(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ライナー及びライナー用ロードアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B65G 47/84 20060101AFI20240220BHJP
B05B 13/02 20060101ALN20240220BHJP
B05C 13/02 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
B65G47/84 E
B05B13/02
B05C13/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023540716
(86)(22)【出願日】2021-12-15
(85)【翻訳文提出日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 US2021072925
(87)【国際公開番号】W WO2022147402
(87)【国際公開日】2022-07-07
(32)【優先日】2021-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ザンバーガー,ニール アルバート
(72)【発明者】
【氏名】オルブライト,スティーブン トッド
(72)【発明者】
【氏名】スタメン,デニス コーネリアス
【テーマコード(参考)】
3F072
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
3F072AA07
3F072GF01
3F072GG00
3F072HA06
3F072KC01
3F072KC15
3F072KC18
3F072KE11
4F035AA03
4F035CA02
4F035CA05
4F035CB03
4F035CB04
4F035CB05
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4F035CC04
4F042AA12
4F042AB00
4F042DF07
4F042DF16
4F042DF24
4F042DF28
4F042DF29
4F042DF32
(57)【要約】
【解決手段】 ロードアセンブリは、複数の容器クロージャを供給するように構成された供給機構と、複数の容器クロージャを受け取り、それら容器クロージャを供給機構から処理アセンブリに移動させるように構成された幾つかの装填ポケットを含むスターホイールを含む搬送アセンブリとを含む。スターホイールは外縁を有する。装填ポケットの各々は、スターホイールの外縁の内側で、複数の容器クロージャにおける対応する容器クロージャを受け入れるように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロードアセンブリであって、
複数の容器クロージャを供給するように構成された供給機構と、
前記複数の容器クロージャを受け取り、前記複数の容器クロージャを前記供給機構から処理アセンブリに移動させるように構成された幾つかの装填ポケットを含むスターホイールを備える搬送アセンブリと、
を備えており、
前記スターホイールは外縁を有しており、
前記幾つかの装填ポケットの各々は、前記スターホイールの外縁の内側で、前記複数の容器クロージャのうちの対応する容器クロージャを受け入れるように構成されている、
ロードアセンブリ。
【請求項2】
前記スターホイールは、前記外縁にて第1の接線速度で回転し、前記幾つかの装填ポケットの各々は、前記外縁から径方向内側に延びて、中心点を含んでおり、前記スターホイールは、その中心点において第2の接線速度で回転し、記第2の接線速度は、前記第1の接線速度よりも小さい、請求項1に記載のロードアセンブリ。
【請求項3】
前記幾つかの装填ポケットの各々は、前記複数の容器クロージャの対応する1つを完全に受け入れて、その容器クロージャの全体が前記スターホイールの外縁の内側に配置されるように構成されている、請求項1に記載のロードアセンブリ。
【請求項4】
前記供給機構は、前記複数の容器クロージャを鉛直スタックに保持するように構成されたダウンスタッカを備える、請求項1に記載のロードアセンブリ。
【請求項5】
