(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】冷媒流体
(51)【国際特許分類】
C09K 5/04 20060101AFI20240220BHJP
F25B 1/00 20060101ALI20240220BHJP
【FI】
C09K5/04 E
C09K5/04 A
F25B1/00 396U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549011
(86)(22)【出願日】2022-02-09
(85)【翻訳文提出日】2023-10-11
(86)【国際出願番号】 IB2022051163
(87)【国際公開番号】W WO2022175787
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021000003530
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517203615
【氏名又は名称】アンジェラントーニ テスト テクノロジーズ ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ イン ショート エイティーティー ソチエタ レスポンサビリタ リミタータ
(74)【代理人】
【識別番号】110003292
【氏名又は名称】弁理士法人三栄国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリツィオ パラビ
(72)【発明者】
【氏名】フィリッポ カポダリオ
(57)【要約】
ガス混合物を含んでなる冷凍装置(10)用の冷媒流体。前記ガス混合物は、少なくとも二酸化炭素、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、及びジフルオロメタンを含んでなり、二酸化炭素は全混合物について50~69%の質量百分率を有し、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について22.1~42%の質量百分率を有し、ジフルオロメタンは全混合物について7~13%の質量百分率を有することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス混合物を含んでなる冷凍装置(10)用の冷媒流体であって、前記ガス混合物は、少なくとも二酸化炭素、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、及びジフルオロメタンを含んでなり、二酸化炭素は全混合物について50~69%の質量百分率を有し、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について22.1~42%の質量百分率を有し、ジフルオロメタンは全混合物について7~13%の質量百分率を有することを特徴とする冷媒流体。
【請求項2】
二酸化炭素が混合物の57~63%、好ましくは60%の質量百分率を有することを特徴とする請求項1に記載の冷媒流体。
【請求項3】
1,1,1,2-テトラフルオロエタンが全混合物について27~33%、好ましくは30%の質量百分率を有することを特徴とする請求項2に記載の冷媒流体。
【請求項4】
二酸化炭素が混合物の63~69%、好ましくは66%の質量百分率を有することを特徴とする請求項1に記載の冷媒流体。
【請求項5】
1,1,1,2-テトラフルオロエタンが全混合物について22.1~27%、好ましくは24%の質量百分率を有することを特徴とする請求項4に記載の冷媒流体。
【請求項6】
二酸化炭素が混合物の51~57%、好ましくは54%の質量百分率を有することを特徴とする請求項1に記載の冷媒流体。
【請求項7】
1,1,1,2-テトラフルオロエタンが全混合物について33~42%、好ましくは36%の質量百分率を有することを特徴とする請求項6に記載の冷媒流体。
【請求項8】
内部を冷媒流体が循環する閉鎖回路(C)を有する冷凍装置(10)を備えた冷凍機(1)であって、前記閉鎖回路(C)は、少なくとも1の圧縮機(2)、前記冷媒流体用の冷却装置(3)、前記冷媒流体用の膨張手段(4)、及び少なくとも1の蒸発器(5)を含んでなり、請求項1~7のいずれかに記載の前記冷媒流体が前記閉鎖回路(C)内を循環することを特徴とする冷凍機(1)。
【請求項9】
内部を第2の冷媒流体が循環する第2の閉鎖回路(C1)を有する第2の冷凍装置(15)を含んでなり、前記第2の閉鎖回路(C1)は、少なくとも1の第2の圧縮機(21)、前記第2の冷媒流体用の第2の冷却手段(31)、前記第2の冷媒流体用の第2の膨張手段(41)、及び少なくとも1の第2の蒸発器(51)を具備し、前記少なくとも1の第2の蒸発器は、閉鎖回路(C)の冷却手段(3)内を循環する冷媒流体を冷却するために使用され及び前記第2の冷媒流体は冷媒流体とは異なるものであることを特徴とする請求項8に記載の冷凍機(1)。
【請求項10】
第2の冷媒流体がR404A、又はR449A、又はR452A又は同様の熱力学的特性を有する他の冷媒流体を含んでなるものである請求項9に記載の冷凍機(1)。
【請求項11】
内部に被験試料(22)が挿入され、請求項8~10のいずれかに記載の冷凍機(1)を含んでなる環境管理試験室(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冷媒流体に係る。特に、このような冷媒流体は、環境管理された試験室内で作動する冷凍装置において使用される。このような試験室は内部に絶縁された空間を有し、その内部に、テストされる機械体が各種の温度、湿度及び圧力条件下で挿入される。このような絶縁された空間では、しばしば、極めて低い温度、-60℃以下にも達することが必要である。
