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特表2024-5085588-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用
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  • 特表-8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 405/12 20060101AFI20240219BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240219BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20240219BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240219BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
C07D405/12 CSP
C07D405/14 ZNA
A61K31/4433
A61K31/4709
A61P3/00
A61P35/00
A61P25/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554321
(86)(22)【出願日】2022-02-24
(85)【翻訳文提出日】2023-09-05
(86)【国際出願番号】 CN2022077640
(87)【国際公開番号】W WO2022183963
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】202110246184.X
(32)【優先日】2021-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523338886
【氏名又は名称】朗捷睿(蘇州)生物科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 燕
(72)【発明者】
【氏名】陳 暁光
(72)【発明者】
【氏名】張 小曦
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB09
4C063CC79
4C063DD12
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC17
4C086BC28
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA55
4C086NA14
4C086ZA02
4C086ZB26
4C086ZC21
(57)【要約】
本願は、8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用を開示する。前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の構造は、式(I)に示すとおりであり、ただし、A環は、独立してフェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基からなる群から選ばれる。本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は、新しい化合物構造であり、強いSIRT2抑制活性を有し、そのうち、18個の化合物のインビトロSIRT2抑制活性IC50は、マイクロモルレベルに達し、且つ、神経腫細胞に対して著しい保護効果を有する。従って、SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態を治療および/または予防するための薬剤の調製、またはパーキンソン病、代謝性疾患、腫瘍を治療および/または予防するための薬剤の調製に広く使用されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)に示す8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物であって、
【化1】

ただし、A環は独立して、フェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基からなる群から選ばれ、
前記フェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基は、無置換または1~5個のRによって置換され、Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~8アルキルオキシ基、C1~8アルキルカルボニル基、C1~8アルキルオキシカルボニル基、C1~8アルキル基、C3~8シクロアルキル基およびフェニル基からなる群から選ばれ、
前記Rにおいて、前記C1~8アルキル基、C3~8シクロアルキル基、およびフェニル基は、無置換または1~5個のRによって置換され、前記Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、およびC1~8アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる、
8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物。
【請求項2】
式(I)において、A環は、独立してフェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基からなる群から選ばれ、
前記フェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基は、無置換または1~5個のRによって置換され、Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~6アルキルオキシ基、C1~6アルキルカルボニル基、C1~6アルキルオキシカルボニル基、C1~6アルキル基、C3~6シクロアルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれ、
前記Rにおいて、前記C1~6アルキル基、C3~6シクロアルキル基、およびフェニル基は、無置換または1~5個のRによって置換され、前記Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ア
ミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、およびC1~6アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる、
請求項1に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物。
【請求項3】
前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の構造は、式(IA)に示し、
【化2】

ただし、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~4アルキルオキシ基、C1~4アルキルカルボニル基、C1~4アルキルオキシカルボニル基、C1~4アルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる、
請求項1または請求項2に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物。
【請求項4】
前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の構造は、式(IB)に示し、
【化3】

ただし、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~4アルキルオキシ基、C1~4アルキルカルボニル基、およびC1~4アルキル基からなる群から
選ばれ、Xは、独立してNまたはCから選ばれる、
請求項1または請求項2に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物。
【請求項5】
前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は、以下に示す構造から選ばれる、
【化4】

請求項1または請求項2に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、またはそれを含む医薬組成物であって、
好ましくは、前記医薬組成物は、医薬的に許容可能な薬用補助剤を更に含む、
8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、またはそれを含む医薬組成物。
【請求項7】
【化5】

とDIPEAとを混合してから、4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドと混合して反応して取得することを含み、A環の限定範囲は、請求項1から5のいずれか1項に限定される範囲と一致し、
その反応式は以下に示す、
【化6】

請求項1から5のいずれか1項に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の調製方法。
【請求項8】
前記4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドの調製方法は、
(1)8-ブロモクマリンとn-ブチルリチウムとを混合してから、真空条件でCOガスと混合し、反応してクマリン-8-カルボン酸を取得することと、
(2)クマリン-8-カルボン酸とHATU、DIPEAとを混合してから、4-アミノピリジン-2-スルホン酸と混合し、反応して4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸を取得することと、
(3)4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸とジクロロスルホキシドとを混合し、反応して4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドを取得することと、を含み、
その反応式は以下に示す、
【化7】

請求項7に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の調製方法。
