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特表2024-508657第3のペインを形成する緩和型フィルムを有するマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット及びその作成の方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】第3のペインを形成する緩和型フィルムを有するマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット及びその作成の方法
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/06 20060101AFI20240220BHJP
   E06B 3/663 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C03C27/06 101K
E06B3/663 N
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547429
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2022016556
(87)【国際公開番号】W WO2022177956
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/150,222
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/670,859
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518301590
【氏名又は名称】ビトロ フラット グラス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シャバーニ、ロクサーナ
(72)【発明者】
【氏名】マッカミー、ジェイムズ、ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ウィリアム、ザ セカンド
【テーマコード(参考)】
2E016
4G061
【Fターム(参考)】
2E016BA01
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC03
2E016EA01
2E016EA02
2E016EA05
4G061AA09
4G061BA01
4G061CB06
4G061CB13
4G061CB16
4G061CD21
(57)【要約】
断熱ガラス・ユニット及びそれを形成する方法は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと、1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と、1対のガラス・ペインの間のスペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムであって、少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、フィルムが1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係で設置され、フィルムが1対のガラス・ペインの間にフィルムを設置することに先立って緩和状態へとアニールされる、少なくとも1つの透明フィルムとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと、
前記1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために前記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と、
前記1対のガラス・ペインの間の前記スペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムであって、前記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、前記フィルムが、前記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置され、前記フィルムが、前記1対のガラス・ペインの間に前記フィルムを設置することに先立って緩和状態へとアニールされる、少なくとも1つの透明フィルムと
を備える、断熱ガラス・ユニット。
【請求項2】
前記少なくとも1つの透明フィルムが、前記支持構造体により支持され、前記支持構造体が、前記エッジ・スペーサから離れている、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項3】
前記支持構造体が、前記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を備える、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項4】
前記少なくとも1つのフレーム部材が、柔軟であり、前記フレーム部材の重量下でその形状を維持するために十分に厚い厚さを有する、請求項3に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも1つのフレーム部材が、ほぼ1.59mm(1/16”)の厚さを有するアルミニウムである、請求項4に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項6】
前記フィルムが、前記フィルムを前記支持構造体にしっかりと固定することに先立って又は後でアニールされる、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項7】
前記フィルムの前記緩和状態が、リニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有する、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項8】
前記フィルムが、ほぼ10分間わたり少なくとも70℃のアニーリング温度に加熱される、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項9】
前記フィルムが、高分子シート、薄いガラス・シート、及び任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項10】
前記フィルムが、ポリエチレン・テレフタレートを含む高分子シートである、請求項9に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項11】
前記フィルムが、機械的部材、接着剤、主シール材のうちの少なくとも1つにより及び熱可塑性溶着により前記支持構造体又は前記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定される、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項12】
前記支持構造体が、前記エッジ・スペーサにしっかりと固定される、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項13】
前記1対のガラス・ペインが、第1のガラス・ペイン及び第2のガラス・ペインを含み、前記支持構造体は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力均等化を確実にするために、前記第1のガラス・ペインと前記フィルムの第1の側との間に位置する前記第1のチャンバと前記第2のガラス・ペインと前記フィルムの第2の側との間に位置する前記第2のチャンバとの間をガスが移動することを可能にするように構成される、請求項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項14】
前記フィルムが、透過スペクトル及び/又は反射スペクトルを制御するために、前記フィルム内に埋め込まれた材料又は片側若しくは両側にコーティングされた材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【請求項15】
断熱ガラス・ユニットを形成するための方法であって、
平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインを用意するステップと、
少なくとも1つのフィルムを用意するステップと、
