(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-27
(54)【発明の名称】化学機械平坦化スラリー処理技術並びにそれを使用して基板を研磨するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240219BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20240219BHJP
B24B 57/02 20060101ALI20240219BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20240219BHJP
【FI】
H01L21/304 621D
B24B37/00 K
B24B57/02
C09K3/14 550Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023574110
(86)(22)【出願日】2022-02-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 US2022015424
(87)【国際公開番号】W WO2022177767
(87)【国際公開日】2022-08-25
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523311708
【氏名又は名称】アラカ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARACA, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100095577
【氏名又は名称】小西 富雅
(72)【発明者】
【氏名】フィリポッシアン, アラ
(72)【発明者】
【氏名】サンプルノ, ヤサ
(72)【発明者】
【氏名】ケラハー, ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ワートマン‐オット, キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】リンハート, アビゲイル
(72)【発明者】
【氏名】カウエ, キアナ エー.
【テーマコード(参考)】
3C047
3C158
5F057
【Fターム(参考)】
3C047FF08
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5F057AA05
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(57)【要約】
化学機械平坦化(CMP)システム、装置及び方法であって、CMPスラリーの供給源を提供することと、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源をCMPスラリーの供給源に方向付けることによって、CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)システム、装置、及び方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械平坦化(CMP)方法であって、
CMPスラリーの供給源を提供することと、
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けることによって、前記CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、
前記改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、
前記基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法。
【請求項2】
前記CMPスラリーの供給源に材料添加剤を適用することによって、前記CMPスラリーの供給源を改質することを更に含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項3】
前記材料添加剤が、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付ける前に、前記CMPスラリーの供給源に適用される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項4】
前記材料添加剤が、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けるのと同時に、前記CMPスラリーの供給源に適用される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項5】
前記CMPスラリーの供給源が、機械又は電磁波エネルギーのうちの前記少なくとも1つの前記供給源を前記ウエハ研磨装置に方向付けることと、前記ウエハ研磨装置において、前記CMPスラリーの供給源に前記材料添加剤を適用することと、によって改質される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項6】
前記添加剤が、機械又は電磁波エネルギーのうちの前記少なくとも1つによって改質される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項7】
前記CMPスラリーの供給源が、封止された容器内の前記機械エネルギーの供給源によって改質され、前記改質されたCMPスラリーの前記流れを前記ウエハ研磨装置に適用することが、前記改質されたCMPスラリーを前記封止された容器から前記ウエハ研磨装置に出力することを含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項8】
前記封止された容器が、
容器ハウジングであって、前記容器ハウジングの内部への開口部を有し、前記内部が、前記CMPスラリーの供給源を保持するように構築及び配置されている、容器ハウジングと、
前記容器ハウジングの前記開口部上に流体密封シールを形成する、カバーシールシステムと、
入口及び出口であって、前記カバーシールシステムを通って延在し、前記入口から前記容器ハウジングの前記内部を通り、前記出口からウエハ研磨装置まで更に延在する、連続的なスラリー流路を形成する、入口及び出口と、を含む、請求項7に記載のCMP方法。
【請求項9】
前記機械波エネルギーが、前記封止された容器内で発生する音響エネルギーである、請求項7に記載のCMP方法。
【請求項10】
前記電磁波エネルギーが、前記封止された容器と前記ウエハ研磨装置との間の前記CMPスラリーの前記流れに沿って発生する光である、請求項7に記載のCMP方法。
【請求項11】
前記機械波エネルギーが、前記CMPスラリーの前記流れに前記光が適用された後に、前記CMPスラリーの前記流れに適用される音響エネルギーである、請求項10に記載のCMP方法。
【請求項12】
前記機械波エネルギーが、前記CMPスラリーの前記流れに前記光が適用される前に、前記CMPスラリーの前記流れに適用される音響エネルギーである、請求項10に記載のCMP方法。
【請求項13】
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源が、音響エネルギー及び光の両方を含み、前記音響エネルギーが、前記光が前記CMPスラリーの供給源に方向付けられる前に、前記CMPスラリーの供給源に方向付けられる、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項14】
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源が、前記CMPスラリーの供給源に同時に適用される、音響エネルギー及び光の両方を含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項15】
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源が、音響エネルギー及び光の両方を含み、前記音響エネルギーが、前記光が前記CMPスラリーの供給源に方向付けられた後に、前記CMPスラリーの供給源に方向付けられる、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項16】
前記ウエハ研磨装置上で回転する前記基板に対して、前記CMPスラリーの供給源を出力するためのスラリー注入システムを位置決めすることを更に含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項17】
スラリー処理システムであって、
容器ハウジングであって、前記容器ハウジングの内部への開口部を有し、前記内部が、化学機械平坦化(CMP)スラリーの供給源を保持するように構築及び配置されている、容器ハウジングと、
前記容器ハウジングの前記開口部上に流体密封シールを形成する、カバーシールシステムと、
入口及び出口であって、前記カバーシールシステムを通って延在し、前記入口から前記容器ハウジングの前記内部を通り、前記出口からウエハ研磨装置まで更に延在する、連続的なスラリー流路を形成する、入口及び出口と、
前記連続的なスラリー流路に沿って流れる前記CMPスラリーに、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源を方向付ける、エネルギー産生デバイスと、を備える、スラリー処理システム。
【請求項18】
前記カバーシールシステムが、
保持リング要素であって、そこを通って前記入口及び前記出口が延在する、保持リング要素と、
前記容器ハウジングの周りの溝に位置決めされたせん断リングであって、前記保持リング要素とともに密封境界面を形成する、せん断リングと、
前記保持リング要素とともに密封境界面を形成する、滑合要素と、を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項19】
前記滑合要素が、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分を含み、前記第1のクランプ部分及び前記第2のクランプ部分のうちの少なくとも一方が、前記第1のクランプ部分及び前記第2のクランプ部分のうちの他方における穴に挿入されるように構成されている、ロッドを含み、前記カバーシールシステムが、前記保持リング要素の周りで、前記第1のクランプ部分及び前記第2のクランプ部分を一緒に結合し、かつ、前記容器ハウジングの周りで、前記せん断リングを結合する力を生成するために、前記穴の前記ロッドの周りに位置決めされている、蝶ナットを含む、請求項18に記載のスラリー処理システム。
【請求項20】
閉じ込められた空気が前記容器ハウジングから逃げることを可能にするために、前記カバーシールシステムを通って延在する前記入口及び前記出口に連設された、通気管を更に備える、請求項19に記載のスラリー処理システム。
【請求項21】
酸素又はオゾンを注入又は浸透させるための、ガス入口管を更に備える、請求項19に記載のスラリー処理システム。
【請求項22】
前記滑合要素が、前記保持リング要素と結合するときにシールを形成するためにねじ切りされている、前記第1の部分及び前記第2の部分によって形成された、半球状の内部を有する、請求項19に記載のスラリー処理システム。
【請求項23】
前記CMPスラリーが、前記ウエハ研磨装置上の基板と化学的に連通するように構築されており、前記基板の上層が、銅、タングステン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、炭素ドープ二酸化ケイ素、黒色ダイヤモンド、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、コバルト、窒化ガリウム、ルテニウム、炭化ケイ素、又はそれらの組み合わせ若しくは合金から形成されている、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項24】
前記エネルギー産生デバイスが、前記連続的なスラリー流路に沿って前記CMPスラリーを音響的に活性化するための音波エネルギーを生成するもう1つのトランスデューサなどを有する、音波生成機構を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項25】
前記エネルギー産生デバイスが、前記CMPスラリーに照射するように構築及び配置されている光源を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項26】
前記CMPスラリーが、配位子を酸化させるために、前記光源によって照射される金属配位子錯体を形成するように、少なくとも1つの配位子錯化剤、及び金属を含む、請求項25に記載のスラリー処理システム。
【請求項27】
前記配位子錯化剤が、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、及びグリシンのうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載のスラリー処理システム。
【請求項28】
前記CMPスラリーが、高分子ポリマーと、複合添加剤と、を含む、ポリマーベースのナノコンポジットスラリーを含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項29】
前記エネルギー産生デバイスが、前記ウエハ研磨装置によって実行された研磨作業において、SiC基板の表面層を除去するために、メガソニックエネルギーを用いる第1のデバイスと、前記SiC基板と化学的に接触する前記CMPスラリーに方向付けられた光波を用いる第2のデバイスと、を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項30】
前記ウエハ研磨装置上で回転する基板に前記CMPスラリーの供給源を出力するための、前記ウエハ研磨装置に対して位置決めされているスラリー注入システムを更に備える、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項31】
化学機械平坦化(CMP)方法であって、
CMPスラリーの供給源を提供することと、
音響エネルギーの供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けることによって、前記CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、
前記改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、
前記基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法。
【請求項32】
化学機械平坦化(CMP)方法であって、
CMPスラリーの供給源を提供することと、
光源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けることによって、前記CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、
前記改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、
前記基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2021年2月16日出願の「SONICATED CHEMICAL-MECHANICAL PLANARIZATION(CMP)」という名称の米国特許仮出願第63/149,733号、2021年2月18日出願の「LIGHT ENHANCED CHEMICAL-MECHANICAL PLANARIZATION(CMP)」という名称の米国特許仮出願第63/150,683号、2021年3月24日出願の「SLURRY INJECTION SYSTEM WITH SIDE CAR AND END-EFFECTORS」という名称の米国特許仮出願第63/165,444号、2021年5月10日出願の「REAL-TIME PAD-LEVEL SLURRY EFFLUENT EXTRACTION SYSTEM FOR CMP PROCESSES」という名称の米国特許仮出願第63/186,343号、2021年5月13日出願の「SILICON CARBIDE(SIC)WAFER POLISHING WITH NOVEL SLURRY FORMULATIONS AND PROCESSES」という名称の米国特許仮出願第63/188,305号、2021年6月16日出願の「DEVICE FOR ENABLING DIRECT AND CONTINUOUS CMP OR POLISHING SLURRY SONICATION」という名称の米国特許仮出願第63/211,083号の利益及び優先権を主張するものであり、上記出願の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、米国特許第8,197,306号、同第8,845,395号、同第9,296,088号、韓国特許第1,394,745号、日本特許第5,574,597号、及び台湾特許第I486,233号に関連し、上記特許の各々の全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、半導体製造プロセス用の化学機械平坦化(Chemical Mechanical Planarization、CMP)に関する。より具体的には、本開示は、スラリー配合物に対する増強、並びに、半導体ウエハなどの基板を研磨するための装置及びプロセスに関する。