【請求項9】
請求項1から5のいずれか1項に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物または請求項6に記載の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、またはそれを含む医薬組成物の、SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態を治療および/または予防するための薬剤の調製における使用。
【請求項10】
前記SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態は、パーキンソン病、代謝性疾患または腫瘍を含む、
請求項9に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は医薬技術分野に属し、具体的に、8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用に関し、特に、Sirtuin 2(SIRT2とも呼ばれる)の活性または発現を抑制できる8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用に関する。
【背景技術】
【0002】
パーキンソン病は、よく見られる神経変性疾患であり、その主な臨床所見は、患者の動作緩慢、硬直および安静時振戦である。パーキンソン病の病理変化は、主に中脳黒質ドーパミン作動性ニューロンの変性壊死、およびこれに起因する線条体ドーパミン含有量の著しい減少に表される。パーキンソン病患者は、生理的と心理的に大きな負担を負っている。しかし、現在、パーキンソン病神経細胞の変性病変に対して保護作用を果たすことができる薬剤はない。市場におけるパーキンソン病の治療薬剤(例えば、L-ドーパ)は、主に疾患症状を緩和するものであり、このような薬剤を長期間服用すると、患者に深刻な副反応を与える。従って、新しいパーキンソン病の治療方法を探索し、新しいパーキンソン病の治療薬剤を発見することは、非常に重要な意義を持っている。
【0003】
Sirtuinは、ヒストンアセチルトランスフェラーゼの1種であり、その酵素学的活性は、主にヒストンまたは他のタンパク質中のリシン残基におけるアセチル基を除去することに表される。該過程において、Sirtuinは、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)に基質の1つとして依存する。Sirtuinファミリーの遺伝子配列は、異なる種で比較的保守的である。結晶構造の研究によると、Sirtuinは、サイズが異なる2つのドメインで構成されることが明らかとなる。大きなドメインは配列が保守的であり、NADおよびNADP結合酵素の特徴を有する。それと比べ、小さなドメインは配列の変化が大きい。Sirtuinの活性中心は、大きなドメインと小さなドメインとの間のスリット部分に位置する。ヒト由来のSirtuinファミリーは、SIRT1~7という7種のメンバーを含み、それぞれ異なる細胞内部位に位置し、p53、α-tubulin、FOXO等を含む異なる基質に結合して作用することにより、異なる生物調節機能を実現する。Sirtuinの生物学的機能は、現在の生命医学研究のホットスポットであり、その機能は、主に代謝、老化、長生き、ストレス反応およびゲノム安定等に関連する分野に表される。
【0004】
Sirtuinファミリー内の重要な一員として、SIRT2は、主に細胞質に分布され、その作用する基質タンパク質は、α-tubulin、histone H4、p53、FOXO、および14-3-3 proteinを含む。SIRT2の機能研究によると、SIRT2はH4-K16を脱アセチル化することにより、細胞の有糸分裂のプロセスを調節制御し、SIRT2は、後期促進複合体/サイクロソーム(Anaphase
Promoting Complex/Cyclosome、APC/C)システムの活性を活性化することによりゲノムの安定を維持し、SIRT2は、Receptor-interacting protein 1と3(RIP1とRIP3)の相互結合を媒介することにより、細胞壊死のプロセスを調節制御することが明らかとなる。最新の研究によると、SIRT2活性の抑制は、パーキンソン病の治療上で潜在的な価値があることが明らかとなり、具体的には、以下に示される。(1)SIRT2は、成人の脳の中枢神経系で高存在量で発現されて関連する生理代謝を調節し、(2)SIRT2のsiRNAおよび低分子抑制剤AGK2は、α-synuleinによる神経細胞毒性を救うことができ、AGK2は、インビボでトランスジェニックパーキンソン病ショウジョウバエモデルの神経細胞をアポトーシスを減少するように用量依存的に保護することもでき、(3
)SIRT2は、FOXO3aを脱アセチル化することにより、BimのRNAおよびタンパク質レベルでの発現を高め、N-メチル-4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン(N-methyl-4-phenyl-1,2,3,6-tetrahydropyridine、MPTP)が作用したパーキンソン病細胞モデルのアポトーシスおよびMPTPが作用したマウスモデルの脳中の細胞アポトーシスを促進する。しかし、SIRT2遺伝子をノックアウトしたマウス脳中には、黒質線条体の損傷が著しく減少するという現象が表示され、(4)また、SIRT2の低分子抑制剤AK-7は、別の神経変性疾患-Huntington疾患のトランスジェニックマウスの脳中突然変異Huntingtinの集まりを著しく減少でき、且つ、Huntington疾患のトランスジェニックマウスの行動表現を著しく向上させ、その生存時間を延長することができる。従来技術における代表的なSIRT2低分子抑制剤は、以下のいくつかを含む。
【化1】
【0005】
SIRT2低分子抑制剤のパーキンソン病の治療上での潜在的な活性に鑑み、新しいSIRT2抑制剤の設計や合成は、現在の研究のホットスポットの1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術の不足に対し、本願の目的は、8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用を提供することであり、特に、SIRT2活性または発現を抑制できる8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用を提供することである。本願は、著しいSIRT2抑制活性を有し、且つSIRT2に対して良好な選択性を有し、パーキンソン病、代謝性疾患、腫瘍等の予防および治療に使用できる新規構造の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この出願目的のために、本願は、以下の技術案を採用する。
【0008】
態様1において、本願は、
式(I)に示す8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物であって、
【化2】

ただし、A環は独立して、フェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基(例えば、5員の芳香族複素環基、6員の芳香族複素環基、7員の芳香族複素環基、8員の芳香族複素環基、9員の芳香族複素環基、10員の芳香族複素環基、11員の芳香族複素環基、12員の芳香族複素環基、13員の芳香族複素環基、14員の芳香族複素環基)からなる群から選ばれ、
前記フェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基は、無置換または1~5個(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ)のRによって置換され、Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~8アルキルオキシ基、C1~8アルキルカルボニル基、C1~8アルキルオキシカルボニル基、C1~8アルキル基、C3~8シクロアルキル基およびフェニル基からなる群から選ばれ、
前記Rにおいて、前記C1~8アルキル基、C3~8シクロアルキル基、およびフェニル基は、無置換または1~5個(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ)のRによって置換され、前記Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、およびC1~8アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる、
8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物を提供する。
【0009】
上記C1~8とは、置換基の炭素数が1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つであることを意味し、C3~8とは、置換基の炭素数が3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つであることを意味する。
【0010】
本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は、新しい化合物構造であり、且つ、そのインビトロSIRT2抑制活性が50%以上に達し、そのうちの18個の化合物のインビトロSIRT2抑制活性IC50がマイクロモルレベルに達し、特に、そのうちの11個の化合物のIC50値が10-7mol/Lレベルに達し、そのうちの4つの化合物のIC50値が10-8mol/Lレベルに達し、良好なSIRT2抑制活性を示し、且つ、神経腫細胞に対して著しい保護効果を有する。従って、SIRT2過剰活性
またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態を治療および/または予防するための薬剤の調製、あるいはパーキンソン病、代謝性疾患、腫瘍を治療および/または予防するための薬剤の調製に広く使用することができる。
【0011】
好ましくは、式(I)において、A環は、独立してフェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基(例えば、5員の芳香族複素環基、6員の芳香族複素環基、7員の芳香族複素環基、8員の芳香族複素環基、9員の芳香族複素環基、10員の芳香族複素環基、11員の芳香族複素環基、12員の芳香族複素環基、13員の芳香族複素環基、14員の芳香族複素環基)からなる群から選ばれ、
