(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】回転シャフトの非侵襲的故障診断のための無線周波数サイバー物理感知モード
(51)【国際特許分類】
G01N 22/02 20060101AFI20240220BHJP
G01N 22/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01N22/02 A
G01N22/00 V
G01N22/00 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023543422
(86)(22)【出願日】2022-01-19
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 US2022013020
(87)【国際公開番号】W WO2022159523
(87)【国際公開日】2022-07-28
(32)【優先日】2021-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】アルシェリ,アリ ハムード
(72)【発明者】
【氏名】イェン,イップ ファン
(72)【発明者】
【氏名】風呂川 幹央
(72)【発明者】
【氏名】平野 峻之
(72)【発明者】
【氏名】ユーセフ-トウミ,カマル
(57)【要約】
【解決手段】回転機械における故障は、2つの無線周波数(RF)感知モードを使用して診断または検出することができる。RF感知現象を使用して、過度の屈曲、振動、 偏心、ねじれ、および縦方向歪みを含む、回転機械における望ましくない挙動の存在を検出することができる。RF式センサは非侵襲的解決策を代表する。感知モードは、RFメタマテリアル、ドップラー効果の影響およびレーダー断面評価に基づき、これらはすべて機械学習アルゴリズムに結合される。システムは、共振シフト、負の透磁率、およびリターンロスの大きさを監視することに基づく。電磁的数値シミュレーションでは、本来の基準無歪みケースに比べて、機械的歪みが印加されるときに、それらの大きさの著しい変化を示した。メタマテリアルテクスチャリング設計は、セルスケールおよび基板材料を制御することによって制御することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転機械における異常を検出するための無線周波数感知装置であって、
回転機械から受信した、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つの信号を監視するように構成された少なくとも1つの無線周波数センサと、
前記少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを、前記回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較するように構成され、前記比較に基づいて回転シャフトに異常が生じたか否かを判定し、前記比較に基づいて前記回転シャフトに生じた前記異常を含む複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別するようにさらに構成されたプロセッサと
を備える、
無線周波数感知装置。
【請求項2】
前記回転機械に配置されるように構成され、前記回転機械に存在する前記少なくとも1つの種類の異常に応答して変形するように構成された少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルをさらに備え、
前記少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され、前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルから反射され、前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを透過し、それにより、前記少なくとも1つの無線周波数センサが前記少なくとも1つの信号を受信する、
請求項1に記載の無線周波数感知装置。
【請求項3】
前記回転機械は回転シャフトを含み、前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、前記回転シャフトの外面に接着されるように構成されている、
請求項2に記載の無線周波数感知装置。
【請求項4】
前記複数種類の異常は、前記回転シャフトの伸長、前記回転シャフトの振動、前記回転シャフトの屈曲、前記回転シャフトのねじれ、または前記回転シャフトの歪みのうちの1つ以上を含み、
前記共振シフトと前記基準共振シフトとの比較、前記透磁率と前記基準透磁率との比較、または前記リターンロスの大きさと前記基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、前記回転シャフトに生じた前記複数種類の異常のうちの少なくとも1つと相関する、
請求項2に記載の無線周波数感知装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
(i)前記共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、前記回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較を、前記共振シフト、前記透磁率、または前記リターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、前記複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するために前記比較を利用するように構成された機械学習アルゴリズムに入力すること、または、
(ii)ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために、前記共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、前記回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較を利用すること
のうちの少なくとも1つを行うように構成されている、
請求項2に記載の無線周波数感知装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために機械的変形モデルを生成するようにさらに構成されており、
前記機械的変形モデルは、(i)前記回転シャフトの伸長、前記回転シャフトの振動、前記回転シャフトの屈曲、前記回転シャフトのねじれ、または前記回転シャフトの歪みのうちの少なくとも1つに起因する前記回転シャフトの表面変形、(ii)前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形、および(iii)前記回転シャフトの前記表面変形と前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの前記幾何学的変形との比較に基づく、
請求項2に記載の無線周波数感知装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板に接合された金属で構成される少なくとも2つのリングを含むスプリットリング共振器を備える、
請求項2に記載の無線周波数感知装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために電気モデルを生成するようにさらに構成されており、前記電気モデルは、前記少なくとも2つのリング間の総インダクタンスと、前記少なくとも2つのリング間の総分散キャパシタンスとに基づく、
請求項2に記載の無線周波数感知装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つのリングのうちの第1のリングには、第1のギャップが形成されており、
前記少なくとも2つのリングのうちの第2のリングは、前記第1のリングを取り囲むように前記第1のリングの外側に配置されており、前記第2のリングには、第2のギャップが形成されている、
請求項8に記載の無線周波数感知装置。
【請求項10】
前記回転機械は回転シャフトを備え、
(i)前記回転シャフトに存在する異常に応答して変形するように構成された少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルが前記回転シャフトに配置されていること、(ii)前記回転シャフトに吸収メタマテリアルテクスチャコーティングが適用されていることのうちの少なくとも1つであり、
前記少なくとも1つの無線周波数センサは、少なくとも1つの信号源によって前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルまたは前記吸収メタマテリアルテクスチャコーティングに向けられた前記少なくとも1つの信号に応答して、前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルまたは前記吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのうちの少なくとも1つから反射される前記少なくとも1つの信号を監視するように構成されたモノスタティックレーダーセンサを備える、
請求項1に記載の無線周波数感知装置。
【請求項11】
回転機械における異常を検出するための無線周波数感知装置であって、
回転機械から受信した、前記回転機械に生じる振動を示す少なくとも1つの信号を監視するように構成された少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサと、
前記回転機械から受信した前記少なくとも1つの信号に基づいて、前記回転機械に生じた振動の大きさを識別するように構成されたプロセッサと
を備える、無線周波数感知装置。
【請求項12】
前記回転機械は回転シャフトを備え、
少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され、前記回転シャフトから反射され、それにより、前記少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサが前記
少なくとも1つの信号を受信する、
請求項11に記載の無線周波数感知装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサがレーダー信号を受信したことに応答して、前記少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサは、電圧を出力するように構成されており、
回転シャフトに生じる振動に応答して、前記少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧が変動し、前記出力電圧の変動は、前記回転シャフトの振動の大きさに相関し、
前記少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧の変動に応答して、前記プロセッサは、前記回転シャフトの振動の大きさを決定するために、前記出力電圧の変動の大きさを測定するように構成されている、
請求項11に記載の無線周波数感知装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、
(i)出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを、前記出力電圧の変動と前記回転シャフトの振動の大きさとの相関を学習および予測するために前記出力電圧の変動と前記回転シャフトの振動の大きさとを利用するように構成された機械学習アルゴリズムに入力すること、または、
(ii)ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために、出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを利用すること
のうちの少なくとも1つを行うようにさらに構成されている、
請求項11に記載の無線周波数感知装置。
【請求項15】
回転機械における異常を検出する方法であって、
少なくとも1つの無線周波数センサを提供すること、
回転機械から、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つの信号を受信すること、
プロセッサによって、前記少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを、前記回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較すること、
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、前記回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較に基づいて、回転シャフトに前記異常が生じたか否かを判定すること、および、
前記プロセッサによって、前記少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、前記回転機械についての前記対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較に基づいて、前記回転シャフトに生じた異常を含む複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別すること
を含む、方法。
【請求項16】
前記回転機械に配置されるように構成され、前記回転機械に存在する前記少なくとも1つの種類の異常に応答して変形するように構成された少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを提供することをさらに含み、
前記少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され、前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルから反射され、前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを透過し、それにより、前記少なくとも1つの無線周波数センサが前記少なくとも1つの信号を受信する、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記複数種類の異常は、前記回転シャフトの伸長、前記回転シャフトの振動、前記回転シャフトの屈曲、前記回転シャフトのねじれ、および前記回転シャフトの歪みを含み、
前記共振シフトと前記基準共振シフトとの比較、前記透磁率と前記基準透磁率との比較、および、前記リターンロスの大きさと前記基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、前記回転シャフトに生じた前記複数種類の異常のうちの少なくとも1つと相関する、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサによって、前記共振シフトと前記基準共振シフトとの比較、前記透磁率と前記基準透磁率との比較、または前記リターンロスの大きさと前記基準リターンロスの大きさとの比較のうちの少なくとも1つを機械学習アルゴリズムに入力すること、および、
前記機械学習アルゴリズムによって、前記共振シフト、前記透磁率、または前記リターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと前記複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するために、前記比較を利用すること
をさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記共振シフトと前記基準共振シフトとの比較、前記透磁率と前記基準透磁率との比較、または、前記リターンロスの大きさと前記基準リターンロスの大きさとの比較のうちの少なくとも1つを利用することによって、ニューラルネットワーク分類器をトレーニングすることをさらに含む、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセッサによって、前記回転シャフトに生じる前記少なくとも1つの種類の異常を識別するために機械的変形モデルを生成することをさらに含み、
前記機械的変形モデルは、(i)前記回転シャフトの伸長、前記回転シャフトの振動、前記回転シャフトの屈曲、前記回転シャフトのねじれ、または前記回転シャフトの歪みの少なくとも1つに起因する前記回転シャフトの表面変形、(ii)前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形、および(iii)前記回転シャフトの前記表面変形と前記少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの前記幾何学的変形との比較に基づく、
請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、回転シャフトを有する機械の異常検出に関し、より詳しくは、回転シャフトを有する機械の異常等を非侵襲的に診断するための、無線周波数(RF)レーダーおよびテクスチャ付きメタマテリアルなどの感知モードに関する。
