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特表2024-508748カテーテル牽引装置、システム、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】カテーテル牽引装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/08 20060101AFI20240220BHJP
【FI】
A61M25/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549554
(86)(22)【出願日】2022-02-16
(85)【翻訳文提出日】2023-10-03
(86)【国際出願番号】 US2022016518
(87)【国際公開番号】W WO2022177932
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】63/149,988
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ラッキー
(72)【発明者】
【氏名】メーガン シューリッヒ
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ホップウッド
(72)【発明者】
【氏名】ウェストン エフ.ハーディング
(72)【発明者】
【氏名】カーティス エイチ.ブランチャード
(72)【発明者】
【氏名】ジョナサン カール バークホルツ
(72)【発明者】
【氏名】イーピン マー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン ジー.ホーティン
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA04
4C267AA32
4C267BB51
4C267CC08
4C267EE01
4C267HH08
(57)【要約】
静脈内カテーテルを牽引するためのカテーテル牽引システム。カテーテル牽引システムは、回転装置と延長部材を含んでもよい。延長部材は、回転装置から延びていてカテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよい。回転装置の作動に応答して、延長部材は、カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静脈内カテーテルに牽引力を加えるためのカテーテル牽引システムであって、前記カテーテル牽引システムが、
回転装置、及び
前記回転装置から延びていてカテーテルアセンブリに結合するように構成された延長部材、を備え、前記回転装置の作動に応答して、前記延長部材が前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されている、カテーテル牽引システム。
【請求項2】
前記回転装置が、
基部、溝、及び
ペグを備えた回転要素、を備え、前記回転要素が前記基部に対して回転するように構成され、前記ペグが前記溝内に押し込まれることに応答して、前記基部に対する前記回転要素の回転が減少され、前記基部に対する前記回転要素の回転に応答して、前記延長部材が前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されている、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項3】
前記溝が前記基部内に配置されている、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項4】
前記溝が円形である、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項5】
前記溝がC字形状である、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項6】
前記ペグが前記溝内に配置され、前記ペグが前記溝内に押し込まれることに応答して前記ペグとの干渉嵌めを形成するために、前記溝の外部分が前記溝の内部分よりも狭い、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項7】
前記溝が前記基部に配置され、前記回転要素がディスク形状本体を備え、前記ペグが前記ディスク形状本体の底部から下向きに延びている、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項8】
前記回転装置が、前記基部を覆う蓋を更に備え、前記溝が前記蓋内に配置されている、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項9】
前記回転要素がディスク形状本体を備え、前記ペグがディスク形状本体の頂部から上向きに延びている、請求項8に記載のカテーテルシステム。
【請求項10】
前記回転装置が、前記基部に結合された蓋を更に備え、前記回転要素が、前記蓋を通って延びる首部分を備え、前記蓋が前記溝に前記ペグを保持する、請求項2に記載の牽引システム。
【請求項11】
前記溝が複数のノッチを備え、前記ペグが前記複数のノッチ内に押し込まれることに応答して、前記基部に対する前記回転要素の回転が減少される、請求項2に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項12】
前記回転装置が、
基部であって、開口部、切り欠き、及び従属部分を備え、前記開口部が従属部分によって前記切り欠きから間隔を空けられており、前記従属部分が第1の形状を備える、基部、
前記開口部内に配置されて前記基部に対して回転するように構成された回転要素であって、前記回転要素の外縁が、前記第1の形状に対して相補的な第2の形状を備えていて、前記第1の形状内に嵌め合うように構成され、前記第2の形状が前記第1の形状内に配置されることに応答して、前記基部に対する前記回転要素の回転が低減され、前記基部に対する前記回転要素の回転に応答して、前記延長部材が前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されている、回転要素、
を備える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項13】
前記回転装置が、
基部であって、シャフトを備え、外面又は前記シャフトが複数の歯を備える、基部、
回転要素であって、スロットを備える、回転要素、
前記回転要素の前記スロット内に配置されていて、開口部を備えるタブであって、前記シャフトが前記開口部を通って延びており、前記開口部の縁が複数の他の歯を備える、タブ、及び
前記回転要素の内面と前記タブとの間の前記スロット内に配置されたバネであって、前記バネが前記タブを第1の位置に付勢し、前記タブが前記第1の位置にあることに応答して、前記複数の歯が前記複数の他の歯と係合され、前記バネの圧縮及び前記タブが第2の位置にあることに応答して、前記複数の歯が前記複数の歯と係合せず、前記回転要素が前記基部に対して回転するように構成されており、前記基部に対する前記回転要素の回転に応答して、前記延長部材が前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されている、バネ、
を備える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項14】
前記回転装置が、
ラチェットであって、歯車と爪を備え、前記延長部材が前記ラチェットに結合されており、前記歯車の回転に応答して、前記延長部材が前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されている、ラチェット、
を備える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項15】
前記回転装置が、
基部であって、前記歯車と前記爪が前記基部に載置されている、基部、及び
前記歯車から上向きに延びるハンドル、
を更に備える、請求項14に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項16】
前記延長部材が、前記ハンドルの周りに巻き付けられている、請求項15に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項17】
