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特表2024-508597ROR1結合タンパク質及びその用途
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  • 特表-ROR1結合タンパク質及びその用途 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ROR1結合タンパク質及びその用途
(51)【国際特許分類】
   C07K 16/28 20060101AFI20240220BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20240220BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 15/62 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240220BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240220BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240220BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C07K16/28 ZNA
C07K19/00
C07K14/705
C12N15/12
C12N15/13
C12N15/62
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
A61K39/395 N
A61P35/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541591
(86)(22)【出願日】2022-02-28
(85)【翻訳文提出日】2023-07-07
(86)【国際出願番号】 CN2022078327
(87)【国際公開番号】W WO2022188652
(87)【国際公開日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】202110255430.8
(32)【優先日】2021-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519006104
【氏名又は名称】四川科倫博泰生物医薬股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SICHUAN KELUN-BIOTECH BIOPHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.666, Xinhua Avenue (Section 2), Hai Xia Industrial Park, Wenjiang District, Chengdu, Sichuan 611138, China
(71)【出願人】
【識別番号】521218456
【氏名又は名称】クラス・ファーマ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】田 ▲海▼▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲揚▼▲徳▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲イン▼▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 志▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】▲ウ▼ 文慧
【テーマコード(参考)】
4B065
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA01X
4B065AA57X
4B065AA72X
4B065AA90X
4B065AA90Y
4B065AB01
4B065BA02
4B065CA43
4B065CA44
4C085AA14
4C085AA16
4C085BB01
4C085BB11
4C085CC02
4C085DD62
4C085EE01
4C085GG01
4H045AA11
4H045AA20
4H045AA30
4H045AA40
4H045BA09
4H045BA10
4H045BA50
4H045BA56
4H045BA70
4H045BA71
4H045DA50
4H045DA76
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、疾患治療の分野に関し、具体的には、抗ROR1抗体又はその抗原結合断片、それらをコードする核酸分子及びそれらを製造する方法に関する。本発明の抗ROR1抗体又はその抗原結合断片は、ROR1に対して高い特異性及び高い親和性を有し、ROR1に効果的に結合し、かつROR1発現細胞の死滅を媒介することができる。したがって、本発明は、さらに、前記抗体又はその抗原結合断片を含む医薬組成物、及び腫瘍を予防及び/又は治療する薬物の製造におけるそれらの用途に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ROR1に特異的に結合する抗体又はその抗原結合断片であって、
(a)SEQ ID NO:1、102~106のいずれか1つに示された重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は、
SEQ ID NO:2、107~110のいずれか1つに示された軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、
又は、
(b)SEQ ID NO:3、84~86のいずれか1つに示された重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は、
SEQ ID NO:4、87~101のいずれか1つに示された軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、
又は、
(c)SEQ ID NO:5、111~115のいずれか1つに示された重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は、
SEQ ID NO:6、107、116~118のいずれか1つに示された軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、
又は、
(d)下記重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は下記軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3という相補性決定領域(CDRs)を含み、前記重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)は、(a)~(c)のいずれか1つに記載の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域と比較して、少なくとも1つのCDRが、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個又は3個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)である変異を含み、好ましくは、前記置換は、保存的置換であり、
好ましくは、前記CDRは、Chothia、AbM、Kabat又はIMGT番号付けシステムにより定義され、
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、ヒトROR1に結合する、抗体又はその抗原結合断片。
【請求項2】
(1)CDRがChothia番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48~55のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56~58のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32~34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21~23、77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75~77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、或いは、
(2)CDRがAbM番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48~55のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56~58のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17~19のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21~23、77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75~77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(3)CDRがKabat番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61~63のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48~55のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56~58のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28~30のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21~23、77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24~25のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80又は81に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75~77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(4)CDRがIMGT番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:38~42のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:8~10のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12又は13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:66に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:67に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:68に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:69又は70に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:71に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(5)(1)又は(4)における(a)~(c)のいずれか1つに記載の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域と比較して、少なくとも1つのCDRが、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個又は3個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)である変異を含む重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)、を含み、好ましくは、前記置換は、保存的置換であり、
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、ヒトROR1に結合する、請求項1に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項3】
(i)CDRがChothia番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:52に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:53に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:54に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:55に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(14)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:33に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(15)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:33に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(16)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:33に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(17)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(18)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(19)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(20)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(21)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(22)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(ii)CDRがAbM番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:52に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:53に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:54に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:55に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(14)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:18に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(15)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:18に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(16)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:18に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(17)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:19に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(18)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:19に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(19)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:19に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(20)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(21)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(22)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(iii)CDRがKabat番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(14)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(15)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(16)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:52に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(17)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:53に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(18)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:54に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(19)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:55に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(20)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(21)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(22)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(23)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(24)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:29に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(25)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:29に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(26)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:29に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(27)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:30に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(28)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:30に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(29)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:30に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(30)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(31)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:81に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(32)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:81に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(33)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(34)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(iv)CDRがIMGT番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:38に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:39に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:40に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:41に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:42に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:8に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:8に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:9に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:9に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:10に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:10に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:66に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:67に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:68に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:69に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:71に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:66に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:67に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:68に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:70に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:71に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
或いは、
(v)(i)~(iv)のいずれか1つに記載のCDR領域と比較して、少なくとも1つのCDRが、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個又は3個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)である変異を含む重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)、を含み、好ましくは、前記置換は、保存的置換であり、
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、ヒトROR1に結合する、請求項1又は2に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項4】
(a)SEQ ID NOs:1、102~106のいずれか1つに示されたVH配列又はその変異体、及び/又は、SEQ ID NOs:2、107~110のいずれか1つに示されたVL配列又はその変異体と、
(b)SEQ ID NOs:3、84~86のいずれか1つに示されたVH配列又はその変異体、及び/又は、SEQ ID NOs:4、87~101のいずれか1つに示されたVL配列又はその変異体と、
(c)SEQ ID NOs:5、111~115のいずれかに示されたVH配列又はその変異体、及び/又は、SEQ ID NOs:6、107、116~118のいずれかに示されたVL配列又はその変異体と、から選択されるいずれか1組の重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)を含み、
前記変異体は、その由来する配列と比較して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、或いは、前記変異体は、その由来する配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有し、好ましくは、前記置換は、保存的置換である、請求項1~3のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項5】
(1)SEQ ID NO:1に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:2に示された配列のVL又はその変異体と、
(2)SEQ ID NO:3に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:4に示された配列のVL又はその変異体と、
(3)SEQ ID NO:5に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:6に示された配列のVL又はその変異体と、
(4)SEQ ID NO:84に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:87に示された配列のVL又はその変異体と、
(5)SEQ ID NO:84に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:88に示された配列のVL又はその変異体と、
(6)SEQ ID NO:84に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:89に示された配列のVL又はその変異体と、
(7)SEQ ID NO:84に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:90に示された配列のVL又はその変異体と、
(8)SEQ ID NO:84に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:91に示された配列のVL又はその変異体と、
(9)SEQ ID NO:85に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:87に示された配列のVL又はその変異体と、
(10)SEQ ID NO:85に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:88に示された配列のVL又はその変異体と、
(11)SEQ ID NO:85に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:92に示された配列のVL又はその変異体と、
(12)SEQ ID NO:85に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:90に示された配列のVL又はその変異体と、
(13)SEQ ID NO:85に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:91に示された配列のVL又はその変異体と、
(14)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:87に示された配列のVL又はその変異体と、
(15)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:88に示された配列のVL又はその変異体と、
(16)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:89に示された配列のVL又はその変異体と、
(17)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:90に示された配列のVL又はその変異体と、
(18)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:91に示された配列のVL又はその変異体と、
(19)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:92に示された配列のVL又はその変異体と、
(20)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:93に示された配列のVL又はその変異体と、
(21)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:94に示された配列のVL又はその変異体と、
(22)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:95に示された配列のVL又はその変異体と、
(23)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:96に示された配列のVL又はその変異体と、
(24)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:97に示された配列のVL又はその変異体と、
(25)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:98に示された配列のVL又はその変異体と、
(26)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:99に示された配列のVL又はその変異体と、
(27)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:100に示された配列のVL又はその変異体と、
(28)SEQ ID NO:86に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:101に示された配列のVL又はその変異体と、
(29)SEQ ID NO:102に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(30)SEQ ID NO:102に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL又はその変異体と、
