(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】電動自転車の押し歩きアシストを制御するための方法、そのための制御ユニットを備える装置、および、電動自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 6/45 20100101AFI20240219BHJP
【FI】
B62M6/45
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554282
(86)(22)【出願日】2022-03-04
(85)【翻訳文提出日】2023-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2022055617
(87)【国際公開番号】W WO2022194581
(87)【国際公開日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102021202501.3
(32)【優先日】2021-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ワインマン,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】レック,ヨーゼフ
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本発明により、電動自転車の押し歩きアシストを制御するための方法および装置、ならびにこのような押し歩きアシストを有する電動自転車がクレームされる。その際、本発明を実施するために、電動自転車は、移動もしくは推進力を生成するための駆動装置と、速度検出器と、駆動装置と駆動輪との間のギアシフト装置と、を有する。押し歩きアシストを制御する方法は、先ず、速度検出器を用いて、電動自転車の速度を表す速度量を検出する。続いて、押し歩きアシストは、速度量と、検出または決定された駆動装置と駆動輪もしくは後輪との間のギア比とに依存して制御される。本発明の核心は、押し歩きアシストの作動後に先ず、駆動装置の回転運動を表す量が検出され、検出された回転運動もしくは回転運動量に依存して押し歩きアシストが開ループ制御および/または閉ループ制御されることにある。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自転車の押し歩きアシストを制御する方法であって、前記電動自転車は、
・前記電動自転車の推進力を生成するための駆動装置(160)と、
・速度検出器(140)と、
・駆動装置(160)と駆動輪との間のギアシフト装置と、を有し、
前記方法は、
・前記速度検出器(140)を用いて、前記電動自転車の速度を表す速度量を検出し、
・前記検出された速度量、および駆動装置(16)と駆動輪との間のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御する、方法において、
前記押し歩きアシストの作動後、
・前記駆動装置(160)の回転運動を検出し、
・前記検出された回転運動に依存して前記押し歩きアシストの制御を開始することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される、方法において、
特に初期制御のために、前記駆動装置(160)の負回転方向が検出された場合に所定のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記ギアシフト装置の最大ギア比を所定のギア比として使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
・前記押し歩きアシストの最後の実行の終了以降の時間長が検出され、
・前記検出された時間長に依存して、前記押し歩きアシストの最後の実行時に決定された前記ギアシフト装置のギア比を所定ギア比として使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
・前記押し歩きアシストの前記最後の実行の終了以降に進んだ距離を検出し、
・前記進んだ距離に依存して、前記押し歩きアシストの最後の実行時に決定された前記ギアシフト装置のギア比を所定ギア比として使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される方法において、正回転方向が検出された場合、前記押し歩きアシストを制御するために
・前記検出された速度量に依存してギア比を決定し、
・特に初期制御のために、前記決定されたギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
・前記駆動装置(160)の回転数を検出し、
・特に初期制御のために、前記回転数と閾値との比較に依存して、前記検出された速度量を用いて決定されたギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記比較は、前記回転数による前記閾値の超過を検査することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
電動自転車の押し歩きアシストを制御するための制御ユニット(100)を備える装置であって、前記電動自転車は、
・前記電動自転車の推進力を生成するための駆動装置(160)と、
・速度検出器(130)と、
・駆動装置(160)と駆動輪との間のギアシフト装置とを有し、
前記制御ユニット(100)は、
・特に方法1から8までのいずれかに記載の方法を実行し、
・前記速度検出器(130)を用いて、前記電動自転車の速度を表す速度量を検出し、
・前記検出された速度量、および駆動装置(160)と駆動輪との間のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御する、装置において、
