(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】室内にいる人の監視
(51)【国際特許分類】
G08B 25/04 20060101AFI20240220BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20240220BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240220BHJP
A61B 5/117 20160101ALI20240220BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240220BHJP
A61G 12/00 20060101ALI20240220BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20240220BHJP
【FI】
G08B25/04 K
G08B21/02
A61B5/11 230
A61B5/117 100
A61B5/00 102C
A61B5/00 102A
A61G12/00 E
G06N20/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543089
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 IB2021061631
(87)【国際公開番号】W WO2022153110
(87)【国際公開日】2022-07-21
(32)【優先日】2021-01-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523269063
【氏名又は名称】センターケア リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SENTERCARE LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ゴールデンバーグ,ニル
(72)【発明者】
【氏名】シェンハヴ,アヴシャロム
(72)【発明者】
【氏名】ハダス,アルノン
(72)【発明者】
【氏名】グリーンバーグ,ヤーコフ
(72)【発明者】
【氏名】ハラリ,シャハール
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
4C341
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA07
4C038VA12
4C038VA16
4C038VA18
4C038VB02
4C038VB11
4C038VB14
4C038VC02
4C038VC20
4C117XA01
4C117XB04
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4C117XE15
4C117XE26
4C117XE52
4C341LL10
5C086AA01
5C086AA22
5C086AA49
5C086CA05
5C086CA21
5C087DD03
5C087DD29
5C087DD30
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG19
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
個人を監視するためのシステムは、一定期間にわたってデータを収集するように構成されたセンサを含む。データは、一定期間にわたる室内の個人の身体的特徴および行動的特徴に関連付けられる。プロセッサは、センサと通信し、人工知能プロセッサデバイスに接続され、この人工知能プロセッサデバイスは、身体的特徴および行動的特徴を学習し、そこから個人の通常の身体的特徴および通常の行動的特徴を規定する。プロセッサは、センサから別の期間にわたって収集された他のデータに関連付けられた個人の身体的特徴および行動的特徴を、通常の身体的および行動的特徴と比較して、その比較のレポートを提供することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人を監視するための方法であって、
室内にあるセンサから一定期間にわたってデータを収集するステップであって、前記データが、前記一定期間にわたって前記室内にいる個人の身体的特徴および行動的特徴に関連付けられる、ステップと、
前記データを、人工知能プロセッサデバイスに接続されたプロセッサに伝送するステップと、
前記人工知能プロセッサデバイスを使用して、前記身体的特徴および前記行動的特徴を学習し、そこから前記個人の通常の身体的特徴および通常の行動的特徴を規定するステップと、
前記センサから別の期間にわたって他のデータを収集するとともに、前記プロセッサを使用して、前記他のデータに関連付けられた前記個人の身体的特徴および行動的特徴を、前記通常の身体的特徴および通常の行動的特徴と比較し、その比較のレポートを提供するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記センサの少なくとも1つを使用して、前記室内にいる別の個人の存在を検知し、前記プロセッサを使用して、前記個人の通常の身体的特徴および通常の行動的特徴が前記別の個人の影響を受けないように、前記個人と前記別の個人とを明確に区別するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記プロセッサが、前記個人の医療記録または保存された履歴パターンを考慮して、前記データおよび前記他のデータを処理することを特徴とする方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記レポートが、医療提供者または介護コールセンタへの警告または推奨を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記レポートが、前記個人の日常生活動作(ADL)を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記センサのうちの少なくとも1つが、飛行時間(ToF)センサを含むことを特徴とする方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記ToFセンサを使用して、前記個人に特有の解剖学的特徴または動作特徴を測定するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法において、
