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特表2024-508717生体組織成分の検出方法、装置及びウェアラブル機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】生体組織成分の検出方法、装置及びウェアラブル機器
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/17 20060101AFI20240220BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
G01N21/17 610
A61B5/1455
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548642
(86)(22)【出願日】2021-12-31
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 CN2021143507
(87)【国際公開番号】W WO2022170880
(87)【国際公開日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】202110185765.7
(32)【優先日】2021-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
2.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】522337761
【氏名又は名称】先陽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUNRISE TECHNOLOGIES CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1001, Floor 10, Unit 1, Building 3, No. 6, East Automobile Museum Road, Fengtai District, Beijing 100071, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(74)【代理人】
【識別番号】100224616
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 志聡
(72)【発明者】
【氏名】徐 可欣
(72)【発明者】
【氏名】韓 同帥
(72)【発明者】
【氏名】孫 迪
(72)【発明者】
【氏名】劉 雪玉
【テーマコード(参考)】
2G059
4C038
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059BB08
2G059BB12
2G059BB13
2G059CC16
2G059EE01
2G059EE02
2G059HH01
2G059JJ25
2G059MM01
2G059MM05
4C038KK10
4C038KL05
4C038KL07
4C038KM01
4C038KX01
(57)【要約】
本開示の実施例は、生体組織成分の検出方法、装置及びウェアラブル機器を提供する。該方法は、少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、入射光は前記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、入射光の入射位置は少なくとも二つを含むことと、M個の感光面により採集された各出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各出力光強度は一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各感光面は感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を取得することができ、1≦T≦Mであることと、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織成分の検出方法であって、
少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、前記入射光は前記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置は少なくとも二つを含むことと、
M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度は一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各前記感光面は前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を取得することができ、1≦T≦Mであることと、
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
生体組織成分の検出方法。
【請求項2】
各前記感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長に占める割合は割合閾値以上であり、ここで、前記総光路長は前記出射光が前記検出領域内を伝送する総距離である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出領域内の組織構造特徴に基づいて同類感光面の総面積を特定することをさらに含み、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
各前記感光面の面積と前記感光面の周長との比率は比率閾値以上である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記比率閾値は0.04mm以上である、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記感光面は前記検出領域の表面と接触又は非接触である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記感光面の前記検出領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ前記感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上である、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも二つの出力光強度から第一出力光強度及び第二出力光強度を特定することと、
各前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
各前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することと、
各前記所定の波長に対応する差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、
差分回路を用いて前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、前記差分信号を取得することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、
差分アルゴリズムを採用して前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、前記差分信号を取得することを含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記差分アルゴリズムを採用して前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、前記差分信号を取得することは、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を直接差分演算し、前記差分信号を取得することを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
差分アルゴリズムを採用して前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、前記差分信号を取得することは、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に対して対数をとる処理を行って、第一対数光強度及び第二対数光強度を取得することと、
前記所定の波長に対応する第一対数光強度と第二対数光強度を直接差分演算し、前記差分信号を取得することと、を含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第一出力光強度と前記第二出力光強度は同じ又は異なる同類感光面により異なるタイミングで採集され、ここで、前記第一出力光強度は収縮期光強度であり、前記第二出力光強度は拡張期光強度であり、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力する、
請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の波長に対応する第一出力光強度は前記所定の波長に対応する第一同類感光面により採集され、前記所定の波長に対応する第二出力光強度は前記所定の波長に対応する第二同類感光面により採集され、ここで、前記第一同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記第二同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記第一同類感光面と前記第二同類感光面は同じ同類感光面であり、前記第一同類感光面と前記第二同類感光面で受信された出射光は、入射光が異なる入射位置から入射して伝送されて得られる、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第一同類感光面と前記第二同類感光面は異なる同類感光面である、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第一同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、前記第一平均光路長範囲は第一光路長平均値に基づいて特定され、前記第一光路長平均値は前記第一同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値であり、
前記第二同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、前記第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて特定され、前記第二光路長平均値は前記第二同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第一光路長平均値と前記第二光路長平均値との差の絶対値は第一光路長差範囲に属する、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第一平均光路長範囲は前記第一光路長差範囲以下であり、前記第二平均光路長範囲は前記第一光路長差範囲以下である、
請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第一光路長差範囲は前記所定の波長に対応する最適な差分光路長に基づいて特定される、
請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記所定の波長に対応する第一同類感光面のうちの各前記感光面から前記入射光の中心までの光源-プローブ距離は前記所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離の範囲内にあり、ここで、前記所定の光源-プローブ距離範囲は、前記所定の波長に対応する浮動基準位置から前記入射光の中心までの光源-プローブ距離に基づいて特定される、
請求項15に記載の方法。
【請求項23】
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第三出力光強度を特定することと、
異なる所定の波長に対応する第三出力光強度を差分処理し、少なくとも一つの差分信号を取得することと、
前記少なくとも一つの差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項24】
各前記所定の波長に対応する差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することは、
異なる所定の波長に対応する差分信号を直接差分演算し、少なくとも一つの波長差分信号を取得することと、
前記少なくとも一つの波長差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度を特定し、ここで、前記重畳光強度は前記所定の波長に対応する複数の出力光強度に基づいて加算して得られることと、
各前記所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第四出力光強度を特定することと、
各前記所定の波長に対応する第四出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項27】
前記所定の波長に対応する第四出力光強度は前記所定の波長に対応する同類感光面により採集され、前記同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と前記所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する、
請求項26に記載の方法。
【請求項28】
各前記感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる前記感光面の形状は同じであるか又は異なる、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項29】
前記非環状感光面は環状扇形感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含む、
請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記多角形感光面は正方形感光面、長方形感光面又は三角形感光面を含む、
請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記同類感光面は前記環状感光面又は前記非環状感光面を含み、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力する、
請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記同類感光面が前記環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面であることと、を含み、
前記同類感光面が前記非環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した非環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面であることと、を含む、
請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると特定した場合、前記同類感光面は環状感光面、環状扇形感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含む、
請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記同類感光面の前記目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると特定した場合、前記同類感光面の形状は前記出射光のブレ分布に基づいて特定される、
請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記出射光のブレ分布は、第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布に分解されたものを含み、前記第一方向と前記第二方向は互いに垂直であり、前記同類感光面の前記第一方向に沿った長さと前記同類感光面の前記第二方向に沿った長さとの比率は、前記出射光の第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅は最大である、
請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含み、前記長方形感光面の長さと幅との比率は前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の前記第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、前記楕円形感光面の長軸と短軸との比率は前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の前記第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定される、
請求項35に記載の方法。
【請求項37】
各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られることは、
前記一つ又は複数の感光面を組み合わせて使用することにより、一つの前記出力光強度を出力することと、
前記一つ又は複数の感光面のうちの各感光面を単独で使用する場合に、各前記感光面が採集した出射光の光強度値を計算して一つの前記出力光強度を取得することと、を含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項38】
前記出力光強度は、出射光が集光された後に前記感光面により採集された光強度値である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項39】
各前記感光面は、目標波長に対応する出射光の光強度値を採集し、ここで、前記目標波長は前記複数の所定の波長に属する、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項40】
前記感光面は初期感光面にマスク板を設置したものであり、前記マスク板の光透過率は光透過率閾値以下である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項41】
前記マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて特定される、
請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記入射光が前記検出領域に照射されたスポットの強度分布が均一である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項43】
前記入射光が前記検出領域に照射されたスポットの面積はスポット面積閾値以上である、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項44】
生体組織成分の検出装置であって、
少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、前記入射光が前記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置が少なくとも二つを含む光源モジュールと、
M個の感光面を含み、各前記感光面が前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られる採集モジュールと、
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定する処理モジュールと、を含む、
生体組織成分の検出装置。
【請求項45】
各前記感光面が受信した出射光の目標組織層における伝送光路長が総光路長に占める割合は割合閾値以上であり、ここで、前記総光路長は前記出射光が前記検出領域内を伝送する総距離である、
請求項44に記載の装置。
【請求項46】
同類感光面の総面積は前記検出領域内の組織構造特徴に基づいて特定され、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力する、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項47】
各前記感光面の面積と前記感光面の周長との比率は比率閾値以上である、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項48】
前記比率閾値は0.04mm以上である、
請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記感光面は前記検出領域の表面と接触又は非接触である、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項50】
前記感光面の前記検出領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ前記感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上である、
請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記感光面の各部分と、対応する入射光が位置する方向との夾角は、0°以上、360°以下である、
請求項44に記載の装置。
【請求項52】
前記M個の感光面には各前記所定の波長に対応する一つ又は複数の同類感光面が存在し、ここで、前記同類感光面は異なるタイミングで前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び/又は第二出力光強度を採集し、ここで、前記第一出力光強度は収縮期光強度であり、前記第二出力光強度は拡張期光強度であり、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、
前記処理モジュールは、各前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定する、
請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記M個の感光面には各前記所定の波長に対応する第一同類感光面及び第二同類感光面が存在し、ここで、前記第一同類感光面は前記所定の波長に対応する第一出力光強度を採集し、前記第二同類感光面は前記所定の波長に対応する第二出力光強度を採集し、前記第一同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記第二同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、
前記処理モジュールは、各前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定する、
請求項51に記載の装置。
【請求項54】
前記第一同類感光面と前記第二同類感光面は同じ同類感光面であり、前記第一同類感光面と前記第二同類感光面で受信された出射光は、入射光が異なる入射位置から入射して伝送されて得られる、
請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記第一同類感光面と前記第二同類感光面は異なる同類感光面である、
請求項53に記載の装置。
【請求項56】
前記第一同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、前記第一平均光路長範囲は第一光路長平均値に基づいて特定され、前記第一光路長平均値は前記第一同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値であり、
前記第二同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、前記第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて特定され、前記第二光路長平均値は前記第二同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である、
請求項53に記載の装置。
【請求項57】
前記第一光路長平均値と前記第二光路長平均値との差の絶対値は第一光路長差範囲に属する、
請求項56に記載の装置。
【請求項58】
前記第一平均光路長範囲は前記第一光路長差範囲以下であり、前記第二平均光路長範囲は前記第一光路長差範囲以下である、
