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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】患者監視デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/271 20210101AFI20240220BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20240220BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20240220BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61B5/271
A61B5/00 102A
H01R13/64
H01R13/639 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548231
(86)(22)【出願日】2022-02-10
(85)【翻訳文提出日】2023-09-19
(86)【国際出願番号】 US2022015904
(87)【国際公開番号】W WO2022173894
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】63/148,296
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519422371
【氏名又は名称】ムラタ バイオス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】平田 篤彦
(72)【発明者】
【氏名】マイヤーズ、レイチェル
(72)【発明者】
【氏名】近藤 靖浩
【テーマコード(参考)】
4C117
4C127
5E021
【Fターム(参考)】
4C117XB04
4C117XC15
4C117XE13
4C117XE15
4C117XE17
4C117XE20
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE37
4C117XH02
4C127AA02
4C127AA06
4C127GG18
4C127JJ03
4C127LL19
5E021FA05
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB21
5E021FB30
5E021FC06
5E021FC38
5E021HC06
5E021JA02
5E021JA05
5E021JA11
(57)【要約】
患者監視デバイスは、第1の開口部を含むハウジングと、第1の開口部に位置し、第1の開口部を通して電極を接続するためのスナップと、スナップを覆う誘電体ポッティングコンパウンドと、を含む。患者監視デバイスを製造する方法は、スナップにワイヤを取り付けることと、ハウジングを提供することと、コネクタ及び回路構成要素を含む基板を提供することと、ハウジングにスナップを設置することと、ハウジングに基板を設置することと、ハウジングに誘電体ポッティングコンパウンドを提供して、誘電体ポッティングコンパウンドがスナップ及び基板を覆うようにすることと、誘電体ポッティングコンパウンドを硬化させることと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者監視デバイスであって、
第1の開口部を含むハウジングと、
前記第1の開口部に位置し、前記第1の開口部を通して電極を接続するためのスナップと、
前記スナップを覆う誘電体ポッティングコンパウンドと、を備える、患者監視デバイス。
【請求項2】
前記第1の開口部を囲む平面をさらに備える、請求項1に記載の患者監視デバイス。
【請求項3】
前記平面を規定する突起をさらに備える、請求項2に記載の患者監視デバイス。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記第1の開口部の周りに間隔を空けて配置された複数のリブをさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項5】
第2の開口部をさらに備え、
前記第1の開口部及び前記第2の開口部は、前記患者監視デバイスが患者に取り付けられるときに、鉛直方向又は実質的に鉛直方向に位置合わせされる、請求項1~4のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項6】
前記第1の開口部を規定する第1のキャビティと、
前記第2の開口部を規定する第2のキャビティと、をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項7】
前記ハウジングに対して着脱されるバッテリパックをさらに備え、
前記バッテリパックは、前記患者監視デバイスに給電するためのバッテリを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項8】
前記ハウジングは、第1のコネクタを含み、
前記ハウジングは、前記バッテリパックが前記第1のコネクタに対して着脱される方向を位置合わせし、且つ制限する、請求項7に記載の患者監視デバイス。
【請求項9】
前記ハウジングは、第1のロックを含み、
前記バッテリパックは、前記バッテリパックを前記ハウジングにロックするために前記第1のロックとつながる第2のロックを含む、請求項7又は8に記載の患者監視デバイス。
【請求項10】
前記バッテリパックは、前記第1のコネクタと接続される第2のコネクタを含み、
前記バッテリパックは、互換性のないコネクタの挿入を防止する構造を含む、請求項8に記載の患者監視デバイス。
【請求項11】
前記ハウジングは、互換性のないコネクタの挿入を防止する構造を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項12】
前記バッテリパックは、前記ハウジングの片側に対して着脱される、請求項7~11のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項13】
前記バッテリパックが前記ハウジングに取り付けられているとき、前記ハウジングの一部分は、平面図において、前記バッテリパックと重なり合わない、請求項7~12のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項14】
前記バッテリパックが前記ハウジングに取り付けられているとき、平面図において、前記バッテリパックと重なり合わない前記ハウジングの前記一部分内にアンテナをさらに備える、請求項13に記載の患者監視デバイス。
【請求項15】
前記誘電体ポッティングコンパウンドは、前記アンテナを覆わない、請求項14に記載の患者監視デバイス。
【請求項16】
前記誘電体ポッティングコンパウンドの比誘電率は、4未満である、請求項1~15のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項17】
前記ハウジングは、アンテナをさらに含み、
前記誘電体ポッティングコンパウンドは、前記アンテナを覆わない、請求項1~13のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項18】
前記ハウジング内にあるプリント回路基板をさらに備える、請求項1~17のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項19】
前記プリント回路基板は、孔を含む、請求項18に記載の患者監視デバイス。
【請求項20】
前記誘電体ポッティングコンパウンドは、前記プリント回路基板を覆う、請求項18又は19に記載の患者監視デバイス。
【請求項21】
前記ハウジング内にある副プリント回路基板をさらに備え、
前記誘電体ポッティングコンパウンドは、前記副プリント回路基板を覆わない、請求項20に記載の患者監視デバイス。
【請求項22】
前記ハウジングは、前記プリント回路基板の周囲に延在する保持壁を含み、
前記誘電体ポッティングコンパウンドは前記保持壁内にある、請求項20に記載の患者監視デバイス。
【請求項23】
前記ハウジングの少なくとも一部分は、透明である、請求項1~22のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項24】
前記バッテリパックの上面、底面、左側面、右側面、前面、及び背面のうちの少なくとも1つは、前記ハウジングに対向しない、請求項7~15のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項25】
前記ハウジングは、同一の形状を含み、それぞれがケーブル又はプラグを受け入れる開口部を含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の患者監視デバイス。
【請求項26】
患者監視デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
スナップにワイヤを取り付けることと、
ハウジングを提供することと、
コネクタ及び回路構成要素を含む基板を提供することと、
前記ハウジングに前記スナップを設置することと、
前記ハウジングに前記基板を設置することと、
前記ハウジングに誘電体ポッティングコンパウンドを提供して、前記誘電体ポッティングコンパウンドが前記スナップ及び前記基板を覆うようにすることと、
前記誘電体ポッティングコンパウンドを硬化させることと、を含む、方法。
【請求項27】
前記ハウジングは、開口部を含み、
前記スナップは、前記開口部に隣接して位置し、
前記開口部は、前記誘電体ポッティングコンパウンドを提供する前に覆われ、
前記誘電体ポッティングコンパウンドは、前記開口部を通って流れることなく、前記スナップを覆う、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記誘電体ポッティングコンパウンドの比誘電率は、4未満である、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、
