一対のストロー部分20、30は、互いに向かい合う位置に成形され、正面から見たとき、円周方向両側面29が傾斜面として成形され、頂点部分24、34が突出しているように、側面から見たときにも、内側面26、36及び外側面28、38がいずれも下向き傾斜面として形成されていることが分かる。したがって、実質的には、頂点部分24、34が傾斜面によって取り囲まれているので、実質的には、頂点部分24、34が上側に突出した形状を有するようになると言える。
【0030】
このように頂点部分24、34が傾斜面によって取り囲まれた状態で突出していることは、ユーザーが唇に頂点部分24、34を挟めることを意味する。頂点部分24、34を口に挟めることは、穴22、32がユーザーの口の中に位置するようになることを意味すると言える。したがって、ユーザーがいずれか一側のストロー部分20、30を口に挟めた状態でカップCを傾けると、穴22、32から流れ出る内容物がユーザーの口の中に排出されるようになる。
【0031】
このように頂点部分24、34を有する本明細書において、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30が、穴22、32を介して内容物をユーザーの口の中に直接供給するので、実質的には、従来のストローと同一の機能を行うようになることが分かる。本明細書において、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30をストロー部分と称する理由がここにあることが分かる。
【0032】
本発明のように、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30が突出して成形され、ユーザーの唇に挟まれながら、飲み物の吐出のための穴がユーザーの口の中に位置できるように構成されることに着眼していると言える。ここで、ストロー部分20、30の内側面26、36、外側面28、38、及び円周方向両側面29がいずれも傾斜角を有していることが分かる。ここで、外側面28、38は、上記で言及したように、金型からの離型のために上記で説明した角度αを有するようにしているが、このような離型性と同時に、ストロー部分20、30の突出のためのものでもある。
【0033】
したがって、上述したように、内側面26、36が傾斜を有するしかないので、外側面28、38が外側の水平線に対して直角を有したときにも、上述したようにストロー部分20、30が突出した形状を有しており、ユーザーが唇にストロー部分20、30を挟めた状態で飲み物を飲むのには何ら支障もない。そして、内側面26、36及び円周方向両側面29の傾斜角度に対しても制限があり得ないと見なされる。
【0034】
本発明の技術的な主題は、実質的に第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30が突出しており、ユーザーが唇に挟めるように、頂点部分24、34に飲み物吐出用穴22、32がそれぞれ成形されていることにあると言える。
【0035】
したがって、上述したストロー部分20、30の内側面26、36、外側面28、38、及び円周方向両側面29の少なくとも一つが下向き傾斜面として成形され得る限り、残りの部分が水平線に対して直角に成形されたり傾斜面を有するようになると、ユーザーがストロー部分20、30を唇に挟める突出した形状に具現できると見なされる。
【0036】
そして、本発明のカップ蓋10の下部には、紙カップ又は合成樹脂製カップの上端のフランジ部に結合されるフランジ部50が連続的に成形されている。このようなフランジ部50は、放射状に延長される横延長部52と、横延長部52の外側端部から下方に延長される縦延長部54とで構成される。このようなフランジ部50は、実質的に従来のものと同一の構成及び機能を有しており、本発明の要旨とは関係のないものであるので、これに対する詳細な説明は省略する。
【0037】
ここで、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30の頂点部分24、34にそれぞれ形成される飲み物吐出用穴22、32は、互いに異なる大きさを有することが好ましい。例えば、第1ストロー部分20の穴22は、第2ストロー部分30の穴32に比べて相対的に大きく成形することができる。このように穴22、32を異なる大きさにすることによって、第1ストロー部分20の穴22が冷たい飲み物を飲むときに使用できると同時に、第2ストロー部分30の穴32が熱い飲み物を飲むときに使用できるので使用の便利さを倍加させることができる。
【0038】
以下、
図5に示した他の実施例に対して説明する。本実施例を上記で説明した実施例と同一の図面符号を付与しながら説明すると、本実施例は、実質的には、第1ストロー部分20、第2ストロー部分30、及び凹部分40の形状が全体的に異なる形状に構成されている。具体的には、例えば、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30の内側面26、36をさらに垂直に近い形状に成形している。
【0039】
そして、第1ストロー部分20と第2ストロー部分30との間の凹部分40をさらに広く成形することによって、顔の特定部分との干渉を十分に避けられるように構成している。すなわち、凹部分40の底面42は、側面(左右)方向に実質的に平面に近く成形していることが分かる。このような実施例の構成によると、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30をさらに小さく且つ突出した状態で構成していると同時に、その間の凹部分40をさらに大きく成形していると言える。
【0040】
このような実施例からも容易に分かるように、本発明は、第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30をユーザーが唇に挟めながら、穴22、32がユーザーの口の内部に位置できる状態で飲み物が吐出され得るように、上方に突出させることを基本的な主題としていることが分かる。そして、このような第1ストロー部分20及び第2ストロー部分30の構成は、その間に凹部分40が形成されることによって、鼻などとの干渉が起こることを防止するのと十分に関連していると言える。
【0041】
上記で説明した実施例において、ストロー部分20、30の両側がいずれも突出したことを通じて本発明を説明している。しかし、上述したように、ストロー部分20、30のうちいずれか一側を突出させ、ユーザーの唇に挟めるように成形することも可能であることは当然である。そして、このように一つのストロー部分20又は30に本発明を具現する場合にも、2個の穴を互いに対向する位置に成形することによって、チャッキング(Chucking)を防止しながら、内容物の円滑な吐出を可能にすることが好ましいと見なされる。
【0042】
以上説明したように、本発明の基本的な技術的思想の範疇内で、当業界で通常の技術者にとって多様な変形が可能であることは当然であると言える。そして、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて解釈すべきであることも、特許法の規定の趣旨上に当然であると言える。
【国際調査報告】