請求項57に記載の装置。
【請求項59】
前記第一光路長差範囲は前記所定の波長に対応する最適な差分光路長に基づいて特定される、
請求項57に記載の装置。
【請求項60】
前記所定の波長に対応する第一同類感光面のうちの各前記感光面から前記入射光の中心までの光源-プローブ距離は前記所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあり、ここで、前記所定の光源-プローブ距離範囲は前記所定の波長に対応する浮動基準位置から前記入射光の中心までの光源-プローブ距離に基づいて特定される、
請求項53に記載の装置。
【請求項61】
前記M個の感光面には各前記所定の波長に対応する同類感光面が存在し、ここで、前記同類感光面は前記所定の波長に対応する第三出力光強度を採集し、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、
前記処理モジュールは、異なる所定の波長に対応する第三出力光強度を差分処理し、少なくとも一つの差分信号を取得し、かつ前記少なくとも一つの差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定する、
請求項51に記載の装置。
【請求項62】
前記処理モジュールは、前記所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得し、異なる所定の波長に対応する差分信号を直接差分演算し、少なくとも一つの波長差分信号を取得し、かつ前記少なくとも一つの波長差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定する、
請求項52又は53に記載の装置。
【請求項63】
前記M個の感光面には各前記所定の波長に対応する同類感光面が存在し、ここで、前記同類感光面は前記所定の波長に対応する第四出力光強度を採集し、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、
前記処理モジュールは、各前記所定の波長に対応する第四出力光強度に基づいて、前記少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定する、
請求項51に記載の装置。
【請求項64】
前記同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と前記所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する、
請求項63に記載の装置。
【請求項65】
各前記感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる前記感光面の形状は同じであるか又は異なる、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項66】
前記非環状感光面は環状扇形感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含む、
請求項65に記載の装置。
【請求項67】
前記多角形感光面は正方形感光面、長方形感光面又は三角形感光面を含む、
請求項66に記載の装置。
【請求項68】
前記同類感光面は前記環状感光面又は前記非環状感光面を含み、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力する、
請求項65に記載の装置。
【請求項69】
前記同類感光面が前記環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面であることと、を含み、
前記同類感光面が前記非環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した非環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面であることと、を含む、
請求項68に記載の装置。
【請求項70】
前記同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると特定した場合、前記同類感光面は環状感光面、環状扇形感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含む、
請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記同類感光面の前記目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると特定した場合、前記同類感光面の形状は前記出射光のブレ分布に基づいて特定される、
請求項69に記載の装置。
【請求項72】
前記出射光のブレ分布は第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布に分解されたものを含み、前記第一方向と前記第二方向は互いに垂直であり、前記同類感光面の前記第一方向に沿った長さと前記同類感光面の前記第二方向に沿った長さとの比率は、前記出射光の第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅は最大である、
請求項71に記載の装置。
【請求項73】
前記同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含み、前記長方形感光面の長さと幅との比率は前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の前記第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、前記楕円形感光面の長軸と短軸との比率は前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の前記第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定される、
請求項72に記載の装置。
【請求項74】
前記M個の感光面のうちの異なる感光面の陽極同士が電気的に接続されないか、一部の感光面の陽極が電気的に接続されるか、又は全ての感光面の陽極が電気的に接続される、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項75】
同一の感光面の異なる部分は同一平面又は異なる平面にある、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項76】
感光面セットは同一平面又は異なる平面にあり、ここで、前記感光面セットは複数の感光面を含む、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項77】
さらに集光モジュールを含み、前記集光モジュールは前記検出領域と前記感光面との間に設置され、
前記集光モジュールは、前記出射光を集光することにより、前記出力光強度が出射光が集光された後に前記感光面により採集された光強度値であることを実現する、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項78】
さらに支持モジュール及び検出プローブを含み、前記検出プローブは前記M個の感光面を含み、前記支持モジュールは前記感光面の目標表面又は前記検出プローブの目標表面に設置され、ここで、前記感光面の目標表面と前記検出プローブの目標表面はいずれも前記検出領域に近接する表面を示し、
前記支持モジュールは、前記集光モジュールを支持する、
請求項77に記載の装置。
【請求項79】
前記集光モジュールは凸レンズ又は環状レンズを含み、ここで、前記環状レンズは単一の環状レンズ又は複数の凸レンズで配列された環状レンズを含む、
請求項77に記載の装置。
【請求項80】
前記M個の感光面のうちのS個の前記感光面の表面にそれぞれフィルタ膜が設置され、ここで、M≧2であり、M≧Sであり、
前記フィルタ膜は、前記感光面に目標波長に対応する出射光の光強度値を採集させ、ここで、前記目標波長は前記複数の所定の波長に属する、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項81】
さらにマスク板を含み、前記マスク板は初期感光面に設置され、ここで、前記マスク板の光透過率は光透過率閾値以下であり、
前記マスク板は、前記初期感光面に前記マスク板を設置した後に前記感光面を取得する、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項82】
前記マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて特定される、
請求項81に記載の装置。
【請求項83】
さらに検出プローブを含み、前記検出プローブは前記M個の感光面を含み、前記検出プローブに第一スリーブが設置され、
前記第一スリーブの第一端面は前記検出プローブの目標表面を超え、ここで、前記第一端面は前記検出領域に近接する端面を示し、前記検出プローブの目標表面は前記検出領域に近接する表面を示す、
請求項44に記載の装置。
【請求項84】
前記第一スリーブの第二端面及び/又は内部の領域に散乱物が設置され、ここで、前記第一端面と前記第二端面は対向する二つの端面であり、前記内部の領域は前記内部の一部の領域又は前記内部の全ての領域を含む、
請求項83に記載の装置。
【請求項85】
さらに第二スリーブを含み、前記第二スリーブは前記第一スリーブの目標領域の外部に設置され、ここで、前記目標領域は前記第一スリーブが前記検出プローブの目標表面を超える一部の領域又は全ての領域を示す、
請求項83又は84に記載の装置。
【請求項86】
前記第二スリーブに前記散乱物が設置される、
請求項85に記載の装置。
【請求項87】
前記第一スリーブの内径は内径閾値以上である、
請求項83に記載の装置。
【請求項88】
前記第一スリーブの第一端面の開孔は前記第一スリーブの第二端面の開孔以上である、
請求項83に記載の装置。
【請求項89】
前記感光面と前記検出領域との間に屈折率整合物が充填される、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項90】
前記入射光の形状は点状、線状又は面状を含む、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項91】
前記入射位置と前記M個の感光面との位置関係は、
前記M個の感光面の位置が全ての前記入射位置の内部に位置すること、
前記M個の感光面の位置が全ての前記入射位置の外部に位置すること、
前記M個の感光面の位置と各前記入射位置が入れ子位置関係を形成することの一種を含む、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項92】
さらに保護部を含む、
前記保護部は、前記感光面の目標表面に設置され、前記感光面を保護し、ここで、前記感光面の目標表面は前記検出領域に近接する表面を示す、
請求項44又は45に記載の装置。
【請求項93】
ウェアラブル機器であって、
請求項44~92のいずれか一項に記載の生体組織成分の検出装置を含む、
ウェアラブル機器。
【請求項94】
前記ウェアラブル機器の質量は質量閾値以下であり、それにより前記ウェアラブル機器の移動規則と検出領域での皮膚ブレ規則とを一致させることを実現する、
請求項93に記載のウェアラブル機器。
【請求項95】
前記ウェアラブル機器により前記検出領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である、
請求項93に記載のウェアラブル機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、スペクトル検出の技術分野に関し、より具体的には、生体組織成分の検出方法、装置及びウェアラブル機器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の体液に、例えば血糖、脂肪及び白血球等の様々な組織成分が含まれ、各組織成分の濃度はそれに対応する濃度範囲内にあれば、人体の健康な働きを保証することができる。しかし、いくつかの個体に対して、その組織成分に不均衡が発生しやすく、すなわち、組織成分の濃度が数値範囲内になく、さらに身体が疾患に罹患し、健康ひいては命を危険にさらされるため、このような対象に対して、組織成分をリアルタイムに検出する必要がある。
【0003】
光学方法は、迅速で、創傷なし及び情報の多次元化等の特徴を有するため、関連技術において一般的に光学方法を用いて組織成分の検出を行う。検出原理に基づいて、光学方法は、主に、ラマン分光法、偏光法、光干渉断層イメージング法、光音響分光法、中赤外分光法及び近赤外分光法等を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の構想を実現する過程において、発明者は関連技術に少なくとも関連技術を採用する検出精度が高くないという問題が存在することを発見した。
【0005】
これに鑑みて、本開示の実施例は生体組織成分の検出方法、装置及びウェアラブル機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施例の一態様は、生体組織成分の検出方法を提供し、該方法は、少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、上記入射光は上記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、上記入射光の入射位置は少なくとも二つを含むことと、M個の感光面により採集された各上記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各上記出力光強度は一つ又は複数の上記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各上記感光面は上記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を取得することができ、1≦T≦Mであることと、上記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む。
【0007】
本開示の実施例の別の態様は、生体組織成分の検出装置を提供し、該装置は、少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、上記入射光が上記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、上記入射光の入射位置が少なくとも二つを含む光源モジュールと、M個の感光面を含み、各上記感光面が上記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、M個の感光面により採集された各上記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各上記出力光強度が一つ又は複数の上記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られる採集モジュールと、上記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定する処理モジュールと、を含む。
【0008】
本開示の実施例の別の態様によれば、ウェアラブル機器を提供し、該機器は上記のような生体組織成分の検出装置を含む。
【0009】
以下の図面を参照して本開示の実施例に対する説明により、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点はより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例に係るブレが発生する時に小さい面積の感光面で出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図2】本開示の実施例に係るブレが発生する時に広い面積の感光面で出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図3】本開示の実施例に係る生体組織成分の検出方法のフローチャートを概略的に示す図
図4】本開示の実施例に係るモンテカルロシミュレーション方法に基づいて得られた検出結果の概略図を概略的に示す図
図5】本開示の実施例に係る差分検出の概略図を概略的に示す図
図6】本開示の実施例に係る環状感光面の概略図を概略的に示す図
図7】本開示の実施例に係る環状扇形感光面の概略図を概略的に示す図
図8】本開示の実施例に係る円形感光面の概略図を概略的に示す図
図9】本開示の実施例に係る正方形感光面の概略図を概略的に示す図
図10】本開示の実施例に係る初期感光面にマスク板を設置して感光面を得る概略図を概略的に示す図
図11】本開示の実施例に係る生体組織成分の検出装置のブロック図を概略的に示す図
図12】本開示の実施例に係る拡散検出の概略図を概略的に示す図
図13】本開示の実施例に係る異なる感光面の陽極が電気的に接続される概略図を概略的に示す図
図14】本開示の実施例に係るグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図15】本開示の実施例に係る別のグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図16】本開示の実施例に係る腕輪形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図17】本開示の実施例に係る別の腕輪形式の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図18】本開示の実施例に係るアーム検出用の立体感光面の概略図を概略的に示す図
図19】本開示の実施例に係る凸レンズと円形感光面を組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す図
図20】本開示の実施例に係る環状レンズと環状感光面を組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す図
図21】本開示の実施例に係る複数の凸レンズを配列した環状レンズと環状感光面を組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す図
図22】本開示の実施例に係る複数の凸レンズを配列した環状レンズと円形感光面を組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す図
図23】本開示の実施例に係る環状感光面とフィルタ膜を組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す図
図24】本開示の実施例に係る環状扇形感光面とフィルタ膜を組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す図
図25】本開示の実施例に係る検出プローブに第一スリーブを設置する概略図を概略的に示す図
図26】本開示の実施例に係る第一スリーブの目標領域の外部に第二スリーブを設置する概略図を概略的に示す図
図27】本開示の実施例に係る屈折率整合物が充填されない場合に感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図28】本開示の実施例に係る屈折率整合物が充填される場合に感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す図
図29】本開示の実施例に係る屈折率整合物が充填される場合に感光面が出射光を受信する別の概略図を概略的に示す図
図30】本開示の実施例に係る円形入射光及び環状入射光が入射して環状感光面により周辺受信される概略図を概略的に示す図
図31】本開示の実施例に係る円形入射光及び環状入射光が入射して第一感光面セットにより周辺受信される概略図を概略的に示す図
図32】本開示の実施例における円形入射光及び環状入射光が入射して第二感光面セットにより周辺受信される概略図を概略的に示す図
図33】本開示の実施例に係る二つの環状入射光が周辺入射して円形感光面の内部に受信される概略図を概略的に示す図
図34】本開示の実施例に係る二つの環状入射光が周辺入射して第三感光面セットの内部に受信される概略図を概略的に示す図
図35】本開示の実施例に係る入れ子式受信の概略図を概略的に示す図
図36】本開示の実施例に係る別の入れ子式受信の概略図を概略的に示す図
図37】本開示の実施例に係るさらに別の入れ子式受信の概略図を概略的に示す図
図38】本開示の実施例に係るウェアラブル機器の概略図を概略的に示す図
図39】本開示の実施例に係るウェアラブル機器の組立過程の概略図を概略的に示す図
図40】本開示の実施例に係るウェアラブル機器が皮膚のブレ規則と一致する場合に検出プローブが受信した出射光の平均光路長を皮膚のブレ過程において所定の光路長範囲内に保持する概略図を概略的に示す図
図41】本開示の実施例に係るウェアラブル機器により検出領域における皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である場合に検出プローブが受信した出射光の平均光路長を皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持する概略図を概略的に示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本開示の実施例を説明する。しかし、理解すべきこととして、これらの説明は例示的なものだけであり、本開示の範囲を限定するものではない。以下の詳細な説明において、説明を容易にするために、多くの具体的な詳細を説明して本開示の実施例に対する全面的な理解を提供する。しかしながら、明らかに、一つ又は複数の実施例はこれらの具体的な詳細がない場合に実施されてもよい。また、以下の説明において、公知の構造及び技術に対する説明を省略することにより、本開示の概念を不必要に混同することを回避する。
【0012】
ここで使用される用語は具体的な実施例を説明するためだけであり、本開示を限定することを意図するものではない。ここで使用される用語「含む」、「含まれる」等は、前記特徴、ステップ、操作及び/又は部品の存在を示すが、一つ又は複数の他の特徴、ステップ、操作又は部品の存在又は追加を排除するものではない。
【0013】
別途定義されない限り、ここで使用される全ての用語(技術及び科学的用語を含む)は当業者が一般的に理解する意味を有する。注意すべきこととして、ここで使用される用語は本明細書の文脈と一致する意味を有すると解釈すべきであり、理想化又は硬すぎる方式で解釈されるべきではない。
【0014】
「A、B及びCなどのうちの少なくとも一つ」と類似する表現を用いる場合、一般的には当業者が通常に理解する該表現の意味で解釈すべきである(例えば、「A、B及びCのうちの少なくとも一つを有するシステム」はAを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、AとBを有し、AとCを有し、BとCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むが、これらに限らない)。「A、B又はCなどのうちの少なくとも一つ」と類似する表現を用いる場合、一般的には当業者が通常に理解する該表現の意味で解釈すべきである(例えば、「A、B又はCのうちの少なくとも一つを有するシステム」はAを単独で有し、Bを単独で有し、Cを単独で有し、AとBを有し、AとCを有し、BとCを有し、及び/又はA、B、Cを有するシステムなどを含むが、これらに限らない)。
【0015】
光学方法に基づいて生体組織成分検出を行う研究は今まで五十年間の発展を経ており、大量の科学研究機関及び会社が該分野に大きな関心及び力を注いでいるが、被検出組織成分自体の吸収は一般的に弱く、被検出生体自体の被検出組織成分の濃度の変化範囲は一般的に大きくなく、したがって、被検出組織成分信号は一般的に微弱であり、かつそれが非常に検出条件の変動などに干渉されやすく、上記干渉により微弱な被検出組織成分信号が容易にノイズに埋もれ、確実な組織成分の検出を実現する解決手段が今までまだ現れていない。これにより、生体組織成分の検出は早急に解決すべき世界的難題である。ここで、組織成分は血糖、脂肪及び白血球等を含むことができる。被検出組織成分信号は、被検出組織成分の濃度変化による出力光強度変化を示す。検出条件は、光の伝搬路に影響する条件として理解されることができる。検出条件は、制御可能な検出条件と、制御不能な検出条件とを含んでいてもよい。制御可能な検出条件は、毎回の組織成分の検出過程において、有効な制御方法を採用することによりそれを所定の変化範囲内に保持する(すなわち、変化しないか又はほとんど変化しないように保持する)ように制御可能な検出条件であり、ここで、有効な制御方法はハードウェア設計に合わせて実現することができる。制御不能な検出条件は、予知し難くおよび制御不能な特性を有する検出条件である。制御可能な検出条件としては、温度、圧力、検出領域、検出姿勢等を含んでも良い。制御不能な検出条件は、生理的背景変動と検出装置のドリフトなどを含んでもよい。
