(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】外部動力式シリンジドライバおよびこれを使用するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/307 20060101AFI20240220BHJP
A61M 5/315 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
A61M5/307
A61M5/315 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548622
(86)(22)【出願日】2022-02-12
(85)【翻訳文提出日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2022016245
(87)【国際公開番号】W WO2022174125
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518380643
【氏名又は名称】アルタヴィズ,リミティッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ALTAVIZ,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】アウルド,ジャック,アール.
(72)【発明者】
【氏名】マコーレー,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ダン,ジュニア,ジョン シー.
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA01
4C066BB01
4C066CC04
4C066DD12
4C066EE06
4C066HH11
4C066QQ92
(57)【要約】
シリンジドライバおよび注入デバイスが提供される。ドライバは、ハウジングを含み、ハウジングが、その中のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートと、薬剤を含むシリンジを収容するキャビティとを含む。ハウジング内の駆動ピストンは、ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、シリンジに接続可能なプランジャを含む第2の端部とを含む。ハウジング内には、駆動ピストンに結合され、減衰流体チャンバ内に減衰ピストンを含む減衰機構が設けられ、外部供給源からガスチャンバ内に供給されるガスによって駆動ピストンが前進されてシリンジから薬剤を送達するときに、減衰流体チャンバ内の減衰流体がオリフィスまたはバルブを通って第1の領域から第2の領域へ流れ、それによって駆動ピストンの動きを制限するようになっている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部空気源とともに使用するシリンジドライバであって、
ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ前記外部空気源と接続可能なポートと、薬剤を含むシリンジを収容するサイズのキャビティとを含むハウジングと、
前記ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、前記キャビティ内に収容されたシリンジと接続可能なプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源から前記ガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の第1の位置から第2の位置まで移動可能であり、それにより前記プランジャを前進させて前記シリンジから薬剤を送出させる駆動ピストンと、
減衰流体チャンバであって、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブとを含み、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路またはバルブを通って前記第1の領域から前記第2の領域へと流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限する、減衰流体チャンバとを備えることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項2】
請求項1に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体チャンバが、前記駆動ピストン内に配置され、前記駆動ピストンが前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する際に前記減衰流体チャンバが前記駆動ピストンとともに移動し、それにより前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるようなっていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項3】
請求項2に記載のシリンジドライバにおいて、
前記駆動ピストンおよび減衰流体チャンバが移動するときに、前記減衰ピストンが実質的に静止したままであり、それによって前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰ピストンが前記ハウジングに対して固定されていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項4】
請求項3に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰ピストンが、前記ハウジングに対して固定されたシャフトに取り付けられていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項5】
請求項1に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体チャンバが前記ハウジングに対して実質的に静止しており、前記駆動ピストンが前記第1の位置から前記第2の位置に移動するときに前記減衰ピストンが移動して前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰ピストンが前記駆動ピストンに結合されていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項6】
請求項1~5の何れか一項に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体が、前記1または複数の通路またはバルブを通る流量を制限する粘度を有し、それにより前記駆動ピストンが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動する速度が制限されることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項7】
外部空気源とともに使用するシリンジドライバであって、
ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ前記外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、薬剤を含むシリンジを収容するサイズのキャビティを含む遠位端とを含むハウジングと、
前記ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、前記キャビティ内に収容されたシリンジと接続可能なプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源から前記ガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それにより前記プランジャを前進させて前記シリンジから薬剤を送出させる駆動ピストンと、