前記延長部材が剛性である、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項18】
前記延長部材が可撓性である、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項19】
前記回転装置が、
複数のプリセット位置の間で軸の周りに回転するように構成された回転要素、
前記延長部材の末端端部に配置されたコネクタであって、前記コネクタは前記カテーテルアセンブリに結合するように構成されている、コネクタ、
前記延長部材の前記末端端部と前記コネクタとの間に配置されたピボットポイント、及び
延長部材の基端端部と回転要素との間に配置された別のピボットポイント;を備える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項20】
前記回転装置が切断部分を備え、前記切断部分が扇部とチャネルを備え、前記延長部材が可撓性であって前記切断部分の前記チャネル内に固定され、前記回転装置の回転に応答して、前記延長部材が前記扇部の縁部に接触して前記カテーテルアセンブリに牽引力を加える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項21】
前記延長部材の末端端部に配置されて前記カテーテルアセンブリに結合するように構成されたバネホースクランプを更に備える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項22】
前記延長部材の末端端部に配置されたコネクタを更に備え、前記コネクタが、ハウジング、前記ハウジング内に押し下げ可能なボタン、及び前記ハウジングの内面と前記ボタンとの間に配置されたバネを備え、前記ボタンがアームを備え、前記ハウジングが別のアームを備え、前記アームと前記別のアームとが、前記カテーテルアセンブリを把持するように構成された口部を形成し、前記バネが、前記口部が閉鎖された第1の位置に前記ボタンを付勢し、前記第1の位置から第2の位置への前記ボタンの押し下げが前記口部を開放する、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項23】
前記延長部材の末端端部に配置されていて前記カテーテルアセンブリ上にスナップ止めされるように構成されたコネクタを更に備える、請求項1に記載のカテーテル牽引システム。
【請求項24】
カテーテルアセンブリに牽引力を加える方法であって、前記方法が、
係留装置を患者及びカテーテルアセンブリに結合することであって、前記係留装置が、
基部、
前記基部に結合されたハウジング、
前記ハウジング内に押し下げ可能なボタン、
前記ハウジングの内面と前記ボタンとの間に配置されたバネであって、前記バネが前記ボタンを第1の位置に付勢し、前記ボタンが貫通穴を備え、前記ハウジングが2つの他の穴を備える、バネ、及び
前記穴と前記2つの他の穴を通って延びる係留部であって、前記ボタンが前記第1の位置にあることに応答して、前記係留部が前記係留装置内にロックされ、前記ボタンが前記第1の位置から第2の位置に押し下げられることに応答して、前記係留部が前記係留装置を通って引っ張られるように構成される、係留部、を備えること、
前記ボタンを押し、前記ボタンが押されている間に、前記係留部を前記係留装置を通して基端に引っ張って、前記係留部が前記係留装置と前記カテーテルアセンブリとの間で張った状態となるようになっていること、
前記係留装置を通って基端に前記係留部を引っ張った後に前記ボタンを解放して、前記係留装置と前記カテーテルアセンブリとの間の前記係留部が張った状態となり、前記ボタンを解放することに応答して、前記係留部が前記係留装置内にロックされること、及び
前記ボタンを解放することに応答して、前記基部を基端に移動させ、前記基部を基端に移動させることに応答して、前記係留部は前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えること、
を含む、方法。
【請求項25】
カテーテルアセンブリに牽引力を加える方法であって、前記方法が、
係留装置をカテーテルアセンブリに結合することであって、前記係留装置が、
複数の穴を備えた基部、
係留部であって、前記係留部の基端端部が前記複数の穴内に嵌め合うように構成されたペグを備える、係留部、を備えること、及び
前記複数の穴の第1の穴から前記複数の穴の第2の穴へ前記ペグを移動させることであって、前記複数の穴の第1の穴が前記複数の穴の第2の穴に対して基端であり、前記複数の穴の前記第1の穴から前記複数の穴の第2の穴へ前記ペグを移動させることに応答して、前記係留部が前記カテーテルアセンブリに牽引力を加えること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2021年2月16日に出願された「カテーテル牽引装置、システム、及び方法」と題する米国仮出願シリアル番号第63/149,988号の優先権を主張し、その開示全体が参照によりここに組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
背景
カテーテルは、患者の血管系に流体を注入するために一般的に使用される。例えば、カテーテルは、通常の生理食塩水、様々な医薬品、又は全非経口栄養を注入するために使用されることがある。カテーテルはまた、患者から血液を抜き取るためにも使用されることがある。
【0003】
カテーテルは、オーバー・ザ・ニードル末梢静脈内(「IV」)カテーテルを含んでもよい。この場合、カテーテルは鋭利な末端先端を有する導入針の上に載置されてもよい。カテーテルと導入針は、導入針の末端先端がカテーテルの末端先端を越えて延びて、針のベベルが患者の皮膚から離れて上を向くように組み立てられてもよい。カテーテルと導入針は全体として皮膚から患者の血管系に浅い角度で挿入される。
【0004】
導入針及び/又はカテーテルが血管内に適切に配置されていることを確認するために、施術者は一般にフラッシュバックチャンバ内で血液の「フラッシュバック」があることを確認する。導入針の配置が確認された後、施術者は導入針を抜去し、カテーテルを将来の血液引出し又は流体注入のために所定の位置に残してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
規定時間を超えると、カテーテルの先端は、フィブリン鞘、血栓、静脈壁や弁の存在により、閉塞されることになり得る。閉塞は、注入及び/又は血液採取のためのカテーテルの機能性を制限し得る。ここで請求される主題は、欠点を解決する実施形態や、上述したような動作が可能な実施形態に限定されるものではない。むしろ、この背景は、ここに記載されるいくつかの実施形態が実施されてもよい一例の技術領域を例示するために提供されるに過ぎない。
【0006】
本開示は、一般に、カテーテル牽引装置、システム、及びカテーテルへ牽引力を加えることを容易にする方法に関する。場合によっては、末梢静脈内カテーテル、正中線カテーテル、又は末梢挿入型中心カテーテルなどのカテーテルは、フィブリン鞘、血栓、又は静脈壁もしくは弁の存在により、カテーテルの先端で閉塞され得る。閉塞は、輸液及び/又は採血のためのカテーテルの機能を制限し得る。一部の実施形態では、牽引力がカテーテルの先端部に加えられて先端部を静脈内に再位置付けし、これが閉塞を軽減して血液採取の成功を容易にしてもよい。一部の実施形態では、牽引力を加えることは、カテーテルを基端方向に引っ張ることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、牽引力はカテーテルアセンブリの移動によってカテーテルに加えられてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル牽引システムは、回転移動用してカテーテル先端に牽引力を加えてもよく、それによりカテーテルを通る流体経路を開くことで血液採取及び注入を容易にしてもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、静脈カテーテルに牽引力を加えるためのカテーテル牽引システムは、回転装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル牽引システムは延長部材を含んでもよく、これは回転装置から延びていてもよく、カテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置の作動に応答して、延長部材はカテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。一部の実施形態では、延長部材は剛性であってもよい。他の実施形態では、延長部材は可撓性であってもよい。