副基板を提供することと、
前記ハウジングに前記副基板を設置することと、をさらに含み、
前記誘電体ポッティングコンパウンドは、前記副基板を覆わずに提供される、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記ハウジングは、前記基板を囲む領域に前記ポッティングコンパウンドを収める保持壁を含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の皮膚に一時的に貼り付けられる又は接着される患者着用監視デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの異なるタイプの患者監視システムは、患者の皮膚に対する直接的な電気的インターフェースを必要とする。いくつかの応用では、患者の皮膚に対する直接的な電気的インターフェースは、その皮膚の位置に存在する電気信号を感知するものである。さらに、他の応用では、直接的な電気的インターフェースは、その皮膚の位置に電流刺激信号を印加するものである。そのため、患者監視システムは、一般に、患者データを検出、記録、及び通信する患者着用センサセンブリを必要とする。そのようなものとして、患者着用センサセンブリは、高い信号品質、少ない信号雑音、向上した患者の快適さ、高い信頼性、及び患者の皮膚への高い接着性を提供し得る、いくつかの構造的特徴を含み得る。
【0003】
患者着用センサは、バイタルサイン情報、例えば血圧、体温、呼吸数、血液酸素化、心電図(ECG)、心拍リズム、心拍数、血糖値、及び水分補給(hydration)(生体インピーダンス)レベルなどを受信し得る。患者着用センサはまた、患者に関する追加的な情報、例えば患者の動き、活動、及び睡眠パターンを追跡及び記録し得る。
【0004】
従来の患者着用センサは、患者の皮膚で感知した情報を収集し、監視システムの別のデバイス(例えば、ベッドサイドモニタ、タブレット型デバイス、携帯電話、中央処理サーバなど)へデータを無線で送信し、これは同様に、病院、外来診療所、又は自宅ベースの監視システムのネットワークシステムへ接続され得る。そのような患者着用センサは、患者の皮膚に取り付けられる複数の個々の電極を備える接着型電極アセンブリと、感知、処理及び通信エレクトロニクスの全てを含むセンサセンブリと、内蔵センサ-送信デバイス内の電源とを含み得る。この従来の患者着用センサでは、電極アセンブリは、直接的な電気的インターフェース、患者の皮膚へ取り付けるための接着剤、及びセンサセンブリが接続され且つ支えられるプラットフォームを提供する。
【0005】
図1は、別個のアダプタ1110及びセンサ1120を備えるアダプタ-センサセンブリ1000、並びに患者の皮膚に接続するためのいくつかのリード線を含む、ECG監視システムの従来の患者着用センサを示す。ツーピース型アダプタ-センサセンブリ1000は、アダプタ1110に取り付けられたセンサ1120を含む。アダプタ1110は、粘着性のある監視電極によって患者の皮膚に取り付けられ得る。図1に示すように、リード線は、例えば、呼吸感知を感知するためのModリード線並びにECGリード線、例えばRAリード線、LLリード線、及びVリード線を含み得る。リード線は、アダプタ-センサセンブリ1000に接続されるケーブルの端部に位置する。リード線は、患者の皮膚に接着されている電極上にスナップ留めする。下記で説明するように、アダプタ-センサセンブリ1000は、電極に取り付ける後部にスナップ1111を含む。図示の通り、患者着用センサはまた、酸素飽和度を測定するために、患者の指にクリップ留めされ得るパルスオキシメータ(ox)センサ1131を含み得る。図2は、アダプタ-センサセンブリ1000が、患者の右手側の患者のウェストの近くの部位に取り付けられるリード線に接続されたケーブル1140を用いて患者の胸部1180に取り付けられ得ることを示す。パルスoxセンサ1131用のケーブル1130は、患者の左手側に取り付けられる。従来の患者着用センサは、例えば、図2に示すように、パルスoxセンサケーブル1130が患者着用センサの左側にのみ取り付けられるため、扱いにくい。したがって、図2に示す形態でパルスoxセンサ1131を患者の右手へと経路を定めることは、アダプタ-センサセンブリ1000の上側にわたる又はその周りでのケーブル1130の不便な経路設定を必要とし、配線に不要な過度の緩みが生じる。
【0006】
全ての患者着用センサは、患者にとって快適である必要がある。さらに、構成要素は、可撓性があり、寸法が小さく、化学的に不活性で、消毒薬に耐性があり、無毒で、人体に対して低アレルギー性であり、使いやすく、落下による衝撃を免れるように十分丈夫であり、患者に取り付けるための1つ以上の方法を提供する必要がある。
【0007】
従来の患者着用センサは、接着性及び電気接触の問題を有し得る。すなわち、患者着用センサは、信頼性が高く、且つ全ての標準的な使用条件の間中ずっと、例えば、患者が動いている最中に、患者との接触を維持する必要がある。さらに、患者着用センサは、電極又は患者接点に機械的応力を誘発する患者の動きに起因する電極上での変化を最小限にする必要がある。
【0008】
図3は、従来のアダプタ1110の斜視図であり、図4は、従来のセンサ1120の斜視図である。アダプタ1110は、プッシュタブ1114、ソケットコネクタ(図では隠れているが、プッシュタブ1114の近くに位置する)、アーム1116、及びリード線のケーブル1140とパルスoxセンサ1131のケーブル1130が取り付けられる領域を含み得る。ソケットコネクタは、センサ1120上にある対となる電気コネクタ1123を受け入れる。アダプタ1110上にあるプッシュタブ1114は、アダプタ1110に対してセンサ1120を接合させるとともに取り外すために、センサ1120上にあるプッシュタブ1124と一緒に使用される。アーム1116は、アダプタ1110の対向する側に位置して、センサ1120を位置合わせして固定する。
【0009】
図4に示すように、センサ1120は、電気コネクタ1123及びプッシュタブ1124を含み得る。電気コネクタ1123は、アダプタ1110のソケットコネクタに差し込まれて、センサ1120とアダプタ1110との間で電力及び電気信号を送信及び受信するために使用される。図示の通り、センサ1120はまた、センサ1120内のバッテリ(図示せず)を充電するか又はセンサ1120がアダプタ1110に接続されていないときにデータを送信/受信するために使用され得るレセプタクル1125を含む。
【0010】
図5は、どのようにセンサ1120がアダプタ1110のアーム1116によって位置合わせされ、アダプタ1110のソケットコネクタにコネクタ1123を係合するために矢印の方向に動かされ得るかを示す。図5に示すように、センサ1120は、上からアダプタ1110中へと摺動するが、このためには、アダプタ1110がアダプタ1110中へ摺動するときにセンサ1120との干渉を回避するためにパルスoxケーブル1130がアダプタ1110の側面に位置する必要がある。パルスoxケーブル1130がアダプタ1110の側面に位置するため、センサ1120は、患者の左腕でのみ使用され得る。図6は、センサ1120が適所にあり且つアダプタ1110と十分に係合されている状態のアダプタ-センサセンブリ1000を示す。
【0011】
図7は、RL及びLA電極の電極にそれぞれ接続されるアダプタ1110の後部に埋め込まれた柔らかいブーツ(boots)1119によって囲まれた2つのスナップ1111-RL及び1111-LAを示すアダプタ-センサセンブリ1000の後面図を示す。図8A図8Cは、患者の胸に置かれた従来の皮膚電極1141を示すとともに、動いている最中に患者の皮膚が伸びて、従来の皮膚電極間に相対的な動きが生じると発生し得る、ポンと外れる(pop-off)問題を回避するための従来の手法を示す。
【0012】
従来の皮膚電極アセンブリは、電線及び監視システムの対応するケーブルによって接続される。この従来の皮膚電極アセンブリでは、患者装着アセンブリは、一般に、患者の皮膚に接着され得る1つ以上の電極を備える電極アセンブリ、及び電極アセンブリの1つ以上の電極に関連する数の接点を備える関連のコネクタアセンブリを含む。コネクタアセンブリは、監視システムリード線に接続され、電極アセンブリの1つ以上の電極と監視システムの感知及び処理回路構成部分との間の電気的接続を提供し得る。
【0013】
図8Aは、患者の胸に置かれ且つ図7に示すような従来のアダプタ1110の後部に埋め込まれたスナップ1111に取り付けるように配置された2つの隣接する電極1141を示す。アダプタ1110が皮膚設置電極1141上にスナップ留めされ、柔らかいブーツ1119が、患者の皮膚による曲がりによって引き起こされるモーションを吸収し、且つ患者の他の動き、例えば歩く、走る、寝返りするなどに起因するモーションによるショックを吸収し得る。さらに、柔らかいブーツ1119はまた、設置電極1141の対となるスナップコネクタをスナップ嵌めしたり、スナップを外したりすることに起因するスナップ1111及び内部結合されたトレースへの瞬間的な機械的ショックを吸収する。柔らかいブーツ1119は、アダプタハウジングの他の部分を形成するために使用される材料よりも剛性が劣る材料から、オーバーモールディング(over-molding)プロセスを使用して作製され得、柔らかいブーツ1119が、アダプタ1110のハウジングの一部分と一体化されて、一体的なピースとなるようにする。
【0014】
ひとたび患者に取り付けられたら、患者は自由に動くことができ、これにより、複数の接着型電極パッドに取り付けられるそれぞれの電極1141が患者と接触する、患者の皮膚上の接点の相対的なロケーションをシフトさせ得る。しかしながら、図8Bに示すように、患者の胸の上側にわたる皮膚は、患者が腕又は肩を動かすときに伸び得るため、2つの隣接する電極1141を水平方向に分離させ得る。図8Cに示すように、柔らかいブーツ1119は、曲がることができるため、患者の動きに起因する皮膚設置電極とアダプタ-センサセンブリ1000との間のモーションの一部又は全てを吸収し、それにより、接着型電極パッドの電極1141によって受信される信号のインテグリティ及び品質に対する悪影響を低減させる。