減衰流体チャンバであって、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブとを含み、前記近位位置と前記遠位位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路またはバルブを通って前記第1の領域から前記第2の領域へと流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限する、減衰流体チャンバとを備えることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項8】
請求項7に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体チャンバが、前記駆動ピストン内に配置され、前記駆動ピストンが前記近位位置から前記遠位位置へ移動する際に、前記減衰流体チャンバが前記駆動ピストンとともに遠位方向に移動して、それにより前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるようになっていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項9】
請求項8に記載のシリンジドライバにおいて、
前記駆動ピストンおよび減衰流体チャンバが移動するときに、前記減衰ピストンが実質的に静止したままであり、それによって前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰ピストンが前記ハウジングに対して固定されていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項10】
請求項7に記載のシリンジドライバにおいて、
前記駆動ピストンの遠位端が、前記減衰流体チャンバから前記キャビティ内へ遠位方向に延びることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項11】
請求項7に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体チャンバが前記ハウジングに対して実質的に静止しており、前記駆動ピストンが前記近位位置から前記遠位位置に移動するときに前記減衰ピストンが遠位方向に移動して前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰ピストンが前記駆動ピストンに結合されていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項12】
請求項11に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰ピストンが、前記駆動ピストンの第1の端部と第2の端部との間で前記駆動ピストンに取り付けられていることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項13】
請求項12に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体チャンバが、前記ハウジング内の前記ガスチャンバと前記キャビティとの間に位置することを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項14】
請求項7~13の何れか一項に記載のシリンジドライバにおいて、
前記駆動ピストンが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動する速度を制限するために、前記減衰流体が、前記1または複数の通路またはバルブを通る流量を制限する粘度を有することを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項15】
請求項1または7に記載のシリンジドライバにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記第1および第2の領域間を連通させる前記減衰ピストン内の1または複数の通路を含むことを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項16】
請求項1または7に記載のシリンジドライバにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記第1および第2の領域間の流れを制限するバルブを含むことを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項17】
請求項16に記載のシリンジドライバにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、圧力逃がしバルブ、バネ荷重ボールバルブおよびバネ荷重ディスクのうちの1つであることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項18】
請求項2または8に記載のシリンジドライバにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記駆動ピストンに配置され、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通させることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項19】
外部空気源とともに使用するシリンジドライバであって、
ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ前記外部空気源と接続可能なポートと、薬剤を含むシリンジを収容するサイズのキャビティとを含むハウジングと、
前記ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、前記キャビティ内に収容されたシリンジと接続可能なプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源から前記ガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の第1の位置から第2の位置まで移動可能であり、それにより前記プランジャを前進させて前記シリンジから薬剤を送出させる駆動ピストンと、
前記駆動ピストン内の減衰流体チャンバと、
前記ハウジングに対して軸方向に固定されたシャフトに取り付けられ、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する前記減衰ピストンの1または複数の通路であって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路を通って前記第1の領域から前記第2の領域へと流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限する、1または複数の通路とを備えることを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項20】
請求項1、7または19の何れか一項に記載のシリンジドライバにおいて、
前記減衰流体が、約10~10万センチポアズ(10~100,000cP)の粘度を有することを特徴とするシリンジドライバ。
【請求項21】
外部空気源とともに使用するための注入デバイスであって、
ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ前記外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、遠位端とを含むハウジングと、
前記遠位端内の薬剤チャンバであって、薬剤ピストンと、前記遠位端から延びる出口ポートとを含む薬剤チャンバと、
前記ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、前記薬剤ピストンに接続されたプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源から前記ガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それにより前記プランジャおよび薬剤ピストンを前進させて前記薬剤チャンバから前記出口ポートを介して薬剤を送出させる駆動ピストンと、
