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特表2024-508645ベローズおよびスラットが取り付けられた保護カバー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ベローズおよびスラットが取り付けられた保護カバー
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/08 20060101AFI20240220BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
B23Q11/08 B
F16J3/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547218
(86)(22)【出願日】2022-02-02
(85)【翻訳文提出日】2023-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2022052402
(87)【国際公開番号】W WO2022167446
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】102021102662.8
(32)【優先日】2021-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520462643
【氏名又は名称】ヘマ マシーネン― ウント アパラテシュッツ ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】HEMA MASCHINEN- UND APPARATESCHUTZ GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ハイドリッヒ, ルーカス
(72)【発明者】
【氏名】ヘベラー, ユルゲン
(72)【発明者】
【氏名】メイ, マティアス
【テーマコード(参考)】
3C011
3J045
【Fターム(参考)】
3C011DD06
3J045AA03
3J045BA03
3J045CB21
3J045EA10
(57)【要約】
ベローズ要素12を備える可変長の保護カバーに関する。この保護カバーにおいて、特定の数の折れ部は中間折れ部18として形成され、ベローズ要素の隣接する2つのレイヤ30、32は互いに接続され、これらのレイヤ間で、L字状スラット14の中間折れ部は、ポケットとして形成された中間折れ部内に固定され、脚部16は、ベローズ要素上に固定するのに役立つ凹部36を有する。保護カバーの自重とブロックサイズを少なくしてベローズ上での脚部の単純な組立てを達成するために、中間折れ部の2つのレイヤ39、32は、2つのレイヤが互いに一体的に結合される接続領域を有し、スラットまたは他の支持要素の脚部は、脚部をポケット35に挿入できる凹部を有し、接続領域34は凹部に挿入することができ、接続領域は凹部内に設けられ、凹部の縁部の少なくとも一部には鉤状または鋸歯状構造48が設けられる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのベローズ要素(12)を備える可変長の保護カバーであって、
特定の数の折れ部が中間折れ部(18)として形成され、それぞれの場合に、前記ベローズ要素(12)の互いに隣接する2つのレイヤ(30、32)が互いに接続され、これらのレイヤ(30、32)間で、L字状のスラット(14)の脚部または他の支持要素の脚部(16)が、ポケットとして形成された前記中間折れ部(18)内に固定され、前記脚部(16)が、前記ベローズ要素(12)上に固定するのに役立つ凹部(36)を有し、前記中間折れ部(18)の前記2つのレイヤ(30、32)が、これらの2つのレイヤ(30、32)が互いに一体的に結合される接続領域(34)を有し、前記スラット(14)の脚部または前記他の支持要素の前記脚部(16)が、前記脚部を前記ポケット(35)に挿入できるほど大きな側方開口部を有する凹部(36)を有し、前記接続領域(34)が前記凹部(36)の中に入り、前記凹部(36)の縁部(42、46)の少なくとも一部に、実装位置において嵌合および/または圧入により前記接続領域(34)の縁部と相互作用する鉤状または鋸歯状構造(48)が設けられていることを特徴とする、可変長の保護カバー。