【0015】
上述の従来の配置構成では、アダプタ1110の後部上にあるスナップ1111が、皮膚設置電極1141から外れることがある。すなわち、いくつかの皮膚電極は、柔らかいブーツ1119と皮膚設置電極1141にある対となるスナップ1142との間の干渉により、アダプタ1119のスナップ1111からポンと外れる傾向がある。アダプタ1110の内部にあるスナップ1111は通常雌型であり、電極1141上にある対となるスナップ1142は通常雄型である。さらに、柔らかいブーツ1119に設けられた孔の直径が、そのような干渉、及び結果として生じるポンと外れることを防止するために大きくされる場合、アダプタ1110のスナップ1111は、皮膚設置電極1141からアダプタ1110を取り外すときに、柔らかいブーツ1119から抜け出し得る。ポンと外れること及び抜け出しの問題についての詳細な説明が、図9A図12に関して説明される。
【0016】
図9A及び図9Bは、2つの従来の皮膚電極形態を示す。図9Aに示す形態は、金属スナップ1142Aを有し、図9Bに示す形態は、プラスチックスナップ1142Bを有する。金属スナップを備える皮膚電極の例は、3M RED DOT 2560であり、プラスチックスナップを備える皮膚電極の例は、3M RED DOT 2570である。プラスチックスナップ1142Bを備える皮膚電極は、放射線透過性であり得る、すなわちX線を透過させる。図10Aは、左側に金属スナップ1142A及び右側にプラスチックスナップ1142Bの上面図を示し、図10Bは、左側に金属スナップ1142A及び右側にプラスチックスナップ1142Bの側面図を示す。図10A及び図10Bに示すように、金属スナップ1142A及びプラスチックスナップ1142Bの幾何学的形状は異なり、プラスチックスナップ1142Bの直径及び厚さは、金属スナップ1142Aの直径及び厚さよりも大きい。柔らかいブーツ1119は、金属スナップ1142Aと上手く機能し得るが、従来の柔らかいブーツ1119に設けられた孔は、アダプタ1110のスナップ1111がプラスチックスナップ1142Bと適切に係合することを可能にするには小さすぎる。したがって、プラスチックスナップ1142Bを備える皮膚設置電極1141は、簡単にポンと外れ、アダプタ1110から外れることがある。
【0017】
図11Bに示すように、柔らかいブーツ1119の孔の大きさは大きくされ得、ここで、アダプタ1110’の柔らかいブーツ1119’に設けられた孔の直径は、図11Aに示す従来のアダプタ1110に設けられた柔らかいブーツ1119の孔よりも大きい。孔の大きさが大きいことによって、プラスチックスナップ1142Bが柔らかいブーツ1119’からポンと外れることの発生を減らすが、より大きい孔が設けられた可撓性の柔らかいブーツ1119’は、状況次第では、スナップを柔らかいブーツ1119’内に入れた状態に保つための十分な強さがなかった。すなわち、スナップ1111は、皮膚設置電極1141からアダプタ1110を係合解除するとき、より大きい孔が設けられた柔らかいブーツ1119’から抜け出す傾向があった。この不具合の例が図12に示されており、ここでは、図11Aに示す柔らかいブーツ1119に設けられた元々の孔の直径でも、異常に高い引張力がアダプタ1110のスナップ1111に加えられる場合に、抜け出しが起こり得る(矢印に示す)。
【0018】
図13及び図14は、上部カバーが取り外されたアダプタ1110の図である。図示の通り、アダプタ1110は、リジッドプリント回路基板(PCB)1121に置かれたコネクタ1123(センサ1120に接続するための)を含む。リジッドPCB1121は、図14に示す対となる一対のスタッキングコネクタ1126によってflex(フレキシブル)PCB1122に接続される。図示しないが、flexPCB1122は、flexPCB1122に取り付けられる配線及び電子的構成要素を含む。flexPCB1122は、補強材で部分的に補強され得る。配線は、はんだ付けパッド1127に接続される相互接続トレースを含み、ここで、リード線用のワイヤの端部は、直接はんだ付けされ得るか、又はリード線用のコネクタがはんだ付けされる。配線はまた、柔らかいブーツ1119によって保持される電極スナップ1111への相互接続部を含む。
【0019】
患者監視デバイスに取り付けられている最中に患者が除細動を必要とするとき、高電圧抵抗器1128が、各電極1141とアダプタ-センサセンブリ1000の主回路構成部分1129(右レグ駆動部に対する共通電極であるRLリード線以外)との間の接続配線に位置し、除細動中に加えられる高電圧からの電流を低減させる。高電圧抵抗器1128(図13及び図14には示さないが、図15に示す)は、flexPCB1122に置かれ、且つ誘電材料、例えばグルー(図示せず)で、flexPCB1122に対面する側を含め、包まれる。ワイヤのはんだ付けパッド1127はまた、誘電材料、例えばグルーで覆われて、すぐ近くのはんだ付けパッド1127間又は回路構成要素間において電圧でアークを発生させるのを防止する。しかしながら、スナップ1111は、誘電材料、例えばグルーによって覆われておらず、スナップ1111及び柔らかいブーツ1119が動くことを可能にする。(a)スナップ1111、及びスナップ1111のそれぞれと対応する高電圧抵抗器1128との間の接続配線と、(b)他の被覆されていない導体表面との間に、電圧でアークを発生させる機会を最小限にするために、設計には、(a)スナップ1111、及びスナップ1111のそれぞれと対応する高電圧抵抗器1128との間の接続配線と、(b)他の被覆されていない導体表面との間に、十分な距離をとる必要がある。そのため、図15に示すように、高電圧抵抗器1128は、電極1141と主回路1129との間に設けられ、領域1150内にある導体表面は、絶縁体によって覆われるか、又は互いに十分に距離をとる必要がある。電圧でアークを発生させるリスクゆえに、各スナップ1111の周りに余分な空間が必要とされ、これは、アダプタ1110が高電圧抵抗器1128に求められる余分な空間を必要としない場合よりも、アダプタ1110を大きくする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
上述の問題を克服するために、本発明の好ましい実施形態は、著しい重量及びサイズの低減が達成される一方で、内部回路構成部分を覆うためにポッティングコンパウンド(potting compound)を使用することによって、除細動の最中の高電圧及び電気アークから内部回路構成部分を保護する患者監視デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の好ましい実施形態によれば、患者監視デバイスは、第1の開口部を含むハウジングと、第1の開口部に位置し、第1の開口部を通して電極を接続するためのスナップと、スナップを覆う誘電体ポッティングコンパウンドと、を含む。
【0022】
患者監視デバイスは、第1の開口部を囲む平面をさらに含み得る。患者監視デバイスは、平面を規定する突起をさらに含み得る。
ハウジングは、第1の開口部の周りに間隔を空けて配置された複数のリブをさらに含み得る。患者監視デバイスは、第2の開口部をさらに含み得、ここで、第1の開口部及び第2の開口部は、患者監視デバイスが患者に取り付けられるときに、鉛直方向又は実質的に鉛直方向に位置合わせされる。患者監視デバイスは、第1の開口部を規定する第1のキャビティと、第2の開口部を規定する第2のキャビティと、をさらに含み得る。
【0023】
患者監視デバイスは、ハウジングに対して着脱されるバッテリパックをさらに含み得、バッテリパックは、患者監視デバイスに給電するためのバッテリを含み得る。ハウジングは、第1のコネクタを含み得、ハウジングは、バッテリパックが第1のコネクタに対して着脱される方向を位置合わせし、且つ制限し得る。ハウジングは、第1のロックを含み得、バッテリパックは、バッテリパックをハウジングにロックするために第1のロックとつながる(communicates)第2のロックを含み得る。バッテリパックは、第1のコネクタと接続される第2のコネクタを含み得、バッテリパックは、互換性のないコネクタの挿入を防止する構造を含み得る。
【0024】
ハウジングは、互換性のないコネクタの挿入を防止する構造を含み得る。バッテリパックは、ハウジングの片側に対して着脱され得る。バッテリパックがハウジングに取り付けられているとき、ハウジングの一部分は、平面図において、バッテリパックと重なり合わなくてもよい。
【0025】
患者監視デバイスは、バッテリパックがハウジングに取り付けられているとき、平面図において、バッテリパックと重なり合わないハウジングの一部分内にアンテナをさらに含み得る。誘電体ポッティングコンパウンドは、アンテナを覆わなくてもよい。誘電体ポッティングコンパウンドの比誘電率は、4未満であり得る。ハウジングは、アンテナをさらに含み得、誘電体ポッティングコンパウンドはアンテナを覆わなくてもよい。
【0026】
患者監視デバイスは、ハウジング内に位置し得るプリント回路基板をさらに含み得る。プリント回路基板は、孔を含み得る。誘電体ポッティングコンパウンドは、プリント回路基板を覆い得る。患者監視デバイスは、ハウジング内にある副プリント回路基板をさらに含み得、誘電体ポッティングコンパウンドは、副プリント回路基板を覆わないように提供され得る。ハウジングは、プリント回路基板の周囲に延在する保持壁を含み得、誘電体ポッティングコンパウンドは保持壁内にあり得る。ハウジングの少なくとも一部分は、透明であり得る。バッテリパックの上面、底面、左側面、右側面、前面、及び背面のうちの少なくとも1つは、ハウジングに対向しなくてもよい。ハウジングは、同一の形状であり得、それぞれケーブル又はプラグを受け入れ得る開口部を含み得る。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によれば、患者監視デバイスを製造する方法は、スナップにワイヤを取り付けることと、ハウジングを提供することと、コネクタ及び回路構成要素を含む基板を提供することと、ハウジングにスナップを設置する(installing)ことと、ハウジングに基板を設置することと、ハウジングに誘電体ポッティングコンパウンドを提供して、誘電体ポッティングコンパウンドがスナップ及び基板を覆うようにすることと、誘電体ポッティングコンパウンドを硬化させることと、を含む。