【0016】
本開示の構想を実現する過程において、発明者は、関連技術を採用する検出精度が高くないことの主な原因が以下のとおりであることを発見した。
【0017】
発明者は、他の条件が変化しない場合に、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布のみを変更すれば、得られた検出結果が異なることを発見した。感光面を血管に近接して設置して得られた検出結果を、他の条件が変化しない場合に同一の感光面を血管から離れて設置して得られた検出結果と比較すると、血管から離れて設置して得られた検出結果は、血管に近接して設置して得られた検出結果より優れる。ここで、検出結果は、感光面が出射光を受信した光強度値の相対変化量又は光強度値の標準偏差によって示すことができ、光強度値の相対変化量が小さいほど、検出結果が優れ、光強度値の標準偏差が小さいほど、検出結果が優れている。検出結果が異なる原因を研究する時に、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布を変化させることが光源照射のランダム性を示すことができ、血管との遠近が脈拍の拍動の強弱を示すことができ、光源照射のランダム性及び脈拍の拍動がいずれもブレの原因であることを発見した。これにより、検出精度が高くない原因の一つがブレになることを発見した。
【0018】
ブレ研究を基に、ブレを引き起こすソースに基づいて、それを内部ソース及び外部ソースに分けることができることを発見した。ここで、内部ソースは脈拍の拍動を含むことができる以外に、さらに生理的背景変動を含むことができる。外部ソースは光源照射のランダム性を含むことができる他、入射光自体の伝送の不確定性を含むことができる。光源照射のランダム性は、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布によって現わされることができる。内部ソースによるブレ、又は外部ソースによるブレは、いずれも光の組織内での伝送経路に影響を与え、さらに出射光の検出領域での強度分布に影響を与えることを発見した。
【0019】
ブレによる検出精度が高くないという問題を解決するために、発明者は、大きな面積を有する感光面(すなわち、大面積感光面)で出射光の光強度値を採集する解決手段を採用することができ、それによりブレによる検出結果に対する悪影響を効果的に抑制することを発見した。すなわち、大面積感光面はブレによる悪影響を効果的に抑制することができ、いわゆる「大面積感光面」は感光面の面積により感光面が所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができると理解することができる。大面積感光面の面積は連続的であり、大面積感光面は感光性材料で製造され、それはシングルポイントファイバ受信及び複数の単一光ファイバの共同受信と異なる。以下、どうして大面積感光面で出射光の出力光強度を採集する解決手段を採用することによって、ブレによる検出結果に対する悪影響を効果的に抑制することができるかを具体的に説明する。
【0020】
大面積感光面は感光面における出射光を安定して受ける面積が該感光面の面積に占める割合を向上させることができるため、出射光を受信する安定性を向上させることができ、さらにブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより検出精度を向上させることができる。ここで、安定性は、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準偏差によって表され、光強度値の相対変化量が小さいほど、安定性が高く、光強度値の標準偏差が小さいほど、安定性が高い。
【0021】
概略的には、脈拍の拍動によるブレを例として説明する。脈拍の拍動は、血管の状態によって反映されることができる。図1は、本開示の実施例に係るブレが発生する時に小さい面積の感光面で出射光を受信する概略図を概略的に示す。図2は、本開示の実施例に係るブレが発生する時に広い面積の感光面を採用して出射光を受信する概略図を概略的に示す。図1及び図2で発生するブレは同じである。図1における感光面Aの面積は、図2における感光面Bの面積よりも小さい。感光面A及び感光面Bは、いずれも正方形の感光面である。図1及び図2において血管状態1は血管収縮状態を示し、血管状態2は血管拡張状態を示し、皮膚状態1は血管状態1に対応する皮膚状態を示し、皮膚状態2は血管状態2に対応する皮膚状態を示す。皮膚状態1から皮膚状態2までは、ブレが現わされる。
【0022】
同じブレが発生した場合、異なる面積の感光面を採用して得られた検出結果を比較する。検出結果は、感光面で所定の期間内に出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準偏差によって示される。ここで、光強度値の相対変化量は以下の方式で特定することができる。所定の期間内の最大光強度値と最小光強度値との差分値を計算し、所定の期間内の出射値の平均値を計算し、差分値と平均値との比率を計算し、該比率を光強度値の相対変化量とする。所定の期間は一つの脈動周期であってもよい。
【0023】
検出結果について、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量によって検出結果を示しても、又は感光面で出射光を受信する光強度値の標準偏差によって検出結果を示しても、感光面Bを採用して得られた検出結果はいずれも感光面Aを採用して得られた検出結果より優れる。
【0024】
感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、大面積感光面が出射光を受信する安定性を向上させることができ、さらにブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより検出精度を向上させることができることが分る。
【0025】
また、出射光の出力光強度が比較的微弱であり、被検出組織成分の濃度変化による出力光強度変化も比較的微弱であり、かつ関連技術に採用された出射光を受信する方式で受信された出射光の効率が低いため、受信された出力光強度の信号対雑音比が低く、さらに検出精度が高くないことをもたらす。本開示の実施例の大面積感光面は出力光強度の信号対雑音比を向上させ、さらに検出精度を向上させることができる。これは、大面積感光面が広範囲の出射光の受信を実現することができ、出射光を受信する効率を向上させ、これにより出力光強度の信号対雑音比を向上させ、検出精度を向上させることができるからである。
【0026】
説明すべきものとして、本開示の実施例に記載の大面積感光面は、検出領域の表面からの距離が小さい場合、すなわち、検出領域の表面に近接する場合に、より高い出射光を受信する安定性及び効率を実現することができる。これは、シングルポイント光ファイバの受信と複数の単一光ファイバの共同受信により実現できないことである。その原因は、その一が、光ファイバの開口数の制約に制限されることである。その二が、光ファイバの状態変化に制限されることである。光ファイバの状態変化は環境の影響を受けやすく、その変化は、出射光を受信する安定性に大きな影響を与える。
【0027】
さらに説明すべきものとして、一般的に出力光強度の信号対雑音比を向上させるために、大面積感光面を採用することができる。換言すれば、大面積感光面は、一般的に、出力光強度の信号対雑音比を向上させる役割をしており、これは本開示の実施例における大面積感光面の主な役割と異なり、本開示の実施例において、大面積感光面は、主に、ブレを効果的に抑制する役割を果たす。以下に具体的な実施例を参照して説明する。
【0028】
図3は、本開示の実施例に係る生体組織成分の検出方法のフローチャートを概略的に示す。
【0029】
図3に示すように、該方法は操作S310~S330を含む。
【0030】
操作S310において、少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、入射光が検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、入射光の入射位置が少なくとも二つを含む。
【0031】
本開示の実施例によれば、異なる検出部位が異なる皮膚特性を有し、滑らかさ程度、毛髪の有無、平坦状態、皮膚厚さ及び柔軟度等を含むことができるため、実際の状況、例えば検出プローブの構造に応じて、適切な検出部位を選択する必要がある。検出部位は、指、手のひら、アーム、額及び耳たぶのうちの少なくとも一種を含むことができる。検出領域は、検出部位上の領域であってもよい。
【0032】
本開示の実施例によれば、所定の波長は、被検出組織成分に敏感な波長であってもよい。所定の波長が属する波長帯は、紫外波長帯、可視光波長帯、近赤外波長帯、中赤外波長帯または遠赤外波長帯を含むことができる。例示的には、例えば被検出組織成分が血糖であり、それに応じて、所定の波長は血糖に敏感な波長であってもよく、具体的には1550nm又は1609nmであってもよい。入射光はコリメート光又は非コリメート光であってもよい。入射光の入射位置は、少なくとも二つを含んでいてもよい。
【0033】
操作S320において、M個の感光面により採集された各出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を得て、ここで、各出力光強度は一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各感光面は感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を取得することができ、1≦T≦Mである。
【0034】
本開示の実施例によれば、検出精度を向上させるために、各感光面が該感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができることをできるだけ確保する必要があり、これは感光面の面積ができるだけ大きいことを要求する。各感光面は対応する所定のブレ防止範囲を有し、異なる感光面の所定のブレ防止範囲が同じであるか又は異なる。以下では例示を合わせて三つの方面から感光面の面積が大きいほど、ブレを抑制する効果が高いことを説明する。感光面Aの面積が感光面Bの面積よりも小さくなるように予め設定されている。感光面A及び感光面Bは、いずれも正方形の感光面である。
【0035】
その一、脈拍の拍動によるブレを抑制する。感光面Aと感光面Bをそれぞれ検出領域上の同じ位置に設置し、該位置は血管に近い位置である。他の条件が同じである場合に、感光面Aと感光面Bを用いて得られた検出結果を比較し、ここで、検出結果は、感光面により一つの脈動周期内に出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準偏差によって示される。光強度値の相対変化量の計算方式は以上のとおりであり、ここでは説明を省略する。感光面Bが出射光を受信する光強度値の相対変化量は、感光面Aが出射光を受信する光強度値の相対変化量よりも小さく、感光面Bが出射光を受信する光強度値の標準偏差は、感光面Aが出射光を受信する光強度値の標準偏差より小さい。これにより、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量によって検出結果を示しても、又は感光面で出射光を受信する光強度値の標準偏差によって検出結果を示しても、感光面Bを用いて得られた検出結果はいずれも感光面Aを採用して得られた検出結果より優れる。
【0036】
感光面Bを採用して得られた検出結果が感光面Aを採用して得られた検出結果より優れ、同時に感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、感光面の面積が大きいほど、脈拍の拍動によるブレを抑制する効果が高いことが分る。
【0037】
その二、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布の変化によるブレを抑制する。他の条件が変化しない場合、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布のみを変更する。感光面Aと感光面Bを用いて得られた検出結果を比較し、ここで、検出結果は、感光面で所定の期間内に出射光を受信する光強度値の相対変化量又は光強度値の標準偏差によって示される。光強度値の相対変化量の計算方式は以上のとおりであり、ここでは説明を省略する。感光面Bが出射光を受信する光強度値の変化量は感光面Aが出射光を受信する光強度値の変化量よりも小さく、感光面Bが出射光を受信する光強度値の標準偏差は感光面Aが出射光を受信する光強度値の標準偏差より小さいことを発見した。これにより、感光面で出射光を受信する光強度値の相対変化量によって検出結果を示しても、又は感光面で出射光を受信する光強度値の標準偏差によって検出結果を示しても、感光面Bを用いて得られた検出結果はいずれも感光面Aを用いて得られた検出結果より優れる。
感光面Bを用いて得られた検出結果が感光面Aを用いて得られた検出結果より優れ、同時に感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、感光面の面積が大きいほど、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布の変化によるブレを抑制する効果が高いことが分る。
【0038】
その三、入射光自体の伝送の不確定性によるブレを抑制する。モンテカルロシミュレーション方法を採用する。光子数が1015である入射光を中心入射し、感光面Aと感光面Bはそれぞれ入射光の中心から2.4mm離れる位置に設置され、シミュレーション回数は22回である。感光面Aと感光面Bを用いて得られた検出結果を比較し、ここで、検出結果は、単位面積当たりの出射光子数の標準偏差で示され、単位面積当たりの出射光子数の標準偏差が小さいほど、抑制効果が高いことを示す。図4は、本開示の実施例に係るモンテカルロシミュレーション方法に基づいて得られる検出結果の概略図を概略的に示す。感光面Bに対応する単位面積当たりの出射光子数の標準偏差は、感光面Aに対応する単位面積当たりの出射光子数の標準偏差よりも小さいことを見出した。すなわち、感光面Bを用いて得られた検出結果は感光面Aを用いて得られた検出結果より優れる。
【0039】
感光面Bを採用して得られた検出結果が感光面Aを用いて得られた検出結果より優れ、同時に感光面Bの面積が感光面Aの面積よりも大きいため、感光面の面積が大きいほど、入射光自体の伝送の不確定性によるブレを抑制する効果が高いことが分る。
【0040】
以上の三つの態様の例示により、感光面の面積が大きいほど、ブレによる検出結果に対する悪影響を抑制する効果が高いことが分る。
【0041】
本開示の実施例によれば、各感光面を環状感光面又は非環状感光面とすることができ、ここで、非環状感光面は、環状扇形感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含むことができる。多角形感光面は、正方形の感光面、長方形の感光面又は三角形の感光面を含むことができる。
【0042】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちの各感光面は、単独で使用してもよく、部分的に組み合わせて使用してもよく、又は全部組み合わせて使用してもよく、組み合わせて使用する意味は、一つの出力光強度を出力することである。本開示の実施例において、一つの出力光強度を出力するための感光面を同類感光面と呼び、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含むことができる。ここで、異なる感光面を組み合わせて使用する条件は、各感光面が受信した出射光の平均光路長が平均光路長範囲内にあることであってもよい。平均光路長範囲は、第一平均光路長閾値以上、かつ第二平均光路長閾値以下の範囲からなる範囲であってもよい。第一平均光路長閾値及び第二平均光路長閾値は、光路長平均値及び光路長変化幅に応じて特定することができる。光路長平均値は、同類感光面の各感光位置で受信した出射光の平均光路長から算出した平均値である。例示的には、例えば光路長平均値がaであり、光路長変化幅が±30%であれば、第一平均光路長閾値は0.7aであってもよく、第二平均光路長閾値は1.3aであってもよい。
【0043】
平均光路長について以下に説明する。光の組織における伝送経路は、光路長及び透過深さで表すことができ、ここで、光路長は光が組織を伝送する総距離を示し、透過深さは、光の組織で到達することができる最大縦方向距離を示す。決定された光源-プローブ距離に対して、平均光路長は、光の組織における光路長の平均値を示す。光路長の確率分布関数は、光源-プローブ距離及び組織光学パラメータの関数であると理解することができ、ここで、光源-プローブ距離は、入射光の中心と感光面の中心との間の径方向距離を示す。それに応じて、数学式において、平均光路長は光源-プローブ距離及び組織光学パラメータの関数であると理解することができ、ここで、組織光学パラメータは吸収係数、散乱係数及び異方性因子を含むことができる。なお、平均光路長に影響を与える因子としては、吸収係数、散乱係数、異方性因子、光源-プローブ距離を挙げることができる。
【0044】
本開示の実施例によれば、同類感光面は、環状感光面又は非環状感光面であってもよい。同類感光面が環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合に、同類感光面が独立した環状感光面であり、同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面が複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面であることを含む。同類感光面が非環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合に、同類感光面が独立した非環状感光面であり、同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面が複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面であることを含む。
【0045】
操作S330において、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定する。
【0046】
本開示の実施例によれば、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度を取得した後、各被測定組織成分に対して、干渉抑制方法を用いて少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度を処理することにより、被検出組織成分の濃度を特定することができる。ここで、干渉抑制方法は差分検出方法を含むことができる。差分検出方法は、時間差分検出方法、位置差分検出方法または波長差分検出方法を含むことができる。又は、さらに非差分検出方法を採用して少なくとも一つの出力光強度を処理することにより、被検出組織成分の濃度を特定することができる。
【0047】
本開示の実施例の技術案によれば、前記感光面は、対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、上記特性を有する感光面が感光面における出射光を安定して受信できる面積が該感光面の面積に占める割合を向上させるため、出射光を受信する安定性を向上させ、さらにブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより検出精度を向上させる。
【0048】
本開示の実施例によれば、各感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長に占める割合は割合閾値以上であり、ここで、総光路長は出射光が検出領域内を伝送する総距離である。
【0049】
本開示の実施例によれば、被検出生体の組織モデルは一般的に層状構造であり、一層又は複数層に分けることができる。異なる組織層が持つ被検出組織成分の情報が異なり、検出精度を向上させるために、できるだけ、出射光の伝送経路が主に持たれた被検出組織成分の情報が豊富な組織層を通過するようにする必要がある。目標組織層は、持たれた被検出組織成分の情報が豊富な組織層であり、又は、被検出組織成分の主要なソースである組織層であると理解することができる。以下では被検出生体が人体であり、被検出組織成分が血糖であることを例として説明する。
【0050】
人体の皮膚組織モデルは三層モデルであると理解することができ、外から内へそれぞれ表皮層、真皮層及び皮下脂肪層である。ここで、表皮層は少量の組織液を含み、血漿及びリンパ液を含まない。真皮層は大量の組織液を含み、かつ豊富な毛細血管が存在するため、より多くの血漿と少量のリンパ液を含む。皮下脂肪層は少量の細胞液を含み、かつ静脈と動脈等の血管が存在するため、大量の血漿と少量のリンパ液を含む。これにより分かるように、異なる組織層が持つ被検出組織成分の情報が異なる。
【0051】
表皮層が少量の組織液を含むため、表皮層は適切な血糖情報源ではない。皮下脂肪層は大量の血漿と相対的に少量の組織液を含むが、入射光の透過深さの制限を受けるため、皮下脂肪層も適切な血糖情報源ではない。真皮層は豊富な毛細血管及び大量の組織液を含み、かつ入射光は真皮層に比較的容易に到達することができ、したがって、真皮層は血糖情報の主なソースとすることができる。それに応じて、目標組織層は真皮層であってもよい。
【0052】
本開示の実施例によれば、光路長及び透過深さに基づいて、出射光の各組織層における平均光路長を特定することができる。
【0053】
出射光の伝送経路が主に目標組織層を通過することをできるだけ確保するために、各感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長に占める割合が割合閾値以上である必要があり、ここで、総光路長は出射光が検出領域内を伝送する総距離であってもよく、すなわち、入射光が検出領域に入り、検出領域内で伝送して出射位置に到達するまでの経路の総距離である。ここで、割合閾値は、感光面の中心と入射光の中心との間の光源-プローブ距離及び組織光学パラメータに関連する。
【0054】
説明すべきものとして、本開示の実施例が感光面で受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長に占める割合を限定しているため、本開示の実施例の感光面の面積が大きくなりすぎてはならず、それは面積範囲内の大面積である。
【0055】
本開示の実施例によれば、該方法はさらに以下の操作を含むことができる。
【0056】
検出領域内の組織構造特徴に基づいて同類感光面の総面積を特定し、ここで、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0057】
本開示の実施例によれば、同類感光面の総面積は検出領域内の組織構造特徴に基づいて特定することができる。ここで、組織構造特徴は検出領域が有する構造的特徴であると理解することができる。
【0058】
例示的に、例えば検出領域は三本の血管が交差する領域であり、同類感光面を三本の血管が交差する領域に設置すれば、同類感光面の総面積は三本の血管が交差する領域の面積によって限定され、すなわち、同類感光面の総面積は三本の血管が交差する領域の面積に基づいて特定する必要がある。
【0059】
また例えば検出領域は指が位置する領域であり、同類感光面を指が位置する領域に設置すれば、同類感光面の総面積は指が位置する領域の面積によって制限され、すなわち、同類感光面の総面積は指が位置する領域の面積に基づいて特定する必要がある。
【0060】
説明すべきものとして、本開示の実施例における感光面の面積が組織構造特徴に基づいて特定することができ、一般的には組織構造特徴に基づいて特定された面積が大きくなりすぎてはならないため、本開示の実施例の感光面の面積は大きくなりすぎてはならず、それは面積範囲内の大面積である。
【0061】
本開示の実施例によれば、各感光面の面積と感光面の周長との比率は比率閾値以上である。
【0062】
本開示の実施例によれば、入射光伝送の不確定性、光源のランダム性、生理的背景変動及び脈拍の拍動によるブレの、出射光の検出領域での分布への影響を低減するために、感光面の面積と感光面の周長との比率をできるだけ大きくし、すなわち、比率を比率閾値以上にする理由は以下のとおりである。
【0063】
