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特表2024-508689イソプロパノールからのアクロレイン又はアクリル酸の高収率及び低コストでの製造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】イソプロパノールからのアクロレイン又はアクリル酸の高収率及び低コストでの製造
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/39 20060101AFI20240220BHJP
   C07C 47/22 20060101ALI20240220BHJP
   C07C 57/04 20060101ALI20240220BHJP
   C07C 51/245 20060101ALI20240220BHJP
   B01J 23/31 20060101ALI20240220BHJP
   B01J 23/28 20060101ALI20240220BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20240220BHJP
【FI】
C07C45/39
C07C47/22 Z
C07C57/04
C07C51/245
B01J23/31 Z
B01J23/28 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548210
(86)(22)【出願日】2022-03-02
(85)【翻訳文提出日】2023-08-09
(86)【国際出願番号】 US2022018413
(87)【国際公開番号】W WO2022187291
(87)【国際公開日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】63/156,453
(32)【優先日】2021-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002035
【氏名又は名称】ローム アンド ハース カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ROHM AND HAAS COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】シュー、ジンスオ
(72)【発明者】
【氏名】ボールス、ダニエル エイ.
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA02
4G169AA15
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC25A
4G169BC25B
4G169BC26A
4G169BC31A
4G169BC54A
4G169BC54B
4G169BC59A
4G169BC59B
4G169BC60A
4G169BC66A
4G169BC67A
4G169BC68A
4G169BD07A
4G169CB10
4G169DA05
4H006AA02
4H006AB46
4H006AC46
4H006BA13
4H006BA14
4H006BA30
4H006BE30
4H006BS10
4H039CA65
4H039CC10
4H039CC20
(57)【要約】
アクロレインは、気相中の酸素の存在下で、第1の混合金属酸化物触媒上でイソプロパノールを選択的に酸化することによって製造される。第1の混合金属酸化物触媒は、モリブデン及びビスマスの酸化物を含む。アクリル酸は、気相中の酸素の存在下で、第2の混合金属酸化物触媒上でアクロレインを選択的に酸化することによって製造される。第2の混合金属酸化物触媒は、第1の混合金属酸化物触媒とは異なる組成を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクロレインを製造するために、気相中の酸素の存在下で、第1の混合金属酸化物触媒上でイソプロパノールを選択的に酸化することを含む方法であって、
前記第1の混合金属酸化物触媒が、モリブデン及びビスマスの酸化物を含む、方法。
【請求項2】
アクロレインに対するプロピオン酸の質量比が、0.002未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