【0008】
延長部材は様々な方法でカテーテルアセンブリに結合されてもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル牽引システムは、延長部材の末端端部に配置されてカテーテルアセンブリに結合するように構成されたバネホースクランプを含んでもよい。幾つかの実施形態では、カテーテル牽引システムは、延長部材の末端端部に配置されたコネクタを含んでもよく、コネクタは、ハウジング、ハウジング内に押し下げ可能なボタン、及びハウジングの内面とボタンとの間に配置されたバネを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ボタンはアームを含んでもよく、ハウジングは別のアームを含んでもよい。いくつかの実施形態では、アームと別のアームは、カテーテルアセンブリを把持するように構成された口部を形成してもよい。いくつかの実施形態では、バネは、口部が閉じられた第1の位置にボタンを付勢して、カテーテルアセンブリへの結合を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、ボタンの第1の位置から第2の位置への押し下げは、口部が開放して、カテーテルアセンブリからのコネクタの連結の解除を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル牽引システムは、延長部材の末端端部に配置されてカテーテルアセンブリ上にスナップ止めするように構成されたコネクタを含んでもよい。
【0009】
実施形態の第1のセットでは、回転装置は、基部、溝、及び回転要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転要素はペグを含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転要素は、基部に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ペグが溝内に押し込まれることに応答して、基部に対する回転要素の回転が低減されてもよい。いくつかの実施形態では、基部に対する回転要素の回転に応答して、延長部材はカテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの実施形態では、溝は基部内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、溝は円形であってもよい。いくつかの実施形態では、溝はC字形状であってもよい。いくつかの実施形態において、ペグは、溝内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、溝の外部分は、溝の内部分より狭く、ペグが溝内に押し込まれるのに応答してペグとの干渉嵌めを形成するようになっていてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態において、溝は、基部内に配置されてもよく、ディスク形状本体を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ペグは、ディスク形状本体の底部から下向きに延びていてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、回転装置は、基部を覆う蓋を含んでもよい。いくつかの実施形態では、溝は蓋内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、回転要素はディスク形状本体を含んでもよく、ペグはディスク形状本体の頂部から上向きに延びていてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置は、蓋を含んでもよく、これは基部に結合されていてもよく、回転要素は、蓋を通って延びる首部分を含んでもよい。幾つかの実施形態では、蓋は溝にペグを保持してもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、溝は1つ以上のノッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ペグがノッチ内に押し込まれることに応答して、基部に対する回転要素の回転が低減されてもよい。
【0014】
実施形態の第2のセットでは、回転装置は、基部を含んでもよく、これは開口部、切り欠き、及び従属(compliant)部分を含んでもよい。幾つかの実施形態では、開口部は、従属部分によって切り欠きから離間されてもよい。いくつかの実施形態において、従属部分は、第1の形状を含んでもよい。いくつかの実施形態において、回転要素は、開口部内に配置されて、基部に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、回転要素の外縁は、第1の形状と相補的な第2の形状を含んでいて、第1の形状内に嵌め合うように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の形状が第1の形状内に配置されることに応答して、基部に対する回転要素の回転が低減されてもよい。いくつかの実施形態では、基部に対する回転要素の回転に応答して、延長部材は、カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【0015】
実施形態の第3のセットでは、回転装置は基部を含んでもよく、これはシャフトを含んでもよい。いくつかの実施形態では、シャフトの外面は複数の歯を含んでもよい。幾つかの実施形態では、回転装置はタブを含んでもよく、これは回転要素のスロット内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、タブは開口部を含んでもよく、シャフトは開口部を通って延びる。いくつかの実施形態では、開口部の端部は複数の他の歯を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、回転装置は、バネを含んでもよく、これは回転要素の内面とタブとの間のスロット内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、バネは、タブを第1の位置に付勢してもよい。いくつかの実施形態において、タブが第1の位置にあることに応答して、複数の歯は、他の歯と係合されてもよい。いくつかの実施形態において、バネの圧縮及びタブが第2の位置にあることに応答して、歯は、他の歯と係合されず、回転要素は、基部に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、基部に対する回転要素の回転に応答して、延長部材は、カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【0017】
実施形態の第4のセットでは、回転装置は、ラチェットを含んでもよく、これは歯車と爪とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長部材はラチェットに結合されていてもよい。いくつかの実施形態では、歯車の回転に応答して、延長部材はカテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、回転装置は基部を含んでもよく、歯車及び爪は基部に載置されていてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置はハンドルを含んでもよく、これは歯車から上向きに延びていてもよい。幾つかの実施形態では、延長部材はハンドルに巻き付けられてもよい。
【0019】
実施形態の第5のセットでは、回転装置は、複数のプリセット位置の間で軸の周りに回転するように構成された回転要素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転装置は、延長部材の末端端部に配置されたコネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、コネクタは、カテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、回転要素は、延長部材の末端端部とコネクタとの間に配置されたピボットポイントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転要素は、延長部材の基端端部と回転要素との間に配置された別のピボットポイントを含んでもよい。