【背景技術】
【0003】
化学機械平坦化(CMP)は、集積回路(integrated circuit、IC)製造中に、基板、例えばウエハ上で材料除去を実行し、金属層、ポリシリコン層及び/又は誘電体層を平坦化する、半導体製造プロセスの一部である。CMPは、化学反応を実行し、研磨粒子を適用することによって機械力を適用して、層を形成する金属堆積物などを除去することができる。
【0004】
CMPプロセスは、一般に、ウエハが位置決めされている回転式基板研磨機に、化学物質と研磨粒子の組み合わせを適用するために、スラリーの供給源を研磨パッドに出力する装置を含む、スラリー分配システムの使用を含む。適切なシステムがなければ、スラリー材料の種類及び特性、並びにスラリーが適用される方法は、より低い材料除去速度、必要以上に大きいスラリー消費、ウエハ上の望ましくない表面の傷又は他の欠陥をもたらし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一態様では、本発明の概念は、化学機械平坦化(CMP)方法であって、CMPスラリーの供給源を提供することと、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源をCMPスラリーの供給源に方向付けることによって、CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法を提供する。
【0006】
いくつかの実施形態では、CMP方法は、CMPスラリーの供給源に材料添加剤を適用することによって、CMPスラリーの供給源を改質することを更に含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、材料添加剤は、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源をCMPスラリーの供給源に方向付ける前に、CMPスラリーの供給源に適用される。
【0008】
いくつかの実施形態では、材料添加剤は、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源をCMPスラリーの供給源に方向付けるのと同時に、CMPスラリーの供給源に適用される。
【0009】
いくつかの実施形態では、CMPスラリーの供給源は、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源をウエハ研磨装置におけるCMPスラリーの供給源に方向付けることと、ウエハ研磨装置において、CMPスラリーの供給源に材料添加剤を適用することと、によって改質される。
【0010】
いくつかの実施形態では、添加剤は、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つによって改質される。
【0011】
いくつかの実施形態では、CMPスラリーの供給源は、封止された容器内の機械エネルギーの供給源によって改質され、改質されたCMPスラリーの流れをウエハ研磨装置に適用することは、改質されたCMPスラリーを封止された容器からウエハ研磨装置に出力することを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、封止された容器は、容器ハウジングであって、ハウジングの内部への開口部を有し、内部が、CMPスラリーの供給源を保持するように構築及び配置されている、容器ハウジングと、容器ハウジングの開口部上に流体密封シールを形成する、カバーシールシステムと、入口及び出口であって、カバーシールシステムを通って延在し、入口から容器ハウジングの内部を通り、出口からウエハ研磨装置まで更に延在する、連続的なスラリー流路を形成する、入口及び出口と、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、機械波エネルギーは、封止された容器内で発生する音響エネルギーである。
【0014】
いくつかの実施形態では、電磁波エネルギーが、封止された容器とウエハ研磨装置との間のCMPスラリーの流れに沿って発生する光である。
【0015】
いくつかの実施形態では、機械波エネルギーは、CMPスラリーの流れに光が適用された後に、CMPスラリーの流れに適用される音響エネルギーである。
【0016】
いくつかの実施形態では、機械波エネルギーは、CMPスラリーの流れに光が適用される前に、CMPスラリーの流れに適用される音響エネルギーである。
【0017】
いくつかの実施形態では、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源は、音響エネルギー及び光の両方を含み、音響エネルギーが、光がCMPスラリーの供給源に方向付けられる前に、CMPスラリーの供給源に方向付けられる。
【0018】
いくつかの実施形態では、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源は、CMPスラリーの供給源に同時に適用される、音響エネルギー及び光の両方を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源は、音響エネルギー及び光の両方を含み、音響エネルギーは、光がCMPスラリーの供給源に方向付けられた後に、CMPスラリーの供給源に方向付けられる。
【0020】
別の態様では、本発明の概念は、スラリー処理システムであって、容器ハウジングであって、容器ハウジングの内部への開口部を有し、内部が、化学機械平坦化(CMP)スラリーの供給源を保持するように構築及び配置されている、容器ハウジングと、容器ハウジングの開口部上に流体密封シールを形成する、カバーシールシステムと、入口及び出口であって、カバーシールシステムを通って延在し、入口から容器ハウジングの内部を通り、出口からウエハ研磨装置まで更に延在する、連続的なスラリー流路を形成する、入口及び出口と、連続的なスラリー流路に沿って流れるCMPスラリーに、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源を方向付ける、エネルギー産生デバイスと、を備える、スラリー処理システムを提供する。
【0021】
いくつかの実施形態では、カバーシールシステムは、保持リング要素であって、そこを通って入口及び出口が延在する、保持リング要素と、容器ハウジングの周りの溝に位置決めされたせん断リングであって、保持リング要素とともに密封境界面を形成する、せん断リングと、保持リング要素とともに密封境界面を形成する、滑合要素と、を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、滑合要素は、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分を含み、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分のうちの少なくとも一方は、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分のうちの他方における穴に挿入されるように構成されている、ロッドを含み、カバーシールシステムは、保持リング要素の周りで、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分を一緒に結合し、かつ、容器ハウジングの周りで、せん断リングを結合する力を生成するために、穴のロッドの周りに位置決めされている、蝶ナットを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、スラリー処理システムは、閉じ込められた空気が容器ハウジングから逃げることを可能にするために、カバーシールシステムを通って延在する入口及び出口に連設された、通気管を更に備える。
【0024】
いくつかの実施形態では、スラリー処理システムは、酸素又はオゾンを注入又は浸透させるための、ガス入口管を更に備える。
【0025】
いくつかの実施形態では、滑合要素は、保持リング要素と結合するときにシールを形成するためにねじ切りされている、第1の部分及び第2の部分によって形成された、半球状の内部を有する。
【0026】
いくつかの実施形態では、CMPスラリーは、ウエハ研磨装置上の基板と化学的に連通するように構築されており、基板の上層は、銅、タングステン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、炭素ドープ二酸化ケイ素、黒色ダイヤモンド、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、コバルト、窒化ガリウム、ルテニウム、炭化ケイ素、又はそれらの組み合わせ若しくは合金から形成されている。
【0027】
いくつかの実施形態では、エネルギー産生デバイスは、連続的なスラリー流路に沿ってCMPスラリーを音響的に活性化するための音波エネルギーを生成するもう1つ以上のトランスデューサなどを有する、音波生成機構を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、エネルギー産生デバイスは、CMPスラリーに照射するように構築及び配置されている光源を含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、CMPスラリーは、配位子を酸化させるために、光源によって照射される金属配位子錯体を形成するように、少なくとも1つの配位子錯化剤、及び金属酸化物を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、配位子錯化剤は、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、及びグリシンのうちの少なくとも1つを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、CMPスラリーは、高分子ポリマーと、複合添加剤と、を含む、ポリマーベースのナノコンポジットスラリーを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、エネルギー産生デバイスは、ウエハ研磨装置によって実行された研磨作業において、SiC基板の表面層を除去するために、メガソニックエネルギーを用いる第1のデバイスと、SiC基板と化学的に接触するCMPスラリーに方向付けられた光波を用いる第2のデバイスと、を含む。
【0033】
別の態様では、本発明の概念は、化学機械平坦化(CMP)方法であって、CMPスラリーの供給源を提供することと、音響エネルギーの供給源をCMPスラリーの供給源に方向付けることによって、CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法を提供する。
【0034】
別の態様では、本発明の概念は、化学機械平坦化(CMP)方法であって、CMPスラリーの供給源を提供することと、光源をCMPスラリーの供給源に方向付けることによって、CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することと、改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法を提供する。
【0035】
追加の利点及び新規な特徴は、一部は以下の説明に記載され、以下及び添付の図面を検討することによって当業者に部分的に明らかになるか、又は例の作製又は作業によって習得され得る。本教示の利点は、以下で考察される詳細な実施例に記載される方法、手段、及び組み合わせの様々な態様の実践又は使用によって実現及び達成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図面は、限定ではなく例としてのみ、本教示による、1つ以上の実施態様を示す。図面では、同様の参照番号は、同じ又は類似の要素を指す。
【
図1】いくつかの実施形態による、CMPスラリー処理システムの要素を例解する略図である。
【
図2A】いくつかの実施形態による、CMP方法のフロー図である。
【
図2B】他の実施形態による、CMP方法のフロー図である。
【
図2C】他の実施形態による、CMP方法のフロー図である。
【
図2D】他の実施形態による、CMP方法のフロー図である。
【
図2E】他の実施形態による、CMP方法のフロー図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、CMPスラリー処理システムの概略図である。
【
図4A】いくつかの実施形態による、スラリー処理システムの斜視図である。
【
図4B】
図4のスラリー処理システムの上面図である。
【
図4C】容器ハウジングの内部を例解するために、カバーシールシステムが容器ハウジングから取り外されている、
図4のスラリー処理システムの上面図である。
【
図5】
図4のスラリー処理システムの断面正面図である。
【
図6B】
図4~
図6のスラリー処理システムの封止領域の近接断面正面図である。
【
図7】スラリーの使用を含む異なるCMPプロセスで比較した、材料除去速度を例解する棒グラフである。
【
図8】いくつかの実施形態による、スラリー処理システムと組み合わせたスラリー注入システムの動作を例解する略図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、スラリー処理システムの光生成システムの動作を例解するフロー図である。
【
図9B】他の実施形態による、スラリー処理システムの光生成システムの動作を例解するフロー図である。
【
図9C】他の実施形態による、スラリー処理システムの動作を例解するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の詳細な説明では、関連する教示の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が例として記載される。しかしながら、本教示がそのような詳細なしに実施され得ることは、当業者には明らかであろう。他の例では、本教示の態様を不必要に不明瞭にすることを避けるために、周知の方法、手順、構成要素及び/又は回路が、詳細なしに比較的高レベルで説明されている。
【0038】
図1は、いくつかの実施形態による、CMPプロセス用のスラリー処理システム10のブロック図である。スラリー処理システム10は、スラリーの供給源を提供するように構築及び配置されており、スラリーの供給源は、スラリー保持槽114に保管された最初のスラリーの供給源17(
図2Aに示される)、又は、1つ以上の材料添加剤131(単に添加剤、例えば、化学添加剤と称される)によって増強若しくは改質された、改質されたスラリー17A(