【0028】
方法では、ハウジングは、開口部を含み得、スナップは、開口部に隣接して位置し得、開口部は、誘電体ポッティングコンパウンドを提供する前に覆われ得、誘電体ポッティングコンパウンドは、開口部を通って流れることなく、スナップを覆い得る。方法では、誘電体ポッティングコンパウンドの比誘電率は、4未満であり得る。方法は、副基板を提供することと、ハウジングに副基板を設置することと、をさらに含み得、誘電体ポッティングコンパウンドは、副基板を覆わずに提供され得る。ハウジングは、基板を囲む領域にポッティングコンパウンドを収める保持壁を含み得る。
【0029】
本発明の上述の及び他の特徴、要素、特性、ステップ、及び利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ECG監視システムの従来の患者着用センサを示す。
図2】患者の皮膚と接触する従来の患者着用センサを示す。
図3】従来のアダプタを示す。
図4】従来のセンサを示す。
図5】従来のアダプタ-センサセンブリを示す。
図6】従来のアダプタ-センサセンブリを示す。
図7】従来のアダプタの後面図である。
図8A】従来の皮膚設置電極を示す。
図8B】従来の皮膚設置電極を示す。
図8C】従来の皮膚設置電極を示す。
図9A】従来の皮膚設置電極を示す。
図9B】従来の皮膚設置電極を示す。
図10A】従来の皮膚設置電極を示す。
図10B】従来の皮膚設置電極を示す。
図11A】従来のアダプタの問題を示す。
図11B】従来のアダプタの問題を示す。
図12】従来のアダプタの問題を示す。
図13】従来のアダプタの内部構成要素を示す。
図14】従来のアダプタの内部構成要素を示す。
図15】従来の保護回路を示す。
図16】本発明の好ましい実施形態による患者監視デバイスを示す。
図17】本発明の好ましい実施形態による患者監視デバイスを示す。
図18】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスを示す。
図19】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスを示す。
図20】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスを示す。
図21】本発明の好ましい実施形態によるバッテリパックを示す。
図22】本発明の好ましい実施形態によるバッテリパックを示す。
図23】本発明の好ましい実施形態によるバッテリパックを示す。
図24】本発明の好ましい実施形態によるバッテリパック及びチェストデバイスの接続特徴部を示す。
図25】本発明の好ましい実施形態によるバッテリパック及びチェストデバイスの接続特徴部を示す。
図26】本発明の好ましい実施形態によるバッテリパック及びチェストデバイスの接続特徴部を示す。
図27】本発明の好ましい実施形態による、患者での患者監視デバイスの向きを示す。
図28】本発明の好ましい実施形態による、患者での患者監視デバイスの向きを示す。
図29】本発明の好ましい実施形態による、患者での患者監視デバイスの向きを示す。
図30】本発明の好ましい実施形態による、患者での患者監視デバイスの向きを示す。
図31A】本発明の好ましい実施形態による、患者での患者監視デバイスの向きを示す。
図31B】本発明の好ましい実施形態による、患者での患者監視デバイスの向きを示す。
図32】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの底部ハウジングの図である。
図33】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの底部ハウジングの図である。
図34】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図35】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図36】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図37】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図38】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図39】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図40】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図41】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図42】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図43】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図44】本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイスの組み立てプロセスを示す。
図45】本発明の好ましい実施形態によるアンテナ実装例を示す。
図46】本発明の好ましい実施形態によるアンテナ実装例を示す。
図47A】患者が動くときの、皮膚電極の鉛直方向のモーションではなく水平方向のモーションを示す。
図47B】患者が動くときの、皮膚電極の鉛直方向のモーションではなく水平方向のモーションを示す。
図47C】患者が動くときの、皮膚電極の鉛直方向のモーションではなく水平方向のモーションを示す。
図48】チェストデバイスのハウジングにポッティングコンパウンドを用いることを示す。
図49】チェストデバイスのハウジングにポッティングコンパウンドを用いることを示す。
図50】チェストデバイスのハウジングにポッティングコンパウンドを用いることを示す。
図51】チェストデバイスのハウジングにポッティングコンパウンドを用いることを示す。
図52】チェストデバイス、更新ケーブル、及びモバイル機器を示す。
図53】バッテリパック用の充電ステーションを示す。
図54】本発明の好ましい実施形態による修正済のチェストデバイスを示す。
図55】本発明の好ましい実施形態による修正済のチェストデバイスを示す。
図56】本発明の好ましい実施形態による修正済のチェストデバイスを示す。
図57】本発明の好ましい実施形態による修正済のチェストデバイスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図16は、本発明の好ましい実施形態による患者監視デバイス100を示す。図16に示す例では、患者監視デバイス100のチェストデバイス110は、患者の胸に取り付けられ得る。しかしながら、患者監視デバイス100は、患者の体の1つ以上の他の領域に取り付けられ得る。患者監視デバイス100は、患者の様々なバイタルサイン及び他の情報を検出、記録、記憶、及び送信し得る。例えば、患者監視デバイス100は、いくつかの接着型電極(例えば、図28参照)を含み得、これら電極は、患者の皮膚に接触して、様々な生体情報、バイタルサイン、並びに患者情報、例えば、限定されるものではないが、心拍リズム、心拍数、血圧、体温、呼吸数、血液酸素化、血糖値、水分補給レベル、発汗、及び生体インピーダンスを測定する。患者監視デバイス100はまた、患者の動作、動き、活動、位置、姿勢、及び物理的なロケーションを追跡し得る。
【0032】
患者監視デバイス100はまた、有線又は無線通信のいずれかによって、1つ以上の他のコンピューティングデバイスと通信し得る。例えば、患者監視デバイス100は、他のコンピューティングデバイス、例えばベッドサイドモニタ、パーソナルコンピュータ、タブレット型デバイス、携帯電話、セントラルサーバ、又はクラスドベースのネットワークと通信するために、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fi、又はセルラー方式の通信プロトコルを使用し得る。ある例として、患者監視デバイス100は、患者から収集したバイタルサイン情報を、ベッドサイドモニタとして動作するタブレット型デバイス又はパーソナルコンピュータへ送信し得る。タブレット又はパーソナルコンピュータは、受信した情報を処理し、その情報を、介護者又は他のユーザに、容易に理解できるフォーマットで表示し得る。例えば、タブレット型デバイスは、患者監視デバイス100からブルートゥース接続によってバイタルサイン情報を受信し、患者の心電図(ECG)波形、並びに患者の心拍数、呼吸数、血液酸素化レベル、体温、及び/又は他のバイタルサインに関する情報を表示し得る。別の例として、患者監視デバイス100は、有線接続によってコンピューティングデバイス(例えばベッドサイドモニタ)に定期的に接続されて、患者監視デバイス100によって収集された情報を、コンピューティングデバイスによって記憶、処理、表示すること及び/又は1つ以上の他のコンピューティングデバイス(例えば、パーソナルコンピュータ、病院にあるサーバ、クラウド記憶サーバなど)へ転送することを可能にし得る。
【0033】
さらに、患者監視デバイス100によって記録される情報は、他のコンピューティングデバイスへ送信されて、患者の状態のリアルタイム又はほぼリアルタイムの分析を提供し、経時的な患者のバイタルサイン情報の追跡を提供することができる。例えば、患者監視デバイス100によって記録される情報は、ディスプレイ装置へ送信されて、介護士が、情報を観察し、その情報に基づいて患者のケアを調整することを可能にし得る。情報はまた、中央情報レポジトリへ送信され、患者のバイタルサイン履歴及び他の情報を記録(log)且つ記憶し得る。患者のリアルタイムバイタルサイン情報及びバイタルサイン履歴情報の双方、並びに他の情報は、患者と同じ物理的なロケーションにはいない介護士によってアクセスされ得る。例えば、患者監視デバイス100によって収集されたバイタルサイン情報は、患者が所有するモバイル機器(例えば、スマートフォン)へ送信されて、患者が情報を見ることを可能にし得る。情報は、さらに、セントラルサーバへ送信され得、これは、1人以上の介護士によってアクセスされて(例えば、パーソナルコンピュータ又はモバイル機器によって)、介護士が、収集された情報を見て、患者がいる場所からは遠く離れたロケーションから、患者に対する患者ケアの決定を行うことを可能にし得る。