前記フェニル基、ナフチル基および5~14員の芳香族複素環基は、無置換または1~5個(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ)のRによって置換され、Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~6アルキルオキシ基、C1~6アルキルカルボニル基、C1~6アルキルオキシカルボニル基、C1~6アルキル基、C3~6シクロアルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれ、
前記Rにおいて、前記C1~6アルキル基、C3~6シクロアルキル基、およびフェニル基は、無置換または1~5個(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ)のRによって置換され、前記Rはそれぞれ独立して、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、およびC1~6アルキルカルボニル基からなる群から選ばれる。
【0012】
上記C1~6とは、置換基の炭素数が1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つであることを意味し、C3~6とは、置換基の炭素数が3つ、4つ、5つ、6つであることを意味する。
【0013】
好ましくは、前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の構造は、式(IA)に示す。
【化3】

ただし、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、メチルスルホ
ニル基、イソプロピルスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、アミノスルホニル基、メタンスルホネート基、イソプロパンスルホネート基、ベンゼンスルホネート基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~4アルキルオキシ基、C1~4アルキルカルボニル基、C1~4アルキルオキシカルボニル基、C1~4アルキル基、およびフェニル基からなる群から選ばれる。
【0014】
上記C1~4とは、置換基の炭素数が1つ、2つ、3つ、4つであることを意味する。
【0015】
好ましくは、前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の構造は、式(IB)に示す。
【化4】

ただし、R、R、R、RおよびRは独立して、水素、重水素、ハロゲン、ヒドロキシル基、メルカプト基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、メチルスルホニル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメチルオキシ基、ホルミルアミノ基、C1~4アルキルオキシ基、C1~4アルキルカルボニル基、およびC1~4アルキル基からなる群から選ばれ、Xは、独立してNまたはCから選ばれる。
【0016】
上記C1~4とは、置換基の炭素数が1つ、2つ、3つ、4つであることを意味する。
【0017】
更に好ましくは、前記8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は、以下に示す構造(それぞれ構造式で表され、またはIUPAC命名で表される)から選ばれる。
【0018】
【表1-1】

【表1-2】

【表1-3】

【表1-4】
【0019】
態様2において、本願は、態様1に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、またはそれを含む医薬組成物を提供する。
【0020】
好ましくは、前記医薬組成物は医薬的に許容可能な薬用補助剤、例えば、担体、希釈剤、賦形剤、充填剤、粘着剤、湿潤剤、崩壊剤、乳化剤、溶解補助剤、可溶化剤、浸透圧調整剤、界面活性剤、コーティング材、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌剤または緩衝剤等を更に含む。
【0021】
本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の医薬的に許容可能な塩は、8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物と、塩酸、臭化水素酸、p-トルエンスルホン酸、酒石酸、マレイン酸、乳酸、メタンスルホン酸、硫酸、リン酸、クエン酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸から選ばれる酸と形成された塩である。好ましくは、塩酸、臭化水素酸、p-トルエンスルホン酸またはトリフルオロ酢酸である。
【0022】
態様3において、本願は、態様1に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の調製方法を提供し、前記調製方法は、
【化5】
とDIPEAとを混合してから、4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドと混合して反応して取得することを含み、A環の限定範囲は、態様1に限定される範囲と一致し、
その反応式は以下に示す。
【化6】
【0023】
好ましくは、前記4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドの調製方法は、
(1)8-ブロモクマリンとn-ブチルリチウムとを混合してから、真空条件でCOガスと混合し、反応してクマリン-8-カルボン酸を取得することと、
(2)クマリン-8-カルボン酸とHATU、DIPEAとを混合してから、4-アミノピリジン-2-スルホン酸と混合し、反応して4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸を取得することと、
(3)4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸とジクロロスルホキシドとを混合し、反応して4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドを取得することと、を含み、
その反応式は以下に示す。
【化7】
【0024】
本願の好ましい技術案として、前記4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドの調製方法は、以下のステップを含む。
【化8】
【0025】
(1)n-ブチルリチウム(n-へキサン溶液)を-78℃で窒素保護下で8-ブロモクマリンの無水テトラヒドロフラン溶液内に徐々に加える。-78℃で3時間撹拌した後、溶液を液体窒素浴内で冷凍してから真空引きし、続いてBaCOと濃硫酸との反応により生成されたCOガスを導入する。混合物を-78℃で2時間撹拌した後、室温下において飽和NHCl水溶液で反応をクエンチした。塩酸でpHを約5に調整し、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で1回洗浄し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾
燥して濃縮する。シリカゲルカラムで精製して、クマリン-8-カルボン酸を取得する。
【化9】
【0026】
(2)一口フラスコにクマリン-8-カルボン酸、縮合剤HATU、DIPEA、超乾燥ジクロロメタンを加える。室温で撹拌する。その後、4-アミノピリジン-2-スルホン酸のジクロロメタン溶液を1滴ずつ滴下する。滴下が完了した後、室温で5時間撹拌する。TLCで反応の完全を検出する。混合液に水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥する。シリカゲルカラムで精製して、4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸を取得する。
【化10】
【0027】
(3)まず、ジクロロスルホキシドをフラスコに導入して60℃に加熱する。撹拌しながら、反応液に4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸を1滴ずつ滴下し、60℃に加熱する。反応生成物である塩化水素および二酸化硫黄はガス状で還流冷却管によって出る。滴下が完了した後、ガスが出ないまで混合物を60℃でさらに2時間撹拌する。その後、過剰のジクロロスルホキシドを真空ポンプで留去する。シリカゲルカラムで精製して、4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドを取得する。
【化11】
【0028】
(4)各種の芳香族アミンの無水テトラヒドロフラン溶液にDIPEAを加える。その後、混合物を室温で撹拌する。その後、4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリドを反応液に加える。混合物を室温で20min撹拌する。TLCで反応の完全を検出する。シリカゲルカラムで精製して、生成物を取得する。
【0029】
態様4において、本願は、態様1に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物または態様2に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、それを含む医薬組成物の、SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態を治療および/または予防するための薬剤の調製における使用を提供する。
【0030】
好ましくは、前記SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態は、パーキンソン病、代謝性疾患または腫瘍を含む。
【0031】
態様5において、本願は、態様1に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物または態様2に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、それを含む医薬組成物の、SIRT2抑制剤の調製における使用を提供する。