【請求項2】
前記接続領域が溶接点によって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の可変長の保護カバー。
【請求項3】
前記スラット(14)の前記脚部が、前記ポケット(35)の開いた側面に挿通されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の可変長の保護カバー。
【請求項4】
第1の鉤状または鋸歯状構造(48)が前記凹部の第1の縁部(42)に配置され、該第1の縁部が、前記第1の縁部と平行に配向された前記凹部(36)のさらなる縁部(46)に配置され、前記さらなる縁部が、平滑になるように設計されるか、またはさらなる鉤状もしくは鋸歯状構造を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【請求項5】
前記凹部の端部(44)が、前記凹部(36)の前記縁部(42、46)間に、前記2つのレイヤ(30、32)の対応の前記接続領域(34)に当接して前記スラット(14)の端部位置を画定するストッパとして設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の可変長の保護カバー。
【請求項6】
第1の鉤状または鋸歯状構造(48f)が凹部(36f)の第1の縁部に配置され、該第1の縁部が、平滑になるように設計されるかまたはさらなる鉤状もしくは鋸歯状構造を有する前記凹部のさらなる縁部に対向して配置され、2つの縁部間の距離が、脚部(16f)の挿入方向で縮小されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【請求項7】
前記凹部(36)がL字状であり、前記凹部が、前記脚部(16)の縁部から垂直に延びる挿入セクション(38)と、前記脚部(16)と平行に延びる係止部(40)とを有し、鉤状または鋸歯状構造(48)が設けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【請求項8】
前記係止部(40)の少なくとも1つの縁部(42)が、前記鉤状または鋸歯状構造(48)で形成されていることを特徴とする、請求項7に記載の可変長の保護カバー。
【請求項9】
前記鉤状または鋸歯状構造のフック(54)またはスパイクが、弾性的に可撓性であるように設計されていることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【請求項10】
前記鉤状または鋸歯状構造の前記フックが、弾性の棘部(54)として設計されていることを特徴とする、請求項9に記載の可変長の保護カバー。
【請求項11】
前記鉤状または鋸歯状構造(48)の少なくとも一部の裏側の領域中で、凹部(50)が前記脚部(16)に設けられ、その結果、前記凹部(36)の前記縁部(42、46)が、前記鉤状または鋸歯状構造(48)により弾性復元力を有することを特徴とする、請求項9または10に記載の可変長の保護カバー。
【請求項12】
前記鉤状または鋸歯状構造が、挿入後に係止位置にスナップ留めされるかまたは係止位置に移動することができる少なくとも1つの可動要素を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【請求項13】
前記可動要素が、前記脚部とは別個に形成され、かつ前記脚部の挿入後に前記ポケットに挿入することができることを特徴とする、請求項11に記載の可変長の保護カバー。
【請求項14】
単一のベローズ(12)が、前記保護カバー(10)の全長および全幅にわたりベローズ要素として延在し、かつ互いに前記スラット(14)の単一の接続要素を形成することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【請求項15】
