(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】ライトバルブ式表面画像および光ビームプロジェクタ
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13357 20060101AFI20240220BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20240220BHJP
F21V 29/503 20150101ALI20240220BHJP
F21V 29/77 20150101ALI20240220BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240220BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240220BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240220BHJP
【FI】
G02F1/13357
F21V23/00 113
F21V29/503
F21V29/77
F21S2/00 481
G02F1/13 505
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023548788
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 US2022015825
(87)【国際公開番号】W WO2022173833
(87)【国際公開日】2022-08-18
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523304629
【氏名又は名称】サンドボックス ライト エンジニアリング コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】SANDBOX LIGHT ENGINEERING CORPORATION
【住所又は居所原語表記】520 Carpenter Lane Philadelphia PA United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】523304630
【氏名又は名称】エウィングトン,クリストファー,ディー.
【氏名又は名称原語表記】EWINGTON,Christopher,D.
【住所又は居所原語表記】Chorlton Manchester Greater Manchester The United Kingdom
(71)【出願人】
【識別番号】523304641
【氏名又は名称】ウォード,マシュー
【氏名又は名称原語表記】WARD,Matthew
【住所又は居所原語表記】Philadelphia PA United States of America
(71)【出願人】
【識別番号】521435385
【氏名又は名称】ホックマン,ジェレミー
【氏名又は名称原語表記】HOCHMAN,Jeremy
【住所又は居所原語表記】Walnut,CA United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】エウィングトン,クリストファー,ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ウォード,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ホックマン,ジェレミー
【テーマコード(参考)】
2H088
2H391
3K014
3K244
【Fターム(参考)】
2H088EA13
2H088EA68
2H088HA18
2H088HA21
2H088HA28
2H391BA01
2H391BA12
2H391CA02
2H391CA24
2H391CB23
2H391CB42
2H391CB52
2H391EA02
2H391FA01
3K014AA01
3K244AA01
3K244BA14
3K244CA02
3K244DA01
3K244GA05
3K244HA01
3K244MA02
3K244MA11
3K244MA18
(57)【要約】
照明システムおよび方法は、照明器具によって出力される光ビームの異なる要素を優先順位を付けるように光を制御する。LCD表面は、カラーオクルージョンフィルタとして機能し、この層によって透過される光ビームの画素レベルの制御を提供する。内部では、LED光源が、凹型リフレクタに垂直に投影され、このリフレクタは、一軸上で移動可能であり、したがって光ビームとして前方に出射される光を広げたり狭めたりするズームが可能である。また、このシステムには冷却機能もある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の制御光源100,516,616および第2の制御光源100,516,616を含む液晶ディスプレイ102と、
軸2147に沿って移動し、制御光源からの光を拡大またはズームするリフレクタと、
光源の各々が取り付けられる熱管理システム2700であって、熱管理システムが光源内の熱を管理する、熱管理システム2700と、
リアルタイムデータ源515であって、制御光源の各々の照明出力および軸に沿ったリフレクタの動きを生成するように構成される、リアルタイムデータ源515と、を含む、マッピングされた照明システム。
【請求項2】
表示パネルをさらに含み、リアルタイムデータ源515は、照明とグラフィカルコンテンツとを互いに基づいて制御する、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項3】
リアルタイムデータ源515は、カメラ520からのカメラ入力を受信し、カメラ入力に基づいて、照明とグラフィカルコンテンツとをさらに制御する、請求項2に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項4】
制御光源516の少なくとも1つが、制御光源の少なくとも1つの中心に位置するセンサ1004を備える、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項5】
センサ1004は、制御光源の少なくとも1つからの照明出力に対応するセンサデータを生成する、請求項4に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項6】
制御された光源516の少なくとも1つが、センサ1004を備え、センサが一次光変調器の中心のすぐ後ろに位置する、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項7】
センサ1004は、制御光源の少なくとも1つからの照明出力に対応するセンサデータを生成する、請求項6に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項8】
制御光源の少なくとも1つは、偏光子101を用いて制御可能に偏光され、偏光子101は、光源の出力を変更するために回転可能である、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項9】
リアルタイムデータシステムに表現されたデジタルソースへの出力は、ライトのアレイによって複製することができる、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項10】
センサデータが、活動領域においてより高い密度のリアルタイムデータを生成するために使用され得る一方で、その領域の外側の照明された領域はより少ないデータを受信する、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項11】
照明される被写体が1つの周波数でセンサによって追跡され、リアルタイムデータ源515によって受信されたデータが2つ以上の周波数で生成され、リアルタイムデータ源が高い周波数でマスクを生成し、マスク内のコンテンツが低い周波数で生成される、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項12】
光の色は、光変調器内の光源の色およびカラーフィルタによって制御され、光源の色およびカラーフィルタの色は、出力の色を定量化して他の光源にクローン化できるように、閉ループ較正によって確立される、請求項1記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項13】