【0032】
態様6において、本願は、SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態を治療および/または予防する方法を提供し、該方法は、必要な被験者に対して治療および/または予防有効量の態様1に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物または態様2に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物の立体異性体、その医薬的に許容可能な塩、それを含む医薬組成物を使用することを含む。
【0033】
好ましくは、前記SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態は、パーキンソン病、代謝性疾患または腫瘍を含む。
【0034】
以下、本願の各態様および特徴について更に説明する。
【0035】
本願で使用される各種の用語およびフレーズが当業者に周知される一般的な意味を有するが、なお、本願は、依然としてここでこれらの用語およびフレーズについて更に詳しい説明および解釈が望まれており、言及される用語およびフレーズが周知される意味と一致しない場合、本願で記述される意味に準じる。以下は本願で使用される様々な用語の定義であり、これらの定義は、特に明記されていない限り、本願の明細書全体で使用される用語に適用される。以下、本願の化合物の各基の定義を提供し、別段の定義の以外、それらは明細書および特許請求の範囲で統一に使用される。
【0036】
本願で言及されるように、「ハロゲン」、「ハロゲン」、「ハロゲン原子」、「ハロゲン化」等の用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表し、特にフッ素、塩素または臭素を表す。
【0037】
本願で言及されるように、用語の「アルキル基」は、所定の数の炭素数を有するアルキル基を意味し、直鎖または分岐のアルキル基であってもよく、例えば、前記「C1~8アルキル基」の場合、炭素数1、2、3、4、5、6、7、8のアルキル基を意味し、C1~8アルキル基、C1~7アルキル基、C2~8アルキル基、C2~7アルキル基、C2~6アルキル基、C3~8アルキル基、C3~7アルキル基、C3~6アルキル基等で表されるサブレンジの基を含んでもよく、ならびに好ましい具体的な基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基であり、更に好ましくは、メチル基、イソプロピル基である。例えば、前記「C1~6アルキルオキシ基」、「C1~6アルキルホルミル基」、「C1~6アルキルオキシホルミル基」または「C1~6アルキル基」のうちの「C1~6アルキル」は、炭素数1、2、3、4、5、6のアルキル基を意味し、C1~5アルキル基、C1~4アルキル基、C2~6アルキル基、C2~5アルキル基、C2~4アルキル基、C3~6アルキル基、C3~5アルキル基、C3~4
ルキル基等で表されるサブレンジの基を含んでもよく、ならびに好ましい具体的な基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基であり、更に好ましくは、メチル基である。例えば、前記「C1~4アルキルカルボニル基」または「C1~4アルキルオキシカルボニル基」のうちの「C1~4アルキル」は、炭素数1、2、3、4のアルキル基を意味し、C1~4アルキル基、C2~4アルキル基等で表されるサブレンジの基を含んでもよく、好ましい具体的な基は、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基である。
【0038】
本願で言及されるように、用語の「シクロアルキル基」は、所定の数の環炭素数を有する環状アルキル基を意味し、例えば、言及される「C3~8シクロアルキル基」の場合、炭素数3、4、5、6、7、8のシクロアルキル基を意味し、C3~7シクロアルキル基、C3~4シクロアルキル基、C4~6シクロアルキル基等で表されるサブレンジの基を含んでもよく、ならびに好ましい具体的な基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基であり、更に好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。例えば、前記「C3~6シクロアルキル基」とは、炭素数3、4、5、6のシクロアルキル基を意味し、C3~6シクロアルキル基、C3~5シクロアルキル基、C4~5シクロアルキル基等で表されるサブレンジの基を含んでもよく、ならびに好ましい具体的な基は、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基であり、更に好ましくは、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基である。
【0039】
本願で言及されるように、用語の「芳香族複素環基」は、1~4個のヘテロ原子を含む複素環芳香族系を意味し、前記ヘテロ原子は、窒素、酸素および硫黄のヘテロ原子を含む。本願で言及されるように、「5~14員の芳香族複素環基」とは、5~14個の環原子を含む複素環芳香族系を意味する。具体的な実施例は、1つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる4つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、テトラゾール基である)と、2つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる3つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、1,2,3-トリアゾール基、1,2,4-トリアゾール基、オキサジアゾール基、チアジアゾール基である)と、3つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる2つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、イミダゾール基、ピラゾール基、オキサゾール基、イソオキサゾール基、チアゾール基、イソチアゾール基である)と、4つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる1~2つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基である)と、5つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる1つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、ピリジル基であり、好ましくは、ピリジル基である)と、6つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる3つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、ベンゾトリアゾール基である)と、7つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる2つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、ベンズイミダゾール基、ベンズピラゾール基である)と、8つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる1~2個のヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、インドール基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾピラジニル基、ベンゾピリミジニル基、ベンゾピリダジニル基である)と、9つの炭素原子および窒素、酸素、硫黄から選ばれる1つのヘテロ原子を含むアリール基(好ましい具体的な基は、例えば、キノリル基、イソキノリル基である)とを含む。
【0040】
本願で言及されるように、用語の「有効量」は、被験者で本願に係る疾患または病態の
治療および/または予防を実現できる用量を意味する。
【0041】
本願で言及されるように、用語の「医薬組成物」は、「組成物」を更に意味してもよく、被験者で、特に哺乳動物で本願に係る疾患または病態の治療および/または予防を実現することに使用できる。
【0042】
本願で言及されるように、用語の「被験者」は、患者、または本願に係る化合物、薬用塩またはその医薬組成物を受けることで本願に係る疾患または病態を治療および/または予防する動物、特に哺乳動物、例えば、ヒト、イヌ、サル、ウシ、ウマ等を意味してもよい。
【0043】
本願で言及されるように、用語の「疾患および/または病態」は、前記被験者の1つの身体状態を意味し、該身体状態は本願に係る疾患および/または病態に関連する。例えば、本願に係る疾患および/または病態は、1つの身体状態、例えば、パーキンソン病態の身体状態を意味してもよいし、1つの疾患状態、例えば、パーキンソン病等の疾患状態として表されることを意味してもよい。本文で、身体状態と疾患状態とは区別しなく、または両者は互いに代表することができ、例えば、「パーキンソン病」と「パーキンソン症」とは交換して使用することができる。
【0044】
本願で言及されるように、用語の「医薬的に許容可能な」は、例えば、「医薬的に許容可能な塩」を説明する場合、該塩は、被験者に生理学的に許容可能なものだけでなく、医薬的に使用価値のある合成物質を指してもよく、例えば、キラル分割を行う時に形成された中間体としての塩であり、このような中間体の塩を被験者に直接投与することができないが、該塩は、本願の最終生成物を取得するために働くことができる。
【0045】
本願の更なる態様において、更に本願の化合物を活性成分とする医薬組成物に関する。該医薬組成物は、本分野の公知方法に基づいて調製することができる。本願の化合物を1種または複数種の医薬的に許容可能な固形または液体賦形剤および/または補助剤と結合することにより、ヒトまたは動物が使用するために適する任意の剤形に作製することができる。本願の化合物のその医薬組成物における含有量は、通常0.1~95重量%である。
【0046】
本願の化合物またはそれを含む医薬組成物は、単位用量の形式で投与することができ、投与経路は、腸または非腸であってもよく、例えば、経口、静脈注射、筋肉注射、皮下注射、鼻腔、口腔粘膜、目、肺および気道、皮膚、膣、直腸等である。