気相中の酸素の存在下で、第2の混合金属酸化物触媒上で前記アクロレインを選択的に酸化することを更に含み、前記第2の混合金属酸化物触媒が、前記第1の混合金属酸化物触媒とは異なる組成を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の混合金属酸化物触媒が、モリブデン及びバナジウムの酸化物を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の混合金属酸化物触媒が、タングステン、銅、鉄、アンチモン及びリンからなる群から選択される少なくとも1つの追加の元素を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の混合金属酸化物触媒が、鉄、コバルト及びニッケルからなる群から選択される少なくとも1つの追加の元素を更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記酸素が、精製された酸素、空気又は前記混合金属酸化物の格子酸素の形態で存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記イソプロパノールが、バイオマス由来供給原料から製造される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記アクロレインが、少なくとも0.5×10-13の、12Cに対する14Cの比を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
アクリル酸に対するプロピオン酸の質量比が、0.001未満である、請求項3~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記イソプロパノールを選択的に酸化することが、水蒸気の存在下で起こる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記アクロレインを選択的に酸化することが、水蒸気の存在下で起こる、請求項3~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
水又は有機溶媒を使用する吸収、抽出、分別蒸留及び溶融結晶化から選択される1つ以上の技術によって、アクロレインを回収することを更に含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項14】
水又は有機溶媒を使用する吸収、抽出、分別蒸留及び溶融結晶化から選択される1つ以上の技術によって、アクリル酸を回収することを更に含む、請求項3~12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクロレインを製造するためにイソプロパノールを選択的に酸化するプロセス、更に、アクリル酸を製造するために製造されたアクロレインを選択的に酸化するプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
アクリル酸を調製するための様々なプロセスが当技術分野で知られている。大部分の市販のアクリル酸は、例えばプロピレンなどの化石燃料系供給原料を使用して製造される。
【0003】
大部分の市販のイソプロパノールは、化石燃料由来のプロピレンの水和、又はフェノール生成の副生成物であるアセトンの水素化を介して生成される。少量のアセトンは、従来のアセトン-ブタノール-エタノール(ABE)発酵プロセスを介して、デンプン及びグルコースなどの炭水化物から作製される。したがって、プロピレンから直接的にアクリル酸を製造する方が経済的に好適である。
【0004】
化学製品中のバイオ由来炭素に対する需要の増大により、サトウキビ又は農作物残渣などの非食品バイオマスからのイソプロパノールの意図的な生産のための有効性を改善する研究活動が増大している。しかしながら、バイオマス由来供給原料からアクロレイン及び/又はアクリル酸を製造する方法が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、イソプロパノールからアクロレインを調製する方法、更に、アクロレインからアクリル酸を製造する方法に関する。
【0006】
本発明の一態様によれば、方法は、アクロレインを製造するために気相中の酸素の存在下で、第1の混合金属酸化物触媒上でイソプロパノールを選択的に酸化することを含み、第1の混合金属酸化物触媒は、モリブデン及びビスマスの酸化物を含む。
【0007】
本発明の別の一態様は、気相中の酸素の存在下で、第2の混合金属酸化物触媒上でアクロレインを選択的に酸化することを更に含み、第2の混合金属酸化物触媒が、第1の混合金属酸化物触媒とは異なる組成を有する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で使用される場合、「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」、「at least one(少なくとも1つ)」及び「one or more(1つ以上)」という用語は、互換的に使用される。「含む(comprise)」、「含む(include)」、「含有する(contain)」という用語及びそれらの変形は、これらの用語が本明細書及び特許請求の範囲に現れる場合、限定的な意味を有しない。すなわち、例えば重合阻害剤を含む混合物は、当該混合物が少なくとも1つの重合阻害剤を含むことを意味すると解釈することができる。
【0009】