少なくとも1つのベローズ要素が引出し制限部として設けられることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の可変長の保護カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]請求項1の前文によれば、本発明は少なくとも1つのベローズ要素を備える可変長の保護カバーに関する。当該可変長の保護カバーにおいて、特定の数の折れ部は中間折れ部として形成され、残りの折れ部は自由に拡張可能な折れ部として設計され、中間折れ部を形成するために、折り畳まれたベローズ要素の隣接する2つのレイヤ(板状部材)は互いに接続され、これらのレイヤ間で、L字状スラットまたは他の支持要素の脚部は、ポケットとして形成された中間折れ部内に固定され、脚部は、折り畳みベローズ要素上に固定するのに役立つ凹部を有する。
【背景技術】
【0002】
[0002]例えば工作機械内でのベローズの保護機能のために、好ましくは鋼製のスラットを備え付けることは、最も厳格な配備状況でも機械抵抗が大幅に改善することを意味する。これらの鋼スラットは、ベローズの最大限の引出し、および閉塞の程度が極力損なわれないように、ベローズ本体の個々の折れ部に接続されねばならない。加えて、接続点自体によって、動作中にベローズ本体に損傷が生じてはならない。また、機械の作動領域に用いられる冷却潤滑剤に対して最大限の透過防止性が存在するように、接続点によってベローズ本体にいかなる穿孔も生じてはならない。ベローズが適切に機能するには、取り付けられた鋼スラットを、加工屑などが鋼スラットの裏側に入ることができないように十分な予張力で互いに押し付けることも不可欠である。
【0003】
[0003]始めに述べられたタイプの可変長の保護カバーは、独国特許出願公開第102016103985号明細書から公知である。この明細書には、L字状凹部を有するスラット脚部が、ベローズ要素の中間折れ部にて、当該中間折れ部に配置され、折られたレイヤを接続する保持要素に懸架される実施形態が、記載されている。保持要素を中間レイヤに配置するのは困難であり、一般的にはリベットなどの追加の嵌合要素によってのみ可能であるが、この嵌合要素はベローズレイヤを貫通してしまうため、液体が浸透する前にベローズレイヤの保護機能を損なわせてしまう。保持要素はまた、閉塞の程度を増大させる。
【0004】
[0004]独国特許出願公開第102013210407号明細書からは、別の保護カバーが公知である。この明細書中では、すべての折れ部が、屈曲点付近でスラットの脚部にリベット留めされる。これにより、最小のブロック長と比して延出長が大幅に制限される。
【0005】
[0005]最後に、特開2007-144534号公報は、スラットがばね留めを介して接続され、かつ互いに対して適所に保持される、保護カバーを示す。加えて、リベットおよび別個の保持プレートによって両側を中間折れ部に固定されるベローズが設けられる。この解決策によって、スラットの非常に良好な配向が確保されるが、ブロック長のほか保護カバー重量も大幅に増加してしまい、スラットの動的な挙動が損なわれてしまう。
【0006】
[0006]国際公開第2019/215191号は、重なり合ったスラットが中間折れ部の折り畳み側に位置するが、開いた側からポケットに挿入されない、保護カバーを示す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[0007]本発明の目的は、スラットとベローズ本体との強固な結合を可能にする保護カバーを、低い固有重量および容易な製造性をもって提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0008]本発明によれば、この目的は、序文で言及されたタイプの保護カバーによって達成され、当該保護カバーにおいて、中間折れ部の2つのレイヤは、当該2つのレイヤが互いに一体的に結合される接続領域を有し、スラットまたは他の支持要素の脚部は、脚部をポケットに挿入できるほど大きな側方開口部を有する凹部を有し、接続領域は凹部に挿入され、凹部の縁部は、少なくとも部分的に、実装位置において嵌合および/または圧入により接続領域の縁部と相互作用する鉤状または鋸歯状構造である。
【0009】
[0009]本発明による解決策によって、追加の構成要素を必要とすることなく、スラットの脚部を介してスラットをベローズに取り付けることができるという利点が得られる。接続領域の領域中でのスラットレイヤ同士の密な接続は、好ましくはスラットが挿入される前に2つのレイヤを溶接することによって生じる。好適なプラスチック材料の場合、超音波溶接または高周波溶接によって接続領域内で堅く結合させることで中間折れ部の2つのレイヤを互いに接続することが好ましく、その結果、接続領域が溶接点として設計される。これらのレイヤは、破壊以外の方法では外すことができない。代替的に、レイヤは接着剤によっても接続領域内で互いに結合させることができる。