【0020】
実施形態の第6のセットでは、回転装置は、切断部分を含んでもよく、これは扇部及び/又はチャネルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長部材は、可撓性であって、切断部分のチャネル内に固定されてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置の回転に応答して、延長部材が扇部の縁部に接触してカテーテルアセンブリに牽引力を加えてもよい。
【0021】
実施形態の第7のセットでは、カテーテルアセンブリに牽引力を加える方法は、係留装置を患者及びカテーテルアセンブリに結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、係留装置は、基部、基部に結合されたハウジング、ハウジング内に押し下げ可能なボタン、バネ、及び係留部を含んでもよい。いくつかの実施形態において、バネは、ハウジングの内面とボタンとの間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、バネは、ボタンを第1の位置に付勢してもよい。いくつかの実施形態において、ボタンは、そこを通る穴を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジングは、2つの他の穴を含んでもよく、これらは互いに対向していてもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、係留部は、穴及び他の2つの穴を通って延びていてもよい。いくつかの実施形態において、ボタンが第1の位置にあることに応答して、係留部は、係留装置内にロックされてもよい。いくつかの実施形態において、ボタンが第1の位置から第2の位置まで押し下げられることに応答して、係留部は、係留装置を通して引っ張られるように構成されてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、ボタンを押すことと、ボタンが押されている間に、係留装置を通して係留部を基端に引っ張り、係留装置とカテーテルアセンブリとの間の係留部が引っ張られた状態となることとを含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法は、係留装置を通って基端に係留部を引っ張った後にボタンを解放して、係留装置とカテーテルアセンブリとの間の係留部が引っ張られた状態となることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ボタンを解放することに応答して、係留部は係留装置内にロックされてもよい。いくつかの実施形態では、ボタンを解放した後、方法は、基部を基端に移動させることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部を基端に移動させることに応答して、係留部がカテーテルアセンブリに牽引力を加えてもよい。
【0024】
実施形態の第8のセットでは、カテーテルアセンブリに牽引力を加える方法は、係留装置をカテーテルアセンブリに結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、係留装置は基部と係留部とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部は複数の穴を含んでもよく、係留部の基端端部は穴内に嵌め合うように構成されたペグを含んでもよい。いくつかの実施形態において、方法は、ペグを穴のうちの第1の穴から穴のうちの第2の穴に移動させることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、穴うちの第1の穴は、穴のうちの第2の穴に近接していてもよい。いくつかの実施形態では、ペグを穴のうちの第1の穴から穴のうちの第2の穴に移動させることに応答して、係留部はカテーテルアセンブリに牽引力を加えてもよい。
【0025】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、いずれも例示及び説明であり、特許請求の範囲に記載の本発明を制限するものではないことを理解されたい。様々な実施形態は、図面に図示された配置及び器具に限定されないことを理解されたい。また、実施形態が組み合わされてもよく、又は他の実施形態が利用されてもよく、構造的な変更が、そのように主張されない限り、本発明の様々な実施形態の範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で捉えられるものではない。
【0026】
図面の簡単な説明
例示的な実施形態が、添付の図面の使用を通じて、更に具体的かつ詳細に説明され、説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による例示的なカテーテル牽引システムの上方斜視分解図である。
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの側面分解図である。
図1C図1Cは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの上方斜視図である。
図1D図1Dは、いくつかの実施形態による、例示的な溝内の例示的なペグを示す、カテーテル牽引システムの横断面図である。
図1E図1Eは、いくつかの実施形態による、溝内に更に押し込まれたペグを示す、カテーテル牽引システムの横断面図である。
図1F図1Fは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの別の上方斜視分解図である。
図1G図1Gは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの例示的な基部の上方斜視図である。
図1H図1Hは、いくつかの実施形態による、図1Gの基部の横断面図である。
図1I図1Iは、いくつかの実施形態による、ノッチ内へのペグの移動の直前の、図1Gの基部の例示的なノッチと整列されたペグを示す、カテーテル牽引システムの横断面図である。
図1J図1Jは、いくつかの実施形態による、ノッチ内へのペグの移動後の、図1Gの基部のノッチと整列されたペグを示す、カテーテル牽引システムの横断面図である。
図1K図1Kは、いくつかの実施形態による、ノッチの例示的なセットを示す、カテーテル牽引システムの上方斜視分解図である。
図1L図1Lは、いくつかの実施形態による、ノッチのセットの例示的なノッチ内に配置されたペグを示す、カテーテル牽引システムの横断面図である。
図1M図1Mは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの横断面図である。
図1N図1Nは、いくつかの実施形態による、例示的な目盛りを示す、カテーテル牽引システムの例示的な蓋の上方斜視図である。
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの上面図である。
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの例示的な基部の上方斜視図である。
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なカテーテル牽引システムの長手方向の横断面図である。
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、図3Aの横断面図に対して横方向の、図3Aのカテーテル牽引システムの別の横断面図である。
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、第1の位置にある例示的なタブを示す、図3Aのカテーテル牽引システムの一部の拡大上面図である。
図3D図3Dは、いくつかの実施形態による、第2の位置にあるタブを示す、図3Aのカテーテル牽引システムの一部の拡大上面図である。
図4A図4Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的なカテーテル牽引システムの上面図である。
図4B図4Bは、いくつかの実施形態による、例示的な蓋を示す、図4Aのカテーテル牽引システムの上方斜視分解図である。