前記搬送アセンブリは、カムアセンブリと、ガイド部材と、一対の送りねじとを更に備えており、前記一対の送りねじは、第1の高さで前記鉛直スタックの底部から容器クロージャを取り出すように構成されており、前記カムアセンブリ及び前記ガイド部材は、その容器クロージャが前記第1の高さから前記スターホイールの装填ポケット内の装填位置に対応する第2の高さまで移動する際に、径方向経路を通してその容器クロージャを案内するように構成されている、請求項4に記載のロードアセンブリ。
【請求項6】
前記ガイド部材及び前記カムアセンブリの少なくとも一方は、前記第1の高さから前記第2の高さへの前記容器クロージャの移動を径方向距離にわたって完全に案内して制御するように構成されている、請求項5に記載のロードアセンブリ。
【請求項7】
前記径方向距離は半径のリードを含んでおり、前記半径のリードは少なくとも5度の前記スターホイールの回転に対応している、請求項6に記載のロードアセンブリ。
【請求項8】
前記ガイド部材は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる円弧状本体部とを含んでおり、前記円弧状本体部は、第1の縁部と、前記第1の縁部の反対側に配置された第2の縁部とを含んでおり、前記ガイド部材は、前記第1の縁部と前記第2の縁部との間で前記複数の容器クロージャを案内するように構成されている、請求項6に記載のロードアセンブリ。
【請求項9】
前記円弧状本体部は第1のセグメントと第2のセグメントとを含んでおり、前記第1のセグメントは第1の曲率半径を有しており、前記第2のセグメントは前記第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径を有する、請求項8に記載のロードアセンブリ。
【請求項10】
前記カムアセンブリは、内側カムと、前記内側カムとの間に空間を画定するために前記内側カムから離れて配置された外側カムとを含んでおり、前記カムアセンブリは、前記複数の容器クロージャの移動を案内して制御するように構成されている、請求項5に記載のロードアセンブリ。
【請求項11】
前記カムアセンブリは、前記ダウンスタッカの供給場所から前記処理アセンブリの移送場所まで前記複数の容器クロージャを移動させるように構成されており、前記供給場所は第1の半径に配置されており、前記移送場所は第2の半径に配置されており、前記移送場所の第2の半径は前記供給場所の第1の半径よりも大きい、請求項10に記載のロードアセンブリ。
【請求項12】
前記搬送アセンブリは、前記処理アセンブリから前記複数の容器クロージャを排出場所にて排出するように構成された排出ガイドを更に備えており、前記処理アセンブリは、タレットアセンブリと略円形のカムトラックとを備えており、前記略円形のカムトラックは、前記移送場所から前記排出場所まで延びる径方向の処理経路を画定しており、前記径方向の処理経路は180度を超えて延びている、請求項11に記載のロードアセンブリ。
【請求項13】
ライナーであって、
ベースと、
前記ベースに動作可能に結合された処理アセンブリと、
ロードアセンブリと、
を備えており、前記ロードアセンブリは、
複数の容器クロージャを供給するように構成された供給機構と、
前記複数の容器クロージャを受け取り、前記複数の容器クロージャを前記供給機構から前記処理アセンブリに移動させるように構成された幾つかの装填ポケットを含むスターホイールを備える搬送アセンブリと、
を備えており、
前記スターホイールは外縁を有しており、
前記幾つかの装填ポケットの各々は、前記スターホイールの外縁の内側で、前記複数の容器クロージャのうちの対応する容器クロージャを受け入れるように構成されている、
ライナー。
【請求項14】
前記スターホイールは、前記外縁にて第1の接線速度で回転し、前記幾つかの装填ポケットの各々は、前記外縁から径方向内側に延びて、中心点を含んでおり、前記スターホイールは、その中心点において第2の接線速度で回転し、前記第2の接線速度は、前記第1の接線速度よりも小さい、請求項13に記載のライナー。
【請求項15】
前記幾つかの装填ポケットの各々は、前記複数の容器クロージャの対応する1つを完全に受け入れて、その容器クロージャの全体が前記スターホイールの外縁の内側に配置されるように構成されている、請求項13に記載のライナー。
【請求項16】