【0010】
[0010]このタイプのスラットの固定では、ベローズ自体に孔を空ける必要がなく、その結果、ベローズの保護機能は、例えば作動チャンバから漏出する流体に対して特に良好に保たれ続ける。
【0011】
[0011]鉤状または鋸歯状構造は、棘部による挿入時、好ましくは接続領域の材料に取り外し不能に接続され、その結果、脚部は、保護カバーが組み立てられる前に係留によって既にベローズ要素に接続される。
【0012】
[0012]接続領域を製造するステップを例えば上述の溶接方法のうち1つによって自動的に実行することもできるので、本発明による保護カバーは、改良され自動化された方法で製造できることも特に好適であるが、中間折れ部内での金属製保持要素の配置は、ベローズ構造が不安定なことに起因して不確定である。
【0013】
[0013]接続領域は、機能に欠陥が生じることなく、圧縮された保護カバーのブロックサイズが増大しないように平坦となるよう設計することができる。
【0014】
[0014]典型的には、中間折れ部ごとに少なくとも2つ、可能であればさらに多くの接続領域が設けられ、実装されることとなる脚部は、対応する数だけ対応する凹部を有する。
【0015】
[0015]本発明の好ましい実施形態では、スラットの脚部は、ポケットの開いた側面を挿通されることが定められる。
【0016】
[0016]この開いたポケットは、ポケットの全幅にわたって実質的に延びる脚部が挿入されるのを可能にし、その結果、ポケット内で接続領域との特に良好な保持が得られる。
【0017】
[0017]接続領域上で脚部を特に良好に保持するのを可能にするために、第1の鉤状または鋸歯状構造が凹部の第1の縁部に配置されることが定められ、第1の縁部は、第1の縁部と平行に配向された凹部の第2の縁部に対し平行に配置され、第2の縁部は、平滑になるように設計されるか、またはさらなる鉤状もしくは鋸歯状構造を有する。
【0018】
[0018]脚部の画定された端部位置がポケット内に確実に到達するのを容易にするために、それぞれの場合に、凹部の一端は、凹部の縁部間に、2つの層の対応の接続領域に当接してスラットの端部位置を画定するストッパとして設けられることが定められる。
【0019】
[0019]平行な縁部を有する凹部のチャネル状セクションの縁部に鉤状または鋸歯状構造を配置する代わりに、第1の鉤状または鋸歯状構造を凹部の第1の縁部に配置することを定めることができ、第1の縁部は、平滑になるように設計されるかまたはさらなる鉤状もしくは鋸歯状構造を有する凹部のさらなる縁部に対して配置され、脚部の挿入方向で2つの縁部間の距離は縮小される。
【0020】
[0020]この変形例では、正確な挿入深さが達成されるのを確実にしなければならない。脚部が深く挿入されるほど、フックまたはスパイクが接続領域の材料に深く係合する。
【0021】
[0021]本発明の特に好適な発展は、凹部がL字状であることを定め、凹部は、脚部の縁部から垂直に延びる挿入セクション、および脚部と平行に延びる係止部を有しており、鉤状または鋸歯状構造を設けられる。
【0022】
[0022]凹部は、接続領域と一体となってバヨネット留め具と同様のタイプの係止を形成し、脚部は、ほとんど力を加えることなくポケットに挿入可能であり、その後はポケットの端部位置へ平行移動で押し込まれる。
【0023】
[0023]好適には、係止部の少なくとも1つの縁部が鉤状または鋸歯状構造で形成されることが定められ、その結果、この時点で脚部をベローズ要素に固定することができる。
【0024】
[0024]本発明の特に好ましい実施形態は、鉤状または鋸歯状構造のフックまたはスパイクが、弾性的に可撓性となるように設計されることを定める。かかる設計によって、フックまたはスパイクは、脚部の挿入時に撓むことができ、その結果、接続領域の材料の挿入によって受ける応力も小さくなる。引出し方向では、棘部の作用および/または確実な係止によって引出しの力が増大することにより、引出しはさらに困難になるか、または不可能になる。
【0025】