【背景技術】
【0002】
法規定によれば、冷媒流体は大気中のオゾンホールの拡大又は地球温暖化に顕著に寄与するものであってはならないことは知られている。従って、ハロゲン化化合物、特に、フッ素化ガス又は塩素化物質は、もはや冷媒として使用できない。さらに、冷凍装置において使用される冷媒は、順守されなければならない安全規定の観点から、充填、輸送、及び試験室の作動を容易かつ安全なものとするように不燃性でなければならない。さらに、可燃性の冷媒が使用される際には、このようなケースで要求される技術的対策のため、冷凍装置内における回路(その内部を冷媒流体が流動する)の製造はより高価になる。これに関連して、可燃性であることは、冷媒が大気中の酸素と反応して熱を発生させることを意味する。冷媒が規則EN378又はDin378に従って燃焼クラスA2L、A2及びA3Cに該当する場合には、その冷媒は可燃性である。
【0003】
また、冷媒は比較的低いCO2換算値を有していなければならない。実際問題として、冷媒が放出される場合の環境への間接的なダメージを回避するために、相対的地球温暖化力又はGWPはできる限り低いものでなければならない。GWPは、地球温暖化に寄与する温室効果ガスの規定量を評価する。このような値は、二酸化炭素を基準とみなすことによって確立されたものであり、従って基準値である。それ故、GWPは、所定のガス又はガス混合物の特定の期間間隔(この場合では100年)評価で平均の温暖化効果を表す。CO2換算値又関連するGWPの定義について、本明細書では、欧州議会及び理事会の(EU)規定No. 517/2014を参照する。
【0004】
上述の検討を参照して、低いGWPを有し、可燃性ではない冷媒流体が開発されてきた。
【0005】
この点について、中でも、二酸化炭素、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(又はR134aとしても知られている)及びジフルオロメタン(又はR32として知られている)を採用した冷媒流体が知られている。
【0006】
特に、Imperial Chemical Industries PLC名義の国際公開第96/02606号は、第1の具体例によれば、全混合物について、二酸化炭素2~15質量%、R134a30~96質量%、及びR322~55質量%を含有する混合物を記載している。同文献の他の具体例によれば、混合物は、全混合物について、二酸化炭素1~20質量%、R134a5~60質量%、及びR3230~90質量%を含有する。
【0007】
Clodic Devisら名義の国際公開第00/66678号も、二酸化炭素、R134a、及びR32を含んでなる混合物を記載している。しかし、この文献では冷媒混合物は、全混合物について、二酸化炭素3~7質量%、R134a65~75質量%、及びR3215~25質量%を含有する。
【0008】
さらに、ダイキン工業(株)名義の特開平08-67870は、二酸化炭素、R32及びR134aを、総質量について、二酸化炭素1~3質量%、R3225~35質量%、及びR134a74~62質量%で含んでなる混合物によって構成される冷媒流体を記載している。
【0009】
最後に、昭和電工(株)名義の特開平06-220435は、二酸化炭素、R32及びR134aを含んでなる他の冷媒流体を記載している。この日本文献に記載された1具体例では、R32、R134a及び二酸化炭素は、全混合物について、それぞれ、5.70質量%、89.47質量%及び4.82質量%の質量百分率を有する。
【0010】
上述の混合物は、一般的な装置で作動可能であり、極めて低いGWPを有し、不燃性であるが、それにもかかわらず、被験構成要素が置かれる試験室の絶縁空間内において-50℃以下の温度には達することができない。
【0011】
二酸化炭素及びペンタフルオロエタン(R125)によって構成される冷媒流体の異なる混合物も存在する。例えば、WEISS UMWELTTECHNIK GMBH名義の米国特許出願公開第2019/0093926号は、まさしく、二酸化炭素及びペンタフルオロエタン(R125)によって構成され、二酸化炭素の質量分率が20~80%である冷媒を記載している。しかし、このような溶液は、技術的に-57℃以下の温度には達することができないだけでなく、高いGWPを有する。さらに、このような混合物は、極めて低い温度が要求される場合には、冷凍装置の回路内で凍結する恐れがあり、このように冷凍装置が設置される完全環境管理試験室に対して甚大な問題をもたらす。
【0012】
本出願人名義の国際出願PCT/IB2020/062008は、同様に、少なくとも二酸化炭素、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(R134a)及びジフルオロメタン(R32)を含んでなり、全混合物について、二酸化炭素は50%以上の質量百分率を有するガス混合物からなる冷媒ガスを記載している。発明の特別な具体例によれば、二酸化炭素は、混合物の50~75%、好ましくは69%の質量百分率を有する。さらに、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは、全混合物について12.5~22%、好ましくは19%の質量百分率を有し、ジフルオロメタンは、全混合物について9~19%、好ましくは12%の質量百分率を有する。
【0013】