しわを取り除くために前記フィルムを引き伸ばすステップと、
支持構造体と少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに前記フィルムをしっかりと固定するステップと、
前記フィルムを緩和状態へとアニールするために前記フィルムに熱を加えるステップであり、前記フィルムをアニールする前記ステップが、前記支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに前記フィルムをしっかりと固定する前記ステップの前に又は後で行われる、前記フィルムに熱を加えるステップと、
前記フィルムが前記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係で設置されるように前記支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定された前記フィルムを前記1対のガラス・ペインの間に設置するステップと、
前記1対のペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために前記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に前記少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び主シール材を設けるステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記フィルムが、前記支持構造体にしっかりと固定され、前記フィルム及び前記支持構造体が、前記少なくとも1つのエッジ・スペーサから離れている場所のところで前記1対のガラス・ペインの間に設置される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記支持構造体が、前記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つの柔軟なフレーム部材を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記フィルムは、前記フィルムの前記緩和状態が、リニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有するように、ストレス誘起結晶化を生じさせるために十分な温度で、十分な時間にわたって加熱される、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記フィルムが、前記緩和状態へとアニールされそして前記支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定された後で、前記フィルムをトリミングするステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記フィルムが、機械的部材、接着剤、前記主シール材及び熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つより前記支持構造体と前記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定される、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記支持構造体が、前記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を含み、前記少なくとも1つのフレーム部材が、柔軟であり、前記フレーム部材の重量下でその形状を維持するために十分に厚い厚さを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記少なくとも1つのフレーム部材が、ほぼ1.59mm(1/16”)の厚さを有するアルミニウムを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、2021年2月17日出願の米国仮出願第63/150,222号、及び2022年2月14日出願の米国特許出願第17/670,859号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、柔軟なフレーム又はエッジ・スペーサのいずれかにより支持された緩和型フィルムから形成される第3のペインを有するマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット及びその製作のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1対のガラス・ペインの間に支持されたプラスチックシート若しくは多層フィルムの形態の第3のペイン、又はそれどころかより多くのペインを有する断熱ガラス・ユニットが知られている。ガラス・ペインは、ガラス・ペインのエッジに沿って設けられた少なくとも1つの外周スペーサ、少なくとも主シール材、及び副シール材を介して互いに接続される。第3のペインは、ガラス・ペインの各々の間にスペースを作り出し、スペースが窓構造体を横切る熱コンダクタンスを小さくするために空気又はガスで満たされることがある。クリプトン、アルゴン、六フッ化硫黄、二酸化炭素、等を含め、任意の不活性、低熱伝達ガスが使用されることがある。この充填ガスは、プラスチック第3のペインの内面の黄ばみを防止するため又は最小にするためにある認識可能な量の酸素を含有できる。断熱ガラス・ユニットの1つの実例が、図1に図示される。この設計では、第3のペインは、高コスト構成部品であるlow-e被覆型PETフィルムを含む。第3のペインは、外周スペーサ、主シール材、及び副シール材にしっかりと固定される。このプロセスは、加熱型しわ除去ステップ中にフィルムを支持するために最初に完全に熱硬化される少なくとも副シール材を必要とする。完全に組み立てられたユニットは、フィルムへの非常に非効率的な熱伝達という結果になり、これが組み立てるために2~4時間、典型的には4時間近くを必要とする。長い組み立て時間に加えて、この設計の主な欠点のうちの1つは、フィルムがしばしばしわになることであり、このことは、フィルムがシステムへと完全に統合されるという理由で、全ユニットが破棄されなければならないということである。フィルムがスペーサに取り付けられるときでさえ、輸送中又は動作中のユニットの何らかのゆがみは、漏れが生じない場合でさえ、フィルムのしわを作ることになるだろう。多数の中間ペインを含む設計では、中間ペインと主シール材と副シール材との間に追加の界面が必然的にあり、これが空気侵入のリスクを高める。
【0004】
2つのパネルを有する先行技術の断熱ガラス・ユニットの多くは、R5熱性能よりも良くはあり得ない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
短時間で容易に組み立てられる断熱ガラス・ユニットに対する本分野における必要性があり、そこでは第3のペインのしわの発生が最小にされる。また、追加の界面を作らずに追加の中間ペインの存在を可能にする断熱ガラス・ユニットに対する本分野における必要性もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様によれば、本開示は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと、上記1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と、上記1対のガラス・ペインの間の上記スペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムとを備える、断熱ガラス・ユニットに向けられる。上記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、その結果、上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置される。上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に上記フィルムを設置することに先立って緩和状態へと予め定められた時間にわたって上記フィルムに熱を加えることによりアニールされる。
【0007】