前記供給機構は、前記複数の容器クロージャを鉛直スタックに保持するように構成されたダウンスタッカを備えており、前記搬送アセンブリは、カムアセンブリと、ガイド部材と、一対の送りねじとを更に備えており、前記一対の送りねじは、第1の高さで前記鉛直スタックの底部から容器クロージャを取り出すように構成されており、前記カムアセンブリ及び前記ガイド部材は、その容器クロージャが前記第1の高さから前記スターホイールの装填ポケット内の装填位置に対応する第2の高さまで移動する際に、径方向経路を通してその容器クロージャを案内するように構成されている、請求項13に記載のライナー。
【請求項17】
前記ガイド部材及び前記カムアセンブリの少なくとも一方は、前記第1の高さから前記第2の高さへの前記容器クロージャの移動を径方向距離にわたって完全に案内して制御するように構成されており、前記径方向距離は半径のリードを含んでおり、前記半径のリードは、前記スターホイールの少なくとも5度の回転に対応している、請求項16に記載のライナー。
【請求項18】
前記ガイド部材は、第1の端部と、第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延びる円弧状本体部とを含んでおり、前記円弧状本体部は、第1の縁部と、前記第1の縁部の反対側に配置された第2の縁部と、第1のセグメントと、第2のセグメントとを含んでおり、前記第1のセグメントは第1の曲率半径を有しており、前記第2のセグメントは、前記第1の曲率半径とは異なる第2の曲率半径とを有しており、前記ガイド部材は、前記第1の縁部と前記第2の縁部との間で前記複数の容器クロージャを案内するように構成されている、請求項16に記載のライナー。
【請求項19】
前記カムアセンブリは、内側カムと、前記内側カムとの間で空間を画定するように前記内側カムから離れている外側カムとを含んでおり、前記カムアセンブリは、前記複数の容器クロージャの動きを案内して制御するように構成されており、前記カムアセンブリは、前記ダウンスタッカの供給場所から前記処理アセンブリの移送場所まで前記複数の容器クロージャを移動させるように構成されており、前記供給場所は第1の半径に配置されており、前記移送場所は第2の半径に配置されており、前記移送場所の第2の半径は前記供給場所の第1の半径よりも大きい、請求項16に記載のライナー。
【請求項20】
前記搬送アセンブリは、前記処理アセンブリから前記複数の容器クロージャを排出場所にて排出するように構成された排出ガイドを更に備えており、前記処理アセンブリは、処理タレットと略円形のカムトラックとを備えており、前記略円形のカムトラックは、前記移送場所から前記排出場所まで延びる径方向の処理経路を画定し、前記径方向の処理経路は180度を超えて延びている、請求項19に記載のライナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年1月4日に出願された米国特許出願第17/140,330、発明の名称「ライナー及びライナー用ロードアセンブリ」の優先権を主張する。
【0002】
<技術分野>
開示される概念は概ね、容器クロージャ用の機械に関しており、より詳細には、例えば缶エンドのような容器クロージャにコーティング材を塗布するためのライナーに関する。開示される概念はまた、ライナー用ロードアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
一般にコンパウンドと呼ばれているシーラント材を容器クロージャの下面に塗布することは、例えば、ビール/飲料缶及び食品缶のような容器へのクロージャのその後のシーリング取付け(例えば、限定ではないが、シーミング(seaming))を容易にすることが知られている。
【0004】
ロータリーライナーマシンは、例えば、一般に缶蓋、シェル、又は缶エンドと呼ばれている容器クロージャに、比較的大量の用途において比較的高速でライニングを施す(即ち、シーラント又はコンパウンドを塗布する)ために使用される。ロータリーライナーは一般に、チャックアセンブリを有するベースを含む。枢動上側タレットアセンブリは、チャックアセンブリの上方に配置され、電気タンクアセンブリと、回転コンパウンドタンクアセンブリと、周辺に配置された幾つかの流体分配装置(例えば、シーラント又はコンパウンドガン)とを備える。下側タレットアセンブリがチャックを回転させる。ダウンスタッカは、スターホイールに缶エンドを供給し、次にスターホイールは、チャックアセンブリの対応するチャック部材と協働して缶エンドを支持して、流体分配装置に対して缶エンドを回転させる。
