(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-02-28
(54)【発明の名称】車両、物流システム、および単位負荷を移送する方法
(51)【国際特許分類】
G05D 1/646 20240101AFI20240220BHJP
G05D 1/225 20240101ALI20240220BHJP
G05D 1/43 20240101ALI20240220BHJP
G05D 1/648 20240101ALI20240220BHJP
G05D 1/667 20240101ALI20240220BHJP
【FI】
G05D1/646
G05D1/225
G05D1/43
G05D1/648
G05D1/667
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023549588
(86)(22)【出願日】2021-12-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2021085744
(87)【国際公開番号】W WO2022174956
(87)【国際公開日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】102021103623.2
(32)【優先日】2021-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】ベーリング、ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ロトゲリ、マティアス
(72)【発明者】
【氏名】エメリッヒ、ヤン ゼーレン
(72)【発明者】
【氏名】ヘーニング、ディルク
(72)【発明者】
【氏名】クロコフスキー、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ハンマーマイスター、クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】テン ホンペル、ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301GG08
5H301GG09
5H301KK02
5H301KK08
(57)【要約】
本発明は、単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷を移送するための車両(1)に関し、車両(1)は、走行ギア(5)と、車両(1)の速度ベクトルを調整するための制御コマンドに基づいて走行ギアを駆動する駆動デバイス(30)と、単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を有する車両フレーム(10)とを備え、車両(1)は、車両制御機能(50)を有する車両システム(S)を備え、車両制御機能(50)は、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、目標軌道追従コマンドによって、車両(1)が車両運動経路(210、310)上を目標軌道(ST)に沿って動かされ、駆動デバイス(30)は、制御コマンドに基づいて、少なくとも目標移送点(211、311)を備える部分内で、車両(1)の移送加速度を実現し、移送加速度で、車両の受取り構成要素上の単位負荷(L)は、単位負荷の慣性によって単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされる。本発明はまた、物流システム(A)、および車両(1)から単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作区域(B)において単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送するための車両(1)であって、前記車両(1)が、走行ギア(5)と、前記走行ギア(5)に対して接続され、前記車両(1)の速度ベクトルを調整するための制御コマンドに基づいて前記走行ギアを駆動する駆動デバイス(30)と、前記走行ギア(5)上に配置され、前記単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を備える車両フレーム(10)とを備え、前記車両(1)が、車両制御機能(50)を有する車両システム(S)を備え、
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、前記目標軌道追従コマンドによって、前記車両(1)が、車両運動経路(210、310)上を目標軌道(ST)に沿って動かされ、前記目標軌道(ST)が、始点(201、301)と終点(202、302)との間を延びているとともに、前記単位負荷受取りデバイスに関連付けられた目標移送点(211、311)を有する移送領域(215、315)を備え、
前記車両制御機能(50)が、少なくとも前記目標軌道(ST、200、300)の前記移送領域(215、315)に対して、目標速度プロファイルを制御目標仕様として使用または決定し、
前記車両制御機能(50)が、前記制御目標仕様を、実際の車両状態に対応する現在の目標速度ベクトルを定める制御コマンドに変換する駆動制御機能(55)を備え、
前記駆動デバイス(30)が、前記制御コマンドに基づいて、少なくとも前記車両(1)の前記受取り構成要素(7)上に配置された前記単位負荷(L)が前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされる前記目標移送点(211、311)を備える区分において、前記車両(1)の移送加速度を実現する、車両(1)。
【請求項2】
前記車両制御機能(50)が目標軌道追従機能(60)を備え、前記目標軌道追従機能(60)は、前記車両が動かされるとき、
現在の実際の車両状態を、少なくとも目標軌道に対する実際の車両位置により、偏差関係とし、
前記偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、
前記目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして前記駆動制御機能(55)へ送信する、請求項1に記載の車両(1)。
【請求項3】
前記車両制御機能(50)が負荷移送制御機能(70)を備え、前記負荷移送制御機能(70)が、前記車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを決定し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動制御機能(55)へ送信し、前記駆動制御機能(55)が、前記目標移送点(211、311)における前記車両の移送速度を設定し、
前記移送領域(215)の形状、前記単位負荷受取りデバイス(100)に対する前記移送点(211)の位置、および前記移送速度が、前記車両の前記受取り構成要素上に配置された前記単位負荷(L)が前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされるように設定される、請求項1または2に記載の車両(1)。
【請求項4】
前記負荷移送制御機能(70)が、前記目標移送点(211)における前記車両(1)の目標速度を定める、請求項3に記載の車両(1)。
【請求項5】
前記負荷移送制御機能(70)が、前記移送領域(215、315)における前記車両(1)の目標加速度を定める、請求項3または4に記載の車両(1)。
【請求項6】
目標速度プロファイルが前記負荷移送制御機能(70)において事前決定される、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項7】
速度決定機能が、前記移送領域(215、315)のプロファイル(ST1)およびプロファイル(ST2)、すなわち
(ST1)前記車両が横方向の加速度を受けるように、前記移送区域(215、315)が、前記車両が前記単位負荷受取りデバイス(100)に対して通り過ぎるように前記車両を案内するとともに、実質的に均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが、前記湾曲区分の凸面側に配置されること、および、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイス(100)に対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方または両方に基づいて、前記目標速度プロファイルを決定する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項8】
前記速度決定機能が、前記単位負荷(L)の特性値を使用する、請求項7に記載の車両(1)。
【請求項9】
前記車両が、重量センサ・デバイスを備え、前記重量センサ・デバイスによって、前記受取り構成要素(7)上に配置された前記単位負荷(L)の重量が決定されることが可能であり、前記決定された重量に対して重量値を割り当て、前記重量値を前記単位負荷(L)の特性値として前記速度決定機能へ送信する、請求項8に記載の車両(1)。
【請求項10】
前記速度決定機能が、前記移送点(211、311)における前記目標加速度に対する値を決定し、前記値から前記目標速度プロファイルを決定する、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項11】
前記車両制御機能(50)における前記目標軌道が、事前決定された目標軌道として記憶されており、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道追従機能(60)に前記目標軌道を提供する、請求項2乃至10のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項12】
前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道を前記目標軌道追従機能へ提供する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項13】
前記目標軌道決定機能が、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて前記目標軌道を決定する、請求項12に記載の車両(1)。
【請求項14】
前記目標軌道決定機能が、複数の目標軌道を記憶しており、前記目標軌道が、前記目標軌道のうちの1つを選択する少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて決定される、請求項13に記載の車両(1)。
【請求項15】
前記目標軌道決定機能が、少なくとも1つの目標軌道を記憶しており、前記目標軌道決定機能が、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて、前記軌道進路基準に従って前記目標軌道のパラメータを適合する、請求項13または14に記載の車両(1)。
【請求項16】
前記記憶された目標軌道が、2つの代替手段(ST1)および代替手段(ST2)、すなわち、
(ST1)前記車両が横方向の加速度を受けるように、前記移送区域が、前記車両が前記単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように前記車両を案内するとともに均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが前記湾曲区分の凸面側に配置されること、
(ST2)前記移送領域が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイスに対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方に従って定められる、請求項14または15に記載の車両(1)。
【請求項17】
前記目標軌道決定機能が、前記移送領域において制御目標仕様として定められる目標速度プロファイルの場合、および/または前記車両の目標移送点として定められる目標加速度の場合、前記車両1の前記移送加速度が実現されることを確実にするために、軌道進路基準(TK1)、軌道進路基準(TK2)、軌道進路基準(TK3)、軌道進路基準(TK4)、軌道進路基準(TK5)、および軌道進路基準(TK6)、すなわち
(TK1)前記実際の車両位置または前記目標軌道(ST)の前記始点から前記目標移送点(211、311)までの最小長さ、
(TK2)最小移送速度、
(TK3)前記実際の車両位置または前記目標軌道(ST)の前記始点から前記目標移送点(211、311)までの最小継続時間、
(TK4)前記実際の車両位置または前記目標軌道STの前記始点から前記目標移送点(211、311)へ前記車両1を駆動するための最小エネルギー要求または最小エネルギー消費、
(TK5)前記車両1から前記単位負荷受取りデバイス(100)への前記単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または動作不良なし、および、
(TK6)前記単位負荷受取りデバイス(100)における空間の最小利用、のうちの1つまたは複数を使用する、
請求項2乃至16のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項18】
前記車両システム(S)が、前記動作区域(B)において静止して配置された物流中心デバイスとデータまたは信号接続している車両通信デバイス(80)を備え、前記車両通信デバイス(80)が、前記物流中心デバイスから制御目標仕様を受け取り、該制御目標仕様を車両制御機能(50)に送信する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項19】
前記車両システム(S)が、車両通信デバイス(80)を備え、前記車両通信デバイス(80)が、前記動作区域(B)において静止している物流中心デバイス(400)に対して無線接続されることが可能であり、少なくとも実際の車両位置を含む現在の車両状態を定めるデータを受け取り、該データを前記車両制御機能(50)へ送信する、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項20】
前記車両システムが、現在の実際の車両位置を捕捉するセンサ・デバイスを備え、前記センサ・デバイスが、前記車両制御機能(50)に対して動作可能に接続され、前記現在の実際の車両位置を前記車両制御機能(50)へ送信する、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の車両。
【請求項21】
前記センサ・デバイスが、前記動作面(B)の光学的フロア特徴またはフロア・マーキングをそれぞれ撮像する光学センサまたはカメラを備え、前記光学的フロア特徴またはフロア・マーキングが、前記光学センサによって捕捉されることが可能であり、前記車両システムが、識別機能を備え、前記識別機能によって、前記動作面(B)上に配置された地面特徴またはフロア・マーキングの現在のマッピングに基づいて前記実際の車両位置が決定される、請求項20に記載の車両。
【請求項22】
動作区域(B)において静止して配置され、物流通信デバイス(480)を備える物流中心デバイス(400)と、
前記動作区域(B)において配置された単位負荷受取りデバイス(100)と、
前記単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送するための車両(1)と、を備え、
前記車両(1)が、
走行ギア(5)と、
前記走行ギア(5)と通信しており、前記動作区域(B)の動作面(E)上で前記車両(1)の速度ベクトルを調整する駆動デバイス(30)と、
前記走行ギア(5)上に配置され、前記単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を備える車両フレーム(10)と、
車両システム(S)と、を備え、
前記車両システム(S)が、
前記駆動デバイス(30)に対して機能的に接続され、制御目標仕様に基づいて制御コマンドを決定し、前記コマンドを前記駆動デバイス(30)へ送信して、前記車両(1)の現在の速度ベクトルを調整する車両制御機能(50)と、
無線を介して前記物流通信デバイス(480)とデータまたは信号接続しており、前記車両制御機能(50)に対して機能的に接続された車両通信デバイス(80)と、を備え、
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、前記目標軌道追従コマンドによって、前記車両(1)が目標軌道(ST)に沿って車両運動経路(210、310)上を動かされ、前記目標軌道(ST)が、始点と終点との間を延びているとともに、前記単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点(211、311)を有する移送領域(215、315)を備え、
前記車両制御機能(50)が、少なくとも前記目標軌道(ST、200、300)の前記移送領域(215、315)について、目標速度プロファイルを制御目標仕様として使用または決定し、
前記車両制御機能(50)が、前記制御目標仕様を、現在の車両状態に対応する現在の目標速度ベクトルを定める制御コマンドに変換する駆動制御機能(55)を備え、
前記駆動デバイス(30)が、前記制御コマンドに基づいて、少なくとも前記車両の前記受取り構成要素上に配置された前記単位負荷(L)が前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされる前記目標移送点(211、311)を備える区分において、前記車両(1)の移送加速度を実現する、
物流システム(A)。
【請求項23】
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従機能(60)および負荷移送制御機能(70)を備える、請求項22に記載の物流システム(A)。
【請求項24】
前記目標軌道追従機能(60)が前記目標軌道を含む、請求項23に記載の物流システム(A)。
【請求項25】
前記車両(1)が、請求項2乃至21のいずれか1項に記載のように設計される、請求項22乃至24のいずれか1項に記載の物流システム(A)。
【請求項26】
前記物流中心デバイス(400)が、複数の現在の実際の車両位置のそれぞれの決定のための車両識別デバイス(440)を備え、前記車両識別デバイスが、前記物流通信デバイス(480)に対して機能的に接続され、決定された前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを前記物流通信デバイス(480)へ送信し、前記物流通信デバイスが、無線接続を介して前記車両通信デバイス(80)に対して接続され、前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを前記車両通信デバイス(80)へ送信し、
前記車両制御機能(50)が、前記車両通信デバイス(80)に対して動作可能に接続され、前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを受け取り、
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従機能(60)を備え、前記目標軌道追従機能(60)が、受け取られた前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれ、および前記目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、制御コマンドを前記駆動デバイス(30)へ送信し、
前記車両制御機能(50)が、負荷移送制御機能(70)を備え、前記負荷移送制御機能(70)が、前記車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを生成し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する、
請求項22乃至25のいずれか1項に記載の物流システム(A)。
【請求項27】
前記負荷移送制御機能(70)が前記目標速度プロファイルを含み、前記目標速度プロファイルから前記速度コマンドが生成される、請求項26に記載の物流システム(A)。
【請求項28】
前記物流中心デバイス(400)が、
複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを決定するための物流識別デバイス(410)と、
前記目標軌道を有する目標軌道追従機能(460)であって、前記現在の実際の車両位置および前記目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、前記目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として前記物流通信デバイス(480)へ送信し、前記物流通信デバイス(480)が、前記目標軌道追従コマンドを前記車両通信デバイス(80)へ制御目標仕様として送信する、目標軌道追従機能(460)と、
速度コマンドを生成し、前記速度コマンドを制御目標仕様として前記物流通信デバイス(480)へ送信する負荷移送制御機能(470)であって、前記物流通信デバイス(480)が、前記速度コマンドを決定し、前記速度コマンドを制御目標仕様として前記車両通信デバイス(80)へ送信する、負荷移送制御機能(470)とを備え、
前記車両通信デバイス(80)が、前記目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として前記車両制御機能(50)へ送信し、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道追従コマンドおよび前記速度コマンドを前記駆動デバイス(30)へ送信する、
請求項22乃至25のいずれか1項に記載の物流システム(A)。
【請求項29】
前記物流中心デバイス(400)が、複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを決定するための物流識別デバイス(410)と、中心目標軌道追従機能(460)とを備え、前記中心目標軌道追従機能(460)が、前記現在の実際の車両位置および前記目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、前記目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として前記物流通信デバイス(480)へ送信し、前記物流通信デバイス(480)が、前記目標軌道追従コマンドを前記車両通信デバイス(80)へ送信し、前記車両通信デバイス(80)が、前記目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信し、