上記少なくとも1つの透明フィルムが、上記支持構造体又は上記エッジ・スペーサにより支持される。1つの実施例によれば、上記フィルムが、直接上記エッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。もう1つの実施例によれば、上記フィルムが、上記支持構造体にしっかりと固定されてもよく、上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を備える。この少なくとも1つのフレーム部材は、柔軟であってもよく、上記フレーム部材がその重量下でその形状を失わないように十分に厚い厚さを有することがある。1つの実施例によれば、1.59mm(1/16”)厚のアルミニウム・フレームが使用されることがある。もう1つの実施例によれば、上記支持構造体が、上記フィルムのエッジをサンドイッチする1対のフレーム部材を備えることができる。
【0008】
上記フィルムが、上記フィルムを上記支持構造体にしっかりと固定することに先立って又は後でアニールされることがある。上記フィルムが緩和状態へとアニールされ、上記フィルムの上記緩和状態が、リニア・インチ(linear inch)当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有する。
【0009】
使用されるフィルムのタイプに応じて、上記フィルムが、上記フィルムのストレス誘起結晶化を生じさせるようにある一定のアニーリング温度に加熱される。1つの実施例によれば、上記フィルムが、ほぼ10分間にわたって少なくとも70℃のアニーリング温度に加熱されることがある。
【0010】
上記フィルムが、高分子シート、薄いガラス・シート、及び/又は任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つを含むことができる。1つの実施例によれば、上記フィルムが、ポリエチレン・テレフタレート(PET)を含む高分子シートであってもよい。上記フィルムがまた、透過スペクトル及び/又は反射スペクトルを制御するために、上記フィルムに埋め込まれた多くの材料又は片側若しくは両側にコーティングされた多くの材料も含むことができる。上記フィルムの少なくとも1つの表面が、low-eコーティングを含むことができる。上記フィルムはまた、発音メンブレンとして作用するように構成されてもよい。
【0011】
上記フィルムが、機械的部材、接着剤、及び熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより上記支持構造体又は上記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。上記支持構造体が、上記エッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。
【0012】
1つの実施例によれば、上記1対のガラス・ペインが、第1のガラス・ペイン及び第2のガラス・ペインを含むことができ、上記支持構造体は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力均等化を確実にするために、上記第1のガラス・ペインと上記フィルムの第1の側との間に位置する第1のチャンバと上記第2のガラス・ペインと上記フィルムの第2の側との間に位置する第2のチャンバとの間をガスが移動することを可能にするように構成されることがある。
【0013】
もう1つの態様によれば、本開示は、断熱ガラス・ユニットを形成するための方法に向けられ、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインを用意するステップと、少なくとも1つのフィルムを用意するステップと、しわを取り除くために上記フィルムを引き伸ばすステップと、支持構造体と少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定するステップと、緩和状態へと上記フィルムをアニールするために上記フィルムに熱を加えるステップであって、上記フィルムをアニールする上記ステップが、上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定する上記ステップの前に又は後に行われる、上記フィルムに熱を加えるステップと、上記フィルム及び支持構造体が、上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置されるように上記1対のガラス・ペインの間の上記支持構造体にしっかりと固定された上記フィルムを設置するステップと、上記1対のペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に上記少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び主シール材を設けるステップとを含む。
【0014】
1つの実施例によれば、上記フィルムが、直接上記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定されることがある。或いは、上記フィルムが、上記支持構造体にしっかりと固定されることがあり、上記フィルム及び上記支持構造体が、上記少なくとも1つのエッジ・スペーサから離れている場所のところで上記1対のガラス・ペインの間に設置される。
【0015】
上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つの柔軟なフレーム部材又は上記フィルムのエッジをサンドイッチする1対の柔軟なフレーム部材を含むことがある。1つの実施例によれば、上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を含むことができ、上記少なくとも1つのフレーム部材が、柔軟であり、上記フレーム部材がその重量下でその形状を失わないはずであるように十分に厚い厚さを有する。1つの実施例によれば、ほぼ1.59mm(1/16”)厚のアルミニウム・フレームが使用されてもよい。
【0016】
上記フィルムは、上記フィルムの上記緩和状態がリニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有するようにストレス誘起結晶化を生じさせるために十分な温度にそして十分な時間にわたって加熱されることがある。
【0017】
上記方法は、上記フィルムが、上記緩和状態へとアニールされそして上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定された後で、上記フィルムをトリミングするステップをさらに含む。上記フィルムが、機械的部材、接着剤、及び又は熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定されることがある。
【0018】
低い熱質量を有する本発明のディバイダ・ポリマ・フィルムの使用は、2~4時間の全先行技術しわ除去時間と比較して、1時間未満又は1秒未満などのそれどころかもっと短い時間でしわ除去温度に達することがある。本発明はまた、ガラス厚さ、low-eコーティング及びユニット内のこれらのコーティング物の場所の様々な組み合わせに関して入れ替えを可能にする。このことは、製造者が与えられた建築物、地理的領域、又はコード必要条件に関する望まれるコスト/性能トレードオフを与えるために設計を適合させることを可能にする。別の構造体上の中心ディバイダ又は第3のペインを支持することは、先行技術よりももっと容易にユニットの中心線からのディバイダのオフセットを可能にする。このことは、熱性能を依然として改善しながらもっと容易に組子のプレイスメント/追加を可能にする。また、中間ペインがユニットへと一体化される先行技術とは違って、本発明のシステムは、組み立てのための下位部品へと分けられてもよい。このことは、プロセスの初期に規格外れ部品の廃棄を可能にすることによって最終システムの歩留まり改善を可能にする。また、ユニット内に多数の中間パネル又はペインを含むことは、はるかに容易である。
【0019】
発明は、添付の描かれた図に図説され、図では類似の参照文字は全体を通して類似の部品を特定する。逆に指示されない限り、描かれた図は、等尺ではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】先行技術によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
図2】発明の実施例によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
図3】発明の実施例による図2のマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの一部分の展開側面斜視図である。
図4A】発明の実施例によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