リアルタイムデータ源は、光の高周波変調を用いて光源を制御し、光源の出力は、2つのインターリーブされた出力が、センサおよび別の表示システムと同期するようにインターリーブされる、少なくとも2つの異なるデータストリームを備える、請求項1に記載のマッピングされた照明システム500。
【請求項14】
液晶ディスプレイ102を含む密閉された筐体と、
制御光源100,516,616と、
軸2147に沿って移動し、制御光源からの光を拡大またはズームするリフレクタと、
液晶ディスプレイの背面を横切って空気を通過させる熱管理システム2700であって、熱管理システムは、密閉された筐体から熱を除去する熱交換器を備える、熱管理システム2700と、
リアルタイムデータ源515であって、制御光源の各々の照明出力および軸に沿ったリフレクタの動きを生成するように構成されるリアルタイムデータ源515とを含む、マッピングされた照明システム。
【請求項15】
第1の制御光源100,516,616と、
第2の制御光源100,516,616と、
リアルタイムデータ源515であって、制御された光源516の各々の出力と、表示パネル511へのグラフィカルコンテンツとを生成するように構成されるリアルタイムデータ源515とを含み、
出力は照明であり、リアルタイムデータ源515は、照明とグラフィカルコンテンツとを互いに基づいて制御する、マッピングされた照明システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
固体光源は、設計者に様々な新しい選択肢を導入したが、ライト自体の基本的な形態は2000年代半ばからあまり変わっていない。拡散で覆うことが可能であるLED光源の平面によって定義されるソフトライトがある。しかし、こうしたソフトライトの問題点のひとつは、器具の前面に配列された複数の光源によって生じるアーチファクトを避けるために拡散が必要なことである。これによって、平らな面で見える段差のある影が創られる。
【0002】
映画およびテレビの照明は、Arri Skypanelのようなマッピング可能なLED照明器具を組み込んだにもかかわらず、1970年代からほとんど変わっていない。マッピング可能なLED照明器具は2000年代半ばから存在しているが、複数の影を作らないように拡散に頼る光源の多様性の限界を克服することはできなかった。これらの照明器具のマッピング能力は、デメリットを凌駕している。Arri SkypanelおよびLEDビデオディスプレイの両方は、光をアニメートするためによく使われ、近接場環境では効果的である。
【0003】
しかしながら、これらの照明器具からの光はどこにでも到達する。これらは半球状に均一に放射するほぼランバート光源であるので、容易にマスクすることはできない。ソフトライトには適しているが、構造化された光線を作成するのには適していない。そのため、大型のビデオプロジェクタが使用されることもある。しかし、ビデオプロジェクタは、不自然な反射を起こす一点の明るい光を作り出す点光源であるので、限界がある。技術者は、よりソフトな出力を作り出すために、光学系のエンジニアリングに反して仕事をしている。しかし、これらは問題を解決してくれる。
【0004】
ゲームエンジンの仮想カメラの出力としてパースペクティブマッピング可能である風景をデジタル的に作成するために、多くの作品が大型LEDディスプレイを使用している。このような環境は、物理的な場所または実際のセットに関連することが多いので、「デジタルツイン」と呼ばれている。この言葉は以前から使用されていたが、作品マンダロリアンによって近年広く知られるようになった。この作品では、カメラが動いても適切な遠近感を保つことができ、デジタル再現にリアリズムのレイヤーを追加する動きの視差を生み出すデジタル背景を作成するために、Unreal Engineが使用された。また、照明のマッピングを使用する場合、光源はデジタルツイン内の位置に対して固定されていなければならない。俳優が太陽または人工的な光源、あるいは光源を隠す物体に対して相対的に動くと、俳優の照明が変化するはずだが、これは制作チームの多大な努力によってのみ可能なことである。このようにマッピング可能であるライトのアレイを作成するのは複雑で、照明はしばしばショットごとに物理的に調整する必要がある。
【0005】
LED光源を有するかもしれないが、依然としてソフトズーム可能なライトであるウォッシュライトもある。光を投影し、ゴボ照明およびスライドを統合してテクスチャおよび静止画像を作成可能であるプロファイルもある。
【0006】
コンピューティングおよび光源の進歩、設計や生産における新たな要求によって、新しいタイプのライトが求められている。これらの新しいライトは、既存の様々な技術を利用して、設計者に新しいタイプの動的制御を提供することが可能である。しかし、これを達成するためには、コア技術が現在使用されている方法から分岐する必要がある。
【0007】
ビデオプロジェクションが良い例である。一般的なビデオ用途に最適化する場合、重要な要件はスクリーン表面での性能に関するものである。要求される制御レベルは、非常に小さな撮像装置の使用を促す。ビデオプロジェクションの歴史は、光学効率の向上、光学系および光源の進歩に伴い、撮像装置が着実に小型化されてきたことと部分的に結びついている。初期のリアプロジェクションシステムの中には、代替手段の欠如のために、大型のLCDパネルを使用したものもあった。
【0008】
初期のLCDリアプロジェクションディスプレイは、ラップトップまたはその他の大容量の業務用ディスプレイ用に設計された大型LCDパネルを使用して作られることがあった。大型の単一光源とフレネルレンズとを使用することで、これらのLCDから投影システムを作成することが可能であった。これは、今日でもホビイストによって、そしてスマートフォン端末のLCDディスプレイを使った低価格のビデオプロジェクタで生き続けている。
【0009】
LCDディスプレイは、1960年代後半に始まったLCDディスプレイの研究に基づき、エプソンおよびソニーなどのブランドが確立した。最初のLCDベースのライトバルブは、それよりも前にMarconiが製造していた。Marconiは、買収を通じてEnglish Electric Valve社として存続し、StarvisionというLCDベースの製品を製造していた。
【0010】
液晶ディスプレイは、2つの状態を切り替えることによって光を変調する液晶の能力に基づいている。液晶の前面と背面とに偏光板を使用することで、光のオンおよびオフを切り替えることが可能である。液晶がある位置に向いている状態では、前面の偏光板がその極性の光を遮断しているので、画面は黒く見える。液晶セルが90度回転すると、前面の偏光板と光の偏光が揃い、ディスプレイは光を透過する。
【0011】
最近では、可動ヘッドライトを作成するために、LCDパネルが自動車産業への応用が検討されている。
【発明の概要】
【0012】
エンターテインメント業界は、大きな発光面を含むLCD駆動光源に他のものを求めている。理想的な発光面は、ライトフィールドエミッタの球状アレイであり、それぞれが空間内のその点から発せられる光出力を形および偏光の両方で完全に再現するものである。このコンピュータ制御されたマッピングされた波面は、実際の空間を複製した光をシーンに浴びせたり、あるいは映画のシーンのためにカメラで再現される空間のデジタル表現に必要な光を浴びせたりすることが可能である。
【0013】
ステージライトのいくつかの重要な要素は、この抽象化された目標によって駆動され得る。本明細書で説明するシステムは、様々な角度で光を生成することができ、所望の角度の光のみが任意の時間に出力されるように出力を制御することが可能である。
【0014】
現在、ステージは、ソフトライト、ウォッシュライト、ビデオプロジェクタで照明されているかもしれない。しかし、これらのどれもが、個別に、または組み合わせて、光を能動的に制御可能であるような方法でステージを照明することはできない。このようなステージでは、カメラショットのためにディスプレイパネル上に背景風景を生成するリアルタイムゲームエンジンによって駆動される大型ビデオディスプレイ面をより多く活用していない。こうすることで、従来は別の特殊効果用バックプレートが必要だったものが、カメラで撮影可能であるようになる。しかし、このようなショットは、デジタルシーンの環境を忠実に表現するライティングの失敗によって低下している。
【0015】