本明細書で使用される場合、端点により数値範囲を挙げる場合には、その範囲に包含される全ての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5などを含む)。本発明の目的のために、当業者が理解することと一致して、数値範囲は、その範囲に含まれる可能性のある全ての部分範囲を含み、かつサポートすることを意図するということを理解されたい。例えば、1~100の範囲は、1.1~100、1~99.99、1.01~99.99、40~6、1~55などを伝達することを意図している。
【0010】
本明細書で使用される場合、特許請求の範囲におけるこのような列挙を含む、数値範囲及び/又は数値の列挙は、「約」という用語を含むと読むことができる。このような場合、「約」という用語は、本明細書に列挙されているものと実質的に同じである数値範囲及び/又は数値を指す。
【0011】
特段の記載がない限り、又は文脈から黙示的でない限り、全ての部及びパーセンテージは、重量に基づくものであり、全ての試験方法は、本出願の出願日現在のものである。米国特許実務の目的のために、いずれの参照される特許、特許出願、又は特許出願公開の内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるあらゆる定義と矛盾しない程度に)及び当該技術分野における一般的知識に関して、参照によりそれらの全体が組み込まれる(又はその同等の米国版が参照によりそのように組み込まれる)。
【0012】
本発明の一態様は、イソプロパノールからアクロレインを製造する方法に関する。
【0013】
本発明のプロセスにおいて、イソプロパノールは、気相中の酸素の存在下で、第1の混合金属酸化物触媒上で選択的に酸化される。
【0014】
第1の混合金属酸化物触媒は、モリブデン(Mo)及びビスマス(Bi)の酸化物を含む固体触媒である。第1の混合金属酸化物触媒はまた、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、又はそれらの組み合わせから選択される少なくとも1つの追加の元素も含み得る。第1の混合金属酸化物触媒が少なくとも1つの追加の元素を含む場合、モリブデン及びビスマスが存在する主要な金属元素である。好ましくは、第1の混合金属酸化物触媒は、第1の混合金属酸化物触媒中の金属の総重量に基づいて、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%のモリブデン及びビスマスを含む。
【0015】
第1の混合金属酸化物触媒は、プロピレンのアクロレインへの酸化に使用される任意の市販の触媒であり得る。
【0016】
イソプロパノール供給原料に基づくアクロレインの収率は、好ましくは60%超であり、反応の副生成物であるプロピオン酸のアクロレインに対する質量比は、好ましくは0.002未満である。
【0017】
アセトンは、イソプロパノールからアクロレインへの酸化反応の副生成物として形成され得る。形成されるアセトンの量を減少させるために、第1の反応器中の酸素レベルを増加させてもよい。あるいは、反応器温度を、アクロレインの製造に有利になるように調節してもよい。
【0018】
本発明の別の一態様は、イソプロパノールからのアクリル酸の製造に関する。イソプロパノールからアクリル酸を製造するための本発明のプロセスは、2段階のプロセスである。第1の工程において、イソプロパノールは、上記のように、アクロレインを形成するために第1の混合金属酸化物触媒上で選択的に酸化される。
【0019】
次に、第2の工程において、アクロレインは、気相中の酸素の存在下で、第2の混合金属酸化物触媒上で選択的に酸化され、第2の混合金属酸化物触媒が、第1の混合金属酸化物触媒とは異なる組成を有する。
【0020】
第2の混合金属酸化物触媒は、モリブデン(Mo)及びバナジウム(V)の酸化物を含む固体触媒である。第2の混合金属酸化物触媒はまた、タングステン(W)、銅(Cu)、鉄(Fe)、アンチモン(Sb)及びリン(P)から選択される少なくとも1つの追加の元素を含み得る。第2の混合金属酸化物触媒が少なくとも1つの追加の元素を含む場合、モリブデン及びバナジウムが存在する主要な金属元素である。好ましくは、第2の混合金属酸化物触媒は、第2の混合金属酸化物触媒中の金属の総重量に基づいて、少なくとも40重量%、例えば、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、又は少なくとも70重量%のモリブデン及びバナジウムを含む。
【0021】
第2の混合金属酸化物触媒は、アクロレインのアクリル酸への酸化に使用される、任意の市販の混合金属酸化物触媒であり得る。
【0022】
イソプロパノール供給に基づくアクリル酸の収率が、好ましくは70%を超え、反応の副生成物であるプロピオン酸のアクリル酸に対する質量比が、好ましくは0.001未満である。
【0023】
アクロレイン及び/又はアクリル酸を形成するための選択的な酸化反応において、酸素は、精製された酸素、空気中の酸素、又は混合金属酸化物触媒の格子酸素の形態で存在することができる。好ましくは、酸素は、空気から又は混合金属酸化物触媒の格子酸素からのものである。
【0024】