減衰流体チャンバであって、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブとを含み、前記近位位置と前記遠位位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路またはバルブを通って前記第1の領域から前記第2の領域へと流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限する、減衰流体チャンバとを備えることを特徴とする注入デバイス。
【請求項22】
請求項21に記載の注入デバイスにおいて、
前記ハウジングが、前記遠位端に隣接するキャビティを備え、当該注入デバイスが、前記薬剤チャンバ、前記薬剤ピストンおよび前記出口ポートを含む、前記キャビティ内に収容可能なシリンジをさらに備えることを特徴とする注入デバイス。
【請求項23】
請求項22に記載の注入デバイスにおいて、
前記ハウジングおよび前記シリンジが、前記キャビティ内に前記シリンジを固定するための1または複数のコネクタを備えることを特徴とする注入デバイス。
【請求項24】
請求項21に記載の注入デバイスにおいて、
前記出口ポートから延びるカニューレをさらに備えることを特徴とする注入デバイス。
【請求項25】
請求項21に記載の注入デバイスにおいて、
出口ポートに接続可能なカニューレをさらに備えることを特徴とする注入デバイス。
【請求項26】
請求項21に記載の注入デバイスにおいて、
前記駆動ピストンが近位位置から遠位位置に移動する際に、前記減衰流体チャンバが前記駆動ピストンとともに遠位方向に移動して、前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰流体チャンバが前記駆動ピストン内に配置されていることを特徴とする注入デバイス。
【請求項27】
請求項26に記載の注入デバイスにおいて、
前記駆動ピストンおよび減衰流体チャンバが移動するときに、前記減衰ピストンが実質的に静止したままであり、それによって前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰ピストンが前記ハウジングに対して固定されていることを特徴とする注入デバイス。
【請求項28】
請求項26に記載の注入デバイスにおいて、
前記駆動ピストンの遠位端が、前記減衰流体チャンバから前記キャビティ内に遠位方向に延びることを特徴とする注入デバイス。
【請求項29】
請求項21に記載の注入デバイスにおいて、
前記減衰流体チャンバが前記ハウジングに対して実質的に静止しており、前記駆動ピストンが近位位置から遠位位置に移動する際に前記減衰ピストンが遠位方向に移動して、前記減衰流体が前記第1の領域と前記第2の領域との間を流れるように、前記減衰ピストンが前記駆動ピストンに結合されていることを特徴とする注入デバイス。
【請求項30】
請求項29に記載の注入デバイスにおいて、
前記減衰ピストンが、前記駆動ピストンの第1の端部と第2の端部との間で前記駆動ピストンに取り付けられていることを特徴とする注入デバイス。
【請求項31】
請求項30に記載の注入デバイスにおいて、
前記減衰流体チャンバが、前記ハウジング内の前記ガスチャンバと前記キャビティとの間に位置することを特徴とする注入デバイス。
【請求項32】
請求項21~31の何れか一項に記載の注入デバイスにおいて、
前記駆動ピストンが前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動する速度を制限するために、前記減衰流体が、前記1または複数の通路を通る流量を制限する粘度を有することを特徴とする注入デバイス。
【請求項33】
請求項21~31の何れか一項に記載の注入デバイスにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記第1および第2の領域間を連通する前記減衰ピストンの1または複数の通路を含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項34】
請求項21~31の何れか一項に記載の注入デバイスにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記第1および第2の領域間の流れを制限するバルブを含むことを特徴とする注入デバイス。
【請求項35】
請求項34に記載の注入デバイスにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、圧力逃がしバルブ、バネ荷重ボールバルブおよびバネ荷重ディスクのうちの1つであることを特徴とする注入デバイス。
【請求項36】
注入を行うためのシステムであって、
請求項21~31の何れか一項に記載の注入デバイスと、
前記ポートに接続可能な加圧ガスの供給源とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項37】
請求項36に記載のシステムにおいて、
前記供給源が、手術コンソールを含むことを特徴とするシステム。
【請求項38】
請求項36に記載のシステムにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通させる前記減衰ピストンの1または複数の通路を含むことを特徴とするシステム。
【請求項39】
請求項36に記載のシステムにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、前記第1および第2の領域間の流れを制限するバルブを含むことを特徴とするシステム。
【請求項40】
請求項36に記載のシステムにおいて、
前記1または複数の通路またはバルブが、圧力逃がしバルブ、バネ荷重ボールバルブおよびバネ荷重ディスクのうちの1つであることを特徴とするシステム。
【請求項41】
外部空気源とともに使用するための注入デバイスであって、
ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ前記外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、遠位端とを含むハウジングと、
前記遠位端内の薬剤チャンバであって、薬剤ピストンと、前記遠位端から延びる出口ポートとを含む薬剤チャンバと、
前記ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、前記薬剤ピストンに接続されたプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源から前記ガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それによって前記プランジャおよび薬剤ピストンを前進させて、前記薬剤チャンバから前記出口ポートを介して薬剤を送出させる駆動ピストンと、
前記駆動ピストン内の減衰流体チャンバと、
前記ハウジングに対して軸方向に固定されたシャフトに取り付けられ、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する前記減衰ピストンの1または複数の通路であって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路を通って前記第1の領域から前記第2の領域へと流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限する、1または複数の通路とを備えることを特徴とする注入デバイス。
【請求項42】
注入を行うためのシステムであって、
注入デバイスと、
ポートに接続可能な加圧ガスの供給源とを備え、
前記注入デバイスが、
ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、遠位端とを含むハウジングと、