【0047】
投与剤形は、液体剤形、固形剤形または半固形剤形であってもよい。液体剤形は、溶液剤(真溶液およびコロイド溶液を含む)、乳剤(o/w型、w/o型および複合型乳剤を含む)、懸濁化剤、注射剤(水注射剤、粉注射剤および輸液を含む)、点眼剤、点鼻剤、ローション剤およびリニメント剤等であってもよく、固形剤形は、錠剤(普通錠、腸溶錠、バッカル錠、分散錠、チュアブル錠、発泡錠、口腔内崩壊錠を含む)、カプセル剤(ハードカプセル、ソフトカプセル、腸溶性カプセルを含む)、顆粒剤、散剤、ペレット、ドロップ、坐剤、フィルム剤、貼布剤、(粉末)エアゾール剤、スプレー剤等であってもよく、半固形剤形は、軟膏剤、ゲル剤、ペースト剤等であってもよい。
【0048】
本願の化合物は、一般的な製剤に作製されてもよいし、徐放製剤、放出制御製剤、ターゲッティング製剤および各微粒子投与システムに作製されてもよい。
【0049】
本願の化合物を錠剤に作製するために、本分野の公知の各賦形剤を広く使用することができ、希釈剤、接着剤、湿潤剤、崩壊剤、潤滑剤、溶解補助剤を含む。希釈剤は、デンプ
ン、デキストリン、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、微結晶セルロース、硫酸カルシウム、リン水素カルシウム、炭酸カルシウム等であってもよく、湿潤剤は、水、エタノール、イソプロピルアルコール等であってもよく、粘着剤は、デンプンスラリー、デキストリン、シロップ、ハチミツ、ブドウ糖溶液、微結晶セルロース、アラビアゴムスラリー、ゼラチンスラリー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂、カルボマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等であってもよく、崩壊剤は、ドライデンプン、微結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよびクエン酸、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ドデシルスルホン酸ナトリウム等であってもよく、潤滑剤および溶解補助剤は、タルク粉末、シリカ、ステアリン酸塩、酒石酸、流動パラフィン、ポリエチレングリコール等であってもよい。
【0050】
錠剤を更にコーティング錠、例えば糖コーティング錠、フィルムコーティング錠、腸溶性コーティング錠、または二重錠および多層錠に作製してもよい。
【0051】
投与単位をカプセル剤に作製するために、有効成分の本願の化合物を希釈剤、溶解補助剤と混合し、混合物を直接にハードカプセルまたはソフトカプセルに入れることができる。有効成分の本願の化合物を希釈剤、接着剤、崩壊剤と顆粒またはペレットに作製してから、ハードカプセルまたはソフトカプセルに入れることもできる。本願の化合物錠剤を調製するための各希釈剤、接着剤、湿潤剤、崩壊剤、溶解補助剤の品種は、本願の化合物のカプセル剤を調製するために使用できる。
【0052】
本願の化合物を注射剤に作製するために、水、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールまたはそれらの混合物を溶媒とし、本分野で常用される可溶化剤、溶解補助剤、pH調整剤、浸透圧調整剤を適量に加えることができる。可溶化剤または溶解補助剤は、ポロキサマー、レシチン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン等であってもよく、pH調整剤は、リン酸塩、醋酸塩、塩酸、水酸化ナトリウム等であってもよく、浸透圧調整剤は、塩化ナトリウム、マンニトール、ブドウ糖、リン酸塩、醋酸塩等であってもよい。凍結乾燥粉注射剤を調製する場合、マンニトール、ブドウ糖等をプロッパントとして加えることもできる。
【0053】
また、必要があれば、薬剤製剤に着色剤、防腐剤、香料、矯味剤または他の添加剤を加えてもよい。
【0054】
薬剤投与の目的を達成して治療効果を強化するために、本願の薬剤または医薬組成物は、任意の公知の投与方法で投与することができる。
【0055】
本願の化合物の医薬組成物の投与量は、疾患を予防または治療する必要がある性質および重症度、患者または動物の個体状況、投与経路および剤形等に従い、大幅に変化することができる。一般的には、本願に係る化合物は、毎日の適当な用量範囲が0.001~150mg/kg体重であり、0.1~100mg/kg体重であることが好ましく、1~60mg/kg体重であることがより好ましく、2~30mg/kg体重であることが最も好ましい。上記用量は、1つの投与量単位でまたはいくつかの投与量単位に分けて投与することができ、医者の臨床経験および他の治療手段の使用を含む投与態様により決定される。
【0056】
本願の化合物または組成物は、単独で服用してもよいし、他の治療薬剤または対症薬剤と併用してもよい。本願の化合物が他の治療薬剤と協働作用がある場合、実際の状況に応
じてその用量を調整すべきである。
【発明の効果】
【0057】
従来技術に対し、本願は、以下の有益な効果を有する。
【0058】
本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は、新しい化合物構造であり、且つ、そのインビトロSIRT2抑制活性が50%以上に達し、そのうちの18個の化合物のインビトロSIRT2抑制活性IC50がマイクロモルレベルに達し、特に、そのうちの11個の化合物のIC50値が10-7mol/Lレベルに達し、そのうちの4つの化合物のIC50値が10-8mol/Lレベルに達し、良好なSIRT2抑制活性を示し、且つ、神経腫細胞に対して著しい保護効果を有する。従って、SIRT2過剰活性またはSIRT2の過剰発現に関連する疾患または病態を治療および/または予防するための薬剤の調製、またはパーキンソン病、代謝性疾患、腫瘍を治療および/または予防する薬剤の調製に広く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】試験例3における本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物のSH-SY5Y細胞損傷に対する保護作用の結果の統計図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、具体的な実施形態により本願の技術案について更に説明する。当業者であれば、前記実施例は、本願を理解するためのものに過ぎず、本願の具体的な制限と見なされるべきではないことを理解すべきである。
【0061】
以下の全ての実施例または調製例について、当業者に良く知られている標準的な操作および精製方法を使用することができる。特に断りのない限り、全ての温度は℃(摂氏)で表され、化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)および/または質量分析(MS)により確定された。
【0062】
以下の全ての実施例または調製例について、化合物の構造は、核磁気共鳴水素スペクトル(H NMR)または質量分析(MS)により確定された。核磁気共鳴水素スペクトルのシフト(δ)は、百万分の一(ppm)の単位で与えられた。核磁気共鳴スペクトルは、Mercury-300またはMercury-400型核磁気共鳴装置で測定し、重クロロホルム(CDCl3)または重ジメチルスルホキシド(DMSO-d6)を溶媒とし、テトラメチルシラン(TMS)または3-(トリメチルシリル)重プロピオン酸ナトリウム(TSM)を内部標準とした。
【0063】
電子天秤は、日本Yanaco LY-300型電子天秤を採用した。
【0064】
カラムクロマトグラフィーは、200~300メッシュまたは300~400メッシュのシリカゲルを担体として使用した。
【0065】
無水溶媒は、いずれも標準方法により処理された。他の試薬は、いずれも市販の分析用純度であった。
【0066】
ここで、
HATUは、2-(7-Azabenzotriazol-1-yl)-N,N,N’,N’-tetramethyluronium hexafluor-ophosphatで、即ち、2-(7-アザベンゾトリアゾール)-N,N,N’,N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファートであった。
【0067】
DIPEAは、N,N-diisomromylethylamineで、即ち、N,N-ジイソプロピルエチルアミンであった。
【0068】
DMFは、N,N-dimethylformamideで、即ち、N,N-ジメチルホルムアミドであった。
【0069】
以下の調製例および実施例に係る原料の由来は、以下のとおりである。
8-ブロモクマリンは、上海アラジン生化科技株式会社から購入され、CAS:33491-30-4であり、
4-アミノピリジン-2-スルホン酸は、SYNCHEM-OHG社から購入され、CAS:900804-14-0であり、
4-クロロアニリン、3-クロロアニリン、2-クロロアニリン、4-メチルアニリン、3-ニトロアニリン、2-シアノアニリン、4-フルオロアニリン、4-メチルスルホニルアニリン、4-トリフルオロメチルアニリン、4-フェニルアニリン、4-ヒドロキシルアニリン、4-メトキシアニリン、3,4-フルオロアニリン、3-ブロモ-4-クロロアニリン、7-ブロモ-1-ナフチルアミン、3-クロロ-1-ナフチルアミン、5-アミノキノリン、3-ブロモ-5-アミノキノリンは、それぞれマックリン(上海)生化科技有限公司、Sigma-Aldrichシグマアルドリッチ(上海)貿易有限公司、J&K Scientific(北京)有限公司、Meryer(上海)化学技術有限公司、Alfa Aesar(中国)化学有限公司、北京偶合科技有限公司、上海アラジン生化科技株式会社、ソルアルビオサイエンス&テクノロジー(北京)株式会社、InnoChem(北京)科技有限公司から購入された。
【0070】
[調製例1]
本調製例で、下式で示される中間体4を調製し、合成ルートは、以下であった。
【化12】
【0071】