【0005】
具体的には、スターホイールは缶エンドをチャック部材上で回転させ、チャック部材はカムによって持ち上げられて缶エンドを受け取る。チャック部材はその後、缶エンドの回転を開始する。これは一般に「プリスピン(pre-spin)」と呼ばれている。缶エンドが所望の回転速度に達すると、流体分配装置によって缶エンドにシーラントが塗布される(例えば、限定ではないが、スプレーされる)。これは、一般的に「スプレータイム」と呼ばれている。シーラントが塗布された後、缶エンドは、シーラントを滑らかにするために比較的短い時間回転し続ける。これは、一般的に「ポスト・スピン・タイム(post spin time)」と呼ばれている。最後に、カムはチャック部材と缶エンドを下降させ、各缶エンドは取り出されて、アンローディングガイドを介してロータリーライナーから排出される。
【0006】
制限の中でもとりわけ、従来のロータリーライナーの設計は、処理される容器クロージャの損傷を避けるために、速度の制限に悩まされていた。例えば、限定ではないが、公知のある8ヘッドロータリーライナーは、タレットにて毎分約262.5回転(rpm)に制限されている。従って、202直径の缶エンドを例にとると、ライナーが可能である最大能力は毎分2100エンド(epm)である。缶エンドの総量を増やすためには、ライナーマシンの速度を上げることが望ましい。しかしながら、例えば、限定ではないが、既存のスターホイール又はダウンスタッカの設計のような公知のロードアセンブリ構成要素は、速度が前記(例えば、限定ではないが、タレットで約262.5rpmよりも大きい)を越えて増加すると、缶エンドに損傷を与えることが知られている。
【0007】
従って、ライナーとライナー用ロードアセンブリとには改善の余地がある。
【発明の概要】
【0008】
これらの要請とその他の要請とは、ライナーとライナー用ロードアセンブリとに向けられた、開示される概念の実施形態によって満たされる。利点の中でもとりわけ、ロードアセンブリは、缶エンドに加えられる力を軽減し、それによってラインの高速化と生産量の増加とを可能にする。
【0009】
開示される概念の一態様として、ロードアセンブリは、複数の容器クロージャを供給するように構成された供給機構と、それら容器クロージャを受け取り、それら容器クロージャを供給機構から処理アセンブリに移動させるように構成された幾つかの装填ポケットを含むスターホイールを備える搬送アセンブリとを備える。スターホイールは外縁を有しており、装填ポケットの各々は、スターホイールの外縁の内側に、複数の容器クロージャのうちの対応する容器クロージャを受け入れるように構成されている。
【0010】
スターホイールは外縁にて第1の接線速度で回転する。装填ポケットは、外縁から径方向内側に延びて、中心点を含んでおり、スターホイールは、中心点において第2の接線速度で回転し、第2の接線速度は、第1の接線速度より小さくてよい。装填ポケットの各々は、容器クロージャ全体がスターホイールの外縁の内側に配置されるように、複数の容器クロージャのうちの対応する容器クロージャを完全に受け入れるように構成されてよい。
【0011】
供給機構は、複数の容器クロージャを鉛直スタックに保持するように構成されたダウンスタッカを備えてよい。搬送アセンブリは、カムアセンブリと、ガイド部材と、一対の送りねじとを更に備えてよい。一対の送りねじは、鉛直スタックの底部から容器クロージャを第1の高さで取り出すように構成されてよく、カムアセンブリ及びガイド部材は、容器クロージャが第1の高さからスターホイールの装填ポケット内の装填場所に対応する第2の高さまで移動する際に、径方向経路を通して容器クロージャを案内するように構成されてよい。
【0012】
ロードアセンブリを用いたライナーも開示される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
開示されている概念は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0014】
【
図1】
図1は、開示される概念の実施形態に基づくライナーとライナー用ロードアセンブリの等角図である。
【
図2】
図2は、
図1の線2-2に沿って破断した断面図であって、ロードアセンブリの隠された特徴をより良く示すためにライナーの一部の構成要素は省かれている。