[0025]鉤状またはスパイク状構造のフックが弾性の棘部またはばね舌部として設計される本発明の一実施形態が、相応して好ましい可能性がある。弾性を持つ設計とした結果、フックは、脚部が挿入されると最初に接続領域と接触するが、力を受けると反対方向に硬くなり、先端が接続領域の材料に係合するので、引出しを効果的に阻止する。この場合、正および/または負に作用する保持力を高めることができる。
【0026】
[0026]凹部のフックは、ヘリングボーン模様で互いに平行して配置することができる。
【0027】
[0027]嵌合による係止は、例えば、鉤状または鋸歯状構造が、挿入後に係止位置にスナップ留めされるかまたは係止位置へ動かすことができる少なくとも1つの可動フック要素を有するように、実施することができる。
【0028】
[0028]弾性は、例えば、鉤状または鋸歯状構造の少なくとも一部の裏側の領域において脚部に凹部が設けられるという単純な方法で達成することができ、その結果、鉤状または鋸歯状構造を有する凹部の縁部は弾性可撓性を有する。もちろんこれには、脚部に使用される材料の一定の弾性特性が必要となる。
【0029】
[0029]嵌合による係止を伴う実施形態の一例は、対応する下部切取り部分にスナップ嵌めされる弾性スナップフックである。
【0030】
[0030]手動で操作されることとなる要素は、脚部に形成または取り付けることができるが、可動要素は脚部と別個に形成され、かつ脚部の挿入後にポケットに挿入可能となることも可能である。そのような特異的な設計にかかわらず、手動で操作可能な要素には、当該要素が外れた後で破壊以外による分解も可能となるように設計することもできるという利点がある。前述の実施形態による完全に弾性な要素の場合でも、例えば好適な工具係合によって係止を解除することが可能であり、その結果、対応するスラットは、例えばスラットに欠陥があるため交換が必要な場合に中間折れ部のポケットから取り外すことができる。
【0031】
[0031]典型的には、脚部は鋼板からなるが、例えば好適なプラスチックからもなり得ることが定められる。
【0032】
[0032]ベローズ要素に使用可能な他の多くの材料に加えて、溶接およびその他の用途においてポリプロピレンなどの熱可塑性プラスチックがベローズ材料として特に好適であることが明らかである。この時点で、複数のレイヤで構成することができ、かつ/または例えば布地を組み込んだ構造という形で補強材を有することができる、1つまたは複数のそのような熱可塑性物質のみからなるベローズを、一例として挙げる必要がある。
【0033】
[0033]本発明のさらに特に好ましい実施形態は、単一のベローズが、ベローズ要素として保護カバーの全長および全幅にわたって延び、かつ、スラット同士を互いに接続する単一の要素を形成することを定める。
【0034】
[0034]この変形例は具体的に少数の部品からなり、ベローズの全領域は、作業空間、例えば工作機械に向かって内側に配置されたスラットを外側で保護し、これにより、例えば加工品の機械加工中に飛散する加工屑などの機械的影響を受けにくくなる。
【0035】
[0035]しかしこの場合、ベローズ要素は、引出し制限部として設けられるベローズ要素など、保護カバーの全面にわたって延在しない個々のベローズ要素を意味する可能性もある。
【0036】
[0036]本発明のさらなる特徴、詳細、および利点は、特許請求の範囲の文言、および図面の参照とともに以下に記載される例示的な実施形態から得られる。図面では次のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】工具機械の作業空間用の保護カバーの第1の実施形態の図である。
図2】スラットがない図1による保護カバーのベローズの詳細図である。
図3a】ベローズ上でのスラットの組立順序を示す図である。
図3b】ベローズ上でのスラットの別の組立順序を示す図である。
図3c】ベローズ上でのスラットのさらに別の組立順序を示す図である。
図4】凹部のさらなる可能な実施形態の例示的な概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0037]図1は、中で例えば金属加工品が機械加工される作業空間を遮蔽するために工作機械に使用される可変長の保護カバー10を示す。この場合、保護カバー10は様々なサイズに適合し、保護カバー10の可変領域のほぼ全体にわたって延在するベローズから形成されるベローズ要素12が形成される。