(1)n-ブチルリチウム(1.60Mのn-へキサン溶液)(14.00mL、22.33mmol)を-78℃で窒素保護下で8-ブロモクマリン(5.00g、22.33mmol)の無水テトラヒドロフラン(30mL)溶液内に徐々に加えた。-78℃で3時間撹拌した後、溶液を液体窒素浴で冷凍してから真空引きし、続いてBaCO(5.29g、26.80mmol)と濃硫酸(1.43mL、26.80mmol)との反応により生成されたCOガスを導入した。混合物を-78℃で2時間撹拌した後、20℃で飽和NHCl水溶液で反応をクエンチした。塩酸でpHを5に調整し、酢酸エチル(15mL×3)で3回抽出し、飽和食塩水で1回洗浄し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。シリカゲルカラムで精製して、生成物であるクマリン-8-カルボン酸(1.61g、収率38%)を取得した。
【0072】
(2)一口フラスコにクマリン-8-カルボン酸(1.60g、8.42mmol)、縮合剤HATU(3.20g、8.42mmol)、DIPEA(2.93mL、16.84mmol)、超乾燥ジクロロメタン(15mL)を加えた。20℃で30min撹拌
した。その後、4-アミノピリジン-2-スルホン酸(1.33g、7.65mmol)のジクロロメタン(5mL)溶液を1滴ずつ滴下した。滴下が完了した後、20℃で5時間撹拌した。TLCで反応の完全を検出した。混合液に水を加え、酢酸エチル(15mL×3)で3回抽出し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。シリカゲルカラムで精製して、生成物である4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸(1.61g、収率61%)を取得した。
【0073】
(3)まず、ジクロロスルホキシド(5mL)をフラスコに導入して60℃に加熱した。撹拌しながら、3時間内で反応液内に4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホン酸(1.60g、4.62mmol)を1滴ずつ加え、60℃に加熱した。反応生成物である塩化水素および二酸化硫黄がガス状で還流冷却管によって出た。滴下が完了した後、ガスが出ないまで混合物を60℃で再び2時間撹拌した。その後、過剰のジクロロスルホキシドを真空ポンプで留去した。シリカゲルカラムで精製して、生成物である4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリド(0.59g、収率35%)を取得した。
【0074】
[実施例1]
本実施例で、化合物1であるN-(2-(N-(4-クロロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化13】
【0075】
4-クロロアニリン(0.17g、1.37mmol、CAS:106-47-8)の無水テトラヒドロフラン(10mL)溶液内にDIPEA(0.48mL、2.74mmol)を加えた。その後、混合物を20℃で10min撹拌した。その後、4-(2-オキソ-2H-クロメン-8-カルボキシアミド)ピリジン-2-スルホニルクロリド(0.50g、1.37mmol)を反応液内に加えた。混合物を20℃で20min撹拌した。TLCで反応の完全を検出した。シリカゲルカラムで精製して、生成物(0.21g、収率33%)を取得した。生成物を以下のように特徴付けた。
【0076】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.54 (d, J =
4.4 Hz, 1H), 7.52-7.79 (m, 4H), 7.10-7.41 (m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.97 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H] C21H15ClN3O5S 計算値456.0421、実測値456.0454。
【0077】
[実施例2]
本実施例で、化合物2であるN-(2-(N-(3-クロロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化14】
【0078】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを3-クロロアニリンに置き換えて白色の固体を0.16g取得し、収率が26%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0079】
H NMR (400 MHz, CDCl): 8.53 (d, J = 5.4 Hz, 1H), 7.52-7.79 (m, 4H), 7.10-7.38
(m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.97 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]2115ClNS 計算値456.0421、実測値456.0434。
【0080】
[実施例3]
本実施例で、化合物3であるN-(2-(N-(2-クロロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化15】
【0081】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを2-クロロアニリンに置き換えて白色の固体を0.26g取得し、収率が42%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0082】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.54 (d, J =
4.4 Hz, 1H), 7.52-7.79 (m, 4H), 7.15-7.38 (m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.97 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]2115ClNS 計算値456.0421、実測値456.0414。
【0083】
[実施例4]
本実施例で、化合物4であるN-(2-(N-(4-メチルフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化16】
【0084】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-メチルアニリンに置き換えて白色の固体を1.97g取得し、収率が33%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0085】
H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.54 (d, J =
4.4 Hz, 1H), 7.53-7.78 (m, 4H), 7.12-7.49 (m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.97 (m, 1H), 2.34 (s, 3H).
HR-MS (ESI): [M+H]2218S 計算値436.0967、実測値436.0945。
【0086】
[実施例5]
本実施例で、化合物5であるN-(2-(N-(3-ニトロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化17】
【0087】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを3-ニトロアニリンに置き換えて白色の固体を0.23g取得し、収率が36%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0088】
H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.53 (d, J =
5.4 Hz, 1H), 7.50-7.77 (m, 4H), 7.10-7.36 (m, 5H), 6.54 (m, 1H), 5.92 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]2115S 計算値467.0661、実測値467.0646。
【0089】
[実施例6]
本実施例で、化合物6であるN-(2-(N-(2-シアノフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構
造は、以下のとおりである。
【化18】
【0090】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを2-シアノアニリンに置き換えて白色の固体を0.153g取得し、収率が25%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0091】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ8.53 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.52-7.75 (m, 4H), 7.10-7.42 (m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.97 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]2215S 計算値447.0763、実測値447.0742。
【0092】
[実施例7]
本実施例で、化合物7であるN-(2-(N-(4-フルオロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化19】
【0093】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-フルオロアニリンに置き換えて白色の固体を0.17g取得し、収率が29%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0094】
H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.62 (d, J =
4.7 Hz, 1H), 7.52-7.79 (m, 4H), 7.15-7.42 (m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.97 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]2115FNS 計算値440.0716、実測値440.0740.