【
図3】
図3は、
図2のライナーとロードアセンブリの平面図である。
【
図4】
図4は、
図3のライナー及びロードアセンブリと比較する目的で提供される従来技術(PRIOR ART)のライナー及びロードアセンブリの平面図である。
【
図5】
図5は、
図3のロードアセンブリの一部の平面図である。
【
図6】
図6は、
図5のロードアセンブリと比較する目的で提供される従来技術のロードアセンブリの一部の平面図である。
【
図7】
図7は、従来技術のロードアセンブリのカムトラックのデザインの平面図である。
【
図8】
図8は、開示される概念の一実施形態に基づくロードアセンブリのカムトラックのデザインの平面図である。
【
図9】
図9は、従来技術のロードアセンブリのスターホイールの平面図である。
【
図10】
図10は、開示される概念の一実施形態に基づくロードアセンブリ用のスターホイールの平面図である。
【
図11】
図11は、開示される概念の一実施形態に係るロードアセンブリ用のカムアセンブリの平面図である。
【
図12】
図12は、従来技術のロードアセンブリ用ガイドの一部の平面図である。
【
図13】
図13は、開示される概念の実施形態に基づくロードアセンブリ用ガイドの一部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
開示される概念に基づくロードアセンブリは、容器クロージャにシーラント又はコンパウンドを塗布するためのロータリーライナーに関して使用されるものとして本明細書に示されて説明されているが、代替的に、他の用途において、多種多様な他のタイプの装置及び機構(図示せず)を用いて容器クロージャを搬送するために用いられてよいことは理解されるであろう。
【0016】
本明細書で使用される方向表現、例えば、上、下、時計回り、反時計回りやその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、特許請求の範囲に明示されない限り特許請求の範囲を限定するものではない。
【0017】
図面に示されており、本明細書で説明される特定の要素は、開示される概念の単なる例示的な実施形態である。従って、本明細書に開示された実施形態に関連する特定の寸法、向き、及びその他の物理的特性は、開示される概念の範囲を限定するものと見なされるべきではない。
【0018】
本明細書で使用されるように、用語「容器クロージャ」、「缶エンド」、「シェル」、及び/又は「蓋」は、概ね同義であって、容器の内容物をその中に密封するために容器(例えば、限定されないが、ビール/飲料缶、食品缶)の開放端に適用される(例えば、限定されないが、シーミングされる)任意の既知の又は好適なクロージャ部材を指すために実質的に互換的に使用される。
【0019】
本明細書で使用されるように、用語「シーラント」及び/又は「コンパウンド」は、概ね同義であって、容器クロージャの表面に塗布される(例えば、限定的に、スプレーされる)任意の公知又は適切なコーティングを指すために実質的に互換的に使用される。
【0020】
本明細書で使用されるように、用語「生産量」はライナーの生産量を指しており、好ましくは、1分当たりの容器クロージャで測定され、当該業界ではより一般的に「1分当たりのエンド数」(epm)と呼ばれている。
【0021】
本明細書で使用されるように、2つ以上の部品が互いに「結合される」という記載は、部品が直接互いに接合される、或いは、1又は複数の中間部品を介して接合されることを意味する。
【0022】
本明細書で使用されるように、用語「幾つか」は、1、又は1より大きい整数(即ち、複数)を意味する。
【0023】
ライナーマシン2は、例えば、限定ではないが、
図1及び
図2に示すロータリーライナーマシン2が、缶エンド50へのライニング(即ち、シーラント(図示せず)又はコンパウンド(図示せず)の塗布)のために使用される。ライナーマシン2は一般的に単に「ライナー」と呼ばれており、開示される概念の一実施形態に従ったロードアセンブリ100(
図2に最も良く示されている)を用いている。
【0024】