アクロレインを製造するためのイソプロパノールの選択的な酸化、又はアクリル酸を製造するためのアクロレインの選択的な酸化のいずれにおいても、蒸気が反応を補助するために追加され得る。
【0025】
アクロレイン及び/又はアクリル酸の精製は、例えば、水又は有機溶媒を使用する吸収、抽出、分別蒸留、又は溶融結晶化などの当技術分野で公知である1つ以上の技術によって達成することができる。
【0026】
好ましくは、イソプロパノールは、バイオマス由来供給原料から製造される。例えば、イソプロパノールは、バイオ発酵を介して製造され得る。例えば、イソプロパノールは、イソプロパノール-ブタノール-エタノール(IBE)発酵によって形成することができる。
【0027】
植物も動物も同様に、全ての生物は一定量の炭素14(14C)を含んでおり、これは大気中で製造され、光合成中に植物によって固定される。14Cの12Cに対する比率は、1~1.5×10-12の範囲である。炭素14は、約5700年の半減期を有する放射性物質である。したがって、バイオマス由来供給原料には、生物と同様の14Cの12Cに対する比率、すなわち、約1~1.5×10-12が含まれる。
【0028】
好ましくは、本発明のプロセスによって製造されるアクロレイン及び/又はアクリル酸は、少なくとも0.5×10-1314Cの12Cに対する比を含む。より好ましくは、本発明のプロセスによって製造されるアクロレイン及び/又はアクリル酸は、少なくとも0.75×10-1314Cの12Cに対する比を含む。更により好ましくは、本発明のプロセスによって製造されるアクロレイン及び/又はアクリル酸は、少なくとも0.8×10-1314Cの12Cに対する比を含む。最も好ましくは、本発明のプロセスで使用される供給原料は、バイオマス由来材料から完全に供給され、14Cの12Cに対する比が、自然界に見られるものと同じ、すなわち、約1~1.5×10-12である。
【実施例
【0029】
以下の実施例は、本発明を例示するものであるが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0030】
I.本発明の実施例:イソプロパノールのアクロレインへの酸化
アクリル酸を製造するため、イソプロパノールを、第1段階反応器中で主にアクロレインに酸化した。第1段階反応器で使用した触媒は、Mo及びBi系混合酸化物触媒であり、以後、R1触媒と略す。この実施例では、10mLのNippon Kayaku Co.(Tokyo,Japan)からの、Mo及びBi系のR1触媒を、流動砂槽炉内で加熱された、外径(OD)1/2インチ(1.27cm)のステンレススチール(SS)製第1段階管状反応器に充填した。反応器を、171.80sccmの空気と38.2sccmのNとの流動ガス混合物中で、所望の反応器温度に加熱し、次いでイソプロパノールと脱イオン水とを含有する液体の混合物を、3.22g/hの速度でイソプロパノール、0.96g/hの速度で水を注入した。
【0031】
第1段階反応器からの生成混合物(R1排出物と略す)を収集し、分析した。R1排出物は、0~1℃に設定した再循環チラーに接続された1/4インチ(0.635cm)の銅コイルで包まれた、100~500mLのステンレス容器であるトラップ1を、最初に通って流れた。トラップ1を脱出したガスは、水/氷に浸漬された第2のトラップであるトラップ2と、ドライアイス/イソプロパノール混合物に浸漬された第3及び第4のトラップ(トラップ3A及びトラップ3B)とを通って流れた。トラップ2は主に、大量の水又はアクリル酸がドライアイス/イソプロパノールトラップに入るのを防ぐ保護トラップとして機能したが、それはドライアイス/イソプロパノールトラップ内で、水/アクリル酸が凍結して圧力を上昇させる可能性があったためである。トラップの回収時間は典型的には2~4時間であった。ポリマーの形成を防ぐために、6~12グラムの阻害剤溶液を、サンプル回収の前に、トラップ2、トラップ3A及び3Bに注入した。トラップ2は、ほとんどの場合、ごく少量の材料しか回収しなかった。エタノール中の0.2重量%のヒドロキノンを、阻害剤溶液として使用した。
【0032】
ドライアイス/イソプロパノールトラップからのオフガスを、熱伝導度検出器と5Åの分子ふるい/シリカゲルカラムを備えたガスクロマトグラフィーによって、オンラインで分析した。オフガスの主なガス成分は、典型的には、窒素、酸素、未反応のプロピレン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含んでいた。トラップ1及びトラップ2(存在する場合)から回収された液体を、1つのサンプルにまとめ、T-1サンプルとラベル付けした。トラップ3A及びトラップ3Bから回収された液体は、それぞれ、T-3A及びT-3Bサンプルとラベル付けした。T-1、T-3A及びT-3Bサンプルを、水素炎イオン化型検出器とキャピラリカラム(DB-FFAP 123-3232E)を備えたガスクロマトグラフィーによるオフライン分析に送った。プロピレンの転化率と、炭素の物質収支と、アクリル酸、アクロレイン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、酢酸、CO(CO及びCO)などの主生成物又は副生成物の収率は、以下の式を用いて計算される:
イソプロパノール転化率(%)=(供給されたイソプロパノールのモル数-R1排出物中のイソプロパノールのモル数)/供給されたイソプロパノールのモル数。
炭素の物質収支(%)=(CO、CO、プロピレン、アセトアルデヒド、アクロレイン、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸を含むR1排出物中の分子からの、炭素の総量)/(供給されたイソプロパノールからの炭素の総量)100。
【0033】
第2段階反応器の後のアクロレイン、アセトアルデヒド及びアクリル酸の収率、並びに炭素の物質収支は、以下の式を用いて計算した:
生成物の収率(%)=(R1排出物中の生成物のモル数)/供給されたイソプロパノールのモル数100
【0034】
試験は、2つの異なる反応槽温度(327℃及び347℃)で行った。実施例1において、槽温度は327℃であり、ピーク床温度は330℃であり、99.3%の転化率と、104.3%の炭素の物質収支とをもたらした。実施例2において、槽温度は347℃であり、ピーク床温度は358℃であり、100%の転化率と、111.1%の炭素の物質収支とをもたらした。結果を表1に列挙する。イソプロパノールのほぼ完全な転化で、アクロレインの収率は63.7%に達した。
【0035】
【表1】

CO=CO+CO;Ald=アセトアルデヒド;Ace=アセトン;PP=プロピレン;Acro=アクロレイン;Allyl=アリルアルコール;HAc=酢酸;PA=プロピオン酸AA=アクリル酸
【0036】
II.比較例:Mo、V系酸化物触媒上での、1段階でのイソプロパノールの酸化
イソプロパノールの酸化は、Mo、V系酸化物触媒上で1段階で実施した。イソプロパノールを、Mo及びVを主成分として含有するNippon Kayaku Co.からの市販の触媒上で直接酸化したことを除いて、実験は実施例1と同様であった。
【0037】
比較例1は、320℃の槽温度及び319℃のピーク床温度で行われ、100%の転化率と、93.5%の炭素の物質収支とをもたらした。比較例2は、330℃の槽温度及び333℃のピーク床温度で行われ、100%の転化率と89.9%の炭素の物質収支とをもたらした。比較例では、主生成物はプロピレンであり、アクリル酸の収率は10%未満であった。PA/AAの質量比は0.046であり、これは、実施例1の場合の約50倍であった。
【0038】
【表2】
【0039】
III.本発明の実施例:イソプロパノールのアクリル酸への酸化
イソプロパノールのアクリル酸への酸化を2段階で行った。最初に、イソプロパノールを第1段階反応器(この場合は管状反応器)中で、主にアクロレインに酸化した。第1段階反応器で使用した触媒は、Mo及びBi系混合酸化物触媒であり、以後、R1触媒と略す。この実施例では、10mLのNippon Kayaku Co.(Tokyo,Japan)からの、Mo及びBi系のR1触媒を、10mLの1/8インチ(0.32cm)のDenstone(商標)57ビーズ(Saint-Gobain Norpro、Stow,OH)と混合した後、外径(OD)2.54cm(1インチ)のステンレス鋼(SS)製の第1段階管状反応器(内径(ID)0.834インチ(2.11cm))に投入した。
【0040】
第1段階反応器からの生成混合物(R1排出物と略す)を、電気加熱テープによって加熱した1/4インチ(0.635cm)のSS管内の第2段階反応器に送った。表面温度を約170±10℃に制御した。
【0041】
第2段階反応器には、Mo、V系混合酸化物触媒(R2触媒と略す)が含まれる。この実施例では、10mLのMo及びV系の市販のR2触媒を、1/2インチ(1.27cm)の外径(OD)を有するU字型SS管の供給入口側に充填した。U字管のもう一方の内部空間にはDenstone(商標)ビーズを充填した。U字管を流動砂槽炉に入れ、触媒床部を砂槽に浸漬した。空気を使用して、3.3~3.5SCFM(標準立方フィート/分)(0.093~0.099m/分)の流量で砂を流動化した。高い空気流量を維持することにより、槽内の温度差を3℃以下に制御した。アクロレインからアクリル酸への所望の変換を達成するために、槽温度を調整した。第2段階反応器からの流出物は、R2排出物と表した。
【0042】
最初に、第1段階の反応管を、クラムシェル型電気炉内で、171.80sccmの空気及び38.2sccmのNの流動ガス混合物中で、305℃以上に加熱した。第2段階反応器を、270℃に加熱した。全てのガスの流量の値は、標準温度(0℃)及び標準圧力(101.3kPa)条件下での値であった。イソプロパノールを脱イオン水(イソプロパノールの78.0重量%)と混合し、反応器が所望の温度に達したときに、0.073mL/分の速度でSSミキサ容器内に注入した。SSミキサ容器を160~170℃に加熱し、空気/窒素を供給することで蒸気を反応器に運んだ。