前記車両制御機能(50)が、前記負荷移送制御機能(70)を備え、前記負荷移送制御機能(70)が、前記車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを生成し、前記駆動デバイス(30)への制御コマンドとして作用する、
請求項22乃至25のいずれか1項に記載の物流システム(A)。
【請求項30】
前記物流中心デバイス(400)が、物流制御機能(450)を備え、前記物流制御機能(450)において、前記目標軌道(ST)が、事前定義された目標軌道として記憶され、前記物流通信デバイス(480)が、前記目標軌道を前記目標軌道追従機能(460)へ送信する、請求項29に記載の物流システム(A)。
【請求項31】
前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道(ST)を決定する目標軌道決定機能を備え、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道追従機能の前記目標軌道を提供する、請求項29に記載の物流システム(A)。
【請求項32】
車両(1)から動作区域(B)における単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送する方法であって、前記車両が、走行ギア(5)と、前記走行ギア(5)に対して接続され、制御コマンドに基づいて、前記動作区域の動作面上で前記車両(1)の速度ベクトルを調整する駆動デバイス(30)と、前記走行ギア(5)上に配置され、単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を備える車両フレーム(10)とを備え、前記方法が、
速度ベクトルで前記車両(1)が動くとき、少なくとも目標軌道(ST、200、300)に対する現在の実際の車両位置によって、複数の現在の実際の車両状態それぞれの間の偏差関係を決定する決定工程であって、前記目標軌道が、始点(201、301)と終点(202、302)との間を延びているとともに、前記単位負荷受取りデバイス(100)に関連付けられた目標移送点(211、311)を有する移送領域(215、315)を備える、決定工程と、
前記偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、前記目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する送信工程であって、前記制御コマンドによって、前記車両(1)の現在の速度ベクトルが調整され、前記車両(1)が車両運動経路上を前記目標軌道(ST、200、300)に沿って動かされる、送信工程と、
前記車両の目標速度プロファイルに基づいて、速度コマンドを決定し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する送信工程であって、前記速度コマンドが、前記目標移送点(211、311)における前記車両(1)の移送加速度を調整し、前記車両(1)の前記受取り構成要素(7)上に配置された前記単位負荷(L)が、前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)へ動かされる、送信工程とを備える方法。
【請求項33】
前記目標軌道に沿って駆動するとき、前記車両(1)に対する速度プロファイルが事前定義される、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記移送加速度が、前記移送領域(215、315)のプロファイル(ST1)およびプロファイル(ST2)、すなわち
(ST1)前記車両が横方向の加速度を実現するように、前記移送区域(215、315)が、前記単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように前記車両を案内し、実質的に均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが前記湾曲区分の凸面側に配置されること、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイスに対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方または両方に基づいて決定される、
請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
前記速度決定機能が、前記単位負荷(L)の特性値を使用する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記受取り構成要素(7)上に配置された前記単位負荷(L)の重量が、前記車両の重量センサ・デバイスによって決定され、前記決定された重量に対して重量値が割り当てられ、前記単位負荷(L)の特性値として前記速度決定機能へ送信される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記速度決定機能が、前記移送点(211、311)における前記目標加速度に対する値を決定し、前記値から前記速度プロファイルを決定する、請求項34乃至36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
前記目標軌道が、事前定義された目標軌道である、請求項32乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道追従機能(60)の前記目標軌道を提供する、請求項32乃至38のいずれか1項に記載の方法。
【請求項40】
前記目標軌道決定機能が、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて前記目標軌道を決定する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記目標軌道が、前記目標軌道のうちの1つを選択することによって、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて決定される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記目標軌道のパラメータが、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて適合される、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
目標軌道が、2つの代替手段(ST1)および代替手段(ST2)、すなわち、
(ST1)前記車両が横方向の加速度を実現するように、前記移送区域が、前記単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように前記車両を案内し、均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが前記湾曲区分の凸面側に配置されること、および、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイスに対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方に従って定められる、請求項41または42に記載の方法。
【請求項44】
前記目標軌道決定機能が、前記移送領域において制御目標仕様として定められる目標速度プロファイルの場合、および/または前記車両の前記目標移送点における制御目標仕様として定められる目標加速度の場合、前記車両1の前記移送加速度が実現されることを確実にするために、軌道進路基準(TK1)、軌道進路基準(TK2)、軌道進路基準(TK3)、軌道進路基準(TK4)、軌道進路基準(TK5)、軌道進路基準(TK6)、すなわち
(TK1)前記現在の車両位置または前記目標軌道(ST)の前記始点から前記目標移送点(211、311)までの最小長さ、
(TK2)最小移送速度、
(TK3)前記現在の車両位置または前記目標軌道(ST)の前記始点から前記目標移送点(211、311)までの最小継続時間、
(TK4)前記実際の車両位置または前記目標軌道STの前記始点から前記目標移送点(211、311)へ前記車両1を駆動するための最小エネルギー要求または最小エネルギー消費、
(TK5)前記車両1から前記単位負荷受取りデバイス(100)への前記単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または動作不良なし、および、
(TK6)前記単位負荷受取りデバイス(100)における空間の最小利用、のうちの1つまたは複数を使用する、
請求項39乃至43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記目標軌道が、負荷移送軌道および前記負荷移送軌道に対して接続された結合軌道から形成され、前記負荷移送軌道が、始点と前記単位負荷受取りデバイスに関連付けられた目標移送点との間を延びており、前記結合軌道が、結合点に対してつながり、前記現在の実際の車両位置を前記結合点に対して接続し、
前記目標軌道追従コマンドが、
(i)前記車両が動かされるとき、前記車両が車両軌道上を前記結合軌道に沿って動かされるように、現在の実際の車両位置および前記結合軌道を偏差関係とし、前記偏差関係から結合軌道制御コマンドを決定し、前記結合軌道制御コマンドを前記駆動デバイスへ送信する結合軌道追従機能と、
(ii)前記車両が前記負荷移送軌道に到達した後、前記車両が車両軌道上を前記負荷移送軌道に沿って動かされるように、現在の実際の車両位置および前記負荷移送軌道を偏差関係とし、前記偏差関係から負荷移送軌道制御コマンドを決定し、前記負荷移送軌道制御コマンドを前記駆動デバイスへ送信する負荷移送軌道追従機能とによって決定される、
請求項32乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
前記車両(1)の前記車両システム(S)が、前記動作区域(B)において静止して配置された物流中心デバイス(400)とデータまたは信号接続しており、前記物流中心デバイス(400)から制御目標仕様を受け取り、前記制御目標仕様を前記車両制御機能(50)へ送信する、請求項32乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項47】
前記車両システムが、前記動作区域(B)において静止している物流中心デバイス(400)から、少なくとも実際の車両位置によって実際の車両状態を定めるデータを受け取り、
前記車両システムが、前記偏差関係から前記速度コマンドを決定し、前記車両の目標速度プロファイルの結果として前記速度コマンドを決定し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する、
請求項32乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項48】
前記現在の実際の車両位置が、前記車両システム(S)のセンサ・デバイスによって検出される、請求項32乃至37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
前記センサ・デバイスが、前記動作面(B)の光学的フロア特徴またはフロア・マーキングをそれぞれ撮像する光学センサまたはカメラを備え、前記光学的フロア特徴またはフロア・マーキングが、前記光学センサによって捕捉されることが可能であり、前記車両システムが、識別機能を備え、前記識別機能によって、前記動作面(B)上に配置された地面特徴またはフロア・マーキングの現在のマッピングに基づいて前記実際の車両位置が決定される、請求項48に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両、物流システム、および単位負荷を移送する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明による車両または物流システムまたは方法は、分類システムの領域内、特にパケット・センター内におけるパケットの形態の荷物キャリアもしくは単位負荷、または空港もしくは概して流通センターにおける手荷物品の形態の単位負荷のための分類システムの分野で特に使用されることが可能である。単位負荷は、特にトラック、鉄道車両、または船もしくは航空機などの輸送車両によって、分類システムの領域へ送達されることが可能である。
【0003】
特許文献1は、荷物を積むためのトレーラを有する車両を記載している。荷物は、勾配のある車道区分上でトレーラを押し、車道区分の脇のボラード上へトレーラを動かすことによって、コンベア・ベルト上へ動かされる。
【0004】
特許文献2は、荷物保持部を有する車両を記載している。貨物保持部の表面上に配置された貨物を荷物引継ぎステーションへ送達するために、貨物保持部の表面の摩擦係数が低減されることが可能である。
【0005】
輸送デバイスを有する輸送システムは、特許文献3から知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3327179号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102019122055号明細書
【特許文献3】国際公開第2008/148513号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、車両上に配置された単位負荷が単位負荷受取りデバイスへ効率的に動かされることを可能とした車両および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、独立請求項の特徴によって実現される。本発明のさらなる実施形態は、いずれの場合も、参照される従属請求項により特定される。
「単位負荷」という用語は、本明細書では概して、荷物キャリアまたはコンテナを指し、いずれの場合も、商品または液体もしくは気体などの輸送されるべき材料が収容されているか否かにかかわらないと理解されることが可能である。単位負荷はまた、重力方向上側に開いている、パッケージ、または特に閉鎖コンテナとすることが可能である。
【0009】
本明細書では、「~に沿って」という表現は、基準方向または基準軸に対するその軸またはシャフトまたは中心軸など、特に構成要素または構造構成要素の輪郭線または表面または方向の進路にも対応する本明細書で参照する方向指示に関連して、明示的または暗示的に事前定義された観察方向におけるそれぞれの輪郭線またはそれぞれの表面もしくは方向に対する進路または接線の一部分が、それぞれの方向指示が関連するそれぞれの基準方向または基準軸から最大45度、特に最大30度の角度だけ、局所的にまたは部分的に偏差を生じることを意味する。
【0010】
本明細書では、「横断」という表現は、基準方向または基準軸に対するその軸またはシャフトまたは中心軸など、特に構成要素または構造構成要素の輪郭線または表面または方向の進路にも対応する本明細書で参照する方向指示に関連して、明示的または暗示的に事前決定された観察方向におけるそれぞれの輪郭線またはそれぞれの表面もしくは方向に対する進路または接線の一部分が、それぞれの方向指示が関連するそれぞれの基準方向または基準軸から45度~135度の角度だけ、好ましくは67度~113度の角度だけ、局所的にまたは部分的に偏差を生じることを意味する。
【0011】
本明細書では、車両の軌道の反転点に対する「動き方向反転」という用語は、この反転点に対してつながる軌道区分に対するこの反転点における接線が、この反転点からつながる軌道区分へ同じ反転点内で接線に沿って走る、軌道に沿った車両の動きを意味する。
【0012】
本明細書では、特に2つの表面間の「距離」という用語は、特に最短距離として理解される。
より具体的には、本明細書では、「距離」は、2つの物体または2つの表面もしくは基準点間の距離、特に2つの物体もしくは表面もしくは基準点間の最短距離または最短距離であってよく、この点で本明細書に明示的に記載されない限り、最短距離または最短距離は0に等しくない。
【0013】
本明細書では、特に少なくとも1つの構造構成要素または構成要素、特に案内経路の中心軸または中心に延びる線または中心線などにおける、基準線の「長手方向」または別の基準方向は、特に、決定もしくは事前決定された方向に沿って、または2つの決定もしくは事前決定された端部間における、それぞれの構造構成要素のそれぞれ最小の断面積の重力中心の接続線である。基準線が湾曲してまたは少なくとも部分的に湾曲して走ることが可能である場合、基準方向は、概して局所的長手方向として理解されることが可能である。しかし本明細書では、基準方向はまた、直線として定義される基準線の方向として理解されることが可能であり、まっすぐな基準線を決定するために線が使用され、合計で湾曲した線に対する線の方向は、これらの線間の最小の偏差、または最小の偏差面積をもたらす。同じことが、本明細書において、まっすぐな基準線が湾曲した線から導出されるべきである場合にも当てはまる。
【0014】
特に、本明細書では、特徴または値に関する「実質的に」という用語は、特徴が特徴もしくはその幾何学的特性またはその値から20%、具体的には10%の偏差を有することを意味すると理解される。
【0015】
本明細書では、表面、特に表面に対する「向き」は、それぞれの表面に対する法線を意味すると理解される。当該表面がまっすぐではないがたとえば湾曲した表面である場合、表面法線を決定するために、法線は、同じサイズのまっすぐな表面上で使用されることが可能であり、その表面の位置に対して、最小の偏差は、合計で湾曲した表面に対して生じる。
【0016】
表面部分の「延長」は、参照される表面部分に沿って走り、それに対して2つの表面区分間の偏差量の合計が最小になるような位置を有する平面の表面部分の方向を意味すると理解される。本明細書では、表面部分の範囲の長さ量に関して、参照される表面部分に対して2つの表面区分間の偏差量の合計が最小になる位置を有する、定義されるべき方向における同じサイズの仮想表面部分の長さとして理解される。
【0017】
本明細書では、特に皮膜、板、または壁などの少なくとも1つの長手方向に延びる表面または構造構成要素に対する「連続」または「連続して接続する」という用語は、表面または構造構成要素が中断なく延びることを意味すると理解されよう。
【0018】
線または縁部または表面の「連続進路」は、表面が、基準方向に沿って見られたとき、基準方向に対して横断方向に延びる幅全体にわたって隅部を有していないこと、すなわち区別可能な進路を備えることが意味される。線または縁部または表面の「湾曲進路」は、表面が、基準方向に沿って見られたとき、基準方向に対して横断方向に延びる幅全体にわたって隅部を有していないこと、すなわち区別可能なプロファイルを有することが意味される。
【0019】
本明細書では、「均一に湾曲したプロファイル」は、転換点のない湾曲を意味すると理解される。
本明細書では、「動作区域」という用語は、意図されて動かされるまたは動くとき、本明細書に記載する車両またはデバイスの動きの範囲を意味すると理解される。動作区域は、特に、本発明による車両のための動作表面または駆動支持体である表面を提供する。動作面または接触支持体は、たとえば平面に延びる表面である。この場合、動作面は、連続進路を有することが可能である。別法または追加として、動作面は、段、小さい傾斜、閾を有してよい。動作面はまた、複数の広間の床から形成されることが可能である。
【0020】
本発明による車両は、特に動作区域の動作面上で駆動運動を実施するために提供される。動作面は、車両のための接触支持体として形成される。動作面は、連続面、または格子などの不連続面であってよく、動作面は、平面に延びる表面を形成する。この場合、表面はまた、傾斜または段またはチャネルなどの段および形状を有してよい。
【0021】
本明細書では、基準点または体などの点の「位置」という用語は、表面座標/空間座標、特に3つの空間座標内で定義される基準点または体などの点の位置を指す。本明細書では、体の位置の場合、特に体の中心または中心点、特に重力中心の位置が理解される。
【0022】
本発明による車両は、特に自己制御式の車両であり、すなわち事前決定されたタスクを手動制御なしで実行することが可能であり、したがってタスク達成のために設計された車両の駆動運動が自動で、すなわち手動操作なしで実行される。
【0023】
本明細書では、「車両状態」という用語は、車両、特に車両の長手方向軸の位置、速度、および現在の向きのうちの1つまたは複数によって定義される車両の状態を指す。車両状態は、特に、車両の目標の車両状態、または時間的に現在の車両状態である実際の車両状態とすることが可能である。
【0024】
車両の速度および(進行)方向の組合せは、車両の速度ベクトルによって定義されることが可能である。なぜならこのベクトルは、車両の速度の大きさおよび(進行)方向を示すからである。本明細書では、速度ベクトルは、車両の速度および(進行)方向を示すデータの組合せを意味すると理解される。速度ベクトルはまた、車両が動かされない状態、すなわち速度の大きさが0に等しい状態を定義してよい。
【0025】
車両の「向き」という用語は、車両の定義または事前決定された長手方向軸の方向を意味すると理解される。長手方向軸は、特に、車両の中心線または中心軸であってよい。車両の向きは、特に、制御機能における基準として記憶されることが可能である方向である。車両の向きは、特に、走行ギアまたは走行ギアのホイールのニュートラル位置、特に操舵デバイスによって設定される走行ギアまたは走行ギアのホイールのニュートラル位置に車両を有する車両の進行方向に一致することが可能である。
【0026】
車両の位置および速度は、特に、車両の事前決定された基準点に関係付けられてよい。
本明細書では、「自己制御式」は、車両を参照して、特に、そこから決定された制御機能および制御コマンド、または軌道に沿ったその動きに関して車両を制御するための車両の駆動デバイスへの制御コマンドに対する目標仕様に基づいて、車両が移送ミッション・タスクを達成することを意味すると理解される。この場合、移送ミッション・タスクは、特に、駆動デバイス送信制御コマンドまたは制御コマンドに対して接続された駆動デバイスへ送信される制御コマンドまたは調整コマンド、および車両から単位負荷受取りデバイスへまたは単位負荷受取りデバイス上の単位負荷の移送または動きに基づいて、軌道に沿って車両を動かすことによって、車両によって運搬または搬送される単位負荷を輸送することを含む。
【0027】
本明細書では、「軌道」は、ミッション・タスクのために車両が進んだ、または進むことが意図される、経路の進路を意味すると理解される。軌道、特に目標軌道は、数学関数として、または一連の離散点として、または数学関数および一連の離散点の組合せとして、定義されることが可能である。