ビデオ画像ではなく、ライトプロジェクタによって作成される光の質を中心に設計されたLCD照明システムの新しい変形を使用することによって、本発明者らは、様々な仮想光源(本明細書で使用される光源に関する一般的な用語は光源であってもよいが、光源に関する他の用語も使用される)を作成した。このような光源は、ビーム角を変えたり、光を柔らかくしたり、鋭くしたりする機能を備えており、大規模なアレイで使用して動的な仮想光源を作成することが可能である。これらの例として、建物の後ろに回り込む太陽、丘または樹木の背後を通る太陽、飛行機の開いた窓から差し込む太陽のように、建物を横切って移動するヘッドライトなどが挙げられ得る。
【0016】
これは、UnrealやUnityのようなゲームエンジン(ゲームエンジンと呼ばれているが、このコンテンツ生成エンジンは、ゲームとは無関係の単なるビデオ出力を作成する場合がある)を使用して、ディスプレイで仮想的に作成することが可能である。シーンのデジタル照明を使用して、大きな仮想光源の出力を作成することが可能である。これは、照明器具の位置からどのような光が来るかを決定することで、レイトレーシングと統合することが可能である。そして、他のすべての照明器具のビデオ信号とともに、合成された4Kフレームとしてビデオ信号として出力することが可能である。各ライトは3D空間で特定の位置と方向とを有している可能性があるので、各照明器具の出力は異なる可能性がある。各照明器具は、大きな画像のサブセットではなく、そのライトの位置から再現可能である光を表す。ある意味では、これはライトフィールドディスプレイの一種である。
【0017】
ライトフィールドアレイは、本明細書のシステムの一部であり、これらのディスプレイおよびゲームエンジンと協働することが可能である。システム全体の光源内の光の単一ユニットは、多くの興味深い能力を有するが、ボリューメトリックキャプチャと同じ方法で3次元アレイに統合し、デジタル3Dシーン内部からの複雑な照明を再現する能力は、既存の技術では困難である。
【0018】
これを達成するためには、システム内で相互作用の絡み合いを管理する必要がある。
【0019】
第一に、照明情報の一部はゲームエンジン内で利用可能である場合があり、これはゲームエンジン自体が照明および効果を設定するプログラミングを有する場合があることを意味する。
【0020】
第二に、照明情報は、物理空間にも存在するゲームエンジン内の多数のコンポーネントによって補足されることがある。
【0021】
第三に、物理空間内の照明ユニットは、仮想空間だけでなく、ディスプレイウォール、環境の物理的特性、および環境に存在する演者を含むシーン内の他の物理的要素も組み込む全体的なマッピングシステムの一部であってもよい。これは、複数のコンピュータサーバにまたがって統合されることもあり、クラウド上にあるシステムの要素を含むこともある。これらすべての要素間のタイミングは、正確であり、シーンをキャプチャするために使用されるすべてのカメラと同期してもよい。
【0022】
これを行うシステムは、演者を照らす光のデジタル要素を既に組み込んでいる大型ディスプレイの性能を損なう不要な迷光を除去しながら、ボリュームのあるパフォーマー正しく照らすことができ得る。
【0023】
本明細書で説明する照明器具のアレイは、環境の自然および人工照明要素を複製する仮想光源であり得る。簡略化した説明では、照明器具のアレイは、照明される対象に対して相対的に移動する光源を表すこともあり得る。
【0024】
これらのシステムコンポーネントは、リフレクタの中心内に異なるLED群を統合することによって、多焦点出力をサポートすることが可能である。異なる群の動きは、照明器具の半分が、あるビーム角で、照明器具の他の半分が、別のビーム角となるように、統一または分割することが可能である。
【0025】
このようにして、システムは自然なシーンを照らし、デジタルシーンのコンピュータ生成照明と一致させることが可能である。これは、ダイナミックサイクロラマおよびフットライトを可能にする照明の他の態様にも適用可能である。光源がモータ駆動され、リフレクタに対する光源の位置を調整するように移動可能であるので、サイクライトまたはフットライトでも同様に説得力のあるビーム角と焦点を制御することが可能である。
【0026】
さらなる特徴として、シーン内のパフォーマーを追跡するシステムの能力が挙げられる。これは2つの理由から重要である。一般に、カメラ(または観客)はパフォーマーに焦点を合わせる。そして、シーンの照明は、そのパフォーマーがどのように照らされているかに基づいて判断される場合がある。しかし、この機能に使用可能である解像度の総量は常に有限であり得る。演者に焦点を合わせるためには、演者に焦点が合っていないシーンの照明を強調しないことが望ましいことがあり得る。このように、1つの4K(3840×2160)出力で1920×1920を演者に割り当て、残りの解像度でシーンの残りの部分を照らす照明を駆動することがあり得る。そして、この1920×1920の関心領域はパフォーマーを追跡したいかもしれない。つまり、高解像度の情報を得る照明と低解像度の情報を得る照明が、シーンの過程でダイナミックに変化し得る。
【0027】
これに加えて、バーチャルプロダクションで使用される大型ディスプレイにライトが当たるのを防ぐデジタルマスクは、高解像度の関心領域で構成される一方で、マスクの外側の領域は一般に、演者に当たらないライトに向かう低解像度情報であり得る。トラッキングを滑らかにするために、ライトは240~480Hzの範囲で動作する必要があるが、マスクは240~480Hzでパフォーマーをフォローする一方で、パフォーマーの高解像度コンテンツは60~120Hzでしかレンダリングされないかもしれない。これは、トラッキングの見た目を改善し、ディスプレイ画面からの光のマスキングを改善し得る。
【0028】
このマスクは、ライト(本明細書では光源とも呼ばれることがある)に統合されたセンサを使用して、照明器具で局所的に作製することが可能である。このシステムは、投影された光源のアクティブ領域と非アクティブ領域を定義する2Dマスクを作製することが可能である。投影されたライトフィールドを表す照明テクスチャマップは、同じセンサデータを使用して生成されるか、または他の利用可能なデータが第2のコンテンツエンジンで生成される。2つのレイヤーのレイテンシとフレームレートは、2Dマスクがより低いレイテンシでより高いリフレッシュレートで更新可能である一方で、テクスチャマップがより低いフレームレートでわずかに高いレイテンシで更新されることを意味するロックされない場合がある。照明器具の出力は、投影されたコンテンツがわずかに遅れている間、マスクが低遅延で被写体を追跡するこれら2つのフィードの合成である可能性がある。結果として得られる照明効果は、現在のオプションよりも優れている。なぜなら、LEDウォール上の光を最小限に抑えながら、シーン内の光をより正確にレンダリングするため、カメラキャプチャは映画制作者/クリエイティブディレクタのビジョンをより全体的に表現することが可能であるからである。
【0029】
このためのセンサは外付けであってもよいが、センサは、ライトの前面の光変調面の前方または後方のいずれかのライトの中心に統合することも可能である。
【0030】
ライトは偏光フィルタも組み込むことができ、このフィルタは、様々な鏡面材料や偏光フィルタと共に使用される場合にライトの性能を向上させるように調整することが可能である。
【0031】
平面にマッピングされたアレイで照明を使用するためには、照明器具間で色を一致させることが必要な場合がある。これは、光源の色温度と前面光変調器の色特性の両方が抽象的に知られていて、製造中や照明のサービスやメンテナンスの一部として閉ループ較正システムで決定可能であるので、較正で可能かもしれない。
【0032】
既存の照明器具の焦点面に配置してダイナミックゴボを作成し、専用器具の機能の一部(すべてではないが)を提供することが可能であるアクセサリモジュールを作成することによって、このシステムを既存の照明に適用することが可能である。
【0033】
場合によっては、光変調器が熱に敏感であり得るので、照明器具の熱管理を付属品に直接統合してもよい。この例では、光変調器から光源を分離すると同時に光学効率を向上させるために、偏光リサイクルプリズムを熱ブレークとして使用することが可能である。プリズムは、光源とLCDの間に熱的断絶を作り出すことができ、液晶を必要な動作範囲内に保つための閉ループ冷却または周囲対流冷却を可能にする。
【0034】
今後は、現在のソフトライトのような平面的な照明器具にこれらの機能を複製することが望ましいかもしれない。このようなライトは、光源がライトの被写体の近くにあるニアフィールドアプリケーションに理想的であることが多い。最終的には、ライトフィールドディスプレイがこの役割を果たすかもしれないが、それまでは、ユーザは、システムから出力される各光線のビーム角を動的に制御する能力を重視してもよい。これは、ウェッジ光学系と回折ライトガイドまたはホログラフィックライトガイドで実現可能である。