(31)SEQ ID NO:102に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL又はその変異体と、
(32)SEQ ID NO:102に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL又はその変異体と、
(33)SEQ ID NO:103に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(34)SEQ ID NO:103に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL又はその変異体と、
(35)SEQ ID NO:103に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL又はその変異体と、
(36)SEQ ID NO:103に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL又はその変異体と、
(37)SEQ ID NO:104に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(38)SEQ ID NO:104に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL又はその変異体と、
(39)SEQ ID NO:104に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL又はその変異体と、
(40)SEQ ID NO:104に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL又はその変異体と、
(41)SEQ ID NO:105に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(42)SEQ ID NO:105に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL又はその変異体と、
(43)SEQ ID NO:105に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL又はその変異体と、
(44)SEQ ID NO:105に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL又はその変異体と、
(45)SEQ ID NO:106に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(46)SEQ ID NO:106に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL又はその変異体と、
(47)SEQ ID NO:106に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL又はその変異体と、
(48)SEQ ID NO:106に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL又はその変異体と、
(49)SEQ ID NO:111に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(50)SEQ ID NO:111に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL又はその変異体と、
(51)SEQ ID NO:111に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL又はその変異体と、
(52)SEQ ID NO:111に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL又はその変異体と、
(53)SEQ ID NO:112に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(54)SEQ ID NO:112に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL又はその変異体と、
(55)SEQ ID NO:112に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL又はその変異体と、
(56)SEQ ID NO:112に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL又はその変異体と、
(57)SEQ ID NO:113に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(58)SEQ ID NO:113に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL又はその変異体と、
(59)SEQ ID NO:113に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL又はその変異体と、
(60)SEQ ID NO:113に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL又はその変異体と、
(61)SEQ ID NO:114に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(62)SEQ ID NO:114に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL又はその変異体と、
(63)SEQ ID NO:114に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL又はその変異体と、
(64)SEQ ID NO:114に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL又はその変異体と、
(65)SEQ ID NO:115に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL又はその変異体と、
(66)SEQ ID NO:115に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL又はその変異体と、
(67)SEQ ID NO:115に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL又はその変異体と、
(68)SEQ ID NO:115に示された配列のVH又はその変異体、及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL又はその変異体と、から選択されるいずれか1組の重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)を含み、
前記変異体は、その由来する配列と比較して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、或いは、前記変異体は、その由来する配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有し、好ましくは、前記置換は、保存的置換である、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項6】
マウス由来抗体、キメラ抗体又はヒト化抗体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項7】
前記抗体又はその抗原結合断片は、
(a)ヒト免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)、又は、その由来する野生型配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、多くとも20個、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有するその変異体と、
(b)ヒト免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)、又は、その由来する野生型配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、多くとも20個、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有するその変異体と、をさらに含み、
好ましくは、前記重鎖定常領域は、IgG重鎖定常領域、例えばIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4重鎖定常領域であり、
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、
(1)ヒトIgG1重鎖定常領域と、
(2)ヒトIgG4重鎖定常領域と、から選択される重鎖定常領域を含み、
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、SEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)又はその変異体を含み、前記変異体は、SEQ ID NO:119と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有し、
好ましくは、前記軽鎖定常領域は、κ軽鎖定常領域であり、
好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、SEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)又はその変異体を含み、前記変異体は、SEQ ID NO:120と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有し、
より好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、SEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項8】
前記抗体は、
(1)SEQ ID NO:1に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:2に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(2)SEQ ID NO:3に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:4に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(3)SEQ ID NO:5に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:6に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(4)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:87に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(5)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:88に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(6)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:89に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(7)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:90に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(8)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:91に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(9)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:87に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(10)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:88に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(11)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:92に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(12)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:90に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(13)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:91に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(14)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:87に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(15)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:88に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(16)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:89に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(17)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:90に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(18)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:91に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(19)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:92に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(20)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:93に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(21)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:94に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(22)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:95に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(23)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:96に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(24)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:97に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(25)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:98に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(26)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:99に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(27)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:100に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(28)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:101に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(29)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(30)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(31)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(32)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(33)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(34)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(35)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(36)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(37)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(38)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(39)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(40)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(41)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(42)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(43)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(44)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(45)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(46)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(47)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(48)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(49)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(50)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(51)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(52)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(53)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(54)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(55)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(56)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(57)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(58)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(59)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(60)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(61)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(62)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(63)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(64)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(65)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(66)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(67)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、
(68)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)を含む重鎖、及び、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む軽鎖と、から選択されるいずれか1組である、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項9】
ScFv、Fab、Fab’、(Fab’)、Fv断片、ジスルフィド結合で連結されたFv(dsFv)、ダイアボディ(diabody)、二重特異性抗体及び多重特異性抗体から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項10】
標識が付され、好ましくは、検出可能な標識、例えば酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、放射性核種、蛍光染料、発光物質(例えば、化学発光物質)又はビオチンが付される、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項11】
前記抗体又はその抗原結合断片は、
約500nM未満、例えば、約100nM、10nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM以下のEC50でROR1(例えば、ヒトROR1)に結合し、好ましくは、前記EC50がフローサイトメトリー法又は細胞競合ELISA法により測定され、及び/又は、
約100nM未満、例えば、約50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、1nM、0.1nM以下のKDでROR1(例えば、ヒトROR1)に結合し、好ましくは、前記KDがバイオレイヤー干渉法(BLI)により測定され、
好ましくは、ROR2(例えば、ヒトROR2)に結合せず、
好ましくは、ADCC及び/又はCDC活性を有し、
より好ましくは、増強されたADCC及び/又はCDC活性を有するという特徴を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、その重鎖及び/又は軽鎖、又はその重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域をコードし、
好ましくは、前記コードされた抗体又はその抗原結合断片、その重鎖及び/又は軽鎖、又はその重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域は、請求項1~5のいずれか一項に定義された重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域を含む、単離された核酸分子。
【請求項13】
抗体重鎖可変領域をコードする核酸分子、及び/又は、抗体軽鎖可変領域をコードする核酸分子を含み、
前記抗体重鎖可変領域をコードする核酸分子は、
(a)SEQ ID NO:121、123、125、127~129、145~149、及び154~158に示されたヌクレオチド配列、
(b)(a)に記載のヌクレオチド配列と実質的に同一の配列(例えば、(a)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1個以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は、
(c)(a)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個以下のヌクレオチドが異なる配列、から選択され、及び/又は、
前記抗体軽鎖可変領域をコードする核酸分子は、
(d)SEQ ID NO:122、124、126、130~144、150~153、及び159~161に示されたヌクレオチド配列、
(e)(d)に記載のヌクレオチド配列と実質的に同一の配列(例えば、(d)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1個以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は、
(f)(d)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個以下のヌクレオチドが異なる配列、から選択される、請求項12に記載の単離された核酸分子。
【請求項14】
抗体重鎖定常領域をコードする核酸分子、及び/又は、抗体軽鎖定常領域をコードする核酸分子を含み、
前記抗体重鎖定常領域をコードする核酸分子は、
(a)SEQ ID NO:59に示されたヌクレオチド配列、
(b)(a)に記載のヌクレオチド配列と実質的に同一の配列(例えば、(a)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1個以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は、
(c)(a)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個以下のヌクレオチドが異なる配列、から選択され、及び/又は、
前記抗体軽鎖定常領域をコードする核酸分子は、
(d)SEQ ID NO:26に示されたヌクレオチド配列、
(e)(d)に記載のヌクレオチド配列と実質的に同一の配列(例えば、(d)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1個以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は、
(f)(d)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個以下のヌクレオチドが異なる配列、から選択される、請求項12又は13に記載の単離された核酸分子。
【請求項15】
請求項12~14のいずれか一項に記載の核酸分子を含むベクターであって、好ましくは、前記ベクターは、クローニングベクター又は発現ベクターである、ベクター。
【請求項16】
請求項12~14のいずれか一項に記載の核酸分子又は請求項15に記載のベクターを含む、宿主細胞。
【請求項17】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片を製造する方法であって、前記抗体又はその抗原結合断片の発現を可能にする条件下で、請求項16に記載の宿主細胞を培養し、培養された宿主細胞の培養物から前記抗体又はその抗原結合断片を回収することを含む、方法。
【請求項18】
抗体又はその抗原結合断片及びカップリング部分を含み、前記抗体は、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片である、複合体。
【請求項19】
前記カップリング部分は、検出可能な標識又は第2の生物学的機能性断片から選択され、
好ましくは、前記検出可能な標識は、放射性同位体、蛍光物質、発光物質、有色物質、及び酵素から選択されたいずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせであり、
好ましくは、前記第2の生物学的機能性断片は、結合活性を有するポリペプチド、タンパク質、受容体又は配位子、ポリエチレングリコール(PEG)、核種、核酸、小分子毒素から選択されたいずれか1つ又はそれらの任意の組み合わせである、請求項18に記載の複合体。
【請求項20】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)と、膜貫通ドメインと、1つ又は複数の細胞内T細胞シグナル伝達ドメインとを含む、キメラ抗原受容体。
【請求項21】
一次抗体又はその断片と、他の抗体又はその断片、又は抗体類似体とをカップリングして形成された多重特異性抗体であって、各抗体又はその断片又は抗体類似体は、元の結合特異性を保持し、前記一次抗体又はその断片は、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片であり、好ましくは、前記多重特異性抗体は、二重特異性抗体、三重特異性抗体又は四重特異性抗体である、多重特異性抗体。
【請求項22】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、又は請求項15に記載のベクター、又は請求項16に記載の宿主細胞、又は請求項18又は19に記載の複合体、又は請求項20に記載のキメラ抗原受容体、又は請求項21に記載の多重特異性抗体と、薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤とを含む医薬組成物であって、
好ましくは、医薬組成物は、他の薬学的活性剤をさらに含み、
より好ましくは、前記他の薬学的活性剤は、抗腫瘍活性を有する薬物であり、
より好ましくは、前記他の薬学的活性剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、B細胞抗原阻害剤、BTK阻害剤、及び化学療法薬から選択される1種又は複数種であり、
より好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片と前記他の薬学的活性剤とは、単離された成分又は同一の組成物の成分として提供され、
より好ましくは、前記他の薬学的活性剤は、抗PD1/PD-L1抗体、抗CD20抗体、抗EGFR抗体から選択される1種又は複数種である、医薬組成物。
【請求項23】
前記医薬組成物中の抗体又はその抗原結合断片は、被験者において、
(a)腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、
(b)腫瘍細胞の成長、増殖、分化、及び/又は血管形成を阻害し、
(c)補体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(d)抗体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(e)ROR1の発現及び活性化を阻害し、
(f)ROR1媒介性の細胞シグナル伝達を阻害し、