図1に示される)のいずれかである。いくつかの実施形態では、改質されたスラリー17Aは、例えば、スラリー保持槽114から出力され、スラリー分配システム110によって受容され、ウエハ研磨装置102であって、装置102の研磨パッド103上でウエハ20を回転させる研磨ヘッド104を含む、ウエハ研磨装置102に出力された後、機械エネルギー及び/又は電磁エネルギー供給源によって、代替的に又は追加的に増強又は改質される。研磨パッド103は、同心溝付き又はXY溝付きポリウレタン系パッドであり得るか、又は、別のパッド構成若しくは構築材料を有し得る。CMPウエハ又は基板研磨システム102は、サーボモータ及び/又はインバータモータなどのモータ、電子機器、アクチュエータ、ウエハキャリア、ロボット及びウエハハンドリング部品、温度センサ、保持リング、せん断力トランスデューサ及び垂直力トランスデューサ、IR検出器などの、他の周知の構成要素を含み得るが、簡潔にするために図示されていない。いくつかの実施形態では、ウエハキャリアは、0.6~8PSIの範囲の平均圧力を提供し、15~200RPMで回転するが、これに限定されない。研磨するための基板20の最上層は、例えば、基板20を形成する材料と化学的に反応することができるスラリーの使用を必要とするシャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation、STI)CMP用途に使用される、銅、タングステン、アルミニウム、ポリシリコン、二酸化ケイ素、炭素ドープ二酸化ケイ素、黒色ダイヤモンド、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、コバルト、窒化ガリウム、ルテニウム、炭化ケイ素、又はそれらの組み合わせ若しくは合金などの、1つ以上の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、基板20は、200mm又は300mmのウエハサイズを有するが、これに限定されない。最初のスラリーの供給源17又は改質されたスラリー17Aは、スラリー分配システム110によって研磨パッド103に供給される。上で説明されるように、研磨パッド103上に示されたスラリー17は、既製の又は純粋なスラリーの供給源17であり得るか、又は他の実施形態では、材料添加剤131によって改質され得、改質されたスラリー17Aと称される。
【0039】
いくつかの実施形態では、スラリー分配システム110は、1つ以上のスラリー保持槽114と、1つ以上の添加剤保持装置116と、波エネルギー供給源133と、スラリー分配システム110とを含む。
【0040】
スラリー保持槽114及び/又は添加剤保持装置116は、貯蔵タンク、並びに他の化学添加剤送達機構、バッフル、レベルセンサ、化学センサ、ポンプ、撹拌器、フィルタ、搭載コンピュータ及びコントローラ、流量計などであり得る。いくつかの実施形態では、スラリー保持槽114は、本明細書において説明される、混合器、ポンプ、及びセンサを含む20リットルタンクであり得る。スラリー分配システム110のこれらの要素は、例えば、スラリー17を撹拌すること、混合すること、濾過すること、循環すること、又は別様に分配することによって、スラリーの供給源17の品質を制御することができる。いくつかの実施形態では、スラリー分配システム110は、10~500cc/分の範囲の流量を提示するが、それに限定されず、本明細書の実施形態によって例解される。
【0041】
いくつかの実施形態では、波エネルギー供給源133は、スラリー分配システム110の貯蔵領域内のスラリー液を音響的に活性化するための機械波(例えば、音波、キャビテーション、振動など)を生成する1つ以上のトランスデューサなど(図示せず)を有する、音波生成機構を含む。いくつかの実施形態では、音波生成機構は、メガソニック、超音波、又は関連する音響周波数スペクトルの音響エネルギーを方向付けることができる。基板表面へのスラリーの適用により、基板表面上の(連続的に研磨されている)不動態化層が、スラリーとの化学反応によって、より軟質かつより低密度になることを可能にし、スラリーの超音波処理によって増強され得る。そうする際に、パッド103上にスラリーを分配する前の超音波処理プロセス中にスラリーに適用された超音波処理エネルギーに応えて、銅、タングステン、ポリシリコン、アルミニウム、二酸化ケイ素、炭素ドープ二酸化ケイ素、黒色ダイヤモンド、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、コバルト、窒化ガリウム、ルテニウム、炭化ケイ素、又はそれらの組み合わせ若しくは合金で作製された膜に対する材料除去速度(material removal rates、RR)及び/又は他の除去の特徴は、超音波処理なしと比較してより高い。更に、超音波処理されたスラリーとの電磁波活性化化学反応によって形成された、前述の軟化不動態化層は、銅、タングステン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、炭素ドープ二酸化ケイ素、黒色ダイヤモンド、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、コバルト、窒化ガリウム、ルテニウム、炭化ケイ素、又はそれらの組み合わせ若しくは合金で作製された膜に関しては、より低いウエハレベル欠陥、及びより良好な研磨表面品質をもたらし得る。除去速度は研磨時間に反比例するので、より高い材料除去速度が好ましい。したがって、生産時間がより短くなると、ウエハスループットが上昇するので、集積回路製造工場におけるCMPモジュールの生産性が増加する。また、結果として生じるより短い研磨時間は、CMPプロセスを通してウエハを研磨するために必要とされるスラリーがより少ないことを意味する。これは、スラリーがCMPモジュールにおいて最も高価な消耗品であるので、コスト上の利点をもたらす。更に、スラリーは、環境にとって危険である可能性があり、また、処理及び合法的に廃棄するのに費用もかかるので、環境に配慮した製造への適切なステップでもある。更に、過度の欠陥は製品歩留まりを低減させるので、より低いウエハレベル欠陥を達成することが好ましい。したがって、欠陥レベルのいかなる低減、及び研磨される材料の表面仕上げの品質は、生産性を向上させる。
【0042】
いくつかの実施形態では、CMPスラリー処理システム10の波エネルギー供給源133は、例えば、
図9A~
図9Cに示される、スラリーの供給源17に照射するように構築及び配置されている、電磁波の供給源(例えば、光波エネルギー供給源)を含む。いくつかの実施形態では、改質されたスラリー17Aは、CMP作業用の光活性スラリーを生成するために、波エネルギー供給源133の光源エネルギー供給源112(
図9A~
図9Cを参照のこと)による照射時に配位子-金属間電荷移動(ligand-to-metal-charge-transfer、LMCT)を誘導するための、材料添加剤を含む。例えば、光波エネルギー供給源112により電磁放射の波長又は強度を変調することによって、除去速度及び他のプロセス性能パラメータをウエハレベルで変調することができる。光の波長は、200~800nmの範囲であり得るが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、研磨パッド103上に分配する前にスラリーに照射するための波エネルギー供給源133(
図1に示される)の光波エネルギー供給源は、研磨パッド103の近位にある。これらの同じ実施形態では、波エネルギー供給源133の音響源(
図1には図示せず)は、スラリー分配システムと一体化されているか、又はその一部である(例えば、
図3~
図6に示される)。
【0043】
スラリー処理システム10は、専用プロセッサ120を介してウエハ研磨装置102及びスラリー分配システム110と通信する、データ分析及び報告コンピュータ12を含み得る。プロセッサ120は、研磨機及び注入器の動作を管理及び制御するために、コントローラ122と通信することができる。
【0044】
図2Aは、いくつかの実施形態による、CMP方法のフロー図である。いくつかの実施形態では、方法200は、
図1のCMPスラリー処理システム10の一部又は全部の要素を含み得る。
【0045】
方法200は、ステップ202から開始することができ、本ステップでは、スラリーの供給源17は、1つ以上の材料添加剤131、例えば、化学添加剤を含む、改質されたスラリー17Aを形成するように改質される。他の実施形態では、スラリーは未改質であり、例えば、既製のスラリー又は他の市販のスラリー17である。材料添加剤131は、例えば、以下の実施例で説明される、それらの機能に基づいて選択され得る。他の実施形態では、他のスラリー添加剤は、例えば、以下の実施例で説明される、液体表面張力、及び基板との接触角を修正することができる。
【0046】
ステップ204では、機械エネルギー、例えば、音波エネルギー、及び/又は電磁エネルギー、例えば、光波エネルギーの供給源が、改質されたスラリー17Aに適用される。いくつかの実施形態では、方法200は、ステップ202を含まず、直接ステップ204に進み、この場合、既製の又は未改質のスラリー17は、添加剤131を含まない。いくつかの実施形態では、スラリーは、ステップ206で、CMPプロセスなどの一部として、研磨パッド103上に分配する前に、波エネルギー供給源133によって実行されるメガ音波処理及び/又は光増強プロセスを通って流れることができる。いくつかの実施形態では、波エネルギー供給源133の光波エネルギー供給源で励起されたときに、材料除去速度を増加させることができる光活性速度増強材料が、スラリーに添加される。いくつかの実施形態では、ステップ202の材料添加剤に加えて又はその代わりに、光活性複合ビヒクルを含む添加剤が適用される。いくつかの実施形態では、波エネルギー供給源133は、例えば、
図8に示される、及び/又は以下の特許のうちの1つ以上に説明される、スラリー注入システムとともに動作し得る。米国特許第8,197,306号、同第8,845,395号、同第9,296,088号、韓国特許第1,394,745号、日本特許第5,574,597号、及び台湾特許第I486,233号(上記特許の各々の全内容は、上記に組み込まれる)。
【0047】
図2Bは、いくつかの実施形態による、他の実施形態によるCMP方法210のフロー図である。ステップ212では、スラリーの供給源17は、機械エネルギー(例えば、音波エネルギー)及び/又は電磁エネルギー(例えば、光波エネルギー)の供給源を未改質のスラリー17に適用する、波エネルギー供給源133によって受容される(ステップ214)前、未改質である。
【0048】
ステップ215では、波エネルギー供給源133におけるスラリーの供給源は、既製のスラリー又は市販のスラリーは別々に波エネルギー供給源に提供される、1つ以上の化学添加剤131によって更に改質される。この実施形態では、波エネルギー供給源133は、電磁波(例えば、光波)エネルギーを適用するためのデバイス、並びに、材料添加剤131を受容し、一時的に保持し、及び波エネルギーデバイス133内のスラリーに適用するための保持デバイス又は領域を含む。いくつかの実施形態では、ステップ214は、ステップ215の前に実行される。他の実施形態では、ステップ214及びステップ215は同時に実行される。他の実施形態では、ステップ214は、ステップ215の後に実行される。
【0049】
ステップ216では、材料添加剤131及び波エネルギー供給源133の両方によって改質されたスラリーで研磨作業が実行される。
【0050】
図2Cは、いくつかの実施形態による、他の実施形態によるCMP方法220のフロー図である。ステップ222は、1つ以上の材料添加剤131を含むように、スラリーの供給源17が改質される、
図2Aのステップ202と類似し得る。ステップ223では、改質されたスラリー17Aは、研磨システム102に出力される。
【0051】
ステップ224では、メガ音波処理及び/又は光増強プロセスが、ステップ223の改質されたスラリー17Aが提供される、研磨システム102の研磨パッド103に方向付けられる。
【0052】
ステップ226では、ステップ222の材料添加剤と、ステップ224のメガ超音波処理及び/又は光増強プロセスとの両方によって改質されたスラリーに対して、研磨作業が実行される。
【0053】
図2Dは、いくつかの実施形態による、他の実施形態によるCMP方法230のフロー図である。未改質のスラリー17及び材料添加剤131は、(それぞれステップ232及びステップ233で)研磨装置102に別々に出力される。ステップ234では、メガ超音波処理及び/又は光増強プロセスは、ステップ232のスラリー17及びステップ233の材料添加剤131が別々に提供される、研磨パッド103に方向付けられる。
【0054】
ステップ236では、ステップ233の材料添加剤131、及び研磨装置102に独立して方向付けられた、ステップ234のメガ超音波処理及び/又は光増強プロセスを適用するエネルギー供給源133によって改質されたスラリー17に対して研磨作業が実行される。
【0055】
図2Eは、いくつかの実施形態による、他の実施形態によるCMP方法240のフロー図である。ステップ242では、既製のスラリー又は市販のスラリー17の供給源が研磨装置102に出力される。ステップ243では、材料添加剤131は、機械エネルギー及び/又は電磁波エネルギーを材料添加剤131に適用する波エネルギー供給源に出力される。ステップ244では、メガ音波処理及び/又は光増強プロセスが、ステップ242のスラリー17が別々に提供される研磨パッド103に、改質された添加剤131を出力する。
【0056】
ステップ246では、ステップ244で波エネルギー供給源133によって改質された添加剤131の受容及び処理に応えて、研磨システム102において未改質のスラリー17Aを形成する、それまで未改質のスラリー17に対して研磨作業が実行される。
【0057】
図3は、いくつかの実施形態による、CMPスラリー処理システム300の概略図である。スラリー処理システム300は、
図1の分配システム110の一部であり得る。スラリー処理システム300は、スラリーの供給源を活性化し、撹拌し、混合し、濾過し、循環させ、及び/又は基板表面に分配するように構築及び配置されている。これらの周知のスラリー分配特徴のいくつかは、簡潔にするために詳細に説明されない。他の特徴は、本発明の概念の真の範囲内に入る応用、修正及び変形を含むので、更に詳細に説明される。
【0058】
いくつかの実施形態では、CMPスラリー処理システム300は、貯蔵容器ハウジング302、音波撹拌デバイス304、(非コイル状の入口領域311、非コイル状の出口領域321、及び、非コイル状の入口領域311と非コイルの状出口領域321との間のコイル状部分313を有する)配管306、及び発電機308を備える。
【0059】
容器ハウジング302は、配管306の周りに位置決めされている脱イオン水の供給源320を受容及び保持するための、上部が開いたボウルなどとして構築及び配置されている。いくつかの実施形態では、容器302の上部は封止され、脱イオン水320を受け入れるための入口を含む。脱イオン水320は、配管306のコイル状部分313が水中に浸漬され、非コイル状の入口領域311が、脱イオン水320を保持する容器ハウジング302から延在し、容器ハウジング302から分離されるように、容器ハウジング302をレベル321まで満たすことができる。配管306は、CMP研磨装置上に分配するための、非コイル状の入口領域311の入口311から、非コイル状の出口領域321の出口に流れるスラリーなどの、液体の供給源を受容することができる。水中に浸漬された配管306のコイル状部分313をスラリー液が通過すると、スラリーがコイル状部分313を通って非コイル状の出口領域321配管304に流れ、次いで、例えば、
図1に示される、CMP研磨装置のプラテン上のパッドに流れる際に、発電機308が音波撹拌デバイス304を作動させて、配管304のプラスチック表面を通ってスラリー液に音波を伝播させるのに十分なエネルギーで、水を音波撹拌又は励起する。いくつかの実施形態では、音波撹拌デバイス304は、1つ以上の音波トランスデューサを含む。いくつかの実施形態では、発電機308は、一体型RF発電機である。
【0060】
図4~
図6Aは、いくつかの実施形態による、スラリー処理装置400を例解する。スラリー処理装置400は、
図1のスラリー処理システム10の一部であり得るか、又は全体的にスラリー処理システム10から構成され得る。しかしながら、
図1のスラリー処理システム10は、スラリー処理装置400に限定されない。例えば、
図3のスラリー処理システム300は、
図3は、
図1のスラリー処理システム10の一部として組み込まれ得る。スラリー処理装置400と
図3のCMPスラリー処理システム300との間の違いは、
図4~
図6のスラリー処理装置400は、任意の種類のCMPスラリーの連続的かつ直接的な流れを装置400が提供することを可能にするように、封入され、漏れ防止されていることである。加えて、スラリー処理装置400は、コイル状の配管がなくても、スラリーを処理することができる。スラリー処理装置400は、スラリーが音響エネルギーの5%以下を受容し得る研磨作業用のCMPスラリー超音波処理で生じ得る、非効率性を低減するように構築及び配置されている。
