IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソルテラ・アロイズ・インコーポレイテッドの特許一覧 ▶ バッテル・エナジー・アライアンス・エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特表-プラスチックの分別 図1
  • 特表-プラスチックの分別 図2
  • 特表-プラスチックの分別 図3
  • 特表-プラスチックの分別 図4
  • 特表-プラスチックの分別 図5
  • 特表-プラスチックの分別 図6
  • 特表-プラスチックの分別 図7
  • 特表-プラスチックの分別 図8
  • 特表-プラスチックの分別 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】プラスチックの分別
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20240220BHJP
   B29B 17/02 20060101ALI20240220BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20240220BHJP
   B09B 101/75 20220101ALN20240220BHJP
【FI】
B07C5/342
B29B17/02 ZAB
B09B5/00 Z
B09B5/00 Q
B09B101:75
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547801
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 US2022015665
(87)【国際公開番号】W WO2022170262
(87)【国際公開日】2022-08-11
(31)【優先権主張番号】63/146,892
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/173,301
(32)【優先日】2021-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
2.JAVA
3.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】520417713
【氏名又は名称】ソルテラ・テクノロジーズ・インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】507082644
【氏名又は名称】バッテル・エナジー・アライアンス・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ナリン・クマール
(72)【発明者】
【氏名】マヌエル・ジェラルド・ガルシア・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】イシャ・カムレシャバイ・マウン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー・エー・レイシー
(72)【発明者】
【氏名】ロレンツォ・ヴェガ・モントト
【テーマコード(参考)】
3F079
4D004
4F401
【Fターム(参考)】
3F079AB00
3F079CA32
3F079CB25
3F079CB33
3F079CC02
3F079CC03
3F079CC04
3F079DA12
4D004AA07
4D004AA46
4D004AB06
4D004BA07
4D004CA07
4D004DA16
4F401AA09
4F401AA10
4F401AA11
4F401AA13
4F401AA17
4F401AA22
4F401AA23
4F401AA24
4F401AA25
4F401AA27
4F401AB10
4F401BA13
4F401CA22
4F401CA43
4F401CA44
4F401DB01
(57)【要約】
視覚システムと1つまたは複数のセンサシステムとを利用してプラスチック材料を分類および分別するためのシステムおよび方法であって、システムおよび方法は、各材料を識別または分類するために機械学習システムを実装していてもよく、各材料は、その後、そのような識別または分類に基づいて別のグループに分別され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の材料片の第1の視覚画像を捕捉するステップであって、結果として前記第1の材料片に関する第1の画像データパケットが得られる、ステップと、
第2の材料片の第2の視覚画像を捕捉するステップであって、結果として前記第2の材料片に関する第2の画像データパケットが得られ、前記第1の材料片は第1の化学的特徴を有し、前記第2の材料片は前記第1の化学的特徴とは異なる第2の化学的特徴を有する、ステップと、
前記異なる化学的特徴を有する材料片を視覚的に識別することを事前に学習した機械学習システムを用いて、前記第1および第2の画像データパケットを処理するステップと、
前記機械学習システムを用いて、前記異なる化学的特徴を有する材料片間の学習された視覚的識別に応じて、前記第1および第2の材料片を2つの異なる分類に分類するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記分類に応じて、前記第1の材料片を前記第2の材料片から分別するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記材料片はプラスチック片である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから複数の異なるセンサシステムによって測定されたスペクトルデータを含み、前記第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから前記複数の異なるセンサシステムによって測定されたスペクトルデータを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記スペクトルデータは、非可視スペクトルに関係する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の異なるセンサシステムは、近赤外線(「NIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、および蛍光X線(「XRF」)システムからなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の異なるセンサシステムは、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える範囲など)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、示差走査熱量測定(「DSC」)、熱重量分析(「TGA」)、毛細管および回転レオメトリー、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM」)、およびクロマトグラフィー、からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含み、前記第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記プラスチック片は、タイプ#1 ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、タイプ#2 高密度ポリエチレン(「HDPE」)、タイプ#3 ポリ塩化ビニル(「PVC」)、タイプ#4 低密度ポリエチレン(「LDPE」)、タイプ#5 ポリプロピレン(「PP」)、タイプ#6 ポリスチレン(「PS」)、タイプ#7 その他のポリマー、からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の材料片はポリ塩化ビニルを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記2つの異なる分類は、異なるフラクションである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第1の材料片に関する第1の画像データパケットをもたらす前記第1の材料片の第1の視覚画像と、第2の材料片に関する第2の画像データパケットをもたらす前記第2の材料片の第2の視覚画像と、を捕捉するように構成されたカメラであって、前記第1の材料片は第1の化学的特徴を有し、前記第2の材料片は前記第1の化学的特徴とは異なる第2の化学的特徴を有する、カメラと、
前記異なる化学的特徴を有する材料片を視覚的に識別することを事前に学習した機械学習システムを用いて、前記第1および第2の画像データパケットを処理するように構成されたデータ処理システムであって、前記機械学習システムは、前記異なる化学的特徴を有する材料片間の学習された視覚的識別に応じて、前記第1および第2の材料片を2つの異なるフラクションに分類する、データ処理システムと、
前記フラクションに応じて前記第1の材料片を前記第2の材料片から分別するように構成された分別装置と、
を備えるシステム。
【請求項13】
前記材料片はプラスチック片である、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから複数の異なるセンサシステムによって測定された非可視スペクトルに関するスペクトルデータを含み、前記第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから前記複数の異なるセンサシステムによって測定された非可視スペクトルに関するスペクトルデータを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の異なるセンサシステムは、近赤外線(「NIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、および蛍光X線(「XRF」)システムからなる群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の異なるセンサシステムは、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える範囲など)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、示差走査熱量測定(「DSC」)、熱重量分析(「TGA」)、毛細管および回転レオメトリー、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM」)、およびクロマトグラフィー、からなる群から選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含み、前記第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含み、前記プラスチック片は、タイプ#1 ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、タイプ#2 高密度ポリエチレン(「HDPE」)、タイプ#3 ポリ塩化ビニル(「PVC」)、タイプ#4 低密度ポリエチレン(「LDPE」)、タイプ#5 ポリプロピレン(「PP」)、タイプ#6 ポリスチレン(「PS」)、タイプ#7 その他のポリマー、からなる群から選択される、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
複数の異なるセンサシステムを使用して、異なるプラスチック片の混合物のそれぞれの化学的特徴を判定するステップと、
各々の前記プラスチック片の視覚画像を捕捉するステップと、
各プラスチック片の前記化学的特徴と前記視覚画像とをデジタル的に関連付けるステップと、
プラスチック片を分別するための特定のフラクションを判定するステップと、
前記視覚画像を使用して、前記混合物内のどの前記プラスチック片が前記特定のフラクションに該当する化学的特徴を持つかを識別するステップと、
機械学習システムを訓練して、前記特定のフラクションに該当するプラスチック片を視覚的に識別するステップであって、前記訓練は、前記識別されたプラスチック片から作成された対照グループを使用して実行される、ステップと、
を含む方法。
【請求項19】
前記対照グループは、前記識別されたプラスチック片のそれぞれの捕捉された視覚画像データから構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記フラクションは、有機および無機の元素または分子の特定の組み合わせから構成される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記複数の異なるセンサシステムは、近赤外線(「NIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、および蛍光X線(「XRF」)システムからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記異なるプラスチック片の混合物は、タイプ#1 ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、タイプ#2 高密度ポリエチレン(「HDPE」)、タイプ#3 ポリ塩化ビニル(「PVC」)、タイプ#4 低密度ポリエチレン(「LDPE」)、タイプ#5 ポリプロピレン(「PP」)、タイプ#6 ポリスチレン(「PS」)、タイプ#7 その他のポリマー、からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の異なるセンサシステムは、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える範囲など)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、示差走査熱量測定(「DSC」)、熱重量分析(「TGA」)、毛細管および回転レオメトリー、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM」)、およびクロマトグラフィー、からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、米国仮特許出願第63/146,892号および米国仮特許出願第63/173,301号に対する優先権を主張する。本出願は、米国特許出願第17/495,291号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第17/380,928号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第17/227,245号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第16/939,011号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第16/375,675号(米国特許第10,722,922号として発行)の継続出願であり、同出願は米国特許出願第15/963,755号(米国特許第10,710,119号として発行)の一部継続出願であり、同出願は米国仮特許出願第62/490,219号に対する優先権を主張するものであり、同出願は米国特許出願第15/213,129号(米国特許第10,207,296号として発行)の一部継続出願であり、同出願は米国仮特許出願第62/193,332号に対する優先権を主張するものであり、これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる。本出願は、米国特許出願第17/491,415号の一部継続出願でもあり、同出願は米国特許出願第16/852,514号の一部継続出願であり、同出願は米国特許出願第16/358,374号(米国特許第10,625,304号として発行)の分割出願であり、同出願は米国特許出願第15/963,755号(米国特許第10,710,119号として発行)の一部継続出願である。
【0002】
政府によるライセンス権
本開示は、米国エネルギー省から授与された助成金番号DE-AR0000422に基づく米国政府の支援を受けて行われた。米国政府は本開示に関して特定の権利を有し得る。
【0003】
本開示は、一般に固形廃棄物の分別に関し、特に都市廃棄物または産業固形廃棄物からのプラスチック片の分別に関する。
【背景技術】
【0004】
このセクションは、本開示の例示的な実施形態に関連する可能性のある技術の様々な側面を紹介することを目的としている。この議論は、本開示の特定の態様のより良い理解を促進する枠組みを提供するのに役立つと考えられる。したがって、このセクションはこの観点から読まれるべきであり、必ずしも先行技術を認めるものではないことを理解されたい。
【0005】
リサイクルとは、ゴミとして捨てられる材料(例えば、廃棄物の流れなど)を収集して処理し、新しい製品に変えるか、少なくともより適切な廃棄を可能にする処理である。埋め立て地に送られる廃棄物の量が減り、木材、水、鉱物などの天然資源が節約され、国内の材料源を活用することで経済的安全性が高まり、新しい原材料を収集する必要性が減ることで汚染が防止され、エネルギーが節約されるため、リサイクルは地域社会と環境に利益をもたらす。収集後、リサイクル可能物は材料回収施設(「MRF: material recovery facility」)に送られ、分別、洗浄され、製造に使用できる材料に加工される場合がある。その結果、高度に混合された廃棄物の流れを経済的に分別する高スループットの自動分別プラットフォームは、様々な業界全体に有益となるであろう。したがって、混合産業廃棄物または都市固形廃棄物の流れを高スループットで識別、分析、分離し、その後の処理のために高品質の原料(微量汚染物質のレベルが低い場合もある)を経済的に生成できる、費用対効果の高い分別プラットフォームが必要である。通常、MRFは多くの材料を区別できないため、分別された材料が低品質で低価格の市場に限定されるか、時間がかかりすぎ、労働集約的で非効率的であるため、経済的にリサイクルまたは回収できる材料の量が制限される。
