(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】電気装置との接続のためにドアと外側ドアフレームの内側にルーティングされたワイヤハーネスを備えるドアシステム
(51)【国際特許分類】
E06B 7/28 20060101AFI20240220BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
E06B7/28 B
E06B7/28 C
E06B7/28 A
E05B49/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548332
(86)(22)【出願日】2022-02-14
(85)【翻訳文提出日】2023-09-15
(86)【国際出願番号】 US2022016303
(87)【国際公開番号】W WO2022174140
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523301385
【氏名又は名称】マゾナイト コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ボドゥルカ アレックス
(72)【発明者】
【氏名】スワルツミラー スティーヴン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ソリス コリー ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250AA05
2E250BB08
2E250DD06
2E250FF25
2E250FF27
2E250FF36
(57)【要約】
住宅用屋外ドアシステムは、住宅の屋外開口部内に取り付けられるように適合された外側ドアフレームと、前記外側ドアフレームに枢動可能に取り付けられた住宅用屋外ドアと、前記ドア上に設置された少なくとも1つの電気装置と、前記ドアに取り付けられたメインコントローラと、前記ドアに動作可能に関連付けられた電源ユニットと、前記ドアに組み込まれ、前記電気装置、前記メインコントローラ、及び前記電源の間で電力及び電気信号を伝達するためのワイヤハーネスと、を備える。前記メインコントローラは、前記ワイヤハーネスと協働して、前記少なくとも1つの電気装置に電力を供給し、前記少なくとも1つの電気装置を動作させるために動作用信号を前記少なくとも1つの電気装置に供給し、前記動作用信号に応答して前記少なくとも1つの電気装置から動作信号を受信するように構成される。
【選択図】
図21A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅用屋外ドアシステムであって、
住宅の屋外開口部内に取り付けられるように適合された外側ドアフレームと、
前記外側ドアフレームに枢動可能に取り付けられた住宅用屋外ドアと、
前記ドア上に設置された少なくとも1つの電気装置と、
前記ドアに取り付けられたメインコントローラと、
前記ドアに動作可能に関連付けられた電源ユニットと、
前記ドアに組み込まれ、前記電気装置、前記メインコントローラ、及び前記電源の間で電力及び電気信号を伝達するためのワイヤハーネスと、
を備え、
前記メインコントローラは、前記ワイヤハーネスと協働して、前記少なくとも1つの電気装置に電力を供給し、前記少なくとも1つの電気装置を動作させるために動作用信号を前記少なくとも1つの電気装置に供給し、前記動作用信号に応答して前記少なくとも1つの電気装置から動作信号を受信するように構成される、ドアシステム。
【請求項2】
前記ドア及び前記外側ドアフレームの少なくとも一方は、前記ワイヤハーネスを受け入れてルーティングして、前記少なくとも1つの電気装置に接続するための配線導管を含む、請求項1に記載のドアシステム。
【請求項3】
前記ドアが閉じられたときに前記ドアに面する前記外側ドアフレームの前側に固定された配線取付装置をさらに備え、前記配線取付装置は、前記配線導管を含む、請求項1又は2に記載のドアシステム。
【請求項4】
前記配線取付装置は、前記配線導管が形成されたベース部材と、前記配線導管を覆うように前記ベース部材に着脱自在に取り付け可能なスナップ式の保護カバーとを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項5】
前記外側ドアフレームは、ヒンジ側枠部材及びラッチ側枠部材と、第一の枠部材及び第二の枠部材の上端を接続するヘッダとを含み、前記ベース部材は、前記外側ドアフレームの前記ヒンジ側枠部材、前記ラッチ側枠部材、及び前記ヘッダの少なくとも1つの前側に、前記ドアが閉じられたときに前記ドアに面するように固定される、請求項1~4のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項6】
前記ドアは、前記配線導管を画定する内側配線溝が形成された内側ドアフレームを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項7】
前記内側ドアフレームは、第一のスタイル及び第二のスタイルと、前記第一のスタイルと前記第二のスタイルとの間に延在する頂部レールとを含み、前記第一のスタイル及び前記第二のスタイルと、前記頂部レールとの少なくとも1つには、前記内側配線溝が形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項8】
前記外側ドアフレームは、前記外側ドアフレームの前側に形成された内側配線溝と、前記外側ドアフレームの裏側に形成された外側配線溝との少なくとも一方を含み、前記内側配線溝及び前記外側配線溝は、前記配線導管を画定する、請求項1~7のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項9】
前記外側ドアフレームは、第一の枠部材及び第二の枠部材と、前記第一の枠部材と前記第二の枠部材との上端を接続するヘッダとを含み、前記第一の枠部材及び前記第二の枠部材と、前記ヘッダとの少なくとも1つには、前記内側配線溝及び前記外側配線溝の少なくとも一方が形成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項10】
住宅用屋外ドアシステムであって、
住宅の開口部内に取り付けられるように適合された外側ドアフレームと、
前記外側ドアフレームに枢動可能に取り付けられた住宅用屋外ドアと、
前記外側ドアフレームに取り付けられ、前記外側ドアフレームに隣接して配置されたAC電源ユニットに電気的に接続されるように構成されたDC電源ユニットであって、AC電力をDC電力に変換し、DC電圧がAC電圧よりも低くなるように前記DC電力の電圧を降圧するように構成されたDC電源ユニットと、
前記ドア又は前記外側ドアフレームに取り付けられたDC電気装置と、
前記ドアに取り付けられた、又は前記ドアに近接する少なくとも1つのセンサと、
前記ドア、前記外側ドアフレーム、及び前記ドアシステムの近傍のいずれかに取り付けられたメインコントローラと、
前記ドアシステムに組み込まれ、前記メインコントローラ、前記DC電気装置、前記少なくとも1つのセンサ、及び前記DC電源ユニットとの間で、電力及び電気信号を伝達するためのワイヤハーネスと、
を備え、
前記メインコントローラは、前記ワイヤハーネスと協働して、前記DC電気装置及び前記少なくとも1つのセンサに電力を供給し、前記DC電気装置を動作させるために前記少なくとも1つのセンサからの信号に応答して、動作用信号を前記DC電気装置に供給し、前記動作用信号に応答して前記DC電気装置から動作信号を受信するように構成される、ドアシステム。
【請求項11】
前記DC電源ユニットを、前記ワイヤハーネスを介して前記メインコントローラに電気的に接続する電力伝達装置をさらに備える、請求項10に記載のドアシステム。
【請求項12】
前記DC電気装置は、前記ドアに取り付けられた電動ドアロック及びカメラの少なくとも一方を含む、請求項10又は11に記載のドアシステム。
【請求項13】
前記DC電気装置は、ドア照明灯及び側枠灯のうちの少なくとも1つをさらに含み、その双方とも前記外側ドアフレームに取り付けられる、請求項10~12のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項14】
前記ドア照明灯は、前記外側ドアフレームの前記ヘッダに取り付けられ、前記側枠灯は、前記外側ドアフレームの前記ラッチ側枠部材に取り付けられる、請求項10~13のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項15】
前記DC電気装置は、ドアベル、運動センサ、環境光センサ、ドア状態センサのうちの少なくとも1つをさらに含み、それらの全ては前記ドア又は前記外側ドアフレームに取り付けられる、請求項10~14のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項16】
前記ドアに取り付けられ、前記電気装置に電気的に接続されたバックアップバッテリをさらに備える、請求項10~15のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項17】
前記DC電源ユニットは、AC/DC電力変換器を含む、請求項10~16のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項18】
前記ドア及び前記外側ドアフレームの少なくとも一方は、前記ワイヤハーネスを受け入れてルーティングするための配線導管を含む、請求項10~17のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項19】
前記ドアは、第一のスタイル及び第二のスタイルを含む内側ドアフレームと、前記第一のスタイルと前記第二のスタイルの間に延在する頂部レールとを備え、前記第一のスタイル及び前記第二のスタイルと、前記頂部レールのうちの少なくとも1つに、前記配線導管を画定する配線溝が形成される、請求項10~18のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項20】
前記外側ドアフレームに固定された配線取付装置をさらに備え、前記配線取付装置は、前記配線導管を含む、請求項10~19のいずれか一項に記載のドアシステム。
【請求項21】
外側ドアフレームと共に使用するための住宅用屋外ドアを製造する方法であって、
内側ドアフレームと、その上に組み立てられた第一のドアスキンとを提供するステップであって、前記内側ドアフレームはスタイル及びレールを備え、前記スタイル及び前記レールのうちの少なくともいくつかはその外縁又は内縁上に通路によって形成される導管を有する、ステップと、
ワイヤハーネスを前記導管の周囲に位置決めするステップであって、前記ワイヤハーネスは、前記ドアの屋外面上の第一の端部と、前記ドアから離れた第二の端部とを有する、ステップと、
少なくとも1つの発泡ダムを前記導管内に位置決めするステップであって、前記少なくとも1つの発泡ダムは、前記導管及び前記ワイヤハーネスを封止する、ステップと、
前記内側ドアフレームの反対側の面に第二のドアスキンを位置決めして固定し、それによって前記ドアスキン間に開口部を形成するステップと、
膨張性発泡体を前記開口部に導入するステップと、