【0061】
いくつかの実施形態では、スラリー処理装置400は、容器ハウジング402と、カバーシールシステム410と、入口、出口及びコネクタのセット411~413、418及び421と、を含む。
【0062】
容器ハウジング402は、カバーシールシステム410(
図6Aに詳細に示される)によって、封入及び封止されるように構築及び配置されている。容器ハウジング402は、スラリーの供給源を受容及び保持することができ、更に、出口412からのスラリーの連続的な流れを可能にするように構築及び配置されている。
図4Bに示されるように、開口部403は、ハウジング402の内部408を露出させる。いくつかの実施形態では、内部408は、Teflon(商標)などで形成されている。内部408は、音響共振器又は他の音響エネルギー産生デバイス431がトランスデューサハウジング430に封入され(
図5を参照のこと)、化学添加剤によって改質された、改質されたスラリー17A、又は、容器ハウジング402内に封止された未改質のスラリー17のいずれかであるスラリーの供給源に音響エネルギーを提供することができる、活性エリアを内部408内に含み得る。いくつかの実施形態では、音響エネルギー産生デバイスは、例えば、容器ハウジング402の外部にあり得、出口管412から流れるスラリーの供給源に光を方向付けるか、又は容器ハウジング402の内部408にあり得る、光波エネルギー供給源と同様又は同じ光波エネルギー供給源であり得る。いくつかの実施形態では、光波エネルギー供給源は、容器ハウジング402の音響エネルギー産生デバイスから分離されている。いくつかの実施形態では、音響エネルギー産生デバイスは、
図1~
図2Eの波エネルギー供給源133、若しくは
図3の音波撹拌デバイス304の一部であり得るか、それに類似し得るか、又はそれと同じであり得る。そのため、その詳細は簡潔にするために省略されている。電源(
図4~
図6には図示せず)は、それでも、
図3の電源304に類似し得、音響エネルギー産生デバイスに電力を供給し得る。電源は、
図3のRF発電機308に類似し得るか、又はそれと同じであり得る。そのため、その詳細は、簡潔にするために省略されている。いくつかの実施形態では、音響エネルギー産生デバイスは、スラリーを撹拌する音波及びキャビテーションを生成する圧電効果を適用し、次に、スラリーは、研磨システム102のプラテンの上部の研磨パッドに出力され(
図1を参照のこと)、ここで、基板の表面上に化学的不動態化層を除去し形成することによって、基板20の表面を研磨し、次いで、パッドによって機械的に摩耗され、スラリーによって運び去られる。
【0063】
図4、
図6、及び
図6Aに示されるように、カバーシールシステム410は、容器ハウジング402の開口部403上に流体密封シールを形成するように構築されている。容器ハウジング402は、カバーシールシステム410と容器ハウジング402との間に密封圧縮界面を維持するために、クランプ部分401A、401B、及びカバー要素409に適合又は一致するように構築、例えば、機械加工され得る。いくつかの実施形態では、カバーシールシステム410は、滑合要素401と、凹状捕捉Oリング404と、せん断リング405と、カバー要素409と、を含む。カバーシールシステム410の詳細を以下に説明する。
【0064】
いくつかの実施形態では、スラリー処理装置400は、Oリング404などの円板上に装着され、円板を通って延在する、入口管411、出口管412、通気管413(それぞれラインとも称される)、及びガス入口管418を含む。いくつかの実施形態では、出口管412は、入口管411及び通気管413とは異なり、出口管412の一部分は、容器ハウジング402の内部の少なくとも一部分を通って延在し、容器ハウジング内のスラリーに浸漬されるように、入口管411及び通気管413の長さよりも長い長さを有する。入口管411及び通気管413は、Oリング404の穴から、容器ハウジング402から離れる方向に延在し得る。いくつかの実施形態では、3つの管411~413は、圧着嵌合され、管を適所に保持するナット415(
図4Aを参照のこと)を緩めることによって、個々に調整することができる高さを有する。ナット415が緩められると、管は、カバー要素409の表面から所望の高さまで、自由に上下に移動することができる。次いで、ナットを締めて、管をカバー要素409に対して固定することができ、管を所望の高さまで上下に移動させ、次いで、管がしっかりと保持されるようにナットを締める。管411~413及び418は、圧着嵌合され得、交換可能であり得る。
【0065】
入口管411は、閉鎖系へスラリー入口を提供する。通気管413は、通気管413上の弁414が閉じられる前に、容器がスラリーを受容し、スラリーでいくらか又は部分的に充填される初期プライミング動作中に、閉じ込められた空気がハウジング402から逃げることを可能にする通気ラインを提供し、ハウジング402が、開口部403において流体密封シールを提供するカバーシールシステム410を介して、入口411から連続的なスラリー流を受容することを可能にする。
【0066】
ガス入口管418は、オゾン又は酸素などのガスを、容器ハウジング402内に注入又は浸透させるように構成されている。
【0067】
いくつかの実施形態では、
図4に示されるハウジング402の底部のコネクタ421は、それぞれ、パージガスの戻り、RFケーブル入口及び温度センサケーブルをそれぞれ含み得るが、これらに限定されない。
【0068】
図6及び
図6Aに戻ると、いくつかの実施形態では、容器ハウジング402は、カバー要素409が、容器開口部403の周りに取り外し可能に取り付けられたときに、せん断リング405が容器ハウジング402の周りに流体密封シールを提供することができるように、せん断リング405を収容して適所に嵌合するための、容器開口部403の近位のハウジング402の周りに機械加工されるか又は別様に形成された、溝407を有する。せん断リングは、例えば、Delrin(登録商標)で作製され得る。
【0069】
保持リング要素404、例えば、保持Oリングとも称されるOリングは、保持リング要素404が、ゴム、プラスチックなどの流体密封シールを提供することを可能にする材料から形成され得る。具体的には、Oリング404は、容器ハウジング402の公差によってのみ制限される容器ハウジング402の内部408の内径と同様に又は同じように、容器ハウジング402の上部領域を封止する。いくつかの実施形態では、上部封止面、及び、Oリング404が位置決めされているカバー要素409の下の溝は、滑らかな仕上げのために機械加工され得る。Oリング404が設置されると、カバーシールシステム410と容器ハウジング402との間の密封圧縮界面を維持する。いくつかの実施形態では、Oリング404は、Solid Virgin Teflon(商標)から形成されている。いくつかの実施形態では、Oリング404は、高度の耐薬品性とともに十分な圧縮を提供する、FEP封入Viton(商標)Oリングを形成するためのViton(商標)などのフルオロエラストマー材料から形成されている。
【0070】
蓋とも称されるカバー要素409は、円板形状であり得、ねじ切りされた周辺領域422を有し得る。滑合要素401は、クランプとも称され、互いに結合するように構築及び配置されている、第1のクランプ部分401A及び第2のクランプ部分401Bを含む。そうする際に、第1のクランプ部分401Aは、第1のクランプ部分401Aの本体から延在する、ねじロッドとも称される、2つのロッド423を含む。いくつかの実施形態では、本体は半球状の内部424を有する。ロッド423は、同様に半球状の内部424を有する第2クランプ部分401Bの穴に挿入可能である(
図6Aを参照のこと)。互いに結合されると、第1の部分401A及び第2の部分401Bは、カバー要素409の周辺領域422と嵌合するように同様にねじ切りされている、半球状の内部424によって形成された中心穴を集合的に有する。また、ロッド423は、部分401A、401Bを互いから分離させるか、又は、カバーシールシステム410と容器ハウジング402との間に形成されたシールに別様に影響を与える可能性がある、トルク又は他の回転力が発生するのを防止する。中心穴424は、円板404のねじ切りされた周辺領域422を取り囲み、ねじ切り関係を形成する、ねじ切りカラーを含む。いくつかの実施形態では、周辺領域422は、例えば、示されるように、ねじ切りされた内部424に対して先細りになるように、又はある角度を有するように構築及び配置されている。例えば、角度は、円板の底面が上面の幅、円周、直径、又は関連する寸法よりも大きい、幅、円周、直径、又は関連する寸法を有するように、垂直軸から45度であり得る。ロッド423又はピンなどは、回転されると、第1の部分401A及び第2の部分401Bを互いに対して締め付けることができる、蝶ナット406とねじ切り関係を形成するようにねじ切りされ得る。蝶ナット406は、容易な取り外し及び組み立てのために手で締められ、ユーザの手の大きさを問わず、手袋で取り扱うことを可能にするように設計されている。蝶ナット406は、Oリング404及び/又はせん断リング405の圧縮のために正確な距離で、滑合要素401の第1のクランプ部分401A及び第2のクランプ部分401Bによって形成されたクランプで終端する。滑合要素401のねじ付きカラー、ロッド423、及び蝶ナット406は、円板404を取り囲むストリングシールを集合的に形成することができ、カバーシールシステム410においてストリングシールを形成することができる。カバーシールシステム410、特にOリング404は、せん断リング405及び容器ハウジング溝407とともにシールを形成する。いくつかの実施形態では、Oリング404及びせん断リング405は、容器ハウジング402の開口部403の封止に対して「クラムシェル」配置を形成する。別の特徴は、スラリー処理装置400を一人で操作することができることである。クランプ部分401A、401Bは、各々が独立してOリング404上に載置することができるか、又はOリングに別様に力を適用することができるので、交換可能であり得、かつ一度に1つずつ容器ハウジング402に追加することができるか、又は容器ハウジング402から取り外すことができる。蝶ナット406及びロッド423は、交換可能であり得、各々がクランプ部分401A、401Bの溝内にそれぞれが別々に留まることができるため、一度に1つずつ取り外すことができる。
【0071】
CMP研磨プロセス中、スラリー液は、入口411を通って容器402の内部408に注入され、出口412を通って容器402から出る。様々な方法を使用して得られた研磨の結果を
図7に示される。具体的には、超音波処理が実行されない場合(方法1及び4)、管の超音波処理の場合(
図3に示される、方法2及び5)、及び連続流の超音波処理の場合(
図4~
図6に示される、方法3及び6)の、バルク銅スラリーなどを使用する銅CMP作業からの除去速度結果が得られる。
図4~
図6のスラリー処理装置400によって実行された方法3及び6による、材料除去速度の著しい増加が示されている。より具体的には、
図7の棒グラフ700は、除去速度が増加するにつれて、1PSIの作動ウエハ圧力でより高い銅除去速度を示す。3PSIでは、スラリー処理装置400を使用して、更なる好ましい銅除去速度結果が達成される。
【0072】
図8は、いくつかの実施形態による、スラリー処理装置400と組み合わせたスラリー注入システム800の動作を例解する略図である。
図4~
図6のスラリー処理装置400が説明されているが、
図1のスラリー処理システム10を等しく適用することができる。例えば、スラリー注入システム800は、スラリー処理装置400とともに、スラリー処理システム10の一部であり得る。
【0073】
スラリー注入システム800は、ウエハ20が位置決めされる回転式基板研磨機、例えば、
図1のウエハ研磨装置102と結合するように構築及び配置されている。研磨作業中、スラリー注入システム800は、改質されたスラリー17Aの供給源が、注入装置の底部808の穴809を含むトラックに沿って出力されるように、研磨装置のパッド103上で回転するウエハ20に対して位置決めされている。
【0074】
いくつかの実施形態では、スラリーは、波エネルギー供給源133によって改質され、波エネルギー供給源133からSIS800に出力される。次に、SIS800は、穴809及び/又はトラックを介して、研磨パッド103にスラリーを出力することができる。
【0075】
図9A~
図9Cは、いくつかの実施形態による、CMPスラリー処理システムの波エネルギー供給源133の光波エネルギー供給源112の様々な適用を例解する。光波エネルギー供給源112は、スラリーの供給源を1つ以上の発光素子に出力することができ、その後、発光素子によって放出された光エネルギーによって改質されたスラリーを、光波エネルギー供給源112から出力することができる、ポンプなどを含み得る。
【0076】
図9Aに示される方法900は、ステップ902から開始することができ、本ステップでは、スラリーの供給源17は、1つ以上の材料添加剤131、例えば、化学添加剤を含む、改質されたスラリー17Aを形成するように改質される。他の実施形態では、スラリーは未改質であり、例えば、既製のスラリー又は他の市販のスラリー17である。材料添加剤131は、例えば、以下の実施例で説明される、それらの機能に基づいて選択され得る。他の実施形態では、他のスラリー添加剤は、例えば、以下の実施例で説明されるように、液体表面張力及び基板との接触角を修正することができる。
【0077】
ステップ904では、光波エネルギー供給源112は、電磁波エネルギー、例えば、光を、改質されたスラリー17Aに適用する。いくつかの実施形態では、光波エネルギー供給源112は、スラリー処理システムに一体化されているか、例えば、
図1のスラリー処理システム10の波エネルギー供給源133の一部であるか、又は、
図4~
図6のスラリー処理装置400の容器ハウジング402と一体である。他の実施形態では、光波エネルギー供給源112は、スラリー処理システムから分離されており、例えば、
図1に示される研磨パッド103上のウエハ20に近接している。いくつかの実施形態では、光波エネルギー供給源は、スラリー内の光活性速度増強材料添加剤に作用する。いくつかの実施形態では、ステップ902の材料添加剤に加えて又はその代わりに、光活性複合ビヒクルを含む添加剤が適用される。いくつかの実施形態では、光波エネルギー供給源は、例えば、
図8に示される、及び/又は以下の特許のうちの1つ以上に説明される、スラリー注入システムとともに動作し得る。米国特許第8,197,306号、同第8,845,395号、同第9,296,088号、韓国特許第1,394,745号、日本特許第5,574,597号、及び台湾特許第I486,233号(上記特許の各々の全内容は、上記に組み込まれる)。
【0078】
ステップ906では、材料添加剤131及び光波エネルギー供給源112の両方によって改質されたスラリーで研磨作業が実行される。
【0079】
図9Bに示される方法910は、
図9Aのステップ912及び914に類似する、ステップ902及び904を含み、したがって、簡潔さのために繰り返されない。
【0080】
ステップ916では、材料添加剤131及び光波エネルギー供給源112の両方によって改質されたスラリーは、音波エネルギー供給源113に出力される。いくつかの実施形態では、スラリーは、波エネルギー供給源133によって実行されるメガ超音波処理プロセスを通って、流れることができる。いくつかの実施形態では、音波エネルギー供給源113は、スラリー処理システムに一体化されているか、例えば、
図1のスラリー処理システム10の波エネルギー供給源133の一部であるか、又は、
図4~
図6のスラリー処理装置400の容器ハウジング402と一体である。他の実施形態では、音波エネルギー供給源113は、スラリー処理システムから分離されており、例えば、
図1に示される研磨パッド103上のウエハ20に近接している。
【0081】
ステップ918では、材料添加剤131光波エネルギー供給源112及び音波エネルギー供給源113の各々によって改質されたスラリーで研磨作業が実行される。
【0082】
図9Cに示される方法920は、
図9Aのステップ902及び904、並びに
図9Bのステップ912及び914に類似する、ステップ922及び924を含み、したがって、簡潔さのために繰り返されない。方法ステップ920は、材料添加剤131の各々によって改質されたスラリーが、まずステップ926で、音波エネルギー供給源113に出力され、その後ステップ928で、研磨システム102に出力されることを除いて、