【0006】
都市固形廃棄物(「MSW: Municipal Solid Waste」)は、家庭、商業、産業の発生源を含む廃棄物の流れを指す広義の用語である。これらの各カテゴリには、何千もの異なる材料や製品がある。EPAは、2017年に2億6,780万トンのMSWが発生したと報告した。3,537万トン、またはそのMSWの総重量の13.2%がプラスチックで構成されていた。3,537万トンのプラスチックのうち、296万トン(8.4%)がリサイクルされ、559万トン(15.8%)がエネルギー回収により燃焼され、2,682万トン(75.8%)が埋め立てられた。プラスチックのさらなるリサイクルが必要であることは明らかである。
【0007】
プラスチックリサイクルとは、プラスチック廃棄物を再処理して新しく有用な製品を作ることである。ほとんどすべてのプラスチックは非生分解性であり、環境中に蓄積されるため、リサイクルが必要である。現在、ほとんどすべてのリサイクルは、使用済みプラスチックを再溶解して新しいアイテムに再生することによって行われている:いわゆる機械的リサイクル。これは化学レベルでポリマーの劣化を引き起こす可能性があり、また、再処理する前にプラスチック廃棄物を色とポリマーのタイプの両方で分別する必要があり、これは複雑で高価である。これに失敗すると、材料の特性が不安定になる可能性があり、業界にとって魅力的ではない。原料リサイクルとして知られる代替アプローチでは、プラスチック廃棄物を元の化学物質に戻し、その後再処理して新しいプラスチックに戻すことができる。これにより、より大きなリサイクルが期待できるが、エネルギーコストと資本コストが高くなる。プラスチック廃棄物は、エネルギー回収の一環として化石燃料の代わりに燃やすこともできる。
【0008】
現在、一部のプラスチックのみがリサイクル可能である。プラスチックがリサイクルされる場合、通常は様々なタイプのプラスチックに分別される。リサイクル率はプラスチックのタイプによっても異なる。いくつかのタイプが一般的に使用されており、それぞれが異なる化学的および物理的特性を持っている。これにより、分別や再処理のしやすさに違いが生じ、回収材の価値や市場規模に影響を及ぼす。プラスチック製の包装および単一の材料で作られた製品(例えば、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、高密度ポリエチレン(「HDPE」)、ポリプロピレン(「PP」))は、より簡単にリサイクルできる。時にはリサイクル可能なプラスチックまたはほとんどリサイクル可能でないプラスチックには、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、低密度ポリエチレン(「LDPE」)、直鎖状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)、およびポリスチレン(「PS」)が含まれる。さらに、プラスチックは限られた回数しかリサイクルできない。
【0009】
最新の単一流MRFおよびプラスチックリクレーマでは、大量の材料が流入するため、材料を高速で移動および分類できる処理装置が必要である。同時に、最も純粋で汚染の少ない流れから最高の価値が得られる。これらのやや矛盾した目標を達成するために、今日の単一流MRFおよびリクレーマは、透過または反射のいずれかによる近赤外線(「NIR」)の特徴によってプラスチック包装を分類する自動装置を採用している。これらのセンサは外部光源からの光の反射に依存しており、材料の表面しか見ることができない。さらに、このセンサからはポリマー情報のみが取得される。例えば、NIR分光法では、透明で水色のPETである#1タイプのプラスチックと#2 HDPEを識別でき、#1 着色されたPET、#3 PVC、#4 LDPE、#5 PP、#6 PS、#7 多層ポリマー、複合ポリマー、アクリル、ナイロンなどのその他のプラスチックは拒否する。さらに、NIR分光法では、黒色または色の強いプラスチック、プラスチックでコーティングされた紙や多層包装(ポリマー多層フィルムで作られた)などの複合材料を正確に識別できないため、誤解を招く読み取り値が得られる可能性がある。ほとんどの黒いプラスチックはカーボンを使用して着色されている。黒色プラスチックは、自動車産業、電子機器、食品パッケージ、ビニル袋などで広く使用されている。しかし、黒色プラスチックは可視光を吸収するだけでなく、スペクトルの近赤外線部分も吸収するため、NIR分光法では見えなくなるという残念な副作用がある。したがって、「密かに」黒いプラスチックは、検出されずにコンベヤの端にある「種々雑多」の容器に送られ、エネルギーとして燃やされるか、埋め立て地に捨てられる。
【0010】
閉ループ、つまり一次リサイクルでは、廃プラスチックは同様の品質と種類の新しいアイテムにリサイクルされる(例えば、飲料ボトルを飲料ボトルに戻す)。しかし、品質を低下させずにプラスチックを継続的に機械的にリサイクルすることは、ポリマーの累積的な劣化と汚染物質の蓄積のリスクのため、非常に困難である。閉ループのリサイクルは多くのポリマーで研究されてきたが、これまでのところ工業的に成功しているのはペットボトルのリサイクルだけである。
【0011】
開ループまたは二次リサイクル(ダウンサイクルとも呼ばれる)では、プラスチックの品質はリサイクルされるたびに低下するため、材料は永久にリサイクルできず、最終的には廃棄物になる。ペットボトルをフリースやその他の繊維にリサイクルするのは一般的な例であり、PETリサイクルの大部分を占める。ポリマー品質の低下は、新製品を製造する際に再生プラスチックと未使用材料または相溶化プラスチックを混合することで相殺できる。
【0012】
熱硬化性ポリマーは溶融しないが、機械的にリサイクルする技術が開発されている。これには通常、材料を粉砕し、その後、ある種の結合剤と混合して新しい複合材料を形成することが含まれる。
【0013】
原料または三次リサイクル(化学的リサイクルとも呼ばれる)では、ポリマーは化学構成要素(モノマー)に還元され、その後、重合して新しいプラスチックに戻すことができる。熱解重合と化学的解重合は2つのタイプの原料リサイクルである。
【0014】
エネルギー回収は、エネルギーリサイクルまたは第四次リサイクルとも呼ばれ、化石燃料の代わりにプラスチック廃棄物を燃やしてエネルギーを生産する。
【0015】
鉄スクラップのリサイクルにおいて、特定の種類のプラスチックを(コークスの代わりに)炭素源として使用できる処理が開発された。粉砕プラスチックは、特定の用途で建設用骨材または充填材として使用される場合がある。
【0016】
プラスチック廃棄物は、廃棄物エネルギー処理において廃棄物由来燃料(「RDF: refuse-derived fuel」)として単純に燃焼される場合もあれば、最初に化学的に合成燃料に変換される場合もある。PVCは燃焼すると大量の塩化水素(HCl)を生成し、機器を腐食させ、燃料製品の望ましくない塩素化を引き起こす可能性があるので、どちらのアプローチでも、PVCは除外するか、二塩素化技術を導入して補う必要がある。
【0017】
混合プラスチック廃棄物を解重合して合成燃料を得ることができる。これは出発プラスチックよりも発熱量が高く、より効率的に燃焼できるが、依然として化石燃料より効率は劣る。様々な変換技術が研究されているが、その中で最も一般的なのは熱分解である。熱分解に触媒を使用すると、より明確な、より高い価値の製品が得られる。広く普及している焼却と比較して、プラスチックを燃料にする技術は、プラスチックの収集と分別のコストが高く、生成される燃料の価値が比較的低いため、歴史的に経済的に実現するのに苦労してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国公開特許出願第2022/0016675号
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Krizhevsky他、「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」、第25回神経情報処理システム国際会議議事録、2012年12月3~6日、ネバダ州レイクタホ
【非特許文献2】LeCun他、「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」、IEEE論文集、電気電子学会(IEEE)、1998年11月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上記の結果、これらをより効率的にリサイクルできるように、あらゆるタイプのプラスチックを分別する処理の改善、#3から#7タイプのプラスチックを分別する機能、PVCを分別する機能、およびプラスチックの混合物を新しい分類またはフラクションに分別する機能が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本開示の態様は、第1の材料片の第1の視覚画像を捕捉するステップであって、結果として第1の材料片に関する第1の画像データパケットが得られる、ステップと、第2の材料片の第2の視覚画像を捕捉するステップであって、結果として第2の材料片に関する第2の画像データパケットが得られ、第1の材料片は第1の化学的特徴を有し、第2の材料片は第1の化学的特徴とは異なる第2の化学的特徴を有する、ステップと、異なる化学的特徴を有する材料片を視覚的に識別することを事前に学習した機械学習システムを用いて、第1および第2の画像データパケットを処理するステップと、機械学習システムを用いて、異なる化学的特徴を有する材料片間の学習された視覚的識別に応じて、第1および第2の材料片を2つの異なる分類に分類するステップと、を含む方法を提供する。本方法は、分類に応じて第1の材料片を第2の材料片から分別するステップをさらに含み得る。材料片はプラスチック片であってもよい。第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから複数の異なるセンサシステムによって測定されたスペクトルデータであってもよく、第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから複数の異なるセンサシステムによって測定されたスペクトルデータであってもよい。スペクトルデータは、非可視スペクトルに関係していてもよい。複数の異なるセンサシステムは、近赤外線(「NIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、および蛍光X線(「XRF」)システムからなる群から選択されてもよい。複数の異なるセンサシステムは、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える範囲など)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、示差走査熱量測定(「DSC」)、熱重量分析(「TGA」)、毛細管および回転レオメトリー、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM」)、およびクロマトグラフィー、からなる群から選択されてもよい。第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含んでいてもよく、第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含んでいてもよい。プラスチック片は、タイプ#1 ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、タイプ#2 高密度ポリエチレン(「HDPE」)、タイプ#3 ポリ塩化ビニル(「PVC」)、タイプ#4 低密度ポリエチレン(「LDPE」)、タイプ#5 ポリプロピレン(「PP」)、タイプ#6 ポリスチレン(「PS」)、タイプ#7 その他のポリマー、からなる群から選択されてもよい。第1の材料片はポリ塩化ビニルを含んでいてもよい。2つの異なる分類は、異なるフラクションであってもよい。
【0022】
本開示の態様は、第1の材料片に関する第1の画像データパケットをもたらす第1の材料片の第1の視覚画像と、第2の材料片に関する第2の画像データパケットをもたらす第2の材料片の第2の視覚画像と、を捕捉するように構成されたカメラであって、第1の材料片は第1の化学的特徴を有し、第2の材料片は第1の化学的特徴とは異なる第2の化学的特徴を有する、カメラと、異なる化学的特徴を有する材料片を視覚的に識別することを事前に学習した機械学習システムを用いて、第1および第2の画像データパケットを処理するように構成されたデータ処理システムであって、機械学習システムは、異なる化学的特徴を有する材料片間の学習された視覚的識別に応じて、第1および第2の材料片を2つの異なるフラクションに分類する、データ処理システムと、フラクションに応じて第1の材料片を第2の材料片から分別するように構成された分別装置と、を備えるシステムを提供する。材料片はプラスチック片であってもよい。第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから複数の異なるセンサシステムによって測定された非可視スペクトルに関するスペクトルデータをであってもよく、第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルから複数の異なるセンサシステムによって測定された非可視スペクトルに関するスペクトルデータを含んでいてもよい。複数の異なるセンサシステムは、近赤外線(「NIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、および蛍光X線(「XRF」)システムからなる群からであってもよい。複数の異なるセンサシステムは、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(可視波長を超える範囲など)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、示差走査熱量測定(「DSC」)、熱重量分析(「TGA」)、毛細管および回転レオメトリー、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM」)、およびクロマトグラフィー、からなる群からであってもよい。第1の化学的特徴は、第1のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含んでいてもよく、第2の化学的特徴は、第2のプラスチック片と同じタイプのプラスチック片の少なくとも1つのサンプルからの有機および無機元素または分子の測定値を含んでいてもよく、プラスチック片は、タイプ#1 ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、タイプ#2 高密度ポリエチレン(「HDPE」)、タイプ#3 ポリ塩化ビニル(「PVC」)、タイプ#4 低密度ポリエチレン(「LDPE」)、タイプ#5 ポリプロピレン(「PP」)、タイプ#6 ポリスチレン(「PS」)、タイプ#7 その他のポリマー、からなる群から選択される。
【0023】
本開示の態様は、複数の異なるセンサシステムを使用して、異なるプラスチック片の混合物のそれぞれの化学的特徴を判定するステップと、各々のプラスチック片の視覚画像を捕捉するステップと、各プラスチック片の化学的特徴と視覚画像とをデジタル的に関連付けるステップと、プラスチック片を分別するための特定のフラクションを判定するステップと、視覚画像を使用して、混合物内のどのプラスチック片が特定のフラクションに該当する化学的特徴を持つかを識別するステップと、機械学習システムを訓練して、特定のフラクションに該当するプラスチック片を視覚的に識別するステップであって、訓練は、識別されたプラスチック片から作成された対照グループを使用して実行される、ステップと、を含む方法を提供する。対照グループは、識別されたプラスチック片のそれぞれの捕捉された視覚画像データから構成されてもよい。フラクションは、有機および無機の元素または分子の特定の組み合わせから構成されてもよい。複数の異なるセンサシステムは、近赤外線(「NIR」)、中波長赤外線(「MWIR」)、および蛍光X線(「XRF」)システムからなる群から選択されてもよい。異なるプラスチック片の混合物は、タイプ#1 ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、タイプ#2 高密度ポリエチレン(「HDPE」)、タイプ#3 ポリ塩化ビニル(「PVC」)、タイプ#4 低密度ポリエチレン(「LDPE」)、タイプ#5 ポリプロピレン(「PP」)、タイプ#6 ポリスチレン(「PS」)、タイプ#7 その他のポリマー、からなる群から選択されてもよい。複数の異なるセンサシステムは、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える範囲など)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法、示差走査熱量測定(「DSC」)、熱重量分析(「TGA」)、毛細管および回転レオメトリー、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM」)、およびクロマトグラフィー、からなる群から選択されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本開示の特定の実施形態に従って構成された分別システムの概略図である。
図2】機械学習システムの訓練段階で使用される材料片の制御セットの例示的な表現を示す図である。
図3】本開示の特定の実施形態に従って構成されたフローチャートを示す図である。
図4】本開示の特定の実施形態に従って構成された簡略化された概略図である。