この混合物は、他と比較して、良好に-57℃の温度に達することができ、-78℃にも達することができ、非常に低いGWPを有する(すなわち、100年間評価で380未満である)が、しかし、より低い温度、すなわち、-78℃以下に達することが要求されるいくつかの用途では、この要求を満足できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、特に、二酸化炭素、ジフルオロメタン及び1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含有し、環境管理試験室内で、-78℃以下の温度に達することができる冷媒流体を製造することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、不燃性であり、いかなる場合にも非常に低いGWP値を有し、本出願人の名義の国際出願PCT/IB2020/062008において得られる混合物に匹敵する冷媒混合物を製造することにある。
【0016】
さらに、本発明の目的は、これまで、環境管理試験室に存在する冷凍装置(-78℃以下の温度に達することが望まれる)において使用されていたR23ガスを交換することができ、同時に、非常に低いGWPによって特徴づけられる冷媒を同定することにある。
【0017】
最後に、本発明の目的は、既存の環境管理試験室において使用される冷凍装置おいて循環でき(ここに設置された冷凍装置について変更することを必要とすることなく)、それどころか、低段圧縮機の吐き出し温度の低減を達成し、冷凍ユニットの冷却能が増大されることを可能にする冷媒流体を製造することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの及び他の目的は、ガス混合物を含んでなる冷凍装置用の冷媒流体であって、前記ガス混合物は、少なくとも二酸化炭素、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(又はR134a)、及びジフルオロメタン(又はR32)を含んでなり、二酸化炭素は全混合物について50~69%の質量百分率を有し、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(又はR134a)は全混合物について22.1~42%の質量百分率を有し、ジフルオロメタン(又はR32)は全混合物について7~13%の質量百分率を有することを特徴とする冷媒流体によって達成される。
【0019】
発明者らは、国際出願PCT/IB2020/062008に記載された冷媒流体に対して、最終の冷媒流体において、より多い量の1,1,1,2-テトラフルオロエタン(又はR134a)が存在することにより、低段圧縮機の吐き出し温度を20%以上低下させ、同時に、-60℃以下の蒸発の冷凍ユニットの冷却能を10%以上増大させることが可能になるとの知見を得た。さらに、上記の溶液は、国際出願PCT/IB2020/062008に記載された好ましい溶液に対して、使用する1,1,1,2-テトラフルオロエタンの百分率が増大されているため、冷媒による達成可能な最低温度は-78℃よりも高いはずであるとの技術的偏見を克服し、他方では、環境管理試験室における温度が-78℃以下に達し、さらには-85~-90℃の温度(混合物において使用する1,1,1,2-テトラフルオロエタンの異なる濃度に左右される)にも達することを可能にし、それでもなお、非常に低いGWPによって特徴付けられるものであるとの知見を得た。
【0020】
本発明の第1の具体例によれば、二酸化炭素は全混合物について57~63%、好ましくは60%の質量百分率を有する。さらに、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について27~33%、好ましくは30%の質量百分率を有する。
【0021】
このような溶液は、100年間評価で497.1のGWPを有する。
【0022】
本発明の他の具体例によれば、二酸化炭素は全混合物について63~69%、好ましくは66%の質量百分率を有する。この場合、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について22.1~27%、好ましくは24%の質量百分率を有する。
【0023】
このような溶液は、100年間評価で411.36のGWPを有する。
【0024】
本発明の第3の具体例によれば、二酸化炭素は全混合物について51~57%、好ましくは54%の質量百分率を有する。この具体例では、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について33~42%、好ましくは36%の質量百分率を有する。
【0025】
このような溶液は、100年間評価で582.84のGWPを有する。
【0026】
要するに、上記の3つの溶液の100年間評価のGWPは、本出願人名義の国際出願PCT/IB2020/062008に記載された溶液よりもほんのわずか高いが、この混合物と比べて、上記の溶液は-78℃以下の温度に達することが可能である。
【0027】
さらに、本発明は、冷媒流体が循環する閉鎖回路を有する冷凍装置を備えた冷凍機を提供するものであり、前記閉鎖回路は、少なくとも1の圧縮機、前記冷媒流体用の冷却手段、前記冷媒流体用の膨張手段、及び少なくとも1の蒸発器を備えており、請求項1~7の1以上による冷媒流体が前記閉鎖回路を循環することを特徴とする。
【0028】
さらに、このような冷凍機は、第2の冷媒流体が循環する第2の閉鎖回路を有する第2の冷凍装置を含んでなり;第2の閉鎖回路は、少なくとも1の第2の圧縮機、第2の冷媒流体用の第2の冷却手段、第2の冷媒流体用の第2の膨張手段、及び少なくとも1の第2の蒸発器を備えており、少なくとも1の第2の蒸発器は、閉鎖回路の冷却手段内を循環する冷媒流体を冷却するために使用され、第2の冷媒流体は前記冷媒流体とは異なっている。特に、好ましくは、第2の冷媒流体は、R404A、又はR449A、又はR452A、又は同様の熱力学的特性を有する、特に、室温に近い温度で凝縮することができる他の冷媒を含んでなる。