【0034】
患者監視デバイス100の一部として含まれ得る他の構成要素は、電源、ボタン、又はユーザ入力を受信するための他の入力機構、1つ以上の可聴警報又はスピーカ、及び光又はディスプレイ画面を含む。患者監視デバイス100は、さらに、入力機構、例えば、ボタン、キー、又はタッチスクリーンなどを含み得る。入力機構は、患者又は介護士が、患者監視デバイス100に対する設定を調整する様々なテスト(例えば、センサテスト、バッテリパワーレベルテストなど)を行う、又は患者監視デバイス100に対して1つ以上の警報を再設定することを可能にし得る。入力機構はまた、患者が支援を必要としている場合に、患者が窮迫電話(distress call)をかける(例えば、介護士へ又は病院の警告システムへ)ことを可能にし得る。
【0035】
図16に示すように、患者監視デバイス100は、患者に取り付けるためのチェストデバイス110、チェストデバイス110に電力供給するためのバッテリパック120、チェストデバイス110の片側に接触するパルスoxケーブル130、及び信号リード線をチェストデバイス110に取り付けるチェストデバイス110の異なる側にそれぞれ接続された2本のケーブル140を含み得る。ケーブル140はECGケーブルであってもよい。バッテリパック120は、標準的な使い捨てのバッテリ又は再充電可能なバッテリを含み得、異なるバッテリパックと取り換えることができるように取り外し可能である。
【0036】
図17は、下記で詳細に説明するように、バッテリパック120がチェストデバイス110から取り外し可能であり、コネクタ115及び125を含むコネクタシステムを介してチェストデバイス110と電気的接続を行うことを示す。
【0037】
チェストデバイス110の外側特徴部を、図18図20に関して説明する。図18は、チェストデバイス110が、角が丸みを帯びた実質的に長方形であり得、且つ2枚貝型構造から作製され得、ここでは、上部ハウジングが底部ハウジングに取り付けられ、その内部に、電子回路構成部分を収納して、患者の監視及び通信動作を行うことを示す。図18は、チェストデバイス110が、開口部113を含み得、そこを通して、リード線及び電極141用のケーブル140並びにパルスoxセンサ131用のケーブル130が取り付けられ得ることを示す。開口部113は、全て同一の形状を有しても、又は異なる形状を有してもよい。ケーブル又は構成要素が必要とされない場合、プラグ(図示せず)が対応する開口部113に挿入され得る。例えば、パルスoxセンサ131が必要とされない場合、プラグは、パルスoxセンサ131に対応する開口部113に挿入され得る。プラグは、チェストデバイス110の製造若しくは組み立てプロセス中に挿入される永久的なプラグであっても、又は必要に応じて挿入されたり若しくは取り外されたりすることができる取り外し可能なプラグであってもよい。例えば、カスタマイズされたケーブルとカスタマイズされたチェストデバイス110の組み合わせは、不要なケーブルをプラグに取り換えて、製造又は組み立てプロセス中に開口部113を閉鎖することによって、作製され得る。開口部113が同一の形状を有する場合、製造又は組み立てプロセスにおいて、異なる形状のプラグが準備される必要はない。図18はまた、チェストデバイス110が、位置合わせ特徴部として切り欠き部又はノッチ114も含み得、この場所で、バッテリパック120がチェストデバイス110に接続されることを示す。図19は、パルスoxケーブル130及びケーブル140が開口部113を通して取り付けられているチェストデバイス110の図である。図20は、下記でさらに説明するように、チェストデバイス110が、バッテリパック120を支え、ロックし、保持するために設けられた孔117のあるL字形状のアーム116を含み得ることを示す。図52に示すように、チェストデバイス110のソフトウェアは、例えば、モバイル機器160に接続される更新ケーブル150を使用して更新され得る。しかしながら、他のコンピューティングデバイスが、チェストデバイス110を更新するためのものであってもよい。更新ケーブル150を使用することに加えて、又はその代替例として、チェストデバイス110のソフトウェアは、無線で更新され得る。
【0038】
図21に示すように、バッテリパック120は、角が丸みを帯びた実質的に長方形であり得、バッテリパック120の一側面から延在するタブ126を含む。バッテリパック120は、プラスチックハウジング内に交換可能なバッテリ又は再充電可能なバッテリのいずれかを含み得る。バッテリパック120が再充電可能なバッテリを含む場合、例えば、図53に示すように、バッテリパック120は、充電ステーション170を使用して充電され得る。図示の通り、タブ126は、チェストデバイス110に対してバッテリパック120を位置決めして保持する突起又は戻り止め127を含み得る。図22は、適所にあり、チェストデバイス110と係合されたバッテリパック120を示し、ここで、バッテリパック120のタブ126にある突起127は、チェストデバイス110のL字形状のアーム116にある孔117に嵌合しており、ロック構造を規定している。孔117内の突起127のロック構造は、チェストデバイス110に対してバッテリパック120を適切な向きにするのを助ける。ロック構造はまた、チェストデバイス110に対してバッテリパック120を適所に固定して、チェストデバイス110からバッテリパック120を分離するためには、突起127が孔117に保持される力よりも大きい力が必要とされるようにする。したがって、両デバイスを保持している間にバッテリパック120を係合解除して取り外すために適切な方向に加えられる必要がある力の量により、チェストデバイス110からバッテリパック120が意図せず外れることが防止され得る。ロック構造はまた、突起127が孔117に対して係合又は係合解除するときに、ユーザに触覚に基づく合図、例えば、パチッとなる(snap)又はカチッとなる(click)感覚を提供する。
【0039】
チェストデバイス110は、バッテリパック120を交換又は修正するために、外されたり又は廃棄されたりする必要はない。取り外し可能なバッテリパック120では、チェストデバイス110は、患者に取り付けられたままとなり得るため、電極から取り外される必要はない。チェストデバイス110が電極から取り外される場合、電極が患者の皮膚に設けられていると、同じ電極にチェストデバイス110を再び取り付けることは困難な場合がある。電極が患者の皮膚にあるときに同じ電極にチェストデバイス110を再び取り付けることは、チェストデバイス110のスナップ111を電極のスナップと完全に又はほぼ完全に位置合わせし、その後、チェストデバイス110のスナップ111を電極のスナップに接続するために、十分な力を加えることを含む。この場合、介護士は、チェストデバイス110に新しい電極を用い、その後、患者にチェストデバイス110を用いる必要がある。再充電可能な場合、バッテリパック120は、使い果たされたとき、チェストデバイス110が患者に取り付けられたままである間に、充電済のバッテリパックと取り換えられる。バッテリパック120のバッテリ充電が減りすぎているか、又は何度も充電及び放電した後でバッテリが劣化している場合、ユーザは、チェストデバイス110には回路構成部分が含まれているためにバッテリパック120よりも比較的高価であるチェストデバイス110を取り換える必要なく、単に、古いバッテリパック120を新しいものと取り換えればよいだけである。
【0040】
図23は、ハウジングを透視図で示すバッテリパック120の図である。図示の通り、バッテリパック120は、バッテリ121、PCB122、及びコネクタ125を含み得る。PCB122は、バッテリ121とコネクタ125との間に電力及び電気信号相互接続の経路を定める。PCB122は、リジッド又はフレキシブルであり得、回路構成要素を含み得る。回路構成要素は、バッテリ機能とは関係ない回路構成要素(例えば、チェストデバイス110に関係する機能)を含み得るが、バッテリパック120は、好ましくは、バッテリ機能(例えば、充電、バッテリステータスなど)に関係する回路構成要素のみを含む。任意選択的に、電力及び電気信号は、個別のワイヤ又は別の好適な機構によって経路が定められ得る。図22及び図23に示す配置構成によれば、当業者は、チェストデバイス110に影響を与えることなく、バッテリパック120を交換できることを十分認識するであろう。すなわち、バッテリパック120は、チェストデバイス110を再設計又は再構成する必要なく、より長い寿命を有し得る又は異なるバッテリ技術で作製され得る異なるバッテリに適合するために、厚さが異なり得る。図22に示すように、バッテリパック120の上面、底面、左側面、右側面、前面、及び背面のうちの1つのみが、チェストデバイス110に対面する。したがって、バッテリパック120は、異なるサイズ及び異なる形態で実装され得る。しかしながら、バッテリパック120の上面、底面、左側面、右側面、前面、及び背面のうちの2つ以上が、チェストデバイス110に対面してもよい。
【0041】
図24図26は、バッテリパック120及びチェストデバイス110の接続特徴部を示す。図24及び図26は、バッテリパック120が、バッテリパック120の底部から突き出るビーム128を含み得ることを示す。ビーム128は、コネクタ125を保持し、バッテリ121とコネクタ125との間の相互接続機構を覆う構造的特徴である。
【0042】