【0043】
R2排出物を回収して、分析した。R2排出物は、0~1℃に設定した再循環チラーに接続された1/4インチ(0.635cm)の銅コイルで包まれた、100~500mLのステンレス容器であるトラップ1を、最初に通って流れた。トラップ1を脱出したガスは、水/氷に浸漬された第2のトラップであるトラップ2と、ドライアイス/イソプロパノール混合物に浸漬された第3及び第4のトラップ(トラップ3A及びトラップ3B)とを通って流れた。トラップ2は主に、大量の水又はアクリル酸がドライアイス/イソプロパノールトラップに入るのを防ぐ保護トラップとして機能したが、それはドライアイス/イソプロパノールトラップ内で、水/アクリル酸が凍結して圧力を上昇させる可能性があったためである。トラップの回収時間は典型的には2~4時間であった。ポリマーの形成を防ぐために、6~12グラムの阻害剤溶液を、サンプル回収の前に、トラップ2、トラップ3A及び3Bに注入した。トラップ2は、ほとんどの場合、ごく少量の材料しか回収しなかった。エタノール中の0.2重量%のヒドロキノンを、阻害剤溶液として使用した。
【0044】
ドライアイス/イソプロパノールトラップからのオフガスを、熱伝導度検出器と5Åの分子ふるい/シリカゲルカラムを備えたガスクロマトグラフィーによって、オンラインで分析した。オフガスの主なガス成分は、典型的には、窒素、酸素、未反応のプロピレン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含んでいた。トラップ1及びトラップ2(存在する場合)から回収された液体を、1つのサンプルにまとめ、T-1サンプルとラベル付けした。トラップ3A及びトラップ3Bから回収された液体は、それぞれ、T-3A及びT-3Bサンプルとラベル付けした。T-1、T-3A及びT-3Bサンプルを、水素炎イオン化型検出器とキャピラリカラム(DB-FFAP 123-3232E)を備えたガスクロマトグラフィーによるオフライン分析に送った。プロピレンの転化率と、炭素の物質収支と、アクリル酸、アクロレイン、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、プロピオン酸、酢酸、CO(CO及びCO)などの主生成物又は副生成物の収率は、以下の式を用いて計算される:
イソプロパノール転化率(%)=(供給されたイソプロパノールのモル数-R1排出物中のイソプロパノールのモル数)/供給されたイソプロパノールのモル数。
炭素の物質収支(%)=(CO、CO、プロピレン、アセトアルデヒド、アクロレイン、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸を含むR1排出物中の分子からの、炭素の総量)/(供給されたイソプロパノールからの炭素の総量)100
【0045】
第2段階反応器の後のアクロレイン、アセトアルデヒド及びアクリル酸の収率、並びに炭素の物質収支は、以下の式を用いて計算した:
生成物の収率(%)=(R2排出物中の生成物のモル数)/供給されたイソプロパノールのモル数100
【0046】
試験は、表3の反応条件に示されるように、第1段階反応器の温度を一定に維持しながら、異なる第2段階反応器温度で行った。なお、表3には、酸素対イソプロパノールの比(O/IPA)も含まれている。結果を表4に列挙する。炭素の物質収支を、イソプロパノールの供給速度を調整することにより99%に調整した。イソプロパノールのほぼ完全な変換により、アクリル酸の収率は70%を上回った。プロピオン酸の収率は約0.07%と非常に低く、これは、PA/AAの質量比を約0.0009にさせた。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】

Fmd=ホルムアルデヒド
【0049】
IV.比較例:1-プロパノールのアクロレインへの酸化
実施例1と同様に、イソプロパノールの代わりに1-プロパノール(Sigma Aldrich社製、純度は99.5%超)を使用した。第1段階反応器で使用した触媒は、Mo及びBi系混合酸化物触媒であり、以後、R1触媒と略す。この実施例では、10mLのNippon Kayaku Co.(Tokyo,Japan)からの、Mo及びBi系のR1触媒を、クラムシェル型電気炉内で加熱された、外径(OD)1インチのステンレススチール(SS)製第1段階管状反応器に充填した。反応器を、208.00sccmの空気と38.2sccmのNとの流動ガス混合物中で、所望の反応器温度に加熱し、次いで1-プロパノールと脱イオン水とを含有する液体の混合物を、イソプロパノールを約3.29g/h、水を約0.92g/hの速度で注入した。
【0050】