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、例示的なカテーテルアセンブリに結合する前の、別のカテーテル牽引しすれむの上方斜視図である。
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、図5Aのカテーテル牽引システムの上面図である。
図5C図5Cは、いくつかの実施形態による、図5Aのカテーテル牽引システムの例示的な回転装置の横断面図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態による、別のカテーテル牽引システムの上面図である。
図6B図6Bは、いくつかの実施形態による、プリセット位置間を移動する例示的な回転要素を示す、図6Aのカテーテル牽引システムの回転装置の概略図である。
図6C図6Cは、いくつかの実施形態による、図6Bの回転装置の上方斜視図である。
図6D図6Dは、いくつかの実施形態による、図6Aのカテーテル牽引システムの例示的なピボットポイントの拡大上方斜視図である。
図7図7は、いくつかの実施形態による、例示的な可撓性延長部材を示す、図1Aのカテーテル牽引システムの上方斜視図である。
図8A図8Aは、いくつかの実施形態による、カテーテル牽引システムの例示的な第1の位置を示す、別の例示的なカテーテル牽引システムの上方斜視図である。
図8B図8Bは、いくつかの実施形態による、ロック解除位置にある例示的な係留装置と、張力を達成するために係留装置を通って移動される例示的な延長部材とを示す、図8Aのカテーテル牽引システムの上方斜視図である。
図8C図8Cは、いくつかの実施形態による、ロックされた位置にある係留装置と、例示的なカテーテルアセンブリに牽引力を加えるための基端方向への例示的な基部の移動とを示す、図8Aのカテーテル牽引システムの上方斜視図である。
図8D図8Dは、いくつかの実施形態による、ロック位置にある係留装置を示す、係留装置の横断面図である。
図8E図8Eは、いくつかの実施形態による、ロック解除位置にある係留装置を示す、係留装置の横断面図である。
図9A図9Aは、いくつかの実施形態による、例示的な第1の位置にある例示的な回転装置を示す、別のカテーテル牽引システムの上面図である。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態による、例示的な第2の位置にある回転装置を示す、図9Bの回転装置の上面図である。
図10図10は、いくつかの実施形態による、別のカテーテル牽引システムの上面図である。
図11図11は、いくつかの実施形態による、例示的なバネホースクランプを示す、図1Aのカテーテル牽引システムの上方斜視図である。
図12A図12Aは、いくつかの実施形態による、例示的な開放位置にある例示的なコネクタの側面図である。
図12B図12Bは、いくつかの実施形態による、例示的な閉鎖位置にある図12Bのコネクタの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
詳細な説明
いくつかの実施形態では、静脈内カテーテルに牽引力を加えるためのカテーテル牽引システムは、回転装置を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル牽引システムは延長部材を含んでもよく、これは回転装置から延びていてもよく、カテーテルアセンブリに結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置の作動に応答して、延長部材はカテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【0029】
ここで図1A~1Eを参照すると、カテーテル牽引システム10は回転装置12を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転装置12は、基部14、溝16、及び回転要素18を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転要素18はペグ20を含んでもよい。いくつかの実施形態において、回転要素18は、基部14に対して回転するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ペグ20が溝16内に押し込まれることに応答して、基部14に対する回転要素18の回転が低減され又は防止されてもよい。幾つかの実施形態では、回転が低減されると、使用者が回転のための大きな力を達成することがより困難になるか又は使用者が回転のための大きなを加える必要が生じてもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、基部14に対する回転要素18の回転に応答して、延長部材22がカテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素18は、基部14に対して時計回り及び/又は反時計回りに回転するように構成されてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、溝16は基部14内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、溝16は円形であってもよく、これは回転要素18の360°回転を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、溝16は内周及び外周を含んでもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、ペグ20は溝16内に配置されてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態において、ペグ20は、溝16内に更に押し込まれて、基部14に対する回転要素18の回転を減少させるか又は防止してもよい。いくつかの実施形態では、回転要素18は、ディスク形状の本体24を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転要素18の形状は様々であってもよく、任意の適切な形状を含んでもよい。幾つかの実施形態では、ペグ20はディスク形状本体24の底部から下向きに延びていてもよい。
【0033】
幾つかの実施形態では、ペグ20は溝16内にタイトに嵌ってもよい。したがって、幾つかの実施形態では、溝16内に押し込まれたペグ20に応答して、回転要素18がロック位置に配置されてもよく、回転が防止されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば図1D-1Eに示されるように、溝16の外部分は溝16の内部分よりも狭く、ペグ20が溝16内に押し込まれるのに応答して、ペグ20との干渉嵌めを形成するようにしてもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、ペグ20は、溝16の内部分に押し込まれるなどして強制されるときに、挟まれ又は圧縮されてもよい。幾つかの実施形態では、ペグ20の幅は溝16の内部分よりも僅かに大きいか又は溝16の内部分と等しくてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、回転装置12は、蓋26を含んでもよく、これは基部14に結合されてもよく、回転要素18は、蓋26を通って延びる首部28を含んでもよい。いくつかの実施形態では、蓋26は、開口部30を含んでもよく、これを通って首部28が延びていてもよい。いくつかの実施形態では、蓋26は、例えば図1D-1Eに示されるように、ペグ20を溝16内に保持してもよく、ペグ20の溝16からの取り外しを防止してもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、蓋26と基部14は一緒に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、蓋26及び基部14は、単一のユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。いくつかの実施形態では、基部14は、1つ以上のピンを含んでもよく、これは蓋26の1つ以上のスロット内に延びていて蓋26と基部14との間の固定を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、蓋26はピンを含んでもよく、基部14はスロットを含んでもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、回転装置12は、接着剤、包帯、テープ、又は任意の他の適切な方法を介して患者の皮膚に固定されてもよい。いくつかの実施形態において、回転装置12の固定は、患者の皮膚に対して回転装置12の動きを減少させ又は防止してもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、回転要素18は、ハンドル32を含んでもよく、これは首部28から外向きに及び/又は首部28に対して垂直に延びていてもよく、基部14及び/又は蓋26に対して回転要素18を回転させて使用者による把持を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、延長部材22は、回転要素18から延びていてもよい。いくつかの実施形態では、延長部材22は、ハンドル32又は首部28から延びていてもよい。いくつかの実施形態では、延長部材22は、ディスク形状本体24から、蓋26のスロット(図示せず)を通って延びていてもよい。幾つかの実施形態では、延長部材22は、回転要素18に結合され又は回転要素18と単一ユニットとしてモノリシックに形成されてもよい。