【0095】
[実施例8]
本実施例で、化合物8であるN-(2-(N-(4-メチルスルホニルフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製
し、その構造は、以下のとおりである。
【化20】
【0096】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-メチルスルホニルアニリンに置き換えて白色の固体を0.27g取得し、収率が39%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0097】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.62 (d, J =
4.7 Hz, 1H), 7.52-7.77 (m, 4H), 7.11-7.38 (m, 5H), 6.51 (m, 1H), 5.93 (m, 1H), 3.32 (s, 3H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2218 計算値500.0586、実測値500.0594。
【0098】
[実施例9]
本実施例で、化合物9であるN-(2-(N-(4-トリフルオロメチルフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化21】
【0099】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-トリフルオロメチルアニリンに置き換えて白色の固体を0.26g取得し、収率が39%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0100】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.62 (d, J =
4.7 Hz, 1H), 7.58-7.79 (m, 4H), 7.11-7.49 (m, 5H), 6.52 (m, 1H), 5.76 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2215S 計算値490.0685、実測値490.0683。
【0101】
[実施例10]
本実施例で、化合物10であるN-(2-(N-(4-フェニルフェニル)スルホンア
ミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化22】
【0102】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-フェニルアニリンに置き換えて白色の固体を0.28g取得し、収率が41%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0103】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.62 (d, J =
4.7 Hz, 1H), 8.09-8.23 (m, 2H), 7.55-7.89 (m, 10H), 6.52-6.78 (m, 2H), 5.76-6.12 (m, 2H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2720S 計算値498.1124、実測値498.1145。
【0104】
[実施例11]
本実施例で、化合物11であるN-(2-(N-(4-ヒドロキシルフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化23】
【0105】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-ヒドロキシルアニリンに置き換えて白色の固体を0.12g取得し、収率が21%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0106】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.72 (d, J =
4.9 Hz, 1H), 7.62-7.77 (m, 4H), 7.12-7.56 (m, 5H), 6.42 (m, 1H), 5.66 (m, 1H), 5.45 (s, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2116S 計算値438.
0760、実測値438.0788。
【0107】
[実施例12]
本実施例で、化合物12であるN-(2-(N-(4-メトキシフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化24】
【0108】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを4-メトキシアニリンに置き換えて白色の固体を0.16g取得し、収率が26%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0109】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.72 (d, J =
4.5 Hz, 1H), 7.62-7.76 (m, 4H), 7.12-7.66 (m, 5H), 6.42 (m, 1H), 5.66 (m, 1H), 3.83 (s, 3H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2218S 計算値452.0916、実測値452.0933。
【0110】
[実施例13]
本実施例で、化合物13であるN-(2-(N-(3,4-ジフルオロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化25】
【0111】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを3,4-フルオロアニリンに置き換えて白色の固体を0.22g取得し、収率が36%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0112】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.62 (d, J =
5.7 Hz, 1H), 7.57-7.77 (m, 4H), 7.13-7.49 (m, 4H), 6.62 (m, 1H), 5.93 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2114S 計算値458.0622、実測値458.0636。
【0113】
[実施例14]
本実施例で、化合物14であるN-(2-(N-(3-ブロモ-4-クロロフェニル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化26】
【0114】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを3-ブロモ-4-クロロアニリンに置き換えて白色の固体を0.23g取得し、収率が32%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0115】
H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.62 (d, J =
5.7 Hz, 1H), 7.53-7.78 (m, 4H), 7.15-7.41 (m, 4H), 6.62 (m, 1H), 5.93 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2114BrClNS 計算値533.9526、実測値533.9554。
【0116】
[実施例15]
本実施例で、化合物15であるN-(2-(N-(7-ブロモナフタレン-1-イル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化27】
【0117】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを7-ブロモ-1-ナフチルアミンに置き換えて白色の固体を0.19g取得し、収率が26%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0118】
H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.56 (d, J =
54 Hz, 1H), 8.10-8.13 (m, 3H), 7.52-7.81 (m, 4H), 7.02-7.45 (m, 4H), 6.67-6.89
(m, 2H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2517BrNS 計算値550.0072、実測値550.0098。
【0119】
[実施例16]
本実施例で、化合物16であるN-(2-(N-(3-クロロナフタレン-1-イル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化28】
【0120】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを3-クロロ-1-ナフチルアミンに置き換えて白色の固体を0.20g取得し、収率が29%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0121】
H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 8.56 (d, J =
54 Hz, 1H), 8.11-8.15 (m, 3H), 7.55-7.87 (m, 4H), 7.02-7.45 (m, 4H), 6.69-6.92 (m, 2H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2517ClNS 計算値506.0577、実測値506.0599。
【0122】
[実施例17]
本実施例で、化合物17であるN-(2-(N-(キノリン-5-イル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化29】
【0123】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを5-アミノキノリンに置き換えて白色の固体を0.22g取得し、収率が34%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0124】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.35-8.58 (m, 5H), 8.19 (m, 1H), 7.51-7.87 (m, 5H), 7.31 (m, 1H), 6.52 (m, 1H), 5.57 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2417S 計算値473.0920、実測値473.0934。
【0125】
[実施例18]
本実施例で、化合物18であるN-(2-(N-(7-ブロモ-キノリン-5-イル)スルホンアミド)-ピリジン-4-イル)-2-オキソ-2H-クロメン-8-アミドを調製し、その構造は、以下のとおりである。
【化30】
【0126】
実施例1における調製方法を参照して調製し、4-クロロアニリンを3-ブロモ-5-アミノキノリンに置き換えて白色の固体を0.24g取得し、収率が32%であった。生成物を以下のように特徴付けた。
【0127】
H NMR (400 MHz, CDCl): δ 8.31-8.52 (m, 4H), 8.13 (m, 1H), 7.51-7.82 (m, 5H), 7.31 (m, 1H), 6.52 (m, 1H), 5.57 (m, 1H).