【0028】
本明細書では、「目標速度プロファイル」は、軌道、特に目標軌道に沿った、目標軌道の移送領域またはこれらの軌道の区分における目標速度の事前定義または決定された列またはプロファイルについて説明するために使用される。目標速度は、それぞれの軌道に沿って一定または可変であることが可能である。目標加速度もまた、目標軌道の一点において目標速度で定義される。
【0029】
本明細書では、それぞれの時点における車両の「移送加速度」は、特に、目標軌道または現在の軌道の移送領域の進路の場合、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって受取り構成要素から単位負荷受取りデバイスへ移送されるように、実現されるべき現在の移送加速度を意味すると理解される。
【0030】
本明細書では、「機能」という用語は、関連するデバイス内に記憶された機能的関係またはアルゴリズムを意味すると理解される。たとえば、目標軌道決定機能は、車両システムまたは物流中心デバイス内で実現されるアルゴリズムによって実現されることが可能である。
【0031】
制御コマンドは、車両制御機能によって離散時点で決定または生成される。この目的で、車両システムは、事前決定された反復率で事前決定された時間に制御コマンドを決定または生成し、それを駆動デバイスへ送信するクロック生成器を有することが可能である。
【0032】
本発明による車両は、動作区域内の単位負荷受取りデバイスへ単位負荷を移送するために提供される。
動作区域内の単位負荷受取りデバイスへ単位負荷を移送するための本発明による車両の一実施形態によれば、車両は、走行ギアと、走行ギアに対して接続され、車両の速度ベクトルを調整するための制御コマンドに基づいて走行ギアを駆動する駆動デバイスと、走行ギア上に配置され、単位負荷を受け取るための受取り構成要素を有する車両フレームとを有し、車両は、車両制御機能を有する車両システムを備えることが提供され、
車両制御機能は、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、目標軌道追従コマンドによって車両は車両運動経路上を目標軌道に沿って動かされ、目標軌道は、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに関連付けられた目標移送点を有する移送領域を備え、
車両制御機能は、少なくとも目標軌道の移送領域に対して、目標速度プロファイルを制御目標仕様として使用または決定し、
車両制御機能は、制御目標仕様を、それぞれの実際の車両状態に対するそれぞれの現在の目標速度ベクトルを定義する制御コマンドに変換する駆動制御機能を備え、
駆動デバイスは、制御コマンドに基づいて、少なくとも車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス上へ動かされる目標移送点を備える区分内で、車両の移送加速度を実現する。
【0033】
動作区域内の単位負荷受取りデバイスへ単位負荷を輸送および移送するための本発明による車両の一実施形態によれば、前記車両は、走行ギアと、走行ギアに対して接続され、車両の速度ベクトルの調整のための制御コマンドに基づいて走行ギアを駆動する駆動デバイスと、走行ギア上に配置され、単位負荷を受け取るための受取り構成要素を備える車両フレームとを備え、車両は、車両制御機能を有する車両システムを備え、
車両制御機能は、駆動デバイスに対して機能的に接続され、制御目標仕様に基づいて制御コマンドを決定し、前記コマンドを駆動デバイスへ送信して、車両のそれぞれの現在の速度ベクトルを調整し、
車両制御機能は、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信し、目標軌道追従コマンドによって車両は、目標軌道に沿って車両運動経路上を動かされ、目標軌道は、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点を有する移送領域を備え、
車両制御機能は、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信し、駆動デバイスは、制御目標仕様に基づいて目標移送点内の車両の移送速度を設定し、
移送領域の形状、単位負荷受取りデバイスに対する移送点の位置、および移送速度は、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス上へ動かされるように設定される。
【0034】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両制御機能が、
車両が動かされるとき、現在の実際の車両状態を少なくとも目標軌道に対する実際の車両位置とともに偏差関係にし、偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動制御機能へ送信する目標軌道追従機能であり、それによって車両は車両運動経路上を目標軌道に沿って動かされ、目標軌道は、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点を有する移送領域を備える、目標軌道追従機能と、
車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信し、駆動デバイスが目標移送点内の車両の移送速度を調整する、単位負荷移送制御機能とを備え、
移送領域の形状、単位負荷受取りデバイスに対する移送点の位置、および移送速度は、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス上へ動かされるように設定されることを提供してよい。
【0035】
本発明による車両の一実施形態によれば、車両は、走行ギアと、走行ギアに対して接続され、動作区域の動作面上で車両の速度ベクトルを調整するように走行ギアを駆動する駆動デバイスと、単位負荷を受け取るための受取り構成要素によって走行ギア上に配置された車両フレームとを備える。車両は、特に車両システムを備え、車両システムは、
駆動デバイスに対して機能的に接続され、制御目標仕様に基づいて制御コマンドを決定し、前記コマンドを駆動デバイスへ送信して、車両のそれぞれの現在の速度ベクトルを調整する車両制御機能を備え、車両制御機能は、
車両が動かされるとき、少なくとも現在の実際の車両状態および目標軌道に対する実際の車両位置を偏差関係にし、偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信する目標軌道追従機能であり、それによって車両は目標軌道に沿って車両運動経路上を動かされ、目標軌道は、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点を有する移送領域を備える、目標軌道追従機能と、
車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信して、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス上へ動かされるように、目標移送点内の車両の移送速度を設定する負荷移送制御機能とを備える。
【0036】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両システム、または車両制御機能、この場合は特にたとえば目標軌道追従機能内の目標軌道が、事前決定された目標軌道として存在して記憶され、または車両システムの外側から、すなわち車両の外側のデバイスから受け取られ、車両制御機能へ提供されることを提供する。
【0037】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両制御機能(50)が目標軌道追従機能(60)を備え、目標軌道追従機能(60)が、車両が動かされるとき、いずれの場合も、現在の実際の車両状態および少なくとも目標軌道に対する実際の車両位置を偏差関係にし、偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、制御コマンドとして駆動制御機能(55)へ送信することを提供してよい。
【0038】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標速度プロファイルが負荷移送制御機能内で事前定義されることを提供してよい。この場合、目標加速度を有する目標速度プロファイルが事前設定されることが特に提供されることが可能である。
【0039】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両制御機能が、車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動制御機能へ送信し、駆動制御機能が目標移送点内の車両の移送速度を調整する、負荷移送制御機能を備え、
移送領域の形状、単位負荷受取りデバイスに対する移送点の位置、および移送速度が、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷(L)がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス上へ動かされるように設定されることを提供してよい。
【0040】
負荷移送制御機能を有する本発明の実施形態の各々において、負荷移送制御機能は、目標移送点内の車両の目標速度を定義することが提供されてよい。
さらに、負荷移送制御機能を有する本発明の実施形態の各々において、負荷移送制御機能は、移送領域内の車両の目標加速度を定義することが提供されることが可能である。
【0041】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両システムが、少なくとも1つの速度プロファイル基準に基づいて移送速度を決定する速度決定機能を備えることを提供してよい。
【0042】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、速度決定機能が、
移送領域のプロファイル(ST1)、(ST2)、すなわち
(ST1)移送区域が、単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように車両を案内し、車両が横方向の加速度を受けるように実質的に均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、単位負荷受取りデバイスがその凸面側に配置されること、
(ST2)移送領域が、目標移送点内の運動方向反転によって目標移送点内の単位負荷受取りデバイスに対する衝突へ車両を案内し、移送領域のうち目標移送点に対してつながる部分が、単位負荷受取りデバイスの停止面の範囲に対して、絶対的に25度より大きい角度範囲内に位置する目標移送点内の方向を有することが可能であること、のうちの一方または両方に基づいて目標速度プロファイルを決定することを提供してよい。
【0043】
これらの実施形態では、速度決定機能が単位負荷の特性値を使用することが特に提供されてよい。単位負荷の特性値は、特に、受取り構成要素上または受取り構成要素の受取り面上の単位負荷の重量または摩擦挙動であることが可能である。
【0044】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両が重量センサ・デバイスを備え、重量センサ・デバイスによって、受取り構成要素上に配置された単位負荷の重量が決定されることが可能であり、決定された重量に対して重量値を割り当て、重量値を単位負荷の特性値として速度決定機能へ送信することを提供してよい。
【0045】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両制御機能が、単位負荷の少なくとも1つの特性値から、目標速度もしくは目標加速度、または目標移送点と動作面に対向する単位負荷受取りデバイス動作面の縁部領域との間の距離を調整または適合することを提供してよい。
【0046】
本発明による車両の実施形態では、速度プロファイル基準が、車両の加速度値であることが可能である。
速度決定機能を有する本発明による車両の実施形態では、速度決定機能は、少なくとも1つの速度プロファイル基準に基づいて、移送点(211、311)内の目標加速度に対する値を決定し、これから目標速度または目標加速度を有する目標速度プロファイルを決定してよい。
【0047】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道を走るとき、速度プロファイル基準が最小エネルギー要件または最小消費になるように実現されてよい。
【0048】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道が車両制御機能内に事前定義された目標軌道として記憶され、車両制御機能が目標軌道追従機能の目標軌道を提供するように実現されてよい。
【0049】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両制御機能が、目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、車両制御機能が、目標軌道追従機能の目標軌道を提供するように実現されてよい。
【0050】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道決定機能が、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて目標軌道を決定するように実現されることが可能である。
【0051】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道決定機能が、複数の目標軌道を記憶しており、複数の目標軌道のうちの1つが、軌道のうちの1つを選択することによって、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて目標軌道決定機能によって決定されるように実現されてよい。
【0052】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道決定機能が、少なくとも1つの目標軌道を記憶しており、目標軌道決定機能が、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて目標軌道のパラメータを適合するように実現されてよい。
【0053】
車両システムまたは車両制御機能内に記憶された目標軌道を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道が、2つの代替(ST1)、(ST2)、すなわち
(ST1)移送区域が、単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように車両を案内し、車両が横方向の加速度を受けるように均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、単位負荷受取りデバイスがその凸面側に配置されること、
(ST2)移送領域が、目標移送点内の運動方向反転によって目標移送点内の単位負荷受取りデバイスに対する衝突へ車両を案内し、移送領域のうち目標移送点に対してつながる区分が、単位負荷受取りデバイスの停止面の延長に対して、絶対的に25度より大きい角度範囲内に位置する目標移送点内の方向を有してよいこと、のうちの一方に従って定義されるように実現されてよい。
【0054】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、制御目標仕様として定義される移送領域内の目標速度プロファイルの場合、および/または制御目標仕様として定義される車両の目標移送点内の目標加速度の場合、軌道進路基準(TK1)、(TK2)、(TK3)、(TK4)、(TK5)、(TK6)、すなわち
(TK1)実際の車両位置または目標軌道の始点から目標移送点までの最小長さ、
(TK2)最小移送速度、
(TK3)実際の車両位置または目標軌道の始点から目標移送点までの最小継続時間、
(TK4)実際の車両位置または目標軌道の始点から目標移送点へ車両を駆動するための最小エネルギー要求または最小エネルギー消費、
(TK5)車両1から単位負荷受取りデバイス(100)への単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または動作不良なし、
(TK6)単位負荷受取りデバイス(100)内の空間の最小利用、のうちの1つまたは複数が、車両1の移送加速度が実現されることを確実にするために使用されるように実現されてよい。
【0055】
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道が、負荷移送軌道および負荷移送軌道に隣接する結合軌道から形成され、負荷移送軌道は、始点と単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点との間を走り、結合軌道が、結合点に対してつながり、現在の実際の車両位置を結合点に対して接続し、
目標軌道追従機能が、
(i)車両が動かされるとき、車両が車両軌道上を結合軌道に沿って動かされるように、現在の実際の車両位置および結合軌道を偏差関係にし、偏差関係から結合軌道制御コマンドを決定し、結合軌道制御コマンドを駆動デバイスへ送信する結合軌道追従機能と、
(ii)車両が負荷移送軌道に到達した後、車両が車両軌道上を負荷移送軌道に沿って動かされるように、現在の実際の車両位置および負荷移送軌道を偏差関係にし、偏差関係から負荷移送軌道制御コマンドを決定し、負荷移送軌道制御コマンドを駆動デバイスへ送信する負荷移送軌道追従機能とを備えるように実現されてよい。
【0056】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、車両システムは、物流中心デバイスとデータまたは信号接続している車両通信デバイスを備え、車両通信デバイスは、動作区域内に静止して配置され、物流中心デバイスから制御目標仕様を受け取り、制御目標仕様を車両制御機能へ送信するように実現されてよい。
【0057】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、車両システムが車両通信デバイスを備え、車両通信デバイスが、動作区域内で静止している物流中心デバイスと無線接続することが可能であり、少なくとも現在の車両位置によって現在の車両状態を定義するデータを物流中心デバイスから受け取り、このデータを車両制御機能へ送信するように実現されてよい。
【0058】
目標軌道決定機能を有する本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の各変形形態または実施形態と組み合わせて、車両システムが、現在の実際の車両位置を検出するセンサ・デバイスを備え、センサ・デバイスが、車両制御機能に対して機能的に接続され、現在の実際の車両位置を車両制御機能へ送信するように実現されてよい。
【0059】
現在の実際の車両位置を検出するためのセンサ・デバイスを有する本発明による車両の実施形態の各々は、センサ・デバイスが、動作面の光学的フロア特徴またはフロア・マーキングをそれぞれ撮像する光学センサまたはカメラを備え、光学的フロア特徴またはフロア・マーキングが、光学センサによって捕捉されることが可能であり、たとえば可視であり、車両システムが、任意選択で対応する割当て機能を有する識別機能を備え、識別機能によって動作面上に配置された地面マーキングの現在の画像に基づいて実際の車両位置が決定されるように実現されてよい。
【0060】
本発明のさらなる態様によれば、物流システムが提供され、物流システムは特に、
動作区域内に静止して配置され、物流通信デバイスを備える物流中心デバイスと、
動作区域内に配置された単位負荷受取りデバイスと、
単位負荷を単位負荷受取りデバイスへ移送するための車両であり、走行ギア、走行ギアと通信しており、動作区域の動作面上で車両の速度ベクトルを調整する駆動デバイス、および走行ギア上に配置され、単位負荷を受け取るための受取り構成要素を備える車両フレームを備え、車両が車両システムを備え、車両システムが、
駆動デバイスに対して機能的に接続され、制御目標仕様に基づいて制御コマンドを決定し、前記コマンドを駆動デバイスへ送信して、車両のそれぞれの現在の速度ベクトルを調整する車両制御機能を備える、車両と、
無線を介して物流通信デバイスとデータまたは信号接続しており、車両制御機能に対して機能的に接続された車両通信デバイスとを備え、
車両制御機能が、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、目標軌道追従コマンドによって車両が目標軌道に沿って車両運動経路上を動かされ、目標軌道が、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点を有する移送領域を備え、
車両制御機能が、少なくとも目標軌道の移送領域に対して、目標速度プロファイルを制御目標仕様として使用または決定し、
車両制御機能が、制御目標仕様を、それぞれの現在の車両状態に対するそれぞれの現在の目標速度ベクトルを定義する制御コマンドに変換する駆動制御機能を備え、
駆動デバイスが、制御コマンドに基づいて、少なくとも車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス上へ動かされる目標移送点を備える区分内で、車両の移送加速度を実現する。
【0061】
本発明による物流システムの実施形態の各々は、車両制御機能が目標軌道追従機能および負荷移送制御機能を備えるように実現されてよい。
本発明による物流システムの実施形態の各々は、目標軌道追従機能が目標軌道を含むように実現されてよい。
【0062】
本発明による物流システムの実施形態の各々は、車両が、本明細書に記載または包含される変形形態または実施形態の1つによって設計されるように実現されてよい。
本発明による物流システムの実施形態の各々は、
物流中心デバイスが、それぞれの現在の実際の車両位置の決定のための車両識別デバイスを備え、車両識別デバイスが、物流通信デバイスに対して機能的に接続され、決定されたそれぞれの現在の実際の車両位置を物流通信デバイスへ送信し、物流通信デバイスが、無線接続を介して車両通信デバイスに対して接続され、それぞれの現在の実際の車両位置を車両通信デバイスへ送信し、
車両制御機能が、車両通信デバイスに対して動作可能に接続され、それぞれ現在の実際の車両位置を受け取り、
車両制御機能が、目標軌道追従機能を備え、目標軌道追従機能が、受け取られたそれぞれの現在の実際の車両位置、および目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、制御コマンドを駆動デバイスへ送信し、