図5】化学的特徴の例を示す図である。
図6】化学的特徴の例を示す図である。
図7】本開示の特定の実施形態に従って構成されたフローチャートを示す図である。
図8】本開示の特定の実施形態に従って構成されたフローチャートを示す図である。
図9】本開示の特定の実施形態に従って構成されたデータ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の様々な詳細な実施形態が本明細書に開示される。ただし、開示された実施形態は本開示の単なる例示であり、様々な代替形態で具体化され得ることを理解されたい。数値は必ずしも正確な縮尺ではなく、特定の構成要素の詳細を示すために、一部の機能が誇張されたり、最小化されたりする場合がある。したがって、本明細書に開示される特定の構造および機能の詳細は、限定として解釈されるべきではなく、本開示の様々な実施形態を使用することを当業者に教示するための代表的な基礎としてのみ解釈されるべきである。
【0026】
本明細書で使用される場合、「材料」には、金属(鉄および非鉄)、合金、プラスチック(本明細書に開示されている、業界で知られている、または将来新たに作成されるプラスチックを含むが、これらに限定されない)、ゴム、発泡体、ガラス(ホウケイ酸ガラスまたはソーダ石灰ガラス、および様々な色ガラスを含むがこれらに限定されない)、セラミック、紙、ボール紙、テフロン(登録商標)、PE、束線、絶縁被覆線、希土類元素、葉、木材、植物、植物の一部、繊維、バイオ廃棄物、包装、電子廃棄物、バッテリーと蓄電池、使用済み車両、鉱山、建設、解体廃棄物、農作物廃棄物、森林残渣、目的栽培の草、木質エネルギー作物、微細藻類、都市部の食品廃棄物、食品廃棄物、有害な化学廃棄物および生物医学廃棄物、建設廃材、農場廃棄物、生物起源の物品、非生物起源の物品、特定の炭素含有量を有する物体、都市固形廃棄物内で見つかる可能性のあるその他の物体、および、本明細書に開示されているセンサ技術のいずれかを含むが、これに限定されない、1つまたは複数のセンサシステム(を含むがこれらに限定されない)によって、相互に区別できる前述のいずれかのさらなるタイプまたはクラスを含む、本明細書に開示される他の任意の物体、物品、または材料、を含むがこれらに限定されない、あらゆる品目または物体が含まれ得る。
【0027】
「材料」には、化学元素、化学元素の化合物または混合物、または化学元素の化合物または混合物の化合物または混合物で構成される任意の品目または物体が含まれ得、化合物または混合物の複雑さは、単純なものから複雑なものまであり得る。本明細書で使用される場合、「元素」とは、本出願の出願日以降に発見される可能性のある元素を含む、元素の周期表の化学元素を意味する。本開示内では、「スクラップ」、「スクラップ片」、「材料」、および「材料片」という用語は同じ意味で使用される場合がある。
【0028】
業界でよく知られているように、「ポリマー」とは、多くの繰り返しサブユニットから構成される非常に大きな分子または高分子で構成される物質または材料である。ポリマーは、自然界に見られる天然ポリマーまたは合成ポリマーであり得る。
【0029】
「多層ポリマーフィルム」は2つ以上の異なる組成から構成され、最大約7.5-8×10-4mの厚さを有する場合がある。層は少なくとも部分的に連続しており、好ましくは、しかし場合によっては同一の広がりを持っている。
【0030】
本明細書で使用される場合、用語「プラスチック」、「プラスチック片」、および「プラスチック材料片」(これらはすべて互換的に使用され得る)は、1つまたは複数のポリマーのポリマー組成物および/または多層ポリマーフィルムを含むか、またはそれから構成される任意の物体を指す。
【0031】
本明細書で使用される場合、「化学的特徴」という用語は、サンプル中の1つまたは複数の特定の元素または分子(ポリマーを含む)の存在を示す、1つまたは複数の分析機器によって生成される固有のパターン(指紋スペクトルなど)を指す。要素または分子は有機および/または無機の場合がある。このような分析機器には、本明細書に開示されているセンサシステムのいずれかが含まれる。本開示の実施形態によれば、本明細書に開示される1つまたは複数のセンサシステムは、材料片(例えば、プラスチック片)の化学的特徴を生成するように構成され得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、「フラクション」とは、本明細書に開示されているプラスチックの様々な分類およびタイプのすべてを含む、有機および/または無機の要素または分子、ポリマーのタイプ、プラスチックのタイプ、ポリマー組成、プラスチックの化学的特徴、プラスチック片の物理的特性(例えば、色、透明度、強度、融点、密度、形状、大きさ、製造タイプ、均一性、刺激に対する反応など)の特定の組み合わせを指す。フラクションの非限定的な例は、LDPEに比較的高い割合のアルミニウムを加えたもの;LDPEおよびPPに、比較的低い割合の鉄を加えたもの;PPに亜鉛を加えたもの;PE、PET、HDPEの組み合わせ;あらゆるタイプの赤色のLDPEプラスチック片;PVCを除くプラスチック片の任意の組み合わせ;黒色のプラスチック片;有機分子と無機分子の指定された組み合わせを含む#3~#7タイプのプラスチックの組み合わせ;1つまたは複数の異なるタイプの多層ポリマーフィルムの組み合わせ;特定の汚染物質や添加剤を含まない特定のプラスチックの組み合わせ;指定された閾値を超える融点を持つあらゆるタイプのプラスチック;複数の特定のタイプの熱硬化性プラスチック;塩素を含まない特定プラスチック;同様の密度を持つプラスチックの組み合わせ;同様の極性を持つプラスチックの組み合わせ;キャップが取り付けられていないペットボトル、またはその逆、を含む1つまたは複数の異なるタイプのプラスチック片である。
【0033】
「接触熱分解」には、酸素の不在下で触媒の存在下でポリマー材料を加熱することによるポリマー材料の分解が含まれる。
【0034】
「所定の」という用語は、事前に確立または決定されたものを指す。
【0035】
「スペクトル撮像」とは、電磁スペクトル全体にわたる複数の帯域を使用する撮像である。通常のカメラは、可視スペクトルの赤、緑、青(RGB)の3つの波長帯域にわたる光を捉えるが、スペクトル撮像には、RGBを含むがそれを越える様々な技術が含まれる。スペクトル撮像では、赤外線、可視、紫外線、および/またはX線スペクトル、または上記の組み合わせが使用され得る。スペクトルデータ、またはスペクトル画像データは、スペクトル画像のデジタルデータ表現である。スペクトル撮像には、可視帯域と非可視帯域のスペクトルデータの同時取得、可視範囲外からの照明、または特定のスペクトル範囲を捕捉するための光学フィルタの使用が含まれ得る。スペクトル画像の各ピクセルについて数百の波長帯域を捕捉することも可能である。
【0036】
本明細書で使用される「画像データパケット」という用語は、個々の材料片の取り込まれたスペクトル画像に関するデジタルデータのパケットを指す。
【0037】
本明細書で使用される「識別する」および「分類する」という用語、「識別」および「分類」という用語、およびそれらの派生語は、同じ意味で使用される場合がある。本明細書で使用される場合、材料片を「分類する」とは、その材料片が属する材料のタイプまたはクラスを決定する(すなわち、識別する)ことを意味する。例えば、本開示の特定の実施形態によれば、センサシステム(本明細書でさらに説明する)は、材料を分類するためのあらゆるタイプの情報を収集および分析するように構成することができ、分別システム内で分類を利用して、色、質感、色相、形状、明るさ、重量、密度、組成、サイズ、均一性、製造タイプ、化学的特徴、所定の割合、放射性の特徴、光、音、またはその他の信号の透過率、材料片の放射および/または反射電磁放射(「EM」)を含む、様々な分野などの刺激に対する反応を含むが、これらに限定されない、1つまたは複数の物理的および/または化学的特性(例えば、ユーザ定義可能)のセットに応じて材料片を選択的に分別することができる。本明細書で使用される場合、「製造タイプ」とは、鍛造処理によって形成された金属部品、鋳造された金属部品(消耗型鋳造、永久型鋳造、および粉末冶金を含むがこれらに限定されない)、鍛造品、材料除去加工などのような材料片が製造された製造処理のタイプを指す。
【0038】
材料のタイプまたはクラス(つまり、分類)はユーザが定義可能であり、既知の材料分類に限定されない。タイプまたはクラスの粒度は、非常に粗いものから非常に細かいものまである。例えば、タイプまたはクラスには、粒度が比較的粗いタイプまたはクラスのプラスチック、セラミック、ガラス、金属、および他の材料、例えば、粒度がより細かいタイプまたはクラスの亜鉛、銅、真鍮、クロム板、アルミニウムなどの様々な金属および金属合金、または、粒度が比較的細かいタイプまたはクラスの特定のタイプのプラスチック間、が含まれ得る。したがって、タイプまたはクラスは、例えば、異なるタイプのプラスチック(例えば、#1~#7までのタイプのプラスチックのいずれか)のような著しく異なる組成の材料を区別するように、または、例えば、特定のプラスチックタイプに入り得る異なるサブクラスのプラスチックのようなほぼ同一の組成の材料を区別するように、構成され得る。本明細書で議論される方法およびシステムは、分類される前に組成が完全に不明である材料を正確に識別/分類するために適用できることを理解されたい。
【0039】
本開示の実施形態は、複数のセンサ技術と機械学習システムとの融合によってプラスチック分別機能を向上させる。各センサは狭い範囲の信号しか検出できないため、単一センサの使用からセンサベースの分別技術の限界が生じる。最も一般的な分別機センサのタイプは、渦電流、可視カメラ、X線透過、近赤外線、および蛍光X線(「XRF」)である。これらを次の表にまとめる。
【0040】
【表1】
【0041】
ただし、MSWのプラスチック片は、1つまたは複数の有機ポリマー、1つまたは複数の無機要素で構成され得、様々な色、形、サイズがある。これらのプラスチックの例には、ポテトチップスの袋、絞れるジュースの箱、一部の飲料の容器、電子機器の電磁波に敏感なパッケージが含まれる。本開示の実施形態は、これらの異なるタイプのプラスチックをそれらの有機ポリマー組成および/またはそれらの無機元素組成を説明できる独自の分類に分別することを達成できるセンサベースの技術を用いて、この廃棄物の流れから新規なフラクションを生成する。例えば、ポリマーと無機元素の相対組成に強い関心を持っている変換化学者は、1つまたは複数の新規なフラクションを選択し、そのようなフラクションに分別された再生プラスチックから特定の製品を作成できるようになる。結果として、本開示の実施形態に従って構成された分別システムは、既存の最先端の分別技術で可能なものを超えるフラクションを生成することができる。
【0042】
例えば、本開示の特定の実施形態は、#3~#7タイプのプラスチックの俵から所定のフラクションを分類および/または分別して、新しい製品(例えば、リサイクル方法による)および/または燃料を作成するように構成され得る。このようなフラクションの最終用途の例には、ガス(例えば、C1~C4など)、燃料(例えば、ガソリン、ディーゼルなど)、および減圧軽油が含まれるが、これらに限定されない。ただし、#3~#7タイプのプラスチックを有機元素組成と無機元素組成に基づいて分別することはこれまで成功したことがない。
【0043】
本開示の実施形態は、以下および本開示内の他の場所で開示される特性またはタイプの様々な異なる所定のフラクションまたは組み合わせに従ってプラスチック材料片を分類するように構成され得る。
【0044】
プラスチックはその特徴に応じて、化学構造、極性、用途などにより3タイプに分類される。
【0045】
プラスチックは、化学構造と温度挙動に従って、熱可塑性プラスチック、熱硬化性樹脂、エラストマーに分類され得る。
【0046】
極性に関しては、異なる性質の原子が存在すると、電子が共有結合で最も電気陰性の高い原子に向かって移動し、双極子が生じる。CI、O、N、Fなどの極度に電気陰性度の高い原子を含むポリマーは極性化合物となり、材料の特性に影響を与える。極性が高くなると、機械的抵抗、硬度、剛性、耐熱性、吸水・吸湿性、耐薬品性が向上するほか、水蒸気などの極性化合物の透過性や金属との接着性・密着性も向上する。同時に、極性の増加により、熱膨張、電気絶縁能力、静電荷が蓄積する傾向、極性分子(O、N)の透過性が低下する。このようにして、ポリオレフィン、ポリエステル、アセタール、ハロゲン化ポリマーなどの異なるファミリーを区別することができる。
【0047】
用途に応じて、熱可塑性プラスチック材料に第3の分類が適用される。この第3の分類には4タイプのプラスチックがある。
【0048】
標準的なプラスチックまたは商品:価格と様々な点で優れた特性があるため、大量に製造および使用されているプラスチック。例としては、ポリエチレン(「PE」)、ポリプロピレン(「PP」)、ポリスチレン(「PS」)、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、またはアクリロニトリルブタジエンスチレン(「ABS」)のコポリマーがある。
【0049】
エンジニアリングプラスチック:優れた構造、透明性、自己潤滑性、および熱特性が必要な場合に使用される。例としては、ポリアミド(「PA」)、ポリアセタール(「POM」)、ポリカーボネート(「PC」)、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリフェニレンエーテル(「PPE」)、およびポリブチレンテレフタレート(「PBT」)がある。
【0050】
特殊プラスチック:高い透明性と耐光性を有するポリメチルメタクリレート(「PMMA」)や、温度や化学製品に対する耐性に優れたポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標))など、非常に特殊な特性を持っている。
【0051】
高性能プラスチック:主に耐熱性の高い熱可塑性プラスチック。言い換えれば、高温、特に150°Cまでの優れた機械的耐性を備えている。ポリイミド(「PI」)、ポリスルホン(「PSU」)、ポリエーテルスルホン(「PES」)、ポリアリールスルホン(「PAS」)、ポリフェニレンサルファイド(「PPS」)、および液晶ポリマー(「LCP」)は高性能プラスチックである。
【0052】
多くのプラスチック製品には、それらが作られる元となるポリマーのタイプを示す記号が付いている。これらの樹脂識別コードは、RICと略されることが多く、国際的に使用されている。コードは全部で7つあり、そのうち6つは最も一般的な汎用プラスチックのタイプに対応し、1つはその他すべてを網羅するものである。これらのタイプは、本明細書ではポリマータイプ#1~#7とも呼ばれる。ポリマータイプ#1はポリエチレンテレフタレート(「PET」)を指し、#2は高密度ポリエチレン(「HDPE」)を指し、#3はポリ塩化ビニル(「PVC」)を指し、#4は低密度ポリエチレン(「LDPE」)を指し、#5はポリプロピレン(「PP」)を指し、#6はポリスチレン(「PS」)を指し、#7は、ポリマータイプ#1~#6に含まれない他のポリマー(例えば、アクリル、ポリカーボネート(「PC」)、ポリ活性繊維、ポリ乳酸、ナイロン、ガラス繊維、ABS)を指す。EUも同様の9コードリストを維持しており、これにはABSとポリアミドも含まれている。
【0053】
PETプラスチックは、飲料ボトル、薬瓶、ロープ、衣類、カーペット繊維など、多くの一般的な家庭用品の製造に使用されている。HDPEプラスチックは、牛乳、モーターオイル、シャンプーおよびコンディショナ、石鹸ボトル、洗剤、漂白剤の容器の製造によく使用される。PVCはあらゆる種類のパイプやタイルに使用され、最も一般的には配管パイプで使用される。LDPE製品には、ラップフィルム、サンドイッチバッグ、絞り可能なボトル、食料品用のプラスチック袋などが含まれる。PPは弁当箱、マーガリン容器、ヨーグルトポット、シロップ瓶、薬瓶、ペットボトルキャップの製造に使用されている。ポリスチレン製品には、使い捨てコーヒーカップ、プラスチック製食品箱、プラスチック製カトラリー、および包装用フォームが含まれる。ポリカーボネートは哺乳瓶、CD、医療用保存容器などに使用されている。したがって、本開示の実施形態によれば、機械学習システムを実装した視覚システムは、製造された製品のタイプに基づいて、これらの異なるタイプのプラスチックを識別し、分別するように訓練することができる。
【0054】
プラスチック片は、含まれ得る添加剤のタイプに応じて分類され得る。添加剤は、性能を向上させるためにプラスチックにブレンドされる化合物であり、安定剤、充填剤、染料が含まれる。透明なプラスチックはまだ染色されている可能性があるため最も価値が高くなるが、黒または色の強いプラスチックは、それらが含まれると製品が変色する可能性があるため、価値がはるかに低くなる。したがって、リサイクルに適した材料を得るには、プラスチックをポリマーのタイプと色の両方で分別する必要があるかもしれない。
【0055】
プラスチックは密度に基づいて分類および分別することもできる。特定のポリマーは同様の密度範囲を持っている(例えば、PPとPE、またはPET、PS、およびPVC)。プラスチック片に高い割合の充填材が含まれている場合、密度に影響を与える可能性がある。
【0056】
プラスチック廃棄物は、産業スクラップ(産業廃棄物樹脂とも呼ばれる)と使用済み廃棄物の2つのカテゴリに大別できる。
【0057】
プラスチック片は、リサイクルされ得る方法に応じて分類/分別され得る。機械的リサイクル中、プラスチックはポリマーのタイプに応じて150~320°Cの温度で再処理される場合があり、これによりポリマーの劣化を引き起こす望ましくない化学反応が発生する可能性がある。これにより、プラスチックの物理的特性と全体的な品質が低下し、揮発性の低分子量化合物が生成され、望ましくない味や臭いが生じたり、熱による変色を引き起こしたりする可能性がある。したがって、本開示の実施形態は、そのような望ましくない化学反応が回避されるように、プラスチック片を分類および分別するように構成され得る。プラスチック内に存在する添加剤はこの劣化を促進する可能性がある。例えば、プラスチックの生分解性を向上させることを目的としたオキソ生分解性添加剤は、熱劣化の度合いを高める可能性がある。同様に、難燃剤も望ましくない影響を与える可能性がある。したがって、本開示の実施形態は、そのような添加剤の特定のものを含むプラスチック片が廃棄されるように、プラスチック片を分類および分別するように構成され得る。