(g)ROR1媒介性の疾患/病症を予防及び/又は治療し、又は、
(h)(a)~(g)の任意の組み合わせに用いられる、請求項22に記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、又は請求項15に記載のベクター、又は請求項16に記載の宿主細胞、又は請求項18又は19に記載の複合体、又は請求項20に記載のキメラ抗原受容体、又は請求項21に記載の多重特異性抗体、又は請求項22~23のいずれか一項に記載の医薬組成物と、任意選択で使用説明書とを含む、診断用又は治療用キット。
【請求項25】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、又は請求項15に記載のベクター、又は請求項16に記載の宿主細胞、又は請求項18又は19に記載の複合体、又は請求項20に記載のキメラ抗原受容体、又は請求項21に記載の多重特異性抗体、又は請求項22~23のいずれか一項に記載の医薬組成物の、腫瘍の予防及び/又は治療及び/又は補助的治療用薬物の製造における用途であって、
好ましくは、請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、又は請求項15に記載のベクター、又は請求項16に記載の宿主細胞、又は請求項18又は19に記載の複合体、又は請求項20に記載のキメラ抗原受容体、又は請求項21に記載の多重特異性抗体と、他の薬学的活性剤とは、別々に、組み合わせて、同時に、又は相次いで投与され、
より好ましくは、前記他の薬学的活性剤は、抗腫瘍活性を有する薬物であり、
より好ましくは、前記他の薬学的活性剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、B細胞抗原阻害剤、BTK阻害剤、及び化学療法薬から選択される1種又は複数種であり、
より好ましくは、前記他の薬学的活性剤は、抗PD1/PD-L1抗体、抗CD20抗体、抗EGFR抗体から選択される1種又は複数種である、用途。
【請求項26】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、又は請求項15に記載のベクター、又は請求項16に記載の宿主細胞、又は請求項18又は19に記載の複合体、又は請求項20に記載のキメラ抗原受容体、又は請求項21に記載の多重特異性抗体、又は請求項22~23のいずれか一項に記載の医薬組成物の、薬物の製造における用途であって、
前記薬物は、
(a)腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、
(b)腫瘍細胞の成長、増殖、分化、及び/又は血管形成を阻害し、
(c)補体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(d)抗体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(e)ROR1の発現及び活性化を阻害し、
(f)ROR1媒介性の細胞シグナル伝達を阻害し、
(g)ROR1媒介性の疾患/病症を予防及び/又は治療し、又は、
(h)(a)~(g)の任意の組み合わせに用いられる、用途。
【請求項27】
前記腫瘍は、ROR1陽性腫瘍であり、
好ましくは、前記腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される、請求項25又は26に記載の用途。
【請求項28】
必要がある被験者に有効量の請求項22~23のいずれか一項に記載の医薬組成物を投与することを含む、被験者において腫瘍を予防及び/又は治療し、及び/又は腫瘍の進行を遅延させ、及び/又は腫瘍の再発を低減又は阻害する方法。
【請求項29】
前記被験者に、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法、遺伝子療法、DNA療法、RNA療法、ナノ療法、ウイルス療法、補助療法及びそれらの任意の組み合わせから選択される第2の療法を施すことをさらに含み、
好ましくは、前記第2の療法は、請求項28に記載の方法と別々に、組み合わせて、同時又は相次いで施すことができる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記腫瘍は、ROR1陽性腫瘍であり、
好ましくは、前記腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される、請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
試料中のROR1の存在又はそのレベルを検出する方法であって、
前記試料と請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片とを、前記抗体又はその抗原結合断片とROR1が複合物を形成することを可能にする条件下で、接触させ、前記複合物の形成を検出することを含む、方法。
【請求項32】
請求項1~11のいずれか一項に記載の抗体又はその抗原結合断片、請求項18又は19に記載の複合体、請求項20に記載の多重特異性抗体の、診断用キットの製造における用途であって、
前記診断用キットは、腫瘍又は腫瘍の転移を診断又は鑑別し、
好ましくは、前記腫瘍は、ROR1陽性腫瘍であり、
好ましくは、前記腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される、用途。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用モノクローナル抗体の分野に属し、より具体的には、ROR1に対する抗体に関し、さらに、前記抗体の、疾患の治療における用途に関する。
【背景技術】
【0002】
受容体チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase、RTKs)は、サイトカイン、成長因子、ホルモン及び他のシグナル分子受容体に作用する多官能基性膜貫通タンパク質であり、成長、分化、血管形成及び様々な癌の進展を含む様々な細胞過程において重要な役割を果たす。受容体チロシンキナーゼ様オーファン受容体1(receptor tyrosine kinase-like orphan receptor 1、ROR1)は、受容体RTKsファミリーの1つのメンバーであり、成長因子受容体のチロシンキナーゼドメインと非常に高い相同性を有し、胚発生中に低発現し、様々な白血病、非ホジキンリンパ腫、乳癌、卵巣癌、黒色腫、肺癌などを含む様々な実体腫瘍及び血液悪性腫瘍に高発現する。したがって、ROR1は、広域抗癌能力を有する新薬標的である。
【0003】
近年、単鎖断片可変抗体(single-chain fragment variables、scFvs)、キメラ抗体(chimeric antibody)、Fab系抗体、抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate、ADC)、キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor、CAR)及び二重特異性抗体(bispecific antibody、BiAb)などを含むROR1を標的とする遺伝子操作抗体は、腫瘍免疫治療の研究に次々と開発されている。現在、研究が速く進んでいる抗ROR1単クローン抗体は、Oncternal Therapeutics社のcirmtuzumabであり、臨床データによると、高い抗癌効果を有し、慢性白血病腫瘍細胞の増殖、遊走及び生存をよく阻害することができる。
【0004】
現在、ROR1を標的とする抗体薬物がまだ市販されないため、より高い特異性、より低い毒性や副作用、より優れた臨床薬効、より便利な投与方式を有する抗ROR1抗体を開発することは、切実に必要であり、これは、患者により多くの投与選択を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願において、発明者らは、まず、ROR2に結合することなくROR1を特異的に認識/結合することができる、優れた性質を有するマウス由来抗体を開発した。その上で、発明者らは、大量の創造的な労力をして、該マウス由来抗体を鋭意研究して改造して、該マウス由来抗体のキメラ抗体及びヒト化抗体を開発した。本発明のヒト化抗体は、非常に高いヒト化レベルを有するだけでなく、マウス由来抗体及びヒトマウスキメラ抗体(キメラ抗体がマウス由来抗体と全く同じ重鎖可変領域及び軽鎖可変領域を有する)と実質的に同一の(又はさらに優れた)生物学的機能を有する。
【0006】
したがって、本発明の抗体(特にヒト化抗体)は、特に有利であり、親マウス由来抗体の機能及び性質を維持するだけでなく、例えば、ROR1に高い親和性及び特異性で結合するため、腫瘍を予防及び治療する能力を有する。また、本発明の抗体は、細胞表面のROR1に結合するとき、ROR1媒介性のエンドサイトーシスをより効果的に誘導できるため、標的治療のベクターとすることができる。本発明のヒト化抗体は、非常に高いヒト化レベルを有するため、免疫原性反応を誘発することなくヒト被験者に安全に投与することができる。したがって、本発明の抗体は、重大な臨床的価値を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の抗体について
一態様では、本発明は、ROR1に特異的に結合できる抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、本発明は、ROR1細胞外ドメイン(ECD)に特異的に結合できる抗体又はその抗原結合断片を提供する。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、
(a)SEQ ID NO:1、102~106のいずれか1つに示された重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は、
SEQ ID NO:2、107~110のいずれか1つに示された軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、
又は、
(b)SEQ ID NO:3、84~86のいずれか1つに示された重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は、
SEQ ID NO:4、87~101のいずれか1つに示された軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、
又は、
(c)SEQ ID NO:5、111~115のいずれか1つに示された重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は、
SEQ ID NO:6、107、116~118のいずれか1つに示された軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、
又は、
(d)下記重鎖可変領域(VH)に含まれるCDR-H1、CDR-H2及びCDR-H3、及び/又は下記軽鎖可変領域(VL)に含まれるCDR-L1、CDR-L2及びCDR-L3、という相補性決定領域(CDRs)を含み、前記重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)は、(a)~(c)のいずれか1つに記載の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域と比較して、少なくとも1つのCDRが、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個又は3個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)である変異を含み、好ましくは、前記置換は、保存的置換である。
【0010】
いくつかの好ましい実施形態では、前記CDRは、Chothia、AbM、Kabat又はIMGT番号付けシステムにより定義され、好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片のVH及び/又はVLは、ヒト又はマウス由来の免疫グロブリンのフレームワーク領域(FRs)を含み、好ましくは、前記抗体又はその抗原結合断片は、ヒトROR1に結合する。
【0011】
いくつかの実施形態では、ROR1に特異的に結合できる抗体又はその抗原結合断片を提供し、前記抗体又はその抗原結合断片は、重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、CDRがChothia番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48~55のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56~58のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32~34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21~23、77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75~77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、CDRがChothia番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:52に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:53に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:54に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:64に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:65に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:55に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:32に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(14)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:33に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(15)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:33に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(16)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:33に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(17)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(18)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(19)配列SEQ ID NO:31に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:34に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(20)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(21)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(22)配列SEQ ID NO:82に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:83に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、CDRがAbM番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48~55のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56~58のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17~19のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21~23、77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75~77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、CDRがAbM番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:52に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:53に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:54に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:45に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:46に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:55に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:17に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(14)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:18に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(15)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:18に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(16)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:18に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(17)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:19に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(18)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:19に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(19)配列SEQ ID NO:16に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:19に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(20)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(21)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(22)配列SEQ ID NO:72に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:73に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、CDRがKabat番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61~63のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48~55のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56~58のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28~30のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21~23、77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24~25のいずれか1つに示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80又は81に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75~77のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24又は78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、CDRがKabat番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:62に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:63に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:48に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:49に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:57に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(14)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:50に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:58に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(15)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:51に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(16)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:52に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(17)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:53に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(18)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:54に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(19)配列SEQ ID NO:60に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:61に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:47に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:55に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:56に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(20)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:21に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(21)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(22)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(23)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:28に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(24)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:29に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(25)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:29に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(26)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:29に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(27)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:30に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(28)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:30に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:22に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(29)配列SEQ ID NO:27に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:30に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:20に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:23に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:25に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(30)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:75に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:24に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(31)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:81に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(32)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:81に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(33)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:77に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(34)配列SEQ ID NO:79に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:80に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:74に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:76に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:78に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、CDRがIMGT番号付けシステムにより定義された、
(a)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:38~42のいずれか1つに示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(b)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:8~10のいずれか1つに示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12又は13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(c)配列SEQ ID NO:66に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:67に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:68に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:69又は70に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:71に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、CDRがIMGT番号付けシステムにより定義された、