図1に示すように、ライナー2は一般に、処理アセンブリ5を有するベース4を含む。処理アセンブリは、幾つかの回転チャック8を有するチャックアセンブリ6と、チャックアセンブリ6の上方に配置された枢動上側タレットアセンブリ10とを含む。枢動上側タレットアセンブリ10は、電気タンクアセンブリ12と、回転コンパウンドタンクアセンブリ14と、周辺に配置された幾つかの流体分配装置20(例えば、シーラント又はコンパウンドガン)とを含む。下側タレットアセンブリ22は、
図2の断面図に最も良く示されており、ベース4内に配置され、チャック8を回転させるように構成されている。例示のライナー2は8個のガン20を含んでおり、各ガン20は、チャックアセンブリ6における対応する回転チャック8と関連している。しかしながら、チャック8及びガン20又は他の流体分配装置(図示せず)について、任意の適切な代替的な数及び構成(図示せず)が、開示される概念の範囲から逸脱することなく使用されてよいことは理解されるであろう。
【0025】
ロードアセンブリ100は供給機構102を含んでおり、供給機構102は、図示の例ではダウンスタッカ104である。ダウンスタッカ104は、複数の容器クロージャ50を保持して供給するように構成されている。より具体的には、
図2に簡略化して仮想線で示すように、ダウンスタッカ104は好ましくは、鉛直スタック52に配置された複数の容器クロージャ50を保持するように構成される。ロードアセンブリ100は、スターホイール122を備える搬送アセンブリ120を更に含む。
【0026】
図3、
図5及び
図10に最も良く示されているように、スターホイール122は幾つかの装填ポケット124を含んでおり、それら装填ポケット124は、容器クロージャ50を受け入れて、容器クロージャ50をダウンスタッカ104から前述の処理アセンブリ5へ移動させるように構成されている。このスターホイール122は外縁126を有する。装填ポケット124の各々は、例えば
図5及び
図10に示すように、スターホイール122の外縁126の内側に、対応する容器クロージャ50の1つを受け入れるように構成されている。スターホイール122の各装填ポケット124は、中心点128を有する(
図10)。スターホイール122は、外縁126では第1の接線速度で回転し、装填ポケット124の中心点128では外縁126での第1の接線速度よりも小さい第2の接線速度で回転することは理解されるであろう。従って、装填ポケット124をスターホイール122の外縁126から内側に移動させることにより、内側位置(即ち、中心点128)における接線速度が減少し、ひいては、容器クロージャ50に加えられる力が減少する。別の言い方をすると、スターホイール122は、中心点138と、スターホイール122の中心点138からスターホイール122の外縁126まで測定された第1の径方向寸法300と、スターホイール122の中心点138からスターホイールの装填ポケット124の中心点128まで測定された、より小さい第2の径方向寸法302とを有する。
【0027】
従って、開示されたスターホイール122は、公知の従来技術のスターホイール(
図6及び
図9)と比較して著しく異なる設計を有しており、容器クロージャ50の装填位置は、スターホイール122の外縁126から比較的大きな距離だけ内側に移動されており、それによって、容器クロージャ50にかかる関連する力及び応力が低減される。より具体的には、本明細書では、「外縁126から内側」とは、
図9に示すスターホイールのような既知の従来技術のスターホイール設計とは異なり、容器クロージャ50の少なくとも大部分(即ち、半分超)が外縁126の内側(即ち、外縁126に対して内側)に配置されていることを意味する。従って、
図5及び
図9に示す非限定的な例示的実施形態は、容器クロージャ50全体が、装填ポケット124内に完全に装填されたときにスターホイール122の外縁126の内側に配置されるように、容器クロージャ50を完全に受け入れるように構成された装填ポケット124を含むが、容器クロージャ50が外縁126からより少ない量だけ内側に配置される代替的な実施形態(図示せず)もまた、開示される概念の範囲内に明示的に含まれることは理解されるであろう。
図6及び
図9に示された従来技術のスターホイールを、
図5及び
図10に示されて開示されたスターホイール122と比較すると、開示されたスターホイール122の装填ポケット124の設計は、従来技術の
図6及び
図9に示されるように、装填時であっても容器クロージャがスターホイールの外縁に配置されており、故に、この外側位置に関連してより速い接線速度で回転するような浅い装填ポケットを有するような従来のスターホイール設計から大きく逸脱していることは理解できるであろう。