【0058】
製品の品質は、プラスチックがどの程度適切に分別されたかにも大きく依存し得る。多くのポリマーは溶融時に互いに混和せず、再処理中に相分離する(油と水のように)。このようなブレンドから作られた製品には、異なるタイプのポリマー間に多くの境界が含まれており、これらの境界を越える凝集力が弱いため、機械的特性が低下する。したがって、本開示の実施形態は、特定の不混和性プラスチック片が一緒に同じグループに分別されないように、プラスチック片を分類および分別するように構成され得る。
【0059】
本開示の特定の実施形態に従って本明細書に記載されるシステムおよび方法は、複数の材料片の不均一混合物(例えば、本明細書に開示される様々なプラスチックの任意の組み合わせ)を受け取り、この不均一混合物内の少なくとも1つの材料片は、1つまたは複数の他の材料片とは異なる元素の組成(例えば、化学的特徴)を含み、および/またはこの不均一混合物内の少なくとも1つの材料片は、他の材料片から区別可能であり(例えば、視覚的に識別可能な特性または特徴、異なる化学的特徴など)、そして、システムおよび方法は、この材料片をそのような他の材料片とは別のグループに識別/分類/分別するように構成されている。本開示の実施形態は、本明細書で定義される材料、またはフラクションの任意のタイプまたはクラスを分別するために利用され得る。
【0060】
本開示の実施形態は、ユーザ定義のグループ化(例えば、材料タイプの分類やフラクション)に応じて、材料片を個別の容器またはビンに物理的に配置(例えば、方向転換または排出)することによって、材料片をそのような別個のグループに分別するものとして本明細書で説明される。一例として、本開示の特定の実施形態では、材料片は、他の材料片の物理的特性から区別可能な物理的特性(例えば、視覚的に識別可能な特性または特徴、異なる化学的特徴など)を有する材料片を分離するために、別個のビンに分別され得る。
【0061】
図1は、本開示の様々な実施形態に従って構成されたシステム100の例を示す。コンベヤシステム103は、個々の材料片101の1つまたは複数の流れをシステム100を通して搬送するように実装され得、それにより、個々の材料片101のそれぞれを追跡し、分類し、所定の所望のグループに分別することができる。このようなコンベヤシステム103は、材料片101が典型的には所定の一定速度で移動する1つまたは複数のコンベヤベルトを用いて実装され得る。ただし、本開示の特定の実施形態は、材料片がシステム100の様々な構成要素(または任意の他のタイプの垂直分別機)を自由落下するシステム、または振動コンベヤシステムを含む、他のタイプのコンベヤシステムで実装されてもよい。以下、該当する場合、コンベヤシステム103はコンベヤベルト103とも呼ばれ得る。1つまたは複数の実施形態では、伝達、刺激、検出、分類、および分別する動作の一部またはすべては、自動的に、すなわち人間の介入なしに実行されてもよい。例えば、システム100では、1つまたは複数の刺激源、1つまたは複数の放射検出器、分類モジュール、分別装置、および/または他のシステム構成要素は、これらおよび他の操作を自動的に実行するように構成され得る。
【0062】
さらに、図1はコンベヤシステム103上の材料片101の単一の流れを示しているが、本開示の実施形態は、複数のそのような材料片の流れがシステム100の様々な構成要素を互いに並行して通過するように実装され得る。例えば、米国特許第10,207,296号にさらに記載されているように、材料片は、単一のコンベヤベルト、または一組の平行なコンベヤベルト上を移動する2つ以上の平行な個別化された流れに分配され得る。したがって、本開示の特定の実施形態は、複数のそのような並行して移動する材料片の流れを同時に追跡、分類、および分別することができる。本開示の特定の実施形態によれば、シンギュレータの組み込みまたは使用は必要ない。代わりに、コンベヤシステム(例えば、コンベヤシステム103)は、単にランダムな方法でコンベヤシステム103上に堆積された材料片の塊を搬送してもよい。
【0063】
本開示の特定の実施形態によれば、ある種の適切なフィーダ機構(例えば、別のコンベヤシステムまたはホッパ102)を利用して、材料片101をコンベヤシステム103上に供給することができ、それにより、コンベヤシステム103は、材料片101をシステム100内の様々な構成要素を通過させて搬送することができる。材料片101がコンベヤシステム103によって受け取られた後、任意選択のタンブラ/バイブレータ/シンギュレータ106を利用して、材料片の集合から個々の材料片を分離することができる。本開示の特定の実施形態では、コンベヤシステム103は、コンベヤシステムモータ104によって所定の速度で移動するように動作する。この所定の速度は、任意の周知の方法でオペレータによってプログラム可能および/または調整可能であってもよい。代替的に、コンベヤシステム103の所定の速度の監視は、位置検出器105を用いて実行されてもよい。本開示の特定の実施形態では、コンベヤシステムモータ104および/または位置検出器105の制御は、自動制御システム108によって実行されてもよい。このような自動化制御システム108は、コンピュータシステム107の制御下で動作させることができ、および/または自動化制御を実行するための機能をコンピュータシステム107内のソフトウェアで実装することができる。
【0064】
コンベヤシステム103は、ベルトコンベヤを所定の速度で移動させるのに適した従来の駆動モータ104を使用する従来のエンドレスベルトコンベヤであってもよい。位置検出器105は、従来のエンコーダであってもよく、コンベヤシステム103および自動制御システム108に動作可能に結合されて、コンベヤベルトの動き(例えば、速度)に対応する情報を提供してもよい。したがって、本明細書でさらに説明するように、コンベヤシステム駆動モータ104および/または自動制御システム108(あるいは位置検出器105を含む)への制御の利用を通じて、コンベヤシステム103上を移動する材料片101のそれぞれが識別されると、それらは、(システム100の様々な構成要素に対して)位置および時間によって追跡することができるため、各材料片101がその近傍を通過するときにシステム100の様々な構成要素を起動/停止することができる。その結果、自動制御システム108は、材料片101がコンベヤシステム103に沿って移動する間に、材料片101のそれぞれの位置を追跡することができる。
【0065】
再び図1を参照すると、本開示の特定の実施形態は、コンベヤシステム103上を移動する材料片101のそれぞれを追跡する手段として、視覚または光学認識システム110および/または材料片追跡装置111を利用することができる。視覚システム110は、1つまたは複数の静止画カメラまたは実写カメラ109を利用して、移動コンベヤシステム103上の材料片101のそれぞれの位置(すなわち、位置およびタイミング)を記録することができる。視覚システム110は、本明細書でさらに説明されるように、材料片101のすべてまたは一部の特定のタイプの識別(例えば、分類)を実行するようにさらにまたは代替的に構成されてもよい。例えば、そのような視覚システム110は、材料片101のそれぞれについての情報を捕捉または取得するために利用され得る。例えば、視覚システム110は、本明細書に記載されるように、材料片101を1つまたは複数の特性(例えば、物理的および/または化学的および/または放射性物質など)のセットに応じて分類し、および/または選択的に分別するために、システム100内で利用できる材料片から任意のタイプの情報を捕捉または収集するように(例えば、機械学習システムを用いて)構成され得る。本開示の特定の実施形態によれば、視覚システム110は、例えば、一般的なデジタルカメラやビデオ機器で使用されている光学センサを使用することにより、材料片101のそれぞれの視覚画像(一次元、二次元、三次元、またはホログラフィック画像を含む)を捕捉するように構成され得る。光学センサによって捕捉されたこのような視覚画像は、画像データとしてメモリデバイスに保存される(例えば、画像データパケットとして初期化される)。本開示の特定の実施形態によれば、そのような画像データは、光の光学波長(すなわち、典型的な人間の目によって観察可能な光の波長)内で捕捉された画像を表すことができる。ただし、本開示の代替実施形態は、人間の目の視覚波長の外側の光の波長で構成される材料の画像を捕捉するように構成されたセンサシステムを利用することができる。
【0066】
本開示の特定の実施形態によれば、システム100は、材料片101を分類/識別するために、単独で、または視覚システム110と組み合わせて利用することができる、1つまたは複数のセンサシステム120を用いて実装することができる。センサシステム120は、照射または反射された電磁放射を利用するセンサシステム(例えば、赤外線(「IR」)、フーリエ変換IR(「FTIR」)、前方監視赤外線(「FLIR」)、超近赤外線(「VNIR」)、近赤外線(「NIR」)、短波長赤外線(「SWIR」)、長波長赤外線(「LWIR」)、中波長赤外線(「MWIR」または「MIR」)、X線透過(「XRT」)、ガンマ線、紫外線(「UV」)、蛍光X線(「XRF」)、レーザー誘起ブレークダウン分光法(「LIBS」)、ラマン分光法、アンチストークスラマン分光法、ガンマ線分光法、ハイパースペクトル分光法(例えば、可視波長を超える任意の範囲)、音響分光法、NMR分光法、マイクロ波分光法、テラヘルツ分光法を利用し、上記のいずれかを用いた一次元、二次元、または三次元撮像を含む)を含む、または化学的または放射性物質を含むがこれらに限定されない任意の他のタイプのセンサ技術による、プラスチック片の化学的特徴を判定し、および/または分別するためにプラスチック片を分類するための任意のタイプのセンサ技術を用いて構成され得る。例示的なXRFシステム(例えば、本明細書のセンサシステム120として使用するためのもの)の実装は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。XRFは、本開示の実施形態内で、プラスチック片内の無機材料を識別するために(例えば、化学的特徴内に含めるために)使用することができる。
【0067】
以下のセンサシステムも、本開示の特定の実施形態内で、プラスチック片の化学的特徴を判定し、および/またはプラスチック片を分別するべく分類するために使用され得る。
【0068】
以前に開示された様々な形式の赤外分光法を利用して、任意のプラスチック材料のベースポリマーおよび材料中に存在する他の成分(鉱物質充填材、コポリマー、ポリマーブレンドなど)に関する情報を提供する、各プラスチック片に特有の化学的特徴を得ることができる。
【0069】
示差走査熱量測定(「DSC: Differential Scanning Calorimetry」)は、分析対象の材料の加熱中に生成される、各材料に特有の熱転移を取得する熱分析手法である。
【0070】
熱重量分析(「TGA: Thermogravimetric analysis」)は、ポリマーの割合、その他の有機成分、鉱物充填剤、カーボンブラックなどに関するプラスチック材料の組成に関する定量的な情報をもたらすもう1つの熱分析手法である。
【0071】
キャピラリーおよび回転レオメトリーは、ポリマー材料のクリープ抵抗と変形抵抗を測定することにより、ポリマー材料のレオロジー特性を判定できる。
【0072】
光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡(「SEM: scanning electron microscopy」)は、多層材料(例えば、多層ポリマーフィルムなど)の層の数と厚さ、ポリマーマトリックス中の顔料またはフィラー粒子の分散サイズ、コーティングの欠陥、成分間の界面形態などに関して分析された材料の構造に関する情報を提供することができる。
【0073】
クロマトグラフィー(LC-PDA、LC-MS、LC-LS、GC-MS、GC-FID、HS-GCなど)は、残留モノマー、インクや接着剤の残留溶剤、劣化物質などに加え、UV安定剤、酸化防止剤、可塑剤、滑り止め剤などのプラスチック材料の微量成分を定量できる。
【0074】
図1は視覚システム110と1つまたは複数のセンサシステム120の組み合わせで示されているが、本開示の実施形態は、本明細書に開示されるセンサ技術のいずれか、または現在利用可能な、または将来開発される他のセンサ技術を利用するセンサシステムの任意の組み合わせで実装され得ることに留意されたい。図1は、1つまたは複数のセンサシステム120を含むように示されているが、そのようなセンサシステムの実装は、本開示の特定の実施形態内では任意である。本開示の特定の実施形態では、視覚システム110と1つまたは複数のセンサシステム120の両方の組み合わせを使用して材料片101を分類することができる。本開示の特定の実施形態では、本明細書に開示される1つまたは複数の異なるセンサ技術の任意の組み合わせを使用して、視覚システム110を利用せずに材料片101を分類することができる。さらに、本開示の実施形態は、センサ/視覚システムの出力が、材料の不均一な混合物から材料を分類/識別するために、機械学習システム内で処理され(本明細書でさらに開示されるように)、その後相互に分別され得る1つまたは複数のセンサシステムおよび/または視覚システムの任意の組み合わせを含み得る。
【0075】
本開示の代替実施形態によれば、視覚システム110および/またはセンサシステムは、どの材料片101がシステム100によって分別される種類のもの(例えば、特定の汚染物質、添加物、または望ましくない物理的特徴を含むプラスチック片(例えば、容器とは異なるタイプのプラスチックで形成された付属の容器キャップ))、ではないかを識別し、そのような材料片を拒否する信号を送信するように構成され得る。このような構成では、識別された材料片101は、分別された材料片を個々のビンに物理的に方向転換させるための以下に説明する機構の1つを利用して方向転換/排出することができる。
【0076】
本開示の特定の実施形態では、材料片追跡装置111および付随する制御システム112は、移動コンベヤシステム103上の各材料片101の位置(すなわち、位置およびタイミング)とともに、材料片追跡装置111の近傍を通過する材料片101のそれぞれのサイズおよび/または形状を測定するように利用および構成され得る。このような材料片追跡装置111および制御システム112の例示的な動作は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。代替的に、以前に開示したように、視覚システム110は、コンベヤシステム103によって輸送される材料片101のそれぞれの位置(すなわち、位置およびタイミング)を追跡するために利用されてもよい。したがって、本開示の特定の実施形態は、材料片を追跡するための材料片追跡装置(例えば、材料片追跡装置111)なしで実装されてもよい。
【0077】
1つまたは複数のセンサシステム120を実装する本開示の特定の実施形態では、センサシステム120は、視覚システム110が材料片101のそれぞれの化学組成、相対的な化学組成、および/または製造タイプを、材料片101がセンサシステム120の近傍を通過するときに識別するのを支援するように構成され得る。センサシステム120は、例えば、材料片101のそれぞれからの応答を刺激するために、電源122によって電力を供給され得るエネルギー放出源121を含み得る。
【0078】
センサシステム120としてXRFシステムを実装する本開示の特定の実施形態によれば、線源121は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されているようなインラインX線蛍光(「IL-XRF」)管を含んでもよい。このようなIL-XRF管には、搬送される材料片の1つまたは複数の流れ(例えば、単一化)専用の別個のX線源が含まれ得る。このような場合、1つまたは複数の検出器124は、個別化された流れのそれぞれ内の材料片101からの蛍光X線を検出するXRF検出器として実装され得る。このようなXRF検出器の例は、米国特許第10,207,296号にさらに記載されている。
【0079】
本開示の特定の実施形態では、各材料片101が放射源121の近傍を通過するとき、センサシステム120は材料片101に向けて適切な感知信号を放射することができる。1つまたは複数の検出器124は、利用されるセンサ技術のタイプに適切な形式で材料片101から1つまたは複数の特性を感知/検出するように配置および構成され得る。1つまたは複数の検出器124および関連する検出器電子機器125は、これらの受信された感知された特性を捕捉して信号処理を実行し、感知された特性を表すデジタル化された情報(例えば、スペクトルデータ)を生成し、次に、デジタル化された情報は、本開示の特定の実施形態に従って分析され、視覚システム110が材料片101のそれぞれを分類するのを支援するために使用され得る。この分類は、コンピュータシステム107内で実行することができ、その後、決定された分類に従って材料片101を1つまたは複数のN(N>1)分別ビン136…139に分別(例えば、方向転換/排出)するための分別装置のN(N>1)個の分別装置126…129のうちの1つを作動させるために、自動制御システム108によって利用され得る。4つの分別装置126…129と、これらの分別装置に関連付けられた4つの分別ビン136…139が、単なる非限定的な例として図1に示されている。
【0080】