コネクタ125は、USB-C、ミニUSB、マイクロUSB、又は任意の他の好適なフォーマットであり得る。図24及び図26に示すように、コネクタ125は、タブ126の方へ向かう方向にビーム128から突出してもよい。ビーム128はまた、コネクタ125の下に位置するフランジ129を含み得、これも、タブ126の方へ向かう方向にビーム128から突出し、コネクタ125よりも遠くへ延在する。フランジ129は、全体的に平らな形状を有し、物理的損傷又は不慮の電気接触からコネクタ125を保護し得る。
【0043】
図25は、切り欠き部114が設けられたチェストデバイス110、チェストデバイス110のハウジングにはめ込まれたコネクタ115、及び切り欠き部114にある溝118を示す。図26は、チェストデバイス110に対して位置決めされたバッテリパック120を示す。バッテリパック120及びチェストデバイス110が、図22に示すように接合されると、切り欠き部114及びビーム128の特徴部が、バッテリパック120のコネクタ125とチェストデバイス110のコネクタ115とが接続されるための適切な向きにする主要な機構を提供する。すなわち、チェストデバイス110のL字形状のアーム116の内壁、切り欠き部114、及び溝118が、バッテリパック120のコネクタ125とチェストデバイス110のコネクタ115の係合及び係合解除の最中、バッテリパック120のタブ126、ビーム128、及びフランジ129の相対的な動きを1つの軸に制限するため、バッテリパック120のコネクタ125とチェストデバイス110のコネクタ115は、適切に位置合わせされる。動きの軸は、バッテリパック120のコネクタの挿入方向と平行であるため、バッテリパック120の挿入又は取り外しの最中に、バッテリパック120のコネクタ125及びチェストデバイス110のコネクタ115に変則的な力は加えられない。これにより、バッテリパック120のコネクタ125及びチェストデバイス110のコネクタ115への応力、損傷、又は破損を防止する。チェストデバイス110のL字形状のアーム116、切り欠き部114、及び溝118、並びにバッテリパック120のタブ126、ビーム128、及びフランジ129の異なる配置構成が、使用され得る。例えば、バッテリパック120が切り欠き部及び溝を含み得、チェストデバイス110がビーム及びフランジを含み得る。バッテリパック120とチェストデバイス110の係合及び係合解除の最中の、チェストデバイス110に対するバッテリパック120の相対的な動きを1つの軸に制限する他の案内構造を使用すること、及び/又はバッテリパック120の挿入若しくは取り外しの最中に、バッテリパック120のコネクタ125及びチェストデバイス110のコネクタ115に変則的な力が確実に加えられないようにすることも可能である。
【0044】
さらに、チェストデバイス110の切り欠き部114及びコネクタ115並びにバッテリパック120のビーム128及びコネクタ125の構造的な向きは、ユーザが別のコネクタを誤って挿入することを防止し、誤使用による患者に対する電気的ショック及びデバイスの不具合のいずれのリスクも軽減させる。チェストデバイス110は、バッテリパック120と、図52に示すように、例えば、モバイル機器160に接続され得る更新ケーブル150とのみ係合する必要がある。切り欠き部114は、任意の他のコネクタがチェストデバイス110のコネクタ115に挿入されるのを妨げるために、チェストデバイス110のコネクタ115のインターフェースを越えて突出するチェストデバイス110の部分を規定するように配置され得る。切り欠き部114の幅及びビーム128の対応する幅は、ビーム128の挿入を可能にするが任意の他のコネクタがチェストデバイス110のコネクタ115に挿入されるのを妨げるように、十分に狭くし得る。互換性のないコネクタの挿入を防止する及び/又はチェストデバイス110を損傷から保護する他の誤挿入防止構造をチェストデバイス110に使用することも可能である。フランジ129は、バッテリパック120のバッテリを損傷から保護し得る。フランジ129は、バッテリパック120のコネクタ125の十分に近くにあることができ、バッテリパック120のコネクタ125がチェストデバイス110のコネクタ115に接続されることを可能にするだけでなく、いずれの非互換性コネクタもバッテリパック120のコネクタ125に接続されることを妨げるようにする。互換性のないコネクタの挿入を防止する及び/又はバッテリパック120のバッテリを損傷から保護する他の誤挿入防止構造をバッテリパック120に使用することも可能である。バッテリパック120は、チェストデバイス110と、図53に示すように、充電ステーション170とのみ係合する必要がある。ひとたび十分に係合されたら、ビーム128、切り欠き部114、フランジ129、及び溝118はそれぞれ、しっかりと嵌る。したがって、バッテリパック120とチェストデバイス110のロック構造及び適合する幾何学的配置構成が、非常に信頼性の高い接続システムを保証する。
【0045】
図26は、切り欠き部114の側壁とビーム128の代替的な対となる実装例を示し、これは、図24及び図25に示すものとは異なる。図26は、切り欠き部114の側壁が、段114’を規定する凹部を含み得、これは、ビーム128の対応する厚みのある部分128’を受け入れ得ることを示す。異なる世代のチェストデバイス110及びバッテリパック120が互換性のある製品とのみ接続されることができるようにすることを保証するために、この特徴部の変形例が使用され得る。
【0046】
患者での患者監視デバイス100の向きについては、図27図31Bに関して下記で説明する。アダプタのスナップが患者の胸を横切って水平方向に向けられる従来の患者着用監視デバイスとは異なり、本発明の好ましい実施形態によるチェストデバイス110のスナップ111は、図27に示すように、患者の胸を横切って鉛直方向に向けられる。図27は、ケーブルが、上部、底部、及び右側でチェストデバイス110に取り付けられ得ることを示す。
【0047】
図47Aは、患者が静止しているときの患者の胸にある一群の皮膚電極を示し、上2つの皮膚電極141Aは、水平方向に互いに直ぐ隣にあり、下の皮膚電極141Bは、上2つの皮膚電極141Aと鉛直方向に直ぐ隣にある。図47B及び図47Cの上2つの皮膚電極141Aによって示す通り、患者が動くか又は腕の位置を変えると、動いている最中に胸部の患者の皮膚は水平方向に伸びて、上2つの皮膚電極141Aを水平方向に分離させ、これにより、従来のアダプタに接続されている場合、上2つの皮膚電極141Aを分離させ、対応するアダプタスナップ(例えば、スナップ111)と電極141A及び141Bとの間に応力をもたらし得る。この加えられた応力は、患者着用デバイスが皮膚電極141A及び141Bからポンと外れるようにする可能性がある。しかしながら、図47B及び図47Cに、上2つの皮膚電極141Aに対する下の皮膚電極141Bで示す通り、胸部の患者の皮膚は鉛直方向には伸びないか又はそれほど伸びないため、下の皮膚電極141Bと上2つの皮膚電極141Aとの間は鉛直方向には全く又はほとんど動かない。すなわち、患者が動くと、患者の胸部の皮膚は、縦方向(すなわち鉛直方向)ではなく横方向(すなわち水平方向)に伸びる傾向があり、これにより、チェストデバイス(例えば、チェストデバイス110)が縦方向(すなわち鉛直方向)に位置するスナップ(例えば、スナップ111)をポンと外れるようにする機会を減らす。そのため、チェストデバイス110の後部でスナップ111を鉛直方向の向きに提供することによって、アダプタスナップ111と電極との間の応力の問題をなくすか又は著しく減らす。図47A図47Cで実証されている、動いている最中に皮膚が動かない非延長的なラインは、胸部に特有であるため、患者の皮膚の別の領域では異なり得る。したがって、皮膚電極の異なる向きは、患者の皮膚の異なる領域に従って提供され得る。
【0048】
本発明の好ましい実施形態による患者監視デバイス100の向きは、図28図30に示されている。図28は、患者に取り付けられた患者監視デバイス100、ECGリード線及び電極141、呼吸感知リード線及び電極142、並びにパルスoxセンサ131の図である。図示の通り、ECGリード線及び電極141並びに呼吸感知リード線及び電極142用のケーブル140は、患者監視デバイス100に底部及び右側で取り付けられ、パルスoxセンサ131に対するパルスoxケーブル130は、患者監視デバイス100の上部に取り付けられる。この向きは、さらに、図29及び図30に示される。
【0049】
図29及び図30は、患者に取り付けられているときの向きでの患者監視デバイス100の前側の図であり、患者の頭及び足に向かう方向、並びに患者の左側及び右側への方向を示す。図30は、図示のバッテリパック120のハウジング及びチェストデバイス110が透視図で示されているため、チェストデバイス110の後部にある鉛直方向に向けられたスナップ111が見える図である。
【0050】
図31A及び図31Bは、患者に取り付けられる患者監視デバイス100の2つの実装例を示す。バッテリパック120は患者の左側からチェストデバイス110に取り付けられるため、パルスoxセンサ131用のケーブル130は、チェストデバイス110の側面の代わりに、チェストデバイス110の上部に取り付けられ得る。パルスoxセンサ131用のケーブル130は、患者監視デバイス100の上部に取り付けられるため、パルスoxケーブル130は、患者のいずれかの側に簡単に経路が定められ得る。図31Aは、左側に経路が定められて患者の右手に取り付けられたパルスoxセンサ131を示す。図31Bは、右側に経路が定められて患者の左手に取り付けられたパルスoxセンサ131を示す。
【0051】