【背景技術】
【0002】
高速回転シャフトを有する機械の普及は、関連する異常挙動を検出することへの大きな関心をもたらした。異常挙動は、過度の屈曲、振動、偏心、ねじれ、および縦方向歪みを含む。現在のところ、異常挙動の根本原因、および/またはそれを解決するための解決策に関するいずれの分析も、関心対象の特定のシステムに合わせて行われている。これは少なくとも、各システムがしばしば、動作、プロセス、および設計において独特であるためである。高価な機器、および/または非常に複雑なセットアップで動作する機器、および/または、特別仕様の重要製品を生成する機器の場合に、これは特にあてはまる。
【0003】
実際、回転シャフトにはさまざまな機械的変形がもたらされる。これらの変形は、過酷な雰囲気、腐食性材料、ポリマ汚染、および/または極端な温度などの環境条件によって悪化する可能性がある。現実には、回転シャフトが広範囲の過酷な産業条件下で動作する可能性があるため、これらの環境条件のうちの1つ以上が任意の回転シャフトに起こり得る。回転シャフトの潜在的故障を未然に防ぐために、搭載センサを使用することによってなど、シャフトの健全さを監視することが重要であり得る。
【0004】
回転機器用の既存の搭載センサは理想からはほど遠い。それらは、その健全さの状態をプローブするためにシャフトに直接取り付けることができる。しかし、この直接取り付けは、機器の動作に関連して、センサを変形させる、および/または別様に損傷させる可能性がある。搭載センサが直面する課題の種類のいくつかの非限定的例には、慣性が大きく加えられたこと、メカニズムが比較的複雑であること、およびスケーラビリティが悪いことが含まれる。
【0005】
歪みゲージシャフトセンサをこれらの状況で利用して、単純な設置プロセスにより低コストで機械的変形を測定し得るが、そのようなセンサは、課題にぶつかる可能性がある。センサは、シャフトから歪みを伝達し、それを増幅して、静止基準枠組みに含まれていたコンポーネントを有せずに感度を増加させ、デバイス全体をシャフトとともに回転させることを可能にする。当技術分野で知られている歪みゲージシャフトセンサの使用での課題のいくつかは、熱ドリフト、信号ノイズ、機械的取り付け負荷、重量および/またはカラー、ブリッジおよび/または関連するボルトといったセンサコンポーネントを考慮した取り付け機構のバランスを含む。さらに、既知のセンサとともに使用される回路基板および/または電池は、測定誤差を引き起こし、機械性能に悪影響を及ぼし、および/または応力を促進することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、回転シャフトの健全さを監視することができる新たなセンサが求められている。以下に提供するように、本明細書に提供されるものと同様、いくつかの理想的な解決策では、センサは、非接触で、軽量で、最小限の複雑さを有し、より広範な幾何学的範囲に高度にスケーラブルであり、多くの状態モードを監視することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この概要は、詳細な説明でさらに後述する概念の選択を簡略化した形で導入する。この概要は、特許請求される主題事項の重要または本質的な特徴を特定するものではなく、その範囲を限定するものでもない。
【0008】
電磁式センサは、回転機械におけるセンサ技術の上記の欠点に対する潜在的な解決策である。無線周波数(RF)は特に、高い感度および汎用性を提供し、非接触方式での状態監視を可能にすることができる。RFセンサは、インタフェースアンテナを使用して、以下の特定の電磁パラメータ、すなわち誘電率(c)および透磁率(μ)の両方の実部および虚部をインタロゲートすることによって動作する。これらのパラメータはすべての材料に存在するため、作動原理の汎用性が高い。
【0009】
RFセンサは、システムの故障を非接触で診断する際に強い能力を有する。RFセンサは、インタフェースアンテナを使用してこれらの材料のパラメータをインタロゲートすることによって動作する。本明細書で提供されるセンサは、ロバスト性、安全性、低コスト、自由空間伝搬信号、および他の利点を提供する。特定用途についての2つの上位の重要な感知タイプの中では、RFメタマテリアルおよびドップラー効果センサが考えられる。可撓性半接触センサは、非常に薄く人工的に設計されたテクスチャリング層を使用して表面に直接取り付けられることによって、より多くの欠陥を識別することができるため、潜在的なRF解決策である。
【0010】
本明細書で提供されるように、回転機械の故障は、2つの無線周波数(RF)感知モードを使用して診断または検出することができる。RF感知現象は、例えば、過度の屈曲、振動、偏心、ねじれ、および縦方向歪みを含む、回転機械における望ましくない挙動の存在を検出するために使用することができる。RF式センサは非侵襲的解決策を代表する。感知モードは、RFメタマテリアルおよびドップラー効果の影響、レーダー断面評価に基づき、これらはすべて機械学習アルゴリズムに結合される。これらのシステムは、以下でより詳細に説明されるように、共振シフト、負の透磁率、および/またはリターンロスの大きさを監視することに基づくことができる。電磁的数値シミュレーションは、本来の基準無歪みケースと比較したときの、印加された機械的歪みに対するそれらの大きさの著しい変化を示す。メタマテリアルテクスチャリング設計はまた、例えば、セルスケールおよび基板材料を制御することによって制御することができる。
【0011】
回転機械における異常を検出するための無線周波数感知装置の一例示的実施形態は、少なくとも1つの無線周波数センサとプロセッサとを含む。無線周波数センサは、回転機械から受信した少なくとも1つの信号を監視するように構成されている。少なくとも1つの信号は、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを示す。プロセッサは、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較するように構成されている。プロセッサはまた、比較に基づいて回転シャフトに異常が生じたか否かを判定し、比較に基づいて、回転シャフトに生じた異常を含む複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、装置は、回転機械に配置されるように構成され得る少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルをさらに含み得る。メタマテリアルユニットセルはまた、回転機械に存在する少なくとも1つの種類の異常に応答して変形するように構成され得る。少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信することができ、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルから反射し、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを透過することができ、それにより、少なくとも1つの無線周波数センサが少なくとも1つの信号を受信する。
【0013】
回転機械は、回転シャフトを含み得る。さらに、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、回転シャフトの外面に接着されるように構成され得る。検出可能な異常の種類は、回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、および/または回転シャフトの歪みを含むが、これらに限定されない。さらに、共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、および/または、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、回転シャフトに生じた複数種類の異常のうちの少なくとも1つと相関することができる。
【0014】
プロセッサは、(i)共振シフト、透磁率、および/またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、および/または基準リターンロスの大きさとの比較を、機械学習アルゴリズムに入力すること、または(ii)ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために、共振シフト、透磁率、および/またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、および/または基準リターンロスの大きさとの比較を利用すること、のうちの少なくとも1つを行うように構成され得る。第1のインスタンスにおける機械学習アルゴリズムは、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するために、比較を利用するように構成され得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、プロセッサは、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために機械的変形モデルを生成するようにさらに構成され得る。機械的変形モデルは、例えば、(i)回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、および/または回転シャフトの歪みのうちの少なくとも1つに起因する回転シャフトの表面変形、(ii)少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形、および/または(iii)回転シャフトの表面変形と少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形との比較に基づくことができる。
【0016】
少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板に接合された金属で構成される少なくとも2つのリングを含み得るスプリットリング共振器を含み得る。プロセッサは、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために電気モデルを生成するようにさらに構成され得る。電気モデルは、少なくとも2つのリング間の総インダクタンスと、少なくとも2つのリング間の総分散キャパシタンスとに基づくことができる。少なくとも2つのリングのうちの第1のリングは、その中に形成された第1のギャップを含み、少なくとも2つのリングのうちの第2のリングは、第1のリングを取り囲むように第1のリングの外側に配置されており、第2のリングは、その中に形成された第2のギャップを含む。
【0017】
いくつかのそのような実施形態では、第1および第2のリングはそれぞれ、第1および第2の四角形を形成する第1のストリップ、第2のストリップ、第3のストリップ、および第4のストリップを含み得る。第1のリングの第1のストリップは、その中に形成された第1のギャップを含み得、第1のリングの第1の四角形の第2の辺に位置する第1のリングの第2のストリップとは反対側の、第1のリングの第1の四角形の第1の辺に位置することができる。またさらに、第2のリングの第1のストリップは、その中に形成された第2のギャップを含み得、第2のリングの第2の四角形の第2の辺に位置する第2のリングの第2のストリップとは反対側の、第2のリングの第2の四角形の第1の辺に位置することができる。第1のリングと第2のリングとは、第2のギャップが第1の四角形の第2の辺に隣接して位置し、第1のギャップが第2の四角形の第2の辺に隣接して位置することができるように、互いに対して配置され得る。いくつかのそのような実施形態では、第
1のリングの第1および第2のストリップは、第2のリングの第1および第2のストリップと実質的に平行とすることができ、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、第1のリングの第1および第2のストリップと、第2のリングの第1および第2のストリップとが、回転シャフトの中心軸と実質的に平行になるように、回転シャフト上に配置され得る。回転シャフトは中心軸周りに回転する。
【0018】
少なくともいくつかの実施形態では、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板上にアレイ構成で配置された少なくとも2つのメタマテリアルユニットセルを含み得る。2つ以上のメタマテリアルユニットセルは、導電性基板に形成されたアパーチャ内に配置され得る。導電性基板は、例えば誘電体材料を含み得る。
【0019】
回転機械は、回転シャフトを含み得る。さらに装置について、以下の少なくとも1つである:(i)少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルが回転シャフト上に配置され得、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、回転シャフトに存在する異常に応答して変形するように構成され得、および(ii)回転シャフトに吸収メタマテリアルテクスチャコーティングが適用されている。少なくとも1つの無線周波数センサは、少なくとも1つの信号源によって少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルまたは吸収メタマテリアルテクスチャコーティングに向けられた少なくとも1つの信号に応答して、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルまたは吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのうちの少なくとも1つから反射される少なくとも1つの信号を監視するように構成され得るモノスタティックレーダーセンサを含み得る。
【0020】
いくつかのそのような実施形態では、プロセッサは、吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのレーダー断面を評価するように構成され得、少なくとも1つの信号源は、レーダービームで吸収メタマテリアルテクスチャコーティングを照射するように構成され得る。レーダービームは、吸収メタマテリアルテクスチャコーティングに対してある入射角で延びることができ、ある反射角で吸収メタマテリアルテクスチャコーティングから反射することができ、レーダービームはある波長を有する。またさらに、吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのレーダー断面が最大化されるように、入射角、反射角、または波長のうちの少なくとも1つを最適化することができる。
【0021】
回転機械における異常を検出するための無線周波数感知装置のさらなる例示的実施形態は、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサおよびプロセッサを含む。モノスタティックレーダーセンサ(複数可)は、回転機械から受信した少なくとも1つの信号を監視するように構成されており、信号(複数可)は、回転機械に生じる振動を示す。プロセッサは、回転機械から受信した少なくとも1つの信号に基づいて、回転機械に生じる振動の大きさを識別するように構成されている。
【0022】
いくつかの実施形態では、回転機械は、回転シャフトを含み得、少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信されて回転シャフトから反射され得、それにより、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサが少なくとも1つの信号を受信することができる。少なくとも1つの信号は、例えばレーダー信号を含み得る。さらに、少なくとも1つの信号源は、モノスタティックレーダーセンサ(複数可)に反射し戻され得るレーダー信号の連続パルスで回転シャフトを照射するように構成され得る。少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサがレーダー信号を受信したことに応答して、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサは、電圧を出力するように構成され得る一方、回転シャフトに生じる振動に応答して、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧が変動することができる。出力電圧の変動は、回転シャフトの振動の大きさに相関することができる。さらに、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧の変動に応答して、プロセッサは、回転シャフトの振動の大きさを決定するため
に、出力電圧の変動の大きさを測定するように構成され得る。
【0023】