プラスチック用の既存の分別機は、材料をバイナリ方式で分別するように設計されており、コンベヤの端にあるエアノズルが、識別されたクラスのプラスチックを2つのビンのいずれかに排出する。例えば、4つのクラスのプラスチックを分離する必要がある場合、流れ全体をこのようなバイナリ分別器に4回別々に搬送する必要があり、これには流れ内の1つの物体を除去する場合の4倍の時間がかかる。本開示の実施形態によれば、システム100は、プラスチックの複数の分類を1回のパスで分別することを可能にする。
【0081】
分別装置は、材料片101をコンベヤベルトシステムから複数の分別ビンに方向転換することを含むがこれに限定されない、選択された材料片101を所望の場所に向けて方向転換するための任意の周知の機構を含んでいてもよい。例えば、分別装置はエアジェットを利用し、各エアジェットが1つまたは複数の分類に割り当てられてもよい。エアジェットの1つ(例えば、127)が自動制御システム108から信号を受信すると、そのエアジェットは、材料片101をコンベヤシステム103からそのエアジェットに対応する分別ビン(例えば、137)へと方向転換/排出させる空気流を放出する。
【0082】
コンベヤベルトから材料片をロボットで取り除く、コンベヤベルトから材料片を押し出す(例えば、ペイントブラシタイプのプランジャを使用)、コンベヤシステム103に材料片が落下する可能性のある開口部(例えば、トラップドア)を生じさせる、または、エアジェットを使用して、コンベヤベルトの端から材料片が落ちるときに材料片を別のビンに方向転換するなど、他のメカニズムを使用して材料片を方向転換/排出することもできる。プッシャ装置という用語は、本明細書で使用される場合、適切なタイプの機械的押し機構(ACMEスクリュードライブなど)、空気圧押し機構、またはエアジェット押し機構など、空気圧、機械式、またはその他の手段を使用して、コンベヤシステム/装置上またはコンベヤシステム/装置から物体を動的に移動させるために作動させることができる任意の形態の装置を指すことができる。いくつかの実施形態は、コンベヤシステムの経路に沿って、異なる位置に配置され、かつ/または異なる方向転換経路の向きを有する複数のプッシャ装置を含み得る。様々な異なる実装において、本明細書で説明するこれらの分別システムは、機械学習システムによって実行される材料片の分類に応じて、(存在する場合)どのプッシャ装置を起動するかを判定することができる。さらに、どのプッシャ装置を作動させるかの判定は、目標品目と同時にプッシャ装置の方向転換経路内に存在する可能性のある他の物体の検出された存在および/または特性に基づいてもよい。さらに、コンベヤシステムに沿ったシンギュレーションが完全ではない設備でも、開示された分別システムは、複数の物体が適切に分離されていないことを認識し、近接した物体を分離する可能性がある最適な方向転換経路を提供するプッシャ装置に基づいて、複数のプッシャ装置から起動すべきプッシャ装置を動的に選択することができる。いくつかの実施形態では、目標物体として識別された物体は、コンベヤシステムから方向転換されるべき材料を表し得る。他の実施形態では、目標物体として識別された物体は、非目標物体が代わりに方向転換されるように、コンベヤシステム上に残されることを許可されるべき材料を表す。
【0083】
材料片101が方向転換/排出されるN個の分別ビン136…139に加えて、システム100はまた、コンベヤシステム103から前述の分別ビン136…139のいずれかに分別/排出されなかった材料片101を受け入れる容器またはビン140を含んでもよい。例えば、材料片101は、材料片101の分類が判定されていない場合(または単に分別装置が材料片を適切に方向転換/排出できなかったために)、コンベヤシステム103からN個の分別ビン136…139のうちの1つに方向転換/排出されない可能性がある。したがって、ビン140は、未分類の材料片が投棄されるデフォルトの容器として機能する可能性がある。代替的に、ビン140は、N個の分別ビン136…139のいずれにも意図的に割り当てられていない材料片の1つまたは複数の分類を受け取るために使用されてもよい。これらの材料片は、他の特性に従って、および/または別の分別システムによってさらに分別されてもよい。
【0084】
所望の材料片の様々な分類に応じて、複数の分類を単一の分別装置および関連する分別ビンにマッピングできる。言い換えれば、分類と分別ビンの間に1対1の相関関係がある必要はない。例えば、ユーザは、材料の特定の分類を同じ分別ビンに分別することを希望する場合がある(例えば、フラクションに含まれる異なるプラスチックのタイプなど)。この分別を達成するために、材料片101が所定の分類グループ(例えば、フラクション)に該当するものとして分類されるとき、同じ分別装置が作動してこれらを同じ分別ビンに分別することができる。このような組み合わせの分別は、分別された材料片の任意の所望の組み合わせを生成するために適用され得る。分類のマッピングは、そのような所望の組み合わせを生成するために、ユーザによって(例えば、コンピュータシステム107によって操作される分別アルゴリズム(例えば、図7を参照)を使用して)プログラムされてもよい。さらに、材料片の分類はユーザ定義可能であり、材料片の任意の特定の既知の分類(例えば、本明細書で開示されるようなフラクション)に限定されない。
【0085】
コンベヤシステム103は、未分類の材料片がシステム100の先頭に戻され、再びシステム100を通過するように円形コンベヤ(図示せず)を含んでもよい。さらに、システム100は、コンベヤシステム103上を移動する各材料片101を具体的に追跡できるため、システム100による所定回数のサイクル(または材料片101がビン140に収集された)後にシステム100が分類に失敗しないように、材料片101を誘導/排出するために、何らかの分別装置(例えば、分別装置129)を実装することができる。
【0086】
本開示の特定の実施形態では、コンベヤシステム103は、第1のベルトが視覚システム110を通過する材料片を搬送し、第2のベルトが第2の分別のために実装されたセンサシステム120を通過して特定の分別された材料片を搬送する、例えば2つのベルトなど、直列に構成された複数のベルトに分割されてもよい。さらに、そのような第2のコンベヤベルトは、材料片が第1のベルトから第2のベルト上に落下するように、第1のコンベヤベルトよりも低い高さにすることができる。
【0087】
センサシステム120を実装する本開示の特定の実施形態では、発光源121は、検出領域の上(すなわち、コンベヤシステム103の上)に配置され得る。ただし、本開示の特定の実施形態は、依然として許容可能な感知/検出される物理的特性を生成する他の位置に発光源121および/または検出器124を配置してもよい。
【0088】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、様々なサイズおよび形状のいずれかを有する個々の材料片を分類および/または分別するために適用され得る。本明細書に記載されるシステムおよび方法は主に個々の材料片の分別に関連して説明されるが、本明細書に記載されるシステムおよび方法はそれに限定されない。このようなシステムおよび方法は、複数の材料からの放出を同時に刺激および/または検出するために使用され得る。例えば、単一化された材料の流れが1つまたは複数のコンベヤベルトに沿って直列に搬送されるのとは対照的に、複数の単一化された流れが並行して搬送されてもよい。各流れは、同じベルト上に存在していてもよいし、平行に配置された異なるベルト上に存在していてもよい。さらに、材料片は1つまたは複数のコンベヤベルト上に(例えば、それらにわたって、かつ沿って)ランダムに分散されていてもよい。したがって、本明細書に記載のシステムおよび方法は、複数の材料片を同時に刺激および/または材料片からの放射を検出するために使用することができる。換言すれば、各材料片が個別に考慮されるのではなく、複数の材料片が単一の部品として扱われ得る。したがって、複数の材料片をまとめて分類および分別することができる(例えば、コンベヤシステムから方向転換/排出される)。
【0089】
本明細書で説明されるシステムおよび方法は、主に材料片の分別に関連して説明されているが、そのようなシステムおよび方法はその用途に限定されない。これらは、材料片内の元素(例えば、汚染物質など)の識別や材料片の組成の判定など、他の用途に使用されてもよい。
【0090】
前述したように、本開示の特定の実施形態は、材料片を識別、追跡、および/または分類するために、1つまたは複数の視覚システム(例えば、視覚システム110)を実装することができる。本開示の実施形態によれば、このような視覚システムは、材料片を識別および/または分類および分別するために単独で動作してもよいし、材料片を識別および/または分類および分別するために1つまたは複数のセンサシステム(例えば、センサシステム120)と組み合わせて動作してもよい。分別システム(例えば、システム100)がそのような視覚システム110のみで動作するように構成されている場合、センサシステム120はシステム100から省略されてもよい(または単に停止されてもよい)。
【0091】
材料片の感知された特性/捕捉された情報のタイプに関係なく、次に、情報(例えば、画像データパケット)は、各材料片を識別および/または分類するために、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム107)に送信され、機械学習システムによって処理され得る。このような機械学習システムは、ニューラルネットワーク(例えば、人工ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、オートエンコーダ、強化学習など)、ファジーロジック、人工知能(「AI」)、深層学習アルゴリズム、深層構造化学習階層学習アルゴリズム、サポートベクターマシン(「SVM」)(例えば、線形SVM、非線形SVM、SVM回帰など)、決定木学習(例えば、分類と回帰木(「CART」)、アンサンブル手法(例えば、アンサンブル学習、ランダムフォレスト、バギングとペースト、パッチと部分空間、ブースティング、スタッキングなど)、次元削減(例えば、投影、多様体学習、主成分分析など)および/または深層機械学習アルゴリズム、参照により本明細書に組み込まれるdeeplearning.net Webサイト(このWebサイト内で参照されているすべてのソフトウェア、出版物、および利用可能なソフトウェアへのハイパーリンクを含む)に記載されており、そこで公開されているものなどを実装するものを含む、任意の周知の機械学習システムを実装することができる。本開示の実施形態内で利用することができる公的に入手可能な機械学習ソフトウェアおよびライブラリの非限定的な例としては、Python、OpenCV、Inception、Theano、Torch、PyTorch、Pylearn2、Numpy、Blocks、TensorFlow、MXNet、Caffe、Lasagne、Keras、Chainer、Matlab Deep Learning、CNTK、MatConvNet(コンピュータ視覚アプリケーション用の畳み込みニューラルネットワークを実装するMATLAB(登録商標)ツールボックス)、DeepLearnToolbox(深層学習用のMatlabツールボックス(Rasmus Berg Palm製))、BigDL、Cuda-Convnet(畳み込み(より一般的にはフィードフォワード)ニューラルネットワークの高速C++/CUDA実装)、Deep Belief Networks、RNNLM、RNNLIB-RNNLIB、matrbm、deeplearning4j、Eblearn.lsh、deepmat、MShadow、Matplotlib、SciPy、CXXNET、Nengo-Nengo、Eblearn、cudamat、Gnumpy、3方向因数分解RBMおよびmcRBM、mPoT(CUDAMatおよびGnumpyを使用して自然画像のモデルを訓練するPythonコード)、ConvNet、Elektronn、OpenNN、NeuralDesigner、Theano一般化ヘビアン学習、Apache Singa、Lightnet、およびSimpleDNNが挙げられる。
【0092】
本開示の特定の実施形態によれば、機械学習は2段階で実行され得る。例えば、最初に訓練が行われるが、この訓練は、材料片の実際の分類/分別を実行するためにシステム100が利用されないという点でオフラインで実行することができる(例えば、図3図4を参照)。システム100は、材料片(すなわち、同じタイプまたはクラスの材料を有するか、または同じ所定のフラクション内に入る)の均質なセット(本明細書では対照サンプルとも呼ばれる)が(例えば、コンベヤシステム103によって)システム100を通過し、また、そのようなすべての材料片は分別されない場合があるが、共通のビン(例えば、ビン140など)に収集される場合があるように、機械学習システムを訓練するために利用され得る。代替的に、訓練は、材料片の制御セットの感知情報(特性)を収集するための何らかの他の機構を使用することを含めて、システム100から離れた別の場所で実行されてもよい。この訓練段階では、機械学習システム内のアルゴリズムが、捕捉された情報から特徴を抽出する(例えば、当技術分野でよく知られている画像処理技術を使用して)。訓練アルゴリズムの非限定的な例には、線形回帰、勾配降下法、フィードフォワード、多項式回帰、学習曲線、正則化学習モデル、ロジスティック回帰が含まれるが、これらに限定されない。機械学習システム内のアルゴリズムが、材料とその特徴/特性(例えば、視覚システムおよび/またはセンサシステムによって捕捉されたもの)の間の関係を学習し、システム100によって受け取られ、その後、所望の分類によって分別され得る材料片の不均一混合物を後で分類するための知識ベースを作成するのは、この訓練段階である。このような知識ベースには、1つまたは複数のライブラリが含まれていてもよく、各ライブラリには、材料片を分類する際に機械学習システムによって利用されるパラメータ(例えば、ニューラルネットワークパラメータ)が含まれる。例えば、1つの特定のライブラリには、特定のタイプまたはクラスの材料、または所定のフラクションに該当する1つまたは複数の材料を認識および分類するために訓練段階によって構成されたパラメータが含まれ得る。本開示の特定の実施形態によれば、このようなライブラリを機械学習システムに入力することができ、システム100のユーザは、システム100の動作を調整するためにパラメータのうちの特定のパラメータを調整できる可能性がある(例えば、機械学習システムが材料の不均一混合物から特定の材料片をどの程度認識するかについての閾値有効性を調整する)。
【0093】
図2に示すように、訓練段階では、対照サンプルである材料の1つまたは複数の特定のタイプ、分類、またはフラクションの複数の材料片201は、機械学習システム内のアルゴリズムが、そのようなタイプまたはクラスの材料を表す特徴を検出、抽出、学習するよう、視覚システムおよび/または1つまたは複数のセンサシステムを通過して送達され得る(例えば、コンベヤシステム203によって)。例えば、材料片201のそれぞれは、機械学習システム内のアルゴリズムが、そのようなプラスチック片を検出、認識、分類する方法を「学習」(訓練)するように、そのような訓練段階を経た、特定のタイプ、クラス、または所定のフラクションの個々のプラスチック片であってもよい。視覚システム(例えば、視覚システム110)を訓練する場合、材料片を視覚的に識別するように訓練される。これにより、プラスチック材料の1つまたは複数の特定のタイプ、クラス、またはフラクションに特有のパラメータのライブラリが作成される。次に、同じ処理をプラスチック片の異なるタイプ、クラス、またはフラクションに対して実行し、そのタイプ、クラス、またはフラクションに特有のパラメータのライブラリを作成するなどのことができる。機械学習システムによって分類されるプラスチックのタイプ、クラス、またはフラクションごとに、そのタイプ、クラス、またはプラスチックのフラクションの任意の数の例示的なプラスチック片がシステムを通過し得る。捕捉された感知情報が入力データとして与えられると、機械学習システム内のアルゴリズムはN個の分類器を使用し、それぞれがN個の異なる材料タイプ、クラス、またはフラクションの1つをテストする。機械学習システムは、MSW内に見出される任意のタイプ、クラス、またはフラクション材料、または本明細書に開示される任意の他の材料を含む、材料の任意のタイプ、クラス、またはフラクションを検出するように「教育」(訓練)され得ることに留意されたい。
【0094】
アルゴリズムが確立され、機械学習システムが材料分類の違い(例えば、視覚的に識別できる違い)を十分に学習(訓練)した後(例えば、ユーザ定義の統計的信頼レベル内)、次いで、異なる材料分類のライブラリは、材料片の不均一混合物(例えば、MSW内に含まれるような)から材料片を識別および/または分類するために使用される材料分類/分別システム(例えば、システム100)に実装され、そして、分別が行われる場合には、そのような機密扱いの材料片を分別してもよい。
【0095】
機械学習システムを構築、最適化、利用するための技術は、関連文献に記載されているように当業者には既知である。このような文献の例には、次の出版物、すなわち、Krizhevsky他、「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」、第25回神経情報処理システム国際会議議事録、2012年12月3~6日、ネバダ州レイクタホ、およびLeCun他、「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」、IEEE論文集、電気電子学会(IEEE)、1998年11月、が含まれ、これらは両方とも、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0096】