第1段階反応器からの生成混合物(R1排出物と略す)を収集し、分析した。R1排出物は、0~1℃に設定した再循環チラーに接続された1/4インチ(0.635cm)の銅コイルで包まれた、100~500mLのステンレス容器であるトラップ1を、最初に通って流れた。トラップ1を脱出したガスは、水/氷に浸漬された第2のトラップであるトラップ2と、ドライアイス/イソプロパノール混合物に浸漬された第3及び第4のトラップ(トラップ3A及びトラップ3B)とを通って流れた。トラップ2は主に、大量の水又はアクリル酸がドライアイス/イソプロパノールトラップに入るのを防ぐ保護トラップとして機能したが、それはドライアイス/イソプロパノールトラップ内で、水/アクリル酸が凍結して圧力を上昇させる可能性があったためである。トラップの回収時間は典型的には2~4時間であった。ポリマーの形成を防ぐために、6~12グラムの阻害剤溶液を、サンプル回収の前に、トラップ2、トラップ3A及び3Bに注入した。トラップ2は、ほとんどの場合、ごく少量の材料しか回収しなかった。メタノール中の0.2重量%のヒドロキノンを、阻害剤溶液として使用した。
【0051】
ドライアイス/イソプロパノールトラップからのオフガスを、熱伝導度検出器と5Åの分子ふるい/シリカゲルカラムを備えたガスクロマトグラフィーによって、オンラインで分析した。オフガスの主なガス成分は、典型的には、窒素、酸素、未反応のプロピレン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含んでいた。トラップ1及びトラップ2(存在する場合)から回収された液体を、1つのサンプルにまとめ、T-1サンプルとラベル付けした。トラップ3A及びトラップ3Bから回収された液体は、それぞれ、T-3A及びT-3Bサンプルとラベル付けした。T-1、T-3A、及びT-3Bサンプルを、水素炎イオン化型検出器とキャピラリカラム(Restek社製MXT-1701)を備えたガスクロマトグラフィーによるオフライン分析に送った。あるいは、R1排出物を、ヒートトレース1/8インチSSチューブ中のオンライン分析器に送り、ホルムアルデヒド副生成物を分析した。
【0052】
プロピレンの転化率と、炭素の物質収支と、アクリル酸、アクロレイン、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、プロピオン酸、酢酸、CO(CO及びCO)などの主生成物又は副生成物の収率は、以下の式を用いて計算される:
1-プロパノール転化率(%)=(供給された1-プロパノールのモル数-R1排出物中の1-プロパノールのモル数)/供給された1-プロパノールのモル数。
炭素物質収支(%)=(CO2、CO、プロピレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸を含むR1排出物中の分子からの炭素の総量)/(供給された1-プロパノールからの炭素の総量)100。
【0053】
第2段階反応器の後のアクロレイン、アセトアルデヒド及びアクリル酸の収率、並びに炭素物質収支は、以下の式を用いて計算した。
生成物の収率(%)=(R1排出物中の生成物のモル数)/供給されたイソプロパノールのモル数100
【0054】
試験は、2つの同様の反応器設定温度(250℃及び245℃~249℃)を用いて、異なる稼働時間で行った。結果を表5に列挙する。アクロレインの収率は25%未満であり、これは供給原料としてイソプロパノールを使用する場合よりもはるかに低いものである。加えて、PAの収率は、AAの収率よりも、又は「アクロレインとAA」の合計収率よりも、はるかに高い。
【0055】
【表5】

注:PT=ピーク温度、M.B.=質量収支、Ald=アセトアルデヒド、Fmd=ホルムアルデヒド、PP=プロピレン、HAc=酢酸、PA=プロピオン酸、AA=アクリル酸。
【0056】
V.比較例:1-プロパノールのアクリル酸への酸化
実施例2と同様に、2段階でアクリル酸に酸化される供給原料として、イソプロパノールの代わりに1-プロパノールを使用した。最初に、1-プロパノールを第1段階反応器、この場合は管状反応器中で、主にアクロレインに酸化した。第1段階反応器で使用した触媒は、Mo及びBi系混合酸化物触媒であり、以後、R1触媒と略す。この実施例では、10mLのNippon Kayaku Co.(Tokyo,Japan)からの、Mo及びBi系のR1触媒を、10mLの1/8インチ(0.32cm)のDenstone(商標)57ビーズ(Saint-Gobain Norpro、Stow,OH)と混合した後、外径(OD)2.54cm(1インチ)のステンレス鋼(SS)製の第1段階管状反応器(内径(ID)0.834インチ(2.11cm))に投入した。
【0057】
第1段階反応器からの生成混合物(R1排出物と略す)を、電気加熱テープによって加熱した1/4インチ(0.635cm)のSS管内の第2段階反応器に送った。表面温度を約170±10℃に制御した。
【0058】
第2段階反応器には、Mo、V系混合酸化物触媒(R2触媒と略す)が含まれる。この実施例では、10mLのMo及びV系の市販のR2触媒を、1/2インチ(1.27cm)の外径(OD)を有するU字型SS管の供給入口側に充填した。U字管のもう一方の内部空間にはDenstone(商標)ビーズを充填した。U字管を流動砂槽炉に入れ、触媒床部を砂槽に浸漬した。空気を使用して、3.3~3.5SCFM(標準立方フィート/分)(0.093~0.099m/分)の流量で砂を流動化した。高い空気流量を維持することにより、槽内の温度差を3℃以下に制御した。アクロレインからアクリル酸への所望の変換を達成するために、槽温度を調整した。第2段階反応器からの流出物は、R2排出物と表した。