プロセッサは、(i)出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを機械学習アルゴリズムに入力すること、または(ii)ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために、出力電圧の変動および回転シャフトの振動の大きさを利用することのうちの少なくとも1つを行うように構成され得る。第1のインスタンスにおける機械学習アルゴリズムは、出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとの間の相関を学習して予測するために、出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを利用するようにさらに構成され得る。
【0024】
少なくともいくつかの実施形態では、モノスタティックレーダーセンサ(複数可)は、ドップラー効果センサ(複数可)を含み得る。いくつかのそのような実施形態では、プロセッサは、振動をドップラー効果センサのドップラー周波数と比較することにより、回転シャフトの振動を評価するようにさらに構成され得る。振動感度は、ドップラー効果センサのドップラー周波数に反比例することができる。
【0025】
回転機械における異常を検出する方法の例示的実施形態は、少なくとも1つの無線周波数センサを提供すること、および、回転機械から少なくとも1つの信号を受信することを含む。少なくとも1つの信号は、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを示す。方法はまた、プロセッサによって、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較することを含む。またさらに方法は、プロセッサによって、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較に基づいて回転シャフトに異常が生じたか否かを判定すること、および、プロセッサによって複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別することを含む。この判定動作は、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較に基づいて、回転シャフトに生じた異常を少なくとも含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを提供することをさらに含み得る。メタマテリアルユニットセルは、回転機械に配置されるように構成され得、回転機械に存在する少なくとも1つの種類の異常に応答して変形するように構成され得る。少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され得、1つのメタマテリアルユニットセル(複数可)から反射され、1つのメタマテリアルユニットセル(複数可)を透過することができ、それにより、少なくとも1つの無線周波数センサが少なくとも1つの信号を受信する。
【0027】
複数種類の異常は、例えば、回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、および/または回転シャフトの歪みを含み得る。共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、および/または、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、回転シャフトに生じた複数種類の異常のうちの少なくとも1つと相関することができる。
【0028】
方法は、プロセッサによって、共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、またはリターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のうちの少なくとも1つを機械学習アルゴリズムに入力すること、および、機械学習アルゴリズムによって、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つ
と複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するために、比較を利用することをさらに含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法は、共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、または、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のうちの少なくとも1つを利用することによって、ニューラルネットワーク分類器をトレーニングすることをさらに含み得る。
【0030】
方法は、プロセッサによって、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために機械的変形モデルを生成することをさらに含み得る。機械的変形モデルは、(i)回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、または回転シャフトの歪みの少なくとも1つに起因する回転シャフトの表面変形、(ii)少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形、および/または(iii)回転シャフトの表面変形と少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形との比較に基づくことができる。
【0031】
少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、スプリットリング共振器を含み得る。共振器は、導電性基板に接合された金属で構成される少なくとも2つのリングを含み得る。少なくともいくつかの実施形態では、方法は、プロセッサによって、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために電気モデルを生成することを含み得る。電気モデルは、少なくとも2つのリング間の総インダクタンスと、少なくとも2つのリング間の総分散キャパシタンスとに基づくことができる。少なくとも2つのリングのうちの第1のリングは、その中に形成された第1のギャップを含み得、少なくとも2つのリングのうちの第2のリングは、第1のリングを取り囲むように第1のリングの外側に配置され得る。第2のリングは、その中に形成された第2のギャップを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下の詳細な説明は添付図面を参照し、添付図面はこの出願の一部を形成し、例示として具体的な例示的実装を示す。
【0033】
【
図1A】N=2のリングを有する本開示による無線周波数感知装置の一般化されたメタマテリアルユニットセルの等角図であり、無線周波数感知装置が、RFセンサと、信号源と、RFセンサに動作可能に接続されたプロセッサとを含むことを示す。
【
図1B】
図1Aのメタマテリアルユニットセルの上面図であり、4辺をjで示し、j∈1、2、3、4とする。
【
図2A】
図1Aの無線周波数感知装置の回転シャフトの概略図であり、メタマテリアルユニットセルの配置を示す。
【
図2B】
図1Aの無線周波数感知装置の回転シャフトの概略図であり、伸長による一般化された力および対応する一般化された変位を示す。
【
図2C】
図1Aの無線周波数感知装置の回転シャフトの概略図であり、剪断による一般化された力および対応する一般化された変位を示す。
【
図2D】
図1Aの無線周波数感知装置の回転シャフトの概略図であり、屈曲による一般化された力および対応する一般化された変位を示す。
【
図2E】
図1Aの無線周波数感知装置の回転シャフトの概略図であり、ねじれによる一般化された力および対応する一般化された変位を示す。
【
図3A】
図1Aのメタマテリアルユニットセルの例示的なアレイ配置の上面図である。
【
図3B】
図1Aのメタマテリアルユニットセルの例示的なアレイ配置の上面図である。
【
図3C】
図1Aのメタマテリアルユニットセルの例示的なアレイ配置の上面図である。
【
図4A】変形中のリングの変数注釈を示す、
図1Aのメタマテリアルユニットセルのリングの概略図であり、破線が元のリングを示し、実線が変形したリングを示す。
【
図4B】
図1Aのメタマテリアルユニットセルの等角図であり、元の形態のユニットセルおよび変形形態のユニットセルを示す。
【
図5】回転シャフトを照射するモノスタティックレーダーセンサのRF等価回路の概略図である。
【
図6】吸収材料インピーダンス設計の目的を示すMatlabシミュレーションのグラフであり、設計周波数にわたって反射係数ができるだけ小さい材料を得ることを目的とする。
【
図7A】
図1の無線周波数感知装置を利用し得る例示的な回転機械の斜視図である。
【
図7B】
図1の無線周波数感知装置を利用し得る
図7Aの例示的な回転機械の概略図である。
【
図8】回転シャフトのRCSとの機械的屈曲関係の等角図である。
【
図9】感知メカニズムとしての共振器テクスチャリングおよび透磁率に対する機械的応力効果を示すシミュレーション結果のグラフである。
【
図10】屈曲度合いに相関する感知メカニズムとしてのリターンロスのグラフである。
【
図11】平坦な場合に比べた平行四角形メタマテリアルのグラフであり、ユニットセル性能がdB値および周波数シフトの影響を受けている。
【
図12】
図1Aのメタマテリアルユニットセルのグラフであり、ユニットセルの屈曲、伸張、および、ねじれ、ならびに、これらの変形の対応するグラフィカル表現を示す。
【
図13A】回転シャフト上の完全な金属導体についてのレーダー断面(RCS)電磁(EM)放射パターンのグラフである。
【
図13B】回転シャフト上の磁性膜吸収体のRCS EM放射パターンのグラフである。
【
図14】周波数の関数としての振動感度のグラフである。
【
図15】変形されたユニットセルの機械的および電気的モデリングの入力および出力のフローチャートである。
【
図16】変形の基本モードにわたるリターンロス解析を示す複数のグラフである。
【
図17】リターンロスのグラフであり、ユニットセルの屈曲変形の振幅が異なる場合のリターンロスを示す。
【
図18】比透磁率のグラフであり、ユニットセルがさまざまな振幅で単一の変形モードを受けるにつれて比透磁率が変化することを示す。
【
図19】感知メカニズムとして透磁率を用い、x軸を周波数範囲、y軸を実透磁率値とした共振器テクスチャリングに対する機械的応力効果のシミュレーション結果のグラフである。
【
図20A】
図1のメタマテリアルユニットセルの上面図および対応するグラフであり、90度のユニットセルを示し、x軸は周波数範囲を表し、y軸はリターンロス値を表す。
【
図20B】
図1のメタマテリアルユニットセルの上面図および対応するグラフであり、89度のユニットセルを示し、x軸は周波数範囲を表し、y軸はリターンロス値を表す。
【
図20C】
図1のメタマテリアルユニットセルの上面図および対応するグラフであり、85度のユニットセルを示し、x軸は周波数範囲を表し、y軸はリターンロス値を表す。
【
図20D】
図1のメタマテリアルユニットセルの上面図および対応するグラフであり、ランダムな形状を有するユニットセルを示し、x軸は周波数範囲を表し、y軸はリターンロス値を表す。
【
図21A】
図1のメタマテリアルユニットセルの基準状態におけるリターンロス応答の2つのグラフである。
【
図21B】
図1のメタマテリアルユニットセルのさまざまなねじれ状態におけるリターンロス応答の4つのグラフである。
【
図22A】
図1のメタマテリアルユニットセルのε
r値が1である場合のリターンロス応答のグラフである。
【
図22B】
図1のメタマテリアルユニットセルのε
r値が4である場合のリターンロス応答のグラフである。
【
図22C】
図1のメタマテリアルユニットセルのε
r値が3.5である場合のリターンロス応答のグラフである。
【
図22D】
図1のメタマテリアルユニットセルのε
r値が9である場合のリターンロス応答のグラフである。
【
図23A】
図1のメタマテリアルユニットセルの元のスケール値が1である場合のリターンロス応答のグラフである。
【
図23B】
図1のメタマテリアルユニットセルのスケーリングファクタが0.5である場合のリターンロス応答のグラフである。
【
図24】本開示による別のシナリオであるねじれ構造の等角図である。
【
図25】本開示によるメタマテリアルを作製するための工程の概略図である。
【
図26A】基板上にさまざまなパターンを形成するために機能性材料を直接堆積させることができるインクジェットプリンタの斜視図である。
【
図26B】
図26Aのインクジェットプリンタによって堆積させることができる1つのパターンの上面図である。
【
図27】Novacentrix JS-A211インクを用いたポリエチレンテレフタレート(PET)の印刷結果の上面図である。
【
図28】Sigma Aldrichインクを用いたポリジメチルシロキサン(PDMS)上のメタマテリアル(MTM)構造の印刷結果の上面斜視図である。
【
図29】本開示による無線周波数感知装置の計装概略図であり、RF発生器、RF分析器プロセッサ、およびMTMセンサを示す。
【
図30】
図29の無線周波数感知装置のRF分析器プロセッサの斜視図である。
【
図31】本明細書に記載の無線周波数感知装置とともに利用され得る機械学習およびデータ分析の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
特定の例示的実施形態が、本明細書に開示されるデバイスおよび方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的理解を提供するために説明されるであろう。これらの実施形態の1つ以上の例を添付図面に示す。当業者は、本明細書に具体的に説明され、添付図面に例示されるデバイスおよび方法が非限定的例示的実施形態であり、本開示の範囲は特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的実施形態に関連して図示または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされ得る。そのような修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、本開示は、プロトタイプ、ベンチモデル、および/またはセットアップの概略図を含むいくつかの例示および説明を提供する。当業者は、本開示に依存して、本明細書で提供される技術、システム、デバイスおよび方法を顧客に提供される製品および/またはシステムに統合する方法を認識し、そのような顧客は、公衆における個人、または製造施設内などでそれを利用することになる企業を含むがこれらに限定されない。特徴が、の上に、の下に、の隣に、等で配置されると記述されている範囲において、そのような記述は、典型的には説明の便宜のために提供されており、当業者であれば、別様に記述または理解されない限り、本開示の趣旨を逸脱することなく他の場所および位置が可能であることを認識するで
あろう。
【0035】
別様に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語は、この開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。さらに、実施形態にわたって同様に符号付けされた構成要素は、別様に記載されていない限り、類似の特徴を概して有し、または当業者は、本開示および自身の知識に基づいて差異を理解するであろう。したがって、すべての実施形態の態様および特徴は、各実施形態に関して説明され得ないが、記載または理解が矛盾しない限り、それらの態様および特徴をさまざまな実施形態に適用することができる。
【0036】
本開示によれば、回転シャフトの状態監視のための、無線周波数感知装置とも呼ばれる弾性RF-メタマテリアル(RF-MTM)センサ10について説明する。無線周波数感知装置10は、数値モデリングおよびシミュレーションにより、変形のさまざまなモードを受けると、著しいリターンロスおよび透磁率変化をもたらす。信号の特徴的変化は、モデルベースおよびデータドリブン方法の両方による状態監視および異常検出についての膨大なポテンシャルを有する。
【0037】
メタマテリアル(MTM)感知が無線周波数感知システム10において利用される。MTMは、入射電磁(EM)波の波長よりも小さいサイズを有する周期的に配置された金属要素を含む人工的に製造された電磁材料である。これらの材料は、逆ドップラー効果、バビロフ-チェレンコフ効果、負屈折、回折限界破壊イメージングおよびクローキングなどの、自然界では容易には入手できないエキゾチックな電磁気特性を示す。
【0038】
少なくとも1つの実施形態において、無線周波数感知装置10は、
図1A~
図2Eに示すように、無線周波数センサ40(RF信号分析器とも呼ばれる)と、プロセッサ46と、信号源48と、MTMユニットセル12とを含む。感知装置またはシステム10は、回転シャフト50をさらに含み得る。あるいは、MTMユニットセル12は、装置10から別個に離れている回転シャフト50に取り付けられることができる。
図2A~