1つの例示的な技術では、特定の材料片に関して視覚またはセンサシステムによって捕捉されたデータは、(機械学習システムを実装する(構成された)データ処理システム(例えば、図9のデータ処理システム3400)内で)データ値の配列として処理され得る。例えば、データは、特定の材料片に関してデジタルカメラまたは他のタイプのセンサシステムによって捕捉され、データ値の配列(例えば、画像データパケット)として処理されるスペクトルデータであってもよい。各データ値は、単一の数値で表すことも、値を表す一連の数値として表すこともできる。これらの値は、ニューロンの重みパラメータで乗算されてもよく(例えば、ニューラルネットワークを使用して)、バイアスが追加されてもよい。これはニューロンの非線形性に影響を与え得る。ニューロンによって出力された結果の数値は、この出力に後続のニューロンの重み値を乗算し、任意選択でバイアスを追加し、再びニューロンの非線形性に影響を与えることで、値と同じように扱うことができる。このような処理の各反復は、ニューラルネットワークの「層」として知られている。最終層の最終出力は、材料片に関連する捕捉されたデータ内に材料が存在するか存在しないかの確率として解釈され得る。このような処理の例は、前述の参考文献「ImageNet Classification with Deep Convolutional Networks」と「Gradient-Based Learning Applied to Document Recognition」の両方で詳しく説明されている。
【0097】
ニューラルネットワークが最終層(「分類層」)として実装される本開示の特定の実施形態によれば、ニューロンの出力の最終セットは、材料片が捕捉されたデータに関連付けられている可能性を表すように訓練される。動作中、材料片が捕捉されたデータに関連付けられている可能性がユーザ指定の閾値を超えている場合、材料片が捕捉されたデータに実際に関連付けられていると判定される。これらの技術を拡張して、特定の捕捉されたデータに関連付けられたあるタイプの材料の存在だけでなく、特定の捕捉されたデータのサブ領域が1つのタイプの材料に属するか、または別のタイプの材料に属するかを判定することもできる。この処理はセグメンテーションとして知られており、「完全畳み込み」ニューラルネットワークとして知られるニューラルネットワークや、完全に畳み込みではないにしても畳み込み部分を含む(すなわち、部分的に畳み込みである)ネットワークなど、ニューラルネットワークを使用する技術が文献に存在する。これにより、材料の位置およびサイズを判定できるようになる。
【0098】
本開示は機械学習技術にのみ限定されるものではないことを理解されたい。材料の分類/識別のための他の一般的な手法も使用できる。例えば、センサシステムは、マルチスペクトルカメラまたはハイパースペクトルカメラを使用した分光分析技術を利用して、材料のスペクトル放射(すなわち、スペクトル撮像)を調べることによってあるタイプ、クラス、またはフラクションの材料の存在または不在を示す信号を提供し得る。テンプレートマッチングアルゴリズムでは材料片のスペクトル画像も使用される場合があり、このアルゴリズムでは、スペクトル画像のデータベースが取得されたスペクトル画像と比較され、そのデータベースから特定のタイプの材料の有無が検出される。捕捉されたスペクトル画像のヒストグラムをヒストグラムのデータベースと比較することもできる。同様に、バッグオブワードモデルをスケール不変特徴変換(「SIFT」)などの特徴抽出技術とともに使用して、捕捉されたスペクトル画像とデータベース内のスペクトル画像との間で抽出された特徴を比較することもできる。
【0099】
したがって、本明細書に開示されているように、本開示の特定の実施形態は、どの材料片が定義されたグループ内のコンベヤシステムから方向転換されるべきかを判定するために、1つまたは複数の異なるタイプ、クラスまたはフラクションの材料の識別/分類を提供する。特定の実施形態によれば、機械学習技術は、材料の様々な1つまたは複数の異なるタイプ、クラス、またはフラクションを識別するためにニューラルネットワークを訓練する(すなわち、構成する)ために利用される。材料(例えば、コンベアシステム上を移動するもの)からスペクトル画像やその他のタイプの感知情報が捕捉され、そしてそのような材料の識別/分類に基づいて、本明細書に記載のシステムは、どの材料片をコンベヤシステム上に残しておき、どの材料片をコンベヤシステムから方向転換/除去すべきかを判定することができる(例えば、収集ビンに入れるか、別のコンベヤシステムに方向転換するかのいずれか)。
【0100】
本開示の特定の実施形態によれば、既存の設備(例えば、システム100)用の機械学習システムは、現在のニューラルネットワークパラメータのセットを新しいニューラルネットワークパラメータのセットに置き換えることによって、材料の新しいタイプ、クラス、またはフラクションの特性を識別/分類するために動的に再構成され得る。
【0101】
ここで言及すべき点の1つは、本開示の特定の実施形態によれば、材料片の検出/捕捉された特徴/特性 (例えば、スペクトル画像)は、必ずしも単に特に識別可能または識別可能な物理的特性である必要はなく、それらは、数学的にのみ表現できる抽象的な公式である場合もあれば、まったく数学的に表現できない場合もあり、それにもかかわらず、機械学習システムはスペクトルデータを解析して、訓練段階で制御サンプルを分類できるパターンを探すように構成され得る。さらに、機械学習システムは、材料片の捕捉された情報(例えば、スペクトル画像など)のサブセクションを取得し、事前に定義された分類間の相関関係を見つけようとし得る。
【0102】
本開示の特定の実施形態によれば、材料片の制御サンプルが視覚システムおよび/またはセンサシステムによって渡される訓練段階を利用する代わりに、機械学習システムの訓練は、ラベル付け/注釈技術を利用して実行でき、これにより、材料片のデータ/情報が視覚/センサシステムによって捕捉され、ユーザは、各材料片を識別するラベルまたは注釈であって、材料片の異種混合内で材料片を分類する際に機械学習システムが使用するライブラリの作成に使用されるラベルまたは注釈を入力する。
【0103】
図3図6を参照すると、本開示の実施形態は、有機および無機の化学組成によって分別され得るように、プラスチックの様々なタイプ、クラス、またはフラクションを一意に識別する方法で、複数のセンサ技術(例えば、視覚(「VIS」)、XRF、NIR、およびMWIRの任意の組み合わせ)を組み合わせるまたは融合する。ただし、MSW内のこれらのプラスチック片には様々なサイズや形状があるため、これらの様々なセンサから生成される信号には、センサ間で大きな差異があり得る。したがって、機械学習と様々なセンサ技術の融合を組み合わせることで、このような大きな分散が存在する場合でも、これらの信号の分類精度が向上する。システムに複数の異なるセンサを実装すると、システムのコストが増加し、分別速度も低下する可能性があるため、本開示の特定の実施形態は、より少ない数のセンサシステム(およびその結果としてより低い資本コストおよび運用コスト)を備えたシステム(例えば、システム100)を実装して、経済的実行可能性を高めるが、それでも材料を十分に分別することができる。
【0104】
図4は、材料片(例えば、プラスチック片)401が、各材料片401からスペクトルデータを捕捉するセンサシステムを通過してコンベヤシステム403によって搬送されるシステム(例えば、システム100)の簡略化した概略図を示す。この非限定的な例では、センサシステムは、各材料片401の可視画像データを捕捉するカメラ410(例えば、視覚システム110)、XRFシステム411、NIRシステム412、およびMWIRシステム413である。ただし、本明細書に開示されている任意の他のセンサシステムは、任意の組み合わせで利用できることに留意されたい。
【0105】
図3および図4を参照すると、1つまたは複数のセンサシステムを使用して処理ブロック301において材料の化学的特徴が判定される。センサシステムからの感知/検出/捕捉された信号は、材料ごとに(例えば、多次元データ配列で)組み合わされて、化学的特徴が作成される。XRFセンサシステムがプラスチック片内の無機元素または分子の存在を判定でき、一方で、NIRやMWIRなどの1つまたは複数の他のセンサシステムを組み合わせると、プラスチック片内の有機元素または分子の存在を判断できることを思い出されたい。処理ブロック302では、各材料片の可視画像が捕捉される。処理ブロック303では、各材料片の捕捉された可視画像(すなわち、それに関連する画像データ)が、その判定された化学的特徴(すなわち、スペクトル画像データ)と関連付けられる。図5および図6は、2つの異なるタイプのプラスチック材料(ポテトチップスの袋と電子機器のパッケージ)の化学的特徴および関連する画像データの非限定的な例示的な表現を示す。容易に分かるように、異なるタイプまたはクラスのプラスチック片は、異なる(固有の)化学的特徴を有し、これらは、プラスチック廃棄物の分別および/または分類(ユーザ定義であってもよい)を生成するために本開示の実施形態内で利用される。本開示の実施形態によれば、特定のタイプまたはクラスのプラスチック片の制御グループは、特定の化学的特徴を特定のタイプまたはクラスのプラスチック片に関連付けるよう機械学習システムを訓練するために、図4に示すシステムを通じて実行できる。
【0106】
例えば、図5に示す例に関しては、複数のポテトチップスの袋(物理的条件や向きが異なる袋、あるいはチップのブランドおよび/またはメーカーに関連付けられた袋も含まれる場合がある)から捕捉された画像は、機械学習システムを訓練するために処理されてもよい。
【0107】
処理ブロック304は、プラスチック片を1つまたは複数のフラクションに分離することを含み得る。これらのフラクションを作成するには様々な方法がある。1つの方法は、主要な要素に基づいて第1の層を作成し、次に軽微な要素に基づいて第2、さらには第3の層を作成することである。例えば、最初にポリマーのタイプによってフラクションを判定し、次にアルミニウムや亜鉛などの無機元素に分岐することができる。次に、ポリマーのブレンド用に他の例示的なフラクションを作成し、その無機元素組成に分岐することができる。このタイプのクラスタリングを実行してフラクションを判定するための、主成分分析、K平均法クラスタリング、教師なし学習および半半教師あり学習などの計算手法もある。本明細書においてさらにフラクションが定義される。
【0108】
処理ブロック305では、フラクションが判定された後、フラクションに関連するプラスチック片を(例えば手動で)分別して、各フラクションの対照グループを作成することができる。各フラクションはセンサシステムで測定されたため、各対照グループにはその片に関する化学情報が含まれている。視覚システム(例えば、視覚システム110)は、それらのフラクションを識別するように機械学習システムを訓練するために使用され得る。この方法を使用すると、プラスチック内の化学データが視覚的特徴に変換され、機械学習システムがそれを学習して分類できるようになる。また、システム100を使用して視覚画像に基づいて分類を実行すると、化学組成によってプラスチックも分離される。この方法は、2つの物体が異なって見え、異なる化学組成を持っている場合に機能する。2つの物体が同じか非常によく似ていて、化学組成が異なる場合、分類を実行するために2つ以上のセンサシステム(例えば、VISとXRFなど)が使用されてもよい。
【0109】
判定されたフラクションは、任意の所望の様々な特定の有機および/または無機元素または分子を構成し得るため、処理300は、異なるプラスチック片の不均一混合物を分別して、1つまたは複数の異なるタイプまたはクラスのプラスチック片を含む少なくとも1つのフラクションを生成するように構成されるように、分別システム内で実装される機械学習システムを訓練するために利用され得る。例えば、機械学習システムが、有機および/または無機の元素または分子の指定された組み合わせを含む任意のプラスチック片を識別するように訓練されている場合、分別が完了すると、分別されたフラクションには、すべてが同一ではないプラスチック片(つまり、各プラスチックチップバッグが、所定のフラクションによって定義される有機および/または無機要素または分子で構成されているため、チップの異なるブランドに関連する複数のプラスチックチップバッグ)が含まれている可能性がある。
【0110】
図7は、本開示の特定の実施形態による、視覚システムおよび/または1つまたは複数のセンサシステムを利用して材料片を分類/分別する処理3500の例示的な実施形態を示すフローチャート図を示す。処理3500は、プラスチック片の不均一混合物を所定のタイプ、クラス、および/またはフラクションの任意の組み合わせに分類するために実行され得る。処理3500は、図1のシステム100を含む、本明細書に記載される本開示の任意の実施形態内で動作するように構成され得る。処理3500の動作は、システム(例えば、図1のコンピュータシステム107、視覚システム110、および/またはセンサシステム120)を制御するコンピュータシステム(例えば、図9のコンピュータシステム3400)内を含むハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実行され得る。処理ブロック3501では、材料片は、コンベヤシステム上に堆積され得る。処理ブロック3502では、各材料片がシステム100を通って移動する際の各材料片を追跡するために、各材料片のコンベヤシステム上の位置が検出される。これは、視覚システム110によって(例えば、コンベヤシステム位置検出器(例えば、位置検出器105)と通信しながら、下にあるコンベヤシステム材料から材料片を区別することによって)実行され得る。代替的に、材料片を追跡するために材料追跡装置111を使用することもできる。または、光源(可視光、UV、およびIRを含むがこれらに限定されない)を生成でき、材料片の位置を特定するために使用できる検出器を備えたシステムを使用することもできる。処理ブロック3503では、材料片が視覚システムおよび/またはセンサシステムのうちの1つまたは複数の近くを移動すると、材料片の感知された情報/特性が捕捉/取得される。処理ブロック3504では、前述したような視覚システム(例えば、コンピュータシステム107内に実装される)は、捕捉された情報の前処理を実行してもよく、捕捉された情報を利用して材料片のそれぞれの情報を検出(抽出)することができる(例えば、背景(例えば、ベルトコンベア)から;言い換えれば、材料片と背景との違いを識別するために前処理が利用され得る)。拡張、閾値処理、輪郭化などのよく知られた画像処理技術を利用して、材料片を背景から区別できるものとして識別することができる。処理ブロック3505では、セグメンテーションが実行され得る。例えば、捕捉された情報には、1つまたは複数の材料片に関する情報が含まれ得る。さらに、画像が捕捉されるときに、特定の材料片がコンベアベルトの継ぎ目に位置する可能性がある。したがって、このような場合には、画像の背景から個々の材料片の画像を分離することが望ましい場合がある。処理ブロック3505の例示的な技術では、第1のステップは、画像の高コントラストを適用することであり、このようにして、背景ピクセルは実質的にすべて黒色のピクセルに減らされ、材料片に関する少なくとも一部のピクセルは実質的にすべて白色のピクセルにまで明るくされる。材料片の白い画像ピクセルは、材料片全体のサイズをカバーするように拡張される。このステップを完了すると、材料片の位置は、黒い背景にすべて白いピクセルが配置された高コントラストの画像になる。次に、材料片の境界を検出するために輪郭アルゴリズムが利用され得る。境界情報が保存され、境界位置が元の画像に転送される。次に、元の画像の、以前に定義した境界よりも大きい領域でセグメンテーションが実行される。このようにして、材料片が識別され、背景から分離される。
【0111】
任意選択の処理ブロック3506では、材料片は、各材料片を追跡するため、および/または材料片のサイズおよび/または形状を決定するために、材料片追跡装置および/またはセンサシステムの近くでコンベアシステムに沿って搬送されてもよく、これは、XRFシステムまたはその他の分光センサも分別システム内に実装されている場合に役立ち得る。処理ブロック3507では、後処理が実行され得る。後処理には、機械学習システムでの使用に備えて、捕捉された情報/データのサイズ変更が含まれ得る。この後処理には、材料片を分類する機械学習システムの機能を強化する方法で、特定の特性を変更する(例えば、画像のコントラストを強化する、画像の背景を変更する、フィルタを適用するなど)ことも含まれ得る。処理ブロック3509では、データのサイズが変更され得る。特定の状況下では、ニューラルネットワークなどの特定の機械学習システムのデータ入力要件に合わせてデータのサイズ変更が望まれる場合がある。例えば、ニューラルネットワークでは、一般的なデジタルカメラで捕捉された画像のサイズよりもはるかに小さい画像サイズ(例えば、225×255ピクセルまたは299×299ピクセル)が必要な場合がある。さらに、入力データのサイズが小さいほど、分類の実行に必要な処理時間は短くなる。したがって、データサイズが小さいほど、最終的にシステム100のスループットが向上し、その価値が増大し得る。
【0112】
処理ブロック3510および3511では、各材料片が感知/検出された特徴に基づいて識別/分類される。例えば、処理ブロック3510は、抽出された特徴を、以前に生成された知識ベース(例えば、訓練段階中に生成された)に格納された特徴と比較する、1つまたは複数の機械学習アルゴリズムを使用するニューラルネットワークで構成されていてもよく、そして、そのような比較に基づいて、最も一致する分類を材料片のそれぞれに割り当てる。機械学習システムのアルゴリズムは、自動的に訓練されたフィルタを使用して、捕捉された情報/データを階層的に処理し得る。フィルタ応答は、最終ステップで確率が得られるまで、アルゴリズムの次のレベルで正常に結合される。処理ブロック3511では、これらの確率をN個の分類のそれぞれに対して使用して、それぞれの材料片をN個の分別容器のどれに分別するべきかを判定することができる。例えば、N個の分類のそれぞれを1つの分別容器に割り当てることができ、検討中の材料片は、事前に定義された閾値より大きい確率を返す分類に対応するその容器に分別される。本開示の実施形態では、そのような所定の閾値は、ユーザによって事前設定されてもよい。いずれの確率も所定の閾値よりも大きくない場合、特定の材料片は外れ値容器(例えば、分別容器140)に分類されてもよい。