【0038】
次に図1Fを参照すると、幾つかの実施形態では、溝16は、C字形状であってもよく、これは回転要素18が一回転するのを妨げてもよい。これらの実施形態では、回転要素18は360°未満回転してもよい。幾つかの実施形態では、溝16は、内周の一部及び外周の一部を含んでもよい。
【0039】
次に図1G-1Jを参照すると、いくつかの実施形態では、溝16は、1つ以上のノッチ34を含んでもよく、これは溝16の底部に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、ペグ20がノッチ34の1つに配置されることに応答して、基部14に対する回転要素18の回転が防止され又は低減されてもよい。幾つかの実施形態では、ペグ20は、それがノッチ34と整列されると、重力により、自動的にノッチ34内に押し込まれてもよい。
【0040】
次に図1K-1Lを参照すると、いくつかの実施形態では、回転要素18はディスク形状本体を含んでもよく、ペグ20はディスク形状本体の側面から外向きに延びていてもよい。これらの実施形態において、ノッチ34は、円形の切り欠き36の側面に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、ペグ20は、回転要素18が回転する際に、円形の切り欠き36の外周38に接触してもよく、ペグ20がノッチ34の特定の1つと整列されることに応答して、ペグ20は、ユーザーによりノッチ34の特定の1つ内に移動されて回転要素18を所定の位置にロックしてもよい。
【0041】
次に図1Mを参照すると、いくつかの実施形態では、溝16は蓋26内に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、回転要素18はディスク形状本体24を含んでもよく、ペグ20はディスク形状本体24の頂部から上向きに延びていてもよい。幾つかの実施形態では、溝16の外部分は、溝16の内部分より狭くなっていて、ペグ20が溝16に押し込まれるのに応答してペグ20との干渉嵌めを形成するようになっていてもよい。幾つかの実施形態では、ペグ20は、回転要素18をロック位置に固定して回転を防止するために、溝16内にきつく嵌め合いしてもよい。幾つかの実施形態では、使用者は、回転要素18を上向きに引っ張って、ペグ20を溝内に、又は更に溝内に押し込んでもよい。
【0042】
次に図1Nを参照すると、いくつかの実施形態では、蓋26は、1つ以上の目盛り付きマーキング40を含んでもよく、これは回転要素18がどの程度回転され、カテーテルアセンブリにどの程度の牽引力が加えられたかを示してもよい。
【0043】
次に図2A~2Bを参照すると、回転装置12は基部14を含んでもよく、これは開口部46、切り欠き48、及び従属部分50を含んでもよい。いくつかの実施形態では、開口部46は、従属部分によって切り欠きから間隔を空けられてもよい。幾つかの実施形態では、従属部分50は第1の形状を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素18は、開口部30内に配置され、基部14に対して回転するように構成されてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、回転要素18の外縁は、第1の形状と相補的な第2の形状を含んで、第1の形状に嵌め合うように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第2の形状が第1の形状内に配置されることに応答して、基部14に対する回転要素18の回転が低減又は防止される。幾つかの実施形態では、基部14に対する回転要素18の回転に応答して、延長部材22は、カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の形状及び第2の形状は、一連の隆起を含んでもよい。いくつかの実施形態では、切り欠き48の形状は、第1の形状に対応してもよく、これは、第1の形状と第2の形状との整列の間に、切り抜き48の外縁に向けて従属部分50の移動を容易にしてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、従属部分50が第1の材料で構成され、基部14の残りの部分が第1の材料よりも剛性の高い第2の材料で構成されてもよい。いくつかの実施形態では、従属部分50は、エラストマー又は他の適切な材料で構成されてもよい。
【0046】
ここで図3A~3Dを参照すると、回転装置52は、基部14を含んでもよく、これはシャフト54を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転装置52は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、回転装置12と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態において、シャフト54の外面は、複数の歯56を含んでもよい。幾つかの実施形態では、回転装置52は、回転要素58を含んでもよく、これはスロット60を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転装置52は、タブ62を含んでもよく、これは回転要素58のスロット60内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、タブ62は開口部64を含んでもよく、シャフト54は開口部64を通って延びていてもよい。幾つかの実施形態では、開口部64の端部は、複数の他の歯66を含んでもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、回転装置52は、バネ68又は他の付勢部材を含んでもよく、これは回転要素58の内面とタブ62との間のスロット60内に配置されてよい。いくつかの実施形態では、バネ68は、タブ62を第1の位置に付勢してもよい。いくつかの実施形態では、タブ62が第1の位置にあることに応答して、歯56は、例えば図3A~3Cに示されているように、他の歯66と係合してもよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、バネ68の圧縮及びタブ62が第2の位置にあることに応答して、歯56は他の歯66と係合していなくてもよく、回転要素58は、基部14に対して回転するように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、基部14に対する回転要素58の回転に応答して、延長部材22は、カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されていてもよい。幾つかの実施形態では、延長部材22は回転要素58から及び/又は基部14の細長いスロット70を通って延びてもよく、これが延長部材22の横方向の移動を可能にしてもよい。
【0049】