図2Eの実施形態では、無線周波数感知装置10は、変形するMTMユニットセル12を含む。回転シャフト50は、一般化された力の入力を経験し、これは、シャフト50の表面に直接接合されたMTMユニットセル12の幾何学的形状を機械的に変形させ、それにより、その電気的特性がさらにずれる。RF信号分析器40は、ユニットセル12を透過し、ユニットセル12から反射するRF信号を捕捉することができる。電気的特性の変化の程度に応じて、捕捉されたRF信号は大幅に異なる可能性がある。
【0039】
図示の実施形態では、MTMユニットセル12は、
図1Aに示すように、スプリットリング共振器(SRR)ユニットセルである。MTMユニットセル12は、2つのMTMリングを含み得(すなわち、N=2)、第1のリング14および第2のリング24が導電性基板34に接合されている(
図3A~
図3Cを参照)。他の実施形態では、MTMユニットセル12は、2つ超のMTMリングを含み得る。例示される実施形態では、各リング14、24は、4つのストリップを含み、4つのストリップのうちの1つのストリップは、2つのストリップに対して実質的に垂直に配置され、第3のストリップに実質的に平行であり、長方形または正方形を形成する。図示のように、第1のリング14は、第1のストリップ15と、第1のストリップ15に対向する第2のストリップ16と、第1および第2のストリップ15、16の終端間に延在する第3のストリップ17と、第3のストリップ17に対向し、第1および第2のストリップ15、16の他方の終端間に延在する第4のストリップ18とを含む。図示の実施形態では、第1および第2のストリップ15、16は実質的に平行であり、第3および第4のストリップ17、18は実質的に平行である。ストリップ15、16、17、18は、
図1Aおよび
図1Bに示されるように、それらの接合点において略直角を形成する。他の実施形態では、ストリップ15、16、17、
18は、実質的に平行にならないように、実質的に垂直にならないように、ならびに/または、他の形状および構成になるように配置され得る。
【0040】
第1のリング14と同様に、第2のリング24は、第1のストリップ25と、第1のストリップ25に対向する第2のストリップ26と、第1および第2のストリップ25、26の終端間に延在する第3のストリップ27と、第3のストリップ27に対向し、第1および第2のストリップ25、26の他方の終端間に延在する第4のストリップ28とを含み得る。図示の実施形態では、第1および第2のストリップ25、26は実質的に平行であり、第3および第4のストリップ27、28は実質的に平行である。ストリップ25、26、27、28は、
図1Aおよび
図1Bに示されるように、それらの接合点において略直角を形成し、したがって、長方形または正方形を形成する。他の実施形態では、ストリップ25、26、27、28は、平行にならないように、ならびに/または他の形状および構成になるように配置され得る。図示の実施形態では、第2のリング24は、
図1Aおよび
図1Bに示されるように、第1のリング14を取り囲むように、第1のリング14の外側に配置されている。
【0041】
第1のリング14は、
図1Aおよび
図1Bに示すように、第1のリング14に形成された第1のギャップ19を含み、第2のリング24は、第2のリング24に形成された第2のギャップ29を含む。特に、少なくとも図示の実施形態では、第1のギャップ19は、第1のリング14の第1のストリップ15に形成されており、第2のギャップ29は、第2のリング24の第1のストリップ25に形成されている。さらに、第1のリング14と第2のリング24とは、第2のギャップ29が第1のリング14の第2のストリップ16に隣接して位置し、第1のギャップ19が第2のリング24の第2のストリップ26に隣接して位置するように、互いに対して配置され得る。
【0042】
リング14、24の初期厚さt、ストリップ15、16、17、18、25、26、27、28の幅w、ギャップ19、29の長さgが、
図1Aおよび
図1Bにて示されている。リング14、24の角は、
図1BによるとA、B、C、Dと表記される。ストリップの幅および厚さ、ならびに内側ストリップと外側ストリップとの間の距離は、それぞれw
j、t
j、およびs
jである(jは1、2、3または4に等しく、リングの第1、第2、第3、および第4のストリップに対応する)。非変形状態では、l
j=l、w
j=w、t
j=t、s
j=s、∀jとする。基板の厚さはhである。パラメータρはMTMリング比であり、以下の式で与えられる。
【0043】
【0044】
ここで、オーバヘッドバーは、全四辺にわたる平均を示す。
図2Aに示すように、ユニットセル12は、モータ出力54から離れた距離L
Xでシャフト50の外面52に取り付けることができる。シャフト50の長さおよび半径をそれぞれL
SおよびR
Sとする。ユニットセル12は、第1のリング14および第2のリング24の第1のストリップ15、25および第2のストリップ16、26が回転シャフト50の中心軸51(回転シャフト50が中心軸51周りに回転する)と略平行であるように設置され得る。
【0045】
図示の実施形態では、ユニットセル12は、
図2A~
図2Eに示すように、シャフト50の外面52に接着される、または別様に取り付けられるように構成されている。いくつ
かの実施形態では、ユニットセル12は、シャフト50に直接接着されていない。そのような実施形態では、シャフト50に中間面が配置され、中間面にユニットセル12が配置されている。ユニットセル12が信号を送受信するように配置されている限り、ユニットセル12は適切に機能することができる。他の実施形態では、ユニットセル12は、シャフト50の外面52に直接接着されてもよい。
【0046】
機械的変形モデルは、シャフト50が一般化された力の入力の下にあるときの表面変形と、MTMリング14、24の局所的な幾何学的変化と、ユニットセル12の局所的変形およびシャフト表面52の変形の間の関係と、の3つの部分を含む。機械的変形モデルを導出するために、いくつかの仮定が明示される。ユニットセル12の寸法が、シャフト50と比較して小さく、これにより、LXはセル12上のすべての角を近似して記述し、ユニットセル12は2次元として近似することができる。さらに、ストリップ15、16、17、18、25、26、27、28の断面の変形は、実質的に均一であり、すなわち、ストリップのうちの1つの応力のない上面と接合底面とでの幅変化が等しいと仮定される。2つの辺のギャップおよび交差領域は、ストリップの変形に無視できるほど影響しない。ポアソン比νは、全方位において均一である。
【0047】
図示の実施形態では、第1のリング14のストリップ15、16、17、18および第2のリング24のストリップ25、26、27、28の断面は同一である。一般化された力の入力の下でのシャフト50の表面変形をモデル化することができる。一般化された力の4つのモード:軸力P、剪断力V、屈曲モーメントM、およびトルクτの下にあるときの変形されたシャフト50が
図2A~
図2Eに示されており、モードi(i=1;2;3;4)とそれぞれラベル付けされている。ユニットセル12の屈曲、伸張、およびねじれの例を
図12に示すが、これは以下でより詳細に説明される。カスティリアーノの第2の定理を用いて、シャフト50に沿った小さな長さδL
x内の相対一般化変位δq
iは、以下のように表すことができる。
【0048】
【0049】
次に、基板が変形したときのユニットセル12内の局所的変形を導出することができる。下にあるシャフト50の表面が変形すると、
図4Aに示されるように、MTMユニットセル12は、A’B’C’D’に変形する。スーパースクリプト「0」は、変形されたパラメータを示す。AB、BDおよび平面ABCD方向に沿ったBからB’への変位を、それぞれδl
l、δν
l、およびδr
lとする。ポアソン比を考慮すると、ユニットセル12の変形は、以下のように導出することができる。
【0050】
【0051】
シャフト50の表面変形とユニットセル12の局所的変形との間の関係を導出することもできる。
図2Aに示されているように、屈曲軸とユニットセル12の軸との間の角度変位をφとすることができる。したがって、
【0052】
【0053】
であり、X∈{l、w、s}は、特定の幾何学的パラメータを表す。
【0054】
本開示を考慮して、MTMユニットセルの電気モデルをどのように導出するかは、当業者であれば理解するであろう。SSRユニットセルの2つのリング14、24間の総インダクタンスLおよび総分散キャパシタンスCは、以下のように導出することができる。
【0055】
【0056】
ここで、K(k)は、第1種完全楕円積分として知られる。
【0057】
【0058】
εrは、基板の比誘電率であり、c0は自由空間定数の誘電率である。リターンロスの共振周波数は、以下のようにモデル化することができる。
【0059】
【0060】
ここで、cは光速度定数である。定義により、透磁率μは、長さに対するインダクタンスである。
【0061】
【0062】
これは、(2)、(3)、(4)、(5)とさらに組み合わせて、反射RF信号を一般化された力の入力P、V、M、τと直接関連付けることができる。RF信号は、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさの少なくとも1つを示す。
【0063】
図示の実施形態では、プロセッサ46は、RF信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさの少なくとも1つを、シャフト50についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較するように構成されている。これらの比較に基づいて、プロセッサ46は、回転シャフト50に異常が生じたか否かを判定するようにさらに構成されている。また、プロセッサ46は、これらの比較に基づいて、回転シャフト50に生じた複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別するように構成されている。複数種類の異常は、回転シャフト50の伸長、回転シャフト50の振動、回転シャフト50の屈曲、回転シャフト50のねじれ、または回転シャフト50の歪みのうちの1つ以上を含み得る。共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、および/または、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、回転シャフト50に生じた複数種類の異常のうちの少なくとも1つに相関する。
【0064】
いくつかの実施形態では、プロセッサ46は、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較を、機械学習アルゴリズムに入力するようにさらに構成され得る。さらに、機械学習アルゴリズムは、比較を利用して、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するように構成され得る。プロセッサ46はまた、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較を利用して、ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするように構成され得る。当業者は本開示を考慮すると、機械学習アルゴリズムが、ユニットセル12を考慮して収集され別様に決定された情報に基づいて
どのように学習および予測することができるか、ならびに、ニューラルネットワークまたはニューラルネットワーク分類器をどのようにトレーニングすることができるかを理解し、したがって、機械学習アルゴリズムがより一般的にどのように動作し、ニューラルネットワークおよびニューラルネットワーク分類器がより一般的にどのようにトレーニングされるのかについての詳細な説明は不要である。それを実装するために必要とされる関連態様は、当業者が本開示から導出することが可能である。
【0065】
例として、ニューラルネットワークアルゴリズムは、一般的な関数近似器とすることができる。少なくとも1つの実施形態の設定では、ニューラルネットワークは、表面変形を信号にマッピングするか、またはその逆のいずれかに使用することができる。これは、信号と表面変形との対応関係が生成され得るように、方法論および数学的モデルが提供されるという点で有益である。これらのデータは、ニューラルネットワークをトレーニングするために使用することができ、それにより、正確な分析数学モデルの代わりに、より大きなコンテキストに一般化し得るグレー/ブラックボックスモデルを提供することができる。当業者であれば、本開示を実装することによって生成されたデータを活用して洞察を得る、および/または実用上の問題を解決する他の方法を本開示が可能にすることを理解するであろう。
【0066】
いくつかの実施形態では、感知システム10は、導電性基板34上にアレイ構成で配置された少なくとも2つのユニットセル12、または当業者に知られているその均等物を含み得る。
図3は、基板34上に配置された複数のユニットセル12の例示的構成を示す。導電性基板34は、限定されないが、誘電体材料を含むさまざまな材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのメタマテリアルユニットセル12は、導電性基板34に形成されたアパーチャ35内に配置されている。
【0067】
ユニットセル12に関するさらなる詳細、および、無線周波数感知装置10が異常を検知する態様について、より詳細に説明する。
図5に示されるように、RF感知アーキテクチャを考慮すると、システム全体は重要であり得る。それは、等価ソースインピーダンス(Z
S)を有するモノスタティック照射源の設計から開始して、目的コンポーネントをターゲット材料(Z
L)の関数とする。その設計は、透過係数および反射係数に影響を与える可能性がある。源と対応する等価インピーダンス(Z
equ)を有する負荷との間の伝送線路の単位長さ当たりの等価分散電気素子(R’、L’、C’およびG’)およびズームイン要素は、線路に沿って拡張することができる。この等価システムは、散乱パラメータに関して2ポートネットワーク分析としてモデル化することができる。いずれのRFネットワークにおいても、一部の入射波を反射させる可能性がある一方、一部の入射波を透過させる可能性がある。無損失の理想的なネットワークについては、透過波が入射波と同じであることができる。しかし、これは、多くの経路損失が反射係数に影響を及ぼす可能性がある実際の場合ではない。これらの損失および反射係数は、主に整合ネットワークの設計によって支配される可能性がある。このトピックは、散乱パラメータを調べることによってさらに理解することができる。
【0068】
RF回路の設計および特徴付けにおいて、動作周波数の範囲を識別することは役立つ可能性がある。オーディオから数百メガヘルツまでの周波数は、電流、電圧および/またはインピーダンスに基づいて特徴付けることができる。この低域周波数まで、回路は、DC(周波数依存信号ではない)に類似する挙動を示す可能性がある。しかし、数百メガヘルツを超えると、これらの量を測定することは、少なくとも回路が分散され、電圧および電流も同様であるため、実用的ではなく、特に意味のあるものではない。したがって、電圧反射係数およびマイクロ波電力測定値などの他の有用な量を使用することができる。この種の特徴付けは、「散乱パラメータ」または「Sパラメータ」と呼ばれ得る。パラメータのこのセットは、任意のネットワークについての電力の反射および透過の効果を具現化す
ることができる。この特徴付けは、能動的、受動的および/またはマルチポートがあるかどうかにかかわらず、ほとんどのタイプのネットワークで使用するのに非常に望ましく、有用であり、および/または便利である可能性がある。さらに当業者は、これらの開示に鑑みて、これらのパラメータと他のネットワークパラメータとの間の変換を容易に行うことができることを理解するであろう。
【0069】
前述したように、Sパラメータは、約100MHz超のアプローチについて有用であり得るが、それらは数百kHzまでも使用することができる。実際には、これらの測定値は、進行波電圧に関してそれらが定義されているので、採用され、相互接続および/または伝送線路を特徴付けるのに便利であり得る。これらのパラメータは、線路の一方のポートに入力された信号を、その他方の端部の他の信号に自然に関連付けることができる(すなわち、2ポートネットワークモデル)。
【0070】
基板および導体の特性を含むが、これらに限定されない、RF伝搬特性に影響を与える可能性がある他の要因がある。基板の誘電率を低下させることにより、導体の特性インピーダンスを高めることができ、遅延を低減することができる。例えば、空気は、従来知られている最速の誘電体媒質であり、その低誘電率(=1)は、小さな伝搬遅延(すなわち、高速伝搬)につながる。自由空間における磁界に対する電界の比は、約377Ω(120πΩ)である。銅または鋼のような完全導体は、非常に低い抵抗率を有し、これにより、波の伝搬に重要な影響を与えることができる。
【0071】
本回転シャフトは、鋼製であり、反射係数が絶縁材料と異なることができる。これは、より良好なRF感知を可能にするために、ターゲット表面負荷を意図的に変更することにつながる可能性がある。目的は、反射RF信号に影響を与え、任意のシャフト変形と相関させることができる。これは、表面コーティングおよび/またはテクスチャリング、ならびに、ねじれ、屈曲、およびクラックなどのより多くの応力変形を識別するために当業者に知られている他の技法に依存することを含み得る。