図9Bの方法910に類似する。
【0083】
以下は、本明細書の1つ以上の実施形態で説明される、CMPスラリー処理システムによって実行されるスラリー処理技術に従って実行される動作を例解する例のセットである。
【0084】
一例では、例えば、
図1に示されるウエハ研磨装置は、少なくとも1つの300mmブランケットタングステンウエハが位置決めされている同心溝付きパッドを有する。研磨時間は、45秒になるように構成されている。スラリーは、2%のH
2O
2を有するVersum DP1142-1を含む。別の例示的なスラリー配合物は、1.0重量%のグリシン、0.5重量%での60nmのSiO2、100ppmのBTA、1.0重量%のH2O2を含み得、pH=5.8を有し得るが、これらに限定されない。別の例示的なスラリー配合物は、1.0mMのヒドロキノン及び1.0重量%の焼成セリアを含み得、4.0のpHを有するが、これらに限定されない。別の例示的なスラリー配合物は、1.0mMのグルタミン酸及び1.0重量%の焼成セリアを含む自家配合物を含み得、4.0のpHを有する。
【0085】
別の例では、
図8に示されるSIS800は、125ml/分の流量でスラリーを処理するように構成されている。パッド円板103は70RPMで回転し、正弦波掃引スケジュールは毎秒10掃引である。7ポンドの下向きの力が円板に適用される。80RPMのパッド回転速度で、45分の慣らし期間が生じる。現場外コンディショニングプロセスが30秒間生じる。従来及び本発明の分配システムは、4PSIの研磨圧力を適用するように構成されている。滑り速度は、1.6メートル/秒である。従来のスラリー分配システム及びスラリー処理装置400の両方で提供される電力強度は、20Wであるように構成されている。
【0086】
上で説明されるように、CMPスラリー処理システム10は、スラリーの使用を必要とするシャロートレンチアイソレーション(STI)CMP用途に使用される、銅、タングステン、炭化シリコン、二酸化シリコン、又はそれらの組み合わせ若しくは合金、及び/又は他の基板材料から形成された基板20に対する研磨作業の一部である、光波エネルギー供給源を含むことができる。いくつかの実施形態では、CMP適用は、プラズマ増強テトラエトキシオルトシリケート(plasma enhanced tetra-ethoxyorthosilicate、PE-TEOS)SiO2CMPプロセスを含む。いくつかの実施形態では、STI CMP用の光活性スラリーは、錯体添加剤とCeO2ナノ粒子との間の配位子-金属間電荷移動LMCT機構を利用することによって提供され得、この機構は、次に、CMPプロセス中の除去速度を増強することができる。配位子を含む添加剤は、配位子から基板の金属表面への電子の移動を可能にし、したがって、配位子による金属イオンの還元をもたらす。
【0087】
別の例では、チロシン(Tyrosine、Tyr)、フェニルアラニン(Phenylalanine、Phe)、トリプトファン(Tryptophan、Trp)、ヒスチジン(Histidine、HID)、及びグリシン(Glycine、Gly)などの配位子錯化剤が、基板の金属酸化物表面の金属イオンなどと結合し、金属酸化物-配位子錯体を形成する。例えば、
図9A~
図9Cの光生成システム912によって、この錯体を照射すると、配位カルボキシレート基からの電子が励起され、その後、Ce O
2の伝導帯(conduction band、CB)に移動する。これは、次に、Ce
4+をCe
3+に還元し、表面O
2を脱着させる。したがって、求核攻撃用の酸素空孔の利用可能性が増加する。追加的に、プロセス全体を通して、配位子は酸化され、利用可能な表面積を増強させる、ナノ粒子への再吸着を防止する。したがって、表面活性、すなわち、利用可能な酸素空孔が増加すると、研磨作業中の酸化物除去速度が増強される。
【0088】
別の例では、スラリー処理技術は、コンポジット形成添加剤とともに、アルギン酸塩ペクチンなどであるが、これらに制限されない高分子ポリマーの組み込みによって形成されたポリマーベースのナノコンポジットスラリーを含み得る。そのような材料添加剤は、コンポジット内に二重の機能、すなわち、(1)ポリマーマトリックスを架橋する機能、及び(2)自己洗浄/圧力応答性コアにそれ自体を組み込む機能を提示する。複合添加剤は、グリシン(Gly)、L-セリン(serine、Ser)、イタコン酸(itaconic acid、Itac)、シュウ酸(oxalic acid、Ox)、コハク酸(succinic acid、Succ)、及びヒドロキノン(hydroquinone、HQ)などの、一般的な速度加速添加剤を含むことができるが、これらに限定されない。更に、アゾベンゼン、シクロデキストリン、シッフ塩基配位子、スピロピラン、及びポリアミンなどの分子の光反応性誘導体は、照射時に速度増強添加剤の制御放出を提供し、汚染物質、すなわち、金属イオン及び/又は有機金属錯体残留物の除去を増強するために、共有結合又は非共有結合のいずれかで、ポリマー複合体の外表面上に一体化され得る。このクラスの分子に由来する共有結合した光活性官能基は、本明細書の実施形態に説明される光生成システム又は関連するエネルギー供給源から、紫外線照明、可視照明、又は赤外線範囲で照射されると、切り替え可能な異性化を受けることができる。加えて、特定の波長の光で照射されると、材料添加剤は、基板の除去速度をその場で制御する速度増強特性を有する。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、メガソニックエネルギーを用いることによって、SiC基板の除去速度を増強させることができる。そのような場合、音波及び光波は、プロセス性能を増強させるために、単独で又は組み合わせて、例えば、
図1に示される研磨装置を介して適用される。
【0090】
より具体的には、超音波処理前の状態において、本明細書の実施形態に関して説明される1つ以上の技術をもたらす反応性化学は、SiC基板における膜形成速度性を駆動し、摩耗性層の形成をもたらすことができる。この層は軟質であり得るが、緻密質であり得る。したがって、研磨作用を介して、軟質不動態化層を除去し、表面トポグラフィを除去するために、かなりの量の機械エネルギー(すなわち、高い値の圧力及び滑り速度)が必要である。超音波処理に曝露されると、添加剤の放出、及び、増加された臨界反応性酸素種(reactive oxygen species、ROS)の生成に起因して、基板表面における動的平衡のシフトが存在する。このような添加剤は、表面不動態化膜の密度を低下させ、更に「より軟質」、かつ機械的にあまり依存しない相互作用をもたらす。これにより、低い値の作動圧力及び滑り速度で、より高い除去速度が生成される。これらの対になったシステム、すなわち、スラリー配合物及びメガソニックエネルギーを生成する組み合わせは、プロセス時間を最小限に抑え、(必要とされるより少ない機械作用に起因して)欠陥レベルを改善し、かつ消耗品の寿命を最大限にしつつ、材料除去速度を著しく増加させる、相乗的な改善をもたらし得る。
【0091】
以下は、上述のウエハ研磨技術のうちの1つ以上が研磨スラリーに適用され、超音波処理又は他の波の適用が行われない場合と、音波及び/又は光波が研磨スラリーに適用される場合との比較である、例示的な実験のセットである。ここでは、コロイドシリカナノ粒子(nanoparticle、NP)、水、過酸化水素、(グリシンなどの)銅キレート剤、及び(ベンゾトリアゾールなどの)銅不動態化剤を含む、内部配合バルク銅スラリーが、実験のために使用される。同心溝付きパッド、例えば、Dupont IC1000(登録商標)パッドを、200mm回転プラテン上に位置決めする。3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、25~100cc/分の範囲である。適用される音波エネルギーは、0~2.0ワット/平方cmの範囲である。合計90枚の銅基板を研磨した後、かつプロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、音波エネルギーがゼロ(0)ワット/平方cm(すなわち、超音波処理なし)に設定された場合、1,061~4,270オングストローム/分の範囲である。1.5ワット/平方cmでは、別の90枚のウエハの研磨に基づく銅除去速度は、1,207~6,219オングストローム/分の範囲である。比較のために、5PSIの圧力、0.65m/秒の滑り速度、及び100cc/分の流量の処理条件において、超音波処理を用いない試験は、3,558オングストローム/分の平均銅除去速度を与えた。逆に、1.5ワット/平方cmの超音波エネルギーでの試験は、6,219オングストローム/分の銅除去速度の平均除去速度値をもたらした。これは、超音波処理による銅除去速度の43%の増加に相当した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間は、ゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。
【0092】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販の銅スラリー、Fujimi Corporation PL-7106(登録商標)が使用される。200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを用いる。更に、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。適用されたプロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、25~100cc/分の範囲である。90枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理なしで、1,127~6,325オングストローム/分の範囲である。1.5ワット/平方cmでは、別の90枚のウエハを研磨した後、銅除去速度は、1,578~6,723オングストローム/分の範囲である。比較のために、5PSIの圧力、1.05m/秒の滑り速度、及び62.5cc/分の流量の処理条件において、超音波処理なしで、得られた結果は、6,325オングストローム/分の平均銅除去速度を含み、一方、1.5ワット/平方cmの超音波処理エネルギーにおいて、6,723オングストローム/分の平均銅除去速度が観察される。これは、超音波処理による銅除去速度の6%の増加に相当した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。更なる補強証拠が、1PSI、及び0.25m/秒の処理条件に相当する電極回転速度で見られる。この場合、1.45マイクロアンペアと測定される、超音波処理なしの場合で、腐食のシフトの明確な証拠がある。一方、1.5ワット/cm2の超音波処理では、18.6マイクロアンペアに増加した。
【0093】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のタングステンスラリー、Cabot Microelectronics Corporation SSW7300(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを用いる。更に、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有するタングステン金属基板を研磨する。適用されたプロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、25~100cc/分の範囲である。音波エネルギーは、0~1.5ワット/平方cmの範囲である。90枚のタングステン基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察されたタングステン除去速度は、超音波処理を使用しない場合、1,812~2,170オングストローム/分の範囲である。1.5ワット/平方cmでは、別の90枚のウエハを研磨した後、タングステン除去速度は、2,204~2,712オングストローム/分の範囲である。比較のために、5PSIの圧力、1.05m/秒の滑り速度、及び62.5cc/分の流量の処理条件において、超音波処理なしの試験は、2,129オングストローム/分の平均タングステン除去速度を与えた。1.5ワット/平方cmでは、2,712オングストローム/分の平均除去速度が観察され、これは27%の増加に相当した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。
【0094】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバルク銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを用いる。また、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、25~100cc/分の範囲である。音波エネルギーの設定値は、0~1.5ワット/平方cmである。90枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理の電源を切っている場合、2,307~9,043オングストローム/分の範囲である。1.5ワット/平方cmでは、別の90枚のウエハを研磨した後、銅除去速度は、2,519~13,512オングストローム/分の範囲である。比較のために、5PSIの圧力及び0.65m/秒の滑り速度及び100cc/分の流量の処理条件において、超音波処理なしでは、9,043オングストローム/分の平均銅除去速度が与えられ、一方、1.5ワット/平方cmの超音波処理エネルギーにおいて、13,512オングストローム/分の平均銅除去速度が観察される。これは、49%の増加に相当した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。
【0095】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバルク銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを用い、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度値は、0.25~1.05m/秒である。スラリー流量は、25~100cc/分である。音波エネルギー設定値は、0.5、1.5、又は2.0ワット/平方cmである。20枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが0.5ワット/平方cmに設定された場合、5,563~11,504オングストローム/分の範囲である。20枚の銅基板を更に研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが1.5ワット/平方cmに設定された場合、5,789~11,377オングストローム/分の範囲である。更にまた20枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定された場合、2,238~7,118オングストローム/分の範囲である。結果は、超音波処理エネルギーが0.5から2.0ワット/平方cmに増加した場合、平均銅除去速度が40%減少したことを示した。しかしながら、超音波処理が更に30ワットに増加すると、平均銅除去速度は23ワットの高さから10%低下した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。これは、少なくとも小さな基板を研磨する場合には、より高い超音波処理エネルギーは、除去速度に対して必ずしも良好ではないことを示した。