次に図4A~4Bを参照すると、いくつかの実施形態では、回転装置72は、ラチェット74を含んでもよく、これは歯車76及び爪78を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転装置72は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、回転装置12及び/又は回転装置52と類似又は同一であってもよい。いくつかの実施形態において、延長部材22は、歯車76に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、歯車76の回転に応答して、延長部材22は、カテーテルアセンブリに牽引力を加えるように構成されてもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、歯車76及び爪78は基部14に載置されてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置72は、シャフト又はハンドル79を含んでもよく、これは歯車76から上向きに延びてもよい。いくつかの実施形態では、延長部材22はハンドル79の周りに巻き付けられてもよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、歯車76は、第1の方向に回転して、ハンドル79の周りに延長部材22を引き込み及び/又は巻き付けてもよく、これがカテーテルアセンブリに牽引力を加えてもよいように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、爪78は、歯車76の歯に係合して、第1の方向とは反対の第2の方向への回転を防止するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、爪78は、延長部材22の末端方向への前進を防止してもよい。
【0052】
次に図5A~5Bを参照すると、いくつかの実施形態による、回転装置80及び延長部材22が示されている。幾つかの実施形態では、回転装置80は、回転装置12、回転装置52、及び回転装置72のうちの1つ以上の特徴の点で類似又は同一であってもよい。図5A~5Cに示されるように、いくつかの実施形態では、延長部材22は剛性であってもよく、これがカテーテルアセンブリ84に牽引力を加えることを容易にしてもよい。例えば、延長部材22は、金属、プラスチック、又は他の適切な材料を含んでもよい。幾つかの実施形態では、コネクタ82が、延長部材22の末端端部に配置されてもよく、カテーテルアセンブリ84上にスナップ止めされるように構成され又は別の適切な方式でカテーテルアセンブリ84に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、剛性である延長部材22は、本開示に記載の他のカテーテル牽引システムにおける延長部材22を含むか又はこれに対応してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ84は、カテーテルアダプタ86を含んでもよく、これは末端端部88、基端端部90、及び末端端部88と基端端部90とを通って延びる内腔を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ84は任意の適切なカテーテルアセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ84は、末端端部88から延びるカテーテル92を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル92には、末梢静脈カテーテル、正中線カテーテル、又は末梢挿入型中心カテーテルが含まれてもよい。一部の実施形態では、導入針(図示せず)がカテーテル92を通って延びてもよく、カテーテル92が患者の血管系内に挿入された後にカテーテルアセンブリ84から取り外されてもよい。幾つかの実施形態では、導入針がカテーテルアセンブリ84から取り外された後、コネクタ82がカテーテルアダプタ86の基端端部90に結合されてもよい。幾つかの実施形態では、コネクタ82は、カテーテルアダプタ86の基端端部90の1つ以上の溝内にスナップ止めするように構成された1つ以上の可撓性アームを含んでもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、回転装置80は、接着剤、包帯94、テープ、又は任意の他の適切な方法を介して患者の皮膚に固定されてもよい。幾つかの実施形態では、回転装置80の固定は、患者の皮膚に対する回転装置80の移動又は移動防止を低減又は防止してもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、回転装置80は、延長部材22の基端端部に結合された回転要素96を含んでもよい。幾つかの実施形態では、回転要素96は、ハウジング98内に配置されてもよく及び/又はハウジング98にねじ止めされてもよい。いくつかの実施形態では、ねじ部100が回転要素96に配置されてもよく、回転要素96は、カテーテルアセンブリ84に牽引力を加えるためにハウジング98に対してねじ切りされていなくてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素96はねじ部100を含まなくてもよく、カテーテルアセンブリ84に牽引力を加えるためにハウジング98に対して基端にスライドされてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素96の基端端部はダイヤル又はハンドル102を含んでもよく、これは使用者によって回転され又は引っ張られて回転要素96をハウジング98に対して移動させて牽引力を加えてもよい。
【0056】
次に図6A~6Dを参照すると、回転装置104は、複数のプリセット位置の間で軸108の周りを回転するように構成された回転要素106を含んでもよい。いくつかの実施形態において、回転装置104は、以下の1つ以上の特徴及び/又は動作のうちの1つ以上と類似又は同一であっても:回転装置12、回転装置52、回転装置72、及び回転装置80。
【0057】
いくつかの実施形態では、回転装置104は、延長部材22の末端端部に配置されたコネクタ82を含んでもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ82は、カテーテルアセンブリ84に結合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素106は、延長部材22の末端端部とコネクタ82との間に配置されたピボットポイント110を含んでもよい。いくつかの実施形態では、回転要素106は、延長部材22の基端端部と回転要素106との間に配置された別のピボットポイント112を含んでもよい。これらの実施形態及び他の実施形態では、延長部材22は剛性であってもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、回転要素106は、ハウジング116内の軸の周りで回転してもよい。いくつかの実施形態では、プリセット位置は、1つ以上のキャッチ又はバンプ114によって画定されてもよく、これはハウジング116内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、回転要素106はプリセット位置間で移動可能であってもよいが、バンプ114は回転要素106の移動に対する抵抗を提供してもよい。
【0059】
次に図7を参照すると、いくつかの実施形態では、延長部材22は可撓性であってもよい。例えば、延長部材22は、紐、弾性体、係留部、コード、又は他の適切な可撓性部材を含んでもよい。いくつかの実施形態において、延長部材22は、例えばハンドル32などの回転要素18の任意の適切な部分に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、延長部材22は、結びつけ、接着剤、留め具、又は他の任意の適切な方法で回転要素18に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、可撓性である延長部材22は、本開示に記載される他のカテーテル牽引システムにおける延長部材22を含むか、又はそれに対応してもよい。
【0060】