【0072】
本開示は、以下で詳細に説明される、少なくとも1つの吸収メタマテリアルテクスチャコーティングを用いて円柱状シャフトをテクスチャリングすること、および/または上述のユニットセル12などのいくつかの誘導性および/または容量性リアクタンス成分を有する接着性ポリマ薄ストリップを付着させることによってRF入射信号に対する減衰効果を生成することを企図する。シャフト50の表面52上のこの革新的なシステムは、欠陥の状態および/または種類に関する有用な情報を伝達し得るようにシャフト50内の特定位置におけるEM波の減衰効果を生成することができる。いくつかの例では、吸収メタマテリアルテクスチャコーティングなどの吸収メタマテリアルのコーティングを使用することができる。ユニットセル12のようなポリマストリップは、負荷側に置かれ、少なくともRF反射信号の強度を最小にするためにEM波エネルギーを吸収することができる誘導性ポリマ共振メタマテリアルから製作することができる。損失メカニズムは、選択された材料の誘電率(ε)および透磁率(μ)について考慮される。
【0073】
シャフト上のメタマテリアルコーティングの設計はまた、周波数依存性、偏光効果、形状構成、および/または常磁性などの多くの要因に依存する可能性がある。周波数依存性要因について、ポリマストリップまたはユニットセル12の材料の組成および形態は、特定の周波数帯域にわたってレーダー波を吸収するように慎重に調整することができる。偏光効果は、高誘電率を有するポリママトリックス中に埋め込まれた強磁性粒子の使用に依存する。強磁性流体は例えば、超常磁性であり、電磁放射によって強く分極される。流体が十分に強い電磁場を受けると、偏光はコルゲーションを表面に形成させることができる。これらのコルゲーションを形成するために使用される電磁エネルギーは、反射レーダー信号のエネルギーを弱める、または除去することができる。
【0074】
形状構成は重要な因子であり得る。一般に、ストリップが厚いほど、吸収がよい。また、部分テクスチャリングは、表面全体にテクスチャリングすることと比較して、異なる影響を有する可能性がある。部分テクスチャリングは、さまざまなパラメータの検出を支援するために、本開示にて提供される。例えば振動の検出について、シャフト表面は、より高感度なデータを得るために金属とすることができる。この種類の機械的効果のために必ずしもコーティングまたはテクスチャリングを行う必要はないが、必要に応じてコーティングまたはテクスチャリングを使用することを必ずしも排除されるものではない。ねじれおよび屈曲は、RF信号解釈、ならびに少なくともいくつかの例では、機械学習アルゴリズムの使用によって検出することができる。またさらに、ねじれおよび屈曲は、位置付けおよび/または位置情報によって決定することができる。常磁性とは、アルミニウムまたは白金のような、磁場中で磁化可能であるが、磁場が除去されるとそれらの磁気が消失し得る材料を指す。強磁性は、鉄およびニッケルなどの、磁場が除去されてもその磁気特性を保持することができる材料を指す。
【0075】
図6は、周波数および材料ホスティングマトリックスの関数としての反射係数応答を示す。シャフト表面52が変更されると、負荷におけるRLC(抵抗-インダクタ-キャパシタ)共振を生成することができる。この応答は、自由空間インピーダンスに対する負荷整合ネットワークを考慮してモデル化することができる。1.8GHz付近では、リターンロス(RL)が示すように、負荷ポリマストリップからの反射が最大となる。
【0076】
これは、誘電性-誘導性ポリマストリップまたはユニットセル12を作成する1つの方法である。表1は、この段階での機械的変形相関を考慮せずに、入射波に影響を及ぼすためにシャフト表面52上に適用できるいくつかの技術を要約する。これを検討するための1つの方法は、ターゲット上の入射波ではなく、レーダーセンサモデルおよびレーダー断面積(RCS)評価パラメータを考慮することである。
【0077】
【0078】
成形技術は、例えば、表面エッジを設計して入射波を回折させることにより有用であり得る一方、吸収材料は、例えば吸収によってRFセンサに反射し戻されるエネルギーを低減することができる。
【0079】
吸収材料コーティングは、良好な整合および吸収ネットワークを提起し、および/または減衰特性を導入するために、入射信号に対する適切なインピーダンスの設計に基づくことができる。これにより、ターゲット断面を大幅に縮小することができるが、その代償として重量が増加し、定期メンテナンスが必要となる。一次ターゲットの反射をキャンセルするために二次散乱体を導入することにより、受動的または能動的なキャンセルを達成す
ることができる。そのような散乱体または散乱デバイスをどのように導入するかは、当業者であれば本開示に鑑みて理解するであろう。能動的なキャンセルは、受信レーダー信号を変更して再送信するプロセスを含む。それは、軍事用途または複雑性脅威、および他の用途について実装することができる。
【0080】
負荷におけるRF信号の抑圧には、異なる選択肢があり、純粋な誘電体、純粋な磁性体、および/またはその2つの混合物の設計を含むが、これらに限定されない。シャフト表面を磁気吸収体でコーティングすることは、コーティングされたポリマの厚さを減少させ、RF入射信号を迅速に抑制するという点で、役立つ可能性がある。
【0081】
以下では、a)回転負荷上のRFメタマテリアルコーティング、b)シャフト材料の影響および源におけるRCSパターン、およびc)反射RF信号からのドップラー効果の観点から調査された3つのRF感知視点またはモードがさらに記載される。
【0082】
コンピュータシミュレーション技術(CST)ソフトウェアを使用して、ユニットセルスプリットリング共振器(SRR)12のメタマテリアルを設計することができる。目的は、実際の機械的異常を検出する際にどのように実行されるかを理解するために、一般的な形で機械的応力に対するその電気的応答を評価することである。感知メカニズムとして捉えられ研究され得る電気的応答は、リターンロス、透磁率値、および/またはシフトを含む。
【0083】
メタマテリアルは、サブ波長ユニットセルから構成される周期的共振人工構造である。それらは、負の屈折率などの、従来の光学系では説明できず、自然界には得ることができないエキゾチックな電磁気現象を示している。メタマテリアルコンポーネント(導体および基板ギャップ、幅、および厚さなど)の設計を変更することによって、誘電率および透磁率の電磁特性を調整および/または操作することができる。代替的にまたは追加的に、メタマテリアルコンポーネントの動作周波数を調整することができる。
【0084】
図示の実施形態では、Sバンド共振器セル12は、エポキシ高誘電絶縁基板を使用して設計することができる。ギャップ19、29はそれぞれ、例えば約200ミクロンの幅を有することができ、内側リング14および外側リング24もまた、それぞれ約6ミリメートルおよび約10ミリメートルの幅を有する。いくつかの実施形態では、スプリットの幅、またはリング14、24間の距離および基板の高さは、いずれも約1ミリメートルとすることができる。この段落に開示された例示的寸法は、セルを約2.2GHzの周波数で共振させるように示されている。
図9~
図11は、複数の場合の透磁率、誘電率、およびリターンロス応答を示す。そのような構造の設計は、本開示を考慮して適用要件を満たすように調整することができることを当業者は理解するであろう。
【0085】
例えば、Sバンド共振器セル12の寸法は、特定の関心対象周波数範囲を満たすように幾何学的に設計され得る。いくつかの実施形態によるセルの寸法は、約1GHz~約3GHzの間のセル共振周波数範囲を達成するように調整され得る。セルの潜在的変更は、非限定的な例として、トランスデューサの利用可能性および/またはその実効コストに依存し得る。さらに、メタマテリアル寸法をスケールアップおよびスケールダウンして、ターゲット共振周波数(f0)および機械的フィッティングの特定の特性を取得することができる。例えば、メタマテリアルの共振周波数f0は、メタマテリアルユニット構造のサイズに比例する。したがって、メタマテリアルのセル長(l)が大きいほど、共振中心周波数f0が低い。したがって、例示的なセットの寸法が2倍になるとf/2の共振中心周波数となり、例示的なセットの寸法が半分になると2f0の共振中心周波数となる。
【0086】
本明細書に記載されるRF-MTMセンサのさまざまな実施形態は、さまざまな回転機
械において利用され得る。例えば、
図7Aおよび
図7Bに例示的な回転機械が示されている。
図7Aは、本開示における回転シャフト50として記載された回転シャフトを含む回転シャフト組立体60を有する無線周波数感知装置10の試験セットアップを示す。無線周波数感知装置10からの測定値は、回転シャフト50の性能を監視するために使用することができる。セットアップはまた、電源61、駆動モータ62、ダンピングモータ63、および抵抗アレイ(図示せず)を含み得る。回転シャフト50は、一端が駆動モータ62に連結し、他端がダンピングモータ63に連結することができる。いくつかの実施形態では、駆動モータ62およびダンピングモータ63は、ブラシ付きDCモータとすることができ、回転シャフト50は、コンプライアントカプラを用いてそれぞれに取り付けることができる。駆動モータ62は、電源61に結合することができ、それは、例えばユーザによってコンピュータ端末を介して駆動モータを制御することができるように、電子速度制御を含み得る。
【0087】
いくつかの実施形態では、無線周波数感知装置10は、回転シャフト50に直接的または間接的に取り付けられ得るMTMセンサ12を利用し、それにより、センサ12の変形を測定し分析して、シャフト特性を判定することができる。無線周波数感知装置10は、以下でさらに詳細に説明されるようなモノスタティックレーダーセンサ140、ならびに
図7Aおよび
図7Bに示されるような信号源148を利用することができる。信号源148は、例えば、モノスタティックレーダーセンサ140に反射し戻され得るレーダー信号の連続パルスで、回転シャフト50を照射するように構成され得る。レーダー信号は、回転シャフト50に生じる振動を示すことができる。信号源148の送信アンテナ142および受信アンテナ141は、図示のように回転シャフト50と通信することができる。センサ140がどのように動作するかについての詳細は、
図7Bの例示、本明細書の開示、および当業者の知識から理解され、および/または導出可能である。
【0088】
機械60のような、回転機械に関して本センサの開示を実装する場合、静的および動的シャフトの両方の場合において、SRRメタマテリアルをそのような回転機械にリンクさせることが実現可能である。機械が回転している間にそれらの構造体を能動的に励起することが実現可能であると考えることができる。受動的励起の形態としての入射RF信号を利用することができる。ベクトルネットワーク分析器(VNA)は、そのような構造の電気信号を分析するために実験室で使用することができる。しかし、現場および工場に配備されるこれらの分析器の複雑さは、特に回転機械について、いくつかの課題を提示する可能性がある。
【0089】
上記にもかかわらず、特定の回転機械は、人工知能(AI)能力を有してフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を使用して実装することができるリアルタイム監視モジュールの必要性を促進することができ、FPGAは、優れた再構成可能性を有することができ、AIプロセスをサポートすることができることを当業者は理解するであろう。そのようなFPGAベースのセンサは、低レイテンシについて有用であって特にオンサイトデータ監視のためにクラウドストレージを回避することを可能にする良好なローカルオンデバイスメモリを有する。しかし、クラウドストレージは、必要に応じてモノのインターネット(IoT)遠隔監視のために依然として使用されることができる。ソフトウェア定義無線プラットフォーム(NI USRP2920など)は、有効な低コストRFセンサとして使用することができ、リアルタイム信号監視およびI/Qデータ分析、低レイテンシ、およびAI構成の上記条件を満たすことができる。そのようなRFプラットフォームは、LabViewソフトウェアとペアリングされて、RF信号取得、生成、および可視化ループを可能にする。また、周波数選択性は、SDRプラットフォームのための特性入力とすることができ、例えば、より広い周波数スペクトルを掃引し、および/またはセンサをその最適感度に調整することができる。さらに、複数デバイスの同期適合性は、いくつかの特定用途に利用することができる利点である。
【0090】
さまざまなメタマテリアル構造の設計および製造が課題である可能性があるが、それらは、非常に小さな特徴を正確に感知するための理想的な選択であり得る。これらの構造の薄層を表面に付着させる能力は、魅力的な利点となり得る。しかし、適切な励起および感知アプローチで構造を特定用途に調整することは、別の課題である。いくつかの例示的実施形態では、平面メタマテリアル設計は、同軸を使用して横方向電磁(TEM)波励起アプローチで励起することができる。これは、試験中の静的構造のための適切な計測方法論であり得る。動的回転構造の場合、他の励起方法は、機械的および/または電気的に適合するように構成され、考慮され得る。例えば、ベクトルネットワーク分析器(VNA)を用いた測定を使用することができる。
【0091】
ネットワーク分析器には、VNAおよびスカラネットワーク分析器(SNA)の2種類がある。それらの相違には、VNAは特定のネットワークにおける反射および透過についての複素量(例えば、位相および大きさ)を測定することができる一方、SNAはその大きさのみに関する情報を提供することが含まれる。VNAは、Sパラメータ、インピーダンス、損失、利得、電圧定在波比(VSWR)、分離、遅延および/またはその他のものなどの、大部分のマイクロ波およびRF変数を測定する能力を有する。これらの分析器は、測定される測定値の精確かつ正確な補正を提供する。ネットワーク分析器は、被試験デバイスと相互作用し、データを可視化するためのハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントを備える。当業者であればVNAおよびSNAのコンポーネントを理解するため、本開示を理解するためには、そのさらなる詳細な説明は必要ではない。
【0092】
VNAの繰り返し較正は、センサ機器として機能するために必要であり得る。開回路、短絡、負荷(O-S-L)技術などの複雑な較正を適用して、高精度の測定を得ることができる。また、相互接続の特徴付けに用いることができるいくつかの好ましい較正規格が存在する。スルー・リフレクト・ライン(TRL)手順およびスルー・ライン(TL)手順はしばしば最も一般的である。較正は、要求される帯域幅の全範囲にわたって実行することができる。これらの種類の較正規格は、アンテナリターンロスを感知要因として測定する際に用いることができる。VNAは主に、散乱パラメータの測定を行うために使用することができる。その機能は、掃引周波数発生器または周波数シンセサイザの原理に基づくことができる。ネットワーク分析器は、矩形プロット、極性プロット、および/またはスミスチャートなどの異なる形態でSパラメータの出力測定値をプロットするディスプレイを有することができる。回転機能がない定常状態シャフトの場合には、システム安定性が基準検量線を変更しにくくするのを保つ手助けをする可能性があるので、この種の較正を許容することができる。シャフトの回転中、いくつかの誤差が、少なくとも部分的に伝送線路のフランジおよび/またはコネクタの不安定性に起因して、測定において予想され得る。これは、フランジを介してカスケード接続された導体およびコネクタの任意の設置セクションの電気的不整合および機械的ミスアライメントを促進する。較正は、被試験デバイスに接続された任意の関連コネクタおよび/またはケーブルの影響を減らすのを助けることができ、測定基準面の試験ケーブル端部への移動を可能にする。
【0093】
SNAは、この感知メカニズムおよび機能性を可搬式で実用的に可能にする非常に良好な候補とすることができる。具体的には、市販されている可搬式分析器を使用するのが1つの方法である。それらは、基本RFネットワーク分析器として掃引機能とともに使用することができるオンボードRF電力検出器を含み得る。また、これは、非移動シャフト状態にあるメタマテリアルテクスチャリングを励起するために良好な方法であり得る。
【0094】
機械的屈曲が導入されると、これらのパラメータの著しいシフトおよび変化を実現することができ、これにより、そのような人工的構造をRFセンサとして使用する可能性を示すことができる。
【0095】
本開示による無線周波数感知装置110の別の実施形態について以下に説明する。無線周波数感知装置110は、本明細書に記載の無線周波数感知装置10と実質的に同様である。したがって、別様に記載されていない限り、または、当業者によって異なって理解されない限り、100系列における同様の参照符号は、無線周波数感知装置110と無線周波数感知システム10との間で共通する特徴を示す。無線周波数感知装置10の説明は、それが無線周波数感知システム110の具体的説明および図面と矛盾する場合を除き、無線周波数感知システム110に適用されて参照により組み込まれる。