車両制御機能が、負荷移送制御機能を備え、負荷移送制御機能が、車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを生成し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信するように実現されてよい。
【0063】
車両識別デバイスを有する本発明による物流システムの実施形態の各々は、負荷移送制御機能が目標速度プロファイルを含み、目標速度プロファイルから速度コマンドが生成されるように実現されてよい。
【0064】
車両識別デバイスを有する本発明による物流システムの実施形態の各々は、物流中心デバイスが、
いずれの場合も現在の実際の車両位置を決定するための中心に配置された物流識別デバイスであり、目標軌道を有する目標軌道追従機能を備え、目標軌道追従機能が、現在の実際の車両位置および目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として物流通信デバイスへ送信し、物流通信デバイスが目標軌道追従コマンドを車両通信デバイスへ制御目標仕様として送信する、物流識別デバイスと、
中心に配置された負荷移送制御機能であり、速度コマンドを生成し、速度コマンドを制御目標仕様として物流通信デバイスへ送信し、物流通信デバイスが、速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御目標仕様として車両通信デバイスへ送信する、負荷移送制御機能とを備え、
車両通信デバイスが、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として車両制御機能へ送信し、車両制御機能が、目標軌道追従コマンドおよび速度コマンドを駆動デバイスへ送信するように実現されてよい。
【0065】
車両識別デバイスを有する本発明による物流システムの実施形態の各々は、
物流中心デバイスが、いずれの場合も現在の実際の車両位置を決定するための物流識別デバイスと、中心目標軌道追従機能とを備え、中心目標軌道追従機能が、現在の実際の車両位置および目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として物流通信デバイスへ送信し、物流通信デバイスが、目標軌道追従コマンドを車両通信デバイスへ送信し、車両通信デバイスが、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信し、
車両制御機能が負荷移送制御機能を備え、負荷移送制御機能が、車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを生成し、駆動デバイスへの制御コマンドとして作用するように実現されてよい。
【0066】
車両識別デバイスと、中心に配置された目標軌道追従機能とを有する本発明による物流システムの実施形態の各々は、物流中心デバイスが物流制御機能を備え、物流制御機能において、目標軌道が、事前定義された目標軌道として記憶され、物流通信デバイスが、目標軌道を目標軌道追従機能へ送信するように実現されてよい。本発明による物流システムのこれらの実施形態では、車両制御機能が、目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、車両制御機能が、目標軌道追従機能の目標軌道を提供することが提供されることが可能である。
【0067】
本発明のさらなる態様によれば、車両から動作区域内の単位負荷受取りデバイスへ単位負荷を移送する方法が提供され、車両は、走行ギアと、走行ギアに対して接続され、制御コマンドに基づいて、動作区域の動作面上で車両の速度ベクトルを調整する駆動デバイスと、走行ギア上に配置され、単位負荷を受け取るための受取り構成要素を備える車両フレームとを備え、この方法は、
制御目標仕様に基づいて、制御コマンドを決定し、制御コマンドを駆動デバイスへ送信して、車両のそれぞれの現在の速度ベクトルを調整する工程と、
それぞれの速度ベクトルで車両が動くとき、少なくとも目標軌道に対するそれぞれの現在の実際の車両位置によって、それぞれの現在の実際の車両状態間の偏差関係を決定する工程であり、目標軌道が、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに関連付けられた目標移送点を有する移送領域を備える、決定する工程と、
偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信する工程であり、制御コマンドによって車両が車両運動経路上を目標軌道に沿って動かされる、送信する工程と、
車両の目標速度プロファイルに基づいて、速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信する工程であり、速度コマンドが、目標移送点内の車両の移送加速度を調整し、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷がその質量慣性によって単位負荷受取りデバイスへ動かされる、送信する工程とを備える。
【0068】
物流システムの本発明による方法の実施形態の各々は、目標軌道に沿って駆動するとき、車両に対する速度プロファイルが事前定義されるように実現されてよい。
本発明による車両の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、移送加速度が、移送領域のプロファイル(ST1)、(ST2)、すなわち
(ST1)移送区域が、単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように車両を案内し、車両が横方向の加速度を受けるように均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、単位負荷受取りデバイスがその凸面側に配置されること、
(ST2)移送領域が、目標移送点内の運動方向反転によって目標移送点内の単位負荷受取りデバイスに対する衝突へ車両を案内し、移送領域のうち目標移送点に対してつながる区分が、単位負荷受取りデバイスの停止面の延長に対して、絶対的に25度より大きい角度範囲内に位置する目標移送点内の方向を有してよいこと、のうちの一方または両方に基づいて決定されるように実現されてよい。
【0069】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、速度決定機能が単位負荷の特性値を使用するように実現されてよい。この場合、単位負荷の重量もしくは単位負荷の動きに関連する摩擦係数が、単位負荷を受け取るための車両の受取り構成要素または受取り面上の単位負荷または重量および摩擦係数の組合せの特性値として使用されることが可能である。
【0070】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両の重量センサ・デバイスによって、受取り構成要素上に配置された単位負荷の重量が決定され、決定された重量に対して重量値が割り当てられ、この重量値が、速度を単位負荷の特性値として決定するために使用され、移送速度が、特に重量によって決定されるように実現されてよい。
【0071】
本発明による方法の実施形態の各々は、車両の加速度値が速度プロファイル基準になるように実現されてよい。
本発明による方法の実施形態の各々は、速度決定機能が、速度プロファイルが決定された移送点内の目標加速度に対する値を決定および使用するように実現されてよい。
【0072】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道を走るとき、速度プロファイル基準が最小エネルギー要件または最小消費になるように実現されてよい。
【0073】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道が事前定義された目標軌道になるように実現されてよい。
【0074】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両制御機能が、目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、車両制御機能が、目標軌道を目標軌道追従機能へ提供するように実現されてよい。
【0075】
目標軌道決定機能を有する本発明による方法の実施形態の各々は、目標軌道決定機能が、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて目標軌道を決定するように実現されてよい。
目標軌道決定機能を有する本発明による方法の実施形態の各々は、目標軌道が、目標軌道のうちの1つを選択することによって、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて決定されるように実現されてよい。
【0076】
目標軌道決定機能を有する本発明による方法の実施形態の各々は、目標軌道のパラメータが、少なくとも1つの軌道進路基準に基づいて適合されるように実現されてよい。
目標軌道決定機能を有する本発明による方法の実施形態の各々は、目標軌道が、2つの代替(ST1)、(ST2)、すなわち
(ST1)移送区域が、単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように車両を案内し、車両が横方向の加速度を受けるように均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、単位負荷受取りデバイスがその凸面側に配置されること、
(ST2)移送領域が、目標移送点内の運動方向反転によって目標移送点内の単位負荷受取りデバイスに対する衝突へ車両を案内し、移送領域のうち目標移送点に対してつながる区分が、単位負荷受取りデバイスの停止面の延長に対して、絶対的に25度より大きい角度範囲内に位置する目標移送点内の方向を有してよいこと、のうちの一方に従って定義されるように実現されてよい。
【0077】
目標軌道決定機能を有する本発明による方法の実施形態の各々は、制御目標仕様として定義される移送領域内の目標速度プロファイルの場合、および/または制御目標仕様として定義される車両の目標移送点内の目標加速度の場合、軌道進路基準(TK1)、(TK2)、(TK3)、(TK4)、(TK5)、(TK6)、すなわち
(TK1)実際の車両位置または目標軌道の始点から目標移送点までの最小長さ、
(TK2)最小移送速度、
(TK3)実際の車両位置または目標軌道の始点から目標移送点までの最小継続時間、
(TK4)実際の車両位置または目標軌道の始点から目標移送点へ車両を駆動するための最小エネルギー要求または最小エネルギー消費、
(TK5)車両から単位負荷受取りデバイスへの単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または動作不良なし、
(TK6)単位負荷受取りデバイス内の空間の最小利用、のうちの1つまたは複数が、車両1の移送加速度が実現されることを確実にするために使用されるように実現されてよい。
【0078】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道が、負荷移送軌道および負荷移送軌道に対して接続された結合軌道から形成され、負荷移送軌道が、始点と単位負荷受取りデバイスに関連付けられた目標移送点との間を走り、結合軌道が、結合点に対してつながり、現在の実際の車両位置を結合点に対して接続し、
目標軌道追従コマンドが、
(i)車両が動かされるとき、車両が車両軌道上を結合軌道に沿って動かされるように、現在の実際の車両位置および結合軌道を偏差関係にし、偏差関係から結合軌道制御コマンドを決定し、結合軌道制御コマンドを駆動デバイスへ送信する結合軌道追従機能と、
(ii)車両が負荷移送軌道に到達した後、車両が車両軌道上を負荷移送軌道に沿って動かされるように、現在の実際の車両位置および負荷移送軌道を偏差関係にし、偏差関係から負荷移送軌道制御コマンドを決定し、負荷移送軌道制御コマンドを駆動デバイスへ送信する負荷移送軌道追従機能とによって決定されるように実現されてよい。
【0079】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、車両の車両システムが、動作区域内に静止して配置された物流中心デバイス内で無線を介してデータまたは信号接続しており、物流中心デバイスから制御目標仕様を受け取り、制御目標仕様を車両制御機能へ送信するように実現されてよい。
【0080】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、
車両システムが、動作区域内で静止している物流中心デバイスから、少なくとも実際の車両位置によって実際の車両状態を定義するデータを受け取り、
車両システムが、車両の目標速度プロファイルに基づいて、偏差関係および速度コマンドから速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信するように実現されてよい。
【0081】
本発明による方法の実施形態は、本明細書に記載または包含される車両のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、現在の実際の車両位置が、車両システムのセンサ・デバイスによって捕捉されるように実現されてよい。
【0082】
車両システムのセンサ・デバイスを有する本発明による方法の実施形態の各々は、センサ・デバイスが、動作面の光学的フロア特徴またはフロア・マーキングをそれぞれ撮像するカメラを備え、光学的フロア特徴またはフロア・マーキングが、光学センサによって捕捉されることが可能であり、車両システムが識別機能を備え、識別機能によって、動作面上に配置された地面特徴またはフロア・マーキングの現在のマッピングに基づいて実際の車両位置が決定されるように実現されてよい。
【0083】
以下、本発明の実施形態が、添付の図を参照して説明される。本明細書では、本発明による実施形態の特徴または構成要素の説明は、本発明による特有の実施形態が、これが明示的に除外されないという条件で、別の実施形態の少なくとも1つの特徴を、各々この特定の実施形態の追加の特徴として、またはこの特定の実施形態の別の特徴に取って代わる代替の特徴として備えることも可能であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【
図1】車両が、4つのホイールを有する走行ギアを備え、4つのホイールのうち最初の2つのホイールが、その組合せで差動回転ホイールとして設計され、4つのホイールのうちさらに2つのホイールが各々、支持ホイールとして設計される、本発明による車両の一実施形態の斜視図。
【
図2】車両が、4つのホイールを有する走行ギアを備え、4つのホイールが、その組合せで全方向ホイールとして設計される、本発明による車両の一実施形態の斜視図。
【
図3】第1の動作配置が、車両と、単位負荷受取りデバイスと、単位負荷受取りデバイスに対してつながる第1の目標軌道とを備え、第1の目標軌道が、車両が単位負荷受取りデバイスにおいて正面衝突を受けるとともに方向を反転するよう、設計される、動作面上の第1の動作配置の概略図。
【
図4】第1の動作配置が、車両と、単位負荷受取りデバイスと、単位負荷受取りデバイスに対してつながる第1の目標軌道とを備え、第1の目標軌道が、車両が単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように駆動し、または単位負荷受取りデバイスに横方向に当接するように設計される、動作面上の第1の動作配置の概略図。
【
図5】車両内への機能的統合を伴う、本発明による車両制御機能の一実施形態の機能図。
【
図6】車両内への機能的統合を伴う、本発明による車両制御機能のさらなる実施形態の機能図。
【
図7】車両内の機能的統合を伴う、物流中心デバイスの一実施形態および車両制御機能の一実施形態を有する本発明による物流システムの一実施形態の機能図。
【
図8】車両内の機能的統合を伴う、物流中心デバイスの一実施形態および車両制御機能の一実施形態を有する本発明による物流システムのさらなる実施形態の機能図。
【
図9】車両内の機能的統合を伴う、物流中心デバイスの一実施形態および車両制御機能の一実施形態を有する本発明による物流システムのさらなる実施形態の機能図。
【
図10】車両内の機能的統合を伴う、物流中心デバイスの一実施形態および車両制御機能の一実施形態を有する本発明による物流システムのさらなる実施形態の機能図。
【発明を実施するための形態】
【0085】
これらの図によって、本発明による車両1、本発明による物流システム、および本発明による方法の実施形態が、いずれの場合も、特徴を有する変形形態および相互代替実施形態で説明される。さらなる代替実施形態が変形形態とは異なる特徴はまた、本発明によれば、本明細書に記載するすべての実施形態において、具体的には機能的に同一または機能的に類似の特徴に対する代替としても、追加の特徴としても、存在することが可能である。
【0086】
本発明による車両1の実施形態は、本明細書に記載する車両のそれ以外の任意の変形形態と組み合わせて、
(S1)車両が、車両システムを有する有人車両であり、車両システムが、利用可能な現在の実際の車両位置を有し、特にいずれの場合も現在の実際の車両位置の決定のための車両センサ・デバイスを備え、人によって作動させられることが可能である制御要素を備え、制御要素を作動させることによって、制御コマンドが生成され、駆動デバイスへ送信され、駆動デバイスが、制御コマンドに応じて動作面上で車両を動かし、制御コマンドが、車両システム、たとえばそのディスプレイによって提供される制御目標仕様による入力である、制御、
(S2)車両が、制御目標仕様を生成する車両システムを有する自己制御式車両であり、制御目標仕様が、車両の駆動制御デバイスへ送信され、駆動制御デバイスが、制御目標仕様に基づいて、制御コマンドを直接または間接的に車両駆動デバイスへ送信し、車両駆動デバイスによって車両が制御コマンドに応じて動作面上を動く、制御、
(S2)車両が、車両システムを有する自己制御式車両であり、制御目標仕様が、外部デバイス、特に動作区域内に静止して配置された物流中心デバイスなどによって生成され、制御目標仕様が、無線を介して車両の車両通信デバイスへ送信され、車両通信デバイスから車両の駆動制御デバイスへ送信され、駆動制御デバイスが、制御目標仕様に基づいて、制御コマンドを直接または間接的に車両駆動デバイスへ送信し、車両駆動デバイスによって車両が制御コマンドに応じて動作面上を動く、制御、のうちの1つまたは複数に従って実現されてよい。
【0087】
したがって、本発明による車両1は、特に制御式または自己制御式に駆動されることが可能であり、すなわち手動制御の有無にかかわらず、特に本発明によって提供される対応する機能によって、少なくとも1つの事前定義された移送タスクを自己制御式に実行し、または一連の移送ミッション・タスクを実行する。事前決定された移送ミッション・タスクは、貨物ユニットLを有する車両1を目標軌道に沿って単位負荷受取りデバイス100へ動かし、単位負荷Lを単位負荷受取りデバイス100へ移送することを含む。
【0088】
図1は、例として、本発明によって使用される機能に対して定義されることも可能である、車両1に対する基準システムKS-Fを示す。
図1は、たとえば、車両1に対する長手方向軸A1、垂直軸A2、および横断軸A3を示す。特に、これらの軸A1、A2、A3は、車両1の中心ZFとして定義される車両1の点で収束することが提供されることが可能である。異なる点、概して任意の点もまた、車両1の中心として定義されてよい。特に、中心線は、車両1の長手方向軸A1であることが可能である。たとえば、これらの定義は、本発明によって使用される機能に対して定義されてよい。たとえば、これらの機能において、車両1の位置もしくは速度または位置および速度の両方に関する情報は、車両1のそのような中心を指す。これらの定義は、本発明によって使用される機能に対して、個々に、または任意の組合せで実行されてよい。
【0089】
図1にまた示されるように、車両1は、動作区域Bの動作面E上の車両1の方向を調整する走行ギア5と、走行ギア5に締結された車両フレーム10とを備える。車両フレーム10は受取り構成要素7を備え、受取り構成要素7上に少なくとも1つの単位負荷Lが配置されることが可能である。車両フレーム10はまた、ベース部分8および受取り構成要素7から形成されることが可能であり、受取り構成要素7は、ベース部分8に締結され、特に重力方向とは反対にベース部分8の上に位置する。本発明はまた、受取り構成要素7を製造する方法に関する。さらに、受取り構成要素7は、重力方向とは反対に向けられた受取り面9を有してよい。そのような受取り面9は、少なくとも1つの単位負荷Lを配置するために提供される。
【0090】
車両フレーム10は、少なくとも部分的に動作面Eの平面延長に沿って向けられた外面10aを備えることが可能である。車両フレーム10は、外面10aを有する外壁から形成されるまたはからなることが可能である。外壁は、外面10aを有する車両1の外周壁とすることが可能であり、外面10aが外周壁を形成する。車両1の外壁はまた、車両1の外壁を形成することが可能であり、車両1上で外面10aを有する区分内に形成される。車両フレーム10はまた、円周方向に延びる格子、フレーム、またはビームから形成されることが可能であり、いずれの場合も外面10aを有する。さらに、車両フレーム10は、いずれの場合も、外面10aとともに、この目的で前述した代替の各々の組合せから形成されることが可能である。
【0091】
したがって、車両1の外面10aは、車両接触面を形成し、または少なくとも1つの車両接触面を備え、車両接触面によって車両1は、単位負荷受取りデバイス100に接触することが可能である。前述したように、車両1は、互いに対して異なる方向に向けられた複数の車両接触面を備えることが可能である。本明細書では、単位負荷受取りデバイス100に関連する「接触」という用語は、特に、車両1および単位負荷受取りデバイス100の接触、および/または単位負荷受取りデバイス100に対する車両1の衝突を刺し、それによって車両1は、目標軌道に沿ったまたは目標軌道上のその動き中に、加速度を受ける。
図1に示される車両1の実施形態では、車両フレーム10は、4つの接触面11、12、13、14を有する。本明細書では、車両フレーム10の接触または接触面は、車両1の任意の表面、特に動作面Eの表面延長に沿って延びる向きを有する表面であってよい。
【0092】