【0113】
次に、処理ブロック3512において、材料片の分類に対応する分別装置が起動される。材料片の画像が捕捉された時刻と分別装置が作動する時刻との間に、材料片が視覚システムおよび/またはセンサシステムの近くからコンベヤシステムの下流の位置に移動した(例えば、コンベヤシステムの搬送速度で)。本開示の実施形態では、分別装置の起動は、材料片がその材料片の分類にマッピングされた分別装置を通過するときに分別装置が起動し、材料片がコンベヤシステムから関連する分別容器に方向転換/排出されるようにタイミング調整される。本開示の実施形態では、分別装置の起動は、材料片が分別装置の前を通過するときを検出し、分別装置の起動を可能にする信号を送信するそれぞれの位置検出器によってタイミング調整され得る。処理ブロック3513では、起動された分別装置に対応する分別容器が、方向転換/排出された材料片を受け取る。
【0114】
図8は、本開示の特定の実施形態による、材料片を分別する処理800の例示的な実施形態を示すフローチャート図を示す。処理800は、図1のシステム100を含む、本明細書に記載される本開示の任意の実施形態内で動作するように構成され得る。処理800は、処理3500と連携して動作するように構成されてもよい。例えば、本開示の特定の実施形態によれば、処理ブロック803および804は、材料片を分類および/または分別するべく、機械学習システムと連携して実装される視覚システム110の取り組みを、機械学習システムと連携して実装されないセンサシステム(例えば、センサシステム120)と組み合わせるために、処理3500に組み込むことができる(例えば、処理ブロック3503~3510と直列または並列で動作する)。
【0115】
処理800の動作は、システム(例えば、図1のコンピュータシステム107)を制御するコンピュータシステム(例えば、図9のコンピュータシステム3400)内を含むハードウェアおよび/またはソフトウェアによって実行され得る。処理ブロック801では、コンベヤシステム上に材料片を堆積することができる。次に、任意選択の処理ブロック802において、材料片は、各材料片を追跡し、および/または材料片のサイズおよび/または形状を判定するために、材料片追跡装置および/または光学画像システムの近傍内でコンベヤシステムに沿って搬送され得る。処理ブロック803では、材料片がセンサシステムの近くを移動すると、材料片は、EMエネルギー(波)またはセンサシステムで利用される特定のタイプのセンサ技術に適したその他のタイプの刺激で調べられるか、刺激され得る。処理ブロック804では、材料片の物理的特性がセンサシステムによって感知/検出され、捕捉される。処理ブロック805では、材料片の少なくとも一部について、材料のタイプは、捕捉された特性に(少なくとも部分的に)基づいて識別/分類され、視覚システム110と連動した機械学習システムによる分類と組み合わせることができる。
【0116】
次に、材料片の分別が実行される場合、処理ブロック806において、材料片の分類に対応する分別装置が起動される。材料片を感知してから分別装置が起動されるまでの間に、材料片は、コンベアシステムの搬送速度で、センサシステムの近くからコンベアシステムの下流の位置に移動した。本開示の特定の実施形態では、分別装置の起動は、材料片が材料片の分類にマッピングされた分別装置を通過すると、分別装置が起動され、材料片がコンベヤシステムからその関連する分別容器に方向転換/排出されるようにタイミング調整される。本開示の特定の実施形態では、分別装置の起動は、材料片が分別装置の前を通過するときを検出し、分別装置の起動を可能にする信号を送信するそれぞれの位置検出器によってタイミング調整され得る。処理ブロック807では、起動した分別装置に対応する分別容器が、方向転換/排出された材料片を受け取る。
【0117】
本開示の特定の実施形態によれば、システム100の複数の少なくとも一部は、分別の複数の反復または層を実行するために連続して一緒にリンクされ得る。例えば、このように2つ以上のシステム100が連携する場合、コンベヤシステムは単一のコンベヤベルトまたは複数のコンベヤベルトで実装でき、材料片を、材料の不均一混合物の第1のセットの材料片を分別装置(例えば、第1の自動制御システム108および関連する1つまたは複数の分別装置126…129)によって1つまたは複数の容器(例えば、分別ビン136…139)の第1のセットに分別するように構成された第1の視覚システム(および特定の実施形態によれば、センサシステム)を通過させて搬送し、そして、材料片を、第2の分別装置によって材料の不均一混合物の第2のセットの材料片を1つまたは複数の分別ビンの第2のセットに分別するように構成された第2の視覚システム(および特定の実施形態によれば、別のセンサシステム)を通過させて搬送する。このような多段階分別のさらなる議論は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2022/0016675号に記載されている。
【0118】
このような一連のシステム100は、そのような方法で相互にリンクされた任意の数のそのようなシステムを含むことができる。本開示の特定の実施形態によれば、各連続システムは、前のシステムとは異なる分類またはタイプの材料を分別するように構成され得る。
【0119】
本開示の様々な実施形態によれば、材料の異なるタイプ、クラス、またはフラクションは、それぞれ機械学習システムで使用するための異なるタイプのセンサによって分類され、スクラップまたは廃棄物の流れの中の材料片を分類するために組み合わせることができる。
【0120】
本開示の様々な実施形態によれば、2つ以上のセンサからのデータ(例えば、スペクトルデータ)は、材料片の分類を実行するために、単一または複数の機械学習システムを使用して組み合わせることができる。
【0121】
本開示の様々な実施形態によれば、複数のセンサシステムを単一のコンベヤシステムに取り付けることができ、各センサシステムは異なる機械学習システムを利用することができる。本開示の様々な実施形態によれば、複数のセンサシステムを異なるコンベヤシステムに取り付けることができ、各センサシステムは異なる機械学習システムを利用することができる。
【0122】
本開示の特定の実施形態は、分別後に特定の元素または材料の所定の重量または体積パーセント未満の含有量を有する材料の塊を生成するように構成され得る。
【0123】
本開示の様々な実施形態によれば、異なるタイプのセンサシステムの任意の組み合わせを利用して、本明細書に開示される材料を識別/分類し、場合によっては分別することができる。例えば、本明細書に開示される各画像センサまたは分光センサは、そのセンサシステムに特有の機械学習システムによって処理されるように、材料片から感知された情報/特性からデータを生成するために使用され得る。代替的に、任意のセンサシステムを機械学習システムによる処理なしで使用することも、機械学習システムによる処理を使用して使用することも、両方を組み合わせて使用することもできる。
【0124】
本開示の様々な実施形態によれば、材料の異なるタイプ、クラス、および/またはフラクションは、それぞれ機械学習システムで使用するための異なるタイプのセンサシステムによって分類され、廃棄物の流れ中の材料片を分類するために組み合わせられ得る。
【0125】
ここで図9を参照すると、本開示の実施形態の態様が実装され得るデータ処理(「コンピュータ」)システム3400を示すブロック図が示されている。(「コンピュータ」、「システム」、「コンピュータシステム」、および「データ処理システム」という用語は、本明細書では同じ意味で使用される場合がある)。コンピュータシステム107、自動制御システム108、センサシステム120の態様、および/または視覚システム110は、コンピュータシステム3400と同様に構成され得る。コンピュータシステム3400は、ローカルバス3405(例えば、周辺構成要素相互接続(「PCI: peripheral component interconnect」)ローカルバスアーキテクチャ)を使用することができる。とりわけ、Accelerated Graphics Port(「AGP」)やIndustry Standard Architecture(「ISA」)など、任意の適切なバスアーキテクチャを利用できる。1つまたは複数のプロセッサ3415、揮発性メモリ3420、および不揮発性メモリ3435が、(例えば、PCIブリッジ(図示せず)を介して)ローカルバス3405に接続され得る。統合されたメモリコントローラおよびキャッシュメモリが、1つまたは複数のプロセッサ3415に結合され得る。1つまたは複数のプロセッサ3415は、1つまたは複数の中央プロセッサユニットおよび/または1つまたは複数のグラフィックスプロセッサユニット3401および/または1つまたは複数のテンソル処理ユニットを含み得る。ローカルバス3405への追加接続は、構成要素の直接相互接続またはアドインボードを通じて行うことができる。図示の例では、通信(例えば、ネットワーク(LAN))アダプタ3425、I/O(例えば、小型コンピュータシステムインターフェース(「SCSI」)ホストバス)アダプタ3430、および拡張バスインターフェース(図示せず)は、構成要素直接接続によってローカルバス3405に接続され得る。オーディオアダプタ(図示せず)、グラフィックスアダプタ(図示せず)、およびディスプレイアダプタ3416(ディスプレイ3440に結合された)は、(例えば、拡張スロットに挿入されたアドインボードによって)ローカルバス3405に接続され得る。
【0126】
ユーザインターフェースアダプタ3412は、キーボード3413およびマウス3414、モデム(図示せず)、および追加のメモリ(図示せず)の接続を提供することができる。I/Oアダプタ3430は、ハードディスクドライブ3431、テープドライブ3432、およびCD-ROMドライブ(図示せず)への接続を提供することができる。
【0127】
オペレーティングシステムが、1つまたは複数のプロセッサ3415上で実行され、コンピュータシステム3400内の様々な構成要素を調整および制御するために使用され得る。図9では、オペレーティングシステムは市販のオペレーティングシステムであってもよい。オペレーティングシステムと連携してオブジェクト指向プログラミングシステム(例えば、Java、Pythonなど)が実行でき、システム3400上で実行されているプログラム(例えば、Java、Pythonなど)からオペレーティングシステムへの呼び出しを提供する。オペレーティングシステム、オブジェクト指向オペレーティングシステム、およびプログラムのための命令は、ハードディスクドライブ3431などの不揮発性メモリ3435記憶装置上に配置されてもよく、プロセッサ3415による実行のために揮発性メモリ3420にロードされてもよい。
【0128】
当業者であれば、図9のハードウェアが実装に応じて変わり得ることを理解するであろう。図9に示すハードウェアに加えて、またはその代わりに、フラッシュROM(または同等の不揮発性メモリ)または光ディスクドライブなどの他の内部ハードウェアまたは周辺装置を使用することもできる。また、本開示の処理のいずれも、マルチプロセッサコンピュータシステムに適用されてもよいし、複数のそのようなシステム3400によって実行されてもよい。例えば、機械学習システムの訓練は第1のコンピュータシステム3400によって実行され得る一方、分別のためのシステム100の動作は第2のコンピュータシステム3400によって実行され得る。
【0129】
別の例として、コンピュータシステム3400は、コンピュータシステム3400が何らかのタイプのネットワーク通信インターフェースを含むか否かに関わらず、ある種のネットワーク通信インターフェースに依存せずに起動可能となるように構成されたスタンドアロンシステムであってもよい。さらなる例として、コンピュータシステム3400は、オペレーティングシステムファイルまたはユーザ生成データを格納する不揮発性メモリを提供するROMおよび/またはフラッシュROMで構成される組み込みコントローラであってもよい。
【0130】
図9に示されている例と上記の例は、アーキテクチャ上の制限を示唆するものではない。さらに、本開示の態様のコンピュータプログラム形式は、コンピュータシステムによって使用される任意のコンピュータ可読記憶媒体(すなわち、フロッピーディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、テープ、ROM、RAMなど)上に常駐することができる。
【0131】
本明細書で説明したように、本開示の実施形態は、材料片を識別、追跡、分類、および/または分別するために説明された様々な機能を実行するように実装され得る。このような機能は、1つまたは複数のデータ処理システム(例えば、図9のデータ処理システム3400)内など、前述のコンピュータシステム107、視覚システム110、センサシステム120の態様、および/または自動制御システム108など、ハードウェアおよび/またはソフトウェア内に実装できる。ただし、本明細書で説明する機能は、特定のハードウェア/ソフトウェアプラットフォームへの実装に限定されるものではない。
【0132】
当業者には理解されるように、本開示の態様は、システム、処理、方法、および/またはコンピュータプログラム製品として具体化され得る。したがって、本開示の様々な態様は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または、本明細書では一般に「回路(circuit)」、「回路(circuitry)」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれる、ソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取り得る。さらに、本開示の態様は、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた1つまたは複数のコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム製品の形態をとってもよい。(ただし、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを利用することもできる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。)
【0133】
コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、生物、原子、または半導体のシステム、装置、コントローラ、またはデバイス、あるいはそれらの任意の適切な組み合わせであってもよいが、これらに限定されず、コンピュータ可読記憶媒体それ自体は一時的な信号ではない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)には、1つまたは複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)(例えば、図9のRAM3420)、読み取り専用メモリ(「ROM」)(例えば、図9のROM3435)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(「EPROM」またはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(「CD-ROM」)、光記憶装置、磁気記憶装置(例えば、図9のハードドライブ3431)、または前述のものの任意の適切な組み合わせが含まれ得る。この文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体とは、命令実行システム、装置、コントローラ、またはデバイスによって使用される、またはそれらに関連して使用されるプログラムを含むまたは記憶できる任意の有形媒体であってよい。コンピュータ可読信号媒体上に具現化されたプログラムコードは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなどを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体、または前述のものの任意の適切な組み合わせを使用して送信され得る。
【0134】
コンピュータ可読信号媒体は、例えばベースバンドまたは搬送波の一部として、その中に組み込まれたコンピュータ可読プログラムコードを有する伝播データ信号を含み得る。このような伝播信号は、電磁気、光、またはそれらの適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない、様々な形式のいずれかを取り得る。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、コントローラ、またはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためのプログラムを通信、伝播、または移送できる任意のコンピュータ可読媒体であってよい。
【0135】
図中のフローチャートおよびブロック図は、本開示の様々な実施形態によるシステム、方法、処理、およびプログラム製品の可能な実装のアーキテクチャ、機能性、および動作を示す。この点に関して、フローチャートまたはブロック図の各ブロックは、指定された論理機能を実装するための1つまたは複数の実行可能なプログラム命令を含む、コードのモジュール、セグメント、または一部を表し得る。また、実装によっては、ブロックに示されている機能が図に示されている順序と異なる順序で実行される可能性があることにも留意されたい。例えば、連続して示されている2つのブロックは、実際には、実質的に同時に実行されることもあれば、関係する機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行されることもある。