前記制御ユニット(100)は、前記押し歩きアシストの作動後、
・前記駆動装置(160)の回転運動を検出し、
・前記検出された回転運動に依存して、前記押し歩きアシストの制御を開始することを特徴とする、装置。
【請求項10】
前記制御ユニット(100)は、前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される、装置において、
前記制御ユニット(100)は、特に初期制御のために、前記駆動装置(160)の負回転方向が検出された場合に、所定のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御ユニット(100)は、
・前記押し歩きアシストの前記最後の実行の終了以降に進んだ時間長または距離を検出し、
・前記検出された時間長または前記進んだ距離に依存して、前記押し歩きアシストの最後の実行時に決定された前記ギアシフト装置のギア比を所定ギア比として使用することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記制御ユニット(100)が前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される、装置において、
前記制御ユニット(100)は、正回転方向が検出された場合、前記押し歩きアシストを制御するために、
・前記検出された速度量に依存してギア比を決定し、
・特に初期制御のために、前記決定されたギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記制御ユニット(100)は、
・前記駆動装置(160)の回転数を検出し、
・特に初期制御のために、前記回転数と閾値との比較に依存して、前記押し歩きアシストを前記検出された速度量を用いて決定されたギア比に依存して制御し、
特に、前記制御ユニット(100)は、前記比較時に前記回転数による前記閾値の超過を検査するようになっていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項9から13までのいずれか1項に記載の装置を備える電動自転車であって、
前記電動自転車は、
・前記電動自転車の推進力を生成するための駆動装置(160)と、
・速度検出器(130)と、
・駆動装置(160)と駆動輪との間のギアシフト装置と、を有し、
前記制御ユニット(100)は、
・特に方法1から8までのいずれかに記載の方法を実行し、
・前記速度検出器(130)を用いて、前記電動自転車の速度を表す速度量を検出し、
・前記検出された速度量、および駆動装置(160)と駆動輪との間のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御する、電動自転車において、
前記制御ユニット(100)は、前記押し歩きアシストの作動後、
・前記駆動装置(160)の回転運動を検出し、
・前記検出された回転運動に依存して、前記押し歩きアシストの制御を開始することを特徴とする、電動自転車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動自転車の押し歩きアシストを制御するための方法および装置、ならびに相応に装備された電動自転車に関するものである。
【背景技術】
【0002】
数年の間に広く普及した電動自転車では、電動自転車で走行中に移動を補助する他に、搭載された駆動装置を押し歩きモードで作動させることも可能である。これによってユーザは、相応の力を加えることなしに、自転車を場合によっては荷物とともに、または階段などの障害物上を動かすことができる。法的規制を遵守するため、押し歩きアシストは、乗り手がペダルを踏むことなしに最大6km/hまでの電動自転車の駆動が許されるようになっている。この押し歩きモードの間、要求される最高速度になるよう駆動力を制御するために、通常、車輪に取り付けられた速度検出器により電動自転車の速度が検出される。しかし、押し歩きアシストの開始時にはまだ有効な速度検出値(Geschwindigkeitserfassung)がないことが多い。
【0003】
特許文献1から、駆動装置と駆動輪との間のギア比が検出されて電気モータを制御するために使用される電動自転車の押し歩きアシストが知られている。その場合、可能な最大ギア比を変速のための開始値とすることを出発点とし、それによって結果として生じる速度が押し歩きアシストの最高速度以下になる。
【0004】
特許文献2および特許文献3にはそれぞれ電動自転車のための発進アシスト動作モードが記載され、発進アシストは押し歩きアシストとしても使用できる。発進アシストは、ハンドルにあるスイッチを操作することによって作動する。この作動によって、電気モータは、自転車乗り手のペダリングアシストなしに、電動自転車を駆動するためのトルクを生成する。その結果、電動自転車の速度が法的に規制された発進もしくは押し歩きアシストの制限速度以下にかろうじてなる。特許文献2では、電動自転車は、ペダル軸と後輪軸との間のギア比を変化させるギアシフト装置を追加的に有する。発進アシストの規定速度を生成するために、ギアシフト装置の既知のギア比に変更される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第3251935号明細書
【特許文献2】独国実用新案第202005018126号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202005006684号明細書
【発明の概要】
【0006】