説明を容易にするために、以下に感光面を二つの部分、すなわち、エッジ部分と非エッジ部分(又は内部部分)に分ける。一般的にブレが主にエッジ部分が採集した出射光に影響し、非エッジ部分に対する影響が小さく、すなわち、非エッジ部分は出射光を比較的安定して採集することができる。角度を変更して理解されるように、ブレが存在する場合、検出領域の出射光の強度分布が微細に変化するため、エッジ部分により受信された出射光の光強度値は出射光の強度分布の変化に伴って大きく変化し、非エッジ部分に位置する出射光の大部分は感光面により比較的安定的に採集され、したがって、非エッジ部分により受信された出射光の光強度値は相対的に安定するように保持することができる。これにより、ブレによる検出結果に対する悪影響を効果的に抑制するために、非エッジ部分に対応する面積と感光面の面積との比率をできるだけ大きくし、比率が大きいほど悪影響を弱める効果が高い。ここで、エッジ部分は感光面の周長によって示し、非エッジ部分は感光面の面積によって示すことができる。これにより、感光面の面積と感光面の周長との比率をできるだけ大きくすることができる。
【0064】
例示的には、例えば感光面1が円形感光面であり、感光面2が正方形感光面であり、周長が同じである場合に、感光面1の面積が感光面2の面積よりも大きいため、感光面1の面積と周長の比率が感光面2の面積と周長の比率より大きく、これにより、感光面1の悪影響を弱める効果が感光面2の悪影響を弱める効果より高い。
【0065】
なお、感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値以上であることが感光面の面積が面積閾値以上であるという条件を満たすことについて説明する。多くの形状の感光面に対して、一般的に感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値以上であれば、実際に感光面の面積の大きさを限定している。これは、一般的にはほとんどの形状の図形に対して、図形の面積と周長の比率が面積の大きさと正の相関関係を有し、すなわち、図形の面積と周長の比率が大きいほど、図形の面積も大きくなるためである。
【0066】
例示的に、例えば円形の場合、円形の面積はπRであり、円形の面積と周長の比率はR/2であり、ここで、Rは半径を示す。円形の面積と周長の比率の大きさは半径のみに関連し、円形の面積の大きさは半径のみに関連し、したがって、円形の面積と周長の比率が面積の大きさと正の相関関係を有し、円形の面積と周長の比率を限定すると、円形の面積の大きさも限定される。また、例えば、正方形の場合、正方形の面積は、aであり、正方形の面積と周長の比率がa/4であり、aは辺長を表す。正方形の面積と周長の比率の大きさは辺長のみに関連し、正方形の面積の大きさは辺長のみに関連し、したがって、正方形の面積と周長の比率が面積の大きさと正の相関関係を有し、正方形の面積と周長の比率を限定すると、正方形の面積の大きさも限定される。
【0067】
本開示の実施例によれば、比率閾値は0.04mm以上である。
【0068】
本開示の実施例によれば、本開示の感光面の面積は相対的に大面積であり、すなわち、感光面の面積は面積範囲内の大面積である。以下、この場合について説明する。
【0069】
その一、感光面の面積が小さくなりすぎてはならない。本開示の実施例の大面積感光面は、感光面の面積により、感光面が所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、したがって、本開示の実施例の大面積感光面における大面積は、ブレ防止を実現するための大面積であり、同時に、感光面の面積と感光面の周長との比率で感光面の面積を示すことにより感光面が所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、一般的には、感光面の面積と周長の比率が感光面の面積と正の相関関係を有し、したがって、感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値以上であると、実際に感光面の面積の大きさを限定し、即ち感光面の面積と周長の比率が比率閾値以上であることにより感光面の面積が小さくなりすぎてはならないことを限定する。
【0070】
その二、感光面の面積が大きくなりすぎてはならない。本開示の実施例は感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長に占める割合が割合閾値以上であること、及び/又は感光面の面積が組織構造特徴に基づいて特定されることを要求し、これにより感光面の面積が大きくなりすぎてはならないことが分る。
【0071】
これにより、本開示の実施例の感光面の面積は相対的に大面積であり、即ち面積範囲内の大面積であることが分る。
【0072】
また、感光面の面積が大きいが、感光面の周長も大きいことにより感光面の面積と感光面の周長との比率が大きくない場合があり、即ち感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値よりも小さく、したがって、絶対的な大面積感光面がブレ防止の要求を満たすことが困難である可能性もある。感光面の面積が小さすぎ、感光面の周長が大きいため、感光面の面積と感光面の周長との比率が比率閾値より小さい場合もあり、したがって、感光面の面積が小さすぎると、ブレ防止の要求を満たすことも困難である。
【0073】
本開示の実施例によれば、感光面は検出領域の表面と接触又は非接触である。
【0074】
本開示の実施例によれば、組織成分検出の形式は、接触式検出及び非接触式検出を含むことができる。ここで、接触式検出は干渉光が感光面により受信されることを回避することができ、さらに検出精度を向上させることができる。非接触式検出は温度及び圧力などの干渉要因による検出結果への影響を回避することができ、さらに検出精度を向上させることができる。
【0075】
感光面が検出領域の表面と接触するように設置すれば、組織成分検出の形式が接触式検出であると考えることができる。感光面が検出領域の表面と非接触するように設置すれば、組織成分検出の形式が非接触式検出であると考えることができる。
【0076】
本開示の実施例によれば、感光面の検出領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上である。
【0077】
本開示の実施例によれば、感光面が感光性材料で製造され、感光面の面積が連続的であるため、広範囲の光強度値の受信を実現し、出射光を受信する効率を向上させることができる。これに基づいて、検出領域の表面に近接する場合、すなわち、感光面の検出領域の表面からの距離が第一距離閾値以下である場合であっても、出射光を受信する効率が効率閾値以上であることを実現することができる。
【0078】
本開示の実施例によれば、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定することは、以下の操作を含むことができる。
【0079】
少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、少なくもと一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、所定の波長に対応する少なくとも二つの出力光強度から第一出力光強度及び第二出力光強度を特定する。各所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0080】
本開示の実施例によれば、第一出力光強度に対応する出射光の平均光路長は第二出力光強度に対応する出射光の平均光路長と異なる。各被検出組織成分に対して、各所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定することができる。
【0081】
本開示の実施例によれば、各所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定することは、以下の操作を含むことができる。
【0082】
所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を得る。各所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0083】
本開示の実施例によれば、制御不能な検出条件の変動が予知困難および制御不能という特性を有するため、効果的な制御方法を採用して再現性を実現する方式で制御不能な検出条件の変動による検出結果への影響を低減することが困難である。検出精度を向上させるために、発明者は、合理的な数学的アルゴリズムを採用することにより制御不能な検出条件の変動による検出結果への影響を減少させ、それによる検出結果への影響を無視できる程度に低減することができ、すなわち、制御不能な検出条件の変動による検出結果への影響をランダムノイズによる検出結果への影響と同じレベルにすることができることを発見した。
【0084】
制御不能な検出条件の変動による検出結果への影響を低減するために、干渉抑制方法を採用して実現することができ、ここで、干渉抑制方法は、差分検出方法を含むことができる。差分検出方法は、時間差分検出方法及び位置差分検出方法を含むことができる。差分検出方法は、制御不能な検出条件の変動による検出結果への影響を低減することができる原因は以下のとおりである。異なる平均光路長での出力光強度に持たれる干渉情報が基本的に同じであれば、すなわち、異なる平均光路長での出力光強度が干渉を受ける影響が基本的に一致すれば、異なる平均光路長での出力光強度に持たれる有効情報が異なるため、二つの平均光路長での出力光強度(すなわち、第一出力光強度と第二出力光強度)に対して差分処理を行い、差分信号を得て、差分信号に基づいて被検出組織成分の濃度を特定することができる。ここで、干渉情報は出力光強度の干渉に対する応答であると理解することができる。有効情報は、出力光強度の被検出組織成分に対する応答であると理解することができる。
【0085】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理する差分処理は、ハードウェアの処理方式及びソフトウェアの処理方式を含むことができる。ここで、ハードウェアの処理方式は、差分回路を用いて処理することを含むことができる。ソフトウェアの処理方式は、差分アルゴリズムを採用して差分演算を行うことを含むことができる。差分アルゴリズムは、直接差分演算と対数差分演算とを含んでもよい。ここで、直接差分演算とは、二つのパラメータに対して直接的に差分処理することである。対数差分演算は、まず二つのパラメータに対して対数をとる演算を行い、対数を取った後のパラメータを取得し、さらに二つの対数を取った後のパラメータに対して差分処理を行うことである。
【0086】
本開示の実施例によれば、差分検出方法によりコモンモード干渉情報を効果的に弱め、さらに検出精度を向上させることができる。
【0087】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0088】
差分回路を採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を得る。
【0089】
本開示の実施例によれば、差分回路を採用して第一出力光強度および第二出力光強度に対する差分処理を実現することにより、差分信号を直接的に取得することができる。
【0090】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0091】
差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を得る。
【0092】
本開示の実施例によれば、差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0093】
所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を直接差分演算し、差分信号を得る。
【0094】
本開示の実施例によれば、差分アルゴリズムを採用して所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を処理し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。
【0095】
所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に対して対数をとる処理を行って、第一対数光強度及び第二対数光強度を得る。所定の波長に対応する第一対数光強度と第二対数光強度を直接差分演算し、差分信号を得る。
【0096】
本開示の実施例によれば、第一対数光強度は第一出力光強度の対数を表し、第二対数光強度は第二出力光強度の対数を表す。
【0097】
差分信号は、次式(1)により求めることができる。
【0098】
【数1】
【0099】
ここで、
は差分信号を示し、
は第一出力光強度を示し、
は第二出力光強度を示す。
は第一出力光強度に対応する平均光路長を示し、
は第二出力光強度に対応する平均光路長を示す。
【0100】
本開示の実施例によれば、第一出力光強度及び第二出力光強度は同じ又は異なる同類感光面により異なるタイミングで採集され、ここで、第一出力光強度は収縮期光強度であり、第二出力光強度は拡張期光強度であり、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0101】
本開示の実施例によれば、第一出力光強度と第二出力光強度が同じ又は異なる同類感光面により異なるタイミングで採集された場合に、脈波に基づく時間差分検出方法を用いて組織成分検出を行うことができる。
【0102】
脈拍すなわち、動脈拍動は、心臓の拍動に伴って周期的な収縮及び拡張が発生し、大動脈内の圧力により血管径が脈動的に変化し、血管中の血流量もそれに伴って規則的及び周期的な変化が発生することを指す。各脈波波形は一つの上昇分岐及び一つの下降分岐を含み、ここで、上昇分岐は心室収縮期動脈の拡張を示し、下降分岐は心室拡張期動脈の収縮を示す。心室の拡張および収縮は一つの脈動周期を示す。
【0103】
本開示の実施例によれば、脈波に基づく時間差分検出方法を採用すれば、脈拍の情報をできるだけ利用する必要があるため、検出精度を向上させるために、感光面を目標部位(例えば目標血管)に近い位置にできるだけ設置することができる。すなわち、第一出力光強度及び第二出力光強度を出力する同類感光面を、目標部位からの距離が第四距離閾値以下となる位置に設定することができる。ここで、第四距離閾値はゼロであってもよく、すなわち、同類感光面が目標部位に設置されてもよい。第一出力光強度及び第二出力光強度を出力するための同類感光面は目標部位からの距離が第四距離閾値以下の位置に設置され、即ち第一出力光強度及び第二出力光強度を出力するための同類感光面のうちの各感光面の目標部位からの距離は第四距離閾値以下である。同類感光面のうちの各感光面の目標部位からの距離が第四距離閾値以下であることは、同類感光面のうち、目標部位から最も離れた感光面のエッジから目標血管までの距離が第四距離閾値以下であってもよい。
【0104】
説明すべきものとして、脈波に基づく時間差分検出方法を採用し、脈拍の情報をできるだけ利用することは、上記した大面積感光面を採用して脈拍の拍動による検出に対する悪影響を低減することに矛盾しなく、前者は可能な限り脈拍の拍動による有用な情報を利用し、後者は脈拍の拍動による悪影響をできるだけ低減する。また、第一出力光強度は拡張期光強度であってもよく、第二出力光強度は収縮期光強度であってもよい。所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度は同じ脈動周期内の出力光強度であってもよく、異なる脈動周期内の出力光強度であってもよい。
【0105】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一出力光強度は、所定の波長に対応する第一同類感光面により採集され、所定の波長に対応する第二出力光強度は、所定の波長に対応する第二同類感光面により採集され、ここで、第一同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、第二同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。
【0106】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対して、該所定の波長に対応する第一同類感光面及び第二同類感光面を有し、そのうち、第一同類感光面は、該所定の波長に対応する第一出力光強度を出力し、第二同類感光面は該所定の波長に対応する第二出力光強度を出力する。第一同類感光面及び第二同類感光面はいずれも一つ又は複数の感光面を含むことができる。
【0107】
本開示の実施例によれば、位置差分検出方法を採用して第一出力光強度及び第二出力光強度を処理することにより、被検出組織成分の濃度を特定することができる。
【0108】
本開示の実施例によれば、位置差分検出方法を使用すれば、目標部位(例えば目標血管)をできるだけ回避する必要があるため、検出精度を向上させるために、感光面を目標部位から離れた位置にできるだけ設置することができる。すなわち、第一出力光強度を出力するための第一同類感光面を目標部位からの距離が第五距離閾値以上である位置に設置することができ、すなわち、第一同類感光面のうちの各感光面の目標部位からの距離が第五距離閾値以上である。第一同類感光面のうちの各感光面の目標部位からの距離が第五距離閾値以上であることは、第一同類感光面のうち、目標部位に最も近い感光面のエッジから目標部位までの距離が第五距離閾値以上であってもよい。又は、第一同類感光面が目標部位に接触せず、第一同類感光面のうちの、目標部位に最も近い感光面の中心から目標部位までの距離が第五距離閾値以上である。第二出力光強度を出力するための感光面を、対象部位からの距離が第六距離閾値以上である位置に設置する。第二光強度を出力するための第二同類感光面を、目標部位からの距離が第六距離閾値以上である位置に設置することに対する理解について、第一出力光強度を出力するための第一同類感光面に対する説明を参照することができ、ここで説明を省略する。
【0109】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は同じ同類感光面であり、第一同類感光面と第二同類感光面で受信された出射光は、入射光が異なる入射位置から入射して伝送されて得られる。
【0110】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は異なる同類感光面である。
【0111】
本開示の実施例によれば、入射光の入射位置は少なくとも二つを含み、第一同類感光面と第二同類感光面は同一の感光面であってもよく、異なるのは、該同類感光面が第一出力光強度に対応する出射光を受信するための同類感光面であれば、即ち第一同類感光面として使用される場合、出射光の入射位置は第一入射位置である。該同類感光面が第二出力光強度に対応する出射光を受信するための同類感光面であれば、即ち第二同類感光面として使用される場合、出射光の入射位置は第二入射位置であり、第一入射位置と第二入射位置は異なる入射位置である。
【0112】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は異なる同類感光面であってもよい。
【0113】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、第一平均光路長範囲は、第一光路長平均値に基づいて特定され、第一光路長平均値は、第一同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。第二同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて特定され、ここで、第二光路長平均値は第二同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。
【0114】
本開示の実施例によれば、位置差分検出方法に基づいて組織成分検出を行う検出精度を向上させるために、第一同類感光面が受信した出射光が近い光路長という特徴を有し、第二同類感光面が受信した出射光も近い光路長という特徴を有することをできるだけ確保する必要がある。近い光路長とは、出射光の平均光路長が平均光路長の範囲内であると理解することができる。
【0115】
第一同類感光面に対して、第一同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属する。ここで、第一平均光路長範囲は以下の方式で特定される。第一同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長の第一光路長平均値を特定し、第一光路長変化幅を特定する。第一光路長平均値及び第一光路長変化幅に基づいて、第一平均光路長範囲を特定する。例示的には、例えば第一光路長平均値がbであり、第一光路長変化幅が±40%である場合、第一平均光路長範囲は0.6b以上1.4b以下であってもよい。
【0116】
第二同類感光面に対して、第二同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属する。ここで、第二平均光路長範囲は以下の方式で特定される。第二同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長の第二光路平均値を特定し、第二光路長変化幅を特定する。第二光路長平均値及び第二光路長変化幅に基づいて、第二平均光路長範囲を特定する。
【0117】
本開示の実施例によれば、第一光路長平均値と第二光路長平均値との差値の絶対値は第一光路長差範囲に属する。
【0118】
本開示の実施例によれば、差分検出方法に基づいて組織成分検出を行う検出精度を向上させるために、適切な位置範囲内に第一同類感光面及び第二同類感光面を設置する必要がある。以下では被検出組織成分が血糖であることを例に説明する。被検出組織成分が血糖である場合、目標組織層は真皮層であり、出力光強度が真皮層における組織成分情報を主に持つ出力光強度であることが要求される。
【0119】
その一、感光面の位置から入射光の中心までの距離が小さすぎると、出射光の出力光強度は主に表皮層中の組織成分情報を持つ。感光面の位置から入射光の中心までの距離が大きすぎると、出射光の出力光強度は主に皮下脂肪層における組織成分情報を持つ。真皮層は表皮層と皮下脂肪層との間に位置し、これにより、第一同類感光面と第二同類感光面の設置位置は適切な位置範囲内で選択する必要があり、第一同類感光面と第二同類感光面との間の距離が大きくなりすぎてはならない。
【0120】
その二、差分検出方法はコモンモード干渉を効果的に弱めることができるが、差分検出方法はコモンモード干渉を弱めると同時に一部の有効情報、すなわち、血糖情報を損失する。二つの位置が極めて近接すると、有効情報が全て損失される可能性がある。これにより、第一同類感光面と第二同類感光面の設置位置は適切な位置範囲内で選択する必要があり、第一同類感光面と第二同類感光面との間の距離は小さくなりすぎてはならない。
【0121】
合理的な位置範囲内に第一同類感光面及び第二同類感光面を設置することを実現するために、有効情報検出原則、差分検出精度の最適化原則及び干渉信号の有効除去原則に基づいて決定することができる。ここで、有効情報検出原則は、二つの位置での出射光が目標組織層中の組織成分情報をできるだけ多く持つことができることを指し、したがって、二つの位置は一つの合理的な位置範囲内にあるべきである。差分検出精度の最適化原則は、二つの位置の間に一定の距離を有するべきであり、差分した後に依然として可能な限り多くの有効な情報を保留することを指す。干渉信号の有効除去原則は、二つの位置の間の距離をできるだけ小さくすべきであり、それにより差分検出方法がコモンモード干渉を除去する効果を向上させることを指す。
【0122】
合理的な位置範囲内に第一同類感光面及び第二同類感光面を設置することは、光路長に反映すれば、第一同類感光面に対応する第一光路長平均値と第二同類感光面に対応する第二光路長平均値との間の差の絶対値は第一光路長差範囲に属することである。ここで、第一光路長差範囲は最適な差分光路長に基づいて特定される。最適な差分光路長は上記三つの原則のうちの少なくとも一つに基づいて特定されてもよい。
【0123】
理解されるように、第一同類感光面と第二同類感光面に対する位置設定要求も同様に感光面の面積が大きくなりすぎてはならないことを要求し、そうでなければ差分効果に影響を与え、さらに検出精度に影響を与える。
【0124】
本開示の実施例によれば、第一平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下であり、第二平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下である。
【0125】
本開示の実施例によれば、合理的な位置範囲内に第一同類感光面と第二同類感光面を設置することをできるだけ実現するために、光路に反映すれば、さらに第一平均光路長範囲が第一光路長差範囲以下であり、かつ第二平均光路長範囲が第一光路長差範囲以下であることをできるだけ保証する必要がある。これにより、第一同類感光面に対応する第一光路長平均値と第二同類感光面に対応する第二光路長平均値との間の差値の絶対値は第一光路長差範囲に属し、第一平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下であり、かつ第二平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下である。