【0028】
他の利点の中でもとりわけ、スターホイールの装填ポケット124の内側位置にて容器クロージャ50にかかる力はより小さいことから、スターホイール122の速度を増加させることができ、故に、ライナー2をより速い処理速度で動作させて、生産量を増加させることができる。一つの非限定的な例示的実施形態によれば、ライナーが、標準的な202直径の容器クロージャをライニングするように構成された8ヘッドロータリーライナー2である場合、タレット速度は、約400回転/分(rpm)まで、又は、それを超えて増加させることができる。これは、タレット速度が約262rpmに制限されており、過大な力が加わると前述のように容器クロージャ50が損傷してしまうであろう従来のライナーと比較すると、大幅な増加である。従って、限定ではなく例として、開示されたライナー2が約375rpmのタレット速度で動作する場合、ライナー2の生産量は、約262rpmの従来の最大タレット速度で動作する従来のロータリーライナー(
図4、
図6、
図9、
図12、及び
図14)の約2,100エンド/分(epm)の生産量と比較して、約3,000epmに増加する。
【0029】
スターホイール122の前述の強化に加えて、開示されるライナー2はまた、幾つかの更なる独自の特徴を含んでおり、それらの特徴は、容器クロージャ50が、径方向及び鉛直方向の両方において「穏やかに」又は「柔らかく」(即ち、従来技術と比較して低減された力で)スターホイール122内に装填されることを可能にする。これらの特徴は、個々に、又は、組み合わせることで、容器クロージャ50に損傷を引き起こすことなく、ライナー2を従来技術のライナーよりも比較的高い速度で動作させて、生産量を更に改善することを可能にする。
【0030】
より具体的には、
図2及び
図3に示すように、ロードアセンブリ100は、好ましくは、カムアセンブリ140、ガイド部材160、及び一対の送りねじ180,182を更に含む。一対の送りねじ180,182は、ダウンスタッカ124内の容器クロージャ50(
図2に簡略化した形態で仮想線図で示す)の鉛直スタック52の底部から容器クロージャ50を取り出す(例えば、剥がす)ように構成されている。これは第1の高さ130で起こる。カムアセンブリ140及びガイド部材160は、その後、容器クロージャ50が第1の高さ130からより低い第2の高さ132に移動する際に、径方向経路を通して容器クロージャ50を案内するように構成されており、第2の高さ132は、スターホイール122の対応する装填ポケット124内の装填位置に対応している。即ち、カムアセンブリ140及びガイド部材160の少なくとも一方は、容器クロージャ50が径方向距離150にわたって第1の高さ130からより低い第2の高さ132に移動する間ずっと、容器クロージャ50の移動を完全に案内して制御するように構成されている。従来技術の
図4と
図3を比較すると理解されるように、この径方向距離150、即ち半径のリード(lead in radius)は、従来技術のライナーよりも比較的大幅に増大している。例えば、限定ではないが、開示された概念の非限定的な一実施形態例では、半径のリード150は少なくとも5度であり、好ましくは約45度である。
【0031】
引き続き
図2を参照し、更には
図13及び
図15を参照すると、例示的なガイド部材160は、第1の端部162と、第2の端部164と、それらの間に延びる円弧状本体部166とを含むことは理解されるであろう。円弧状本体部166は、対向する第1及び第2の縁部168,170を含む。ガイド部材160は、
図13に簡略化された形態で仮想線図で示すように、第1の縁部168と第2の縁部170との間で容器クロージャ50を案内するように構成されている。例示的なガイド部材160の円弧状本体部166は、第1のセグメント172及び第2のセグメント174を含んでおり、第1のセグメント172は、第1の曲率半径176を有し、第2のセグメント174は、第1の曲率半径176とは異なる第2の曲率半径178を有する。即ち、第1の曲率半径176は、第2の曲率半径178よりも鋭い、即ちより急である。この独特な構造は、ダウンスタッカ124(
図1及び
図2)における最初の供給場所146(
図2及び