(1)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:38に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(2)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:39に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(3)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:40に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(4)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:41に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(5)配列SEQ ID NO:35に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:36に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:37に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:42に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:43に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:44に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(6)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:8に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(7)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:8に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(8)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:9に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(9)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:9に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(10)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:10に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:12に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(11)配列SEQ ID NO:7に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:10に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:11に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:13に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:14に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(12)配列SEQ ID NO:66に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:67に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:68に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:69に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:71に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、
又は、
(13)配列SEQ ID NO:66に示されたCDR-H1と、配列SEQ ID NO:67に示されたCDR-H2と、配列SEQ ID NO:68に示されたCDR-H3と、の3つのCDRを含む重鎖可変領域(VH)、及び/又は、
配列SEQ ID NO:70に示されたCDR-L1と、配列SEQ ID NO:71に示されたCDR-L2と、配列SEQ ID NO:15に示されたCDR-L3と、の3つのCDRを含む軽鎖可変領域(VL)、を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、CDRが前述のChothia、AbM、Kabat又はIMGTにより定義された(1)~(13)のいずれか1つに記載の重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域と比較して、少なくとも1つのCDRが、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個又は3個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)である変異を含む重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)を含み、好ましくは、前記置換は、保存的置換である。
【0021】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片のVHは、マウス免疫グロブリン由来の重鎖可変領域(VH)フレームワーク領域(FR)を含み、及び/又は、前記抗体又はその抗原結合断片のVLは、マウス免疫グロブリン由来の軽鎖可変領域(VL)フレームワーク領域(FR)を含む。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、マウス由来である。
【0022】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片のVHは、ヒト免疫グロブリン由来の重鎖可変領域(VH)フレームワーク領域(FR)を含み、及び/又は、前記抗体又はその抗原結合断片のVLは、ヒト免疫グロブリン由来の軽鎖可変領域(VL)フレームワーク領域(FR)を含む。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、ヒト化のものである。このような実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片の重鎖可変領域FR及び/又は軽鎖可変領域FRは、1つ又は複数の非ヒト由来(例えば、マウス由来)のアミノ酸残基を含んでもよく、例えば、前記重鎖フレームワーク領域FR及び/又は軽鎖フレームワーク領域FRは、対応するマウス由来アミノ酸残基を有する1つ又は複数のアミノ酸の復帰変異を含んでよい。
【0023】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、
(a)ヒト免疫グロブリンの重鎖フレームワーク領域、又は、その由来する生殖細胞系列抗体遺伝子配列と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有するその変異体、及び/又は、
(b)ヒト免疫グロブリンの軽鎖フレームワーク領域、又は、その由来する生殖細胞系列抗体遺伝子配列と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有するその変異体、を含む。
【0024】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片のヒト化レベルは、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%である。
【0025】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、
(a)
(i)SEQ ID NOs:1、3、5、84~86、102~106、111~115のいずれか1つに示された配列、
(ii)SEQ ID NOs:1、3、5、84~86、102~106、111~115のいずれか1つに示された配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有する配列、又は、
(iii)SEQ ID NOs:1、3、5、84~86、102~106、111~115のいずれか1つに示された配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列、から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変領域(VH)、
及び/又は、
(b)
(iv)SEQ ID NOs:2、4、6、87~101、107~110、116~118のいずれか1つに示された配列、
(v)SEQ ID NOs:2、4、6、87~101、107~110、116~118のいずれか1つに示された配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有する配列、又は、
(vi)SEQ ID NOs:2、4、6、87~101、107~110、116~118のいずれか1つに示された配列と少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列、から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域(VL)を含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、SEQ ID NOs:1、3、5、84~86、102~106、111~115のいずれか1つに示されたVH配列、及び/又は、SEQ ID NOs:2、4、6、87~101、107~110、116~118のいずれか1つに示されたVL配列という重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)を有する。
【0027】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、SEQ ID NOs:86、102、114のいずれか1つに示されたVH配列、及び/又は、SEQ ID NOs:92、107、117のいずれか1つに示されたVL配列という重鎖可変領域(VH)及び/又は軽鎖可変領域(VL)を有する。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片のVH及び/又はVLは、SEQ ID NO:86、102、114のいずれか1つに示されたVH配列及び/又はSEQ ID NO:92、107、117のいずれか1つに示されたVL配列と比較して、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片のVH及び/又はVLは、SEQ ID NO:86、102、114のいずれか1つに示されたVH配列及び/又はSEQ ID NO:92、107、117のいずれか1つに示されたVL配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有する。好ましい実施形態では、前記置換は、保存的置換である。
【0030】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、
(1)SEQ ID NO:1に示された配列のVH及びSEQ ID NO:2に示された配列のVL、
(2)SEQ ID NO:3に示された配列のVH及びSEQ ID NO:4に示された配列のVL、
(3)SEQ ID NO:5に示された配列のVH及びSEQ ID NO:6に示された配列のVL、
(4)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:87に示された配列のVL、
(5)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:88に示された配列のVL、
(6)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:89に示された配列のVL、
(7)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:90に示された配列のVL、
(8)SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:91に示された配列のVL、
(9)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:87に示された配列のVL、
(10)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:88に示された配列のVL、
(11)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:92に示された配列のVL、
(12)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:90に示された配列のVL、
(13)SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:91に示された配列のVL、
(14)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:87に示された配列のVL、
(15)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:88に示された配列のVL、
(16)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:89に示された配列のVL、
(17)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:90に示された配列のVL、
(18)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:91に示された配列のVL、
(19)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:92に示された配列のVL、
(20)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:93に示された配列のVL、
(21)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:94に示された配列のVL、
(22)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:95に示された配列のVL、
(23)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:96に示された配列のVL、
(24)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:97に示された配列のVL、
(25)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:98に示された配列のVL、
(26)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:99に示された配列のVL、
(27)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:100に示された配列のVL、
(28)SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:101に示された配列のVL、
(29)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(30)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL、
(31)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL、
(32)SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL、
(33)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(34)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL、
(35)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL、
(36)SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL、
(37)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(38)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL、
(39)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL、
(40)SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL、
(41)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(42)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL、
(43)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL、
(44)SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL、
(45)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(46)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:108に示された配列のVL、
(47)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:109に示された配列のVL、
(48)SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:110に示された配列のVL、
(49)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(50)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL、
(51)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL、
(52)SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL、
(53)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(54)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL、
(55)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL、
(56)SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL、
(57)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(58)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL、
(59)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL、
(60)SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL、
(61)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(62)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL、
(63)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL、
(64)SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:118に示された配列のVL、
(65)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:107に示された配列のVL、
(66)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:116に示された配列のVL、
(67)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:117に示された配列のVL、及び、
(68)SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:118に示された配列のVLを含む。
【0031】
いくつかの好ましい実施形態では、(1)~(68)のいずれか1組と比較して、前記重鎖可変領域(VH)は、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有し、及び/又は、前記軽鎖可変領域(VL)は、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する。
【0032】
いくつかの好ましい実施形態では、(1)~(68)のいずれか1組と比較して、前記重鎖可変領域(VH)は、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有し、及び/又は、前記軽鎖可変領域(VL)は、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有し、好ましくは、前記置換は、保存的置換である。
【0033】
以上のいずれかの態様では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、哺乳動物(例えば、マウス又はヒト)免疫グロブリン由来の定常領域配列又はその変異体を更に含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片の重鎖は、ヒト又はマウス免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体を含み、前記変異体は、その由来する野生型配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、多くとも20個、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有し、及び/又は、本発明の抗体又はその抗原結合断片の軽鎖は、ヒト又はマウス免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異体を含み、前記変異体は、その由来する野生型配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、多くとも20個、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有する。
【0034】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片の重鎖は、ヒト免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体を含み、前記変異体は、その由来する野生型配列と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有し、及び/又は、本発明の抗体又はその抗原結合断片の軽鎖は、ヒト免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異体を含み、前記変異体は、その由来する野生型配列と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片の重鎖は、マウス免疫グロブリンの重鎖定常領域(CH)又はその変異体を含み、前記変異体は、その由来する野生型配列と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有し、及び/又は、本発明の抗体又はその抗原結合断片の軽鎖は、マウス免疫グロブリンの軽鎖定常領域(CL)又はその変異体を含み、前記変異体は、その由来する野生型配列と比較して、多くとも20個のアミノ酸の保存的置換(例えば、多くとも15個、多くとも10個又は多くとも5個のアミノ酸の保存的置換、例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の保存的置換)を有する。
【0036】
いくつかの実施形態では、定常領域を変化させ、例えば変異させて、抗ROR1抗体分子の性質を修飾する(例えば、Fc受容体結合、抗体グリコシル化、システイン残基の数、エフェクター細胞機能又は補体機能のうちの1つ以上の特性を変化させる)。抗体定常領域内の少なくとも1つのアミノ酸残基を異なる残基に置換することにより、機能を変化させることができ、例えば、エフェクター配位子(FcR又は補体C1q)に対する抗体の親和性を変化させて、エフェクター機能を変化させる(例えば、強化する)ことができる。抗体のFc領域は、いくつかの重要なエフェクター機能、例えば、ADCC、食作用、CDCなどを媒介する。いくつかの場合、これらのエフェクター機能は、治療用抗体に必要である。
【0037】
いくつかの実施形態では、抗ROR1抗体分子は、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgM、IgA1、IgA2、IgD及びIgEの重鎖定常領域から選択され、具体的に、例えば、IgG1、IgG2、IgG3及びIgG4の重鎖定常領域から選択され、より具体的に、IgG1又はIgG4(例えば、ヒトIgG1又はIgG4)の重鎖定常領域から選択される重鎖定常領域(Fc)を有する。いくつかの実施形態では、抗ROR1抗体分子は、例えば、κ又はλの軽鎖定常領域から選択され、好ましくはκ軽鎖定常領域(例えば、ヒトκ軽鎖)である軽鎖定常領域を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、
(1)ヒトIgG1重鎖定常領域、又は、
(2)ヒトIgG4重鎖定常領域、から選択される重鎖定常領域を含む。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、
(a)
(i)SEQ ID NO:119に示された配列、
(ii)SEQ ID NO:119に示された配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有する配列、又は、
(iii)SEQ ID NO:119に示された配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列、から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖定常領域(CH)、
及び/又は、
(b)
(iv)SEQ ID NO:120に示された配列、
(v)SEQ ID NO:120に示された配列と比較して、1つ又は複数のアミノ酸の置換、欠失又は付加(例えば、1個、2個、3個、4個又は5個のアミノ酸の置換、欠失又は付加)を有する配列、又は、
(vi)SEQ ID NO:120に示された配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は100%の配列同一性を有する配列、から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖定常領域(CL)、を含む。
【0040】
いくつかの好ましい実施形態では、(ii)又は(v)に記載の置換は、保存的置換である。
【0041】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、SEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)を含む。
【0042】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:1に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:2に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0043】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:3に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:4に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0044】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:5に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:6に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0045】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:87に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0046】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:88に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0047】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:89に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0048】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:90に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0049】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:84に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:91に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0050】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:87に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0051】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:88に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0052】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:92に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0053】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:90に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0054】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:85に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:91に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0055】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:87に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0056】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:88に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0057】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:89に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0058】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:90に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0059】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:91に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0060】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:92に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0061】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:93に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0062】