図4B】発明の実施例によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
図4C】発明の実施例によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
図4D】発明の実施例によるガラス・ユニット内部に第3のペインをしっかりと固定するための様々な配置を示すマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図である。
図5A】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
図5B】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
図5C】マルチ・ペイン断熱ガラス・ユニット内に支持構造体をマウントするための様々な配置を示す断面部分図である。
図6A】発明の実施例によるフレーム/第3のペインの断面部分側面図である。
図6B】発明の実施例による図6Aのフレームの斜視図である。
図7A】発明の実施例によるフレーム/第3のペインの断面部分側面図である。
図7B】発明の実施例による図6Aのフレームの斜視図である。
図8A】発明の実施例によるフレーム/第3のペインの断面部分側面図である。
図8B】発明の実施例による図6Aのフレームの斜視図である。
図9A】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
図9B】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
図9C】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
図9D】発明の実施例による支持構造体に第3のペインをしっかりと固定するステップを示す図である。
図10A】発明の実施例によるフィルム収縮をともなう事前取り付け加熱vs事前収縮済フィルム又は低収縮フィルムの使用についての最適温度決定を図説するグラフである。
図10B】発明の実施例によるフィルム収縮をともなう事前取り付け加熱vs事前収縮済フィルム又は低収縮フィルムの使用についての最適温度決定を図説するグラフである。
図11】発明の特徴による最高の熱性能のための中心パネルに関する光学的位置を示すグラフである。
図12A】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
図12B】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
図12C】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
図12D】発明によるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットのパネル同士の間の圧力均等化のための様々な配置を示す断面部分図である。
図13A】発明の実施例による組子を含むマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの斜視図である。
図13B】発明の実施例による図13Aのマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
「左」、「右」、「上部」、「下部」、等の本明細書において使用する空間的又は方向的な用語は、描いた図に示されたように発明に関係する。発明は、様々な代わりの向きを想定でき、したがって、このような用語が限定するように考えられるべきではないことを理解されたい。
【0022】
本明細書において使用するように、「左」、「右」、「内側」、「外側」、「より上」、「より下」、等の空間的又は方向的な用語は、描いた図に示されるように発明に関係する。しかしながら、発明が様々な代わり向きを仮定でき、したがって、このような用語が、限定するように考えられるべきではないことを理解されたい。さらに、本明細書において使用するように、明細書及び特許請求の範囲で使用される寸法、物理的特性、処理パラメータ、成分の量、反応条件、等を表すすべての数は、「約」という用語によりすべての事例において修正されるように理解されたい。したがって、それとは反対に指示されない限り、下記の明細書及び特許請求の範囲に記述された数値は、本発明により得ようと努める望まれる特性に依存して変わることがある。最低でも、そして特許請求の範囲の範囲と同等な理論の適用を制限するための試みとしてではなく、各々の数値は、発表された有効桁数を考慮して、そして通常の端数処理技術を適用することによって少なくとも解釈されるべきである。その上、本明細書において開示したすべての範囲は、範囲の始まりの値及び終わりの値並びにその範囲に包摂される任意の及びすべての部分範囲を包含するように理解されるべきである。例えば、「1から10まで」の述べられた範囲は、1の最小値と10の最大値との間の(そして両端を含む)任意の及びすべての部分範囲、すなわち、最小値1以上で始まりそして最大値10以下で終わるすべての部分範囲、例えば、1から3.3まで、4.7から7.5まで、5.5から10まで、等を含むように考えられるべきである。加えて、本明細書において参照される、限定しないが、発行済みの特許及び特許出願などのすべての文書は、その全体が「引用により取り込まれる」ように考えられたい。
【0023】
明細書及び特許請求の範囲において使用されるすべての数字は、「約」という用語によってすべての事例において修正されるように理解されたい。本明細書において開示されるすべての範囲は、範囲の始まりの値及び終わりの値並びにその範囲に包摂される任意の及びすべての部分範囲を包含するように理解されたい。本明細書で記述された範囲は、明示された範囲にわたる平均値を示す。
【0024】
本明細書において参照されるすべての文書は、その全体が「引用により取り込まれる」ように考えられたい。
【0025】
量への何らかの言及は、別なふうに明示しない限り、「重量パーセントによる」ものである。
【0026】
本明細書における発明の検討は、ある一定の限定内で「特に」又は「好ましくは」(例えば、ある一定の限定内で「好ましくは」、「より好ましくは」、又は「それどころかもっと好ましくは」)であるある一定の特徴を記述することがある。発明が、これらの特定の限定又は好ましい限定に限定されないばかりか、開示の全体の範囲を包含することを理解されたい。
【0027】
本明細書において使用するように、「備えている」という経過的な(transitional)用語(及び、例えば、「含有している」及び「含んでいる」という他の相当する用語)は、「制限のない(open-ended)」ものであり、明示しない事項の包含にも開かれている。「備えている」という用語で記載されるとはいえ、「から基本的に構成される」及び「から構成される」という用語もまた、この開示の範囲内である。
【0028】
発明は、発明の下記の態様をいずれかの組み合わせで備える、から構成する又はから基本的に構成する。発明の様々な態様が、別に描かれた図に図説される。しかしながら、これは、図説及び検討の容易さのために単純化されることを理解されたい。発明の実施では、1つの描かれた図に示された発明の1つ又は複数の態様が、他の描かれた図のうちの1つ又は複数に示された発明の1つ又は複数の態様と組み合わせられてもよい。
【0029】
言及が、ここで図1に行われ、図1は、先行技術による、全体として1として表示されるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットの断面側面図を示す。ユニット1は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペイン2a、2bを含む。コーティングされたフィルム4の形態の第3のペインが、ペイン2a、2bの間に設置され、ペイン2a、2bとフィルム4との間に空きスペース又はチャンバ5a、5bを作り出す。フィルム4は、主シール材6を用いてエッジ・スペーサ8a、8bにしっかりと固定される。エッジ・スペーサ8a、8bは、一般にそれらそれぞれのペイン2a、2bの周囲の周りに延びる。エッジ・スペーサ8a、8bは、フィルム4が対向するペイン2a、2b同士の間の中ほどに設置されるように断面で同一の寸法ものである。エッジ・スペーサ8a、8bは、ペイン2a、2bがエッジ・スペーサ8a、8bに取り付けられたときに、ペイン2a、2bが互いにそしてフィルム4に平行であるように成形されることがある。副シール材7が、フィルム4をさらにしっかりと固定するためそしてユニット1内に設けられる。先行技術のガラス・ユニット1を作成するためのプロセスは、ペイン2a、2b、フィルム4、エッジ・スペーサ8a、8b、主シール材6、副シール材7を含む全体のユニットを組み立てるステップと、2時間までかかることがあり得るシール材を硬化させるステップと、追加のさらに2時間以上かかることがあるオーブン内でフィルム4を収縮させるステップと、次いでアルゴンなどの不活性ガスでスペース5a、5bを手作業で満たすステップとを含む。