前記開口部内で前記膨張性発泡体を発泡させることで、ドアコアを形成するステップであって、前記発泡ダムは、前記膨張性発泡体が前記導管に入って前記ワイヤハーネスが外れるのを防止する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
前記膨張性発泡体は、前記ワイヤハーネスを前記導管の周囲に位置決めするステップの後に、前記開口部に導入される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ドアの製造時に前記ワイヤハーネスを保護するステップをさらに含む、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
前記内側ドアフレームにポケットを形成するステップであって、前記ポケットは、その中に電気装置を受容するために提供される、ステップをさらに含む、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
安全なBluetooth(登録商標)接続及び試験プロトコルを利用して電源ユニット、メインコントローラ、第一の電気装置及び前記ワイヤハーネスを試験することによってドアシステムの電気的品質を試験するステップをさらに含む、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照及び優先権の請求)
本出願は、2021年2月12日にBodurkaらが出願した米国仮特許出願第63/148,672号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、その優先権が主張される。
【0002】
本発明は、住宅、アパート、コンドミニアム、ホテルの部屋又はビジネス等の住宅又は商業ビルのための屋外ドア又は屋内ドアに関する。より具体的には、本発明は、低圧電源及び/又は高圧電源及び/又は電力/データ管理システムに接続するように適合されたドアシステムに関し、このドアシステムは、ドア内及び/又は周囲の外側ドアフレーム内を走行する電力/データ/制御ワイヤハーネスを有し、ドアシステムに取り付けられた、又はドアシステムに隣接する電気装置を動作させる。
【背景技術】
【0003】
住宅用又は商業用建物用の典型的な既存の屋外又は屋内ドアは、所望の機能を提供するためにドアに取り付けられたいくつかの電気装置(又は構成要素)を有することがあり、例えば、電子アクセス制御、ドア状態フィードバック、すなわち、枠に対する開閉位置、エントリカメラ及び/又は音声通信、電動ドアラッチ、電動ドアロック、自動開閉システム等を有することがある。また、屋外及び屋内ドアの市場では、ビデオドアベル、スマートロック、LED照明、スマートガラス、フェールセーフ電気機械ドア閉鎖器、無線接続電子機器等を含む追加の電気装置の採用が増加している。これらの個別の電気及び/又はスマート装置のそれぞれは、典型的には、既存の設置されたドアに「追加(add-on)」され、既存のドア構造内又は上で機能し、通常、定期的な交換を必要とする少なくとも1つのバッテリで別々に電力供給される。バッテリを定期的に交換又は充電しない場合、電気装置は、動作しなくなる。
【0004】
さらに、現在の電気装置は、家庭用装飾又は互いに適合しないそれぞれの設計スタイルを有するので、見た目に魅力的でなく不快であり得る方法で、屋外又は屋内ドアに取り付けられる。電気装置のそれぞれは、典型的には、定期的に再充電又は交換する必要がある、1つ以上の再充電可能バッテリパック又は少なくとも1つの非再充電可能バッテリのいずれかを有し、またドアの外観に当初から合致せず、経時的に外観が退色又は劣化し得る、何らかの耐候性筐体を有する。
【0005】
商業市場、例えば、マルチテナント及び混合使用の住宅、病院、オフィス等では、電気ストライク及びドアコントローラ技術を有する電動ドアエントリシステムが開発されてきたが、住宅市場への採用は、限定されている。既存の住宅ドア構築技術は、スタイル(stile)及びレールの構築に焦点を当てており、電力システムの統合又は電気装置の内部コントローラ又は「スマート」ドアシステムとの統合は見られていない。
【0006】
そのため、電気及びデータ中心装置が制御システムによって電力供給及びデータ管理できるようにして、ドアシステムの構造的一体性、絶縁及び/又は音響性能、エネルギー効率、及び美観に悪影響を及ぼすことなく、装置が中央電力供給及びコマンドコントローラに容易に組み込まれ、そこから電力供給/制御されるように、電気及びスマート装置をドアシステムに組み込むために設計されたドアシステム及び方法、それらの装置の設置前又は設置後の保守性、ドア又はドアの周囲に又はその両方への電力及びデータの供給に対するニーズが存在する。したがって、電気装置及びデータ駆動装置を有するドアシステムの性能及びコストを向上させ得る改善が可能になる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の第一の態様によれば、住宅用屋外ドアシステムが提供される。前記住宅用屋外ドアシステムは、住宅の屋外開口部内に取り付けられるように適合された外側ドアフレームと、前記外側ドアフレームに枢動可能に取り付けられた住宅用屋外ドアと、前記ドア上に設置された少なくとも1つの電気装置と、前記ドアに取り付けられたメインコントローラと、前記ドアに動作可能に関連付けられた電源ユニットと、前記ドアに組み込まれ、前記電気装置、前記メインコントローラ、及び前記電源の間で電力及び電気信号を伝達するためのワイヤハーネスと、を備える。前記メインコントローラは、前記ワイヤハーネスと協働して、前記少なくとも1つの電気装置に電力を供給し、前記少なくとも1つの電気装置を動作させるために動作用信号(operational signals)を前記少なくとも1つの電気装置に供給し、前記動作用信号に応答して前記少なくとも1つの電気装置から動作信号(operating signals)を受信するように構成される。
【0008】
本発明の第二の態様によれば、住宅用屋外ドアシステムが提供される。前記ドアシステムは、住宅の開口部内に取り付けられるように適合された外側ドアフレームと、前記外側ドアフレームに枢動可能に取り付けられた住宅用屋外ドアと、前記外側ドアフレームに取り付けられ、前記外側ドアフレームに隣接して配置されたAC電源ユニットに電気的に接続されるように構成されたDC電源ユニットと、前記ドア又は前記外側ドアフレームに取り付けられたDC電気装置と、前記ドアに取り付けられた、又は前記ドアに近接する少なくとも1つのセンサと、前記ドア、前記外側ドアフレーム、及び前記ドアシステムの近傍のいずれかに取り付けられたメインコントローラと、前記ドアシステムに組み込まれ、前記メインコントローラ、前記DC電気装置、前記少なくとも1つのセンサ、及び前記DC電源ユニットとの間で、電力及び電気信号を伝達するためのワイヤハーネスと、を備える。前記DC電源ユニットは、AC電力をDC電力に変換し、DC電圧がAC電圧よりも低くなるようにDC電力の電圧を降圧するように構成される。前記メインコントローラは、前記ワイヤハーネスと協働して、前記DC電気装置及び前記少なくとも1つのセンサにDC電力を供給し、前記DC電気装置を動作させるために、前記少なくとも1つのセンサからの信号に応答して、動作用信号を前記DC電気装置に供給し、前記動作用信号に応答して前記DC電気装置から動作信号を受信するように構成される。
【0009】
本発明の第三の態様によれば、外側ドアフレームと共に使用するための住宅用屋外ドアを製造する方法が提供される。前記方法は、内側ドアフレームと、その上に組み立てられた第一のドアスキンとを提供するステップと、ワイヤハーネスを前記導管の周囲に位置決めするステップと、少なくとも1つの発泡ダム(foam dam)を前記導管内に位置決めするステップであって、前記少なくとも1つの発泡ダムは、前記導管及び前記ワイヤハーネスを封止し、前記内側ドアフレームの反対側の面に第二のドアスキンを位置決めして固定し、それによって前記ドアスキン間に開口部を形成する、ステップと、膨張性発泡体を前記開口部に導入するステップと、前記開口部内で前記膨張性発泡体を発泡させることで、ドアコアを形成するステップと、を含む。前記内側ドアフレームは、スタイル及びレールを備え、前記スタイル及び前記レールのうちの少なくともいくつかは、その外縁又は内縁上に通路によって形成される導管を有する。前記ワイヤハーネスは、前記ドアの屋外面上の第一の端部と、前記ドアから離れた第二の端部とを有する。前記発泡ダムは、前記膨張性発泡体が前記導管に入って前記ワイヤハーネスが外れるのを防止する。
【0010】
本発明の一部を構成する機器、装置、方法等を含む本発明の他の態様は、例示的な実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、上記の一般的な説明と、以下の例示的な実施形態及び方法の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
【
図1】本発明の第一の例示的な実施形態による屋外ドアシステムの屋外立面図である。
【
図2】本発明の第一の例示的な実施形態によるドアシステムの屋内立面図である。
【
図3】本発明の第一の例示的な実施形態によるドアシステムの立面図であるが、ドアの内部及びその中に含まれるスマートレディ機能の観察を可能にするために、屋外ドアスキンがない。
【
図4A】本発明の第一の例示的な実施形態による外側ドアフレームのヒンジ側枠部材のヒンジ縁部の端面図(edgewise view)である。
【
図6】本発明の第一の例示的な実施形態によるドアのヒンジ縁部の端面図である。
【
図8】
図7に示すドアポケットの部分平面断面図である。
【
図10】第一の配線取付装置を示す分解斜視図である。
【
図11】ヘッダ配線取付装置を示す分解斜視図である。
【
図12】本発明の第一の例示的な実施形態による外側ドアフレームのヒンジ側枠部材のヒンジ縁部で、第一の配線取付装置の第一のベース部材が取り付けられたものを示す。
【
図13】本発明の第一の例示的な実施形態による外側ドアフレームのヒンジ側枠部材のヒンジ縁部で、第一の配線取付装置が取り付けられたものを示す。
【
図14】ヒンジ側枠部材に取り付けられた第一の配線取付装置の平面断面図である。
【
図15】第一の配線取付装置のスナップ式カバーの断面図である。
【
図16】ヘッダ配線取付装置のヘッダベース部材の斜視図である。
【
図17A】本発明の第二の例示的な実施形態によるドアシステムを示す概略図である。
【
図17B】本発明の代替の例示的な実施形態によるドアシステムを示す概略図である。
【
図17C】本発明の別の代替の例示的な実施形態によるドアシステムを示す概略図である。
【
図18】本発明の第二実施形態によるドアシステムのブロック図である。
【
図19】本発明の第二の例示的な実施形態によるドアシステムのドアスラブの立面図である。
【
図20A】本発明の第二の例示的な実施形態によるドアスラブのヒンジ縁部の端面図である。
【
図20B】本発明の第二の例示的な実施形態によるドアスラブのロック縁部の端面図である。
【
図20C】本発明の第二の例示的な実施形態によるドアスラブのヒンジ縁部の端面図であり、それに取り付けられたバッテリ及びメインコントローラを示す。
【
図21A】本発明の第二の例示的な実施形態によるドアスラブの部分斜視図である。
【
図22】ワイヤハーネス内側配線溝を保持するために使用されるクリップの立面図である。