前記センサのうちの少なくとも1つが、ロードセルを含むことを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法において、
前記センサのうちの少なくとも1つが、前記個人によって装着された生体パラメータセンサを含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記センサのうちの少なくとも1つが、前記個人によって装着された運動センサを含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記センサのうちの少なくとも1つが、前記室内の物体に取り付けられたセンサを含むことを特徴とする方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記人工知能プロセッサデバイスが、クラウドベースの機械学習デバイスを含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
個人を監視するためのシステムであって、
一定期間にわたってデータを収集するように構成されたセンサであって、前記データが、前記一定期間にわたる室内の個人の身体的特徴および行動的特徴に関連付けられる、センサと、
前記センサと通信し、人工知能プロセッサデバイスに接続されたプロセッサとを備え、
前記人工知能プロセッサデバイスが、前記身体的特徴および前記行動的特徴を学習し、そこから前記個人の通常の身体的特徴および通常の行動的特徴を規定するように構成され、前記プロセッサが、前記センサから別の期間にわたって収集された他のデータに関連付けられた前記個人の身体的特徴および行動的特徴を、前記通常の身体的特徴および通常の行動的特徴と比較して、その比較のレポートを提供するように構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記センサのうちの少なくとも1つが、飛行時間(ToF)センサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記センサのうちの少なくとも1つが、ロードセルを含むことを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記センサのうちの少なくとも1つが、前記個人によって装着された生体パラメータセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記センサのうちの少なくとも1つが、前記個人によって装着された運動センサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記センサのうちの少なくとも1つが、前記室内の物体に取り付けられたセンサを含むことを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項13に記載のシステムにおいて、
前記人工知能プロセッサデバイスが、クラウドベースの機械学習デバイスを含むことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して監視システムに関し、特に、室内にいる人(例えば、高齢者)を監視するためのシステムまたは方法であって、個人を区別してその行動を学習するシステムまたは方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭、病院、他の建物や施設内にいる高齢者などの人間を追跡または監視するための多くのシステムが提案および開発されている。
【0003】
そのようなシステムには、運動センサ(例えば、加速度計)や生体パラメータセンサ(例えば、脈拍、血圧、発汗など)など、個人が装着するセンサが含まれる場合がある。個人の動きを監視するために、様々なエネルギーの種類や波長のレーダが使用されているが、室内に複数の人がいる場合、それらを区別することは難しい。
【0004】
センサは、バスルーム、キッチン、他の部屋での転倒や他の事故の発生を監視し警告するために使用されている。睡眠パターンを監視するために、ベッドやソファなどに設置された運動センサやロードセルなどのセンサが使用されている。
【0005】
また、バスルーム、寝室またはリビングルームで過ごす通常の時間および通常ではない時間など、家庭内外の生活パターンを監視するためにセンサが使用されている。
【0006】
しかしながら、室内にいる様々な高齢者の非侵入的な監視を改善する必要性が依然として残っている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、以下に詳細に説明するように、個人を区別してその行動を学習する、室内にいる人(例えば、高齢者)を監視するためのシステム/方法を提供することを目的とする。本発明は、特に家庭での使用に適用することができるが、病院や高齢者向け住居など、どのような環境でも使用することができる。
【0008】
このシステムは、様々なセンサをAI(人工知能)または機械学習と組み合わせることで、高齢者介護の監視能力を向上させる。このシステムは、高齢者の家庭で収集された大規模な行動データを分析することができる。このシステムは、その人の医療記録や履歴パターンとともにデータを分析して、医療提供者や介護コールセンタに警告および推奨を絶えず提供し、それにより、より良い、よりスマートなケアを提供できるようにする。