本発明により、電動自転車の押し歩きアシストを制御するための方法および装置、ならびにこのような押し歩きアシストを有する電動自転車がクレームされる。その場合、本発明の実施のために、電動自転車が移動もしくは推進力を生成するための駆動装置と、速度検出器と、駆動装置と駆動輪との間のギアシフト装置とを有することが企図されている。押し歩きアシストを制御する方法は先ず、速度検出器を用いて、電動自転車の速度を表す速度量を検出する。続いて、速度量と、速度量に依存して決定された駆動装置と駆動輪もしくは後輪との間のギア比とに依存して押し歩きアシストが制御される。その場合、本発明の核心は、押し歩きアシストの作動後に先ず、駆動装置の回転運動を表す量が検出され、検出された回転運動もしくは回転運動量に依存して押し歩きアシストが開ループ制御および/または閉ループ制御されることにある。
【0007】
その場合、上記の制御の利点は、駆動装置の回転運動が検出されることによって、押し歩きアシストの作動前または後に電動自転車がどのように動かされたのかを認識できるということである。この動きに依存して、ユーザへのアシストの提供が遅すぎる、またはそれどころか不足することのないように押し歩きアシストを制御することができる。
【0008】
本発明の一発展形態において、駆動装置の回転数、特に回転方向が回転運動として検出されることが企図されている。このために、電動自転車の縦方向の移動を生成するように駆動装置が制御される場合、正の回転運動が存在するということを出発点とする。回転運動が負回転方向を有することを方法または対応する装置が認識した場合、電動自転車が後退し、これに対応してチェーンによって駆動装置を負回転方向に回転させるということを出発点とすることができる。この場合、押し歩きアシストの制御時、少なくとも押し歩きアシストの開始のための最初の制御時に所定のギア比が用いられる。この場合、任意的に、駆動装置と駆動輪もしくは後輪との間に最大ギア比を採用できる。
【0009】
押し歩きアシストがこの作動の前にすでに使用された場合、有効なセンサデータから現在ギア比を決定できるより前に、場合によっては、この以前使用されたギア比を最初の制御のために使用することができる。例えば、押し歩きアシストの以前の使用が所定の期間内、例えば10s以内、または所定の距離、例えば5m以内に作動停止されたかどうかを検査することができる。このような場合、押し歩きアシストの制御、特に押し歩きアシストの制御の開始条件のために、最後に決定されたギア比を所定のギア比として使用することができる。
【0010】
これに対して、駆動装置が作動後に正回転方向に動かされると認識された場合、検出された速度量に依存して、現在ギア比を決定して押し歩きアシストの制御のために使用することができる。これに代えて、またはこれに加えて、別個のセンサを用いてギア比を検出することもできる。
【0011】
さらに、現在ギア比の決定または検出を駆動装置の回転数と閾値の比較に依存して行うことができる。その場合、例えば、現在ギア比の使用を回転数が所定の閾値を超えることに依存したものにすることができる。
【0012】
実施例の以下の説明もしくは従属請求項から他の利点が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】ブロック回路図を用いた装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
駆動装置によって生成されたモータ回転数が推進力に及ぼす作用を考慮するため、電動自転車の速度を監視するために、押し歩きアシストの制御時に駆動装置と駆動輪もしくは後輪との間のギア比を使用することができる。その場合、電動自転車の内部伝動装置とギアシフト装置とを、ギア比を検知する対象とすることができる。
【0015】
押し歩きアシストの開始時、この時点ではまだ電動自転車の速度値がないため、先ず、入ったギアを決定することができる量を速度検出器が提供するまで、駆動装置のモータ回転数がゆっくりと増加される。自転車を押し歩く際に一般的である速度より4~5km/h低い場合、この速度量になるまで比較的長くかかる可能性があり、したがって押し動かす際にユーザが得る補助が少なく、少し時間が経ってから増加される。
【0016】
速度量の誤生成も、押し歩きアシストで発進する場合に不利になる可能性がある。電動自転車を登坂路で押し動かしている間、後退に続いて前進することによって、自転車の速度が高すぎることを示す速度量が速度検出器によって検出されるということが起こり得る。これによって、モータ回転数の上昇と関連して誤った過度に大きいギア比が決定されることになろう。その結果、駆動装置の動力が低減されるか、またはさらにゆっくりと上昇し、それにより押し動かしに対する押し歩きアシストによる補助が先ずさらに少なくなるか、または極端な場合には全くなくなる。速度検出器によって速度が新たに決定されて初めて、設定されたギア比が小さめであることを認識でき、それにより押し歩きアシストのための駆動力を高めることができ、ユーザは所望の速度を達成する。
【0017】
その際、以下の発明は、この場合、使用を誤ギア比を防ぐために、後退を認識できる方法および発明(Erfindung)を記載する。
【0018】
図1のブロック回路図に、本発明を実現することができる可能な装置が模式的に示される。この場合、任意的に記憶装置110を有することができる制御ユニット100が設けられる。制御ユニット100は、相応の入力120を介して、例えば乗り手またはユーザの要求の形態の、押し歩きアシストの作動を検出する。さらに、モータ130の回転方向、ならびに速度検出器140の少なくとも1つの速度量、またはただ1つのパルスが検出される。速度検出器は、例えば、車輪の1つへの磁石の接近に応じてパルスを出力する磁気センサであってもよい。別の実施形態では、ケイデンスセンサによって電動自転車の運動方向に関する情報が検出されることを企図することができる。任意的に、ギアシフト装置のギア比を検出するか、または最後に決定された制御ユニット100のギア比を利用可能にする手段150が設けられることを企図することができる。モータ130の検出された作動および検出された回転方向、あるいは電動自転車の後退を表す他の情報にもとづいて、制御ユニット100は、速度検出器140によって検出された速度量が駆動装置160の押し歩きアシストを制御するために使用されるべきかどうかを検知する。これに関して、