【
図23】第一の配線取付装置を示す分解斜視図である。
【
図24】本発明の第二の例示的な実施形態による外側ドアフレームのヒンジ側枠部材のヒンジ縁部で、そこに第一の配線取付装置の第一のベース部材が取り付けられたものを示す。
【
図25】本発明の第二の例示的な実施形態による外側ドアフレームのロック側枠部材のロック縁部で、そこに第二の配線取付装置の第二のベース部材が取り付けられたものを示す。
【
図26】本発明の第二の例示的な実施形態による外側ドアフレームのロック側枠部材のロック縁部で、そこに第二の配線取付装置が取り付けられたものを示す。
【
図27】ロック側枠部材に取り付けられた第二の配線取付装置の平面断面図である。
【
図28】第二の配線取付装置のスナップ式カバーの断面図である。
【
図29】本発明の第二の実施形態によるヘッダ配線取付装置のヘッダベース部材の斜視図である。
【
図30】本発明によるヘッダを有する外側ドアフレームを示す部分斜視図である。
【
図31A】配線溝が形成された外側ドアフレームの枠部材を示す。
【
図31B】配線溝が形成された外側ドアフレームの枠部材を示す。
【
図31C】配線溝が形成された外側ドアフレームの枠部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、添付の図面に示す例示的な実施形態及び例示的な方法を詳細に参照するが、図面全体を通して、同様の参照符号は、同様な部分又は対応する部分を示す。しかしながら、本発明は、そのより広範な態様において、必ずしも、例示的な実施形態及び例示的な方法に関連して図示され、説明される特定の詳細、代表的な材料及び方法、ならびに例示的な実施例に限定されないことに留意されたい。
【0014】
例示的な実施形態のこの説明は、添付の図面に関連して読まれることが意図され、添付の図面は、記載された説明全体の一部と見なされるべきである。本明細書において、「水平」、「垂直」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「頂部」、及び「底部」等の相対的な用語、並びにそれらの派生語(例えば、「水平に」、「下方に」、「上方に」等である。)は、次に説明されるような、又は議論中の図面に示されるような配向、及び車両本体に対する配向を意味するものと解釈されるべきである。これらの相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、通常、特定の配向を要求することを意図したものではない。「接続された」及び「相互接続された」等の、取り付け、結合等に関する用語は、別段の明示的な記載がない限り、構造が直接又は介在構造を介して間接的に互いに固定又は取り付けられる関係も、双方とも移動可能又は堅固な取付又は関係も意味する。「動作可能に接続される」という用語は、関連する構造がその関係によって意図されるように動作することを可能にするような取り付け、結合又は接続である。用語「一体型」(又は「単一型」)は、単一部品として作られた部品、又は互いに固定的に(すなわち、移動不能に)接続された別々のコンポーネントから作られた部品に関する。さらに、特許請求の範囲で使用される用語「1つの」は、「少なくとも1つ」を意味し、特許請求の範囲で使用される用語「2つ」は、「少なくとも2つ」を意味する。
【0015】
図1及び
図2は、本発明の例示的実施形態によるドアシステム10を示し、これは、例えば、スマート及び/又は通電されたコンポーネント能力を予め装備するか、又はそれを受け入れるように適合される事前吊り下げ式屋外ドアである。すなわち、ドアシステム10は、ドアシステムに関連するデータ及び電気的に動作する装置を別々又は同時に設置及び接続するために「準備完了」している。ドアシステム10は、従来のヒンジ式住宅用屋外ドアアセンブリ11を含むが、ドアアセンブリ11は、住宅、アパート、ガレージ、コンドミニアム、ホテル、オフィスビル等の住宅又は商業ビルに提供される枢動ドアを有する屋外又は屋内ドアアセンブリのいずれかであってもよいことを理解されたい。ドアアセンブリ11は、木材、金属、木材複合材料、繊維ガラス強化ポリマー複合材料等、目的に適した任意の適切な材料で作製してもよい。ドアアセンブリ11は、矩形の外側ドアフレーム12と、2つのリーフを含む「バットヒンジ」等の少なくとも1つのヒンジ16
1によって枢動可能に取り付けられたドアスラブ15を含むドア14とを含む。
【0016】
ドアスラブ15は、好ましくは2’6”~3’6”の範囲の幅と、6’5”~8’3”の範囲の高さとを有する。ドア14は、シングルドアユニット、サイドライト付きドア、ダブルドア、サイドライト付きダブルドア、インスイングドア又はアウトスイングドアであってもよい。
【0017】
外側ドアフレーム12は、平行な第一の間隔と第二の間隔を空けて配置される垂直に延在する第一の(又はヒンジ側)枠部材121及び第二の(又はラッチ側)枠部材122と、第一の枠部材121及び第二の枠部材122の上端を接続する水平に延在する上部枠レール部材又はヘッダ12hとを含む。当業者は、枠部材121、122の下端も、閾12tを介して相互接続され得ることを認識する。第一の枠部材121及び第二の枠部材122ならびにヘッダ12hの構造的類似性を考慮して、簡潔にするために、以下の議論では、実質的に同一の枠部材のグループ全体を指定するために、参照符号12Mを使用する場合がある。
【0018】
少なくとも1つのヒンジ16
1は、ドアスラブ15を第一の枠部材(又はヒンジ側枠)12
1に枢動可能に取り付ける。典型的には、少なくとも2つのヒンジ16
1及び16
2が、ドアスラブ15を第一の枠部材12
1に固定するために提供される。好ましくは、
図2に最もよく示されるように、3つのヒンジ16
1、16
2、16
3が、ドアスラブ15を外側ドアフレーム12に固定するために使用される。簡潔にするために、以下の議論では、ヒンジのグループ全体を示すために、下付き数字のない参照符号16を使用する場合がある。例えば、ヒンジ16
1、16
2、16
3を総称する場合には、参照符号16を用いることがある。
【0019】
ドアスラブ15は、住宅用又は商業用建物の屋外又は屋内ドア向けであってもよい。例示的なドアスラブ15は、長方形の内側ドアフレーム20と、屋外ドアスキン(又は面)23と、屋内ドアスキン(又は面)24とを含み、ドアスキン23、24は、
図1及び
図2に最もよく示されるように、内側ドアフレーム20の両側に固定される。本明細書で使用するとき、「屋外(exterior)」は、部屋又は家から離れる方を向くドアの側面を示す。また、「屋内(interior)」は、ドアスラブ15の、部屋又は家屋の内部を向く側を示す。ドアスラブ15は、ヒンジ16によって内側ドアフレーム20に取り付けられたヒンジ側15Hと、水平方向に対向するラッチ側15Lとを有する。
【0020】
内側ドアフレーム20は、水平に離間して延びる一対の平行な頂部レール211及び底部レール212と、垂直に離間して延びる一対の平行な第一のスタイル221及び第二のスタイル222とを含み、これらは通常、木材又は積層ベニヤ材(LVL)等の工学木材から製造される。これらのレール及びスタイルはまた、PVC等の耐候性コーティング又はキャップを含み、現場における腐食及び環境損傷を防止するのに役立ち得る。頂部レール211及び底部レール212は、第一のスタイル221と第二のスタイル222との間に水平に延在する。さらに、頂部レール211及び底部レール212は、接着剤又は機械的締結具等によって、第一のスタイル221及び第二のスタイル222に、しっかりと固定され得る。内側ドアフレーム20は、水平に延在し、それぞれ頂部レール211及び底部レール212から離間された中間レールをさらに含んでもよく、典型的には、木材又は積層ベニヤ材(LVL)等の工学木材からも製造される。さらに、中間レールは、第一及び第二のスタイル221及び222にしっかりと固定されてもよい。ヒンジ16は、内側ドアフレーム20のヒンジスタイルを画定する第一のスタイル221に固定される。スタイル及びレールの構築は、現場又は作業施設において、いかなる電気部品も再配線又は移動させる必要なく、ドアスラブのサイズをトリミング可能にすることができる。
【0021】
内側ドアフレーム20ならびに典型的なドアの屋外ドアスキン23及び屋内ドアスキン24は、内部空洞を囲み、内部空洞は、中空であってもよく、又は、所望であれば、例えば、波形パッド(corrugated pads)、発泡断熱材、又は他のコア材料で充填されてもよい。したがって、ドアスラブ15は、屋外ドアスキン23と屋内ドアスキン24との間の内側ドアフレーム20内に配置されたコア18を含んでもよい。コア18は、ポリウレタン発泡材料、セルロース材料及びバインダー樹脂、波形パッド等の発泡断熱材から形成してもよい。
【0022】
ドアシステム10は、ドアシステム10のドアスラブ15自体、外側ドアフレーム12、又はドアスラブ15及び外側ドアフレーム12に隣接して取り付けられたいくつかのDC(すなわち、直流)電気構成要素(装置)をさらに備え、それらの構成要素は、電子アクセス制御、ドア状態フィードバックセンサ、エントリカメラ、環境光センサ、及びオーディオ/ビデオ通信等の機能を提供する。ドアシステム10のスマートレディドア14に取り付けられ得る電気装置は、電動ドアロック34、ビデオドアベル36
1、デジタルカメラ36
2、閾LEDライト36
3、及び環境光センサ37を含むが、それらに限定されず、ドア面照明LEDライト36
4は、外側ドアフレーム12に、例えば、
図1及び
図3に示されるような外側ドアフレーム12のヘッダ12hに取り付けられてもよい。
【0023】
また、電動ドアロック34は、ドアスラブ15の内側ドアフレーム20に取り付けられるべきであるが、ビデオドアベル36
1、デジタルカメラ36
2、閾LEDライト36
3、及びドア面照明LEDライト36
4は、
図3に最もよく示されるように、ドアシステム10の外側ドアフレーム12又はドアスラブ15に取り付けられてもよい。代替として、ビデオドアベル36
1、デジタルカメラ36
2、閾LEDライト36
3、及び/又はドア面照明ライト36
4は、外側ドアフレーム12に、又はさらには建物の壁の外側ドアフレーム12に隣接して取り付けられてもよい。閾LEDライト36
3及び/又はドア面照明ライト36
4は、許可された人が認識されたとき、又は人がドア14に近づいたときに点灯してもよい。さらに、
図1~3では単一のLEDライト36
4を示しているが、ドアシステムは、ドアシステム10を照明するため、電動ロック34を照明するため、及びドアハンドルを照明するため等に、複数のLEDを含んでもよい。したがって、3つ以上のLEDが、ドア14上に、又はそれに隣接して提供されてもよい。
【0024】
DC電気装置361~364は、典型的には、低電圧DC電力によって動作する低電圧DC電気装置である。低電圧直流(DC)は、当技術分野では50ボルト(V)以下として知られている。一般的な低電圧は、5V、12V、24V、及び48Vである。好ましくは、低電圧DC電気装置361~364は、12VDC/3Aの低電圧DC電力によって動作する。低電圧/電流は、通常、ドアベル、ビデオドアベル、ガレージドアオープナ制御装置、暖房及び冷房サーモスタット、警報システムセンサ及び制御、屋外の地上照明、家庭用及び自動車用バッテリに使用される。低電圧/電流(電源が適切に動作しているとき)は、コンタクトからの積極的な衝撃を提供しない。一方、高電流/電圧短絡(自動車用バッテリ)は、アークフラッシュ及び起こり得る焼き付きを引き起こし得る。