前記遠位端内の薬剤チャンバであって、薬剤ピストンと、前記遠位端から延びる出口ポートとを含む薬剤チャンバと、
前記ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、前記薬剤ピストンに接続されたプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源から前記ガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それによって前記プランジャおよび薬剤ピストンを前進させて、前記薬剤チャンバから前記出口ポートを介して薬剤を送出させる駆動ピストンと、
前記駆動ピストン内の減衰流体チャンバと、
前記ハウジングに対して軸方向に固定されたシャフトに取り付けられ、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する前記減衰ピストンの1または複数の通路であって、前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路を通って前記第1の領域から前記第2の領域へと流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限する、1または複数の通路とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項43】
注入を行うための方法であって、
シリンジドライバを提供するステップであって、前記シリンジドライバが、ハウジングであって、前記ハウジング内のガスチャンバと連通するポートを含む近位端および遠位端を有するハウジングと、駆動ピストンと、減衰機構とを備え、前記減衰機構が、減衰流体チャンバを含み、前記減衰流体チャンバが、前記減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で前記減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、前記第1の領域と前記第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブとを含む、ステップと、
1または複数の薬剤を含むシリンジを前記ハウジングのキャビティ内に挿入して、前記シリンジの薬剤ピストンを前記ハウジング内の駆動ピストンに結合するとともに、前記シリンジの出口ポートを前記遠位端に隣接して配置するステップと、
外部空気源を前記ポートに接続するステップと、
カニューレを前記出口ポートに接続するステップと、
前記カニューレを患者の体内に導入するステップと、
外部空気源を作動させることにより、前記駆動ピストンを初期の第1の位置から第2の位置に移動させ、それにより前記プランジャを前進させて前記シリンジから薬剤を送出させるステップとを含み、
前記第1の位置と前記第2の位置との間の前記駆動ピストンの移動により、前記減衰流体が前記1または複数の通路またはバルブを通って第1の領域から第2の領域に流れ、それにより前記駆動ピストンの移動を制限することを特徴とする方法。
【請求項44】
請求項43に記載の方法において、
前記減衰流体は、前記駆動ピストンが前記第1の位置から前記第2の位置に向かって移動する際に前記駆動ピストンの速度を制限し、それによって前記シリンジから送出される薬剤の体積流量を制限する粘性流体を含むことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、患者の体内に薬剤を送達するためのデバイスおよび方法に関し、より詳細には、外部空気源とともに使用するためのシリンジドライバおよび注入デバイス、並びに、そのようなドライバを使用するためのシステムおよび方法に関する。
【0002】
関連出願データ
本出願は、2021年2月12日に出願された同時係属中の米国仮出願第63/149,204号の利益を主張するものであり、その開示全体は、引用により本明細書に明示的に援用されるものとする。
【背景技術】
【0003】
患者の体内への医薬品または他の薬剤の送達を伴う用途は数多く存在する。例えば、注入器は、網膜剥離手術中にオイルタンポナーデなど、粘性のある流体を患者の眼内に送達するためにしばしば使用される。そのような注入器は、外部空気源、例えば、Alcon社製のConstellation(登録商標)システムなどの手術コンソールに接続され得る。そのようなコンソールは、例えば、約0~80psiの圧力を提供する可変空気圧源を有し、それを使用中に外科医がフットペダルで制御することができる。
【0004】
例えば、約1000~5000cPの粘度を有する高粘度のシリコーンオイルタンポナーデを含むシリンジをコンソールの空気圧ラインに接続した後、患者の眼に挿入して眼球の後方領域にオイルを送達することができる。シリンジは、23gまたは25gのトロカールカニューレを介して眼内に導入される。その後、コンソールからの空気圧を使用してシリンジプランジャを前進させることにより、オイルを送達することができる。オイルの粘度が高いこと、コンソールから得られる圧力が限られていること、そして、カニューレの直径が比較的小さいことから、カニューレによる制約によってオイルの流れが制限され得る。
【0005】
しかしながら、そのようなシステムが低粘度(例えば、約1センチポアズ(lcP)以下の粘度)の薬剤を送達するために使用される場合、シリンジプランジャの摩擦の変動、下流のカニューレのサイズの変動、および/または流動抵抗および組織抵抗の他の変動によって、シリンジが高圧外部空気源によって駆動されるときに、抵抗が変動し、かつ/または送達速度が予測不能になる可能性がある。
【0006】
したがって、患者の体内に薬剤を送達するための改良されたデバイスおよび方法が有用であろう。
【発明の概要】
【0007】
本出願は、患者の体内に薬剤を送達するためのデバイスおよび方法を対象とし、より詳細には、外部空気源とともに使用するためのシリンジドライバおよび注入デバイス、並びに、そのようなドライバを使用するためのシステムおよび方法を対象とする。
【0008】
一実施例によれば、外部空気源とともに使用するためのシリンジドライバが提供され、このシリンジドライバが、ハウジングであって、ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートと、薬剤を含むシリンジを収容するサイズのキャビティとを含むハウジングと、ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、キャビティ内に収容されたシリンジと接続可能なプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源からガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の第1の位置から第2の位置まで移動可能であり、それによりプランジャを前進させてシリンジから薬剤を送出させる駆動ピストンと、減衰流体チャンバであって、減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間に配置された減衰ピストンと、第1の領域と第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブ等とを含み、第1の位置と第2の位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が1または複数の通路またはバルブを通って第1の領域から第2の領域へと流れ、それにより駆動ピストンの移動を制限する、減衰流体チャンバとを備える。
【0009】