【0035】
このようなシステムでは、撮像装置にアナモルフィックレンズを組み込んで、一軸方向の解像度を向上させることが可能である。このようなシステムでは、小型の撮像装置と分散型レーザー蛍光体光源を組み合わせて、このようなアレイを作ることが可能であり得る。
【0036】
このようなライトは、高フレームレートの照明ソリューションを提供するために必要なセンサデータと分散処理がローカルコントローラの制限に邪魔されないように、内部で完全なネットワーク接続を必要とする場合がある。ライトの制御、センサの統合、および局所処理のための別々の経路を有するネットワークスイッチを各ライトが有することで、これらすべての要素の非同期統合を可能にする。
【0037】
ライトはまた、マスク要件を局所的に計算するためのGPUを含んでもよい。この局所GPUシステムは、メディアサーバから分散ビデオマップを取り込み、マスクが光変調器で可能な最高フレームレートによって最適化される一方で、コンテンツがソースからの最高周波数出力によってのみ制限されるように、出力に合成することが可能である。このソースは、一般的なゲームエンジンでも、特別に開発されたメディアサーバでもかまわない。いずれの場合も、光源と光の間のデータ経路の制限は、局所計算システムと光変調パネルの間の制限よりも制約が多い可能性がある。システムは、可能な限りスムーズなトラッキングをサポートするために、このソースを中心に最適化され得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図5】プロジェクタによるバーチャルプロダクションボリュームを示す。
【
図6】LCDシステムによるバーチャルプロダクションボリュームを示す。
【
図20】リフレクタが露出している移動ライトの切断斜視図である。
【
図25】冷却システムを示す移動ライトの切断図を示す。
【
図26】冷却システムの後部を示す移動ライトの切断図を示す。
【0039】
導入
【0040】
ライトバルブ式表面画像および光ビームプロジェクタ
【0041】
ユーザに良好に提示される最終的な視覚画像を作成するために、視覚的なアニメーション表面画像と投影された光ビームとの両方を提供することが本発明の目的である。この目的を達成するためのシステムの要素として、固定位置または電動移動キューブの一方の面を有する光源であって、保護カウルとして機能する発光面を取り囲む凹型機械フレームを備えた光源を挙げることができる。このフレームにセットバックされるのはLCDパネルであってよい。このパネルは画素のマトリックスで構成される。全部で960×960ピクセルの表面は、3500:1を下回らない適切な高コントラスト比の2次元表面を形成する。この液晶ディスプレイ(LCD)は、その物理的な実施形態により、光価を有する光源として機能する。本システムでは、光源内から投射された光は、コンピュータ制御可能な光ビームとして前進することが可能である。
【0042】
首振りジンバル機械構造
【0043】
回転するジンバル機械式光源キューブの範囲内で、投影された光ビームを移動させることも本発明の目的である。移動属性は、2軸の比例移動に影響を与えるように、外部コンピュータ制御を介して遠隔制御することが可能である。すなわち、540°を超えない総回転のパン運動と250°のチルト軸の運動であり、これらを組み合わせると実質的に3軸の運動となる。
【0044】
光学系
【0045】
また、幅に影響を与えることによって、放出される光ビームを制御することも有利である。このズーム属性の遠隔比例電動制御により、ビーム幅を140°から狭い4°まで素早く調整することが可能である。光線は最大マイナス90°まで反転させることが可能である。移動体(すなわちジンバルキューブ)内で、LED光源は移動する二乗放物線または球面または凹面リフレクタに後方投影されることがある。この高反射ミラーは、LCDオクルージョン層を通してダイオードから放出される光をコリメートまたは集光する。その結果、光は前方に投影される。さらに、LCD基板の全体的な表面は、中央の発光光源によって妨げられることがあり、第2の前方向きのLED光源が、LCDパネルの中央で、妨げられたり失われたりした表面光に取って代わり、直接または間接的に見たときに、LCD基板全体の完全な光の均一性を維持することが可能である。
【0046】
空冷システム
【0047】
LCD基板は、通常のバックライト条件下で、高い周囲連続使用に適した最適動作温度を有する場合がある。本システムの別の特徴は、特別に高いバックライト条件に関する。本実施形態は、密閉された環境において内部で生成され、放出され、LCD基板の設計の性質によって部分的に吸収または反射される光の光子として、熱の蓄積を継続的に低減する。内部放射熱交換システムは、LED光源によって生じる放射熱の蓄積を捕捉することが可能である。一方、光生成プロセスで発生する総熱量の最大30%は、光ビーム内で前方に放出される。ファンを取り付けた複数のラジエータが、移動キューブ内の空気を押したり引いたりする。これにより、内部金属ボックス構造から形成された内部空気導管によって、LCD基板の内面を横切る空気の移動シートが生成され、この空気導管は、LCD基板の内面を下から上へ、重力と同様に進行方向に従って空気を誘導する。
【0048】
液体冷却システム
【0049】
本システムの別の実施形態は、移動キューブが微粒子や水分の外部からの侵入から実質的に密閉されているという特徴を含み得る。強力で高密度のLED照明アレイでは、光源を液体冷却統合システムで冷却することが可能である。この液体冷却システムは、通常の氷点下でも作動する。液体は、二重の冗長インペラポンプシステムで送られる。この冷却システムの効果は、LEDアセンブリを通して液体を分流させることである。一軸に取り付けられたマニホールドは、リフレクタのすぐ後ろにある一本の内管と外管に取り付けられている。これは、光リフレクタ部品の中心に位置してもよい。液体冷却システムは、電動可動デザインに配置されたシステム内の空冷ラジエータを含むことにより、放射熱を抽出する。さらに、液体冷却水は、チルトピボットポイントの両側に入り、シンジパンピボットポイントを通って機械的に静的なベースに導かれる。ベースのラジエータは、強制空冷で大気に直接放熱され、システムから熱を取り除く。この閉ループ液体冷却システムは、再循環して繰り返す前に、ユニバーサルオリエンテーションリキッドリザーバを通過することが可能である。
【0050】
電子的なリアルタイム内部センシングおよび遠隔モニタリング
【0051】
別の実施形態は、様々な電子センサの配備に関するものである。これらのセンサは、内部機能の正確なリアルタイム状態を提供する。この感覚情報は、局所の外部コンピュータ、遠隔アプリケーション、またはメーカ本社の遠隔監視ステーションへの二重データ接続を介して遠隔分析が可能である。このシステムは遠隔分析を提供し、過酷な運転条件から生じる可能性のある技術的問題についてアドバイスすることが可能である。
【0052】
システムのクリティカル検知は、LED温度モニタリングを含む。温度上昇は、ポンプの故障やファンの故障など、統合液体冷却システムの欠陥を示している可能性がある。固定ベース内では、風速計が固定ベース内に配置された複数のラジエータを通過する気流を測定する。システムの弱点は、スモーク液の凝縮によってラジエータ表面に付着する糸くずや微粒子にあり得る。これは、このような発煙装置の近くにある舞台照明でよく起こることである。ラジエータによって強制的な空気の移動が可能になるので、この不要な微粒子が蓄積すると、通常の空気の流れが損なわれ、液体冷却システムが低下し、コアの温度上昇につながる可能性がある。通常、この現象はシステムがオーバーヒートした場合にのみ明らかになる。私たちのセンサアレイでは、水温、周囲温度、スクリーン表面温度のいくつかの基準点があり、最適なパフォーマンスが徐々に低下することを警告する。もうひとつの感知機能は、本発明に搭載されたユニバーサルバッテリバックアップのバッテリ充電状態を含む。
【0053】
アセットモニタリングシステム
【0054】
これらのセンサは、システム内に配置された良好な範囲の電子センサにより、いくつかの形態でこの情報を発信することが可能である。当業者またはリモートコンピュータを介して製品を制御するクリエーターがDMXのリモートデバイス管理形式(RDM DMX)を介して問題を警告することが可能であるのに対し、現在の環境にローカライズされる。システムがデータネットワークに接続されている場合、デバイスはセンサ情報をメーカやアセットオーナに「ping」または送信し、製品性能の詳細なリアルタイム画像を提供することが可能である。