【0025】
本発明によるドアシステム10は、ドアに取り付けられ、電子アクセス制御、ドア状態フィードバック、エントリカメラ及び通信等の機能を提供するように市販されているいくつかの電気装置があるので、他の電気装置を含んでもよい。簡潔にするために、以下の議論では、電気装置のグループ全体を示すために、下付き数字のない参照符号を使用する場合がある。例えば、電気装置361~364を総称する場合には、参照符号36を用いることがある。
【0026】
ドアシステム10のドア14は、ドアラッチ30をさらに含む。
図1及び
図2に最もよく示されているように、ドアラッチ30は、ドアノブ又はドアレバー等のドアハンドル32と、伸長位置と後退位置との間で移動可能なボルト33とを含む。ドアハンドル32は、ドア14を閉位置から開位置に開くことができるようにボルト33を後退させるようにユーザによって手動で動作可能である。代替として、ドアラッチ30のドアハンドル32は、ユーザによって遠隔で、電気的に、又は非接触で動作可能であってもよい。
図1~3に最もよく示されるように、ドアラッチ30は、ドアスラブ15のラッチ側15Lに取り付けられる。具体的には、電動ドアラッチ30は、内側ドアフレーム20のラッチスタイルを画定する第二のスタイル22
2に取り付けられる。ドアラッチ30は、例えば、照明付きドアノブ(又はハンドル)32と、照明付きキーホールとを有してもよく、これは、許可された人が認識されたとき又はユーザが接近したときに照明される。
【0027】
図1及び
図2にさらに示されるように、電動ドアロック34は、デッドボルト装置の形態であるが、他の電力ロックシステムが利用されてもよい。電動ドアロック34は、ドア14の開放を阻止する展開又はロック位置とドア14の開放を許容する後退又はロック解除位置との間で動作可能なデッドボルト35と、ロック状態センサ38とを含む。
図1~3に最もよく示されるように、電動ドアロック34は、ドアスラブ15のラッチ側15Lに取り付けられる。具体的には、電動ドアロック34は、第二のスタイル22
2に、すなわち、内側ドアフレーム20のラッチスタイルに取り付けられる。
【0028】
さらに、ドアシステム10は、例えば、外側ドアフレーム12に関連付けられ、ドアスラブ15に動作可能に接続された電動ドア操作器(例えば、電動ドア開閉器)52を含んでもよい。本実施形態では、電動ドア操作器52及び運動センサ(又は運動検出器)62が外側ドアフレーム12に取り付けられ、ドア状態センサ64が内側ドアフレーム20に取り付けられている。リードスイッチセンサ等のドア状態センサ64は、ドア14の開閉を判定する。リードスイッチセンサ64は、内側ドアフレーム20のラッチスタイル222に埋め込まれ、磁石は、外側ドアフレーム12の第二の枠部材(又はラッチ側枠)122に埋め込まれる。代替として、ドア状態センサ64は、ドアスラブ15又は外側ドアフレーム12の任意の部分上に位置してもよく、対応するトリガ、すなわち、磁石は、センサが位置する場所に対向して位置してもよい。機械的センサを使用してもよい。ドア状態センサ64は、ドア又はドア装置の様々な「状態」、すなわち、施錠/解錠、開/閉等を考慮してもよい。本発明によれば、ドア状態センサ64が、ドア14が開いていると判定すると、AC電動ドア閉鎖器52とドア状態センサ64とは、ドア14を閉じるように相互作用する。また、ドア状態センサ64は、電動ドアロック34を作動させる前に、ドア14が半開きか閉じているか(すなわち、ドア14が外側ドアフレーム12と適切に整列しているかどうか)を監視する。
【0029】
本発明で使用される任意のセンサは、好ましくは、水/塵埃の侵入から保護するために適切に封止され、例えば、任意の設置されたピープホールフェルールがドア14のドアスキンに対して緊密に引っ張られる。木製ねじは、また、ドア14の前面又は側面に対してセンサを緊密に保つことができる。
【0030】
第一の例示的な実施形態では、電動ドア操作器52は、一端がヘッダ124に取り付けられたモータ担持体に接続され、他端がドアスラブ15と係合する関節式アームを有し、それにより、電動ドア操作器52のモータの操作により、関節式アームが関節移動し、ドア14を必要に応じて開位置又は閉位置に枢動させる。電動ドアロック34は、低電圧DC電力で動作し、電動ドア操作器52は、典型的には、120ボルトAC等のAC電力で動作するが、低電圧DCの電源をオフにすることもできる。
【0031】
図3に示すように、ドアシステム10は、AC配電ユニット46と、低電圧(5ボルト(V)、12ボルト、24ボルト、又は他の必要な電圧、好ましくは12VDC/3A)AC/DC(AC/DC)変換器等の電力変換器を含むDC電源ユニット(PSU)40とをさらに備え、その両方とも外側ドアフレーム12に取り付けられて示されている。
図3に最もよく示されるように、PSU40は、第一の例示的な実施形態では、外側ドアフレーム12の第一の枠部材12
1内に位置し、これは、内側ドアフレーム20のヒンジ16及び第一のスタイル22
1のうちの1つに隣接し、すなわち、ドアスラブ15のヒンジ側15Hに隣接している。好ましくは、PSU40及びAC配電ユニット46は、
図5Aに最もよく示されるように、外側ドアフレーム12のヒンジ側枠12
1内に機械加工されるか、又は別様に形成される、それぞれポケット(又はスロット)66及び68内に、又は外側ドアフレーム12のヘッダ12hに位置し、しっかりと取り付けられる(すなわち、ドアスラブ15内でがたつくことも、又は移動することもない)。さらに代替として、PSU40及びAC配電ユニット46は、外側ドアフレーム12上の他の場所に、あるいは外側ドアフレーム12に隣接して位置してもよい。
【0032】
図4A及び
図4Bは、それぞれのヒンジリーフ要素を受け入れるためのほぞ穴(mortises)17を有する外側ドアフレーム12の第一の枠部材12
1のヒンジ縁部(又は前側)12
1Fを示す。ポケット66及び68のそれぞれには、トリムほぞ(又は凹部)70(
図4Bに最もよく示す)が設けられており、未使用時にPSU40又はAC配電ユニット46のカバープレートを受け入れるか、又は設置されたPSU40又はAC配電ユニット46の設置ブラケットを受け入れるようになっており、設置された装置40又は46、又はカバープレートのいずれかのための取付穴69が設けられている。
【0033】
PSU40は、ここでは、高電圧ワイヤ43によって、住居建設中に設置された、又はドアアセンブリ11に隣接して位置するAC電源ユニット42(すなわち、85~265VAC 50/60Hzである)に電気的に接続されるように示される。PSU40は、例えば、外側ドアフレーム12の第一の枠部材121上の標準化された高さに位置してもよく、それにより、AC電源ユニット42は、住居建設中に便利に事前設置されてもよい。PSU40とAC電源ユニット42とは、近接しているため、容易に電気的に接続することができる。代替として、低電圧PSU40は、外側ドアフレーム12に隣接する壁内等のドアアセンブリ11の外側に位置してもよい。AC電源ユニット42は、ドアシステム10の外側であるが隣接して配置された高電圧(例えば、標準的な汎用交流(AC)電源又は高電圧電源の120(又は110)ボルト)の電源を提供する。典型的には、標準120(又は110)ボルトの汎用AC電源は、米国では、グリッド電力、壁電力、又は家庭用電力として知られている。85~265VAC50/60Hz等の他の電圧を使用してもよい。PSU40は、AC電源ユニット42に接続された後、120VAC60Hzの標準的な汎用交流(AC)高電圧を12VDC/3Aの安全な低電圧又は他の必要な電圧に変換する。多くの電気装置は、5ボルトDC又は12ボルトDCで動作し、したがって、PSU40は、電力を降圧し、電流タイプを変換して、典型的な120(又は115)ボルト汎用AC電力をドアシステム10で使用するために利用可能にする。
【0034】
PSU40は、電力伝達(electric power transfer:EPT)装置74を介してドア14に電気的に接続されている。この実施形態では、低電圧電源電線44は、低電圧PSU40からEPT装置74まで、例えば、ヒンジ161、162、163のうちの1つを通って延びる。低電圧電源電線44は、通常はドアフレーム12の第一の枠部材121の中央に配置されたヒンジ161に通じ、それを通って、低電圧電力を伝導する電動(又は電気伝達)ヒンジを提供することができる。低電圧電源電線44は、電動ヒンジ161を介して、ElectroLynx(登録商標)等を備えたMcKinney Assa Abloy電気伝達ヒンジ(Electric Transfer Hinge)等のドア14に電力を伝達する。他の例示的な電気ヒンジは、米国特許第3860312号、第3857625号、第3842386号、第3838234号、第3355695号、第1744040号、第615209号、第612192号及び米国特許出願公開第2017/0306674号、第2014/0213073号、第2014/0001880号、第2012/0073083号に開示されており、その完全な開示は、参照により本明細書に組み込まれる。電力を提供することに加えて、EPT装置74は、また、ドアスラブ15、ドアフレーム12に取り付けられるか、又はドアアセンブリ11の外側に配置される装置間でデータ及び電気信号を送信するために使用されるワイヤを収容してもよい。
【0035】
あるいは、
図5A及び
図5Bに示す本発明の電力伝達装置の代替的な実施形態によるEPT174を使用することができる。EPT174は、可撓性チューブ176と、可撓性チューブ176の対向する遠位端に固定された端部部材178と、可撓性チューブ176を収容するように構成された電気ボックス182とを含む。可撓性チューブ176は、ドア14が閉じられたときにヒンジ側枠部材12
1のヒンジ縁部12
1Fに形成されたポケット66内に取り付けられた電気ボックス182内に配置されるように構成され、ドア14がスイングして開くことを可能にし、閉じられたときにヒンジ側枠部材12
1内の電気ボックス182内のEPT174を隠して、保護する。あるいは、ドアスラブ15のヒンジスタイル22
1のヒンジ縁部に形成されたポケット内に取り付けられた電気ボックス182は、ドア14がスイングして開くことを可能にし、閉じると、EPT174をドアスラブ15のヒンジスタイル22
1の凹部内に隠して、保護する。一方の端部部材178は、ドアフレーム12のヒンジ側枠12
1内の電気ボックス182に取り付けられ、他方の端部部材178は、ドアスラブ15に取り付けられている。可撓性チューブ176は、端子コネクタ181を有する電力及び信号(又はデータ)配線(又はワイヤハーネス)180を収容する。EPT174の可撓性チューブ176は、ドアフレーム12からドア14まで延びている。
【0036】
「ワイヤハーネス」という用語は、ケーブルハーネス又は配線アセンブリと呼ばれることも多く、電気信号(データ)又は電力を伝達するための電線の予め製造されたアセンブリ(又は編成されたセット)として当業者に知られており、これらは、電線を編成された状態に保つために絶縁材料と共に束ねられる。ワイヤハーネスは、電気システムの要素に取り付けられるように構成された電気端子(又は端子コネクタ)を有する。ワイヤハーネスは、「ドロップイン」設置のために配線を単一ユニットに統合することによって電気部品への接続を単純化する。