【0096】
無線周波数感知装置110は、
図8に示すように、回転シャフト150に適用される吸収メタマテリアルテクスチャコーティング154を含み得る。この実施形態では、少なくとも1つの無線周波数センサは、モノスタティックレーダーセンサ140を含み得る。プロセッサ146は、吸収メタマテリアルテクスチャコーティング154のレーダー断面を評価するように構成され得る。いくつかの実施形態では、吸収コーティング154は、以下に説明するように、磁性膜吸収体とすることができる。信号源148は、例えば、ある波長を有するレーダービームおよび/またはレーダー信号で、吸収メタマテリアルテクスチャコーティング154を照射するように構成され得る。レーダー信号は、吸収メタマテリアルテクスチャコーティング154に対してある入射角で延びることができ、吸収メタマテリアルテクスチャコーティング154からある反射角で反射することができる。吸収メタマテリアルテクスチャコーティング154のレーダー断面を最大化するように、入射角、反射角、または波長のうちの少なくとも1つを最適化することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、信号源148は、モノスタティックレーダーセンサ140に反射し戻され、受信アンテナ141(
図7Bを参照)によってピックアップされ得るレーダー信号の連続パルスで、回転シャフト150を照射するように構成され得る。レーダー信号は回転シャフト150に生じる振動を示すことができ、プロセッサ146は、回転シャフト150から受信した信号に基づいて回転シャフト150に生じた振動の大きさを識別するように構成され得る。
【0098】
いくつかの実施形態では、モノスタティックレーダーセンサ140がレーダー信号を受信したことに応答して、モノスタティックレーダーセンサ140は、電圧を出力するように構成され得る。回転シャフト150に生じる振動に応答して、モノスタティックレーダーセンサ140の出力電圧は変動でき、出力電圧の変動が回転シャフト150の振動の大きさに相関する。したがって、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧の変動に応答して、プロセッサ146は、回転シャフト150の振動の大きさを決定するために、出力電圧の変動の大きさを測定するように構成され得る。このプロセスの詳細については後述する。
【0099】
上記のように、受動的励起の形態として、入射RF信号を用いることができる。予備シミュレーションを適用して、例えば
図13に示すように、吸収メタマテリアル対RCSの相互影響および統合機能性を調査することができる。レーダー断面(RCS)は、物体がレーダーによってどのように検出可能であるかの尺度である。より大きいRCSは、物体がより容易に検出されることを示す。物体は、限られた量のレーダーエネルギーを源に反射し戻す。これに影響する要因としては、例えば、ターゲットの材料、照射するレーダー信号の波長に対するターゲットのサイズ、ターゲットの絶対的サイズ、入射角(レーダービームがターゲットの特定部分に当たる角度、これはターゲットの形状および/またはレーダー源へのその向きに依存する可能性がある)、反射角(反射ビームがターゲットヒットの一部を出る角度、これは入射角に依存する可能性がある)、および/またはターゲットの向きに対する透過および受信された放射の偏光が挙げられる。
【0100】
図14は、メタマテリアル-RCS統合機能性の調査を示す。RCS EM放射パターンは、完全金属導体(aで示す)および磁性膜吸収体(bで示す)についてシミュレートすることができる。一実施形態では、シミュレーションは、約10cmの長さおよび約2.5cmの直径の円柱状ターゲットを仮定して実行することができる。このシミュレーションは、表面材料のRFセンサへの影響を調査する。これは実際には、反射RF信号振幅に直接の影響を及ぼし、以下の表2に列挙されるような表面材料条件に相関する可能性がある。
【0101】
【0102】
ドップラー効果は、反射信号の変化がターゲット特性を明らかにするターゲット運動の検出における因子でもある。RF最適感度因子は、第1の場所における信号伝搬周波数に依存する可能性がある。振動は、RFセンサ出力電圧振幅範囲の変化として感知され得、振動は、出力電圧の急激な変動によって表すことができる。
【0103】
振動物体については、角周波数の振動率をωνとし、振動の最大変位をAνとすると、最大ドップラー周波数変化量fdは、以下のように決定される。
【0104】
【0105】
その結果、非常に短い波長については、非常に低い振動率であっても、
図14に示すように、いかなる小さな振動も大きな位相変化を引き起こすことができる。
【0106】
RFセンサを考慮すると、周囲環境を考慮することができる。少なくとも1つの特定用途について、作業環境周囲の物理的条件の影響は、信号伝播および/またはセンサの全体感度にリンクされる可能性がある。電気的および物理的長さが性能を支配する高周波でデバイスが動作するとき、多くの影響が現れる。高周波効果は、信号が伝搬する伝送媒体物理長と同様の、またはそれよりも小さい波長を信号が有する場合に重要になる可能性がある。電気的分析は、反射され透過される電力、および散乱パラメータアプローチの採用を正当化する係数として、電圧および電流で対処するという観点から、光学分析と同様にな
る可能性がある。これは自由空間伝送媒体で対処しているので、導電性媒体にて重要であり得る表皮の深さおよび表面粗さの影響は、少なくとも
図5に示すような上記モデルに記載された整合ネットワーク設計については、センサの実装において重要でない可能性がある。
【0107】
アンテナ利得および接続ケーブルを含む自由空間経路損失は、重要な影響を与える可能性がある。しかし、周囲温度に加えて、粉塵およびポリマ汚染のような大気条件は、特に光学的対応物と比較して、RFセンサにとっては重要でない可能性がある。
【0108】
送受信アンテナについては、
図7Bのアンテナ141および142と同様に、無エコー性(非エコー性)電磁波吸収体チャンバは、RF信号を感知媒体内に閉じ込めるためのより良い性能のために役立つ可能性がある。開放空間(開放部位)の測定は、実用的なアンテナおよび/またはレーダーデバイスに対して理想的であり得る。しかし、本システムの閉じ込められた空間的性質、および、機械から露出されるアクセス可能領域が限られていることを考慮すれば、無エコー性チャンバは不可欠であり得る。エコーは典型的には、RF/マイクロ波反射と呼ばれ得る。吸収材料は、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエチレン、および/またはフェライト吸収体などの広範な材料から選択することができる。各材料は、動作原理および性能限界を有し(例えば、フェライトタイルは、RF信号が約30MHz~約1GHzの範囲にあるとき、ほぼ約10dB~約25dBの範囲の吸収を提供することができる)、それらはセンサの動作波長に比べて厚く設計されている。この周波数範囲では、RF信号は、吸収体と相互作用したときに、ほぼ約10dB~約25dBの範囲で減衰することができる。各吸収材料は、特定の吸収特性を有することができ、製造業者によって得られる特定の周波数範囲を規定することができる。感知データを不正確にし得る外部影響のない環境を見つけることが有用であり得る。RF信号はまた、周囲領域内のマイクロ波デバイスおよび/または任意の他の無線送信機によって影響される可能性があり、それにより、すべての外部RFパワーデバイスを切断することがより良好になる可能性がある。これらの吸収体の主要機能は、エコーを防止すること、および/または最小反射で電磁波を吸収することであり得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、モノスタティックレーダーセンサ140のアンテナとターゲットとの間の経路距離は、センサの設計周波数に基づく遠方場測定を保証するのに十分長くなければならない。ノイズを回避するために、近接場ゾーンにおいて測定値または感知データを取得しないことが好ましい場合がある。近接場は、本質的に主に磁気的であり得る一方、遠方場は、電気および磁気成分の両方を有することができる。近接場は典型的には反応場である一方、遠方場は典型的には放射領域である。測定または感知は、放射ゾーン内で行われるべきであり、それは、少なくとも部分的にターゲット周波数に基づいて送信機から計算され得る。少なくともいくつかの実施形態では、距離は、約10λ0とすることができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、プロセッサ146は、出力電圧の変動および回転シャフト150の振動の大きさを機械学習アルゴリズムに入力するようにさらに構成され得る。機械学習アルゴリズムは、出力電圧の変動および/または回転シャフト150の振動の大きさを利用して、出力電圧の変動と回転シャフト150の振動の大きさとの相関を学習および予測するように構成され得る。プロセッサ146は、出力電圧の変動および回転シャフト150の振動の大きさを利用して、ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするようにさらに構成され得る。
【0111】
上記ユニットセル12を有する無線周波数感知装置10を含む実施形態に関して、少なくとも2組のシミュレーションが、CST(Computer Simulation Technology)スタジオで行われている。
図16に示すように、シミュレーションの第1組は、軸(モード1)、
剪断(モード2)、屈曲(モード3)、および、ねじれ(モード4)を含む異なる変形モードを区別することにおいて、MTMセンサ12の有効性を定性的に実証する。明確に表示されるように、変形結果の4つの基本モードは、リターンロスにおいて視覚的に異なる応答をもたらす。いずれの場合も、周波数応答は、5GHz未満領域において2つの共振ピークを示す。モード1は、非変形ユニットセル12よりも、第1の共振ピークがより低い周波数に、第2の共振周波数がより高い値にシフトする。モード1はまた、両方のピークの大きさを維持し、モード3は、第2の共振ピークの大きさが大幅に低減される。モード2および4の変形については、第1および第2のピーク間のギャップは、それらが部分的にマージする程度に近い。モード1および3間ならびにモード2および4間の類似度は、幾何学的変形が類似しているため高い。すべての4つの変形モードは、約5GHz~10GHzの間の領域に複数の共振ピークを示す一方、非変形状態では、1つの共振ピークのみが観測される。
【0112】
シミュレーションの第2組は、さまざまな振幅を有する単一変形モードでのユニットセル12の応答能力を定量的に示す。一般性を損なうことなく、モード3である、屈曲変形が使用される。非変形試料と、約30°の屈曲角度を有するものと、約60°の屈曲角度を有するものとは、シミュレートされる。
図18に示されているように、センサ構造上のモード3の変形の大きさの増大は、比透磁率を拡大し、より高い共振周波数へのシフトを引き起こす。
図17に示すように、屈曲角度の増加とともに、リターンロス共振ピークは、約-30dBから約-10dBまで大幅に減少させることができ、より高い周波数に向かってシフトすることができる。比透磁率およびリターンロスの見かけの傾向は、単一の変形モードでの変形振幅を区別するためにセンサ能力を定量的に検証することができる。
【0113】
したがって、本明細書では、回転シャフトの状態監視のための弾性メタマテリアル感知方法論が開示されている。MTMユニットセル12は、ユニットセルの比透磁率および/またはリターンロスの周波数応答を監視することによって、シャフト50表面上の局所的変形を識別するために使用することができる。シャフト50上の4つの機械的入力モードに対して、リターンロスと比透磁率とを直接橋渡しする数値モデルを導出することができる。変形のさまざまなモードおよび振幅の下でのユニットセル12の周波数応答をシミュレートすることができる。シミュレーションは、提案された感知方法論を検証する明らかな信号シフトと特徴的なパターンとを実証することができる。
【0114】
上記のRFセンサを利用して、追加シミュレーションを行って検討し、その一部について以下に記述する。
図15は、変形ユニットセルの機械的および電気的モデリングを示す。この図は、モデルの入力および出力を示す。そのようなモデルの目的は、機械的/電気的パラメータ関係を数学的に理解し、感知応答をシミュレートすることである。研究者等は、実際のシステムを構築する前にその物理的パラメータを調べることができるこの結合モデルに頼ることができる。これらのモデルは、特定の共振構造を特定の機械的用途に調整するのに役立ち得、および/またはさまざまな角度変形および/または負荷ケースで縦方向および/またはねじれ歪みの検査にて使用され得る。基板の種類は、異なる材料を使用する場合にモデルに注入することができる。共振周波数は、ギャップおよび/または幅などの物理パラメータを最適化することによって調整することができる。周波数調整は、そのようなパラメータに依存する可能性があり、したがって、より広い用途範囲および感度向上を可能にする。
【0115】
図19は、共振器テクスチャリングにおける機械的応力効果のシミュレーション結果を示す。感知メカニズムとしては、透磁率を用いることができる。x軸は周波数範囲を表す一方、y軸は実透磁率値を表す。3つの異なる変形ケース(平坦、30度屈曲、および60度屈曲)に対応する3つの異なるプロットが示されている。透磁率は、機械的屈曲がセンサ構造上に導入されると変化し、実部は、屈曲角度の増加に伴って増大する。屈曲の増
加は、負の透磁率を増加させ、より高い値への正の周波数シフトを引き起こすことができる。
【0116】
図20A~
図20Dは、リターンロス分析が、回帰モデルについての膨大なポテンシャルを保持する、非常に特徴的なマッピングを提供することを示している。各プロットにおいて、x軸は周波数範囲を表す一方、y軸はリターンロス値を表す。RL応答は、機械学習アルゴリズムをトレーニングし、異常分類器を構築するために使用できるいくつかの異常の種類についての特定のパターンを有する。この分析は、異なる機械的変形ケースでのメタマテリアル構造のRL性能の変化をカバーする。RLパラメータと変形との間には強い関係がある。提案されたモデルおよびシミュレーション結果を使用して、シャフト変形の種類および効果を予測し、その原因に相関させることができる。RLの徐々に変化する状態は、適切な器具を用いてリアルタイムで監視することができ、有効な状態監視ツールを可能にする。全体として、機械的屈曲が導入された場合、これらのパラメータにおける著しいシフトおよび変化が注目され、これは、RFセンサとしてそのような人工構造を使用する可能性を示すことができる。リターンロス分析は、回帰モデルについての膨大なポテンシャルを保持する非常に特徴的なマッピングを提供する。RL応答は、機械学習アルゴリズムをトレーニングし、異常分類器を構築するために使用できるいくつかの異常の種類についての特定パターンを有する。
【0117】
図21Aおよび
図21Bから分かるように、RL応答は、左の元の基準ケースと比較してねじれ力が加えられると変化する可能性がある。ねじれ構造の結果および分析が、
図24に示されている。再び
図12を参照して、RF感知現象が過度の屈曲および/またはねじれなどの動作異常を検出するための実行可能なアプローチであることが、数値シミュレーションによって実証されている。RFメタマテリアルは、機械的変形についての非常に敏感なセンサとして使用することができる。基板屈曲の増加は、メタマテリアルの負の透磁率を増加させることができ、より高い値への正の周波数シフトを引き起こすことができる。また、リターンロスは重要な感知因子とすることができ、システム内の任意の機械的変化に敏感であることを証明することができる。さらにそれは、機械学習アルゴリズムをトレーニングするために使用されることができるいくつかの異常の種類についての特定パターンを有する応答を有することができる。
【0118】
図22A~
図22Dに示すように、上記結果に見られるシフトの背後にある理由は、少なくとも媒質の誘電率が大きいため光をより遅く伝搬させていることが分かる。これは、アンペールの法則、第4のマックスウェル方程式から検証することができ、真空中において以下のように記述されることができる。
【0119】
【0120】
これは、Eの時間変化とBのカールとの間の物理的結合が真空誘電率に反比例し、より大きな真空誘電率がE波のより低い位相速度を与えることを可能にすることを述べている。
【0121】
また、
図23Aおよび
図23Bに示すように、メタマテリアルの寸法をスケールアップおよびスケールダウンして、ターゲット共振周波数(f
0)および機械的フィッティングの特定の特性を得ることができる。メタマテリアルの共振周波数f
0は、メタマテリアル
ユニット構造のサイズに比例し、式(9)で上に示したように、メタマテリアルセル長(l)が大きいほど、共振中心周波数f
0が低い。
【0122】