次に図8A~8Eを参照すると、いくつかの実施形態による係留装置118が示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ84に牽引力を加える方法は、係留装置118を患者及びカテーテルアセンブリ84に結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、係留装置118は、基部120、基部120に結合されたハウジング122、ハウジング122内に押し下げ可能なボタン124、バネ126、及び係留部128を含んでもよい。いくつかの実施形態において、バネ126は、ハウジング122の内面とボタン124との間に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、バネ126は、ボタン124を第1の位置に付勢してもよい。いくつかの実施形態において、ボタン124は、それを貫通する穴130を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ハウジング122は、2つの他の穴132を含んでもよく、これらは互いに対向してもよい。いくつかの実施形態において、係留部128は、穴130及び2つの他の穴132を通って延びていてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、図8A、8C、及び8Dに示されるように、ボタン124が第1の位置にあることに応答して、係留部128が係留装置118内にロックされてもよい。いくつかの実施形態では、図8B及び8Eに図示されるように、ボタン124が第1の位置から第2の位置に押し下げられることに応答して、係留部128は、係留装置118を通して引っ張られるように構成されてもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、最初は、係留部128は、例えば図8Aに図示されているように、緩く及び張りがなくてもよい。いくつかの実施形態では、例えば図8Bに図示されているように、方法は、ボタン124を押すこと、及びボタン124が押されている間に、係留装置118を通して係留部128を基端に引っ張って、係留装置118とカテーテルアセンブリ84との間の係留部128が張った状態になるようにすることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、方法は、係留装置118を通して係留部128を基端に引っ張って張りを達成した後にボタン124を解放することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ボタン124を解放することに応答して、係留部128は、係留装置118内にロックされてもよい。いくつかの実施形態において、ボタン124を解放した後、方法は、基部120を基端に移動させることを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部120を基端に移動させることに応答して、係留部128がカテーテルアセンブリに牽引力を加えてもよい。いくつかの実施形態では、基部120は、アームバンド上に配置されてもよく、これは牽引力を加えるために基端方向にスライド可能であってもよい。いくつかの実施形態では、包帯、テープ、接着剤などの固定具は、基部120とともに基端方向に移動されてもよく、取り外して再適用されてもよい。
【0063】
次に図9A~9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、回転装置134は切断部分を含んでもよい。いくつかの実施形態において、回転装置134は、1つ以上の特徴及び/又は動作の点で、以下の1つ以上と類似又は同一であってもよい:回転装置12、回転装置52、回転装置72、回転装置80、及び回転装置104。
【0064】
いくつかの実施形態では、切断部分は、扇部136及び/又は扇部136から延びるチャネル138を含んでもよい。いくつかの実施形態では、延長部材22は、可撓性であって、チャネル138の狭められた直径部分140又は任意の他の適切な方法を介して切断部分のチャネル138内に固定されてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置134の回転に応答して、延長部材22は、扇部136の端部に接触し、カテーテルアセンブリ84に牽引力を加えてもよい。いくつかの実施形態では、回転装置134は、例えば図9Aに示される第1の位置から、例えば図9Bに示される第2の位置まで回転されて、牽引力を加えてもよい。
【0065】
次に図10を参照すると、いくつかの実施形態による係留装置142が示されている。いくつかの実施形態では、カテーテルアセンブリ84に牽引力を加える方法は、係留装置142をカテーテルアセンブリ84に結合することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、係留装置142は基部144と係留部146とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、基部144は複数の穴148を含んでもよく、係留部146の基端端部は穴148内に嵌まるように構成されたペグ150を含んでもよい。いくつかの実施形態において、方法は、ペグ150を穴148の第1の穴から穴148の第2の穴に移動させることを含んでもよい。いくつかの実施形態において、穴148の第1の穴は、穴148の第2の穴に対して基端であってもよい。いくつかの実施形態では、ペグ150を穴148の第1の穴から穴148の第2の穴に移動させることに応答して、係留部146はカテーテルアセンブリ84に牽引力を加えてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、コネクタ82は、延長部材22に結合されていてもよいし、延長部材22とモノリシックに形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ82は、スナップコネクタ又は任意の適切なコネクタを含んでもよい。幾つかの実施形態では、図10に示されたコネクタ82は、本開示に記載されたカテーテル牽引システムのいずれと共に使用されてもよい。
【0067】
図11を参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ82は、バネホースクランプ152を含んでもよく、これはカテーテルアダプタ86の基端端部90上にクランプするように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、図11に示されたコネクタ82は、本開示に記載されたいずれのカテーテル牽引システムと共に使用されてもよい。
【0068】
次に図12A~12Bを参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ82は、ハウジング154、ハウジング154内に押し下げ可能なボタン156、及びハウジング154の内面とボタン156との間に配置されたバネ158を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ボタン156はアーム160を含んでもよく、ハウジング154は別のアーム162を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アーム160と別のアーム162は、カテーテルアセンブリ84を把持するように構成された口部164を形成してもよい。いくつかの実施形態では、図12に図示されたコネクタ82は、本開示に記載されたいずれかのカテーテル牽引システムと共に使用されてもよい。
【0069】
いくつかの実施形態では、バネ158は、例えば図12Bに示されているように、口部164が閉じられた第1の位置にボタン156を付勢して、カテーテルアセンブリ84への結合を容易にしてもよい。いくつかの実施形態では、ボタン156の第1の位置から第2の位置への押し下げは、例えば図12Aに示されるように、口部164を開放し、カテーテルアセンブリ84からのコネクタ82の連結解除が容易を容易にしてもよい。
【0070】
ここで援用されるすべての実施例及び条件文言は、読者が本発明及び当技術分野を更に発展させるために本発明者によって貢献された概念を理解するのを助けるための教育的な目的のために意図されたものであり、そのような具体的に援用された実施例及び条件に限定されないものと解釈される。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、及び改変がここになされてもよいことが理解されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図1J
図1K
図1L
図1M
図1N
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図10
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】