別の実施例によれば、シリンジドライバが提供され、このシリンジドライバが、ハウジングであって、ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、薬剤を含むシリンジを収容するサイズのキャビティを含む遠位端とを含むハウジングと、ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、キャビティ内に収容されたシリンジと接続可能なプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源からガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それによりプランジャを前進させてシリンジから薬剤を送出させる駆動ピストンと、減衰流体チャンバであって、減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間に配置された減衰ピストンと、第1の領域と第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブ等とを含み、近位位置と遠位位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が1または複数の通路またはバルブを通って第1の領域から第2の領域へと流れ、それにより駆動ピストンの移動を制限する、減衰流体チャンバとを備える。
【0010】
さらに別の実施例によれば、注入デバイスが提供され、この注入デバイスが、ハウジングであって、ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、遠位端とを含むハウジングと、遠位端内の薬剤チャンバであって、薬剤ピストンと、遠位端から延びる出口ポートとを含む薬剤チャンバと、ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、薬剤ピストンに接続されたプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源からガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それによりプランジャおよび薬剤ピストンを前進させて薬剤チャンバから出口ポートを介して薬剤を送出させる駆動ピストンと、減衰流体チャンバであって、減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間に配置された減衰ピストンと、第1の領域と第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブ等とを含み、近位位置と遠位位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が1または複数の通路またはバルブを通って第1の領域から第2の領域へと流れ、それにより駆動ピストンの移動を制限する、減衰流体チャンバとを備える。
【0011】
さらに別の実施例によれば、外部空気源とともに使用するための注入デバイスが提供され、この注入デバイスが、ハウジングであって、ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、遠位端とを含むハウジングと、遠位端内の薬剤チャンバであって、薬剤ピストンと、遠位端から延びる出口ポートとを含む薬剤チャンバと、ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、薬剤ピストンに接続されたプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源からガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それによってプランジャおよび薬剤ピストンを前進させて、薬剤チャンバから出口ポートを介して薬剤を送出させる駆動ピストンと、駆動ピストン内の減衰流体チャンバと、ハウジングに対して軸方向に固定されたシャフトに取り付けられ、減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、第1の領域と第2の領域との間を連通する減衰ピストンの1または複数の通路であって、第1の位置と第2の位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が1または複数の通路を通って第1の領域から第2の領域へと流れ、それにより駆動ピストンの移動を制限する、1または複数の通路とを備える。
【0012】
さらに別の実施例によれば、注入を行うためのシステムが提供され、このシステムが、注入デバイスと、ポートに接続可能な加圧ガス供給源とを備え、注入デバイスが、ハウジングであって、ハウジング内のガスチャンバと連通し、かつ外部空気源と接続可能なポートを含む近位端と、遠位端とを含むハウジングと、遠位端内の薬剤チャンバであって、薬剤ピストンと、遠位端から延びる出口ポートとを含む薬剤チャンバと、ガスチャンバに隣接して配置された第1の端部と、薬剤ピストンに接続されたプランジャを含む第2の端部とを有する駆動ピストンであって、空気源からガスチャンバ内にガスが供給されると、初期の近位位置から遠位位置まで移動可能であり、それによってプランジャおよび薬剤ピストンを前進させて、薬剤チャンバから出口ポートを介して薬剤を送出させる駆動ピストンと、駆動ピストン内の減衰流体チャンバと、ハウジングに対して軸方向に固定されたシャフトに取り付けられ、減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、第1の領域と第2の領域との間を連通する減衰ピストンの1または複数の通路であって、第1の位置と第2の位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が1または複数の通路を通って第1の領域から第2の領域へと流れ、それにより駆動ピストンの移動を制限する、1または複数の通路とを備える。
【0013】
さらに別の実施例によれば、注入を行うための方法が提供され、この方法が、シリンジドライバを提供するステップであって、シリンジドライバが、ハウジングであって、ハウジング内のガスチャンバと連通するポートを含む近位端および遠位端を有するハウジングと、駆動ピストンと、減衰機構とを備え、減衰機構が、減衰流体チャンバを含み、減衰流体チャンバが、減衰流体チャンバの減衰流体で満たされた第1の領域と第2の領域との間で減衰流体チャンバ内に配置された減衰ピストンと、第1の領域と第2の領域との間を連通する1または複数の通路またはバルブとを含む、ステップと、1または複数の薬剤を含むシリンジをハウジングのキャビティ内に挿入して、シリンジの薬剤ピストンをハウジング内の駆動ピストンに結合するとともに、シリンジの出口ポートを遠位端に隣接して配置するステップと、外部空気源をポートに接続するステップと、カニューレを出口ポートに接続するステップと、カニューレを患者の体内に導入するステップと、外部空気源を作動させることにより、駆動ピストンを初期の第1の位置から第2の位置に移動させ、それによりプランジャを前進させてシリンジから薬剤を送出させるステップとを含み、第1の位置と第2の位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が1または複数の通路またはバルブを通って第1の領域から第2の領域に流れ、それにより駆動ピストンの移動を制限する。
【0014】
本発明の他の態様および特徴は、添付の図面と併せて、以下の説明を検討することにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明は、添付の図面と併せて、以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。一般的な慣例に従い、図面の様々な特徴および設計要素は、一定の縮尺ではないことを理解されたい。反対に、様々な特徴および設計要素の寸法は、分かり易くするために任意に拡大または縮小されている。図面には、以下の図が含まれる。
【
図3】
図3は、
図1A~
図1Cのシリンジドライバの断面図であり、ドライバが外部空気源によって駆動されるときの動作を示している。
図3Aは、
図3のシリンジドライバの減衰ピストンを示す詳細図である。
【
図5】