【0030】
先行技術の設計では、中央フィルム4をサンドイッチするエッジ・スペーサ8a、8bの使用は、主シール材材料6との2つの界面を形成し、中央フィルム4が、機械的支持体を形成する状態で副シール材7によりしっかりと掴まれるように外へ向けてさらに延びる。これが、シール上にせん断応力の印加という結果をもたらすことがあり、このことがシール不良に関する可能性を上昇させることがある。また、これら2つの追加の界面は、ユニット1の熱性能を劣化させることがある空気侵入に関する追加の不良点という結果になる。加えて、ユニット1を構築するための時間は、数時間、3~5時間のどこか又はそれ以上になることがある。
【0031】
言及が、ここで図2図3に行われ、これらの図は、本発明の実施例による、全体として10として表示されるマルチ・ペイン断熱ガラス・ユニットを示す。ユニット10は、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペイン12a、12bを含む。少なくとも1つのエッジ・スペーサ18が、ガラス・ペイン12a、12bの間に設けられる。第1の又は主シール材16が、1対のガラス・ペイン12a、12bの間にスペース15を画定する一体式シール型ユニットを提供するために1対のガラス・ペイン12a、12bの隣接するエッジ同士の間に据えられる。少なくとも1つの透明フィルム14が、1対のガラス・ペイン12a、12bの間のスペース15内部に据えられる。少なくとも1つの透明フィルム14は、図2図3、及び図4A図4Cに示したような支持構造体20と、又は図4Dに示したような少なくとも1つのエッジ・スペーサ18とのうちの1つにしっかりと固定され、そのため、フィルムが、1対のスペース15a、15bを作り出すように1対のガラス・ペイン12a、12bの間に間隔を空けた平行な関係で設置される。支持構造体20は、単一フレームであっても1対のフレーム20a、20bであってもよい。スペース15a、15bは、窓構造体を横切る熱コンダクタンスを減少させるために空気又はガスで満たされることがある。クリプトン、アルゴン、六フッ化硫黄、二酸化炭素、等を含め、いずれかの不活性、低熱伝達ガスが、使用されることがある。組み合わせガス及び/又は異なるガスが、熱コンダクタンスの望まれる低下を得るためにスペース15a、15b内に使用されることがある。この充填ガスは、内側フィルム14の黄ばみを防止するため又は最小にするためにある程度のはっきりと分かる量の酸素を含有できる。
【0032】
フィルム14は、1対のガラス・ペイン12a、12bの間にフィルム14を設置することに先立ってアニールされる。フィルムをアニールすることは、製造中にしばしば導入されるフィルム内の内部ストレスを減少させ、フィルムが成形プロセス中に又は何らかのさらなる処理中にもっと順応性のあるようになることを可能にし、そして特に温度変動に曝されるときにクラッキングの可能性を減少させる。
【0033】
このアニールするステップは、ストレス誘起結晶化を介してフィルム14内のテンションを解放する。このステップは、フィルム14のために使用される材料、及びフィルム14をアニールするためにフィルムが加熱される温度に応じて、典型的には数分かかる。
【0034】
使用するフィルム14のタイプに応じて、フィルム14は、フィルム14のストレス誘起結晶化を生じさせるようにある一定のアニーリング温度に加熱される。フィルムがプラスチック材料である場合に、アニールするプロセスは、少しの間フィルムの溶融温度の半分までフィルムを加熱すること、次いでフィルムが応力緩和することを可能にするためにフィルムを冷却して戻すことを含むことができる。フィルムが金属材料である場合には、フィルムは、金属の再結晶温度よりも上に金属を加熱すること、適切な長さの時間にわたって好適な温度を維持すること、そして冷却することにより典型的にはアニールされる。ガラスから形成されたフィルムは、フィルムのクラッキング又は破壊を防止するために制御された冷却プロセスを受ける。1つの実施例によれば、フィルムは、ほぼ10分間にわたり少なくとも70℃のアニーリング温度に加熱されることがある。他の実施例によれば、フィルムは、110℃、90℃、又は85℃より上まで加熱されることがある。
【0035】
図2図3、及び図4A図4Cに示した実施例によれば、少なくとも1つの透明フィルム14は、支持構造体又はフレーム20により支持される。フィルム14は、支持構造体又はフレームにしっかりと固定されることがあり、そこではフレーム20がエッジに隣接して位置し、フィルム14の周囲の辺りに延びる。この少なくとも1つのフレーム20は、柔軟であってもよく、そしてフレームがその重量下でその形状を失わないはずであり、むしろ維持するはずであるのに十分に厚い厚さを有することがある。1つの実施例によれば、ほぼ1.59mm(1/16”)厚のアルミニウム・フレームが使用されることがある。フレーム用に使用する材料に応じて、フレームは1.59mm(1/16”)よりも薄い又は厚い厚さを有してもよいことが認識され得る。もう1つの実施例によれば、支持構造体は、フィルム14のエッジをサンドイッチしそしてフィルム14の周囲の辺りに延びる1対のフレーム20a、20bを備えることができる。
【0036】
図4A配置では、単一のエッジ・スペーサ18がペイン12aと12bの間に位置し、単一のフレーム20がフィルム14を支持するために設けられる。エッジ・スペーサ18は、垂直な横部分28及び水平な上部部分と底部部分29とを有するC字形状の部材であってもよい。エッジ・スペーサ18は、一般にペイン12a、12bの周囲の辺りに延びる。フレーム20は、エッジ・スペーサ18に機械的に若しくは接着でしっかりと固定される又はいずれかの他の良く知られた技術によりしっかりと固定されることがある。フレーム20及びフィルム14は、フィルム14とペイン12a、12bとの間に等しいスペース15a、15bを作り出すようにペイン12a、12b同士の間に等間隔で据えられることがある。或いは、フレーム20及びフィルム14は、スペース15a又は15bのうちの一方がスペース15a、15bの他方よりも大きくなるようにペイン12a、12b同士の間に据えられてもよい。主シール材16が、エッジフレーム18をペイン12a、12bにしっかりと固定するために使用されてもよく、エッジ・スペーサ18の垂直な横部分28に沿って延びることがある。
【0037】
図4B配置は、フレーム20を支持するための1対のエッジ・スペーサ18a、18bを示す。この配置では、フィルム14が単一のフレーム20にしっかりと固定され、フレーム20がエッジ・スペーサ18a、18b同士の間にマウントされそして接着剤22でそこにしっかりと固定される。エッジ・スペーサ18a、18bは、一般に、それらそれぞれのペイン12a、12bの周囲の辺りに延びる。エッジ・スペーサ18a、18bは、断面で同一の寸法を有することができるが、しかしながら、フレーム20がスペーサ18a、18b同士の間に挿入されるという理由で、フィルム14は、対向するペイン12a、12b同士の間の中ほどには設置されず、スペース15a、15bのうちの一方が、他方のスペース15a、15bよりも大きい。エッジ・スペーサ18a、18bは、ペイン12a、12bがエッジ・スペーサ18a、18bに取り付けられるときに、ペイン12a、12bが互いにそしてフィルム14に平行であるように成形されることがある。主シール材16が、エッジ部材18とペイン12との間に設置されることがあり、副シール材17がユニット10をシールするためにスペーサ18a、18bの垂直な横部分に沿って設けられることがある。
【0038】