【0126】
本開示の実施例によれば、第一光路長差範囲は所定の波長に対応する最適な差分光路長に基づいて特定される。
【0127】
本開示の実施例によれば、被検出生体の検出領域が決定した場合、該所定の波長に対応する最適な差分感度が存在し、ここで、最適な差分感度は、単位被検出組織成分あたりの濃度変化による差分信号の変化が最大である時に対応する感度を表すことができる。最適な差分感度に基づいて最適な差分光路長を特定することができ、すなわち、差分検出精度の最適化原則に基づいて最適な差分光路長を特定することができ、これにより、最適な差分感度に対応する光路長を最適な差分光路長と呼ぶことができる。
【0128】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する最適な差分光路長を特定した後、上下調整幅を設定することができ、所定の波長に対応する最適な差分光路長及び上下調整幅に基づいて、所定の波長に対応する第一光路長差範囲を特定する。
【0129】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一同類感光面のうちの各感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離は所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあり、ここで、所定の光源-プローブ距離範囲は、所定の波長に対応する浮動基準位置の入射光の中心からの光源-プローブ距離に基づいて特定される。
【0130】
本開示の実施例によれば、検出精度をさらに向上させるために、浮動基準方法に基づいて、感光面の位置を設定することができる。ここで、浮動基準方法について以下に説明する。
【0131】
被検出生体に対して、入射光が組織に入ると吸収作用及び散乱作用が発生し、吸収作用により、光エネルギーを直接的に減衰させ、散乱作用により、光子伝送の方向を変化させることにより出射光の分布に影響を与え、出射光の分布は両者が共同作用する結果である。浮動基準方法に基づいて、被検出組織成分に対して、入射光の中心からのある位置が存在し、該位置において、吸収作用及び散乱作用による出射光の出力光強度に対する影響の程度が同じであるが方向が逆であるため、出射光が被検出組織成分の濃度変化に対して敏感ではないことをもたらす。このような特徴を有する位置を基準位置(または、参照位置)と呼ぶことができる。基準位置における出射光の出力光強度は、検出過程における被検出組織成分以外の他の外乱に対する応答を反映している。同時に、被検出組織成分に対して、入射光の中心からのある位置も存在し、該位置での出射光の出力光強度の、被検出組織成分の濃度変化に対する感度が感度閾値以上である。このような特徴を有する位置を検出位置と呼ぶことができる。検出位置における出射光の出力光強度は検出過程における被検出組織成分に対する応答、及び、被検出組織成分以外の他の干渉に対する応答を反映する。そして、基準位置及び検出位置は波長によって異なり、被検出生体によって異なり、検出領域によって異なるため、基準位置を浮動基準位置と呼ぶことができる。
【0132】
本開示の実施例によれば、浮動基準位置で出射された出射光の出力光強度は主に検出過程における被検出組織成分以外の他の干渉に対する応答を持つため、浮動基準位置から出射された出射光の出力光強度を差分検出に導入することができ、コモンモード干渉を最大限に弱め、有効情報を小さい程度に損失することができる。上記に基づいて、被検出生体の検出領域が決定した場合、所定の波長ごとに、M個の感光面のうち、少なくとも一つの感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離が所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあるようにして、所定の光源-プローブ距離範囲は、所定の波長に対応する浮動基準位置から入射光の中心までの光源-プローブ距離に基づいて特定される。本開示の実施例において、第一同類感光面のうちの各感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離を所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にすることができる。
【0133】
例示的には、例えば被検出生体Aの検出領域Bに対して、所定の波長λに対応する浮動基準位置の入射光の中心からの距離が1.7mmである場合、所定の波長λに対応する所定の光源-プローブ距離範囲は1.5mm~1.9mmであってもよい。
【0134】
上記に基づいて、参照位置に対応する同類感光面と検出位置に対応する同類感光面を特定することができ、参照位置に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第一出力光強度と呼び、検出領域に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第二出力光強度と呼ぶ。又は、検出領域に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第一出力光強度と呼び、参照位置に対応する同類感光面に採集された出力光強度を第二出力光強度と呼ぶ。
【0135】
本開示の実施例によれば、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定することは、以下の操作を含むことができる。
【0136】
少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、少なくともに一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第三出力光強度を特定する。異なる所定の波長に対応する第三出力光強度を差分処理し、少なくとも一つの差分信号を得る。少なくとも一つの差分信号に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0137】
本開示の実施例によれば、波長差分検出方法を採用して第三出力光強度を処理することにより、被検出組織成分の濃度を特定することができる。以下の条件を満たすと、波長差分検出方法を採用して組織成分検出を行うことができ、コモンモード干渉を除去すると同時に十分に多くの有効な情報を保留することができ、それにより検出精度を向上させる。
その一、各被検出組織成分に対して、同じ干渉(例えば温度又は圧力)による二つの所定の波長での出力光強度に対する影響の規則が一致するか又は基本的に一致する。
【0138】
その二、二つの所定の波長での出力光強度による被検出組織成分の濃度変化に対する感度に大きな差異を有する。
【0139】
所定の波長が決定した場合に、該所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第三出力光強度を特定する。これにより各所定の波長の第三出力光強度を取得することができる。二つの所定の波長に対して、二つの第三出力光強度を差分処理し、差分信号を得ることができる。
【0140】
本開示の実施例によれば、二つの第三出力光強度を差分処理することは、以下の操作を含むことができる。差分回路を採用して二つの第三出力光強度を処理し、差分信号を得る。又は、差分アルゴリズムを採用して二つの第三出力光強度を差分演算し、差分信号を得る。差分アルゴリズムを採用して二つの第三出力光強度を差分演算し、差分信号を取得することは、以下の操作を含むことができる。二つの第三出力光強度を直接差分演算し、差分信号を得る。又は、二つの第三出力光強度に対してそれぞれ対数をとる処理を行って、二つの対数光強度を得て、二つの対数光強度を直接差分演算し、差分信号を得る。
【0141】
本開示の実施例によれば、各所定の波長に対応する差分信号に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定することは、以下の操作を含むことができる。
【0142】
異なる所定の波長に対応する差分信号に対して直接差分演算を行い、少なくとも一つの波長差分信号を得る。少なくとも一つの波長差分信号に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0143】
本開示の実施例によれば、波長差分検出方法を採用して差分信号を処理することにより、被検出組織成分の濃度を特定することができる。以下の条件を満たすと、波長差分検出方法を採用して組織成分検出を行うことができ、コモンモード干渉を除去すると同時に十分に多くの有効な情報を保留することができ、それにより検出精度を向上させる。
【0144】
その一、各被検出組織成分に対して、同じ干渉(例えば温度又は圧力)による二つの所定の波長での差分信号に対する影響の規則が一致するか又はほぼ一致する。
【0145】
その二、二つの所定の波長での差分信号の、被検出組織成分の濃度変化に対する感度に大きな差異を有する。
【0146】
二つの所定の波長に対して、二つの差分信号を直接差分演算して、波長差分信号を得ることができる。少なくとも一つの波長差分信号に基づいて、被測定組織成分の濃度を特定する。
【0147】
本開示の実施例によれば、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、以下の操作を含むことができる。
【0148】
少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度を特定し、ここで、重畳光強度は所定の波長に対応する複数の出力光強度に基づいて加算されて得られる。各所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を特定する。
【0149】
本開示の実施例によれば、被測定組織成分の濃度を特定する時に、実際の状況に応じて、例えば単一の出力光強度の数値が小さく、又は出力光強度の信号対雑音比が低いと、取得されたデータを柔軟に利用して、検出精度を向上させることができる。
【0150】
上記に基づいて、各被測定組織成分に対して、所定の波長が決定した場合、所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度を特定し、各所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、被測定組織成分の濃度を特定し、ここで、重畳光強度は複数の出力光強度に基づいて加算して得られる。出力光強度は、拡散光(すなわち、出射光)の光強度である。
【0151】
本開示の実施例によれば、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、以下の操作を含むことができる。
【0152】
少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第四出力光強度を特定する。各所定の波長に対応する第四出力光強度に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0153】
本開示の実施例によれば、非差分検出方法を採用して組織成分検出を行い、すなわち、各所定の波長に対応する第四出力光強度に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定することができる。
【0154】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第四出力光強度は所定の波長に対応する同類感光面により採集して得られ、同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する。
【0155】
本開示の実施例によれば、検出精度を向上させるために、被検出生体の検出領域が決定した場合に、各所定の波長に対して、第三出力光強度を採集するための同類感光面における異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長を該所定の波長に対応する最適な光路長に近づけ、すなわち、第三出力光強度を採集するための同類感光面における異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と該所定の波長に対応する最適な光路長との差の絶対値が第二光路長差範囲以下であるようにすることができる。該所定の波長に対応する最適な光路長は、該所定の波長で、被検出組織成分感度が最大になる時に対応する光路長であると理解することができる。
【0156】
本開示の実施例によれば、各感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる感光面の形状が同じであるか又は異なる。
【0157】
本開示の実施例によれば、各感光面は感光性材料で製造されてもよい。環状感光面は方位位置決めの問題を回避することができ、小さい光源-プローブ距離範囲内に広い面積の設計を実現することもできる。説明すべきものとして、生体組織成分の検出において、光源-プローブ距離は一般的に重要な物理量であり、したがって、小さい光源-プローブ距離範囲内に広い面積の設計を実現することは非常に有意義である。
【0158】
本開示の実施例によれば、いくつかの場合に、非環状感光面を採用することは以下の有益な効果を有する。
【0159】
その一、検出結果が検出領域により影響されるため、一般的には感光面が検出に有利な検出領域に設置されると、感光面が検出に干渉がある検出領域に設置されることと比べて、感光面が検出に有利な検出領域に設置されることによる検出結果がより良好であり、したがって、組織構造特徴に基づいて感光面を適切な位置に設置することができる。非環状感光面が、検出に干渉がある検出領域、例えば血管又は創傷領域を容易に回避することができるため、非環状感光面を採用すれば良好な効果を有する。
【0160】
その二、組織の不均一性のため、同一の入射光の組織内での伝送経路が異なる可能性があり、さらに異なる出射位置の出射光に対応する平均光路長が異なる。被検出組織成分が血糖であることを例とし、一般的には真皮層が血糖信号の主なソースであるため、出射光が主に真皮層で伝送された後に得られた出射光であることが必要であり、それに応じて、出射光に対応する平均光路長に一定の要求がある。
【0161】
平均光路長に対する要求に基づいて対応するサイズの環状感光面を設計すると仮定すると、該環状感光面の異なる感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長が基本的に類似しかつ主に真皮層を通過する出射光であり、平均光路長が平均光路長範囲C内にあると考えられる。この場合、皮膚組織が均一であれば、上記結論は実際の状況に合致する。しかし、一般的には皮膚組織は均一ではないため、同一の環状感光面の異なる感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長の差異が大きく、例えば、環状感光面の一部の感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長は基本的に類似し、いずれも平均光路長範囲C内にあり、該環状感光面の他の一部の感光位置で受信された出射光に対応する平均光路長は前述と大きく異なり、平均光路長範囲C内にない。出射光の平均光路長は平均光路長範囲C内にあれば出射光が主に真皮層を通過する出射光であることが分り、平均光路長範囲C内にない出射光は主に真皮層を通過する出射光ではない可能性があり、同時に、環状感光面は一つの出力光強度を出力し、したがって、皮膚組織が不均一である場合に、環状感光面により取得された出力光強度の信号品質が高くなく、さらに検出精度に影響を与える。
【0162】
非環状感光面は実際の状況に応じて設置することができ、上記例を例として、平均光路長範囲C内にない平均光路長が平均光路長範囲D内にあると仮定し、二つの非環状感光面を採用することができ、ここで、一方の非環状感光面は、出射光の平均光路長が平均光路長範囲C内にある出射光の光強度値を受信することに用いられ、他方の非環状感光面は、出射光の平均光路長が平均光路長範囲D内にある出射光の光強度値を受信することに用いられ、二つの非環状感光面の出力光強度は実際に一致し、検出精度を保証することに役立つ。
【0163】
その三、脈波に基づく時間差分検出方法を用いて組織成分検出を行う場合、脈拍信号を十分に利用する必要があり、すなわち、収縮期光強度及び拡張期光強度の差をできるだけ大きくする必要がある。上記状況で、環状感光面の大部分が血管の上方に位置せず、脈波信号の採集効果に影響を与えるため、収縮期光強度と拡張期光強度との差異程度を低減する。これによれば、環状感光面を採用して得られた収縮期光強度と拡張期光強度との差異程度は非環状感光面を採用して得られた収縮期光強度と拡張期光強度との差異程度よりも小さい。
【0164】
その四、組織の不均一性及び生理的背景変動による出射光に対する影響により、入射光の中心から同じ光源-プローブ距離を有する異なる感光面で受信された出射光の平均光路長に差異がある可能性があり、したがって、入射光の中心から同じ光源-プローブ距離を有する異なる感光面で採集された出力光強度を用いて差分演算を行うことにより、組織成分検出を行うことができる。上記非環状感光面は、同一の光源-プローブ距離に対して、入射光の中心を中心として、少なくとも二つの非環状感光面を離散的に設置することにより、二つの出力光強度を出力することを実現することができる。
【0165】
その五、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低い。
【0166】
以下に図5を参照して第四態様を説明する。図5は、本開示の実施例に係る差分検出の概略図を概略的に示す。図5に示すように、図5は、四つの環状扇形感光面を含み、それぞれ環状扇形感光面1、環状扇形感光面2、環状扇形感光面3及び環状扇形感光面4であり、四つの環状扇形感光面が単独で使用され、各環状扇形感光面が対応する一つの出力光強度を有する。四つの環状扇形感光面の中心から入射光の中心までの距離が同じであり、即ち同じ光源-プローブ距離を有する。組織の不均一性により環状扇形感光面1と環状扇形感光面2が受信した出射光に対応する平均光路長が異なるため、環状扇形感光面1で採集された出力光強度と環状扇形感光面2で採集された出力光強度に基づいて差分演算を行い、差分検出を実現することができる。
【0167】
本開示の実施例によれば、非環状感光面は環状扇形感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含む。
【0168】
本開示の実施例によれば、多角形感光面は正方形感光面、長方形感光面又は三角形感光面を含む。
【0169】
本開示の実施例によれば、実際の状況に応じて中心角を設計することにより、対応する環状扇形感光面を得ることができる。例えば、中心角が90°である環状扇形感光面、中心角が180°である環状扇形感光面、中心角が45°である環状扇形感光面を取得することができる。
【0170】
本開示の実施例によれば、図6は、本開示の実施例に係る環状感光面の概略図を概略的に示す。図7は、本開示の実施例に係る環状扇形感光面の概略図を概略的に示す。図8は、本発明の実施例に係る円形感光面の概略図を概略的に示す。図9は、本開示の実施例に係る正方形感光面の概略図を概略的に示す。
【0171】
本開示の実施例によれば、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、そのうち、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力するために用いられる。
【0172】
本開示の実施例によれば、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面であってもよく、即ち全体として、同類感光面は環状感光面又は非環状感光面として呈する。同類感光面が含む感光面の数に基づいて、全体的に呈する形状が一つの単独の感光面で形成されるか、それとも複数の感光面の組み合わせで形成されるかを特定することができる。ここで、同類感光面のうちの各感光面の形状は環状感光面であってもよく、非環状感光面であってもよい。
【0173】
本開示の実施例によれば、同類感光面が環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面が独立した環状感光面であることを含むことができる。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面である。同類感光面が非環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面が独立した非環状感光面であることを含むことができる。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面である。
【0174】
本開示の実施例によれば、組み合わせられた複数の感光面が緊密に配列されることにより、隣接する感光面の間に隙間がないことをできるだけ保証する。現在、円形感光面又は方形感光面がよく見られ、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低く、他の形状の感光面は一般的にカスタマイズする必要があり、製造プロセスの難易度が大きく、製造コストが高く、したがって、製造コストにより制限されると、組み合わせ方式を採用して、複数の円形感光面及び/又は複数の方形感光面を組み合わせて他の形状の同類感光面を形成することができる。ここで、方形は正方形又は長方形を含む。
【0175】
また、感光面の製造コストは感光面の面積の大きさにも関連し、一般的には感光面の面積が大きいほど、製造コストが高くなる。広い面積の感光面を必要とし、現在、複数の小さい面積の感光面が存在すれば、製造コストを低減するために、複数の小さい面積の感光面を組み合わせて、広い面積の感光面を得ることができる。
【0176】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると特定した場合、同類感光面は環状感光面、環状扇形感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含む。
【0177】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると特定した場合、実際の出射光のブレ状況に応じて、適切な形状の感光面を選択することができ、それによりブレによる検出に対する悪影響を最大限に弱める。
【0178】
目標部位は、ブレが発生する部位であってもよい。振動を引き起こす原因の一つが脈拍の拍動であり、脈拍の拍動が血管に関連するため、目標部位は血管であってもよい。一般的には血管に近い出射光のブレ分布は一定の方向性を有し、血管から離れた出射光のブレ分布が均一であり、方向性を有しない。
【0179】
同類感光面が目標部位(例えば目標血管)から離れると、出射光のブレ分布が均一であることが分り、この場合に、環状感光面、環状扇形感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を選択することができる。同類感光面が目標部位から離れることは、同類感光面のうちの各感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると理解されることができる。同類感光面のうちの各感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であることは、同類感光面のうち、目標部位に最も近い感光面のエッジから目標部位までの距離が第二距離閾値以上であり、又は、同類感光面が目標部位に接触せず、かつ同類感光面のうち、目標部位に最も近い感光面の中心から目標部位までの距離が第二距離閾値以上であることを含むことができる。
【0180】
同類感光面が目標部位から離れる場合、同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長が光路長閾値以下であれば、出射光のブレ状況が光路長により影響されることが分り、ここで、出射光の平均光路長が大きいほど、出射光のブレ状況が明らかになり、逆であれば、出射光のブレ状況が明らかにならない。この場合、入射光の中心から遠い位置ほど、対応する弧長を長く設計することができ、これにより環状感光面、環状扇形感光面又は扇形感光面を選択することができる。
【0181】
同類感光面が目標部位から離れる場合、同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長が光路長閾値より大きければ、出射光のブレ状況が光路長とほぼ無関係であることが分る。この場合、円形感光面又は正方形感光面を選択することができる。
【0182】