図2においてフローチャートを用いて対応する方法が説明される。
【0019】
図2の方法は、例えば、押し歩きアシストの作動の認識後に開始することができる。この場合、乗り手もしくはユーザによる、または付随的な状況にもとづいた自動認識による作動を行うことができる。方法の第1のステップ200において、速度検出器140によって速度量が検出される。速度量は、通常、磁気センサであり、これはリード信号、すなわち互いに時間間隔をおいて検出される、電動自転車の速度の程度を示す少なくとも2つのパルスを生成する。続いて、次のステップ210において、駆動装置のモータの回転方向が、有利には、ステップ200における速度量の検出と同時に検出される。次のステップ220において、モータが前方に回転するのか後方に回転するかが検査される。チェーンにより後輪とペダルクランクが接続されることによって、自転車が後退するとチェーンが動き、それに伴い駆動装置のモータが回転する。これに代えて、またはこれに加えて、モータの回転方向を認識するためにケイデンスセンサを使用することもできる。ケイデンスセンサは、特に、モータがフリーホイールを装備している場合に用いることができる。この場合、ステップ220において、モータが負の方向に回転しないこと、すなわち推進力を発生させるときの正回転方向に回転することが認識される場合、押し歩きアシストはステップ230により制御され、それ以外の場合はステップ240により制御される。その場合、ステップ230において、押し歩きアシストの最初の制御、もしくは作動制御は、検出された現在速度量にもとづいて、かつこの速度量にもとづいたギア比を用いて制御される。しかし新たな現在速度量が検出されないうちは、例えば2つのリード信号がまだないうちは、最後に決定および記憶されたギア比が押し歩きアシストの最初の制御のために使用される。続いて、別のステップ250において、押し歩きアシストの別の開ループ制御もしくは閉ループ制御を既知の方法で行うことができる。この場合、すでに上述したように、決定または検出することができる現在ギア比に依存して開ループ制御または閉ループ制御を行うことができる。
【0020】
しかしステップ220において、モータが負回転方向を有することが認識された場合、そのことから、電動自転車が先ず後退するということが推察できる。この認識を用いて、ステップ240において、検出された現在速度量、もしくはこの量から導出された(自転車)速度が無視されるか、あるいはこの速度量にもとづいてギア比が導き出されない。その代わりに、記憶されたまたは最後に導出されたギア比にもとづいて押し歩きアシストの最初の制御が行われる。この場合、最後の押し歩きアシスト補助の作動停止後に進んだ距離または時間長に依存した、記憶されたまたは最後に導出されたギア比を任意的に考慮することもできる。例えば、押し歩きアシストの最後の作動停止以降に新たに作動してから5または10s以内に、特にその間に能動的なペダル操作が検出されなかった場合は、新たなギアチェンジが行われなかったと考えられる。例えば車輪回転数が検出されることによる、進んだ距離についても同じことが当てはまる。ステップ220の後に続いてステップ250において、押し歩きアシストを通常の開ループ制御および/または閉ループ制御法で動作させることができる。
【0021】
ステップ220において、モータの正回転方向の回転数が閾値を上回るかどうかを任意的に検査することもできる。否である場合、ステップ240において、検出された現在速度量、またはそこから導出されたギア比を最初の制御には無視することができる。しかし、正の回転数が所定のおよび/または記憶された閾値より大きいことが認識される場合、電動自転車が前方方向に動くことと、押し歩きアシストの十分な補助が提供されることとを認識することができる。この場合、方法はステップ230により続けられる。
【0022】
本発明の別の実施形態において、検出されたを企図することができる。
【符号の説明】
【0023】
100 制御ユニット
110 記憶装置
120 入力
130 モータ
140 速度検出器
150 ギア比を利用可能にする手段
160 駆動装置
200 ステップ
210 ステップ
220 ステップ
230 ステップ
240 ステップ
250 ステップ
【手続補正書】
【提出日】2023-09-06
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
その際、以下の発明は、この場合、誤ギア比の使用を防ぐために、後退を認識できる方法および発明(Erfindung)を記載する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動自転車の押し歩きアシストを制御する方法であって、前記電動自転車は、
・前記電動自転車の推進力を生成するための駆動装置(160)と、
・速度検出器(140)と、
・駆動装置(160)と駆動輪との間のギアシフト装置と、を有し、
前記方法は、
・前記速度検出器(140)を用いて、前記電動自転車の速度を表す速度量を検出し、
・前記検出された速度量、および駆動装置(16)と駆動輪との間のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御する、方法において、
前記押し歩きアシストの作動後、
・前記駆動装置(160)の回転運動を検出し、
・前記検出された回転運動に依存して前記押し歩きアシストの制御を開始することを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される、方法において、