車両1は、車両フレーム10上に配置された駆動デバイス30を備え、駆動デバイス30は、少なくとも1つのモータと、任意選択でさらに制動デバイスとを有する。駆動デバイス30は、走行ギア5に対して結合されており、走行ギアを駆動して、車両1の速度および方向を調整する。特に、走行ギア5は、走行ギア5のホイール懸架装置に各々取り付けられた複数のホイールを備えており、車両1は、動作面E上を動かされて位置決めされることが可能である。この場合、走行ギア5は、少なくとも2つのホイールを備える。駆動デバイスは、走行ギア5のこれらのホイールのうちの少なくとも1つのホイールを駆動し、この目的で、少なくとも1つのホイールのそれぞれ1つに対して結合される。
【0093】
たとえば、いずれの場合も2つのホイールのホイール懸架装置は、カルダン式に取り付けられることが可能であり、その結果、2つのホイールのホイール懸架装置に対して結合されて駆動デバイスに対して接続された走行ギア5のいずれの場合も1つの操舵デバイスのそれぞれ2つのホイールが各々、回転軸に対して横断方向に延びる回転軸の周りを回転させられることが可能である。車両1の事前決定された進行方向および速度は、駆動デバイスによって生成されて車両1の走行ギア5へ送信される対応する制御コマンドに基づいて調整される。特に、車両1の事前決定された進行方向は、駆動デバイスによって生成されて走行ギア5へ送信される対応する制御コマンドに基づいて設定されることが可能である。車両1のこれらの実施形態では、たとえば、合計4つまたは5つ以上のホイールのうち、2つのホイールまたは2対のホイールが、操舵運動を実施することが可能であることが提供されることが可能である。
図1は、本発明による車両の一実施形態の斜視図を示し、車両は、4つのホイールを有する走行ギアを備え、4つのホイールのうち、車両の長手方向軸に対して互いに対向して各々配置された最初の2つのホイールが、その組合せで差動回転ホイールとして設計され、4つのホイールのうち、長手方向軸で見て最初の2つのホイール間に、いずれの場合も車両の横断軸に対して形成されたさらに2つのホイールが、互いに対向して配置され、支持ホイールとして設計されており、
図2は、本発明による車両の一実施形態の斜視図を示し、車両は、全方向ホイールまたは全面ローラとして設計された4つのホイールを有する走行ギアを備える。
【0094】
概して、車両1の走行ギア5は、特にカルダン懸架装置の場合、少なくとも1対の対向するホイールが操舵デバイスを介して互いに対して結合されるように設計されることが可能である。この場合、操舵デバイスは、車両の進行方向を調整するために、ホイールが操舵軸の周りを回転させられることが可能になるように設計される。操舵デバイスは、車両推進デバイスに対して動作可能に結合されてよい。
【0095】
全方向に動作可能なホイールまたはサイド・ローラを有する走行ギアの一実施形態では、走行ギアはまた、操舵デバイスなしで設計されることが可能である。全方向に動作可能なホイールまたは全面ローラは、それぞれの制御目標仕様に従って設定されるべき車両の運動方向が、個々のホイールの異なる回転速度によって調整されるように、車両駆動デバイスに対して機能的に結合されることが可能である。それに応じて、車両1のホイール懸架装置およびホイールはまた、車両1のホイールが走行ギアの全方向ホイールとして実現されるように設計されることが可能である。全方向ホイールを有する実施形態における車両1は、この点で接触支持体上に障害物がないという条件で、現在の位置から各進行方向に動かされることが可能である。この目的で、車両1の走行ギア5は、各ホイールの回転方向を調整するためにそれぞれのホイールのホイール懸架装置の各々に対して結合された操舵デバイスを有することが可能であり、操舵デバイスは、駆動デバイスに対して接続される。別法として、車両1の事前決定された進行方向および速度は、駆動デバイスによって生成されて車両1の走行ギア5へ送信される対応する制御コマンドに基づいて設定されることが可能である。特に車両1の方向を調整するために、対応する制御コマンドが操舵デバイスへ送信される。
【0096】
さらに、車両は制御機能50を備え、制御機能50は、駆動デバイスに対して機能的に接続され、制御目標仕様に基づいて制御コマンドを決定し、前記コマンドを駆動デバイス30へ送信する。駆動デバイス30は、車両1のホイールを駆動し、対応して動作面上で車両1を動かし、車両1の現在の車両状態に基づいて、動作面E上の車両1の目標の車両状態を調整するために、制御コマンドから走行ギアへ作動コマンドまたは作動信号を生成する。
【0097】
本発明によれば、
図3および
図4に例として示されている初期状態で、少なくとも1つの車両1が、単位負荷受取りデバイス100から距離をあけて、第1の現在の車両状態に配置されている。出力状態距離は、特に車両1の以前の動きに起因することが可能である。出力状態距離は、特に、車両1の事前定義された中心ZFと、単位負荷受取りデバイス100または単位負荷受取りデバイス100上の事前定義された基準点Rまたは基準位置Rとの間の距離として定義されることが可能である。単位負荷受取りデバイス100の基準点は、単位負荷受取りデバイス100または単位負荷受取りデバイス100の外側の点または領域、特に任意の所望の場所とすることが可能であり、基準点Rは、受取りデバイス固定座標系において固定されて位置し、すなわち不変である。単位負荷受取りデバイス100の基準点は、特に、たとえばその向きが動作面Eの延長に沿って走る単位負荷受取りデバイス100の表面領域または点、たとえば表面点またはその接触面105などの領域とすることが可能である。しかし、出力状態距離はまた、車両1および貨物ユニット受取りデバイス100の他の点または場所を指してよい。たとえば、出力状態距離は、接触面に接触するように提供される車両1の外面10aの基準点または表面中心点、および接触面に接触するように提供される車両1の外面10aの表面中心点と、単位負荷受取りデバイス100の設置面または接触面105の表面中心点との間の距離として定義されることが可能である。
【0098】
車両1は、目標軌道STに基づいて動作し、目標軌道STは、局所的に可変または局所的に不変の軌道方向RSTにおいて始点と終点との間に配置され、単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点を有する移送領域215を備える。
【0099】
図3および
図4は、例として、単位負荷受取りデバイス100に対する目標軌道STを示す。
図3で、参照番号200が目標軌道STに対して割り当てられる。目標軌道200は、局所的に可変または局所的に不変の軌道方向R200において始点201と終点202との間を走り、単位負荷受取りデバイス100に対して割り当てられた目標移送点211を有する移送領域215を備える。
図4で、参照番号300が目標軌道STに対して割り当てられる。目標軌道300は、局所的に可変または局所的に不変の軌道方向R300において始点301と終点302との間を走り、単位負荷受取りデバイス100に対して割り当てられた目標移送点311を有する移送領域315を備える。
【0100】
基準点Rはまた、目標移送点211と同一とすることが可能である。基準点Rは、好ましくは単位負荷受取りデバイス100上の基準点である。基準点Rは、車両1から単位負荷受取りデバイス100への単位負荷Lの移送運動のための目標点とすることが可能であり、すなわち基準点Rは、特に、その近傍で単位負荷Lが単位負荷受取りデバイス100上へ動かされるべき点または場所または領域とすることが可能である。基準点Rはまた、目標点または目標領域を定義することが可能であり、目標点または目標領域において、目標軌道の対応する進路の場合、車両1から単位負荷受取りデバイス100への単位負荷Lの移送運動を実現するために、車両1は単位負荷受取りデバイス100に接触することが意図される。
【0101】
目標移送点211、311は、好ましくは、車両1が車両1を加速させる加速度を受ける目標軌道ST上の点であり、その質量慣性の結果として、受取り構成要素7、特に受取り面9上に位置する単位負荷Lは、車両1の受取り構成要素7または受取り面9から、基準点R、特に受取り構成要素101へ移送され、受取り構成要素101は、特に、単位負荷受取りデバイス100の受取り面101aを備えることが可能である。受取り面101は、少なくとも部分的に重力方向とは反対に向けられ、その結果、単位負荷Lが受取り面101へ、特に自由運動によって運搬されることが可能である。
【0102】
目標移送点211または311は、目標軌道200または300の移送領域215または315内に位置し、移送領域215または315は、目標軌道200または300の一部分である。この場合、目標移送点211または311は、目標軌道200もしくは300の移送領域215もしくは315内の領域内に、または移送領域215もしくは315内の中心に、または移送領域215もしくは315の縁部に、特にまた移送領域215もしくは315の縁部点に位置することが可能である。
【0103】
それぞれの目標軌道200または300の移送領域215、315は、
図3および
図4にいずれの場合も点線によって例として概略的に示されている。移送領域215、315の長さは、応用例に応じて定義または定義される。移送領域215の長さは、その量の観点から、車両1の受取り構成要素7上に配置された単位負荷Lをその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス100上へ動かすために、移送領域215、315、特に目標移送点211または311内で車両1に対して必要とされる加速度の生成に十分である。たとえば、移送領域215、315の長さは、車両1の長さの少なくとも50%の量である。別法として、移送領域215、315の長さは、少なくとも車両1の長さ、具体的には車両1の長さの少なくとも1.5倍になることが可能である。これに関して、車両1の長さは、車両1の長さであってよく、これは、それぞれの目標軌道200または300に沿って、または動作面E上に位置する車両1の最小長さに沿ってもたらされ、これは動作面Eの延長方向にもたらされる。
【0104】
それぞれの現在の実際の車両位置から目標軌道STへの車両1の車両軌道が、
図3および
図4にいずれの場合も破線で示されており、
図3の車両運動経路には参照符号「210」が割り当てられ、
図4の車両運動経路には参照符号「310」が割り当てられている。示されている例では、その車両運動経路上のそれぞれの目標軌道200または300に到達した後、車両1は、このそれぞれの目標軌道200または300に沿ってさらに動く。
【0105】
車両1の目標の動きの説明および定義のために目標速度ベクトル、車両1の現在の動きの説明および定義のために現在の速度ベクトルV1が、車両1に対して割り当てられる。車両1の目標の動きの説明および定義のために、目標速度および目標加速度、ならびに目標速度プロファイルがまた、車両1に対して割り当てられる。
【0106】
目標または実際の速度ベクトルは、事前決定された目標速度が0に等しいとき、または車両1が動作面E上で動いていないときは値0を有し、車両1が動いているときは0以外の大きさを有し、目標または実際の速度ベクトルの方向は、車両1の事前決定されたまたは現在の進行方向を示す。移送ミッション・タスクを達成するためにそれぞれの現在の速度ベクトルV1を有する車両1の実際の動きの場合、これは、それぞれの現在の出力状態Z1から開始して、特にすでにこの初期状態Z1で、または時系列でそれぞれの現在の出力状態Z1が経路案内機能もしくは経路制御機能によって目標軌道STに沿って動かされる前もしくは後の別の状態で、提供されることが可能である。この経路案内機能または経路制御機能は、少なくとも実際の車両位置によって、いずれの場合も目標軌道STに対して定義されるそれぞれの現在の実際の車両状態と、たとえば現在決定または定義されている目標軌道STの点との間の偏差関係を決定することによって定義されることが可能である。目標軌道STの現在定義されている点は、たとえば、それぞれの現在の実際の車両位置から最小距離をあけて配置された点とすることが可能である。最小距離の代わりに、現在の実際の車両状態と目標軌道STの現在決定または定義されている点との間の異なる距離または異なる関係がまた、使用されることが可能である。経路案内機能または経路制御機能によって、偏差関係から目標軌道追従コマンドが決定される。目標軌道追従コマンドは、制御コマンドに変換される制御目標入力である。制御コマンドは、車両1を目標軌道STに沿って車両運動経路上で動かすために、対応して駆動デバイス30を作動させるのに好適である。
【0107】
目標軌道追従コマンドは、事前定義されることが可能である。本発明によれば、目標軌道追従コマンドはまた、決定されることが可能である。特に偏差関係に基づく目標軌道追従コマンドの決定、および駆動デバイスへの目標軌道追従コマンドの送信は、いずれの場合も、目標軌道追従機能60によって行うことが可能である。
【0108】
別法または追加として、目標軌道追従機能60は、軌道制御機能の機能的構成要素、特に車両1または物流中心デバイス400の車両制御機能50の機能的構成要素とすることが提供されることが可能である。これとは独立して、負荷移送制御機能70が、車両1または物流中心デバイス400の車両制御機能50の機能的構成要素であることが提供されることが可能である。
【0109】
車両制御機能50は、車両1内に機能的に一体化された車両システムSの機能的構成要素とすることが可能であり、すなわち車両制御機能50は、駆動デバイス30に対して機能的に接続され、制御コマンド仕様に基づいて、制御コマンドを決定し、制御コマンドを駆動デバイス30へ送信して、いずれの場合も車両1の現在の実際の速度ベクトルを調整する。特に、目標軌道追従機能を定義し、車両制御機能50の目標軌道追従コマンドを提供するアルゴリズムが、目標軌道追従機能60内に記憶されることが可能である。任意選択で、車両制御機能50が、目標軌道追従機能60の起動に基づいて速度コマンドを使用または決定し、駆動デバイス30への制御コマンドが送信されるときに作用することが提供されることが可能である。
【0110】
さらに、車両制御機能50は、負荷移送制御機能70を備えることが可能であり、負荷移送制御機能70は、目標軌道ST、200、300の少なくとも1つの移送領域215、315に基づいて、一定または可変の速度を有する決定または事前定義された目標速度プロファイル、および任意選択で制御目標仕様としての車両1に対する決定または事前定義された目標加速度プロファイルを使用または決定し、これらのプロファイルを制御コマンドとして駆動デバイス30へ送信する。
【0111】
概して、関連する各時点、特に車両システムSの各計算時間に関連する制御目標仕様は、それぞれの時点の車両1の現在の状態に関係付けられ、任意選択で比較され、そこから駆動デバイス30に対する制御コマンドが決定されることが提供されることが可能である。制御コマンドは、それぞれの時点に対応する車両1の現在の状態が、それぞれの時点に関連する目標状態に変化するように決定される。それぞれの時点に対する制御コマンドの決定は、特に制御方法または推定方法を使用して提供されることが可能である。制御コマンドによって、駆動デバイス30は、車両の受取り構成要素7上に配置された単位負荷Lがその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス100へ移送されるように、移送領域215、315内でまたは移送領域215、315に沿って車両1の移送速度を調整し、任意選択で目標移送点211内で車両1の目標加速度を調整する。
【0112】
特に、目標軌道追従機能60を定義し、目標軌道追従コマンドを決定するアルゴリズムが、車両制御機能50内に記憶されることが可能である。これとは独立して、特に、負荷移送制御機能70を定義し、車両1に対して、移送領域215、315に沿った目標速度プロファイル、および任意選択で移送領域215、315に沿った目標加速度プロファイル、任意選択で目標移送点211、311内の目標加速度を決定するアルゴリズムが、車両制御機能50内に記憶されることが提供されることが可能である。
【0113】
図3および
図4に概略的に示されている車両1は、たとえば本発明による方法の始めに、いずれの場合も
図3および
図4に示されている初期状態にあり、少なくとも1つの現在の実際の車両位置および任意選択で実際の車両速度が属する現在の車両状態を有し、その状態で、車両1または車両1の中心ZFは、始点201、301まで初期状態距離D1にある。
【0114】
本発明によれば、車両1に対して制御目標仕様が提供され、制御目標仕様から、目標移送点211、311内、または目標移送点211へ延びる移送領域215の少なくとも1つの区分内で、移送領域215、315の特有の形態によって、車両1の移送加速度、および任意選択で横方向移送加速度、および/または負の長手方向移送加速度がもたらされる。本発明の実施形態によれば、目標軌道STは、目標移送点211、311が、単位負荷受取りデバイス100または単位負荷受取りデバイス100の接触面105に対して、単位負荷受取りデバイス100またはその接触面105上で、車両1の接触もしくは当接もしくは停止を引き起こさない位置、または多少強力な接触もしくは当接もしくは停止を引き起こす位置を有するプロファイルを有することが可能であり、目標移送点211内で、車両1の移送加速度、すなわち現在の移送加速度を実施するために、事前定義もしくは決定された目標速度ベクトルまたは事前定義もしくは決定された目標速度、および目標軌道STの形態に応じて、任意選択でさらに車両1の事前定義または決定された目標加速度、特に負の目標加速度が提供され、それによって加速度仕様(b1)、(b2)、(b3)、すなわち
(b1)横方向移送加速度、
(b2)現在の車両速度の低減を伴う負の長手方向移送加速度、
(b3)横方向移送加速度および負の長手方向移送加速度の組合せ、のうちの1つまたは複数が実現される。
【0115】
移送加速度は、制御コマンド、もしくは単位負荷受取りデバイス100の接触、または制御コマンドおよびそのような接触の両方の結果として生じる車両1の加速度である。この場合、移送加速度は、目標軌道ST、200の移送領域215、315の対応する形態の場合、単位負荷Lがその慣性によって受取りデバイス100上を動かされる単位負荷受取りデバイス100に接触しなくても、単位負荷Lにとって十分となることが可能である。
【0116】
本明細書に、「負の長手方向移送加速度」は、車両1の負の加速度、すなわち少なくとも目標移送点211まで延びる区分内で車両1上に及ぼされる車両1の速度の低減を意味すると理解される。負の長手方向移送加速度は、駆動デバイス30によって指示される車両1の制動加速度によって、したがって車両1の対応して指示される速度プロファイルの場合に、部分的または全体的にもたらされてよい。この目的で、別法または追加として、負の長手方向移送加速度は、移送領域215、315のそれぞれの形態の場合に、部分的または全体的に単位負荷受取りデバイス100への車両1の衝突によって生じることが可能である。
【0117】
本発明によれば、特に、車両1の受取り構成要素上に配置された単位負荷Lをその質量慣性によって単位負荷受取りデバイス100へ移送するために必要とされる車両1の移送加速度を実現するために、
(M1)任意選択で単位負荷受取りデバイス100、特に接触面105に対する移送点211、311の定義された位置を有する、移送領域215、315の特有の形状または形態、
(M2)特に少なくとも移送領域215もしくは315の一区分内で目標移送点211、311まで速度が一定であり、または特に少なくともこの区分内で速度の低減が設定される、速度コマンドによって駆動デバイス30へ制御コマンドとして指示される速度プロファイル、という方策の組合せが講じられる。
【0118】
車両1が移送領域215、315または目標移送点211、311内で有するべき加速度に対するそれぞれの加速度仕様は、単位負荷Lがその質量慣性によって受取り構成要素7から単位負荷受取りデバイス100へ動かされるように寸法設定される。車両1上の単位負荷Lの状態は、
図3および
図4で参照符号「L1」によって示され、単位負荷受取りデバイス100上の単位負荷Lの状態は、
図3および
図4で参照符号「L2」によって示されている。
【0119】
図3による目標軌道200は、始点201と終点202との間に延びる移送領域215が、第1の部分216および第2の部分217を備え、第1の部分216および第2の部分217が、少なくとも部分的に互いに沿って走り、かつ車両1の運動方向に対して反対方向に走る進路を備える。車両1の目標運動方向R200に基づいて、第1の区分216は、単位負荷受取りデバイス100の方向に、目標移送点211へ、この目標移送点211まで走り、すなわち目標移送点211を含み、第2の区分217は、目標運動方向R200に見たとき、目標移送点211から離れる方へ延びる。その結果、制御目標仕様として定義される目標速度プロファイルの場合、目標移送点211内で車両1の運動反転が生じ、したがって目標移送点211は、速度ベクトルが0に等しい運動反転点である。運動反転は、以下の代替(BU1)、(BU2)、(BU3)のうちの1つによって実施されることが可能である。
【0120】
(BU1)車両1は、移送領域215の方向において、それぞれの現在の進行方向R200に、目標軌道200上を、または目標軌道200に沿って動き、目標移送点211まで、すなわち少なくとも目標移送点211の直前までの指示される目標速度は、0とは異なり、車両1を単位負荷受取りデバイス100に、特に接触面105に押し付けることによって、負の長手方向移送加速度以上の制動加速度が及ぼされるのに十分であり、車両1の駆動デバイス30は、負の長手方向移送加速度に寄与せず、または目標移送点211の直前に、すなわち第1の区分216内で、負の長手方向移送加速度に寄与を及ぼし、すなわち車両1の制動が実施されない。車両1を単位負荷受取りデバイス100に押し付けることによる車両1の制動加速度は、任意選択でさらに、反跳インパルスと組み合わされることが可能であり、それによって車両1が運動反転を実行する。これとは独立して、制御コマンドが駆動デバイス30へ送信され、それによって第2の部分217内の車両1が単位負荷受取りデバイス100から終点202の方へ移動させられることが提供されることが可能である。
【0121】
(BU2)車両1は、移送領域215の方向において、それぞれの現在の進行方向R200に、目標軌道200上を、または目標軌道200に沿って動き、指示される目標速度は、目標移送点211まで、すなわち少なくとも目標移送点211の直前まで、さらに目標移送点211のすぐ前まで、すなわち第1の区分216内で、0とは異なり、車両1の駆動デバイス30は、車両1が0とは異なる速度で単位負荷受取りデバイス100、特に接触面105に当たるまで、指示された制動加速度を車両1上に及ぼし、したがって制動加速度とともに、負の長手方向移送加速度が車両1上に及ぼされる。車両1の制動加速度は、車両1を単位負荷受取りデバイス100に押し付けることによって、任意選択で衝突インパルスとさらに組み合わされることが可能であり、それによって車両1が運動反転を実行する。これとは独立して、制御コマンドが駆動デバイス30へ送信され、それによって第2の部分217内の車両1が、貨物ユニット受取りデバイス100から終点202の方へ移動させられることが提供されることが可能である。