これらのMTM構造を、フォトリソグラフィ技術、スパッタリング堆積、化学エッチング、イオンビーム、および/またはインクジェット堆積印刷などの異なる製造方法によって実現する多くの方法がある。MTM構造を製造する例示的プロセスが
図25に示される。プロセスは、ウェハがフォトリソグラフィのために準備されるようにウェハを洗浄すること、ウェハ上にフォトレジストをスピンすること、ウェハをオーブンに入れてウェハをソフトベークすること、および、ウェハをマスクアライナに入れてウェハを位置合わせすること、の第1のステップを含み得る。プロセスは、フォトレジストをUV光で選択的に弱めること、ウェハを現像すること、ウェハをDI水でリンスすること、およびウェハをハードベークすることをさらに含み得る。インクジェットエレクトロニクスの主要な利点は、最小変形で低い焼結温度および滑らかな表面粗さを有する材料を必要とする伸縮可能フレキシブルエレクトロニクスにある。
図26Aおよび
図26Bは、機能性材料を直接堆積させて、ユニットセル12のさまざまなパターンを基板34上に形成することができるインクジェットプリンタ70の例を示す。
【0123】
伸縮可能導体は、電子導体、例えば、金属ナノ粒子(NP)、Ag NW、Agフレーク、フラクタルAgナノ構造、Cu NW、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン、蛇行形状金属ワイヤ、導電性ポリマおよび/またはそれらの複合体を含む。基板の選択は、ある軸に印加された歪みに対して大きくかつ可逆的な変形を達成する必要性に少なくとも部分的に依存することができる。いくつかの実施形態では、基板は、弾性変形下で約250%まで、および不具合なしで約325%の延伸性を有することができる。天然ゴム(NR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレン・ジエンモノマー(EPDM)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)および/またはプレドミナントポリ(ジメチルシロキサン)(PDMS)などの伸縮可能エラストマーは、多くの電子デバイスにおいて軟質基材として使用することができる。少なくともいくつかの実施形態では、MTMセンサは、以下の基準を念頭に置いて銀ナノ粒子を用いて作製することができる:約40重量%のAgナノ粒子インクを、フルオロポリマバインダまたは伸縮可能ポリウレタンバインダに配合すること、シート抵抗ターゲット値が高い導電性を有し、可能な限り低いシート抵抗を有すること、接着要求は、基材に対して強い接着性があり、最高硬化温度は約200℃までであり、硬化後の水または溶媒に対する耐性を有すること。
【0124】
図27は、上述した実施形態で利用され得る基板34上に配置されたユニットセル12の作製された構造のいくつかを示す。これらの図は、Novacentrix JS-A211を用いたPET上の印刷結果を示している。品質のある印刷結果をPET上で達成した。インクは印刷直後に乾燥し、アンテナは導電性を示した。
図28は、PDMS基板および銀ナノ粒子による印刷結果を示し、これは有望な結果をもたらすことができる。これらの構造は、均一な熱分布、改善された導電性、均一な表面、より少ないクラック、およびより小さい粗さを示した。
【0125】
図29は、センサを実装する、ならびに、RF発生器および分析器などの関連する電子機器を構築する方法の一例の概略図を示す。
図30は、複雑な嵩張る分析器を使用せずにハンドヘルド分析器240を使用してリターンロス測定をどのように行うことができるかの例を示す。
図31は、故障を予測するため、ならびに/または、診断および/もしくは予後モデルを開発するために機械学習および/またはデータ分析をどのように考慮することができるかについての概略図を示す。
【0126】
上記シミュレーションからの結論は以下の通りである。RFメタマテリアルによるシャ
フトテクスチャリングが歪み検出のためのポテンシャルを有するということが、数値シミュレーションおよび理論によって実証されている。加えて、メタマテリアルは、屈曲に比べて伸張およびねじれに敏感である。さらに、RLパターンは、伸張およびねじれなどの厳しい歪みの場合に急激に変化している(MLおよびアルゴリズム分類に有利である)。さらに、RLおよび周波数シフトは、最も敏感な指標パラメータである。さらに、かなり大きな屈曲角度では、周波数シフトは非常に大きい。また、インクジェット印刷は、約100ミクロンまでの高分解能で、低コストで効率的なプロセスが有望である。
【0127】
本開示の一実施形態では、解決策は、ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために使用できる歪み異常種類についての特定パターンを有するRFメタマテリアルのリターンロス応答に関連する。メタマテリアルテクスチャリングは、関心対象物体のより大きな表面積を覆う軽薄膜材料であり、伸長、ねじれ、およびたわみなどの特定の広範囲な歪み異常についての直接感知メカニズムを提供するため、後付け歪みゲージに比べてより強力である。
【0128】
本開示の一実施形態では、解決策は、任意の歪み異常における固有成分としての振動現象および特定の歪みクラスを定義するその利用に関連する。この実施形態では、RFモノスタティックレーダーセットアップは、連続パルスを用いて回転シャフトを照射することができ、該連続パルスは、受信機モジュールに反射し戻され得、機械学習アルゴリズムと関連してより深い分析が実行できる。
【0129】
本開示の一実施形態では、解決策は、データ融合、および、複数のデータソースを統合して、任意の個別のデータソースにより提供される場合よりも一貫した正確な、および/または有用な情報を生成することができるプロセスに関連する。ソースは、すべてが1つの感知システムに組み合わされて1つのデータ分析プラットフォームによって分析される、歪みゲージ、音響センサ、RFモジュール、および/またはメタマテリアルテクスチャリングを含み得る。データ融合分析は、デュアルサイバ物理システムを形成する物理概念とともに使用することができる。
【0130】
したがって、これらの前述の実施形態では、処理システムは、監視された大きさを回転機械についての基準の大きさと比較する。そのような処理システムは、コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムを用いて実現することができ、その例が以下で記述される。これは、コンピュータの一例に過ぎず、そのようなコンピュータの使用範囲または機能に関するいかなる限定も示唆することは意図されていない。本明細書に記載のシステムは、1つ以上のそのようなコンピュータ上で実行される1つ以上のコンピュータプログラムに実装することができる。
【0131】
汎用コンピュータは一般に、処理システムを用いてコンピュータプログラムコードを処理し、上述したプロセッサ46、146を含み得る。汎用コンピュータ上のコンピュータプログラムは、典型的にはオペレーティングシステムおよびアプリケーションを含む。オペレーティングシステムは、コンピュータ上で動作してコンピュータのさまざまなリソースへのアクセスをアプリケーションおよびオペレーティングシステムにより管理および制御するコンピュータプログラムであり、これにはコンピュータプログラムの実行およびスケジューリングを制御することが含まれる。さまざまなリソースは典型的には、メモリ、ストレージ、通信インタフェース、入力デバイス、および出力デバイスを含む。オペレーティングによるそのようなリソースの管理は、典型的には、それらのリソースからの入力を処理することを含む。
【0132】
そのような汎用コンピュータの例には、サーバコンピュータ、データベースコンピュータ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートパソコン等の大型コ
ンピュータシステム、ならびに、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、スマートフォン、メディアプレーヤ、パーソナルデータアシスタント、オーディオもしくはビデオレコーダ、またはウェアラブルコンピューティングデバイスなどのモバイルまたはハンドヘルドコンピューティングデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0133】
例示的コンピュータは、少なくとも1つの処理ユニットとメモリとを含む処理システムを備える。コンピュータは、複数の処理ユニットと、メモリを実装する複数のデバイスとを有することができる。処理ユニットは、互いに独立して動作する1つ以上の処理コア(図示せず)を含み得る。グラフィックス処理ユニットなどの追加の共同処理ユニットも、コンピュータ内に存在することができる。メモリは、揮発性デバイス(ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)または他のランダムアクセスメモリデバイスなど)、および不揮発性デバイス(読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ等など)、またはその2つのなんらかの組み合わせを含み得、任意選択的に、処理デバイスにおいて利用可能な任意のメモリを含む。専用メモリまたはレジスタなどの他のメモリも、処理ユニット内に常駐することができる。コンピュータは、磁気的に記録された、または光学的に記録されたディスクまたはテープを含むがこれらに限定されない追加ストレージ(取り外し可能または取り外し不可能)を含み得る。そのような追加ストレージは、取り外し可能ストレージまたは取り外し不可能ストレージを使用して実装することができる。コンピュータのさまざまなコンポーネントは典型的には、1つ以上のバスなどの相互接続機構によって相互接続される。
【0134】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータによってアドレス可能な物理記憶場所にデータを格納し、そこからデータを取得することができる任意の媒体である。コンピュータ記憶媒体は、揮発性および不揮発性メモリデバイスと、取り外し可能および取り外し不可能記憶デバイスとを含む。メモリ、取り外し可能ストレージ、および取り外し不可能ストレージは、コンピュータ記憶媒体のすべての例である。コンピュータ記憶媒体のいくつかの例は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光学的もしくは光磁気的に記録されたストレージデバイス、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイスである。コンピュータ記憶媒体および通信媒体は、媒体の互いに排他的なカテゴリである。
【0135】
コンピュータはまた、コンピュータが通信媒体を介して他のデバイスと通信することを可能にする通信接続(複数可)を含み得る。通信媒体は典型的には、コンピュータプログラムコード、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータを、搬送波などの変調データ信号または他の搬送メカニズムを有線または無線の物質上で伝播させることによって、その物質を介して送信する。「変調データ信号」という用語は、信号中の情報を符号化するように設定または変更された1つ以上のその特性を有する信号を意味し、それにより、信号の受信デバイスの構成または状態を変更する。限定ではなく例として、通信媒体は、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体を含み、無線媒体は、音響、電磁、電気、光学、赤外、無線周波数、および他の信号などの信号の伝搬を可能にする任意の非有線通信媒体を含む。通信接続は、通信媒体を介して伝搬される信号によりデータを送受信するために通信媒体とインタフェースする、ネットワークインタフェースまたは無線送信機などのデバイスである。
【0136】
通信接続は、セルラ電話ネットワーク上の電話通信のための1つ以上の無線送信機、またはコンピュータネットワークへの無線接続のための無線通信インタフェース、または有線コンピュータネットワークへの接続のためのネットワークインタフェースカードを含み得る。例えば、セルラ接続、Wi-Fi接続、イーサネット接続、または他のネットワーク接続、Bluetooth接続、および他の接続が、コンピュータ内に存在し得る。そ
のような接続は、音声またはデータ通信をサポートするなど、他のデバイスとの通信をサポートする。
【0137】
コンピュータは、マウス、タブレットおよびペン、タッチパッドおよび他のタッチベース入力デバイス、スタイラス、スチルカメラおよびモーションカメラなどの画像入力デバイス、マイクロフォンなどの音声入力デバイスなどの、さまざまなポインタ(単一ポインタまたはマルチポインタのいずれでもよい)デバイスなどのさまざまな入力デバイス(複数可)を有し得る。コンピュータは、ディスプレイ、スピーカ、プリンタ等などのさまざまな出力デバイス(複数可)を有し得る。これらのデバイスは、当該技術分野において周知であり、ここでは長々と議論する必要はない。
【0138】
さまざまなストレージ、通信接続、出力デバイス、および入力デバイスは、コンピュータのハウジング内に統合することができ、または、コンピュータ上のさまざまな入出力インタフェースデバイスを介して接続することができる。
【0139】
コンピュータのオペレーティングシステムは典型的には、さまざまなストレージ、通信接続、出力デバイス、および入力デバイスへのアクセスを管理する、一般にドライバと呼ばれるコンピュータプログラムを含む。そのようなアクセスは、これらのデバイスからの入力およびこれらのデバイスへの出力を管理することを含み得る。通信接続の場合、オペレーティングシステムはまた、通信接続を介したコンピュータとデバイスとの間の情報の通信に使用される通信プロトコルを実装するための1つ以上のコンピュータプログラムを含み得る。
【0140】
1つ以上のコンピュータ上で動作する、コンピュータシステムの各コンポーネント(「モジュール」または「エンジン」などとも呼ばれ得る)は、1つ以上のコンピュータの処理システム(複数可)によって処理されるコンピュータプログラムコードとして実装することができる。コンピュータプログラムコードは、プログラムモジュールなどのコンピュータ実行可能命令またはコンピュータ解釈命令を含み、それは、コンピュータの処理システムによって処理される。そのような命令は、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを定義し、処理システムによって処理されると、処理システムに、データに対する操作を実行させるように命令するか、またはコンピュータストレージ内のさまざまなコンポーネントまたはデータ構造を実装するようプロセッサもしくはコンピュータを構成する。データ構造は、コンピュータプログラムにて定義され、データがメモリデバイスまたはストレージデバイスなどのコンピュータストレージ内でどのように編成されるかを特定し、それにより、データはコンピュータの処理システムによって、アクセスされ、操作され、記憶されることができる。
【0141】
上記実施形態の例は、以下の付記を含み得る。
1. 回転機械における異常を検出するための無線周波数感知装置であって、
回転機械から受信した、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つの信号を監視するように構成された少なくとも1つの無線周波数センサと、
少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較するように構成され、比較に基づいて回転シャフトに異常が生じたか否かを判定し、比較に基づいて回転シャフトに生じた異常を含む複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別するようにさらに構成されたプロセッサと
を備える、無線周波数感知装置。
2. 回転機械に配置されるように構成され、回転機械に存在する少なくとも1つの種類の異常に応答して変形するように構成された少なくとも1つのメタマテリアルユニットセ
ルをさらに備え、
少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルから反射され、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを透過し、それにより、少なくとも1つの無線周波数センサが少なくとも1つの信号を受信する、
付記1に記載の無線周波数感知装置。
3. 回転機械は回転シャフトを含み、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、回転シャフトの外面に接着されるように構成されている、
付記2に記載の無線周波数感知装置。
4. 複数種類の異常は、回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、または回転シャフトの歪みのうちの1つ以上を含み、
共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、または、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、回転シャフトに生じた複数種類の異常のうちの少なくとも1つと相関する、