【0055】
電子電源バックアップ
【0056】
本実施形態のもう1つの特徴は、屋外ステージのような特定の過酷な環境動作条件下で停電が発生した場合に、ユニバーサルバッテリバックアップを提供することである。偶発的な電源喪失が起こった場合、ユニバーサルバッテリバックアップを提供することにより、システムの再ブートまたは通電における時間の損失を取り除くことが可能である。これを使用すると、システムにとって重要な電子プロセス用の内部電源が維持される。主電源が装置に供給されなくなった場合、完全な壊滅的故障ではなく、本発明は、装置上にある局所制御を提供するタッチスクリーングラフィカルユーザインタフェイス上の点滅する可視警告三角形によって、局所操作員に停電信号を発する。さらに、いくつかの異なるデータプロトコルにより、本システムは、遠隔操作に使用される外部コンピュータの停電をユーザに警告することが可能である。
【0057】
モジュール式固定ベースエレクトロニクスアーキテクチャ
【0058】
システムは、特にLCD基板用の画像処理で最大限の汎用性を可能にするために、代替の電子部品を備えることが可能である。一般に、異なる用途に適した複数の異なるデータ入力部を有することが望ましい場合がある。標準的なラックマウントシステムと同様のセットアップで、1Uの小型幅のラックスペースは、光ファイバによる高データ転送分配を提供する。
【0059】
さらに、LCD基板に伝送されるビデオ画像の制御は、SDIデータプロトコルのようなビデオソースから外部的に制御するか、または内部DMX制御グラフィックスエンジンから内部的に実行することが可能である。このエンジンは、ローカライズされたビデオスケーラとしても機能する。異なるアプリケーションに合うようにピクセル解像度を調整する能力で、DMX制御された内部グラフィックスエンジンのビデオと照明信号とは、マスタとして動作する隣接する照明器具に送信可能であり、該隣接する照明器具はスレーブとして動作する。
【0060】
この内部グラフィックスエンジンは、外部ビデオ信号と、それに続くビデオコンテンツ制作の技術に熟練した人々のスキルの必要性とを取り除くことが可能である。生成的な方法でビデオコンテンツを内部制作することにより、LCDスクリーンに直接ビデオコンテンツを配信する。これらの内部ビデオ属性は、外部コンピュータから受信したDMX照明信号だけで完全に直接制御される。上記の電子的要件オプションは、このシステムの固定ベースを具現化するモジュラーメカニカルアーキテクチャにより、取り付けまたは取り外しが可能である。
【0061】
説明
【0062】
光源として液晶ディスプレイを使用するディスプレイシステムは、
図1に示すように、前面偏光子と後面偏光子との間に挟まれた液晶マトリックスから構成され得る。光源100は、固体のものでも従来のものでもよい。この光源100は、光源100と液晶ディスプレイ102との間に配置された第1の直線偏光子101を通過する。そして、主に1つの偏光の光が液晶ディスプレイ102を通過する。この光は、第1の直線偏光子101から90度回転した第2の直線偏光子103を通過する。これにより、ディスプレイは光のオンオフを切り替えることが可能である。
【0063】
液晶は、セグメントディスプレイ、パネルディスプレイ、およびビデオ投影において長い歴史を持つ、確立された光の変調器である。初期のプロジェクタの多くは、典型的な液晶パネルを使用しており、15~20インチの対角液晶ディスプレイを使用して、
図2に示すものと同様のホームプロジェクションシステムを構築する趣味のコミュニティが確立されている。場合によっては、これは液晶ディスプレイ201の背後に標準的な電球200を配置するのと同じくらい簡単である。
【0064】
液晶ディスプレイは、光のダイナミックステアリングが重要である新しい用途に検討されている。そのような用途の1つは、
図3に描かれているように、液晶マトリックス302が自動車のヘッドランプの出力を制御するために使用される欧州連合のVoLiFaプログラムである。このようなヘッドランプは、発光ダイオード300のアレイを使用して、液晶ディスプレイ302と第2の偏光子305を通過する前に、偏光子301を通して光を投射する。その後、レンズ305を用いてヘッドランプの出力を制御する。
【0065】
映画およびテレビの照明は、Arri Skypanelのようなマッピング可能なLED照明器具の統合にもかかわらず、1970年代からほとんど変わっていない。マッピング可能なLED照明器具は2000年代半ばから存在しているが、複数の影を作らないように拡散に頼る光源の多様性の限界を克服することはできなかった。これらの照明器具をマッピングする能力は、デメリットを凌駕している。Arri SkypanelとLEDビデオディスプレイの両方は、光をアニメートするためによく使われ、ニアフィールド環境では効果的である。
【0066】
図4に示すような典型的なLED照明器具は、発光ダイオードパッケージ410のグリッドを含むことが可能である。これらのパッケージは、表面実装パッケージまたはDIPパッケージとすることが可能である。また、高出力パッケージとすることも可能である。これらのLEDパッケージの各々は、特定のビーム角411,412,413にわたって光を出力し、アレイ全体でこれらのビーム角は420に重なる。また、LEDダイスのビーム角が異なるので、カラーシフトも生じる。これらの重なり合った光源A,B,Cが物体415に当たると、多数の影421,422,423が可能である。
【0067】
問題は、これらの照明器具からの光がどこにでも行き渡ることである。ほぼランバート光源で、半球状に均一に放射されるので、簡単にマスクすることができない。これはソフトな光には適しているが、構造化された光線を作るには適していない。このため、大型のビデオプロジェクタが使われることもある。しかし、ビデオプロジェクタは点光源であるので、不自然な反射を起こす一点の明るい光を作り出すという点で限界がある。技術者は、よりソフトな出力を作り出すために、光学系のエンジニアリングと対立することもある。
【0068】
ゲームエンジンの仮想カメラの出力としてパースペクティブマッピング可能である風景をデジタル的に作成するために、多くのプロダクションが大型LEDディスプレイを使用している。これは以前から使用されていたが、映画「マンダロリアン」により、最近になって広く知られるようになった。この作品では、Unreal Engineを使用して、カメラが移動しても適切なパースペクティブが維持されるデジタル背景が作成され、モーション視差がデジタル再現にリアリズムのレイヤーを追加した。また、光源が固定されている必要があるので、ライティングのマッピングが使用されているが、これは制作チームの多大な努力によってのみ可能なことである。このようにマッピング可能である照明のアレイを作るのは複雑で、照明はしばしばショットごとに物理的に調整する必要がある。
【0069】
図5は、特定のバーチャルプロダクションボリュームが典型的なステージとは異なる照明要件を有する場合のマッピングされた照明システム500の概要を示す。照明デザインは、LEDビデオディスプレイ511を駆動しているコンピュータソース515から出力されるコンテンツと完全に統合することが可能である。これらのディスプレイ511には、カメラ520の動きを追跡するパースペクティブマッピングされたコンテンツが供給される。バーチャルプロダクションに使用されるLEDボリュームの光源として、ビデオプロジェクタを使った実験がいくつか行われている。しかし、ビデオプロジェクタは指向性のある光ビームを有する点光源であるので、この用途には適していない。ビデオプロジェクタの歴史は古く、映画およびテレビ制作では、プロジェクタの反射出力を利用したプロセス撮影に使用されてきた。
【0070】
バーチャルプロダクションボリューム510は、カメラ520がLEDディスプレイ空間内を移動可能であるように、湾曲させることが可能である、またはある形の切り詰められた円錐形にすることが可能である、発光ダイオードベースのディスプレイパネル511の大きなアレイを含むことが可能である。LEDディスプレイ512の縁を越えて画像を拡張し、セット拡張を使用して完成作品にコンテンツ513を生成することが可能である。このコンテンツは、カメラ520の動きを追跡し、そのデータをコンピュータに中継するコンピュータ515によって生成される。コンピュータ515は、コンピュータ515内のディスプレイまたはデータポートの出力として管理可能である任意のタイプのディスプレイまたはシステムに、動きデータに基づいて構成されるビデオおよびグラフィカルコンテンツを出力することが可能である。このようにして、また以下に説明するように、コンピュータ515は、本発明内のリアルタイムデータのソースとして機能し、カメラおよびオブジェクトの動きを監視し、光源における照明出力を制御し、ディスプレイパネルに配信されるコンテンツを制御する。