【0009】
このシステムは、異なる個人を明確に区別することができ、例えば、高齢の夫とその高齢の妻、および現在室内にいる介助者、住人、訪問者などの他の人物を区別することができる。
【0010】
このシステムは、監視対象の個人の臨床記録を考慮に入れ、それらを特定の個人と照合し、その個人の臨床履歴を監視して、個人の行動や健康の変化に関する貴重な情報を医療従事者に提供することができる。これにより、このシステムは、個人の日常生活動作(ADL)の包括的な監視を提供する。
【0011】
このシステムは、飛行時間(ToF)センサおよび/またはロードセルまたは他のセンサを使用して、個人のADLにおけるあらゆる異常を検出することができる。ToFセンサは、異なる個人を明確に区別するために使用することができる。ToFセンサは、解剖学的特徴(例えば、頭部または他の四肢のサイズ、四肢のサイズの比率など)、動作特徴(例えば、特定の歩き方または他の歩行の特徴または個人に特有のジェスチャ)など、距離、形状およびボリュームを測定するために、または個人の居場所を追跡するためなどに、使用することができる。
【0012】
本発明の監視システムは、個人の活動を監視し、個人が苦痛を感じているときを判定し、適切な担当者に警報を伝えることができる。このシステムは、運動センサ(例えば、加速度計)、生体パラメータセンサ(例えば、脈拍、血圧、発汗など)など、個人が装着するセンサを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明は、図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより、より完全に理解および把握されるであろう。
【
図1】
図1は、本発明の非限定的な実施形態に係る監視システムおよび方法の簡略化されたブロック図である。
【
図2】
図2は、本システム/方法の様々な非限定的コンポーネントの簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すると、本発明の非限定的な実施形態に係る監視システムおよび方法が示されている。
【0015】
このシステムは、室内にある様々なセンサを含むことができ、それらは、ホームハブまたはクラウドベースのプロセッサなどのプロセッサと通信する。
【0016】
ホームハブまたはプロセッサは、クラウドベースの機械学習デバイスまたはシステムなどの人工知能プロセッサデバイスに接続され得る。センサの一部は、個人のADLにおける異常を検出するための飛行時間(ToF)センサおよび/またはロードセルまたは他のセンサを含むことができる。ToFセンサは、異なる個人を明確に区別するために使用することができる。ToFセンサは、解剖学的特徴(例えば、頭部または他の四肢のサイズ、四肢のサイズの比率など)、動作特徴(例えば、特定の歩き方または他の歩行の特徴または個人に特有のジェスチャ)など、距離、形状およびボリュームを測定するために、または個人の居場所を追跡するためなどに、使用することができる。
【0017】
本発明の監視システムは、個人の活動を監視し、個人が苦痛を感じているときを判定し、家族、コールセンタ、または意思決定支援システムおよび緊急医療対応者を含む医療コールセンタなどの適切な担当者に警報を伝えることができる。このシステムは、運動センサ(例えば、加速度計)、生体パラメータセンサ(例えば、脈拍、血圧、発汗など)など、個人が装着するセンサを含むことができる。
【0018】
図2に示すように、センサは、ベッドまたはソファセンサ(例えば、ベッドまたはソファに座る人または横たわる人の存在を検知するロードセル)、トイレセンサ(例えば、便座に座っている人の存在を検知するロードセル)、出入口または指定領域センサ(例えば、カメラ、電気アイ、人の通過または存在を検出するToFセンサ)、接触センサ(例えば、静電容量センサ)、動作検知器(例えば、ToFセンサまたは加速度計)、並びに、個人および安全センサ(例えば、生体パラメータセンサ、煙検知器、火災検知器など)を含むことができるが、これらに限定されるものではない。コールセンタは、クラウドベースのデータベースおよびプロセッサと通信するワークステーションを有することができる。
【0019】
センサは、家または部屋に出入りした時間、部屋、ベッド、ソファ、トイレなどにいる合計時間、ベッドまたはトイレにいる異常な時間または回数などの異常に限定されるものではないが、これらを含む監視対象の個人に関するデータを提供することができる。
【0020】
通常、センサは、一定期間にわたって、室内にいる個人の身体的特徴および行動的特徴に関連するデータを収集する。このデータは、人工知能プロセッサデバイスに接続されたプロセッサに伝送される。人工知能プロセッサデバイスは、身体的特徴および行動的特徴を学習して、そこから個人の通常の身体的特徴および通常の行動的特徴を規定するために使用することができる。その後、このシステムは、センサから別の期間にわたって他のデータを収集し、プロセッサを使用して、他のデータに関連付けられた個人の身体的特徴および行動的特徴を、通常の身体的特徴および通常の行動的特徴と比較し、その比較のレポートを提供する。
【0021】
レポートは、医療提供者または介護コールセンタへの警告または推奨を含むことができる。
【0022】
このシステムは、室内に別の個人が存在することを検知することができ、プロセッサを使用して、個人の通常の身体的特徴および通常の行動的特徴が他の個人によって影響を受けないように、個人と他の個人とを明確に区別することができる。
【0023】
プロセッサは、医療提供者に有益な情報を提供するために、個人の医療記録または保存された履歴パターンを考慮してデータおよび他のデータを処理することができる。レポートには、個人の日常生活動作(ADL)が含まれる。
【国際調査報告】