図32及び図33は、チェストデバイス110の底部ハウジング210の例の図である。図32は、スナップ111を位置付けて置くために使用される特徴部を示す底部ハウジング210の内部の図である。図32は、凹状の段が設けられた円形キャビティ211、及び中心にある円形開口部を示す。キャビティ211は、底部ハウジング210内にスナップ111を位置決めするために使用されるが、他の構造が、底部ハウジング210内にスナップ111を位置決めするために使用され得る。図32は、さらに、3つのリブ213を示し、これらリブは、底部ハウジング210の内側面から突出し、各キャビティ211の直ぐ隣にあるとともにキャビティ211の外周に沿った位置にある。リブ213は、下記でさらに説明するように、組み立ての最中に、ポッティングコンパウンド219が硬化されるまで、所望の位置にスナップ111を位置付けて保持するのを支援する。或いは、異なる数のリブ213が使用され得る。図33の後面図に示す通り、キャビティ211の凹部は、底部ハウジング210の外側に突起211Aを形成する。突起211Aは、底部ハウジング210の後面の本体から持ち上がっており、平面211Bで終端する。平面211Bは、患者に取り付けられるときに、底部ハウジング210の後面の本体と皮膚設置電極141との間に空間を形成する。形成されたこの空間は、皮膚設置電極141に対してチェストデバイス110をわずかに傾けることを可能にするため、チェストデバイス110は、患者の皮膚の動きに自由に従うことができる。したがって、底部ハウジング210の構造が、従来の柔らかいブーツによってもたらされる動きと同様の、チェストデバイス110と皮膚設置電極141との間の動きを可能にするため、底部ハウジング210は、スナップ111の周りに、従来の設計で必要とされるようなゴムの柔らかいブーツを有する必要はない。
【0052】
柔らかいブーツは、プラスチック筐体上へのゴムのような材料のオーバーモールディングによって作製される。ゴムのような材料のオーバーモールディングは、複雑であり、コストがかかる。鉛直方向に配置される電極141が使用される場合、電極141は互いに対して動く必要がないため、柔らかいブーツをなくすことができる。したがって、柔らかいブーツの複雑でコストのかかる製造プロセスは不要であり、本発明の好ましい実施形態によって、なくされる。柔らかいブーツをなくすことによって、チェストデバイス110の設計を単純にし、且つチェストデバイス110のサイズを小さくして重量を減らすことができ、患者に有益である。チェストデバイス110に設けられたキャビティ211は、十分に強い材料から作製され、プラスチック電極スナップをはめ込むのに十分な大きさであり得、且つポンと外れて抜け出る問題なく、デバイスのスナップ111をしっかりと保持する。
【0053】
図34図44は、チェストデバイス110の組み立てプロセスの例を説明するために使用される。図34は、ワイヤ111Aが各スナップ111にはんだ付けされ得ることを示す。図35は、コネクタ115及び設置回路構成要素(図示せず)を含むPCB112が提供され得ることを示す。PCB112は、リジッドであり得、任意の好適な材料から作製され得る。PCB112の代わりに、任意の好適な基板が使用され得る。
【0054】
図36は、底部ハウジング210が2枚貝型構造で提供され得ることを示す。底部ハウジング210は、プラスチック又は任意の好適な材料で作製され得、キャスティング、成形、射出成形、機械加工、又は任意の好適な方法、又はこれらの組み合わせによって作製され得る。底部ハウジング210は、前述したような開口部113、切り欠き部114、リブ213、及びキャビティ211を含み得る。底部ハウジング210はまた、コネクタ115にアクセスするためのコネクタ開口部115A、及びPCB112を置き、上部ハウジング310を取り付けるためのボス212を含み得る。
【0055】
図37は、底部ハウジング210のそれぞれのキャビティ211に位置決めされた、ワイヤ111Aを備える2つのスナップ111を示す。図38は、底部ハウジング210に位置決めされたPCB112を示し、ここでは、コネクタ115は、裏面にある(図示せず)。PCB112は、圧入によって、締結具若しくは接着剤を使用することによって、又は熱かしめ(heat-staking)によって、底部ハウジング210に固定され得る。PCB112が底部ハウジング210に固定されるとき、PCB112とスナップ111との間には空間がある。図39は、スナップ111用の配線111A及びケーブル140用の配線140Aが、PCB112にはんだ付けされ得るか又は接続され得ることを示す。底部ハウジング210をポッティングコンパウンド219で満たして、スナップ111及びPCB112を覆うとき、PCB112の下側に空隙が残り得、これが除細動中のチェストデバイス110の不具合を引き起こし得る。PCB112は、エアベントとして機能する小さな孔を含み得、これは、ポッティングコンパウンド219によって空隙が形成されるリスクを低下させる。小さな孔が設けられたPCB112を使用することに加えて又はその代替例として、底部ハウジング210及び/又は上部ハウジング310の少なくとも一部分は、透明であり得るため、チェストデバイス110のアセンブリが組み立てられた後、PCB112の下側にあるポッティングコンパウンド219によって形成されたいずれの空隙も見ることができる。図40は、底部ハウジング210の後面にあるスナップ111用のキャビティ211が、テープ211’によって覆われ得、図41に示すポッティングコンパウンド219の漏れを防止することを示す。図41は、底部ハウジング210の内部が誘電体ポッティングコンパウンド219で埋められ得、これが硬化されて、PCB112、スナップ111、はんだ付けされたワイヤ111A及び140A、並びにPCB112に置かれた回路構成要素を覆って包み込むことを示す。ポッティングコンパウンド219は、エポキシ樹脂、シリコーン、又は任意の他の好適な材料であり得る。ポッティングコンパウンド219の比誘電率は、4未満であり得る。図42は、テープ211’が底部ハウジング210の後面から取り外され得ることを示す。
【0056】
図43は、上部ハウジング310が底部ハウジング210に取り付けられて、チェストデバイス110の組み立てが完了し得ることを示す。上部ハウジング310は、プラスチック又は任意の好適な材料で作製され得、キャスティング、成形、射出成形、機械加工、又は任意の好適な方法、又はこれらの組み合わせによって作製され得る。上部ハウジング310は、適所にはめ込まれるとして圧入によって、又は締結具、接着剤、若しくは任意の他の好適な方法を使用して、底部ハウジング210に取り付けられ得る。
【0057】
図44は、ポッティングコンパウンド219を用いるプロセスの最中のスナップ領域の断面図である。図48図51に示す組み立てプロセスでは、流体形態のポッティングコンパウンド219は、アプリケータ190によって、PCB112の下側を流れ、PCB112を覆い、キャビティ211内にあるスナップ111を覆うように用いられる。底部ハウジング210がゴム又は軟質プラスチックで作製されていない場合には、各スナップ111と底部ハウジング210との間には小さな間隙が存在することがあり、完璧なシールを困難又は不可能にする。ポッティングコンパウンド219が硬化及び固化される前に、ポッティングコンパウンド219は、スナップ111と底部ハウジング210との接触面250間にある小さな間隙を通って漏れ得る。これが起こると、ポッティングコンパウンド219は、スナップ111の外面に接着することがあり、これは、スナップ111と皮膚設置電極141との間の電気的接続を防げることにより、欠陥のある製品につながり得る。この不具合を防止するために、ポッティングプロセス前に、テープ211’が底部ハウジング210の平面に貼られて、キャビティ211を封止する。結果として生じる囲まれた空気260は、流動性のポッティングコンパウンド219によって圧縮され、空気圧によって、ポッティングコンパウンド219がキャビティ211中へ流れること及びスナップ111に欠陥が生じる可能性を防止する。ポッティングコンパウンド219が硬化された後、テープ211’が取り外される。したがって、組み立て中にスナップ111と底部ハウジング210との間の完璧なシールが必要とされないため、底部ハウジング210は、ゴムのような材料で作製される必要はない。上述の通り、底部ハウジング210は、透明に作製され得るため、ポッティングプロセス検査をPCB112の下側で行うことができる。
【0058】
さらに、底部ハウジング210の内部電気構成要素のポッティングは、例えば、除細動に起因する考えられる電気アーク源からスナップ111を分離するために、従来の設計に必要とされる空間を節約する。考えられるアーク源間の誘電材料、例えばポッティングコンパウンド219による充填空間は、電気アークのリスクを著しく減少させるか又は防止し、より高密度の構成要素のパッケージングを可能にし、従来のアダプタ-センサセンブリと比べてチェストデバイス110の全体のサイズを小さくする。ポッティングコンパウンド219は、PCB112及びPCB112上の電気構成要素、並びにスナップ111及びワイヤ111Aを封入するため、除細動中の不具合の懸念なく、高密度でコンパクトな電気アセンブリが提供される。その結果、チェストデバイス110によって提供される、より小型でより軽量な設計が患者にとって不快な負担を減らし得る。
【0059】
図45及び図46は、本発明の好ましい実施形態によるアンテナ実装例を示す。患者監視デバイス100と遠隔監視システムとの間に信頼性の高い接続性をもたらすために、PCB112のアンテナは、無線通信を自由に送信及び受信できる必要がある。したがって、バッテリが遮蔽効果を提供してアンテナの信頼性の高い動作を妨げ得るため、PCB112のアンテナは、バッテリによって覆われるべきではない。本発明の好ましい実施形態では、バッテリパック120内のバッテリ121は、平面図では、すなわちPCB112の主要面に対して垂直な方向において、又はチェストデバイス110が患者に取り付けられるときに患者の方へ向かう方向において、PCB112と完全には重なり合わない。例えば、図45は、PCB112上の破線の楕円によっておおよそで示されるアンテナの位置119を示す。図46は、バッテリパック120がチェストデバイス110と係合された状態の患者監視デバイス100を示す。点線の四角は、バッテリ121の位置をおおよそで示し、これは、チェストデバイス110の片側へオフセットされており、下部のPCB112及び破線の楕円によって示すようなアンテナの位置119とは完全には重なり合わない。アンテナは、バッテリ121によって覆われていないPCB112の領域であるアンテナの位置119に提供され得るため、アンテナへの及びアンテナからの電波は、バッテリ121によって遮断されない。さらに、図45に示すように、アンテナの位置119はまた、平面図において、すなわちPCB112の主要面に対して垂直な方向において、又はチェストデバイス110が患者に取り付けられるときに患者の方へ向かう方向において、無線通信に干渉し得るいずれのケーブル配線140Aとも重なり合わない。