本開示の実施例によれば、同類感光面が環状扇形感光面である場合、同類感光面が一つの感光面を含む場合、環状扇形感光面は独立した環状扇形感光面である。同類感光面が複数の感光面を含む場合、環状扇形感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された感光面である。同様に、同類感光面が環状感光面、円形感光面、正方形感光面又は扇形感光面を含む場合に対して、独立して形成された同類感光面又は組み合わせて形成された同類感光面であってもよい。
【0183】
説明すべきものとして、現在、円形感光面又は方形感光面がよく見られ、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低く、他の形状の感光面は一般的にカスタマイズする必要があり、製造プロセスの難易度が大きく、製造コストが高く、したがって、製造コストによって制限されると、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上である場合、同類感光面は円形感光面又は方形感光面を含む。
【0184】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると特定した場合、同類感光面の形状は出射光のブレ分布に基づいて特定される。
【0185】
本開示の実施例によれば、同類感光面が目標部位(例えば目標血管)に近接すれば、出射光のブレ分布が一定の方向性を有することが分る。この場合、同類感光面の形状を出射光のブレ分布に基づいて特定することができる。代替的に、同類感光面の形状と出射光のブレ分布は類似図形である。例示的には、出射光のブレ分布が楕円形状であれば、同類感光面の形状が楕円感光面であるように設計することができる。又は、出射光のブレ分布が長方形であれば、同類感光面の形状が長方形感光面であるように設計することができる。又は、出射光のブレ分布が菱形である場合、同類感光面の形状が菱形感光面であるように設計することができる。
【0186】
本開示の実施例によれば、出射光のブレ分布は、第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布を含み、第一方向と第二方向は互いに垂直であり、同類感光面の第一方向に沿った長さと同類感光面の第二方向に沿った長さとの比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、出射光の第一方向に沿ったブレ幅は最大である。
【0187】
本開示の実施例によれば、出射光のブレ分布は二つの互いに垂直な方向に沿ったブレ分布を含み、ここで、この二つの互いに垂直な方向のブレ分布は出射光のブレをこの二つの互いに垂直な方向に分解して得られる場合、二つの互いに垂直な方向はそれぞれ第一方向と第二方向と呼ばれ、ここで、出射光の第一方向に沿ったブレ幅が最大であれば、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて、同類感光面の第一方向に沿った長さと第二方向に沿った長さとの比率を設定することができ、同類感光面の第一方向に沿った長さと第二方向に沿った長さとの比率を、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率以上にすることができる。
【0188】
例示的に、例えば第一方向及び第二方向はそれぞれ直交座標系におけるY軸方向及びX軸方向であれば、出射光のY軸方向に沿ったブレ幅とX軸方向に沿ったブレ幅との比率は、V/Vとして示され、同類感光面のY軸方向に沿った長さとX軸方向に沿った長さとの比率は、dy/dxとして示され、(dy/dx)≧(V/V)となる。
【0189】
本開示の実施例によれば、同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含み、長方形感光面の長さと幅の比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、楕円形感光面の長軸と短軸の比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定される。
【0190】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第三距離閾値以下であり、出射光のブレ分布は第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布に分解され、第一方向と第二方向が互いに垂直であれば、同類感光面は長方形感光面又は楕円形感光面を含むことができる。ここで、長方形感光面の長さと幅との比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率以上である。楕円形感光面の長軸と短軸との比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と第二方向に沿ったブレ幅との比率以上である。
【0191】
本開示の実施例によれば、各出力光強度は一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られることは、以下の操作を含むことができる。
【0192】
一つ又は複数の感光面を組み合わせて使用することにより、一つの出力光強度を出力する。又は、一つ又は複数の感光面のうち、各感光面を単独で使用する場合に、各感光面が採集した出射光の光強度値を計算して一つの出力光強度を得る。
【0193】
本開示の実施例によれば、一つの出力光強度を出力するための感光面を同類感光面と呼び、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含むことができる。ここで、異なる感光面を組み合わせて使用する条件は、各感光面が受信した出射光の平均光路長が平均光路長範囲内にあることであってもよい。平均光路長範囲は、第一平均光路長閾値以上かつ第二平均光路長閾値以下の範囲であってもよい。第一平均光路長閾値及び第二平均光路長閾値は、光路長平均値及び光路長変化幅に応じて特定することができる。光路長平均値は、同類感光面の各感光位置で受信した出射光の平均光路長から算出した平均値である。
【0194】
感光面は、一般的に該感光面に対応する増幅回路と組み合わせて使用されることにより、一つの光強度値を出力する。同類感光面がより正確な出力光強度を出力することができるために、同類感光面のうちの各感光面の光応答率と該感光面と組み合わせて使用される増幅回路の増幅倍数との積が所定値である必要があり、各感光面の光応答率と該感光面と組み合わせて使用される増幅回路の増幅倍数とが同一の所定値であることを確保する場合に、同類感光面が一つの出力光強度を出力することを実現する。感光面の光応答率と該感光面と組み合わせて使用された増幅回路の増幅倍数との積が同一の所定値ではない場合、対応する方法によって積を同じ所定値にする必要がある。
【0195】
ハードウェア又はソフトウェア方式を採用して同類感光面が一つの出力光強度を出力することを実現することができる。
【0196】
方式一、ハードウェア方式。同類感光面のうちの異なる感光面の陰極同士を電気的に接続しかつ陽極同士を電気的に接続することができ、即ち異なる感光面の間の陰極共通かつ陽極共通の電気的接続を実現する。この場合、異なる感光面を並列接続することにより、一つ又は複数の感光面の組み合わせ使用を実現することに相当し、これにより、一つの出力光強度を出力する。説明すべきものとして、より正確な出力光強度を得るように、異なる感光面の光応答率が一致することをできるだけ保証する必要がある。
【0197】
方式二、ソフトウェア方式。同類感光面のうちの異なる感光面の間の陰極同士が接続されずかつ陽極同士が接続されず、即ち各感光面が単独で使用され、一つの光強度値を出力する。各感光面に対応する光強度値を取得した後、対応するアルゴリズムを採用して同類感光面のうちの各感光面の光強度値を加重加算して、一つの出力光強度を得ることができる。
【0198】
代替的に、同類感光面に対応する出力光強度は以下の式(2)及び(3)により特定することができる。
【0199】
【数2】
【0200】
【数3】
【0201】
ここで、Iは、同類感光面に対応する出力光強度を示し、Iは、感光面iに対応する光強度値を示し、i∈{1,2,……,N-1,N}であり、Nは、同類感光面に含まれる感光面の数を示し、1≦N≦Mであり、Mは、感光面の総数を示し、αは、感光面iに対応する重み付け係数を示し、Hは、所定値を示し、βは、感光面iに対応する光応答率を示し、γは、感光面iと組み合わせて使用される増幅回路の増幅倍数を示す。
【0202】
本開示の実施例によれば、出力光強度は出射光が集光された後に感光面により採集された光強度値である。
【0203】
本開示の実施例によれば、小さい面積の感光面を採用して広い面積の出射領域を受信できることを実現するために、集光方法により実現することができ、すなわち、集光方法により各出射位置から出射された出射光を集光することにより、感光面は出射光が集光された光強度値を採集することができる。集光方法は、感光面とレンズとを組合せて実現することができる。なお、感光面の面積が小さいことは、出射領域に対することであり、出射領域の面積が大きい。
【0204】
本開示の実施例によれば、感光面を小さく設計することができるため、コストを低減することができ、また、感光面が出射光を受信する効率に過度に影響を与えない。
【0205】
本開示の実施例によれば、各感光面は、目標波長に対応する出射光の光強度値を採集し、ここで、目標波長は複数の所定の波長に属する。
【0206】
本開示の実施例によれば、一般的に複数の所定の波長の光の検出を実現するために、時分割検出方式を採用することができ、すなわち、同じ時刻に一つの所定の波長の光の検出を実現する。複数の所定の波長の光の同時検出を実現するために、各所定の波長に対して、該感光面により目標波長に対応する出射光の光強度値を採集することができ、目標波長は該感光面により出射光の光強度値が採集され得る所定の波長を指す。代替的に、感光面に対応するフィルタ膜を設置する方式を採用することができる。
【0207】
本開示の実施例によれば、感光面は、初期感光面にマスク板を設置したものであり、マスク板の光透過率は光透過率閾値以下である。
【0208】
本開示の実施例によれば、マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて特定される。
【0209】
本開示の実施例によれば、現在、円形感光面又は方形感光面がよく見られ、製造プロセスの難易度が小さく、製造コストが低く、他の形状の感光面は一般的にカスタマイズする必要があり、製造プロセスの難易度が大きく、製造コストが高く、したがって、製造コストによって制限されると、初期感光面にマスク板を設置する方式を採用することができ、ここで、初期感光面におけるマスク板により遮蔽された部分は、マスク板の光透過率が光透過率閾値以下であるため、光強度値を受信しにくい。
【0210】
上記に基づいて、実際に必要な形状及び面積に基づいて、マスク板の形状及び位置を設定することにより、所定の形状及び面積の感光面を得ることを実現することができる。ここで、実際に必要な形状及び面積は出射光のブレ分布状況に基づいて特定することができる。
【0211】
例示的に、図10は、本開示の実施例に係る初期感光面にマスク板を設置して感光面を得る概略図を概略的に示す。図10において初期感光面は正方形感光面であり、感光面は円形感光面である。
【0212】
本開示の実施例によれば、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布が均一である。
【0213】
本開示の実施例によれば、被検出対象がより緩い要求で組織成分検出を行うことができ、それにより検出精度をよりよく保証するために、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布が均一であることを保証する方式を採用して実現することができる。同時に、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布が均一であるほど、制御可能な検出条件の再現性に対する要求が低くなり、差分検出方法を採用して制御不能な検出条件による検出結果への影響を抑制する効果が高くなり、これにより、検出精度をよりよく保証することができる。また、入射光のスポットの検出領域での強度分布を均一にする措置が入射光の光エネルギーをある程度減衰させ、組織成分検出が入射光の光エネルギーが小さくなりすぎてはならないことを要求するため、入射光のスポットの検出領域での強度分布が均一であることをできるだけ保証する場合に、入射光の光エネルギー減衰をできるだけ小さくする必要がある。また、入射光がファイバ伝送方式を採用して実現されると、入射光のスポットの検出領域での分布が均一であるようにすれば、光ファイバブレによる検出結果への悪影響も低減する。
【0214】
本開示の実施例によれば、入射光が検出領域に照射されたスポットの面積はスポット面積閾値以上である。
【0215】
本開示の実施例によれば、被検出対象がより緩い要求で組織成分検出を行うことができ、それにより検出精度をよりよく保証するために、入射光が検出領域に照射されたスポットの面積をスポット面積閾値以上にする方式によって実現することができる。同時に、一定の範囲内に、入射光が検出領域に照射されたスポットの面積が大きいほど、制御可能な検出条件の再現性に対する要求が低くなり、差分検出方法を採用して制御不能な検出条件による検出結果への影響を抑制する効果が高くなり、これにより、検出精度をよりよく保証することができる。ここで、スポット面積閾値は実際の状況に応じて設定することができ、ここで具体的に限定しない。また、入射光がファイバ伝送方式を採用して実現されると、入射光が検出領域に照射されたスポットの面積をスポット面積閾値以上にすれば、光ファイバブレによる検出結果への悪影響も低減する。
【0216】
図11は、本開示の実施例に係る生体組織成分検出装置のブロック図を概略的に示す。
【0217】
図11に示すように、生体組織成分検出装置1100は、光源モジュール1110、採集モジュール1120及び処理モジュール1130を含む。
【0218】
光源モジュール1110は、少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射するために用いられ、ここで、入射光が検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、入射光の入射位置が少なくとも二つを含む。
【0219】
採集モジュール1120について、採集モジュールはM個の感光面を含み、各感光面は感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、採集モジュールは、M個の感光面により採集された各出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各出力光強度は、一つ又は複数の感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られる。
【0220】
処理モジュール1130は、少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定する。
【0221】
本開示の実施例の技術案によれば、前記感光面は、対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、上記特性を有する感光面は感光面における出射光を安定して受信できる面積が該感光面の面積に占める割合を向上させ、したがって、出射光を受信する安定性を向上させ、さらにブレによる出射光の分布の強度変化の悪影響を低減し、それにより検出精度を向上させる。
【0222】
本開示の実施例によれば、各感光面が受信した出射光の目標組織層における伝送光路長が総光路長に占める割合は割合閾値以上であり、ここで、総光路長は出射光が検出領域内を伝送する総距離である。
【0223】
本開示の実施例によれば、同類感光面の総面積は、検出領域内の組織構造特徴に基づいて特定され、そのうち、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力する。
【0224】
本開示の実施例によれば、各感光面の面積と感光面の周長との比率は比率閾値以上である。
【0225】
本開示の実施例によれば、比率閾値は0.04mm以上である。
【0226】
本開示の実施例によれば、感光面は検出領域の表面と接触又は非接触である。
【0227】
本開示の実施例によれば、感光面の検出領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上である。
【0228】
本開示の実施例によれば、感光面の各部分と、対応する入射光が位置する方向との夾角が0°以上360°以下である。
【0229】
本開示の実施例によれば、感光面の各部分と、対応する入射光が位置する方向との夾角が0°以上360°以下であることにより、拡散検出を実現する。本開示の実施例によれば、波長特徴及び/又は検出領域特徴に基づいて、適切な感光面の設置位置を特定することができ、ここで、波長特徴は波長の透過深さを含むことができ、検出領域特徴は検出領域の厚さを含むことができる。代替的に、一般的には感光面の各部分と、対応する入射光が位置する方向との夾角を所定の角度にすることができる。
【0230】
例示的には、波長の透過深さが深く及び/又は検出領域の厚さが薄いと、感光面の位置と、対応する入射光の入射位置とが検出領域の異なる側に位置するように設定することができる。波長の透過深さが浅くかつ/又は検出領域の厚さが厚いと、感光面の位置と、対応する入射光の入射位置とが検出領域の同じ側に位置するように設置することができる。
【0231】
例示的に、図12は、本開示の実施例に係る拡散検出の概略図を概略的に示す。図12における感光面Cと入射光との間の夾角は90°であり、感光面Dの位置と入射光の位置とは検出領域の同じ側に位置し、感光面Eの位置と入射光の位置とは検出領域の異なる側に位置する。
【0232】
本開示の実施例によれば、M個の感光面において、各所定の波長に対応する一つ又は複数の同類感光面が存在し、そのうち、同類感光面は、異なるタイミングで所定の波長に対応する第一出力光強度及び/又は第二出力光強度を採集し、ここで、第一出力光強度は収縮期光強度であり、第二出力光強度は拡張期光強度であり、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール1130は、各所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定する。
【0233】
本開示の実施例によれば、M個の感光面において、各所定の波長に対応する第一同類感光面及び第二同類感光面が存在し、そのうち、第一同類感光面は、所定の波長に対応する第一出力光強度を採集し、第二同類感光面は、所定の波長に対応する第二出力光強度を採集し、第一同類感光面は、一つ又は複数の感光面を含み、第二同類感光面は、一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール1130は、各所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定する。
【0234】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は同じ同類感光面であり、第一同類感光面と第二同類感光面で受信された出射光は入射光が異なる入射位置から入射して伝送されて得られる。
【0235】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面と第二同類感光面は異なる同類感光面である。
【0236】
本開示の実施例によれば、第一同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、第一平均光路長範囲は、第一光路長平均値に基づいて特定され、第一光路長平均値は、第一同類感光面の各感光位置が受信した出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。第二同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置に受信された出射光の平均光路長は、第二平均光路長範囲に属し、ここで、第二平均光路長範囲は、第二光路長平均値に基づいて特定され、ここで、第二光路長平均値は、第二同類感光面の各感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値である。
【0237】
本開示の実施例によれば、第一光路長平均値と第二光路長平均値との差の絶対値は、第一光路長差範囲に属する。
【0238】
本開示の実施例によれば、第一平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下であり、第二平均光路長範囲は第一光路長差範囲以下である。
【0239】
本開示の実施例によれば、第一光路長差範囲は、所定の波長に対応する最適な差分光路に基づいて特定される。
【0240】
本開示の実施例によれば、所定の波長に対応する第一同類感光面のうちの各感光面の入射光の中心からの光源-プローブ距離は、所定の波長に対応する所定の光源-プローブ距離範囲内にあり、ここで、所定の光源-プローブ距離範囲は、所定の波長に対応する浮動基準位置の入射光の中心からの光源-プローブ距離に基づいて特定される。
【0241】
本開示の実施例によれば、M個の感光面において、各所定の波長に対応する同類感光面が存在し、そのうち、同類感光面は、所定の波長に対応する第三出力光強度を採集するために用いられ、同類感光面は、一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール1130は、異なる所定の波長に対応する第三出力光強度を差分処理し、少なくとも一つの差分信号を得て、かつ少なくとも一つの差分信号に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0242】
本開示の実施例によれば、処理モジュール1130は、所定の波長に対応する第一出力光強度と第二出力光強度を差分処理し、差分信号を得て、異なる所定の波長に対応する差分信号に対して直接差分演算を行い、少なくとも一つの波長差分信号を得て、かつ少なくとも一つの波長差分信号に基づいて、被検出組織成分の濃度を特定する。
【0243】
本開示の実施例によれば、M個の感光面において、各所定の波長に対応する同類感光面が存在し、そのうち、同類感光面は、所定の波長に対応する第四出力光強度を採集し、同類感光面は一つ又は複数の感光面を含む。処理モジュール1130は、各所定の波長に対応する第四出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被検出組織成分の濃度を特定する。
【0244】
本開示の実施例によれば、同類感光面のうちの各感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と所定の波長に対応する最適な光路長との差は、第二光路長差範囲に属する。
【0245】
本開示の実施例によれば、各感光面は、環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる感光面の形状が同じであるか又は異なる。
【0246】
本開示の実施例によれば、非環状感光面は、環状扇形感光面、円形感光面、扇形感光面、楕円形感光面又は多角形感光面を含む。
【0247】
本開示の実施例によれば、多角形感光面は、正方形感光面、長方形感光面又は三角形感光面を含む。
【0248】
本開示の実施例によれば、同類感光面は、環状感光面又は非環状感光面を含み、そのうち、同類感光面は、一つ又は複数の感光面を含み、同類感光面は一つの出力光強度を出力する。
【0249】
本開示の実施例によれば、同類感光面が環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面は独立した環状感光面であることを含む。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は、複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面である。同類感光面が非環状感光面であることは、同類感光面が一つの感光面を含む場合、同類感光面が独立した非環状感光面であることを含む。同類感光面が複数の感光面を含む場合、同類感光面は複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面である。
【0250】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第一距離閾値以上であると特定した場合、同類感光面は環状感光面、環状扇形感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含む。
【0251】