【0039】
[0038]補強のために、鋼製のl字状スラット14が、作業室に面する側に設けられる。これらはベローズ12の中間折れ部18において脚部16で固定されており、これについては以下でより詳細に論じる。スラット14は、スラット接合部分19と鱗状に互いに重なり合っているため、非常に高温で相当な衝撃速度をも有し得る加工屑に対して、ベローズ12の高負荷可能で可変長の保護をもたらす。この鱗状の重なりによって、付着した加工屑は、保護カバーの圧縮時に隣接するスラットの縁部を通って剥がれ落ち、繊細なベローズまで進むことができない。
【0040】
[0039]保護カバーの2つの長手方向端部にはフランジ要素20、22が設けられ、これらフランジ要素によって、保護カバー10は工作機械(図示せず)の互いに対して移動可能な部品に実装することができる。保護カバー10を対応の使用目的に個別に適合させることができるので、示される全体的な形態は例として理解されたい。例えば、接続された2つのベローズが直角に配置されるL字状設計も可能である。
【0041】
[0040]図2は、スラットがないベローズ10の拡大詳細図を示す。規則的な引出し折れ部26間には、ポケット状の中間折れ部18が形成されていることが明白である。中間折れ部18は、キンク28を介して接続されるとともに特定の数の接続領域34を介して互いに固定される、ベローズの2つのレイヤ30、32によって形成される。このことは、レイヤ30と32が互いに全面を固定されていることを表しておらず、むしろ、中間折れ部18のポケットの形成を達成するには特定領域のみが互いに接続されねばならず、その領域間には、開口部を2つのレイヤ30と32との間に有する間隙状の自由空間34が残り、開口部にはスラットの脚部16を挿入することができる。
【0042】
[0041]ポリプロピレン製のベローズ12とともに提示される例示的な実施形態の接続領域34は、超音波溶接によって密着するよう互いに接続され、その結果、接続領域の材料強度がベローズ材料の強度に相当する。超音波溶接は、折れ部の材料としてすべての好適なプラスチック材料に使用することができる。溶接可能なプラスチックを被覆させた布地も使用できる。
【0043】
[0042]図3a~図3cでは、ポケット状の中間折れ部18内での脚部16を備えるスラット14の組立てを説明し、より良好な図示のために、図示という意味でベローズ12の前方位置30は図示を省略され、ベローズ12の後方位置32にある接続領域のみが示される。先ず、図3aは、L字状凹部36を備えたスラット14の脚部16を示す。L字状凹部36は、脚部の縁部に通じる挿入セクション38と、直角に傾斜するとともに脚部16の長手方向延設部と平行に延びる係止部40とに分けられる。スロット部19に面する縁部42は第1のストッパを形成し、ストッパとして設計される係止部40の端部44に至る。係止部には、鉤状構造48を有する縁部46が隣接する。脚部は鉤状構造48の領域に凹部50を有し、これにより構造48の一定の弾性復元力が達成される。
【0044】
[0043]脚部16は、ベローズ12に実装されると、関連する中間折れ部18の接続領域34が挿入部と位置合わせされるように最初に配置される(図3aを参照)。脚部16は、接続領域34が凹部36の縁部42に近接するまでポケット状の中間折れ部18に接続される。その後、脚部16はその長手方向延設部と平行に変位させることができ、このとき接続領域34は、凹部36の係止部40に到達する(図3bを参照)。
【0045】
[0044]図3bから確認できるように、鉤状構造48の先端52と対向縁部42との間の距離は、接続部34の高さよりも幾分短くなるように選択される。挿入中、鉤状構造48は与えられた弾性から幾分外れ、接続領域34内の材料も幾分外れる可能性がある。この鉤状の幾何学的形状に起因して、挿入の力は反対方向における力よりも相当弱く、その結果、脚部は接続部分に恒久的に固定される。設計に応じて、任意選択で機械的介入の後、分解を可能にすることができる。
【0046】
[0045]係止部の端部42は挿入経路の範囲を定め、図3cに示される中間折れ部18内の脚部16の端部位置を画定する。
【0047】
[0046]図4は、対応して設計された接続領域上での係止に好適な、考えられ得る凹部の非網羅的な選択を示す。示される凹部36a~36dは1つの脚部上で組み合わされることを意図しておらず、これは単なる図4の例示にすぎない。しかし原則として、異なる凹部を1つの脚部上で組み合わせることもできる。