【0060】
PCB112のアンテナは、好ましくは、ポッティングコンパウンド219又は任意の他の材料で覆われず、チェストデバイス110の組み立てプロセス中に、良好なインピーダンス整合を再現性良く提供するようにする。例えば、アンテナの周りの開放空間を保つために、ポッティングコンパウンド219を用いる前に、アンテナの周りでPCB112に壁特徴部(図示せず)が接着され得る。しかしながら、PCB112のアンテナがポッティングコンパウンド219によって覆われる場合、ポッティングコンパウンド219は、好ましくは、チェストデバイス110の組み立てプロセスの最中にアンテナ効率を最大にするとともに再現性のある良好なインピーダンス整合を提供するために、低誘電率(permittivity)(誘電率(dielectric constant))を有し得る。
【0061】
図54図57は、本発明の好ましい実施形態による修正済のチェストデバイス310を示す。修正済のチェストデバイス310が3つの別個のPCB311、312、313を含み得ることを除いて、修正済のチェストデバイス310はチェストデバイス110と同様である。
【0062】
図54及び図57に示すように、修正済のチェストデバイス310は、平面図において、すなわちPCB311の主要面に対して垂直な方向において、又はチェスト機デバイス310が患者に取り付けられるときに患者の方へ向かう方向において、バッテリパック320内に含まれるバッテリ321と重なり合わないように位置する第1のPCB311を含み得る。したがって、第1のPCB311は、無線通信用の回路構成部分などを含み得る。さらに図54に示すように、修正済のチェストデバイス310は、チェストデバイス110のPCB112と同様であり得る第2のPCB312を含み得る。
【0063】
図55に示すように、修正済のチェストデバイス310は、さらに、第2のPCB312の下で且つ修正済のチェストデバイス310の底部ハウジング410の上に設けられる第3のPCB313を含み得る。底部ハウジング410は、第3のPCB313の周囲に延在する保持壁414を含み得る。図56に示すように、第3のPCB313は、チェストデバイス110に含まれる、ポッティングコンパウンド219と同様のポッティングコンパウンド419によって覆われ得る。底部ハウジング410の保持壁414は、ポッティングコンパウンド419の流れを、第3のPCB313を囲む領域に収めることができ、ポッティングコンパウンド419が、底部ハウジング410の他の領域へ流れるのを防止するようにする。したがって、修正済のチェストデバイス310では、ポッティングは、第3のPCB313に含まれる回路構成要素にのみ用いられ得、ポッティングは、第1のPCB311及び第2のPCB312に含まれる回路構成要素には用いられない。そのため、第3のPCB313に含まれた回路構成要素、例えば、アナログ回路構成要素のみを埋め込むことによって、修正済のチェストデバイス310に含まれるポッティングコンパウンド419の重量は、チェストデバイス110に含まれるポッティングコンパウンド219の重量と比べて減少され得る。すなわち、修正済のチェストデバイス310は、別個のPCBに含まれる特定の回路構成要素のみを埋め込むことによって、重量を全体的に減少させ得る。
【0064】
上述の記載は、本発明を説明するにすぎないことを理解されるべきである。様々な代替例及び修正例が、本発明から逸脱することなく、当業者によって考案され得る。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内に入る全てのそのような代替例、修正例、及び変形例を含むものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31A
図31B
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45
図46
図47A
図47B
図47C
図48
図49
図50
図51
図52
図53
図54
図55
図56
図57
【手続補正書】
【提出日】2023-09-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項6】
前記第1の開口部を規定する第1のキャビティと、
前記第2の開口部を規定する第2のキャビティと、をさらに備える、請求項に記載の患者監視デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項30
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項30】
前記ハウジングは、前記基板を囲む領域に前記誘電体ポッティングコンパウンドを収める保持壁を含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
図5は、どのようにセンサ1120がアダプタ1110のアーム1116によって位置合わせされ、アダプタ1110のソケットコネクタにコネクタ1123を係合するために動かされ得るかを示す。図5に示すように、センサ1120は、上からアダプタ1110中へと摺動するが、このためには、センサ1120がアダプタ1110中へ摺動するときにセンサ1120との干渉を回避するためにパルスoxケーブル1130がアダプタ1110の側面に位置する必要がある。パルスoxケーブル1130がアダプタ1110の側面に位置するため、センサ1120は、患者の左腕でのみ使用され得る。図6は、センサ1120が適所にあり且つアダプタ1110と十分に係合されている状態のアダプタ-センサセンブリ1000を示す。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
上述の従来の配置構成では、アダプタ1110の後部上にあるスナップ1111が、皮膚設置電極1141から外れることがある。すなわち、いくつかの皮膚電極は、柔らかいブーツ1119と皮膚設置電極1141にある対となるスナップ1142との間の干渉により、アダプタ1110のスナップ1111からポンと外れる傾向がある。アダプタ1110の内部にあるスナップ1111は通常雌型であり、電極1141上にある対となるスナップ1142は通常雄型である。さらに、柔らかいブーツ1119に設けられた孔の直径が、そのような干渉、及び結果として生じるポンと外れることを防止するために大きくされる場合、アダプタ1110のスナップ1111は、皮膚設置電極1141からアダプタ1110を取り外すときに、柔らかいブーツ1119から抜け出し得る。ポンと外れること及び抜け出しの問題についての詳細な説明が、図9A図12に関して説明される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
図11Bに示すように、柔らかいブーツ1119の孔の大きさは大きくされ得、ここで、アダプタ1110’の柔らかいブーツ1119’に設けられた孔の直径は、図11Aに示す従来のアダプタ1110に設けられた柔らかいブーツ1119の孔よりも大きい。孔の大きさが大きいことによって、プラスチックスナップ1142Bが柔らかいブーツ1119’からポンと外れることの発生を減らすが、より大きい孔が設けられた可撓性の柔らかいブーツ1119’は、状況次第では、スナップを柔らかいブーツ1119’内に入れた状態に保つための十分な強さがなかった。すなわち、スナップ1111は、皮膚設置電極1141からアダプタ1110を係合解除するとき、より大きい孔が設けられた柔らかいブーツ1119’から抜け出す傾向があった。この不具合の例が図12に示されており、ここでは、図11Aに示す柔らかいブーツ1119に設けられた元々の孔の直径でも、異常に高い引張力がアダプタ1110のスナップ1111に加えられる場合に、抜け出しが起こり得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0059
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0059】
図45及び図46は、本発明の好ましい実施形態によるアンテナ実装例を示す。患者監視デバイス100と遠隔監視システムとの間に信頼性の高い接続性をもたらすために、PCB112のアンテナは、無線通信を自由に送信及び受信できる必要がある。したがって、バッテリが遮蔽効果を提供してアンテナの信頼性の高い動作を妨げ得るため、PCB112のアンテナは、バッテリによって覆われるべきではない。本発明の好ましい実施形態では、バッテリパック120内のバッテリ121は、平面図では、すなわちPCB112の主要面に対して垂直な方向において、又はチェストデバイス110が患者に取り付けられるときに患者の方へ向かう方向において、PCB112と完全には重なり合わない。例えば、図45は、PCB112上の破線の楕円によっておおよそで示されるアンテナの位置119を示す。図46は、バッテリパック120がチェストデバイス110と係合された状態の患者監視デバイス100を示す。破線の四角は、バッテリ121の位置をおおよそで示し、これは、チェストデバイス110の片側へオフセットされており、下部のPCB112及び破線の楕円によって示すようなアンテナの位置119とは完全には重なり合わない。アンテナは、バッテリ121によって覆われていないPCB112の領域であるアンテナの位置119に提供され得るため、アンテナへの及びアンテナからの電波は、バッテリ121によって遮断されない。さらに、図45に示すように、アンテナの位置119はまた、平面図において、すなわちPCB112の主要面に対して垂直な方向において、又はチェストデバイス110が患者に取り付けられるときに患者の方へ向かう方向において、無線通信に干渉し得るいずれのケーブル配線140Aとも重なり合わない。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図24
【補正方法】変更
【補正の内容】
図24
【国際調査報告】