図5は、シリンジドライバの代替例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施例を説明する前に、本発明は、説明した特定の実施例に限定されるものではなく、当然のことながら、変更され得ることを理解されたい。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用される用語は特定の実施例を説明することのみを目的としており、限定することを意図したものではないことも理解されたい。
【0017】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、下限値の単位の10分の1までの、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値も具体的に開示されているものと理解されたい。記載の範囲内の任意の記載値または介在値と、その記載の範囲内の任意の他の記載値または介在値との間の小さい各範囲は、本発明の範囲に包含される。それらの小さい範囲の上限値と下限値は、それぞれ独立にその範囲に含まれることも除外されることもあり、どちらか一方または両方の限界値が小さい範囲に含まれる場合またはどちらも含まれない場合、各範囲も、記載の範囲内で特に除外される限界値の対象として、本発明に包含される。記載の範囲が限界値の一方または両方を含む場合、それらの包含される限界値の一方または両方を除く範囲も本発明に含まれる。
【0018】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと同様または同等の任意の方法および材料を、本発明の実施または試験に使用することができるが、いくつかの可能性のある例示的な方法および材料をここで説明する。
【0019】
本明細書および添付の特許請求の範囲において、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに別段の指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「化合物」に対する言及は、複数のそのような化合物を含み、「ポリマー」に対する言及は、当業者に公知の1または複数のポリマーおよびその均等物に対する言及を含む。
【0020】
本明細書では、特定の範囲が、数値の前に「約」という用語を付して示されているものとする。「約」という用語は、本明細書において、その用語が先行する正確な数値、およびその用語が先行する数値に近い数値またはほぼ近い数値を文字通りサポートするために使用される。ある数値が具体的に記載された数値に近いかまたは近似しているかどうかを判断する際、近いかまたは近似している未記載の数値は、それが提示される文脈において、具体的に記載された数値と実質的な同等の数値であり得る。
【0021】
図面を参照すると、
図1A~
図1Cは、外部空気源(図示せず)とともに使用するためのシリンジドライバ10と、例えば、患者の眼または患者の体内の別の部位に送達するための1または複数の薬剤を含むシリンジまたは他の容器80とを含む注入デバイス8の一例を示している。本明細書の他の箇所でさらに説明するように、シリンジ80は、シリンジドライバ10内に装填することができ、このシリンジドライバは、手術コンソール(図示せず)などの外部空気源に接続することができ、この外部空気源は、患者の体内に薬剤を送達するように作動させることができる。例えば、本明細書におけるデバイス、システムおよび方法は、網膜下組織プラスミノーゲン活性化因子、網膜下遺伝子治療、網膜接着剤などの治療を、患者の眼の後方に制御して送達するために使用することができる。そのような処置は、比較的低粘度の薬剤、例えば、1センチポアズ(1cP)以下の粘度を有する流体、および/または可変粘度を有する薬剤(例えば、網膜接着剤の場合)を送達することを伴うことがある。そのような流体の粘度が低いため、従来の注入器を用いた全体的な流量は、非常に変動しやすく、かつ/または予測不可能になる可能性がある。本明細書におけるデバイス、システムおよび方法は、送達される薬剤の流れに対する主な抵抗を与える減衰を提供することができ、例えば、本明細書の他の箇所に記載するように、薬剤の流量に対する安全な上限値を提供する絞り作用をもたらし、かつ/または送達流量の繊細な制御を可能にする。代替的には、本明細書の注入デバイスは、他の用途、例えば、網膜剥離手術中に、本明細書の他の箇所に記載するように、シリコーンオイルタンポナーデまたは他の高粘性材料、例えば、約1000~5000cPの粘度を有する材料を患者の眼の後方領域に送達するために使用することができる。
【0022】
図2Aおよび
図2Bをさらに参照すると、シリンジドライバ10は、長手方向軸26を規定する近位端22および遠位端24を含むハウジング20と、その中の1または複数のチャンバまたはキャビティとを含む。例えば、図示のように、ハウジング20は、その内部コンポーネントを支持するための1または複数の内部仕切りまたは他の構造を含む細長い管状体であってもよい。ハウジングは、従来の材料および素材を使用して形成することができ、例えば、プラスチック、金属および/または複合材料から形成することができる。ハウジング20は、注入デバイス8の操作に対応するサイズ、例えば、直径および/または長さを有することができ、任意選択的には、使用中に注入デバイス8を保持および/または他の方法で操作するのを容易にするためのテクスチャリングおよび/または他の特徴(図示せず)を含むことができる。
【0023】
ハウジング20は、ハウジング20内のガスチャンバ28と連通する外部空気源(図示せず)に接続可能なポート30を近位端22に含むことができる。例えば、図示のように、プラグ32が、ハウジング20の近位端22に挿入され、かつ/または他の方法で取り付けられ、ポート30と、ポート30からプラグ32の遠位端36まで延びるガス入口通路34とを含み、ガスチャンバ28の近位壁を規定することができる。ガスチャンバ28は、ハウジング20内に取り付けられた管状内壁29を含むことができ、代替的には、ガスチャンバ28の壁は、ハウジング20自体に直接形成されるものであってもよく、かつ/またはハウジング自体の表面によって規定されるものであってもよい。
【0024】
ハウジング20の近位端22およびプラグ32は、近位端22内にプラグを固定するための協働コネクタを含むことができる。例えば、図示のように、近位端22は環状隆起部23を含み、プラグ32は、対応する凹部31を含むことができ、この凹部内に隆起部23が受け入れられることにより、プラグ32をハウジング20に恒久的に(または任意選択的には取り外し可能に)取り付けることができる。追加的または代替的には、接着剤による接着、融着、溶接などのうちの1または複数を使用して、プラグ32をハウジング20に取り付けることができる。代替的には、ポート30およびガス入口通路32は、例えば、近位端22にポート30を含む端壁を成形または他の方法で一体的に形成することによって、ハウジング20に一体的に形成されるものであってもよい。
【0025】
ポート30は、本明細書の他の箇所に記載するように、加圧空気または他の圧縮性ガスを供給してシリンジドライバ10を作動させるために、外部空気源、例えば、手術コンソール(図示せず)と連通するチューブをポート30に接続することを可能にする1または複数のコネクタを含むことができる。例えば、
図1B~
図2Bに示すように、ポート30は、例えば、チューブの端部に挿入されて、それにより実質的に気密な締まり嵌めを提供することができる雄型ニップルを含むことができる。代替的には、ポート30および/または空気源(図示せず)からのチューブに、ルアーフィッティング、1または複数のネジ山および/または他のコネクタを設けて、所望の接続を提供するようにしてもよい。
【0026】
図2Aおよび
図2Bに示すように、ハウジング20は、遠位端24に隣接するキャビティ40も含み、このキャビティは、患者の体内に送達することを目的とした1または複数の薬剤のためのシリンジ80または他の容器を受け入れるサイズとなっている。図示のように、ハウジング20は、シリンジ80の挿入を可能にするのに十分な距離だけ遠位端24から近位側にオフセットされた内部仕切り42を含むことができ、それにより、例えば、ハウジング20内へのシリンジ80の挿入を制限することができる。