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:94に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0063】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:95に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0064】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:96に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0065】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:97に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0066】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:98に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0067】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:99に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0068】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:100に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0069】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:86に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:101に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0070】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0071】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0072】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0073】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:102に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0074】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0075】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0076】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0077】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:103に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0078】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0079】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0080】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0081】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:104に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0082】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0083】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0084】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0085】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:105に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0086】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0087】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:108に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0088】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:109に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0089】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:106に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:110に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0090】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0091】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0092】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0093】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:111に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0094】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0095】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0096】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0097】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:112に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0098】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0099】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0100】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0101】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:113に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0102】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0103】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0104】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0105】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:114に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0106】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:107に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0107】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:116に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0108】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:117に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0109】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、SEQ ID NO:115に示された配列のVH及びSEQ ID NO:119に示された重鎖定常領域(CH)の重鎖と、SEQ ID NO:118に示された配列のVL及びSEQ ID NO:120に示された軽鎖定常領域(CL)の軽鎖とを含む。
【0110】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体は、キメラ抗体又はヒト化抗体である。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、ScFv、Fab、Fab’、(Fab’)2、Fv断片、ジスルフィド結合で連結されたFv(dsFv)、ダイアボディ(diabody)、二重特異性抗体及び多重特異性抗体から選択される。
【0111】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体分子又はその抗原結合断片は、
(a)約100nM未満、例えば、約50nM、40nM、30nM、20nM、10nM、1nM、0.1nM以下のKDでROR1(例えば、ヒトROR1)に結合し、例えば、前記KDがバイオレイヤー干渉法(BLI)(例えば、ForteBio Octet(登録商標))により測定されるという性質と、
(b)約500nM未満、例えば、約100nM、10nM、1nM、0.9nM、0.8nM、0.7nM、0.6nM、0.5nM、0.4nM、0.3nM、0.2nM、0.1nM以下のEC50でROR1(例えば、ヒトROR1)に結合し、例えば、前記EC50がフローサイトメトリー法又は競合ELISA法により測定されるという性質と、
(c)ROR2(例えば、ヒトROR2)に結合しないという性質と、のうちの少なくとも1つを示すことができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、ADCC活性を有する。
【0113】
いくつかの実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、CDC活性を有する。
【0114】
いくつかの好ましい実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、ADCC及びCDC活性を有する。
【0115】
いくつかの好ましい実施形態では、前記抗体又はその抗原結合断片は、増強されたADCC及び/又はCDC活性を有する。
【0116】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、
(a)腫瘍細胞のアポトーシスを誘導するという生物学的機能、
(b)腫瘍細胞の成長、増殖、分化、及び/又は血管形成を阻害するという生物学的機能、
(c)補体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させるという生物学的機能、
(d)抗体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させるという生物学的機能、
(e)ROR1の発現及び活性化を阻害するという生物学的機能、
(f)ROR1媒介性の細胞シグナル伝達を阻害するという生物学的機能、
(g)ROR1媒介性の疾患/病症を予防及び/又は治療するという生物学的機能、及び
(h)細胞(例えば、腫瘍細胞)内のROR1の内在化を促進するという生物学的機能、のうちの少なくとも1つ、又は、
(i)(a)~(h)の任意の組み合わせ、を備える。
【0117】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、上記生物学的機能の任意の組み合わせを備える。
【0118】
誘導される抗体について
本発明の抗体又はその抗原結合断片は、他の分子(例えば、他のポリペプチド又はタンパク質)に連結されるように、誘導化されてもよい。通常、抗体又はその抗原結合断片の誘導化(例えば、標識)は、ROR1(特に、ヒトROR1)への結合に悪影響を及ぼさない。したがって、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、このような誘導化の形態を含むことも意図される。例えば、本発明の抗体又はその抗原結合断片を、1つ又は複数の他の分子基、例えば、他の抗体(例えば、二重特異性抗体を形成する)、検出可能な試薬、薬用試薬、及び/又は抗体又は抗原結合断片と他の分子との結合を媒介するタンパク質又はポリペプチド(例えば、アビジン又はポリヒスチジンタグ)に(化学的カップリング、遺伝子融合、非共有連結又は他の方式により)機能的に連結することができる。
【0119】
あるタイプの誘導化抗体(例えば、二重特異性抗体)は、2つ又は複数の抗体(同じタイプ又は異なるタイプに属する)を交差連結することにより産生される。二重特異性抗体の取得方法は、本分野で公知であり、その実例は、化学架橋法、細胞工学法(ハイブリッドハイブリドーマ法)又は遺伝子操作法を含むが、これらに限定されない。
【0120】
他のタイプの誘導化抗体は、標識された抗体である。例えば、本発明の抗体又はその抗原結合断片を検出可能な標識に連結してもよい。本発明に記載の検出可能な標識は、蛍光、スペクトル、光化学、生化学、免疫学、電気学、光学又は化学的手段により検出できる任意の物質であってもよい。このような標識は、本分野でよく知られているものであり、その実例は、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなど)、放射性核種(例えば、3H、125I、35S、14C又は32P)、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセイン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、フィコエリトリン(PE)、テキサスレッド、ローダミン、量子ドット又はシアニン染料誘導体(例えば、Cy7、Alexa 750))、アクリジニウムエステル系化合物、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(登録商標))、比色標識物(例えば、金コロイド、着色ガラス又はプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズ)、及び上記標識物で修飾されたアビジン(例えば、ストレプトアビジン)に結合するビオチンなどを含むが、これらに限定されない。該標識物の使用を教示する特許は、米国特許第3817837、3850752、3939350、3996345、4277437、4275149及び4366241号(全てが参照により本明細書に組み込まれる)を含むが、これらに限定されない。前記のような検出可能な標識は、本分野で既知の方法で検出することができる。例えば、放射性標識は、写真フィルム又はシンチレーション検出器を用いて検出することができ、蛍光標識物は、放射される光が検出されるために光検出器を用いて検出することができる。酵素標識物は、一般的に、酵素に基質を供給し、そして基質への酵素の作用により生成された反応産物を検出することにより検出され、また、比色標識物は、発色した標識物を単純に視覚化することにより検出される。いくつかの実施形態では、このような標識は、免疫学的検出(例えば、酵素結合免疫測定法、放射免疫測定法、蛍光免疫測定法、化学発光免疫測定法など)に適用することができる。いくつかの実施形態では、異なる長さのリンカー(linker)によって前記のような検出可能な標識を本発明の抗体又はその抗原結合断片に連結することにより、潜在的な立体障害を低減することができる。
【0121】
また、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、さらに化学基、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、メチル基、エチル基、又はグリコシル基で誘導されてもよい。これらの基は、抗体の生物学的特性を改善し、例えば、血清半減期を増加させることができる。
【0122】
抗体の1つの誘導体として、本発明は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片及びカップリング部分を含み、前記カップリング部分が、検出可能な標識、放射性同位体、蛍光物質、発光物質、有色物質、酵素、ポリエチレングリコール(PEG)、核種、核酸、小分子毒素、結合活性を有するポリペプチド、タンパク質、受容体、及び配位子、及び、腫瘍細胞の成長を阻害し、腫瘍細胞のアポトーシス又は壊死を促進する他の活性物質から選択される複合体を提供する。
【0123】
抗体の1つの誘導体として、本発明は、前記モノクローナル抗体又はその抗原結合断片を含むキメラ抗原受容体を提供する。いくつかの好ましい実施形態では、前記キメラ抗原受容体は、本発明のモノクローナル抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)と、膜貫通ドメインと、1つ又は複数の細胞内T細胞シグナル伝達ドメインとを含む。本発明は、前記キメラ抗原受容体を含むか又は発現させる宿主細胞、例えば、免疫細胞(例えば、Tリンパ球、NK細胞)を同時に提供する。
【0124】
抗体の1つの誘導体として、本発明は、多重特異性抗体を提供し、前記抗体は、一次抗体又はその断片と、他の抗体又はその断片又は抗体類似体とをカップリングして形成され、各抗体又はその断片又は抗体類似体は、元の結合特異性を保持し、前記一次抗体又はその断片は、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片であり、好ましくは、前記多重特異性抗体は、二重特異性抗体、三重特異性抗体又は四重特異性抗体である。
【0125】
抗体の製造について
本発明の抗体は、本分野で既知の様々な方法で製造することができ、例えば、遺伝子操作組換え技術により得られる。例えば、化学合成又はPCR増幅により、本発明の抗体の重鎖及び軽鎖の遺伝子をコードするDNA分子を取得する。得られたDNA分子を発現ベクター内に挿入した後、宿主細胞をトランスフェクトする。その後に、トランスフェクトされた宿主細胞を特定条件下で培養し、本発明の抗体を発現させる。
【0126】
本発明の抗原結合断片は、完全な抗体分子を加水分解することにより得られてもよい(Morimoto et al.、J. Biochem. Biophys. Methods 24:107-117 (1992) and Brennan et al.、Science 229:81 (1985)を参照)。また、これらの抗原結合断片は、組換え宿主細胞から直接的に産生されてもよい(reviewed in Hudson、Curr. Opin. Immunol. 11: 548-557 (1999)、Little et al.、Immunol. Today、21: 364-370 (2000))。例えば、Fab’断片を宿主細胞から直接的に取得してもよく、Fab’断片を化学的にカップリングしてF(ab’)2断片を形成してもよい(Carter et al.、Bio/Technology、10: 163-167 (1992))。また、Fv、Fab又はF(ab’)2断片は、組換え宿主細胞の培養液から直接的に単離して取得されてもよい。当業者は、これらの抗原結合断片を製造する他の技術を完全に知ることができる。
【0127】
したがって、他の態様では、本発明は、本発明の抗体又はその抗原結合断片、又はその重鎖可変領域及び/又は軽鎖可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子を提供する。本分野のコドン縮重によれば、いくつかの実施形態では、前記ヌクレオチド配列は、コドン縮重に従って置換できるものである。いくつかの実施形態では、前記ヌクレオチド配列は、コドンが最適化されるものである。
【0128】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明は、抗体重鎖可変領域をコードする核酸分子、及び/又は抗体軽鎖可変領域をコードする核酸分子を含む単離された核酸分子を提供し、前記抗体重鎖可変領域をコードする核酸分子は、(a)、SEQ ID NOs:121、123、125、127~129、145~149、154~158のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列、(b)、(a)に記載のヌクレオチド配列と基本的に同じ配列(例えば、(a)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1つ以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は(c)、(a)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個のヌクレオチドが異なる配列、から選択される配列を有する。前記抗体軽鎖可変領域をコードする核酸分子は、(d)、SEQ ID NOs:122、124、126、130~144、150~153、159~161のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列、(e)、(d)に記載のヌクレオチド配列と基本的に同じ配列(例えば、(d)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1つ以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は(f)、(d)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個のヌクレオチドが異なる配列、から選択される配列を有する。
【0129】
いくつかの好ましい実施形態では、前記抗体重鎖可変領域をコードする核酸分子は、SEQ ID NOs:121、123、125、127~129、145~149、154~158のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列を有し、前記抗体軽鎖可変領域をコードする核酸分子は、SEQ ID NOs:122、124、126、130~144、150~153、159~161のいずれか1つに示されたヌクレオチド配列を有する。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、SEQ ID NOs:121、123、125、127~129、145~149、154~158のいずれか1つに示された、抗体重鎖可変領域をコードする核酸分子、及び/又は、SEQ ID NOs:122、124、126、130~144、150~153、159~161のいずれか1つに示された、抗体軽鎖可変領域をコードする核酸分子を含む。
【0130】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明は、抗体重鎖定常領域をコードする核酸分子、及び/又は抗体軽鎖定常領域をコードする核酸分子を含む単離された核酸分子を提供し、前記抗体重鎖定常領域をコードする核酸分子は、(a)、SEQ ID NO:59に示されたヌクレオチド配列、(b)、(a)に記載のヌクレオチド配列と基本的に同じ配列(例えば、(a)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1つ以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は(c)、(a)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個のヌクレオチドが異なる配列、から選択される配列を有し、及び/又は、前記抗体軽鎖定常領域をコードする核酸分子は、(d)、SEQ ID NO:26に示されたヌクレオチド配列、(e)、(d)に記載のヌクレオチド配列と基本的に同じ配列(例えば、(d)に記載のヌクレオチド配列と比較して、少なくとも約85%、90%、95%、99%以上の配列同一性を有する配列、又は1つ以上のヌクレオチドで置換された配列)、又は(f)、(d)に記載のヌクレオチド配列とは、3個、6個、15個、30個又は45個のヌクレオチドが異なる配列、から選択される配列を有する。
【0131】
いくつかの好ましい実施形態では、前記抗体重鎖定常領域をコードする核酸分子はSEQ ID NO:59に示されたヌクレオチド配列を有し、及び/又は、前記抗体軽鎖定常領域をコードする核酸分子は、SEQ ID NO:26に示されたヌクレオチド配列を有する。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、SEQ ID NO:59に示された、抗体重鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を有し、及び/又は、SEQ ID NO:26に示された、抗体軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を有する。
【0132】
本発明の他の態様では、本発明は、本発明の単離された核酸分子を含むベクター(例えば、クローニングベクター又は発現ベクター)を提供する。いくつかの好ましい実施形態では、本発明のベクターは、例えば、プラスミド、コスミド、ファージ、レンチウイルスなどである。いくつかの好ましい実施形態では、前記ベクターは、被験者(例えば、哺乳動物、例えば、ヒト)体内で本発明の抗体又はその抗原結合断片を発現させることができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、キメラ抗原受容体(CAR)の構築に用いられてもよく、前記キメラ抗原受容体は、ROR1に特異的に結合する細胞外抗原結合ドメイン(例えば、ScFv)と、膜貫通ドメインと、1つ又は複数の細胞内T細胞シグナル伝達ドメインとを含む。このような実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、本発明の抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、キメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、本発明の単離された核酸分子は、本発明の抗体の抗原結合断片(例えば、ScFv)を含むキメラ抗原受容体をコードする。
【0134】
いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、キメラ抗原受容体により修飾された免疫細胞の構築に用いられ、前記キメラ抗原受容体により修飾された免疫細胞は、キメラ抗原受容体(CAR)及び免疫細胞(例えば、Tリンパ球、NK細胞)を含む。
【0135】
本発明の他の態様では、本発明は、本発明の単離された核酸分子又は本発明のベクターを含む宿主細胞を提供する。宿主細胞は、真核細胞(例えば、哺乳動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞)又は原核細胞(例えば、大腸菌)であってもよい。適切な真核細胞は、NS0細胞、Vero細胞、Hela細胞、COS細胞、CHO細胞、ExpiCHO細胞、HEK293細胞、Expi293細胞、BHK細胞、及びMDCKII細胞を含むが、これらに限定されない。適切な昆虫細胞は、Sf9細胞を含むが、これに限定されない。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の宿主細胞は、哺乳動物細胞であり、例えば、CHO(例えば、CHO-K1、CHO-S、CHO DXB11、ExpiCHO、CHO DG44)である。
【0136】
いくつかの実施形態では、本発明の宿主細胞は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)であってもよい。このような実施形態では、前記宿主細胞に含まれる単離された核酸分子は、本発明の抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、キメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含んでもよい。いくつかの実施形態では、前記宿主細胞に含まれる単離された核酸分子は、本発明の抗体の抗原結合断片(例えば、ScFv)を含むキメラ抗原受容体をコードする。
【0137】
本発明の他の態様では、前記抗体又はその抗原結合断片の発現を可能にする条件下で、本発明の宿主細胞を培養し、培養された宿主細胞の培養物から前記抗体又はその抗原結合断片を回収することを含む、本発明の抗体又はその抗原結合断片を製造する方法を提供する。
【0138】
治療方法及び医薬組成物
本発明の他の態様では、本発明の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体、及び薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む医薬組成物を開示する。
【0139】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明の抗体又はその抗原結合断片、及び薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む。
【0140】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明の医薬組成物は、本発明のベクター又は宿主細胞、及び薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤を含む。このような実施形態では、前記ベクターに含まれる単離された核酸分子は、本発明の抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、キメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含む。前記宿主細胞は、前記のような単離された核酸分子又はベクターを含む。いくつかの好ましい実施形態では、前記単離された核酸分子は、本発明の抗体の抗原結合断片(例えば、ScFv)を含むキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞は、T細胞である。いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)である。
【0141】
いくつかの好ましい実施形態では、前記医薬組成物は、他の薬学的活性剤をさらに含んでもよい。いくつかの好ましい実施形態では、前記他の薬学的活性剤は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌を治療する薬物である。いくつかの好ましい実施形態では、前記他の薬学的活性剤は、抗腫瘍活性を有する薬物である。いくつかの好ましい実施形態では、前記他の薬学的活性剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、B細胞抗原阻害剤、BTK阻害剤、及び化学療法薬から選択される1種又は複数種である。
【0142】
いくつかの好ましい実施形態では、前記医薬組成物において、本発明の抗体又はその抗原結合断片と前記他の薬学的活性剤とは、単離された成分又は同一の組成物の成分として提供される。したがって、本発明の抗体又はその抗原結合断片と、前記他の薬学的活性剤とは、同時に、別々に、又は相次いで投与することができる。
【0143】