【0071】
240から960ヘルツの間の非常に高いフレームレートシステムは、マザーボードのデータバスから直接制御することが可能である。このシステムは、各画素のコンテンツに応じて変化する可能性のあるダイナミックリフレッシュレートを利用することも可能である。プロジェクタ516は、プロジェクションマッピングでプロジェクタが使用されるのと同じように、光源としてこのように使用することが可能である。しかし、ビデオプロジェクタからの光はハードエッジな点光源であるので、ほとんどの映画およびテレビの用途には適さないかもしれない。
【0072】
映画およびテレビ制作用の光源は、
図6に示すように、異なるビーム角を再現することが可能である場合がある。このようなシステムは、さまざまな環境からの光を再現することが可能である場合がある。これは、LEDウォール511用のコンテンツを生成しているのと同じリアルタイムコンテンツエンジンコンピュータ515によって駆動することが可能である。しかし、
図6のこの例では、仮想照明アレイ616は、環境(図示の例では、森林環境)に適した様々な周囲照明を出力することが可能である。この照明は、カメラ520が移動すると変化し、ショットのための正しいパースペクティブマッピングされた光を維持する。このようにして、照明はLEDウォール511上の背景映像コンテンツと一致する。このようなシステムは、グリーンスクリーンや、配光をさらに制御するように設計されたさまざまなアクセサリとともに使用することも可能である。仮想照明アレイ616は、これには限界があるかもしれないが、ボリュームを取り囲む照明器具の自由形状のアレイを含むことも可能である。
【0073】
説明したシステムの照明器具のアレイを使用することにより、ショットにおいて異なるタイプの光源を表現可能である
図7に示すような仮想照明アレイ光源を作成することが可能である。3つの異なるビーム角が図示されているが、様々な対称および非対称パターンを実現することができる。図では、ライトアレイ732の前面から2メートル後方、ライトアレイ731の前面から3メートル後方、ライトアレイ730の前面から4メートル後方の光源を示している。これは、光源が仮想アレイの前面発光面に近づいたり遠ざかったりするように動的に調整することが可能である。
【0074】
システムのもう1つの特徴は、
図8に示すように、アレイ全体で解像度を変化させることが可能であるので、リアルタイム演算パワーとネットワーク帯域幅とが、その時点で焦点となっている領域に対して節約されることである。設定されたボリュームの役者830が、ボリュームの奥831からボリュームの中央832へ、そしてボリュームの手前833へ移動するにつれて、高解像度コンテンツの領域は、仮想照明アレイAの左側841から仮想照明アレイBの中央下842へ、そして仮想照明アレイCの右下843へと移動する。
【0075】
図9に示すバーチャルプロダクションシステムは、ディスプレイ、ライト、カメラに加えて、ソース、センサ、およびプロセッサの組合せを含む。これらのシステムは、モーションキャプチャおよび追加の特殊効果作業のために、ボリューム内の役者の正確な位置を追跡することも可能である。このシステムで説明するライトは、これらのシステムに簡単に組み込むことが可能である。ライトはまた、センサ、プロセッサ、リアルタイムコンテンツエンジンを含むこともある。映画およびテレビの制作では、タイミングを管理し、レイテンシを減らす必要がある。ディスプレイと照明システムはすべて、カメラと連動する速度でリフレッシュすることが可能である。また、システム全体で色を制御することもある。光源の色温度とスペクトル分布とは非常に重要で、メタメリズム(反射光が光源のスペクトル成分によって異なること)を避けるために見直されることがある。
【0076】
バーチャルプロダクションシステム900は、壁、天井、床を含むことが可能である発光ダイオードディスプレイ911を含む。このディスプレイシステムは、クライアントが要求するコンテンツ931を生成することが可能である1つ以上のコンピュータ930によって駆動される。このシステムは、別個の制御システム929と、センサデータ921を統合する別個の手段とを有していてもよい。センサ入力は、ボリューム内の追跡装置918から、レンズの動きおよびカメラの位置を追跡するシステム919、マッピングされた照明システムに統合されたセンサ917まで多岐にわたる。一部のセンサデータは、レイテンシを低減し、マッピングされた照明システムの光源916を駆動するコンテンツの全部または一部を生成するために、局所932で使用されてもよい。
【0077】
光源としての照明器具は、様々な方法で装置に組み込むことが可能である。
図10に示すように、設計は異なるタイプの物理的接続に対応する必要があるかもしれない。固定リギングポイント1000は、12mm/1/2”穴によって提供され、これに(図示の)足場クランプ/ガス管部品が取り付けられ、旋回ポイント/パンポイントを可能にすることが可能である。静的吊りフレーム/ヨーク1001は、25mm/1’2”の管状フレームを備えてもよい。このフレーム1001は、本装置のメインシャーシに取り付けることができ、このヨーク1001は、本装置を別の環境で使用可能であるように取り外すことが可能である(以下に示す)。
【0078】
通常ウォッシュライトと呼ばれる照明器具として使用される場合、この装置に防眩放射状バッフル1002を装備することが望ましい場合がある。このバッフル1002は、ビーム状に光を前方に放出するこのタイプの装置でよく見られる軸外照明のグレアを低減する。放射状ファイン1003は、不要な光をできるだけマスキングするように、円形の放射パターンに配置されている。この装置は、およそ4°から+60°を超えるまでの可変光ビームを有することから、周囲のフレーム1002は、可能な限り広い角度で光ビームを遮らないように、30°の角度がつけられている。
【0079】
アンチグレアバッフル1002の中央に位置するのは、ライダー(lidar)センサ1004であってもよい。このセンサ1004は、画像処理エレクトロニクスおよびコンピュータにフィードバックされるマシンビジョンの視点を提供し、このデバイスの照明フィールド内の容積空間を感知する。
【0080】
ポジティブなロックオフノブ1005が
図11に示されており、垂直チルト機能の強固な固定を可能にしている。
図12には、ヨークフレーム内の2つの水平嵌め込み管1006が示されており、使用者のためのキャリーハンドルを提供する。さらに、第2のヨーク主ピボット点1007が設けられており、天井の高さが制限されている場合に使用することが可能である。この第2の枢軸1007は、装置とヨーク1001との間の隙間を減らし、通常の操作では、装置を床に置いて上方に向けることが可能であるように、ヨーク1001を全周旋回させることが可能である。
【0081】
使用の汎用性を高めるために、
図13および
図14に示すように、装置を非一重形式で使用することが望まれる場合がある。リギングフレーム1008を装置に取り付けることが可能である。このフレーム1008は、床取り付け1012または天井取り付け1013のいずれの構成からでも、サイドバイサイドおよびトップトゥボトムスタッキング1011を可能にするように設計された、4つの位置に、正に調整可能な1つのピボット軸リギングポイント1009を提供する。ピボットポイント1009は、正確な位置合わせのためにねじ調整可能であってもよい。このリギングフレームは、最大24個(またはそれ以上/それ以下)の装置のような複数の固定具の重量を支える構造的形態を提供する。このフレームは、既に議論され、
図15および
図6に示されているように、他の装置と相互接続し、カムロックとして知られる1/4回転クイックリリースコネクション1010によって主装置に固定することが可能である。
【0082】
本システムは、
図17および
図18に示すように、パンおよびチルト移動キューブとしての統合にも適している可能性がある一方、キューブ1700の2つの移動軸は、ヨーク1702内のデジタル制御ステッピングモータを介して制御することが可能である。これらのステッピングモータ1703(
図26に露出)の位置は、光学式エンコーダホイール1704(
図26に露出)および赤外線光学スイッチを介して制御および監視することができ、その性質上、モータの正確な位置のフィードバックを送信する。リミットスイッチはモータ駆動機構1705(