特に初期制御のために、前記駆動装置(160)の負回転方向が検出された場合に所定のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は、前記ギアシフト装置の最大ギア比を所定のギア比として使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
・前記押し歩きアシストの最後の実行の終了以降の時間長が検出され、
・前記検出された時間長に依存して、前記押し歩きアシストの最後の実行時に決定された前記ギアシフト装置のギア比を所定ギア比として使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
・前記押し歩きアシストの前記最後の実行の終了以降に進んだ距離を検出し、
・前記進んだ距離に依存して、前記押し歩きアシストの最後の実行時に決定された前記ギアシフト装置のギア比を所定ギア比として使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される方法において、正回転方向が検出された場合、前記押し歩きアシストを制御するために
・前記検出された速度量に依存してギア比を決定し、
・特に初期制御のために、前記決定されたギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
・前記駆動装置(160)の回転数を検出し、
・特に初期制御のために、前記回転数と閾値との比較に依存して、前記検出された速度量を用いて決定されたギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記比較は、前記回転数による前記閾値の超過を検査することを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
電動自転車の押し歩きアシストを制御するための制御ユニット(100)を備える装置であって、前記電動自転車は、
・前記電動自転車の推進力を生成するための駆動装置(160)と、
・速度検出器(
140)と、
・駆動装置(160)と駆動輪との間のギアシフト装置とを有し、
前記制御ユニット(100)は、
・特に
請求項1から8までのいずれか
1項に記載の方法を実行し、
・前記速度検出器(
140)を用いて、前記電動自転車の速度を表す速度量を検出し、
・前記検出された速度量、および駆動装置(160)と駆動輪との間のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御する、装置において、
前記制御ユニット(100)は、前記押し歩きアシストの作動後、
・前記駆動装置(160)の回転運動を検出し、
・前記検出された回転運動に依存して、前記押し歩きアシストの制御を開始することを特徴とする、装置。
【請求項10】
前記制御ユニット(100)は、前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される、装置において、
前記制御ユニット(100)は、特に初期制御のために、前記駆動装置(160)の負回転方向が検出された場合に、所定のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御ユニット(100)は、
・前記押し歩きアシストの前記最後の実行の終了以降に進んだ時間長または距離を検出し、
・前記検出された時間長または前記進んだ距離に依存して、前記押し歩きアシストの最後の実行時に決定された前記ギアシフト装置のギア比を所定ギア比として使用することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記制御ユニット(100)が前記駆動装置(160)の回転方向を回転運動として検出し、前記駆動装置(160)が推進力を生成する場合に正回転方向が認識される、装置において、
前記制御ユニット(100)は、正回転方向が検出された場合、前記押し歩きアシストを制御するために、
・前記検出された速度量に依存してギア比を決定し、
・特に初期制御のために、前記決定されたギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御することを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記制御ユニット(100)は、
・前記駆動装置(160)の回転数を検出し、
・特に初期制御のために、前記回転数と閾値との比較に依存して、前記押し歩きアシストを前記検出された速度量を用いて決定されたギア比に依存して制御し、
特に、前記制御ユニット(100)は、前記比較時に前記回転数による前記閾値の超過を検査するようになっていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項9から13までのいずれか1項に記載の装置を備える電動自転車であって、
前記電動自転車は、
・前記電動自転車の推進力を生成するための駆動装置(160)と、
・速度検出器(
140)と、
・駆動装置(160)と駆動輪との間のギアシフト装置と、を有し、
前記制御ユニット(100)は、
・特に
請求項1から8までのいずれか
1項に記載の方法を実行し、
・前記速度検出器(
140)を用いて、前記電動自転車の速度を表す速度量を検出し、
・前記検出された速度量、および駆動装置(160)と駆動輪との間のギア比に依存して前記押し歩きアシストを制御する、電動自転車において、
前記制御ユニット(100)は、前記押し歩きアシストの作動後、
・前記駆動装置(160)の回転運動を検出し、
・前記検出された回転運動に依存して、前記押し歩きアシストの制御を開始することを特徴とする、電動自転車。
【国際調査報告】