HR-MS (ESI): [M+H]+ C2416BrNS 計算値551.0025、実測値551.0043。
【0128】
[試験例1]
SIRT2抑制剤のインビトロ活性の選別:
ヒトSIRT2遺伝子の全長発現配列ORFは1170 bp(Accession No.:NM_012237)であり、発現されたSIRT2タンパク質のサイズは43KDaである。SIRT2組換えタンパク質の発現精製ステップは、以下のとおりである。SIRT2遺伝子は、発現担体pET-15b(プライマーは、Forward:5’-TAATACGACTCACTATAGGG-3’(SEQ ID NO. 1)、backward:5’-TTCACTTCTGAGTTCGGCATG-3’(SEQ ID NO. 2)のとおりである)にクローンされ、発現されたSIRT2タンパク質は、N末端で精製用のタグHisを含む。プラスミドは、E.coli BL2(DE3)に形質転換され、1mMのIPTGによって誘導され、18℃で6時間発現した。遠心分離で誘導された大腸菌細胞を収集し、-20℃に凍結した。細菌を15mLの細胞溶解液(50mMのTris-HCl、pH8.0、300mMのNaCl)に沈殿して重懸濁し、細菌サンプルを超音波で10min破砕した後、4℃で遠心分離(12000×g、20min)して沈殿を除去した。組換え発現された可溶性SIRT2タンパク質は、上澄みに存在する。上澄みをNi2+NTA-agarose matrixカラム(Qiagen)で精製した。精製過程において、まず、サンプルローディング液(50m
MのTris-HCl、pH8.0、300mMのNaCl)で結合していないタンパク質を洗浄し、その後、イミダゾールの濃度(0~200mM)を徐々に上げて非特異的に結合したタンパク質を洗浄し、最後に、精製された組換えSIRT2タンパク質を取得した。PD-10カラムを用いてイミダゾールを除去し、Bradford方法で精製されたSIRT2タンパク質濃度を測定した。組換えSIRT2タンパク質を保存液内(50mMのTris-HCl、pH8.0、265mMのNaCl、0.2mMのDTT、および10%のglycerol)に保存し、-20℃に置いた。
【0129】
文献の報告によると、SIRT2酵素活性測定方法が確立された。まず、SIRT2の作用基質ペプチドセグメントAc-Gln-Pro-Lys-[Lys-(Ac)]-AMCを合成して酵素活性測定方法における基質とした。連結された蛍光タグは、AMC(7-Amino-4-methylcoumarin)であった。測定過程全体は、2つのステップを含んだ。触媒反応が60μLの反応液(25mMのTris-HCl、pH8.0、137mMのNaCl、2.7mMのKCl、1mMのMgClおよび1mg/mlのBSA)内で行われ、500μMのNAD、50μMの基質ペプチドセグメント、1.0μgのSIRT2、および異なる濃度の化合物1~18を加えた。反応は、37℃で2時間置いた。この反応において、低分子ペプチドセグメントにおけるLysine残基のアセチル基は、異なる程度で除去された。その後、反応溶液に60μLのサンプル処理液(50mMのTris-HCl、pH8.0、100mMのNaCl、Trypsinおよび4mMのnicotinamide)を加えて混合し、37℃で20min置いた。プレートリーダーを、励起光355nm、吸収光460nmに設定し、吸収強度を測定した。試験中の各化合物は、濃度毎に2つの平行試験があり、且つ、合理的な対照を設け、実験結果は、処理ソフトウェアGraphPad Prismで各抑制剤の抑制活性IC50を計算した。結果は第1表に示す(ここで、AGKはポジティブ対照群であった)。
【0130】
【表2】
【0131】
第1表のデータから分かるように、被験された18個の化合物のインビトロSIRT2抑制活性IC50は、いずれもマイクロモルレベルに達し、特に、そのうちの11個の化合物のIC50値は10-7mol/Lレベルに達し、そのうちの4つの化合物のIC50値は10-8mol/Lレベルに達し、本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は良好なSIRT2抑制活性を有することを示した。
【0132】
[試験例2]
化合物の神経腫細胞SH-SY5Yに対する細胞毒性の測定:
本試験例で、化合物の神経腫細胞SH-SY5Yに対する細胞毒性を測定し、次のパーキンソン細胞モデル保護試験の用量を確定するために用いられる。細胞毒性の測定について、具体的な実験ステップは、以下のとおりである。培養された神経腫細胞SH-SY5Yを、ウェル毎に約6000細胞で96ウェルの細胞培養板に植えた。一晩培養を経て、新しい培養液に交換し、ウェル毎に異なる濃度の化合物1~18(0.01、0.05、
0.1、0.5、1、5、10、20、50、100、200μM)を加え、且つ、異なる対照サンプルを設けた。細胞は37℃で48時間培養を続けた。ウェル毎に10μLの染料AlamarBlue(登録商標)(Invitrogen)を加えて37℃で約2時間培養を続け、染色液の色の変化を観察することができ、プレートリーダーで吸収値の変化を読み取った(Ex:530nm、Em:590nm)。試験中の化合物は、濃度毎に2つの平行試験があった。実験結果は、データ処理ソフトウェアGraphPad Prismで各化合物の細胞毒性CC50を計算した。結果は第2表に示す(ここで、Taxolはポジティブ対照群であった)。
【0133】
【表3】
【0134】
第2表のデータから分かるように、被験された18個の化合物のSH-SY5Yに対する細胞毒性IC50は、いずれも20μMよりも大きく、即ち、本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は、SH-SY5Y細胞に対して明らかな抑制活性がない。
【0135】
[試験例3]
パーキンソン病細胞モデルに対して保護活性を持つ化合物の選別:
パーキンソン病細胞モデル保護作用の選別試験については、現在一般的に認められた神経毒剤MPP(5mM)を用いて神経腫細胞SH-SY5Yに作用してパーキンソン病細胞モデルを構築した。この種類の神経毒剤は、SH-SY5Y細胞に作用してα-synucleinの細胞内における非正常蓄積に影響し、パーキンソン病に類似する神経毒性を及ぼす。具体的な実験方法は、以下のとおりである。約20000のSH-SY5Y細胞を96ウェル細胞プレートに植え、一晩培養した。対照試験controlは、神経毒剤を加えないものを採用し、他の各群は、ウェル毎に神経毒剤MPP(5mM)を加え、MPP+群は、保護化合物を加えないものであり、保護試験の培養ウェルに化合物1~18(10μM)(ここで、AGKはポジティブ対照であった)をそれぞれ同時に加え、48時間培養を続け、パーキンソン病細胞モデルの細胞活性を測定することにより、それらのパーキンソン細胞モデルに対する保護作用を評価した。試験結果のデータ分析は、GraphPad Prismを用いた。結果は図1に示す。
【0136】
図1からわかるように、試験された18個の化合物は、いずれも一定の程度でMPP神経毒剤のSH-SY5Y細胞に対する損傷から守ることができ、本願に係る8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物は神経腫細胞に対する保護効果を有し、且つ、そのうちの化合物1、13、14、15の神経腫細胞に対する保護効果はより顕著である。
【0137】
本願は、上記実施例により本願の8-(ピリジルアミド)置換クマリン系化合物、その調製方法および使用を説明したが、本願は上記実施例に限定するものではなく、すなわち、本願は上記実施例に依存して実施しなければならないことを意味するものではないことを、出願人より声明する。当業者であれば、本願に対するいかなる改良、本願の製品の各原料に対する等価的な置換および補助成分の追加、具体的な形態の選択等は、全て本願の保護範囲および開示範囲内に含まれることを理解すべきである。
【0138】
以上、本願の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本願は上記実施形態中の具体的なディテールに限定されるものではなく、本願の技術的思想の範囲内で、本願の技術案に対して様々な簡単な変形を行うことができ、これらの簡単な変形は全て本願の保護範囲に属している。
【0139】
なお、上記具体的な実施形態に説明した各具体的な技術的特徴は、矛盾がない限り、いかなる適切な形態で組み合わせることができ、必要がない重複を回避するために、本願では様々な可能な組み合わせの形態については別に説明しない。
図1
【配列表】
2024508558000001.app
【国際調査報告】