図26に露出)の最大範囲に取り付けられており、電源起動時にモータが「ホーム」位置に位置決めできるようになっている。
【0083】
傾斜軸機構の両方は、移動キューブ1700内の内部1706に配置されてもよい。キューブ1700は、公称2mm厚の外殻1707および3mm厚の内部シャーシフレーム1708を有する実質的にアルミニウム設計であってもよい。
【0084】
移動キューブ1700の発光側では、フレーム1709が潜在的な危険から機械的に保護する。4mmのUV安定ポリカーボネート光学的に透明な保護基板1710は、UV安定化された耐スクラッチ性コーティングでさらに強化されている。
【0085】
透明ポリカーボネート基板のすぐ後ろにセットされるのは、液晶ディスプレイ基板1711である。このディスプレイは、少なくとも3500:1の高いコントラスト比を有する。外側(可視)面への偏光フィルタは、アンチグレアヘイズコーティングを提供しないように適合されており、その結果、このLCD閉塞層の光透過率が改善されている。
【0086】
この液晶パネルは、一般に高精細と呼ばれる映像再生を実現するために、960以上のRGB画素の高密度を別の複数の画素で実現している。
【0087】
図19に示す移動ヨークの変形は、パンおよびタイトの両方の遠隔制御属性のためのジンバルマウントを提供し、隠しロック1712を取り付けることが可能である。これらのロック1712は、輸送のための収納を助けるために、ディスプレイをロック位置に固定する。通常の操作では、ロック1712は凹んでいるので、見物人に目立つことはない。
【0088】
本発明の美観を助けるために、キャリーハンドル1713をメインシャーシの外側に配置することができ、固定設置の場合には、これをキャリークレードル1714として取り外すことが可能である。四分の一回転クイックリリースカムロック接続部1715は、サスペンションの目的でオメガブラケットを取り付けることを可能にする。二次サスペンション保護マウント1716は、この金属製クレードルの中央に取り付けられている。
【0089】
パン機構およびチルト機構の両方は、螺旋状の複合ケーブルおよび水冷パイプケーブルハーネス組立体を有し、この複合パイプケーブル組立体1717に優れた歪み保護を提供するように設計されている。この組み合わされたパイプとケーブルのハーネス組立体は、ヨークの枢軸を貫通し、本発明の固定ベースまで貫通するように設計されている。
【0090】
LCDパネルは、移動キューブ1700の内部空気容積の底部1719から頂部1720に流れるように設計された内部閉ループ空気流によって、強化された冷却方法を有することが可能である。
【0091】
アルミニウムパネル1721の内部セットは、固定具の後部からエアギャップを介してフォースエアを案内するように取り付けられている。空気は、LCD基板の背面内向き面を横切って案内される。より暖かい空気は、上部エアギャップ1720を通って取り出され、ファン1722とラジエータ1723との組み合わせ[
図26に詳細]を通って再利用され、そこで輻射熱が取り出された後、再び送られる。内壁は光を反射しない表面で仕上げられているので、間接光は前方に送られず、むしろ内側の立方体の範囲内で吸収される。
【0092】
反射率85%超の
図20の放物面または球面または凹面の高反射リフレクタ1745は、正方形の形状ファクタに設計され、互いに正反対の2つのスライド機構2146に取り付けられている。これらはタイミングベルトとステッピングモータの配置に結合されている。このリフレクタは、光源2147に向かって、または光源から離れる方向に急速に移動するように設計されている。
【0093】
このリフレクタ1745の動きは、
図21の光ビームズーム効果を提供する。このズームは、最も幅の広い60°超から、ほぼ平行なビームまで下がることができ、その後、-60°超まで反転する。放出された光は、光源に対して垂直にコリメートされ、その結果得られる可変幅の光ビームは、実質的に前方に投射され、その性質上、LCD基板1748を通して、ビームを生成し続け、そのビームは、外部コンピュータを介して遠隔で広げたり狭めたりすることが可能である。
【0094】
光源は、LEDと、LEDから熱を奪い、リフレクタとLCDとの間の包絡線から熱を放出するための熱管理システムとを統合した、
図22に示す中央の柱に収められている。
【0095】
LED2324は、放射状パターン2326でヘッドブロックの内面上のくさび形PCB2325に取り付けられ、実質的に1つのまとまった光源2320として動作する。光源内の各セグメントは、複数のLEDパッケージを含む。
【0096】
主LEDアセンブリは、チューブアセンブリマウントの周りに放射状に配置された6つの放射状セグメント2326の各々の電子温度検知を提供する、LED熱源2340の近くに表面実装されたサーミスタを取り付けることが可能である。ヘッドアセンブリの周囲にある機械加工されたリップ2341は、アセンブリの前面から見たときに見えないように、不要な散乱光を受け止める。さらなるライトマスキングにより、さらなるライトコントロールまたは「ゾーニング」が提供される。
【0097】
この発光アセンブリは、マニホールド2342を介して照明器具の残りの部分に接続するカラム2321に接続される。このマニホールドは、照明器具の機械的、電気的、および熱的管理接続を扱う。
【0098】
複数のLEDからなるこの光源は、遠隔コンピュータを介して強度を制御することが可能である。LEDを同心円状に点灯させることで、電子ビームの広狭を調整することもできる。LEDの数が少ないと、光ビームはよりシャープに、より明瞭になる。LEDの数を増やすと、ビームはよりソフトに拡散し、焦点の定まらない光になる。
【0099】
光源の熱管理システムは、
図23のシステムの機械設計に組み込まれる。光は、中央に取り付けられた小さなLED群2334からLCD2301に向かって前方に放射され、LEDのセグメント化されたアレイ2324によってリフレクタ2302に向かって後方に放射される。熱管理は、これら2つのLED群の間に挟まれた材料を介して行われる。このセクションでは、リフレクタに面するアレイ用のLED PCBS2325が、ヘッド前方ブロック2327として知られる機械加工された銅部品に取り付けられる方法を示している。この銅部品2327の後部、つまり内側は、放射状のフィン2328に機械加工され、ヘッド中間ブロック2329は、冷却剤が最も効率的な方法で流れるようにする。これらのフィンは、ケーブルチューブ2379が通過するのに適した空間を提供するように配置されている。ヘッド後方ブロック2330は、冷却剤・システムを密閉するように設計された銅製の部品で、前方を向いたLEDの放熱器として機能する。
【0100】
この液体冷却システムは、その設計上、直接熱伝導によって銅の部品を介して、LEDから熱を直接取り出す。この配置全体は、接合部2331ではんだ付けされ、水密シールを提供する。
【0101】
3/8”BSPスチールチューブ2332が、銅製ヘッドアセンブリにねじ込まれ、このチューブの内側に直径10mmの銅製コネクティングチューブ2333が取り付けられている。このケーブルチューブはダクトとして機能し、電源ケーブルは移動キューブの後部からチューブに沿って送り込まれる。ヘッド後方ブロックの銅部品には、4個の高出力白色LED2334が取り付けられている。
【0102】
LEDヘッドアセンブリは、内側管2333と外側管2332とに取り付けられてもよく、2つの管は、機械的に可動なリフレクタの中心のすぐ後ろに取り付けられたマニホールド2342に取り付けられる。マニホールド2342は、送り(中央)戻り(外管)の関係で、冷却水を両方に方向づける。
【0103】
第2の円錐形状のリフレクタ2335は、
図24にも示すように、メインヘッドアセンブリに取り付けることができ、その性質上、拡散反射光面を提供し、これには、光拡散器として機能するホログラフィックフィルタ2336が取り付けられる。第2の小さいが実質的に幅の広いリフレクタ2337は、組み合わされたリフレクタの円錐形状を継続し、さらに拡散した白色光を提供する。
【0104】
このリフレクタ配置の前面には、
図23に示すように、第2の不透明プラスチックディスク2338が円形の凹型リップ2339に接着されていてもよい。全体的なアセンブリは、主光線を遮るヘッドアセンブリから失われる光を補う拡散バックライトを提供する。これにより、光強度を損なうことなく、LCD基板の表面上に完全な視覚画像が形成される。
【0105】
光源アセンブリは、
図25を、リフレクタとLCDを保持するキャビティの後部1743で固定具に接続する。
【0106】