【0029】
最後に、被験試料が挿入される断熱空間を有し、及び請求項8~10の1以上による冷凍機を含んでなる環境管理試験室も提供される。
【0030】
次に、添付の
図1を参照して、本発明のいくつかの特別な具体例を非限定的な例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】被験試料が配置される絶縁空間を備えた環境管理試験室の冷凍機の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1には、その内部を冷媒流体が循環する閉鎖回路Cを有する冷凍装置10を備えた冷凍機1が簡略化して示されている。閉鎖回路Cは、主圧縮機2、冷媒流体用の少なくとも1の冷却装置3(冷媒流体が相変化する場合は、凝縮器としても知られている)、冷媒流体用の少なくとも1の膨張手段4、及び蒸発器5を含んでなる。膨張手段4は、特定のケースでは、サーモスタットタイプの膨張弁を含んでなり、他の具体例では、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、毛細管ライン又は他の機構を含んでなることができる。
【0033】
冷凍機1は、さらに、その内部を第2の冷媒流体が循環する第2の閉鎖回路C1を有する第2の冷凍装置15を含んでなる。このような第2の閉鎖回路C1は、第2の圧縮機21、第2の冷媒流体用の第2の冷却手段31、第2の冷媒流体用の第2の膨張手段41、及び第2の蒸発器51を備えている。本明細書に記載の具体例によれば、第2の蒸発器51は、冷凍装置10の閉鎖回路Cの冷却手段3内を循環する冷媒流体を冷却及び/又は凝縮するために使用される。実際に、冷凍機1は、カスケード化された2つの冷凍装置10及び15を含んでなる。
【0034】
このような冷凍機1は、公知のタイプ(本明細書では詳細には説明しておらず、又は添付の図においても詳述していない)の環境管理試験(又は検査)室20で使用される。このような室20は、断熱空間21(ここには、テストを受ける機械的試料22が各種の環境条件下で置かれる)を備えている。
【0035】
有利なことに、第2の冷媒流体は、冷凍装置10の閉鎖回路Cにおいて循環する冷媒流体とは異なり、好ましくはR404Aを含んでなる。R404Aの代替として、このような第2冷媒流体は、R449A、又はR452A、又は同様の熱力学的特性を有する他の冷媒も含んでなることもできる
【0036】
本発明による冷媒流体(冷凍装置10において、殊に閉鎖回路C内で作動する)はガス混合物を含んでなる。このようなガス混合物は、少なくとも二酸化炭素、1,1,1,2-テトラフルオロエタン、及びジフルオロメタンを含んでなり、二酸化炭素は全混合物について50~69%の質量百分率を有し、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について22.1~42%の質量百分率を有し、ジフルオロメタンは全混合物について7~13%の質量百分率を有する。
【0037】
第1の具体例によれば、二酸化炭素は混合物の57~63%、好ましくは60%の質量百分率を有する。さらに、本発明のこの第1の具体例によれば、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について27~33%、好ましくは30%の質量百分率を有する。
【0038】
第1の具体例の特定の混合物によれば、混合物は、全混合物について、60%の質量百分率を有する二酸化炭素は、30%の質量百分率を有する1,1,1,2-テトラフルオロエタン、及び10%の質量百分率を有するジフルオロメタンを含んでなる。
【0039】
本発明の第2の具体例によれば、二酸化炭素は全混合物について63~69%、好ましくは66%の質量百分率を有する。1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について22.1~27%、好ましくは24%の質量百分率を有する。
【0040】
このように、第2の具体例の特定の混合物によれば、全混合物について、二酸化炭素は66%の質量百分率を有し、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは24%の質量百分率を有し、及びジフルオロメタンは10%の質量百分率を有する。
【0041】
最後に、本発明の第3の具体例によれば、二酸化炭素は混合物の51~57%、好ましくは54%の質量百分率を有する。さらに、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは全混合物について33~42%、好ましくは36%の質量百分率を有する。
【0042】
このように、第3の具体例の特定の混合物によれば、全混合物について、二酸化炭素は54%の質量百分率を有し、1,1,1,2-テトラフルオロエタンは36%の質量百分率を有し、及びジフルオロメタンは10%の質量百分率を有する。
【0043】
冷媒混合物の上述の組成物は不燃性であるとの知見を得た。
【0044】
発明者らは、このような冷媒流体の生成物は、環境管理試験室20の絶縁空間21を-57℃以下の温度に達するができ、さらに、使用する特別な混合物に応じて、-85~-90℃の温度に低下させることもできるとの知見を得た。さらに、このようにして得られる冷媒流体は非常に低いGWP値、すなわち、100年評価で600以下を有する。最後に、このような冷媒流体はオゾンホールの拡大に寄与しない。
【国際調査報告】