【0037】
電気ワイヤハーネス180は、PSU40からドアアセンブリ11のドア14又はドアフレーム12に取り付けられた電気装置に電力を供給するとともに、ドア14又はドアフレーム12に搭載された電気装置、あるいはドアアセンブリ11の外部に配置された電気装置との間で電気信号(又はデータ)を送信するように構成されている。電気ワイヤハーネス180は、ドア14の屋外面上に第一の端部と、ドア14から離れた第二の端部を有する。
【0038】
電気可撓性チューブを有する他の例示的な電力伝達装置は、米国特許第3848361号、第4445299号、第5690501号、第8448382号及び第8505169号において開示されており、それらの完全な開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
電源電線44は、
図1~
図3に示す実施形態では、ドア14のヒンジ側14H上の電動ヒンジ16
1に接続され、好ましくは、ドア14のラッチ側14L上の垂直供給通路内又はそれに隣接して配置された、配電ブロックによって提供されるようなDC配電/データ分配システム48への水平供給通路を通って延びる。DC配電システム48は、低電圧DC電力、データ、電気信号、又はそれらの組み合わせを伝達する。第一の例示的な実施形態によれば、DC配電システム48は、内側ドアフレーム20のスタイル22内に機械加工されるか又は他の方法で形成されるポケット(又はスロット)内に配置される。電力は、DC配電システム48から、ドア14に取り付けられる装置36
1及び36
2等の電気装置36に、具体的にはラッチスタイル22
2の中へ送達されることができる。また、ドアフレーム12に取り付けられるか、又はドアアセンブリ11の外側に配置される装置に電力、データ、電気信号を送達してもよい。
【0040】
このようにして、120VのAC電力は、AC配電ユニット46によって、ドアフレーム12に取り付けられたPSU40と、
図3に示す高電圧供給ワイヤ45を介して、電動ドア操作器52等のフレームアセンブリ12の中又は上に取り付けられた少なくとも1つの他の電気装置に分配される。
【0041】
低電圧DC電力は、配電システム48から、ドアスラブ15に取り付けられた電動ドアロック34及び電気装置36
1~36
3に供給される。さらに、低電圧DC電力は、
図3に示すように、ドア位置DC配電システム48を迂回するように、低電圧電源電線44によって、PSU40から、フレームアセンブリ12に取り付けられた低電圧電気装置36
4に直接送達される。
【0042】
複数の接続電線、すなわち、予め設置された電力及びデータ配線又はワイヤハーネスは、ドアスラブ15内の垂直供給通路を通って延在し、DC配電システム48を電動ドアロック34及び電動装置36
1~36
3に電気的に接続し、こうして、
図3に最もよく示されているように、電動ドアロック34及び電気装置36
1~36
3はPSU40に電気的に接続する。あるいは、電気コネクタは、所望の位置で垂直供給通路に予め取り付けられてもよく、その結果、電気装置36は、予め位置決めされた電気コネクタを有する予め設置されたポケットに簡単に挿入され、差し込まれてもよい。供給者がドア14に容易に差し込まれる電気装置を供給することができるように、電気装置36のフランジの位置に対する標準的なフランジサイズ及びプラグ位置を設定してもよい。電源電線44及び複数の接続電線54は、ドア14内に配置され、PSU40及びDC電気装置34,36に電気的に接続される電線システム(又は電源及びデータ配線)を構成する。
【0043】
電気装置36がDC配電システム48に接続するためのコネクタを有する場合、コネクタは、コネクタ、したがって、その電気装置36をドアシステム10と使用することが承認されているものとして識別又は指定するために、相補的レセプタクルと嵌合するフランジ又は何らかの他の固有の識別子を有してもよい。あるいは、電気装置36は、電子署名又は他の何らかの識別子を有して、電気装置36が設置に関して承認/互換性があることを保証してもよい。さらに代替として、ドアアセンブリ10を最初に起動したときに、デジタル証明書を認証のために、電気装置36に提供してもよい。デジタル証明書は、認証されると、電気装置36がドアシステム10への設置を承認されていることを確立する。ソフトウェアハンドシェイクは、電気装置36のために利用され得る別の検証機構である。電気装置36を接続するのにプラグコネクタを利用してもよいが、電力、データ、及び動作用信号の伝達を確実にしながら、他の形態の電気コネクタを使用してもよい。
【0044】
第一の例示的な実施形態によるドア14によって、ドア14の構造的要件、絶縁要件、騒音減衰要件、及び美的要件を維持しながら、電気装置36の容易な統合が可能になる。さらに、第一の例示的な実施形態によれば、幅が最大1.188”等の多数のドア縁部スロット(又はポケット)56によって、ラッチ側スタイル22
2のラッチ側縁部22
2Lに機械加工されて、
図3及び
図4~9に最もよく示されるように、電気装置36
1~36
3、又は電動ドアロック34等の他の電気装置の(すなわち、ガタつき又はドアスラブ15内での移動がない)確実な取り付けが可能になる。あるいは、電気装置を取り付けるためのドア縁部スロット56のいくつかは、ヒンジ側スタイル22
1に機械加工されてもよい。それぞれのラッチ側スタイル22
2内に開口するドア縁部スロット56が示されているが、スロット56は、さらに、又は代替として、それぞれのドアフェーシング23、24上で開口してもよい。例えば、電動ドアロック34及びドアベル36
1を受け入れるように構成されたスロット56は、屋外ドアフェーシング23にも開口している。
【0045】
接続電線54は、DC配電システム48又はコネクタに通されてもよく、第一のスタイル221及び第二のスタイル222と、頂部レール211とに予め取り付けられてもよく、したがって、電動ドアロック34、電気装置36、環境光センサ37、運動センサ62、及びドア状態センサ64をプラグインすることができるので、電気装置34、36及びセンサ37、62、64を使用して、機能させるために、電力、データ、及び/又は信号が供給されるようになっている。
【0046】
図3に示すように、ドアシステム10は、ドアスラブ15、例えば、内側ドアフレーム20に取り付けられ、電動ドアロック34及びバックアップ電源としての電気装置36に電気的に接続される低電圧バックアップバッテリ(又はバッテリパック)50をさらに含む。好ましくは、バックアップバッテリ50は、内側ドアフレーム20のスタイルのうちの1つ(例えば、第二のスタイル22
2)内に、又は代替的にポケット68内の対向するスタイル内に形成されたドア縁部スロット56のうちの1つの中に摺動し、ワイヤハーネス54を介して同様に接続される。ドア縁部スロット56がバッテリ50のためのものである場合、例えば、ドア縁部スロット56は、熱がバッテリ50から除去され、それを屋外温度から絶縁することを可能にするために、片側が金属であり、他方が絶縁体であり得る。バッテリ50は、システムが極端な温度又は低温にさらされたときに、バッテリを安定な温度範囲に保つことを可能にする温度センサ及びヒータを備えてもよい。電力が失われると、予熱されたバッテリは、AC電力が回復するまで自動的に電力を供給する。
【0047】
図3~
図9は、ドアスラブ15の周囲に電気装置(電源、コントローラ、センサ、カメラ等)を受け入れるためのポケット56、66、68を示す。機械加工又は他の方法で形成されたポケット56、66、68は、ドアスラブ15のラッチ側スタイル22
2内に収容される。
【0048】
バッテリ50は、DC配電システム48に電気的に接続されている。バッテリ50は、低い公称電圧(5ボルト(V)、12ボルト、又は他の必要な電圧等)を有する。バックアップバッテリ50の公称電圧は、PSU40の出力電圧に対応する。ドアシステム10は、バッテリ50の電力によって、ドア14の中及び/又は周囲の全ての被給電装置、例えば、電動ドアロック34及び電気装置361~364のための二次バックアップ電源として給電及び動作されてもよい。好ましくは、バッテリ50はまた、バックアップ電力のためにも、電動ドアロック34等の瞬間的に高アンペアを要する装置に追加のアンペアを提供するためにも、DC配電システム48に接続される。好ましくは、バッテリ50は、DC配電システム48から充電される充電式バッテリである。したがって、ドアシステム10では、主電源としてのバッテリへの依存はあまり重要ではないが、バッテリオプションが主電源又は唯一の電源として使用される場合、より大きな統合バッテリ50をドア14内に格納してもよく、電気装置のそれぞれに別々に格納しなくてもよい。
【0049】
図3に示すように、ドアシステム10のドア14は、また、メインコントローラ(又は中央電子制御ユニット(ECU)又は電力管理コントローラ)58も含み、コントローラ58は、(メインコントローラ58と無線通信する)運動センサ(又は運動検出器)62、近接センサ、煙検出器等の1つ以上のセンサから入力を受信するようにプログラムされるように構成され、電気装置36
1~36
4、電動ドアラッチ30にも、住宅所有者にもコマンドを送信する。メインコントローラ58は、電気装置34及び/又は36
1~36
4にも、住宅所有者にもコマンドを送信する。メインコントローラ58は、
好ましくは、メインコントローラ58の動作に適し、電気装置36及び関連するセンサがあれば、それらとの相互作用とを確実にするのに適したファームウェア及び/又は関連するソフトウェアを有する電子コントローラである。同様に、1つ以上のセンサを設けることで、スマートフォンアプリと通信して、所有者がドア14の周りの活動を監視できるようにし、ドア14の開閉状態を判定するために、また誰かがドア14に接近しているかどうかを判定することで、LEDライトを点灯するだけでなく、個人がドア14を通過し、ドア14が閉じられたことを判定した後に電動ドアロック34をロックできるようにしてもよい。
【0050】
メインコントローラ58も、ロジックコントローラ(すなわち、LED照明のような異なる特徴の制御を担い、クラウドに接続し、したがってアプリに間接的に接続する)である。メインコントローラ58は、バッテリ50に電気的に接続され、バッテリ50の充電を監視し、充電が所定のレベルを下回った場合にバッテリ50を再充電させる。メインコントローラ58は、各種電気装置34,36及びセンサと電気的又は信号通信(Wi-Fi,Bluetooth(登録商標),5G,NFC,<1GHZ)を行い、接続された装置34,36及びセンサからのデータを受信し、これらに動作用信号を供給する。
【0051】
メインコントローラ58は、ドアシステムの適切な機能で見られる衝撃、ショック、運動、及び他の力等の力からメインコントローラを保護及び隔離する機械的ハウジング内に収容される。メインコントローラ58は、また、ドアの屋外に露出した1つ以上のボタンを介してアクセス可能である。これにより、ドアスラブ15内からメインコントローラ58を取り外す必要なく、メインコントローラの機能に物理的にアクセスすることができる。これらのボタンは、電力リセット、無線イネーブル(例えば、Bluetooth(登録商標))、工場リセット、又は電気装置に必要とされる他のそのような機能のために使用されてもよい。