【0027】
図示の例では、シリンジ80が、近位端84、実質的に閉鎖された遠位端86、および薬剤を収容するための薬剤チャンバ88を含むバレル82を含む。シリンジピストン90は、近位端84内にスライド可能に配置され、本明細書の他の箇所に記載するように、シリンジドライバ10に結合され、それにより、薬剤が遠位端86の出口92から供給されるようになっている。遠位端86は、例えば、ルアーフィッティングおよび/または他のコネクタを含む出口ポート94を含むことができ、この出口ポートには、薬剤を送達するために針または他の管状カニューレ(図示せず)を接続することができる。代替的には、針または他のカニューレを、バレル82の遠位端86に恒久的に取り付けることができ、かつ/または一体化することができる。別の代替例では、例えば、ドライバハウジングに直接薬剤チャンバを形成し、ハウジングの遠位端に出口ポート(図示せず)を形成または装着することによって、シリンジドライバのハウジング内にシリンジ80を一体化するようにしてもよい。
【0028】
ハウジング20および/またはシリンジ80は、キャビティ40内に受け入れられたシリンジ80を固定するための1または複数のコネクタを含むことができ、それにより、例えば、シリンジ80をキャビティ40内に取り外し可能にまたは恒久的に収容することが可能となっている。例えば、1または複数の戻り止め、ネジ山など(図示せず)を、シリンジ80およびハウジング20上に、例えば、シリンジ80の内部仕切り42および近位端84上、および/またはハウジング20の遠位端24の内部およびバレル80の遠位端86上に設けることができる。例えば、所望のシリンジ80を選択して、キャビティ40内に単に挿入するだけで、コネクタが自動的にシリンジ80を固定し、注入デバイス8の使用準備を整えることができる。
【0029】
任意選択的には、
図1Aおよび
図1Bに示すように、ハウジング20は、1または複数のウィンドウまたは他の透明面、例えばウィンドウ25を含み、それによりユーザは、キャビティ40内のシリンジ80を視覚的に観察することができ、例えば、送達中に注入デバイス8からの薬剤の流れを監視することができる。
【0030】
図2Aおよび
図2Bを引き続き参照すると、駆動ピストン50がハウジング20内に設けられ、この駆動ピストンは、ガスチャンバ28に隣接して配置された第1の端部または近位端52と、キャビティ40内に受け入れられたシリンジ80の薬剤ピストン90に接続可能なプランジャ56を含む第2の端部または遠位端54とを含む。図示の例では、内部仕切り42が通路43を含み、この通路を介して、駆動ピストン50の第2の端部54がスライド可能に受け入れられて、シリンジキャビティ40内にプランジャ56を提供するようになっている。図示のように、薬剤ピストン90は凹部91を含むことができ、シリンジ80がキャビティ40内に挿入されたときに、この凹部内にプランジャ56が受け入れられ、それにより、その後の駆動ピストン50の遠位方向の移動が薬剤ピストン90に対応する遠位方向の移動を引き起こすようになっている。追加的または代替的には、プランジャ56および/または薬剤ピストン90は、それらを互いにさらに結合するための1または複数のコネクタ、例えば、ピストン90とプランジャ56を恒久的にまたは取り外し可能に接続する1または複数の戻り止め、ネジ山など(図示せず)を含むことができる。
【0031】
図3および
図4に示すように、かつ本明細書の他の箇所で説明するように、ガスが、矢印100で示すように、外部空気源からガスチャンバ28内に供給されると、駆動ピストン50が、(例えば、
図3に示す)初期の近位位置から遠位位置(図示せず)に、例えば、矢印102で示すように左に向かって遠位方向に移動し、それによりプランジャ56が遠位方向に前進して、矢印104で示すように、シリンジ80から薬剤が供給される。
【0032】
図2Aおよび
図2Bに戻ると、図示の例では、駆動ピストン50の近位端52が、例えば、実質的に気密シールを提供するために、ガスチャンバ28の内壁29に沿ってスライド可能な外側Oリング53を含む。このため、外部空気源からガスチャンバ28内に導入された加圧気体は、駆動ピストン50の近位端52に遠位向きの力を加える圧力をガスチャンバ28内に発生させることができる。さらに、駆動ピストン50が遠位方向に前進するに際に、Oリング53は、内壁29および駆動ピストンの遠位端54に沿ってスライドすることができ、それによって、駆動ピストン50が前進するときに、例えば、単独で、または内部仕切り42を貫通する通路43と組み合わせて、駆動ピストンを案内することができる。任意選択的には、ハウジング20は、駆動ピストン50をさらに支持および/または案内することができる1または複数の追加の仕切りまたは支持体、例えば内部支持体44を含むことができる。
【0033】
また、シリンジドライバ10は、例えば、空気源が作動したときに駆動ピストン50が近位位置から前進する速度に対する上限値を与えるように構成された減衰機構も含む。例えば、減衰流体チャンバ60をハウジング20内に設けることができ、その中に、減衰流体チャンバ60内の減衰流体の流れを制限して駆動ピストン50の前進に対する抵抗を与えるために、駆動ピストン50に動作可能に結合された減衰ピストン70を含む。
【0034】
例えば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、減衰流体チャンバ60は、駆動ピストン50内に、例えば、近位端52に隣接して配置され、駆動ピストン50の遠位端54が、減衰流体チャンバ60から遠位方向に延びている。減衰ピストン60は、減衰流体チャンバ50内の中間位置に設けられ、それによって減衰流体チャンバ60を第1の領域60aと第2の領域60bとに分離する。
図3および
図4に示すように、第1の領域60aは、最初に、減衰流体62を含むことができ、例えば、シリンジ80内の薬剤の粘度よりも実質的に高い粘度、例えば、約10~10万センチポアズ(10~100,000cP)の粘度を有する非圧縮性のオイルまたは他の液体で満たされている。
【0035】
図3Aに最もよく示されているように、減衰ピストン70は、それを通って延びる1または複数のオリフィスまたは他の通路72を含み、それにより、例えば、減衰流体チャンバ60の第1および第2の領域60a、60bの間を連通させて、減衰流体62が領域60a、60bの間を流れることを可能にする。減衰ピストン70は、減衰流体チャンバ60に対して軸方向に固定することができ、例えば、駆動ピストン50、ひいては減衰流体チャンバ60が、例えば、薬剤の送達中に前進する際に、減衰ピストン70が実質的に静止したまま留まるようになっている。代替的には、減衰機構を逆にしてもよく、例えば、減衰ピストン70が駆動ピストン50とともに移動する一方で、減衰流体チャンバ60が静止したままであってもよいことが理解されよう(図示せず)。
【0036】
その結果、減衰流体チャンバ60および減衰ピストンのうちの一方の他方に対する軸方向の移動により、例えば、
図3Aにおいて矢印106で示すように、減衰流体62が第1および第2の領域60a、60bの間を流れる。例えば、
図3および
図4に示すように、駆動ピストン50の遠位方向の移動、例えば、図示の近位位置からの遠位方向の移動により、減衰ピストン70が静止したままである一方で、減衰流体チャンバ60が遠位方向に移動する。この相対的な動きにより、第1のチャンバ60aの容積が減少し、それによって、減衰流体62を第1の領域60aから第2の領域60bへと1または複数の通路72を通して流れさせる圧力が発生する。減衰流体62の粘度が比較的高く、1または複数の通路72の断面積が比較的小さいことから、減衰流体の流れが制限され、それにより、本明細書の他の箇所でさらに説明するように、駆動ピストン50の軸方向の移動速度が制限され得る。
【0037】
図2Aおよび