【0096】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された)市販の高速銅スラリー、Versum Materials CopperReady3935(登録商標)、並びに、200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッド、及び現場外コンディショニングモードで1分間の3M(S60-AI)ダイヤモンドコンディショニングディスクを使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、25~100cc/分の範囲である。音波エネルギーの設定値は、0、0.5及び1.5ワット/平方cmである。14枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理なしで、2,069~9,512オングストローム/分の範囲である。別の14枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが0.5ワット/平方cmに設定された場合、2,360~9,741オングストローム/分の範囲である。更に別の14枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが1.5ワット/平方cmに設定された場合、2,586~8,858オングストローム/分の範囲である。結果は、超音波処理エネルギーがゼロから0.5ワット/平方cmに増加した場合、平均銅除去速度が10%増加したことを示した。しかしながら、超音波処理を0.5から1.5ワット/平方cmに更に増加させると、平均銅除去速度は、0.5ワット/平方cmにおける高い値から5%低下した。上記の研磨条件と同じ圧力、スラリー流量、及び速度実行された動的電気化学分析の結果は、音波処理エネルギーが0に設定された場合、腐食電流が1.29~4.34マイクロアンペアの範囲であることを示した。0.5ワット/平方cmの超音波処理エネルギーでは、腐食電流は、1.34~5.20マイクロアンペアの範囲になるように増加した。しかしながら、1.5ワット/平方cmの超音波処理エネルギーでは、腐食電流は、その高い値から減少し、0.56~3.22マイクロアンペアの範囲であった。腐食電流結果の傾向は、除去速度の傾向と一致する。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。
【0097】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバリアスラリー、Versum Materials Barrier6250(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のFujibo H800(登録商標)エンボス加工パッドも用い、3M(PB33A-1)毛ブラシコンディショニングディスクも、現場外コンディショニングモードで1分間使用される。直径25mm及び厚さ18mmを有するタンタル金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、62.5cc/分で一定に保持される。音波エネルギーの設定値は、0、0.5又は1.5ワット/平方cmである。14枚のタンタル基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察されたタンタル除去速度は、超音波処理なしで、250~830オングストローム/分の範囲である。別の14枚のタンタル基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察されたタンタル除去速度は、超音波処理エネルギーが0.5ワット/平方cmに設定された場合、380~810オングストローム/分の範囲である。更に別の14枚のタンタル基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察されたタンタル除去速度は、超音波処理エネルギーが1.5ワット/平方cmに設定された場合、496~1,045オングストローム/分の範囲である。結果は、超音波処理エネルギーがゼロから0.5ワット/平方cmに増加した場合、平均タンタル除去速度が20%増加したことを示した。超音波処理エネルギーを1.5ワット/平方cmに更に増加させると、平均タンタル除去速度は、0.5ワット/平方cmにおける値から更に10%増加した。
【0098】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバリアスラリー、Versum Materials Barrier6250(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のFujibo H800(登録商標)エンボス加工パッドも用い、3M(PB33A-1)毛ブラシコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用される。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、62.5cc/分で一定に保たれる。音波エネルギーは、0、0.5又は1.5ワット/平方cmに設定される。14枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理なしで、371~635オングストローム/分の範囲である。別の14枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが0.5ワット/平方cmに設定された場合、497~1,016オングストローム/分の範囲である。更に別の14枚の銅基板を研磨した後、プロセス条件に応じて、観察された銅除去速度は、超音波処理エネルギーが1.5ワット/平方cmに設定された場合、583~1,219オングストローム/分の範囲である。結果は、超音波処理エネルギーがゼロから0.5ワット/平方cmに増加した場合、平均銅除去速度が40%増加したことを示す。超音波処理を1.5ワット/平方cmに更に増加させると、平均銅除去速度は、0.5ワット/平方cmにおける初期平均値から更に15%増加した。ゼロワット/平方cmでは、銅対タンタルの平均除去速度選択性は、1.04:1である。一方、1.5ワット/平方cmでは、銅対タンタルの平均除去速度選択性は、1.18:1である。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。
【0099】
以下の例は、光活性化又は音活性化化学添加剤を含む、上で説明されるプロセスの適用を含む。
【0100】
一例では、音響活性化化学物質を既製のスラリーに添加することができ、具体的には、シャロートレンチアイソレーション(shallow trench isolation、STI)CMP用途の焼成セリウムナノ粒子及びレドックス添加剤からなる内部配合スラリーが調製される。材料添加剤は、それらの機能性に基づいて選択される。グルタミン酸は、酸化物除去を抑制することが知られているカルボン酸官能基を有し、一方、ヒドロキノンは、ヒドロキシル官能基で、酸化物の除去を促進することが知られている。200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを使用し、かつ、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。テトラエチルオルトシリケート(tetraethyl orthosilicate、TEOS)系二酸化シリコン膜が堆積された直径1インチのシリコンウエハを、研磨に使用する。プロセス圧力は、0.5~1.5PSIの範囲である。滑り速度は、0.52m/秒で一定に保たれる。スラリー流量は、75cc/分で一定に保たれる。超音波処理なしの場合、TEOSウエハ除去速度は、1.0ミリモルのヒドロキノンで、3,652~6,008オングストローム/分の範囲であることが観察される。1.5ワット/平方cmでの超音波処理の場合、TEOSウエハ除去速度は、1.0ミリモルのヒドロキノンで、3,124~7,587オングストローム/分の範囲であることが観察される。これは、低い超音波処理では10%の減少に相当したが、超音波処理パワーの増加に伴う12%の平均的な増加に相当した。超音波処理なしの場合、TEOSウエハ除去速度は、1.0ミリモルのグルタミン酸で、3,558~5,876オングストローム/分の範囲であることが観察される。1.5ワット/平方cmでの超音波処理の場合、TEOSウエハ除去速度は、1.0ミリモルのグルタミン酸で、3,611~7,831オングストローム/分の範囲であることが観察される。これは、10%の平均的な増加に相当した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間はゼロである。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。
【0101】
別の例では、シャロートレンチアイソレーション(STI)CMP用途の内部配合スラリーは、錯化添加剤とセリア(コロイド状又は焼成)ナノ粒子(NP)との間の配位子-金属間電荷移動(LMCT)機構を利用することによって、調製される。より具体的には、チロシン(Tyr)、フェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)、ヒスチジン(His)、及びグリシン(Gly)などの配位子は、配位結合を介して、金属酸化物表面と錯体を形成する傾向があり、金属酸化物(metal-oxide、MOX)と配位子との間の錯体形成をもたらす。この錯体に(250~800nmの範囲の波長で)照射すると、配位カルボキシレート基からの電子が励起され、最終的に、セリアNPの伝導帯(CB)に移動する。これは、次に、Ce4+をCe3+に還元し、表面O2を脱着させ、それによって、求核攻撃用の酸素空孔の利用可能性を増加させた。追加的に、本プロセス全体を通して、配位子は酸化され、したがって、利用可能な表面積を増強させる、ナノ粒子への再吸着を防止する。したがって、表面活性(すなわち、利用可能な酸素空孔)が増加すると、酸化物除去速度が著しく増強される。本実験手順は、スラリーが、透明アクリル配管を通してポンプ圧送されることを可能にした。したがって、スラリーは、レーザ光、又は一連のLEDアレイを通した光のいずれかを介して、照射され得る。例えば、透明パイプ部分は、内径(internal diameter、ID)約2インチ及び長さ18インチのアクリル配管である。配管は、300個の個々のLEDからなる、16.4フィートのLEDストリップに内包されている。ストリップの波長は、250~800nmの範囲である。内部配合STIスラリーは、水中に分散された焼成セリアNPを使用して、調製される。次いで、効果的な電荷移動のために、チロシンがスラリーに添加される。200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドが使用される。また、3M(型番)ダイヤモンドコンディショニングディスクも、現場外コンディショニングモードで1分間用いる。(前駆体としてテトラエチルオルトシリケートを使用して)二酸化ケイ素が堆積された直径1インチのシリコンウエハを、研磨に使用する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、75cc/分で一定に保たれる。二酸化ケイ素ウエハを研磨した後、膜除去速度は、照射なしで、2,753~3,109オングストローム/分の範囲であることが観察される。別の20枚の二酸化ケイ素ウエハを研磨した後、膜除去速度は、520~525ナノメートルの緑色LEDを用いた照射で、2,948~3,650オングストローム/分の範囲であることが観察される。これは、10%の平均的な増加に相当した。
【0102】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバルク銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを用い、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間用いる。研磨に使用される銅金属基板は、直径25mm及び厚さ18mmを有した。プロセス圧力は3PSIであり、滑り速度は0.79m/秒であり、スラリー流量は65cc/分で一定に保たれる。音波エネルギーは、0又は1.5ワット/平方cmに設定される。10枚の銅基板を研磨した後、観察された平均銅除去速度は、音波処理なしで、2,609オングストローム/分である。別の6枚の銅基板を研磨した後、スラリーをインキュベーションなしで1.5ワット/平方cmで超音波処理した場合、観察された平均銅除去速度は3,623オングストローム/分である。更に別の7枚の銅基板を研磨した後、観察された平均銅除去速度は、スラリーが1.5ワット/平方cmで超音波処理された場合、4,258オングストローム/分であるが、今回は1分間インキュベートされた後である。これは、超音波処理なしの場合と、1分間のインキュベーションを伴う超音波処理の場合との間の39%の増加に相当した。
【0103】
音響活性化化学物質が既製のスラリーに添加される別の例では、アルミナ(球状又は楕円形)NPと、水と、過酸化水素と、有機金属錯体(すなわち、Cu+2-グリシン)又はホウ酸塩誘導体などの求電子性増強剤と、からなる内部配合炭化シリコンCMPスラリーが使用される。また、200mm回転プラテン上のDupont SUBA800-II-12(登録商標)XY溝付きパッドも用い、3M(PB33A-1)毛ブラシコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用される。直径100mm及び全厚500ミクロンを有する炭化シリコンウエハが、全ての研磨試験に使用される。プロセス圧力は、1~9PSIの範囲である。滑り速度範囲は0.25~1.05m/秒であり、一方、スラリー流量は25~100cc/分の範囲である。採用された音波エネルギーの設定値は、0~2.0ワット/平方cmである。炭化ケイ素基板のケイ素面は、求電子性増強剤を含有する過酸化水素ベースの配合物を使用して、研磨される。プロセス条件に応じて、観察された除去速度は、超音波処理エネルギーがゼロワット/平方cmに設定された場合、1,223~1,792nm/時の範囲である。1.5ワット/平方cmでは、炭化ケイ素除去速度は2,764~4,122nm/時の範囲である。これらは、58%の平均的な増加を示した。スラリー超音波処理の場合、連続流の超音波処理器中のスラリーのインキュベーション時間は5分である。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。むしろ、スラリーは、研磨機を通り、研磨機に向かって流れる間、連続的に超音波処理される。前述には、既製のスラリーへの音響活性化化学物質の添加が含まれる。
【0104】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバルク銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が、研磨に使用される。200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドが用いられる。また、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間用いる。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を、研磨に使用する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒である。スラリー流量は、65~120cc/分の範囲である。音波エネルギーは、1分間のインキュベーション時間で、1.5ワット/平方cmで一定に保たれる。10枚の銅基板を65cc/分のスラリー流量で研磨した後、観察された銅除去速度は、3,433~5,132オングストローム/分の範囲である。10枚の銅基板を120cc/分のスラリー流量で研磨した後、観察された銅除去速度は、3,713~6,020オングストローム/分の範囲である。全ての場合において、より高い圧力は、より高い除去速度をもたらした。また、より高い流量は、除去速度を平均10%増加させた。
【0105】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバルク銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。また、200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドを使用する。更に、3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。直径25mm及び厚さ18mmを有する銅金属基板を研磨する。プロセス圧力は、1~5PSIの範囲である。滑り速度は、0.25~1.05m/秒の範囲である。スラリー流量は、65cc/分で一定に保たれる。音波処理エネルギーの設定値は、0、0.5、1、1.5、及び2ワット/平方cmである。全ての場合において、1分間のインキュベーション時間を使用する。10枚の銅基板を研磨した後、観察された平均銅除去速度は、超音波処理なしの場合、約2,572オングストローム/分である。除去速度は、0.5ワット/平方cmにおいて、最大平均値4,959オングストローム/分まで増加し、次いで、超音波処理エネルギーが1、1.5、及び2ワット/平方cmまで増加するにつれて、それぞれ、4,455、3,845、及び3,500オングストローム/分まで着実に減少する。これは、銅表面での不動態化錯体形成特性を変化させる過剰酸化(すなわち、反応性酸素種の増加)の可能性が、除去速度に有害であり得ることを示す。