いくつかの好ましい実施形態では、前記医薬組成物は、他の薬学的活性剤をさらに含んでもよい。前記他の薬学的活性剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、B細胞抗原阻害剤、BTK阻害剤、及び化学療法薬から選択される1種又は複数種である。
【0144】
いくつかの好ましい実施形態では、前記他の薬学的活性剤は、抗PD1/PD-L1抗体、抗CD20抗体、抗EGFR抗体から選択される1種又は複数種である。
【0145】
他の態様では、本発明の医薬組成物中の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体は、被験者において、
(a)腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、
(b)腫瘍細胞の成長、増殖、分化、及び/又は血管形成を阻害し、
(c)補体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(d)抗体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(e)ROR1の発現及び活性化を阻害し、
(f)ROR1媒介性の細胞シグナル伝達を阻害し、
(g)ROR1媒介性の疾患/病症を予防及び/又は治療し、又は、
(h)(a)~(g)の任意の組み合わせに用いられる。
【0146】
本発明の他の態様では、本発明の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体の、薬物の製造における用途を提供し、前記薬物は、
(a)腫瘍細胞のアポトーシスを誘導し、
(b)腫瘍細胞の成長、増殖、分化、及び/又は血管形成を阻害し、
(c)補体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(d)抗体依存性細胞傷害活性を誘発し及び/又は増加させ、
(e)ROR1の発現及び活性化を阻害し、
(f)ROR1媒介性の細胞シグナル伝達を阻害し、
(g)ROR1媒介性の疾患/病症を予防及び/又は治療し、又は、
(h)(a)~(g)の任意の組み合わせに用いられる。
【0147】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明のベクター又は宿主細胞が薬物の製造に用いられる場合、前記ベクターに含まれる単離された核酸分子は、本発明の抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、キメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含む。前記宿主細胞は、前記のような単離された核酸分子又はベクターを含む。いくつかの好ましい実施形態では、前記単離された核酸分子は、本発明の抗体の抗原結合断片(例えば、ScFv)を含むキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞は、T細胞である。いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)である。
【0148】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明のベクター又は宿主細胞が薬物の製造に用いられる場合、前記薬物は、被験者(例えば、ヒト)において腫瘍を治療する。
【0149】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体に係る腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される。
【0150】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片に係る腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される。
【0151】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片に係る腫瘍は、ROR1陽性である。
【0152】
他の態様では、本発明は、被験者において腫瘍を予防及び/又は治療する方法を提供する。他の態様では、本発明は、被験者において腫瘍の進行を遅延させる方法を提供する。他の態様では、本発明は、被験者において腫瘍の再発を低減又は阻害す方法を提供する。上述した方法は、必要がある被験者に、有効量の本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体、及び医薬組成物を投与することを含む。
【0153】
いくつかの実施形態では、本発明は、必要がある被験者に、有効量の本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体、及び他の薬学的活性剤を投与することを含む、被験者において腫瘍を予防及び/又は治療する方法を提供する。前記他の薬学的活性剤は、別々に、組み合わせて、同時に、又は相次いで投与することができる。
【0154】
いくつかの好ましい実施形態では、前記他の薬学的活性剤は、上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤、免疫チェックポイント阻害剤、B細胞抗原阻害剤、BTK阻害剤、及び化学療法薬から選択される1種又は複数種である。
【0155】
いくつかの好ましい実施形態では、前記他の薬学的活性剤は、抗PD1/PD-L1抗体、抗CD20抗体、抗EGFR抗体から選択される1種又は複数種である。
【0156】
本発明の宿主細胞が上述した方法に用いられる場合、前記宿主細胞は、本発明の抗体の抗原結合断片(例えば、ScFv)を含むキメラ抗原受容体を発現させる。したがって、いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞に含まれる単離された核酸分子は、本発明の抗体又はその抗原結合断片(例えば、ScFv)をコードするヌクレオチド配列をさらに含む、キメラ抗原受容体をコードするヌクレオチド配列を含む。いくつかの好ましい実施形態では、前記単離された核酸分子は、本発明の抗体の抗原結合断片(例えば、ScFv)を含むキメラ抗原受容体をコードする。いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞は、T細胞である。いくつかの好ましい実施形態では、前記宿主細胞は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)である。
【0157】
他の態様では、上述した方法は、前記被験者に、手術、化学療法、放射線療法、免疫療法、遺伝子療法、DNA療法、RNA療法、ナノ療法、ウイルス療法、補助療法及びそれらの任意の組み合わせから選択される第2の療法を施すことをさらに含む。
【0158】
いくつかの実施形態では、前記第2の療法は、上述した方法と別々に、又は組み合わせて施すことができる。或いは、前記第2の療法は、上述した方法と別々に、組み合わせて、同時に、又は相次いで施すことができる。
【0159】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体又はそれで修飾された免疫細胞、又は多重特異性抗体に係る腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される。
【0160】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片に係る腫瘍は、リンパ腫、乳癌、結腸直腸癌、卵巣癌、肺癌及び/又は膵臓癌から選択される。
【0161】
いくつかの好ましい実施形態では、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片に係る腫瘍は、ROR1陽性である。
【0162】
本発明の抗体又はその抗原結合断片、及び本発明の医薬組成物は、医療分野で既知の任意の剤形、例えば、錠剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、溶液、ゲル剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、エリキシル剤、トローチ、坐剤、注射剤(注射液、注射用無菌粉末及び注射用濃溶液を含む)、吸入剤、スプレー剤などに調製することができる。好ましい剤形は、所望の投与形態及び治療用途に依存する。本発明の医薬組成物は、無菌であり、かつ生産及び貯蔵条件下で安定すべきである。好ましい剤形は、注射剤である。このような注射剤は、無菌注射溶液であってもよい。例えば、適切な溶媒に必要な用量の本発明の組換えタンパク質を添加し、任意選択的に他の所望の成分(pH調整剤、界面活性剤、アジュバント、イオン強度増強剤、等張化剤、防腐剤、希釈剤、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない)を同時に添加し、その後に濾過滅菌するという方法により、無菌注射液を調製してもよい。また、貯蔵及び使用を容易にするために、無菌注射溶液を(例えば、真空乾燥又は凍結乾燥により)無菌凍結乾燥粉剤に製造してもよい。このような無菌凍結乾燥粉剤は、使用前に適切な担体、例えば滅菌発熱性物質除去蒸留水に分散させてもよい。
【0163】
また、投与を容易にするために、本発明の抗体又はその抗原結合断片は、単位投与量で医薬組成物中に存在してもよい。
【0164】
本発明の抗体又はその抗原結合断片、及び医薬組成物は、経口、口腔、舌下、眼球、局所、非経口、直腸、葉鞘内、槽内、鼠蹊部、膀胱内、局所的(例えば、粉剤、膏薬又は滴剤)、又は鼻腔経由を含むがこれらに限定されない、本分野で既知の任意の適切な方法で投与されてもよい。しかしながら、多くの治療用途では、好ましい投与経路/形態は、非経口投与(例えば、静脈注射、皮下注射、腹膜内注射、及び筋肉内注射)である。当業者に理解されるように、投与経路及び/又は形態は、所望の目的に応じて変化する。1つの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片、及び医薬組成物は、静脈注入又は注射により投与される。
【0165】
本発明の医薬組成物は、「治療有効量」又は「予防有効量」の本発明の抗体又はその抗原結合断片を含んでもよい。「予防有効量」とは、疾患の発生を予防し、阻止し、又は遅延させるのに十分な量である。「治療有効量」とは、疾患に罹患している患者の疾患及びその合併症を治癒するか又は少なくとも部分的に阻止するのに十分な量である。本発明の抗体又はその抗原結合断片の治療有効量は、治療される疾患の重篤度、患者自身の免疫系の全体状態、患者の一般的な状況(例えば年齢、体重及び性別)、薬物の投与形態、及び同時に投与される他の治療などに応じて変化してもよい。
【0166】
本発明では、最適な目的の反応(例えば、治療又は予防反応)を得るために、投与計画を調整してもよい。例えば、一回投与してもよいし、一定期間内に複数回投与してもよいし、治療状況の緊急度に応じて投与量を比例的に減少させたり、増加させたりしてもよい。
【0167】
本発明において、前記被験者は、哺乳動物、例えば、ヒトであってもよい。
【0168】
検出方法及びキット
本発明の抗体又はその抗原結合断片は、ROR1に特異的に結合することにより、試料内のROR1の存在又はそのレベルを検出することができる。
【0169】
したがって、他の態様では、本発明は、本発明の抗体又はその抗原結合断片を含むキットを提供する。いくつかの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片には、検出可能な標識が付されている。1つの好ましい実施形態では、前記キットは、本発明の抗体又はその抗原結合断片を特異的に認識する二次抗体をさらに含む。好ましくは、前記二次抗体は、検出可能な標識をさらに含む。
【0170】
本発明において、前記検出可能な標識は、蛍光、スペクトル、光化学、生化学、免疫学、電気学、光学又は化学的手段により検出できる任意の物質であってもよい。特に好ましくは、このような標識は、免疫学的検出(例えば、酵素結合免疫測定法、放射免疫測定法、蛍光免疫測定法、化学発光免疫測定法など)に適用することができる。このような標識は、本分野でよく知られているものであり、酵素(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、ウレアーゼ、グルコースオキシダーゼなど)、放射性核種(例えば、3H、125I、35S、14C又は32P)、蛍光染料(例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、フルオレセイン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、フィコエリトリン(PE)、テキサスレッド、ローダミン、量子ドット又はシアニン染料誘導体(例えば、Cy7、Alexa 750))、アクリジニウムエステル系化合物、磁気ビーズ(例えば、Dynabeads(登録商標))、比色標識物(例えば、金コロイド、着色ガラス又はプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレン、ラテックスなど)ビーズ)、及び上記標識物で修飾されたアビジン(例えば、ストレプトアビジン)に結合するビオチンなどを含むが、これらに限定されない。該標識物の使用を教示する特許は、米国特許第3817837、3850752、3939350、3996345、4277437、4275149及び4366241号(全てが参照により本明細書に組み込まれる)を含むが、これらに限定されない。本発明において意図される標識物は、本分野で既知の方法で検出することができる。例えば、放射性標識は、写真フィルム又はシンチレーション検出器を用いて検出することができ、蛍光標識物は、放射される光が検出されるために光検出器を用いて検出することができる。酵素標識物は、一般的に、酵素に基質を供給し、そして基質への酵素の作用により生じる反応産物を検出することにより検出され、また、比色標識物は、発色した標識物を単純に視覚化することにより検出される。いくつかの実施形態では、異なる長さのリンカーによって前記のような検出可能な標識を本発明の組換えタンパク質に連結することにより、潜在的な立体障害を低減することができる。
【0171】
他の態様では、本発明は、本発明の抗体又はその抗原結合断片を使用するステップを含む、試料内のROR1の存在又はそのレベルを検出する方法を提供する。1つの好ましい実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片には、さらに検出可能な標識が付されている。他の好ましい実施形態では、前記方法は、検出可能な標識が付されている試薬を用いて本発明の抗体又はその抗原結合断片を検出することをさらに含む。前記方法は、診断目的又は非診断目的(例えば、前記試料は、患者からの試料ではなく細胞試料である)のために用いられてもよい。
【0172】
他の態様では、本発明は、前記試料と本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片とを、前記抗体又はその抗原結合断片とROR1が複合物を形成することを可能にする条件下で、接触させ、前記複合物の形成を検出することを含む、試料内のROR1の存在又はそのレベルを検出する方法を提供する。
【0173】
他の態様では、本発明の抗体又はその抗原結合断片の、試料内のROR1の存在又はそのレベルを検出するキットの製造における用途を提供する。他の態様では、本発明は、本発明に記載の抗体又はその抗原結合断片、ベクター、宿主細胞、複合体、キメラ抗原受容体、又は多重特異性抗体、及び使用説明書を含む診断用又は治療用キットを提供する。
【0174】
ROR1が正常組織において低発現するか又は発現せず、いくつかの癌において発現するか又は高発現することを考慮して、試料内のROR1の存在又はそのレベルを検出することにより腫瘍及び腫瘍転移を診断することができる。したがって、本発明の抗体又はその抗原結合断片、複合体、多重特異性抗体、又はキットは、腫瘍及び腫瘍転移を診断することができる。したがって、他の態様では、本発明の抗体又はその抗原結合断片、複合体、多重特異性抗体、又はキットの、腫瘍及び腫瘍転移の診断における用途を提供する。
【0175】
本発明の抗体は、ROR1との結合親和性が高く、かつ非常に高い特異性を有する。したがって、本発明の抗体は、腫瘍を予防及び/又は治療する能力を有する。本発明のヒト化抗体は、親マウス由来抗体の機能及び性質を保持する。そして、本発明のヒト化抗体は、高いヒト化レベルを有するため、免疫原性反応を誘発することなくヒト被験者に安全に投与することができる。したがって、本発明の抗体(特に、ヒト化抗体)は、重大な臨床的価値を有する。
【0176】
【表1】
【0177】
定義
本発明において、特に断りのない限り、本明細書で使用される科学用語及び技術用語は、当業者が一般的に理解する意味を有する。また、本明細書において使用される細胞培養、生化学、核酸化学、免疫学実験室などの操作ステップは、いずれも対応する分野で広く使用される一般的なステップである。なお、本発明をよりよく理解するために、以下に関連する用語の定義及び解釈を提供する。
【0178】
本明細書において使用されるとき、用語「抗体」とは、一般的に、2対のポリペプチド鎖(各対のポリペプチド鎖が1本の軽鎖(LC)及び1本の重鎖(HC)を有する)からなる免疫グロブリン分子である。抗体軽鎖をκ(kappa)及びλ(lambda)軽鎖に分類できる。重鎖をμ、δ、γ、α又はεに分類でき、抗体のアイソタイプをそれぞれIgM、IgD、IgG、IgA及びIgEに定義する。軽鎖及び重鎖内には、可変領域及び定常領域は、約12個以上のアミノ酸の「J」領域を介して連結され、重鎖には、約3個以上のアミノ酸の「D」領域も含まれる。各重鎖は、重鎖可変領域(VH)及び重鎖定常領域(CH)からなる。重鎖定常領域は、3つのドメイン(CH1、CH2及びCH3)からなる。各軽鎖は、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(CL)からなる。軽鎖定常領域は、1つのドメインCLからなる。定常ドメインは、抗体と抗原との結合に直接関与しないが、免疫系の様々な細胞(例えば、エフェクター細胞)と古典的補体系の第1の成分(C1q)との結合を含む、免疫グロブリンと宿主組織又は因子との結合を媒介できるなどの様々なエフェクター機能を示す。VH及びVL領域は、変性程度が高い領域(相補性決定領域(CDR)と呼ばれる)に細分化され、それらの間には比較的に保存的であり、フレームワーク領域(FR)と呼ばれる領域が分散している。各VH及びVLは、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4という順序でアミノ基末端からカルボキシル基末端まで配列された3つのCDR及び4つのFRからなる。各重鎖/軽鎖対の可変領域(VH及びVL)は、それぞれ抗原結合部位を形成する。アミノ酸の各領域又はドメインでの割り当ては、Kabat、Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health、Bethesda、Md. (1987 and 1991))、又はChothia & Lesk (1987) J. Mol. Biol. 196:901-917; Chothiaら、(1989) Nature 342:878-883における定義に従うことができる。
【0179】
本明細書において、特に断りのない限り、用語「抗体」に言及する場合、完全な抗体のみならず、抗体の抗原結合断片も含むものとする。
【0180】
本明細書において使用されるとき、用語「相補性決定領域」又は「CDR」とは、抗体可変領域中の、抗原結合を担うアミノ酸残基である。これらのアミノ酸残基の正確な境界は、本分野で既知の様々な番号付けシステムによって定義することができ、例えば、AbM番号付けシステム(Martin ACR、Cheetham JC、Rees AR (1989) Modelling antibody hypervariable loops: A combined algorithm. Proc Natl Acad Sci USA 86:9268-9272)又はIMGT番号付けシステム(Lefranc et al.、Dev. Comparat. Immunol. 27:55-77、2003)における定義に従うことができる。所定の抗体に対して、当業者であれば、各番号付けシステムによって定義されたCDRを容易に同定することができる。また、異なる番号付けシステムの間の対応関係は、当業者によく知られているものである(例えば、Lefranc et al.、Dev. Comparat. Immunol. 27:55-77、2003を参照)。
【0181】
本発明において、本発明の抗体又はその抗原結合断片に含まれるCDRは、本分野で既知の様々な番号付けシステムに基づいて決定することができる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体又はその抗原結合断片に含まれるCDRは、好ましくは、Kabat、Chothia、AbM、及びIMGT番号付けシステムにより決定される。
【0182】
本明細書において使用されるとき、用語「フレームワーク領域」又は「FR」残基とは、抗体可変領域中の、上記のように定義されたCDR残基以外のアミノ酸残基である。
【0183】
「生殖細胞系列抗体遺伝子」は、非リンパ球でコードされた免疫グロブリン配列であり、特異的な免疫グロブリンを発現させる遺伝学的再配列及び成熟を誘発する成熟過程を経ることがない。本発明の様々な実施形態が提供する1つの利点は、生殖細胞系列抗体遺伝子が成熟抗体遺伝子よりも動物種個体の特徴的で重要なアミノ酸配列構造を多く残すという認知に由来する。したがって、治療のために該種に適用される場合、該種によって外因性物質として認識される可能性がより低い。
【0184】
用語「抗体」は、如何なる特定の抗体産生方法によって制限されない。例えば、組換え抗体、モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が含まれる。抗体は、異なるアイソタイプ抗体、例えば、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3又はIgG4亜型)、IgA1、IgA2、IgD、IgE又はIgM抗体であってもよい。
【0185】
本明細書において使用されるとき、用語抗体の「抗原結合断片」とは、抗体の断片のポリペプチド、例えば、全長抗体の断片のポリペプチドであり、全長抗体が結合した同一の抗原に特異的に結合する能力を保持し、及び/又は、抗原に対する特異的結合を全長抗体と競合し、「抗原結合部分」とも呼ばれる。一般的に、Fundamental Immunology、Ch. 7 (Paul, W.、ed.、第2版、Raven Press、N.Y. (1989)を参照し、その全文が参照により本明細書に組み込まれ、全ての目的に用いられる。組換えDNA技術又は完全抗体の酵素的又は化学的開裂により抗体の抗原結合断片を生成することができる。抗原結合断片の非限定的な実例は、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fd、Fv、dAb及び相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(例えば、scFv)、キメラ抗体、ダイアボディ(diabody)、線状抗体(linear antibody)、ナノ抗体(技術がDomantisに由来する)、ドメイン抗体(技術がAblynxに由来する)、及びポリペプチドに特異性抗原結合能力を付与するのに十分な抗体の少なくとも一部を含むポリペプチドを含む。工学的に改造された抗体変異体は、Holligerら、2005; Nat Biotechnol、23: 1126-1136において概説されている。
【0186】
本明細書において使用されるとき、用語「全長抗体」とは、2本の「全長重鎖」又は「重鎖」及び2本の「全長軽鎖」又は「軽鎖」からなる抗体である。「全長重鎖」又は「重鎖」とは、N端からC端までの方向において、重鎖可変領域(VH)、重鎖定常領域CH1ドメイン、ヒンジ領域(HR)、重鎖定常領域CH2ドメイン、重鎖定常領域CH3ドメインからなり、前記全長抗体がIgEアイソタイプである場合、任意選択に重鎖定常領域CH4ドメインをさらに含むポリペプチド鎖である。好ましくは、「全長重鎖」とは、N端からCまでの方向において、VH、CH1、HR、CH2及びCH3からなるポリペプチド鎖である。「全長軽鎖」又は「軽鎖」とは、N端からC端までの方向において、軽鎖可変領域(VL)及び軽鎖定常領域(CL)からなるポリペプチド鎖である。2対の全長抗体鎖は、CLとCH1との間のジスルフィド結合と、2本の全長重鎖のHRの間のジスルフィド結合とにより連結される。本発明の全長抗体は、単一種、例えばヒトに由来してもよいし、キメラ抗体又はヒト化抗体であってもよい。本発明の全長抗体は、それぞれVHとVL対で形成された2つの抗原結合部位を含み、これら2つの抗原結合部位は、同じ抗原を特異的に認識/結合する。
【0187】
本明細書において使用されるとき、用語「Fd断片」とは、VH及びCH1ドメインからなる抗体断片である。用語「dAb断片」とは、VHドメインからなる抗体断片(Wardら、Nature 341:544 546 (1989))である。用語「Fab断片」とは、VL、VH、CL及びCH1ドメインからなる抗体断片である。用語「F(ab’)2断片」とは、ヒンジ領域上のジスルフィド結合により連結された2つのFab断片を含む抗体断片である。用語「Fab’断片」とは、F(ab’)2断片中の2つの重鎖断片を連結したジスルフィド結合を復元して得られた断片であり、1本の完全な軽鎖及び重鎖のFd断片(VH及びCH1ドメインからなる)からなる。
【0188】
本明細書において使用されるとき、用語「Fv断片」とは、抗体の単腕のVL及びVHドメインからなる抗体断片である。Fv断片は、一般的に、完全な抗原結合部位を形成できる最小抗体断片であると考えられる。一般的に、6つのCDRは、抗体に抗原結合特異性を付与すると考えられる。しかしながら、1つの可変領域(例えば、抗原に対して特異的な3つのCDRのみを含むFd断片)でさえ、その親和性が完全な結合部位より低い可能性があるにもかかわらず、抗原を認識して結合することができる。
【0189】
本明細書において使用されるとき、用語「Fc断片」とは、抗体の第1の重鎖の第2、第3の定常領域及び第2の重鎖の第2、第3の定常領域を、ジスルフィド結合を介して結合して形成された抗体断片である。抗体のFc断片は、様々な異なる機能を有するが、抗原の結合に関与しない。
【0190】
本明細書において使用されるとき、用語「scFv」とは、VL及びVHドメインを含む単一のポリペプチド鎖であり、前記VL及びVHは、リンカー(linker)によって連結される(例えば、Birdら、Science 242:423-426 (1988)、Hustonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883 (1988)、及びPluckthun、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、第113巻、Roseburg及びMoore編、Springer-Verlag、ニューヨーク、第269~315ページ(1994)を参照)。このようなscFv分子は、NH2-VL-リンカー-VH-COOH又はNH2-VH-リンカー-VL-COOHという一般的な構造を有する。適切な従来技術のリンカーは、重複するGGGGSアミノ酸配列又はその変異体からなる。例えば、アミノ酸配列(GGGGS)4を有するリンカーを用いてもよいが、その変異体を用いてもよい(Holligerら(1993),Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448)。本発明において使用可能な他のリンカーは、Alfthanら(1995)、Protein Eng. 8:725-731、Choiら(2001)、Eur. J. Immunol. 31: 94-106、Huら(1996)、Cancer Res. 56:3055-3061、Kipriyanovら(1999)、J. Mol. Biol. 293:41-56及びRooversら(2001)、Cancer Immunol.により説明される。いくつかの場合、scFvのVHとVLとの間にジスルフィド結合が存在してもよい。本明細書において使用されるとき、用語「di-scFv」とは、2つのscFvによって連結して形成された抗体断片である。
【0191】
本明細書において使用されるとき、用語「ダイアボディ(diabody)」とは、VH及びVLドメインが単一のポリペプチド鎖で発現しているが、同じ鎖の2つのドメインの間でのペアリングが許容されないように短すぎるリンカーを使用することで、ドメインと別の鎖の相補性ドメインとをペアリングし、かつ2つの抗原結合部位を生成するものである(例えば、Holliger P.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448 (1993)、及びPoljak R. J.ら、Structure 2:1121-1123 (1994)を参照)。
【0192】
上記各抗体断片は、いずれも全長抗体が結合した同一の抗原に特異的に結合する能力を保持し、及び/又は抗原に対する特異的結合を全長抗体と競合する。
【0193】
本明細書において使用されるとき、用語「多重特異性抗体」とは、複数種の異なる抗原結合特異性を有する抗体であり、例えば、二重特異性抗体、三重特異性抗体及び四重特異性抗体を含む。「二重特異性抗体」とは、2種の異なる抗原結合特異性を有する抗体であり、一次抗体(又は、その断片)及び二次抗体(又は、その断片)又は抗体類似体がカップリングアームにより形成された複合体であり、カップリング方式は、化学反応、遺伝子融合及び酵素を含むが、これらに限定されない。「多重特異性抗体」は、例えば、三重特異性抗体及び四重特異性抗体を含み、三重特異性抗体は、3種の異なる抗原結合特異性を有する抗体であり、四重特異性抗体は、4種の異なる抗原結合特異性を有する抗体である。
【0194】
本明細書において使用されるとき、「抗体類似体(antibody mimetics)」とは、抗体と同様に抗原に特異的に結合するが、抗体構造がないものである。これらは、一般的に、人工ペプチド又はタンパク質であり、モル質量が約3~20kDaである。例えば、アンキリン反復タンパク質(DARPin)及びfynomerである。設計アンキリン反復タンパク質(DARPin)は、IgG抗体及びscFv-Fc抗体断片に連結されるか又は結合し、例えばCN104341529Aを参照する。抗IL-17aのfynomerは、抗IL-6R抗体に結合し、例えばWO2015141862A1を参照する。
【0195】
本明細書において使用されるとき、「キメラ抗原受容体(Chimeric Antigen Receptor、CAR)」とは、細胞内シグナル伝達ドメインに融合した腫瘍抗原結合ドメインであり、T細胞を活性化することができる。一般的に、CARの細胞外結合ドメインは、マウス、ヒト化又はヒトのモノクローナル抗体に由来する。
【0196】
本明細書において使用されるとき、「免疫グロブリン」又は「Ig」とは、抗体として作用する1種類のタンパク質である。B細胞によって発現する抗体は、キメラ抗原受容体又は抗原受容体と呼ばれることがある。このようなタンパク質に含まれる5つのメンバーは、IgA、IgG、IgM、IgD及びIgEであり、IgGは、最も一般的な循環抗体である。これは、凝集、補体固定及び他の抗体反応において最も有効な免疫グロブリンであり、細菌及びウイルスを防御する上で重要である。
【0197】
本明細書において、抗体を取得する技術として、当業者に既知の一般的な技術(例えば、組換えDNA技術又は酵素的又は化学的開裂法)を用いて、所定の抗体(例えば、本発明に係る抗体)から抗体の抗原結合断片(例えば、上記抗体断片)を取得すると共に、完全な抗体に用いられる方式と同様な方式で抗体の抗原結合断片を特異的にスクリーニングする。
【0198】
本明細書において使用されるとき、用語「モノクローナル抗体」、「単クローン抗体」及び「mAb」は、同じ意味を有し、かつ互換して使用されてもよく、相同性が高い一群の抗体分子のうちの1つの抗体又は抗体の1つの断片、すなわち、自発的に出現する可能性のある自然な変異を除き、完全に同じ抗体分子である。単クローン抗体は、抗原上の単一のエピトープに対して高い特異性を有する。ポリクローナル抗体は、モノクローナル抗体に対するものであり、一般的に、少なくとも2種以上の異なる抗体を含み、これらの異なる抗体は、一般的に、抗原上の異なるエピトープを認識する。また、修飾語「モノクローナル」は、該抗体の特徴が相同性の高い抗体群から得られることのみを示しており、いずれの特定の方法で前記抗体を製造する必要があると理解することができない。