【0048】
[0047]図4で凹部36aは、前述の実施形態に対応する。
【0049】
[0048]凹部36bに起因して、凹部の縁部42bと46bの両方に鉤状構造48bが設けられる。鉤状構造の裏側に凹部は設けられない。
【0050】
[0049]図4に示される中央のスラット14cは係止の別の概念を示し、スラット14cにおいて凹部36cと36dは、脚部の縁部から垂直に延びる係止部40c、40dしか有していない。このため、脚部16cが中間折れ部18に挿入される場合、係止は既に直接実行されている。鉤状構造48c、48dはそれぞれ係止部のリム42c、42d上に配置され、これに平行して対向縁部46c、46dが配置され、かつ滑面状になるように設計され、この2つの変形例同士の差異は、凹部36cの場合、凹部50cが滑面状の縁部46cの裏側に設けられるということにある。このため、弾性の上昇は、弾性の対向縁部46cによってもたらされる。本解決策は、他の例示的な実施形態にも適用することができる。
【0051】
[0050]図4はスラット14eのさらなる実施形態をさらに示し、その脚部16eは、それぞれの場合に挿入セクション38eおよび係止部40eを備えたL字状凹部36eを有する。この図示は図3cにも対応するが、凹部内にある接続領域は示されない。係止部40eの配向が異なるため、挿入は、図3a~図3cとは反対の方向にも実行される。
【0052】
[0051]鉤状または鋸歯状構造48eは、可撓性のばね舌部54を有しており、明らかに異なるものである。これらはヘリングボーン模様のように互いに平行して配置されるが、必ずしもそうである必要はない。ばね舌部54は本質的に可撓性であり、かつ、鉤状または鋸歯状構造48eの裏側にある凹部を完全に省くことができるように可撓性である。脚部が接続領域上に挿入されると、ばね舌部は僅かにしか折れ曲がらず、ほんの僅かな抵抗しか与えないが、反対方向に、かつ形状誘導による係止機構とも称される棘部によって力が加えられると、ばね舌部は嵌合および/または圧入により接続領域にて係合し、かつ、ベローズ要素上での組立て後に脚部を再び外すのに非常に大きな起上力を必要とする。
【0053】
[0052]本発明は、上述の実施形態のうち1つには限定されず、多くの形で改変がなされてもよい。このため、例えば凹部自体の代替物として、または凹部自体に加えて、フックまたはスパイクを弾性要素として設計することができる。この場合、フックまたはスパイクは、接続領域34の裏側の適所にスナップ嵌めされることで係止を確実とするスナップフックとして設計することもできる。脚部を係止するために脚部がポケットに挿入された後にのみ挿入される、脚部とは独立した係止要素も使用することができる。
【0054】
[0053]弾性を向上させるために、凹部は、図に示されるよりも大きな表面積を有することができる。このため、鉤状または鋸歯状構造は、ばね要素のように脚部の残部に接続されるウェブ上に配置することができる。
【0055】
[0054]相応して設計された接続領域を備える他のベローズ要素は、脚部の凹部に接続することもでき、例えば、個々の隣接するスラットのみを互いに接続することもできるロックアウトにも接続することができる。脚部には、保持要素または純粋な補強要素を割り当てることもできる。
【0056】
[0055]構造詳細、空間的配置、および方法の工程を含め、特許請求の範囲および明細書から得られる特徴および利点のすべては、それ自体で、かつ多種多様な組合せで、本発明に不可欠であり得る。
【符号の説明】
【0057】
10 可変長の保護カバー
12 ベローズ要素
14 スラット
16 スラットの脚部
18 中間折れ部
19 スラット接合部分
20、22 フランジ要素
26 引出し折れ部
28 中間折れ部のキンク
30、32 ベローズのレイヤ
34 接続領域
35 自由空間/ポケット
36 L字状凹部
38 挿入部
40 係止部
42 凹部の縁部
44 凹部の端部/ストッパ
46 凹部の縁部
48 鉤状または鋸歯状構造
50 凹部
52 鉤状構造の先端
54 ばね舌部/棘部
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図4
【国際調査報告】