図26に示すLCDパネル1711は、外部ビデオ信号を管理し、データを局所的に分配し、LCDディスプレイに直流電力を供給する専用ビデオドライバ1718に接続されている。
【0107】
冷却液は、キューブ機械設計内に密封されたLEDアレイからの放射熱の蓄積を低減するために、必要に応じてファン1722を使用して複数のラジエータ1723に通される。
【0108】
図27の閉ループ冷却システム/熱管理システム2700は、LCDディスプレイ2702、LED光源2703、および光反射体2705の周囲に存在する閉じた容積2701から熱を除去する液体冷却剤設計に基づいている。液体冷却システムは、内部ラジエータとファン2706とによって補助される。システムはマニホールド2704で接続され、膨張容器2707を含み、どのような装置でも動作するように設計されている。
【0109】
システムは、熱センサ2708、ホール効果流量センサ2710、およびポンプ2709を含む。システムは、可視流量インジケータ2711も含むことが可能である。システムを充電するためのクイックリリースコネクタ2712が含まれる。
【0110】
システムは、システムから熱2716を除去するために必要なラジエータ2713の配置を含み、システム内に冷気2715を引き込むために必要な開口部2714を含む。
【0111】
冷却剤は、冷却剤の凝固点を氷点下まで下げる添加剤を有することが可能である。この実施形態では、凝固点-20°のエタノールを、水と冷却剤添加剤の比率を5:1にして使用している。冷却剤添加剤と水と冷却剤の比率を変えることで、より低い温度を実現できる。
【0112】
図28のエレクトロニクスシステムは、システムのコア内に遠隔監視装置とセンシング装置とを有するように設計されている。冷却液流量2856、冷却液温度2857、LCDディスプレイ温度2880、電源感知2858、周囲温度2859、内部周囲温度2860。LED温度センサ2881、ベースボックスの気流速度2861、信号2862、パン、チルトおよびズームを含むすべてのステッパモータ属性用の光学式エンコーダ2863、スイッチング物理的エクステント2882、バッテリーセンス2879、ショック・センス2883。すべてのセンサは、内部CPU2864を介して処理される。
【0113】
すべての内部パラメータは、このグラフィカルユーザインタフェースから調整される。
【0114】
主電源が故障した場合、15分またはそれ以下の中断されない電力を提供するように設計されたユニバーサルバッテリバックアップが提供され得る。このユニバーサルバッテリバックアップは、イーサネットとDMXデータフローと共に内部CPUの通電を維持し、内部故障コードをリモートコンピュータとアンドロイドとiOSとの両方のオペレーティングシステムで動作するリモートアプリケーションに送信することが可能である。この情報はすべて、メーカ本社にもリモートで送信され、通常動作のより詳細な分析を監視することが可能である。
【0115】
各照明器具は、
図29に示すように、内部および外部で生成されたソースの組合せを管理するコンテンツ管理のための内部演算システムを有することが可能である。外部ソースは、ディスプレイプロセッサ2902に接続されるメディアサーバ2901であってもよい。ディスプレイプロセッサは、システム全体が単一の表示領域としてサーバに表示されるプライマリビデオ接続として機能する。このシステムは、プロセッサ上で局所的に、またはラップトップまたはiPadなどの外部コンピュータ2903を介して構成することが可能である。プロセッサから照明システムへの接続は、RJ45コネクタの器具2910で終端するネットワークケーブルであってもよい。そして,システムは,ネットワークケーブルが次の照明器具にデイジーチェーン接続可能であるようにして,多数の照明器具を1つの表示領域の一部として構成できるようにしてもよい。この情報は、照明器具内の受信カード2904によって解凍される。このカードは、表示領域の一部を取り出し、照明2905の制御システムに出力する。この制御システムは、NVIDIA Jetsonのようなマシンビジョンおよびコンピューティングに最適化されたコンピュータであってもよい。このシステムは、低レイテンシで局所的に生成されたエフェクトを作成するために、ライダー(Lidar)または他の適切なマッピングシステムからセンサデータ2906を取り込んでもよい。この出力は、LCDパネル2920への最終出力において、レシーバカード2904からのデータと統合されてもよい。サーボおよび光源も、この演算システム2907から制御することが可能である。
【0116】
リモートで生成されたコンテンツ2930は、受信機カード2904を介してマッピングされた光に供給され、局所的にホストされた演算2905に取り込まれる。コンテンツは、通常、毎秒24フレームから60フレームで供給される。受信機カード2904は、システムの他の部分とマッピングされた光の出力に同期するクロック信号2931を計算システム2905に配信する。
【0117】
図30は、ダイナミックマスクの構成要素を示す。LEDウォール3011および役者3002を含む動的環境3001におけるマッピングされた照明器具は、役者のための光をLEDウォールまたは床3005のための光から分離することが要求され得る。
【0118】
これを行うには、光は、マッピングされた照明器具3020の視点から、役者のためのリアルタイムマスクを生成する必要がある。このマスクによって、役者3021にマッピングされたコンテンツと、役者3022の周囲にマッピングされたコンテンツの作成が可能になる。これには、壁および床、または床および舞台上にある物理的な背景要素との間の追加の分離が含まれ得る。これらの要素は、3030と一緒に合成され、マッピングされた光から出力される。
【0119】
LEDウォール3011は、ポストプロダクションで使用されるインターリーブされたブルーまたはグリーンフレームを含むコンテンツ3006を含むことが可能である。マッピングされた光は、これらの表示と同期させることが可能である。
【0120】
図31は、ダイナミックマスクのプロセスを示す。動いている人物にマッピングされたコンテンツは、カメラのフレームレートを大幅に上回るフレームレートで処理されるのが理想的である。ライトの出力は、毎秒24、29.97、30フレームを含む一般的なカメラのフレームレートの倍数で動作している場合、カメラと同期させることが可能である。
図31は、480Hz3010を使用し、被写体3002が、マッピングされたライト3041に取り付けられたセンサ3040によってマッピングされたワークフローの単純化されたバージョンを示している。センサデータ3042は、マスク3020を生成するために使用され、テクスチャマップ3021と合成されて、合成されたマスク3030を含む最終出力3043が作成される。これを局所的に合成することにより、動的に変化するマスクは480Hz3010で被写体を追跡することができ、一方、マスクの内外に挿入されるデータはより低いフレームレートで更新することが可能である。
【0121】
マッピングされた光に対する合成システムの出力は、システムの他の部分2931と同期される。
【0122】
図32は、光源3201とカラーマスク3211の特性とを知ることによって各ユニット3200を較正できる較正の詳細を示す。光源の色温度を追跡するために、センサを各マッピングされた照明器具3250に含めることが可能である。そして、光フィルタの色特性は製造時に固定される。また、照明システムを製造するために使用される部品および工程における自然偏差を最小化するために、閉ループシステムを介してユニットを較正することも可能である。
【0123】
閉ループシステムは、ビーム角3206が製造されるすべての照明器具に対して一貫した方法でスクリーン表面を満たすように、マッピングされた照明システム3200を中立拡散スクリーン表面3232に対して一定の距離3205に配置する。
【0124】
マッピングされた照明システム3212からの光は、スクリーン材料によって拡散され、暗い非反射体積3213へと続く。この光は、測色計3252と輝度計3251によって測定される。このようなシステムの一部としてデジタル一眼レフカメラを使用することも可能である。この情報は、マッピングされた照明システムに保存されるプロファイル3241を作成する処理コンピュータに送られる。
【0125】
上述の実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者であれば、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更または修正を加えることが可能であることを理解することが可能である。
【国際調査報告】