【0122】
(BU3)車両1は、移送領域215の方向において、それぞれの現在の進行方向R200に、目標軌道200上を、または目標軌道200に沿って動き、指示される目標速度が目標移送点211まで0に等しくなるように、制動加速度または負の長手方向移送加速度を受ける。この場合、車両1と単位負荷受取りデバイス100、特に接触面105との間の接触または非接触が目標移送点211内で生じ、それによって反跳インパルスが車両1に及ぼされないことを提供することが可能である。したがって、発生した制動加速度は、単位負荷Lを単位負荷受取りデバイス100へ移送するための負の長手方向移送加速度以上である。車両1の運動の反転は、制御コマンドが駆動デバイス30へ送信され、それによって第2の部分217内の車両1が貨物ユニット受取りデバイス100から終点202の方へ移動させられることから生じる。
【0123】
運動反転の代替(BU1)および(BU2)の場合、車両1の駆動デバイス30へ送信される速度コマンドは、駆動デバイス30によって車両1に対する負の長手方向移送加速度、すなわち制動加速度を生成するためのコマンドを含む。目標速度プロファイルを実現するための速度コマンドは、特に負荷移送制御機能70内で制御目標仕様として使用または決定され、制御コマンドとして駆動デバイス30へ送信される。
【0124】
移送領域215内で、目標移送点211内の移送領域215の2つの区分216、217に対する接線間に配置される角度は、鋭角または鈍角であってよい。移送領域215のうち目標移送点211に対してつながる区分は、単位負荷受取りデバイス100の接触面105の範囲に対して、大きさが25度より大きい角度範囲内に位置する目標移送点内の方向を有することが可能である。
【0125】
車両1は、その初期状態から第1の現在の車両位置として目標軌道200に沿って目標移送点211へ制御式に動き、目標移送点211内で、目標軌道200に沿ってまたは目標軌道200上を進む車両1は、運動方向反転を実行する。前述したように、運動方向反転は、必要とされる移送加速度を有する制御目標仕様によって定義された目標速度プロファイルの場合、単位負荷受取りデバイス100への車両1の衝突によって、または単位負荷受取りデバイス100に当たることによって、排他的または部分的に行われることが可能であるが、制御目標仕様によって定義された目標速度プロファイルはまた、接触面105に対する車両1の接触または衝突なく運動方向反転が生じるように設計されることが可能である。
【0126】
車両1を単位負荷受取りデバイス100に押し付けた場合、または車両1が単位負荷受取りデバイス100に衝突した場合の負の長手方向移送加速度の量は、単位負荷受取りデバイス100に対する移送点211の位置の定義との目標速度プロファイルの組合せによって、したがって移送点211と単位負荷受取りデバイス100または接触面105との間の距離D2によって決定される。その結果、車両1に及ぼされるパルスの強度は、車両1を単位負荷受取りデバイス100に押し付けることによって、したがって移送加速度の量によって調整されることが可能である。
【0127】
図4の目標軌道STが示すように、移送領域215は、湾曲して走ることが可能であり、単位負荷受取りデバイス100は、目標軌道STの凸面側に位置する。加えて、これは、たとえば動作面Eの側で単位負荷受取りデバイス100から距離D2をあけた場合に当てはまることがある。この距離D2は、車両1が目標軌道200上を単位負荷受取りデバイス100に対して通り過ぎるように終点202まで動く間に、車両1と単位負荷受取りデバイス100との間の接触が生じないように寸法設定されることが可能である。この場合、目標移送点211内の必要とされる横方向移送加速度は、車両1が移送領域215に沿って動く間に車両1に作用し、これは、制御目標仕様として定義される少なくとも1つの目標速度プロファイル、およびそれに応じて目標移送点211または移送領域215内の目標速度ベクトルから決定された制御コマンドに起因する。必要とされる移送加速度に到達することによって、受取り構成要素7から単位負荷受取りデバイス100への単位負荷Lの動きがその質量慣性によってもたらされる。この場合、特に、目標移送点211を有する移送領域215または移送領域215の一部分内の目標速度プロファイルはまた、一定の車両速度を備えてよいが、軌道の少なくとも1つの部分に沿った車両速度の低減、すなわち車両制動、または軌道の少なくとも1つの部分に沿った車両速度の増大、すなわち車両加速度も有する。
【0128】
目標軌道200の進路の場合、湾曲した形状の移送領域215が提供され、そこで単位負荷受取りデバイス100が目標軌道STの凸面側に位置しており、目標移送点211と単位負荷受取りデバイス100との間の距離D2が、車両1と単位負荷受取りデバイス100との間に接触がなく、かつ目標移送点211が単位負荷受取りデバイス100に十分に近接して配置された距離D2より小さい場合、指示された目標速度ベクトルまたは指示された目標速度によって目標移送点211上を動く車両1は、
(i)移送区域215内の目標軌道200の湾曲した形状の移送領域215に沿った動きによって、移送加速度、特に横方向移送加速度の第1の成分を受け、
(ii)車両1を単位負荷受取りデバイス100に、または動作面Eに対向するその接触面105に当てることによって、移送加速度、特に横方向移送加速度の第2の成分を受ける。
【0129】
距離D2が小さければ小さいほど、車両1が移送領域215内を単位負荷受取りデバイス100に沿って動く間に移送加速度、特に横方向移送加速度の第2の成分が大きくなる。
【0130】
本発明によれば、本明細書に記載または包含される物流システムの車両または方法のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道STおよび/または移送領域、特に移送領域の形状は、いずれの場合も、単位負荷受取りデバイス100に対する移送点211、311の位置、または移送点211、311と単位負荷受取りデバイス100との間の距離によって、事前定義されることが可能である。これに対する代替として、本発明によれば、目標軌道STおよび/または移送領域、特に移送領域の形状が、目標軌道決定機能内で決定され、目標軌道決定機能が、車両システムS、または動作区域内に静止して配置された物流中心デバイス400内で実現されることが可能であることが提供されることが可能である。目標軌道決定機能内で決定される目標軌道STは、特に、始点201、終点202、および目標移送点211を有することが可能であり、移送領域215が、特に均一に湾曲したプロファイルでこれらの間に配置され、単位負荷受取りデバイス100は、移送領域215の湾曲の凸面側に位置する。目標軌道決定機能は、目標移送点211と単位負荷受取りデバイス100との間の距離D2が、事前決定または決定された量を備えるように設計されることが可能である。その結果、記載されるプロファイルを有する好適な目標軌道STおよび/または移送領域、特に移送領域の形状を決定することによって、必要とされる移送加速度、特に横方向移送加速度が実現されることが可能であり、これは、車両1の移送加速度、特に横方向移送加速度の第1の成分(i)、および任意選択でさらに移送加速度、特に横方向移送加速度の第2の成分(ii)に起因する。
【0131】
目標軌道STを決定するために、目標軌道決定機能が、目標軌道STまたは目標軌道進路および/または移送領域の事前定義、たとえば記憶された軌道形態、特に移送領域の形態を含み、またはそれに機能的に関連することが可能であることが提供されることが可能である。少なくとも1つの軌道形状、または移送領域の形状は、特にたとえば座標系の座標軸によって記述される数学関数によって定義されることが可能であり、座標軸は、動作面Eまたはその実質的な延長に及ぶように配置されることが可能である。少なくとも1つの軌道形状、または移送領域の形状は、特に、放物線関数もしくはスプライン関数として、または目標軌道決定機能内もしくは目標軌道決定機能に対して割り当てられた機能内の別の事前定義された関数として、使用されることが可能である。この場合、目標軌道決定機能において、少なくとも1つのパラメータを備える関数として事前定義された軌道形状が定義され、したがってこの少なくとも1つのパラメータが、いずれの場合も、それぞれの軌道形状もしくは移送領域の形状を特有の関数として定義するために、またはこのそれぞれの関数を変動させて適当な軌道形状もしくは移送領域の形状を決定するために、特有の値に等しくされることが可能であることが、さらに提供されることが可能である。
【0132】
加えて、目標軌道決定機能は、少なくとも1つのパラメータを変動させる適合機能を備えることが可能であり、その結果、事前定義された軌道形状または移送領域の形状の少なくとも1つのパラメータを変動または調整することによって、特有の目標軌道STまたは特有の移送領域が定義され、好適な特有の目標軌道STまたは移送領域の好適な形状が決定され、目標移送点211、311内の目標速度および/または目標加速度を有する事前定義または決定された目標速度プロファイルと組み合わせて、加速度仕様(b1)、(b2)、(b3)の1つまたは複数による必要とされる移送加速度が、任意選択で車両1に対して実現されることが可能である。この場合、複数の軌道形態または移送領域の複数の形態が、たとえば目標軌道決定機能内で事前定義され、目標軌道決定機能の適合機能が、パラメータ変動によって複数の軌道形状または移送領域の形状の記載された適合を実現することが提供されることも可能である。
【0133】
代替または追加として、目標軌道決定機能が、すなわちパラメータなしで、たとえばいずれの場合も事前定義された機能として定義された複数の特有の目標軌道進路を記憶し、目標軌道STの決定中に特有の目標軌道進路のうちの1つを選択することが提供されることが可能である。この場合、目標軌道決定機能は選択機能を有することが可能であり、選択機能によって目標軌道進路が、選択可能な目標軌道進路から制御コマンドを決定するための基本として選択され、それによって移送領域内で制御目標仕様によって定義される目標速度プロファイルおよび/または目標移送点内の目標加速度の場合、車両1への移送加速度が到達または超過される。
【0134】
目標軌道決定機能の適合機能を有する本発明による実施形態、および目標軌道決定機能の選択機能を有する本発明による実施形態では、移送領域内の目標速度プロファイルの変動、または適当な場合、目標移送点内の目標加速度が実行されることが可能であり、移送加速度が比較値または閾値または最小値として実現されるための値が使用されることが可能である。この場合、目標速度プロファイル、または適当な場合、目標加速度が選択または決定され、それによって比較値または閾値または最小値が、少なくとも他のパラメータ値に対して超過されることが提供されることが可能である。
【0135】
本明細書では、移送領域内の目標速度プロファイルおよび/または目標移送点内の目標加速度に対する比較値または閾値または最小値が実現されるかどうかの決定は、概して、たとえば目標軌道または遷移領域に沿って選択された目標軌道および/または目標速度プロファイルなどの事前決定された決定変数に基づいて、この場合、任意選択で前述の成分(i)、(ii)のうちの1つまたは複数に対して発生する理論上の移送加速度に対して、シミュレーション計算を実行し、この理論上の移送加速度をそれぞれの比較値または閾値または最小値と比較することによって、実施されることが可能である。比較値または閾値または最小値が、理論上の移送加速度のそれぞれ決定された値だけ超過された場合、比較値に到達した選択または適合は、事前決定された決定変数に基づいて、使用されるべき選択または適合として識別されることが可能である。
【0136】
本明細書に前述のパラメータまたは関数またはプロファイルの変動は、事前定義されたシーケンスに従って、または統計的確率によって、または何らかの他の方法で、実施されることが可能である。
【0137】
目標軌道決定機能の前述の実施形態に対する代替または追加として、目標軌道進路の決定は、目標軌道決定機能が少なくとも1つの軌道進路基準を適用するように、目標軌道進路の事前定義された形状を適合することによって、または目標軌道進路を任意選択でその適合によって選択することによって、提供されることが可能である。この場合、目標軌道決定機能は、特に車両の移送領域内の制御目標仕様として定義される目標速度プロファイルの場合、および/または目標移送点内の制御目標仕様として定義される目標加速度の場合、車両1の移送加速度が実現されることを確実にするために、軌道進路基準として、軌道進路基準(TK1)、(TK2)、(TK3)、(TK4)、すなわち
(TK1)実際の車両位置または目標軌道STの始点201、301から目標移送点211、311までの最小長さ、
(TK2)移送領域215、315の最大湾曲が最小になること、
(TK3)目標軌道STにわたって一定になるまたは目標軌道STにわたって変動することが可能である車両1の事前定義された速度プロファイルにおける、実際の車両位置または目標軌道STの始点から目標移送点211、311までの最小継続時間、
(TK4)車両1を実際の車両位置または目標軌道STの始点201から目標移送点211、311へ駆動するための最小エネルギー要求または最小エネルギー消費、
(TK5)車両1から単位負荷受取りデバイス100への単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または誤った送達なし、
(TK6)単位負荷受取りデバイス100内の空間の最小利用、のうちの1つまたは複数を使用することが提供されることが可能である。
【0138】
目標軌道決定機能の適合機能において、前記機能は、少なくとも1つのパラメータのうち、比較値または閾値または最小値が少なくとも他のパラメータ値に対して超過されるものを定義することが提供されることが可能である。別法または追加として、基準TK1~TK6のうちの少なくとも1つが使用されることが可能であり、加えて少なくとも1つのパラメータは、前述の基準のうちの1つもしくは複数の前述の基準が満たされるように、または最大数の基準が満たされるように、定義されることが可能である。
【0139】
選択機能において、目標軌道進路および/または移送領域のうち、比較値または閾値または最小値が少なくとも他の目標軌道進路に対して超過されるものを選択することが提供されることが可能である。別法または追加として、基準TK1~TK6のうちの少なくとも1つが使用されることが可能であり、この場合、目標軌道進路のうちの1つは、前述の基準のうちの1つもしくは複数の前述の基準が満たされるように、または最大数の基準が満たされるように、選択されることが可能である。
【0140】
本発明によれば、目標移送点211、311内での単位負荷Lの質量慣性による負荷移送のために実現されるべき車両の移送加速度は、概して、目標軌道決定機能内の比較値として事前決定されることが可能であり、目標軌道決定機能は、軌道進路基準(TK1)、(TK2)、(TK3)、(TK4)、(TK5)、(TK6)のうちの少なくとも1つまたは複数の達成と組み合わせて、制限値が到達されたとき、目標軌道進路または移送領域の選択または適合を実行してよい。
【0141】
事前定義された目標軌道STを使用し、適合機能を有し、選択機能を有する、目標軌道決定機能の前述の実施形態、すなわちこれらの選択肢のうちの1つまたは複数を有する実施形態は各々、速度プロファイル決定機能を備えることが可能であり、速度プロファイル決定機能は、それぞれの目標軌道STに沿った、またはそれぞれの事前決定もしくは決定された目標軌道ST、200、300に対するそれぞれの移送領域、またはそれぞれの目標軌道200もしくは300の移送領域215の目標速度プロファイルをさらに決定し、目標速度プロファイルによって、車両1に対して実現されるべき横方向の加速度が実現される。この場合、速度プロファイル決定機能は、事前決定された目標速度プロファイルから開始し、シミュレーション計算が、このようにして定義された目標速度プロファイルによって、実現されるべき加速度に対する比較値が到達または超過されることをもたらすまで、目標速度プロファイルを増分的にまたは事前決定されたステップで増大させるように実現されることが可能である。これに関して、目標速度プロファイルは、速度プロファイル機能によって、または目標軌道の点に対して各々、割り当てられた一連の目標速度によって、または何らかの他の方法で、定義されることが可能である。これに対する代替として、速度プロファイル決定機能は、異なる目標速度プロファイルを記憶していてよく、目標移送点211、311内で発生する理論上の移送加速度の決定によって、様々な目標速度プロファイルに対してシミュレーション計算を徐々に実行してよい。比較値または閾値または最小値が、いずれの場合も、目標移送点211、311内で発生する理論上の移送加速度の決定された値だけ超過された場合、使用されるべき目標速度プロファイルは、比較値に到達したそれぞれ使用される目標速度プロファイルに基づいて識別されることが可能である。特に、それぞれの理論上の移送加速度が最小量だけ比較値を超過するこれらの実施形態では、単位負荷Lの移送のためのその目標速度プロファイルが使用されてよい。
【0142】
比較値または閾値または最小値が、車両1の移送加速度のために、特に理論上の移送加速度の使用に関連して必要とされるすべての実施形態において、比較値または閾値または最小値が決定されてよい。この目的で、比較値決定機能が、比較値または閾値または最小値が決定されたそれぞれの速度プロファイル決定機能内に機能的に一体化されてよい。比較値または閾値または最小値の決定において、1つの特性値または複数の特性値の組合せ、すなわち
(K1)単位負荷Lの重量または重量範囲、
(K2)単位負荷Lと受取り構成要素7との間の摩擦係数、
(K3)単位負荷Lの大きさに対する値、から、因子または影響因子が導出されてよいことが提供されることが可能である。
【0143】
この場合、それぞれの影響因子は、事前決定された比較値または閾値または最小値に適用されることが可能である。
速度決定機能を有する本発明による各実施形態では、速度決定機能が、車両1の移送加速度が実現されることを確実にするために、速度基準(GK1)、(GK2)、すなわち
(GK1)実際の車両位置または目標軌道STの始点201から目標移送点211までの、特にたとえば車両1の最大横方向加速度などの事前定義された制限を維持している間の最小継続時間、
(GK2)車両1を実際の車両位置または目標軌道STの始点201から目標移送点211へ駆動するためのエネルギー要求またはエネルギー消費、のうちの1つまたは複数を、移送速度基準または速度プロファイル基準として使用することが提供されることが可能である。
【0144】
さらに、本発明によれば、目標速度プロファイルおよび目標軌道進路または移送領域の進路の両方を決定するために、本明細書に記載する速度決定機能の各々が、本明細書に記載する目標軌道決定機能の各々と組み合わされることが可能であることが提供されることが可能である。この場合、それぞれ決定された目標速度プロファイルと、それぞれ決定された目標軌道進路または移送領域の進路との、それぞれ決定された組合せに対して、目標移送点211、311内で発生する理論上の移送加速度の決定によって、シミュレーション計算が実施されることが提供されることが可能である。この場合、特に、理論上の移送加速度が比較値または閾値または最小値を超過した前述の組合せのうち、組合せは、移送ミッション・タスクを実施するために、または単位負荷Lを単位負荷受取りデバイス100へ移送するために使用され、単位負荷受取りデバイス100は、最適化基準(OK1)、(OK2)、(OK3)、(OK4)、(OK5)、(OK6)、すなわち
(OK1)実際の車両位置または目標軌道STの始点から目標移送点211、311までの最小長さ、
(OK2)最小移送速度、
(OK3)実際の車両位置または目標軌道STの始点から目標移送点211、311までの最小継続時間、
(OK4)車両1を実際の車両位置または目標軌道STの始点から目標移送点211、311へ駆動するためのエネルギー要求またはエネルギー消費、
(OK5)車両1から単位負荷受取りデバイス100への単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または誤った送達なし、
(OK6)単位負荷受取りデバイス100内の空間の最小利用、のうちの1つまたは複数を、最適化目標として使用することが提供されることが可能である。
【0145】
最適化基準(O6)は、特に、単位負荷受取りデバイス100がすでに部分的に占有されている場合、単位負荷Lが単位負荷受取りデバイス100の空いている領域内でも目標とされる形で入るように、車両がその目標軌道STを適合するという目標を有する。
【0146】
図5は、車両制御機能50、駆動制御機能55、および車両通信デバイス80を有する本発明による車両システムSの一実施形態を示す。この実施形態では、車両通信デバイス80は、制御目標仕様、および任意選択で、いずれの場合も現在の実際の車両状態を受け取り、駆動制御機能55を提供および送信することが提供される。
図5に示される実施形態では、車両通信デバイス80によって受け取られる制御目標仕様は、特に目標軌道追従コマンドおよび目標速度プロファイルであり、目標速度プロファイルは、それぞれの目標軌道STに沿って、または少なくとも目標軌道ST、200、300の移送領域215、315に沿って、任意選択で少なくとも1つの目標軌道STまたはそれぞれの目標軌道STとともに、目標速度を有する。制御目標仕様は、現在の値として、特に事前決定された時間間隔で、および特に車両通信デバイス80からの事前定義された反復率によって決定される。車両通信デバイス80への制御目標仕様の送信前に、制御目標仕様は、現在の実際の車両状態に基づいて決定されている。この場合、それぞれの現在の実際の車両状態は、外部デバイスによって決定され、外部デバイスは、車両の外側に配置され、特に動作区域B内に静止して配置されることが提供される。現在の実際の車両状態の決定は、いずれの場合も、概して、センサ・デバイス、たとえばカメラによって、動作面Eに対して割り当てられた座標系へのセンサ・データの対応する変換によって決定されることが可能である。任意選択で、それぞれの現在の実際の車両状態は、車両通信デバイス80からのそのような座標系の値として受け取られる。この実施形態では、それぞれの目標軌道STおよびそれぞれの現在の実際の車両状態に基づいて、外部デバイスによって、目標軌道追従コマンドがたとえば車両1の目標方向ベクトルとして決定され、また目標速度プロファイルが決定され、車両通信デバイス80へ送信され、その結果、これらの制御目標仕様は、車両通信デバイス80によって受け取られる。車両通信デバイス80は、それぞれの目標軌道STに対する目標軌道追従コマンド、およびそれぞれの現在の実際の車両状態を、本明細書に記載する一実施形態による制御目標仕様として、駆動制御機能55へ送信する。それぞれの制御目標仕様に基づいて、駆動制御機能55は、車両1の速度ベクトルを調整するための制御コマンドを決定し、制御コマンドは駆動デバイス30へ送信される。制御コマンドは、たとえば、操舵コマンドまたは方向変更コマンドまたは加速度コマンドを含むことが可能である。制御コマンドは、駆動デバイス30が走行ギア制御コマンドに変換するのに好適であり、走行ギア制御コマンドは、走行ギア5へ送信され、走行ギア5が目標軌道STに沿って、特に移送領域215、315に沿って車両1を動かすことが好適であり、その結果、少なくとも目標移送点211、311、311を備える区域内で、または目標移送点211、311内で、車両1の移送加速度が達成されることを実現する。