【0052】
ドアシステム10は、電力及びデータ配線をドアアセンブリ11の外側ドアフレーム12上に取り付けるための少なくとも1つの配線取付装置84をさらに備える。
図10~16は、2つの配線取付装置を含むドアシステム10を示し、第一の(又はヒンジ)配線取付装置84
1が、ヒンジ側枠12
1に取り付けられ、ヘッダ配線取付装置84hがヘッダ12hには取り付けられている。ヒンジ配線取付装置84
1は、
図14及び
図15に最もよく示されるように、1つ以上の配線導管(又は通路)87を画定する第一のベース部材86
1と、配線導管87を覆うように第一のベース部材86
1に着脱自在に取り付け可能なスナップ式保護カバー88
1とを含む。配線取付装置84は、プラスチック等の材料で形成されている。ベースプレート86
1は、ドア14が閉じられたときに、ドア14に面するように、例えば、スナップ嵌めによって、第一の枠部材12
1の前側12
1Fに固定されるように構成され、
図10及び
図14に最もよく示されるように、それぞれのヒンジリーフ要素を受け入れるためのほぞ穴17に相補的なヒンジ切欠き89を有する。ヘッダ配線取付装置84hは、
図11及び
図16に最もよく示されるように、1つ以上の配線導管(又は通路)87を画定するヘッダベース部材86hと、配線導管87を覆うようにヘッダベース部材86hに着脱自在に取り付け可能なスナップ式保護カバー88hとを含む。ベースプレート86hは、ドア14が閉じられたときに、ドア14に面するように、例えば、スナップ嵌めによって、ヘッダ12hの内側(又は前側)に固定されるように構成されている。保護カバー88は、配線取付装置84の任意要素である。
【0053】
1つ以上の配線導管87は、ドアフレーム12の周囲に配置されたワイヤハーネスをルーティングし、それにアクセスするために提供される。ワイヤハーネスは、配線導管87内に予め設置され、ドアアセンブリ11のスナップ式保護カバー88によって覆われ、その後、ベース部材861又は86hの配線導管87内に配置されたワイヤハーネスを露出させるために、スナップ式保護カバー88を除去することによってアクセスされてもよい。配線は、外側ドアフレーム12の一部又は全周にわたって、様々な高/低電源/バッテリ/制御装置から出入りし、電気装置36に接続する。言い換えれば、ヒンジ側枠121、ラッチ側枠122及びヘッダ12hのいずれか1つ又はそれぞれに、配線導管87に収容された配線を封入する配線取付装置が設けられていてもよい。ドアフレーム部材121、122及び12hは、ドア14と同様に、電気装置を収容するためのポケット及び開口部を含んでもよい。
【0054】
ワイヤハーネスは、DC配電システム48に通されてもよく、第一のスタイル221及び第二のスタイル222と、頂部レール211とに予め取り付けられてもよい。
【0055】
図17A-8は、概して参照符号110で描写されるドアシステムの第二の例示的実施形態を示す。構成要素で、本発明の第一の実施形態と変わらないものには、同じ参照符号が付されている。構成要素で、
図1~
図16に示す本発明の第一の例示的な実施形態と同じように機能するものには、同じ参照符号で示され、そのいくつかに100が加算されているが、2つの実施形態の対応する部分間の類似性は読者によって容易に認識されるので、詳細には説明されない場合がある。
【0056】
ドアシステム110は、従来のヒンジ式住宅用屋外ドアアセンブリ111を備えるが、ドアアセンブリ111は、住宅、アパート、ガレージ、コンドミニアム、ホテル、オフィスビル等の住宅又は商業ビルに提供される枢動ドアを有する屋外又は屋内ドアアセンブリのいずれかであってもよいことを理解されたい。ドアアセンブリ111は、木材、金属、木材複合材料、繊維ガラス強化ポリマー複合材料等、目的に適した任意の適切な材料で作製してもよい。ドアアセンブリ111は、実質的に矩形の外側ドアフレーム12と、第一の例示的な実施形態によるドアスラブ15と同様に、2つのリーフを含む「バットヒンジ」等の少なくとも1つのヒンジによってそれに枢動可能に取り付けられたドアスラブ115を含むドア114とを含む。
【0057】
ドアシステム110は、電子アクセス制御、ドア状態フィードバックセンサ、エントリカメラ、環境光センサ、及びオーディオ/ビデオ通信等の機能を提供するために、ドアスラブ115自体又はドアシステム110の外側ドアフレーム12に取り付けられたいくつかのDC(すなわち、直流)電気構成要素(装置)をさらに備える。
図17Aに示すように、ドアシステム110のスマートレディドア114に取り付けられる電気装置は、電動ドアロック34、デジタルビデオカメラ136
2を備えたビデオドアベル136
1、環境光センサ37と統合された運動検出器(又は運動センサ)16
2、及びドア状態センサ64を含むが、これらに限定されない。デジタルビデオカメラ136
2を有するビデオドアベル136
1と、環境光センサ37を有する運動センサ16
2とは、
図19及び
図20Bに示すように、内側ドアフレーム120のロック側スタイル122
2に形成された(すなわち、機械加工又は他の方法で形成された)ポケット156
1内に配置された単一のユニットに統合される。
【0058】
ドアシステム110の外側ドアフレーム12に取り付けられる電気装置は、
図17Aに示されるように、外側ドアフレーム12のヘッダ12hに取り付けられるドア面照明LEDライト36
4と、第一の側枠LEDライト36
5及び第二の側枠LEDライト36
6とをそれぞれ含むが、それらに限定されない。
図17Aにさらに示されるように、ドア面照明LEDライト36
4は、外側ドアフレーム12のヘッダ12h内で中心に置かれる。第一の側枠LEDライト36
5は、ドア114が閉じられたときに電動ドアロック34に隣接するドアフレーム12のヒンジ側枠12
1に取り付けられ、第二の側枠LEDライト36
6は、その底部に隣接するヒンジ側枠12
1に取り付けられる。
【0059】
図17A、
図18及び
図19に示すように、ドアシステム110は、低電圧(例えば5ボルト(V)、12ボルト、24ボルト又は他の必要な電圧、好ましくは12VDC/3Aである)ACからDCへの(AC/DC)変換器等の電力変換器を含むDC電源ユニット(PSU)40をさらに備える。PSU40は、外側ドアフレーム12に取り付けられている。
図18に最もよく示されるように、PSU40は、第二の例示的な実施形態では、外側ドアフレーム12のヘッダ12h内に配置される。好ましくは、PSU40及びAC配電ユニット46は、PSU40が設置、修理、又は交換のために外部からアクセス可能であるように、
図18に最もよく示されるように、外側ドアフレーム12のヘッダ12h内に機械加工されるか、又は別様に形成されるポケット(又はスロット)の中に配置される。PSU40は、外側ドアフレーム12のヘッダ12h内の中心に配置される。
【0060】
あるいは、PSU40は、
図17Bに示すように、外側ドアフレーム12のヘッダ12hの中心から外れて配置されてもよい。さらに代替的に、PSU40は、
図17Cに示すように、外側ドアフレーム12のヒンジ側枠12
1内等、外側ドアフレーム12上の他の場所に配置されてもよい。
【0061】
図17A、
図18及び
図19に示すように、ドアシステム110のドア114はまた、運動検出器162、近接センサ、環境光センサ37、ドア状態センサ64、煙検出器等の1つ以上のセンサから入力を受信するように構成及びプログラムされたメインコントローラ58を含む。メインコントローラ58は、プリント回路基板(PCBA)、好ましくは、高温及び低温に適し、湿気及び塵埃粒子から保護するためにコンフォーマルにコーティングされた自動車グレードの構成要素を含む。メインコントローラ58は、
図19及び
図20Aに示すように、内側ドアフレーム120のロック側スタイル122
2に形成された(すなわち、機械加工又は他の方法で形成された)ポケット(又はスロット)156
2内に摺動することができる。
【0062】
メインコントローラ/ECU CAN通信バスは、他の電気装置と通信するために使用される。このプロトコルを用いることにより、電気装置を用意に追加することができる。ドアシステム110は、
図20Cに最もよく示されるように、ドア114のヒンジ側に配置されたプッシュボタン96をさらに含み、これによって、ドアシステム110がBluetooth(登録商標)を介してユーザの電話機に接続(又はペアリング)することが可能になる。これによって、住宅所有者のWi-Fiにドアをセットアップするためのユーザフレンドリーで安全な方法が可能になる。また、上記のドア周辺機器(例えば、ドアベル136
1、電動ドアロック34、センサハブ及び/又はメインコントローラ58である)をリセットするリセットプッシュボタン98が設けられ、迅速なトラブルシューティングを支援する。リセットプッシュボタン98は、好ましくは、
図20Cに最もよく示されるように、プッシュボタン96に隣接するドア114のヒンジ側に配置される。リセットプッシュボタン98は、また、ドアシステム110の工場リセットを行うために使用されてもよく、これは、トラブルシューティングに有益であり、任意のユーザ固有データ(すなわち、Wi-Fi証明書、使用データで、住宅所有権を移転するときにプライバシーの懸念となり得るもの)を消去する。さらに、視覚的LEDインジケータは、短い距離から、ドアシステム110の電源が投入されたとき、バッテリで動作しているとき、Bluetooth(登録商標)広告モードにあるとき等を示すためにプッシュボタン96に統合され、設置及び一般的使用の間の迅速なトラブルシューティングも可能にする。
【0063】
中央ECU58は、電動ドアロック34、電気装置1361、1362、364~366、37、64、162等を制御する。したがって、中央ECU58は、電力及びデータ配線を介して、イーサネット(登録商標)、CAN、又はシリアル通信を介して、電動ドアロック34及び電気装置1361、1362、364~366、37、64、162と通信する。代替として、中央ECU58は、Bluetooth(登録商標)、NFC、Zigbee(登録商標)、Zwave(登録商標)、Wi-Fi、LAN、移動通信技術(3G、4G又は5G)等の無線技術のうちの1つを介して電動ドアロック34及び電気装置1361及び364~366と通信してもよい。
【0064】
メインコントローラ58は、ワイヤハーネス180と協働してDC電気装置1361、1362、364~366及びセンサ37、64、162にDC電力を供給し、DC電気装置1361、1362、364~366を動作させるために少なくとも1つのセンサからの信号に応答してDC電気装置に動作用(又はコマンド)信号を供給し、動作用信号に応答してDC電気装置1361、1362、364~366から動作信号を受信するように構成される。
【0065】
図18及び
図19に示すように、ドアシステム110は、ドアスラブ115の内側ドアフレーム20等のドア114に取り付けられた低電圧バックアップバッテリ(又はバッテリパック)50をさらに含む。バックアップバッテリ50は、
図19及び
図20Aに示すように、内側ドアフレーム120のヒンジ側スタイル122
1内に形成(すなわち、機械加工又は他の方法で形成)され、その中に固定されたポケット(又はスロット)156
3内に摺動、スナップ嵌め、又は回転することができる。