【0199】
本発明のモノクローナル抗体は、様々な技術、例えば、ハイブリドーマ技術(例えば、Kohlerら. Nature、256:495、1975を参照)、組換えDNA技術(例えば、米国特許出願第4816567号を参照)、又はファージ抗体ライブラリー技術(例えば、Clacksonら.Nature352:624-628、1991、又はMarksら. J.Mol.Biol.222:581-597、1991を参照)により製造することができる。
【0200】
例えば、以下のようにモノクローナル抗体を製造することができる。まず、免疫原(必要時にアジュバントを加える)をマウス又はその他の適切な宿主動物に免疫注射する。免疫原又はアジュバントの注射方式は、一般的に、皮下多点注射又は腹腔内注射である。免疫原を既知のタンパク質、例えば、血清アルブミン又は大豆トリパンクレアチン阻害剤に予めカップリングして、宿主体内での抗原の免疫原性を増強することができる。アジュバントは、フロイントアジュバント又はMPL-TDMなどであってもよい。動物は、免疫を受けた後に、免疫原に特異的に結合する抗体を分泌するリンパ球を体内で産生する。また、リンパ球は、体外免疫により取得されてもよい。目的リンパ球を収集し、PEGのような適切な融合剤を用いて、目的リンパ球を骨髄腫細胞と融合させてハイブリドーマ細胞を取得する(Goding、Monoclonal Antibodies: Principles and Practice、pp.59-103、Academic Press、1996)。上記のように製造されたハイブリドーマ細胞を適切な培養液中に接種して成長させてもよく、培養液中には、好ましくは、融合していない母体骨髄腫細胞の成長を阻害することができる1種以上の物質が含まれる。例えば、ヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT又はHPRT)に乏しい母体骨髄腫細胞に対して、培養液中にヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミン(HAT培地)などの物質を加えることにより、HGPRT-欠陥細胞の成長を阻害することができる。好ましい骨髄腫細胞は、融合率が高く、抗体分泌能力が安定し、HAT培養液に敏感であるなどの特徴を有するはずである。骨髄腫細胞は、好ましくは、マウス由来骨髄腫、例えば、MOP-21又はMC-11マウス腫瘍誘導株(THE Salk Institute Cell Distribution Center、San Diego、Calif. USA)、及びSP-2/0又はX63-Ag8-653細胞株(American Type Culture Collection、Rockville、Md. USA)を選択する。また、他の研究報告によると、ヒト骨髄腫及びヒトマウス異種骨髄腫細胞株を用いてヒト単クローン抗体を製造する(Kozbor、J. Immunol.、133: 3001 (1984); Brodeur et al.、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、pp. 51-63、Marcel Dekker、Inc.、New York、1987)。ハイブリドーマ細胞を成長させる培養液は、特異抗原に対する単クローン抗体の産生を検出するためのものである。ハイブリドーマ細胞から産生される単クローン抗体の結合特異性を測定する方法は、例えば、放射免疫試験(RIA)、酵素結合免疫吸着試験(ELISA)などの免疫沈降又は体外結合試験などを含む。例えば、MunsonらがAnal.Biochem.107:220(1980)において記載したScatchard分析法を用いて、単クローン抗体の親和性を測定することができる。ハイブリドーマにより産生された抗体の特異性、親和性及び反応性を決定した後、目的細胞株は、(Goding、Monoclonal Antibodies: Principles and Practice、pp. 59-103、Academic Press、1996)に記載の標準的な限定希釈法によりサブクローン化を行うことができる。適切な培養液は、DMEM又はRPMI-1640などであってもよい。また、ハイブリドーマ細胞は、腹水腫瘍の形で動物体内に成長することができる。従来の免疫グロブリン精製方法、例えば、プロテインAアガロースゲル、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析又はアフィニティークロマトグラフィーを用いて、サブクローン細胞により分泌される単クローン抗体を細胞培養液、腹水又は血清から単離することができる。
【0201】
遺伝子操作組換え技術によりモノクローナル抗体を取得することもできる。単クローン抗体の重鎖及び軽鎖遺伝子に特異的に結合する核酸プライマーを用いてPCR増幅を行うことにより、ハイブリドーマ細胞から、モノクローナル抗体の重鎖及び軽鎖遺伝子をコードするDNA分子を単離することができる。得られたDNA分子を発現ベクター内に挿入した後、宿主細胞(例えば、E.coli細胞、COS細胞、CHO細胞、又は免疫グロブリンを生成しない他の骨髄腫細胞)をトランスフェクトし、かつ適切な条件下で培養して、組換え発現の目的の抗体を得ることができる。
【0202】
抗体は、公知の技術により、例えば、プロテインA又はプロテインGのアフィニティークロマトグラフィーを用いて精製することができる。その後又はこれに代えて、特異性抗原(該抗体が認識する標的分子)又はその抗原エピトープをコラムに固定し、かつ免疫アフィニティークロマトグラフィー法により免疫特異性抗体を精製することができる。免疫グロブリンの精製について、例えば、D.Wilkinson(The Scientist、published by The Scientist、Inc.、Philadelphia Pa.、Vol.14、No.8(Apr.17、2000)、pp.25-28)を参照することができる。
【0203】
本明細書において使用されるとき、用語「マウス由来抗体」とは、免疫接種されたマウス由来のB細胞と骨髄腫細胞とを融合させ、次いで無限に増殖できると共に抗体を分泌できるマウスハイブリドーマ融合細胞をスクリーニングし、さらにスクリーニング、抗体製造及び抗体精製を行うことで得られるものである。或いは、抗原がマウス体内に侵入した後にB細胞が分化増殖して形質細胞を形成し、形質細胞が分泌抗体を産生することができる。特異的抗原の刺激により抗体を産生し、抗原の産生について、抗原が人体に侵入した後に様々な免疫細胞の相互作用を引き起こして、リンパ球中のB細胞が分化増殖して形質細胞を形成し、形質細胞が分泌抗体を産生することができる。
【0204】
本明細書において使用されるとき、用語「キメラ抗体(Chimeric antibody)」とは、軽鎖又は/及び重鎖の一部が1つの抗体に由来し(ある特定の種に由来するか又はある特定の抗体類又は亜種に属する)、そして軽鎖又は/及び重鎖の他の部分が他の抗体に由来する(同じ又は異なる種に由来するか又は同じ又は異なる抗体類又は亜種に属する)が、いずれにしても、目的の抗原に対する結合活性を維持するものである(U.S.P 4816567 to Cabilly et al.; Morrison et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、81:6851 6855 (1984))。例えば、用語「キメラ抗体」は、重鎖及び軽鎖の可変領域が一次抗体(例えば、マウス由来抗体)に由来し、重鎖及び軽鎖の定常領域が二次抗体(例えば、ヒト抗体)に由来する抗体(例えば、ヒトマウスキメラ抗体)を含んでもよい。
【0205】
本明細書において使用されるとき、用語「ヒト化抗体」とは、遺伝子操作された非ヒト由来抗体であり、ヒト由来抗体の配列との相同性を向上させるように、そのアミノ酸配列が修飾される。一般的に、ヒト化抗体の全部又は一部のCDR領域は、非ヒト由来抗体(供与体抗体)に由来し、全部又は一部の非CDR領域(例えば、可変領域FR及び/又は定常領域)は、ヒト由来免疫グロブリン(受容体抗体)に由来する。ヒト化抗体は、一般的に、抗原特異性、親和性、反応性、免疫細胞の活性を向上させる能力、免疫応答を増強する能力などを含むがこられに限定されない供与体抗体の所望の性質を維持する。供与体抗体は、所望の性質(例えば、抗原特異性、親和性、反応性、免疫細胞の活性を向上させる能力及び/又は免疫応答を増強する能力)を有するマウス、ラット、ウサギ又は非ヒト霊長類動物(例えば、カニクイザル)抗体であってもよい。
【0206】
ヒト化抗体は、非ヒト由来供与体抗体(例えば、マウス由来抗体)の所望の性質を維持すると共に、ヒト被験者における非ヒト由来供与体抗体(例えば、マウス由来抗体)の免疫原性を効果的に低下させることができるため、特に有利である。しかしながら、供与体抗体のCDRと受容体抗体のFRとの間にマッチング問題があるため、ヒト化抗体の所望の性質(例えば、抗原特異性、親和性、反応性、免疫細胞活性を向上させる能力及び/又は免疫応答を増強する能力)は、一般的に、非ヒト由来供与体抗体(例えば、マウス由来抗体)よりも低い。
【0207】
したがって、当業者は、抗体のヒト化を鋭意研究し、かついくつかの成果を取得したが(例えば、Jones et al.、Nature、321:522 525 (1986)、Reichmann et al.、Nature、332:323 329 (1988)、Presta、Curr. Op. Struct. Biol.、2:593 596 (1992)、and Clark、Immunol. Today 21: 397 402 (2000)を参照)、産生されたヒト化抗体が可能な限り高いヒト化レベルを有すると共に供与体抗体の所望の性質を可能な限り維持できるように、供与体抗体をどのように十分にヒト化するかについて、従来技術には、詳細なアドバイスが提供されていない。当業者であれば、具体的な供与体抗体に対して模索、検討及び改造を行い、多大な労力を要する限り、高いヒト化レベル(例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%のヒト化レベル)を有すると共に具体的な供与体抗体の所望の性質を維持するヒト化抗体を取得することができる。
【0208】
本発明において、ヒト化抗体が供与体抗体の性質(例えば、抗原特異性、親和性、反応性、免疫細胞活性を向上させる能力及び/又は免疫応答を増強する能力を含む)をできるだけ維持するために、本発明のヒト化抗体におけるフレームワーク領域(FR)は、ヒト由来受容体抗体のアミノ酸残基だけでなく、それに対応する非ヒト由来供与体抗体のアミノ酸残基を含む。
【0209】
本発明のキメラ抗体又はヒト化抗体は、上記製造されたマウスモノクローナル抗体の配列に従って製造されてもよい。重鎖及び軽鎖をコードするDNAは、目的のマウスハイブリドーマから取得されてもよく、非マウス(例えば、ヒト)免疫グロブリン配列を含むように、標準的な分子生物学的技術を用いて工学的に改造される。
【0210】
キメラ抗体を製造するために、本分野で既知の方法を用いて、マウス免疫グロブリン可変領域をヒト免疫グロブリン定常領域に連結してもよい(例えば、Cabillyらの米国特許第4816567号を参照)。例えば、VHをコードするDNAを、重鎖定常領域をコードする他のDNA分子に操作可能に連結して、全長重鎖遺伝子を取得する。ヒト重鎖定常領域遺伝子の配列は、本分野で知られており(例えば、Kabat、E.A.ら(1991)Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition、U.S. Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91-3242を参照)、これらの領域を含むDNA断片は、標準PCR増幅により取得されてもよい。重鎖定常領域は、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA、IgE、IgM又はIgD定常領域であってもよいが、一般的に、IgG1又はIgG4定常領域であることが好ましい。例えば、VLをコードするDNAを、軽鎖定常領域CLをコードする他のDNA分子に操作可能に連結して、全長軽鎖遺伝子(及びFab軽鎖遺伝子)を取得する。ヒト軽鎖定常領域遺伝子の配列は、本分野で知られており(例えば、Kabat、E.A.ら(1991) Sequences of Proteins of Immunological Interest、Fifth Edition,U.S.Department of Health and Human Services、NIH Publication No.91-3242を参照)、これらの領域を含むDNA断片は、標準PCR増幅により取得されてもよい。軽鎖定常領域は、κ又はλ定常領域であってもよいが、一般的に、κ定常領域であることが好ましい。
【0211】
ヒト化抗体を製造するために、本分野で既知の方法を用いて、マウスCDR領域をヒト由来フレーム配列に挿入してもよい(Winterの米国特許第5225539号、Queenらの米国特許第5530101、5585089、5693762及び6180370号、及びLo、Benny、K.C.、editor、in Antibody Engineering: Methods and Protocols、volume 248、Humana Press、New Jersey、2004を参照)。また、免疫後に内在性免疫グロブリンを産生することなく、完全なヒト抗体ライブラリーを産生することができるトランスジェニック動物を利用してもよい。例えば、キメラ・生殖系列変異マウスにおいて抗体重鎖連結領域(JH)遺伝子のホモ接合の欠失によって、内在性抗体の産生が完全に阻害され、その後にヒト生殖系列免疫グロブリン遺伝子配列を前記生殖系列変異マウスに移すことにより、該マウスが抗原刺激を受ける際にヒト抗体を産生することが報告されている(例えば、Jakobovitsら、1993、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:2551、Jakobovitsら、1993、Nature362:255-258、Bruggermannら、1993、Year in Immunology 7:33、及びDuchosalら、1992、Nature 355:258を参照)。上記トランスジェニック動物の非限定的な実例は、再配列されていないヒト重鎖(μ及びγ)及びκ軽鎖免疫グロブリン配列をコードするヒト免疫グロブリン遺伝子のミニ遺伝子座(miniloci)以外、内在性μ及びκ鎖の遺伝子座を不活化するための標的変異も含むHuMAbマウス(Medarex,Inc.)(例えば、Lonbergら(1994) Nature 368(6474):856-859を参照)、又は、ヒト重鎖遺伝子導入及びヒト軽鎖染色体導入を搭載している「KMマウスTM」(特許出願WO02/43478号を参照)を含むが、これらに限定されない。他の抗体ヒト化改造方法は、ファージ提示技術をさらに含む(Hoogenboomら、1991、J.Mol.Biol.227:381、Marksら、J.Mol.Biol.1991、222:581-597、Vaughanら、1996、Nature Biotech 14:309を参照)。
【0212】
本明細書において使用されるとき、用語「ヒト化レベル」とは、ヒト化抗体における非ヒト由来アミノ酸残基の数を評価する指標である。ヒト化抗体のヒト化レベルから、例えば、IMGTサイトのDomainGapAlignにより可変領域配列とヒトVドメインの相同性を予測することができる。
【0213】
本明細書において使用されるとき、用語「同種抗体」とは、抗体の変異体であり、それに含まれる重鎖及び軽鎖可変領域に含まれるアミノ酸配列は、本明細書に係る抗体又はその抗原結合断片のアミノ酸配列と同種であり、かつ前記変異体は、本発明の抗ROR1抗体の所望の機能特性を維持する。
【0214】
比較のための配列照合方法は、本分野でよく知られている。様々なプログラム及び照合アルゴリズムは、Smith TF及びWaterman MS、Adv.Appl.Math.、2:482、1981、Higgins DG及びSharp PM、CABIOS5:151、1989に記載されている。Altschul SFら、Nature Genet.、6:119、1994には、配列照合方法及び相同性計算のための詳細な考え方が提供される。
【0215】
本明細書において使用されるとき、用語「特異的結合」とは、抗体とそれに対応する抗原との間の反応のような、両分子間の非ランダムな結合反応である。特異的結合の相互作用の強度又は親和性は、該相互作用の平衡解離定数(KD)又は半数有効濃度(EC50)で表してもよい。
【0216】
両分子間の特異的結合の性質は、本分野で公知の方法を用いて測定されてもよい。1つの方法は、抗原結合部位/抗原複合物の形成及び解離の速度の測定に関する。「結合速度定数」(ka又はkon)及び「解離速度定数」(kdis又はkoff)は、いずれも濃度と会合・解離の実際速度により算出されてもよい(Malmqvist M、Nature、1993、361:186-187を参照)。kdis/konの比は、解離定数KDと等しい(Daviesら、Annual Rev Biochem、1990、59:439-473を参照)。任意の有効な方法でKD、kon及びkdisの値を測定してもよい。いくつかの実施形態では、生体発光干渉測定法(例えば、ForteBio Octet法)で解離定数を測定してもよい。この他に、表面プラズモン共鳴技術(例えば、Biacore)又はKinexaで解離定数を測定してもよい。
【0217】
本明細書において使用されるとき、用語「ベクター(vector)」とは、ポリヌクレオチドが挿入される核酸運搬工具である。挿入されたポリヌクレオチドがコードするタンパク質をベクターにより発現させることができる場合、該ベクターは、発現ベクターと呼ばれる。ベクターを形質転換、伝達又はトランスフェクトにより宿主細胞に導入することにより、ベクターに搭載された遺伝子エレメントを宿主細胞において発現させることができる。ベクターは、当業者にとって公知であり、プラスミド、ファージミド、コスプラスミド、人工染色体(例えば、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)又はP1由来の人工染色体(PAC))、ファージ(例えば、λファージ又はM13ファージ)、及び動物ウイルスなどを含むが、これらに限定されない。ベクターとして用いられる動物ウイルスは、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス、ヘルペスウイルス(例えば、単純ヘルペスウイルス)、ポックスウイルス、バキュロウイルス、パピローマウイルス、パポーバウイルス(例えば、SV40)などを含むが、これらに限定されない。1種のベクターは、プロモーター配列、転写開始配列、エンハンサー配列、選択エレメント及びレポーター遺伝子を含むがこれらに限定されない、発現を制御する様々なエレメントを含んでもよい。また、ベクターは、複製開始部位をさらに含んでもよい。
【0218】
発現及びクローニングベクターは、1つ又は複数の選択された宿主細胞にベクターを複製させることができる核酸配列を含む。一般的に、クローニングベクターにおいて、この配列は、ベクターを宿主染色体DNAから独立して複製させることができるものであり、複製開始点又は自律複製配列を含む。本明細書において使用されるとき、用語「発現ベクター」とは、発現されるヌクレオチド配列に効果的に連結する発現調節配列を含む、組換えポリヌクレオチドを含むベクターである。発現ベクターは、発現するための十分なシス作用エレメント(cis-acting elements)を含み、発現のための他のエレメントは、宿主細胞又は体外発現システムにより提供されてもよい。発現ベクターは、本分野で既知のもの、例えば、コスミド、(例えば、リポソームに露出するか又はその中に含まれる)プラスミド、及びウイルス(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)を含む。
【0219】
本明細書において使用されるとき、用語「宿主細胞」とは、ベクターを導入するための細胞であり、大腸菌又は枯草菌などの原核細胞、酵母細胞又は麹菌などの真菌細胞、S2ショウジョウバエ細胞又はSf9などの昆虫細胞、又は、線維芽細胞、NSO細胞、Vero細胞、Hela細胞、COS細胞、CHO細胞(例えば、CHO-K1、CHO-S、CHO DXB11、ExpiCHO、CHO DG44細胞)、ExpiCHO細胞、HEK293細胞、Expi293細胞、BHK細胞及びMDCKII細胞などの動物細胞を含むが、これらに限定されない。本明細書において、宿主細胞は、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)を構築するための免疫細胞、例えば、Tリンパ球、NK細胞などをさらに含む。
【0220】
本明細書において使用されるとき、用語「同一性」とは、2つのポリペプチド間又は2つの核酸間の配列のマッチング状況である。比較される2つの配列のある位置がいずれも同じ塩基又はアミノ酸モノマーサブユニットで占められる(例えば、2つのDNA分子のそれぞれのある位置がいずれもアデニンで占められるか又は2つのポリペプチドのそれぞれのある位置がいずれもリジンで占められる)場合、各分子は、該位置で同一である。2つの配列の「パーセント同一性」は、この2つの配列で共有されるマッチング位置の数/比較される位置の数×100の関数である。例えば、2つの配列の10個の位置のうちの6個の位置がマッチングすれば、これら2つの配列は、60%の同一性を有する。例えば、DNA配列CTGACT及びCAGGTTは、50%の同一性を有する(6個の位置のうちの3個の位置がマッチングする)。一般的に、2つの配列を照合して最大同一性が生じる場合に比較する。このような照合は、例えば、Alignプログラム(DNAstar、Inc.)のようなコンピュータプログラムによって便宜的に行うことができるNeedlemanら(1970)J. Mol. Biol. 48:443-453の方法を用いることにより実現することができる。ALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたE.Meyers及びW.Miller(Comput.Appl Biosci.、4:11-17(1988))のアルゴリズムを用いて、PAM120重み付け残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティ12及びギャップペナルティ4を用いて、2つのアミノ酸配列間のパーセント同一性を測定することができる。また、GCGソフトウェアパッケージ(www.gcg.comで利用可能)に組み込まれたGAPプログラムにおけるNeedleman及びWunsch(J MoI Biol. 48:444-453 (1970))アルゴリズムを用いて、Blossum 62行列又はPAM250行列、並びにギャップ重み付け(gap weight)16、14、12、10、8、6、又は4及び長さ重み付け1、2、3、4、5、又は6を用いて、2つのアミノ酸配列の間のパーセント同一性を測定することができる。
【0221】
本明細書において使用されるとき、用語「保存的置換」とは、アミノ酸配列を含むタンパク質/ポリペプチドの所望の性質に悪影響を及ぼさないか又は変化させないアミノ酸置換である。例えば、本分野で既知の標準技術、例えば、部位特異的変異導入法及びPCR媒介による変異導入法により保存的置換を導入することができる。アミノ酸の保存的置換は、類似する側鎖を有するアミノ酸残基で、例えば、対応するアミノ酸残基と物理学的又は機能的に類似する(例えば、類似する大きさ、形状、電荷、共有結合又は水素結合を形成する能力などを含む化学的性質を有する)残基で、アミノ酸残基を置換することを含む。本分野では、類似する側鎖を有するアミノ酸残基ファミリーが定義されている。これらのファミリーは、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例えば、リジン、アルギニン及びヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非帯電極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、グリシン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、チロシン、システイン、トリプトファン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例えば、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン)、β分岐側鎖を有するアミノ酸(例えば、トレオニン、バリン、イソロイシン)、及び芳香族側鎖を有するアミノ酸(例えば、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)を含む。したがって、同じ側鎖のファミリーに由来する別のアミノ酸残基で対応するアミノ酸残基を置換することが好ましい。アミノ酸の保存的置換の同定方法は、本分野で知られているものである(例えば、BrummellらのBiochem. 32:1180-1187 (1993)、KobayashiらのProtein Eng. 12(10):879-884 (1999)、及びBurksらのProc. Natl Acad. Set USA 94:412-417 (1997)を参照し、それらは参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0222】
本発明に係る20個の一般的なアミノ酸の記述は、常法に従う。例えば、Immunology-A Synthesis (2nd Edition、E. S. Golub and D. R. Gren、Eds.、Sinauer Associates、Sunderland、Mass. (1991))を参照し、それは、参照により本明細書に組み込まれるものとする。本発明において、用語「ポリペプチド」及び「タンパク質」とは、同じ意味を有し、かつ互換して使用されてもよい。本発明において、アミノ酸は、一般的に、本分野で公知の1文字及び3文字の省略形で表される。例えば、アラニンは、A又はAlaで表されてもよい。
【0223】
本明細書において使用されるとき、用語「薬学的に許容される担体及び/又は賦形剤」とは、薬理学的及び/又は生理学的に被験者及び活性成分と適合する担体及び/又は賦形剤を意味し、本分野で公知のものであり(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences. Edited by Gennaro AR、19th ed. Pennsylvania: Mack Publishing Company、1995を参照)、pH調整剤、界面活性剤、アジュバント、イオン強度増強剤、希釈剤、浸透圧を維持する試薬、吸収を遅延させる試薬、防腐剤を含むが、これらに限定されない。例えば、pH調整剤は、リン酸塩緩衝液を含むが、これに限定されない。界面活性剤は、カチオン性、アニオン性、又は非イオン性界面活性剤、例えば、Tween-80を含むが、これらに限定されない。イオン強度増強剤は、塩化ナトリウムを含むが、これに限定されない。防腐剤は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含むが、これらに限定されない。浸透圧を維持する試薬は、糖、NaCl及びその類似体を含むが、これらに限定されない。吸収を遅延させる試薬は、モノステアリン酸塩及びゼラチンを含むが、これらに限定されない。希釈剤は、水、水性緩衝液(例えば、緩衝生理食塩水)、アルコール及び多価アルコール(例えば、グリセリン)を含むが、これらに限定されない。防腐剤は、様々な抗細菌剤及び抗真菌剤、例えば、チメロサール、2-フェノキシエタノール、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含むが、これらに限定されない。安定剤は、当業者が一般的に理解できる意味を有し、薬物における活性成分の所望の活性を安定化させることができ、グルタミン酸ナトリウム、ゼラチン、SPGA、糖類(例えば、ソルビトール、マンニトール、澱粉、ショ糖、乳糖、デキストラン又はグルコース)、アミノ酸(例えば、グルタミン酸及びグリシン)、タンパク質(例えば、乾燥ホエー、アルブミン又はカゼイン)又はその分解物(例えば、ラクトアルブミン加水分解物)などを含むが、これらに限定されない。
【0224】
本明細書において使用されるとき、用語「予防」とは、疾患、病症又は症状(例えば、腫瘍)の被験者体内での発生を阻止又は遅延させるために実施する方法である。本明細書において使用されるとき、用語「治療」とは、有益又は所望の臨床結果を得るために実施する方法である。本発明の目的のために、有益又は所望の臨床結果は、検出可能であっても検出不能であってもよい、症状の軽減、疾患の範囲の絞り込み、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化させない)、疾患の進行の遅延又は緩和、疾患の状態の改善又は軽減、及び症状の緩和(一部又は全部を問わない)を含むが、これらに限定されない。また、「治療」とは、所望の生存期間(治療を受けていなければ)よりも、生存期間を長くする方法であってもよい。
【0225】
本明細書において使用されるとき、用語「被験者」とは、哺乳動物、例えば、霊長類哺乳動物、例えばヒトである。いくつかの実施形態では、前記被験者(例えばヒト)は、腫瘍に罹患しているか又は上記疾患に罹患するリスクがある。
【0226】
本明細書において使用されるとき、用語「有効量」とは、所望の効果を得るか又は少なくとも部分的に得るのに十分な量である。例えば、疾患(例えば、腫瘍)を予防する有効量とは、疾患(例えば、腫瘍)の発生を予防し、阻止し、又は遅延するのに十分な量であり、疾患を治療する有効量とは、疾患に罹患している患者の疾患及びその合併症を治癒するか又は少なくとも部分的に阻止するのに十分な量である。このような有効量の測定は、当業者の能力の範囲内である。例えば、治療用途に有効な量は、治療される疾患の重篤度、患者自身の免疫系の全体状態、患者の一般的な状況(例えば、年齢、体重及び性別)、薬物の投与形態、及び同時に投与される他の治療などに依存する。
【0227】
本明細書において使用されるとき、用語「エフェクター機能(effector function)」とは、抗体Fc領域(天然配列Fc領域又はアミノ酸配列変異体Fc領域)に起因する生物学的活性であり、それは、抗体アイソタイプに応じて変化する。抗体のエフェクター機能の例は、Fc受容体結合親和性、抗体依存性細胞媒介型細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞食作用(ADCP)、細胞表面受容体(例えば、B細胞受容体)のダウンレギュレーション、B細胞の活性化、サイトカインの分泌、抗体及び抗原-抗体複合物の半減期/クリアランス率などを含むが、これらに限定されない。抗体のエフェクター機能を変化させる方法は、本分野で既知のものであり、例えば、Fc領域に変異を導入することにより達成される。
【0228】
本明細書において使用されるとき、用語「抗体依存性細胞媒介型細胞傷害(ADCC)」とは、Igが細胞傷害細胞(例えば、ナチュラルキラー(NK)細胞、好中球又はマクロファージ)に存在するFc受容体(FcR)に結合して、これらの細胞傷害エフェクター細胞を抗原が付着した標的細胞に特異的に結合させた後、細胞毒素を分泌することにより標的細胞を死滅させるという細胞傷害形態である。抗体のADCC活性の検出方法は、本分野で既知のものであり、例えば、被検抗体とFc受容体(例えば、CD16a)との結合活性を測定することにより評価してもよい。
【0229】
本明細書において使用されるとき、用語「補体依存性細胞傷害(CDC)」とは、補体成分C1qを抗体Fcに結合させることにより、補体カスケードを活性化させるという細胞傷害形態である。抗体のCDC活性の検出方法は、本分野で既知のものであり、例えば、被検抗体とFc受容体(例えば、C1q)との結合活性を測定することにより評価してもよい。
【0230】
本明細書において使用されるとき、用語「薬学的に許容される」とは、分子本体、分子断片又は組成物が適切に動物又はヒトに投与される場合、不利な、アレルギー又は他の不具合を起こさない。薬学的に許容される担体又はその成分としてのいくつかの物質の具体例は、糖類(例えば、乳糖)、澱粉、セルロース及びその誘導体、植物油、ゼラチン、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール)、アルギン酸などを含む。