【0059】
最初に、第1段階の反応管を、クラムシェル型電気炉内で、208.00sccmの空気及び38.2sccmのNの流動ガス混合物中で、250℃以上に加熱した。第2段階反応器を、300℃に加熱した。全てのガスの流量の値は、標準温度(0℃)及び標準圧力(101.3kPa)条件下での値であった。1-プロパノールを脱イオン水(イソプロパノールの78.1重量%)と混合し、反応器が所望の温度に達したときに、0.083mL/分の速度でSSミキサ容器内に注入した。SSミキサ容器を160~170℃に加熱し、空気/窒素を供給することで蒸気を反応器に運んだ。
【0060】
R2排出物を回収して、分析した。R2排出物は、0~1℃に設定した再循環チラーに接続された1/4インチ(0.635cm)の銅コイルで包まれた、100~500mLのステンレス容器であるトラップ1を、最初に通って流れた。トラップ1を脱出したガスは、水/氷に浸漬された第2のトラップであるトラップ2と、ドライアイス/イソプロパノール混合物に浸漬された第3及び第4のトラップ(トラップ3A及びトラップ3B)とを通って流れた。トラップ2は主に、大量の水又はアクリル酸がドライアイス/イソプロパノールトラップに入るのを防ぐ保護トラップとして機能したが、それはドライアイス/イソプロパノールトラップ内で、水/アクリル酸が凍結して圧力を上昇させる可能性があったためである。トラップの回収時間は、典型的には2~4時間であった。ポリマーの形成を防ぐために、6~12グラムの阻害剤溶液を、サンプル回収の前に、トラップ2、トラップ3A及び3Bに注入した。トラップ2は、ほとんどの場合、ごく少量の材料しか回収しなかった。メタノール中の0.2重量%のヒドロキノンを、阻害剤溶液として使用した。
【0061】
ドライアイス/イソプロパノールトラップからのオフガスを、熱伝導度検出器と5Åの分子ふるい/シリカゲルカラムを備えたガスクロマトグラフィーによって、オンラインで分析した。オフガスの主なガス成分は、典型的には、窒素、酸素、未反応のプロピレン、一酸化炭素及び二酸化炭素を含んでいた。トラップ1及びトラップ2(存在する場合)から回収された液体を、1つのサンプルにまとめ、T-1サンプルとラベル付けした。トラップ3A及びトラップ3Bから回収された液体は、それぞれ、T-3A及びT-3Bサンプルとラベル付けした。T-1、T-3A、及びT-3Bサンプルを、水素炎イオン化型検出器とキャピラリカラム(Restek社製MXT-1701)を備えたガスクロマトグラフィーによるオフライン分析に送った。
【0062】
あるいは、R2排出物を、ヒートトレース1/8インチSSチューブ中のオンライン分析器に送り、ホルムアルデヒド副生成物を分析した。
【0063】
プロピレンの転化率と、炭素の物質収支と、アクリル酸、アクロレイン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオン酸、酢酸、CO(CO及びCO)などの主生成物又は副生成物の収率は、以下の式を用いて計算される:
1-プロパノール転化率(%)=(供給された1-プロパノールのモル数-R2排出物中の1-プロパノールのモル数)/供給された1-プロパノールのモル数。
炭素物質収支(%)=(CO、CO、プロピレン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アクロレイン、酢酸、プロピオン酸、アクリル酸を含むR2排出物中の分子からの炭素の総量)/(供給された1-プロパノールからの炭素の総量)100
【0064】
第2段階反応器の後のアクロレイン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド及びアクリル酸の収率、並びに炭素物質収支は、以下の式を用いて計算した。
生成物の収率(%)=(R2排出物中の生成物のモル数)/供給された1-プロパノールのモル数100
【0065】
試験は、第2段階反応器温度を300℃に設定し、第1段階反応器の温度をわずかに変化させて行った。結果を表6に列挙する。トラップに添加されたメタノールによって影響され得る酢酸の収率を調整することによって、炭素の物質収支を99%に調整した。1-プロパノールのほぼ完全な転化で、アクリル酸の収率はわずか20.4%であったが、PAの収率は、4.71%と高かった。PA/AAの質量比は0.225であり、これは、供給原料としてのイソプロパノールからの生成物において示されるように、0.001よりもかなり高いものである。
【0066】
【表6】

注:PT=ピーク温度、IPA=イソプロパノール、Fmd=ホルムアルデヒド、Ald=アセトアルデヒド、PP=プロピレン、HAc=酢酸、PA=プロピオン酸、AA=アクリル酸。
【国際調査報告】