【0066】
PSU40は、
図5A及び
図5Bに示すように、電力伝達(EPT)装置174を介してドア114に電気的に接続される。第二の例示的な実施形態では、ワイヤハーネス180は、
図17A及び
図18に示すように、低電圧PSU40からEPT装置174を通ってメインコントローラ58まで延びる。ワイヤハーネス180は、第一のスタイル122
1及び第二のスタイル122
2と、頂部レール121
1とに予め取り付けられてもよく、これにより、電動ドアロック34、電気装置136、バックアップバッテリ50、環境光センサ37、運動検出器62及びドア状態センサ64がプラグインされることが可能になり、電力、データ及び/又は信号は、電気装置34、136
1、36
4~36
6、及びセンサ37、62、64の使用及び機能のために供給することができる。具体的には、
図21A及び
図21Bに最もよく示されるように、ドアスラブ115の第一のスタイル及び第二のスタイル122
2、及び/又は頂部レール121
1は、ドアスラブ15の内側に配線溝(又は配線通路)72とともに形成される。配線溝72は、ドア114のためのワイヤ導管を画定する。配線溝72は、ワイヤハーネス180を収容するために使用されるスタイル122
1、122
2及び頂部レール121
1の内側又は外側に切断され、ルーティングされ、又は押し出される。さらに、
図22Aに最もよく示されているクリップ82を使用して、配線溝72の内側にワイヤハーネス180を保持してもよい。ワイヤハーネス180は、ドアスラブ115を充填するために使用される発泡体コア18に対して保護されるようにジャケットで覆われてもよい。
図22B及び
図22Cに示すように、厚紙、プラスチック、ゴム、又は他の適切な材料の発泡ダム83(又は配線通路プロテクタ)を使用して、ドアの組み立て及び製造中の発泡プロセスによるワイヤハーネスの損傷を防止してもよい。発泡ダム83は、配線通路72をガイドとして使用することによって、配線通路72への発泡体の進入を封止するために設けられている。発泡ダム83は、ドアスキン23、24に対してシールする可撓性フィン83fをその上に有する。配線通路プロテクタは、コア18が配線導管内でワイヤハーネス180と相互作用するのを防止するために使用される。通路プロテクタは、ドアスキン上、配線導管上、スタイル上、レール上、又はドアの内側フレーム内の任意の他の場所を封止することができる。代替的に、テープ/接着剤を使用して、電力及び/又はデータワイヤハーネス180を溝72内に保持することができ、それにより、スタイル及び/又はレール内のワイヤは、切欠き領域から離れて保たれる。異なる幅のドアの場合、標準長さのワイヤハーネスは、必要に応じて、走行長さを短くするために、スタイル及び/又はレールの内側に折り畳まれてもよい。ドアシステム110及びドア114に電力を供給することにより、バッテリを交換する必要性が最小限に抑えられ、したがって、電動ドアロック34及び電気装置のより信頼性の高い動作及び機能が保証される。AC電力は壁又はドアフレーム12内にあるので、低電圧DC電力のみがドア114に供給され、意図しない電気ショックの可能性が最小限に抑えられる。
【0067】
ドアシステム110は、電力及びデータ配線をドアアセンブリ111のドアフレーム12上に取り付けるための少なくとも1つの配線取付装置184をさらに備える。
図23~26は、3つの配線取付装置を備えたドアシステム110を示し、それらは、ヒンジ側枠12
1に取り付けられた第一の(又はヒンジ側)配線取付装置184
1、ロック側枠12
2に取り付けられた第二の(又はロック側)配線取付装置184
2、及びヘッダ12hに取り付けられたヘッダ配線取付装置184hである。ヒンジ側配線取付装置184
1は、1つ以上の配線導管(又は通路)87
1を画定する第一のベース部材186
1と、スナップ式保護カバー88
1とを含む。第一のベースプレート86
1は、
図23及び
図24に最もよく示されるように、スナップ嵌め等によって第一の枠部材12
1に固定されるように構成され、それぞれのヒンジリーフ要素を受け入れるために、ほぞ穴17に相補的なヒンジ切欠き89を有する。ロック側配線取付装置184
2は、1つ以上の配線導管(又は通路)87
2を画定する第二のベース部材186
2と、スナップ式保護カバー88
2とを含む。第二のベースプレート186
2は、
図23及び
図25~28に最もよく示されるように、スナップ嵌め等によって第二の枠部材12
2に固定されるように構成される。ヘッダ配線取付装置184hは、
図23及び
図29に最もよく示されるように、1つ以上の配線導管(又は通路)87hを画定するヘッダベース部材186hと、スナップ式保護カバー88hを含む。ヘッダベース部材186hは、スナップ嵌め等によってヘッダ12hに固定されるように構成される。
【0068】
図23~
図29に示すように、電力及びデータ配線導管87
1、87
2及び87hを使用して、家庭用ライン電力、すなわち、AC85~265V50/60Hzは、ドアフレーム12のヘッダ12h内に配線され、そこで、ヘッダ配線取付装置184hのヘッダベース部材186hに形成されたスロット190(
図23及び
図29に最も良く示されている)を介して、ヘッダ12h内のポケット(又はスロット)内に設置されたPSU40に接続される。ドアフレーム12のヘッダ12hのポケットは、ドアフレーム12のヘッダ12hに機械加工等で形成される。
【0069】
第一の枠部材12
1及び第二の枠部材12
2は、
図27に最もよく示されるように、その裏側12
1B又は12
2Bでドアスラブ115の反対側に外側配線溝92を形成することができ、ドアフレーム12のヘッダ12hは、
図30に最もよく示されるように、その外側でドアスラブ115の反対側に外側配線溝94を形成する。外側配線溝92及び94は、ドアフレーム12のワイヤ導管を構成する。配線溝92及び94は、ワイヤハーネス180を収容するために使用される枠部材12
1、12
2及び12hに切断され、ルーティングされ、又は押し出される。
【0070】
配線取付装置184は、ドア114の外部の全ての電力及びデータ配線要素に設けられる。配線取付装置184は、後続のアクセスのために配線/データハーネスを保護し位置決めすると共に、典型的な釘打ち又は他の留め具位置からワイヤを離し、この回避において設置者を支援するラベル付けを可能にすることによって、内蔵された配線ハーネスを設置者から保護する。配線/データハーネスは、ヒンジ側枠121及びロック側枠122の中で、設置されたLED364~366及びEPT174にルーティングすることができる。配電の機能を分離することによって、また、EPT174の損傷要素を容易に交換することが可能になる。次いで、EPT174は、ドア114及び接続された電気装置に電力を送る。
【0071】
保護カバー88は、ワイヤハーネスにアクセスし、フレーム周囲に沿った配線アクセス点の周囲に良好な嵌合及びトリム外観を提供するように、容易に剥ぎ取られる/開かれてもよい。加えて、保護カバー88自体、又はそのための短いコネクタ/交換セグメントは、例えば、配線導管87内に含まれる下層配線に直接タップし得るLEDライト又はセンサ/カメラと嵌合してもよい。次いで、配線は、ドア組立て及び発泡体注入の前に、内側ドアフレーム20のスタイル/レールの内側の周りにルーティングされるワイヤ/ケーブルに、EPT40を介してドア114に通される。この配線編成は、設計変更及び性能保証に応じて、将来、ジャム及び/又はドア電気及びスマート電気構成要素の迅速な追加を可能にする。また、これによって、住宅所有者がドアを取り外して、開口部から大きな物体が運ぶスペースを確保したい場合、ドア114をドアフレーム12から簡単に取り外すことができる。
【0072】
代替として、枠部材12
Mに取り付けられる配線取付装置84又は184の代わりに、枠部材12
Mは、
図27に最もよく示されるように、そのドアスラブ15又は115とは反対側の裏側12
Bに外側配線溝92、又は
図31A~31Cに最もよく示されるように、ドアスラブ15又は115に面する枠部材12
Mの前側12Fに形成された内側配線溝192を有して形成されてもよい。配線溝92,192は、ワイヤハーネス180を受け入れてルーティングするための配線導管を提供して、画定する。配線溝92,192は、ワイヤハーネス180を収容するために使用されるように、枠部材12
Mに切断され、ルーティングされ、又は押し出される。
【0073】
前述のように、ドア14又は114は、電気装置及び/又はバッテリをドア14又は114の縁に簡単に差し込むことができる、複数の事前配線されたレセプタクルと、電気装置を封入するように設置されるカバープレートとで構築することができる。レセプタクルのそれぞれのためのハウジングは、電気装置を収容するために必要なUL及び規制要件を満たす難燃性ポリマーから成形されてもよい。レセプタクルのそれぞれのためのハウジングは、ドア14又は114のラッチスタイル222又は1222又はヒンジスタイル221又は1221に機械加工されるか又は別様に形成されるスロット56,66,68又は156のうちの1つに挿入されてもよい。ハウジングは、また、前述のように、設置された物品(item)のための「ヒートシンク」効果又は断熱効果を作り出すように、穴の有無にかかわらず、全体的又は部分的に好適な金属から作製されてもよい。例えば、選択されたカバープレートに換気を提供して、熱伝達を支援してもよく、あるいは導管がレセプタクルに接続され、ドア14又は114の頂部から空気を放出してもよい。
【0074】
ヘッダ12h内にPSU40を配置することによって、修理及び設置/再配置のための容易なアクセスが可能になり、インスイング及びアウトスイング設置の両方に対して極端な温度からの保護が提供される。好ましくは、PSU40の変圧器は、ヘッダ内に配置されることを可能にする高さが低く、例えば、ヒートシンクとして機能する金属エンクロージャによる能動的な冷却を必要としないものが選択される。任意のそのような金属エンクロージャは、雷、ラインサージ、又は高電圧ラインとの意図しない接触によって課される電圧を制限し、通常動作中にアースへの電圧を安定化するために、アース及び全体的なシステム接地に電気的に結合される。
【0075】
本明細書に開示される構成要素準備完了ドア及びフレームの使用において、バッテリ50、メインコントローラ58、センサ、電動ドアロック34、及び/又は電気装置のうちの少なくともいくつかは、統合、モジュール化、セキュリティ、及び保守性のために、事前配線されたレセプタクル内のドア114のラッチの縁に取り付けられる。代替として、電力管理コントローラ58は、ドアフレーム12に取り付けられても、あるいはドアフレーム12に隣接する壁等のドアアセンブリ11の外側に配置されてもよい。
【0076】
中央ECU58によって、例えば、スマートフォンアプリを介して、電動ドアラッチ30を遠隔でラッチ解除することが可能になり、建物に入りたい人は介入しなくてもよい。ドア14のラッチを解除するために、電動ラッチ操作器は、電動ドアラッチ30の電動ラッチ操作器に関連付けられた電気モータによって、電動ドアラッチ30の中央ラッチボルト33を後退位置に移動させる。このように、データリンク601、602、603、604及び60Lを有するECU58は、ドアシステム10、110のための電力/データ/制御管理システムを画定する。
【0077】