【0106】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販のバルク銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドが用いられる。3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで1分間使用する。研磨に使用される銅金属基板は、直径25mmを有する。プロセス圧力は3PSIであり、滑り速度は0.52m/秒であり、スラリー流量は65cc/分で一定に保たれる。研磨後、原子間力顕微鏡を使用して、銅の表面を分析する。超音波処理なしでは、ウエハ表面粗さの平均値(average value of wafer surface roughness、Ra)は1.1nmである。音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定された場合、ウエハ表面粗さの平均値(Ra)は0.78nmに減少する。これは、表面粗さの低減において29%の改善を表す。
【0107】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合された市販のタングステンスラリー、Versum Materials DP1236(登録商標)が使用される。200mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)同心溝付きパッドが用いられる。3M(S60-Al)ダイヤモンドコンディショニングディスクが、現場外コンディショニングモードで1分間動作する。タングステン基板は、3PSIの研磨圧力、0.52m/秒の滑り速度、及び65cc/分のスラリー流量で研磨される。研磨後、原子間力顕微鏡を使用して、タングステン基板の表面を分析する。超音波処理なしでは、ウエハ表面粗さの平均値Ra)は1.07nmである。音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定された場合、ウエハ表面粗さの平均値(Ra)は0.88nmに減少する。これは、表面粗さの低減において18%の改善を表す。
【0108】
以下の例は、上記の実施形態で説明したように、超音波処理を伴う、及び超音波処理を伴わない、大型(200mm)ウエハ研磨を含む。
【0109】
一例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販の銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。更に、800mm回転プラテン上のDupont IC1010(登録商標)同心溝付きパッドを用いる。Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケット銅ウエハを、ウエハごとに30秒間研磨する。プロセス圧力は、1.5~2.0PSIの範囲である。滑り速度は、1.5m/秒に設定される。スラリー流量は、150cc/分で一定に保持される。音波エネルギーの設定値は、15分間のインキュベーション時間で、1ワット/平方cmである。研磨条件の組み合わせごとに、2回の研磨作業を行う。1.5PSIの研磨圧力で、平均銅除去速度は、超音波処理を伴わないプロセス、及び超音波処理を伴うプロセスについて、それぞれ、8,599及び9,629オングストローム/分である。これは、除去速度の12%の増加を示した。2.0PSIの研磨圧力で、平均銅除去速度は、超音波処理を伴わないプロセス、及び超音波処理を伴うプロセスについて、それぞれ、10,975及び12,223オングストローム/分である。これは、除去速度の11%の増加を表す。
【0110】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販の銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。800mm回転プラテン上のDupont IC1010(登録商標)同心溝付きパッドを用い、かつ、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクを、現場外コンディショニングモードで用いる。200mmブランケット銅ウエハを、ウエハごとに30秒間研磨する。プロセス圧力は、1.5~2.0PSIの範囲である。滑り速度は、1.5m/秒で一定に保たれる。また、スラリー流量も、150cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、平均銅除去速度は、1.5及び2.0PSIの研磨圧力において、それぞれ、9,372及び11,919オングストローム/分である。音波エネルギーが0.5ワット/平方cmに設定され、インキュベーション時間が15分である場合、2.0PSIの研磨圧力での銅除去速度は12,260オングストローム/分に上昇し、除去速度の3%の増加を示した。1.0ワット/平方cmの音波エネルギー設定値、及び再び15分のインキュベーション時間では、平均銅除去速度は、1.5及び2.0PSIの研磨圧力において、それぞれ、9,660及び13,314オングストローム/分である。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、除去速度の3及び12%の増加を示した。音波エネルギーが1.5ワット/平方cmに設定され、インキュベーション時間が5分である場合、銅除去速度は、1.5及び2.0PSIの研磨圧力において、それぞれ、9,704及び13,026オングストローム/分である。これは、超音波処理なしで実行されたプロセスと比較して、除去速度の4及び9%の増加を表す。
【0111】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販の銅スラリー、Versum Materials CopperReady3930(登録商標)が使用される。また、800mm回転プラテン上のDupont IC1010(登録商標)同心溝付きパッドも用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケット銅ウエハを、ウエハごとに30秒間研磨する。プロセス圧力は、1.5~2.0PSIの範囲である。滑り速度は、1.5m/秒に設定される。スラリー流量は、150cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、研磨した合計6枚のウエハに基づく平均銅除去速度は、1.5及び2.0PSIの研磨圧力において、それぞれ、8,403及び11,006オングストローム/分である。1.0ワット/平方cmの超音波エネルギー、及び5分間のインキュベーション時間では、研磨した合計4枚のウエハに基づく銅除去速度は、研磨圧力1.5及び2.0PSIにおいて、それぞれ、8,806及び11,789オングストローム/分に上昇する。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、平均除去速度の5及び7%の増加を表す。音波エネルギーの設定値が2.0ワット/平方cmであり、インキュベーション時間が5分である場合、研磨した合計4枚のウエハに基づく平均銅除去速度もまた、研磨圧力1.5及び2.0PSIにおいて、それぞれ、9,134及び12,075オングストローム/分に上昇した。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、除去速度の9及び10%の増加を表す。
【0112】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)水及び過酸化水素と混合された市販の銅スラリー、Versum Materials CopperReady3935(登録商標)が使用される。また、800mm回転プラテン上のDupont IC1010(登録商標)同心溝付きパッドも用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケット銅ウエハを、ウエハごとに30秒間研磨する。プロセス圧力は、1.5~2.0PSIの範囲である。滑り速度は、1.5m/秒に設定される。スラリー流量は、150cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、研磨した合計4枚のウエハに基づく平均銅除去速度は、1.5及び2.0PSIの研磨圧力において、それぞれ、8,365及び10,748オングストローム/分である。音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定され、かつ再びインキュベーション時間が5分である場合、研磨した合計4枚のウエハに基づく平均銅除去速度は、研磨圧力1.5及び2.0PSIにおいて、それぞれ、9,017及び12,066オングストローム/分に上昇した。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、除去速度の8及び12%の増加を表す。
【0113】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合されたタングステンスラリー、Versum Materials DP1236(登録商標)が使用される。800mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)XY溝付きパッドを用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、各ウエハ研磨の前に30秒間、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケットタングステンウエハを、ウエハごとに60秒間研磨する。プロセス圧力は、4.0PSIである。滑り速度は、2.0m/秒に設定される。スラリー流量は、125cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、研磨した合計6枚のウエハに基づく平均タングステン除去速度は、2,277オングストローム/分である。音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定され、インキュベーション時間を5分とした場合、合計6枚のウエハに基づくタングステン除去速度は、2,423オングストローム/分である。これは、除去速度の7%の増加を表す。
【0114】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合されたタングステンスラリー、Versum Materials DP1236(登録商標)が使用される。800mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)XY溝付きパッドを用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、各ウエハ研磨の前に30秒間、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケットタングステンウエハを、ウエハごとに60秒間研磨する。プロセス圧力は、3.0PSIである。滑り速度は、1.6m/秒に設定される。スラリー流量は、125cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、研磨した合計4枚のウエハに基づく平均タングステン除去速度は、1,646オングストローム/分である。音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定され、かつ再びインキュベーション時間が5分である場合、研磨した合計4枚のウエハに基づく平均タングステン除去速度は、1,803オングストローム/分である。これは、除去速度の10%の増加を表す。
【0115】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合されたタングステンスラリー、Versum Materials DP1142(登録商標)が使用される。800mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)XY溝付きパッドを用いる。Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、各ウエハ研磨の前に30秒間、現場外コンディショニングモードで動作する。1つ以上の200mmブランケットタングステンウエハを、ウエハごとに45秒間研磨する。プロセス圧力は、4.0PSIで一定に保たれる。滑り速度もまた、1.6m/秒で一定に保たれる。スラリー流量は、125cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、タングステン除去速度は、1,928オングストローム/分である。スラリー超音波処理の場合、スラリーは、超音波処理器ボウルを通過して研磨機に向かう管の内部を流れる間、連続的に超音波処理される。連続超音波処理器でのスラリーのインキュベーション時間は、10秒未満であると推定される。すなわち、スラリーは、いかなる期間も、反応器内で停滞したままにならないか、又はいかなる種類の保持パターンのままにもならない。音波エネルギーの設定値が1.25ワット/平方cmである場合、平均タングステン除去速度は、2,112オングストローム/分である。これは、除去速度の10%の増加を表す。
【0116】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合された銅スラリー、Versum Materials Cu3930(登録商標)が使用される。500mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)XY溝付きパッドを用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、各ウエハ研磨の前に30秒間、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケット銅ウエハを、ウエハごとに60秒間研磨する。プロセスウエハ圧力及び保持リング圧力は、それぞれ、1.5及び1.7PSIで一定に保たれる。滑り速度もまた、0.5m/秒で一定に保たれる。スラリー流量は、160cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、銅除去速度は、4,909オングストローム/分である。スラリー超音波処理を伴う研磨プロセスの場合、2つの超音波処理器ボウルが、ボウルごとに80cc/分のスラリー流量で並行して使用され、160cc/分のスラリーの総流量をもたらす。各超音波処理器ボウルの音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定され、インキュベーション時間を5分とした場合、平均銅除去速度は、6,221オングストローム/分に増加した。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、除去速度の27%の増加を表す。