図4C配置は、フレーム20を支持するための1対のエッジ・スペーサ18a、18bを示す。この配置は、フィルム14が単一のフレーム20にしっかりと固定され、フレーム20がエッジ・スペーサ18a、18b同士の間にマウントされそして接着剤22を用いてそこにしっかりと固定されることで図4B配置に類似している。この配置では、フレーム20は、薄く、そしてエッジ・スペーサ18の垂直な横部分28に隣接して設置された垂直に延びるレッグ24及びエッジ・スペーサ18の水平な上部部分29に隣接して設置された水平に延びるレッグ26を有するL字形状のように成形されることがある。エッジ・スペーサ18a、18bは、一般に、それらそれぞれのペイン12a、12bの周囲の辺りに延びる。エッジ・スペーサ18a、18bは、断面で同一の寸法を有することができるが、しかしながら、フレーム20の水平レッグ26がスペーサ18a、18b同士の間に挿入されるという理由で、フィルム14は、対向するペイン12a、12b同士の間の中ほどには設置されず、スペース15a、15bのうちの一方が、他方のスペース15a、15bよりも大きい。エッジ・スペーサ18a、18bは、ペイン12a、12bがエッジ・スペーサ18a、18bに取り付けられるときに、ペイン12a、12bが互いにそしてフィルム14に平行であるように成形されることがある。主シール材16が、エッジ・スペーサ18a、18bとペイン12a、12bとの間に設置されることがあり、副シール材17が、ユニット10をシールするためにスペーサ18a、18bの垂直な横部分に沿って設けられることがある。
【0039】
図4Dの実施例によれば、フィルム14は、直接エッジ・スペーサ18a、18bにしっかりと固定されることがある。フィルム14は、第1のシール材16を用いて又は別の接着剤(図示せず)を用いてエッジ・スペーサ18a、18bに接着されることがある。エッジ・スペーサ18a、18bは、一般に、それらそれぞれのペイン12a、12bの周囲の辺りに延びる。エッジ・スペーサ18a、18bは、フィルム14が対向するペイン12a、12bの間に等距離に設置され、スペース15a、15bが基本的に同じサイズであるように断面で同一の寸法を有することができる。或いは、フィルムが対向するペイン12a、12同士の間の中ほどには設置されず、スペース15a、15bのうちの一方が他方のスペース15a、15bよりも大きいように、エッジ・スペーサ18a、18bのうちの一方が、他方よりも大きくてもよい。エッジ・スペーサ18a、18bは、ペイン12a、12bがエッジ・スペーサ18a、18bに取り付けられるときに、ペイン12a、12bが互いにそしてフィルム14に平行であるように成形されることがある。主シール材16が、エッジ・スペーサ18a、18bとペイン12との間に設置されることがあり、副シール材17がユニット10をシールするためにスペーサ18a、18bの垂直な横部分に沿って設けられることがある。
【0040】
言及が、ここで図5A図5Cに行われ、図5A図5Cは、支持構造体20をエッジ・スペーサ18にしっかりと固定するための様々な配置を示す。図5Aは、フィルム14を保持するフレーム20がエッジ・スペーサ18の内部に及び/又は内側に設置される配置を図示する。図5Bは、フィルム14を保持するフレームがユニット10内に落とされ、そのため、フレームが、エッジ・スペーサ18の外であり、ユニット10の視野エリア13の内部である配置を図示する。図5Cは、フィルム14を保持するフレーム20が視野エリア13に対して内部に据えられるが、クリップ6を用いてエッジ・スペーサ18へとスナップ留めされるさらにもう1つの配置を図示する。
【0041】
フィルム14は、支持構造体にしっかりと固定されることに先立って又は後でアニールされることがある。フィルム14は、緩和状態へとアニールされ、フィルム14の緩和状態は、リニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有する。
【0042】
フィルム14は、高分子シート、薄いガラス・シート、及び/又は任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つから形成されることがある。高分子シートは、強化有機材料を含むことができる。1つの実施例によれば、フィルム14は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)を含む高分子シートであってもよい。PETフィルム14は、12.7~254μm(0.5~10mil)、12.7~127μm(0.5~5mil)又はそれどころか12.7~54.8μm(0.5~2mil)の厚さを有することがある。フィルム14の少なくとも一方の表面は、low-eコーティングを含むことができる。本発明の断熱ガラス・ユニット10が、ガラス・ペイン12a、12b上にlow-eコーティング及び/又は1つ若しくは複数の表面上にフィルム14を含むことによって先行技術の配置よりもはるかに優れた熱性能を達成できることが見出されている。特に、発明のユニット10が、より低いコストのアルゴン(Ar)を用いそして全体の厚さのより広い範囲にわたりR5性能を及びクリプトン(Kr)ガスを用いてR9性能又はより優れた性能を有することができることが見出されている。
【0043】
1つの実施例によれば、接着剤22が、図4Cに示したようにフィルム14を支持構造体20にしっかりと固定するために使用されることがある。或いは、接着剤は、フィルム14をエッジ・スペーサ18(図示せず)にしっかりと固定するために使用されてもよい。接着剤22は、コンタクト接着剤、感圧接着剤、UV硬化接着剤、熱硬化型接着剤、又は化学硬化型接着剤を含め、いずれかの知られている接着剤であってもよい。さらにもう1つの実施例によれば、フィルム14は、主シール材16を用いてエッジ・スペーサ18にしっかりと固定されてもよい。さらにもう1つの実施例によれば、フィルムは、加熱されて、溶融しそして接着剤又はシール材を必要とせずに支持構造体20又はエッジ・スペーサ18と貼り合わせられてもよい。
【0044】
1つの実施例によれば、そして図6A図6B図7A図7B図8A、及び図8Bを参照して、フィルム14は、機械的部材の使用により支持構造体20又は少なくとも1つのエッジ・スペーサ18にしっかりと固定されることがある。支持構造体20は、1対のフレーム20a、20bを含むことができ、フレームでは、フィルムがその間にサンドイッチされる。1つの実施例によれば、フレーム20a、20bは、キー又はダブ・テールなどの他の機械的固定具若しくは接合用構造体(図示せず)、側方部材の少なくとも一部分を覆う接着剤、及び接着剤により側方部材に接着された透明パネルを用いてコーナーのところで一緒に保持される。もう1つの配置は、側部のノッチを使用し次いでコーナーを形成するために前記側部を折り曲げて製造されるコーナーを有する支持フレーム20a、20b、側方部材の少なくとも一部分を覆う接着剤、及び接着剤により側部に接着された透明フィルム14を含むことができる。さらにもう1つの実施例によれば、コーナー・グリップのないフレームを使用することが、フィルム用の余分な空き場所を可能にし、フィルムがコーナーに束縛されること及びフィルムにしわを形成することを防止することが見出されている。
【0045】
フィルム14は、機械的クリップ又は他の固定具を用いて1対のフレーム20a、20bに取り付けられることがある。フィルム14の機械的なしっかりとした固定は、下記に説明するようなキー/ロック・プロフィール付フレーム対を使用して実現されてもよい。
【0046】
例えば、図6A及び図6Bに示したように、キー/ロック部材は、フレーム部材20a、20bのエッジに沿って延びる複数のコーン形状の分離した部材52a、52bであってもよく、上記部材52a、52bは、これらの間に位置するフィルム14と機械的に噛み合うように構成される。図7A及び図7Bは、フレーム部材20a、20bのエッジの長さに沿って延びる一連のキー/ロック・ロッド形状の丸みを帯びた部材又は平行四辺形54a、54bを示す。図8A及び図8Bは、フレーム部材20a、20bのエッジの長さに沿って延びる一連のキー/ロック・ロッド形状のコーン部材56a、56bを示す。
【0047】
図2及び図3を参照し続けそして図9A図9Dをさらに参照して、断熱ガラス・ユニット10形成するための方法は、平行で、間隔を空けた関係の1対のガラス・ペイン12a、12bを用意することを含む。少なくとも1つのフィルム14を用意すること及び図9Aに示したような、曲げ圧延、真空圧延、若しくはニップ・ロール型しわ除去システム30又はいずれかの他の抗しわシステムの使用を通してフィルムを引き伸ばすことがしわを取り除く。このプロセスは、典型的には終わるまでに1分未満しかかからない。プロセスの次のステップは、図9Bに示したように、支持構造体20又は少なくとも1つのスペーサ18のいずれかにフィルム14をしっかりと固定することを含む。このステップは、終わるまでに数秒を必要とする。図9Cに示したように、熱が、矢印34により示されるように加えられて、図9Dに示したような緩和状態へとフィルム14をアニールする。図9Cは、フィルム14が支持構造体20又は少なくとも1つのエッジ・スペーサ18にしっかりと固定された後で、フィルム14に熱を加えること示しているとはいえ、フィルム14をアニールすることはフィルムが支持構造体20又は少なくとも1つのエッジ・スペーサ18にしっかりと固定されることに先立って行われてもよいことが認識され得る。このアニールするステップは、フィルム14を形成するために使用される材料に依存して、数分で完遂されることがある。アニールすることの後で、フィルム14が、支持構造体20有りでもなしでも、1対のガラス・ペイン12a、12bの間に間隔を空けた平行な関係で設置されるように、フィルム14は、1対のガラス・ペイン12a、12bの間に設置される。少なくとも1つのエッジ・スペーサ18及び主シール材16が、1対のペイン12a、12bの隣接するエッジ同士の間に設けられて、ペインの間にスペース15を画定する一体式シール型ユニット10を提供する。ステップ9A~9Dが、明確な動きで機械上で実行されることがあり、これによってステップのうちのいずれか又はすべてが、自動的に実行されてもよいことが認識され得る。