ECU58は、例えば、スマートフォンアプリを通じて利用可能な、遠隔に位置するコントローラとの通信のために適合及び構成されてよく、遠隔に位置するコントローラからのコマンドに応答してDC電気装置34、36及びセンサのうちの少なくとも1つを動作させる。ECU58は、特定の電気装置の使用を制限して、バッテリ電力で作動している間にドアシステム10、110が動作できる時間を延長することができる。
【0078】
外部ドアフレーム12と共に使用するための住宅用屋外ドア114の製造方法は、以下のステップを含む。まず、内側ドアフレーム122及びその上に組み付けられた第一のドアスキン23を提供する。内側ドアフレーム122は、その外縁又は内縁に、配線溝72によって形成された導管を有する。次に、ワイヤハーネス180が配線溝72の周囲に位置決めされる。ワイヤハーネス180は、ドア114の屋外面上に第一の端部と、ドア114から離れた第二の端部とを有する。次いで、少なくとも1つの発泡ダム83が配線溝72内に位置決めされる。発泡ダム83は、配線溝72及びワイヤハーネス180を封止する。その後、第二のドアスキン24は、内側ドアフレーム122の反対側の表面上に位置決めされ、固定され、それによって、ドアスキン23、24の間に開口部を形成する。次いで、膨張可能な発泡体がドアスキン23、24の間の開口部に導入される。次に、膨張可能な発泡体が開口部内で発泡し、こうして、ドアコアを形成する。発泡ダムは、膨張した発泡体が配線溝72に入り込んでワイヤハーネス180が外れることを防止する。言い換えれば、ドアスキン23,24間の開口部に発泡コアを導入するステップは、ワイヤハーネス180を配線溝72に配置するステップの後に実行される。
【0079】
住宅用屋外ドア114を製造する方法は電気装置を中に受け入れるために内側ドアフレーム122にポケット56,66,68又は156を機械加工するか又は他の方法で形成するステップも含む。ワイヤハーネス180は、機械加工及び製造プロセス中に、例えばワイヤロックチューブによって、保護される。住宅用屋外ドア114を製造する方法は、安全なBluetooth(登録商標)接続及び試験プロトコルを利用して、電源ユニット40、メインコントローラ58、電気装置、及びワイヤハーネス180を試験することによって、ドアシステム110の電気的品質を試験するステップをさらに含む。
【0080】
ドアシステム110は、ローカル及びクラウド統合と、データ格納との両方を可能にするように、ユーザによって構成することができる。ユーザがドアシステム110の設定を設定できる具体例としては、以下のものが挙げられる:
・運動センサ、環境光センサ、又はドア状態センサを使用して、廊下照明ライト364又は枠LEDライト365及び366等のLED照明をオンにすること、
・運動センサ、環境光センサ、又はドア状態センサを使用して、電動ドアロック34を制御すること、
・接続されたドアロックセンサ及びビデオセンサを使用して、ユーザがドア114をロック解除するのを検出すること、
・ドア状態センサの変化を使用してホームオートメーションシーケンスを起動すること、例えば、屋内照明をオンにすること、又は使用中のアナウンスをすること、
・トリガとして運動センサ又は環境光センサを使用して、ドア114のスマートガラスがプライバシー及び太陽光管理のために不透明にすること。
【0081】
当業者であれば、ECU58と通信するセンサは、メインコントローラ58と通信可能なら、建物、ドアフレーム12及び/又はドア14又は114に配置されていてもよいことを認識するであろう。
【0082】
また、ECU58は、ドア14又は114が半開きか、又は開いているために、電動ドアロック34の固定が不可能であることをユーザに通知することができる。この目的のために、ドア状態センサ(又はドアセンサ)64は、
図17A~17Bに最もよく示されるように、有線又は無線接続を介してECU58と通信する。ドア状態センサ64は、電動ドアロック34を作動させる前に、ドア14又は114が半開きか又は閉じているか(すなわち、ドア14又は114がフレームアセンブリ12と適切に整列しているかどうか)を監視する。ドア14が半開きであることを示すドア状態センサ64からの信号は、ECU58に向けられ、ECUは、次いで、ドア14が半開きの場合、すなわち、適切に閉じられていない場合、ドア14を適切に閉じるように電動ドア操作器52を作動させる。ドア14が閉じられていない場合に、ドアロック34を操作すると、ドア14及び/又はドアロック34を損傷することがある。さらに、ドア14が閉じられいないのに、パワーロック34が操作された場合、ECUは、ドア14がロックされていないのに、ロックされていると報告することがある。したがって、ドア状態センサ64は、ドア14が適切に閉じられる前に、ロック34の作動を最小限に抑える。同様に、LEDライトを点灯するだけでなく、個人がドア14又は114を通過し、ドア14又は114が閉じられたと決定した後に電動ドアロック34をロックさせて、スマートフォンアプリと通信して、所有者がドア14又は114の周りの活動を監視できるようにするために、ドア14又は114の状態、開いているか閉じているかを判断するために、また誰かがドア14又は114に接近しているかどうかを判断するために、1つ以上のセンサを設けてもよい。
【0083】
上述のように、ドアシステム10は、フレームアセンブリ12に取り付けられ、120ボルトの高電圧AC電力によって動作される電動ドア閉鎖器(又は電動ドア操作器)52と、ドア14の状態(開放又は閉鎖)を判定するように構成された(中央ECU58と無線又は有線通信する)ドア状態センサ64とを備えてもよい。あるいは、電動ドア操作器52は、低電圧の直流電力で動作してもよい。本発明によれば、ドア状態センサ64がドア14が開いていると判定すると、AC電動ドア閉鎖器52と、ホール効果又はリードスイッチセンサ等のドア状態センサ64とは、ドア14を閉じるように相互作用する。ドア状態センサ64の能力は、ドア又はドア装置の種々の「状態」、すなわち、施錠/解錠、開閉、点灯/消灯等を企図してもよい。システム内の他のセンサも、DC又はAC電気装置自体の問題、例えば、Wi-Fi又はBluetooth(登録商標)信号なし、過剰な電力消費、充分な電力消費なし、過度な高温、過度な低温(例えば、バックアップバッテリ50の場合)等を感知するために使用されてもよい。センサ62、64及び他のセンサは、ECU58に信号を通信し、ECU58は、次いで、信号に応答してとる動作を決定し、適切な電気装置36にコマンドを発行する。このようにして、ドア状態センサ64は、ドア14が開いているという信号をECU58に送信することができ、ECU58は、ドア14を閉じるように作動するようにドア閉鎖器52にコマンドを発行することができる。ドア開放信号は、ドア状態センサ64によって、例えば定期的又は時間指定等で通信されてもよく、例えばスマートフォンアプリの使用を介した所有者からの問い合わせに応答してもよい。
【0084】
ECU58は、電気装置36の間でローカルに動作してもよいし、ユーザがホームコントローラから離れている間、より高度な制御のためにクラウド統合によって補完されてもよい。ドアシステム10又は110では、ユーザは、1つ以上の電動装置36をセットアップし、構成し、管理するために、無線接続を介して、又はスマートフォンアプリ等によってPCもしくはモバイル装置を介してドアシステム10又は110の電力システムにアクセスしてもよい。さらに、ユーザは、データにアクセスして、電気装置の追加と、取り付けられた電気装置36及び/又はバッテリ50の診断健全性との両方のために、ユーザ設定可能なオプションを有してもよく、これは、電気装置36及びバッテリ50で生じる問題に対処するためのより効率的な方法となるであろう。スマートフォンアプリを使用して、ドア14の周りのアクティビティを監視し、電動ドアロック34のロックを起動してロック及びロック解除し、ドア14又は114の状態、開いているか又は閉じているかを判断してもよい。
【0085】
したがって、本発明による予め配線されたスマートレディドアアセンブリ10又は110は、複数の電気装置の動作のための高電圧及び低電圧電力の両方を提供する能力を有する電力システム及びドア電力管理システムと、ドアアセンブリ11又は111に統合された電力/データ管理コントローラとを含んでもよい。ドアアセンブリ11又は111に組み込まれる複数の電気装置について、各電気装置及び使用によって特に必要とされるアンペア及びボルトを考慮すると、必要とされるワットの範囲は、ローエンドでのLED照明(5ボルトで2.9ワット/フィート)から、ドアを移動させるために極めて高いアンプ出力を必要とする電気機械ドアシステム(典型的には、120(又は115)ボルトで500ワット超)まで、広く変動する。したがって、本発明は、電力要件の多様性を前提として、より容易な統合及び電力管理を可能にするように、電気装置の電力必要性により良好に合致する、2つ以上の電力供給オプションを提供する。
【0086】
本明細書に記載され可能にされるドアシステムでは、ユーザは、1つ以上の電力供給された接続された電気装置36をセットアップし、構成し、管理するために、無線接続を介して、スマートフォンアプリ等によってPC又はモバイル装置を介して、ドアシステムの電力システムにアクセスしてもよい。スマートフォンアプリを使用して、ドアの周りのアクティビティを監視し、電動ドアロック34を起動してロック及びロック解除し、ドアの状態を、開いているか又は閉じているかを判断してもよい。さらに、ユーザは、データにアクセスして、電気装置の追加と、取り付けられた電気装置及び/又はバッテリの診断健全性との両方のために、ユーザ設定可能なオプションを有してもよく、これは、電気装置及びバッテリに関する問題に対処するためのより効率的な方法となるであろう。
【0087】
容易に入手可能な電力/データを有するドアアセンブリに電気装置(ハードウェア)を統合するための便利な方法を提供することによって、電気装置の製造業者は、設計を単純化することができ、ドアに隠され統合され、バッテリの交換を必要としない清浄な設計を消費者に提供することができる。さらに、本発明は、電気装置の便利な保守性を可能にする標準化された方法で、ドアアセンブリへの電気装置の統合を可能にする。また、これらの装置をドアに埋め込むことで、電気装置の盗難も防止できる。
【0088】
設置された電気装置は、本発明による予め配線されたドアアセンブリに「組み込まれる」ので、ドアは、構造的完全性、絶縁性能を維持し、歪み又は他の美的欠陥がない。
【0089】
本発明の例示的な実施形態の前述の説明は、特許法の規定に従って例示を目的として提示されている。前述の説明は、網羅的であること、又は本発明を開示された厳密な形態に限定することを意図するものではない。上記の教示に照らして、明らかな修正又は変形も可能である。上記に開示された実施形態は、本発明の原理及びその実用的な用途を最も良く例示し、それによって当業者が本発明を様々な実施形態で、本明細書に記載される原理に従う限り、企図される特定の使用に適するように様々な修正と共に最も良く利用可能にするために選択された。したがって、本発明の意図及び範囲から逸脱することなく、上記の発明に変更を加えることができる。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることも意図される。
【国際調査報告】