【0147】
図6は、車両制御機能50、駆動制御機能55、および車両通信デバイス80を有する本発明による車両システムSのさらなる実施形態を示す。この実施形態では、車両通信デバイス80は、現在の実際の車両状態、および少なくとも1つの目標軌道STを、たとえばデータまたは数学関数の形態で受け取ることが提供される。それぞれの現在の実際の車両状態は、概して、センサ・デバイスによって、動作面Eに対して割り当てられた座標系へのセンサ・データの対応する変換によって決定されることが可能である。現在の実際の車両状態および少なくとも1つの目標軌道STは、目標軌道追従機能60へ送信される。目標軌道追従機能60は、現在の実際の車両状態および目標軌道STのそれぞれの点の割当てを実行し、それぞれ現在の実際の車両状態に対する目標軌道追従コマンドを決定する。目標軌道追従機能60は、本明細書に記載する一実施形態によって実現されることが可能である。
【0148】
さらに、車両通信デバイス80は、少なくとも1つの目標軌道STを負荷移送制御機能70へ送信する。負荷移送制御機能70は、本明細書に記載する一実施形態によって実現されることが可能である。負荷移送制御機能70は、本明細書に記載する一実施形態によって、それぞれの目標軌道STに対して、いずれの場合も目標速度プロファイルを決定し、少なくとも目標移送点211のうちの1つにおいて、車両1の目標加速度が、所望の目標軌道STのうち目標軌道STを備える区分内で、または移送点211、311内で定義される。
【0149】
目標軌道追従機能60は、目標軌道追従コマンドを駆動制御機能55へ送信し、負荷移送制御機能70は、それぞれの目標軌道STに対する、または少なくとも目標軌道ST、200、300の移送領域215、315に沿った目標速度プロファイルを、駆動制御機能55へ送信する。これらの制御目標仕様は、現在の値として、特に事前決定された時間間隔で、特に事前決定された反復率で、駆動制御機能55へ送信される。制御目標仕様は、時間的に統合された形で、すなわちそれぞれの現在の時点に対して、特にデータ・パケットとして、またはデータ構造内で、駆動制御機能55へ送信されることが可能である。駆動制御機能55は、目標軌道追従コマンドおよび目標速度プロファイルから、任意選択でそれぞれの目標軌道STによって、制御コマンドを決定し、制御コマンドを駆動デバイス30へ送信する。制御コマンドは、たとえば、操舵コマンドまたは方向変更コマンドまたは加速度コマンドを含むことが可能である。制御コマンドは、駆動デバイス30が走行ギア・コマンドに変換するのに好適であり、走行ギア・コマンドは、走行ギア5へ送信され、走行ギア5が目標軌道STに沿って、特に移送領域215、315に沿って車両1を動かし、このプロセスにおいて、達成されるべき車両1の移送加速度が、少なくとも目標移送点211、311のうちの1つにおいて実現されることが好適である。
【0150】
図6の実施形態に対する代替として、目標軌道追従機能60は、外部デバイス、たとえば動作区域B内に静止して配置された物流中心デバイス300内に配置されることが可能であり、その結果、目標軌道追従コマンドは、任意選択で少なくとも1つの目標軌道STまたはそれぞれの目標軌道STとともに、車両通信デバイス80へ送信され、車両通信デバイス80によって受け取られ、駆動制御機能55へ送信される。この代替では、車両制御機能50は負荷移送制御機能70を備え、負荷移送制御機能70は、それぞれの目標軌道STに対する目標速度プロファイルを駆動制御機能55へ送信する。駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能は、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されてよい。
【0151】
図6の実施形態に対するさらなる代替として、負荷移送制御機能70は、外部デバイス、たとえば動作区域B内に静止して配置された物流中心デバイス300内に一体化されてよく、その結果、目標速度プロファイルは、任意選択で少なくとも1つの目標軌道STまたはそれぞれの目標軌道STとともに、車両通信デバイス80へ送信されることが可能であり、車両通信デバイス80から駆動制御機能55へ送信されることが可能である。この代替では、車両制御機能50は目標軌道追従機能60を備え、目標軌道追従機能60は、それぞれの目標軌道STに対する目標軌道追従コマンドを駆動制御機能55へ送信する。
【0152】
図6を参照して記載される実施形態では、別法または追加として、車両制御機能50が、少なくとも1つの目標軌道STを記憶していることが提供されてよい。この目的で、別法または追加として、車両制御機能50が、本明細書に記載する方法によって設計された目標軌道決定機能を備え、それぞれの目標軌道STを決定し、それぞれの目標軌道STを目標軌道追従機能60へ、適当な場合は負荷移送制御機能70へ送信することが提供されてよい。別法または追加として、負荷移送制御機能70は、本明細書に記載する方法によって設計された速度決定機能を備え、それぞれの目標軌道STに対する、または少なくとも目標軌道ST、200、300の移送領域215、315に沿った目標速度プロファイルを決定することも提供されてよい。
【0153】
図6を参照して記載される実施形態では、制御目標仕様の送信およびその実施形態が実施されることが可能であり、駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能は、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されてよい。
【0154】
本発明のさらなる態様によれば、物流システムAは、中心デバイス300および少なくとも1つの車両システムSを有する物流システムを備える。
図7に示される物流システムAの一実施形態では、物流中心デバイス400は、車両識別デバイス440を備え、車両識別デバイス440によって、いずれの場合も、それぞれの現在の実際の車両状態、特に現在の実際の車両位置、および任意選択で現在の実際の車両の向きを定義するデータが決定される。さらに、物流中心デバイス400は、物流通信デバイス480を備え、物流通信デバイス480は、現在の実際の車両状態を、少なくとも1つの車両システムSの車両通信デバイス80へ送信する。この場合、示されているように、少なくとも1つの目標軌道STが、物流中心デバイス400内に、この場合たとえば物流制御機能450内に提供または記憶され、少なくとも1つの目標軌道STが、物流通信デバイス480からそれぞれの車両システムSへ送信されることが提供されることも可能である。別法または追加として、物流中心デバイス400または物流制御機能450は、本明細書に記載する実現のうちの1つによって設計される目標軌道決定機能を備え、少なくとも1つのそれぞれの目標軌道STを決定し、少なくとも1つのそれぞれの目標軌道STを目標軌道追従機能60へ、および適当な場合は負荷移送制御機能70へ送信することが提供されることが可能である。これらの実現の場合、別法または追加として、少なくとも1つの目標軌道STが、車両制御機能50内に提供もしくは記憶されること、および/または車両制御機能50が、本明細書に記載する実現のうちの1つによって実行される目標軌道決定機能を含み、少なくとも1つのそれぞれの目標軌道STを決定し、適当な場合、負荷移送制御機能70が送信されることが提供されてよい。
【0155】
図7を参照して記載される実施形態では、制御目標仕様の送信およびその実施形態、駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能が、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されてよい。
【0156】
図7を参照して記載される実施形態では、駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能は、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されてよい。
【0157】
図8に示される物流システムAの一実施形態では、物流中心デバイス400は、車両識別デバイス440を備え、車両識別デバイス440は、
図7を参照して記載されるように、物流制御機能450および負荷移送制御機能470を含むように設計されることが可能である。負荷移送制御機能470は、負荷移送制御機能に関して本明細書に概略的に記載する機能によって実現されてよい。物流制御機能450は、少なくとも1つの目標軌道STを提供する。物流制御機能450は、
図7を参照して記載される一実施形態によって実現される。物流中心デバイス400は、物流通信デバイス480を備える。物流制御機能450は、少なくとも1つの目標軌道STを物流通信デバイス480へ送信する。負荷移送制御機能470は、本明細書に記載する一実施形態によって、それぞれの目標軌道STに対する目標速度プロファイルを、少なくとも目標軌道ST、200、300の移送領域215、315に沿って送信する。目標速度プロファイルは、特に、少なくとも目標軌道STのうち目標移送点211を備える区分内で、または移送点211、311内で、車両1の目標加速度が定義されるように設計されることが可能である。物流通信デバイス480は、現在の実際の車両状態、特に現在の実際の車両位置、および任意選択で現在の実際の車両の向き、いずれの場合も少なくとも1つの目標軌道ST、および目標速度プロファイルを、車両通信デバイス80へ送信する。
【0158】
車両制御機能50は、目標軌道追従機能60を備え、目標軌道追従機能60は、少なくとも1つの目標軌道STおよびそれぞれの現在の実際の車両状態を、車両通信デバイス80から受け取る。目標軌道追従機能60は、目標軌道追従機能に関して本明細書に概略的に記載する機能によって実現されることが可能である。
【0159】
目標軌道追従機能60は、目標軌道追従コマンドを駆動制御機能55へ送信する。車両通信デバイス80は、それぞれの目標軌道STに対して、本明細書に記載する一実施形態で実現されることが可能である目標速度プロファイルを、駆動制御機能55へ送信する。これらの制御目標仕様は、現在の値として、特に事前決定された時間間隔で、特に事前決定された反復率で、駆動制御機能55へ送信される。これらの制御目標仕様は、現在の値として、特に事前決定された時間間隔で、駆動制御機能55へ、事前決定された反復率で送信される。
図7を参照して記載される実施形態では、駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能は、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されることが可能である。
【0160】
図9に示される物流システムAの一実施形態では、物流中心デバイス400は、車両識別デバイス440を備え、車両識別デバイス440は、
図7を参照して記載されるように、物流制御機能450および目標軌道追従機能460を含むように設計されることが可能である。目標軌道追跡機能460は、目標軌道追従機能に関して本明細書に概略的に記載する機能によって実現されてよい。物流制御機能450は、少なくとも1つの目標軌道STを提供する。物流制御機能450は、
図7を参照して記載される一実施形態によって実現される。物流中心デバイス400は、物流通信デバイス480を備える。物流制御機能450は、少なくとも1つの目標軌道STを物流通信デバイス480へ送信する。目標軌道追従機能460は、現在の実際の車両状態および目標軌道STのそれぞれの点の割当てを行い、それぞれ現在の実際の車両状態に対する目標軌道追従コマンドを決定する。目標軌道追従機能60は、本明細書に記載する一実施形態によって実現されることが可能である。目標軌道追従機能60は、本明細書に記載する一実施形態によって、それぞれの目標軌道STおよびそれぞれの現在の実際の車両状態に対する目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを物流通信デバイス480へ送信する。物流通信デバイス380は、それぞれの現在の目標軌道追従コマンド、および任意選択で少なくとも1つの目標軌道STを、車両通信デバイス80へ送信する。
【0161】
車両制御機能50は、負荷移送制御機能70を含む。車両通信デバイス80は、少なくとも1つの目標軌道STを負荷移送制御機能70へ、任意選択でそれぞれの現在の実際の車両状態とともに送信する。負荷移送制御機能70は、負荷移送制御機能に関して本明細書に概略的に記載する機能によって実現されてよい。負荷移送制御機能70は、それぞれの目標軌道STに対して、いずれの場合も本明細書に記載する特有の実施形態による目標速度プロファイルを、少なくとも目標軌道ST、200、300の移送領域215、315に沿って決定し、車両1の目標加速度は、少なくとも目標軌道STのうち目標移送点211、311を備える区分内で、または移送点211、311で定義される。負荷移送制御機能70は、それぞれの目標軌道STに対する目標速度プロファイルを駆動制御機能55へ、本明細書に記載する一実施形態による制御目標仕様として送信する。車両通信デバイス80は、それぞれの目標軌道STおよびそれぞれの現在の実際の車両状態に対する目標軌道追従コマンドを、本明細書に記載する一実施形態による制御目標仕様として、駆動制御機能55へ送信する。
【0162】
これらの制御目標仕様は、現在の値として、特に事前決定された時間間隔で、特に事前決定された反復率で、駆動制御機能55へ送信される。
図7を参照して記載される実施形態では、駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能は、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されることが可能である。
【0163】
図10に示される物流システムAの一実施形態では、物流中心デバイス400は、車両識別デバイス440を備え、車両識別デバイス440は、
図7を参照して記載されるように、物流制御機能450、目標軌道追従機能460、および負荷移送制御機能470を含むように設計されることが可能である。目標軌道追従機能460は、目標軌道追従機能に関して本明細書に概略的に記載する機能によって実現されることが可能である。負荷移送制御機能470は、負荷移送制御機能に関して本明細書に概略的に記載する機能によって実現されてよい。物流制御機能450は、少なくとも1つの目標軌道STを提供する。物流制御機能450は、
図7を参照して記載される一実施形態によって実現される。物流中心デバイス400は、物流通信デバイス480を備える。任意選択で、物流制御機能450は、少なくとも1つの目標軌道STを物流通信デバイス480へ送信する。目標軌道追従機能460は、現在の実際の車両状態および目標軌道STのそれぞれの点の割当てを実行し、それぞれ現在の実際の車両状態に対する目標軌道追従コマンドを決定する。目標軌道追従機能60は、本明細書に記載する一実施形態によって、それぞれの目標軌道STおよびそれぞれの現在の実際の車両状態に対する目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンド、および任意選択で少なくとも1つの目標軌道STを、物流通信デバイス480へ送信する。負荷移送制御機能470は、本明細書に記載する一実施形態によって、目標速度プロファイルを、少なくとも目標軌道ST、200、300のそれぞれの目標軌道STの移送領域215、315に沿って送信する。目標速度プロファイルは、特に、少なくとも目標移送点211の1つにおいて、車両1の目標加速度が、目標軌道STのうち目標軌道STを有する区分内で、または移送点211、311で定義されるように設計されてよい。物流通信デバイス480は、それぞれの現在の目標軌道追従コマンド、任意選択でそれぞれの現在の実際の車両状態、任意選択で少なくとも1つの目標軌道ST、および目標速度プロファイルを、車両通信デバイス80へ送信する。
【0164】
車両制御機能50は、
図6を参照して記載される一実施形態によって実現されてよい。これらの制御目標値は、現在の値として、特に事前決定された時間間隔で決定され、特に事前決定された反復率で駆動制御機能55へ送信される。
図10を参照して記載される実施形態では、駆動制御機能55および駆動デバイス30の機能は、
図5または
図6を参照して本明細書に記載する一実施形態によって実現されてよい。
【0165】
本明細書に前述の指定される各軌道追従機能60は、動作区域内に静止して配置された物流中心デバイス400の軌道制御機能の機能的構成要素とすることが可能である。
本発明のさらなる態様によれば、車両1から単位負荷受取りデバイスへ単位負荷Lを移送する方法が、動作区域内に提供される。特に、車両1は、走行ギア5と、走行ギア5に対して接続され、動作区域の動作面上の車両1の速度ベクトルを調整する駆動デバイス30と、走行ギア5上に配置され、単位負荷Lを受け取るための受取り構成要素7を有する車両フレーム10とを備える。本発明による方法は、
制御目標仕様に基づいて、制御コマンドを決定し、制御コマンドを駆動デバイス30へ送信して、車両1のそれぞれの現在の速度ベクトルを設定する工程と、
それぞれの速度ベクトルで車両が動かされるとき、いずれの場合も、少なくとも目標軌道に対する実際の車両位置によって、現在の実際の車両状態間の偏差関係を決定する工程であり、目標軌道が、始点と終点との間を走り、単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点を有する移送領域を備える、決定する工程と、
偏差関係から、目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信する工程であり、車両が、目標軌道に沿って、制御コマンドによって、車両運動経路上を動かされる、送信する工程と、
車両の目標速度プロファイルに基づいて、特に目標軌道追従機能の起動に基づいて、本明細書に記載する負荷移送制御機能によって実施されることが可能である速度コマンドを決定し、速度コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信する工程であり、速度コマンドが、目標移送点内の車両の移送速度を調整し、車両の受取り構成要素上に配置された単位負荷Lが、その質量慣性の結果として、単位負荷受取りデバイス上へ動かされる、送信する工程とを含む。
【0166】
偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして駆動デバイスへ送信することが、本明細書に記載する目標軌道追従機能によって行われることが可能である。
【0167】
車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを決定することが、本明細書に記載する負荷移送制御機能によって行われることが可能であり、特に目標軌道追従機能の起動に基づいて実施されることが可能である。
【0168】
概して、制御目標仕様は、任意の関連する時点で、それぞれの時点、特に車両システムSの各計算時間の車両1の現在の状態に関連して設定され、この場合、車両1の目標状態は、任意選択で、車両1の現在の状態と比較され、いずれの場合もそこから駆動デバイス30に対する制御コマンドを決定することが提供されることが可能である。制御コマンドは、それぞれの時点の車両1の現在の状態が、それぞれの時点に関連する目標状態に変化するように決定される。それぞれの時点に対する制御コマンドは、特に知られている制御方法または推定方法を使用して決定されることが可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-10-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作区域(B)において単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送するための車両(1)であって、前記車両(1)が、走行ギア(5)と、前記走行ギア(5)に対して接続され、前記車両(1)の速度ベクトルを調整するための制御コマンドに基づいて前記走行ギアを駆動する駆動デバイス(30)と、前記走行ギア(5)上に配置され、前記単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を備える車両フレーム(10)とを備え、前記車両(1)が、車両制御機能(50)を有する車両システム(S)を備え、
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、前記目標軌道追従コマンドによって、前記車両(1)が、車両運動経路(210、310)上を目標軌道(ST)に沿って動かされ、前記目標軌道(ST)が、始点(201、301)と終点(202、302)との間を延びているとともに、前記単位負荷受取りデバイスに関連付けられた目標移送点(211、311)を有する移送領域(215、315)を備え、
前記車両制御機能(50)が、少なくとも前記目標軌道(ST、200、300)の前記移送領域(215、315)に対して、目標速度プロファイルを制御目標仕様として使用または決定し、
前記車両制御機能(50)が、前記制御目標仕様を、実際の車両状態に対応する現在の目標速度ベクトルを定める制御コマンドに変換する駆動制御機能(55)を備え、
前記駆動デバイス(30)が、前記制御コマンドに基づいて、少なくとも前記車両(1)の前記受取り構成要素(7)上に配置された前記単位負荷(L)が前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされる前記目標移送点(211、311)を備える区分において、前記車両(1)の移送加速度を実現する、車両(1)。
【請求項2】
前記車両制御機能(50)が目標軌道追従機能(60)を備え、前記目標軌道追従機能(60)は、前記車両が動かされるとき、