本開示の実施例によれば、同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以下であると特定した場合、同類感光面の形状は出射光のブレ分布に基づいて特定される。
【0252】
本開示の実施例によれば、出射光のブレ分布は、第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布に分解されたものを含み、第一方向と第二方向は互いに垂直であり、同類感光面の第一方向に沿った長さと同類感光面の第二方向に沿った長さとの比率は出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、出射光の第一方向に沿ったブレ幅は最大である。
【0253】
本開示の実施例によれば、同類感光面は、長方形感光面又は楕円形感光面を含み、長方形感光面の長さと幅の比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、楕円形感光面の長軸と短軸の比率は、出射光の第一方向に沿ったブレ幅と出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定される。
【0254】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちの異なる感光面の陽極同士が電気的に接続されないか、一部の感光面の陽極が電気的に接続されるか又は全ての感光面の陽極が電気的に接続される。
【0255】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちの各感光面を単独で使用することができ、この場合、M個の感光面のうちの異なる感光面の陽極が電気的に接続されない。
【0256】
M個の感光面のうちの一部の感光面を組み合わせて使用することができ、この場合に、組み合わせて使用される異なる感光面の陽極が電気的に接続される。
【0257】
M個の感光面のうちの全ての感光面を組み合わせて使用することができ、この場合に、組み合わせて使用される異なる感光面の陽極が電気的に接続される。
【0258】
本開示の実施例によれば、図13は、本開示の実施例に係る異なる感光面の陽極が電気的に接続される概略図を概略的に示す。図13に示すように、全ての感光面の陽極を電気的に接続する。
【0259】
本開示の実施例によれば、同一の感光面の異なる部分は、同一平面にあってもよく、異なる平面にあってもよい。
【0260】
本開示の実施例によれば、感光面は、平面感光面又は立体感光面であってもよく、ここで、感光面の異なる部分がいずれも同一平面にある場合、感光面は平面感光面である。感光面の異なる部分が異なる平面にある場合、感光面は立体感光面である。具体的に平面感光面又は立体感光面を採用するかが実際の状況に応じて設定することができ、ここで具体的に限定しない。
【0261】
代替的に、接触式検出に対して、検出精度を向上させるために、感光面の目標表面と検出領域の皮膚表面との間をできるだけ良好な貼り合わせ状態にする必要がある。ここで、感光面の目標表面は、検出領域に近接する表面を示す。検出領域の皮膚表面の平坦度が高くない可能性があるため、平面感光面を採用すれば、感光面の目標表面と検出領域の皮膚表面との間を良好な貼り合わせ状態にすることを実現しにくい可能性があり、一方、立体感光面は、異なる部分が異なる平面にある感光面であり、したがって、立体感光面を採用することができ、かつ検出領域の組織構造特徴に基づいて具体的な立体感光面の形式を設定することができる。
【0262】
図14は、本開示の実施例に係るグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。図15は、本開示の実施例に係る別のグローブ形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。
図16は、本開示の実施例に係る腕輪形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。図17は、本開示の実施例に係る別の腕輪形式の立体感光面の概略図を概略的に示す。
【0263】
図18は、本開示の実施例に係るアーム検出用の立体感光面の概略図を概略的に示す。図18において、アームの組織構造特徴に基づいて感光面の異なる部分の所定の平面からの距離を設定することができる。図18には、hおよびhは、感光面の異なる部分の所定の平面からの距離を示す。
【0264】
本開示の実施例によれば、感光面セットは同一平面又は異なる平面にあり、そのうち、感光面セットは複数の感光面を含む。
【0265】
本開示の実施例によれば、感光面セットに含まれる各感光面は、平面感光面又は立体感光面であってもよい。感光面セットが複数の平面感光面を含む場合、これらの複数の平面感光面のうちの一部の平面感光面又は全ての平面感光面を異なる平面に設置する方式を採用することにより、感光面セットが呈する感光面形式が立体感光面であることを実現することができる。
【0266】
説明すべきものとして、複数の平面感光面で形成された立体感光面によっても、上記接触式検出に対する効果を実現することができ、ここでは説明を省略する。
【0267】
本開示の実施例によれば、該生体組織成分検出該装置1100はさらに集光モジュールを含み、集光モジュールは検出領域と感光面との間に設置される。集光モジュールは、出射光を集光することにより、出力光強度が出射光が集光された後に感光面により採集された光強度値であることを実現する。
【0268】
本開示の実施例によれば、小さい面積の感光面を採用して広い面積の出射領域を受信することを実現するために、検出領域と感光面との間に集光モジュールを設置する方式により実現することができ、すなわち、入射光が検出領域を通過した後に異なる出射位置から出射された出射光は集光モジュールを通過し、集光モジュールは出射光を集光し、集光した後の出射光を形成し、感光面は出射光が集光された後の光強度値を採集することができる。
【0269】
本開示の実施例によれば、感光面を小さく設計することができるため、コストを低減することができ、また、感光面が出射光を受信する効率に過度に影響を与えない。
【0270】
本開示の実施例によれば、該生体組織成分検出該装置1100はさらに支持モジュール及び検出プローブを含み、検出プローブはM個の感光面を含み、支持モジュールは感光面の目標表面又は検出プローブの目標表面に設置され、ここで、感光面の目標表面及び検出プローブの目標表面はいずれも検出領域に近接する表面を示す。支持モジュールは、集光モジュールを支持する。
【0271】
本開示の実施例によれば、集光モジュールは支持モジュールに設置され、それにより集光モジュールに対する固定を実現する。
【0272】
本開示の実施例によれば、集光モジュールは凸レンズ又は環状レンズを含み、ここで、環状レンズは単一の環状レンズを含むか又は複数の凸レンズにより環状レンズに配列される。
【0273】
本開示の実施例によれば、集光モジュールは凸レンズを含むことができ、凸レンズと感光面とを組み合わせる方式を採用して、小さな有効面積を有する感光面が広い面積の出射領域の出射光の光強度値を受信することを実現することができ、図19を参照することができ、図19は、本開示の実施例に係る凸レンズと円形感光面とを組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す。
【0274】
集光モジュールは環形レンズを含むことができ、環形レンズは単一の環形レンズを含むことができ、単一の環形レンズと感光面とを組み合わせる方式を採用して、小さな有効面積を有する感光面が広い面積の出射領域の出射光の光強度値を受信することを実現することができ、図20を参照することができ、図20は、本開示の実施例に係る環状レンズと環状感光面とを組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す。
【0275】
集光モジュールは環状レンズを含むことができ、環状レンズは複数の凸レンズが配列して形成された環状レンズであってもよく、図21図22を参照することができる。ここで、図21は本開示の実施例に係る複数の凸レンズを配列して形成された環状レンズと環状感光面とを組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す。図22は、本開示の実施例に係る複数の凸レンズを配列して形成された環状レンズと円形感光面とを組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す。環状レンズにより、汎用形状の感光面、例えば円形感光面又は方形感光面を採用して環状出射領域の光受信を図ることを実現することができる。
【0276】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちのS個の感光面の表面にそれぞれフィルタ膜が設置され、ここで、M≧2であり、M≧Sである。フィルタ膜は、感光面が目標波長に対応する出射光の光強度値を採集するために用いられ、ここで、目標波長が複数の所定の波長に属する。
【0277】
本開示の実施例によれば、M個の感光面のうちのS個の感光面の表面のそれぞれには、対応する目標波長以外の入射光をフィルタリングするためのフィルタ膜が設置され、ここで、目標波長はフィルタ膜を通過することができる所定の波長を示す。目標波長の数は、一又は複数を含んでもよい。フィルタ膜が設置された感光面を目標感光面と呼び、異なる目標感光面を通過することができる所定の波長の数は同じであってもよく異なってもよい。
【0278】
例示的に、例えば所定の波長の数は5個を含み、それぞれλ、λ、λ、λ及びλである。M=S=4であり、それぞれ感光面1、感光面2、感光面3及び感光面4である。ここで、感光面1に設置されたフィルタ膜はλ及びλを通し、λ、λ及びλをフィルタリングするために用いられる。感光面1に対して、目標波長はλ及びλを含むことができる。
【0279】
感光面2に設置されたフィルタ膜はλを通し、λ、λ、λ及びλをフィルタリングするために用いられる。感光面2に対して、目標波長はλを含むことができる。
【0280】
感光面3に設置されたフィルタ膜はλを通し、λ、λ、λ、及びλをフィルタリングするために用いられる。感光面3に対して、目標波長はλを含むことができる。
【0281】
感光面4に設置されたフィルタ膜はλを通し、λ、λ、λ及びλをフィルタリングするために用いられる。感光面4に対して、目標波長はλを含むことができる。
【0282】
以下、図23図24を参照して説明する。図23は、本開示の実施例に係る環状感光面と光フィルタを組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す。図24は、本開示の実施例に係る環状扇形感光面と光フィルタを組み合わせて光受信を実現する概略図を概略的に示す。
【0283】
本開示の実施例によれば、該生体組織成分検出装置1100はさらにマスク板を含み、マスク板は初期感光面に設置され、ここで、マスク板の光透過率は光透過率閾値以下である。マスク板は、初期感光面にマスク板を設置して感光面を得るために用いられる。
【0284】
本開示の実施例によれば、マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて特定される。
【0285】
図25に示すように、本開示の実施例によれば、該生体組織成分検出装置1100はさらに検出プローブを含み、検出プローブはM個の感光面を含み、検出プローブに第一スリーブ1140が設置される。第一スリーブ1140の第一端面は、検出プローブの目標表面を超え、ここで、第一端面は検出領域に近接する端面を示し、検出プローブの目標表面は、検出領域に近接する表面を示す。
【0286】
本開示の実施例によれば、干渉光を遮蔽するために、検出プローブに第一スリーブ1140を設置することにより、第一スリーブ1140上の検出領域に近接する端面が検出プローブの目標表面を超える。外乱光は、表面反射光及び/又は回折光を含んでいてもよい。
【0287】
本開示の実施例によれば、第一スリーブ1140の第二端面及び/又は内部の領域に散乱物が設置され、ここで、第一端面と第二端面は対向する二つの端面であり、内部の領域は内部の一部の領域又は内部の全部の領域を含む。
【0288】
本開示の実施例によれば、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布を均一にするために、第一スリーブの対応する部分に散乱物を設置する方式を採用することができる。散乱物は硫酸紙、シリカゲル又は目標混合物を含むことができ、ここで、目標混合物はポリジメチルシロキサンと二酸化チタン粒子の混合物を含むことができる。
【0289】
図26に示すように、本開示の実施例によれば、該生体組織成分検出装置1100はさらに第二スリーブ1150を含み、第二スリーブ1150は第一スリーブ1140の目標領域の外部に設置され、ここで、目標領域は第一スリーブ1140が検出プローブの目標表面を超える一部の領域又は全部の領域を示す。
【0290】
本開示の実施例によれば、入射光が検出領域に照射されたスポットを可能な限り大きくするために、第一スリーブ1140の目標領域の外部に第二スリーブ1150を設置する方式を採用することができる。
【0291】
本開示の実施例によれば、第二スリーブ1150に散乱物が設置される。
【0292】
本開示の実施例によれば、第二スリーブ1150が設置されると、入射光が検出領域に照射されたスポットの強度分布を均一にするために、第二スリーブ1150の対応する部分に散乱物を設置する方式を採用することができる。
【0293】
本開示の実施例によれば、第一スリーブ1140の内径は内径閾値以上である。
【0294】
本開示の実施例によれば、第一スリーブ1140の第一端面の開孔は第一スリーブの第二端面の開孔以上である。
【0295】
本開示の実施例によれば、入射光が検出領域に照射されたスポットを可能な限り大きくするために、第一スリーブ1140の内径を内径閾値以上にし、及び/又は第一スリーブ1140の第一端面の開孔を第一スリーブの第二端面の開孔以上にする方式を採用することができ、すなわち、検出領域に近接する第一スリーブの端面の開孔を検出領域から離れた第一スリーブの端面の開孔以上にする。
【0296】
図28図29に示すように、本開示の実施例によれば、感光面と検出領域との間に屈折率整合物が充填される。
【0297】
本開示の実施例によれば、ブレにより検出領域の表面が安定せず、さらに出射光の出射角度を変化させるため、ブレによる悪影響をできるだけ抑制するために、感光面と検出領域との間に屈折率整合物を充填し、感光面が出射光を受信する安定性及び効率を向上させることができる。
【0298】
概略的には、脈拍の拍動によるブレを例として説明する。脈拍の拍動は、血管の状態によって反映されることができる。図27は、本発明の実施形態に係る屈折率整合材が充填されていない場合に、感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す。図27において血管状態1は血管収縮状態を示し、血管状態2は血管拡張状態を示し、皮膚状態1は血管状態1に対応する皮膚状態を示し、皮膚状態2は血管状態2に対応する皮膚状態を示す。図27から分かるように、ブレにより、検出領域の皮膚表面が不安定になり、さらに出射光の出射角度を変化させる。
【0299】
図28は、本発明の実施例に係る屈折率整合物が充填される場合に感光面が出射光を受信する概略図を概略的に示す。
【0300】
図29は、本発明の実施例に係る屈折率整合材が充填される場合に感光面が出射光を受信する別の概略図を概略的に示す。
【0301】
図28及び図29から分かるように、感光面と検出領域との間に屈折率整合物を充填することで、感光面が出射光を受信する安定性及び効率を向上させることができる。
【0302】
本開示の実施例によれば、入射光の形状は点状、線状又は面状を含む。
【0303】
本開示の実施例によれば、面状は円形、環状、方形又は三角形などを含むことができる。
【0304】
本開示の実施例によれば、入射位置とM個の感光面との位置関係は、以下のいずれかを含む。M個の感光面の位置は、全ての入射位置の内部に位置している。M個の感光面の位置は、全ての入射位置の外部に位置している。M個の感光面の位置と各入射位置とは入れ子の位置関係を形成する。
【0305】
本開示の実施例によれば、入射位置とM個の感光面との位置関係は以下の状況の一つを含むことができ、図面を参照しながら説明する。
【0306】
その一、M個の感光面はいずれも全ての入射位置の周辺に設置される。上記位置関係の設定方式により、中間に入射光を入射し、周辺に光受信する実現方式を形成する。図30図32を参照することができる。ここで、図30は、複数の入射位置で入射し、一つの感光面が受信する状況である。図31図32は、複数の入射位置で入射し、複数の感光面が受信する状況である。
【0307】
図30は、本開示の実施例に係る円形入射光と環状入射光が入射して環状感光面により周辺受信される概略図を概略的に示す。
【0308】
図31は、本開示の実施例に係る円形入射光と環状入射光が入射して第一感光面セットにより周辺受信される概略図を概略的に示し、第一感光面セットは二つの環状感光面を含む。図32は、本開示の実施例に係る円形入射光及び環状入射光が入射して第二感光面セットにより周辺受信される概略図を概略的に示し、第二感光面セットは四つの環状扇形感光面を含む。
【0309】
その二、全ての入射位置はM個の感光面の外部周囲に設置され、即ちM個の感光面は全ての入射位置に囲まれる。上記位置関係の設定方式により、周辺に光が入射して、中間に光受信する実現方式を形成する。図33図34を参照することができる。ここで、図33は、複数の入射位置で入射し、一つの感光面が受信する状況である。図34は、複数の入射位置で入射し、複数の感光面が受信する状況である。
【0310】
図33は、本開示の実施例に係る二つの環状入射光が周辺入射して円形感光面の内部に受信される概略図を概略的に示す。
【0311】
図34は、本開示の実施例に係る二つの環状入射光が周辺入射して第三感光面セットの内部に受信される概略図を概略的に示し、第三感光面セットは二つの環状感光面を含む。
【0312】
その三、M個の感光面のうちのW個の感光面が一部の入射位置の外部周囲に設置されかつM個の感光面のうちのM-W個の感光面が他の一部の入射位置の内部に設置され、即ちW個の感光面が一部の入射位置の外部周囲に設置され、M-W個の感光面が他の一部の入射位置に囲まれる。上記位置関係の設定方式により、入れ子式受信の実現方式を形成する。図35図37を参照することができる。ここで、図35は、複数の入射位置で入射し、一つの感光面が受信する状況である。図36図37は複数の入射位置で入射し、複数の感光面が受信する状況である。
【0313】
図35は、本開示の実施例に係る入れ子式受信の概略図を概略的に示す。図35における一つの環状感光面は一つの環状入射光と一つの円形入射光との間に設置される。
【0314】
図36は、本開示の実施例に係る別の入れ子式受信の概略図を概略的に示す。図37は、本開示の実施例に係るさらに別の入れ子式受信の概略図を概略的に示す。
【0315】
本開示の実施例によれば、該生体組織成分検出装置1100はさらに保護部を含む。保護部は、感光面の目標表面に設置され、感光面を保護するために用いられ、ここで、感光面の目標表面が検出領域に近接する表面を示す。
【0316】
本開示の実施例によれば、感光面を保護するために、さらに感光面の目標表面に保護部を設置することができる。保護部を作製する材料は、透明及び柔軟性の材料であってもよい。保護部は、反射防止膜又は光学ガラスを含んでいてもよい。保護部と感光面の目標面との間の距離は、保護部の材質に応じて特定することができる。
【0317】
例示的には、保護部が反射防止膜であれば、反射防止膜と感光面の目標表面との間の距離はゼロであってもよい。また保護部が光学ガラスであれば、光学ガラスと感光面の目標表面との間の距離は距離閾値以上である。距離閾値は実際の状況に応じて設定することができる。
【0318】
本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちの任意の複数、又はそのうちの任意の複数の少なくとも一部の機能は、一つのモジュールにおいて実現されてもよい。本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちのいずれか一つ又は複数を複数のモジュールに分割して実現することができる。本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちのいずれか一つ又は複数は、少なくとも部分的に、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array、FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(Programmable Logic Arrays、PLA)、オンチップシステム、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、専用集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)というハードウェア回路に実現されてもよく、又は回路が集積又はパッケージングされた任意の他の合理的な方式のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一種又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、本開示の実施例に係るモジュール、ユニットのうちの一つ又は複数は少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現され、該コンピュータプログラムモジュールが実行される場合、対応する機能を実行することができる。
【0319】
例えば、採集モジュールおよび処理モジュールのうちの任意の複数は、一つのモジュール/ユニットに統合されて実現されてもよく、又はそのうちのいずれか一つのモジュール/ユニットは複数のモジュール/ユニットに分割されてもよい。又は、これらのモジュール/ユニットのうちの一つ又は複数のモジュール/ユニットの少なくとも一部の機能は他のモジュール/ユニットの少なくとも一部の機能と結合し、かつ一つのモジュール/ユニットで実現することができる。本開示の実施例によれば、採集モジュールおよび処理モジュールのうちの少なくとも一つは少なくとも部分的に例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、オンチップシステム、基板上のシステム、パッケージ上のシステム、専用集積回路(ASIC)というハードウェア回路として実現されてもよく、又は回路が集積又はパッケージングされた任意の他の合理的な方式等のハードウェア又はファームウェアで実現されてもよく、又はソフトウェア、ハードウェア及びファームウェアの三つの実現方式のうちのいずれか一種又はそのうちの任意のいくつかの適切な組み合わせで実現されてもよい。又は、採集モジュールおよび処理モジュールのうちの少なくとも一つは少なくとも部分的にコンピュータプログラムモジュールとして実現されてもよく、該コンピュータプログラムモジュールが実行される場合、対応する機能を実行することができる。
【0320】
説明すべきものとして、本開示の実施例における生体組織成分検出装置は、本開示の実施例における生体組織成分検出方法部分に対応し、生体組織成分検出装置部分の説明は具体的には生体組織成分検出方法部分を参照し、ここでは説明を省略する。
【0321】
図38は、本開示の実施例に係るウェアラブル装置の概略図を概略的に示す。図38に示すウェアラブル装置3800は一例であり、本開示の実施例の機能及び使用範囲にいかなる制限を与えない。
【0322】
図38に示すように、ウェアラブル装置3800は生体組織成分検出装置1100を含む。
【0323】
本開示の実施例の技術案によれば、前記感光面は対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、上記特性を有する感光面は感光面における出射光を安定して受信できる面積が該感光面の面積に占める割合を向上させたため、出射光を受信する安定性を向上させ、さらにブレによる出射光の強度分布の変化の悪影響を低減し、それにより検出精度を向上させる。
【0324】
図39に示すように、本開示の実施例によれば、ウェアラブル装置3800はさらに係止部3810及び本体3820を含む。係止部3810と本体3820は合わせて生体組織成分検出装置1100を固定することを実現する。
【0325】
本開示の実施例によれば、図39は、本開示の実施例に係るウェアラブル装置の組立過程の概略図を概略的に示す。
【0326】
本開示の実施例によれば、ウェアラブル装置3900の質量が質量閾値以下であることにより、ウェアラブル装置3900の移動規則と検出領域での皮膚のブレ規則とが一致することを実現する。
【0327】