【0231】
本明細書において、組み合わせ療法は、本発明の抗ROR1抗体又はその抗原結合断片を、1つ又は複数の他の第2の療法の活性治療剤(例えば、化学治療剤)又は他の予防又は治療モード(例えば、放射線療法)と組み合わせて使用することを含む。
【0232】
このような組み合わせ療法では、様々な活性剤が異なる相補的な作用機構を有することが多く、組み合わせ療法は、相乗的な効果を果たすことができる。組み合わせ療法は、免疫反応(例えば、増強又は活性化反応)に影響を及ぼす治療剤、及び腫瘍/癌細胞に影響を及ぼす(例えば、阻害するか又は死滅させる)治療剤を含む。組み合わせ療法は、薬剤耐性癌細胞が発生する可能性を低減することができる。組み合わせ療法は、試薬のうちの1種以上の試薬の投与量を減少させて、試薬のうちの1種以上の試薬に関連する不具合を低減又は解消することを可能にする。このような組み合わせ療法は、潜在的な疾患、病症又は病状に対して相乗的な治療又は予防作用を有する。
【0233】
本明細書において、「組み合わせ」は、別々に配合して単独で投与する(例えば、キットで提供できる)というような分けて投与できる療法、及び単一の配合物(すなわち、「併用配合物」)ごとに投与できる療法を含む。いくつかの実施形態では、本発明の抗ROR1抗体又はその抗原結合断片を順次投与してもよい。他の実施形態では、抗ROR1抗体又はその抗原結合断片を同時に投与してもよい。本発明の抗ROR1抗体又はその抗原結合断片は、少なくとも1種の他の(活性)薬剤と任意の方式で組み合わせて使用されてもよい。
【0234】
本明細書において、ROR1陽性は、専門の臨床病理医によって免疫組織化及び染色強度評価を行うことにより得られる。
【0235】
用語「癌」及び「腫瘍」は、交換して使用されてもよく、体内の異常細胞が制御されずに成長することを特徴とする大分類の疾患である。制御されない細胞分裂により、悪性腫瘍又は近傍組織に侵入した細胞の形成をもたらし、リンパ系又は血流によって身体の先端部位に転移する可能性がある。癌は、良性癌又は悪性癌、及び、休眠腫瘍又はマイクロ転移を含む。癌は、血液学的悪性腫瘍も含む。
【0236】
用語「血液学的悪性腫瘍」は、リンパ腫、白血病、骨髄腫又はリンパ悪性腫瘍、並びに脾臓及びリンパ節腫瘍を含む。例示的なリンパ腫は、B細胞リンパ腫及びT細胞リンパ腫を含む。B細胞リンパ腫は、例えば、ホジキンリンパ腫を含む。T細胞リンパ腫は、例えば、皮膚T細胞リンパ腫を含む。血液学的悪性腫瘍は、白血病、例えば、続発性白血病又は急性リンパ性白血病を含む。血液学的悪性腫瘍は、骨髄腫(例えば、多発性骨髄腫)、及び他の血液学及び/又はB細胞又はT細胞に関する癌をさらに含む。
【0237】
以下、図面及び実施例を参照して本願の実施形態を詳細に説明するが、当業者であれば理解できるように、以下の図面及び実施例は、本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。図面及び好ましい実施形態の以下の詳細な説明に基づいて、本発明の様々な目的及び利点は、当業者にとって実施可能になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0238】
図1】ヒトROR1タンパク質を過剰発現させたBa/F3細胞の検出である。
図2】マウス抗ヒトROR1抗体とROR1陽性細胞の結合の検出である。
図3】マウス抗ヒトROR1抗体とヒトROR2細胞外領域タンパク質の結合の検出である。
図4】抗ヒトROR1キメラ抗体と細胞の結合の測定である。
図5】抗ヒトROR1ヒト化候補抗体のADCC細胞活性の測定である。
図6】抗ヒトROR1候補抗体のエンドサイトーシス誘導活性の測定(Mab-ZAP法)である。
図7A】抗ヒトROR1候補抗体によるエンドサイトーシス活性の測定(酸洗法)である。
図7B】抗ヒトROR1候補抗体によるエンドサイトーシス活性の測定(酸洗法)である。
図8】抗ヒトROR1候補抗体によるエンドサイトーシス活性の測定(pHrodo色素(Thermo)法)である。
【0239】
配列情報
本発明に係る配列の情報は、以下の表に説明されている。
【0240】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【発明を実施するための形態】
【0241】
現在、例を挙げて説明することを意図する本発明の実施例(本発明を限定しない)を参照して本発明を説明する。
【0242】
特に指定しない限り、本発明に使用される分子生物学実験方法及び免疫検出法は、基本的に、J.Sambrookら、分子クローニング:実験室マニュアル、第2版、冷泉港実験室出版社、1989、及びF.M.Ausubelら、精編分子生物学実験マニュアル、第3版、John Wiley & Sons、Inc.、1995に記載の方法を参照して行われる。当業者であれば知っているように、実施例は、例を挙げて本発明を説明し、本発明の範囲を限定することを意図しない。
【0243】
実施例1:マウス抗ヒトROR1抗体の産生
1)抗体の産生と同定材料の調製
(1)ヒトROR1安定発現細胞株の構築:ヒトROR1抗体の特異性及び機能を検証するために、ヒトROR1の完全なコード配列(遺伝子番号:Q01973)を含むレンチウイルス(G&P Biosciences、品番:LTV-ROR1)によりBa/F3細胞に感染し、ピューロマイシンにより陽性形質転換細胞をスクリーニングし、かつ有限希釈法によりモノクローナルスクリーニングを行ってモノクローナルのBA/F3-ROR1安定細胞株を取得する。フローサイトメトリー(Luminex、Guava easyCyte HT)によりROR1の発現を同定する。抗ヒトROR1抗体D10(特許文献:米国特許第9217040B2号)は、検出抗体として用いられる。図1に示すように、フローサイトメトリーの結果によると、Ba/F3-ROR1の陽性率が非常に高く(100%に近い)、後続の実験に用いることができる。
【0244】
(2)Expi293又はExpiCHO哺乳動物細胞において組換えヒトROR ECD-his、ECD-マウスFc及びECD-T細胞エピトープ融合タンパク質(ECD:細胞外ドメインaa30-406)を発現させて精製し、得られたタンパク質をELISAにより抗体D10で同定する。遺伝子合成(Genscript、Piscataway、NJ)により全長ヒトROR1コード配列を有するpcDNA3.4プラスミドを構築し、かつ増幅を行う。
【0245】
2)マウス免疫
上記異なるタグ付きのヒトROR1 ECDタンパク質、全長ROR1配列をコードするpcDNA3.4プラスミド及びBa/F3-ROR1細胞を用いて野生型マウスを免疫する。Balb/c、C57Bl/6、NZB及びA/Jの4種類のマウス系統を用いて免疫する。以下の3種類の免疫方法を用い、概要は以下のとおりである:1)まず100μgのヒトROR1の完全なコード配列を含むpcDNA3.4プラスミドを用いて1~2回の尾静脈注射を行い、次に2-4x106Ba/F3-ROR1個の細胞で追加免疫を行い、毎回の免疫間隔が2~3週間である。2)まず100μgのヒトROR1の完全なコード配列を含むpcDNA3.4プラスミドを用いて尾静脈注射を1-2回行い、次に不完全フロイントアジュバント(IFA)と50~100μgの組換えROR1 ECDタンパク質を混合して追加免疫を行い、毎回の免疫間隔が2~3週間である。3)まず50μgの組換えROR1 ECDタンパク質と完全フロイントアジュバント(CFA)を混合して免疫し、次に50μgの組換えROR1 ECDタンパク質とIFAを混合して追加免疫を行い、毎回の免疫間隔が2~3週間である。2回目の追加免疫後、フローサイトメトリーによりBa/F3-ROR1細胞を用いて血清力価を測定する。力価の高いマウスを選択し、ROR-1 ECDタンパク質で融合前の3~5日に追加免疫を行う。
【0246】
3)抗ヒトROR1抗体を産生するマウス由来ハイブリドーマの製造及びスクリーニング
標準化学融合プログラムを用いて、ポリエチレングリコール(分子量1500Da、Roche、製品番号:10783641001)を用いてマウス脾臓細胞とマウス骨髄腫SP2/0細胞(ATCC、製品番号:CRL-1581)を融合し、比率が5:1である。20%ウシ胎児血清(Hyclone、品番:SH30080.03)を含有するDMEM培地(Gibco、品番:12430-47)を用いて細胞を5×105個の脾臓細胞/mLに調整する。0.2mLの細胞を96ウェルプレートの各ウェルに添加し、かつ37℃、5%CO2のインキュベータで培養する。融合した後の2日目に、スクリーニング選択のために各ウェルにHAT(Sigma、品番:H0262-10VL)を添加する。ハイパスフローサイトメトリー(Sartorius、型番:iQue Screener Plus)により、Ba/F3-ROR1細胞に結合する抗体を産生できるクローンを選択する。さらに、フローサイトメトリー(Luminex、型番:Guava easyCyte HT)により、Ba/F3-ROR1細胞のみに結合するがBa/F3野生型細胞に結合しない陽性クローンを選択する。最後に、有限希釈法によりモノクローナルハイブリドーマを取得し、かつFACSによりそれとROR1細胞との結合を確認する。各選択された陽性モノクローナルハイブリドーマから小規模の抗体精製を行う。50~100mLの無血清培地(Thermo Fisher、Hybridoma-SFM、品番:12045084)でハイブリドーマ細胞を培養し、プロテインA(GE Healthecare、MabSelect SuRe、品番:17543802)により上澄液中の抗体を精製して溶出し、得られたモノクローナル抗体を150mMのNaClで透析する。得られた抗体を濾過し、0.2μmフィルターで濾過除菌する。フローサイトメトリーにより精製抗体とBa/F3-ROR1細胞の結合を検出し、3つのマウス抗ヒトROR1モノクローナル抗体(3D8.2.3、19F6.2.3、38F8.1.1)を選択してさらなる特徴づけの候補分子とする。
【0247】
実施例2:マウス抗ヒトROR1モノクローナル抗体の親和性の検出
候補抗体とヒト細胞表面のROR1の親和性をフローサイトメトリーにより検出する。Ba/F3-ROR1過剰発現細胞以外に、ヒト組織リンパ腫細胞株Jeko-1(ATCC、品番:CRL-3006)、ヒト結腸癌細胞株HT-29(ATCC、品番:HTB-38)、ヒト肺癌細胞株A 549(ATCC、品番:CCL-185)も結合性の分析に用いられる。マウス又はヒトIgG1 Fcを有する抗ヒトROR1抗体UC961(特許:WO2018237335A1)を陽性対照として用い、対応するマウス又はヒトIgG1 Fcを有する抗2,4,6-トリニトロフェノール抗体(ATCC)を陰性対照として用いる。マウスIgGのアイソタイプ対照(Thermo Fisher、カタログ番号:31903)も陰性対照として用いる。Ba/F3-ROR1、Jeko-1、HT-29及びA549細胞と、異なる濃度の精製後のマウス由来抗体及び対照抗体とを氷上で30分間インキュベートした後、フロー緩衝液(PBS+2%FBS)で2回洗浄し、さらにヤギ抗ヒト又はマウス蛍光二次抗体(Jackson ImmunoResearch、品番:109-605-098又は115-605-071)を用いて氷上で30分間インキュベートし、最後にフローサイトメトリー(Luminex、型番:Guava easyCyte HT)で検出する。
【0248】
検出結果を図2に示し、3つの抗ヒトROR1マウス由来抗体は、いずれもBa/F3-ROR1、Jeko-1、HT-29及びA549細胞表面のヒトROR1を特異的に認識することができる。
【0249】
ヒトROR2の細胞外ドメイン(ECD)タンパク質を用いて、ELISAにより、候補抗体のヒトROR1に対する結合特異性がヒトROR2に対する結合特異性よりも高いことを確認する。具体的な方法は以下のとおりである:1μg/mLのヒトROR2細胞外ドメイン(ECD)タンパク質(Sino Biologicals、品番:16133-H08H)を100μL/ウェル、4℃で96ウェルのELISA酵素標識プレート(Thermo Fisher、品番:5129)に一晩被覆する。200μLの洗浄緩衝液(1×TBSは、0.05%のポリソルベート-20を含む)を用いて3回洗浄し、100μLの異なる濃度の8株の精製後のマウス抗ヒトROR1候補抗体及びUC961を添加し、37℃で1時間インキュベートし、マウス抗ヒトROR2抗体(R&D systems、品番:MAB2064)を陽性対照として用いる。200μLの洗浄緩衝液を用いて3回洗浄し、各ウェルに100μLの1:10000の比率で希釈された抗ヒトIgG(Rockland Inc、品番:609-1304)又は抗マウスIgG二次抗体(Rockland Inc、品番:610-1304)を添加し、37℃で1時間インキュベートする。200μLの洗浄緩衝液を用いて3回洗浄し、100μLのTMB(Thermo Fisher、品番:TMBW-1000-01)を添加して暗所で10分間発色し、次に100μLの停止液(Thermo Fisher、品番:13361-100-10)を添加して発色反応を停止し、マイクロプレートリーダーを用いて450nmでの値を読み取る。図3に示すように、検出された全ての3つの抗体は、いずれもヒトROR2 ECDタンパク質に結合しない。
【0250】
実施例3:抗ヒトROR1マウス由来抗体のサブタイプの同定と可変領域の増幅
Pierce Rapid Isotypingキット(Thermo Fisherから購入され、品番:26179)を用いて全てのマウス抗ヒトROR1候補抗体(3D8.2.3、19F6.2.3、38F8.1.1)のサブタイプを同定する。同定結果によると、候補クローン重鎖がIgG1サブタイプであり、軽鎖がKappaサブタイプである。
【0251】
可変領域遺伝子をクローニングするために、分解されたハイブリドーマ細胞から全RNAを抽出し、cDNA逆転写キット(Thermo Fisherから購入され、品番:18080-200)を用いて第一鎖cDNAを合成し、抗体の特殊プライマーを用いてPCR方式でPlatinum Taq DNA polymerase(Thermo Fisherから購入され、品番:1304011)を用いてVH及びVK遺伝子を増幅し、PCR生成物をDNA精製キット(Qiagenから購入され、品番:28104)で精製し、かつTOPO TAクローニングベクター(Thermo Fisherから購入され、品番:K 457540)に連結し、E.coli形質転換に用いる。各連結反応において約6~12個のE.coliクローンを選び出して配列決定を行う。配列決定結果をVector NTI 11.5(Thermo Fisherから購入される)及びSequencer 5.4.6(Genecodesから購入される)により分析し、抗ヒトROR1マウス由来候補抗体の可変領域配列及びCDR配列を取得し、表1の配列情報表に示す。
【0252】
表1 抗ヒトROR1マウス由来抗体の可変領域及びCDRアミノ酸配列
【0253】
【表2】
【0254】
実施例4:抗ヒトROR1キメラ抗体の親和性の検出
3D8.2.3、19F6.2.3及び38F8.1.1の軽鎖及び重鎖可変領域をそれぞれヒト軽鎖κ定常領域(SEQ ID NO:120)及びヒトIgG1重鎖定常領域(SEQ ID NO:119)に連結して工学的に改造することにより、キメラ抗体を構築する。各抗体の重、軽鎖のコードされたDNA配列を合成してコドンを最適化した後、pcDNA3.4プラスミド(蘇州泓迅科技股フン有限公司に依頼する)にクローニングする。各キメラ抗体の重鎖及び軽鎖に対応するpcDNA3.4プラスミドをExpi293F細胞(Thermo Fisher、品番:A14527)に同時にトランスフェクトし、プロテインAを用いて上澄液中に発現した抗体を精製し、得られたキメラ抗体をそれぞれ3D8-Chi、19F6-Chi及び38F8-Chiと命名する。
【0255】
フローサイトメトリーにより、精製された抗ヒトROR1キメラ抗体の、Ba/F3-ROR1、Jeko-1、HT-29及びA549細胞に対する結合親和性を分析する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:Ba/F3-ROR1、Jeko-1、HT-29及びA549細胞と異なる濃度勾配の精製されたキメラ抗体を氷上で30分間インキュベートした後、それぞれヒトIgG1を有する抗ROR1抗体UC961及び抗TNP抗体を陽性対照及び陰性対照として用いる。フロー緩衝液(PBS+2%FBS)で2回洗浄し、さらにヤギ抗ヒト蛍光二次抗体(Jackson ImmunoResearch、品番:109-605-098)を用いて氷上で30分間インキュベートし、最後にフローサイトメトリーを用いて検出する。
【0256】
結果を図4及び表2に示し、19F6-Chiの細胞に対する親和性EC50は、陽性対照抗体UC961よりも低く、上記抗ヒトROR1キメラ抗体がUC961よりも高い親和性を有することを示す。38F8-Chi及び3D8-Chiの親和性EC50は、対照抗体UC961に相当する。
【0257】
表2 抗ヒトROR1キメラ抗体の細胞親和性の測定
【0258】
【表3】
【0259】
*は、該数値が2回の測定の平均値であることを示す。
【0260】
Octet ForteBioは、抗体抗原の動的親和性の検出に広く用いられ、この方法で候補キメラ抗体3D8-Chi、19F6-Chi及び38F8-Chiと陽性対照抗体UC961のヒトROR1に対する動的親和性を測定する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:まず抗ヒトIgG FcのAHCプローブ(ForteBio、品番:18-5060)が応答シグナル値0.8~1.0nmまで測定される抗体に結合し、抗体で被覆されたプローブを、異なる濃度(4、2、1、0.5、0.25、0.13、0.06及び0μg/mL)のヒトROR1 ECDタンパク質を含有するウェルに浸漬することにより、動的親和性を測定し、5分間結合した後に10分間解離し、1:1動力学的結合モデルを全てのフィッティング分析に用いる。表3に示すように、3D8-Chi、19F6-Chi及び38F8-Chiの解離速度は、対照抗体UC961よりも明らかに遅く(Kdis数値に示す)、3D8-Chi、19F6-Chi及び38F8-Chiの親和性は、対照抗体UC961よりもそれぞれ2.0倍、34.6倍及び5.0倍高い(KD値に示す)。
【0261】
表3 抗ヒトROR1キメラ抗体のヒトROR1に対する動的親和性の測定
【0262】
【表4】
【0263】
*は、該数値が2回の測定の平均値であることを示す。
【0264】
以上より、対照抗体と比較して、本発明の抗体は、より強い抗原結合能力を示す。
【0265】
実施例5:抗ヒトROR1マウス由来抗体のヒト化
文献に記載のCDR移植方法(Winter and Milstein、Nature、1991、349:293-299、Raderら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、1998、95:8910-8915、Steinbergerら、J. Biol. Chem.、2000、275:36073-36078、及び Queenら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、1989、86:10029-10033)に従って、マウス抗ヒトROR1モノクローナル抗体3D8.2.3、19F6.2.3及び38F8.1.1をヒト化する。簡単に言えば、対応する人生殖系列抗体のフレーム配列でマウス抗体の大部分又は全てのフレーム配列を取り替えることにより、ヒト化抗体を生成し、かつマウス抗体の抗原特異的結合可変領域又はCDRsを維持する。これにより、ハイブリッド分子を生成し、そのうちCDRのみが非ヒト配列からなる。一般的に、いくつかの重要なマウス由来アミノ酸を逆変異させて人生殖系列抗体フレームに移植し、親抗体の抗原結合親和性を最大限に維持するために、CDRにおける潜在的な脱アミド作用、異性化及びグリコシル化部位を変異させて生物学的特性を改善する。
【0266】
上記3つのマウス類モノクローナル抗体クローン(3D8.2.3、19F6.2.3及び38F8.1.1)のヒト化重鎖及び軽鎖変異体の配列を以下の表4に示す。
【0267】
表4-1 19F6抗ヒトROR1ヒト化抗体の可変領域及び定常領域のアミノ酸配列
【0268】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【表5-5】
【表5-6】
【表5-7】
【0269】
表4-2 3D8抗ヒトROR1ヒト化抗体の可変領域及び定常領域のアミノ酸配列
【0270】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【0271】
表4-3 38F8抗ヒトROR1ヒト化抗体の可変領域及び定常領域のアミノ酸配列
【0272】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【0273】
実施例6:抗ヒトROR1ヒト化候補抗体の親和性の測定
抗ヒトROR1ヒト化候補抗体を評価するために、実施例5における候補ヒト化抗体(3D8、38F8、19F6)のコードされたDNA配列を合成してコドンを最適化した後、pcDNA3.4プラスミド(蘇州泓迅科技股フン有限公司に依頼する)にクローニングする。各ヒト化抗体の重鎖及び軽鎖に対応するpcDNA3.4プラスミドをExpi293F細胞に同時にトランスフェクトし、プロテインAを用いて上澄液中の発現抗体を精製する。
【0274】
フローサイトメトリーを用いて抗ヒトROR1ヒト化抗体とBa/F3-ROR1、Jeko-1、HT-29及びA549細胞との親和性を検出する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:Ba/F3-ROR1、Jeko-1、HT-29及びA549細胞と異なる濃度勾配の精製されたヒト化抗体を氷上で30分間インキュベートした後、それぞれヒトIgG1を有する抗ROR1抗体UC961及び抗TNP抗体を陽性対照及び陰性対照として用いる。フロー緩衝液(PBS+2%FBS)で2回洗浄し、さらにヤギ抗ヒト蛍光二次抗体(Jackson ImmunoResearch、品番:109-605-098)を用いて氷上で30分間インキュベートし、最後にフローサイトメトリーで検出する。
【0275】
結果を表5に示し、3つのマウス由来抗体により生成されたヒト化分子19F6-Hu35V1、3D8-HuC24及び38F8-Hu57の全ての4つの細胞に対する親和性EC50は、陽性対照抗体UC961以下であり、上記抗ヒトROR1ヒト化抗体がUC961よりも相当するか又はより高い親和性を有することを示す。
【0276】
表5-1 19F6抗ヒトROR1ヒト化抗体の細胞親和性の検出
【0277】
表5-1A
【0278】
【表8】
【0279】
表5-1B
【0280】
【表9】
【0281】
表5-2 3D8抗ヒトROR1ヒト化抗体の細胞親和性の検出
【0282】
【表10】
【0283】
表5-3 38F8抗ヒトROR1ヒト化抗体の細胞親和性の検出
【0284】
【表11】
【0285】
Octet ForteBio方法を用いて、ヒト化分子19F6-Hu35V1、3D8-HuC24及び38F8-Hu57と陽性対照抗体UC961のヒトROR1 ECDタンパク質に対する動的親和性を測定する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:まず抗ヒトIgG FcのAHCプローブ(ForteBio、品番:18-5060)が応答シグナル値0.8~1.2nmまで測定される抗体に結合し、抗体で被覆されたプローブを、異なる濃度(16、8、4、2、1、0.5、0.25及び0μg/mL)のヒトROR1 ECDタンパク質を含有するウェルに浸漬することにより、動的親和性を測定し、2~4分間結合した後に4~6分間解離し、1:1動力学的結合モデルを全てのフィッティング分析に用いる。
【0286】
表6に示すように、ヒト化分子19F6-Hu35V1の解離速度は、対照抗体UC961よりも明らかに遅く(Kdis数値に示す)、親和性は、対照抗体UC961よりも5.4倍高い(KD値に示す)。3D8-HuC24及び38F8-Hu57は、対照抗体UC961に相当する親和性を示す。
【0287】
表6 抗ヒトROR1ヒト化抗体のヒトROR1に対する動的親和性の測定
【0288】
【表12】
【0289】
*は、該数値が3回の測定の平均値であることを示す。
【0290】
実施例7:抗ヒトROR1ヒト化候補抗体のADCC細胞活性の測定
ヒト化抗ヒトROR1候補抗体19F6-Hu35V1、3D8-HuC24及び38F8-Hu57は、IgG1サブタイプであり、高い抗体依存性細胞媒介型細胞傷害(ADCC、antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)活性を有する。19F6-Hu35V1、3D8-HuC24及び38F8-Hu57のADCC活性を測定するために、本発明において、NK細胞死滅方法を用いて検出する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:Ba/F3-ROR1細胞を遠心沈降させた後に培地で再懸濁し、細胞密度を1×104個の細胞/40μL/ウェルに調整して96ウェルプレートの対応するウェルに添加する。NK92MI-mCD16a-hFceRI細胞を遠心沈降させた後、空のMEMA培地で再懸濁し、細胞密度を5×104/50μL/ウェルに調整して対応するウェルに添加する。19F6-Hu35V1、3D8-HuC24、38F8-Hu57及びUC961抗体を空のMEMA培地で希釈し、1000nMから開始し、4倍希釈し、10個の濃度点を設定する。希釈された抗体を10μL/ウェルで対応するウェルに添加し、37℃、5%CO2の細胞インキュベータに入れてBa/F3-ROR1及びNK92MI-mCD16a-hFceRIと共に5.5時間静置共培養した後、陽性対照ウェルに5μLの4%Triton-X 100(Fisher Scientific、catalog number BP151-500)を添加し、さらに5~10分間静置した後、CytoTox-Glo Cytotoxicity検出試薬(Promega、品番:G9291)を30μL/ウェルで添加し、15分間後にマイクロプレートリーダー(MD、SpectraMax M2)luminescenceの値を読み取り、結果をGraphpad Prismに導入してカーブフィッティングを行う。図5及び表7に示すように、ヒト化抗体19F6-Hu35V1、3D8-HuC24及び38F8-Hu57のBa/F3-ROR1細胞に対するADCC死滅活性EC50は、対照抗体UC961に相当する。
【0291】
表7 抗ヒトROR1ヒト化候補抗体ADCCの細胞活性の測定
【0292】
【表13】
【0293】
実施例8:抗ヒトROR1候補抗体のエンドサイトーシス誘導活性の測定
抗体は、細胞表面の標的タンパク質に結合して、抗体抗原複合物のエンドサイトーシス(internalization)を誘導する可能性がある。本発明は、Mab-ZAPキット(ATSBio、IT-04)を用いて、マウス抗ヒトROR1候補抗体のエンドサイトーシス誘導活性(Kohls MD and Lappi DA BioTechniques 2000、28:162)を測定する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:細胞計数器でJeko-1を計数し、細胞濃度を7500個/ウェルに調整し、次に90uLの細胞を96ウェルプレートに添加し、37℃、5%CO2のインキュベータで一晩インキュベートする。2日目に、マウス抗体19F6.2.3、3D8.2.3、38F8.1.1及びUC961対照抗体を、10ug/mlから完全培地で5倍希釈し、8つの濃度点を設定する。10ulの異なる濃度の抗体をJeko-1細胞に移す。キットの説明書に従って濃度が10ug/mL(50×)のMab-zap溶液を調製し、各ウェルに2ul添加し、37℃、5%CO2で細胞を3日間インキュベートする。室温下で暗所でCTG2.0(Promega、品番:G9241)をプレインキュベートし、かつ各ウェルに100uLのCTG試薬を添加し、アルミニウム箔で覆い、回転発振器内に2分間置き、次に室温で10分間インキュベートして発光シグナルを安定させる。プレートリーダーで発光値を読み取る。図6に示すように、抗体19F6.2.3,3D8.2.3及び38F8.1.1のJeko-1細胞に対するエンドサイトーシス誘導活性は、対照抗体UC961よりも高い。対照抗体UC961よりもそれぞれ23.4倍、3.8倍及び5.3倍高い(IC50値に示す)。
【0294】
実施例9:抗ヒトROR1候補抗体のエンドサイトーシス活性の検出
本発明は、酸洗法で抗ヒトROR1候補抗体のエンドサイトーシス活性を測定する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:膵酵素でHCC827及びMDA-MB-231細胞を消化し、計数した後に細胞濃度を200000個/ウェルに調整し、PBSで細胞を2回洗浄した後、2%BSAで細胞を再懸濁し、次に50uLの細胞を96ウェルプレートに添加する。また、抗体19F6-Hu35V1、38F8-Hu57、UC961対照抗体、及びIgG抗体(ニワトリリゾチーム抗体)を、15μg/mLから3倍希釈し、8個又は9個の濃度点を設定する。50μLの異なる濃度の抗体を細胞に移し、均一に混合する(プレート1)。また、96ウェルプレート(プレート2)を単独で用意し、最高濃度点の各抗体を細胞と混合し、2枚のプレートを4℃で40minインキュベートする。インキュベートが終了した後、PBSで2回洗浄し、500gで3min遠心分離する。1:150で二次抗体anti-human IgG Alexa Fluor 488を希釈し、50μL/ウェルで細胞に添加し、均一に混合した後に4℃で20minインキュベートする。インキュベートが終了した後、PBSで細胞を2回洗浄し、500gで3min遠心分離し、200μLの対応する完全培地で細胞を再懸濁し、プレート1を37℃に置き、プレート2を4℃に置き、4hインキュベートし続ける。インキュベートが終了した後、500gで3min遠心分離して培地を除去し、各ウェルに100μLの酸(150mMのNaCl及び0.1Mのglycineを塩酸でpH2.0に調整して得られる)を添加して2分間再懸濁し、さらに60ulの塩基(3g/LのTris base及び9g/LのNaClをNaOHでpH13に調整する)を添加し、均一に混合して中和し、上澄液を除去し、PBSを添加して再懸濁した後にフローサイトメトリーで検出する。結果を図7A図7Bに示し、抗体19F6-Hu35V1によるHCC827及びMDA-MB-231の2種類の細胞のエンドサイトーシス活性は、対照抗体UC961に相当し、抗体19F6-Hu35V1のエンドサイトーシスの最大シグナルはわずかに強く、38F8-Hu57全体のエンドサイトーシス活性はわずかに低い。陰性対照抗体IgGは、2種類の細胞においていずれもエンドサイトーシス挙動を誘導しない。
【0295】
実施例10:抗ヒトROR1候補抗体によるエンドサイトーシス活性の検出
本発明は、さらに、pHrodo色素(Thermo)を用いて抗ヒトROR1候補抗体によるエンドサイトーシス活性を測定する。具体的な実験ステップは以下のとおりである:膵酵素でN87細胞を消化し、細胞計数器で細胞を計数し、細胞濃度を10000個/ウェルに調整し、100μLの細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃、5%CO2のインキュベータで一晩インキュベートする。2日目に、抗体19F6-Hu35V1、UC961対照抗体、及びIgG抗体を2.4μg/mlから開始し、1640完全培地で5倍希釈し、7つの濃度点を設定する。また、pHrodo(登録商標)Red色素を1640完全培地で12μg/mLに完全に希釈し、30μLの異なる濃度の抗体を30μLの希釈された色素と均一に混合し、常温下で暗所で20minインキュベートする。インキュベートが終了した後、細胞培養液を捨て、抗体色素混合溶液を各ウェルの細胞に添加し、37℃、5%CO2のインキュベータで一晩インキュベートする。2日目に、膵酵素で細胞を消化した後、フローサイトメトリーで検出する。結果を図8に示し、抗体19F6-Hu35V1によるN87細胞のエンドサイトーシス活性は、対照抗体UC961よりも高く、約UC961の7倍である。陰性対照抗体IgGは、N87においてエンドサイトーシス誘導活性がない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
【配列表】
2024508597000001.app
【国際調査報告】