【0048】
1つの実施例によれば、フィルム14は、直接少なくとも1つのエッジ・スペーサ18にしっかりと固定されることがある。或いは、フィルム14は、支持構造体20にしっかりと固定されてもよく、そしてフィルム14及び支持構造体20が、ユニット10の視野エリアの内部である場所などの少なくとも1つのエッジ・スペーサ18から離れている場所のところで1対のガラス・ペイン12a、12bの間に設置される。
【0049】
支持構造体20は、フィルム14のエッジに隣接して位置する少なくとも1つの柔軟なフレーム部材20a又はフィルム14のエッジをサンドイッチする1対の柔軟なフレーム部材20a、20bを備えることができる。1つの実施例によれば、支持構造体20は、フィルム14のエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材20aを備えることができ、少なくとも1つのフレーム部材20aは、柔軟であり、フレーム部材の重量下でその形状を失わないはずである又はむしろ維持するはずであるように十分に厚い厚さを有する。1つの実施例によれば、ほぼ1.59mm(1/16”)厚のアルミニウム・フレームが使用されることがある。フレーム20a、20bは、成型プロセス、スタンピング・プロセス、3Dプリント・プロセス、等を含めいずれかの知られている方法を使用して形成されることがある。
【0050】
フィルム14は、ストレス誘起結晶化を生じさせるために十分な温度にそして十分な時間にわたり加熱されることがあり、その結果、フィルム14の緩和状態がリニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有する。
【0051】
方法は、フィルム14が緩和状態へとアニールされそして支持構造体20と少なくとも1つのエッジ・スペーサ18とのうちの1つにしっかりと固定された後で、フィルム14をトリミングすることをさらに含む。フィルム14は、ナイフ、ブレード、レーザ、等を使用してトリミングされることがある。フィルム14は、機械的部材、接着剤、及び熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより支持構造体20と少なくとも1つのエッジ・スペーサ18とのうちの1つにしっかりと固定されることがある。
【0052】
フィルム14は、透過スペクトルおよび/または反射スペクトルを制御するために、その中に埋め込まれた材料または片面もしくは両面にコーティングされた材料の少なくとも一方を含むこともできることが認識され得る。フィルム14が支持構造体20またはスペーサ18に貼り付けられる前または後のいずれかに、フィルム14にパターンを印刷することができる。フィルム14は、エンド・ユーザに視覚的に訴える追加デザインを可能にする、エンド・ユーザに見える部分に付せられる美的な材料でコーティングされてもよく、又はその美的な材料を有していてもよい。フィルム14の少なくとも一方の表面は、low-eコーティングを含むことができる。1つの実施例によれば、ユニット10の光学的ヘイズは、BK Gardner Hazegardにより測定されるように3%未満、好ましくは1.5%未満、そして好ましくは1%未満であってもよい。
【0053】
フィルム14はまた、音楽、ノイズ・キャンセリング音響、又は例えば、室内の会話のレーザ反射による音響ピックアップのオブスキュレーションのためのホワイト・ノイズの生成のための発音部材として作用するように構成されることがある。駆動素子は、(適切に設置された電極を有する)フィルムそれ自体又は取り付けられたトランスデューサを有するフィルム14のいずれかであってもよい。中央支持構造体20又はスペーサ18によるスペーサ18への堅固な機械的な取り付けの欠如は、音響波をスペーサ18に伝えずに及び故障の可能性を減少させずに、並びに/又は周囲への音響波放出のエリア及び場所を制御するように音響波をビルディング構造体に伝えずに1つ又は複数の中間フィルム14の使用が音響部材として作用することを可能にする。
【0054】
また、フィルム14は、フィルム14の中へと埋め込まれた材料を用いて又はフィルム14の一方若しくは両方の表面14a、14bにコーティングを付けることのいずれかによって光学的(可視領域及び/又はIR領域)透過スペクトル及び/又は反射スペクトルの受動制御のための熱変色性機能を有するように設計されることがある。
【0055】
言及が図10Aに行われ、図10Aは、接着前加熱(すなわち、フィルム収縮)ステップに関する最適温度決定を示す。図10Bは、事前収縮済フィルム又は低収縮フィルムを使用する温度決定を示し、ここでは熱安定化済フィルムは必要ない。熱プロファイル(すなわち、温度vs時間)は、フィルムがしわのないようなものであり、ストレスは、基本的に力がスペーサ18のフレーム20に加えられないようなものである。
【0056】
言及が図11に行われ、図11は、ユニット10の最高の熱性能のためのフィルム14に関する光学的な場所を描いているグラフを示す。図11に示したように、フィルム14にとっての最良の場所は、外側ガラス・ペイン12a、12bの内側表面同士の間の中心線上である。しかしながら、図11に示したように、フィルム14はまた、外側ガラス・ペイン12a、12bの内側表面同士の間の中心線から又はスペース15の中心線からオフセットした場所に設置されることも可能であり、そして熱性能の改善vs2パネル断熱窓ガラス・ユニットを依然として実現できる。
【0057】
図2図3及び図4A図4Dを参照し続けてそして図12A図12Dのさらなる参照で、1対のガラス・ペイン12は、第1のガラス・ペイン12a及び第2のガラス・ペイン12bを含むことができる。スペース又は第1のチャンバ15aは、第1のガラス・ペイン12aとフィルム14の第1の側14aとの間に位置し、スペース又は第2のチャンバ15bは、第2のガラス・ペイン12bとフィルム14の第2の側14bとの間に位置する。開口部が、第1のチャンバ15aと第2のチャンバ15bとの間の圧力均等化を確実にするために第1のチャンバ15aと第2のチャンバ15bとの間をガスが移動することを可能にするするために設けられてもよい。フィルム14がスペーサ18a及び18bと一体化される図12Aに示した実施例によれば、開口部44aがフィルム14に設けられることがある。フィルム14が支持構造体20にしっかりと固定され、そして支持構造体20及びフィルム14がユニット10の視野エリア13に対して内部に位置する図12Bに示した実施例では、開口部44bが、支持構造体20内に設けられることがある。支持構造体20及びフィルム14がスペーサ18の内側に位置する図12Cに示した実施例では、多数の開口部の形態の開口部44cが、支持構造体20内に設けられることがある。図12Dに示した実施例では、支持構造体20が、スペーサ18と協働するクリップ46を用いてユニット10の視野エリア13に対して内部にしっかりと固定される。この実施例では、開口部44dが、支持構造体20内に設けられる。
【0058】
言及が、ここで、組子40を示す図13a及び図13bに行われる。組子40は、いずれか、エッジ・スペーサ18(図示せず)又は支持構造体/フレーム20a若しくは20b、又は両方に取り付けられることがある。組子40は、クリップを用いて又は用いずに取り付けられることがある。1つの配置によれば、組子40が、上部フレーム20a内部のノッチ42内に挿入されることがあり、フィルム14が、下部フレーム20bに取り付けられることがある。或いは、組子40は、フィルム上に印刷されてもよい。
【0059】
発明は、下記の番号を付けた条項にさらに記載される。
【0060】