図2Bに示すように、減衰ピストン70はシャフト74に取り付けることができ、このシャフトは、ハウジング20上のプラグ32に相対的に固定された近位端または第1の端部76と、減衰流体チャンバ60よりも遠位側に位置する遠位端または第2の端部78とを含む。減衰流体チャンバ60は、1または複数のシール、例えばOリング66を含むことができ、それにより、減衰流体チャンバ60を通り抜けるシャフト74を受け入れて、相対的な軸方向移動を可能にする一方、減衰流体チャンバ60から減衰流体62が漏れるのを防ぐ流体密閉を提供するようになっている。このため、駆動ピストン50、ひいては減衰流体チャンバ60が遠位方向に移動するときに、シャフト74、ひいては減衰ピストン70は、ハウジング20に対して静止したままである。
【0038】
減衰機構の1または複数のパラメータは、駆動ピストン50の軸方向の移動速度を制限するために所望の抵抗を提供するように変更され得ることが理解されよう。例えば、a)減衰流体の粘度、b)1または複数の通路72の数および/または断面オリフィスのサイズ、c)減衰流体チャンバ60の直径または他の断面、およびd)駆動ピストン50の直径または他の断面のうちの1または複数を必要に応じて変更することで、シリンジ80から供給される薬剤の最大体積流量を、例えば外部空気源からの所与の空気圧に対して、調整することができる。
【0039】
任意選択的には、他の減衰構成を設けることもできる。例えば、1または複数の通路を、駆動ピストン50の壁および/またはハウジング20内の他の構造(図示せず)に設けることができ、すなわち、第1および第2の領域60a、60bの間に狭い経路を提供することができる。代替的には、減衰ピストン70に1または複数のオリフィスまたは通路72を設ける代わりに、例えば、減衰ピストン70および/またはハウジング20内の他のコンポーネント内に、第1および第2の領域60a、60b間を連通させるバルブ(図示せず)、例えば、 圧力逃がしバルブ、バネ荷重ディスク、バネ荷重ボールバルブなどを、減衰流体チャンバ60の第1および第2の領域60a、60b間の減衰流体62の流れを所望の方法で制限するために設けることができる。
【0040】
追加的または代替的には、減衰機構を、必要に応じて、駆動ピストンおよびシリンジピストンと並列または直列に設けることができる。例えば、
図5を参照すると、減衰機構が駆動ピストン150とシリンジピストン90との間に直列に設けられた代替的な構成が示されている。図示のように、シリンジドライバ110は、注入デバイス8と同様に、駆動ピストン150の近位端152に遠位向きの力を加えるために、例えばポート130を介して、外部空気源(図示せず)に接続され得る空気チャンバ128を含むように設けられる。駆動ピストン150の遠位端154は、シリンジ80のシリンジピストン90に結合され、注入デバイス8と同様に、駆動ピストン150の遠位方向の移動により、シリンジピストン90の対応する遠位方向の移動が生じ、シリンジ80の内部88の薬剤を送達するようになっている。
【0041】
シリンジドライバ10とは異なり、シリンジドライバ110は、駆動ハウジングに対して、ひいては駆動ピストン150に対して実質的に静止している減衰流体チャンバ160を含む。例えば、減衰流体チャンバは、ハウジングに取り付けられるか、またはハウジングの表面により形成され得る。減衰ピストン170は、減衰流体チャンバ160内に設けられ、例えば、減衰流体チャンバ160を第1および第2の領域160a、160bに分離し、駆動ピストン150に直接結合される。1または複数のオリフィスまたは圧力逃がしバルブ172が、例えば、減衰ピストン170、駆動ピストン150、および/またはハウジング1120内に設けられ、それにより、第1の領域160a内の減衰流体がそこを通って第2の領域160bに流れることを可能にする。
【0042】
このため、シリンジドライバ10とは異なり、このシリンジドライバ110では、駆動ピストン150の遠位方向の移動により、減衰ピストン170の対応する遠位方向の移動が生じ、それにより、第1の領域160a内の減衰流体が加圧されて、減衰流体が1または複数の通路172を通って第2の領域160bに流れ、それにより、シリンジドライバ10と同様に、薬剤の流れが制限される。
【0043】
次に、
図3および
図4を参照して、注入デバイス8を使用する例示的な方法、例えば、患者の眼内または他の標的位置への注入を実行するための方法を説明する。先ず、シリンジ80の薬剤ピストン90が駆動ピストン50の遠位端54に結合されるように、1または複数の薬剤を含むシリンジ80をハウジング20のキャビティ40内に挿入することができる。シリンジ80の出口ポート94は、例えば、遠位端24から延びるルアーフィッティングまたは他のコネクタを含み、ハウジング20の遠位端24に隣接して配置することができる。カニューレは、例えば、標的位置に導入するためのサイズの針または他の細長い管状部材であり、出口ポート94に接続することができる。例えば、患者の眼の後方領域に薬剤を送達するために、例えば従来の方法により、出口ポート94に接続されたカニューレを受け入れるサイズのトロカールまたは他の管状デバイスを眼内に配置することができる。
【0044】
外部空気源、例えば、手術コンソールを、例えば従来の方法を使用して、シリンジドライバ10の入口ガスポート30に接続することができる。出口ポート94上のカニューレを、トロカールを介して患者の体内に、例えば、患者の眼球内に導入して、カニューレの先端を後方領域に隣接して配置することができる。
【0045】
先端が標的位置に配置されたら、外部空気源を作動させて、加圧ガスをポート30およびガスチャンバ28に供給することにより、駆動ピストンを初期の近位位置から遠位位置に向けて前進させ、それによりプランジャ56および薬剤ピストン90を前進させて、シリンジ80から標的領域内に薬剤を送達する。例えば、手術コンソールは、外科医または他の施術者が、駆動ピストン50の前進速度および薬剤の流量を制御するために必要に応じて空気圧を増加させるために作動させることができるフットペダルを含むことができる。しかしながら、減衰機構を備えるため、近位位置と遠位位置との間の駆動ピストンの移動により、減衰流体が減衰ピストン70の1または複数の通路72を通って、減衰流体チャンバ60の第1の領域60aから第2の領域60bに流れ、それにより、外科医が過剰な空気圧を加えても、駆動ピストン50が前進する速度を制限することができる。
【0046】
駆動ピストン50の動きは、領域60a、60b間の1または複数の通路72を通る減衰流体62の流れの抵抗から生じる減衰ピストン70に作用する減衰流体チャンバ60内の圧力によって妨げられる。力が(外部空気源の圧力からの)空気側と(減衰流体チャンバ60内で生じる圧力からの)減衰流体側との間で釣り合うときに、駆動ピストン50およびプランジャ56の速度、よって、シリンジ80からの薬剤の体積流量がその最大になる。このため、減衰機構は、送達される薬剤の流れに対する主な抵抗を提供することができ、すなわち、注入デバイス、薬剤および/または患者の解剖学的構造に関連する他の抵抗に対して減衰流体の粘度が比較的高いため、薬剤の流量に対する安全な上限値を提供する絞り作用をもたらすことができ、かつ/または送達流量の繊細な制御を可能にすることができる。
【0047】
さらに、代表的な実施例を説明する際に、本明細書は、方法および/またはプロセスを特定の順序のステップとして示している場合がある。しかしながら、方法またはプロセスが本明細書に記載のステップの特定の順序に依存しない限り、方法またはプロセスは記載のステップの特定の順序に限定されるべきではない。当業者であれば理解できるように、他のステップの順序も可能である。したがって、本明細書に記載のステップの特定の順序は、特許請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0048】
本発明は、様々な変更および代替的な形態が可能であるが、その具体的な実施例が図面に示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明は、開示の特定の形態または方法に限定されるものではなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲に属するすべての変更、均等物および代替物を網羅するものであることを理解されたい。
【国際調査報告】