【0136】
本明細書の説明では、フローチャート化された技術は一連の連続した動作で説明される場合がある。動作の順序と動作を実行する当事者は、教示の範囲から逸脱することなく自由に変更できる。動作はいくつかの方法で追加、削除、または変更され得る。同様に、動作の順序を変更したり、ループしたりすることもできる。さらに、処理、方法、アルゴリズムなどは連続した順序で説明される場合があるが、そのような処理、方法、アルゴリズム、またはそれらの任意の組み合わせは、別の順序で実行されるように動作可能であってもよい。さらに、処理、方法、またはアルゴリズム内の一部のアクションは、少なくともある時点で同時に実行されてもよく(例えば、並行して実行されるアクション)、全体、一部、またはそれらの任意の組み合わせで実行されてもよい。
【0137】
様々なタイプのプロセッサ(例えば、GPU3401、CPU3415)によって実行されるソフトウェアで実装されるモジュールには、例えば、例えば、オブジェクト、プロシージャ、または関数として編成され得るコンピュータ命令の1つまたは複数の物理ブロックまたは論理ブロックが含まれ得る。ただし、識別されたモジュールの実行可能ファイルは物理的に一緒に配置されている必要はなく、異なる場所に格納されている異種の命令が含まれていてもよく、それらは論理的に結合されると、モジュールを組み込み、モジュールの指定された目的を達成する。実際、実行可能コードのモジュールは単一の命令である場合もあれば、多数の命令である場合もあり、複数の異なるコードセグメント、異なるプログラム間、および複数のメモリデバイスに分散される場合もある。同様に、運用データ(例えば、本明細書に記載される材料分類ライブラリ)は、本明細書においてモジュール内で識別および図示され得、任意の適切な形式で具体化され、任意の適切なタイプのデータ構造内で編成され得る。運用データは単一のデータセットとして収集されてもよいし、異なるストレージデバイスを含む異なる場所に分散されてもよい。データはシステムまたはネットワーク上に電子信号を提供してもよい。
【0138】
これらのプログラム命令は、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ(例えば、GPU3401、CPU3415)を介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能/動作を実装するための回路または手段を作成するように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置(例えば、コントローラ)の1つまたは複数のプロセッサおよび/またはコントローラに提供されて、マシンを生産することができる。
【0139】
ブロック図および/またはフローチャート図の各ブロック、およびブロック図および/またはフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、指定された機能または動作を実行する専用のハードウェアベースのシステム(例えば、1つまたは複数のグラフィックス処理ユニット(GPU3401など)を含み得る)、または専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせによって実装できることにも留意されたい。例えば、モジュールは、カスタムVLSI回路やゲートアレイ、論理チップなどの既製の半導体、トランジスタ、コントローラ、またはその他のディスクリート構成要素を含むハードウェア回路として実装できる。モジュールは、フィールドプログラマブルゲートアレイ、プログラマブルアレイロジック、プログラマブルロジックデバイスなどのプログラマブルハードウェアデバイスで実装することもできる。
【0140】
本開示の態様の動作を実行するためのコンピュータプログラムコード、すなわち命令は、Java、Smalltalk、Python、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語、または本明細書で開示される機械学習ソフトウェアのいずれかなどの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述できる。プログラムコードは、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして完全にユーザのコンピュータシステム上で実行され、一部がユーザのコンピュータシステム上で実行され、一部がユーザのコンピュータシステム(例えば、分別に使用されるコンピュータシステム)上で実行され、一部がリモートコンピュータシステム(例えば、センサシステムの訓練に使用されるコンピュータシステムなど)上で実行され、または完全にリモートコンピュータシステムまたはサーバ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータシステムは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)またはワイドエリアネットワーク(「WAN」)を含むあらゆるタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータシステムに接続することができ、または、外部コンピュータシステムに接続することもできる(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用したインターネット経由で)。
【0141】
これらのプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納された命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能/動作を実装する命令を含む製品を生産するように、コンピュータシステム、他のプログラム可能なデータ処理装置、コントローラ、または他のデバイスを特定の方法で機能させることができるコンピュータ可読記憶媒体に格納することもできる。
【0142】
プログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックで指定された機能/動作を実装するための処理を提供するように、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、コントローラ、または他の装置にロードされて、コンピュータ、他のプログラム可能な装置、または他の装置上で一連の動作ステップを実行させて、コンピュータ実装処理を生成することもできる。
【0143】
様々な実装のデータを保存し、データへのアクセスを提供するために、ホストに1つまたは複数のデータベースを含めることができる。当業者であれば、セキュリティ上の理由から、本開示の任意のデータベース、システム、または構成要素は、単一の場所または複数の場所にあるデータベースまたは構成要素の任意の組み合わせを含んでもよく、各データベースまたはシステムは、ファイアウォール、アクセスコード、暗号化、復号化などの様々な適切なセキュリティ機能のいずれかを含んでもよいことも理解するであろう。データベースは、リレーショナル、階層型、オブジェクト指向などの任意のタイプのデータベースであり得る。データベースの実装に使用できる一般的なデータベース製品には、IBMのDB2、Oracle Corporationから入手可能なデータベース製品、Microsoft CorporationのMicrosoft Access、またはその他のデータベース製品が含まれる。データベースは、データテーブルやルックアップテーブルなど、適切な方法で編成できる。
【0144】
特定のデータの関連付け(例えば、本明細書に記載の分別システムによって処理される材料片のそれぞれについて)は、当技術分野で知られ実践されている任意のデータ関連付け技術を通じて達成することができる。例えば、関連付けは手動または自動で実行できる。自動関連付け技術には、例えば、データベース検索、データベースのマージ、GREP、AGREP、SQLなどが含まれ得る。関連付けステップは、例えば製造業者と小売業者のそれぞれのデータテーブルのキーフィールドを使用するデータベースマージ機能によって達成できる。キーフィールドは、キーフィールドで定義されたオブジェクトの高レベルクラスに従ってデータベースを分割する。例えば、特定のクラスを第1のデータテーブルと第2のデータテーブルの両方のキーフィールドとして指定することができ、キーフィールドのクラスデータに基づいて2つのデータテーブルをマージすることができる。これらの実施形態では、マージされたデータテーブルのそれぞれのキーフィールドに対応するデータは同じであることが好ましい。ただし、同一ではないものの、キーフィールドに類似したデータを持つデータテーブルも、例えば、AGREPを使用してマージできる。
【0145】
本明細書では、デバイスを「構成する」こと、または何らかの機能を実行するように「構成された」デバイスについて言及する。これには、監視または制御機能を含む特定の論理機能を提供するように、事前定義された論理ブロックを選択し、それらを論理的に関連付けることが含まれる場合があることを理解されたい。また、改造制御装置のコンピュータソフトウェアベースのロジックのプログラミング、個別のハードウェア構成要素の配線、または前述のいずれかまたはすべての組み合わせも含まれ得る。
【0146】
本明細書の説明では、本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、プログラミング、ソフトウェアモジュール、ユーザ選択、ネットワークトランザクション、データベースクエリ、データベース構造、ハードウェアモジュール、ハードウェア回路、ハードウェアチップ、コントローラなどの例などの多くの具体的な詳細が提供される。ただし、当業者は、本開示が、1つまたは複数の特定の詳細なしで、または他の方法、構成要素、材料などを使用して実施され得ることを認識するであろう。他の場合には、本開示の態様を曖昧にすることを避けるために、よく知られている構造、材料、または動作については、詳細に図示または説明しない場合がある。
【0147】
当業者であれば、システム100の構成要素の様々な設定およびパラメータ(ニューラルネットワークパラメータを含む)が、分類および分別される材料のタイプ、所望する分類と分別の結果、使用されている機器のタイプ、以前の分類の経験的結果、利用可能になるデータ、およびその他の要素に基づいて時間の経過とともにカスタマイズ、最適化、および再構成され得ることを理解するはずである。
【0148】
本明細書全体を通じて「一実施形態」、「実施形態」、または同様の用語への言及は、実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたる「一実施形態において」、「実施形態において」、「実施形態」、「特定の実施形態」、「様々な実施形態」、および同様の用語の出現は、すべて同じ実施形態を指す場合があるが、必ずしも同じであるとは限らない。さらに、本開示の記載された特徴、構造、態様、および/または特性は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法で組み合わせることができる。これに応じて、機能が最初は特定の組み合わせで機能すると主張されていたとしても、場合によっては、特許請求の範囲に記載された組み合わせから1つまたは複数の特徴を組み合わせから削除することができ、特許請求の範囲に記載された組み合わせは、サブコンビネーションまたはサブコンビネーションの変形例を対象とすることができる。
【0149】
利益、利点、および問題の解決策は、特定の実施形態に関して本明細書で説明されている。ただし、利益、利点、問題の解決策、および利益、利点、解決策が発生する、またはより顕著になる可能性のある要素は、一部またはすべての特許請求の範囲の重要な、必要な、または必須の機能や要素として解釈されない場合がある。さらに、本明細書に記載されている構成要素は、必須または重要であると明示的に記載されていない限り、本開示の実施に必要ではない。
【0150】
本明細書には多くの詳細が含まれているが、これらは本開示の範囲または特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、むしろ本開示の特定の実装に特有の特徴の説明として解釈されるべきである。本明細書の見出しは、開示、開示の実施形態、または見出しの下に開示される他の事項を限定することを意図していない場合がある。
【0151】
本明細書において、「または」という用語は包括的なものであることが意図されており、「AまたはB」にはAまたはBが含まれ、さらにAとBの両方も含まれる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、エンティティのリストの文脈で使用される場合、単独または組み合わせて存在するエンティティを指す。したがって、例えば、「A、B、C、および/またはD」という語句には、A、B、C、およびDが個別に含まれるが、A、B、C、およびDのあらゆる組み合わせおよびサブコンビネーションも含まれる。
【0152】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数形も含むことを意図する場合がある。
【0153】
以下の特許請求の範囲における対応する構造、材料、動作、およびすべての手段またはステッププラス機能要素の均等物は、特に特許請求されている他の特許請求の要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、または動作を含むことが意図されている場合がある。
【0154】
本明細書で使用される場合、「コントローラ」、「プロセッサ」、「メモリ」、「ニューラルネットワーク」、「インターフェース」、「分別器」、「デバイス」、「プッシング機構」、「プッシャ装置」、「画像センサ」、「ビン」、「レセプタクル」、「システム」、「回路」などの用語はそれぞれ、当業者によって認識および理解される非一般的なデバイス要素を指し、また、本明細書では35 U.S.C.112(f)を援用する目的で臨時語または臨時用語として使用されない。
【0155】
特定された特性または状況に関して本明細書で使用される場合、「実質的に」とは、特定された特性または状況を測定できるほど損なわないほど十分に小さい逸脱の程度を指す。許容される逸脱の正確な程度は、場合によっては特定の状況に依存する場合がある。
【0156】
本明細書で使用される場合、便宜上、複数の品目、構造要素、構成要素、例示的なフラクション、および/または材料が共通のリストで提示される場合がある。ただし、これらのリストは、リストの各部材が別個の一意の部材として個別に識別されているかのように解釈される必要がある。したがって、そのようなリストの個々の部材は、反対の兆候なしに、共通のグループ内での表現のみに基づいて、同じリストの他の部材と事実上同等であると解釈されるべきではない。
【0157】
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語(ポリマーまたは周期表内の化学元素に使用される頭字語など)は、ここで開示される主題が属する当業者に一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で言及されるすべての出版物、特許出願、特許、およびその他の参考文献は、特定の文章が引用されない限り、その全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合には、定義を含む本明細書が制御する。さらに、材料、方法、および例(例えば、列挙されたフラクション、プラスチック)は例示のみを目的としており、限定することを意図したものではない。
【0158】
本明細書に記載されていない限り、特定の材料、処理行為、および回路に関する多くの詳細は従来のものであり、コンピューティング、エレクトロニクス、およびソフトウェア技術の教科書やその他の情報源で見つけることができる。
【0159】
別段の指示がない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される成分、反応条件などの量を表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。したがって、反対の指示がない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載されている数値パラメータは、ここに開示されている主題によって得られることが求められる所望の特性に応じて変化し得る近似値である。
【符号の説明】
【0160】
100 システム
101 材料片
102 ホッパ
103 コンベヤシステム、コンベヤベルト
104 コンベヤシステムモータ
105 位置検出器
106 タンブラ/バイブレータ/シンギュレータ
107 コンピュータシステム
108 自動制御システム
109 実写カメラ
110 光学認識システム、視覚システム
111 材料片追跡装置、材料追跡装置
112 制御システム
120 センサシステム
121 放射源
122 電源
124 検出器
125 検出器電子機器
126…129 分別装置
136…139 分別ビン
140 ビン、分別容器
201 材料片
203 コンベヤシステム
401 プラスチック片
403 コンベヤシステム
410 VIS
411 XRF
412 NIR
413 MWIR
3400 データ処理システム、コンピュータシステム
3401 グラフィックスプロセッサユニット、GPU
3405 ローカルバス
3412 ユーザインターフェースアダプタ
3413 キーボード
3414 マウス
3415 プロセッサ(CPU)
3416 ディスプレイアダプタ
3420 揮発性メモリ、RAM
3425 ネットワーク(LAN)アダプタ
3430 I/Oアダプタ
3431 ハードディスクドライブ
3432 テープドライブ
3435 不揮発性メモリ、ROM
3440 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】