条項1:平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインと;上記1対のガラス・ペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に位置する少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び少なくとも主シール材と;上記1対のガラス・ペインの間の上記スペース内部に位置する少なくとも1つの透明フィルムであって、上記少なくとも1つの透明フィルムが、支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定され、上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係で設置され、上記フィルムが、上記1対のガラス・ペインの間に上記フィルムを設置することに先立って緩和状態へとアニールされる、少なくとも1つの透明フィルムとを備える、断熱ガラス・ユニット。
【0061】
条項2:上記少なくとも1つの透明フィルムが、上記支持構造体により支持され、上記支持構造体が、上記エッジ・スペーサから離れている、請求項1に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0062】
条項3:上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を備える、条項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0063】
条項4:上記少なくとも1つのフレーム部材が、柔軟であり、上記フレーム部材がその重量下でその形状を維持するはずであるように十分に厚い厚さを有する、条項3に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0064】
条項5:上記少なくとも1つのフレーム部材が、ほぼ1.59mm(1/16”)の厚さを有するアルミニウムである、条項4に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0065】
条項6:上記フィルムが、上記フィルムを上記支持構造体にしっかりと固定することに先立って又は後でアニールされる、条項2から5までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0066】
条項7:上記フィルムの上記緩和状態が、リニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有する、条項1から6までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0067】
条項8:上記フィルムが、ほぼ10分間にわたり少なくとも70℃のアニーリング温度に加熱される、条項1から7までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0068】
条項9:上記フィルムが、高分子シート、薄いガラス・シート、及び任意の他の透明シートのうちの少なくとも1つを含む、条項1から8までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0069】
条項10:上記フィルムが、ポリエチレン・テレフタレートを含む高分子シートである、条項9に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0070】
条項11:上記フィルムが、機械的部材、接着剤、主シール材のうちの少なくとも1つにより及び熱可塑性溶着により上記支持構造体又は上記少なくとも1つのエッジ・スペーサにしっかりと固定される、条項1から10までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0071】
条項12:上記支持構造体が、上記エッジ・スペーサにしっかりと固定される、条項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0072】
条項13:上記1対のガラス・ペインが、第1のガラス・ペイン及び第2のガラス・ペインを含み、上記支持構造体は、第1のチャンバと第2のチャンバとの間の圧力均等化を確実にするために、上記第1のガラス・ペインと上記フィルムの第1の側との間に位置する上記第1のチャンバと上記第2のガラス・ペインと上記フィルムの第2の側との間に位置する上記第2のチャンバとの間をガスが移動することを可能にするように構成される、条項2に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0073】
条項14:上記フィルムが、透過スペクトル及び/又は反射スペクトルを制御するために、上記フィルム内に埋め込まれた材料又は片側若しくは両側にコーティングされた材料のうちの少なくとも1つを含む、条項1から13までのいずれか一項に記載の断熱ガラス・ユニット。
【0074】
条項15:断熱ガラス・ユニットを形成するための方法であって、平行で間隔を空けた関係の1対のガラス・ペインを用意するステップと;少なくとも1つのフィルムを用意するステップと;しわを取り除くために上記フィルムを引き伸ばすステップと;支持構造体と少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定するステップと;上記フィルムを緩和状態へとアニールするために上記フィルムに熱を加えるステップであり、上記フィルムをアニールする上記ステップが、上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つに上記フィルムをしっかりと固定する上記ステップの前に又は後に行われる、上記フィルムに熱を加えるステップと;上記フィルムが上記1対のガラス・ペインの間に間隔を空けた平行な関係に設置されるように、上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定された上記フィルムを上記1対のガラス・ペインの間に設置するステップと;上記1対のペインの間にスペースを画定する一体式シール型ユニットを提供するために上記1対のペインの隣接するエッジ同士の間に上記少なくとも1つのエッジ・スペーサ及び主シール材を設けるステップとを含む、方法。
【0075】
条項16:上記フィルムが、上記支持構造体にしっかりと固定され、上記フィルム及び支持構造体が、上記少なくとも1つのエッジ・スペーサから離れている場所のところで上記1対のガラス・ペインの間に設置される、条項15に記載の方法。
【0076】
条項17:上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つの柔軟なフレーム部材を備える、条項15又は16に記載の方法。
【0077】
条項18:上記フィルムは、上記フィルムの上記緩和状態が、リニア・インチ当たり45.4g(0.1lb)以下のテンションを有するように、ストレス誘起結晶化を生じさせるために十分な温度に十分な時間にわたって加熱される、条項15から17までのいずれか一項に記載の方法。
【0078】
条項19:上記フィルムが、上記緩和状態へとアニールされそして上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定された後で、上記フィルムをトリミングするステップを含む、条項15から18までのいずれか一項に記載の方法。
【0079】
条項20:上記フィルムが、機械的部材、接着剤、上記主シール材、及び熱可塑性溶着プロセスのうちの少なくとも1つにより上記支持構造体と上記少なくとも1つのエッジ・スペーサとのうちの1つにしっかりと固定される、条項15から19までのいずれか一項に記載の方法。
【0080】
条項21:上記支持構造体が、上記フィルムのエッジに隣接して位置する少なくとも1つのフレーム部材を備え、上記少なくとも1つのフレーム部材が、柔軟であり、上記フレーム部材がその重量下でその形状を維持するはずであるように十分に厚い厚さを有する、条項15から20までのいずれか一項に記載の方法。
【0081】
条項22:上記少なくとも1つのフレーム部材が、ほぼ1.59mm(1/16”)の厚さを有するアルミニウムを含む、条項22に記載の方法。
【0082】
開示が例示的な設計を有するとして説明されてきている一方で、本開示は、この開示の精神及び範囲内でさらに変更されてもよい。この出願は、それゆえに、出願の一般的な原理を使用する開示の任意の変形形態、使用形態、又は適応形態を包含するものである。さらに、この出願は、この開示が属しそして別記の特許請求の範囲の範囲内になる技術分野において知られた実行形態又は慣習的な実行形態内になるとして本開示からのこのような乖離を包含するものである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
【国際調査報告】