【0117】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合された銅スラリー、Versum Materials Cu3930(登録商標)が使用される。500mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)XY溝付きパッドを用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、各ウエハ研磨の前に30秒間、現場外コンディショニングモードで使用する。200mmブランケット銅ウエハを、ウエハごとに20秒間研磨する。第1の研磨レシピでは、プロセスウエハ圧力及び保持リング圧力は、それぞれ、1.5及び1.7PSIで一定に保たれ、滑り速度もまた、0.5m/秒で一定に保たれる。第2の研磨レシピでは、プロセスウエハ圧力及び保持リング圧力は、それぞれ、2.5及び2.7PSIで一定に保たれ、滑り速度もまた、1.6m/秒で一定に保たれる。スラリー流量は、両方の研磨レシピで、160cc/分で一定に保たれる。超音波処理なしでは、平均銅除去速度は、第1の研磨レシピ及び第2の研磨レシピについて、それぞれ、5,703及び15,552オングストローム/分である。スラリー音波処理を伴う研磨プロセスの場合、2つの超音波処理器ボウルが、ボウルごとに80cc/分のスラリー流量で並行して使用され、160cc/分のスラリーの総流量をもたらす。各超音波処理器ボウルの音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定され、インキュベーション時間を5分とした場合、平均銅除去速度は、第1の研磨レシピ及び第2の研磨レシピについて、それぞれ、7,397及び19,383オングストローム/分に増加した。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、除去速度の30及び25%の増加を表す。
【0118】
別の例では、(製造元の仕様書通りに)過酸化水素と混合されたタングステンスラリー、Versum Materials DP1236(登録商標)が使用される。500mm回転プラテン上のDupont IC1000(登録商標)XY溝付きパッドを用いる。また、Saesol 4DNS80AMC1ダイヤモンドコンディショニングディスクも、各ウエハ研磨の前に30秒間、現場外コンディショニングモードで使用される。200mmブランケットタングステンウエハを、ウエハごとに45秒間研磨する。プロセスウエハ圧力及び保持リング圧力は、それぞれ、3及び6PSIで一定に保たれる。滑り速度もまた、1.6m/秒で一定に保たれる。スラリー流量は、80cc/分で一定に保持される。超音波処理なしでは、タングステン除去速度は、3,197オングストローム/分である。スラリー超音波処理を伴う研磨プロセスの場合、2つの超音波処理器ボウルが、ボウルごとに40cc/分のスラリー流量で並行して使用され、80cc/分のスラリーの総流量をもたらす。各超音波処理器ボウルの音波エネルギーが2.0ワット/平方cmに設定され、インキュベーション時間を5分とした場合、平均タングステン除去速度は、3,395オングストローム/分に増加した。これは、超音波処理を伴わないプロセスと比較して、除去速度の6%の増加を表す。
【0119】
上記は、最良の形態及び/又は他の例であると考えられるものを説明したが、様々な修正が、その中で行われ得ること、並びに本明細書に開示される主題が、様々な形態及び例において実施され得ること、並びに本教示が、多数の用途に適用され得、そのうちのいくつかのみが、本明細書に説明されていることが理解される。以下の特許請求の範囲は、本教示の真の範囲内に入るあらゆる適用例、修正例、及び変形例を主張することを意図している。
【符号の説明】
【0120】
10 スラリー処理システム
20 ウエハ
17A スラリー
102 ウエハ研磨装置
103 パッド
104 研磨ヘッド
120 プロセッサ
122 コントローラ
【図】
【図】
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【手続補正書】
【提出日】2022-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械平坦化(CMP)方法であって、
材料添加剤を有するCMPスラリーの供給源を提供することと、
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けることによって、前記CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することであって、前記CMPスラリーの供給源を改質することが、前記材料添加剤の除去速度特性を増強すること、ウエハレベルの欠陥を低下させること、及び前記材料添加剤の表面粗さ特性を低減することのうちの少なくとも1つを含む、改質することと、
前記改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、
前記改質されたCMPスラリーとの化学反応によって、前記基板の不動態化層を改質することと、
前記基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法。
【請求項2】
前記CMPスラリーの供給源に前記材料添加剤を適用することによって、前記CMPスラリーの供給源を改質することを更に含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項3】
前記材料添加剤が、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付ける前に、前記CMPスラリーの供給源に適用される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項4】
前記材料添加剤が、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けるのと同時に、前記CMPスラリーの供給源に適用される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項5】
前記CMPスラリーの供給源が、機械又は電磁波エネルギーのうちの前記少なくとも1つの前記供給源を前記ウエハ研磨装置に方向付けることと、前記ウエハ研磨装置において、前記CMPスラリーの供給源に前記材料添加剤を適用することと、によって改質される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項6】
前記材料添加剤が、機械又は電磁波エネルギーのうちの前記少なくとも1つによって改質される、請求項2に記載のCMP方法。
【請求項7】
前記CMPスラリーの供給源が、封止された容器内の前記機械エネルギーの供給源によって改質され、前記改質されたCMPスラリーの前記流れを前記ウエハ研磨装置に適用することが、前記改質されたCMPスラリーを前記封止された容器から前記ウエハ研磨装置に出力することを含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項8】
前記封止された容器が、
容器ハウジングであって、前記容器ハウジングの内部への開口部を有し、前記内部が、前記CMPスラリーの供給源を保持するように構築及び配置されている、容器ハウジングと、
前記容器ハウジングの前記開口部上に流体密封シールを形成する、カバーシールシステムと、
入口及び出口であって、前記カバーシールシステムを通って延在し、前記入口から前記容器ハウジングの前記内部を通り、前記出口からウエハ研磨装置まで更に延在する、連続的なスラリー流路を形成する、入口及び出口と、を含む、請求項7に記載のCMP方法。
【請求項9】
前記機械波エネルギーが、前記封止された容器内で発生する音響エネルギーである、請求項7に記載のCMP方法。
【請求項10】
前記電磁波エネルギーが、前記封止された容器と前記ウエハ研磨装置との間の前記CMPスラリーの前記流れに沿って発生する光である、請求項7に記載のCMP方法。
【請求項11】
前記機械波エネルギーが、前記CMPスラリーの前記流れに前記光が適用された後に、前記CMPスラリーの前記流れに適用される音響エネルギーである、請求項10に記載のCMP方法。
【請求項12】
前記機械波エネルギーが、前記CMPスラリーの前記流れに前記光が適用される前に、前記CMPスラリーの前記流れに適用される音響エネルギーである、請求項10に記載のCMP方法。
【請求項13】
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源が、音響エネルギー及び光の両方を含み、前記音響エネルギーが、前記光が前記CMPスラリーの供給源に方向付けられる前に、前記CMPスラリーの供給源に方向付けられる、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項14】
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源が、前記CMPスラリーの供給源に同時に適用される、音響エネルギー及び光の両方を含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項15】
機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの前記供給源が、音響エネルギー及び光の両方を含み、前記音響エネルギーが、前記光が前記CMPスラリーの供給源に方向付けられた後に、前記CMPスラリーの供給源に方向付けられる、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項16】
前記ウエハ研磨装置上で回転する前記基板に対して、前記CMPスラリーの供給源を出力するためのスラリー注入システムを位置決めすることを更に含む、請求項1に記載のCMP方法。
【請求項17】
スラリー処理システムであって、
容器ハウジングであって、前記容器ハウジングの内部への開口部を有し、前記内部が、材料添加剤を有する化学機械平坦化(CMP)スラリーの供給源を保持するように構築及び配置されている、容器ハウジングと、
前記容器ハウジングの前記開口部上に流体密封シールを形成する、カバーシールシステムと、
入口及び出口であって、前記カバーシールシステムを通って延在し、前記入口から前記容器ハウジングの前記内部を通り、前記出口からウエハ研磨装置まで更に延在する、連続的なスラリー流路を形成する、入口及び出口と、
前記材料添加剤の除去速度特性を増強すること、ウエハレベルの欠陥を低下させること、又は前記材料添加剤の表面粗さ特性を低減することのうちの少なくとも1つを含む、前記材料添加剤を有する前記CMPスラリーを改質するために、前記連続的なスラリー流路に沿って流れる前記CMPスラリーに、機械又は電磁波エネルギーのうちの少なくとも1つの供給源を方向付ける、エネルギー産生デバイスと、を備える、スラリー処理システム。
【請求項18】
前記カバーシールシステムが、
保持リング要素であって、そこを通って前記入口及び前記出口が延在する、保持リング要素と、
前記容器ハウジングの周りの溝に位置決めされたせん断リングであって、前記保持リング要素とともに密封境界面を形成する、せん断リングと、
前記保持リング要素とともに密封境界面を形成する、滑合要素と、を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項19】
前記滑合要素が、第1のクランプ部分及び第2のクランプ部分を含み、前記第1のクランプ部分及び前記第2のクランプ部分のうちの少なくとも一方が、前記第1のクランプ部分及び前記第2のクランプ部分のうちの他方における穴に挿入されるように構成されている、ロッドを含み、前記カバーシールシステムが、前記保持リング要素の周りで、前記第1のクランプ部分及び前記第2のクランプ部分を一緒に結合し、かつ、前記容器ハウジングの周りで、前記せん断リングを結合する力を生成するために、前記穴の前記ロッドの周りに位置決めされている、蝶ナットを含む、請求項18に記載のスラリー処理システム。
【請求項20】
閉じ込められた空気が前記容器ハウジングから逃げることを可能にするために、前記カバーシールシステムを通って延在する前記入口及び前記出口に連設された、通気管を更に備える、請求項19に記載のスラリー処理システム。
【請求項21】
酸素又はオゾンを注入又は浸透させるための、ガス入口管を更に備える、請求項19に記載のスラリー処理システム。
【請求項22】
前記滑合要素が、前記保持リング要素と結合するときにシールを形成するためにねじ切りされている、前記第1の部分及び前記第2の部分によって形成された、半球状の内部を有する、請求項19に記載のスラリー処理システム。
【請求項23】
前記CMPスラリーが、前記ウエハ研磨装置上の基板と化学的に連通するように構築されており、前記基板の上層が、銅、タングステン、ポリシリコン、二酸化ケイ素、アルミニウム、炭素ドープ二酸化ケイ素、黒色ダイヤモンド、窒化ケイ素、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、コバルト、窒化ガリウム、ルテニウム、炭化ケイ素、又はそれらの組み合わせ若しくは合金から形成され、前記上層が、前記改質されたCMPスラリーとの化学反応によって改質又は除去される、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項24】
前記エネルギー産生デバイスが、前記連続的なスラリー流路に沿って前記CMPスラリーを音響的に活性化するための音波エネルギーを生成するもう1つのトランスデューサなどを有する、音波生成機構を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項25】
前記エネルギー産生デバイスが、前記CMPスラリーに照射するように構築及び配置されている光源を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項26】
前記CMPスラリーが、配位子を酸化させるために、前記光源によって照射される金属配位子錯体を形成するように、少なくとも1つの配位子錯化剤、及び金属を含む、請求項25に記載のスラリー処理システム。
【請求項27】
前記配位子錯化剤が、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン、及びグリシンのうちの少なくとも1つを含む、請求項26に記載のスラリー処理システム。
【請求項28】
前記CMPスラリーが、高分子ポリマーと、複合添加剤と、を含む、ポリマーベースのナノコンポジットスラリーを含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項29】
前記エネルギー産生デバイスが、前記ウエハ研磨装置によって実行された研磨作業において、SiC基板の表面層を除去するために、メガソニックエネルギーを用いる第1のデバイスと、前記SiC基板と化学的に接触する前記CMPスラリーに方向付けられた光波を用いる第2のデバイスと、を含む、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項30】
前記ウエハ研磨装置上で回転する基板に前記CMPスラリーの供給源を出力するための、前記ウエハ研磨装置に対して位置決めされているスラリー注入システムを更に備える、請求項17に記載のスラリー処理システム。
【請求項31】
化学機械平坦化(CMP)方法であって、
材料添加剤を有するCMPスラリーの供給源を提供することと、
音響エネルギーの供給源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けることによって、前記材料添加剤を有する前記CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することであって、前記CMPスラリーの供給源を改質することが、前記材料添加剤の除去速度特性を増強すること、ウエハレベルの欠陥を低下させること、及び前記材料添加剤の表面粗さ特性を低減することのうちの少なくとも1つを含む、改質することと、
前記改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、
前記改質されたCMPスラリーとの化学反応によって、前記基板の不動態化層を改質することと、
前記基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法。
【請求項32】
化学機械平坦化(CMP)方法であって、
材料添加剤を有するCMPスラリーの供給源を提供することと、
光源を前記CMPスラリーの供給源に方向付けることによって、前記材料添加剤を有する前記CMPスラリーの供給源を改質して、改質されたCMPスラリーを形成することであって、前記CMPスラリーの供給源を改質することが、前記材料添加剤の除去速度特性を増強すること、ウエハレベルの欠陥を低下させること、及び前記材料添加剤の表面粗さ特性を低減することのうちの少なくとも1つを含む、改質することと、
前記改質されたCMPスラリーの流れを、基板が位置決めされているウエハ研磨装置に適用することと、
前記改質されたCMPスラリーとの化学反応によって、前記基板の不動態化層を改質することと、
前記基板上で研磨作業を実行することと、を含む、化学機械平坦化(CMP)方法。
【国際調査報告】