付記2または3に記載の無線周波数感知装置。
5. プロセッサは、(i)共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較を、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するために比較を利用するように構成された機械学習アルゴリズムに入力すること、または(ii)ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較を利用すること、のうちの少なくとも1つを行うように構成されている、
付記2~4のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
6. プロセッサは、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために機械的変形モデルを生成するようにさらに構成されており、
機械的変形モデルは、(i)回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、または回転シャフトの歪みのうちの少なくとも1つに起因する回転シャフトの表面変形、(ii)少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形、および(iii)回転シャフトの表面変形と少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形との比較に基づく、
付記2~5のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
7. 少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板に接合された金属で構成される少なくとも2つのリングを含むスプリットリング共振器を備える、
付記2~6のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
8. プロセッサは、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために電気モデルを生成するようにさらに構成されており、電気モデルは、少なくとも2つのリング間の総インダクタンスと、少なくとも2つのリング間の総分散キャパシタンスとに基づく、
付記2~7のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
9. 少なくとも2つのリングのうちの第1のリングには、第1のギャップが形成されており、
少なくとも2つのリングのうちの第2のリングは、第1のリングを取り囲むように第1のリングの外側に配置されており、第2のリングには、第2のギャップが形成されている、
付記8に記載の無線周波数感知装置。
10. 第1のリングは、四角形をともに形成する第1のストリップ、第2のストリップ、第3のストリップ、および第4のストリップを含み、
第2のリングは、四角形をともに形成する第1のストリップ、第2のストリップ、第3のストリップ、および第4のストリップを含み、
第1のリングの第1のストリップには、第1のギャップが形成されており、
第1のリングの第1のストリップは、第1のリングの四角形の第2の辺に位置する第1のリングの第2のストリップとは反対側の、第1のリングの四角形の第1の辺に位置し、
第2のリングの第1のストリップには、第2のギャップが形成されており、
第2のリングの第1のストリップは、第2のリングの四角形の第2の辺に位置する第2のリングの第2のストリップとは反対側の、第2のリングの四角形の第1の辺に位置し、
第1のリングと第2のリングとは、第2のギャップが第1のリングの四角形の第2の辺に隣接して位置し、第1のギャップが第2のリングの四角形の第2の辺に隣接して位置するように、互いに対して配置されている、
付記9に記載の無線周波数感知装置。
11. 第1のリングの第1のストリップおよび第2のストリップは、第2のリングの第1のストリップおよび第2のストリップと実質的に平行であり、
少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、第1のリングの第1のストリップおよび第2のストリップと、第2のリングの第1のストリップおよび第2のストリップとが、回転シャフトの中心軸と実質的に平行になるように、回転シャフト上に配置され、回転シャフトは中心軸周りに回転する、
付記10に記載の無線周波数感知装置。
12. 少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板上にアレイ構成で配置された少なくとも2つのメタマテリアルユニットセルを備える、
付記2~11のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
13. 導電性基板は、誘電体材料を備える、
付記12に記載の無線周波数感知装置。
14. 少なくとも2つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板に形成されたアパーチャ内に配置されている、
付記12または13に記載の無線周波数感知装置。
15. 回転機械は回転シャフトを備え、
(i)回転シャフトに存在する異常に応答して変形するように構成された少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルが回転シャフト上に配置されていること、(ii)回転シャフトに吸収メタマテリアルテクスチャコーティングが適用されていることのうちの少なくとも1つであり、
少なくとも1つの無線周波数センサは、少なくとも1つの信号源によって少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルまたは吸収メタマテリアルテクスチャコーティングに向けられた少なくとも1つの信号に応答して、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルまたは吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのうちの少なくとも1つから反射される少なくとも1つの信号を監視するように構成されたモノスタティックレーダーセンサを備える、
付記1~14のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
16. プロセッサは、吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのレーダー断面を評価するように構成されており、
少なくとも1つの信号源は、レーダービームで吸収メタマテリアルテクスチャコーティングを照射するように構成されており、レーダービームは、吸収メタマテリアルテクスチャコーティングに対してある入射角で延び、ある反射角で吸収メタマテリアルテクスチャコーティングから反射し、レーダービームはある波長を有し、
吸収メタマテリアルテクスチャコーティングのレーダー断面を最大化するために、入射角、反射角、または波長のうちの少なくとも1つが最適化されている、
付記15に記載の無線周波数感知装置。
17. 回転機械における異常を検出するための無線周波数感知装置であって、
回転機械から受信した、回転機械に生じる振動を示す少なくとも1つの信号を監視する
ように構成された少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサと、
回転機械から受信した少なくとも1つの信号に基づいて、回転機械に生じた振動の大きさを識別するように構成されたプロセッサと
を備える、
無線周波数感知装置。
18. 回転機械は回転シャフトを備え、
少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され、回転シャフトから反射され、それにより、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサが少なくとも1つの信号を受信する、
付記17に記載の無線周波数感知装置。
19. 少なくとも1つの信号は、レーダー信号を含み、
少なくとも1つの信号源は、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサに反射し戻されるレーダー信号の連続パルスで回転シャフトを照射するように構成されている、
付記17または18に記載の無線周波数感知装置。
20. 少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサがレーダー信号を受信したことに応答して、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサは、電圧を出力するように構成されており、
回転シャフトに生じる振動に応答して、少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧が変動し、出力電圧の変動は、回転シャフトの振動の大きさに相関し、
少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサの出力電圧の変動に応答して、プロセッサは、回転シャフトの振動の大きさを決定するために、出力電圧の変動の大きさを測定するように構成されている、
付記17~19のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
21. プロセッサは、
(i)出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを、出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとの相関を学習および予測するために出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを利用するように構成された機械学習アルゴリズムに入力すること、または、
(ii)ニューラルネットワーク分類器をトレーニングするために、出力電圧の変動と回転シャフトの振動の大きさとを利用すること
のうちの少なくとも1つを行うようにさらに構成されている、
付記17~20のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
22. 少なくとも1つのモノスタティックレーダーセンサは、ドップラー効果センサを備え、
プロセッサは、振動をドップラー効果センサのドップラー周波数と比較することにより、回転シャフトの振動を評価するようにさらに構成されており、
振動感度は、ドップラー効果センサのドップラー周波数に反比例する、
付記15~21のいずれかに記載の無線周波数感知装置。
23. 回転機械における異常を検出する方法であって、
少なくとも1つの無線周波数センサを提供すること、
回転機械から、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを示す少なくとも1つの信号を受信すること、
プロセッサによって、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つを、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさと比較すること、
プロセッサによって、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較に基づいて、回転シャフトに異常が生じたか否かを判定すること、および、
プロセッサによって、少なくとも1つの信号の共振シフト、透磁率、またはリターンロ
スの大きさのうちの少なくとも1つと、回転機械についての対応する基準共振シフト、基準透磁率、または基準リターンロスの大きさとの比較に基づいて、回転シャフトに生じた異常を含む複数種類の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常を識別すること
を含む、方法。
24. 回転機械に配置されるように構成され、回転機械に存在する少なくとも1つの種類の異常に応答して変形するように構成された少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを提供することをさらに含み、
少なくとも1つの信号は、少なくとも1つの信号源から送信され、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルから反射され、少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルを透過し、それにより、少なくとも1つの無線周波数センサが少なくとも1つの信号を受信する、
付記23に記載の方法。
25. 複数種類の異常は、回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、および回転シャフトの歪みを含み、
共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、および、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のそれぞれは、回転シャフトに生じた複数種類の異常のうちの少なくとも1つと相関する、
付記23または24に記載の方法。
26. プロセッサによって、共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、またはリターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のうちの少なくとも1つを機械学習アルゴリズムに入力すること、および、
機械学習アルゴリズムによって、共振シフト、透磁率、またはリターンロスの大きさのうちの少なくとも1つと、複数の異常のうちの少なくとも1つの種類の異常との少なくとも1つの関連付けを学習および予測するために、比較を利用すること
をさらに含む、
付記23~25のいずれかに記載の方法。
27. 共振シフトと基準共振シフトとの比較、透磁率と基準透磁率との比較、または、リターンロスの大きさと基準リターンロスの大きさとの比較のうちの少なくとも1つを利用することによって、ニューラルネットワーク分類器をトレーニングすることをさらに含む、
付記23~26のいずれかに記載の方法。
28. プロセッサによって、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために機械的変形モデルを生成することをさらに含み、
機械的変形モデルは、(i)回転シャフトの伸長、回転シャフトの振動、回転シャフトの屈曲、回転シャフトのねじれ、または回転シャフトの歪みの少なくとも1つに起因する回転シャフトの表面変形、(ii)少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形、および(iii)回転シャフトの表面変形と少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルの幾何学的変形との比較に基づく、
付記23~27のいずれかに記載の方法。
29. 少なくとも1つのメタマテリアルユニットセルは、導電性基板に結合された金属で構成される少なくとも2つのリングを含むスプリットリング共振器を備える、
付記23~28のいずれかに記載の方法。
30. プロセッサによって、回転シャフトに生じる少なくとも1つの種類の異常を識別するために電気モデルを生成することをさらに含み、
電気モデルは、少なくとも2つのリング間の総インダクタンスと、少なくとも2つのリング間の総分散キャパシタンスとに基づく、
付記23~29のいずれかに記載の方法。
31. 少なくとも2つのリングのうちの第1のリングには、第1のギャップが形成されており、
少なくとも2つのリングのうちの第2のリングは、第1のリングを取り囲むように第1
のリングの外側に配置されており、第2のリングには、第2のギャップが形成されている、
付記23~30のいずれかに記載の方法。
【0142】
添付の特許請求の範囲にて定義される主題事項は、必ずしも上述した特定の実装に限定されないことを理解されたい。上述した特定の実装は、例としてのみ開示されている。当業者は、上述の実施形態に基づいて本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除いて、特に図示および説明されたものに限定されるものではない。例えば、本実施形態はしばしば、単一の特徴(例えば、ユニットセル12、2つのリング14、24など)を含む一方、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の同じ特徴(例えば、2つ以上のユニットセル12、2つ以上のリング14、24の対など)を無線周波数感知装置の設計に組み込み得ることが可能である。
【0143】
本開示の内容によってサポートされる、いくつかの非限定的請求項が以下に提供される。
【0144】
関連出願への相互参照
本開示は、2021年1月19日に出願されて「回転シャフトの非侵襲的故障診断のための無線周波数サイバー物理感知モード」と題された、米国仮特許出願第63/139,030号の優先権および利益を主張し、その開示全体が本明細書に参照として組み込まれる。
【国際調査報告】