本開示の実施例によれば、検出精度を向上させるために、ウェアラブル装置3900の質量をより軽くすることができ、それによりウェアラブル装置3900を検出領域に対応する位置に装着する時、検出領域での皮膚のブレに追従し、すなわち、着用装置3900の移動規則が検出領域での皮膚ブレの規則と一致することを実現し、これにより、検出プローブが受信した出射光の平均光路長は皮膚のブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される。上記により検出プローブが受信した出射光の平均光路長が検出領域での皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持されることを実現できる理由は以下のとおりである。ウェアラブル装置3900が検出領域での皮膚ブレに追従することができれば、検出プローブの検出領域での相対位置を一定又は基本的に一定にすることを実現することができ、これにより、検出プローブは、固定された出射位置から出射された出射光を受信することができ、ここでの固定された出射位置は、検出領域との相対位置が一定であるか又は基本的に一定である出射位置を示す。同時に、検出領域での皮膚ブレ過程において、入射光の入射位置の検出領域での相対位置を一定又は基本的に一定にすることができ、これにより、入射光の入射位置と出射光の出射位置が決定した場合に、出射光の平均光路長が変化しないようにできるだけ保証することができる。
【0328】
例示的には、図40は、本開示の実施例に係るウェアラブル装置が皮膚ブレ規則と一致する場合に検出プローブが受信した出射光の平均光路長を皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持する概略図を概略的に示す。皮膚ブレ過程において、検出プローブ(図40に示されない)は入射光が検出領域での入射位置Aから入射した後に検出領域での出射位置Bから出射された出射光を安定して受信することができる。皮膚の移動幅をζで示し、検出プローブの移動幅をζで示すと、ζ=ζである。
【0329】
本開示の実施例によれば、ウェアラブル装置3900は検出領域での皮膚の移動幅を移動幅閾値以下にする。
【0330】
本開示の実施例によれば、検出精度を向上させるために、ウェアラブル装置3900の質量を大きくすることができ、ウェアラブル装置3900を検出領域に対応する位置に設置する場合、検出領域での皮膚ブレを押圧することができ、すなわち、検出領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下であり、これにより、検出プローブが受信した出射光の平均光路長は皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される。上記により検出プローブが受信した出射光の平均光路長が検出領域での皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される原因は、ウェアラブル装置3900が検出領域での皮膚ブレを押圧することができれば、検出プローブの検出領域での相対的な位置をできるだけ一定又は基本的に一定にすることができ、これにより、検出プローブは固定された出射位置から出射された出射光を受信することができるということである。同時に、検出領域での皮膚ブレ過程において、入射光の入射位置の検出領域での相対位置を一定又は基本的に一定にすることができ、これにより、入射光の入射位置と出射光の出射位置が決定した場合に、出射光の平均光路長を一定にするようにできるだけ保証することができる。
【0331】
例示的には、図41は、本開示の実施例に係るウェアラブル装置により検出領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である場合に検出プローブが受信した出射光の平均光路長が皮膚ブレ過程において所定の光路長範囲内に保持される概略図を概略的に示す。図41の検出領域における皮膚の移動幅は、ゼロに近い。
【0332】
本開示の実施例によれば、生体組織成分検出装置の具体的な説明は前文の対応部分を参照することができ、ここで詳しく説明しない。また、生体組織成分検出装置はプロセッサを含み、それは、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)に記憶されたプログラム又は記憶部分からランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)にロードされたプログラムに基づいて様々な適切な動作及び処理を実行することができる。プロセッサは例えば汎用マイクロプロセッサ(例えばCPU)、命令セットプロセッサ及び/又は関連チップセット及び/又は専用マイクロプロセッサ(例えば、専用集積回路(ASIC))などを含むことができる。処理はキャッシュ用のオンボードメモリをさらに含むことができる。プロセッサは、本開示の実施例に係る方法の流れの異なる動作を実行する単一の処理ユニットまたは複数の処理ユニットを含んでもよい。
【0333】
RAMは、生体組織成分検出装置の操作に必要な様々なプログラム及びデータが記憶される。プロセッサ、ROM、およびRAMは、バスにより相互に接続されている。プロセッサは、ROM及び/又はRAMにおけるプログラムを実行することにより、本開示の実施例に係る方法流れの各種の操作を実行する。注意されるべきこととして、前記プログラムはROM及びRAM以外の一つ又は複数のメモリに記憶されてもよい。処理は、前記一つ又は複数のメモリに記憶されたプログラムを実行することにより、本開示の実施例に係る方法流れの各種の操作を実行してもよい。
【0334】
本開示の実施例によれば、ウェアラブル装置はさらに入力/出力(I/O)インタフェースを含んでもよく、入力/出力(I/O)インタフェースもバスに接続される。ウェアラブル装置は、さらに、キーボード、マウス等を含む入力部分、たとえば陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)等及びスピーカ等を含む出力部分、ハードディスク等を含む記憶部分、及び例えばLANカード、モデム等のネットワークインタフェースカードを含む通信部分というI/Oインタフェースに接続された部品のうちの一つ又は複数を含むことができる。通信部分は、インターネット等のネットワークを介して通信処理を行う。ドライブも、必要に応じてI/Oインタフェースに接続される。例えば磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルメディアは、必要に応じてドライブにインストールされ、それによりそれから読み出されたコンピュータプログラムが必要に応じて記憶部にインストールされる。
【0335】
本開示はさらにコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該コンピュータ可読記憶媒体は上記実施例に記載の機器/装置/システムに含まれるものであってもよく、単独で存在し、該機器/装置/システムに組み込まれていなくてもよい。上記コンピュータ可読記憶媒体は一つ又は複数のプログラムを担持し、上記一つ又は複数のプログラムが実行される時、本開示の実施例に係る方法を実現する。
【0336】
本開示の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は、不揮発性のコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。例えば、携帯式コンピュータ磁気ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(Erasable Programmable Read Only Memory、EPROM)又はフラッシュメモリ、携帯型コンパクト磁気ディスクリードオンリーメモリ(Computer Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、光記憶デバイス、磁気メモリデバイス、又は上記任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない。本開示において、コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを含むか又は記憶する任意の有形の媒体であってもよく、該プログラムは命令実行システム、装置又はデバイスによって使用され又はそれと組み合わせて使用されてもよい。
【0337】
例えば、本開示の実施例によれば、コンピュータ可読記憶媒体は上記ROM及び/又はRAM及び/又はROM及びRAM以外の一つ又は複数のメモリを含むことができる。
本開示の実施例はさらにコンピュータプログラム製品を含み、それはコンピュータプログラムを含み、該コンピュータプログラムは本開示の実施例が提供する方法を実行するためのプログラムコードを含む。
【0338】
該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時、本開示の実施例のシステム/装置に限定された上記機能を実行する。本開示の実施例によれば、上記システム、装置、モジュール、ユニットなどはコンピュータプログラムモジュールにより実現することができる。
【0339】
一つの実施例において、該コンピュータプログラムは光記憶装置、磁気記憶装置等の有形の記憶媒体に依存することができる。別の実施例において、該コンピュータプログラムはネットワーク媒体に信号の形式で伝送し、配布し、かつ通信部分によりダウンロード及びインストールされ、及び/又は取り外し可能な媒体からインストールされてもよい。該コンピュータプログラムに含まれるプログラムコードは任意の適切なネットワーク媒体で伝送することができ、無線、有線等、又は上記任意の適切な組み合わせを含むがそれらに限定されない。
【0340】
本開示の実施例によれば、一種または複数種類のプログラミング言語の任意の組み合わせで本開示の実施例が提供するコンピュータプログラムを実行するためのプログラムコードを作成することができ、具体的には、高級プロシージャ及び/又はオブジェクト向けのプログラミング言語、及び/又はアセンブリ/機械言語を利用してこれらの計算プログラムを実施することができる。プログラミング言語は、例えばJava、C++、python、「C」言語又は類似するプログラミング言語を含むがこれらに限定されない。プログラムコードは、ユーザ計算装置に完全に実行されてもよく、部分的にユーザ装置に実行され、部分的に遠隔計算装置で実行されてもよく、又は完全に遠隔計算装置又はサーバで実行されてもよい。遠隔計算装置に係る状況では、遠隔計算装置は、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network、LAN)又はワイドエリアネットワーク(Wide Area Networks、WAN)を含む任意の種類のネットワークを介して、ユーザ計算装置に接続されてもよく、又は、外部計算装置に接続されてもよい(例えばインターネットサービスプロバイダを利用してインターネットを介して接続される)。
【0341】
図面のフローチャート及びブロック図は、本開示の様々な実施例に係るシステム、方法及びコンピュータプログラム製品の実現可能なシステムアーキテクチャ、機能及び操作を示す。この点において、フローチャート又はブロック図における各ブロックは一つのモジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部を表すことができ、上記モジュール、プログラムセグメント、又はコードの一部は一つ又は複数の所定の論理機能を実現するための実行可能な命令を含む。注意すべきこととして、いくつかの代替の実現において、ブロックにマークされた機能は図面と異なる順序で発生してもよい。例えば、二つの連続的に示されるブロックは実際に基本的に並行して実行されてもよく、それらは逆の順序で実行されてもよく、これは機能に依存して決定される。注意すべきこととして、ブロック図又はフローチャートにおける各ブロック、及びブロック図又はフローチャートにおけるブロックの組み合わせは、所定の機能又は操作を実行する専用のハードウェアに基づくシステムで実現されてもよく、又は専用ハードウェアとコンピュータ命令の組み合わせで実現されてもよい。当業者であれば理解されるように、本開示の各実施例及び/又は請求の範囲に記載の特徴は様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができ、このような組み合わせ又は結合が本開示に明確に記載されていなくてもよい。特に、本開示の精神及び教示から逸脱することなく、本開示の各実施例及び/又は請求の範囲に記載の特徴は様々な組み合わせ及び/又は結合を行うことができる。これらの組み合わせ及び/又は結合は、全て本開示の範囲に属するものとする。
【0342】
以上、本開示の実施例について説明した。しかし、これらの実施例は説明の目的だけであり、本開示の範囲を限定するものではない。以上に各実施例をそれぞれ説明したが、これは各実施例における措置を有利に組み合わせて使用することができないことを意味するものではない。本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物によって限定される。本開示の範囲から逸脱することなく、当業者は様々な代替及び修正を行うことができ、これらの代替及び修正はいずれも本開示の範囲内にあるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
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図20
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図30
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図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
【手続補正書】
【提出日】2023-10-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体組織成分の検出方法であって、
少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、前記入射光は前記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置は少なくとも二つを含むことと、
M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度は一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られ、各前記感光面は前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を取得することができ、1≦T≦Mであることと、
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
生体組織成分の検出方法。
【請求項2】
各前記感光面が受信した出射光の目標組織層における平均光路長が総光路長に占める割合は割合閾値以上であり、ここで、前記総光路長は前記出射光が前記検出領域内を伝送する総距離であ
前記生体組織成分の検出方法は、前記検出領域内の組織構造特徴に基づいて同類感光面の総面積を特定することをさらに含み、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力し
前記感光面の前記検出領域の表面からの距離が第一距離閾値以下でありかつ前記感光面が出射光を受信する効率が効率閾値以上であり、
各前記感光面は環状感光面又は非環状感光面を含み、異なる前記感光面の形状は同じであるか又は異なり、
前記同類感光面は前記環状感光面又は前記非環状感光面を含み、ここで、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力し、
前記同類感光面が前記環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された環状感光面であることと、を含み、
前記同類感光面が前記非環状感光面であることは、
前記同類感光面が一つの前記感光面を含む場合、前記同類感光面が独立した非環状感光面であることと、
前記同類感光面が複数の前記感光面を含む場合、前記同類感光面が前記複数の感光面の組み合わせにより形成された非環状感光面であることと、を含む、
請求項1に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項3】
各前記感光面の面積と前記感光面の周長との比率は比率閾値以上であここで、前記比率閾値は0.04mm以上である、
請求項1又は2に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも二つの出力光強度から第一出力光強度及び第二出力光強度を特定、各前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第三出力光強度を特定し、異なる所定の波長に対応する第三出力光強度を差分処理し、少なくとも一つの差分信号を取得し、前記少なくとも一つの差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度を特定し、ここで、前記重畳光強度は前記所定の波長に対応する複数の出力光強度に基づいて加算して得られ、各前記所定の波長に対応する少なくとも一つの重畳光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、
前記少なくとも一つの被測定組織成分のうちの各被測定組織成分を対象とする場合、前記少なくとも一つの所定の波長のうちの各所定の波長に対して、前記所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度から第四出力光強度を特定し、各前記所定の波長に対応する第四出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、のいずれかの方式を含み、
各前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することは、
前記所定の波長に対応する第一出力光強度及び第二出力光強度を差分処理し、差分信号を取得することと、
各前記所定の波長に対応する差分信号に基づいて、前記被測定組織成分の濃度を特定することと、を含む、
請求項1又は2に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項5】
前記第一出力光強度と前記第二出力光強度は同類感光面により異なるタイミングで採集され、ここで、前記第一出力光強度は収縮期光強度であり、前記第二出力光強度は拡張期光強度であり、前記同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記第一出力光強度及び前記第二出力光強度に対応する感光面が同じであるか又は異なり、前記同類感光面は一つの前記出力光強度を出力
前記所定の波長に対応する第一出力光強度は前記所定の波長に対応する第一同類感光面により採集され、前記所定の波長に対応する第二出力光強度は前記所定の波長に対応する第二同類感光面により採集され、ここで、前記第一同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、前記第二同類感光面は一つ又は複数の前記感光面を含み、
前記第一同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第一平均光路長範囲に属し、ここで、前記第一平均光路長範囲は第一光路長平均値に基づいて特定され、前記第一光路長平均値は前記第一同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値であり、
前記第二同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長は第二平均光路長範囲に属し、ここで、前記第二平均光路長範囲は第二光路長平均値に基づいて特定され、前記第二光路長平均値は前記第二同類感光面の各前記感光位置で受信された出射光の平均光路長に基づいて算出された平均値であり
前記第一光路長平均値と前記第二光路長平均値との差の絶対値は第一光路長差範囲に属し
前記所定の波長に対応する第四出力光強度は前記所定の波長に対応する同類感光面により採集され、前記同類感光面のうちの各前記感光面の異なる感光位置で受信された出射光の平均光路長と前記所定の波長に対応する最適な光路長との差は第二光路長差範囲に属する、
請求項に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項6】
前記同類感光面の目標部位からの距離が第二距離閾値以上であると特定した場合、前記同類感光面は環状感光面、環状扇形感光面、扇形感光面、円形感光面又は正方形感光面を含
前記同類感光面の前記目標部位からの距離が第三距離閾値以下であると特定した場合、前記同類感光面の形状は前記出射光のブレ分布に基づいて特定され、
前記出射光のブレ分布は、第一方向に沿ったブレ分布と第二方向に沿ったブレ分布に分解されたものを含み、前記第一方向と前記第二方向は互いに垂直であり、前記同類感光面の前記第一方向に沿った長さと前記同類感光面の前記第二方向に沿った長さとの比率は、前記出射光の第一方向に沿ったブレ幅と前記出射光の第二方向に沿ったブレ幅との比率に基づいて特定され、前記出射光の前記第一方向に沿ったブレ幅は最大である、
請求項に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項7】
前記感光面は初期感光面にマスク板を設置したものであり、前記マスク板の形状は出射光のブレ分布形状に基づいて特定される、
請求項1又は2に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項8】
前記入射光が前記検出領域に照射されたスポットの強度分布が均一であ
前記入射光が前記検出領域に照射されたスポットの面積はスポット面積閾値以上である、
請求項1又は2に記載の生体組織成分の検出方法。
【請求項9】
生体組織成分の検出装置であって、
少なくとも一つの所定の波長の入射光を検出領域に照射し、ここで、前記入射光が前記検出領域を通過した後に少なくとも一つの出射位置から出射して少なくとも一つの出射光を形成し、前記入射光の入射位置が少なくとも二つを含む光源モジュールと、
M個の感光面を含み、各前記感光面が前記感光面に対応する所定のブレ防止範囲内の出射位置から出射された出射光の光強度値を採集することができ、M個の感光面により採集された各前記出射光に対応する光強度値を取得し、T個の出力光強度を取得し、ここで、各前記出力光強度が一つ又は複数の前記感光面により採集された出射光の光強度値に基づいて処理して得られる採集モジュールと、
前記少なくとも一つの所定の波長に対応する少なくとも一つの出力光強度に基づいて、少なくとも一つの被測定組織成分の濃度を特定する処理モジュールと、を含む、
生体組織成分の検出装置。
【請求項10】
前記感光面の各部分と、対応する入射光が位置する方向との夾角は、0°以上、360°以下である、
請求項に記載の生体組織成分の検出装置。
【請求項11】
前記M個の感光面のうちのS個の前記感光面の表面にそれぞれフィルタ膜が設置され、ここで、M≧2であり、M≧Sであり、
前記フィルタ膜は、前記感光面に目標波長に対応する出射光の光強度値を採集させ、ここで、前記目標波長は前記複数の所定の波長に属する、
請求項に記載の生体組織成分の検出装置。
【請求項12】
さらに検出プローブを含み、前記検出プローブは前記M個の感光面を含み、前記検出プローブに第一スリーブが設置され、
前記第一スリーブの第一端面は前記検出プローブの目標表面を超え、ここで、前記第一端面は前記検出領域に近接する端面を示し、前記検出プローブの目標表面は前記検出領域に近接する表面を示
前記第一スリーブの第二端面及び/又は内部の領域に散乱物が設置され、ここで、前記第一端面と前記第二端面は対向する二つの端面であり、前記内部の領域は前記内部の一部の領域又は前記内部の全ての領域を含む、
請求項に記載の生体組織成分の検出装置。
【請求項13】
さらに第二スリーブを含み、前記第二スリーブは前記第一スリーブの目標領域の外部に設置され、ここで、前記目標領域は前記第一スリーブが前記検出プローブの目標表面を超える一部の領域又は全ての領域を示す、
請求項12に記載の生体組織成分の検出装置。
【請求項14】
前記感光面と前記検出領域との間に屈折率整合物が充填される、
請求項に記載の生体組織成分の検出装置。
【請求項15】
ウェアラブル機器であって、
請求項14のいずれか一項に記載の生体組織成分の検出装置を含
ウェアラブル機器であって、
前記ウェアラブル機器の質量は質量閾値以下であり、それにより前記ウェアラブル機器の移動規則と検出領域での皮膚ブレ規則とを一致させることを実現し、
又は、
前記ウェアラブル機器により前記検出領域での皮膚の移動幅が移動幅閾値以下である、
ウェアラブル機器。
【国際調査報告】