現在の実際の車両状態を、少なくとも目標軌道に対する実際の車両位置により、偏差関係とし、
前記偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、
前記目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして前記駆動制御機能(55)へ送信する、請求項1に記載の車両(1)。
【請求項3】
前記車両制御機能(50)が負荷移送制御機能(70)を備え、前記負荷移送制御機能(70)が、前記車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを決定し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動制御機能(55)へ送信し、前記駆動制御機能(55)が、前記目標移送点(211、311)における前記車両の移送速度を設定し、
前記移送領域(215)の形状、前記単位負荷受取りデバイス(100)に対する前記
目標移送点(211)の位置、および前記移送速度が、前記車両の前記受取り構成要素上に配置された前記単位負荷(L)が前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされるように設定される、請求項1または2に記載の車両(1)。
【請求項4】
前記負荷移送制御機能(70)が、前記目標移送点(211)における前記車両(1)の目標速度を定める、請求項3に記載の車両(1)。
【請求項5】
前記負荷移送制御機能(70)が、前記移送領域(215、315)における前記車両(1)の目標加速度を定める、請求項3または4に記載の車両(1)。
【請求項6】
目標速度プロファイルが前記負荷移送制御機能(70)において事前決定される、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項7】
前記車両制御機能(50)において、
(ST1)前記車両が横方向の加速度を受けるように、前記移送
領域(215、315)が、前記車両が前記単位負荷受取りデバイス(100)に対して通り過ぎるように前記車両を案内するとともに、実質的に均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが、前記湾曲区分の凸面側に配置されること、および、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイス(100)に対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方
の代替手段に従って定められている目標軌道が記憶されている、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項8】
速度決定機能が、前記移送領域(215、315)のプロファイル(ST1)およびプロファイル(ST2)、すなわち
(ST1)前記車両が横方向の加速度を受けるように、前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記単位負荷受取りデバイス(100)に対して通り過ぎるように前記車両を案内するとともに、実質的に均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが、前記湾曲区分の凸面側に配置されること、および、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイス(100)に対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方または両方に基づいて、前記目標速度プロファイルを決定する、請求項
6に記載の車両(1)。
【請求項9】
前記車両制御機能(50)における前記目標軌道が、事前決定された目標軌道として記憶されており、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道追従機能(60)に前記目標軌道を提供する、請求項2乃至
7のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項10】
前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道を前記目標軌道追従機能へ提供する、請求項1乃至
8のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項11】
前記車両システム(S)が、前記動作区域(B)において静止して配置された物流中心デバイスとデータまたは信号接続
可能な車両通信デバイス(80)を備え、前記車両通信デバイス(80)が、前記物流中心デバイスから制御目標仕様を受け取り、該制御目標仕様を車両制御機能(50)に送信する、請求項1乃至
10のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項12】
前記車両システム(S)が、車両通信デバイス(80)を備え、前記車両通信デバイス(80)が、前記動作区域(B)において静止している物流中心デバイス(400)に対して無線接続されることが可能であり、少なくとも実際の車両位置を含む現在の車両状態を定めるデータを受け取り、該データを前記車両制御機能(50)へ送信する、請求項1乃至
11のいずれか1項に記載の車両(1)。
【請求項13】
前記車両システムが、現在の実際の車両位置を捕捉するセンサ・デバイスを備え、前記センサ・デバイスが、前記車両制御機能(50)に対して動作可能に接続され、前記現在の実際の車両位置を前記車両制御機能(50)へ送信する、請求項1乃至
12のいずれか1項に記載の車両。
【請求項14】
前記センサ・デバイスが
、動作面(B)の光学的フロア特徴またはフロア・マーキングをそれぞれ撮像する光学センサまたはカメラを備え、前記光学的フロア特徴またはフロア・マーキングが、前記光学センサによって捕捉されることが可能であり、前記車両システムが、識別機能を備え、前記識別機能によって、前記動作面(B)上に配置された地面特徴またはフロア・マーキングの現在のマッピングに基づいて前記実際の車両位置が決定される、請求項
13に記載の車両。
【請求項15】
動作区域(B)において静止して配置され、物流通信デバイス(480)を備える物流中心デバイス(400)と、
前記動作区域(B)において配置された単位負荷受取りデバイス(100)と、
前記単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送するための車両(1)と、を備え、
前記車両(1)が、
走行ギア(5)と、
前記走行ギア(5)と通信しており、前記動作区域(B)の動作面(E)上で前記車両(1)の速度ベクトルを調整する駆動デバイス(30)と、
前記走行ギア(5)上に配置され、前記単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を備える車両フレーム(10)と、
車両システム(S)と、を備え、
前記車両システム(S)が、
前記駆動デバイス(30)に対して機能的に接続され、制御目標仕様に基づいて制御コマンドを決定し、前記
制御コマンドを前記駆動デバイス(30)へ送信して、前記車両(1)の現在の速度ベクトルを調整する車両制御機能(50)と、
無線を介して前記物流通信デバイス(480)とデータまたは信号接続しており、前記車両制御機能(50)に対して機能的に接続された車両通信デバイス(80)と、を備え、
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従コマンドを制御目標仕様として使用または決定し、前記目標軌道追従コマンドによって、前記車両(1)が目標軌道(ST)に沿って車両運動経路(210、310)上を動かされ、前記目標軌道(ST)が、始点と終点との間を延びているとともに、前記単位負荷受取りデバイスに対して割り当てられた目標移送点(211、311)を有する移送領域(215、315)を備え、
前記車両制御機能(50)が、少なくとも前記目標軌道(ST、200、300)の前記移送領域(215、315)について、目標速度プロファイルを制御目標仕様として使用または決定し、
前記車両制御機能(50)が、前記制御目標仕様を、現在の車両状態に対応する現在の目標速度ベクトルを定める制御コマンドに変換する駆動制御機能(55)を備え、
前記駆動デバイス(30)が、前記制御コマンドに基づいて、少なくとも前記車両の前記受取り構成要素上に配置された前記単位負荷(L)が前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)上へ動かされる前記目標移送点(211、311)を備える区分において、前記車両(1)の移送加速度を実現する、
物流システム(A)。
【請求項16】
前記物流中心デバイス(400)が、複数の現在の実際の車両位置のそれぞれの決定のための車両識別デバイス(440)を備え、前記車両識別デバイスが、前記物流通信デバイス(480)に対して機能的に接続され、決定された前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを前記物流通信デバイス(480)へ送信し、前記物流通信デバイスが、無線接続を介して前記車両通信デバイス(80)に対して接続され、前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを前記車両通信デバイス(80)へ送信し、
前記車両制御機能(50)が、前記車両通信デバイス(80)に対して動作可能に接続され、前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれを受け取り、
前記車両制御機能(50)が、目標軌道追従機能(60)を備え、前記目標軌道追従機能(60)が、受け取られた前記複数の現在の実際の車両位置のそれぞれ、および前記目標軌道に基づいて、目標軌道追従コマンドを決定し、制御コマンドを前記駆動デバイス(30)へ送信し、
前記車両制御機能(50)が、負荷移送制御機能(70)を備え、前記負荷移送制御機能(70)が、前記車両の目標速度プロファイルに基づいて速度コマンドを生成し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する、
請求項
15に記載の物流システム(A)。
【請求項17】
車両(1)から動作区域(B)における単位負荷受取りデバイス(100)へ単位負荷(L)を移送する方法であって、前記車両が、走行ギア(5)と、前記走行ギア(5)に対して接続され、制御コマンドに基づいて、前記動作区域の動作面上で前記車両(1)の速度ベクトルを調整する駆動デバイス(30)と、前記走行ギア(5)上に配置され、単位負荷(L)を受け取るための受取り構成要素(7)を備える車両フレーム(10)とを備え、前記方法が、
速度ベクトルで前記車両(1)が動くとき、少なくとも目標軌道(ST、200、300)に対する現在の実際の車両位置によって、複数の現在の実際の車両状態それぞれの間の偏差関係を決定する決定工程であって、前記目標軌道が、始点(201、301)と終点(202、302)との間を延びているとともに、前記単位負荷受取りデバイス(100)に関連付けられた目標移送点(211、311)を有する移送領域(215、315)を備える、決定工程と、
前記偏差関係から目標軌道追従コマンドを決定し、前記目標軌道追従コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する送信工程であって、前記制御コマンドによって、前記車両(1)の現在の速度ベクトルが調整され、前記車両(1)が車両運動経路上を前記目標軌道(ST、200、300)に沿って動かされる、送信工程と、
前記車両の目標速度プロファイルに基づいて、速度コマンドを決定し、前記速度コマンドを制御コマンドとして前記駆動デバイス(30)へ送信する送信工程であって、前記速度コマンドが、前記目標移送点(211、311)における前記車両(1)の移送加速度を調整し、前記車両(1)の前記受取り構成要素(7)上に配置された前記単位負荷(L)が、前記単位負荷(L)の質量慣性によって前記単位負荷受取りデバイス(100)へ動かされる、送信工程とを備える方法。
【請求項18】
前記目標軌道に沿って駆動するとき、前記車両(1)に対する速度プロファイルが事前定義される、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
前記移送加速度が、前記移送領域(215、315)のプロファイル(ST1)およびプロファイル(ST2)、すなわち
(ST1)前記車両が横方向の加速度を実現するように、前記移送
領域(215、315)が、前記単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように前記車両を案内し、実質的に均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが前記湾曲区分の凸面側に配置されること、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイスに対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方または両方に基づいて決定される、
請求項
17または
18に記載の方法。
【請求項20】
前記目標軌道が、事前定義された目標軌道である、請求項
17乃至
19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
目標軌道が、2つの代替手段(ST1)および代替手段(ST2)、すなわち、
(ST1)前記車両が横方向の加速度を実現するように、前記移送
領域が、前記単位負荷受取りデバイスに対して通り過ぎるように前記車両を案内し、均一の湾曲を有する湾曲区分を備え、前記単位負荷受取りデバイスが前記湾曲区分の凸面側に配置されること、および、
(ST2)前記移送領域(215、315)が、前記車両が前記目標移送点(211、311)において前記単位負荷受取りデバイスに対して衝突するとともに前記目標移送点(211、311)において運動方向を反転するよう、前記車両を案内すること、
のうちの一方に従って定められる、請求項
17乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道を決定する目標軌道決定機能を備え、前記車両制御機能(50)が、前記目標軌道追従機能(60)の前記目標軌道を提供し、
前記目標軌道決定機能が、前記移送領域において制御目標仕様として定められる目標速度プロファイルの場合、および/または前記車両の前記目標移送点における制御目標仕様として定められる目標加速度の場合、前記車両1の前記移送加速度が実現されることを確実にするために、軌道進路基準(TK1)、軌道進路基準(TK2)、軌道進路基準(TK3)、軌道進路基準(TK4)、軌道進路基準(TK5)、軌道進路基準(TK6)、すなわち
(TK1)前記現在の車両位置または前記目標軌道(ST)の前記始点から前記目標移送点(211、311)までの最小長さ、
(TK2)最小移送速度、
(TK3)前記現在の車両位置または前記目標軌道(ST)の前記始点から前記目標移送点(211、311)までの最小継続時間、
(TK4)前記実際の車両位置または前記目標軌道STの前記始点から前記目標移送点(211、311)へ前記車両1を駆動するための最小エネルギー要求または最小エネルギー消費、
(TK5)前記車両1から前記単位負荷受取りデバイス(100)への前記単位負荷Lの確実な/プロセス安全性の高い移送または動作不良なし、および、
(TK6)前記単位負荷受取りデバイス(100)における空間の最小利用、のうちの1つまたは複数を使用する、
請求項
17乃至
21のいずれか1項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
本発明による車両の実施形態では、速度プロファイル基準が、車両の加速度値であることが可能である。
速度決定機能を有する本発明による車両の実施形態では、速度決定機能は、少なくとも1つの速度プロファイル基準に基づいて、移送点内の目標加速度に対する値を決定し、これから目標速度または目標加速度を有する目標速度プロファイルを決定してよい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0114】
本発明によれば、車両1に対して制御目標仕様が提供され、制御目標仕様から、目標移送点211、311内、または目標移送点211、311へ延びる移送領域215の少なくとも1つの区分内で、移送領域215、315の特有の形態によって、車両1の移送加速度、および任意選択で横方向移送加速度、および/または負の長手方向移送加速度がもたらされる。本発明の実施形態によれば、目標軌道STは、目標移送点211、311が、単位負荷受取りデバイス100または単位負荷受取りデバイス100の接触面105に対して、単位負荷受取りデバイス100またはその接触面105上で、車両1の接触もしくは当接もしくは停止を引き起こさない位置、または多少強力な接触もしくは当接もしくは停止を引き起こす位置を有するプロファイルを有することが可能であり、目標移送点211内で、車両1の移送加速度、すなわち現在の移送加速度を実施するために、事前定義もしくは決定された目標速度ベクトルまたは事前定義もしくは決定された目標速度、および目標軌道STの形態に応じて、任意選択でさらに車両1の事前定義または決定された目標加速度、特に負の目標加速度が提供され、それによって加速度仕様(b1)、(b2)、(b3)、すなわち
(b1)横方向移送加速度、
(b2)現在の車両速度の低減を伴う負の長手方向移送加速度、
(b3)横方向移送加速度および負の長手方向移送加速度の組合せ、のうちの1つまたは複数が実現される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0127】
図4の目標軌道STが示すように、移送領域
315は、湾曲して走ることが可能であり、単位負荷受取りデバイス100は、目標軌道STの凸面側に位置する。加えて、これは、たとえば動作面Eの側で単位負荷受取りデバイス100から距離D2をあけた場合に当てはまることがある。この距離D2は、車両1が目標軌道
300上を単位負荷受取りデバイス100に対して通り過ぎるように終点
302まで動く間に、車両1と単位負荷受取りデバイス100との間の接触が生じないように寸法設定されることが可能である。この場合、目標移送点
311内の必要とされる横方向移送加速度は、車両1が移送領域
315に沿って動く間に車両1に作用し、これは、制御目標仕様として定義される少なくとも1つの目標速度プロファイル、およびそれに応じて目標移送点
311または移送領域
315内の目標速度ベクトルから決定された制御コマンドに起因する。必要とされる移送加速度に到達することによって、受取り構成要素7から単位負荷受取りデバイス100への単位負荷Lの動きがその質量慣性によってもたらされる。この場合、特に、目標移送点
311を有する移送領域
315または移送領域
315の一部分内の目標速度プロファイルはまた、一定の車両速度を備えてよいが、軌道の少なくとも1つの部分に沿った車両速度の低減、すなわち車両制動、または軌道の少なくとも1つの部分に沿った車両速度の増大、すなわち車両加速度も有する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0128
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0128】
目標軌道300の進路の場合、湾曲した形状の移送領域315が提供され、そこで単位負荷受取りデバイス100が目標軌道STの凸面側に位置しており、目標移送点311と単位負荷受取りデバイス100との間の距離が、車両1と単位負荷受取りデバイス100との間に接触がなく、かつ目標移送点311が単位負荷受取りデバイス100に十分に近接して配置された距離D2より小さい場合、指示された目標速度ベクトルまたは指示された目標速度によって目標移送点311上を動く車両1は、
(i)移送区域315内の目標軌道300の湾曲した形状の移送領域315に沿った動きによって、移送加速度、特に横方向移送加速度の第1の成分を受け、
(ii)車両1を単位負荷受取りデバイス100に、または動作面Eに対向するその接触面105に当てることによって、移送加速度、特に横方向移送加速度の第2の成分を受ける。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0129
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0129】
距離D2が小さければ小さいほど、車両1が移送領域315内を単位負荷受取りデバイス100に沿って動く間に移送加速度、特に横方向移送加速度の第2の成分が大きくなる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0130
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0130】
本発明によれば、本明細書に記載または包含される物流システムの車両または方法のそれ以外の任意の変形形態または実施形態と組み合わせて、目標軌道STおよび/または移送領域、特に移送領域の形状は、いずれの場合も、単位負荷受取りデバイス100に対する移送点211、311の位置、または移送点211、311と単位負荷受取りデバイス100との間の距離によって、事前定義されることが可能である。これに対する代替として、本発明によれば、目標軌道STおよび/または移送領域、特に移送領域の形状が、目標軌道決定機能内で決定され、目標軌道決定機能が、車両システムS、または動作区域内に静止して配置された物流中心デバイス400内で実現されることが可能であることが提供されることが可能である。目標軌道決定機能内で決定される目標軌道STは、特に、始点301、終点302、および目標移送点311を有することが可能であり、移送領域315が、特に均一に湾曲したプロファイルでこれらの間に配置され、単位負荷受取りデバイス100は、移送領域315の湾曲の凸面側に位置する。目標軌道決定機能は、目標移送点211と単位負荷受取りデバイス100との間の距離D2が、事前決定または決定された量を備えるように設計されることが可能である。その結果、記載されるプロファイルを有する好適な目標軌道STおよび/または移送領域、特に移送領域の形状を決定することによって、必要とされる移送加速度、特に横方向移送加速度が実現されることが可能であり、これは、車両1の移送加速度、特に横方向移送加速度の第1の成分(i)、および任意選択でさらに移送加速度、特に横方向移送加速度の第2の成分(ii)に起因する。
【国際調査報告】