図5)からスターホイールの装填ポケット124の内側位置まで容器クロージャ50を径方向内側に移動させる前述の移送を達成するように機能する。同時に、ガイド部材160のこの独特の構造はまた、容器クロージャ50がダウンスタッカ124(
図1及び
図2)の底部の供給場所146(
図2及び
図5)の第1の高さ130からスターホイールポケット124のより低い第2の高さ132へ鉛直に移行する際に、容器クロージャ50を完全に制御して案内することで、容器クロージャ50にかかる力を最小限に抑えて容器クロージャ50を保護するように機能する。スターホイール122の中心点138から測定される前述の半径のリード150も、
図13及び
図15に示されている。それ故に、開示されたロードアセンブリ100のガイド部材160は、従来技術(
図12及び
図14)とは大きく異なることは理解されるであろう。
【0032】
前述のカムアセンブリ140はまた、有益且つ独特な方法で容器クロージャ50の動きを制御して、案内する機能を果たす。具体的には、開示されたロードアセンブリ100のカムアセンブリ140は、好ましくは、
図11に最も良く示されているように、内側カム142(
図3及び
図5に部分的に示されている)と、内側カム142から離れて配置され、内側カム142との間に空間を画定する外側カム144とを含む。故に、容器クロージャ50(1つの容器クロージャ50が
図11の仮想線図に簡略化された形態で示されている)は、カムアセンブリ140が容器クロージャ50の移動を
図5に示された態様で案内して制御すると、内側及び外側カム142,144の間の空間に受容される。より具体的には、スターホイール122が回転すると、カムアセンブリ140は、ダウンスタッカ104(
図1及び
図2)における前述の供給場所146から処理アセンブリ5の移送場所148への、特に、
図3に示されているような、チャックアセンブリ6のチャック部材8への容器クロージャ50の移動を案内する。
【0033】
図5を参照すると、供給場所146は、スターホイール122の中心点138から測定される第1の半径304に配置され、移送場所148は、同様にスターホイール122の中心点138から測定されるより大きな第2の半径306に配置されることは理解されるであろう。故に、カムアセンブリ140は、
図5に示す装填経路の進行(course)にわたって、第1の半径304から第2の半径306まで、容器クロージャ50の径方向外方への移動を案内するように構成されていることは理解されるであろう。
【0034】
図2、
図3及び
図8を参照すると、開示されたロードアセンブリ100の搬送アセンブリ120は、排出場所190で処理アセンブリ5から容器クロージャ50を排出するように構成された排出ガイド200(
図2及び
図3)を更に含む。前述のタレットアセンブリ22に加えて、処理アセンブリ5は、略円形のカムトラック30を更に含む。略円形のカムトラック30(
図2及び
図8)は、チャックアセンブリ6のチャック部材8の下方に配置されて、チャック部材8に概ね対応している。動作中、略円形のカムトラック30は、放射状の処理経路40(
図8)を画定しており、この処理経路は、
図3に示すように、容器クロージャ50がスターホイール122から処理アセンブリ5の対応するチャック部材8へ移送される移送場所148から、容器クロージャ50が排出ガイド200を介して排出される排出場所190までずっと延びている。
図8に示される非限定的な例示的実施形態では、処理経路40は、180度を超える径方向角度42(
図8に示されるように測定される)に延びており、好ましくは約225度延びている。この角度42と処理経路40の関連する追加の長さとは、例えば
図7に示される従来技術のカムトラックと比較して、必要な長さの処理時間が、開示されるライナー2の増加した速度で提供されることを確実にするために必要である。
【0035】
故に、他の利点の中でも、開示されたロードアセンブリ100は、幾つかの独自の特徴を提供しており、それら特徴は、個々に又は組み合わされて機能して、容器クロージャ50に加えられる負荷を低減又は「緩和」し、それによってライナー2の動作速度を増加させることを可能にして、有利に生産量を向上させることは理解されるであろう。
【0036】
発明の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲に対する限定ではない。
【国際調査報告】